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特許7441729情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20240222BHJP
   E03F 5/02 20060101ALI20240222BHJP
   E03F 5/22 20060101ALI20240222BHJP
   F04D 15/00 20060101ALI20240222BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240222BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20240222BHJP
   G09G 5/26 20060101ALI20240222BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
G05B23/02 301Q
G05B23/02 301Z
E03F5/02
E03F5/22
F04D15/00 Z
G09G5/00 510C
G09G5/02 Z
G09G5/26 630B
G09G5/36 100
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020094993
(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公開番号】P2021189795
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】清水 寛正
(72)【発明者】
【氏名】植田 省吾
(72)【発明者】
【氏名】中川 浩一
【審査官】稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-117886(JP,A)
【文献】特開2018-106577(JP,A)
【文献】特開2011-175437(JP,A)
【文献】特開2011-039676(JP,A)
【文献】特開2019-003427(JP,A)
【文献】特開2011-008627(JP,A)
【文献】特開2003-050883(JP,A)
【文献】特開平08-036682(JP,A)
【文献】特開平01-320508(JP,A)
【文献】特開2016-162050(JP,A)
【文献】特開2020-77216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
E03F 5/02
E03F 5/22
F04D 15/00
G09G 5/00-5/02
G09G 5/36
G09G 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の運転状況に係る運転情報を時系列に取得する取得部と、
取得した前記運転情報に基づいて、経時的に変化する前記機器の、正常運転及び異常運転を含む運転状況を期間別に導出する導出部と、
取得した前記運転情報、及び導出した前記運転状況を夫々、前記機器が前記運転状況にあった期間を示す時間情報と対応付けて記憶する記憶部と、
導出した運転状況に応じて、該運転状況に対応する運転情報のトレンドグラフ、及び、導出した運転状況を示すテキストの一覧を含む画像情報を出力する第1出力部と
前記一覧から運転状況の選択を受け付けた場合に、前記機器が前記運転状況にあった期間を含む幅に、前記トレンドグラフを拡大表示させた画像情報を出力する第2出力部と
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記第1出力部は、導出した運転状況に対応する運転情報の期間を色分けした、前記画像情報を出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記導出部は、機器の運転状況に係る運転情報が入力された場合に運転状況を出力する学習モデルに、前記取得部により取得した運転情報を入力して、運転状況を導出する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2出力部は、前記トレンドグラフに対応して、前記期間の運転状況の一覧を含む画像情報を出力する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
所定の期間における運転状況の発生回数に応じ、運転状況の文字のフォント、サイズ、色、又は位置の少なくとも一つを異ならせた画像情報を出力する第3出力部を更に備え、
前記第2出力部は、前記第3出力部が出力した運転状況の選択を受け付けた場合に、前記機器が前記運転状況にあった期間を含む幅に、前記トレンドグラフを拡大表示させた画像情報を出力する、請求項1からまでのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
1以上の機器の位置を含む画像情報を出力する第4出力部を備え、
前記第1出力部は、機器の選択を受け付けた場合に、受け付けた機器に対応して前記画像情報を出力する、請求項1からまでのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記機器は、貯留槽に貯留された水を排出するための水中ポンプであり、
前記運転情報は、前記水中ポンプの駆動電流、又は前記貯留槽に貯留された水の水位である、請求項1からまでのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
機器の運転状況に係る運転情報を時系列に取得し、
取得した前記運転情報に基づいて、経時的に変化する前記機器の、正常運転及び異常運転を含む運転状況を期間別に導出し、
取得した前記運転情報、及び導出した前記運転状況を夫々、前記機器が前記運転状況にあった期間を示す時間情報と対応付けて記憶し、
導出した運転状況に応じて、該運転状況に対応する運転情報のトレンドグラフ、及び、導出した運転状況を示すテキストの一覧を含む画像情報を出力し、
前記一覧から運転状況の選択を受け付けた場合に、前記機器が前記運転状況にあった期間を含む幅に、前記トレンドグラフを拡大表示させた画像情報を出力する
情報処理方法。
【請求項9】
機器の運転状況に係る運転情報を時系列に取得し、
取得した前記運転情報に基づいて、経時的に変化する前記機器の、正常運転及び異常運転を含む運転状況を期間別に導出し、
