(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】炭酸化監視システム
(51)【国際特許分類】
B09B 3/70 20220101AFI20240222BHJP
G01N 7/04 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
B09B3/70
G01N7/04 Z
(21)【出願番号】P 2020053422
(22)【出願日】2020-03-24
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼地 春菜
(72)【発明者】
【氏名】久保田 洋
(72)【発明者】
【氏名】繁泉 恒河
【審査官】上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-008195(JP,A)
【文献】特開2002-224640(JP,A)
【文献】特表2016-517365(JP,A)
【文献】特許第3025495(JP,B1)
【文献】特開2003-033748(JP,A)
【文献】特開2019-177322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 1/00-5/00
B09C 1/00-1/10
G01N 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ性固体反応物と二酸化炭素を含有するガスとを炭酸化反応させる処理装置と、
炭酸化反応後のガスの二酸化炭素濃度を測定する測定装置と、
供給源から前記処理装置に供給するガスの供給量を調整可能な第1電磁バルブと、
前記処理装置の内部の炭酸化反応後のガスを引き込んで再び前記処理装置に供給する第2吸引ポンプと、
前記測定装置から取得した情報に基づいて、前記供給源からのガスの供給量を変化させるように前記第1電磁バルブを制御するとともに、前記処理装置の内部のガスを循環させるように前記第2吸引ポンプを制御する制御装置と、
を含む、炭酸化監視システム。
【請求項2】
前記測定装置は、前記処理装置の内部に設けられ、かつ底面に開口を有する筐体の内部に二酸化炭素濃度を検出する検出部が設けられる、
請求項
1に記載の炭酸化監視システム。
【請求項3】
前記測定装置は、前記筐体の内部を加熱する発熱体を有する、
請求項
2に記載の炭酸化監視システム。
【請求項4】
アルカリ性固体反応物と二酸化炭素を含有するガスとを炭酸化反応させる処理装置と、
炭酸化反応後のガスの二酸化炭素濃度を測定する測定装置と、
供給源から前記処理装置に供給するガスの供給量を調整可能な第1電磁バルブと、
前記処理装置の内部の炭酸化反応後のガスを前記測定装置に送る第1吸引ポンプと、
前記第1吸引ポンプから前記測定装置に送られるガスのうち、再び前記処理装置に供給するガスの供給量を調整可能な第2電磁バルブと、
前記測定装置から取得した情報に基づいて、前記供給源からのガスの供給量を変化させるように前記第1電磁バルブを制御するとともに、前記処理装置の内部のガスを循環させるように前記第2電磁バルブを制御する制御装置と、
を含む、炭酸化監視システム。
【請求項5】
アルカリ性固体反応物と二酸化炭素を含有するガスとを炭酸化反応させる処理装置と、
炭酸化反応後のガスの二酸化炭素濃度を測定する測定装置と、
供給源から前記処理装置に供給するガスの供給量を調整可能な第1電磁バルブと、
前記処理装置の内部の炭酸化反応後のガスを前記測定装置に送る第1吸引ポンプと、
前記処理装置のアルカリ性固体反応物の表面を覆うシートと、
前記第1吸引ポンプと前記シートとを連結する吸気ホースと、
前記測定装置から取得した情報に基づいて、前記供給源からのガスの供給量を変化させるように前記第1電磁バルブを制御する制御装置と、
を含む、炭酸化監視システム。
【請求項6】
アルカリ性固体反応物と二酸化炭素を含有するガスとを炭酸化反応させる処理装置と、
炭酸化反応後のガスの二酸化炭素濃度を測定する測定装置と、
供給源から前記処理装置に供給するガスの供給量を調整可能な第1電磁バルブと、
前記処理装置の内部の炭酸化反応後のガスを前記測定装置に送る第1吸引ポンプと、
一端が前記処理装置のアルカリ性固体反応物の直上に配置され、他端が前記第1吸引ポンプに連通する吸気ホースと、
前記測定装置から取得した情報に基づいて、前記供給源からのガスの供給量を変化させるように前記第1電磁バルブを制御する制御装置と、
を含む、炭酸化監視システム。
【請求項7】
前記処理装置は、上部に設けられた梁上のフレームをさらに含み、
前記吸気ホースは、前記フレームに取り付けられる、
請求項
6に記載の炭酸化監視システム。
【請求項8】
アルカリ性固体反応物と二酸化炭素を含有するガスとを炭酸化反応させる処理装置と、
炭酸化反応後のガスの二酸化炭素濃度を測定する測定装置と、
供給源から前記処理装置に供給するガスの供給量を調整可能な第1電磁バルブと、
前記処理装置の内部の炭酸化反応後のガスを前記測定装置に送る第1吸引ポンプと、
前記処理装置の下部を複数の区画に仕切る仕切り板と、
供給源からそれぞれの前記区画に供給するガスの供給量を調整可能な第3電磁バルブと、
前記処理装置から前記第1吸引ポンプに吸引されるガスのうち、いずれの前記区画から吸引するか調整可能な第4電磁バルブと、
前記測定装置から取得した情報に基づいて、前記供給源からのガスの供給量を変化させるように前記第1電磁バルブを制御するとともに、前記供給源から前記区画へのガスの供給量を変化させるように前記第3電磁バルブを制御する制御装置と、
を含む、炭酸化監視システム。
【請求項9】
前記第1吸引ポンプから前記測定装置に送られるガスを除湿する除湿装置をさらに含み、
前記第1吸引ポンプは、前記処理装置の内部に設けられる、
請求項
4から
8のいずれか1項に記載の炭酸化監視システム。
【請求項10】
前記測定装置及び前記第1吸引ポンプは、前記処理装置の外部に設けられる、
請求項
4から
8のいずれか1項に記載の炭酸化監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、炭酸化監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
産業廃棄物等の廃棄物を焼却した際に発生する焼却灰等のアルカリ性固体反応物を、二酸化炭素(CO2)を含有するガスを用いた通気処理によって炭酸化する技術が知られている。従来の通気処理による炭酸化反応では、開始前に設定したガスの供給量及び供給時間で運転されるため、処理するアルカリ性固体反応物の性状によって必要以上にガスを供給してしまい、無駄になることがあった。炭酸化反応に用いるガスとして、液化炭酸ガスを購入する必要があるため、コスト低減のためにガスの無駄遣いを抑制することが求められている。特許文献1では、炭酸化反応が発熱反応することを利用して、計測した焼却灰の温度に基づいてガス供給状態を調整するバルブを設置した容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、処理中の焼却灰が発熱反応による温度変化に加えて外気温の影響も受けるため、温度に基づくガス供給状態の調整の精度向上に限界がある。
【0005】
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、炭酸化反応に用いるガスの総供給量を適切化することができる炭酸化監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本開示の一態様の炭酸化監視システムは、アルカリ性固体反応物と二酸化炭素を含有するガスとを炭酸化反応させる処理装置と、炭酸化反応後のガスの二酸化炭素濃度を測定する測定装置と、供給源から前記処理装置に供給するガスの供給量を調整可能な第1電磁バルブと、前記測定装置から取得した情報に基づいて、前記供給源からのガスの供給量を変化させるように前記第1電磁バルブを制御する制御装置と、を含む。
【0007】
