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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】紙製収納箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20240222BHJP
   A47L 13/51 20060101ALI20240222BHJP
   B65D 75/62 20060101ALI20240222BHJP
   A47K 10/20 20060101ALN20240222BHJP
【FI】
B65D83/08 G
A47L13/51
B65D75/62 B
A47K10/20 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019178113
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2021054453
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074181
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 明博
(74)【代理人】
【識別番号】100206139
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 匡
(72)【発明者】
【氏名】村田 剛
(72)【発明者】
【氏名】高橋 創
(72)【発明者】
【氏名】林 生弥
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-099225(JP,A)
【文献】特開2017-178416(JP,A)
【文献】特開2009-023721(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0354716(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
A47L 13/51
B65D 75/62
A47K 10/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
坪量が18g/m2~25g/m2で横幅が300mm以上の紙ワイパーの積層体を収納し、箱本体の天面に有する取出口から前記紙ワイパーをポップアップ式に取り出し可能な紙製収納箱であって、
前記取出口の横幅が前記紙ワイパーの横幅の94.0%~99.0%であることを特徴とする紙製収納箱。
【請求項2】
前記取出口は横幅方向に直線状に形成され、前記取出口から上側部が出ている次に取り出される紙ワイパーの紙面と前記取出口の縦方向の内周辺との間に抵抗を与える前記取出口の直線部の縦幅は前記箱本体の天面の縦幅の10.0%~14.0%であることを特徴とする請求項1に記載の紙製収納箱。
【請求項3】
前記取出口の直線部の横幅方向中央には広幅部が形成されており、取出口から最初の紙ワイパーを取り出す際に、前記広幅部から紙ワイパーを摘まむことができる前記広幅部の最大縦幅は前記箱本体の天面の縦幅の35.0%~39.0%であることを特徴とする請求項2に記載の紙製収納箱。
【請求項4】
前記取出口における前記直線部の横幅方向の長さの占める割合は前記取出口の横幅の73.0%~77.0%であることを特徴とする請求項3に記載の紙製収納箱。
【請求項5】
前記取出口は、その外周が天面に切り取り用のミシン目により形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の紙製収納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙ワイパーを収納する紙製収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
V折り、W折り等に折り畳まれた紙ワイパー、ペーパータオル、ティシュペーパー等の紙製シートの積層体を収納し、ポップアップ式に取り出せる紙製収納箱が広く知られている。
【0003】
これらの紙製シートの内、特に比較的厚手で剛性の高い紙ワイパーを収納する紙製収納箱にあっては、紙ワイパーを取り出す取出口の形状に十分に注意を払う必要がある。何故なら、剛性の高い紙ワイパーは、取出口の周囲との摩擦抵抗が大きく、この摩擦抵抗が紙粉の発生や破れを引き起こす原因となるからである。この摩擦抵抗は、特に紙ワイパーの幅方向の端縁と取出口の横方向の内周辺との間に顕著に見られる。
【0004】
このような紙ワイパーの幅方向の端縁と取出口の横方向の内周辺との抵抗を低減するものとして、収納箱の天面に形成された取出口となる所定幅のスリットが天面の長手方向に沿って両側面まで延びている繊維積層体収納箱が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載されている繊維積層体収納箱によれば、収納箱の天面に形成された取出口となるスリットが天面の長手方向に沿って両側面まで延びているので、紙ワイパーの幅方向の端縁と取出口の横方向の内周辺との抵抗が低減でき、繊維積層体収納箱から紙ワイパーを取り出す際の紙粉の発生を抑えることができ、また破れを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-231194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
