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特許7441672印刷機用のブランケットの洗浄要否判定モジュール、及び洗浄要否判定方法、洗浄要否判定プログラム
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  • 特許-印刷機用のブランケットの洗浄要否判定モジュール、及び洗浄要否判定方法、洗浄要否判定プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】印刷機用のブランケットの洗浄要否判定モジュール、及び洗浄要否判定方法、洗浄要否判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41F 35/06 20060101AFI20240222BHJP
   B41F 33/02 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
B41F35/06
B41F33/02 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020028097
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2021126892
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】P 2020024226
(32)【優先日】2020-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】714000460
【氏名又は名称】リョービMHIグラフィックテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】藤原 聖子
(72)【発明者】
【氏名】谷本 孝文
【審査官】長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-18608(JP,A)
【文献】特開2012-232588(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0117977(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102008053117(DE,A1)
【文献】特開平10-157083(JP,A)
【文献】特開2007-268863(JP,A)
【文献】特開2001-287342(JP,A)
【文献】特開2007-50520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 5/00-13/70
B41F 31/00-35/06
B41M 1/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予約状態の印刷ジョブを実行に移す印刷ジョブとして取得した状態であり、且つ該印刷ジョブに基づく印刷処理の実行前にブランケットの洗浄処理の要否を判定する洗浄要否判定手段を備え、
前記洗浄要否判定手段は、
最後にブランケットの洗浄処理が行われた時点から前記実行に移す印刷ジョブを取得するまでの間に取得した印刷ジョブに基づく印刷処理における印刷枚数の総数を示す印刷枚数情報を取得し、該印刷枚数情報が前記洗浄処理を行わずに印刷を続行可能な枚葉紙の枚数を示す印刷枚数基準情報未満であるか否かを判断する印刷枚数判断手段と、
前記実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理における複数のツボキー毎の画像面積率を示す画像面積率情報を取得し、該画像面積率情報が、前記洗浄処理を行わずに印刷を続行可能な画像面積率の大きさを示す画像面積率基準情報未満であるか否かを判断する画像面積率判断手段と、
前記実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いた枚葉紙のサイズを示す第一のサイズ情報と、前記実行に移す印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いる枚葉紙のサイズを示す第二のサイズ情報とが同一であるか否かを判断するサイズ判断手段と、
前記印刷枚数判断手段により前記印刷枚数情報が前記印刷枚数基準情報未満でないと判断されるか、前記画像面積率判断手段により前記画像面積率情報が前記画像面積率基準情報未満でないと判断されるか、前記サイズ判断手段により前記第一のサイズ情報と前記第二のサイズ情報とが同一でないと判断された場合に、前記洗浄処理が必要であると判断し、前記印刷枚数判断手段により前記印刷枚数情報が前記印刷枚数基準情報未満であると判断され、且つ、前記画像面積率判断手段により前記画像面積率情報が前記画像面積率基準情報未満であると判断され、且つ、前記サイズ判断手段により前記第一のサイズ情報と前記第二のサイズ情報とが同一であると判断された場合に、前記洗浄処理が不要であると判断する要否判断手段と、を有する、