炭酸化監視システムの望ましい態様として、前記処理装置の内部の炭酸化反応後のガスを引き込んで再び前記処理装置に供給する第2吸引ポンプをさらに含み、前記制御装置は、前記測定装置から取得した情報に基づいて、前記処理装置の内部のガスを循環させるように前記第2吸引ポンプを制御する。
【0008】
炭酸化監視システムの望ましい態様として、前記測定装置は、前記処理装置の内部に設けられ、かつ底面に開口を有する筐体の内部に二酸化炭素濃度を検出する検出部が設けられる。
【0009】
炭酸化監視システムの望ましい態様として、前記測定装置は、前記筐体の内部を加熱する発熱体を有する。
【0010】
炭酸化監視システムの望ましい態様として、前記処理装置の内部の炭酸化反応後のガスを前記測定装置に送る第1吸引ポンプをさらに含み、前記測定装置は、気密性を有する筐体の内部に二酸化炭素濃度を検出する検出部が設けられる。
【0011】
炭酸化監視システムの望ましい態様として、前記第1吸引ポンプから前記測定装置に送られるガスを除湿する除湿装置をさらに含み、前記第1吸引ポンプは、前記処理装置の内部に設けられる。
【0012】
炭酸化監視システムの望ましい態様として、前記測定装置及び前記第1吸引ポンプは、前記処理装置の外部に設けられる。
【0013】
炭酸化監視システムの望ましい態様として、前記第1吸引ポンプは、前記処理装置のアルカリ性固体反応物の上方から炭酸化反応後のガスを吸引する。
【0014】
炭酸化監視システムの望ましい態様として、前記第1吸引ポンプから前記測定装置に送られるガスのうち、再び前記処理装置に供給するガスの供給量を調整可能な第2電磁バルブをさらに含み、前記制御装置は、前記測定装置から取得した情報に基づいて、前記処理装置の内部のガスを循環させるように前記第2電磁バルブを制御する。
【0015】
炭酸化監視システムの望ましい態様として、前記処理装置のアルカリ性固体反応物の表面を覆うシートと、前記第1吸引ポンプと前記シートとを連結する吸気ホースと、をさらに含む。
【0016】
炭酸化監視システムの望ましい態様として、一端が前記処理装置のアルカリ性固体反応物の直上に配置され、他端が前記第1吸引ポンプに連通する吸気ホースをさらに含む。
【0017】
炭酸化監視システムの望ましい態様として、前記処理装置は、上部に設けられた梁上のフレームをさらに含み、前記吸気ホースは、前記フレームに取り付けられる。
【0018】
炭酸化監視システムの望ましい態様として、複数の前記吸気ホースを含む。
【0019】
炭酸化監視システムの望ましい態様として、前記処理装置の下部を複数の区画に仕切る仕切り板と、供給源からそれぞれの前記区画に供給するガスの供給量を調整可能な第3電磁バルブと、前記処理装置から前記第1吸引ポンプに吸引されるガスのうち、いずれの前記区画から吸引するか調整可能な第4電磁バルブと、をさらに含み、前記制御装置は、前記測定装置から取得した情報に基づいて、前記供給源から前記区画へのガスの供給量を変化させるように前記第3電磁バルブを制御する。
【0020】
炭酸化監視システムの望ましい態様として、前記制御装置は、前記測定装置で測定する際のみ、前記第1吸引ポンプを駆動させる。
【0021】
本開示によれば、炭酸化反応に用いるガスの総供給量を適切化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る炭酸化監視システムを示す模式図である。
【
図2】
図2は、第2実施形態に係る炭酸化監視システムを示す模式図である。
【
図3】
図3は、第3実施形態に係る炭酸化監視システムを示す模式図である。
【
図4】
図4は、第4実施形態に係る炭酸化監視システムを示す模式図である。
【
図5】
図5は、第5実施形態に係る炭酸化監視システムを示す模式図である。
【
図6】
図6は、第6実施形態に係る炭酸化監視システムを示す模式図である。
【
図7】
図7は、第1変形例に係る炭酸化監視システムを示す模式図である。
【
図8】
図8は、第2変形例に係る炭酸化監視システムを示す模式図である。
【
図9】
図9は、第3変形例に係る炭酸化監視システムを示す模式図である。
【
図10】
図10は、第4変形例に係る炭酸化監視システムを示す模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本開示に係る炭酸化監視システムについて実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本開示は、以下の実施形態の記載に限定されるものではない。また、以下の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した実施形態における構成要素は、本開示の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。以下の実施形態では、本開示に係る炭酸化監視システムの実施形態を例示する上で、必要となる構成要素を説明し、その他の構成要素を省略する。
【0024】
以下に示す各実施形態において、炭酸化監視システム1、2、3、4、5、6、7、8、9、101は、二酸化炭素を含有するガスGを、アルカリ性固体反応物を含む被処理物100に通気させることによって、被処理物100を炭酸化するシステムである。アルカリ性固体反応物は、セメント固化物、焼却残渣等を含む。また、アルカリ性固体反応物は、石灰が混合された土(石灰改良土ともいう。)であってもよい。焼却残渣は、廃棄物の焼却過程で発生する残渣である。焼却残渣は、焼却炉の底等から回収される焼却灰及び燃え殻等の焼却主灰と、焼却廃ガス中に浮遊する集塵灰及びばいじん等の飛灰と、を含む。焼却残渣は、カルシウム(Ca)及び鉛(Pb)等の重金属を含む。焼却残渣は、塩素(Cl)等の塩類及び有機物を含む。焼却残渣は、重金属等の有害物質が含まれるため、再利用又は最終処分する前に安定化を行う必要がある。炭酸化監視システム1、2、3、4、5、6、7、8、9、101は、アルカリ性固体反応物を含む被処理物100を、炭酸化反応によって安定化処理する。
【0025】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態の炭酸化監視システム1について説明する。
図1は、第1実施形態に係る炭酸化監視システム1を示す模式図である。炭酸化監視システム1は、処理装置10と、供給装置50と、測定装置60と、電磁バルブV1と、制御装置90と、を備える。
【0026】
処理装置10は、供給ラインL1を介して供給装置50と連結される。供給ラインL1には、供給装置50から処理装置10へのガスGの供給量を調整する電磁バルブV1が設けられる。処理装置10は、電磁バルブV1が開いている場合、供給装置50から供給されたガスGを、供給ラインL1から受け取る。処理装置10の容器本体11は、側壁部及び底部を有し、かつ上方が開口する箱形状である。容器本体11の壁部は、例えば、鉄板、鋼鉄又はステンレス等の金属製である。容器本体11は、被処理物100の炭酸化処理を行っている間、蓋体40が被せられていている。なお、処理装置10では、被処理物100の炭酸化処理を行っている間、容器本体11に蓋体40が被せられる代わりに、
図7に示すようなシート42等が被処理物100の表面を覆うように被せられていてもよい。処理装置10は、第1室12と、第2室14と、隔壁16と、給気口20と、を含む。
【0027】
第1室12は、給気口20を介して供給ラインL1からガスGを受け取る。第1室12は、ガスGで満たされる。第1室12は、隔壁16を隔てて第2室14の下方に設けられる。第2室14は、被処理物100を貯留する。第2室14は、隔壁16を隔てて第1室12の上方に設けられる。第1室12と第2室14とは通気可能である。第2室14は、下部において隔壁16を介して第1室12からガスGが送られる。
【0028】
隔壁16は、第1室12と第2室14とを隔てる板材である。隔壁16は、容器本体11の底部から間隔を隔てて設けられる。被処理物100は、隔壁16の上に載せられる。隔壁16は、少なくとも通気性を有する。隔壁16は、第1実施形態において、複数の孔18を含む。ガスGは、複数の孔18を通って第1室12と第2室14とを移動可能である。複数の孔18は、例えば、容器本体11の側壁部に沿って所定間隔で配置される。隔壁16は、例えば、金属板に複数の孔18を抜き打ち加工することによって形成される。孔18の数及び位置は、隔壁16が通気性を有していれば、特に限定されない。隔壁16は、例えば、メッシュ構造であってもよい。隔壁16は、1枚の板材であってもよいし、複数積層される板材であってもよい。