紙製収納箱に収納されポップアップ式に取り出す紙ワイパーには、例えば、横幅が300mm以上の横幅を有する紙ワイパーがある。このような横幅の広い紙ワイーパーは、剛性があるといっても幅が広い分だけ紙ワイパーも変形し易くなる。そのため、横幅の広い紙ワイパーを特許文献1に記載されている繊維積層体収納箱に収納した場合、紙ワイパーの残量が少なくなると、取出口から上側部が出ている次に取り出される紙ワイパーが変形し、紙ワイパーの幅方向の端縁と取出口の横方向の内周辺との抵抗が小さくなって、取出口に紙ワイパーを保持する力な無くなり、紙ワイパーが繊維積層体収納箱内へ落下してしまう、いわゆるドロップバックしてしまうといった問題が生じることになる。
【0007】
また、特許文献1に記載されている繊維積層体収納箱にあっては、収納箱の天面に形成された取出口となるスリットが天面の長手方向に沿って両側面まで延びているので、その分取出口が広くなり、異物の混入や収納箱自体の剛性低下による使用感の低下といった問題が生じるおそれがある。
こうした問題を解決するには、紙製収納箱の天面に有する取出口の改良にあるが、必ずしも満足できるものとはなっていない。
【0008】
本発明者は、上記問題点に鑑み、特に紙ワイパーとして多く使用されている坪量が18g/m2~25g/m2で横幅が300mm以上の紙ワイパーの積層体を収納する紙ワイパーを収納する紙製収納箱の取出口について試験研究を重ねた結果、取出口としての最適な寸法を見出し本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明の目的は、紙ワイパーをポップアップ式に取り出し可能な紙製収納箱であって、紙ワイパーを取り出す際の紙粉の発生を抑え、紙ワイパーの取り出し易さとドロップバックの防止を両立させることのできる紙製収納箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、坪量が18g/m2~25g/m2で横幅が300mm以上の紙ワイパーの積層体を収納し、箱本体の天面に有する取出口から前記紙ワイパーをポップアップ式に取り出し可能な紙製収納箱であって、前記取出口の横幅が前記紙ワイパーの横幅の94.0%~99.0%であることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記取出口は横幅方向に直線状に形成され、前記取出口から上側部が出ている次に取り出される紙ワイパーの紙面と前記取出口の縦方向の内周辺との間に抵抗を与える前記取出口の直線部の縦幅は前記箱本体の天面の縦幅の10.0%~14.0%であることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の、前記取出口の直線部の横幅方向中央には広幅部が形成されており、取出口から最初の紙ワイパーを取り出す際に、前記広幅部から紙ワイパーを摘まむことができる前記広幅部の最大縦幅は前記箱本体の天面の縦幅の35.0%~39.0%であることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の、前記取出口における前記直線部の横幅方向の長さの占める割合は前記取出口の横幅の73.0%~77.0%であることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の、前記取出口は、その外周が天面に切り取り用のミシン目により形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明に係る紙製収納箱によれば、坪量が18g/m2~25g/m2で横幅が300mm以上の紙ワイパーの積層体を収納し、箱本体の天面に有する取出口から前記紙ワイパーをポップアップ式に取り出し可能な紙製収納箱であって、前記取出口の横幅が前記紙ワイパーの横幅の94.0%~99.0%であるので、紙ワイパーを取り出す際の、紙ワイパーの横幅方向の端縁と取出口の横幅方向の内周辺との抵抗による紙粉の発生を抑え、且つ紙ワイパーの取り出し易さとドロップバックの防止を図ることができる。
【0016】
前記取出口を横幅方向に直線状に形成し、前記取出口から上側部が出ている次に取り出される紙ワイパーの紙面と前記取出口の縦方向の内周辺との間に抵抗を与える前記取出口の直線部の縦幅を前記箱本体の天面の縦幅の10.0%~14.0%とすることにより、取出口から上側部が出ている次に取り出される紙ワイパーの紙面と前記取出口の縦幅方向の内周辺との間に適度な抵抗を与え、紙ワイパーのドロップバックをより効果的に防止することができる。
【0017】
また、前記取出口の直線部の横幅方向中央に広幅部を形成し、取出口から最初の紙ワイパーを取り出す際に、前記広幅部から紙ワイパーを摘まむことができる前記広幅部の最大縦幅を前記箱本体の天面の縦幅の35.0%~39.0%とすることにより、前記取出口から最初の紙ワイパーを取り出す際に、前記広幅部から紙ワイパーを容易に摘まむことができる。