取得した前記運転情報、及び導出した前記運転状況を夫々、前記機器が前記運転状況にあった期間を示す時間情報と対応付けて記憶し、
導出した運転状況に応じて、該運転状況に対応する運転情報のトレンドグラフ、及び、導出した運転状況を示すテキストの一覧を含む画像情報を出力し、
前記一覧から運転状況の選択を受け付けた場合に、前記機器が前記運転状況にあった期間を含む幅に、前記トレンドグラフを拡大表示させた画像情報を出力する
処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の運転情報及び運転情報に基づく運転状況を表示する処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
アラーム等のイベントが発生した日時を記憶し、記憶したイベントの発生日時を時間軸の中心としてトレンドグラフを表示するプラント監視装置の発明が開示されている(例えば特許文献1等)。特許文献1のプラント監視装置によれば、アラーム発生時に関連する複数の運転情報の動向を迅速に確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-102037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば汚水を貯留したマンホール等の貯留槽に設置される水中ポンプは、汚水の流入量の増加、異物混入、運転開始から停止までの時間設定の誤りや水位計の誤動作等による空気混入等により、運転の都度、非定常な稼働になることがある。異常の運転後、正常運転に復帰し、アラームが発生しない場合もあるが、水中ポンプに限らず、経時的に機器の運転状況を監視し、トラブルの原因を把握する必要がある。
【0005】
本開示の目的は、機器の所定の運転状況の発生時の運転情報を容易に視認することができる情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、機器の運転状況に係る運転情報を取得する取得部と、取得した前記運転情報に基づいて、前記機器の運転状況を導出する導出部と、取得した前記運転情報、及び導出した前記運転状況を夫々記憶する記憶部と、導出した運転状況に応じて、該運転状況に対応する運転情報のトレンドグラフを含む画像情報を出力する第1出力部とを備える。
【0007】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、機器の運転状況に係る運転情報を取得し、取得した前記運転情報に基づいて、前記機器の運転状況を導出し、取得した前記運転情報、及び導出した前記運転状況を夫々記憶し、導出した運転状況に応じて、該運転状況に対応する運転情報のトレンドグラフを含む画像情報を出力する。
【0008】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、機器の運転状況に係る運転情報を取得し、取得した前記運転情報に基づいて、前記機器の運転状況を導出し、取得した前記運転情報、及び導出した前記運転状況を夫々記憶し、導出した運転状況に応じて、該運転状況に対応する運転情報のトレンドグラフを含む画像情報を出力する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、機器の所定の運転状況の発生時の運転情報を容易に視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す模式図である。
図2】制御装置及びマンホールポンプ装置の構成を示す斜視図である。
図3】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図4】装置DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図5】履歴DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図6】グラフDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図7】学習モデルの構成を説明する説明図である。
図8】端末の構成を示すブロック図である。
図9】制御装置等の構成を示すブロック図である。
図10】情報処理システムが実行する運転状況の導出の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11】情報処理システムが実行する運転情報のトレンドグラフの生成の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12】情報処理システムが実行するトレンドグラフの拡大表示の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13】表示画像の一例を示す模式図である。
図14】表示画像の一例を示す模式図である。
図15】表示画像の一例を示す模式図である。
図16】表示画像の一例を示す模式図である。
図17】表示画像の一例を示す模式図である。
図18】第2実施形態に係る情報処理システムが実行する、ワードクラウドを表示した後、トレンドグラフの拡大表示を行う処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図19】表示画像の一例を示す模式図である。
図20】表示画像の一例を示す模式図である。
図21】第3実施形態に係る情報処理システムが実行する、地図画像を表示した後、トレンドグラフの拡大表示を行う処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図22】表示画像の一例を示す模式図である。
図23】表示画像の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明の概要)
本発明の一態様に係る情報処理装置は、機器の運転状況に係る運転情報を取得する取得部と、取得した前記運転情報に基づいて、前記機器の運転状況を導出する導出部と、取得した前記運転情報、及び導出した前記運転状況を夫々記憶する記憶部と、導出した運転状況に応じて、該運転状況に対応する運転情報のトレンドグラフを含む画像情報を出力する第1出力部とを備える。
【0012】
上記構成によれば、容易に、正常運転、異常運転を視認することができ、異常運転が生じた場合の運転情報を確認することができる。
【0013】
上述の情報処理装置において、前記第1出力部は、導出した運転状況に対応する運転情報の期間を色分けした、前記画像情報を出力してもよい。
