(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】三脚座および三脚座ユニット
(51)【国際特許分類】
G02B 7/02 20210101AFI20240222BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20240222BHJP
【FI】
G02B7/02 E
G03B17/56 A
G03B17/56 B
(21)【出願番号】P 2020054881
(22)【出願日】2020-03-25
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】島根 淳
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-126312(JP,A)
【文献】特開2003-337275(JP,A)
【文献】特開2009-080212(JP,A)
【文献】特開2008-083551(JP,A)
【文献】実開昭60-177541(JP,U)
【文献】実開昭58-040740(JP,U)
【文献】特開2003-241300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02
G03B 17/56
F16M 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三脚に着脱可能に装着される第1の三脚座ユニットと、
前記第1の三脚座ユニットに着脱可能に装着され、レンズ鏡筒を装着可能な第2の三脚座ユニットと、を備え、
前記第2の三脚座ユニットは、前記第1の三脚座ユニットに着脱可能に固定される固定部材を備え、
前記第1の三脚座ユニットは、前記固定部材によって押圧されて第1の方向へ移動可能な第1の部材と、前記第1の部材の前記第1の方向への移動に連動して前記第1の部材を押圧する前記固定部材を、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って進出して係止する第2の部材と、を備える、三脚座。
【請求項2】
前記固定部材は、前記第2の方向に沿って突き出ているアリ形状を有するアリ部を備え、
前記第2の部材は、前記アリ部に嵌合する前記第2の方向に沿って窪んでいるアリ溝部を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の三脚座。
【請求項3】
前記固定部材は、前記第2の方向に沿った両端に、それぞれ第1のアリ部及び第2のアリ部を備え、
前記第1の部材は、第1の方向に沿って移動する前記固定部材に当接し、前記第1の方向に沿って移動可能なプレート部を備え、
前記第2の部材は、
前記第1の方向において前記プレート部を支持し、前記第1のアリ部に嵌合する第1のアリ溝部を備えた第1の固定プレート部と、
前記第1の方向において前記プレート部を支持し、前記第2のアリ部に嵌合する第2のアリ溝部とを備えた第2の固定プレート部と、
を備え、
前記第1の固定プレート部及び前記第2の固定プレート部は、前記プレート部が前記第1の方向に移動することにより、前記第2の方向において互いに近接する向きに移動することによって前記固定部材を係止する
ことを特徴とする請求項2に記載の三脚座。
【請求項4】
前記第1の部材は、前記プレート部の底面から前記第1の
方向に沿って延伸するボス部を備え、
前記第1の三脚座ユニットは、
前記第2の部材が前記固定部材を係止した状態において、前記ボス部を係止するロック板を備えている
ことを特徴とする請求項3に記載の三脚座。
【請求項5】
前記第1の三脚座ユニットは、前記第1の方向および第2の方向に交差する第3の方向に沿って外部から押圧可能であり、第3の方向において前記ロック板を保持するとともに、第3の方向に沿って前記ロック板が前記ボス部をロックする方向へ付勢されているホルダをさらに有する、請求項4に記載の三脚座。
【請求項6】
前記ボス部の先端部には、第1の螺合部が設けられており、
前記第1の三脚座ユニットは、前記第1の三脚座ユニットの外部から挿入されているとともに、前記第1の螺合部に螺合する第2の螺合部を有するノブを備えている
ことを特徴とする請求項4または5に記載の三脚座。
【請求項7】
前記固定部材は、
前記第1の
方向に延伸する形状を有するとともに前記第2の方向に向けて開口する開口部を有し、
前記第2の部材は、第2の方向に沿って前記開口部に進入して係止する爪部を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の三脚座。
【請求項8】
前記第2の部材は、
前記第2の方向に垂直な第3の方向に沿った回転軸の周りに回転可能に設けられたロック円板本体と、
前記ロック円板本体から突出する前記爪部と
を備え、
前記第1の部材は、
前記第1の方向に沿って移動する前記固定部材に当接して前記第1の方向に沿って移動可能な本体部と、
前記本体部に接続された係合部と
を備え、
前記係合部は、前記本体部が前記第1の
方向に移動していない状態において、前記ロック円板本体に係合して、前記爪部を前記開口部に挿入可能な位置にある前記ロック円板本体の回転を規制し、前記本体部が前記第1の
方向に移動した状態において前記ロック円板本体への係合を解消して前記ロック円板本体の前記回転を解放する
ことを特徴とする請求項7に記載の三脚座。
【請求項9】
前記第1の三脚座ユニットは、前記三脚座ユニットの外部から挿入されているとともに前記ロック円板本体に当接して前記ロック円板本体の前記回転を規制するノブを備えている請求項
8に記載の三脚座。
【請求項10】
三脚に着脱可能に装着可能であり、かつ、レンズ鏡筒を装着可能な第2の三脚座ユニットを着脱可能に装着可能な三脚座ユニットであって、
