(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】コイルユニットのコイル構造及びトランス
(51)【国際特許分類】
H01F 27/28 20060101AFI20240222BHJP
H01F 30/10 20060101ALI20240222BHJP
H01F 17/00 20060101ALI20240222BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20240222BHJP
H01F 5/00 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
H01F27/28 104
H01F30/10 D
H01F17/00 B
H01F17/04 A
H01F5/00 M
(21)【出願番号】P 2019238506
(22)【出願日】2019-12-27
【審査請求日】2022-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】谷本 勉
(72)【発明者】
【氏名】図子 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】冨田 要介
(72)【発明者】
【氏名】竹本 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】本部 惇史
(72)【発明者】
【氏名】山本 明満
【審査官】井上 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-280230(JP,A)
【文献】特開2018-190883(JP,A)
【文献】特開2017-092348(JP,A)
【文献】特許第3489553(JP,B2)
【文献】特開平06-215961(JP,A)
【文献】特開平04-005806(JP,A)
【文献】実開昭61-158910(JP,U)
【文献】特開昭57-095609(JP,A)
【文献】実開平06-079127(JP,U)
【文献】特開2000-277343(JP,A)
【文献】特開平10-032129(JP,A)
【文献】特開平11-273955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/28
H01F 17/00
H01F 17/04
H01F 27/26
H01F 30/10
H01F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の第1の導電体を
複数ターンで環状に配置した第1のプレーナ型コイル及び平板状の第2の導電体を
複数ターンで環状に配置した第2のプレーナ型コイルが、コイル軸に平行な方向に積層され、且つ互いに電気的に接続されたコイルユニットのコイル構造において、
前記第1
及び第2のプレーナ型コイル
におけるターン間の隙間を、それぞれ第1及び第2の隙間とするときに、
前記第1及び第2の導電体の一方で、コイル軸に垂直な方向の幅が連続的に変動していることで、前記第2の隙間と重ならない
前記第1の隙間の面積が、前記第2の隙間と重なる前記第1の隙間の面積よりも広
い
ことを特徴とするコイルユニットのコイル構造。
【請求項2】
前記請求項
1に記載のコイル構造をそれぞれ有する複数の1次コイル及び複数の2次コイルを備え、
前記1次コイル及び前記2次コイルが交互にコイル軸に平行な方向に積層されている
ことを特徴とするトランス。
【請求項3】
複数の1次コイル及び複数の2次コイルは全て同じ構造を有していることを特徴とする請求項
2に記載のトランス。
【請求項4】
前記1次コイル又は前記2次コイルは交互に表裏を反転させながら積層されていることを特徴とする請求項
3に記載のトランス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイルユニットのコイル構造及びコイルユニットを用いたトランスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、一部が開放する環状の平面形状に形成された導電層からなるコイル層が、絶縁体層を介して上下方向に複数積層された一次コイルと二次コイルを用いた積層トランスが知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6180083号明細書
【文献】特許第3489553号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献に記載されたコイル層では、環状の導電層が1ターンしか形成されておらず、コイルとして必要なターン数と得るためには、積層するコイル層の数を増やすか、又は1つのコイル層内で環状の導電層のターン数を増やす必要がある。
【0005】