【0014】
上記構成によれば、異常運転が生じた場合の運転情報を容易に確認することができる。
【0015】
上述の情報処理装置において、前記導出部は、機器の運転状況に係る運転情報が入力された場合に運転状況を出力する学習モデルに、前記取得部により取得した運転情報を入力して、運転状況を導出してもよい。
【0016】
上記構成によれば、容易に、精度良く、運転情報に基づいて運転状況を導出できる。
【0017】
上述の情報処理装置において、前記第1出力部は、導出した運転状況を時系列に並べた一覧を含む画像情報を出力し、前記第1出力部が出力した運転状況の選択を受け付けた場合に、前記運転状況を導出した時点を含む期間を拡大表示した、運転情報のトレンドグラフを含む画像情報を出力する第2出力部を備えてもよい。
【0018】
上記構成によれば、運転状況をクリック等により選択することにより、使用者が短期の表示期間を設定することなく、容易に、運転情報のトレンドグラフを拡大表示して、該運転状況が生じた場合の運転情報を確認することができる。
【0019】
上述の情報処理装置において、前記第2出力部は、前記トレンドグラフに対応して、前記期間の運転状況の一覧を含む画像情報を出力してもよい。
【0020】
上記構成によれば、トレンドグラフに対応する期間の運転状況の一覧を視認することができ、利便性が良好である。
【0021】
上述の情報処理装置において、所定の期間における運転状況又は発生回数に応じ、運転状況の文字のフォント、サイズ、色、又は位置の少なくとも一つを異ならせた画像情報を出力する第3出力部を備え、前記第1出力部は、前記第3出力部が出力した運転状況の選択を受け付けた場合に、前記運転状況を導出した時点を含む期間の運転情報のトレンドグラフを含む画像情報を出力してもよい。
【0022】
上記構成によれば、運転状況の表示サイズ等から、各運転の発生状況や発生比率を視認することができる。そして、選択された運転状況を導出した時点を含む期間を拡大表示した、運転情報のトレンドグラフを出力するので、該運転状況が生じた場合の運転情報を容易に視認することができる。
【0023】
上述の情報処理装置において、1以上の機器の位置を含む画像情報を出力する第4出力部を備え、前記第1出力部は、機器の選択を受け付けた場合に、受け付けた機器に対応して前記画像情報を出力してもよい。
【0024】
上記構成によれば、使用者は、機器の位置と、所定の運転状況が発生した場合の運転情報の内容とを容易に関連付けて把握することができる。
【0025】
上述の情報処理装置において、前記機器は、貯留槽に貯留された水を排出するための水中ポンプであり、前記運転情報は、前記水中ポンプの駆動電流、又は前記貯留槽に貯留された水の水位であってもよい。
【0026】
上述したように、水中ポンプは、汚水の流入量の増加、異物混入、運転開始から停止までの時間設定の誤りや水位計の誤動作等による空気混入等により、運転の都度、非定常な稼働になることがある。上記構成によれば、アラームが発生しない場合においても、経時的に運転状況を監視し、トラブルの原因を把握することができる。
【0027】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、機器の運転状況に係る運転情報を取得し、取得した前記運転情報に基づいて、前記機器の運転状況を導出し、取得した前記運転情報、及び導出した前記運転状況を夫々記憶し、導出した運転状況に応じて、該運転状況に対応する運転情報のトレンドグラフを含む画像情報を出力する。
【0028】
上記構成によれば、容易に、正常運転、異常運転を視認することができ、異常運転が生じた場合の運転情報を確認することができる。
【0029】
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、機器の運転状況に係る運転情報を取得し、取得した前記運転情報に基づいて、前記機器の運転状況を導出し、取得した前記運転情報、及び導出した前記運転状況を夫々記憶し、導出した運転状況に応じて、該運転状況に対応する運転情報のトレンドグラフを含む画像情報を出力する処理をコンピュータに実行させる。
【0030】
上記構成によれば、容易に、正常運転、異常運転を視認することができ、異常運転が生じた場合の運転情報を確認することができる。
【0031】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係る情報処理システム100の構成の一例を示す模式図である。情報処理システム100においては、情報管理会社の情報処理装置1、使用者の端末2、及びマンホールポンプ装置4の制御装置3がインターネット等のネットワークNを介して接続されている。マンホールポンプ装置4は機器としての2個の水中ポンプ(以下、ポンプという)41を備える。制御装置3は、ポンプ41の駆動の制御を行う。情報処理装置1、端末2、及び制御装置3は夫々ネットワークNを介して情報の送受信を行う。
情報処理装置1は、例えばサーバコンピュータである。情報処理装置1は、制御装置3からポンプ41の運転情報を取得し、運転情報に基づいて導出した運転状況の一覧表、及び運転情報のトレンドグラフを端末2へ送信する。
【0032】
運転状況とは、ポンプ41の運転情報を解析して得られるポンプ41の運転の状況に関する情報であり、例えば正常、異物検出、流入量増加、空気混入(例えば空気が抜けにくい等)、空運転等が挙げられる。
【0033】
端末2は、表示機能を備える情報端末装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。端末2の使用者は、例えばマンホールポンプ装置4の管理者(例えば地方自治体の担当者、設備維持管理者等)であり、使用者は端末2を用いてポンプ41の運転状況を監視する。各使用者は、例えば担当する地方自治体のエリア内に設置されている複数のマンホールポンプ装置4を管理している。
【0034】
図2は、制御装置3及びマンホールポンプ装置4の構成を示す斜視図である。制御装置3は、例えばマンホールポンプ装置4の近傍に設けられた制御盤300の内部に設置されている。制御装置3は、ポンプ41及び水位計42,46夫々と電気的に接続されており、ポンプ41の駆動電流に関する情報、並びにマンホールポンプ装置4の水位に関する情報を含む運転情報を取得する。また、制御装置3は、例えば、ポンプ41の吐出圧力を測定する圧力計(不図示)、吐出量を測定する流量計(不図示)等の測定機器と電気的に接続されており、ポンプ41の吐出圧力や吐出量を含む運転情報を取得してもよい。制御装置3は、取得した駆動電流及び水位に係る運転情報、並びに水位に基づくポンプ41の駆動の開始日時及び停止日時(駆動時間)の運転情報、吐出圧力や吐出量に係る運転情報を情報処理装置1へ送信する。