前記第2の三脚座ユニットが有する固定部材によって押圧されて第1の方向へ移動可能な第1の部材と、前記第1の部材の前記第1の方向への移動に連動して前記第1の部材を押圧する前記固定部材を、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って進出して係止する第2の部材と、を備える、三脚座ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三脚座および三脚座ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラのレンズ鏡筒を、三脚座を介して三脚に固定して撮影する場合がある。しかし、三脚を用いた撮影から手持ちの撮影へ移行するときには、三脚座が邪魔になってしまう。また、三脚座を三脚から取り外すのに手間がかかり、スムーズに手持ち撮影へ移ることができない場合がある。更に、三脚座がレンズ鏡筒から突出するため、携帯性およびバッグへの収納性が悪い等の問題がある。このような問題を解決するために、三脚に取り付けられるベースASSYと、レンズ鏡筒を保持するレンズASSYとに着脱可能に構成された三脚座が知られている。
【0003】
上記の三脚座としては、例えば、レンズASSYにアリ部、ベースASSYにアリ溝がそれぞれ設けられ、弾性を有するベースASSYを調整ねじで締めつけることによって、レンズASSYのアリ部とベースASSYのアリ溝とを嵌合させ、ベースASSYとレンズASSYとを固定する三脚座が知られている。この三脚座では、リングASSYにあるネジ穴に、ベースASSY側から出る突起を係合させて脱落を防止している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、上記の三脚座には、レンズASSYのアリ部を、ベースASSYのアリ溝に、調整ネジを回しながら、ベースASSYにおけるアリ溝を有するブロックを片寄せしてベースASSYとレンズASSYを固定する三脚座が知られている。この三脚座は、外れ止め機構を有し、調整ネジを緩めた状態では三脚座を分離できず、調整ネジを押し付けることで外れ止め機構が解除できる構造となっている(例えば、特許文献2、3参照)。
【0005】
更に、上記の三脚座には、レンズASSYのリングにネジ穴を設け、そのネジ穴にベースASSYに取り付けられた固定ネジを、係合させることでベースASSYとリングASSYを固定する三脚座が知られている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2003-337275号公報
【文献】特開2016-126312号公報
【文献】特開2016-126313号公報
【文献】特開2016-90949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記開示された構成では、ベースASSYとレンズASSYとが着脱可能に構成されており、ベースASSYからレンズASSYを脱離させることにより、ユーザは、三脚に固定されていたカメラを用いて手持ちでの撮影を行うことができる。しかしながら、ベースASSYとレンズASSYを固定するためには、ネジまたは外れ止め機構等の機構の操作を必要としている。このため、従来の三脚座は、両手での操作を必要とする、あるいは、継続する操作を必要とするなど、両ASSYの着脱に時間と手間がかかるという問題を有している。このように、従来の三脚座は、両ASSYの着脱における操作性の観点から、検討の余地が残されている。
【0008】
本発明では、上記課題に鑑み、着脱の操作性の良い三脚座を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の1態様に係る三脚座は、三脚に着脱可能に装着される第1の三脚座ユニットと、前記第1の三脚座ユニットに着脱可能に装着され、レンズ鏡筒を装着可能な第2の三脚座ユニットと、を備え、第2の三脚座ユニットは、前記第1の三脚座ユニットに着脱可能に固定される固定部材を備え、第1の三脚座ユニットは、前記固定部材によって押圧されて第1の方向へ移動可能な第1の部材と、前記第1の部材の前記第1の方向への移動に連動して前記第1の部材を押圧する前記固定部材を、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って進出して係止する第2の部材と、を備える。
【0010】
また、上記の課題を解決するために、本発明の1態様に係る三脚座ユニットは、三脚に着脱可能に装着可能であり、かつ、レンズ鏡筒を装着可能な第2の三脚座ユニットを着脱可能に装着可能な三脚座ユニットであって、第2の三脚座ユニットが有する固定部材によって押圧されて第1の方向へ移動可能な第1の部材と、前記第1の部材の前記第1の方向への移動に連動して前記第1の部材を押圧する前記固定部材を、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って進出して係止する第2の部材と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、着脱の操作性の良い三脚座を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態1に係る三脚座の斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係る三脚座の背面図である。
【
図3】本発明の実施形態1に係る三脚座のリングASSYの斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態1に係る三脚座のベースASSYの透視図である。
【
図5】本発明の実施形態1に係る三脚座のベースASSYの分解斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態1に係る三脚座の未装着状態の断面図である。
【
図7】本発明の実施形態1に係る三脚座の装着状態の断面図である。
【
図8】本発明の実施形態1に係る三脚座においてノブでボス部を締着した状態を示す断面図である。
【
図9】本発明の実施形態1に係る三脚座のホルダによるロック状態を説明するための図である。
【
