(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20240222BHJP
G03F 7/26 20060101ALI20240222BHJP
B05C 11/08 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
H01L21/30 564C
H01L21/30 562
G03F7/26
B05C11/08
(21)【出願番号】P 2020020873
(22)【出願日】2020-02-10
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100098305
【氏名又は名称】福島 祥人
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】恩地 良知
(72)【発明者】
【氏名】森岡 一夫
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】古川 健太
【審査官】大谷 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-080003(JP,A)
【文献】特開2004-172223(JP,A)
【文献】特開2007-056537(JP,A)
【文献】特開2018-195607(JP,A)
【文献】特開平02-241571(JP,A)
【文献】特開2010-123871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/26
B05C 7/00- 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に処理液を用いた処理を行う基板処理装置であって、
前記処理液を吐出する第1の液吐出部と、
前記第1の液吐出部から吐出された前記処理液を受け止める第1の受け止め部と、
前記第1の液吐出部および前記第1の受け止め部を収容する第1の処理室と、
前記処理液を収集する第1の液収集部と、
前記第1の処理室の下部に設けられ、前記第1の液収集部を収容する第1の収集室と、
前記第1の処理室と前記第1の収集室とを区画する第1の隔壁と、
前記第1の隔壁を貫通して前記第1の受け止め部と前記第1の液収集部との間に接続される第1の収集配管と
、
前記処理液を吐出する第2の液吐出部と、
前記第2の液吐出部から吐出された前記処理液を受け止める第2の受け止め部と、
前記第1の収集室の下部に設けられ、前記第2の液吐出部および前記第2の受け止め部を収容する第2の処理室と、
前記処理液を収集する第2の液収集部と、
前記第2の処理室の下部に設けられ、前記第2の液収集部を収容する第2の収集室と、
前記第2の処理室と前記第2の収集室とを区画する第2の隔壁と、
前記第2の隔壁を貫通して前記第2の受け止め部と前記第2の液収集部との間に接続される第2の収集配管と、
前記第2の隔壁を貫通して前記第1の液収集部と前記第2の液収集部との間に接続される第3の収集配管とを備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記第1の収集配管は、
下流端から上方に延びる第1の下流部分と、
前記第1の下流部分の外周面から外方へ突出する係合部とを有し、
前記第1の液収集部は、
前記第1の下流部分が引抜可能に挿入された開口部と、
前記第1の下流部分が前記開口部に挿入された状態で前記係合部が係合する被係合部とを有する、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1の収集配管は、
前記第1の下流部分を有する第1の部分配管と、
前記第1の隔壁を上下に貫通するように前記第1の部分配管の上流に設けられた第2の部分配管とを含み、
前記第1の部分配管は、
上流端から下方に延びる第1の上流部分をさらに有し、
前記第2の部分配管は、
前記第1の隔壁から下方に延びる第2の下流部分を有し、
前記第1の上流部分は、前記第2の下流部分に対して上下動可能に前記第2の下流部分に嵌合された、請求項2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第1の液収集部の内部に前記処理液よりも低い粘度を有するリンス液を供給するリンス液供給部をさらに備える、請求項3記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記リンス液供給部は、前記第1の収集配管内に前記リンス液を供給可能に構成された、請求項4記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記リンス液供給部は、前記第1の液収集部の内部に向けて所定の広がり角で前記リンス液を噴射可能に構成された、請求項4または5記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記処理液は、ポリイミドを含み、
前記リンス液は、ポリイミドを溶解させる有機溶剤を含む、請求項4~6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第1の液収集部は、
前記処理液を排出する排出口と、
前記排出口へ向かって前記処理液を流す傾斜面とを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第1の収集室には、前記第1の収集室の内部空間と前記第1の収集室の外部とを連通させるメンテナンス用開口部が形成されるとともに、前記メンテナンス用開口部を開閉可能な開閉部材が取り付けられた、請求項1~8のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記第1の処理室に収容され、基板を水平姿勢で保持する基板保持部をさらに備え、
前記第1の液吐出部は、
前記基板保持部により保持された基板の上方の処理位置と基板の外方の待機位置との間で移動可能に設けられ、前記処理位置および前記待機位置で前記処理液を吐出するノズルを含み、
前記第1の受け止め部は、
前記基板保持部により保持される基板を取り囲むように設けられ、基板に供給された前記処理液を受け止めるカップを含み、
前記第1の収集配管は、
前記第1の隔壁を貫通して前記カップと前記第1の液収集部との間に接続されるカップ配管を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記第1の受け止め部は、
前記待機位置において前記ノズルから吐出される前記処理液を受け止めるノズル容器をさらに含み、
前記第1の収集配管は、
前記第1の隔壁を貫通して前記ノズル容器と前記第1の液収集部との間に接続される容器配管をさらに含む、請求項10記載の基板処理装置。
【請求項12】
基板に処理液を用いた処理を行う基板処理装置であって、
前記処理液を吐出する第1の液吐出部と、
前記第1の液吐出部から吐出された前記処理液を受け止める第1の受け止め部と、
前記第1の液吐出部および前記第1の受け止め部を収容する第1の処理室と、
前記処理液を収集する第1の液収集部と、
前記第1の処理室の下部に設けられ、前記第1の液収集部を収容する第1の収集室と、
前記第1の処理室と前記第1の収集室とを区画する第1の隔壁と、
前記第1の隔壁を貫通して前記第1の受け止め部と前記第1の液収集部との間に接続される第1の収集配管とを備え、
前記第1の収集配管は、
下流端から上方に延びる第1の下流部分と、
前記第1の下流部分の外周面から外方へ突出する係合部とを有し、
前記第1の液収集部は、
前記第1の下流部分が引抜可能に挿入された開口部と、
前記第1の下流部分が前記開口部に挿入された状態で前記係合部が係合する被係合部とを有し、
前記第1の収集配管は、
前記第1の下流部分を有する第1の部分配管と、
