(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20240222BHJP
G03F 7/26 20060101ALI20240222BHJP
B05C 11/08 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
H01L21/30 564C
H01L21/30 562
G03F7/26
B05C11/08
(21)【出願番号】P 2020020875
(22)【出願日】2020-02-10
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100098305
【氏名又は名称】福島 祥人
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】恩地 良知
(72)【発明者】
【氏名】森岡 一夫
(72)【発明者】
【氏名】古川 健太
(72)【発明者】
【氏名】永沢 克二
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-118051(JP,A)
【文献】特開2019-080003(JP,A)
【文献】特開平01-080026(JP,A)
【文献】特開2005-086013(JP,A)
【文献】特開平11-156132(JP,A)
【文献】特開2010-245402(JP,A)
【文献】特開2019-169681(JP,A)
【文献】特開2010-232415(JP,A)
【文献】特開2021-9923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/26
B05C 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に処理液を用いた処理を行う基板処理装置であって、
前記処理液を吐出する液吐出部と、
前記液吐出部から前記処理液が吐出される第1の空間部分を有し、前記液吐出部から前記第1の空間部分に吐出された前記処理液を受け止める受け止め部と、
前記液吐出部および前記受け止め部を収容する処理室と、
前記第1の空間部分の気体を収集する第1の気体収集部と、
前記処理室の下部に設けられ、前記第1の気体収集部を収容する収集室と、
前記処理室と前記収集室とを区画する隔壁と、
前記隔壁を貫通して前記受け止め部と前記第1の気体収集部との間に接続される第1の気体収集配管と
、
前記収集室の内部空間の気体を収集する第2の気体収集部と、
前記第2の気体収集部により収集された気体を前記基板処理装置の外部に排気する第2の排気管とを備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記処理室内の前記第1の空間部分を除く第2の空間部分に上流端が位置するように前記隔壁を貫通しかつ前記第2の空間部分の気体を収集する第2の気体収集配管と、
前記第1の気体収集配管を通して前記第1の気体収集部に収集される気体および前記第2の気体収集配管を通して収集される気体を前記基板処理装置の外部に排気する第1の排気管と、
前記第1の気体収集部、前記第2の気体収集配管の下流端および前記第1の排気管の上流端に接続され、前記第1の気体収集部から前記第1の排気管に導かれる気体の流量が前記第2の気体収集配管から前記第1の排気管に導かれる気体の流量よりも大きい第1の状態と、前記第1の気体収集部から前記第1の排気管に導かれる気体の流量が前記第2の気体収集配管から前記第1の排気管に導かれる気体の流量よりも小さい第2の状態とに切替可能に構成された排気切替部とをさらに備える、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1の気体収集配管の内面、前記第1の気体収集部の内面、前記第2の気体収集配管の内面および前記第1の排気管の内面のうち少なくとも一部に、フッ素樹脂の被膜が形成された、請求項2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記排気切替部は、
前記第1の気体収集部から前記第1の排気管の上流端に至る第1の気体流路と、前記第2の気体収集配管の下流端から前記第1の排気管の上流端に至る第2の気体流路とを形成する流路形成部と、
前記流路形成部における前記第1および第2の気体流路のうち少なくとも一方の経路を開閉可能な第1の開閉部材と、
前記第1の開閉部材を動作させる開閉駆動部とを含む、請求項2または3記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記収集室には、前記収集室の内部空間と前記収集室の外部とを連通させるメンテナンス用開口部が形成されるとともに、前記メンテナンス用開口部を開閉可能な第2の開閉部材が取り付けられた、請求項1~4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記収集室は、前記メンテナンス用開口部と反対側に側壁部を有し、
前記第2の気体収集部は、前記メンテナンス用開口部よりも前記側壁部に近い位置に設けられる、請求項
5記載の基板処理装置。
【請求項7】
基板に処理液を用いた処理を行う基板処理装置であって、
前記処理液を吐出する液吐出部と、
前記液吐出部から前記処理液が吐出される第1の空間部分を有し、前記液吐出部から前記第1の空間部分に吐出された前記処理液を受け止める受け止め部と、
前記液吐出部および前記受け止め部を収容する処理室と、
前記第1の空間部分の気体を収集する第1の気体収集部と、
前記処理室の下部に設けられ、前記第1の気体収集部を収容する収集室と、
前記処理室と前記収集室とを区画する隔壁と、
前記隔壁を貫通して前記受け止め部と前記第1の気体収集部との間に接続される第1の気体収集配管と、
前記収集室の内部空間を通るように設けられ、前記収集室の内部空間に開放された開口部を有する気体供給ダクトと、
前記開口部に取り付けられたフィルタと、
前記気体供給ダクトに気体を供給する気体供給部と
を備え
る、基板処理装置。
【請求項8】
前記収集室内に収容され、前記処理液を収集する液収集部と、
前記隔壁を貫通して前記受け止め部と前記液収集部との間に接続される液収集配管とをさらに備える、請求項1~
7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記処理室に収容され、基板を前記第1の空間部分内で水平姿勢で保持する基板保持部をさらに備え、
前記収集室は、前記処理室の下部に設けられ、
前記受け止め部は、
前記基板保持部により保持される基板を取り囲むように設けられ、基板に供給された前記処理液を受け止めるカップを含み、
前記液収集配管は、前記カップと前記液収集部との間に接続される、請求項
8記載の基板処理装置。
【請求項10】
基板に処理液を用いた処理を行う基板処理装置であって、
前記処理液を吐出する液吐出部と、
前記液吐出部から前記処理液が吐出される第1の空間部分を有し、前記液吐出部から前記第1の空間部分に吐出された前記処理液を受け止める受け止め部と、
前記液吐出部および前記受け止め部を収容する処理室と、
前記第1の空間部分の気体を収集する第1の気体収集部と、
前記処理室の下部に設けられ、前記第1の気体収集部を収容する収集室と、
前記処理室と前記収集室とを区画する隔壁と、
前記隔壁を貫通して前記受け止め部と前記第1の気体収集部との間に接続されるとともに分散配置された複数の第1の気体収集配管とを備え、
前記複数の第1の気体収集配管の各々は、上下方向に直線状に延びる配管であり、