積層するコイル層の数を増やした場合、これに伴い、トランスがコイル層の積層方向に大きくなってしまうという課題が生じる。代わりに、環状の導電層のターン数を増やした場合、次に示す異なる課題が発生する。
【0006】
すなわち、環状の導電層のターン数を2ターン以上に増やした場合、1つのコイル層を構成している導電層同士の間に隙間が発生する。導電層同士の隙間が、絶縁体層を介して積層した2つコイルの間で、積層方向から見て同一の箇所に位置することにより、この隙間を貫通する磁束の閉ループが発生し、この閉ループが漏れ磁束となり、コイルのインダクタンスが低下してしまうという課題が生じる。
【0007】
本発明は、上記のような事情に鑑み成されたものであり、プレーナ型コイルの隙間を貫通する漏れ磁束を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、本発明の一態様に係るコイルユニットは、平板状の第1の導電体を複数ターンで環状に配置した第1のプレーナ型コイル及び平板状の第2の導電体を複数ターンで環状に配置した第2のプレーナ型コイルが、コイル軸に平行な方向に積層され、且つ互いに電気的に接続されたコイルユニットのコイル構造において、前記第1及び第2のプレーナ型コイルにおけるターン間の隙間を、それぞれ第1及び第2の隙間とするときに、前記第1及び第2の導電体の一方で、コイル軸に垂直な方向の幅が連続的に変動していることで、前記第2の隙間と重ならない前記第1の隙間の面積が、前記第2の隙間と重なる前記第1の隙間の面積よりも広い。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第1の隙間及び第2の隙間を貫通する漏れ磁束を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】
図1Aは、第1実施形態に係るコイルユニット10のコイル構造のうち、コイルユニットの第1主面(表面)を示す平面図である。
【
図1B】
図1Bは、第1実施形態に係るコイルユニット10のコイル構造のうち、コイルユニットの第1主表面(表面)に対向する第2主面(裏面)を示す平面図である。
【
図1C】
図1Cは、第1実施形態に係るコイルユニット10のコイル構造のうち、
図1A及び
図1Bに示したA
1-A
2切断面に沿った断面構造を示す断面図である。
【
図2A】
図2Aは、
図1A~
図1Cに示すコイルユニット10に電流を流した時に形成される磁束の閉ループ21の例を示す断面図である。
【
図2B】
図2Bは、比較例に係るコイルユニットの断面構造を示し、比較例に係るコイルユニットに電流を流した時に形成される磁束の閉ループ61a、61bの例を示す断面図である。
【
図3】
図3は、
図1A~
図1Cに示したコイル構造を有する複数のコイルユニット(10a~10d)を積層した変形例を示す断面図である。
【
図4A】
図4Aは、複数のコイルユニット10と磁性体コア(23、24)の組み合わせ例を示す斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、
図4Aの磁性体コア(23、24)を構成する一方の磁性体片23を示す斜視図である。
【
図4C】
図4Cは、
図4AのXZ平面に沿ったコイル中心軸を含む切断面における磁性体コア(23、24)の構造を示す断面図である。
【
図4D】
図4Dは、磁性体コア(25、26)の変形例を示す断面図である。
【
図5A】
図5Aは、比較例に係る磁性体コア(63、64)の構造を示す斜視図である。
【
図5B】
図5Bは、
図5Aの磁性体コア(63、64)を構成する一方の磁性体片64を示す斜視図である。
【
図5C】
図5Cは、
図5Aのコイル中心軸を含む切断面における磁性体コア(63、64)の構造を示す断面図である。
【
図6A】
図6Aは、複数のコイルユニット10と2対の磁性体コア(27~30)の組み合わせ例を示す斜視図である。
【
図6B】
図6Bは、
図6Aの磁性体コア(27~30)を構成する一方の磁性体片(27、29)を示す斜視図である。
【
図6C】
図6Cは、カプトンテープ39を用いて磁性体片(27~30)を固定する方法を示す斜視図である。
【
図6D】
図6Dは、
図6AのXZ平面に沿ったコイル中心軸を含む切断面における磁性体コア(27~30)の構造を示す断面図である。
【
図6E】
図6Eは、磁性体コア(31~33)の変形例を示す断面図である。
【
図7A】
図7Aは、コイルユニット10における複数の切断面A~Eの位置を示す平面図である。
【
図7B】
図7Bは、
図7Aの切断面A~Eにおけるコイルユニット10の構造を示す断面図である。
【
図8A】
図8Aは、第1のプレーナ型コイル(51)の外縁57の位置が第2のプレーナ型コイル(54)の外縁59の位置から異なる場合に発生する準隙間55aを示す断面図である。
【
