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特許7441709生産効率化システム、生産効率化サーバ及び生産効率化プログラム
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  • 特許-生産効率化システム、生産効率化サーバ及び生産効率化プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】生産効率化システム、生産効率化サーバ及び生産効率化プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20240222BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020067531
(22)【出願日】2020-04-03
(65)【公開番号】P2021163404
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蒔田 喜之
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-108255(JP,A)
【文献】特開2001-338168(JP,A)
【文献】国際公開第2018/198246(WO,A1)
【文献】特開2003-316860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバコンピュータと、前記サーバコンピュータと通信可能なクライアントコンピュータと、
を備え、
前記クライアントコンピュータは、
生産ラインに現在存在しているハードウェア資源の情報である設備情報の入力を受け付け、前記サーバコンピュータに送信する、設備情報入力部と、
前記生産ラインで生産しようとしている電子デバイスの仕様の入力を受け付け、前記サーバコンピュータに送信する、電子デバイス仕様入力部と、
を備え、
前記サーバコンピュータは、
前記仕様に基づいて、1つ又は複数の生産プログラムを生成する、生産プログラム生成部と、
前記1つ又は複数の生産プログラムに関する生産プログラム情報を前記クライアントコンピュータに送信する、生産プログラム情報送信部と、
を備え、
前記クライアントコンピュータは、
前記1つ又は複数の生産プログラムの内の1つを選択する生産プログラム選択情報の入力を受け付け、前記サーバコンピュータに送信する、生産プログラム選択情報入力部
を備え、
前記サーバコンピュータは、
選択された生産プログラムを前記クライアントコンピュータに送信する、生産プログラム送信部
を備える、生産効率化システム。
【請求項2】
前記1つ又は複数の生産プログラムは、
前記生産ラインに現在存在しているハードウェア資源だけを用いて実行できる第1の生産プログラムを含む、
請求項1に記載の生産効率化システム。
【請求項3】
前記生産プログラム情報は、
前記生産ラインに現在存在しているハードウェア資源だけでは生産を完了できない場合には、前記第1の生産プログラムの実行による前記生産ラインでの実装予測時間と、前記生産ラインの外での手実装の作業予測時間と、を含む第1の生産予測時間を含む、
請求項2に記載の生産効率化システム。
【請求項4】
前記1つ又は複数の生産プログラムは、
ハードウェア資源を前記生産ラインに追加することにより前記生産ラインだけで生産を完了できる第2の生産プログラムを含む、
請求項1に記載の生産効率化システム。
【請求項5】
前記生産プログラム情報は、
前記第2の生産プログラムの実行によって行われる生産の第2の生産予測時間を含む、
請求項4に記載の生産効率化システム。
【請求項6】
前記生産プログラム情報は、
不足しているハードウェア資源のリース料金、リースの可否、又は、リース在庫の情報を含む、
請求項4に記載の生産効率化システム。
【請求項7】
前記生産プログラム情報は、
不足しているハードウェア資源の販売料金、販売の可否、又は、販売在庫の情報を含む、
請求項4に記載の生産効率化システム。
【請求項8】
前記クライアントコンピュータは、
前記不足しているハードウェア資源を発注する発注情報の入力を受け付け、前記サーバコンピュータに送信する、設備発注情報入力部
を更に備える、
請求項6又は7に記載の生産効率化システム。
【請求項9】
クライアントコンピュータと通信可能なサーバであって、
生産ラインに現在存在しているハードウェア資源の情報である設備情報を前記クライアントコンピュータから取得する、設備情報取得部と、
前記生産ラインで生産しようとしている電子デバイスの仕様を前記クライアントコンピュータから取得する、電子デバイス仕様取得部と、
前記仕様に基づいて、1つ又は複数の生産プログラムを生成する、生産プログラム生成部と、