【0029】
処理装置10は、第1室12から第2室14にガスGを通気させる。すなわち、処理装置10は、第2室14に貯留されるアルカリ性固体反応物を含む被処理物100に二酸化炭素を含むガスGを通気させることによって、被処理物100とガスGとを炭酸化反応させる。例えば、アルカリ性固体反応物が焼却灰である場合、焼却灰は、炭酸化することによって、含有するカルシウム及び鉛等の重金属が難溶化する。炭酸化反応後のガスGは、二酸化炭素の含有量が減少する。すなわち、被処理物100を通過したガスGの二酸化炭素濃度は、処理開始直後ではほぼ0%であり、処理が進むにつれて増加して、処理終了時には供給されるガスGとほぼ同濃度となる。
【0030】
供給装置50は、ガスGの供給源を含む。供給装置50は、供給ラインL1を介して処理装置10にガスGを供給する。供給装置50は、第1実施形態において、供給するガスGとしての液化炭酸ガスが貯留されるボンベである。供給装置50から供給されるガスGは、ボンベ等の形態で購入可能な二酸化炭素濃度が99.99%以上の高純度の液化炭酸ガスが想定される。
【0031】
測定装置60は、処理装置10の第2室14で炭酸化反応した後のガスGの二酸化炭素濃度を測定する。測定装置60は、第1実施形態において、第2室14の内部に設けられる。測定装置60は、プローブ等の検出部62と、筐体64と、を含む。検出部62は、二酸化炭素濃度を検出する。筐体64は、検出部62を収容する。筐体64は、底面に開口を有する。筐体64は、第1実施形態において、検出部62の側方及び上方を覆う傘形状である。筐体64は、第2室14内に対する内部の温度差が小さいことが好ましいため、筐体64の内部を加熱する発熱体を有していてもよい。
【0032】
電磁バルブV1は、供給装置50と処理装置10とを連結する供給ラインL1に設けられる。電磁バルブV1は、制御装置90からバルブ制御信号Sv1を受信する。電磁バルブV1は、制御装置90から受信したバルブ制御信号Sv1に基づいて、供給装置50から処理装置10へのガスGの供給量を調整する。電磁バルブV1は、例えば、ガスGの供給を開始させることを示すバルブ制御信号Sv1を制御装置90から受信した場合、弁を開いて処理装置10へガスGを供給させるように調整する。電磁バルブV1は、例えば、ガスGの供給量を減少させることを示すバルブ制御信号Sv1を制御装置90から受信した場合、弁を絞って処理装置10に供給するガスGの量を減少させるように調整する。電磁バルブV1は、例えば、ガスGの供給を停止させることを示すバルブ制御信号Sv1を制御装置90から受信した場合、弁を閉じて処理装置10へのガスGの供給を停止させるように調整する。
【0033】
制御装置90は、炭酸化監視システム1による処理の制御を行う。制御装置90は、測定装置60の検出部62が検出した二酸化炭素濃度情報である濃度値情報信号Vgを取得する。制御装置90は、例えば、所定周期で濃度値情報信号Vgを取得する。制御装置90は、取得した濃度値情報信号Vgに基づいて、電磁バルブV1を制御するバルブ制御信号Sv1を出力する。
【0034】
すなわち、制御装置90は、測定装置60が測定したガスGの二酸化炭素濃度に応じて、処理装置10の第1室12に供給するガスGの供給量を調整させるように電磁バルブV1を制御する。より詳しくは、制御装置90は、測定装置60から取得した情報に基づいて、供給装置50から処理装置10へのガスGの供給量を変化させるように電磁バルブV1を制御する。制御装置90は、例えば、測定したガスGの二酸化炭素濃度に対応する好適な供給するガスGの量を予め記憶していてもよい。この場合、制御装置90は、ガスGの供給量を好適な供給量にするように電磁バルブV1を制御する。
【0035】
以上説明したように、第1実施形態の炭酸化監視システム1は、処理装置10と、測定装置60と、電磁バルブV1(第1電磁バルブ)と、制御装置90と、を含む。処理装置10は、被処理物100(アルカリ性固体反応物)と二酸化炭素を含有するガスGとを炭酸化反応させる。測定装置60は、炭酸化反応後のガスGの二酸化炭素濃度を測定する。
電磁バルブV1は、供給装置50(供給源)から処理装置10に供給するガスGの供給量を調整可能である。制御装置90は、測定装置60から取得した情報に基づいて、供給装置50からのガスGの供給量を変化させるように電磁バルブV1を制御する。
【0036】
処理開始直後に測定される二酸化炭素濃度は、ガスGに含有される二酸化炭素のほぼ全てが被処理物100との炭酸化反応に使用されるため、ほぼ0%となる。これに対し、被処理物100の炭酸化が進むと、炭酸化反応が緩やかになって使用される二酸化炭素量が減るため、測定される二酸化炭素濃度は増加する。二酸化炭素濃度の増加は、ガスGの供給量が過多であることを示す。第1実施形態の炭酸化監視システム1は、ガスGの二酸化炭素濃度の測定値に基づいてガスGの供給量を調整することにより、ガスGの浪費を抑制することができる。したがって、炭酸化反応に用いるガスGの総供給量を適切化することができる。炭酸化監視システム1は、炭酸化反応に用いるガスGの二酸化炭素自体の濃度に基づいて供給量を調整するので、外気温等の環境の影響を抑制できる。ガスGの総供給量を適切化することによって、コスト低減に寄与できる。
【0037】
炭酸化監視システム1において、測定装置60は、処理装置10の内部に設けられ、かつ底面に開口を有する筐体64の内部に二酸化炭素濃度を検出する検出部62が設けられる。炭酸化反応は発熱反応であるため、結露により生じた水滴が、容器本体11の壁部及び容器本体11に蓋又はシート等が被せられている場合は上部から落ちてくる可能性がある。炭酸化監視システム1では、検出部62の上部を筐体64で覆うことにより、検出部62に水滴が付着することを抑制することができるので、検出部62の劣化を防ぐことができる。
【0038】
炭酸化監視システム1において、測定装置60は、筐体64の内部を加温又は加熱する発熱体を有する。結露は、温度差によって生じるため、容器本体11で急激な温度上昇がある場合でも、筐体64の内部を加熱することにより発生を抑制することができる。
【0039】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の炭酸化監視システム2について説明する。
図2は、第2実施形態に係る炭酸化監視システム2を示す模式図である。炭酸化監視システム2は、処理装置10と、供給装置50と、測定装置60Aと、吸引ポンプ70と、除湿装置80と、電磁バルブV1と、制御装置90Aと、を備える。なお、第2実施形態の炭酸化監視システム2において、第1実施形態の炭酸化監視システム1と同一の構成については同一の参照符号を付して適宜説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0040】
測定装置60Aは、第2実施形態において、第2室14の内部に設けられる。第2実施形態の測定装置60Aは、第1実施形態の測定装置60と比較して、検出部62の側方及び上方を覆う傘形状の筐体64の代わりに、検出部62の側方、上方及び下方を覆い、気密性を有する筐体68を含む点で相違する。筐体68は、送気ラインL2を介して吸引ポンプ70に連結する。測定装置60Aは、吸引ポンプ70が処理装置10の第2室14内から取り込んだ炭酸化反応した後のガスGの二酸化炭素濃度を測定する。
【0041】
吸引ポンプ70は、第2実施形態において、第2室14の内部に設けられる。吸引ポンプ70は、処理装置10の第2室14内から炭酸化反応後のガスGを引き込む。吸引ポンプ70は、取り込んだガスGを、送気ラインL2に送り出す。吸引ポンプ70は、制御装置90Aからポンプ駆動信号Sp1を受信する。吸引ポンプ70は、制御装置90Aから受信したポンプ駆動信号Sp1に基づいて、ガスGを吸引する。吸引ポンプ70は、処理装置10の運転中、常時駆動していてもよい。