【0035】
マンホールポンプ装置4は、流入管43から流入した汚水を貯留する貯留槽44と、貯留槽44に貯留された汚水を吐出管45に向けて圧送する2台の前記ポンプ41,41と、貯留槽44に貯留された汚水の水位を計測する前記水位計42,46とを備えている。
【0036】
ポンプ41は、ポンプ本体411と、ポンプ本体411の上部に配置された電動モータ等の駆動装置412とを備えている。通常は、2台のポンプ41,41が交互に運転され、例えば異常高水位が発生した場合は汚水の圧送量を増やすために2台のポンプ41,41が同時に運転される。制御装置3は、各ポンプ41における駆動装置412の駆動が開始した時点から停止する時点までの駆動時間と、駆動電流、及び貯留槽の水位を検出する。なお、マンホールポンプ装置4に設置されるポンプ41は2台に限定されない。マンホールポンプ装置4に設置されるポンプ41は1台であってもよく、3台以上であってもよい。なお、ポンプ41、または、貯留槽44内の圧送配管には、噴出機構となる槽内撹拌装置(図示せず)が設けられてもよい。
【0037】
水位計42は、例えば気泡式や投込圧力式等の水位計である。気泡式の水位計42は、貯留槽44の底部に設置された空気吐出部421、空気ポンプ(不図示)、空気ポンプと空気吐出部421とを接続するエアチューブ422、圧力センサ及びコントローラ(不図示)を有する。水位計42は、貯留槽44に貯留される汚水の水位を検出する。さらに、貯留槽44内には、予備の水位計として、貯留槽44内における異常高水位を検出するためのフロート式の水位計46が設置されている。水位計42,46により検出された水位の情報は、制御装置3に送信される。
【0038】
制御装置3は、水位計42,46から検出された水位を受信する。貯留槽44内の水位が所定の駆動水位以上となった場合、制御装置3は一方のポンプ41の駆動装置412を駆動させる。ポンプ41の駆動により、貯留槽44内の汚水が吐出管45へ送られ、貯留槽44の水位が下降する。貯留槽44内の水位が所定の停止水位となった場合、制御装置3は、ポンプ41の駆動装置412を停止させる。これにより、ポンプ41による汚水の排水が終了する。その後、流入管43を介して外部から流入する汚水が再び貯留槽44に貯留され、水位が上昇すると、制御装置3は他方のポンプ41の駆動装置412を駆動させる。他方のポンプ41における同様の処理により、貯留槽44内の汚水が排出され水位が停止水位以下となった場合、制御装置3は、他方のポンプ41の駆動装置412を停止させる。マンホールポンプ装置4ではこのような一連の処理が繰り返される。また、制御装置3には、駆動装置412と電気的に接続された保護装置(例えば、3Eリレー等)があり、保護装置により駆動装置412の異常を検出(例えば、過負荷検出、欠相検出、逆運転検出等)することができる。また、ポンプ41には、駆動装置内に水が浸水した場合、それを検出するための保護装置(例えば、電極式浸水検知器、フロート式浸水検知器等)が組み込まれており、駆動装置412の浸水を検出した際には、制御装置3が受信できるようにできる。ポンプ41の保護装置を制御装置3と電気的に接続することで、ポンプ41の異常を把握することができる。代表例として保護装置を記載したが、機器の異常を検出できるものであれば、これに限定されない。
【0039】
なお、情報処理システム100の適用対象となる機器は、マンホールポンプ装置4のポンプ41に限定されるものではない。ポンプ41は、その他揚水装置に設けられるものであってもよい。また、機器は水を送出するポンプ41に限定されるものではなく、例えばルーツブロワ、ターボブロワ等の散気装置に空気を送る送風機であってもよい。また、汚水貯留槽内を攪拌させるための撹拌機であってもよい。
【0040】
情報処理システム100の構成及び詳細な処理内容について以下に説明する。
【0041】
図3は、情報処理装置1の構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置1は、装置全体を制御する制御部10、記憶部11、通信部12を備える。情報処理装置1は、1又は複数のサーバで構成することができる。情報処理装置1は複数台で分散処理してもよい。1台の大型コンピュータに仮想的に生成される複数のサーバコンピュータ(インスタンス)の内の1つであってもよい。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等で構成することができる。制御部10はGPU(Graphics Processing Unit)を含んで構成してもよい。
【0042】
通信部12は、ネットワークNを介して、端末2及び制御装置3との間で通信を行う機能を有し、所要の情報の送受信を行う。具体的には、通信部12は、制御装置3が送信したポンプ41の運転情報を受信する。通信部12は、制御部10が運転情報に基づいて時系列に導出した運転状況の一覧を含む画像情報、及び運転情報のトレンドグラフを含む画像情報を端末2へ送信する。
通信部12により、マンホールポンプ装置4の位置情報(例えば、住所、GPS情報等)に基づく、設置場所付近の気象情報(例えば、降水量、降雨予測量、気温、湿度、落雷等)を気象サーバ等から取得してもよい。気象情報は、降水等による流入管43への雨水流入等、マンホールポンプ装置4の運転状況を判断する上で参照することができる。
【0043】
記憶部11は大容量メモリ、ハードディスク等の不揮発性メモリを含む。制御部10が処理を実行するために必要なプログラム、後述する運転情報のトレンドグラフの拡大表示を行うプログラム111と、学習モデル112と、装置DB113と、履歴DB114と、グラフDB115とを記憶している。なお記憶部11は、複数の記憶装置により構成されてもよく、情報処理装置1に接続された外部記憶装置であってもよい。
【0044】
記憶部11に記憶されるプログラム111及び学習モデル112は、プログラム111及び学習モデル112を読み取り可能に記録した記録媒体50により提供されてもよい。記録媒体50は、例えば、USBメモリ、SDカード、マイクロSDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の可搬型のメモリである。記録媒体50に記録されるプログラム111及び学習モデル112は、図に示していない読取装置を用いて記録媒体50から読み取られ、記憶部11にインストールされる。また、記憶部11に記憶されるプログラム111及び学習モデル112は、通信部12を介した通信により提供されてもよい。