前記第1の隔壁を上下に貫通するように前記第1の部分配管の上流に設けられた第2の部分配管とを含み、
前記第1の部分配管は、
上流端から下方に延びる第1の上流部分をさらに有し、
前記第2の部分配管は、
前記第1の隔壁から下方に延びる第2の下流部分を有し、
前記第1の上流部分は、前記第2の下流部分に対して上下動可能に前記第2の下流部分に嵌合され、
前記第1の上流部分が前記第2の下流部分に対して上下動可能な範囲は、前記第1の下流部分のうち前記開口部に挿入される部分の上下方向の長さよりも大きい、基板処理装置。
【請求項13】
基板に処理液を用いた処理を行う基板処理装置であって、
前記処理液を吐出する第1の液吐出部と、
前記第1の液吐出部から吐出された前記処理液を受け止める第1の受け止め部と、
前記第1の液吐出部および前記第1の受け止め部を収容する第1の処理室と、
前記処理液を収集する第1の液収集部と、
前記第1の処理室の下部に設けられ、前記第1の液収集部を収容する第1の収集室と、
前記第1の処理室と前記第1の収集室とを区画する第1の隔壁と、
前記第1の隔壁を貫通して前記第1の受け止め部と前記第1の液収集部との間に接続される第1の収集配管と、
前記第1の液収集部の内部に前記処理液よりも低い粘度を有するリンス液を供給するリンス液供給部とを備え、
前記第1の液収集部は、
当該第1の液収集部の下端部に形成された前記処理液を排出する排出口と、
前記排出口へ向かって前記処理液を流す傾斜面とを有し、
前記リンス液供給部は、前記傾斜面の上方の位置から前記第1の液収集部の内部に向けて所定の広がり角で前記リンス液を噴射可能に構成された、基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に処理液を用いた所定の処理を行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等に用いられるFPD(Flat Panel Display)用基板、半導体基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等の各種基板に種々の処理を行うために、基板処理装置が用いられる。
【0003】
このような基板処理装置では、例えば1枚の基板に対して複数の異なる処理が連続的に行われる。特許文献1に記載された基板処理装置には、基板の被処理面にレジスト膜を形成するための塗布処理部が設けられている。その塗布処理部は、基板を水平姿勢で保持しつつ回転させるスピンチャックと、基板上に塗布液を供給する塗布液ノズルと、スピンチャックの周りを取り囲むように設けられるカップとを備える。
【0004】
基板にレジスト膜を形成する際には、スピンチャックにより回転される基板の被処理面に、塗布液ノズルからレジスト膜用の塗布液が吐出される。吐出された塗布液が、基板の被処理面全体に広がることにより基板上にレジスト膜が形成される。このとき、基板の周囲に飛散する塗布液は、カップにより受け止められる。カップに回収配管が接続されている。カップにより受け止められた使用済みの塗布液は、カップから回収配管を通して回収タンクに導かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の基板処理装置において、塗布液の種類によっては回収配管内で塗布液が詰まる可能性がある。例えば、使用される塗布液が高い粘度を有する場合、その塗布液は回収配管内で詰まりやすい。回収配管が詰まると、基板処理装置のダウンタイムが長くなる。基板処理装置のダウンタイムが長くなることを防止するために塗布処理部を開放して回収配管のメンテナンスを行うと、メンテナンスが行われるごとに塗布処理部の外部から塗布処理部内に汚染物質が進入する可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、基板処理装置のダウンタイムが長くなることを防止するとともに基板の処理室内の汚染を防止することを可能にする基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)第1の発明に係る基板処理装置は、基板に処理液を用いた処理を行う基板処理装置であって、処理液を吐出する第1の液吐出部と、第1の液吐出部から吐出された処理液を受け止める第1の受け止め部と、第1の液吐出部および第1の受け止め部を収容する第1の処理室と、処理液を収集する第1の液収集部と、第1の処理室の下部に設けられ、第1の液収集部を収容する第1の収集室と、第1の処理室と第1の収集室とを区画する第1の隔壁と、第1の隔壁を貫通して第1の受け止め部と第1の液収集部との間に接続される第1の収集配管と、処理液を吐出する第2の液吐出部と、第2の液吐出部から吐出された処理液を受け止める第2の受け止め部と、第1の収集室の下部に設けられ、第2の液吐出部および第2の受け止め部を収容する第2の処理室と、処理液を収集する第2の液収集部と、第2の処理室の下部に設けられ、第2の液収集部を収容する第2の収集室と、第2の処理室と第2の収集室とを区画する第2の隔壁と、第2の隔壁を貫通して第2の受け止め部と第2の液収集部との間に接続される第2の収集配管と、第2の隔壁を貫通して第1の液収集部と第2の液収集部との間に接続される第3の収集配管とを備える。
【0009】
その基板処理装置においては、第1の処理室内で、第1の液吐出部から吐出された処理液を用いて基板に処理が行われる。第1の液吐出部から吐出された処理液は、第1の受け止め部により受け止められ、第1の収集配管により第1の液収集部に導かれる。
【0010】
第1の収集配管は、第1の隔壁を貫通して第1の受け止め部と第1の液収集部とを接続する。それにより、第1の収集配管が第1の隔壁を迂回して第1の受け止め部と第1の液収集部とを接続する構成に比べて、第1の収集配管を水平方向に大きく延ばす必要がない。そのため、第1の収集配管の内部では、処理液が自重で流れやすい。また、第1の収集配管の長さを短くすることができる。したがって、第1の収集配管における処理液の詰まりの発生が低減される。
【0011】
さらに、上記の基板処理装置においては、第1の処理室と第1の収集室とが第1の隔壁で区画されている。そのため、第1の液収集部および第1の収集配管のメンテナンス時に第1の収集室が開放される場合でも、第1の隔壁により第1の処理室の外部から第1の収集室を通して第1の処理室内に汚染物質が進入することが防止される。
【0012】
これらの結果、基板処理装置のダウンタイムが長くなることを防止するとともに基板の第1の処理室内の汚染を防止することが可能になる。
また、第2の収集配管は、第2の隔壁を貫通して第2の受け止め部と第2の液収集部とを接続する。それにより、第2の収集配管が第2の隔壁を迂回して第2の受け止め部と第2の液収集部とを接続する構成に比べて、第2の収集配管を水平方向に大きく延ばす必要がない。そのため、第2の収集配管の内部では、処理液が自重で流れやすい。また、第2の収集配管の長さを短くすることができる。したがって、第2の収集配管における処理液の詰まりの発生が低減される。
さらに、第3の収集配管は、第2の隔壁を貫通して第1の液収集部と第2の液収集部とを接続する。それにより、第3の収集配管が第2の隔壁を迂回して第2の受け止め部と第2の液収集部とを接続する構成に比べて、第3の収集配管を水平方向に大きく延ばす必要がない。そのため、第3の収集配管の内部では、処理液が自重で流れやすい。また、第3の収集配管の長さを短くすることができる。したがって、第3の収集配管における処理液の詰まりの発生が低減される。
さらに、上記の基板処理装置においては、第2の処理室と第2の収集室とが第2の隔壁で区画されている。そのため、第2の液収集部、第2の収集配管および第3の収集配管のメンテナンス時に第2の収集室が開放される場合でも、第2の隔壁により第2の処理室の外部から第2の収集室を通して第2の処理室内に汚染物質が進入することが防止される。