図8B】
図8Bは、互いに幅が異なる第1のプレーナ型コイル(51)の隙間52と第2のプレーナ型コイル(54)の隙間55とが重なっている状態を示す断面図である。
【
図9】
図9は、導電体(11、14)と隙間(12、15)との境界(35、36)を用いて隙間(12、15)の重なりを表現する例を説明する断面図である。
【
図10A】
図10Aは、第2実施形態に係るトランスの構造要素を積層方向に分解して示す斜視図である。
【
図10B】
図10Bは、第2実施形態に係るトランスのコイル断面の構造を示す断面図である。
【
図11A】
図11Aは、第2変形例に係る全波整流トランスのうち1次コイル(37a~37d)を積層方向に分解して示す斜視図である。
【
図11B】
図11Bは、第2変形例に係る全波整流トランスのうち2次コイル(38a~38d)を積層方向に分解して示す斜視図である。
【
図11C】
図11Cは、第2変形例に係る全波整流トランスのコイル断面の構造を示す断面図である。
【
図11D】
図11Dは、第2変形例に係る全波整流トランスの等価回路を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。説明において、同一のものには同一符号を付して重複説明を省略する。
【0012】
(第1実施形態)
図1A、
図1B及び
図1Cを参照して、第1実施形態に係るコイルユニット10のコイル構造を説明する。
図1Aはコイルユニット10の第1主面(表面)を示し、
図1Bはコイルユニット10の第1主表面(表面)に対向する第2主面(裏面)を示し、
図1Cは、
図1A及び
図1Bに示したA
1-A
2切断面に沿った断面構造を示す。
【0013】
第1実施形態に係るコイルユニット10のコイル構造は、平板状の第1の導電体11を環状に配置した第1のプレーナ型コイル(11)及び平板状の第2の導電体14を環状に配置した第2のプレーナ型コイル(14)が、コイル軸に平行な方向に積層され、且つ互いに電気的に接続されたコイル構造である。第1のプレーナ型コイル(11)のターン数は2以上であり、第2のプレーナ型コイル(14)のターン数は1又は2以上である。
【0014】
第1のプレーナ型コイル(11)をコイル軸に平行な方向から見たときの第1の導電体11が形成されていない部分を、「第1の隙間12」と呼ぶ。第2のプレーナ型コイル(14)をコイル軸に平行な方向から見たときの第2の導電体14が形成されていない部分を、「第2の隙間15」と呼ぶ。コイル軸に平行な方向から見たときに、第2の隙間15と重ならない第1の隙間12の面積が、第2の隙間15と重なる第1の隙間12の面積よりも広い。
【0015】
コイルユニット10は、第1の導電体11と、第2の導電体14と、第1の導電体11と第2の導電体14の間に配置された絶縁基板20とを備える。第1の導電体11、第2の導電体14、及び絶縁基板20は、それぞれ層を成し、コイル軸に平行な方向に積層され、接着されている。第1の導電体11及び第2の導電体14は例えば銅などからなり、絶縁基板20は樹脂基板である。プレーナ処理、パターニング処理、エッチング処理などの半導体製造技術を用いて製造することができる。
【0016】
図1Aに示すように、第1のプレーナ型コイル(11)のターン数は、2ターン以上の一例である3ターンである。
図1Bに示すように、第2のプレーナ型コイル(14)のターン数
も、2ターン以上の一例である2ターンである。第1のプレーナ型コイル内において隣接する第1の導電体11同士の間には第1の隙間12が形成され、隣接する第1の導電体11同士は、第1の隙間12によって電気的に絶縁されている。隣接する第2の導電体14同士の間には第2の隙間15が形成され、隣接する第2の導電体14同士は、第2の隙間15によって電気的に絶縁されている。
【0017】
第1の導電体11の外周側端部は外部接続用の端子11aを成し、第2の導電体14の外周側端部は外部接続用の端子14aを成している。第1の導電体11の内周側端部と第2の導電体14の内周側端部との間は、絶縁基板20を貫通する導電性のプラグ電極13にて電気的に接続されている。すなわち、プラグ電極13をよって、第1のプレーナ型コイル(11)と第2のプレーナ型コイル(14)とは互いに電気的に接続されている。
【0018】
図1Aに示すように、第1の導電体11は、外周側端部から内周側端部に向けて時計回りに配線されている。一方、
図1Bに示すように、第2の導電体14は、外周側端部から内周側端部に向けて時計回りに配線されている。したがって、コイルユニット全体としては、端子11aから端子14aに向けて、
図1Aに示す平面内において時計回りに、
図1Bに示す平面内において反時計回りに配線され、合計で5ターンのターン数を有するコイルを成している。
【0019】
平板状の第1の導電体11及び平板状の第2の導電体14における「平板状」とは、