【0042】
除湿装置80は、測定装置60Aと吸引ポンプ70とを連結する送気ラインL2に設けられる。除湿装置80は、吸引ポンプ70が取り込んだガスGを除湿する。除湿装置80は、例えば、ラジエータ等の熱交換器を含む。除湿装置80は、例えば、ガスGを冷却し、発生した水滴を除去することにより、ガスGを除湿する。除湿装置80で除湿されたガスGは、測定装置60Aに送られる。除湿装置80は、制御装置90Aから除湿駆動信号Sdを受信する。除湿装置80は、制御装置90Aから受信した除湿駆動信号Sdに基づいて、ガスGを除湿する。除湿装置80は、処理装置10の運転中、常時駆動していてもよい。
【0043】
制御装置90Aは、炭酸化監視システム2による処理の制御を行う。制御装置90Aは、測定装置60Aの検出部62が検出した二酸化炭素濃度情報である濃度値情報信号Vgを取得する。制御装置90Aは、例えば、所定周期で濃度値情報信号Vgを取得する。制御装置90Aは、吸引ポンプ70を制御するポンプ駆動信号Sp1と、除湿装置80を制御する除湿駆動信号Sdと、を出力する。制御装置90Aは、測定装置60Aで測定する際のみ、吸引ポンプ70及び除湿装置80を駆動させてもよい。この場合、制御装置90Aは、測定装置60AにガスGが取り込まれるタイミングで濃度値情報信号Vgを取得する。
【0044】
制御装置90Aは、取得した濃度値情報信号Vgに基づいて、電磁バルブV1を制御するバルブ制御信号Sv1を出力する。すなわち、制御装置90Aは、測定したガスGの二酸化炭素濃度に応じて、処理装置10の第1室12に供給するガスGの供給量を調整させるように電磁バルブV1を制御する。より詳しくは、制御装置90Aは、測定装置60Aから取得した情報に基づいて、供給装置50から処理装置10へのガスGの供給量を変化させるように電磁バルブV1を制御する。制御装置90Aは、例えば、測定したガスGの二酸化炭素濃度に対応する好適な供給するガスGの量を予め記憶していてもよい。この場合、制御装置90Aは、ガスGの供給量を好適な供給量にするように電磁バルブV1を制御する。
【0045】
以上説明したように、第2実施形態の炭酸化監視システム2は、処理装置10の内部の炭酸化反応後のガスGを測定装置60Aに送る吸引ポンプ70(第1吸引ポンプ)をさらに含む。測定装置60Aは、気密性を有する筐体68の内部に二酸化炭素濃度を検出する検出部62が設けられる。
【0046】
容器本体11の内部は、炭酸化反応による発熱により空気が流動しているとともに、上部開口から外気が流入する可能性がある。第2実施形態の炭酸化監視システム2は、炭酸化反応後のガスGを吸引ポンプ70で積極的に吸引することにより、二酸化炭素濃度を測定したい箇所からガスGを採取することができる。すなわち、炭酸化監視システム2は、ガスGの採取箇所を調整できるので、被処理物100との炭酸化反応後のガスGを積極的に採取することができる。
【0047】
炭酸化監視システム2は、吸引ポンプ70(第1吸引ポンプ)から測定装置60Aに送られるガスGを除湿する除湿装置80をさらに含む。吸引ポンプ70は、処理装置10の内部に設けられる。これにより、測定装置60Aに取り込むガスGの湿気を低減できるので、検出部62に水滴が付着して二酸化炭素濃度の測定値に誤差が生じることを抑制することができる。
【0048】
炭酸化監視システム2において、制御装置90Aは、測定装置60Aで測定する際のみ、吸引ポンプ70(第1吸引ポンプ)を駆動させる。すなわち、炭酸化反応後のガスGの二酸化炭素濃度の測定は、常時行われなくてもよく、例えば、所定の周期で行われてもよい。測定装置60Aに引き込んだガスGは、通常外気に放出される。また、処理装置10内に滞留する炭酸化反応後のガスGは、残存する二酸化炭素が表面側の被処理物100と炭酸化反応する。ガスGの吸引及び測定に停止時間を設けることにより、ガスGの浪費を抑制することができる。
【0049】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の炭酸化監視システム3について説明する。
図3は、第3実施形態に係る炭酸化監視システム3を示す模式図である。炭酸化監視システム3は、処理装置10Aと、供給装置50と、測定装置60Bと、吸引ポンプ70Aと、電磁バルブV1と、制御装置90Bと、を備える。なお、第3実施形態の炭酸化監視システム3において、第2実施形態の炭酸化監視システム2と同一の構成については同一の参照符号を付して適宜説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0050】
第3実施形態の処理装置10Aは、第2実施形態の処理装置10と比較して、さらに、吸気口22を含む点で相違する。吸気口22は、第2室14に設けられる。吸気口22は、第3実施形態において、被処理物100の上方の容器本体11の側壁に設けられる。第2室14は、第3実施形態において、吸気口22を介して吸気ラインL31に接続する。
【0051】
第3実施形態の測定装置60Bは、第2実施形態の測定装置60Aと比較して、第2室14の内部ではなく、処理装置10Aの外部に設けられる点で相違する。測定装置60Bの筐体68は、送気ラインL32を介して吸引ポンプ70Aに連結する。測定装置60Bは、吸引ポンプ70Aが処理装置10Aの第2室14内から取り込んだ炭酸化反応した後のガスGの二酸化炭素濃度を測定する。
【0052】
第3実施形態の吸引ポンプ70Aは、第2実施形態の吸引ポンプ70と比較して、第2室14の内部ではなく、処理装置10Aの外部に設けられる点で相違する。吸引ポンプ70Aは、処理装置10Aの第2室14から、吸気ラインL31を介して炭酸化反応後のガスGを引き込む。吸引ポンプ70Aは、取り込んだガスGを、送気ラインL32に送り出す。吸引ポンプ70Aは、制御装置90Bからポンプ駆動信号Sp1を受信する。吸引ポンプ70Aは、制御装置90Bから受信したポンプ駆動信号Sp1に基づいて、吸気ラインL31側から送気ラインL32側へ気体を移送するように駆動する。吸引ポンプ70Aは、処理装置10Aの運転中、常時駆動していてもよい。
【0053】
吸気ラインL31及び送気ラインL32の少なくともいずれかには、乾燥剤が設けられる。これにより、炭酸化反応後のガスGは、測定装置60Bに送られる前に除湿される。第3実施形態の炭酸化監視システム3では、乾燥剤を設ける代わりに、送気ラインL32に第2実施形態の除湿装置80を設けてもよい。
【0054】
制御装置90Bは、炭酸化監視システム3による処理の制御を行う。制御装置90Bは、測定装置60Bの検出部62が検出した二酸化炭素濃度情報である濃度値情報信号Vgを取得する。制御装置90Bは、例えば、所定周期で濃度値情報信号Vgを取得する。制御装置90Bは、吸引ポンプ70Aを制御するポンプ駆動信号Sp1を出力する。制御装置90Bは、測定装置60Bで測定する際のみ、吸引ポンプ70Aを駆動させてもよい。この場合、制御装置90Bは、測定装置60BにガスGが取り込まれるタイミングで濃度値情報信号Vgを取得する。
【0055】
制御装置90Bは、取得した濃度値情報信号Vgに基づいて、電磁バルブV1を制御するバルブ制御信号Sv1を出力する。すなわち、制御装置90Bは、測定したガスGの二酸化炭素濃度に応じて、処理装置10Aの第1室12に供給するガスGの供給量を調整させるように電磁バルブV1を制御する。より詳しくは、制御装置90Bは、測定装置60Bから取得した情報に基づいて、供給装置50から処理装置10AへのガスGの供給量を変化させるように電磁バルブV1を制御する。制御装置90Bは、例えば、測定したガスGの二酸化炭素濃度に対応する好適な供給するガスGの量を予め記憶していてもよい。この場合、制御装置90Bは、ガスGの供給量を好適な供給量にするように電磁バルブV1を制御する。
【0056】
以上説明したように、第3実施形態の炭酸化監視システム3において、測定装置60B及び吸引ポンプ70A(第1吸引ポンプ)は、処理装置10Aの外部に設けられる。
【0057】