印刷機用のブランケットの洗浄要否判定モジュール。
【請求項2】
予約状態の印刷ジョブを実行に移す印刷ジョブとして取得し、
該実行に移す印刷ジョブに基づく印刷処理の実行前にブランケットの洗浄処理の要否を判定するように構成され、
前記洗浄処理の要否を判定する際、
最後にブランケットの前記洗浄処理が行われた時点から前記実行に移す印刷ジョブを取得するまでの間に取得した印刷ジョブに基づく印刷処理における印刷枚数の総数を示す印刷枚数情報を取得し、該印刷枚数情報が前記洗浄処理を行わずに印刷を続行可能な枚葉紙の枚数を示す印刷枚数基準情報未満であるか否かを判断する処理と、
前記実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理における複数のツボキー毎の画像面積率を示す画像面積率情報を取得し、該画像面積率情報が、前記洗浄処理を行わずに印刷を続行可能な画像面積率の大きさを示す画像面積率基準情報未満であるか否かを判断する処理と、
前記実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いた枚葉紙のサイズを示す第一のサイズ情報と、前記実行に移す印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いる枚葉紙のサイズを示す第二のサイズ情報とが同一であるか否かを判断する処理と、
前記印刷枚数情報が前記印刷枚数基準情報未満でないと判断されるか、前記画像面積率情報が前記画像面積率基準情報未満でないと判断されるか、前記第一のサイズ情報と前記第二のサイズ情報とが同一でないと判断した場合に、前記洗浄処理が必要であると判断し、前記印刷枚数情報が前記印刷枚数基準情報未満であると判断され、且つ、前記画像面積率情報が前記画像面積率基準情報未満であると判断され、且つ、前記第一のサイズ情報と前記第二のサイズ情報とが同一であると判断された場合に、前記洗浄処理が不要であると判断する処理とを実行する、
印刷機用のブランケットの洗浄要否判定方法。
【請求項3】
コンピューターを、
予約状態の印刷ジョブを実行に移す印刷ジョブとして取得した状態であり、且つ該印刷ジョブに基づく印刷処理の実行前にブランケットの洗浄処理の要否を判定する洗浄要否判定手段として実行させるように構成され、
前記洗浄要否判定手段は、
最後に前記ブランケットの前記洗浄処理が行われた時点から前記実行に移す印刷ジョブを取得するまでの間に取得した印刷ジョブに基づく印刷処理における印刷枚数の総数を示す印刷枚数情報を取得し、該印刷枚数情報が前記洗浄処理を行わずに印刷を続行可能な枚葉紙の枚数を示す印刷枚数基準情報未満であるか否かを判断する印刷枚数判断手段と、
前記実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理における複数のツボキー毎の画像面積率を示す画像面積率情報を取得し、該画像面積率情報が、前記洗浄処理を行わずに印刷を続行可能な画像面積率の大きさを示す画像面積率基準情報未満であるか否かを判断する画像面積率判断手段と、
前記実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いた枚葉紙のサイズを示す第一のサイズ情報と、前記実行に移す印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いる枚葉紙のサイズを示す第二のサイズ情報とが同一であるか否かを判断するサイズ判断手段と、
前記印刷枚数判断手段により前記印刷枚数情報が前記印刷枚数基準情報未満でないと判断されるか、前記画像面積率判断手段により前記画像面積率情報が前記画像面積率基準情報未満でないと判断されるか、前記サイズ判断手段により前記第一のサイズ情報と前記第二のサイズ情報とが同一でないと判断された場合に、前記洗浄処理が必要であると判断し、前記印刷枚数判断手段により前記印刷枚数情報が前記印刷枚数基準情報未満であると判断され、且つ、前記画像面積率判断手段により前記画像面積率情報が前記画像面積率基準情報未満であると判断され、且つ、前記サイズ判断手段により前記第一のサイズ情報と前記第二のサイズ情報とが同一であると判断された場合に、前記洗浄処理が不要であると判断する要否判断手段と、を有する、
印刷機用のブランケットの洗浄要否判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷機のブランケットの洗浄処理の要否を判定する洗浄要否判定モジュール、及び洗浄要否判定方法、洗浄要否判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷機において複数の印刷ジョブを順番に実行する場合、印刷ジョブを切り替えるタイミングに合わせてブランケット(ゴム胴)の洗浄処理を行う。この洗浄処理は印刷機に装備されている洗浄装置を用いて行われており、印刷ジョブの実行によりブランケット(ゴム胴)に堆積(付着)したインキ等からなる汚れを洗浄液で除去している。