【0018】
また、前記取出口における前記直線部の横幅方向の長さの占める割合を前記取出口の横幅の73.0%~77.0%とすることにより、前記広幅部が存在しても取出口から上側部が出ている次に取り出される紙ワイパーが前記直線部によってその変形が抑えられ、紙ワイパーの取り出し易さとドロップバックの防止をより効果的に図ることができる。
【0019】
また、前記取出口の外周を切り取り用のミシン目により形成することにより、前記取出口を容易に開口することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る紙製収納箱の実施の形態の一例であって、ミシン目により形成された取出口を開口した天面を示す平面図である。
図2】本発明に係る紙製収納箱に収納される紙ワイパーの一部を示す平面図である。
図3】(A)、(B)は、それぞれ図1に示す取出口の他例を示す説明図である。
図4図1に示す紙製収納箱であって、ミシン目により外形が形成された取出口を開口する前の天面を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る紙製収納箱を実施するための形態の一例を、図面を参照して詳細に説明する。
図1図4は本発明に係る紙製収納箱の実施の形態の一例を示すものであり、図1は本例の紙製収納箱であって、ミシン目により形成された取出口を開口した天面を示す平面図、図2は本発明に係る紙製収納箱に収納される紙ワイパーの一部を示す平面図、図3(A)、(B)は、それぞれ図1に示す取出口の他例を示す説明図、図4図1に示す紙製収納箱であって、ミシン目により形成された取出口を開口する前の天面を示す平面図である。
【0022】
本例の紙製収納箱は、紙ワイパー10の積層体を収納し、直方体に形成された箱本体1の天面2に紙ワイパー10をポップアップ式に取り出し可能な取出口3を有している。
【0023】
箱本体1に収納される紙ワイパー10にあっては、坪量が18g/m2~25g/m2で横幅が300mm以上となっており、V折りやW折りされてポップアップ式に取り出し可能に積層されている。
【0024】
紙ワイパー10の積層体を収納する箱本体1の天面2に有する取出口3は、天面2の略中央に位置して、天面2の横幅方向に向かって横長に形成されている。本例では、取出口3の中心は天面2の中心にある。
横長に形成された取出口3の横幅W1は、紙ワイパー10の横幅W2の94.0%~99.0%、好ましくは97.0%~98.0%である。
【0025】
取出口3の横幅W1を紙ワイパー10の横幅W2の94.0%~99.0%とすることにより、取出口3から紙ワイパー10を取り出す際の、紙ワイパー10の横幅方向の端縁と取出口3の横幅方向の内周辺との抵抗による紙粉の発生が抑えられ、且つ紙ワイパー10の取り出し易さとドロップバックの防止を図ることができる。
【0026】
取出口3の横幅W1が紙ワイパー10の横幅W2の94.0%未満であると、紙ワイパー10の幅方向の端縁と取出口3の横幅方向の内周辺との抵抗が大きく、取出口3から紙ワイパー10を取り出す際に紙粉が多く発生するだけではなく、強く引き出した場合には紙ワイパー10が破れてしまう場合がある。
また、取出口3の横幅W1が紙ワイパー10の横幅W2の99.0%を超えると、紙ワイパー10の横幅方向の端縁と取出口3の横幅方向の内周辺との抵抗が小さく、取出口3に紙ワイパー10を保持する力な無くなり、紙ワイパー10が箱本体1内へ落下してしまう場合がある。
【0027】
また、本例では、取出口3は、横幅方向に直線状に形成されている。取出口3の直線部3aの縦幅W3は箱本体1の天面2の縦幅W4の10.0%~14.0%、好ましくは12.4%である。
【0028】
直線部3aの縦幅W3を箱本体1の天面2の縦幅W4の10.0%~14.0%とすることにより取出口3から上側部が出ている次に取り出される紙ワイパー10の紙面と取出口3の縦幅方向の内周辺との間に適度な抵抗を与え、紙ワイパー10のドロップバックをより効果的に防止することができる。
【0029】
直線部3aの縦幅W3が箱本体1の天面2の縦幅W4の10.0%未満であると、取出口3から紙ワイパー10を取り出す際に、紙ワイパー10の紙面と取出口3の縦幅方向の内周辺との間の抵抗が大きくなり、紙ワイパー10の取り出しが困難になる場合があり、また、14.0%を超えると、取出口3から上側部が出ている次に取り出される紙ワイパー10の紙面と取出口3の縦幅方向の内周辺との間に抵抗が小さくなり、取出口3に紙ワイパー10を保持する力な無くなって、紙ワイパー10が箱本体1内へ落下してしまう場合がある。
【0030】
また、本例では、取出口3の直線部3aの横幅方向中央に広幅部3bが形成されている、広幅部3bは、その中心が取出口3の中心、即ち、天面2の中心にあり、そして、広幅部3bの縦幅は中心部分で最大となっている。広幅部3bの最大縦幅W5は箱本体1の天面2の縦幅W4の35.0%~39.0%、好ましくは37.1%である。
【0031】
広幅部3bの最大縦幅W5を箱本体1の天面2の縦幅W4の35.0%~39.0%とすることにより、取出口3から最初の紙ワイパー10を取り出す際に、広幅部3bから紙ワイパー10を容易に摘まむことができる。
【0032】
