(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】発光装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/48 20100101AFI20240222BHJP
【FI】
H01L33/48
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019091547
(22)【出願日】2019-05-14
【審査請求日】2022-05-12
(32)【優先日】2018-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598061302
【氏名又は名称】晶元光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Epistar Corporation
【住所又は居所原語表記】21,Li-hsin Rd.,Science-based Industrial Park,Hsinchu 300,TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ミン-シュン シェ
【審査官】東松 修太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-251359(JP,A)
【文献】特表2014-515883(JP,A)
【文献】特開2018-060993(JP,A)
【文献】特開2010-251360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
H01L 21/52
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光装置を製造する方法であって、
第一基板を提供し;
前記第一基板の上に第一粘着部を形成し;
前記第一基板の上に設置される第一発光ダイオードを形成し;
中間層を含む第二基板を提供し;
前記第二基板の上に設置される第二発光ダイオードを形成し;
前記第二発光ダイオードを前記第一基板へ押すよう、第一突起部及び第二突起部を形成し;及び
前記第二発光ダイオードと、前記第一粘着部とを接続することを含み、
断面図において、前記第一突起部及び前記第二突起部は
オーバーラップせず、かつ
前記第二発光ダイオードの異なる位置を同時に押圧して前記第二発光ダイオードを前記第一基板へ押し、
前記異なる位置は、前記第二発光ダイオードの相対する両側に位置し、
前記断面図は、前記第二発光ダイオードが前記第一基板へ押される方向に平行な平面から取られる、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記第一基板に接続部を形成することをさらに含み、
前記第一粘着部は前記接続部を覆う、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記第一基板に第二粘着部を形成することをさらに含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記第二基板の上に設置される第三発光ダイオードを形成することをさらに含む、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記第三発光ダイオードは前記第一突起部によって前記第一基板へ押される、方法。
【請求項6】
請求項4に記載の方法であって、
前記第三発光ダイオードは前記第二突起部によって前記第一基板へ押される、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記断面図において、前記第一突起部
と前記第二突起部
との間には、前記中間層の一部が存在し、かつ前記中間層の前記一部は、突起しない、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及びその製造方法に関し、特に、発光素子を大量にトランスファーする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(Light-Emitting Diode)が各種の用途に広く用いられており、例えば、表示器の画素及びバックライトモジュールの光源とされ得る。表示器及びバックライトモジュールを製造するプロセスでは、如何に大量の発光ダイオードを表示器及びバックライトモジュールの回路板に効率よく設けるかが、製造プロセスにおける重要な課題の1つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、発光素子を大量にトランスファーする方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明では、発光装置の製造方法が提供され、それは、第一粘着部を含む第一基板を提供し、第一基板の上に設置される第一発光ダイオードを提供し、第二基板を提供し、第二基板の上に設置される第二発光ダイオードを提供し、第二基板の上に設置される第三発光ダイオードを提供し、及び第二発光ダイオードと第一粘着部とを接続することを含み、そのうち、第三発光ダイオードは、該二発光ダイオードと該第一粘着部とを接続する過程で第一発光ダイオードと重畳(overlap)する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。
【
図1B】本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。
【
図1C】本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。
【
図1D】本発明の実施例における発光装置を示す図である。
【
図2A】本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。
【
図2B】本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。
【
図2C】本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。
【
図3A】本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。
【
図3B】本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。
【
図3C】本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。
【
図3D】本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。
【
図4A】本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。
【
図4B】本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。
【
図4C】本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。
【
図4D】本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。
【
図4E】本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。