前記第1の気体収集部は、平面視で前記複数の第1の気体収集配管に重なる内部空間を有するように構成された、基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に処理液を用いた所定の処理を行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等に用いられるFPD(Flat Panel Display)用基板、半導体基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等の各種基板に種々の処理を行うために、基板処理装置が用いられる。
【0003】
このような基板処理装置では、例えば1枚の基板に対して複数の異なる処理が連続的に行われる。特許文献1に記載された基板処理装置は、基板の被処理面にレジスト膜を形成するための塗布処理部を備える。その塗布処理部においては、複数の塗布処理室の各々に塗布処理ユニットが設けられている。塗布処理ユニットは、基板を水平姿勢で保持しつつ回転させるスピンチャックと、基板上に塗布液を供給する塗布液ノズルと、スピンチャックの周りを取り囲むように設けられるカップとを備える。
【0004】
基板にレジスト膜を形成する際には、スピンチャックにより回転される基板の被処理面に、塗布液ノズルからレジスト膜用の塗布液が吐出される。吐出された塗布液が、基板の被処理面全体に広がることにより基板上にレジスト膜が形成される。このとき、基板の周囲に飛散する塗布液は、カップにより受け止められる。カップに回収配管が接続されている。カップにより受け止められた使用済みの塗布液は、カップから回収配管を通して回収タンクに導かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の各塗布処理室には、処理対象となる基板の清浄度が低下することを防止するために、通常、清浄な下降気流が形成される。この下降気流を形成するために、塗布処理室の上部には、下方に向かって気体を供給するための気体供給部が設けられる。また、塗布処理部の下部には、その内部空間の気体を基板処理装置の外部に排気するための排気管が設けられる。
【0007】
塗布処理室の内部空間の気体には、基板に供給される塗布液の成分が含まれる。そのため、塗布液の種類によっては、排気管の内面に塗布液が固着して排気管が詰まる可能性がある。例えば、使用される塗布液が高い粘度を有する場合、その塗布液の成分を含む気体が流通する排気管には、塗布液に起因する詰まりが生じやすい。排気管が詰まると、基板処理装置のダウンタイムが長くなる。基板処理装置のダウンタイムが長くなることを防止するために塗布処理部を開放して回収配管のメンテナンスを行うと、メンテナンスが行われるごとに基板処理装置の外部から塗布処理部内に汚染物質が進入する可能性がある。
【0008】
本発明の目的は、基板処理装置のダウンタイムが長くなることを防止するとともに基板の処理室内の汚染を防止することを可能にする基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)第1の発明に係る基板処理装置は、基板に処理液を用いた処理を行う基板処理装置であって、処理液を吐出する液吐出部と、液吐出部から処理液が吐出される第1の空間部分を有し、液吐出部から第1の空間部分に吐出された処理液を受け止める受け止め部と、液吐出部および受け止め部を収容する処理室と、第1の空間部分の気体を収集する第1の気体収集部と、処理室の下部に設けられ、第1の気体収集部を収容する収集室と、処理室と収集室とを区画する隔壁と、隔壁を貫通して受け止め部と第1の気体収集部との間に接続される第1の気体収集配管と、収集室の内部空間の気体を収集する第2の気体収集部と、第2の気体収集部により収集された気体を基板処理装置の外部に排気する第2の排気管とを備える。
【0010】
その基板処理装置においては、処理室内で、液吐出部から第1の空間部分に吐出された処理液を用いて基板に処理が行われる。液吐出部から吐出された処理液は、受け止め部により受け止められる。
【0011】
第1の空間部分の気体は、受け止め部から第1の気体収集配管を通して第1の気体収集部に収集される。それにより、処理液の成分を含む気体が処理室内で拡散することが防止され、処理室内の汚染が防止される。
【0012】
第1の気体収集配管は、隔壁を貫通して受け止め部と第1の気体収集部とを接続する。この構成によれば、隔壁を迂回して受け止め部と第1の気体収集部とを接続するように第1の気体収集配管を構成する場合に比べて、第1の気体収集配管を隔壁の方向に大きく延ばす必要がない。そのため、第1の気体収集配管の長さを短くすることができる。したがって、第1の気体収集配管内を処理液の成分を含む気体が流通する場合でも、第1の気体収集配管内では処理液に起因する固着物が多量に発生することが防止される。それにより、第1の気体収集配管における詰まりの発生が防止される。
【0013】
さらに、上記の基板処理装置においては、処理室と収集室とが隔壁で区画されている。そのため、第1の気体収集部および第1の気体収集配管のメンテナンス時に収集室が開放される場合でも、基板処理装置の外部から収集室を通して処理室内に汚染物質が進入することが防止される。
【0014】
これらの結果、基板処理装置のダウンタイムが長くなることを防止するとともに処理室内の汚染を防止することが可能になる。また、収集室の内部空間の気体が第2の気体収集部により収集され、収集された気体が第2の排気管を通して基板処理装置の外部に排気される。
【0015】
(2)基板処理装置は、処理室内の第1の空間部分を除く第2の空間部分に上流端が位置するように隔壁を貫通しかつ第2の空間部分の気体を収集する第2の気体収集配管と、第1の気体収集配管を通して第1の気体収集部に収集される気体および第2の気体収集配管を通して収集される気体を基板処理装置の外部に排気する第1の排気管と、第1の気体収集部、第2の気体収集配管の下流端および第1の排気管の上流端に接続され、第1の気体収集部から第1の排気管に導かれる気体の流量が第2の気体収集配管から第1の排気管に導かれる気体の流量よりも大きい第1の状態と、第1の気体収集部から第1の排気管に導かれる気体の流量が第2の気体収集配管から第1の排気管に導かれる気体の流量よりも小さい第2の状態とに切替可能に構成された排気切替部とをさらに備えてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、排気切替部が第1の状態にある場合、第1の空間部分の気体が第2の空間部分の気体よりも大きい流量で基板処理装置の外部に排気される。排気切替部が第2の状態にある場合、第2の空間部分の気体が第1の空間部分の気体よりも大きい流量で基板処理装置の外部に排気される。これにより、基板の処理状態に応じて、第1の空間部分の気体の排気量を切り替えることができる。
【0017】
(3)第1の気体収集配管の内面、第1の気体収集部の内面、第2の気体収集配管の内面および第1の排気管の内面のうち少なくとも一部に、フッ素樹脂の被膜が形成されてもよい。
【0018】
この場合、第1の気体収集配管の内面、第1の気体収集部の内面、第2の気体収集配管の内面および第1の排気管の内面のうちフッ素樹脂の被膜が形成されている部分に、処理液の成分が固着することが防止される。それにより、フッ素樹脂の被膜が形成されている部分において処理液に起因する固着物の発生が抑制され、排気系のメンテナンスを頻繁に行う必要がなくなる。
【0019】
(4)排気切替部は、第1の気体収集部から第1の排気管の上流端に至る第1の気体流路と、第2の気体収集配管の下流端から第1の排気管の上流端に至る第2の気体流路とを形成する流路形成部と、流路形成部における第1および第2の気体流路のうち少なくとも一方の経路を開閉可能な第1の開閉部材と、第1の開閉部材を動作させる開閉駆動部とを含んでもよい。この場合、簡単な構成で排気切替部が形成される。
【0020】