前記1つ又は複数の生産プログラムに関する生産プログラム情報を前記クライアントコンピュータに送信する、生産プログラム情報送信部と、
前記1つ又は複数の生産プログラムの内の選択された生産プログラムを前記クライアントコンピュータに送信する、生産プログラム送信部と、
を備える、生産効率化サーバ。
【請求項10】
クライアントコンピュータと通信可能なサーバコンピュータで実行されるプログラムであって、
生産ラインに現在存在しているハードウェア資源の情報である設備情報を前記クライアントコンピュータから取得するステップと、
前記生産ラインで生産しようとしている電子デバイスの仕様を前記クライアントコンピュータから取得するステップと、
前記仕様に基づいて、1つ又は複数の生産プログラムを生成するステップと、
前記1つ又は複数の生産プログラムに関する生産プログラム情報を前記クライアントコンピュータに送信するステップと、
前記1つ又は複数の生産プログラムの内の1つを選択する生産プログラム選択情報を前記クライアントコンピュータから取得するステップと、
選択された生産プログラムを前記クライアントコンピュータに送信するステップと、
を備える、生産効率化プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産効率化システム、生産効率化サーバ及び生産効率化プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスを生産する生産システムにおいて、複数の実装装置により生産ラインが構築される。基板が生産ラインに搬入され、電子部品が実装装置によって基板に実装される。
【0003】
特許文献1には、生産設備を構成する工作機械をレンタルする提案を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-123768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実装装置は、生産プログラムを実行することにより、電子部品を基板に実装する。電子デバイス製造事業者は、生産プログラム生成プログラムをコンピュータ上で実行することにより、生産プログラムを生成できる。生産プログラム生成プログラムの導入には、費用が必要である。従って、生産プログラム生成プログラムを導入せずに済めば、コスト面での効率化が図れる。
【0006】
本発明の態様は、電子デバイスの生産を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様に従えば、サーバコンピュータと、前記サーバコンピュータと通信可能なクライアントコンピュータと、を備え、前記クライアントコンピュータは、生産ラインに現在存在しているハードウェア資源の情報である設備情報の入力を受け付け、前記サーバコンピュータに送信する、設備情報入力部と、前記生産ラインで生産しようとしている電子デバイスの仕様の入力を受け付け、前記サーバコンピュータに送信する、電子デバイス仕様入力部と、を備え、前記サーバコンピュータは、前記仕様に基づいて、1つ又は複数の生産プログラムを生成する、生産プログラム生成部と、前記1つ又は複数の生産プログラムに関する生産プログラム情報を前記クライアントコンピュータに送信する、生産プログラム情報送信部と、を備え、前記クライアントコンピュータは、前記1つ又は複数の生産プログラムの内の1つを選択する生産プログラム選択情報の入力を受け付け、前記サーバコンピュータに送信する、生産プログラム選択情報入力部を備え、前記サーバコンピュータは、選択された生産プログラムを前記クライアントコンピュータに送信する、生産プログラム送信部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の態様によれば、電子デバイスの生産が効率化される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る生産効率化システムを示す図である。
図2図2は、実施形態に係る実装装置の一例を模式的に示す平面図である。
図3図3は、実施形態に係る実装ヘッドの一例を模式的に示す図である。
図4図4は、実施形態に係る生産効率化方法を示すフローチャートである。
図5図5は、実施形態に係るコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明は実施形態に限定されない。
【0011】
[生産効率化システム]
図1は、実施形態に係る生産効率化システムを示す図である。図1に示すように、生産効率化システム1は、クライアントコンピュータ11と、サーバコンピュータ21と、を含む。クライアントコンピュータ11は、電子デバイス製造企業10に設置されている。サーバコンピュータ21は、実装装置製造販売企業20に設置されている。
【0012】