図10】本発明の実施形態1に係る三脚座のホルダによるロックが解除された状態を説明するための図である。
【
図11】実施形態1のリングASSYにおける他の例の斜視図である。
【
図12】実施形態1のベースASSYにおける他の例を示す図である。
【
図14】実施形態2に係る三脚座のリングASSYの斜視図である。
【
図15】実施形態2に係る三脚座のベースASSYの透視図である。
【
図16】実施形態2に係る三脚座のベースASSYの分解斜視図である。
【
図17】実施形態2に係る三脚座におけるロック円板の回転が規制されている状態を示す断面図である。
【
図18】実施形態2に係る三脚座におけるロック円板の回転規制が解除されている状態を示す断面図である。
【
図19】実施形態2に係る三脚座におけるロック円板の回転規制が解除されている状態を示す断面図である。
【
図20】実施形態2に係る三脚座におけるロック円板の爪部が開口部に嵌合している状態を示す断面図である。
【
図21】実施形態2に係る三脚座におけるロック円板の回転がノブによって規制されている状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔実施形態1〕
以下、本発明の1実施形態(以下、「本実施形態」とも表記する)に係る三脚座1について、図面を参照して説明する。
【0014】
(三脚座)
まず、
図1および
図2を参照して、本実施形態に係る三脚座1の全体構造について説明する。
図1は、三脚座1の斜視図であり、
図2は三脚座1の正面図である。
【0015】
図1および
図2に示すように、三脚座1は、三脚に着脱可能に装着されるベースASSY(請求項の「第1の三脚座ユニット」に相当)100と、ベースASSY100に着脱可能に装着され、レンズ鏡筒を装着可能なリングASSY400(請求項の「第2の三脚座ユニット」に相当)と、を備える。
【0016】
リングASSY400は、略中空円筒形状を有しており、この円筒形状部分の内側に、回転摺動可能にレンズ鏡筒を保持する。ベースASSY100は、略L字形状を有しており、リングASSY400に接合される部分Aと、部分Aから伸びて三脚に取り付けられる部分Bとからなる。
【0017】
なお、以後の説明では、ベースASSY100の部分A側を後方、部分B側を前方とも呼び、リングASSY400のベースASSY100に接合される側を下方、反対を上方とも呼び、前後方向および上下方向に直交する方向を左右方向とも呼ぶ。
【0018】
図2に示すように、三脚座ベースASSY100の背面には、ホルダ300が備えられている。後述するように、このホルダ300を押圧することによって、ベースASSY100に装着されたリングASSY400をワンタッチで取り外すことができる。
【0019】
(三脚座リングASSY)
次に、リングASSY400の構造について、
図3を参照して説明する。
図3はリングASSY400単体の斜視図である。
図3に示すように、リングASSY400は、三脚座リング410と固定部材420を備え、固定部材420は固定部材止めビスによって、三脚座リング410に固着される。
【0020】
三脚座リング410は略円筒中空形状の枠体となっており、レンズ鏡筒本体と嵌合して、レンズ鏡筒本体と回転摺動可能な状態でレンズ鏡筒本体を保持する。三脚座リング410には、固定部材420を固定させるためのボス座411が円筒形状の枠体から外側に向かって突出している。後述するように、リングASSY400をベースASSY100に装着する場合には、ボス座411の外周部が、ベースASSY100の開口部111に第1の方向に沿って挿入される。なお、本実施形態では、「第1の方向」とは下方又は上下方向のことを言う。
【0021】
固定部材420は、三脚座リング410に固着するフランジ部421とフランジ部421から第1の方向とは交差する第2の方向に沿って突き出ているアリ形状を有するアリ部422を備えている。なお、本実施形態では、「第2の方向」とは左右方向を言う。より詳細には、固定部材420は第2の方向に沿った両端に、第2の方向に沿ってそれぞれ突き出ているアリ形状の第1のアリ部422A及び第2のアリ部422Bを備えている。アリ部422が、後述するベースASSY100に設けられたアリ溝155と嵌合することにより、固定部材420は、ベースASSY100に着脱可能に固定される。
【0022】
(三脚座ベースASSY)
次に、
図4および
図5を参照して、ベースASSY100の構造について説明する。
図4はベースASSY100の透視図であり、
図5はベースASSY100の分解斜視図である。
【0023】
図5に示すように、ベースASSY100は、三脚座ベース110、ベースプレート130、固定プレート150、バネB170、ワッシャー190、バネA200、ベースガイド240、ベースガイド止めビス220、バネC260、ロック板280、ホルダ300、ノブ320、および抜け止めビス340を備える。
【0024】
三脚座ベース110は、ベースASSY100がリングASSY400と接合するための構造を収納する筐体であり、かつ、三脚に固定される部分である。
【0025】
三脚座ベース110の、リングASSY400から伸びて、三脚に固定される部分の底面には三脚の固定ネジ116が入るネジ穴が設けられており、このネジ穴と三脚の固定ネジ116を係合することにより、三脚座ベース110が三脚に固定される。
【0026】
三脚座ベース110には、三脚座リング410のボス座411を案内及び嵌合するための開口部111、リングASSY400と接合するための構造を収納する収納溝113と収納溝113内にベースガイド240を固定するためのビス穴、貫通穴が設けられており、三脚座ベース110の背面には、背面からホルダ300を収納するための横溝115が設けられている。
【0027】