【0003】
また、洗浄処理後のブランケット(ゴム胴)には洗浄液が残存しており、ブランケットに洗浄液が残存している状態で印刷処理を行うと、ブランケットに残存している洗浄液の影響によって印刷開始直後の所定枚数の印刷物に印刷不良が発生してしまうことから、この印刷不良を防止すべく、上記の洗浄処理が行われた後にブランケットに残存している洗浄液を拭き取る処理が行われている。
【0004】
そして、ブランケットに残存している洗浄液を拭き取る処理では、例えば、特許文献1に開示されているように、洗浄処理後にゴム胴と圧胴の間に用紙(枚葉紙)を通し、該用紙でブランケット(ゴム胴)に残存している洗浄液を拭き取る処理が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-59089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来の印刷機では、前の印刷ジョブの印刷によるブランケットの汚れが軽微な場合であっても、印刷ジョブが切り替わる度にブランケットの洗浄処理が行われるため、洗浄液や、ブランケットに残る洗浄液を拭き取る資材等、ブランケットの洗浄にかかるコストが嵩む傾向にある。
【0007】
このような事情から、従来の印刷機について、ブランケットの洗浄処理の要否を見極めることができるようにすることが望まれている。
【0008】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、ブランケットに対する洗浄処理の要否を好適に判定できる印刷機用のブランケットの洗浄要否判定モジュール、及び洗浄要否判定方法、洗浄要否判定プログラムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の印刷機用のブランケットの洗浄要否判定モジュールは、
予約状態の印刷ジョブを実行に移す印刷ジョブとして取得した状態であり、且つ該印刷ジョブに基づく印刷処理の実行前にブランケットの洗浄処理の要否を判定する洗浄要否判定手段を備え、
前記洗浄要否判定手段は、
最後にブランケットの洗浄処理が行われた時点から前記実行に移す印刷ジョブを取得するまでの間に取得した印刷ジョブに基づく印刷処理における印刷枚数の総数を示す印刷枚数情報を取得し、該印刷枚数情報が前記洗浄処理を行わずに印刷を続行可能な枚葉紙の枚数を示す印刷枚数基準情報未満であるか否かを判断する印刷枚数判断手段と、
前記実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理における複数のツボキー毎の画像面積率を示す画像面積率情報を取得し、該画像面積率情報が、前記洗浄処理を行わずに印刷を続行可能な画像面積率の大きさを示す画像面積率基準情報未満であるか否かを判断する画像面積率判断手段と、
前記実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いた枚葉紙のサイズを示す第一のサイズ情報と、前記実行に移す印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いる枚葉紙のサイズを示す第二のサイズ情報とが同一であるか否かを判断するサイズ判断手段と、
前記印刷枚数判断手段により前記印刷枚数情報が前記印刷枚数基準情報未満でないと判断されるか、前記画像面積率判断手段により前記画像面積率情報が前記画像面積率基準情報未満でないと判断されるか、前記サイズ判断手段により前記第一のサイズ情報と前記第二のサイズ情報とが同一でないと判断された場合に、前記洗浄処理が必要であると判断する要否判断手段と、を有する。
【0010】
本発明の印刷機用のブランケットの洗浄要否判定方法は、
予約状態の印刷ジョブを実行に移す印刷ジョブとして取得し、
該実行に移す印刷ジョブに基づく印刷処理の実行前にブランケットの洗浄処理の要否を判定するように構成され、
前記洗浄処理の要否を判定する際、
最後にブランケットの前記洗浄処理が行われた時点から前記実行に移す印刷ジョブを取得するまでの間に取得した印刷ジョブに基づく印刷処理における印刷枚数の総数を示す印刷枚数情報を取得し、該印刷枚数情報が前記洗浄処理を行わずに印刷を続行可能な枚葉紙の枚数を示す印刷枚数基準情報未満であるか否かを判断する処理と、
前記実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理における複数のツボキー毎の画像面積率を示す画像面積率情報を取得し、該画像面積率情報が、前記洗浄処理を行わずに印刷を続行可能な画像面積率の大きさを示す画像面積率基準情報未満であるか否かを判断する処理と、
前記実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いた枚葉紙のサイズを示す第一のサイズ情報と、前記実行に移す印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いる枚葉紙のサイズを示す第二のサイズ情報とが同一であるか否かを判断する処理と、