クライアントコンピュータ11とサーバコンピュータ21とは、ネットワークNを介して通信可能に接続されている。ネットワークNは、インターネットが例示されるが、本開示はこれに限定されない。クライアントコンピュータ11とサーバコンピュータ21とは、インターネット上に構築されたVPN(Virtual Private Network)を介して通信可能であっても良い。
【0013】
電子デバイス製造企業10には、検査装置2と、実装装置3と、検査装置4と、が設置されている。検査装置2、実装装置3及び検査装置4により、電子デバイスの生産ライン6が構築される。
【0014】
生産ライン6において、実装装置3は、複数設けられる。実施形態において、実装装置3は、実装装置3Aと、実装装置3Bと、実装装置3Cとを含むこととするが、本開示はこれに限定されない。実装装置3の数は、2個以下又は4個以上であっても良い。
【0015】
生産ライン6において基板Pが搬送される。生産ライン6において基板Pが搬送されることにより、電子デバイスが生産される。実施形態において、生産ライン6の先頭装置は、検査装置2である。生産ライン6の後尾装置は、検査装置4である。基板Pは、検査装置2に搬入された後、複数の実装装置3(3A,3B,3C)のそれぞれに順次搬送される。複数の実装装置3(3A,3B,3C)は、基板Pに電子部品Cを順次実装する。実装装置3において電子部品Cが実装された基板Pは、検査装置4から搬出される。
【0016】
基板Pが生産ライン6に搬入される前に、印刷機により基板Pにクリーム半田が印刷される。クリーム半田が印刷された基板Pが、検査装置2に搬入される。なお、印刷機の図示は省略する。
【0017】
検査装置2は、電子部品Cが実装される前の基板Pの印刷状態を検査する半田印刷検査装置(SPI:Solder Paste Inspection)を含む。
【0018】
実装装置3は、クリーム半田が印刷された基板Pに電子部品Cを実装する。電子部品Cが実装された基板Pは、リフロー炉において加熱される。リフロー炉において基板Pが加熱されることにより、クリーム半田が溶ける。溶けたクリーム半田が冷却されることにより、電子部品Cが基板Pに半田付けされる。なお、リフロー炉の図示は省略する。
【0019】
検査装置4は、電子部品Cが実装された後の基板Pの状態を検査する基板外観検査装置(AOI:Automated Optical Inspection)を含む。
【0020】
検査装置2、実装装置3、検査装置4及びクライアントコンピュータ11は、ネットワークLを介して、通信可能に接続されている。ネットワークLは、Ethernet(登録商標)、無線LAN(IEEE802.11a/b/g/n/ac/ad/ax)が例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0021】
クライアントコンピュータ11は、生産ライン6を制御する。クライアントコンピュータ11は、生産プログラムを実装装置3に送信する。実装装置3は、クライアントコンピュータ11から受信した生産プログラムを実行し、電子デバイスを生産する。
【0022】
[実装装置]
図2は、実施形態に係る実装装置の一例を模式的に示す平面図である。実装装置3は、電子部品Cを基板Pに実装する。実装装置3は、ベース部材31と、基板Pを搬送する基板搬送装置32と、電子部品Cを供給する電子部品供給装置33と、ノズル34を有する実装ヘッド35と、実装ヘッド35を移動するヘッド移動装置36と、ノズル34を移動するノズル移動装置37とを備える。
【0023】
ベース部材31は、基板搬送装置32、電子部品供給装置33、実装ヘッド35、ヘッド移動装置36及びノズル移動装置37を支持する。
【0024】
基板搬送装置32は、基板Pを実装位置DMに搬送する。実装位置DMは、基板搬送装置32の搬送経路に規定される。基板搬送装置32は、基板Pを搬送する搬送ベルト32Bと、基板Pをガイドするガイド部材32Gと、基板Pを保持する保持部材32Hとを有する。搬送ベルト32Bは、アクチュエータの作動により移動して、基板Pを搬送方向に搬送する。また、不図示の昇降機構により、保持部材32Hと基板Pと搬送ベルト32Bとが上下方向に移動する。基板Pは、実装位置DMに移動した後、昇降機構により上昇して、搬送ベルト32Bとガイド部材32Gとに挟持される。実装ヘッド35は、実装位置DMに配置された基板Pの表面に電子部品Cを実装する。
【0025】
電子部品供給装置33は、電子部品Cを供給位置SMに供給する。電子部品供給装置33は、複数のテープフィーダ33Fを含む。テープフィーダ33Fは、複数の電子部品Cを保持する。電子部品供給装置33は、複数の電子部品Cのうち少なくとも1つの電子部品Cを供給位置SMに供給する。電子部品供給装置33は、基板搬送装置32の両側に配置される。なお、電子部品供給装置33は、基板搬送装置32の片側のみに配置されてもよい。