【0045】
図4は、装置DB113のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。装置DB113は、マンホールポンプ装置4の情報を格納するデータベースである。装置DB113は、例えば、複数の使用者夫々の使用者IDに関連付けて、マンホールポンプ装置4の装置ID、ポンプ41のID、位置情報(例えば道路上のマンホールポンプ装置4の設置場所の緯度及び経度)を記憶している。位置情報は、設置場所の住所でもよい。図4においては、IDNo.2の使用者の装置情報を示している。装置ID「BAC321」のマンホールポンプ装置4は、ID「321-1」と、ID「321-2」の2台のポンプ41を含む。ポンプIDの末尾「1」、「2」は、マンホールポンプ装置4におけるポンプ号機番号であり、それぞれ該マンホールポンプ装置4における「ポンプ1」「ポンプ2」を意味する。
装置DB113の内容は、使用者のマンホールポンプ装置4の管理サービスへの加入時等に取得される。装置DB113に記憶される内容は図4の内容に限定されない。
【0046】
図5は、履歴DB114のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。履歴DB114は、ポンプ41の履歴を格納するデータベースである。履歴DB114には、ポンプ41毎に、運転情報に関連付けて運転状況が記憶されている。図5は、ポンプID「321-1」のポンプ41の履歴情報を示す。履歴DB114は、日時列,駆動時間列,駆動電流列,水位列の運転情報列、運転状況列、度合列、及びリンク先列を記憶している。日時列はポンプ41の駆動の開始日時及び停止日時を記憶している。駆動時間列は、駆動の停止日時と開始日時との差に基づく駆動時間を記憶している。駆動電流列は、駆動時間中において所定間隔(例えば1秒~1分間隔)で取得した駆動電流の時系列データを記憶している。駆動電流列は、駆動電流の時系列データに基づく駆動電流の標準偏差、駆動電流の最大値及び最小値、駆動電流の単位時間当たりの変化量、並びに駆動時間において駆動電流の時間的変化の度合が変化した点である電流変化点の合計数等の駆動電流パラメータを記憶してもよい。電流変化点としては、例えば駆動電流が所定値から急激に増加または減少する時点、駆動電流が時間の経過に伴い増加傾向から減少傾向に転じる時点、駆動電流が時間の経過に伴い減少傾向から増加傾向に転じる時点、並びに、駆動電流の増加傾向及び減少傾向が時間の経過に伴い急激に変化する時点が挙げられる。駆動電流列は、ポンプ41の駆動開始日時および停止日時にかかわらず、所定の間隔で連続して計測したものから、日時列で該当する駆動時間の情報を抽出して記憶してもよい。
水位列は、駆動時間中において所定間隔(例えば1秒~1分間隔)で取得した水位の時系列データを記憶している。水位列は、水位の時系列データに基づく水位変化速度の最大値、及び駆動時間内における水位の時間的変化の度合が変化した変化点の合計数等の水位パラメータを含んでもよい。水位の時間的変化の度合が変化した変化点としては、例えば水位が所定値から急激に増加または減少する時点、水位が時間の経過に伴い増加傾向から減少傾向に転じる時点、水位が時間の経過に伴い減少傾向から増加傾向に転じる時点、並びに、水位の増加傾向及び減少傾向が時間の経過に伴い急激に変化する時点が挙げられる。水位列は、ポンプ41の駆動開始日時および停止日時にかかわらず、所定の間隔で連続して計測したものから、日時列で該当する駆動時間の情報を抽出して記憶してもよい。
また、運転情報列には、ポンプ41の保護装置から取得される運転情報(例えば、過負荷、欠相、モータ浸水検知等)、気象サーバから取得される降水量等を記憶してもよい。
【0047】
運転状況列は、上述の運転状況を記憶している。運転状況は後述するようにして運転情報に基づいて導出される。度合列は、正常以外の運転状況の異常の度合に応じて、「観察」及び「注意」のいずれであるかを記憶している。異常の度合は、「注意」の方が「観察」より大きい。
リンク先列は、正常でない運転状況に対応する、リンク先の、グラフDB115のトレンドグラフの時間軸の座標等を記憶している。使用者がリンク先を指定してある運転状況をクリックした場合、制御部10がリンク先のトレンドグラフを取得し、該運転状況を含む運転情報の期間のトレンドグラフを拡大表示する、即ち前記時間軸の座標を中心とした所定の時間幅のトレンドグラフを表示するように構成されている。
【0048】
情報処理装置1は、ポンプ41の駆動時間、駆動電流及び水位の情報を含む運転情報を制御装置3から取得し、後述する学習モデル112を用いて、運転情報に応じた運転状況の識別結果を導出する。履歴DB114に記憶される各運転状況は、制御部10が各制御装置3から運転情報を取得し、取得した運転情報に応じた運転状況を導出する都度、制御部10によって記憶される。履歴DB114に記憶される内容は図5に示す例に限定されない。
【0049】
図6は、グラフDB115のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。グラフDB115は、マンホールポンプ装置4毎に、一日単位で、各ポンプ41の駆動時間,水位,及び各ポンプ41の駆動電流のトレンドグラフを上下に配置した画像情報を記憶している。画像情報はトレンドグラフの画像そのものでもよく、トレンドグラフを端末2のグラフアプリケーションで処理することにより表示部23に表示するためのデータでもよい。図6においては、装置ID「BAC321」の2つのポンプ41のトレンドグラフを記憶している。グラフDB115は、日付列と、トレンドグラフ列とを記憶している。日付列は日付を記憶している。トレンドグラフ列は日付に対応する上述のトレンドグラフを記憶している。駆動時間のトレンドグラフの横軸は時間(時)である。駆動時間のトレンドグラフは、駆動信号がオンになると、縦軸のプラス方向に立ち上がり、オフになると、マイナス方向に下がり、オフとオンの時間差が駆動時間である矩形波状をなす。水位のトレンドグラフの横軸は時間(時)であり、縦軸は水位(m)である。駆動電流のトレンドグラフの横軸は時間(時)であり、縦軸は電流(A)である。これらのトレンドグラフは、履歴DB114に記憶された運転情報に基づいている。そして、これらのトレンドグラフにおいて、「観察」と判断された運転状況に対応する運転情報の期間の背景は緑色に着色し、「注意」と判断された運転状況に対応する運転情報の期間を黄色に着色し、色分けしてある。トレンドグラフは、駆動時間の背景を色分けする場合に限定されず、該駆動時間に対応する運転情報のグラフの色や線種を変えてもよい。トレンドグラフは一日毎に記憶する場合に限定されない。例えば12時間毎、48時間毎に記憶してもよい。