【
図4F】本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。
【
図4G】本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。
【
図5A】本発明の実施例における突起部及び粘着部を示す図である。
【
図5B】本発明の実施例における突起部及び粘着部を示す図である。
【
図5C】本発明の実施例における突起部及び粘着部を示す図である。
【
図5D】本発明の実施例における突起部及び粘着部を示す図である。
【
図5E】本発明の実施例における突起部及び粘着部を示す図である。
【
図5F】本発明の実施例における突起部及び粘着部を示す図である。
【
図5G】本発明の実施例における突起部及び粘着部を示す図である。
【
図6A】本発明の実施例における隔離部及び基板を示す図である。
【
図6B】本発明の実施例における隔離部及び基板を示す図である。
【
図6C】本発明の実施例における隔離部及び基板を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
【0007】
第1A図~第1C図は、本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。発光装置は、例えば、LEDチップ及び/又はLEDパッケージ及び/又はLEDチップスケールパッケージ(Chip Scale Package;CSP)を画素とする表示器、LEDチップ及び/又はLEDパッケージ及び/又はLEDチップスケールパッケージを光源として使用するバックライトモジュールである。本実施例の製造方法は、大量のLEDチップ及び/又はLEDパッケージ及び/又はLEDチップスケールパッケージを、表示器のバックプレート(Backplate)、バックライトモジュールのバックプレート、又は所定の目標キャリア(carrier)に迅速にトランスファーすることができる
第1A図に示すように、複数の第一発光素子101、例えば、LEDチップ及び/又はLEDパッケージ及び/又はLEDチップスケールパッケージは、中間層3により、第一基板201の上に設置される。第一基板201は、第一下表面2010及び第一上表面2011を有し、第一発光素子101は、中間層3により、第一下表面2010の下に設置される。そのうち、中間層3は、連続又は間欠的に第一基板201の第一下表面2010を覆うことができ、例えば、中間層3は、第一下表面2010の面積をほぼ又はすべて覆い、又は、第一下表面2010中の第一発光素子101に対応する領域のみを覆う。第一発光素子101は、基板(図示せず)、p型半導体層(図示せず)、n型半導体(図示せず)、発光層(図示せず)、第一電極120、及び第二電極121を有する。一実施例では、第一発光素子101は、基板を含まず、例えば、成長基板を含まない。また、第一発光素子101は、上表面1010、上表面1010に相対する下表面1011、及び上表面1010と下表面1011との間に位置する側表面1012を有する。そのうち、第一発光素子101は、上表面1010により、中間層3に接続される。一実施例では、下表面1011は、平面でなく、p型半導体層、n型半導体、及び発光層により構成される階段状表面であり、また、第一電極120及び第二電極121は、それぞれ、p型半導体層及びn型半導体に電気接続される。
【0008】
第1A図に示すように、第二基板202は、第二下表面2021及び第二上表面2020を有し、且つ第二基板202は、下表面1011に面する。複数の接続部104は、第二上表面2020に設置される。接続部104は、第一電極120及び第二電極121に電気接続するために用いられ、これにより、第一発光素子101と、電源(図示せず)及び/又は制御回路(図示せず)とを接続する。後続のステップでは、第一発光素子101は、第1B図や第1C図に示すように、第二基板202にトランスファーされて接続部104に電気接続される。
【0009】
第一発光素子101は、III-V族半導体材料により構成される半導体層を、非同調型光を発するように含んでも良く、III-V族半導体材料は、例えば、AlxInyGa(1-x-y)N又はAlxInyGa(1-x-y)Pであり、そのうち、0≦x≦1;0≦y≦1;(x+y)≦1である。また、材料の違いに基づいて、第一発光素子101は、ピーク波長が610nm~650nmの間の赤色光、ピーク波長が495nm~570nmの間の緑色光、ピーク波長が450nm~495nmの間の青色光、ピーク波長が400nm~440nmの間の紫色光、又はピーク波長が200nm~400nmの間の紫外光を発することができる。一実施例では、第一発光素子101は、発光層及び発光層の上に形成される波長変換材料を含み、波長変換材料は、量子ドット材料、蛍光粉材料、又は両者の組み合わせを含む。そのうち、蛍光粉材料は、黄緑色蛍光粉、赤色蛍光粉、又は青色蛍光粉を含んでも良い。黄緑色蛍光粉は、YAG、TAG、ケイ酸塩、バナジン酸塩、アルカリ土類金属セレン化物、及び金属窒化物を含む。赤色蛍光粉は、フッ化物(例えば、K2TiF6:Mn4+又はK2SiF6:Mn4+)、ケイ酸塩、バナジン酸塩、アルカリ土類金属硫化物、金属酸窒化物、及びタングステン酸塩とモリブデン酸塩との混合物を含む。青色蛍光粉は、BaMgAl10O17:Eu2+を含む。量子ドット材料は、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、テルル化亜鉛、酸化亜鉛、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、窒化ガリウム、リン化ガリウム、セレン化ガリウム、アンチモン化ガリウム、ヒ素化ガリウム、窒化アルミニウム、リン化アルミニウム、ヒ素化アルミニウム、リン化インジウム、ヒ素化インジウム、テルル、硫化鉛、アンチモン化インジウム、テルル化鉛、セレン化鉛、テルル化アンチモン、ZnCdSeS、CuInS、CsPbCl3、CsPbBr3、CsPbI3を含む。一実施例では、波長変換材料を含む第一発光素子101は、白色光を発することができ、そのうち、白色光は、10000K~20000Kの間の色温度を有し、且つCIE1931の色度図において色度座標(x,y)を有し、そのうち、0.27≦x≦0.285;0.23≦y≦0.26である。一実施例では、第一発光素子101が発する白色光は、2200~6500Kの間の色温度(例えば、2200K、2400K、2700K、3000K、5700K、6500K)を有し、且つCIE1931の色度図において、7-stepマクアダム楕円(MacAdam ellipse)内に位置する色度座標(x,y)を有する。
【0010】
第一基板201は、発光素子を載置するための基板である。一実施例では、第一基板201は、引き伸ばされた後に原状回復でき、又は、湾曲された後でも完全/部分的に原状回復し得るフレキシブル基板、例えば、ブルーフィルムである。実施例では、第一基板201は、室温で変形した後に回復できないリジッド基板、例えば、サファイア基板である。第二基板202は、トランスファーされる発光素子を引き受ける基板である。一実施例では、第二基板202は、導電材料及び絶縁材料を含むプリント回路板(Printed Circuit Board; PCB)である。導電材料は、例えば、銅、錫、金、銀、又はアルミニウムであり、電気絶縁材料は、例えば、エポキシ(Epoxy)、ガラス繊維、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、又はその組み合わせである。接続部104は、チタン、クロム、白金、銅、ニッケル、金、錫、又はこれらの材料の合金を含む。接続部104は、単層又は複層構造であっても良い。他の実施例では、第二基板202は、バックライトモジュール又は表示器のバックプレート(Backplate)である。