ベースプレート130(請求項の「第1の部材」に相当)は、リングASSY400の固定部材420によって押圧されて第1の方向(本実施形態では下方)へ移動可能である。ベースプレート130は、リングASSY400が装着されたときに、第1の方向に沿って移動する固定部材420の底面と当接するプレート面131と、プレート面131の底面から下向きに延伸するボス部132を備える。ボス部132の中間部には、ボス部132を係止するためのロック板280が挿入される傾斜溝133が設けられる。ボス部132の傾斜溝133より下部には、後述するノブ320の雌ネジ(請求項の「第2の螺合部」に相当)321と係合する雄ネジ134(請求項の「第1の螺合部」に相当)が形成されている。ボス部132の先端部には、後述するノブ320の抜け止めを行う抜け止めビス340を係止するリブ135を備える。
【0028】
固定プレート150(請求項の「第2の部材」に相当)は、第1の方向においてベースプレート130を支持し、ベースプレート130が第1の方向に移動するに伴って、第1の方向に移動可能である。また、固定プレート150は、互いに左右対称な形状を有し、対向して配置される一対の部材である第1の固定プレート部150Aおよび第2の固定プレート部150Bを備える。
【0029】
第1の固定プレート部150Aおよび第2の固定プレート部150Bは、ベースプレート130のプレート面131を受ける受け面151、および、アリ溝155の片側を構成し、固定部材420の第1のアリ部422A、第2のアリ部422Bにそれぞれ嵌合する第1アリ溝部155A,第2アリ溝155Bを備えている。
【0030】
また、固定プレート150の受け面151の反対側には、リングASSY400を装着したときにベースガイド240の底面と当接する面、及び、ベースガイド240の傾斜部241に倣う傾斜面153を有する突起形状部160が、配置されている。
【0031】
第1の固定プレート部150Aおよび第2の固定プレート部150Bは、対向して、ベースプレート130のボス部132を挟持した状態で、三脚座ベース110の収納溝113に収納され、ベースプレート130と一体になって、アリ溝155を形成する。アリ溝155は、固定プレート150の突起形状部160の側面に設けられた穴に入れたバネB170によって、第1の固定プレート部150Aおよび第2の固定プレート部150Bが、ベースASSY100にリングASSY400が装着されていない状態では、三脚座ベース110の収納溝113内でアリ溝155の幅を広げる方向にお互いに押し合っている状態となる。
【0032】
ワッシャー190は、ベースプレート130のボス部132に挿入され、固定プレート150の下に配置される。バネA200は、ベースプレート130のボス部132に挿入され、ワッシャー190の下に配置される。バネA200は、三脚座ベース110の収納溝113の底面と接し、ベースASSY100にリングASSY400が装着されていない状態では、ワッシャー190、固定プレート150、およびベースプレート130を上方向に持ち上げている。
【0033】
ベースガイド240は、左右対称の一対の部材から構成されており、上述したワッシャー190、固定プレート150、およびベースプレート130の下に配置される。また、ベースガイド240の各部材は、固定部材420を係止した状態では、固定プレート150の傾斜面153と当接する傾斜部241を有する。固定プレート150の傾斜面153がベースガイド240の傾斜部241に当接すると、ワッシャー190、固定プレート150、およびベースプレート130の下方への移動が規制される。また、ベースガイド240の傾斜部241は下方に向かうに従って中央側に傾斜しているため、固定プレート150が下方に向かって移動するにつれ、固定プレート150を構成する2つのプレート部150A、150Bは、互いに近接する方向に押圧される。これにより、2つの固定プレート部150A,150Bの第1アリ溝部155A,第2アリ溝155Bは、より強固に、固定部材420の第1のアリ部422A、第2のアリ部422Bを挟み込む。
【0034】
以上説明したように、ベースASSY100にリングASSY400が装着されていない状態では、バネA200とバネB170の作用により、ワッシャー190、固定プレート150、およびベースプレート130を持ち上げつつ、アリ溝155の幅を広げる状態を維持している。そして、ノブ320が開放されている状態では、一定のストローク分、ワッシャー190、固定プレート150、およびベースプレート130がベースガイド240から浮き上がった状態となっている。
【0035】
ノブ320は、ベースASSY100の外部から挿入されているとともに、前述したように、雄ネジ134(請求項の「第1の螺合部」に相当)に螺合する雌ネジ321(請求項の「第2の螺合部」に相当)を備える。即ち、ノブ320の中央部には、ベースプレート130の雄ネジ134と係合する雌ネジ321が設けられている。ノブ320は、ユーザが指で回して操作しやすいように、外周面に凹凸が付いている。
【0036】
ノブ320には側面に穴とネジ穴が設けられており、抜け止めビス340が挿入される。ベースプレート130の雄ネジ134は一定の長さを有するため、抜け止めビス340がベースプレート130に当接する位置によって、ベースプレート130に対して一定量の距離を調整することができる。また、ノブ320を緩めたときに、抜け止めビス340がベースプレート130のリブ135と当接することにより、ノブ320がボス部132から抜けるのを防止することができる。
【0037】
ホルダ300は、三脚座ベース110の背面に設けられた横溝115に挿入され、三脚座ベース110の第1方向および第2方向に交差する第3の方向に沿って外部から押圧可能である。本実施形態では、「第2の方向」とは第1の方向に交差する方向であり、左右方向である。また、「第3の方向」とは第1の方向および第2の方向に交差する方向であり、本実施形態では、前後方向である。
【0038】
ホルダ300は、ユーザが押圧する押圧面301と、押圧面301に接続する接続部302を備える。接続部302の側面には一対のバネC260が装着されるとともに、接続部302の中央には、ベースプレート130のボス部132が貫通する穴303が設けられている。ホルダ300は、押圧されていない状態では、バネC260の付勢力によって、後方に向かって付勢される。ホルダ300は、ロック板280によって位置決めされ、接続部302のボス部304はロック板280の位置決め穴283に嵌合する。