【0026】
実装ヘッド35は、電子部品供給装置33から供給された電子部品Cをノズル34で保持して基板Pに実装する。実装ヘッド35は、複数のノズル34を有する。実装ヘッド35は、電子部品供給装置33から電子部品Cが供給される供給位置SMと、基板Pが配置されている実装位置DMとの間を移動可能である。実装ヘッド35は、供給位置SMに供給された電子部品Cをノズル34で保持して、実装位置DMに移動した後、実装位置DMに配置されている基板Pに電子部品Cを実装する。
【0027】
ヘッド移動装置36は、実装ヘッド35を移動可能である。ヘッド移動装置36は、実装ヘッド35を水平面内の第1軸方向に移動する第1軸移動装置36Xと、実装ヘッド35を第1軸方向と直交する水平面内の第2軸方向に移動する第2軸移動装置36Yとを有する。第1軸移動装置36X及び第2軸移動装置36Yのそれぞれは、アクチュエータを含む。第1軸移動装置36Xは、実装ヘッド35に連結される。第1軸移動装置36Xの作動により、実装ヘッド35が第1軸方向に移動する。第2軸移動装置36Yは、第1軸移動装置36Xを介して実装ヘッド35に連結される。第2軸移動装置36Yの作動により第1軸移動装置36Xが第2軸方向に移動することによって、実装ヘッド35が第2軸方向に移動する。
【0028】
また、実装装置3は、供給位置SMに供給される電子部品Cを検出する部品センサ38を備える。
【0029】
部品センサ38は、複数のテープフィーダ33Fのそれぞれに設けられる。部品センサ38は、供給位置SMに供給された電子部品Cを検出することによって、テープフィーダ33Fに残っている電子部品Cの数を示す残数を検出する。また、部品センサ38は、供給位置SMに供給される電子部品Cを検出することによって、テープフィーダ33Fにおいて電子部品Cが無くなったことを検出する。
【0030】
図3は、実施形態に係る実装ヘッドの一例を模式的に示す図である。図3に示すように、実装ヘッド35は、複数のノズル34を有する。ノズル34は、電子部品Cを着脱可能に保持する。ノズル34は、電子部品Cを吸着保持する吸引ノズルである。ノズル34の先端部34Tに開口が設けられる。ノズル34の開口は、真空システムと接続される。ノズル34の先端部34Tと電子部品Cとが接触した状態で、ノズル34の先端部34Tに設けられた開口からの吸引動作が実施されることにより、ノズル34の先端部34Tに電子部品Cが吸着保持される。開口からの吸引動作が解除されることにより、ノズル34から電子部品Cが解放される。
【0031】
ノズル移動装置37は、ノズル34を水平面と直交する第3軸方向及び第3軸を中心とする回転方向のそれぞれに移動可能である。ノズル移動装置37は、実装ヘッド35に支持される。ノズル34は、シャフト34Sの下端部に接続される。シャフト34Sは、複数設けられる。複数のノズル34は、複数のシャフト34Sのそれぞれに接続される。ノズル移動装置37は、複数設けられる。複数のノズル移動装置37は、複数のシャフト34Sのそれぞれに接続される。ノズル34は、シャフト34S及びノズル移動装置37を介して実装ヘッド35に支持される。ノズル移動装置37は、シャフト34Sを第3軸方向及び第3軸を中心とする回転方向に移動することによって、ノズル34を移動する。
【0032】
ノズル34は、ヘッド移動装置36及びノズル移動装置37により、第1軸方向、第2軸方向、第3軸方向、及び第3軸と中心とする回転方向に移動可能である。ノズル34が移動することにより、ノズル34に保持されている電子部品Cも、第1軸方向、第2軸方向、第3軸方向、及び第3軸を中心とする回転方向に移動可能である。
【0033】
なお、ノズル34は、電子部品Cを挟んで保持する把持ノズルでもよい。
【0034】
[クライアントコンピュータ及びサーバコンピュータ]
再び図1を参照すると、クライアントコンピュータ11は、設備情報入力部13と、電子デバイス仕様入力部14と、生産プログラム選択情報入力部15と、生産プログラム取得部16と、設備発注情報入力部17と、記憶部18と、を含む。設備情報入力部13、電子デバイス仕様入力部14、生産プログラム選択情報入力部15、生産プログラム取得部16及び設備発注情報入力部17は、Webブラウザ12で実現されることとするが、本開示はこれに限定されない。
【0035】
サーバコンピュータ21は、設備情報取得部22と、電子デバイス仕様取得部23と、生産プログラム生成部24と、生産プログラム情報送信部25と、生産プログラム送信部26と、設備発注情報取得部27と、記憶部28と、を含む。設備情報取得部22、電子デバイス仕様取得部23、生産プログラム生成部24、生産プログラム情報送信部25、生産プログラム送信部26及び設備発注情報取得部27は、IIS(Internet Information Services)、Apache(登録商標)等で実現されることが例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0036】