処理装置10Aは、被処理物100を容器本体11の上部から搬入出することが想定される。第3実施形態の炭酸化監視システム3は、測定装置60B及び吸引ポンプ70Aを処理装置10Aの外部に設けることによって、被処理物100の搬入出の妨げになることを抑制することができる。また、吸引ポンプ70Aから測定装置60Bへの経路に、ガスGの湿気を低減させる除湿手段を設けることが容易である。
【0058】
炭酸化監視システム3において、吸引ポンプ70A(第1吸引ポンプ)は、処理装置10Aの被処理物100(アルカリ性固体反応物)の上方から炭酸化反応後のガスGを吸引する。炭酸化反応後のガスGは、容器本体11の上方に抜けていくため、被処理物100の上方の側壁近傍からガスGを積極的に吸引することにより、被処理物100との炭酸化反応後のガスGを積極的に採取することができる。
【0059】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態の炭酸化監視システム4について説明する。
図4は、第4実施形態に係る炭酸化監視システム4を示す模式図である。炭酸化監視システム4は、処理装置10Bと、供給装置50と、測定装置60Bと、吸引ポンプ70Aと、吸引ポンプ70Bと、電磁バルブV1と、制御装置90Cと、を備える。なお、第4実施形態の炭酸化監視システム4において、第3実施形態の炭酸化監視システム3と同一の構成については同一の参照符号を付して適宜説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0060】
第4実施形態の処理装置10Bは、第3実施形態の処理装置10Aと比較して、さらに、給気口24と、吸気口26と、を含む点で相違する。給気口24は、第1室12に設けられる。第1室12は、第4実施形態において、給気口24を介して送気ラインL42に接続する。吸気口26は、第2室14に設けられる。第2室14は、第4実施形態において、吸気口26を介して吸気ラインL41に接続する。
【0061】
吸引ポンプ70Bは、処理装置10Bの外部に設けられる。吸引ポンプ70Bは、処理装置10Bの第2室14から、吸気ラインL41を介して炭酸化反応後のガスGを引き込む。吸引ポンプ70Bは、取り込んだガスGを、送気ラインL42に送り出す。吸引ポンプ70Bは、制御装置90Cからポンプ駆動信号Sp2を受信する。吸引ポンプ70Bは、制御装置90Cから受信したポンプ駆動信号Sp2に基づいて、吸気ラインL41側から送気ラインL42側へ気体を移送するように駆動する。すなわち、吸引ポンプ70Bは、炭酸反応後のガスGを第2室14から吸引して、再び第1室12に供給する。これにより、ガスGは、第1室12と第2室14との間で循環する。
【0062】
吸気ラインL41及び送気ラインL42の少なくともいずれかには、乾燥剤が設けられる。これにより、炭酸化反応後のガスGは、吸引ポンプ70B又は第2室14に送られる前に除湿される。第4実施形態の炭酸化監視システム4では、乾燥剤を設ける代わりに、送気ラインL42に第2実施形態の除湿装置80を設けてもよい。
【0063】
制御装置90Cは、炭酸化監視システム4による処理の制御を行う。制御装置90Cは、測定装置60Bの検出部62が検出した二酸化炭素濃度情報である濃度値情報信号Vgを取得する。制御装置90Cは、例えば、所定周期で濃度値情報信号Vgを取得する。制御装置90Cは、吸引ポンプ70Aを制御するポンプ駆動信号Sp1を出力する。制御装置90Cは、測定装置60Bで測定する際のみ、吸引ポンプ70Aを駆動させてもよい。この場合、制御装置90Cは、測定装置60BにガスGが取り込まれるタイミングで濃度値情報信号Vgを取得する。
【0064】
制御装置90Cは、取得した濃度値情報信号Vgに基づいて、電磁バルブV1を制御するバルブ制御信号Sv1と、吸引ポンプ70Bを制御するポンプ駆動信号Sp2と、を出力する。すなわち、制御装置90Cは、測定したガスGの二酸化炭素濃度に応じて、供給装置50から処理装置10Bの第1室12に供給するガスGの供給量を調整させるように電磁バルブV1を制御する。より詳しくは、制御装置90Cは、測定装置60Bから取得した情報に基づいて、供給装置50から処理装置10BへのガスGの供給量を変化させるように電磁バルブV1を制御する。また、制御装置90Cは、測定したガスGの二酸化炭素濃度に応じて、第1室12と第2室14との間でガスGが循環するように吸引ポンプ70Bを制御する。
【0065】
以上説明したように、第4実施形態の炭酸化監視システム4は、処理装置10Bの内部の炭酸化反応後のガスGを引き込んで再び処理装置10Bに供給する吸引ポンプ70B(第2吸引ポンプ)をさらに含む。制御装置90Cは、測定装置60Bから取得した情報に基づいて、処理装置10Bの内部のガスGを循環させるように吸引ポンプ70Bを制御する。
【0066】
被処理物100の炭酸化が進むと、炭酸化反応が緩やかになって使用される二酸化炭素量が減る。第4実施形態の炭酸化監視システム4は、ガスGの二酸化炭素濃度の測定値に基づいてガスGを循環させることにより、依然二酸化炭素を含有する炭酸化反応後のガスGを再利用することができる。これにより、供給装置50から供給する二酸化炭素の含有量が多いガスGの浪費を抑制することができるので、炭酸化反応に用いるガスGの総供給量を適切化することができる。
【0067】
第4実施形態の炭酸化監視システム4は、処理装置10Bの外部に測定装置60Bが設けられるが、第1実施形態又は第2実施形態のように、内部に測定装置60、60Aが設けられる処理装置10に、ガスGを循環させる構成を適用させてもよい。
【0068】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態の炭酸化監視システム5について説明する。
図5は、第5実施形態に係る炭酸化監視システム5を示す模式図である。炭酸化監視システム5は、処理装置10Cと、供給装置50と、測定装置60と、吸引ポンプ70Bと、電磁バルブV1と、制御装置90Dと、を備える。なお、第5実施形態の炭酸化監視システム5において、第1実施形態の炭酸化監視システム1及び第4実施形態の炭酸化監視システム4と同一の構成については同一の参照符号を付して適宜説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0069】
第5実施形態の処理装置10Cは、第1実施形態の処理装置10と比較して、さらに、第4実施形態と同様の給気口24及び吸気口26を含む点で相違する。給気口24は、第1室12に設けられる。第1室12は、第5実施形態において、給気口24を介して送気ラインL42に接続する。吸気口26は、第2室14に設けられる。第2室14は、第5実施形態において、吸気口26を介して吸気ラインL41に接続する。
【0070】
吸引ポンプ70Bは、処理装置10Cの外部に設けられる。吸引ポンプ70Bは、処理装置10Cの第2室14から、吸気ラインL41を介して炭酸化反応後のガスGを引き込む。吸引ポンプ70Bは、取り込んだガスGを、送気ラインL42に送り出す。吸引ポンプ70Bは、制御装置90Dからポンプ駆動信号Sp2を受信する。吸引ポンプ70Bは、制御装置90Dから受信したポンプ駆動信号Sp2に基づいて、吸気ラインL41側から送気ラインL42側へ気体を移送するように駆動する。すなわち、吸引ポンプ70Bは、炭酸反応後のガスGを第2室14から吸引して、再び第1室12に供給する。これにより、ガスGは、第1室12と第2室14との間で循環する。
【0071】
制御装置90Dは、炭酸化監視システム5による処理の制御を行う。制御装置90Dは、測定装置60の検出部62が検出した二酸化炭素濃度情報である濃度値情報信号Vgを取得する。制御装置90Dは、例えば、所定周期で濃度値情報信号Vgを取得する。
【0072】