【0039】
ロック板280は、ホルダ300の位置決め穴283を有しており、ホルダ300に装着される。ロック板280は、固定部材420を係止した状態において、ベースプレート130のボス部132を係止する。すなわち、ロック板280の穴281には、固定部材420を係止した状態において、ボス部132の傾斜溝133と係合する傾斜面282が設けられている。
【0040】
(装着)
次に、
図6および
図7を参照して、リングASSY400がベースASSY100に装着される機構について説明する。
図6は実施形態1に係る三脚座1のリングASSY400がベースASSY100に装着されていない状態の断面図であり、
図7は三脚座1のリングASSY400がベースASSY100に装着された状態の断面図である。
【0041】
リングASSY400をベースASSY100に装着するには、まず、レンズ鏡筒が装着された状態のリングASSY400のボス座411の外周縁を、ベースASSY100の開口部111に挿入する。これにより、固定部材420の移動がアリ溝155の中央へ来るように案内される。固定部材420がベースプレート130のプレート面131に当接すると、リングASSY400に装着されたレンズ鏡筒の自重によって、固定部材420とベースプレート130とは、連動して第1の方向(実施形態1では下向き方向)に移動する。
【0042】
リングASSY400がベースASSY100に未装着の状態では、
図6に示すように、アリ溝155の幅は広げられた状態となっているため、アリ部422をアリ溝155内に挿入することができる。
【0043】
固定部材420の下降に伴い、ベースプレート130、固定プレート150、ワッシャー190は、バネA200の付勢力に抗して、ベースガイド240の上面と固定プレート150の下面が当接するまで下降する。固定プレート150の傾斜面153の下端が、ベースガイド240の傾斜部241の上端に当接した後は、固定プレート150の傾斜面153は、ベースガイド240の傾斜部241に沿ってスライドしながら下降していく。このとき、固定プレート150の傾斜面153は、中央部に向かって下降しているため、
図7の矢印に示すように、固定プレート150を構成する第1の固定プレート部150Aおよび第2の固定プレート部150Bは、第2の方向において互いに近接する向きに移動する。
【0044】
これにより、アリ溝155の幅が狭くなり、アリ部422はアリ溝155に密着し第2の方向から挟みこむことで、固定部材420を係止する。
【0045】
上述したように、ベースASSY100の開口部111とリングASSY400のボス座411の外周縁が嵌合し、アリ部422はアリ溝155に固着し、リングASSY400がベースASSY100に固定された状態で安定する。
【0046】
また、
図7に示すように、固定プレート150が固定部材420を係止した状態において、ロック板280がボス部132を係止する。より詳細には、ベースプレート130のボス部132に設けられた傾斜溝133がロック板280の傾斜面と嵌合することで、ベースプレート130の浮き上がりを抑え、ロックされる。これにより、不用意な脱落を防止することができる。
【0047】
更に、
図8に示すように、固定プレート150が固定部材420を係止した状態において、ノブ320を回すことで、ベースプレート130先端のリブ135と抜け止めビス340が嵌合し、不用意な脱落を防止することができる。
【0048】
(取り外し)
次に、リングASSY400をベースASSY100から取り外す場合の機構を、
図9および
図10を参照して説明する。
図9は本実施形態に係る三脚座1の、ホルダ300によるロック状態を説明するための図であり、
図10はホルダ300によるロックが解除された状態を説明するためのである。
【0049】
図9に示すように、ロックがかかっている状態では、ホルダ300は、第1方向および第2方向に交差する第3の方向においてロック板280を保持するとともに、第3の方向に沿ってロック板280がボス部132をロックする方向へ付勢されている。すなわち、バネC260の付勢力によって、ホルダ300、ロック板280とも、後方(
図9および
図10では右方向)に向かって付勢されている。この状態では、ロック板280の穴281に設けられた傾斜面282が、ボス部132の傾斜溝133に嵌合している。
【0050】
図9に示す状態から、リングASSY400をベースASSY100から外すには、リングASSY400を持ち上げながら、ホルダ300を押圧する。ホルダ300は、外部から第3の方向(本実施形態では前後方向)に沿って押圧可能である。
図10に示すように、ホルダ300をバネの付勢力に抗して、前方に向かって押圧すると、ホルダ300に装着されているロック板280も前方に向かってスライドする。その結果、ボス部132の傾斜溝133とロック板280の穴281に設けられた傾斜面282との嵌合が外れる。このとき、リングASSY400を持ち上げれば、アリ溝155が第2の方向に開かれる構造となっているため、アリ部422はアリ溝155を容易にすり抜けることができる。
【0051】
本実施形態の構成によれば、レンズ鏡筒の自重などの装着時の外力により、第2の三脚座ユニット(リングASSY)の第1の三脚座ユニット(ベースASSY)への装着をワンアクションで行うことができる。また、ホルダ300を押圧するだけで、第1の三脚座ユニットと第2の三脚座ユニットの係止を解除することができ、第2の三脚座ユニットを第1の三脚座ユニットから簡単に取り外すことができる。従って、着脱の操作性、携帯性、収納性の高い三脚座を提供することができる。
【0052】
(変形例)
実施形態1の変形例として、
図11に示すように、三脚座リング410のボス座411の突出量を短く設定することも可能である。この場合は、ボス座411を案内及び嵌合するための三脚座ベース110の開口部111の長さを短くすればよい。