これらの結果、基板処理装置のダウンタイムが長くなることを防止するとともに基板の第2の処理室内の汚染を防止することが可能になる。
【0013】
(2)第1の収集配管は、下流端から上方に延びる第1の下流部分と、第1の下流部分の外周面から外方へ突出する係合部とを有し、第1の液収集部は、第1の下流部分が引抜可能に挿入された開口部と、第1の下流部分が開口部に挿入された状態で係合部が係合する被係合部とを有してもよい。
【0014】
この場合、第1の液収集部および第1の収集配管のメンテナンス時に、第1の液収集部に対する第1の収集配管の取り付けおよび取り外しが容易になる。
【0015】
(3)第1の収集配管は、第1の下流部分を有する第1の部分配管と、第1の隔壁を上下に貫通するように第1の部分配管の上流に設けられた第2の部分配管とを含み、第1の部分配管は、上流端から下方に延びる第1の上流部分をさらに有し、第2の部分配管は、第1の隔壁から下方に延びる第2の下流部分を有し、第1の上流部分は、第2の下流部分に対して上下動可能に第2の下流部分に嵌合されてもよい。
【0016】
この場合、第1の液収集部および第1の収集配管のメンテナンス時に、第1の収集配管の第2の部分配管に対する第1の部分配管の取り付けおよび取り外しが容易になる。
【0017】
(4)第1の液収集部の内部に処理液よりも低い粘度を有するリンス液を供給するリンス液供給部をさらに備えてもよい。
【0018】
この場合、第1の液収集部の内部の処理液が粘度の低いリンス液により円滑に流れるので、第1の液収集部における処理液の詰まりが防止される。
【0019】
(5)リンス液供給部は、第1の収集配管内にリンス液を供給可能に構成されてもよい。
【0020】
この場合、第1の液収集部の上流からリンス液が流れるので、第1の液収集部の内部で処理液がより円滑に流れる。したがって、第1の液収集部の内部における処理液の詰まりがより防止される。
【0021】
(6)リンス液供給部は、第1の液収集部の内部に向けて所定の広がり角でリンス液を噴射可能に構成されてもよい。
【0022】
この場合、第1の液収集部の内部の広い範囲に渡ってリンス液が供給されるので、流路空間における処理液の詰まりがさらに防止される。
【0023】
(7)処理液は、ポリイミドを含み、リンス液は、ポリイミドを溶解させる有機溶剤を含んでもよい。
【0024】
この場合、第1の液吐出部から吐出された処理液が基板に供給されることにより、基板にポリイミドの膜が形成される。また、第1の液収集部において、収集された処理液に含まれるポリイミドが有機溶剤により溶解される。それにより、第1の液収集部における処理液の詰まりがさらに防止される。
【0025】
(8)第1の液収集部は、処理液を排出する排出口と、排出口へ向かって処理液を流す傾斜面とを有してもよい。
【0026】
この場合、第1の液収集部において処理液が排出口に円滑に流れる。
【0027】
(9)第1の収集室には、第1の収集室の内部空間と第1の収集室の外部とを連通させるメンテナンス用開口部が形成されるとともに、メンテナンス用開口部を開閉可能な開閉部材が取り付けられてもよい。
【0028】
この場合、メンテナンス用開口部を開くことにより、第1の収集室内部のメンテナンスを行うことができる。このとき、第1の処理室を開放する必要がないので、第1の処理室内の汚染を防止することが可能になる。
【0029】
(10)基板処理装置は、第1の処理室に収容され、基板を水平姿勢で保持する基板保持部をさらに備え、第1の液吐出部は、基板保持部により保持された基板の上方の処理位置と基板の外方の待機位置との間で移動可能に設けられ、処理位置および待機位置で処理液を吐出するノズルを含み、第1の受け止め部は、基板保持部により保持される基板を取り囲むように設けられ、基板に供給された処理液を受け止めるカップを含み、第1の収集配管は、第1の隔壁を貫通してカップと第1の液収集部との間に接続されるカップ配管を含んでもよい。
【0030】
この場合、カップにより受け止められた処理液が、その自重により円滑にカップ配管を流れ、第1の液収集部に収集される。
【0031】
(11)第1の受け止め部は、待機位置においてノズルから吐出される処理液を受け止めるノズル容器をさらに含み、第1の収集配管は、第1の隔壁を貫通してノズル容器と第1の液収集部との間に接続される容器配管をさらに含んでもよい。
【0032】
この場合、ノズル容器により受け止められた処理液が、その自重により円滑に容器配管を流れ、第1の液収集部に収集される。
【0033】
(12)第2の発明に係る基板処理装置は、基板に処理液を用いた処理を行う基板処理装置であって、処理液を吐出する第1の液吐出部と、第1の液吐出部から吐出された処理液を受け止める第1の受け止め部と、第1の液吐出部および第1の受け止め部を収容する第1の処理室と、処理液を収集する第1の液収集部と、第1の処理室の下部に設けられ、第1の液収集部を収容する第1の収集室と、第1の処理室と第1の収集室とを区画する第1の隔壁と、第1の隔壁を貫通して第1の受け止め部と第1の液収集部との間に接続される第1の収集配管とを備え、第1の収集配管は、下流端から上方に延びる第1の下流部分と、第1の下流部分の外周面から外方へ突出する係合部とを有し、第1の液収集部は、第1の下流部分が引抜可能に挿入された開口部と、第1の下流部分が開口部に挿入された状態で係合部が係合する被係合部とを有し、第1の収集配管は、第1の下流部分を有する第1の部分配管と、第1の隔壁を上下に貫通するように第1の部分配管の上流に設けられた第2の部分配管とを含み、第1の部分配管は、上流端から下方に延びる第1の上流部分をさらに有し、第2の部分配管は、第1の隔壁から下方に延びる第2の下流部分を有し、第1の上流部分は、第2の下流部分に対して上下動可能に第2の下流部分に嵌合され、第1の上流部分が第2の下流部分に対して上下動可能な範囲は、第1の下流部分のうち開口部に挿入される部分の上下方向の長さよりも大きい。
(13)第3の発明に係る基板処理装置は、基板に処理液を用いた処理を行う基板処理装置であって、処理液を吐出する第1の液吐出部と、第1の液吐出部から吐出された処理液を受け止める第1の受け止め部と、第1の液吐出部および第1の受け止め部を収容する第1の処理室と、処理液を収集する第1の液収集部と、第1の処理室の下部に設けられ、第1の液収集部を収容する第1の収集室と、第1の処理室と第1の収集室とを区画する第1の隔壁と、第1の隔壁を貫通して第1の受け止め部と第1の液収集部との間に接続される第1の収集配管と、第1の液収集部の内部に処理液よりも低い粘度を有するリンス液を供給するリンス液供給部とを備え、第1の液収集部は、当該第1の液収集部の下端部に形成された処理液を排出する排出口と、排出口へ向かって処理液を流す傾斜面とを有し、リンス液供給部は、傾斜面の上方の位置から第1の液収集部の内部に向けて所定の広がり角でリンス液を噴射可能に構成されている。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、基板処理装置のダウンタイムが長くなることを防止するとともに基板の処理室内の汚染を防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の構成の概略を説明するための模式的ブロック図である。
【
図2】塗布装置を備える基板処理装置の具体例を説明するための模式的平面図である。
【
図3】
図2の基板処理装置を白抜きの矢印Aの方向に見た模式的側面図である。
【
図4】
図3の上側の塗布装置に設けられる液収集部の外観斜視図である。
【
図5】
図3の上側の塗布装置の第2室内の構成を示す縦断面図である。
【
図6】
図5の収集配管およびその周辺部材の拡大断面図である。
【