【0011】
第1B図に示すように、複数の粘着部5は、接続部104に設置され、各粘着部5は、一緒に、2つ又はより多くの接続部104を覆う。そのうち、粘着部5内には、導電粒子501が散布している。第1B図には、隔離部61、62は、第一基板201と第二基板202との間に選択的に設置され、第一基板201と第二基板202との間の距離を維持し、第一発光素子101が第一基板201から離れる前に接続部104又は粘着部5に接触することを避けるために用いられる。一実施例では、第一基板201と第二基板202との間で隔離部61、62により維持される距離は、第一発光素子101をトランスファーするステップにおいて終始第一発光素子101の高さの2倍よりも高い。他の実施例では、第一基板201と第二基板202との間の距離が他のものにより維持されるため、隔離部を設置する必要がない。一実施例では、隔離部61、62は、第二基板202の辺縁領域及び/又は中心領域の部分に設置されても良い。一実施例では、1つ又は複数の隔離部(図示せず)は、隔離部61、62の間に設けられる。隔離部61、62は、第一発光素子101をトランスファーする前に先に第一基板201又は第二基板202の上に設置されても良い。隔離部は、さらに、基板上で配列されて各種の図案を成しても良く、これについては、第6A図~第6C図及びその関連する段落を参照することができる。
【0012】
粘着部5は、物理的且つ電気的に第一発光素子101と接続部104とを接続するために用いられる。一実施例では、粘着部5は、絶縁材料、及び絶縁材料中に分散している導電粒子501を含み、導電粒子501は、熱を受けた後に、接続部104及び発光素子101の第一電極120及び第二電極121に集まり、これにより、第一発光素子101は、粘着部5の絶縁材料に集まった導電粒子501により、接続部104に電気接続することができる。絶縁材料は、例えば、シリコーン、エポキシなどであり、導電粒子501の材料は、例えば、錫、銅、銀、金などである。具体的に言えば、集まった後の導電粒子501は、電極と接続部とを接続する導電柱状構造を、第1D図に示すように形成することができる。一実施例では、粘着部5は、発光素子101に接した後の厚さが5マイクロメートル(μm)よりも小さい。一実施例では、粘着部5は、発光素子101に接した後の厚さが3μmよりも大きい。一実施例では、粘着部5は、発光素子101に接した後の厚さが1μm~4μmの間にある。一実施例では、粘着部5は、ACP(anisotropic conductive paste)又はACF(anisotropic conductive film)である。
【0013】
一実施例では、粘着部5は、絶縁材料のみからなる。第一電極120及び第二電極121には、接続部104に面する金属層(図示せず)を覆い、金属層は、複層又は単層構造であっても良い。金属層は、熱及び/又は圧力を受けた後に変形して接続部104と粘着部5との間の電気接続経路を形成し、且つ変形した金属層は、接続部104、第一電極120、及び第二電極121と物理的且つ電気的な接続を形成する。金属層は、鉛、錫、インジウム、金、又はこれらの材料の合金を含む。接続部104が粘着部5により覆われる前に、接続部104の表面及び金属層の表面は、酸化されてその上に酸化物を形成することができる。粘着部5がはんだ付用フラックス(flux)であるときに、粘着部5は、金属層及び接続部104の表面の酸化物をクリアすることができる。よって、粘着部5は、金属層と接続部104との間の結合力を向上させ、金属層の粘着部5内での変形を助けることができる。
【0014】
一実施例では、粘着部5は、絶縁材料及び導電粒子を含み、且つ第一電極120及び第二電極121は、複層金属構造である。一実施例では、第一電極120及び第二電極121の最外層の金属は、鉛、錫、インジウム、金、又はこれらの合金を含む。導電粒子は、熱及び/又は力を受けて電極120、121及び接続部104に集まり、その間において電気的且つ物理的な接続を形成することができる。
【0015】
第1C図に示すように、突起部30が中間層3の上に形成され、これにより、突起部30の真下に位置する第一発光素子101は、突起した突起部30により外へ中間層3から離れるように押される。一実施例では、1つの突起部30は、突起部30の真下にある1つの第一発光素子101を1つの粘着部5へ押す。第一発光素子101は、中間層3から離れた後に、再び第二基板202上の粘着部5に接する。言い換えると、第一発光素子101は、第一基板201と第二基板202との間において移動する過程で中間層3に接触せず、且つ第一発光素子101は、中間層3から離れた後の移動距離が、第一基板201と第二基板202との間の距離から第一発光素子101及び接続部104の高さを減算した後の値以下である。他の実施例では、中間層3は、起泡層(図示せず)及び粘着層(図示せず)を有し、且つ起泡層は、第一基板201と粘着層との間に位置し、粘着層は、直接、第一発光素子101に接続される。起泡層は、熱を受けた後に、1つ又は複数の気泡(図示せず)を生成することができ、気泡は、第一基板201から第二基板202への方向に隆起し、これにより、起泡層及び/又は粘着層は、外へ隆起して突起部30を形成することができる。前述のように、第二基板202へ押される第一発光素子101は、粘着部5により、第二基板202に固定することができる。他の実施例では、さらに、1つ又は複数の突起部30により、1つ又は複数の第一発光素子101を押すことができ、これに関連する説明については、後続の第5A図~第5G図及びその関連する段落を参照することができる。第1C図に示すように、第二基板202へ押される連続した2つの第一発光素子101は、第一基板201上で3つの第一発光素子101が隔たる。そのうち、3つの第一発光素子101は、本発明の範囲を限定するものでなく、第二基板202へ押される連続した2つの第一発光素子101は、第一基板201上で4つ又はより多くの第一発光素子101又は2つ又はより少ない第一発光素子101が隔たっても良い。トランスファーされる連続した2つの第一発光素子101の第一基板201上での間の第一発光素子101の数又は距離を選択することにより、第二基板202上で連続した2つの第一発光素子101の間の距離を決定することができる。
【0016】
一実施例では、中間層3は、レーザー光束照射を受けた後に、突起部30を形成することができる。レーザー光束の波長は、260~380ナノメトル(nm)であり、波長は、例えば、266nm、355nm、375nmである。一実施例では、起泡層は、熱を受けて気体を生成し、気体は、集まって気泡を形成した後に、起泡層及び/又は粘着層は、膨張して突起部を生成することができる。そのうち、気泡中の気体は、好ましくは、中間層3の外へ漏洩することがない。一実施例では、第一基板201は、レーザー光束に対しての透過率が90%よりも大きい透光性基板又は反射率が10%よりも小さい透光性基板であり、これにより、レーザー光束は、第一基板201を透過することができる。一実施例では、起泡層は、ポリイミドを含む。