前記印刷枚数情報が前記印刷枚数基準情報未満でないと判断されるか、前記画像面積率情報が前記画像面積率基準情報未満でないと判断されるか、前記第一のサイズ情報と前記第二のサイズ情報とが同一でないと判断した場合に、前記洗浄処理が必要であると判断する処理とを実行する。
【0011】
本発明の印刷機用のブランケットの洗浄要否判定プログラムは、
コンピューターを、
予約状態の印刷ジョブを実行に移す印刷ジョブとして取得した状態であり、且つ該印刷ジョブに基づく印刷処理の実行前にブランケットの洗浄処理の要否を判定する洗浄要否判定手段として実行させるように構成され、
前記洗浄要否判定手段は、
最後に前記ブランケットの前記洗浄処理が行われた時点から前記実行に移す印刷ジョブを取得するまでの間に取得した印刷ジョブに基づく印刷処理における印刷枚数の総数を示す印刷枚数情報を取得し、該印刷枚数情報が前記洗浄処理を行わずに印刷を続行可能な枚葉紙の枚数を示す印刷枚数基準情報未満であるか否かを判断する印刷枚数判断手段と、
前記実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理における複数のツボキー毎の画像面積率を示す画像面積率情報を取得し、該画像面積率情報が、前記洗浄処理を行わずに印刷を続行可能な画像面積率の大きさを示す画像面積率基準情報未満であるか否かを判断する画像面積率判断手段と、
前記実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いた枚葉紙のサイズを示す第一のサイズ情報と、前記実行に移す印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いる枚葉紙のサイズを示す第二のサイズ情報とが同一であるか否かを判断するサイズ判断手段と、
前記印刷枚数判断手段により前記印刷枚数情報が前記印刷枚数基準情報未満でないと判断されるか、前記画像面積率判断手段により前記画像面積率情報が前記画像面積率基準情報未満でないと判断されるか、前記サイズ判断手段により前記第一のサイズ情報と前記第二のサイズ情報とが同一でないと判断された場合に、前記洗浄処理が必要であると判断する要否判断手段と、を有する。
【0012】
上記構成の印刷機用のブランケットの洗浄要否判定モジュール、洗浄要否判定方法、洗浄要否判定プログラムでは、印刷枚数情報が印刷枚数基準情報以上であること、又は、画像面積率情報が画像面積率基準情報以上であること、又は、第一のサイズ情報と第二のサイズ情報とが異なることをもって印刷ジョブに基づく印刷処理の実行前にブランケットの洗浄処理を必要とする状態であると判断するようになっている。
【0013】
一方、印刷枚数情報が印刷枚数基準情報未満であり、且つ、画像面積率情報が画像面積率基準情報未満であり、且つ、第一のサイズ情報と第二のサイズ情報とが同一であることをもって印刷ジョブに基づく印刷処理の実行前にブランケットの洗浄処理が不要な状態であると判断するようになっている。
【0014】
上記した判断に基づいて印刷ジョブの切り替え時にブランケットの洗浄処理の有無を決定することにより、印刷にかかるコストの低減が可能になる。
【発明の効果】
【0015】
すなわち、本発明の印刷機用のブランケットの洗浄要否判定モジュール、及び洗浄要否判定方法、洗浄要否判定プログラムによれば、ブランケットに対する洗浄処理の要否を好適に判定できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る印刷機の部分概略図である。
図2図2は、同実施形態に係る印刷機の機能のブロック図である。
図3図3は、同実施形態に係る印刷機の動作のフローチャート。
図4図4は、同実施形態に係る印刷機による洗浄処理の要否を判定する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係る印刷機用のブランケットの洗浄要否判定モジュール(以下、判定モジュールと称する)について説明する。
【0018】
なお、本実施形態では、判定モジュールが組み込まれた印刷機(すなわち、ブランケットの洗浄要否判定機能付きの印刷機)を一例に挙げて判定モジュールの説明を行う。
【0019】
本実施形態の印刷機1は、枚葉紙を対象としてオフセット印刷を行うように構成されたものであり、図1に示すように、インキツボ10内のインキを送り出すためのインキローラー11と、インキローラー11に接するように配置された版胴12と、版胴12に接するように配置されたブランケット(ゴム胴)13と、該ブランケット13に圧接した状態でブランケット13との間に枚葉紙が通るように構成された圧胴14と、ブランケット13を洗浄するための洗浄装置15と、を備えている。なお、本印刷機は、図1に示すユニットを複数備える多色印刷機として構成されている。
【0020】