【0053】
また、実施形態1の他の変形例として、
図12に示すように、ベースガイド240の傾斜部241を円錐形状にしてもよい。この場合、固定プレート150の突起形状部160における傾斜面153も円錐形状とすればよい。
【0054】
実施形態1では、ベースASSY100は、ロック板280を保持するホルダ300によってロック板280によるロックを解除する方向にロック板280を押圧するように構成されているが、ロック板280は、ロックを解除する方向へ、ホルダ300を介さずに直接押圧可能に構成されていてもよい。
【0055】
〔実施形態2〕
(三脚座)
以下では、本発明の他の実施形態に係る三脚座について説明する。
図13は本実施形態に係る三脚座2の背面図である。
図13に示すように、本実施形態に係る三脚座2も、三脚に着脱可能に装着されるベースASSY600、およびベースASSY600に着脱可能に装着され、レンズ鏡筒を装着可能なリングASSY500を備える。ベースASSY600の正面からは、レバー部651が突出している。なお、以下の説明では、実施形態1と同様、ベースASSY600のリングASSY500に接続される部分の側を後部(または背部)とも呼び、この部分から延伸し三脚に接合される部分の側を前部とも呼ぶ。また、リングASSY500のベースASSY600に接合される側を下方、反対を上方とも呼び、前後方向および上下方向に直交する方向を左右方向とも呼ぶ。
【0056】
本実施形態に係る三脚座2は、実施形態1に係る三脚座1とは、ベースASSY600とリングASSY500とを着脱するための機構が異なる。以下では、リングASSY500、ベースASSY600の構造について説明する。
【0057】
(リングASSY)
まず、
図14を参照して、リングASSY500の構造について説明する。
図14は、三脚座2のリングASSY500の斜視図である。
【0058】
図14に示すように、三脚座リングASSY500は、略円筒中空形状でレンズ鏡筒本体と嵌合する三脚座リング501、およびリングASSY500をベースASSY600に固定するための固定部材503を備える。固定部材503は固定部材止めビスにより三脚座リング501に固定される。
【0059】
三脚座リング501には、固定部材503を固定するためのボス座502がリング形状部分から突出している。
【0060】
固定部材503は、第1の向きに延伸する形状を有するとともに、第2の方向に向けて開口する開口部506を有する。即ち、固定部材503は、三脚座リング501のボス座502に固着するためのフランジ部504と、フランジ部504から下向き垂直方向に延伸し、ベースASSY600に挿入されるボス部505を備える。ボス部505には、前後方向に開口する開口部506が設けられている。後述するロック円板650の爪部652(請求項の「第2の部材」に相当)は、第2の方向に沿って開口部506に進入して係止する。本実施形態では、第1の方向とは垂直方向であり、第2の方向とは前後方向である。ボス部505は、リングASSY500をベースASSY600に装着する際に、ベースASSY600の開口部611に挿入され、着脱がガイドされる。
【0061】
(ベースASSY)
次に、
図15および
図16を参照して、ベースASSY600の構造について説明する。
図15は、ベースASSY600の透視図であり、
図16は、ベースASSY600の分解斜視図である。
【0062】
図15に示すように、ベースASSY600は、リングASSY500に接続される部分Aと、部分Aから前方に向かって延伸して三脚に接続される部分Bから構成される。
【0063】
図16に示すように、ベースASSY600は、三脚座ベース610、スライド板630、ロック円板650、バネ670、ロック円板軸690、抜け止めビスA710、抜け止めピン730、抜け止めビスB760、およびノブ750を備える。
【0064】
三脚座ベース610は、固定部材503のボス部505を案内及び嵌合する開口部兼スライド板630を収納するための収納溝611と、ロック円板650を配置する溝612および、ロック円板軸690を受ける穴とその入り口には抜け止めビスA710を挿入するネジが切ってある。三脚座ベース610の底面側には、ノブ750を送るためのネジ穴と、ノブ750の抜け止めピン730を入れる穴が設けられ、その穴には抜け止めピンB750用のネジが切ってある。
【0065】
スライド板630(請求項の「第1の部材」に相当)は、第1の方向に沿って移動する固定部材503に当接して第1の方向に沿って移動可能な本体部632と本体部632に接続された係合部631を備える。
係合部631は、ロック円板650の回転を規制する。係合部631がロック円板650の回転に規制をかけることで、ロック円板650が開放状態で固定される。詳しくは、後述する。
【0066】
ロック円板650は、ロックの解除時にユーザが操作するためのレバー部651と、固定部材503のボス部505の開口部506に第2の方向(実施形態2では前後方向)に沿って進入して係止する爪部652、バネ掛け用の穴、スライド板630の係合部631と係合する回転規制の溝654が設けられている。
【0067】
バネ670は、一端をロック円板650のバネ掛け用穴に挿入され、ロック円板軸690に通される。バネ670の他端は、スライド板630のバネ掛け用穴に通される。これにより、ロック解放時には、バネ670が、ロック円板650の回転を規制しつつ、スライド板630を上方に押し上げて、解除状態を維持する。装着時はボス部505によりスライド板630が下方に押されることにより、ロック円板650の回転制限が解放され、ロック円板650が回転し爪部652が固定部材503の開口部506を抑え込み、引き込み続ける力を発生させている。ロック機構については、
図17から
図21を参照して後述する。
【0068】