図7】第2室において処理液の流路を構成する複数の部材が分解された状態を示す縦断面図である。
【
図8】
図6の下部配管における2つの貫通孔の形成部分の横断面図である。
【
図9】
図8の2つの貫通孔にリンス液が供給される場合の下部配管内のリンス液の流れを示す縦断面図である。
【
図10】
図3の下側の塗布装置に設けられる液収集部の外観斜視図である。
【
図11】
図3の下側の塗布装置の第4室内の構成を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置について図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、基板とは、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等に用いられるFPD(Flat Panel Display)用基板、半導体基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等をいう。また、本実施の形態において処理の対象となる基板は、主面および裏面を有する。
【0041】
[1]基板処理装置の構成の概略
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の構成の概略を説明するための模式的ブロック図である。
図1に示すように、基板処理装置100は、例えば露光装置500に隣接するように設けられ、制御装置110、塗布処理部120、現像処理部130、熱処理部140および搬送部150を備える。
【0042】
制御装置110は、例えばCPU(中央演算処理装置)およびメモリ、またはマイクロコンピュータを含み、塗布処理部120、現像処理部130、熱処理部140および搬送部150の動作を制御する。搬送部150は、基板Wを塗布処理部120、現像処理部130、熱処理部140、搬送部150および露光装置500の間で搬送する。
【0043】
塗布処理部120は塗布装置200を備える。塗布装置200は、未処理の基板Wの主面上に感光性膜用の処理液を供給する(塗布処理)。これにより、基板Wの主面上に感光性膜が形成される。塗布装置200で用いられる処理液は、1000cp~18000cp程度の高い粘度を有する。本実施の形態において、処理液は、ネガ型またはポジ型の感光性ポリイミドおよび溶剤を含む。溶剤としては、例えばシクロペンタノンまたはN-メチル-2-ピロリドン等を含む溶剤が用いられる。
【0044】
感光性膜が形成された基板Wには、露光装置500において露光処理が行われる。現像処理部130は、露光装置500による露光処理後の基板Wに現像液を供給することにより、基板Wの現像処理を行う。熱処理部140は、塗布処理部120による塗布処理の前後、現像処理部130による現像処理の前後、および露光装置500による露光処理の前後に基板Wの熱処理を行う。
【0045】
[2]塗布装置200の基本構成
塗布処理部120が備える塗布装置200の基本構成について説明する。塗布処理部120は、第1室R1および第2室R2を有する。第1室R1は、主として基板保持部10、カップ11、ノズル12,13、ノズル容器14,15を収容する。第2室R2は、主として液収集部30を収容する。第1室R1および第2室R2は、この順で上から下に並ぶように積層配置されている。第1室R1と第2室R2とを区画するように隔壁WL1が設けられ、第2室R2と第2室R2の下方の空間とを区画する隔壁WL2が設けられている。
【0046】
基板保持部10は、基板Wを水平姿勢で保持するとともに、保持された基板Wを上下方向の軸の周りで回転させることが可能に構成されている。カップ11は、基板保持部10により保持される基板Wを取り囲むように設けられる。カップ11は、基板保持部10により回転する基板Wに供給されて基板Wの外方に飛散する処理液を受け止める。カップ11には、収集配管21の上流端が接続されている。収集配管21は、隔壁WL1を貫通して第2室R2内に延びている。収集配管21の下流端は、液収集部30に接続されている。
【0047】
ノズル12は、基板保持部10により保持された基板Wの上方の処理位置p0とカップ11の一側方の待機位置p1との間で移動可能に設けられ、処理液を吐出する先端部を有する。ノズル13は、処理位置p0とカップ11の他側方の待機位置p2との間で移動可能に設けられ、処理液を吐出する先端部を有する。なお、本実施の形態において、ノズル12から吐出される処理液の種類とノズル13から吐出される処理液の種類とは同じであるが、ノズル12の処理液の濃度(本例では、ポリイミドの濃度)とノズル13の処理液の濃度とは互いに異なる。
【0048】
ノズル容器14は待機位置p1にあるノズル12の先端部を収容可能に設けられ、後述するプリディスペンスによりノズル12から吐出される処理液を受け止める。ノズル容器14には、収集配管22の上流端が接続されている。収集配管22は、ノズル容器14から隔壁WL1を貫通して第2室R2内に延びている。収集配管22の下流端は、液収集部30に接続されている。
【0049】
ノズル容器15は待機位置p2にあるノズル13の先端部を収容可能に設けられ、後述するプリディスペンスによりノズル13から吐出される処理液を受け止める。ノズル容器15には、収集配管23の上流端が接続されている。収集配管23は、ノズル容器15から隔壁WL1を貫通して第2室R2内に延びている。収集配管23の下流端は、液収集部30に接続されている。
【0050】
液収集部30は、収集配管21,22,23のいずれかから導かれる処理液を収集する。液収集部30には、収集配管24の上流端が接続されている。収集配管24は、液収集部30から隔壁WL2を貫通して第2室R2の下方の空間に延びている。収集配管24の下流端は、他の液収集部または排液設備に接続されている。
【0051】
塗布装置200において、塗布処理が行われない場合、ノズル12,13は待機位置p1,p2で保持される。この状態で、ノズル12,13の先端部は、ノズル容器14,15内にそれぞれ収容される。
【0052】
塗布処理が行われる場合、最初に、塗布装置200内に基板Wが搬入され、搬入された基板Wが基板保持部10により保持され、回転される。また、ノズル12,13のうち、基板Wに形成されるべき感光性膜に応じて予め選択されたノズルについて、ノズル内の処理液を排出するためのプリディスペンスが行われる。
【0053】
例えば、ノズル12が選択される場合には、待機位置p1においてノズル12から処理液が吐出される。ノズル12から吐出された処理液は、ノズル容器14により受け止められ、収集配管22を通して液収集部30に導かれる。一方、ノズル13が選択される場合には、待機位置p2においてノズル13から処理液が吐出される。ノズル13から吐出された処理液は、ノズル容器15により受け止められ、収集配管23を通して液収集部30に導かれる。
【0054】
次に、選択されたノズルからの処理液の吐出が停止され、プリディスペンス後のノズルが待機位置から処理位置p0へ移動する。また、処理位置p0において、ノズルから回転する基板Wの中心に向けて一定量の処理液が吐出される。それにより、基板W上にノズルの処理液に対応する感光性膜が形成される。このとき、基板W上に吐出されて基板Wの外方に飛散する処理液は、カップ11により受け止められ、収集配管21を通して液収集部30に導かれる。処理液の吐出が完了すると、ノズルが処理位置p0から対応する待機位置へ移動する。また、基板Wの回転が停止され、感光性膜が形成された基板Wが塗布装置200から搬出される。
【0055】
上記の一連の動作中、収集配管21,22,23を通して液収集部30により収集された処理液は、さらに収集配管24を通して他の液収集部または排液設備に導かれる。
【0056】