【0017】
第1D図は、本発明の実施例における発光装置を示す図である。第1D図中の発光装置1000には、第一発光素子101、第二基板202、及び粘着部5が含まれる。第一発光素子101は、第二基板202に固定され、第一電極120及び第二電極121を有し、且つ第二基板202は、接続部104を有する。粘着部5は、導電粒子501を有し、一部の粘着部5内の導電粒子501は、集まって導電柱状構造502を成して第一発光素子101と接続部104とを電気接続することができ、残りの導電粒子501は、粘着部5内に分散している。一実施例では、柱状構造502は、第一発光素子101に近い上部5012、第二基板202に近い下部5010、及び上部と下部との間の頸部5011を含む。頸部5011の幅は、上部の幅5012よりも小さく、又は、下部5010の幅よりも小さい。そのうち、導電粒子501は、絶縁材料中に分散しており、第一、第二電極120、121又は接続部104に集まっていない。粘着部5は、熱及び/又は圧力を受て変形することができる。一実施例では、粘着部5は、少なくとも、側表面1012の一部を覆う。第一発光素子101は、中間層3から離れたときに、一部が第一発光素子101に残る可能性がある。一実施例では、第二基板202は、第二上表面2020及び/又は第二下表面2021に設置される回路、能動式電子素子、及び/又は被動式電子素子(図示せず)を有する。これらの素子及び回路は、単一の第一発光素子101又は複数の第一発光素子101を制御するために用いられる。そのうち、導電線路は、金属線路(例えば、銅線路、アルミニウム線路、金線路)であり、能動式電子素子は、例えば、制御チップ及びトランジスタであり、被動式電子素子は、例えば、抵抗及びコンデンサである。
【0018】
第2A図~第2C図は、本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。第2A図は、第一発光素子101が既に粘着部5により第二基板202に接続されている場合に、第三基板203の上に位置する第二発光素子102が第二基板202へ押されることを示す図である。第2A図の上半部に示されるのは、第二基板202及び第二基板202に位置する第一発光素子101、粘着部5、及び接続部104を提供し、及び、第三基板203及び第三基板203に位置する中間層3と第二発光素子102とを提供し、また、第二基板202と第三基板203との間の隔離部61、62を提供することである。第2A図の下半部に示されるのは、第二基板203に位置する第二発光素子102を第二基板202にトランスファーすることである。言い換えると、第1A図~第1C図に示すように、第一発光素子101が第二基板202にトランスファーされた後に、続いて、発光素子102が配置されている第三基板203を提供し、そして、第三基板203上の一部又は全部の発光素子102を、第二基板202上の第一発光素子101が占拠しない一部の領域にトランスファーする。そのうち、第三基板203は、第三下表面2030及び第三上表面2031を有し、且つ第二発光素子102は、中間層3により第三下表面2030の上に設置される。具体的に言えば、第三基板203の第三下表面2030には、前述のような中間層3が設置される。中間層3には、突起部30を形成することができ、突起部30は、その真下にある第二発光素子102を外へ押して直接粘着部5に接触させる。中間層3は、第三基板203の第三下表面2030を連続的又は間欠的に覆うことができ、例えば、中間層3は、第三下表面2030の面積をほぼ又はすべて覆い、又は、第三下表面2030中の第二発光素子102に対応する領域のみを覆う。そのうち、隔離部61、62は、第二基板202と第三基板203との間に設置され、トランスファー過程完了前に第二発光素子102が直接第一発光素子101、接続部104、又は粘着部5に接触することを避けるために用いられる。隔離部61、62が第二基板202に設けられる態様は、第6A図~第6C図及びその関連する段落を参照することができる。一実施例では、第二基板202と第三基板203との間の距離は、第一発光素子101又は第二発光素子102の高さの2倍よりも大きい。第二発光素子102が粘着部5へ押される過程は、第一発光素子101が粘着部5へ押されるステップに類似しているため、その関連する段落の記載を参照することができる。第二発光素子102が外へ押される過程では、第三基板203上の一部の第二発光素子102は、第二基板202に既にトランスファーされている第一発光素子101と重畳し、第一発光素子101と重畳する第二発光素子102(トランスファーされていない(未トランスファーの)第二発光素子)は、第二基板202にトランスファーすることがない。トランスファーされていない第二発光素子102は、第一発光素子101と一部又は完全重畳することができる。第一発光素子101が一部の第二発光素子102と互いに重畳するが、第二基板202と第三基板203との間の距離は、第2A図に示すように、重畳する第一発光素子101及び第二発光素子102の高さの総和よりも大きく設計される。よって、互いに重畳する第一発光素子101及び第二発光素子102は、直接接触することがない。第二発光素子102は、突起部30により第二基板202へ押されて第二基板202に位置する粘着部5に接続され、粘着部5は、第二発光素子102が第二基板202へ押される前に予め第二基板202の上に設置されている。或いは、第一発光素子101が第二基板202に接する前に、粘着部5は、既に第二基板202に設置されている。
【0019】
第2A図に示すように、第二発光素子102は、突起部30により第二基板202へ押されて第三基板203から離れる。また、第二基板202と第三基板203との間の距離を制御することで、第一発光素子101が第二発光素子102に直接接触することを避け得る。よって、第二発光素子102が接続部104へ押される過程で、第一発光素子101と重畳する第二発光素子102は、第一発光素子101に直接接触することがなく、元の位置に留まり、事前に除去される必要がない。第2A図では、中間層3は、レーザー光束を受けた後に突起部30を形成し、第三基板203は、レーザー光束に対しての透過率が90%よりも大きい透光性基板であり、又は、反射率が10%よりも小さい透光性基板である。なお、レーザー光束についての説明は、前述の段落を参照することができる。
【0020】