洗浄装置15は、例えば、洗浄液を含侵させた不織布をブランケット13に対して接離可能とすることにより、ブランケット13に堆積しているインキ及び付着している紙粉を除去することができるように構成されている。
【0021】
また、図2に示すように、印刷機1は、予約状態(実行前)の印刷ジョブを実行に移す印刷ジョブとして取得する印刷ジョブ取得手段2と、ブランケット13の洗浄の要否を判定する判定モジュールとしての判定手段3と、判定手段3によるブランケット13の洗浄の要否の判定結果に応じてブランケット13の洗浄処理を実行する洗浄手段4と、前記印刷ジョブ取得手段2で取得した印刷ジョブに示されている情報に基づいて枚葉紙を印刷するための印刷処理を実行する印刷実行手段5と、を備えている。
【0022】
印刷ジョブは、印刷機1に枚葉紙の印刷を実行させるための命令となる情報である。また、印刷ジョブには、少なくとも、枚葉紙の印刷枚数を示す枚数指定情報と、複数のツボキー毎の画像面積率を示す画像面積率指定情報と、印刷する枚葉紙のサイズを示すサイズ指定情報とが含まれている。
【0023】
判定手段3は、予約状態(未実行)の印刷ジョブを実行に移す印刷ジョブとして取得した状態であり、且つ該印刷ジョブに基づく印刷処理の実行前にブランケット13の洗浄の要否を判定するように構成されている。
【0024】
判定手段3は、最後にブランケット13の洗浄処理が行われた時点から前記実行に移す印刷ジョブを取得するまでの間に取得した印刷ジョブに基づく印刷処理における印刷枚数の総数を示す印刷枚数情報を取得し、該印刷枚数情報が洗浄処理を行わずに印刷を続行可能な枚葉紙の枚数として設定された印刷枚数基準情報未満であるか否かを判断する印刷枚数判断手段30と、前記実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理における複数のツボキー毎の画像面積率に基づいて導出した画像面積率情報を取得し、該画像面積率情報が前記洗浄処理を行わずに印刷を続行可能な画像面積率の大きさとして設定した画像面積率基準情報未満であるか否かを判断する画像面積率判断手段31と、前記実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いた枚葉紙のサイズを示す第一のサイズ情報と、前記実行に移す印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いる枚葉紙のサイズを示す第二のサイズ情報とが同一であるか否かを判断するサイズ判断手段32と、印刷枚数判断手段30、画像面積率判断手段31、サイズ判断手段32による判断結果に応じてブランケット13の洗浄の要否を判断する洗浄要否判断手段33と、を有する。
【0025】
なお、画像面積率判断手段31は、画像面積率指定情報を取得して画像面積率情報とするように構成されていればよい。
【0026】
また、サイズ判断手段32は、例えば、印刷ジョブ取得手段2で取得している印刷ジョブのサイズ指定情報を取得して第二のサイズ情報とし、かかる印刷ジョブの直前に取得手段で取得されていた印刷ジョブのサイズ指定情報を取得して第一のサイズ情報とするように構成されていればよい。
【0027】
印刷枚数情報は、印刷実行手段5に基づく印刷処理の実行中に印刷した枚葉紙の数を計上した数を示す情報であり、洗浄処理が実行された際に値がリセットされる(0に戻される)情報である。印刷枚数基準情報は、ブランケット13に堆積しているインキを除去するための枚葉紙の数が所定値以下になる場合の印刷枚数に基づいて設定されている。該所定値は、洗浄装置15による洗浄処理を実行した場合にかかるコストとの対比によってコストメリットが期待できるか否かに基づいて決めている。また、該印刷枚数は、印刷機を用いた実験によって決めている。
【0028】
なお、ブランケット13に堆積しているインキを除去するための枚葉紙の数とは、ブランケット13に新たなインキを供給していない状態での印刷を行うことによってブランケット13に堆積しているインキを除去する際に、インキを除去し始めてからブランケット13に堆積しているインキが印刷されない状態(枚葉紙に転写されない状態)になるまでに要する枚葉紙の数を意味する。
【0029】
また、印刷枚数判断手段30は、印刷枚数情報と印刷枚数基準情報とを比較し、印刷枚数情報が示す印刷枚数が印刷枚数基準情報が示す印刷枚数未満である場合は、ブランケット13に堆積しているインキを除去するための枚葉紙の数が上記した所定値以下になる状態であると判断し、印刷枚数情報が示す印刷枚数が印刷枚数基準情報が示す印刷枚数以上である場合は、ブランケット13に堆積しているインキを除去するための枚葉紙の数が上記した所定値を超える状態であると判断する。
【0030】
画像面積率基準情報は、ブランケット13に堆積しているインキを除去するための枚葉紙の数が上記した所定値以下になる画像面積率に基づいて設定されている。この画像面積率基準情報は、印刷機を用いた実験によって決めている。尚、印刷枚数基準情報と画像面積率基準情報とは相関関係を有しているので、両情報は、互いの関連性も加味してその値を決めている。