(5)収集室には、収集室の内部空間と収集室の外部とを連通させるメンテナンス用開口部が形成されるとともに、メンテナンス用開口部を開閉可能な第2の開閉部材が取り付けられてもよい。
【0021】
この場合、メンテナンス用開口部を開くことにより、収集室内部のメンテナンスを行うことができる。このとき、処理室を開放する必要がないので、処理室内の汚染を防止することが可能になる。また、収集室内部のメンテナンス時に、メンテナンス用開口部から収集室内部の気体が基板処理装置の外部に漏れ出ることが防止される。
【0024】
(6)収集室は、メンテナンス用開口部と反対側に側壁部を有し、第2の気体収集部は、メンテナンス用開口部よりも側壁部に近い位置に設けられてもよい。
【0025】
この場合、収集室内部のメンテナンス時に、メンテナンス用開口部から収集室内部の気体が基板処理装置の外部に漏れ出ることがさらに防止される。
【0026】
(7)第2の発明に係る基板処理装置は、基板に処理液を用いた処理を行う基板処理装置であって、処理液を吐出する液吐出部と、液吐出部から処理液が吐出される第1の空間部分を有し、液吐出部から第1の空間部分に吐出された処理液を受け止める受け止め部と、液吐出部および受け止め部を収容する処理室と、第1の空間部分の気体を収集する第1の気体収集部と、処理室の下部に設けられ、第1の気体収集部を収容する収集室と、処理室と収集室とを区画する隔壁と、隔壁を貫通して受け止め部と第1の気体収集部との間に接続される第1の気体収集配管と、収集室の内部空間を通るように設けられ、収集室の内部空間に開放された開口部を有する気体供給ダクトと、開口部に取り付けられたフィルタと、気体供給ダクトに気体を供給する気体供給部とを備える。
【0027】
この場合、気体供給ダクトから収集室内に、フィルタを通過した清浄な気体が供給される。それにより、収集室内部のメンテナンス時に、収集室内に発生する処理液を含む気体が清浄な気体により置換される。したがって、収集室内部の汚染が防止されるとともに処理液に起因する作業環境の快適性の低下が防止される。
【0028】
(8)基板処理装置は、収集室内に収容され、処理液を収集する液収集部と、隔壁を貫通して受け止め部と液収集部との間に接続される液収集配管とをさらに備えてもよい。
【0029】
この場合、収集室を開放することにより、第1の気体収集部および第1の気体収集配管とともに液収集部および液収集配管のメンテナンスを行うことができる。
【0030】
(9)基板処理装置は、処理室に収容され、基板を第1の空間部分内で水平姿勢で保持する基板保持部をさらに備え、収集室は、処理室の下部に設けられ、受け止め部は、基板保持部により保持される基板を取り囲むように設けられ、基板に供給された処理液を受け止めるカップを含み、液収集配管は、カップと液収集部との間に接続されてもよい。
【0031】
この場合、カップにより受け止められた処理液が、その自重により円滑にカップ配管を流れ、液収集部に収集される。
(10)第3の発明に係る基板処理装置は、基板に処理液を用いた処理を行う基板処理装置であって、前記処理液を吐出する液吐出部と、前記液吐出部から前記処理液が吐出される第1の空間部分を有し、前記液吐出部から前記第1の空間部分に吐出された前記処理液を受け止める受け止め部と、前記液吐出部および前記受け止め部を収容する処理室と、前記第1の空間部分の気体を収集する第1の気体収集部と、前記処理室の下部に設けられ、前記第1の気体収集部を収容する収集室と、前記処理室と前記収集室とを区画する隔壁と、前記隔壁を貫通して前記受け止め部と前記第1の気体収集部との間に接続されるとともに分散配置された複数の第1の気体収集配管とを備え、前記複数の第1の気体収集配管の各々は、上下方向に直線状に延びる配管であり、前記第1の気体収集部は、平面視で前記複数の第1の気体収集配管に重なる内部空間を有するように構成されている。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、基板処理装置のダウンタイムが長くなることを防止するとともに基板の処理室内の汚染を防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の構成の概略を説明するための模式的ブロック図である。
【
図2】
図1の塗布装置における排気系の具体的な構成例を示す外観斜視図である。
【
図3】
図2の排気切替部の切替動作を説明するための外観斜視図である。
【
図4】
図2の排気切替部の切替動作を説明するための外観斜視図である。
【
図5】塗布装置を備える基板処理装置の具体例を説明するための模式的平面図である。
【
図6】
図5の塗布処理部内の構成を白抜きの矢印Aの方向に見た模式的側面図である。
【
図7】
図6の第1室および第3室内の気体の流れを説明するための斜視図である。
【
図8】
図6の第2室および第4室内の気体の流れを説明するための斜視図である。
【
図10】
図6の第2室および第4室内の気体を排気する気体収集配管の塗布処理部における位置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置について図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、基板とは、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等に用いられるFPD(Flat Panel Display)用基板、半導体基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等をいう。また、本実施の形態において処理の対象となる基板は、主面および裏面を有する。
【0035】
[1]基板処理装置の構成の概略
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の構成の概略を説明するための模式的ブロック図である。
図1に示すように、基板処理装置100は、例えば露光装置500に隣接するように設けられ、制御装置110、塗布処理部120、現像処理部130、熱処理部140および搬送部150を備える。
【0036】
制御装置110は、例えばCPU(中央演算処理装置)およびメモリ、またはマイクロコンピュータを含み、塗布処理部120、現像処理部130、熱処理部140および搬送部150の動作を制御する。搬送部150は、基板Wを塗布処理部120、現像処理部130、熱処理部140および露光装置500の間で搬送する。
【0037】
塗布処理部120は塗布装置200を備える。塗布装置200は、未処理の基板Wの主面上に感光性膜用の処理液を供給する(塗布処理)。これにより、基板Wの主面上に感光性膜が形成される。塗布装置200で用いられる処理液は、1000cp~18000cp程度の高い粘度を有する。本実施の形態において、処理液は、ネガ型またはポジ型の感光性ポリイミドおよび溶剤を含む。溶剤としては、例えばシクロペンタノンまたはN-メチル-2-ピロリドン等を含む溶剤が用いられる。
【0038】
感光性膜が形成された基板Wには、露光装置500において露光処理が行われる。現像処理部130は、露光装置500による露光処理後の基板Wに現像液を供給することにより、基板Wの現像処理を行う。熱処理部140は、塗布処理部120による塗布処理の前後、現像処理部130による現像処理の前後、および露光装置500による露光処理の前後に基板Wの熱処理を行う。
【0039】
[2]塗布装置200の基本構成
塗布処理部120が備える塗布装置200の基本構成について説明する。本例の塗布処理部120は、第1室R1および第2室R2を有する。第1室R1は、主として基板保持部10、カップ11、ノズル12、ノズル容器13を収容する。第2室R2は、主として液収集部20、気体収集部30および排気切替部50を収容する。
【0040】