第2B図は、第一発光素子101及び第二発光素子102が既にそれぞれ粘着部5により第二基板202に設置されている場合に、第四基板204の上にある第三発光素子103が第二基板202へ押されて第2C図中の発光装置2000を形成することを示す図である。第四基板204は、第四下表面2040及び第四上表面2041を有し、且つ第三発光素子103は、中間層3により第四下表面2040の上に設置される。言い換えると、第2B図に示するのは、第一発光素子101及び第二発光素子102が既にそれぞれ第二基板202にトランスファーされた後に、第三発光素子103が第二基板202上の第一発光素子101又は第二発光素子102が無い領域にトランスファーされるステップである。中間層3は、第四基板204の第四下表面2040に設置され、突起部30を形成する。第三発光素子103は、突起部により中間層3から離れるように押された後粘着部5に移動する。第三発光素子103は、粘着部5に接触した後に、粘着部5を加熱し及び/又は第三発光素子103を加圧する方式で、第三発光素子103は、粘着部5に固定(固着)することができる。隔離部61、62は、第二基板202と第四基板204との間に設置され、トランスファー過程完了前に第三発光素子103が直接第一発光素子101、第二発光素子102、接続部104、又は粘着部5に接触することを避けるために用いられる。第三発光素子103が粘着部5へ押される過程は、第一発光素子101が粘着部5へ押されるステップに類似しているため、関連する段落を参照することができる。中間層3は、連続的又は間欠的に第四基板204の第四下表面2040を覆うことができ、例えば、中間層3は、第四下表面2040の面積をほぼ又はすべて覆い、又は、第四下表面2040中の第三発光素子103に対応する領域のみを覆う。第2B図の側面図に示すように、一部が第四基板204の上に位置する第三発光素子103は、第二基板202に位置する第一発光素子101と重畳し、他の一部が第四基板204の上に位置する第三発光素子103は、第二基板202に位置する第二発光素子102と重畳する。これらの重畳する発光素子は、第三発光素子103が接続部104に接続される過程で除去される必要がない。第四基板204と第二基板202との間の空間は、第三発光素子103が第一発光素子101又は第二発光素子102に直接接触しないように設定される。言い換えると、第四基板204と第二基板202との間の距離は、第三発光素子103及び第一発光素子101の高さの総和より大きく、また、第三発光素子103及び第二発光素子102の高さの総和によりも大きいので、互いに重畳する第一発光素子101(又は、第二発光素子102)及び第三発光素子103は、直接接触することがない。第2B図では、粘着部5は、第三発光素子103が第二基板202へ押される前に予め第二基板202の上に設置されている。また、第一発光素子101が第二基板202に接する前に、又は、第二発光素子102が第二基板202に接する前に、粘着部5は、先に第二基板202の第三領域44に設けられても良い。第2B図では、中間層3は、レーザー光束を受けた後に突起部30を形成し、第四基板204は、レーザー光束に対しての透過率が90%よりも大きい透光性基板であり、又は、反射率が10%よりも小さい透光性基板である。なお、レーザー光束についての説明は、関連する段落を参照することができる。
【0021】
第2C図に示すように、発光装置2000内には、発光素子101、第二発光素子102、第三発光素子103、第二基板202、粘着部5、及び接続部104がある。一実施例では、第一、第二、第三発光素子101、102、103と、第二基板202との間に位置する粘着部5は、発光素子の下表面に直接接触し、例えば、下表面1011に直接接触する。一実施例では、第二基板202の表面2020、2021には、接続部104に電気接続される、導電線路、能動式電子素子、及び被動式電子素子が設置される。なお、導電線路、能動式電子素子、及び被動式電子素子についての説明は、関連する段落を参照することができる。
【0022】
一実施例では、第一発光素子101、第二発光素子102、及び第三発光素子103は、異なるピーク波長を有する光線を発し、例えば、第一発光素子101は、ピーク波長が610nm~650nmの間の赤色光を発し、第二発光素子102は、ピーク波長が495nm~570nmの間の緑色光を発し、第三発光素子103は、ピーク波長が450nm~495nmの間の青色光を発する。一実施例では、発光装置2000は、第一発光素子101、第二発光素子102、及び第三発光素子103を画素として用いる表示器又は表示パネルである。
【0023】
一実施例では、発光装置2000は、単一種類の色の光線を提供することができ、そのうち、第一発光素子101、第二発光素子102、及び第三発光素子103は、ピーク波長が同じであり又は近い光線、例えば、ピーク波長が420nm~495nmの間の青色光を発する。日常用いる照明器具の光源とすれば、発光装置2000は、色温度が2200~7000K(例えば、2200K、2400K、2700K、3000K、5700K、6500K)の白色光を提供することができる。LCD表示器のバックライト光源とすれば、発光装置2000は、色温度が10000~20000Kの間の白色光を提供することができ、この白色光は、CIE1931の色度図において色度座標(x、y)を有し、そのうち、0.27≦x≦0.285;0.23≦y≦0.26である。また、特定の色の光線を提供するために、第一、第二、第三発光素子101、102、103には、共同で、単一波長変換構造を覆っても良く、又は、それぞれ、第一、第二、第三発光素子101、102、103が発する光を変換するための波長変換構造を覆っても良い。波長変換構造には、光線の色を変換し得る材料、例えば、蛍光粉、量子ドット材料、染料などが含まれる。
【0024】
第3A図~第3C図は、本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。第3A図に示すように、中間層3が覆われている第五基板701及び第六基板702を提供し、第五基板701には、中間層3に接続される第一発光素子101が設置されている。突起部30は、第一発光素子101を第六基板702へ押す。なお、中間層、発光素子、及び突起部についての説明は、前述の段落を参照することができる。第一発光素子101は、第六基板702に近い表面1010、及び第五基板701に近い表面1011を有する。第一発光素子101は、さらに、第一、第二電極120、121により直接中間層3に接する。そのうち、第五基板701は、第五下表面7010及び第五上表面7011を有し、且つ第一発光素子101は、中間層3により第五下表面7010の上に設置される。中間層3は、連続的又は間欠的に第五基板701の第五下表面7010を覆うことができ、例えば、中間層3は、表面7010の面積をほぼ又はすべて覆い、又は、第五下表面7010中の第一発光素子101に対応する領域のみを覆う。突起部30は、下方の第一発光素子101を第六基板702へ押し、第一発光素子101の表面1010が第六基板702に直接接触するようにさせる。第六基板702は、黏性を有することで、第一発光素子101を第六基板702上の特定の位置に固定することができ、例えば、第六基板702は、ブルーフィルムやUV離型膜である。第3A図では、中間層3は、レーザー光束が照射された後に突起部30を形成し、第五基板701は、レーザー光束に対しての透過率が90%よりも大きい透光性基板であり、又は、反射率が10%よりも小さい透光性基板である。なお、レーザー光束の説明については、前述の段落を参照することができる。一実施例では、第五基板701と第六基板702との間には、隔離部が設置され、これにより、第一発光素子101がトランスファー過程で第六基板702に直接接触することを避け得る。
【0025】