ロック円板軸690は、三脚座ベース610およびロック円板650を貫通する。ロック円板650の本体は、第3の方向に沿ったロック円板軸690の周りに回転可能に設けられている。第3の方向は、第2の方向に対して垂直である。本実施形態では、第2の方向は前後方向であり、第3の方向は左右方向である。
【0069】
抜け止めビスA710は、ロック円板軸690を三脚座ベース610の穴に通した後、抜け止めビスA710を挿入することで、ロック円板軸690の抜けを防止する。
【0070】
ノブ750は、三脚座ベースASSY600の外部から挿入される。ノブ750は、三脚座ベース610の底面側よりネジ穴を介して挿入される。ノブ750には、抜け止めピン730によって移動を規制するための溝が設けられている。
【0071】
抜け止めピン730は、ノブ750を挿入後、三脚座ベースASSY600の側面の穴より挿入され、ノブ750の外れ止め及び移動量の規制を行う。
【0072】
抜け止めビスB760は、抜け止めピン730を挿入後、抜け止めピン用の穴に挿入される。これにより、抜け止めピン730の脱落を防止している。
【0073】
(装着時)
次に
図17から
図21を参照して、リングASSY500をベースASSY600に直脱する機構について説明する。
図17から
図21は、リングASSY500をベースASSY600に直脱する様子を説明するための断面図である。
【0074】
図17は、リングASSY500をベースASSY600に装着していない状態を示した断面図である。
図17に示すように、係合部631は、本体部632が第1の向きに移動していない状態において、ロック円板650本体に係合して、爪部652を開口部506に挿入可能な位置にあるロック円板650本体の回転を規制する。即ち、ベースASSY600のロック円板650の回転は、スライド板630の係合部631によって規制され、解放状態になっている。
【0075】
リングASSY500をベースASSY600に装着するときには、リングASSY500の固定部材503のボス部505をベースASSY600の開口部611に挿入する。
【0076】
このとき、ベースASSY600の開口部611が、固定部材503のボス部505と嵌合するので、固定部材503がベースASSY600の開口部611の中央へ来るように案内される。
図18および
図19に示すように、この状態で、スライド板630にレンズ鏡筒の自重などの外力が掛かると、スライド板630は固定部材503に押されて、ベースASSY600の底面側へ押し付けられる。このとき、本体部632が第1の向きに移動した状態においてロック円板650本体への係合を解消してロック円板650本体の回転を解放する。即ち、ロック円板650の回転規制に掛かっていたスライド板630の係合部631が回転規制から外れて、ロック円板650が回転可能な状態となる。
図20に示すように、ロック円板650にはバネ670から図示された矢印の方向に回転力が伝わっているので、ロック円板650の爪部652が固定部材503の開口部505に進出して係止する。したがって、固定部材503をベースASSY600の底面側に引き込む力が発生する。これにより、リングASSY500が、ベースASSY600に引き付けられ、固着される。
【0077】
更に、
図21に示すように、上記状態において、ノブ750を回して、ロック円板650を押さえつけると、ノブ750の先端部751がロック円板650本体に当接してロック円板650本体の回転を規制する。このため、誤ってレバー部651に触れて、ロックが解除されることを防止することができる。
【0078】
(取り外し時)
リングASSY500をベースASSY600から取り外す場合には、まずノブ750を緩めて、ノブ750による回転規制を解除する。次に、ロック円板650のレバー部651を押し下げれば、ロックが解放状態となるため、リングASSY500をそのまま持ち上げれば、ベースASSY600から取り外すことができる。
【0079】
本実施形態の構成によれば、レンズ鏡筒の自重などの装着時の外力により、第2の三脚座ユニット(リングASSY)の第1の三脚座ユニット(ベースASSY)への装着をワンアクションで行うことができる。また、レバー部651を操作するだけで、第1の三脚座ユニットと第2の三脚座ユニットの係止を解除することができ、第2の三脚座ユニットを第1の三脚座ユニットから簡単に取り外すことができる。従って、着脱の操作性、携帯性、収納性の高い三脚座を提供することができる。
【0080】
(請求項との対応関係)
実施形態中の「ベースASSY」、「リングASSY」は、それぞれ、請求項中の「第1の三脚座ユニット」、「第2の三脚座ユニット」に相当する。実施形態中の「ベースプレート」および「スライド板」は、請求項中の「第1部材」に相当する。実施形態中の「固定プレート」および「ロック円板」は、請求項中の「第2部材」に相当する。実施形態中の「リブ」、「抜け止めビス」は、それぞれ、請求項中の「第1の当接部」、「第2の当接部」に相当する。
【0081】
〔まとめ〕
前述の実施形態1および実施形態2において、三脚座は、三脚に着脱可能に装着される第1の三脚座ユニット(ベースASSY、100、600)と、第1の三脚座ユニットに着脱可能に装着され、レンズ鏡筒を装着可能な第2の三脚座ユニットと、を備え、第2の三脚座ユニットは、第1の三脚座ユニットに着脱可能に固定される固定部材(420、503)を備え、第1の三脚座ユニットは、固定部材によって押圧されて第1の方向へ移動可能な第1の部材(130、630)と、第1の部材の第1の方向への移動に連動して第1の部材を押圧する固定部材を、第1の方向に交差する第2の方向に沿って進出して係止する第2の部材(150、650)と、を備える。
【0082】
前記の構成によれば、レンズ鏡筒の自重等外力によりワンアクションで第2の三脚座ユニットを第1の三脚座ユニットに装着し固定することができる。また、第2の部材の係止を解除することで、簡単に、第2の三脚座ユニットを第1の三脚座ユニットから取り外すことができる、着脱の操作性の良い三脚座を提供することができる。
【0083】