制御装置90Dは、取得した濃度値情報信号Vgに基づいて、電磁バルブV1を制御するバルブ制御信号Sv1と、吸引ポンプ70Bを制御するポンプ駆動信号Sp2と、を出力する。すなわち、制御装置90Dは、測定したガスGの二酸化炭素濃度に応じて、供給装置50から処理装置10Cの第1室12に供給するガスGの供給量を調整させるように電磁バルブV1を制御する。より詳しくは、制御装置90Dは、測定装置60から取得した情報に基づいて、供給装置50から処理装置10CへのガスGの供給量を変化させるように電磁バルブV1を制御する。また、制御装置90Dは、測定したガスGの二酸化炭素濃度に応じて、第1室12と第2室14との間でガスGが循環するように吸引ポンプ70Bを制御する。
【0073】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態の炭酸化監視システム6について説明する。
図6は、第6実施形態に係る炭酸化監視システム6を示す模式図である。炭酸化監視システム6は、処理装置10Dと、供給装置50と、測定装置60Bと、吸引ポンプ70Aと、電磁バルブV1と、電磁バルブV2と、制御装置90Eと、を備える。なお、第6実施形態の炭酸化監視システム6において、第3実施形態の炭酸化監視システム3と同一の構成については同一の参照符号を付して適宜説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0074】
第6実施形態の処理装置10Dは、第3実施形態の処理装置10Aと比較して、さらに、給気口24を含む点で相違する。給気口24は、第1室12に設けられる。第1室12は、第6実施形態において、給気口24を介して送気ラインL5に接続する。送気ラインL5は、一端が送気ラインL32に連通する。送気ラインL5は、他端が第1室12の給気口24に連通する。送気ラインL5には、吸引ポンプ70Aと給気口24との間を開閉する電磁バルブV2が設けられる。
【0075】
電磁バルブV2は、送気ラインL32と処理装置10Dの第1室12とを連結する送気ラインL5に設けられる。電磁バルブV2は、制御装置90Eからバルブ制御信号Sv2を受信する。電磁バルブV2は、制御装置90Eから受信したバルブ制御信号Sv2に基づいて、第1室12と第2室14との間でガスGを循環させるか否かを調整する。電磁バルブV2は、例えば、ガスGの循環を開始させることを示すバルブ制御信号Sv2を制御装置90Eから受信した場合、弁を開いて第1室12と第2室14との間でガスGを循環させるように調整する。
【0076】
電磁バルブV2は、制御装置90Eから受信したバルブ制御信号Sv2に基づいて、第1室12と第2室14との間で循環させるガスGの供給量を調整してもよい。吸引ポンプ70Aは、例えば、インバータを有していてもよい。例えば、後述の制御装置90Eが吸引ポンプ70Aへの供給電力を制御することによって、循環量を調整できる。また、吸気ラインL31は、例えば、ダンパーを有していてもよい。後述の制御装置90Eがダンパーを制御することによって、循環量を調整できる。
電磁バルブV2は、例えば、ガスGの循環量を増加させることを示すバルブ制御信号Sv2を制御装置90Eから受信した場合、弁をさらに開いて第1室12と第2室14との間で循環させるガスGの量を増加させるように調整する。
【0077】
制御装置90Eは、炭酸化監視システム6による処理の制御を行う。制御装置90Eは、測定装置60Bの検出部62が検出した二酸化炭素濃度情報である濃度値情報信号Vgを取得する。制御装置90Eは、例えば、所定周期で濃度値情報信号Vgを取得する。制御装置90Eは、吸引ポンプ70Aを制御するポンプ駆動信号Sp1を出力する。制御装置90Eは、測定装置60Bで測定する際のみ、吸引ポンプ70Aを駆動させてもよい。この場合、制御装置90Eは、測定装置60BにガスGが取り込まれるタイミングで濃度値情報信号Vgを取得する。
【0078】
制御装置90Eは、取得した濃度値情報信号Vgに基づいて、電磁バルブV1を制御するバルブ制御信号Sv1と、電磁バルブV2を制御するバルブ制御信号Sv2と、を出力する。すなわち、制御装置90Eは、測定したガスGの二酸化炭素濃度に応じて、供給装置50から処理装置10Dの第1室12に供給するガスGの供給量を調整させるように電磁バルブV1を制御する。より詳しくは、制御装置90Eは、測定装置60Bから取得した情報に基づいて、供給装置50から処理装置10DへのガスGの供給量を変化させるように電磁バルブV1を制御する。また、制御装置90Eは、測定したガスGの二酸化炭素濃度に応じて、第1室12と第2室14との間でガスGが循環するように電磁バルブV2を制御する。
【0079】
以上説明したように、第6実施形態の炭酸化監視システム6は、吸引ポンプ70A(第1吸引ポンプ)から測定装置60Bに送られるガスGのうち、再び処理装置10Dに供給するガスGの供給量を調整可能な電磁バルブV2(第2電磁バルブ)をさらに含む。制御装置90Eは、測定装置60Bから取得した情報に基づいて、処理装置10Dの内部のガスGを循環させるように電磁バルブV2を制御する。
【0080】
被処理物100の炭酸化が進むと、炭酸化反応が緩やかになって使用される二酸化炭素量が減る。第6実施形態の炭酸化監視システム6は、ガスGの二酸化炭素濃度の測定値に基づいてガスGを循環させることにより、依然二酸化炭素を含有する炭酸化反応後のガスGを再利用することができる。これにより、供給装置50から供給する二酸化炭素の含有量が多いガスGの浪費を抑制することができるので、炭酸化反応に用いるガスGの総供給量を適切化することができる。また、測定装置60Bに送られるガスGの一部を循環させるため、処理装置10Dに戻されるガスGの二酸化炭素濃度は、測定装置60Bによって測定された二酸化炭素濃度とほぼ等しい。したがって、再利用するガスGの有用性が担保できる。
【0081】
第6実施形態の炭酸化監視システム6は、処理装置10Dの外部に設けられた吸引ポンプ70Aに吸引されたガスGを循環させるが、第2実施形態のように、処理装置10の内部に設けられた吸引ポンプ70に吸引されたガスGを第1室12に循環させてもよい。
【0082】
また、ガスGの循環量を調節することによって、循環させるガスGの二酸化炭素濃度が変動する場合でも、継続的に時間当たりの二酸化炭素供給量を一定にすることができるので、炭酸化反応を安定化させることができる。又は、処理装置10D内の二酸化炭素濃度の低下に応じて、ガスGの循環量を減少させて風速を下げることにより、炭酸化反応を促進させることができることができる。
【0083】
(第1変形例)
次に、第3実施形態の二酸化炭素濃度測定のためのガスGの吸気方法の一例として、第1変形例の炭酸化監視システム7について説明する。
図7は、第1変形例に係る炭酸化監視システム7を示す模式図である。炭酸化監視システム7は、処理装置10と、供給装置50と、測定装置60Bと、吸引ポンプ70Aと、電磁バルブV1と、制御装置90Bと、を備える。なお、第1変形例の炭酸化監視システム7において、第3実施形態の炭酸化監視システム3と同一の構成については同一の参照符号を付して適宜説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0084】
炭酸化監視システム7は、第3実施形態の炭酸化監視システム3と比較して、吸気口22を含む処理装置10Aの代わりに、第1実施形態及び第2実施形態と同様の処理装置10を含む点で相違する。また、炭酸化監視システム7は、第3実施形態の炭酸化監視システム3と比較して、蓋体40の代わりにシート42及び吸気ホース44を備え、炭酸化反応後のガスGを吸気ホース44から吸気する点で相違する。
【0085】
シート42は、処理装置10の第2室14に載せられた被処理物100の表面を覆う。シート42は、容器本体11の上方から放出される炭酸反応後のガスGの放出量を抑制する。炭酸反応後のガスGがシート42の下方に閉じ込められるので、炭酸反応後のガスGに残存する二酸化炭素は、表面側の被処理物100と炭酸化反応する。
【0086】
吸気ホース44は、一端がシート42に連結する。吸気ホース44は、被処理物100の表面とシート42との間の空間に設置される。吸気ホース44は、他端が吸気ラインL31を介して吸引ポンプ70Aに連結する。第2室14は、第1変形例において、吸気ホース44を介して吸気ラインL31に接続する。
【0087】