第3B図に示されるのは、第七基板703の上に設置されている第二発光素子102及び第八基板704の上に設置されている第三発光素子103を突起部30により第六基板702にトランスファーすることである。具体的に言えば、第六基板702に第一発光素子101が設置されている場合、第二、第三発光素子102、103をそれぞれ第六基板702にトランスファーする。第3B図の上半部に示すように、第六基板702及び第六基板702に位置する第一発光素子101を提供し、及び、第七基板703及び第七基板703に位置する複数の第二発光素子102と中間層3とを提供する。そのうち、第七基板703は、第七下表面7030及び第七上表面7031を有し、第七基板703の第七下表面7030に中間層3が設置され、且つ第二発光素子102は、中間層3により第七下表面7030の下に設置される。第二発光素子102は、突起部30により下へ押されて第六基板702に移動する。中間層3は、連続的又は間欠的に第七基板703の第七下表面7030を覆うことができ、例えば、中間層3は、第七下表面7030の面積をほぼ又はすべて覆い、又は、第七下表面7030中の第二発光素子102に対応する領域のみを覆う。第3B図の下半部に示すように、第六基板702及び第六基板702に位置する第一、第二発光素子101、102を提供し、及び、第八基板704及び第八基板704に位置する複数の第三発光素子103と中間層3とを提供する。そのうち、第八基板704の第八下表面7040には、中間層3が設置され、第三発光素子103は、中間層3により第八基板704に設置される。そのうち、第八基板704は、第八下表面7040及び第八上表面7041を有し、且つ第三発光素子103は、中間層3により第八下表面7040の上に設置される。突起部30は、第三発光素子103を、第八基板704から離れるように押して、第六基板702へ移動させる。中間層3は、連続的又は間欠的に第八基板704の第八下表面7040を覆うことができ、例えば、中間層3は、第八下表面7040の面積をほぼ又はすべて覆い、又は、第八下表面7040中の第三発光素子103に対応する領域のみを覆う。第六基板702と第七基板703との距離は、第一発光素子101の高さ及び第二発光素子102の高さの総和よりも大きい。第六基板702と第八基板704との距離は、第一発光素子101の高さ及び第三発光素子103の高さの総和より大きく、且つ第二発光素子102の高さ及び第三発光素子103の高さの総和よりも大きい。第3B図では、レーザー光束がそれぞれ第七基板703及び第八基板704の中間層3に照射されて突起部30を生成し、第七基板703及び第八基板704は、レーザー光束に対しての透過率が90%よりも大きい透光性基板であり、又は、反射率が10%よりも小さい透光性基板である。なお、レーザー光束の説明については、前述の段落を参照することができる。
【0026】
第3C図に示すのは、第六基板702の上に設置されている第一、第二、第三発光素子101、102、103が第九基板705に接するステップである。第3C図の上部に示すように、第一、第二、第三発光素子101、102、103は、第六基板702の上に設置される。続いて、第3C図の中部に示すように、第六基板702を反転し、接続部104及び粘着部5が設置されている第九基板705を第一、第二、第三発光素子101、102、103の下方に置く。第六基板702は、反転されて、固定した第九基板705に移動し(又は、第六基板702は反転されて固定され、第九基板705は上へ移動され、或いは、第六基板702及び第九基板705は、互いに相手の方に移動する)、これにより、第一、第二、第三発光素子101、102、103は、第九基板705に近づいて粘着部5に接触する。そして、粘着部5を加熱し及び/又は第六基板702を加圧することで、第一、第二、第三発光素子101、102、103を粘着部5の上に固定(固着)する。続いて、第3C図の下部に示すように、第一、第二、第三発光素子101、102、103が粘着部5に固定された後に、第六基板702を取り外して発光装置3000を完成する。発光装置3000内には、第一、第二、第三発光素子101、102、103、第九基板705、粘着部5、及び接続部104がある。発光装置3000は、表示器、表示パネル、又はバックライトモジュールであっても良い。なお、粘着部についての説明は、関連する段落を参照することができる。
【0027】
第3A図~第3C図の製造プロセスの他に、発光素子は、先に、中間層が設置されている基板にトランスファーされてから、粘着部及び接続部が設置されている基板に接続され、これにより、発光装置3000を形成しても良い。具体的に言えば、第3D図に示すように、第一、第二、第三発光素子101、102、103は、第3A図~第3Bのようなステップにより、中間層3により覆われる第六基板702の上にトランスファーされる。具体的に言えば、第六基板702は、第六下表面7021及び第六上表面7020を有し、且つ第一、第二、第三発光素子101、102、103は、中間層3により第六上表面7020の上に設置される。続いて、接続部104及び粘着部5が設置されている第九基板705を提供する。第九基板705は、第九下表面7051及び第九上表面7050を有し、且つ接続部104及び粘着部5は、第九上表面7050の上に設置される。第六基板702を反転し、そして、第一、第二、第三発光素子101、102、103を第九基板705へ押す。複数の突起部30は、中間層3の上に形成され、第一、第二、第三発光素子101、102、103を第九基板705へ押す。続いて、粘着部5を加熱し及び/又は第一、第二、第三発光素子101、102、103を加圧する方式で、第一、第二、第三発光素子101、102、103を粘着部5の上に固着し、そして、第六基板702を取り外して発光装置3000を形成する。第3D図では、中間層3は、レーザー光束が照射された後に突起部30を形成し、第六基板702は、レーザー光束に対しての透過率が90%よりも大きい透光性基板であり、又は、反射率が10%よりも小さい透光性基板である。なお、レーザー光束の説明については、前述の段落を参照することができる。一実施例では、第九基板705の第九下表面7051及び/又は第九上表面7050の上には、導電線路、能動式電子素子、及び/又は被動式電子素子が設置される。なお、導電線路、能動式電子素子、及び被動式電子素子の説明については、関連する段落を参照することができる。一実施例では、第3C図及び第3D図のステップにおいて、第六基板702と第九基板705との間に隔離部が設置されており、それは、第六基板702と第九基板705との間の距離を維持し、第一発光素子101、102、103が第六基板702を離れる前に粘着部5及び第九基板705に直接接触することを避けるために用いられる。なお、隔離部の説明については、関連する段落を参照することができる。
【0028】
第4A図~第4G図は、本発明の実施例における発光装置の製造プロセスを示す図である。第4A図に示すように、複数の第一発光素子101が載置されている第十基板901及び第十一基板902を提供し、粘着層50により第十基板901と第十一基板902とを接続する。そのうち、第一発光素子101は、粘着層50により取り囲まれ、第一発光素子101の説明については、関連する段落を参照することができる。粘着層50は、第十基板901と第十一基板902とを物理的に接続するために用いられる。一実施例では、粘着層50は、シリコーン、エポキシなどの絶縁材料を含む。第一発光素子101は、第十基板901に面する上表面1010、第十一基板902に面する下表面1011、並びに上表面1010及び下表面1011に接続される側表面1012を含む。一実施例では、下表面1011は、粘着層50に直接接触する。一実施例では、第十基板901は、エピタキシャル成長基板であり、且つ第一発光素子101は、第十基板901の上にエピタキシャル成長される。一実施例では、第十基板901の材料は、サファイア、シリコン、窒化ガリウム、又は炭化シリコンである。一実施例では、粘着層50は、第一、第二電極120、121と、第十一基板902との間に設置される。