【0050】
図7は、学習モデル112の構成を説明する説明図である。学習モデル112は、機械学習により生成された学習モデルであり、運転情報の入力に応じて運転状況を示すデータを出力する。学習モデル112は予め、情報処理装置1又は外部装置において生成され学習される。制御部10は、サポートベクターマシン(SVM:support vector machine)、決定木、クラスタリング等の機械学習手法を用いて、境界線を定め、運転状況の種類を特定するようにしてもよい。
【0051】
学習モデル112に入力される入力情報は、運転情報である。本実施形態においては、運転情報には、駆動時間、駆動電流及び水位が含まれている。具体的には、駆動電流は駆動時間内にサンプリングした駆動電流の時系列データであり、水位は駆動時間内にサンプリングした水位の時系列データである。上述の駆動電流パラメータの少なくとも一つが含まれてもよく、上述の水位パラメータの少なくとも一つが含まれてもよい。
【0052】
学習モデル112は、これら運転情報に応じた運転状況を示す出力情報を出力する。運転状況は、例えば「正常」、「異物通過(観察)」、「異物通過(注意)」、「流入量増加(観察)」、「流入量増加(注意)」、「空気混入(観察)」、「空気が抜けにくい(観察)」、「空気混入(注意)」、「空気が抜けにくい(注意)」、「空運転(観察)」、「空運転(注意)」等が挙げられる。なお各運転状況は、より細かく分類されていてもよい。また、異常の各運転状況に「観察」、「注意」の度合を付与する場合に限定されない。
【0053】
学習モデル112は、運転情報が入力されると、運転情報に応じた運転状況を識別する。具体的には、学習モデル112は、運転情報に含まれる特徴量と運転状況毎の特徴量とに基づいて、運転状況を特定する。制御部10は、運転情報を含む入力情報に、既知の運転状況が付与された情報群を訓練データとして取得する。制御部10は、過去に計測された大量の訓練データを用いて、運転情報に応じた運転状況を識別するよう学習モデル112の学習を行う。制御部10で訓練データをもとに学習モデル112の学習を行う例を示したが、学習モデルの生成は制御部10に限らず、他の場所で学習した内容を用いてもよい。
【0054】
なお、学習モデル112は図7に示した例に限定されるものではない。学習モデル112は、ニューラルネットワーク等、他のアルゴリズムによって学習されたモデルであってよい。ニューラルネットワークとしては多層のニューラルネットワーク(深層学習)を用いることができ、例えば畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network:CNN)を用いることができる。この場合、訓練データの入力データとして、電流値の時系列データ、水位の時系列データ、駆動電流パラメータ、水位パラメータ、降水量の少なくとも1つを用い、出力データとして正常、異物通過、流入量増加、空気混入、空運転等の運転状況のラベルを付与すればよい。制御部10は、すでに計測済みの大量の訓練データを用いて、バックプロパゲーション等により、学習モデル112のパラメータのチューニングを行う。
【0055】
図8は、端末2の構成を示すブロック図である。端末2は、制御部20、記憶部21、通信部22、表示部23、及び操作部24を備える。
【0056】
制御部20は、CPU又はGPU等のプロセッサと、メモリ等を含む。制御部20は、プロセッサ、メモリ、記憶部21、及び通信部22を集積した1つのハードウェア(SoC:System On a Chip)として構成されていてもよい。制御部20は、記憶部21に記憶されているプログラム211に基づき、各構成部を制御して処理を実行する。
【0057】
記憶部21は、例えばハードディスク又はSSD等の不揮発性メモリを含む。記憶部21は、プログラム211を含む制御部20が参照するプログラム及びデータを記憶する。通信部22は、ネットワークNを介した情報処理装置1との通信を実現する通信インタフェースである。
【0058】
表示部23は、液晶パネル、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイを含む。制御部20は、表示部23に、制御部20からの指示に従って運転情報のトレンドグラフ、及び運転状況の一覧表を含む各種の画像を表示する。操作部24は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースであり、例えば物理ボタン、マウス、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ及びマイクロフォン等を含む。操作部24は、ユーザからの操作入力を受け付け、操作内容に応じた制御信号を制御部20へ送出する。
【0059】
図9は、制御装置3等の構成を示すブロック図である。制御装置3は、制御部30、記憶部31、通信部32及び入出力部33を備える。
【0060】
制御部30は、一又は複数のCPU、GPU等を用いたプロセッサであり、内蔵するROM又はRAM等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。記憶部31は、制御部30が参照する情報を記憶する記憶装置である。通信部32は、ネットワークNを介した情報処理装置1との通信を実現する通信インタフェースである。制御部30は、マンホールポンプ装置4から取得した運転情報を通信部32を介して情報処理装置1へ送信する。
【0061】
入出力部33は、マンホールポンプ装置4のポンプ41及び水位計42,46、図示しないポンプ41の保護装置、駆動装置412の保護装置、駆動装置412の駆動電流と接続される入出力インタフェースである。制御部30は、入出力部33を介して水位計42,46から水位を示す信号を取得する。制御部30は、入出力部33を介してポンプ41の駆動装置412へ駆動の制御信号を出力する。制御部30は、駆動装置412の駆動が開始した時点から停止する時点までの駆動時間において、ポンプ41の駆動装置412における駆動電流を検出する。