第1室R1および第2室R2は、この順で上から下に並ぶように積層配置されている。第1室R1の内部空間と第2室R2とを区画するように隔壁WL1が設けられ、第2室R2の内部空間と第2室R2の下方の空間とを区画するように隔壁WL2が設けられている。
【0041】
基板保持部10は、基板Wを水平姿勢で保持するとともに、保持された基板Wを上下方向の軸の周りで回転させることが可能に構成されている。カップ11は、基板保持部10により保持される基板Wを取り囲むように設けられる。カップ11は、基板保持部10により回転する基板Wに供給されて基板Wの外方に飛散する処理液を受け止める。カップ11の底部には、液収集配管21の上流端が接続されている。液収集配管21は、カップ11から隔壁WL1を貫通して第2室R2内に延びている。液収集配管21の下流端は、液収集部20に接続されている。
【0042】
ノズル12は、基板保持部10により保持された基板Wの上方の処理位置p0とカップ11の一側方の待機位置p1との間で移動可能に設けられ、処理液を吐出する先端部を有する。ノズル容器13は待機位置p1にあるノズル12の先端部を収容可能に設けられ、後述するプリディスペンスによりノズル12から吐出される処理液を受け止める。ノズル容器13には、液収集配管22の上流端が接続されている。液収集配管22は、ノズル容器13から隔壁WL1を貫通して第2室R2内に延びている。液収集配管22の下流端は、液収集部20に接続されている。
【0043】
液収集部20は、液収集配管21,22から導かれる処理液を収集する。液収集部20には、液収集配管23の上流端が接続されている。液収集配管23は、液収集部20から隔壁WL2を貫通して第2室R2の下方の空間に延びている。液収集配管23の下流端は、図示しない他の液収集部または排液設備に接続されている。
【0044】
カップ11の底部には、上記の液収集配管21に加えて複数の気体収集配管31の上流端が接続されている。複数の気体収集配管31の上流端は、カップ11の内側の空間に開放されている。以下の説明では、第1室R1の内部空間のうちカップ11により取り囲まれる空間を第1の空間部分S1と呼ぶ。また、第1室R1の内部空間のうち第1の空間部分S1を除く空間を第2の空間部分S2と呼ぶ。
【0045】
図1では、2つの気体収集配管31が示される。各気体収集配管31は、隔壁WL1を貫通して第2室R2内に延びている。液収集配管21の下流端は、気体収集部30に接続されている。気体収集部30は、複数の気体収集配管31を通してカップ11内の気体を収集する。気体収集部30には、さらに気体収集配管32の上流端が接続されている。気体収集配管32の下流端は、排気切替部50に接続されている。
【0046】
塗布装置200においては、第1室R1内に上流端が位置するとともに第2室R2内に下流端が位置するように、上下方向に隔壁WL1を貫通する気体収集配管41がさらに設けられている。気体収集配管31の上流端は、第2の空間部分S2に開放されている。気体収集配管41の下流端は、排気切替部50に接続されている。
【0047】
第2室R2から下方に延びるように、ダクトDU1が設けられている。ダクトDU1の下流端は、基板処理装置100の外部に設けられる図示しない排気設備に接続されている。ダクトDU1の上流端と排気切替部50とを繋ぐように、気体収集配管33が設けられている。
【0048】
排気切替部50は、気体収集配管32,33が接続された状態で、気体収集配管32の内部空間と気体収集配管33の内部空間とを連通可能に構成されている。この場合、第1の空間部分S1の気体が、複数の気体収集配管31、気体収集部30、気体収集配管32、排気切替部50および気体収集配管33を通してダクトDU1に導かれる。また、排気切替部50は、気体収集配管41,33が接続された状態で、気体収集配管41の内部空間と気体収集配管33の内部空間とを連通可能に構成されている。この場合、第2の空間部分S2の気体が、気体収集配管41、排気切替部50および気体収集配管33を通してダクトDU1に導かれる。
【0049】
さらに、排気切替部50は、第1の排気状態と第2の排気状態とに切替可能に構成されている。排気切替部50が第1の排気状態にある場合、複数の気体収集配管31を通してダクトDU1に導かれる気体の流量が気体収集配管41を通してダクトDU1に導かれる気体の流量に比べて大きくなる。一方、排気切替部50が第2の排気状態にある場合、複数の気体収集配管31を通してダクトDU1に導かれる気体の流量が気体収集配管41を通してダクトDU1に導かれる気体の流量に比べて小さくなる。排気切替部50の具体的な構成例については後述する。
【0050】
塗布装置200において、塗布処理が行われない場合、ノズル12は待機位置p1で保持される。この状態で、ノズル12の先端部は、ノズル容器13内に収容される。また、排気切替部50は第2の排気状態で維持される。それにより、第1室R1内の気体に関しては、主として第2の空間部分S2の気体が基板処理装置100の外部に排気される。
【0051】
塗布装置200において、塗布処理が行われる場合、最初に、塗布装置200内に搬入された基板Wが基板保持部10により保持され、例えば第1の回転速度で回転される。また、ノズル12について、ノズル12内の処理液を排液するためのプリディスペンスが行われる。そのプリディスペンスでは、待機位置p1においてノズル12から処理液が吐出される。ノズル12から吐出された処理液は、ノズル容器13により受け止められ、液収集配管22を通して液収集部20に導かれる。
【0052】
次に、ノズル12による処理液の吐出が停止され、プリディスペンス後のノズル12が待機位置p1から処理位置p0へ移動する。塗布装置200内に基板Wが搬入されてプリディスペンス後のノズル12が処理位置p0に移動するまでの間、排気切替部50は、第2の排気状態で維持される。
【0053】
ノズル12が処理位置p0に到達すると、排気切替部50は、第2の排気状態から第1の排気状態に切り替えられる。それにより、第1室R1内の気体に関しては、主として第1の空間部分S1の気体が基板処理装置100の外部に排気される。
【0054】
処理位置p0において、ノズル12から回転する基板Wの中心に向けて一定量の処理液が吐出される。それにより、基板Wの主面全体に処理液が供給される。このとき、基板W上に吐出されて基板Wの外方に飛散する処理液は、カップ11により受け止められ、液収集配管21を通して液収集部20に導かれる。また、処理液の成分を含む気体が第1の空間部分S1から排気される。
【0055】
処理液の吐出が完了すると、基板Wの回転速度が第1の回転速度よりも高い第2の回転速度に調整され、ノズル12が処理位置p0から待機位置p1へ移動する。また、排気切替部50が第1の排気状態から第2の排気状態に切り替えられる。このとき、排気切替部50が第2の排気状態で維持されることにより、第1の空間部分S1では、排気に起因する気流が生じにくい。したがって、基板W上の処理液が基板Wの主面全体に略均一な厚みで広がり、乾燥される。それにより、基板W上に略均一な厚みを有する感光性膜が形成される。
【0056】
その後、基板Wの回転が停止され、感光性膜が形成された基板Wが塗布装置200から搬出される。上記の一連の動作中、液収集配管21,22を通して液収集部20により収集された処理液は、さらに液収集配管23を通して他の液収集部または排液設備に導かれる。
【0057】
上記の塗布装置200においては、塗布処理が行われるごとに、カップ11内の第1の空間部分S1の気体が複数の気体収集配管31を通して気体収集部30に導かれ、排気される。
【0058】