図1Cに示す導電体(11、14)の断面構造において、コイル軸に垂直な方向の導電体(11、14)の長さ(幅)がコイル軸に平行な方向の導電体(11、14)の長さ(厚み)より長いことを意味する。例えば、断面形状が円形の導電体は、平板状の導電体(11、14)から除かれる。
【0020】
「平板状の導電体(11、14)を環状に配置した」における「環状」には、新円、楕円、方形状、様々な平面形状が含まれ、一部が解放された巻線の平面形状(
図1A、
図1B)を意味する。
【0021】
図1A~
図1Cに示す例では、第1のプレーナ型コイル(11)の内縁16及び外縁17の形状および位置は、第2のプレーナ型コイル(14)の内縁18及び外縁19の形状および位置、及び絶縁基板の内縁及び外縁の形状及び位置とそれぞれ一致している。しかし、これらの形状及び位置は異なっていたり、又はずれていても構わない。
【0022】
また、第1のプレーナ型コイル(11)のターン数が3ターンであり、第2のプレーナ型コイル(14)のターン数が2ターンである例を示したが、これらは一例にすぎない。第1のプレーナ型コイル(11)のターン数が2以上であり、第2のプレーナ型コイル(14)のターン数が1又は2以上である限りにおいて、その他のターン数であっても構わない。
【0023】
第1の隙間12及び第2の隙間15のコイル軸に垂直な方向の長さ(幅)が均一である場合を示した。しかし、第1の隙間12の幅と第2の隙間15の幅とは異なっていても構わない。第1の隙間12及び第2の隙間15の各幅は、それぞれ不均一であっても構わない。
【0024】
図1A及び
図1Bにおいて、紙面に垂直な方向、すなわちコイル軸に平行な方向から見て、第1の導電体11の内周側端部から外周側端部までの第1の隙間12のうち、第2の隙間15と重ならない第1の隙間12の面積が、第2の隙間15と重なる第1の隙間12の面積よりも大きい。これにより、
図2Bに示すように、第1の隙間12及び第2の隙間15を貫通する磁束の閉ループ61a、61bの発生が抑制される。そして、
図2Aに示すように、第1のプレーナ型コイル(11)の内縁16及び外縁17及び第2のプレーナ型コイル(14)の内縁18及び外縁19を内包する磁束の閉ループ21の発生を促進することができる。
【0025】
図2Bは、比較例に係るコイルユニットの断面構造を示す断面図である。表面側の第1のプレーナ型コイル(51)及び裏面側の第2のプレーナ型コイル(54)は絶縁性基板60を介して積層されている。第1のプレーナ型コイル(51)の隙間52と、第2のプレーナ型コイル(54)の隙間55は、コイル軸に平行な方向から見て、重なっている。このため、比較例に係るコイルユニットに電流を流すと、第1の隙間12及び第2の隙間15を貫通する磁束の閉ループ61a、61bが発生してしまう。一方、
図2Aに示すように、第1実施形態に係る第1の隙間12と第2の隙間15は、コイル軸に平行な方向から見て重なっていない。よって、第1の隙間12と第2の隙間15を貫通する磁束は発生しにくくなり、コイルユニットの内周及び外周の間により多くの磁束の閉ループが発生しやすくなる。
【0026】
(複数のコイルユニット10a~10dの積層例)
なお、
図3に示すように、
図1A~
図1Cに示したコイル構造を有するコイルユニットを、複数積層させても構わない。複数のコイルユニット(10a~10d)は、絶縁性の紙(絶縁紙34)を介してコイル軸に平行な方向に積層されている。すべてのコイルユニット(10a~10d)の表裏面の向きは同じ方向に配置されている。コイル軸に平行な方向から見て、すべてのコイルユニット(10a~10d)の内周及び外周の位置は一致している。
【0027】
コイルユニット(10a~10d)の端子11aは、積層方向に隣接する他のコイルユニット(10a~10d)の端子14aに電気的に接続されている。すなわち、コイルユニット(10a~10d)は直列に接続されている。例えば、4つのコイルユニット(10a~10d)を積層し、直接に接続した場合、合計20ターンのコイルを形成することができる。もちろん、コイルユニット(10a~10d)は並列に接続しても構わない。
【0028】
図3に示すように、各コイルユニット(10a~10d)の内部においてのみならず、積層方向に隣接する2つのコイルユニット(10a~10d)の間においても、第1の隙間12と第2の隙間15との重なりを抑制することができる。具体的には、コイルユニット10aの第2の隙間15と、コイルユニット10aの第2の隙間15とは、コイル軸に平行な方向から見て重なっていない。このように、隣接する2つのコイルユニット(10a~10d)の間においても、第2の隙間15と重ならない第1の隙間12の面積を、第2の隙間15と重なる第1の隙間12の面積よりも広くすることができる。複数のコイルユニット(10a~10d)からなるコイル全体として、漏れ磁束の発生を抑制することができる。
【0029】