【0062】
図10は、情報処理システム100が実行する運転状況の導出処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1の制御部10は、制御装置3から運転情報が送信されると以下の処理を開始する。
【0063】
情報処理装置1の制御部10は、制御装置3から運転情報を受信し(S11)、履歴DB114に記憶する。この場合において制御部10は、運転情報とポンプ41の識別情報とを関連付けて取得してよい。運転情報には、ポンプ41の駆動時間、駆動時間中におけるポンプ41の駆動電流、及び駆動時間中における水位が含まれる。駆動時間中におけるポンプ41の駆動電流、及び水位は制御部10が検出してもよい。なお、運転情報は、例えばポンプ41が1回の運転を停止する度に制御装置3から送信されてもよく、定期的なタイミング(例えば1日1回)で複数回の運転情報が一括して送信されても、制御装置3内の運転情報が更新される都度送信されてもよい。
【0064】
制御部10は、取得した運転情報の解析処理を実行し、運転情報に基づく運転状況を導出する(S12)。具体的には、制御部10は、駆動時間、駆動電流及び水位を含む運転情報を入力情報として学習モデル112に入力して、出力される運転状況を取得する。制御部10は、導出した運転状況を履歴DB114に記憶し(S13)、処理を終了する。制御部10は、制御装置3から運転情報が出力される都度、上述の処理を実行する。このようにして、ポンプ41の運転毎に、ポンプ41の運転状況に基づく運転状況が導出され、履歴DB114に記憶される。
【0065】
図11は、情報処理システム100が実行する運転情報のトレンドグラフの生成の処理手順の一例を示すフローチャートである。
制御部10は履歴DB114を読み出し、一日単位の運転情報及び運転状況を取得する(S21)。
【0066】
制御部10は、運転状況の度合に応じて、対応する運転情報の期間の背景を異なる色により表示するトレンドグラフの画像情報を生成する(S22)。即ち導出した運転状況のうち、「観察」と判断された運転状況に対応する運転情報の期間の背景を緑色に着色し、「注意」と判断された運転状況に対応する運転情報の期間を黄色に着色したトレンドグラフを表す画像を生成する。
制御部10は、生成したトレンドグラフをグラフDB115に記憶する(S23)。
【0067】
制御部10は、運転情報の期間に対応する運転状況が正常でない場合、リンク先の、グラフDB115のトレンドグラフの座標を履歴DB114のリンク先列に記憶し(S24)、処理を終了する。例えば「流入量と負荷が増加(注意)」の場合、グラフDB115の対応するトレンドグラフの画像の該運転状況の期間に対応する部分をリンク先に指定し、制御部10により該運転状況を含む期間のトレンドグラフを拡大表示するようにする。
制御部10は、例えば一日単位で、上述の処理を実行する。
【0068】
図12は、情報処理システム100が実行するトレンドグラフの拡大表示の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の処理は、端末2の記憶部21に記憶してあるプログラム211に従って制御部20によって実行されると共に、情報処理装置1の記憶部11に記憶してあるプログラム111に従って制御部10によって実行される。
【0069】
端末2の制御部20は、マンホールポンプ装置4の使用者の操作部24の操作により、運転状況を取得するポンプ41のIDNo.及び日時の入力を受け付ける(S201)。日時として、日と、トレンドグラフを表示する開始時刻及び終了時刻とを受け付けてもよい。
制御部20は、トレンドグラフの表示の指示を受け付ける(S202)。
【0070】
図13に表示画像25の一例を示す。図13は、Top画面(不図示)で、「運転トレンド」が選択され、「運転トレンド」の表示画像25が表示されている状態を示す。
表示画像25は、上部の中央にマンホールポンプ装置4のIDNo.を入力するID入力欄251を有し、ID入力欄251の下側に、日時を入力する日時入力欄252を有する。表示画像25は、上部右側に、グラフ表示ボタン253を有する。バーの下側は、トレンドグラフ及び一覧表を表示する表示部分250である。
使用者は操作部24によりマンホールポンプ装置4のIDNo.及び日時を入力し、グラフ表示ボタン253をクリックする。図13においては、装置のIDが「BAC321」であり、日時が「2020年4月20日」の「0時から24時まで」である場合を示す。装置ID「BAC321」に含まれるポンプID「321-1」(ポンプ1)、ポンプID「321-2」(ポンプ2)の2台のポンプ41のトレンドグラフ及び一覧表を表示する。
【0071】
制御部20は、IDNo.、日時、及びトレンドグラフの表示の指示を情報処理装置1へ送信する(S203)。
制御部10は、IDNo.、日時、及びトレンドグラフの表示の指示を受信する(S101)。
【0072】
制御部10は、IDNo.及び日時に対応するトレンドグラフをグラフDB115から読み出し、トレンドグラフの期間に対応するポンプ1及びポンプ2の運転状況、度合、リンク先を履歴DB114から読み出し、一覧表を生成する(S102)。一覧表は、日時列,ポンプ号機番号,運転又は停止の状況列、駆動時間列の運転情報列と、運転状況列とを有する(図15参照)。制御部10は、読み出したトレンドグラフの画像情報、及び生成した一覧表の画像情報を端末2へ送信する(S103)。ここで、画像情報は、画像そのものでもよく、画像を表示するためのデータでもよい。
制御部20は、トレンドグラフの画像情報及び一覧表の画像情報を受信する(S204)。
制御部20は、表示部23に、トレンドグラフ、及び一覧表を表示する(S205)。
【0073】
図14に表示部23に表示される表示画像25の一例を示す。
図14の表示画像25において、装置ID「BAC321」のポンプ41(ポンプ1)、41(ポンプ2)夫々における駆動時間のトレンドグラフ255、水位のトレンドグラフ256、及び前記ポンプ1、ポンプ2夫々における駆動電流のトレンドグラフ257が表示されている。上述したように、導出した運転状況のうち、「注意」と判断された運転状況に対応する運転情報の期間の背景を黄色に着色し(図14中、3つの太線で囲んだ背景部分「a」で示す)、「観察」と判断された運転状況に対応する運転情報の期間の背景を緑色に着色してある(図14中「a」以外の背景部分「b」)。