以上説明したように、第1変形例の炭酸化監視システム7は、処理装置10の被処理物100(アルカリ性固体反応物)の表面を覆うシート42と、吸引ポンプ70A(第1吸引ポンプ)とシート42とを連結する吸気ホース44と、をさらに含む。
【0088】
容器本体11の内部は、炭酸化反応による発熱により空気が流動しているとともに、上部開口から外気が流入する可能性がある。容器本体11への外気の流入によって、容器本体11内部における二酸化炭素濃度の測定精度が低減してしまう。しかしながら、第1変形例の炭酸化監視システム7は、炭酸化反応後のガスGをシート42の下方に閉じ込めることにより、炭酸化反応後のガスGを積極的に採取することができる。また、炭酸化監視システム7は、依然二酸化炭素を含有する炭酸化反応後のガスGを、再び表面側の被処理物100と反応させることができる。
【0089】
上記では、第3実施形態の第1変形例として説明したが、第4実施形態又は第6実施形態に、蓋体40の代わりにシート42及び吸気ホース44を備える構成を適用してもよい。第4実施形態に適用する場合は、吸気口26がシート42の下側になるように構成する。あるいは、吸気口26とシート42とを連結する吸気ホースを備えてもよい。
【0090】
(第2変形例)
次に、第3実施形態の二酸化炭素濃度測定のためのガスGの吸気方法の別の一例として、第2変形例の炭酸化監視システム8について説明する。
図8は、第2変形例に係る炭酸化監視システム8を示す模式図である。炭酸化監視システム8は、第1変形例の炭酸化監視システム7と同様に、処理装置10と、供給装置50と、測定装置60Bと、吸引ポンプ70Aと、電磁バルブV1と、制御装置90Bと、を備える。なお、第2変形例の炭酸化監視システム8において、第1変形例の炭酸化監視システム7と同一の構成については同一の参照符号を付して適宜説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0091】
第2変形例の炭酸化監視システム8は、第1変形例の炭酸化監視システム7と比較して、シート42の代わりにチャンバ46を備える点で相違する。チャンバ46は、処理装置10の第2室14に載せられた被処理物100の表面を部分的に覆う。チャンバ46は、底面に開口を有する。チャンバ46の内部は、吸気ホース44の一端に連通する。チャンバ46に覆われた部分の被処理物100の表面から放出される炭酸反応後のガスGは、チャンバ46の内部から吸気ホース44に吸気される。
【0092】
第2変形例の吸気ホース44は、一端がチャンバ46に連結する。吸気ホース44は、吸気ホース44は、他端が吸気ラインL31を介して吸引ポンプ70Aに連結する。第2室14は、第2変形例において、吸気ホース44を介して吸気ラインL31に接続する。被処理物100の炭酸化処理を行っている間、チャンバ46の上部及び被処理物100の表面又は容器本体11には、
図7に示すシート42又は
図1等に示す蓋体40等が被せられる。第2変形例では、測定装置60Bによって、吸気ホース44を介してチャンバ46の内部から吸引されたガスGの二酸化炭素濃度が測定される。
【0093】
(第3変形例)
次に、第3実施形態の二酸化炭素濃度測定のためのガスGの吸気方法のまた別の一例として、第3変形例の炭酸化監視システム9について説明する。
図9は、第3変形例に係る炭酸化監視システム9を示す模式図である。炭酸化監視システム9は、処理装置10Eと、供給装置50と、測定装置60Bと、吸引ポンプ70Aと、電磁バルブV1と、制御装置90Bと、を備える。なお、第3変形例の炭酸化監視システム9において、第3実施形態の炭酸化監視システム3と同一の構成については同一の参照符号を付して適宜説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0094】
炭酸化監視システム9は、第3実施形態の炭酸化監視システム3と比較して、吸気口22を含む処理装置10Aの代わりに、フレーム30及び配管31を含む処理装置10Eを含む点で相違する。また、炭酸化監視システム9は、第3実施形態の炭酸化監視システム3と比較して、複数の吸気ホース48を備え、炭酸化反応後のガスGを複数の吸気ホース48から吸気する点で相違する。
【0095】
処理装置10Eは、炭酸化処理を実施する前、又は実施する後に、被処理物100を洗浄する洗浄装置として使用されてもよい。この場合、処理装置10Eは、例えば、洗浄水を被処理物100へ散水する洗浄ノズルを、容器本体11の上部に有する。洗浄ノズルは、容器本体11の上部に設けられた梁状のフレーム30に設けられる配管31に接続される。洗浄ノズルは、配管31を介して給水源に接続される。炭酸化監視システム9では、洗浄ノズルが接続される配管31を設けるフレーム30を、吸気ホース48の取り付け部として利用する。
【0096】
吸気ホース48は、それぞれフレーム30に取り付けられる。吸気ホース48は、一端が被処理物100の直上に配置されるように垂らされている。吸気ホース48は他端が吸気ラインL7に連通する。複数の吸気ホース48に連通する吸気ラインL7は、吸気ラインL31に合流して吸引ポンプ70Aに接続する。第2室14は、第3変形例において、複数の吸気ホース48及び複数の吸気ラインL7を介して吸気ラインL31に連通する。
【0097】
被処理物100の炭酸化処理を行っている間、被処理物100の表面又は容器本体11及びフレーム30には、
図7に示すシート42又は
図1等に示す蓋体40等が被せられる。第3変形例の測定装置60Bが測定するガスGの二酸化炭素濃度は、複数の吸気ホース48から吸引したガスGの二酸化炭素濃度のほぼ平均値となる。なお、第3変形例では、複数の吸気ホース48に対して1台の吸引ポンプ70Aで吸引したが、例えば、1本の吸気ホース48に対して1台の吸引ポンプ70Aで吸引するように、複数台の吸引ポンプ70Aを備えてもよい。この場合、送気ラインL32は、それぞれの吸引ポンプ70Aと測定装置60Bとの間で合流するように設けられる。また、
図9では4本の吸気ホース48が示されているが、吸気ホース48が設けられる数は特に限定されない。
【0098】
以上説明したように、第3変形例の炭酸化監視システム9は、一端が処理装置10Eの被処理物100(アルカリ性固体反応物)の直上に配置され、他端が吸引ポンプ70A(第1吸引ポンプ)に連通する吸気ホース48をさらに含む。
【0099】
容器本体11の内部は、炭酸化反応による発熱により空気が流動しているとともに、上部開口から外気が流入する可能性がある。第3変形例の炭酸化監視システム9は、被処理物100の直上からガスGを積極的に吸引することにより、炭酸化反応後のガスGを積極的に採取することができる。
【0100】
炭酸化監視システム9において、処理装置10Eは、上部に設けられた梁上のフレーム30をさらに含む。吸気ホース48は、フレーム30に取り付けられる。フレーム30は、例えば、元々処理装置10Eに設けられている散水用の洗浄ノズルが接続する配管31が取り付けられるもの等が想定される。このように、炭酸化監視システム9は、従来の処理装置10Eの構成要素を利用することができる。
【0101】
炭酸化監視システム9は、複数の吸気ホース48を含む。炭酸化監視システム9は、複数の箇所から炭酸化反応後のガスGを採取するので、処理装置10Eの内部でガスGの二酸化炭素濃度に偏りがあったとしても、測定装置60Bによる二酸化炭素濃度の測定値を平均化されたものにできる。これにより、処理装置10Eの内部のガスGの二酸化炭素濃度をより正確に測定できるので、より好適にガスGの供給量を調整できる。
【0102】
上記では、第3実施形態の第3変形例として説明したが、第4実施形態又は第6実施形態に、複数の吸気ホース48を備える構成を適用してもよい。また、第3変形例ではフレーム30を吸気ホース48の取り付け部として利用したが、配管31を吸気ホース48の取り付け部として利用してもよい。また、配管31を吸気ラインL7に連通させ、配管31から直接吸気してもよい。
【0103】
(第4変形例)
次に、第3実施形態の二酸化炭素濃度測定のためのガスGの吸気方法のさらに別の一例として、第4変形例の炭酸化監視システム101について説明する。