【0029】
第4B図に示すように、一部の第十基板901が除去されて薄化基板9010を成す。薄化基板9010は、第十基板901よりも薄い。一実施例では、薄化基板9010の厚さは、10~50μmにある。
【0030】
第4C図に示すように、薄化基板9010は、数個のユニット基板901a、901b、901cに分割される。これらのユニット基板901a、901b、901cは、さらに、それぞれ、対応する第一発光素子101に接続され、例えば、ユニット基板901aは、第一発光素子101aに接続されあ、ユニット基板901bは、第一発光素子101bに接続され、及び、ユニット基板901cは、第一発光素子101cに接続される。薄化基板9010を分割してユニット基板901a、901b、901cを形成するステップは、カッター、又は、波長が260~380nmのレーザー光を用いて行うことができる。複数のユニット基板901a、901b、901cを形成する過程では、好ましくは、第一発光素子101及び第十一基板902の損傷を引き起こさないが、一部の粘着層50がこの過程において除去される。ユニット基板901a、901b、901cの幅は、薄化基板9010の幅よりも小さく、これにより、各ユニット基板901a、901b、901cは、1つのみの第一発光素子101に対応する(又は、それを覆う)。一実施例では、1つのユニット基板901a、901b、901cは、2つ又はそれ以上の第一発光素子101に対応する(又は、それを覆う)。
【0031】
第4D図に示すように、中間層3が覆われている第十二基板903を提供し、第十二基板903は、第十二下表面9030及び第十二上表面9031を有し、且つ中間層3は、第十二下表面9030の上に設置される。第十二基板903は、中間層3により、ユニット基板901a、901b、901cに接続される。一方、第一発光素子101及び対応するユニット基板901a、901b、901cは、中間層3により、第十二基板903に接続される。
【0032】
第4E図に示されるように、第十一基板902を取り外して第一発光素子101を露出させ、また、第一発光素子101の下表面1011、第一、第二電極120、121も露出させる。そのうち、一部又は全部の粘着層50は、第十一基板902が除去された後に除去され、又は、第十一基板902が除去される前に先に除去される。一実施例では、一部の粘着層50は、第十一基板902が除去された後に第一発光素子101及び/又はユニット基板901a、901b、901cに残る。一実施例では、第十一基板902が除去された後に、一部の粘着層50は、第一、第二電極120、121の上に残る。
【0033】
第4F図に示すように、第十二基板903の下方には、第十三基板904が設置される。第十三基板904は、第十三下表面9041及び第十三上表面9040を有し、且つ接続部104は、第十三上表面9040の上に設置される。そのうち、接続部104は、第十三基板904の第十三上表面9040に設置され、一部の第十三上表面9040は、接続部104により覆われず、露出している。続いて、突起部30を形成し、そして、第一発光素子101を第十三基板904へ押す。例えば、第一発光素子(101a、101b、101c)は、突起部30により、第十二基板903から離れるように押され、且つ第一発光素子(101a、101b、101c)は、さらに、第十三基板904に固定されて第4G図中の発光装置4000を形成する。第4F図では、レーザー光束を照射して突起部30を形成し、第十二基板903は、レーザー光束に対しての透過率が90%よりも大きい透光性基板であり、又は、反射率が10%よりも小さい透光性基板である。なお、レーザー光束の説明については、前述の段落を参照することができる。一実施例では、第十二基板903と第十三基板904との間には隔離部が設置され、それは、第一発光素子101が第十二基板903を離れる前に第十三基板904に直接接触することを避けるために用いられる。なお、隔離部の説明については、関連する段落及び第6A図~第6C図に関連する段落を参照することができるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。
【0034】
第4G図に示すように、発光装置4000は、第一発光素子101(例えば、第一発光素子101a、第一発光素子101b、第一発光素子101c)、第十三基板904、ユニット基板901a、901b、901c、及び接続部104を有する。第一発光素子101は、ユニット基板901a、901b、901cに接し(第一発光素子101aは、ユニット基板901aに接し、第一発光素子101bは、ユニット基板901bに接し、第一発光素子101cは、ユニット基板901cに接する)。ユニット基板901aは、第十三上表面9040に平行な上表面90100a、及び、第十三上表面9040に平行でない斜面90100bを有する。第一発光素子101が発する光線は、斜面90100bからユニット基板901aを離れ、これにより、発光装置4000が生成する光の強度全体を増加させ、発光装置4000が生成するライトフィールドの光均一度を向上させることもできる。
【0035】
一実施例では、第十三基板904の第十三上表面9040及び/又は表面9041には、導電線路、能動式電子素子、及び/又は被動式電子素子が設置され、これにより、第一発光素子101を制御する。例えば、第4G図では、発光装置4000内の第一発光素子(101a、101b、101c)は、第十三上表面9040上の導電線路(図示せず)に電気接続され、これにより、発光装置4000は、電力及び制御信号を受け、また、これらの導電線路(図示せず)により電力及び制御信号を伝送することで、一緒に又はそれぞれこれらの第一発光素子101a、101b、101cを制御することができる。一実施例では、第十三上表面9040上の数個の接続部104の間は、所定の距離(pitch)で設置され、また、この所定の距離に従って第一発光素子101は、接続部104の上に設置される。なお、導電線路、能動式電子素子、及び被動式電子素子の説明については、関連する段落を参照することができる。
【0036】
また、さらに製造プロセスに1つ又は複数の距離調整基板及びその関連する調整プロセスを加えても良く、これにより、発光装置4000内の隣接する2つの第一発光素子101の間の距離を変更することができる。距離調整基板は、1次元方向(one dimensional)又は2次元方向(two dimensional)上で引き伸ばされて調整基板上の発光素子の間の距離を変更することができる。例えば、第4E図のステップの後に、第一距離調整基板及びその関連する調整プロセスを加えても良い。第4E図に示すように、第十二基板903に相対する側から第一発光素子101に接続される第一距離調整基板を提供する。続いて、第十二基板903を除去し、第十二基板903上の第一発光素子101及びその対応するユニット基板901a、901b、901cを一緒に第一距離調整基板にトランスファーする。そのうち、第一発光素子101は、第一距離調整基板に直接接触し、且つユニット基板901a、901b、901cは、露出している。第一発光素子101及びその対応するユニット基板901a、901b、901cが第一距離調整基板にトランスファーされた後に、第一距離調整基板は、引き伸ばされて、2つの第一発光素子101の間の距離を増やす。第一距離調整基板は、1次元方向又は2次元方向上で引き伸ばされても良いので、2つの第一発光素子101の1次元方向又は2次元方向上の距離を増大することができる。第一距離調整基板を引き伸ばした後に、ユニット基板901a、901b、901cに接続される第二距離調整基板を提供して第一発光素子101をトランスファーした後に、第一距離調整基板を除去する。第一発光素子101及びユニット基板901a、901b、901cを第二距離調整基板にトランスファーした後に、第二距離調整基板を第十三基板904へ押すことで、第一発光素子101が第十三上表面9040に接するようにさせ、そして、第二距離調整基板を除去して発光装置4000を形成する。距離調整基板は、ブルーフィルム(blue tape)であっても良く、且つその面積は、第十二基板903と同じであり又は異なる。また、一実施例では、基板201、202、203、204、701、702、703、704、705、902、903、904も、1次元方向又は2次元方向上での伸張により、その上に設置される発光素子の1次元方向及び2次元方向上の距離を変更することができる。