(磁性体コアを備える積層コイル)
更に、
図4A~
図4Dに示すように、積層した複数のコイルユニット(10)の内周の内側をコイル軸に平行な方向に貫通して、コイルユニット(10)の内周の内側と外周の外側の間に閉磁路を形成する磁性体からなるコア(23、24)を更に配置してもよい。コア(23、24)は、2つの面(23a、23b)のみで面接触する2つの磁性体片(23、24)を備える。
図4A~
図4Cに示す例で、2つの磁性体片(23、24)は、コイル軸に平行な方向に分割され、コイルユニット(10)のと内周の内側及び外周の外側の各々で合わせ面(23a、23b)をそれぞれ有する。
図4Dは、コイル軸に垂直な方向に分割された2つの磁性体片(25、26)を示す。いずれの例も、2つの磁性体片は、2つの合わせ面のみで接触している。これにより、合わせ面同士の間の空隙の発生を抑制することができる。
【0030】
これに対して、
図5A~
図5Cは比較例に係るコアの構造を示す。比較例に係るコアは、積層した複数のコイルユニット(50)の内周の内側をコイル軸に平行な方向に貫通して、コイルユニット(50)
の内周の内側と外周の外側の間に閉磁路を形成し、コイル軸に平行な方向に分割された2つの磁性体片(63、64)を備える。2つの磁性体片(63、64)は、コイルユニット(50)
の内周の内側で一カ所及び外周の外側で二カ所に、合計3つの合わせ面(64a、64b、64c)をそれぞれ有する。コアを構成する磁性体片の合わせ面を3面以上とした場合、磁性体片の製造時の寸法バラつきが原因で、3つのうちの少なくとも1つの合わせ面には空隙が生じてしまう。
図5Cの例では、磁性体片63の合わせ面63cと磁性体片64の合わせ面64cの間に空隙が形成されている。コアは空隙がないことを前提に設計しているため磁気抵抗が小さく、わずかな空隙でも磁気抵抗の増加率は大きいため、寸法バラつきに対する磁気抵抗の感度が高い。本実施形態では、1対の磁性体片(23~26)の合わせ面の数を2
面に減らすことで空隙の発生を低減することができる。
【0031】
さらに、
図4A~
図4Dの例では、1対の磁性体片(23~26)からなるコアの例を示したが、
図6A~
図6Eに示すように、2対の磁性体片(27~30)或いは3対以上の磁性体片からなるコアも適用可能である。
図6A~
図6Dに示すコアは、磁性体片27と磁性体片28からなる対と、磁性体片29と磁性体片30からなる対とを備える。磁性体片27及び磁性体片28は、コイル軸に平行な方向に分割され、コイルユニット(10)のと内周の内側及び外周の外側の各々で合わせ面(27a、27b)をそれぞれ有する。磁性体片27及び磁性体片28は、2つの面(27a、27b)のみで面接触する。これにより、合わせ面同士の間の空隙の発生を抑制することができる。磁性体片29及び磁性体片30も、磁性体片27及び磁性体片28と同様な構造を有するため、説明を省略する。
図6Eは、コイル軸に平行な方向に分割された2つの磁性体片(31、32)と、磁性体片(31、32)の各々に面接触する1つ磁性体片33とを組み合わせたコアを示す。
図6Eのコアも、各磁性体片(31~33)は2つの面のみで面接触する。これにより、合わせ面同士の間の空隙の発生を抑制することができる。2対の磁性体片(27~30)或いは3対以上の磁性体片を用いることにより、1対の磁性体片あたりの合わせ面の数を2以下に維持しつつ、コイルユニット10の露出をより抑制することができる。つまり、コイルユニット10のより多くの領域をコアの閉磁路内に収めることができる。よって、漏れ磁束が一層生じにくくなり、コイルの内周と外周とを結ぶ閉磁路の厚さを
図4の例に比べて増加させることができる。
【0032】
なお、
図6Cに示すように、例えばカプトンテープ39を磁性体片(27~30)の外周に巻き付けることにより、磁性体片同士を接合した状態で固定することができる。磁性体片(27~30)の合わせ面に接着剤を塗布することは閉磁路内に空隙を設けることと等しいので極力避けたい。コアの外周をカプトンテープ39で固定する方法であれば、閉磁路内の空隙要因となるもの(接着剤)を介さずに磁性体片(27~30)を固定できるようになる。
【0033】
なお、
図4A~
図4Cに示した2つの磁性体片(23、24)、及び
図6A~
図6Dに示した4つの磁性体片(27~30)は、それぞれ同一の形状を有しているため、同じ型で磁性体片を製造できるので、製造コストを低減することができる。
【0034】
(第1変形例:導電体の幅が不均一である例)
図1Cに示す第1の導電体11及び第2の導電体14のコイル軸に垂直な方向の長さ(幅)が、それぞれ均一である場合を図示した。しかし、第1の導電体11及び第2の導電体14の各幅は、第1の導電体11及び第2の導電体14の中において、不均一であっても構わない。
【0035】
図7Bの各分図は、
図7Aの切断面A~Eにおけるコイルユニット10の断面構造を示す。