なお、上記の塗布処理では、処理対象となる基板Wに対して、ノズル12,13のうちいずれか一方から吐出される処理液が用いられるが、本発明はこれに限定されない。例えばノズル12による基板Wへの処理液の供給と、ノズル13による基板Wへの処理液の供給とを順次行うことにより、ノズル12,13の2つの処理液に対応する2つの感光性膜が基板W上に積層形成されてもよい。
【0057】
上記の塗布装置200においては、塗布処理が行われるごとに、カップ11およびノズル容器14,15から、収集配管21,22,23のいずれか少なくとも2つの配管を通して液収集部30に処理液が導かれる。
【0058】
ここで、収集配管21,22,23の各々は、隔壁WL1を迂回することなく、隔壁WL1を貫通することにより第1室R1内の処理液の受け止め部(カップ11およびノズル容器14,15)と第2室R2内の液収集部30とを接続している。このような構成によれば、隔壁WL1を迂回して処理液の受け止め部と液収集部30とを接続するように収集配管21,22,23を設ける場合に比べて、収集配管21,22,23の長さを短くすることができる。また、収集配管21,22,23を水平方向に大きく延ばす必要がないので、塗布処理に用いられる処理液の粘度が高い場合でも、処理液の受け止め部により受け止められた処理液は、その自重により比較的円滑に収集配管21,22,23内を流れる。したがって、各収集配管21,22,23における処理液の詰まりの発生が低減される。
【0059】
また、上記の構成によれば、第1室R1と第2室R2とが隔壁WL1で区画されている。そのため、第2室R2内で液収集部30および収集配管21,22,23のメンテナンス時に第2室R2が開放される場合でも、隔壁WL1により第1室R1の外部から第2室R2を通して第1室R1内に汚染物質が進入することが防止される。
【0060】
[3]塗布装置200を備える基板処理装置100の具体例
図2は、塗布装置200を備える基板処理装置100の具体例を説明するための模式的平面図である。
図2に示すように、本例の基板処理装置100は、4つのブロックB1,B2,B3,B4を備える。4つのブロックB1,B2,B3,B4は、この順で一方向に並ぶように設けられている。ブロックB4に隣り合うように露光装置500が設けられている。ブロックB1,B2,B3,B4の各々は、図示しないフレームを有する。そのフレームは、対応するブロック内に設けられる各種構成要素を支持するとともに、他のブロックのフレームに接続可能かつ取り外し可能に構成されている。
【0061】
ブロックB1は搬送部150を含む。ブロックB1において、搬送部150は基板Wの搬入搬出部として機能する。ブロックB2は、塗布処理部120、熱処理部140および搬送部150を含む。塗布処理部120と熱処理部140とは搬送部150を挟んで対向するように設けられる。塗布処理部120に複数の塗布装置200が設けられる。ブロックB3は、現像処理部130、熱処理部140および搬送部150を含む。現像処理部130および熱処理部140とは搬送部150を挟んで対向するように設けられる。ブロックB4は搬送部150を含む。ブロックB4において、搬送部150はブロックB2,B3と露光装置500との間で基板の受け渡しを行う受渡部として機能する。
【0062】
図3は、
図2の基板処理装置100を白抜きの矢印Aの方向に見た模式的側面図である。
図3の側面図では、塗布処理部120の内部構成が模式的に示される。
図3に示すように、本例の塗布処理部120には、4つの塗布装置200が設けられている。以下の説明では、4つの塗布装置200を互いに区別するために、それぞれの塗布装置200を塗布装置200A,200B,200C,200Dと呼ぶ。
【0063】
塗布装置200A,200Bは、同じ構成を有し、水平方向において互いに隣り合うように設けられている。塗布装置200C,200Dは、同じ構成を有し、水平方向において互いに隣り合うように設けられている。塗布装置200A,200Bは、それぞれ塗布装置200C,200Dの上方に位置する。
【0064】
また、塗布処理部120には、第1室R1、第2室R2、第3室R3および第4室R4が、この順で上から下に並ぶように積層配置されている。第1室R1と第1室R1とを区画するように隔壁WL1が設けられ、第2室R2と第3室R3とを区画するように隔壁WL2が設けられている。第3室R3と第4室R4とを区画するように隔壁WL3が設けられ、第4室R4と第4室R4の下方の空間とを区画するように隔壁WL4が設けられている。
【0065】
第1室R1および第2室R2は塗布装置200A,200Bに共通に用いられ、第3室R3および第4室R4は塗布装置200C,200Dに共通に用いられている。それにより、第1室R1には、塗布装置200A,200Bの基板保持部10、カップ11、ノズル12,13およびノズル容器14,15が収容される。また、第2室R2には、塗布装置200A,200Bの液収集部30が収容される。第3室R3には、塗布装置200C,200Dの基板保持部10、カップ11、ノズル12,13およびノズル容器14,15が収容される。また、第4室R4には、塗布装置200C,200Dの液収集部30が収容される。
【0066】
[4]
図3の塗布装置200Aの構成の詳細
塗布装置200A,200Bの第2室R2には、処理液に関するメンテナンス作業を容易にするための構成が設けられている。以下、塗布装置200A,200Bを代表して塗布装置200Aの第2室R2内の構成の詳細を説明する。
【0067】
図4は
図3の上側の塗布装置200Aに設けられる液収集部30の外観斜視図であり、
図5は
図3の上側の塗布装置200Aの第2室R2内の構成を示す縦断面図である。
【0068】
図4に示すように、塗布装置200Aに設けられる液収集部30は、一方向に延びるように形成され、平坦でかつ一方向に延びる上面部31を有する。また、液収集部30は、上面部31の下方の位置で処理液等の液体を流通させることが可能な内部空間30Sを有する。
【0069】
上面部31には、一方向に並ぶように3つの開口部op1,op2,op3が形成されている。各開口部op1,op2,op3は、内部空間30Sと液収集部30の上方の空間とを連通し、収集配管21,22,23の後述する下流部分ad(
図5)をそれぞれ挿入可能かつ引き抜き可能に形成されている。各開口部op1,op2,op3には、円環状の被係合リングER1が取り付けられている。
【0070】
ここで、液収集部30の一方の端部を第1端部e11とし、他方の端部を第2端部e12とする。この場合、
図4の例では、開口部op2,op1,op3はこの順で第1端部e11から第2端部e12に向かって並んでいる。
【0071】
液収集部30の下端部は、第1端部e11から第2端部e12の近傍にかけて斜め下方に傾斜して延びるように形成されている。液収集部30の内部には、液収集部30の下端部の形状に沿って断面V字形状の傾斜面BSが形成されている。
図4の液収集部30においては、第2端部e12およびその近傍の下端が液収集部30の最下端部となっている。液収集部30の最下端部には、排出部32が形成されている。排出部32は、下方を向く平坦面を有するとともにその平坦面からさらに下方に向かって突出するように形成された円環状の突出部を有する。また、排出部32の内部には、内部空間30Sと液収集部30の下方の空間とを連通する排出口32aが形成されている。液収集部30の第2端部e12側の側面には、貫通孔pbが形成されている。このような構成により、液収集部30においては、収集配管21,22,23から内部空間30Sに処理液が導かれることにより、導かれた処理液が傾斜面BSに沿って排出口32aに円滑に流れる。
【0072】