【0031】
また、画像面積率判断手段31は、画像面積率情報と画像面積率基準情報とを比較し、画像面積率情報が示す画像面積率が画像面積率基準情報が示す画像面積率よりも小さい場合は、ブランケット13に堆積しているインキを除去するための枚葉紙の数が上記した所定値以下になる状態であると判断し、画像面積率情報が示す画像面積率が画像面積率基準情報が示す画像面積率よりも大きい場合は、ブランケット13に堆積しているインキを除去するための枚葉紙の数が所定値を超える状態であると判断する。
【0032】
サイズ判断手段32は、第一のサイズ情報と第二のサイズ情報とを比較し、第一のサイズ情報が示すサイズと第二のサイズ情報が示すサイズとが同一又は略同一の場合は、実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷で用いた枚葉紙がブランケット13を覆う範囲と、実行に移す印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いる枚葉紙がブランケット13を覆う範囲とが同一又は略同一であると判断すると共に、実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷で用いた枚葉紙の端のブランケット13上の位置と、実行に移す印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いる枚葉紙の端のブランケット13上の位置とが同一又は略同一であると判断する。
【0033】
一方、第一のサイズ情報が示すサイズと第二のサイズ情報が示すサイズとが異なっている場合は、実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷で用いた枚葉紙がブランケット13を覆う範囲と、実行に移す印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いる枚葉紙がブランケット13を覆う範囲とが異なると判断すると共に、実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷で用いた枚葉紙の端のブランケット13上の位置と、実行に移す印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いる枚葉紙の端のブランケット13上の位置とが異なると判断する。
【0034】
これにより、サイズ判断手段32は、ブランケット13に堆積しているインキを除去することができる紙サイズ関係であるか、及び、ブランケット13に付着している紙粉が印刷不良を起こす可能性のない紙サイズ関係であるかを判断できるようになっている。
【0035】
洗浄要否判断手段33は、印刷枚数判断手段30が、印刷枚数情報が示す印刷枚数が印刷枚数基準情報が示す印刷枚数以上であると判断したとき、又は、画像面積率判断手段31が、画像面積率情報が示す画像面積率が画像面積率基準情報が示す画像面積率以上であると判断したとき、又は、サイズ判断手段32が、第一のサイズ情報が示すサイズと第二のサイズ情報が示すサイズが同一又は略同一でないと判断したときに、ブランケット13への洗浄処理が必要であると判断する。一方、洗浄要否判断手段33は、印刷枚数判断手段30が、印刷枚数情報が示す印刷枚数が印刷枚数基準情報が示す印刷枚数未満であると判断し、且つ、画像面積率判断手段31が、画像面積率情報が示す画像面積率が画像面積率基準情報が示す画像面積率未満であると判断し、且つ、サイズ判断手段32が、第一のサイズ情報が示すサイズと第二のサイズ情報が示すサイズが同一又は略同一と判断したときに、ブランケット13への洗浄処理は不要であると判断する。
【0036】
以下にその理由を説明する。上記した印刷枚数情報が印刷枚数基準情報未満であり、且つ、画像面積率情報が画像面積率基準情報未満であることは、ブランケット13へ堆積しているインキが少ない状態であることを示す。
【0037】
この状態でブランケット13の洗浄処理を行わないで印刷処理を実行した場合、ブランケット13に堆積しているインキが枚葉紙によって除去されて印刷品質(色調)に影響を与えないようになるまでに必要な該枚葉紙の枚数は少ないことになる。
【0038】
従って、この枚葉紙にかかるコストは、ブランケット13の洗浄処理を行った場合に必要となる洗浄液やブランケット13に残存する洗浄液を拭き取る資材等にかかるコストよりも小さくなる。すなわち、印刷ジョブに基づく印刷処理の実行前にブランケット13の洗浄処理を行わない方がコストの低減が可能となることから、この状態は、洗浄処理を行わずに印刷を続行可能な状態と判断できる。
【0039】