ここで、複数の気体収集配管31の各々は、隔壁WL1を迂回することなく、隔壁WL1を貫通することにより第1室R1内のカップ11と第2室R2内の気体収集部30とを接続している。このような構成によれば、隔壁WL1を迂回してカップ11と気体収集部30とを接続するように気体収集配管31を構成する場合に比べて、気体収集配管31の長さを短くすることができる。したがって、気体収集配管31内を処理液の成分を含む気体が流通する場合でも、気体収集配管31内では処理液に起因する固着物が多量に発生することが防止される。したがって、気体収集配管31における詰まりの発生が防止される。
【0059】
また、上記の塗布装置200においては、塗布処理が行われるごとに、カップ11およびノズル容器13から液収集配管21,22を通して液収集部20に処理液が導かれる。液収集配管21,22の各々は、隔壁WL1を迂回することなく、隔壁WL1を貫通することにより第1室R1内のカップ11およびノズル容器13と第2室R2内の液収集部20とを接続している。このような構成によれば、隔壁WL1を迂回してカップ11およびノズル容器13と液収集部20とを接続するように液収集配管21,22を設ける場合に比べて、液収集配管21,22の長さを短くすることができる。また、液収集配管21,22を水平方向に大きく延ばす必要がないので、塗布処理に用いられる処理液の粘度が高い場合でも、処理液の受け止め部により受け止められた処理液は、その自重により比較的円滑に液収集配管21,22内を流れる。したがって、各液収集配管21,22における処理液の詰まりの発生が低減される。
【0060】
さらに、上記の構成によれば、第1室R1の底部が隔壁WL1で区画されている。そのため、第2室R2内の各部のメンテナンス時に第2室R2が開放される場合でも、隔壁WL1により第1室R1の外部から第2室R2を通して第1室R1内に汚染物質が進入することが防止される。
【0061】
[3]塗布装置200の具体的な構成例
図2は
図1の塗布装置200における排気系の具体的な構成例を示す外観斜視図であり、
図3および
図4は
図2の排気切替部50の切替動作を説明するための外観斜視図である。
図2~
図4では、塗布装置200を構成する複数の構成要素の形状および位置関係の理解を容易にするために、隔壁WL1が一点鎖線で示される。また、排気切替部50の内部構造が、吹き出し内に縦断面図で示される。
【0062】
図2の塗布装置200においては、カップ11の下方に隔壁WL1および気体収集部30がこの順で並んでいる。気体収集部30は、平面視で略U字型に形成された箱部材で構成される。カップ11の底部における3つの部分に、3つの気体収集配管31の上流端がそれぞれ着脱可能に接続されている。3つの気体収集配管31の各々は、カップ11から隔壁WL1を貫通して下方に延びている。各気体収集配管31の下流端は、気体収集部30の上面における3つの部分に着脱可能に接続されている。このような構成により、3つの気体収集配管31の各々は、カップ11内の第1の空間部分S1と気体収集部30の内部空間とを連通させる。
【0063】
気体収集部30の底部には、気体収集配管32の上流端が着脱可能に接続されている。気体収集配管32は、気体収集部30から下方に延びている。気体収集配管32の下流端近傍は水平方向に向かって湾曲している。気体収集配管32の下流端は、排気切替部50に着脱可能に接続されている。
【0064】
隔壁WL1上のカップ11の側方の位置(
図1の第1室R1内の位置)から隔壁WL1を貫通して下方に延びるように気体収集配管41が設けられている。気体収集配管41の上流端は、第2の空間部分S2に開放されている。気体収集配管41は、隔壁WL1の下方の位置で、水平方向に湾曲している。気体収集配管41の下流端は、排気切替部50に着脱可能に接続されている。
【0065】
隔壁WL1の下方の位置(
図1の第2室R2内の位置)からさらに下方に延びるようにダクトDU1が設けられている。ダクトDU1の上流端には、水平方向に延びる気体収集配管33の下流端が着脱可能に接続されている。気体収集配管33の上流端は、排気切替部50に着脱可能に接続されている。
【0066】
排気切替部50は、本体部52、ダンパ53、回転軸53aおよびアクチュエータ54を含む。本体部52は、略直方体の箱部材で構成され、内部空間52Sを有する。また、本体部52には、気体収集配管32の下流端、気体収集配管41の下流端および気体収集配管33の上流端がそれぞれ接続される3つの接続部59a,59b,59cが形成されている。各接続部59a,59b,59cには、当該接続部に接続される配管の内部空間と本体部52の内部空間52Sとを連通する開口が形成されている。
【0067】
排気切替部50に上記の3つの配管(32,33,41)が接続された状態で、本体部52の内部空間52Sは、気体収集配管32から気体収集配管33に至る気体流路(以下、第1の気体流路と呼ぶ。)として機能する。また、内部空間52Sは、気体収集配管41から気体収集配管33に至る気体流路(以下、第2の気体流路と呼ぶ。)として機能する。
【0068】
本体部52の内部空間52Sには、ダンパ53および回転軸53aが設けられている。回転軸53aは、本体部52の内部で一方向に延びる。ダンパ53は、
図2の吹き出し内に一点鎖線の矢印で示すように、回転軸53aの軸心の周りで回転可能となっている。本体部52には、さらにダンパ53を回転させるアクチュエータ54が取り付けられている。アクチュエータ54は、例えばステッピングモータまたはエアシリンダ等を含む。
【0069】
本実施の形態においては、アクチュエータ54は、回転軸53aを基準とする2つの回転位置の間でダンパ53を回転させる。ダンパ53が2つの回転位置のうち一方の回転位置にある状態で、ダンパ53は、第1の気体流路を開放し、第2の気体流路を閉塞するかまたはほぼ閉塞する。このときの排気切替部50の状態が上記の第1の排気状態に対応する。また、ダンパ53が2つの回転位置のうち他方の回転位置にある状態で、ダンパ53は、第1の気体流路を閉塞するかまたはほぼ閉塞し、第2の気体流路を開放する。このときの排気切替部50の状態が上記の第2の排気状態に対応する。
【0070】
図3および
図4では、第1の空間部分S1からダクトDU1に流れる気体の流れが実線の矢印で示され、第2の空間部分S2からダクトDU1に流れる気体の流れが一点鎖線の矢印で示される。また、
図3および
図4の各々において、実線および一点鎖線の矢印の太さは、気体の流量(単位時間当たりに各部を流れる気体の量)を表す。矢印の太さが大きいことは流量が大きいことを意味し、矢印の太さが小さいことは流量が小さいことを意味するものとする。
【0071】
図3の吹き出し内に示すように、排気切替部50が第1の排気状態にある場合には、第1の空間部分S1からダクトDU1に導かれる気体の流量が大きくなり、第2の空間部分S2からダクトDU1に導かれる気体の流量が小さくなる。一方、
図4の吹き出し内に示すように、排気切替部50が第2の排気状態にある場合には、第1の空間部分S1からダクトDU1に導かれる気体の流量が小さくなり、第2の空間部分S2からダクトDU1に導かれる気体の流量が大きくなる。
【0072】
なお、排気切替部50が第1の排気状態にある場合、第2の空間部分S2からダクトDU1には気体が流れなくてもよい。また、排気切替部50が第2の排気状態にある場合、第1の空間部分S1からダクトDU1には気体が流れなくてもよい。
【0073】
[4]塗布装置200を備える基板処理装置100の具体例
図5は、塗布装置200を備える基板処理装置100の具体例を説明するための模式的平面図である。
図5に示すように、本例の基板処理装置100は、4つのブロックB1,B2,B3,B4を備える。4つのブロックB1,B2,B3,B4は、この順で一方向に並ぶように設けられている。ブロックB4に隣り合うように露光装置500が設けられている。ブロックB1,B2,B3,B4の各々は、図示しないフレームを有する。そのフレームは、対応するブロック内に設けられる各種構成要素を支持するとともに、他のブロックのフレームに接続可能かつ取り外し可能に構成されている。