図5に示すように、第2室R2においては、隔壁WL2を貫通する収集配管24の一部が、隔壁WL2から上方に突出するように固定されている。その収集配管24の上流端には円環状の被係合リングER2が取り付けられている。被係合リングER2は、液収集部30の排出部32の突出部を挿入可能かつ引き抜き可能に構成されている。さらに、被係合リングER2の上面は、被係合リングER2に排出部32の突出部が挿入された状態で、液収集部30の平坦面と係合可能に構成されている。なお、塗布装置200Aの液収集部30に接続される収集配管24は、
図3に示すように、隔壁WL2から下方に延び、第3室R3を通して隔壁WL3を貫通し、さらに第4室R4の内部で後述する塗布装置200Cの液収集部30に接続される。
【0073】
図5に示すように、隔壁WL2上には、液収集部30の下端部を支持可能な複数(本例では2つ)の支持部材39が取り付けられている。それにより、第2室R2においては、液収集部30は、排出部32の突出部が収集配管24上の被係合リングER2に挿入された状態で、複数の支持部材39により支持されている。このとき、液収集部30の内部空間30Sと収集配管24の内部空間とは、排出口32aを通して連通している。
【0074】
図3のカップ11に接続される収集配管21は、液収集部30の上面部31に形成された開口部op1に対応する。
図6は、
図5の収集配管21およびその周辺部材の拡大断面図である。
図6に示すように、収集配管21は、下部配管21aおよび上部配管21bを含む。
【0075】
下部配管21aは、下流端から上方に延びる下流部分adを有するとともに、上流端から下方に延びる上流端部auを有する。上部配管21bは、隔壁WL1を上下に貫通する状態で隔壁WL1に固定され、隔壁WL1から下方に延びる下流部分bdを有する。下流部分bdの下流端には、円環状のシール部材seが取り付けられている。
【0076】
ここで、下部配管21aの下流部分adは、下流端から一定距離上方の位置で、その外周面から外方へ突出する環状突出部prを有する。下流部分adのうち下流端から環状突出部prまでの部分の外径は、液収集部30の開口部op1に嵌め込まれた被係合リングER1の内径よりもわずかに小さい。それにより、被係合リングER1は、下流部分adの先端部分を挿入可能でかつその上面が環状突出部prと係合可能となっている。
【0077】
下部配管21aの上流端部auの内径は、上部配管21bの下流部分bdにおける下流端近傍の外径よりもわずかに大きい。また、下部配管21aにおいて、上流端部au以外の部分の内径は、上流端部auの内径よりも小さい。それにより、下部配管21aの上流端部auは、上部配管21bの下流部分bdと嵌合可能となっている。また、下部配管21aの上流端部auは、上部配管21bの下流部分bdと嵌合した状態で、上下動可能となっている。
【0078】
上記の収集配管21によれば、下流部分adが開口部op1の被係合リングER1に差し込まれかつ上流端部auが上部配管21bの下流部分bdに嵌合している状態で、下部配管21aを上方に向けて移動させることが可能となっている。この場合、下流部分adが液収集部30の開口部op1から引き抜かれる。したがって、工具等を用いることなく下部配管21aを液収集部30から容易に取り外すことができる。
【0079】
収集配管21およびその周辺部材の構成は、他の収集配管22,23およびそれらの周辺部材の構成にも適用されている。具体的には、
図5に示すように、収集配管22は、下流部分adおよび上流端部auを有する下部配管22aと、下流部分bdを有する上部配管22bとを含む。下部配管22aの下流部分adは、環状突出部prを有し、液収集部30の開口部op2に挿入可能かつ引き抜き可能となっている。さらに、下部配管22aの上流端部auは、上部配管22bの下流部分bdに嵌合するとともに嵌合した状態で上下動可能となっている。
【0080】
また、収集配管23は、下流部分adおよび上流端部auを有する下部配管23aと、下流部分bdを有する上部配管23bとを含む。下部配管23aの下流部分adは、環状突出部prを有し、液収集部30の開口部op3に挿入可能かつ引き抜き可能となっている。さらに、下部配管23aの上流端部auは、上部配管23bの下流部分bdに嵌合するとともに嵌合した状態で上下動可能となっている。これらの結果、第2室R2においては、処理液の流路を構成する複数の部材を容易に分解することができる。
【0081】
図7は、第2室R2において処理液の流路を構成する複数の部材が分解された状態を示す縦断面図である。上記の収集配管21,22,23の構成によれば、
図7に白抜きの矢印で示すように、下部配管21a,22a,23aをそれぞれ上方に移動させることにより、液収集部30を収集配管24上の被係合リングER2から引き上げることが可能になる。それにより、液収集部30および収集配管21,22,23の下部配管21a,22a,23aを分解してメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0082】
ところで、収集配管21の下部配管21aの環状突出部prには、
図6に示すように、2つの貫通孔paが形成されている。下部配管21aにおける貫通孔paの形成部分には、リンス液供給配管91が接続される。リンス液供給配管91は、塗布処理時に、処理液よりも低い粘度を有するリンス液を貫通孔paに供給する。それにより、内部空間30S内にリンス液が供給される。ネガ型またはポジ型の感光性ポリイミドおよび溶剤を含む処理液が用いられる場合には、リンス液として、例えばシクロペンタノンまたはN-メチル-2-ピロリドン等の溶剤が用いられる。
【0083】
図8は
図6の下部配管21aにおける2つの貫通孔paの形成部分の横断面図であり、
図9は
図8の2つの貫通孔paにリンス液が供給される場合の下部配管21a内のリンス液の流れを示す縦断面図である。
【0084】
下部配管21aの横断面(水平断面)においては、2つの貫通孔paの各々は、下部配管21aの中心軸cnからずれた位置を通る直線に沿って延びるように形成されている。この場合、
図8および
図9に太い実線および太い一点鎖線の矢印で示すように、各貫通孔paから下部配管21a内に供給されるリンス液は、下部配管21aの内周面に沿って回転するように流れる。それにより、液収集部30の内部空間30Sには、開口部op1から所定の広がり角でリンス液が噴射される。
【0085】
また、本実施の形態に係る液収集部30においては、
図5に示すように、第2端部e12の貫通孔pbの形成部分にリンス液供給配管92が接続される。それにより、塗布処理時には、貫通孔pbにリンス液供給配管92を通してリンス液が供給される。
【0086】
このように、塗布処理時には、内部空間30Sにおける複数の部分にリンス液が供給される。それにより、内部空間30S内の処理液が粘度の低いリンス液により円滑に流れるので、内部空間30Sにおける処理液の詰まりが防止される。なお、リンス液としては、処理液に含まれる粘度の高い成分を溶解可能な溶剤を用いることが好ましい。例えばネガ型のポリイミドを含む処理液が用いられる場合には、リンス液としてシクロペンタノンを用いることが好ましい。これにより、内部空間30S内の処理液の詰まりがさらに防止される。
【0087】
[5]
図3の塗布装置200Cの構成の詳細
塗布装置200C,200Dのうち第4室R4には、塗布装置200A,200Bの第2室R2の例と同様に、処理液に関するメンテナンス作業を容易にするための構成が設けられている。以下、塗布装置200C,200Dを代表して塗布装置200Cの第4室R4内の構成について、塗布装置200Aの第2室R2内の構成と異なる点を説明する。
【0088】
図10は
図3の下側の塗布装置200Cに設けられる液収集部30の外観斜視図であり、
図11は
図3の下側の塗布装置200Cの第4室R4内の構成を示す縦断面図である。
【0089】