ただし、第一のサイズ情報に対して第二のサイズ情報が小さい場合は、ブランケット13に堆積しているインキを、実行に移す印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いる枚葉紙では除去することができない領域がブランケット13上に存在する可能性を否定できない。さらに、第一のサイズ情報に対して第二のサイズ情報が大きい場合は、実行に移す印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷の画像内に、ブランケット13に付着している紙粉に起因するインキの転移不良が発生する箇所が存在する可能性を否定できない。
【0040】
詳細に説明すると、紙粉は、ブランケット13上における枚葉紙の紙端の位置に多く付着することから、ブランケット13上において、実行に移す印刷ジョブの直前に取得されていた印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いた枚葉紙の紙端の位置に、実行に移す印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷に用いる枚葉紙が覆い重なると、実行に移す印刷ジョブに基づく印刷処理での印刷画像内に付着している紙粉に起因するインキの転写不良が発生する可能性があることになる。
【0041】
このようなブランケット13に付着している紙粉による不具合を発生させないためには、洗浄装置15によるブランケット13の洗浄処理によってブランケット13に付着している紙粉を除去してから印刷処理を行う必要がある。従って、印刷ジョブに基づく印刷処理の実行前にブランケット13の洗浄処理を必要とする状態でないと判断するには、第一のサイズ情報と第二のサイズ情報とが同一となる条件を満足する必要がなる。
【0042】
ただし、通常は、印刷された枚葉紙は、その紙端部が切り落とされて製品となるため、第一のサイズ情報と第二のサイズ情報との間にわずかな差異(わずかな紙サイズの違い)があっても、実質上問題はない。
【0043】
このように、洗浄要否判断手段33は、印刷枚数、画像面積率、枚葉紙のサイズに基づいてブランケット13に堆積しているインキ及び付着している紙粉の状態を把握し、洗浄装置15によるブランケット13の洗浄処理を行わなかった場合のコストメリットが期待できない、あるいは、洗浄装置15によるブランケット13の洗浄処理を行わなかったことによって印刷不良が懸念されると判断される場合に、ブランケット13の洗浄処理が必要であると判断するように構成されている。
【0044】
洗浄手段4は、洗浄要否判断手段33が洗浄処理が必要であることを判断した場合に洗浄装置15を作動させてブランケット13の洗浄処理を実行するように構成されている。洗浄手段4は、例えば、洗浄要否判断手段33による判断結果を受信するように構成されており、受信した判断結果がブランケット13の洗浄処理が必要であることを示すものであれば、洗浄処理を実行し、受信した判断結果がブランケット13の洗浄処理が不要であることを示すものであれば、洗浄処理を実行せずに処理を終了するように構成されていればよい。
【0045】
印刷実行手段5は、洗浄手段4の後に実行されるように構成されている。印刷実行手段5は、印刷処理において印刷機1の設定を変更し、処理を開始した後に指定枚数情報に設定されている枚数の枚葉紙を印刷し終えたり、強制的に処理が終了されたりするまでの間は印刷処理の実行状態が続くようになっている。そのため、印刷枚数情報には、印刷処理が実行状態である間に行われた試刷りや本刷り等で印刷された枚葉紙の数が計上される。
【0046】
本実施形態の印刷機1の構成は以上の通りである。続いて、判定手段3で洗浄装置15の作動要否を判定する方法(洗浄要否判定方法)を含む印刷機1の動作説明を行う。なお、本実施形態では、印刷ジョブを実行し終えた後、印刷ジョブ取得手段2が予約状態の印刷ジョブを新たに取得する時点からの印刷機1の動作を説明する。
【0047】
図3に示すように、印刷ジョブ取得手段2が予約状態の印刷ジョブが取得すると(S1)、続いて判定手段3によるブランケット13への洗浄処理の要否判定(洗浄要否判定方法)に移る(S2)。
【0048】
判定手段3がブランケット13への洗浄処理が必要であると判断した場合は(S3でYes)、洗浄手段4が洗浄装置15を作動させることでブランケット13の洗浄処理が行われ(S4)、続いて、印刷実行手段5が印刷ジョブ取得手段2で取得した印刷ジョブに基づく印刷処理を実行し、かかる印刷処理の実行中に試刷り、本刷り(S5、S6)を順次行う。
【0049】
判定手段3がブランケット13への洗浄処理が必要でないと判断した場合は(S3でNo)、ブランケット13の洗浄処理を行わずに印刷実行手段5が印刷ジョブ取得手段2で取得した印刷ジョブに基づく印刷処理を実行し、かかる印刷処理の実行中に試刷り、本刷り(S5、S6)を順次行う。
【0050】
そして、未実行の予約状態の印刷ジョブをさらに取得する場合は(S7でYes)、再度印刷ジョブ取得手段2が予約状態の印刷ジョブが取得する(S1)。
【0051】