図7Bに示すように、第1の導電体11及び第2の導電体14の幅は、切断面の位置に応じて異なっている。コイル軸に平行な方向から見たときに、5つの切断面のうち、4つの切断面(A、B、D、E)において、第1の隙間12と第2の隙間15は重なっていない。しかし、残りの1つの切断面(C)において、第1の隙間12と第2の隙間15が重なっている。
【0036】
第1のプレーナ型コイル(11)のターン数は3ターンである。第2のプレーナ型コイル(14)のターン数は3ターンである。第1の隙間12及び第2の隙間15のコイル軸に垂直な方向の長さ(幅)は均一である。このように、第1のプレーナ型コイル(11)と第2のプレーナ型コイル(14)を同ターン数としてもよいし、異なるターン数とすることもできる。すなわち、表裏面のプレーナ型コイルのターン数を任意に設定することが可能となる。
【0037】
第1のプレーナ型コイル(11)のターン数と第2のプレーナ型コイル(14)のターン数が同じであっても、第1の導電体11及び第2の導電体14の少なくとも一方の幅を可変とすることにより、第1の隙間12と第2の隙間15が重ならないように位置をずらすことができる。よって、コイル軸に平行な方向から見たときに、第2の隙間15と重ならない第1の隙間12の面積を、第2の隙間15と重なる第1の隙間12の面積よりも広くすることができる。
【0038】
(隙間の定義)
実施形態における「隙間」には、プレーナ型コイルのターン数が2以上である場合、
図1Cに示すように、各プレーナ型コイル内でコイル軸に垂直な方向に隣接する導電体(11、14)同士の隙間(12、15)が含まれる。実施形態における「隙間」には、隙間(12、15)のみならず、次に示す隙間に準ずる部分55a(以後、「準隙間55a」と呼ぶ)も含まれる。
【0039】
例えば、
図8Aに示すように、コイル軸に平行な方向に見て、第1のプレーナ型コイル(51)の外縁57の位置が第2のプレーナ型コイル(54)の外縁59の位置から異なる場合に、準隙間55aが発生する。外縁57から外縁59までの部分が準隙間55aとなる。第2のプレーナ型コイル(54)の外縁59が、第1のプレーナ型コイル(51)の外縁57よりも内側に位置している場合、外縁57から外縁59までの部分は、第2のプレーナ型コイル(54)の準隙間55aとして定義される。
【0040】
図8Aに示すように、第2のプレーナ型コイル(54)の準隙間55aと、第1のプレーナ型コイル(51)の隙間52と重なると、第1のプレーナ型コイル(51)の隙間52を貫通する磁束の閉ループ61cが発生してしまう。このため、コイル軸に平行な方向に見た時のプレーナ型コイルの外縁(57、59)の位置が異なる場合、外縁57から外縁59までの部分は準隙間55aとして定義し、導電体(11、14)同士の隙間(12、15)と同等に扱うことが望ましい。なお、ここでは、一例として、外縁(57、59)の位置が異なる場合を例示したが、内縁(56、58)の位置が異なる場合も同様に準隙間55aを定義して隙間と同等に扱うことが望ましい。
【0041】
(「隙間が重なる」とは)
「隙間が重なる」とは、隙間の少なくとも一部分が重なっていることを示す。例えば、
図8Bに示すように、第1のプレーナ型コイル(51)の隙間52の幅が、第2のプレーナ型コイル(54)の隙間55の幅よりも広い。第1のプレーナ型コイル(51)の隙間52の一部分が、第2のプレーナ型コイル(54)の隙間55と重なっている。よって、隙間52及び隙間55を貫通する磁束の閉ループ61dが発生し得る。したがって、この場合も、隙間52と隙間55は重なっているといえる。
【0042】
逆に、第1の隙間12の幅が第2の隙間15の幅に等しい場合、「隙間が重なる」ことを、
図9に示すように、導電体(11、14)と隙間(12、15)との境界(35、36)を用いて表現することができる。「境界35」は、第1の導電体11と第1の隙間12との境界であって、コイルユニット10の内周側又は外周側の境界である。一方、境界36は、第2の導電体14と第2の隙間15との境界であって、コイルユニット10の内周側又は外周側の境界である。コイル軸に平行な方向から見て、境界35が境界36から第1の隙間12の幅以上離れている場合、第1の隙間12と第2の隙間15は重なっていないと言える。
【0043】
よって、第1の隙間12及び第2の隙間15の幅は互いに等しい場合、コイル軸に平行な方向から見た時の、境界線36から第1の隙間12の幅以上離れている境界線35の長さは、境界線36から第1の隙間の幅未満に近づいている境界線35の長さよりも長い。
【0044】
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。
【0045】