クライアントコンピュータ11の設備情報入力部13は、電子デバイス製造企業10に現在存在する設備の情報である設備情報の入力を受け付け、サーバコンピュータ21の設備情報取得部22に送信する。設備情報取得部22は、設備情報を設備情報入力部13から受信して、記憶部28に記憶させる。
【0037】
本開示において、設備は、電子デバイス製造企業10の建屋に設置されている実装装置3本体の他、実装装置3で使用される備品、消耗品等を含むハードウェア資源全般を指すものとする。備品は、テープフィーダ33F、ノズル34、実装ヘッド35、トレイ供給機が例示されるが、本開示はこれに限定されない。消耗品は、搬送ベルト32Bが例示されるが、本開示はこれに限定されない。設備情報は、設備の型番及び数量を含むことが例示されるが、本開示はこれに限定されない。設備は、型番が特定されれば、サイズ等が一意に特定される。
【0038】
なお、設備情報が既にサーバコンピュータ21の記憶部28に記憶されている場合には、設備情報入力部13は、設備情報の入力受付及び送信を省略し、設備情報取得部22は、設備情報の受信及び記憶を省略することとしても良い。
【0039】
クライアントコンピュータ11の電子デバイス仕様入力部14は、生産ライン6で生産しようとしている電子デバイスの仕様の入力を受け付け、サーバコンピュータ21の電子デバイス仕様取得部23に送信する。電子デバイス仕様取得部23は、電子デバイスの仕様を電子デバイス仕様入力部14から受信して、記憶部28に記憶させる。
【0040】
電子デバイスの仕様は、基板Pの形状及びサイズ、並びに、電子部品Cの型番、数量及び基板P上での実装位置等が例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0041】
なお、電子デバイスの仕様が既にサーバコンピュータ21の記憶部28に記憶されている場合には、電子デバイス仕様入力部14は、電子デバイスの仕様の入力受付及び送信を省略し、電子デバイス仕様取得部23は、電子デバイスの仕様の受信及び記憶を省略することとしても良い。
【0042】
サーバコンピュータ21の生産プログラム生成部24は、記憶部28に記憶されている電子デバイスの仕様に基づいて、1つ又は複数の生産プログラムを生成する。生産プログラム生成部24は、既存の生産プログラム生成プログラムで実現可能である。
【0043】
生産プログラム生成部24が生成する1つ又は複数の生産プログラムは、例えば、次の第1から第3の生産プログラムのいずれかを含むことが例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0044】
第1に、生産プログラム生成部24は、生産ライン6に現在存在している設備だけを用いて実行できる、第1の生産プログラムを生成しても良い。このとき、生産ライン6だけで生産を完了できる場合には、生産プログラム生成部24は、第1の生産プログラムの実行によって行われる生産の、第1の生産予測時間を算出しても良い。一方、設備の不足により生産ライン6だけでは生産を完了できない場合には、生産プログラム生成部24は、第1の生産プログラムの実行による生産ライン6での実装予測時間と、生産ライン6の外での手実装の作業予測時間を含む第1の生産予測時間を算出しても良い。この第1の生産プログラムは、設備を追加しなくて良いので、コスト優先の生産プログラムである。
【0045】
第2に、生産プログラム生成部24は、設備を生産ライン6に追加することにより生産ライン6だけで生産を完了できる、第2の生産プログラムを生成しても良い。なお、生産プログラム生成部24は、第2の生産プログラムの実行によって行われる生産の、第2の生産予測時間を算出しても良い。また、生産プログラム生成部24は、不足している設備のリース料金を算出しても良い。また、生産プログラム生成部24は、不足している設備のリースの可否又は手持ちリース在庫を算出しても良い。この第2の生産プログラムは、生産効率優先を前提とし、更にコスト優先も考慮した生産プログラムである。
【0046】
第3に、生産プログラム生成部24は、設備を生産ライン6に追加することにより生産ライン6だけで生産を完了できる、第3の生産プログラム(第2の生産プログラムと同じであっても良い)を生成しても良い。なお、生産プログラム生成部24は、第3の生産プログラムの実行によって行われる生産の、第3の生産予測時間(第2の生産予測時間と同じであっても良い)を算出しても良い。また、生産プログラム生成部24は、不足している設備の販売料金を算出しても良い。また、生産プログラム生成部24は、不足している設備の販売の可否又は手持ち販売在庫を算出しても良い。この第3の生産プログラムは、生産効率優先の生産プログラムである。