図10に示すように、塗布装置200Cに設けられる液収集部30は、上面部31に形成される開口部の数および並びが異なる点を除いて、
図4の液収集部30と同じ構成を有する。具体的には、
図10の液収集部30においては、上面部31に、一方向に並ぶように4つの開口部op1,op2,op3,op4が形成されている。
【0090】
開口部op1,op2,op3は、第3室R3から下方に延びる収集配管21,22,23にそれぞれ対応する。一方、開口部op4は、塗布装置200Aの液収集部30から下方に延びる収集配管24に対応する。すなわち、開口部op4は、内部空間30Sと液収集部30の上方の空間とを連通し、収集配管24の後述する下流部分ad(
図11)を挿入可能かつ引き抜き可能に形成されている。各開口部op1,op2,op3,op4には、円環状の被係合リングER1が取り付けられている。
図10の例では、開口部op2,op1,op3,op4はこの順で第2端部e12から第1端部e11に向かって並んでいる。
【0091】
図10の液収集部30には、
図3に示すように、収集配管25の上流端が接続される。収集配管25は、液収集部30から隔壁WL4を貫通して第4室R4の下方の空間に延びている。収集配管25の下流端は、他の液収集部または排液設備に接続されている。
【0092】
図11に示すように、第4室R4においては、隔壁WL4を貫通する収集配管25の一部が、隔壁WL4から上方に突出するように固定されている。その収集配管25の上流端には被係合リングER2が取り付けられている。収集配管25の下流端は、隔壁WL4よりも下方の位置で、例えば図示しない排液設備に接続される。
【0093】
また、隔壁WL4上には、複数(本例では2つ)の支持部材39が取り付けられている。それにより、第4室R4においては、液収集部30は、排出部32の突出部が収集配管25上の被係合リングER2に挿入された状態で、複数の支持部材39により支持されている。このとき、液収集部30の内部空間30Sと収集配管25の内部空間とは、排出口32aを通して連通している。
【0094】
塗布装置200Cに設けられる収集配管21,22,23の構成は、塗布装置200Aに設けられる収集配管21,22,23の構成と同じである。それにより、第4室R4では、収集配管21,22,23の下部配管21a,22a,23aを液収集部30から容易に取り外すことができる。
【0095】
塗布装置200Aから下方に延びる収集配管24は、他の収集配管21,22,23と同様に、下流部分adおよび上流端部auを有する下部配管24aと、下流部分bdを有する上部配管24bとを含む。下部配管24aの下流部分adは、環状突出部prを有し、液収集部30の開口部op4に挿入可能かつ引き抜き可能となっている。下流部分bdの下流端には、円環状のシール部材seが取り付けられている。さらに、下部配管24aの上流端部auは、上部配管24bの下流部分bdに嵌合するとともに嵌合した状態で上下動可能となっている。このような構成により、第4室R4では、収集配管21,22,23に加えて収集配管24の下部配管24aを液収集部30から容易に取り外すことが可能である。したがって、第4室R4においても、第2室R2の例と同様に、処理液の流路を構成する複数の部材を容易に分解することができる。
【0096】
さらに、収集配管24の下部配管24aには、収集配管21の下部配管21aと同様に、2つの貫通孔paが形成されている。下部配管24aにおける貫通孔paの形成部分には、リンス液供給配管93が接続される。リンス液供給配管93は、塗布処理時に、処理液よりも低い粘度を有するリンス液を貫通孔paに供給する。2つの貫通孔paは、
図8の例と同様に、下部配管24aの環状突出部prに形成されている。このような構成により、内部空間30Sには、開口部op4から所定の広がり角でリンス液が噴射される。塗布処理時に液収集部30の内部空間30Sに導かれる処理液は、リンス液とともに傾斜面BSを流れ、排出口32aから収集配管25を通って排液設備に導かれる。
【0097】
[6]第1室R1、第2室R2、第3室R3および第4室R4の開閉扉
図12は、
図3の塗布処理部120の外観斜視図である。
図12に示すように、
図2のブロックB2に設けられる塗布処理部120は、4つの塗布装置200A,200B,200C,200Dを収容する筐体120Cを有する。筐体120Cは、
図3の第1室R1、第2室R2、第3室R3および第4室R4の外壁の一部を構成し、
図2の搬送部150を向く一側壁部sf1と、搬送部150と反対の基板処理装置100の外方を向く他側壁部sf2とを有する。
【0098】
筐体120Cの他側壁部sf2には、メンテナンス用開口部ro1,ro2,ro3,ro4が形成されている。メンテナンス用開口部ro1は第1室R1の内部空間と基板処理装置100の外部とを連通させ、メンテナンス用開口部ro2は第2室R2の内部空間と基板処理装置100の外部とを連通させる。また、メンテナンス用開口部ro3は第3室R3の内部空間と基板処理装置100の外部とを連通させ、メンテナンス用開口部ro4は第4室R4の内部空間と基板処理装置100の外部とを連通させる。
【0099】
さらに、筐体120Cの他側壁部sf2には、メンテナンス用開口部ro1,ro2,ro3,ro4をそれぞれ開閉するための開閉扉rd1,rd2,rd3,rd4が取り付けられている。塗布装置200A,200B,200C,200Dの液収集部30および収集配管21,22,23のメンテナンス時には、
図12に太い一点鎖線で示すように、第2室R2および第4室R4に対応する開閉扉rd2,rd4が操作され、メンテナンス用開口部ro2,ro4が開かれる。
【0100】
このとき、第1室R1および第3室R3に対応するメンテナンス用開口部ro1,ro2については、開閉扉rd1,rd3により閉じられた状態で維持しておくことができる。したがって、液収集部30および収集配管21,22,23のメンテナンス中に、基板処理装置100の外部から第1室R1および第3室R3内に汚染物質が進入することが防止される。
【0101】
[7]効果
図3の構成に関して、各塗布装置200A,200B,200C,200Dにおいては、収集配管21,22,23の各々が、隔壁WL1,WL2を貫通するので、収集配管21,22,23の長さを短くすることができる。また、塗布装置200C,200Dにおいては、収集配管24が、隔壁WL2を貫通するので、収集配管24の長さを短くすることができる。
【0102】
このような構成により、各塗布装置200A,200B,200C,200Dにおいては、収集配管21,22,23,24を水平方向に大きく延ばす必要がない。そのため、塗布処理に用いられる処理液の粘度が高い場合でも、処理液はその自重により比較的円滑に収集配管21,22,23,24内を流れる。したがって、各収集配管21,22,23,24における処理液の詰まりの発生が低減される。
【0103】
また、
図3の構成に関して、塗布装置200A,200Bにおいては、基板Wに処理が行われる第1室R1と、処理液が収集される第2室R2とが隔壁WL1により区画されている。そのため、処理液の流路を構成する複数の部材のメンテナンス時に第2室R2が開放される場合でも、隔壁WL1により第1室R1の外部から第2室R2を通して第1室R1内に汚染物質が進入することが防止される。
【0104】
さらに、塗布装置200C,200Dにおいては、基板Wに処理が行われる第3室R3と、処理液が収集される第4室R4とが隔壁WL3により区画されている。そのため、処理液の流路を構成する複数の部材のメンテナンス時に第4室R4が開放される場合でも、隔壁WL3により第3室R3の外部から第4室R4を通して第3室R3内に汚染物質が進入することが防止される。
【0105】
これらの結果、基板処理装置100のダウンタイムが長くなることを防止するとともに基板Wの処理室内の汚染を防止することが可能になる。