図10は、第4変形例に係る炭酸化監視システム101を示す模式的な平面図である。炭酸化監視システム101は、処理装置10Fと、供給装置50と、測定装置60Bと、吸引ポンプ70Aと、電磁バルブV1と、電磁バルブV3と、電磁バルブV4と、制御装置90Fと、を備える。なお、第4変形例の炭酸化監視システム101において、第3変形例の炭酸化監視システム9と同一の構成については同一の参照符号を付して適宜説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0104】
第4変形例の処理装置10Fは、第3変形例の処理装置10Eと比較して、略垂直状に設けられる複数の仕切り板32によって、下部を複数の区画34に仕切られている点で相違する。第4変形例において、処理装置10Fは、3枚の仕切り板32によって、4つの区画34に仕切られる。
【0105】
また、処理装置10Fでは、区画34の数に応じた給気口20がそれぞれ設けられる。それぞれの区画34の第1室12は、給気口20を介して供給ラインL81からガスGを受け取る。給気口20に連通する供給ラインL81は、上流において供給ラインL1から分岐する。それぞれの供給ラインL81には、供給ラインL1からそれぞれの区画34の第1室12へのガスGの供給量を調整する電磁バルブV3が設けられる。
【0106】
電磁バルブV3は、供給装置50と処理装置10Fのそれぞれ区画34の第1室12とを連結するぞれぞれの供給ラインL81に設けられる。電磁バルブV3は、制御装置90Fからバルブ制御信号Sv3を受信する。電磁バルブV3は、制御装置90Fから受信したバルブ制御信号Sv3に基づいて、供給装置50からそれぞれ区画34へのガスGの供給量を調整する。電磁バルブV3は、例えば、ガスGの供給を開始させることを示すバルブ制御信号Sv3を制御装置90Fから受信した場合、弁を開いて対応する区画34へガスGを供給させるように調整する。電磁バルブV3は、例えば、ガスGの供給量を減少させることを示すバルブ制御信号Sv3を制御装置90Fから受信した場合、弁を絞って対応する区画34に供給するガスGの量を減少させるように調整する。電磁バルブV3は、例えば、ガスGの供給を停止させることを示すバルブ制御信号Sv3を制御装置90Fから受信した場合、弁を閉じて対応する区画34へのガスGの供給を停止させるように調整する。
【0107】
第4変形例では、吸気ホース48が区画34ごとに2本ずつ設けられる。吸気ホース48は、第3変形例と同様に、一端が被処理物100の直上に配置されるように垂らされているものとする。吸気ホース48は他端が吸気ラインL82に連通する。複数の吸気ホース48に連通する吸気ラインL82は、吸気ラインL31に合流して吸引ポンプ70Aに接続する。第2室14は、第4変形例において、複数の吸気ホース48及び複数の吸気ラインL82を介して吸気ラインL31に連通する。それぞれの吸気ラインL82には、電磁バルブV4が設けられる。
【0108】
電磁バルブV4は、処理装置10Fのそれぞれの区画34と吸気ラインL31とを連結する吸気ラインL82に設けられる。電磁バルブV4は、制御装置90Fからバルブ制御信号Sv4を受信する。電磁バルブV4は、制御装置90Fから受信したバルブ制御信号Sv4に基づいて、いずれの区画34からガスGを吸引するか調整する。電磁バルブV4は、例えば、所定の区画34のガスGを吸引させることを示すバルブ制御信号Sv4を制御装置90Fから受信した場合、弁を開いて対応する区画34からガスGを吸引させるように調整する。電磁バルブV4は、例えば、所定の区画34からのガスGの吸引を停止させることを示すバルブ制御信号Sv4を制御装置90Fから受信した場合、弁を閉じて対応する区画34からのガスGの吸引を停止させるように調整する。
【0109】
制御装置90Fは、炭酸化監視システム101による処理の制御を行う。制御装置90Fは、測定装置60Bの検出部62が検出した二酸化炭素濃度情報である濃度値情報信号Vgを取得する。制御装置90Fは、例えば、所定周期で濃度値情報信号Vgを取得する。制御装置90Fは、吸引ポンプ70Aを制御するポンプ駆動信号Sp1を出力する。制御装置90Fは、測定装置60Bで測定する際のみ、吸引ポンプ70Aを駆動させてもよい。この場合、制御装置90Fは、測定装置60BにガスGが取り込まれるタイミングで濃度値情報信号Vgを取得する。
【0110】
制御装置90Fは、それぞれの電磁バルブV4を制御するバルブ制御信号Sv4を出力する。制御装置90Fは、二酸化炭素濃度を測定する区画34に連通する電磁バルブV4の弁を開かせるように制御する。制御装置90Fは、それぞれの区画34に連通する電磁バルブV4の弁を順番にかつ周期的に開閉させることで、それぞれの区画34の二酸化炭素濃度を順番にかつ周期的に測定するようにしてもよい。
【0111】
制御装置90Fは、取得した濃度値情報信号Vgに基づいて、電磁バルブV1を制御するバルブ制御信号Sv1と、電磁バルブV3を制御するバルブ制御信号Sv3と、を出力する。すなわち、制御装置90Fは、測定した区画34のガスGの二酸化炭素濃度に応じて、供給装置50から対応する区画34の第1室12に供給するガスGの供給量を調整させるように対応する電磁バルブV3を制御する。より詳しくは、制御装置90Fは、測定装置60Bから取得した情報に基づいて、供給装置50からそれぞれの区画34へのガスGの供給量を変化させるように電磁バルブV3を制御する。制御装置90Fは、測定したガスGの二酸化炭素濃度に応じて、供給装置50から処理装置10F全体に供給するガスGの供給量を調整させるように電磁バルブV1を制御する。
【0112】
以上説明したように、第4変形例の炭酸化監視システム101は、仕切り板32と、電磁バルブV3(第3電磁バルブ)と、電磁バルブV4(第4電磁バルブ)と、をさらに含む。仕切り板32は、処理装置10Fの下部を複数の区画34に仕切る。電磁バルブV3は、供給装置50(供給源)からそれぞれの区画34に供給するガスGの供給量を調整可能である。電磁バルブV4は、処理装置10Fから吸引ポンプ70A(第1吸引ポンプ)に吸引されるガスGのうち、いずれの区画34から吸引するか調整可能である。制御装置90Fは、測定装置60Bから取得した情報に基づいて、供給装置50から区画34へのガスGの供給量を変化させるように電磁バルブV3を制御する。
【0113】
第4変形例の炭酸化監視システム101は、区画34ごとに、炭酸化反応後のガスGの二酸化炭素濃度に基づいて供給装置50からのガスGの供給量を調整するので、処理装置10Fの内部でガスGの二酸化炭素濃度が区画34ごとに偏りがあったとしても、より好適にガスGの供給量を調整できる。
【0114】
上記では、第3実施形態の第4変形例として説明したが、第4実施形態又は第6実施形態に、複数の区画34、吸気ホース48、電磁バルブV3、V4備える構成を適用してもよい。例えば、第4実施形態に適用する場合は、吸引ポンプ70B、吸気ラインL41及び送気ラインL42を区画34ごとに設け、区画34ごとにガスGの二酸化炭素濃度に応じて吸引ポンプ70Bを制御するように構成すればよい。
【符号の説明】
【0115】
1、2、3、4、5、6、7、8、9、101 炭酸化監視システム
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F 処理装置
11 容器本体
12 第1室
14 第2室
16 隔壁
18 孔
20、24 給気口
22、26 吸気口
30 フレーム
31 配管
32 仕切り板
34 区画
40 蓋体
42 シート
44、48 吸気ホース
46 チャンバ
50 供給装置
60、60A、60B 測定装置
62 検出部
64、68 筐体
70、70A、70B 吸引ポンプ
80 除湿装置
90、90A、90B、90C、90D、90E、90F 制御装置
100 被処理物
V1、V2、V3、V4 電磁バルブ
G ガス
L1、L81 供給ライン
L31、L41、L7、L82 吸気ライン
L2、L32、L42、L5 送気ライン
Sv1、Sv2、Sv3、Sv4 バルブ制御信号
Sp1、Sp2 ポンプ駆動信号
Sd 除湿駆動信号
Vg 濃度値情報信号