【0047】
サーバコンピュータ21の生産プログラム情報送信部25は、1つ又は複数の生産プログラムに関する生産プログラム情報を、クライアントコンピュータ11の生産プログラム選択情報入力部15に送信する。
【0048】
生産プログラム情報は、第1の生産プログラムの情報及び第1の生産予測時間の情報と、第2の生産プログラムの情報、第2の生産予測時間の情報、並びに、不足している設備のリースの可否、手持ち在庫及びリース料金の情報と、第3の生産プログラムの情報、第3の生産予測時間の情報、並びに、不足している設備の購入の可否、手持ち在庫及び購入料金の情報と、を含むことが例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0049】
クライアントコンピュータ11の生産プログラム選択情報入力部15は、生産プログラム情報を表示し、1つ又は複数の生産プログラムの内の1つを選択することを促す。詳しくは、生産プログラム選択情報入力部15は、第1の生産プログラムの情報及び第1の生産予測時間の情報と、第2の生産プログラムの情報、第2の生産予測時間の情報、並びに、不足している設備のリースの可否、手持ち在庫及びリース料金の情報と、第3の生産プログラムの情報、第3の生産予測時間の情報、並びに、不足している設備の購入の可否、手持ち在庫及び購入料金の情報と、をWebブラウザ12内に表示し、第1から第3の生産プログラムの内の1つを選択することをユーザに促す。また、生産プログラム選択情報入力部15は、不足している設備を発注することをユーザに促す。
【0050】
クライアントコンピュータ11の生産プログラム選択情報入力部15は、1つ又は複数の生産プログラムの内の1つを選択する生産プログラム選択情報の入力を受け付け、サーバコンピュータ21の生産プログラム送信部26に送信する。
【0051】
サーバコンピュータ21の生産プログラム送信部26は、生産プログラム選択情報を受信したら、選択された生産プログラムを、クライアントコンピュータ11の生産プログラム取得部16に送信する。生産プログラム取得部16は、選択された生産プログラムを生産プログラム送信部26から受信し、記憶部18に記憶させる。記憶部18に記憶された生産プログラムは、実装装置3に送信されて実行される。
【0052】
クライアントコンピュータ11の設備発注情報入力部17は、生産プログラム情報の表示と共に促された、不足している設備を発注(リース又は購入)する発注情報の入力を受け付け、サーバコンピュータ21の設備発注情報取得部27に送信する。設備発注情報取得部27は、発注情報を設備発注情報入力部17から取得し、記憶部28に記憶させるとともに、倉庫40のコンピュータ41に送信する。コンピュータ41は、発注情報を受信したら、受注した設備を運搬車Tに配達させる手配を行う。
【0053】
[生産効率化方法]
図4は、実施形態に係る生産効率化方法を示すフローチャートである。クライアントコンピュータ11の設備情報入力部13は、電子デバイス製造企業10に現在存在している設備の情報である設備情報の入力を受け付け、サーバコンピュータ21の設備情報取得部22に送信する(ステップS1)。サーバコンピュータ21の設備情報取得部22は、設備情報を設備情報入力部13から受信して、記憶部28に記憶させる。
【0054】
クライアントコンピュータ11の電子デバイス仕様入力部14は、生産ライン6で生産しようとしている電子デバイスの仕様の入力を受け付け、サーバコンピュータ21の電子デバイス仕様取得部23に送信する(ステップS2)。サーバコンピュータ21の電子デバイス仕様取得部23は、電子デバイスの仕様を電子デバイス仕様入力部14から受信して、記憶部28に記憶させる。
【0055】
サーバコンピュータ21の生産プログラム生成部24は、記憶部28に記憶されている電子デバイスの仕様に基づいて、1つ又は複数の生産プログラムを生成する(ステップS3)。
【0056】
サーバコンピュータ21の生産プログラム情報送信部25は、1つ又は複数の生産プログラムに関する生産プログラム情報を、クライアントコンピュータ11の生産プログラム選択情報入力部15に送信する(ステップS4)。クライアントコンピュータ11の生産プログラム選択情報入力部15は、生産プログラム情報を表示し、1つ又は複数の生産プログラムの内の1つを選択することを促す。
【0057】
クライアントコンピュータ11の生産プログラム選択情報入力部15は、1つ又は複数の生産プログラムの内の1つを選択する生産プログラム選択情報の入力を受け付け、サーバコンピュータ21の生産プログラム送信部26に送信する(ステップS5)。