コイルユニット10は、平板状の第1の導電体11を環状に配置した第1のプレーナ型コイル(11)及び平板状の第2の導電体14を環状に配置した第2のプレーナ型コイル(14)が、コイル軸に平行な方向に積層され、且つ互いに電気的に接続されたコイル構造を有する。第1のプレーナ型コイル(11)のターン数は2以上であり、第2のプレーナ型コイル(14)のターン数は1又は2以上である。コイル軸に平行な方向から見たときに、第2のプレーナ型コイル(14)のうち第2の導電体14が形成されていない部分(第2の隙間15)と重ならない第1のプレーナ型コイル(11)のうち第1の導電体11が形成されていない部分(第1の隙間12)の面積が、第2の隙間15と重なる第1の隙間12の面積よりも広い。第1の隙間12の面積のうち、第2の隙間15と重なっていない面積が、第2の隙間15と重なっている面積よりも広い。よって、第1の隙間12及び第2の隙間15を貫通する漏れ磁束の発生が抑制され、コイルユニット10の最内径(16、18)と最外径(17、19)の間で閉ループを形成する磁束を増やすことができる。よって、漏れインダクタンスを低減し、コイルユニット10の自己インダクタンスを向上させることができる。
【0046】
第1の導電体11及び第2の導電体14のコイル軸に垂直な方向の幅が均一であり、第1のプレーナ型コイル(11)のターン数が第2のプレーナ型コイルのターン数と異なり、且つ、第1のプレーナ型コイル(11)及び第2のプレーナ型コイル(14)の少なくとも一方のターン数が奇数である。これらの条件を満たすことにより、第2の隙間15と重ならない第1の隙間12の面積を、第2の隙間15と重なる第1の隙間12の面積よりも広くすることができる。
【0047】
第1の導電体11及び第2の導電体14の少なくとも一方のコイル軸に垂直な方向の幅が連続的に変動している。これにより、コイル軸に平行な方向から見た時の隙間(12、15)の位置を自由に配置することができる。よって、導電体(11、14)の幅を変化させることにより、容易に、第2の隙間15と重ならない第1の隙間12の面積を、第2の隙間15と重なる第1の隙間12の面積よりも広くすることができる。また、第1のプレーナ型コイル(11)のターン数を第2のプレーナ型コイルのターン数に一致させたとしても第2の隙間15と第1の隙間12の重なりを回避できるので、表裏面のプレーナ型コイル(11、14)のターン数を任意に設定することが可能となる。
【0048】
第1の隙間12及び第2の隙間15の幅は互いに等しい。
図9に示すように、コイル軸に平行な方向から見た時の、境界線36から第1の隙間12の幅以上離れている境界線35の長さは、境界線36から第1の隙間12の幅未満に近づいている境界線35の長さよりも長い。隙間の幅が均一である場合、導電体(11、14)と隙間(12、15)との境界線(35、36)の重複を定義することにより、隙間(12、15)の重複を特定することができる。
【0049】
コイルユニット10は、第1のプレーナ型コイル(11)及び第2のプレーナ型コイル(14)のコイル軸を貫通して、コイル内周(16、18)とコイル外周(17、19)の間に閉磁路を形成するように、複数の磁性体片(23~30)を接合させたコアを備える。磁性体片(23~30)は、2つ以下の接合面において接合される。これにより、合わせ面同士の間の空隙の発生を抑制することができる。
【0050】
(第2実施形態)
第2実施形態では、
図10A及び
図10Bを参照して、第1実施形態で示したコイル構造を有する複数の1次コイル(37a~37d)及び複数の2次コイル(38a~38d)を備えるトランスについて説明する。複数の1次コイル(37a~37d)及び複数の2次コイル(38a~38d)の各々は、
図1A~
図1Cに示したコイルユニット10からなる。すなわち、複数の1次コイル(37a~37d)及び複数の2次コイル(38a~38d)は全て同じ構造を有している。
【0051】
図10A及び
図10Bに示すように、1次コイル(37a~37d)及び2次コイル(38a~38d)は、交互にコイル軸に平行な方向(Z方向)に積層されている。すべての1次コイル(37a~37d)及び2次コイル(38a~38d)の表裏面の向きは同じ方向に配置されている。積層方向に隣り合う1次コイル(37a~37d)と2次コイル(38a~38d)の間には絶縁性の紙(絶縁紙34)が挿入されている。絶縁紙34により、隣り合う1次コイル(37a~37d)と2次コイル(38a~38d)が電気的に絶縁されている。
【0052】
1次コイル(37a~37d)の端子11aは、2次コイル(38a~38d)を介して積層方向に隣接する他の1次コイル(37a~37d)の端子14aに電気的に接続されている。すなわち、1次コイル(37a~37d)は直列に接続されている。例えば、4つの1次コイル(37a~37d)を積層し、直接に接続した場合、合計20ターンの1次コイルを形成することができる。もちろん、1次コイル(37a~37d)は互いに並列に接続しても構わない。