【0074】
ブロックB1は搬送部150を含む。ブロックB1において、搬送部150は基板Wの搬入搬出部として機能する。ブロックB2は、塗布処理部120、熱処理部140および搬送部150を含む。塗布処理部120と熱処理部140とは搬送部150を挟んで対向するように設けられる。塗布処理部120に複数の塗布装置200が設けられる。ブロックB3は、現像処理部130、熱処理部140および搬送部150を含む。現像処理部130および熱処理部140とは搬送部150を挟んで対向するように設けられる。ブロックB4は搬送部150を含む。ブロックB4において、搬送部150はブロックB2,B3と露光装置500との間で基板の受け渡しを行う受渡部として機能する。
【0075】
図6は、
図5の塗布処理部120内の構成を白抜きの矢印Aの方向に見た模式的側面図である。
図6に示すように、本例の塗布処理部120には、4つの塗布装置200が設けられている。以下の説明では、4つの塗布装置200を互いに区別する場合、それぞれの塗布装置200を塗布装置200A,200B,200C,200Dと呼ぶ。
【0076】
塗布装置200A,200Bは、基本的に同じ構成を有し、水平方向において互いに隣り合うように設けられている。塗布装置200C,200Dは、基本的に同じ構成を有し、水平方向において互いに隣り合うように設けられている。塗布装置200A,200Bは、それぞれ塗布装置200C,200Dの上方に位置する。
【0077】
また、塗布処理部120には、第1室R1、第2室R2、第3室R3および第4室R4が、この順で上から下に並ぶように積層配置されている。
図1の例と同様に、第1室R1と第2室R2とを区画するように隔壁WL1が設けられ、第2室R2と第3室R3とを区画するように隔壁WL2が設けられている。また、第3室R3と第4室R4とを区画するように隔壁WL3が設けられ、第4室R4と第4室R4の下方の空間とを区画するように隔壁WL4が設けられている。
【0078】
第1室R1および第2室R2は塗布装置200A,200Bに共通に用いられ、第3室R3および第4室R4は塗布装置200C,200Dに共通に用いられている。それにより、第1室R1には、塗布装置200A,200Bの基板保持部10、カップ11、ノズル12およびノズル容器13が収容される。また、第2室R2には、塗布装置200A,200Bの液収集部20、気体収集部30および排気切替部50が収容される。第3室R3には、塗布装置200C,200Dの基板保持部10、カップ11、ノズル12およびノズル容器13が収容される。また、第4室R4には、塗布装置200C,200Dの液収集部20、気体収集部30および排気切替部50が収容される。
【0079】
さらに、
図6の塗布処理部120においては、第1室R1および第3室R3の各々の上端部近傍に、当該室内に清浄な下降気流を発生させるためのフィルタユニット310が設けられている。また、第2室R2および第4室R4の各々に、当該室内に清浄な気体を供給するためのフィルタユニット320が設けられている。フィルタユニット310,320の各々が備えるフィルタとしては、例えばULPA(Ultra Low Penetration Air)フィルタが用いられる。
【0080】
塗布処理部120の外部には、気体供給部300が設けられている。気体供給部300には、ダクトDU9が接続されている。ダクトDU9は、塗布処理部120の下方の位置から隔壁WL4,WL3,WL2,WL1を貫通して第1室R1の内部まで上方に向かって延びるように設けられている。上記のフィルタユニット310,320は、ダクトDU9の複数の部分にそれぞれ接続されている。
【0081】
気体供給部300は、例えばエアーコントロールユニットであり、電源がオンされている間、予め定められた条件を満たすように温度および湿度等の空気の状態を調整する。また、気体供給部300は、調整後の空気をダクトDU9に供給する。この場合、気体供給部300からダクトDU9に供給された空気は、フィルタユニット310,320を通して第1室R1、第2室R2、第3室R3および第4室R4内にそれぞれ導かれる。
【0082】
第2室R2から隔壁WL2,WL3,WL4を貫通して下方に延びるようにダクトDU1,DU3が設けられている。第2室R2においては、ダクトDU1の上流端に塗布装置200A,200Bの2つの気体収集配管33が着脱可能に接続されている。ダクトDU1の下流端は、図示しない排気設備に着脱可能に接続されている。このような構成により、第1室R1内の気体は、塗布装置200A,200Bの気体収集部30、気体収集配管31,32,33,41および排気切替部50を通してダクトDU1に導かれる。
【0083】
第2室R2の底部には、塗布装置200A,200Bが並ぶ方向に延びるように気体収集配管410が設けられている。気体収集配管410の一端は閉塞されている。また、気体収集配管410には、複数の排気開口411が所定間隔をおいて並ぶように形成されている。第2室R2に設けられる気体収集配管410の他端は、ダクトDU3の上流端に着脱可能に接続されている。ダクトDU3の下流端は、ダクトDU1と同様に、図示しない排気設備に接続されている。このような構成により、図示しない排気設備がダクトDU3内の気体を吸引すると、第2室R2内の気体は、気体収集配管410の複数の排気開口411に流れ込み、気体収集配管410を通してダクトDU3に導かれる。
【0084】
第4室R4から隔壁WL4を貫通して下方に延びるようにダクトDU2,DU4が設けられている。第4室R4においては、ダクトDU2の上流端に塗布装置200C,200Dの2つの気体収集配管33が着脱可能に接続されている。ダクトDU2の下流端は、図示しない排気設備に接続されている。このような構成により、第3室R3内の気体は、塗布装置200C,200Dの気体収集部30、気体収集配管31,32,33,41および排気切替部50を通してダクトDU2に導かれる。
【0085】
第4室R4の底部には、第2室R2の底部と同様に、気体収集配管410が設けられている。第4室R4に設けられる気体収集配管410の他端は、ダクトDU4の上流端に着脱可能に接続されている。ダクトDU4の下流端は、ダクトDU3と同様に、図示しない排気設備に接続されている。このような構成により、図示しない排気設備がダクトDU4内の気体を吸引すると、第4室R4内の気体は気体収集配管410の複数の排気開口411に流れ込み、気体収集配管410を通してダクトDU4に導かれる。
【0086】
図7は、
図6の第1室R1および第3室R3内の気体の流れを説明するための斜視図である。
図7および後述する
図8では、第3室R3に設けられるフィルタユニット310が太い二点鎖線で示される。なお、第1室R1に設けられるフィルタユニット310の図示は省略されている。
【0087】
図7に示すように、第3室R3内に位置するダクトDU9の部分には、フィルタユニット310を接続するための接続部DCが形成されている。また、第1室R1内に位置するダクトDU9の部分にも接続部DC(図示せず)が形成されている。第1室R1および第3室R3において、ダクトDU9に形成された接続部DCにフィルタユニット310が接続されている。
【0088】
図7に太い実線の矢印で示すように、基板処理装置100の稼働時には、気体供給部300からダクトDU9に温度および湿度等が調整された空気が供給される。このとき、ダクトDU9内に供給された空気の一部は、第1室R1および第3室R3の接続部DCからフィルタユニット310に導かれ、図示しないフィルタを通して第1室R1および第3室R3内全体に供給される。それにより、第1室R1および第3室R3内に清浄な下降気流が形成される。また、第1室R1および第3室R3内の気体は、各塗布装置200A,200B,200C,200Dの複数の気体収集配管31,41を通して第2室R2および第4室R4に送られ、さらにダクトDU1,DU2を通して排気される。