【0037】
第3A図~第3C図のステップを参照する。第4A図~第4G図の製造プロセスでは、さらに、相対位置調整基板を加えて第一発光素子101の第十三基板904上の相対位置を変更することができる。例えば、相対位置調整基板を設置し、第4E図中の第一発光素子101が相対位置調整基板に接するようにさせ、そして、第十二基板903を除去してユニット基板901a、901b、901cを露出させ、また、第一発光素子101及びユニット基板901a、901b、901cを第十三基板904へ押し、これにより、第一発光素子101は、ユニット基板901a、901b、901cにより第十三基板904に接する。さらに電線を提供して第一発光素子101の第一、第二電極120、121及び接続部104を接続することで、発光装置4000を形成する。一実施例では、相対位置調整基板は、ブルーフィルムである。
【0038】
第5A~5G図は、本発明の実施例における突起部及び粘着部を示す図である。第5A図に示すように、2つの突起部30A、30Bは、第一発光素子101を、中間層3から離れるように押すことで、第一発光素子101は、粘着部5へ移動する。第5B図に示すように、1つの突起部30は、第一発光素子101a、101bを、中間層3から離れるように押すことで、第一発光素子101a、101bは、粘着部5a、5bへ移動する。第5C図に示すように、突起部30A、30B、30Cは、一緒に、第一発光素子101a、101bを、中間層3を離れるように押すことで、第一発光素子101a、101bは、粘着部5a、5bに移動する。突起部30が押す第一発光素子101は、異なる粘着部5に接続されても良い。第5D図に示すように、突起部30は、第一発光素子101を粘着部5a、5bへ押し、且つ第一発光素子101の第一電極120は、接続部104aを覆う粘着部5aに接し、第一発光素子101の第二電極121は、接続部104bを覆う粘着部5bに接する。第5E図に示すように、突起部30A、30Bは、第一発光素子101を粘着部5a、5bへ押す。第5F図に示すように、突起部30は、第一発光素子101aを粘着部5a、5bへ押し、また、第一発光素子101bを粘着部5c、5dへ押す。第5G図に示すように、突起部30A、30B、30Cは、一緒に、第一発光素子101a、101bを粘着部5a、5b、5c、5dへ押す。一実施例では、突起部30は、第一発光素子101を、中間層3から離れるように押していないが、所定の高さまで膨張して、第一発光素子101が粘着部5に直接接触するようにさせることができ、言い換えると、トランスファー過程では、第一発光素子101は、粘着部5及び突起部30に同時に接触することができる。
【0039】
第6A図~第6C図は、本発明の実施例における隔離部及び基板を示す図である。第6A図~第6C図では、説明の便宜のために、基板及び隔離部のみを示し、発光素子、接続部又は粘着部を図示していない。第6A図に示すように、隔離部61a、61b、62a、62bは、第二基板202のコーナー202a、202b、202c、202dに位置する。一実施例では、隔離部は、基板上のコーナー以外の位置に設けられても良い。第6B図に示すように、隔離部63a、63b、63c、63dは、第二基板202の側辺202ab、202ac、202cd、202adに近づき、且つコーナー202a、202b、202c、202dに設けられない。一実施例では、隔離部は、基板の幾何中心に近い位置に置かれても良い。第6C図に示すように、隔離部64a、64b、64c、64dは、上面図において、第二基板202の幾何中心Cを取り囲む。隔離部の設置は、第6A図~第6C図に記載の内容に限定されず、さらに、第6A図~第6C図中の設置方式を選択的に組み合わせても良く、例えば、第6A図及び第6C図の設置方式を組み合わせて、隔離部が基板のコーナーに設置されても良く、基板の幾何中心に近い位置に設置されても良いようにさせることができる。或いは、第6A図及び第6B図の設置方式を組み合わせて、隔離部がコーナーに設置されても良く、側辺に近い位置に設けられても良いようにさせることができる。或いは、第6B図及び第6C図の設置方式を組み合わせて、隔離部が基板の幾何中心に近い位置に設けられても良く、側辺に近い位置に設置されても良いようにさせることができる。
【0040】
また、前述の第1A~1C図、第2A~2C図、第3A~3C図、第4A~4G図に記載の各種の製造プロセスに第5A図~第5G図に開示の実施例がさらに応用されても良い。言い換えれば、各のプロセスにおいて、1つ又は複数の突起部30を形成して一回1つ又は複数の第一発光素子101を押すことで、1つ又は複数の接続部104を覆う1つの粘着部5を形成しても良く、1つの第一発光素子101が1つの粘着部5又は複数の粘着部5に接し得るようにさせても良い。
【0041】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を離脱しない限り、本発明に対するあらゆる変さらには本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0042】
1000、2000、3000、4000:発光装置;
101、102、103、101a、101b、101c:発光素子;
201、202、203、204、701、702、703、704、705、901、902、903、904、9010、901a、901b、901c:基板;
1010:上表面;
1011:下表面;
1012:側表面;
120、121:電極;
3:中間層;
30、30A、30B、30C:突起部;
104、104a、104b、104c、104d:接続部;
2010、2011、2020、2021、2030、2031、2040、2041、7010、7011、7020、7021、7030、7031、7040、7041、7050、7051、9030、9031、9040、9041:表面;
40、42、44、80、82、84、85、86、87:領域;
5、5a、5b、5c、5d:粘着部;
50:粘着層;
501:導電粒子;
502:柱状構造;
5010:下部;
5011:頸部;
5012:上部;
61、62、61a、61b、62a、62b、63a、63b、63c、63d、64a、64b、64c、64d:隔離部;
40:領域;
202a、202b、202c、202d:コーナー;
202ab、202ac、202cd、202ad:側辺;
a1、a2:方向;
C:幾何中心。