【0058】
サーバコンピュータ21の生産プログラム送信部26は、生産プログラム選択情報を受信したら、選択された生産プログラムを、クライアントコンピュータ11の生産プログラム取得部16に送信する(ステップS6)。生産プログラム取得部16は、選択された生産プログラムを生産プログラム送信部26から受信し、記憶部18に記憶させる。
【0059】
クライアントコンピュータ11の設備発注情報入力部17は、1つ又は複数の生産プログラムと共に提示された設備を発注(リース又は購入)する発注情報の入力を受け付け、サーバコンピュータ21の設備発注情報取得部27に送信する(ステップS7)。
【0060】
サーバコンピュータ21の設備発注情報取得部27は、発注情報をクライアントコンピュータ11の設備発注情報入力部17から取得し、記憶部28に記憶させるとともに、倉庫40のコンピュータ41に送信する(ステップS8)。
【0061】
コンピュータ41は、発注情報を受信したら、受注した設備を運搬車Tに配達させる手配を行う(ステップS9)。
【0062】
[コンピュータシステム]
図5は、実施形態に係るコンピュータシステムを示すブロック図である。上述のクライアントコンピュータ11、サーバコンピュータ21及びコンピュータ41の各々は、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。クライアントコンピュータ11、サーバコンピュータ21及びコンピュータ41のそれぞれの機能は、プログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、プログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、プログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0063】
プログラムは、上述の実施形態に従って、コンピュータシステム1000に、設備情報の入力を受け付けることと、電子デバイスの仕様の入力を受け付けることと、電子デバイスの仕様に基づいて生産プログラムを生成することと、生産プログラム選択情報の入力を受け付けることと、選択された生産プログラムを送信することと、発注情報の入力を受け付けることと、を実行させることができる。
【0064】
[効果]
以上説明したように、生産プログラムがサーバコンピュータ21で生成され、クライアントコンピュータ11に送信される。クライアントコンピュータ11に生産プログラム生成プログラムを導入せずに済むので、コスト面での効率化が図れる。
【0065】
生産ライン6に現在存在している設備だけを用いて実行できる第1の生産プログラム、設備を生産ライン6に追加することにより生産ライン6だけで生産を完了できる、第2及び第3の生産プログラムがサーバコンピュータ21で生成され、クライアントコンピュータ11に送信される。ユーザは、コストを勘案して生産プログラムを選択できるので、コスト面での効率化が図れる。
【0066】
不足している設備の情報がサーバコンピュータ21からクライアントコンピュータ11に送信され、表示される。ユーザは、不足している設備を容易に把握できるので、作業の効率化が図れる。
【0067】
不足している設備を発注(リース又は購入)する発注情報がクライアントコンピュータ11からサーバコンピュータ21に送信される。生産プログラムの生成から設備の発注までのワンストップサービスが可能となるので、利便性の面で効率化が図れる。
【0068】
<その他の実施形態>
クライアントコンピュータ11が、生産予測時間に対して、実際に生産に掛かった実時間の入力を受け付け、サーバコンピュータ21に送信し、サーバコンピュータ21が、生産予測時間と実時間とを蓄積し、AI(Artificial Intelligence)技術を用いて、より効率が高い生産プログラムの生成や、より精度が高い生産予測時間の算出を図ることとしても良い。
【符号の説明】
【0069】
1…生産効率化システム、2…検査装置、3…実装装置、3A…実装装置、3B…実装装置、3C…実装装置、4…検査装置、6…生産ライン、11…クライアントコンピュータ、12…Webブラウザ、13…設備情報入力部、14…電子デバイス仕様入力部、15…生産プログラム選択情報入力部、16…生産プログラム取得部、17…設備発注情報入力部、18…記憶部、21…サーバコンピュータ、22…設備情報取得部、23…電子デバイス仕様取得部、24…生産プログラム生成部、25…生産プログラム情報送信部、26…生産プログラム送信部、27…設備発注情報取得部、28…記憶部、41…コンピュータ、1000…コンピュータシステム、1001…プロセッサ、1002…メインメモリ、1003…ストレージ、1004…インターフェース、P…基板。
図1
図2
図3
図4
図5