【0089】
図8は、
図6の第2室R2および第4室R4内の気体の流れを説明するための斜視図である。
図8に示すように、第2室R2および第4室R4内に位置するダクトDU9の部分には、フィルタユニット320が接続されている。
【0090】
図8に太い実線の矢印で示すように、気体供給部300からダクトDU9に供給される空気の残りの少なくとも一部は、2つのフィルタユニット320のフィルタFを通して第2室R2および第4室R4内に供給される。また、第2室R2および第4室R4内の気体は、第2室R2および第4室R4にそれぞれ設けられた気体収集配管410からダクトDU3,DU4を通して排気される。
【0091】
図9は
図5の塗布処理部120の外観斜視図であり、
図10は
図6の第2室R2および第4室R4内の気体を排気する気体収集配管410の塗布処理部120における位置を示す平面図である。
【0092】
図9に示すように、塗布処理部120は、4つの塗布装置200A,200B,200C,200Dを収容する筐体120Cを有する。筐体120Cは、
図6の第1室R1、第2室R2、第3室R3および第4室R4の外壁の一部を構成し、
図5の搬送部150を向く一側壁部sf1と、搬送部150と反対の基板処理装置100の外方を向く他側壁部sf2とを有する。
【0093】
筐体120Cの他側壁部sf2には、メンテナンス用開口部ro1,ro2,ro3,ro4が形成されている。メンテナンス用開口部ro1は第1室R1の内部空間と基板処理装置100の外部とを連通させ、メンテナンス用開口部ro2は第2室R2の内部空間と基板処理装置100の外部とを連通させる。また、メンテナンス用開口部ro3は第3室R3の内部空間と基板処理装置100の外部とを連通させ、メンテナンス用開口部ro4は第4室R4の内部空間と基板処理装置100の外部とを連通させる。
【0094】
さらに、筐体120Cの他側壁部sf2には、メンテナンス用開口部ro1,ro2,ro3,ro4をそれぞれ開閉するための開閉扉rd1,rd2,rd3,rd4が取り付けられている。塗布装置200A,200B,200C,200Dの液収集部20、気体収集部30、気体収集配管31,32,33,41および排気切替部50のメンテナンス時には、
図9に太い一点鎖線で示すように、第2室R2および第4室R4に対応する開閉扉rd2,rd4が操作され、メンテナンス用開口部ro2,ro4が開かれる。
【0095】
このとき、第1室R1および第3室R3に対応するメンテナンス用開口部ro1,ro2については、開閉扉rd1,rd3により閉じられた状態で維持しておくことができる。したがって、液収集部20、気体収集部30、気体収集配管31,32,33,41および排気切替部50のメンテナンス中に、基板処理装置100の外部から第1室R1および第3室R3内に汚染物質が進入することが防止される。
【0096】
また、
図10に示すように、第2室R2および第4室R4内の気体を排気する気体収集配管410は、メンテナンス用開口部ro2,ro4が形成された他側壁部sf2とは反対側の一側壁部sf1に近い位置に設けられている。この気体収集配管410の配置によれば、メンテナンス用開口部ro2,ro4が開かれる場合でも、基本的にメンテナンス用開口部ro2,ro4から第2室R2および第4室R4の内方に向かうように気体の流れが形成される。それにより、第2室R2および第4室R4内のメンテナンス時に、メンテナンス用開口部ro2,ro4から基板処理装置100の外部に第2室R2および第4室R4内の気体が漏れ出ることが防止される。
【0097】
なお、第2室R2および第4室R4内のメンテナンス時には、各種配管が分解等されることにより第2室R2および第4室R4内に処理液の成分を含む気体が拡散する可能性がある。そのため、処理液が強い臭気を有すると、第2室R2および第4室R4内の作業環境の快適性が低下する。このような場合でも、上記の構成によれば第2室R2および第4室R4内の気体が気体収集配管410から排気されることにより、処理液の成分を含む気体の拡散が防止される。したがって、第2室R2および第4室R4内の作業環境の快適性の低下が防止される。
【0098】
[5]効果
(1)
図6の各塗布装置200A~200Dにおいては、基板Wに対する処理液の吐出時に、第1室R1または第3室R3における第1の空間部分S1の気体がカップ11から複数の気体収集配管31を通して気体収集部30に収集される。それにより、処理液の成分を含む気体が第1室R1または第3室R3内で拡散することが防止され、第1室R1または第3室R3内の汚染が防止される。
【0099】
カップ11に接続された複数の気体収集配管31の各々は、隔壁WL1,WL3のいずれかを貫通してカップ11と気体収集部30とを接続する。この構成によれば、隔壁WL1,WL3を迂回してカップ11と気体収集部30とを接続するように気体収集配管31を構成する場合に比べて、気体収集配管31を隔壁WL1,WL3の方向に大きく延ばす必要がない。そのため、気体収集配管31の長さを短くすることができる。したがって、気体収集配管31内を処理液の成分を含む気体が流通する場合でも、気体収集配管31内では処理液に起因する固着物が多量に発生することが防止される。それにより、気体収集配管31における詰まりの発生が防止される。
【0100】
また、塗布装置200A~200Dにおいては、基板Wに処理が行われる空間(第1室R1および第3室R3)と、気体および処理液が収集される空間(第2室R2および第4室R4)とが隔壁WL1,WL3のいずれかにより区画されている。そのため、気体および処理液の流路を構成する複数の部材のメンテナンス時に第2室R2および第4室R4が開放される場合でも、隔壁WL1,WL3により基板処理装置100の外部から第2室R2および第4室R4を通して第1室R1および第3室R3内に汚染物質が進入することが防止される。
【0101】
これらの結果、基板処理装置100のダウンタイムが長くなることを防止するとともに基板Wの処理室内の汚染を防止することが可能になる。
【0102】
(2)上記の各塗布装置200A~200Dにおいては、排気切替部50が第1の排気状態にある場合、第1の空間部分S1の気体が第2の空間部分S2の気体よりも大きい流量で基板処理装置100の外部に排気される。一方、排気切替部50が第2の排気状態にある場合、第2の空間部分S2の気体が第1の空間部分S1の気体よりも大きい流量で基板処理装置100の外部に排気される。これにより、基板Wの処理状態に応じて、第1の空間部分S1の気体の排気量を切り替えることができる。したがって、例えば塗布処理時の基板Wの回転速度に応じて排気切替部50の状態を切り換えることにより、基板W上に形成される感光性膜の厚みの均一化を図ることが可能になる。
【0103】
(3)上記の各塗布装置200A~200Dにおいては、ダクトDU9からフィルタユニット320を通して第2室R2および第4室R4内に清浄な空気が供給される。それにより、第2室R2および第4室R4内部のメンテナンス時に、第2室R2および第4室R4内に発生する処理液の成分を含む気体が清浄な気体により置換される。したがって、第2室R2および第4室R4内で処理液を含む気体が拡散して各種部材に処理液が付着することが防止される。それにより、第2室R2および第4室R4内部の汚染が防止される。
【0104】
(4)上記の第2室R2および第4室R4に設けられる気体収集配管31,32,33,41の各々は、他の部材に対して着脱可能に接続される。したがって、第2室R2および第4室R4内部のメンテナンス時には、排気系を構成する各部材を容易に分解することができる。