【0053】
同様にして、2次コイル(38a~38d)の端子14aは、1次コイル(37a~37d)を介して積層方向に隣接する他の2次コイル(38a~38d)の端子14aに電気的に接続されている。すなわち、2次コイル(38a~38d)は直列に接続されている。例えば、4つの2次コイル(38a~38d)を積層し、直接に接続した場合、合計20ターンの2次コイルを形成することができる。もちろん、2次コイル(38a~38d)は互いに並列に接続しても構わない。
【0054】
なお、図示は省略しているが、第2実施形態に係るトランスは、積層したすべてのコイル(37a~37d、38a~38d)の内周と外周との間に閉磁路を形成する、複数の磁性体片(23~30)からなるコアを更に備えていても構わない。
【0055】
本実施形態に係るトランスを構成する1次コイル(37a~37d)及び2次コイル(38a~38d)の各々は
図1A~
図1Cに示したコイル構造を有する。すなわち、コイル軸に平行な方向から見たときに、第1の隙間12の面積のうち、第2の隙間15と重なっていない面積が、第2の隙間15と重なっている面積よりも広い。よって、第1の隙間12及び第2の隙間15を貫通する漏れ磁束の発生が抑制され、コイルユニット10の最内径(16、18)と最外径(17、19)の間で閉ループを形成する磁束を増やすことができる。よって、積層方向に隣接する他のコイルと鎖交せずに自コイル内で閉ループを形成する磁束が減少し、多くの磁束が隣接するコイルと鎖交できるようになる。よって、1次コイル(37a~37d)と2次コイル(38a~38d)間の相互結合が強くなり、トランスの相互インダクタンスを向上させることができる。また、1次コイル(37a~37d)及び2次コイル(38a~38d)の各々は絶縁基板20の表裏にプレーナ型コイルを配置したプリント基板によって構成されている。よって、多層基板で1次コイルもしくは2次コイルを形成するより絶縁体を薄くできるため導体の占積率を向上させることができる。
【0056】
複数の1次コイル(37a~37d)及び2次コイル(38a~38d)は全て同じ構造を有している。1種類の型で1次コイル(37a~37d)及び2次コイル(38a~38d)を製造することができるので製造コストを抑えることができる。
【0057】
(第2変形例:全波整流トランス)
複数の1次コイル(37a~37d)及び複数の2次コイル(38a~38d)の各々は、
図1A~
図1Cに示したコイルユニット10からなる。複数の1次コイル(37a~37d)及び複数の2次コイル(38a~38d)は全て同じ構造を有している。
図11Cに示すように、1次コイル(37a~37d)及び2次コイル(38a~38d)は、
図10Bと同様に、交互にコイル軸に平行な方向に積層されている。
図11B及び
図11Cに示すように、2次コイル(38a~38d)は交互に表裏を反転させながら積層されている。一方、
図11Aに示すように、すべての1次コイル(37a~37d)の表裏面の向きは同じ方向に配置されている。積層方向に隣り合う1次コイル(37a~37d)と2次コイル(38a~38d)の間には絶縁性の紙(絶縁紙34)が挿入されている。
【0058】
1次コイル(37a~37d)は互いに並列に接続され、各1次コイル(37a~37d)は端子P1及び端子P2に接続されている。2次コイル(38a~38d)の一方の端子は端子S3に接続され、2次コイル(38a、38c)の他方の端子は端子S1に接続され、2次コイル(38b、38d)の他方の端子は端子S2に接続されている。
【0059】
なお、図示は省略しているが、第2変形例に係る全波整流トランスは、積層したすべてのコイル(37a~37d、38a~38d)の内周と外周との間に閉磁路を形成する、複数の磁性体片(23~30)からなるコアを更に備えていても構わない。
【0060】
1次コイル(37a~37d)及び2次コイル(38a~38d)からなる全波整流トランスの端子S1及びS2にダイオードを接続することにより、
図11Dに示すような全波整流回路を構成することができる。
【0061】
以上説明したように、1種類のコイルユニット10のみを用いて全波整流トランスを構成することが可能となるので製造コストを抑えることができる。
【0062】
なお、上述の実施形態は、本発明を実施する形態の例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、これ以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0063】
10、10a、10b、10c、10d コイルユニット
11 第1の導電体
12 第1の隙間
14 第2の導電体
15 第2の隙間
23~33 磁性体片
35、36 境界線
37a、37b、37c、37d 1次コイル
38a、38b、38c、38d 2次コイル