広幅部3bの最大縦幅W5が箱本体1の天面2の縦幅W4の35.0%未満であると、取出口3から紙ワイパー10を取り出す際に、広幅部3bから紙ワイパー10を容易に摘まみ難くなり、39.0%を超えると取出口3が広くなり、異物の混入や箱本体1の剛性低下による使用感が低下してしまう場合がある。
【0033】
また、取出口3おける直線部3aの横幅方向の長さL1,L2の占める割合は、取出口3の横幅のW1の73.0%~77.0%、好ましくは75.8%である。
【0034】
取出口3おける直線部3aの横幅方向の長さL1,L2の占める割合を、取出口3の横幅のW1の73.0%~77.0%とすることにより、広幅部3bが存在しても取出口3から上側部が出ている次に取り出される紙ワイパー10が直線部3aによってその変形が抑えられ、紙ワイパー10の取り出し易さとドロップバックの防止をより効果的に図ることができる。
【0035】
取出口3における直線部3aの横幅方向の長さL1,L2の占める割合が取出口3の横幅W1の73.0%未満であると、その分広幅部3bの占める割合が大きくなり、その結果、異物の混入や箱本体1の剛性低下による使用感の低下といった問題が生じるおそれがあり、77.0%を超えると、その分広幅部3bの占める割合が小さくなり、その結果、取出口3から最初の紙ワイパー10を取り出す際に、広幅部3bから紙ワイパー10を容易に摘まみ難くなる場合がある。
【0036】
取出口3に有する広幅部3bは、本例では、上辺と下辺が外方に膨らむなだらかな円弧状に形成されているが、本例の紙製収納箱は、紙ワイパー10の積層体を収納し、直方体に形成された箱本体1の天面2に紙ワイパー10をポップアップ式に取り出し可能な取出口3を有している。取出口3の形状はこれに限定されるものではなく、例えば、図3(A)に示すように、三角形状であってもよく、また図3(B)に示すように台形状であってもよい。
【0037】
本例では、箱本体1の天面2に有する取出口3は、天面2にミシン目4により外径が形成され、ミシン目4で囲まれた部分を切り離して取出口3を開口するようになっている。
図4は、ミシン目4により外形が形成された取出口3を開口する前の天面2を示す平面図である。
【0038】
本例では、ミシン目4で囲まれた部分には、取出口3の広幅部3bとなる部位の中心部に縦幅方向にスリット5が形成されており、ミシン目4で囲まれた部分をスリット5から左右に分割して切り離せるようになっている。
また、ミシン目4にあっては、図示しないが、横幅方向を2重線とし、縦幅方向を単線とすることが好ましい。また、2重線とするミシン目4は、一方のミシン目のカット部分と他方のミシン目のカット部分とが千鳥状に配置された構成とすることが好ましい。
【実施例
【0039】
以下、本発明について実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明は如何に示す実施例になんら限定されるものではない。
以下に示す紙ワイパー及び実施例1及び比較例1の紙製収納箱を用意し、紙粉の発生、ドロップバック回数、取り出し性について評価した。
[紙ワイパー]
坪量が22g/m2で横幅が470mmとなっており、W折りされてポップアップ式に取り出し可能に積層されている。
[紙製収納箱]
<実施例1>
天面の横幅が495mm、縦幅が121mmの直方体に形成されており、天面に有する取出口は、天面の略中央に位置して、天面の横幅方向に向かって横長に形成されている。
実施例1の取出口は、横幅が458mm(対紙ワイパー横幅比97.4%)となっている。
<比較例1>
天面の横幅、縦幅は実施例1と同様であり、天面に有する取出口も、実施例1と同様に、天面の略中央に位置して、天面の横幅方向に向かって横長に形成されている。
比較例1の取出口は、横幅が390mm(対紙ワイパー横幅比83.0%)となっている。
【0040】
以下、各評価項目の試験方法及び評価の基準について説明する。
(紙粉の発生)
温度23℃、湿度50%RHの条件下、取出口の上部に黒紙を載せて紙ワイパー50枚を取り出した後、黒紙上の紙粉をカウントし、以下の基準により評価した。
〇:紙粉が10個以下のとき
△:紙粉が10個以上30個未満のとき
×:紙粉が30個以上のとき
(ドロップバック回数)
各収納箱から100枚の紙ワイパーを取り出したときの紙ワイパーのドロップバックの頻度を計測し、以下の基準により評価した。
〇:ドロップバックが0~2回のとき
△:ドロップバックが3~4回のとき
×:ドロップバックが5回以上のとき
(取り出し性)
モニター5名により取り出し作業時の取り出し性の評価を行った。
◎:「取り出し性が良い」と回答した者が5人のとき
〇:「取り出し性が良い」と回答した者が4人のとき
△:「取り出し性が良い」と回答した者が1人以上3人以下のとき
×:「取り出し性が良い」と回答した者がいないとき
【0041】
試験結果の評価は下記の通りである。
【表1】
【符号の説明】
【0042】
1 箱本体
2 天面
3 取出口
3a 取出口の直線部
3b 取出口の広幅部
4 ミシン目
5 スリット
10 紙ワイパー
W1 取出口の横幅
W2 紙ワイパーの横幅
W3 取出口の直線部の縦幅
W4 天面の縦幅
W5 広幅部の最大縦幅
L1,L2 直線部の幅方向の長さ

図1
図2
図3
図4