また、三脚座ユニットは、三脚に着脱可能に装着可能であり、かつ、レンズ鏡筒を装着可能な第2の三脚座ユニットを着脱可能に装着可能な三脚座ユニットであって、第2の三脚座ユニットが有する固定部材によって押圧されて第1の方向へ移動可能な第1の部材と、第1の部材の第1の方向への移動に連動して第1の部材を押圧する固定部材を、第1の方向に交差する第2の方向に沿って進出して係止する第2の部材と、を備える。
【0084】
前記の構成によれば、上記三脚座と同様の効果を得ることができる。
【0085】
また、前述の実施形態1において、固定部材(420)は、第2の方向に沿って突き出ているアリ形状を有するアリ部(422)を備え、第2の部材(150)は、アリ部に嵌合する第2の方向に沿って窪んでいるアリ溝部(155)を備えてもよい。
前記の構成によれば、アリ部とアリ溝を嵌合することで、特別な機構を備えなくとも、着脱の操作性の良い三脚座を提供することができる。
【0086】
また、固定部材は、第2の方向に沿った両端に、それぞれ第1のアリ部(422A)及び第2のアリ部(422B)を備え、第1の部材は、第1の方向に沿って移動する固定部材に当接し、第1の方向に沿って移動可能なプレート部(131)を備え、第2の部材は、第1の方向においてプレート部を支持し、第1のアリ部に嵌合する第1のアリ溝部を備えた第1の固定プレート部と、第1の方向においてプレート部を支持し、第2のアリ部に嵌合する第2のアリ溝部とを備えた第2の固定プレート部と、を備え、第1の固定プレート部及び第2の固定プレート部は、プレート部が第1の向きに移動することにより、第2の方向において互いに近接する向きに移動することによって固定部材を係止してもよい。
【0087】
前記の構成によれば、アリ溝部を有する互いに近接する向きに移動する2つの固定プレート部によって固定部材を係止することができるため、特別な機構を備えなくとも、着脱の操作性の良い三脚座を提供することができる。
【0088】
また、第1の部材は、プレート部の底面から第1の向きに沿って延伸するボス部(132)を備え、第2の三脚座ユニットは、第2の部材が固定部材を係止した状態において、ボス部を係止するロック板(280)を備えていてもよい。
前記の構成によれば、ボス部をロック板で係止することにより、特別な機構を備えなくとも、着脱性の良い三脚座を提供することができる。
【0089】
また、第1方向および第2方向に交差する第3の方向に沿って外部から押圧可能であり、第3の方向においてロック板を保持するとともに、第3の方向に沿ってロック板がボス部をロックする方向へ付勢されているホルダ(300)をさらに有してもよい。
【0090】
前記の構成によれば、ホルダを付勢されている方向とは反対方向に押圧することにより、第2の三脚座ユニットを第1の三脚座ユニットから取り外すことができる。
【0091】
また、ボス部の先端部には、第1の螺合部(雄ネジ134)が設けられており、第2の三脚座ユニットは、前記ユニットの外部から挿入されているとともに、第1の螺合部に螺合する第2の螺合部(雌ネジ321)を有するノブ(320)を備えていてもよい。
【0092】
前記の構成によれば、第1の当接部と第2の当接部が嵌合することにより、第1の三脚座ユニットと第2の三脚座ユニットを簡便に固定することができる。
【0093】
また、前述の実施形態2において、
本発明の1態様に係る三脚座では、固定部材(503)は、第1の向きに延伸する形状を有するとともに第2の方向に向けて開口する開口部(506)を有し、第2の部材(650)は、第2の方向に沿って開口部に進入して係止する爪部(652)を備えていてもよい。
【0094】
前記の構成によれば、固定部材に設けられた開口部に第2の部材に設けられた爪部が進入して係止することにより第1の三脚座ユニットと第2の三脚座ユニットを簡便に固定することができる。
【0095】
また、第2の部材は、第2の方向に垂直な第3の方向に沿った回転軸(690)の周りに回転可能に設けられたロック円板(650)本体と、ロック円板本体から突出する爪部とを備え、第1の部材は、第1の方向に沿って移動する固定部材に当接して第1の方向に沿って移動可能な本体部(632)と、本体部に接続された係合部(631)とを備え、係合部は、本体部が第1の向きに移動していない状態において、ロック円板本体に係合して、爪部を開口部に挿入可能な位置にあるロック円板本体の回転を規制し、本体部が第1の向きに移動した状態においてロック円板本体への係合を解消してロック円板本体の回転を解放してもよい。
【0096】
前記の構成によれば、ロック円板本体の回転の規制および規制の解放により、特別な機構を備えなくとも、着脱の操作性の良い三脚座を提供することができる。
【0097】
また、第1の三脚座ユニットは、三脚座ユニットの外部から挿入されているとともにロック円板本体に当接してロック円板本体の回転を規制するノブ(750)を備えていてもよい。
【0098】
前記の構成によれば、ノブを回すことによって、第1の三脚座ユニットと第2の三脚座ユニットを強固に固定することができる。
【0099】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
1、2 三脚座
100、600 ベースASSY(第1の三脚座ユニット)
110、610 三脚座ベース
111、506、611 開口部
113 収納溝
130 ベースプレート(第1の部材)
132、505 ボス部
133 傾斜溝
134 雄ネジ(第1の螺合部)
135 リブ
150 固定プレート(第2の部材)
155 アリ溝
190 ワッシャー
240 ベースガイド
280 ロック板
300 ホルダ
301 押圧面
320、750 ノブ
321 雌ネジ(第2の螺合部)
400、500 リングASSY(第2の三脚座ユニット)
410、501 三脚座リング
411、502 ボス座
420、503 固定部材
422 アリ部
504 フランジ部
611 収納溝
630 スライド板
631 係合部
632 本体部
650 ロック円板
651 レバー部
652 爪部
690 ロック円板軸
751 先端部