【0106】
[8]他の実施の形態
(1)上記実施の形態では、液収集部30の内部空間30Sに所定の広がり角でリンス液を噴射するために収集配管21の下部配管21aに形成される2つの貫通孔paの位置および向きが調整されているが、本発明はこれに限定されない。内部空間30Sに所定の広がり角でリンス液を噴射するために、例えば、下部配管21aの下流部分adの内周面に、リンス液供給配管91から供給されるリンス液を下部配管21a内で旋回させるような溝(例えば、螺旋状の溝)が形成されていてもよい。
【0107】
(2)上記実施の形態では、収集配管21の下流端近傍に、リンス液を供給するための貫通孔paが設けられているが、本発明はこれに限定されない。収集配管21の上流端近傍または中央部分にリンス液を供給するための貫通孔paが形成されてもよい。この場合、形成された貫通孔paにリンス液を供給することにより、収集配管21における処理液の詰まりを防止することができる。また、収集配管22,23についても、リンス液を供給するための貫通孔paが形成されてもよい。この場合、形成された貫通孔paにリンス液を供給することにより、収集配管22,23における処理液の詰まりを防止することができる。
【0108】
(3)
図5の例では、収集配管21,22,23,24の内径が互いに異なるが、収集配管21,22,23,24の内径は、それらの一部が互いに同じであってもよいし、それらの全てが同じであってもよい。また、
図11の例では、収集配管21,22,23,24,25の内径が互いに異なるが、収集配管21,22,23,24,25の内径は、それらの一部が互いに同じであってもよいし、それらの全てが同じであってもよい。
【0109】
(4)上記実施の形態では、全ての塗布装置200A,200B,200C,200Dに2つのノズル12,13が設けられるが、各塗布装置200A,200B,200C,200Dに設けられるノズルの数は1つであってもよいし、3以上であってもよい。
【0110】
(5)上記実施の形態においては、各塗布装置200A,200B,200C,200Dのカップ11およびノズル容器14,15内には、カップ11およびノズル容器14,15における処理液の受け止め部分を洗浄するためのリンス液供給機構が設けられてもよい。この場合、カップ11およびノズル容器14,15において受け止められた処理液がより円滑に液収集部30に導かれる。
【0111】
(6)
図1の例では、収集配管21,22,23の全てが隔壁WL1を貫通しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、カップ11に接続される収集配管21が隔壁WL1を貫通するように設けられ、ノズル容器14,15に接続される収集配管22,23が隔壁WL1を迂回するように設けられてもよい。あるいは、ノズル容器14,15に接続される収集配管22,23が隔壁WL1を貫通するように設けられ、カップ11に接続される収集配管21が隔壁WL1を迂回するように設けられてもよい。
【0112】
(7)
図3の例では、塗布装置200A,200Bと、塗布装置200C,200Dとが積層配置されているが、本発明はこれに限定されない。3つ以上の塗布装置が積層配置されてもよい。すなわち、3つ以上の塗布装置が3段以上積層されてもよい。このような構成においては、最上部以外の各塗布装置の液収集部30とその直上の塗布装置の液収集部30とを繋ぐように、収集配管を設けることが好ましい。それにより、上方に位置する塗布装置200で収集された処理液は、下方に位置する塗布装置200に順次円滑に送られる。
【0113】
(8)上記実施の形態においては、処理液として、ネガ型またはポジ型の感光性ポリイミドおよび溶剤を含む処理液が用いられるが、本発明はこれに限定されない。処理液としては、1000cp~18000cp程度の高い粘度を有するレジスト液等を用いることもできる。この場合においても、上記の構成によれば、液収集部30およびその周辺部における処理液の詰まりを防止することができる。
【0114】
[9]請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明する。上記実施の形態では、ノズル12,13が第1または第2の液吐出部の例であり、カップ11およびノズル容器14,15が第1または第2の受け止め部の例であり、第1室R1が第1の処理室の例であり、液収集部30が第1または第2の液収集部の例であり、第2室R2が第1の収集室の例であり、隔壁WL1が第1の隔壁の例であり、収集配管21,22,23が第1または第2の収集配管の例であり、基板処理装置100が基板処理装置の例である。
【0115】
また、下流部分adが第1の下流部分の例であり、環状突出部prが係合部の例であり、開口部op1,op2,op3が開口部の例であり、被係合リングER1が被係合部の例であり、下部配管21a,22a,23aが第1の部分配管の例であり、上部配管21b,22b,23bが第2の部分配管の例であり、上流端部auが第1の上流部分の例であり、下流部分bdが第2の下流部分の例である。
【0116】
また、貫通孔pa,pbおよびリンス液供給配管91,92がリンス液供給部の例であり、排出口32aが排出口の例であり、傾斜面BSが傾斜面の例であり、メンテナンス用開口部ro2,ro4がメンテナンス用開口部の例であり、開閉扉rd2,rd4が開閉部材の例である。
【0117】
また、基板保持部10が基板保持部の例であり、ノズル12,13がノズルの例であり、カップ11がカップの例であり、収集配管21がカップ配管の例であり、ノズル容器14,15がノズル容器の例であり、収集配管22,23が容器配管の例であり、第3室R3が第2の処理室の例であり、第4室R4が第2の収集室の例であり、隔壁WL3が第2の隔壁の例であり、収集配管24が第3の収集配管の例である。
【0118】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
[10]参考形態
参考形態に係る基板処理装置は、基板に処理液を用いた処理を行う基板処理装置であって、処理液を吐出する第1の液吐出部と、第1の液吐出部から吐出された処理液を受け止める第1の受け止め部と、第1の液吐出部および第1の受け止め部を収容する第1の処理室と、処理液を収集する第1の液収集部と、第1の処理室の下部に設けられ、第1の液収集部を収容する第1の収集室と、第1の処理室と第1の収集室とを区画する第1の隔壁と、第1の隔壁を貫通して第1の受け止め部と第1の液収集部との間に接続される第1の収集配管とを備える。
【符号の説明】
【0119】
10…基板保持部,11…カップ,12,13…ノズル,14,15…ノズル容器,21,22,23,24,25…収集配管,21a,22a,23a,24a…下部配管,21b,22b,23b,24b…上部配管,30…液収集部,30S…内部空間,31…上面部,32…排出部,32a…排出口,39…支持部材,91,92,93…リンス液供給配管,100…基板処理装置,110…制御装置,120…塗布処理部,120C…筐体,130…現像処理部,140…熱処理部,150…搬送部,200,200A,200B,200C,200D…塗布装置,500…露光装置,ad,bd…下流部分,au…上流端部,B1,B2,B3,B4…ブロック,BS…傾斜面,e11…第1端部,e12…第2端部,ER1,ER2…被係合リング,op1,op2,op3,op4…開口部,p0…処理位置,p1,p2…待機位置,pa,pb…貫通孔,pr…環状突出部,R1…第1室,R2…第2室,R3…第3室,R4…第4室,rd1,rd2,rd3,rd4…開閉扉,ro1,ro2,ro3,ro4…メンテナンス用開口部,se…シール部材,sf1…一側壁部,sf2…他側壁部,W…基板,WL1,WL2,WL3,WL4…隔壁