洗浄要否判定方法では、図4に示すように、印刷枚数判断手段30による印刷枚数情報が印刷枚数基準情報未満であるか否かを判断する処理(S20)と、画像面積率判断手段31による画像面積率情報が画像面積率基準情報未満であるか否かを判断する処理(S21)と、サイズ判断手段32による第一のサイズ情報と第二のサイズ情報とが同一であるか否かを判断する処理(S22)と、が行われ、印刷枚数判断手段30により印刷枚数情報が印刷枚数基準情報を超えていると判断されるか(S20でNo)、画像面積率判断手段31により画像面積率情報が画像面積率基準情報を超えていると判断されるか(S21でNo)、サイズ判断手段32により第一のサイズ情報と第二のサイズ情報とがことなっていると判断された場合(S22でNo)、判定手段3は、ブランケット13の洗浄処理が必要であると判定する(S23)。
【0052】
一方、印刷枚数判断手段30により印刷枚数情報が印刷枚数基準情報未満であると判断され(S20でYes)、画像面積率判断手段31により画像面積率情報が画像面積率基準情報未満であると判断され(S21でYes)、サイズ判断手段32により第一のサイズ情報と第二のサイズ情報とが同一であると判断された場合(S22でYes)、判定手段3は、ブランケット13の洗浄処理が不要であると判定する(S24)。
【0053】
以上のように、印刷機1では、印刷処理を行うことによりブランケット13にインキや紙粉が堆積(付着)するため、印刷ジョブの切り替え時にブランケット13の洗浄処理の必要性が判断される。
【0054】
本実施形態の判定手段3は、印刷枚数情報が印刷枚数基準情報を超えたこと、又は印刷枚数情報が印刷枚数基準情報を超えたことをもってブランケット13へのインキの堆積量がコストの観点から洗浄処理を要する量に到達している状態であると判断し、また、第一のサイズ情報と第二のサイズ情報とが異なることをもってブランケット13に堆積しているインキの除去、あるいはブランケット13に付着している紙粉によって発生する印刷不良の回避のためには洗浄処理が必要な状態であると判断するようになっている。
【0055】
一方、印刷枚数情報が印刷枚数基準情報未満であり、印刷枚数情報が印刷枚数基準情報未満であり、第一のサイズ情報と第二のサイズ情報とが同一である場合は、ブランケット13へのインキの堆積量がコストの観点から洗浄処理を要する量に達していない状態であり、また、ブランケット13に堆積しているインキの除去、あるいはブランケット13に付着している紙粉によって発生する印刷不良の回避のために洗浄処理を行う必要がない状態であると判断するようになっているため、ブランケット13に対する洗浄処理の要否を判定できるようになっている。
【0056】
従って、本発明の判定手段3によれば、ブランケット13に対する洗浄処理の要否を好適に判定できるという優れた効果を奏し得る。
【0057】
また、本実施形態の印刷機1では、ブランケット13に対する洗浄処理の要否を判定した上で、洗浄装置15を作動させるように構成されているため、ブランケット13に対する洗浄処理が不要な間は洗浄処理を実行せずに印刷等の他の処理を続行することによって、ブランケット13の洗浄にかかるコストを抑えつつ、作業効率を向上することができるようになっている。
【0058】
なお、本発明の印刷機1用のブランケット13の洗浄要否判定モジュール、及び洗浄要否判定方法は、上記一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を行うことは勿論である。
【0059】
上記実施形態において特に言及しなかったが、洗浄要否判定モジュールは、例えば、印刷機1や、印刷機1に接続する外部機器に組み込まれた洗浄要否判定プログラムにより実行されるようになっていてもよい。
【0060】
上記実施形態の洗浄要否判定モジュールは、印刷機1に一体的に組み込まれていたが、この構成に限定されない。例えば、洗浄要否判定モジュールは、印刷機1に有線又は無線により接続される外部端末に組み込まれていてもよい。この場合、印刷機1と、洗浄要否判定モジュールが組み込まれた外部端末とを備える印刷システムが構築される。
【0061】
上記実施形態において特に言及しなかったが、画像面積率判断手段31が画像面積率基準情報と比較する画像面積率情報は、複数のツボキーのそれぞれから取得した複数の画像面積率情報のうちの最大値であってもよいし、複数のツボキーのそれぞれから取得した複数の画像面積率情報の平均値等であってもよい。また、画像面積率判断手段31による画像面積率情報と画像面積率基準情報との比較は、ユニット毎に個別に実行されてもよいし、全てのユニットに対して一括して実行されてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…印刷機、2…印刷ジョブ取得手段、3…判定手段、4…洗浄手段、5…印刷実行手段、10…インキツボ、11…インキローラー、12…版胴、13…ブランケット、14…圧胴、15…洗浄装置、30…印刷枚数判断手段、31…画像面積率判断手段、32…サイズ判断手段、33…要否判断手段
図1
図2
図3
図4