【0105】
(5)各塗布装置200A~200Dにおいては、カップ11により受け止められる処理液およびノズル容器13により受け止められる処理液が液収集部20により収集される。ここで、液収集部20は、第2室R2または第4室R4に設けられている。カップ11およびノズル容器13と液収集部20との間には、隔壁WL1,WL3のいずれかを貫通する液収集配管21,22が接続されている。この構成によれば、第2室R2および第4室R4を開放することにより、液収集部20および液収集配管21,22のメンテナンスを行うことができる。
【0106】
上記の液収集配管21,22は、基本的に上下方向に延びるように設けられている。それにより、カップ11およびノズル容器13により受け止められた処理液は、その自重により液収集配管21,22の内部を円滑に流れ、液収集部20に収集される。
【0107】
[6]排気系のメンテナンスの作業回数を低減するための工夫
上記の各塗布装置200A~200Dにおいては、複数の気体収集配管31の内面、気体収集部30の内面、気体収集配管41の内面およびダクトDU1,DU2の内面のうち少なくとも一部にフッ素樹脂の被膜が形成されてもよい。
【0108】
この場合、フッ素樹脂の被膜が形成された内面部分には、処理液の成分が付着しにくい。したがって、開放作業が困難な部分が予め特定できる場合には、当該開放作業が困難な部分にフッ素樹脂の被膜を形成しておくことが好ましい。それにより、作業性の悪いメンテナンスを頻繁に行う必要がなくなる。
【0109】
[7]他の実施の形態
(1)上記実施の形態に係る塗布処理部120においては、第1室R1および第2室R2が上下方向に並ぶように設けられるが、本発明はこれに限定されない。第1室R1および第2室R2は、水平方向に並ぶように設けられてもよい。この場合、第1室R1および第2室R2を区画する隔壁WL1は、上下方向に平行に延びることになる。このような場合でも、複数の気体収集配管31が隔壁WL1を貫通してカップ11と気体収集部30とを接続することにより、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0110】
(2)上記実施の形態に係る塗布装置200においては、第1の空間部分S1の気体の排気量と第2の空間部分S2の気体の排気量との割合を変化させるために排気切替部50が用いられるが、排気切替部50は設けられなくてもよい。
【0111】
(3)上記実施の形態に係る塗布装置200においては、第2室R2および第4室R4内の気体を排気するために気体収集配管410が設けられるが、気体収集配管410は設けられなくてもよい。また、上記実施の形態に係る塗布装置200においては、第2室R2および第4室R4にそれぞれフィルタユニット320が設けられ、第2室R2および第4室R4内に清浄な気体が供給されるが、本発明はこれに限定されない。第2室R2および第4室R4内には、気体供給部300により調整された空気が供給されなくてもよい。この場合、フィルタユニット320は不要となる。
【0112】
(4)上記実施の形態に係る塗布装置200においては、液収集部20は第2室R2または第4室R4に設けられるが、本発明はこれに限定されない。液収集部20は、第1室R1または第3室R3内に設けられてもよい。
【0113】
(5)上記実施の形態に係る塗布装置200においては、カップ11と気体収集部30とが3つの気体収集配管31により接続されるが、本発明はこれに限定されない。カップ11と気体収集部30とを繋ぐ気体収集配管31の数は、1つであってもよいし、2つであってもよいし、4つであってもよい。
【0114】
(6)上記実施の形態に係る塗布装置200においては、ノズル容器13と気体収集部30とを繋ぐように新たな気体収集配管が設けられてもよい。この場合、ノズル12についてプリディスペンスが行われる際に、ノズル容器13内の気体をダクトDU1を通して円滑に排気することができる。
【0115】
(7)上記実施の形態においては、処理液として、ネガ型またはポジ型の感光性ポリイミドおよび溶剤を含む処理液が用いられるが、本発明はこれに限定されない。処理液としては、1000cp~18000cp程度の高い粘度を有するレジスト液等を用いることもできる。
【0116】
[8]請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明する。上記実施の形態では、基板処理装置100が基板処理装置の例であり、ノズル12が液吐出部の例であり、第1の空間部分S1が第1の空間部分の例であり、カップ11が受け止め部およびカップの例であり、第1室R1および第3室R3が処理室の例であり、気体収集部30が第1の気体収集部の例である。
【0117】
また、第2室R2および第4室R4が収集室の例であり、隔壁WL1,WL3が隔壁の例であり、気体収集配管31が第1の気体収集配管の例であり、気体収集配管41が第2の気体収集配管の例であり、ダクトDU1,DU2および気体収集配管33が第1の排気管の例である。
【0118】
また、本体部52の内部空間52Sが第1および第2の気体流路の例であり、本体部52が流路形成部の例であり、ダンパ53が第1の開閉部材の例であり、アクチュエータ54が開閉駆動部の例であり、メンテナンス用開口部ro2,ro4がメンテナンス用開口部の例であり、開閉扉rd2,rd4が第2の開閉部材の例である。
【0119】
また、気体収集配管410が第2の気体収集部の例であり、ダクトDU3,DU4が第2の排気管の例であり、一側壁部sf1が側壁部の例であり、ダクトDU9が気体供給ダクトの例であり、フィルタユニット320がフィルタの例であり、気体供給部300が気体供給部の例であり、液収集部20が液収集部の例であり、液収集配管21が液収集配管の例であり、基板保持部10が基板保持部の例であり、カップ11がカップの例である。
【0120】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
[9]参考形態
参考形態に係る基板処理装置は、基板に処理液を用いた処理を行う基板処理装置であって、処理液を吐出する液吐出部と、液吐出部から処理液が吐出される第1の空間部分を有し、液吐出部から第1の空間部分に吐出された処理液を受け止める受け止め部と、液吐出部および受け止め部を収容する処理室と、第1の空間部分の気体を収集する第1の気体収集部と、処理室の下部に設けられ、第1の気体収集部を収容する収集室と、処理室と収集室とを区画する隔壁と、隔壁を貫通して受け止め部と第1の気体収集部との間に接続される第1の気体収集配管とを備える。
【符号の説明】
【0121】
10…基板保持部,11…カップ,12…ノズル,13…ノズル容器,20…液収集部,21,22,23…液収集配管,30…気体収集部,31,32,33,41,410…気体収集配管,50…排気切替部,52…本体部,52S…内部空間,53…ダンパ,53a…回転軸,54…アクチュエータ,59a,59b,59c…接続部,100…基板処理装置,110…制御装置,120…塗布処理部,120C…筐体,130…現像処理部,140…熱処理部,150…搬送部,200,200A,200B,200C,200D…塗布装置,300…気体供給部,310,320…フィルタユニット,411…排気開口,500…露光装置,B1,B2,B3,B4…ブロック,DC…接続部,DU1,DU2,DU3,DU4,DU9…ダクト,R1…第1室,R2…第2室,R3…第3室,R4…第4室,S1…第1の空間部分,S2…第2の空間部分,W…基板,WL1,WL2,WL3,WL4…隔壁,p0…処理位置,p1…待機位置,rd1,rd2,rd3,rd4…開閉扉,ro1,ro2,ro3,ro4…メンテナンス用開口部,sf1…一側壁部,sf2…他側壁部