【0074】
図15は、表示部分250にトレンドグラフが表示されている場合にスクロールして、一覧表258を表示した状態を示す。図15に示すように、一覧表258は、日時列,ポンプ号機番号列,状況列,駆動時間列の運転情報列と、運転状況列とを有する。日時列,駆動時間列は上述の日時及び駆動時間を含む。運転状況列は、上述の運転状況及び度合を含み、正常でない運転状況に対してはリンク先を指定してある。制御部20は、使用者のスクロールに応じて、2020年4月20日の0時から24時までの運転情報及び運転状況を表示する。
【0075】
制御部20は、運転状況の選択を受け付ける(S206)。使用者はトレンドグラフの拡大表示を行う運転状況のリンクをクリックする。使用者は、例えば図15において、駆動の開始時刻が「13:17:51」である場合のポンプ1の運転状況のリンク「流入量と負荷が増加(注意)」をクリックする。
【0076】
制御部20は、拡大表示する運転状況のリンク(時間軸の座標)を情報処理装置1へ送信する(S207)。
制御部10は、運転状況のリンクを受信する(S104)。
制御部10は、グラフDB115から、リンク先のトレンドグラフの該運転状況の期間に対応する部分を取得し、横軸の時間を、例えば前記座標を中心に、前後略30分ずつの合計1時間の幅に拡大表示したトレンドグラフ、及びトレンドグラフに対応する一覧表の画像情報を端末2へ送信する(S105)。
制御部20は、トレンドグラフ及び一覧表の画像情報を受信する(S208)。
制御部20は、表示部23にトレンドグラフ及び一覧表を表示し(S209)、処理を終了する。
【0077】
図16に表示画像25の一例を示す。図16の表示画像25において、2020年4月20日の13時から14時までの装置ID「BAC321」のポンプ1、ポンプ2の駆動時間、水位、駆動電流のトレンドグラフ255、256、257が拡大表示されている。拡大表示のトレンドグラフの下側には、2020年4月20日の13時から14時までの一覧表258も表示されている。拡大に合わせて、度合「注意」も表示されている。上述したように、運転状況の度合が「注意」である運転情報の期間の背景は黄色に着色されている。「注意」の運転期間において水位が緩やかに下がった後緩やかに上昇した後にさらに低下し、その期間において電流が一定の値にホールドされ運転時間が長いことから、流入量が多くポンプに負荷が生じていることが視認される。
【0078】
図17は、図15の一覧表258において、駆動の開始時刻が「11:57:39」である場合のポンプ1の運転状況の「空気が抜けにくい(観察)」がクリックされた場合のトレンドグラフを示す。この場合、59~0分の時間の切れ間を挟むので、2020年4月20日の11時から13時までの駆動時間、水位、及び駆動電流のトレンドグラフが拡大表示して示している。上述したように、導出した運転状況のうち、「観察」と判断された運転状況に対応する運転情報の期間の背景を緑色に着色してある。「観察」の運転期間において、駆動開始後、20秒間電流値が低いままで、その後電流値が通常の値となり、その間水位はいったん上昇し下降を始めることがわかる。これは、ポンプ本体411に空気が抜けずに残存していたため、駆動開始後しばらくポンプ本来の運転ができなかったことが視認される。
【0079】
本実施形態においては、運転情報のトレンドグラフは、運転状況に対応して運転情報を区別してあるので、容易に、正常運転及び異常運転のいずれであるかを視認することができ、異常運転が生じた場合、その場合の運転情報を確認することができる。そして、一覧表258の運転状況をクリック等により選択することにより、使用者が短期の表示期間を設定することなく、容易に、運転情報のトレンドグラフを拡大表示することができる
【0080】
なお、上述の図12におけるフローチャートの処理において、情報処理装置1の制御部10と端末2の制御部20とが分担して実行する例を説明したが、これら制御部10及び制御部20の分担は一例であり、図12の例に限定されるものではない。情報処理装置1の制御部10により実行される処理の一部又は全部は、端末2の制御部20で実行されてもよく、又は、制御装置3の制御部30で実行されてもよい。
また、制御部10が拡大表示のトレンドグラフの画像情報を端末2へ送信する場合に限定されない。制御部20が、リンク先の指定に基づいて、一日分のトレンドグラフから拡大表示のトレンドグラフの画像を生成し、表示部23に表示してもよい。
さらに、制御部10が、運転情報を学習モデル112に入力して運転状況を取得する場合に限定されない。制御部10は、駆動時間、駆動電流、水位夫々と、運転状況との関係のルールベースに基づいて、取得した運転情報に対応する運転状況を導出してもよい。即ち運転情報の各項目の組み合わせによって、運転状況が決まる。前記関係により、例えば駆動時間において水位が緩やかに下がった後緩やかに上昇し、その後さらに低下し、その期間において電流が一定の値にホールドされ運転時間が長いことを導出し、閾値に基づいて「流入量と負荷が増加(観察)」及び「流入量と負荷が増加(注意)」のいずれであるかを導出する。また、制御部10は、前記関係を関数として表せる場合、関数の値に対し段階的に複数の閾値を設けておき、得られた関数の値と閾値とに基づいて、運転状況を導出してもよい。拡大表示する期間は、時間単位で表示することを示したが、分単位であっても、駆動開始時刻から停止時刻であってもよい。
【0081】
(第2実施形態)
第2実施形態においては、表示画像25は、ワードクラウドの表示ボタンを有する。ワードクラウドとは、文字(運転状況の名称)を含む画像であり、表示対象となる文字夫々に関連する情報に応じて、フォント、大きさ、色、配置等を変化させて並べて示した画像である。
図18は、情報処理システム100が実行するトレンドグラフの拡大表示の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0082】
端末2の制御部20は、マンホールポンプ装置4の使用者の操作部24の操作によって、マンホールポンプ装置4の装置ID及び日時の入力を受け付ける(S221)。日時の入力を受け付けることにより、期間が指定される。
制御部20は、トレンドグラフ、及びワードクラウドの表示の指示を受け付ける(S222)。
使用者は操作部24によりマンホールポンプ装置4の装置ID及び日時を入力し、グラフ表示ボタン253、及びワードクラウドの表示ボタンをクリックする。
【0083】
制御部20は、装置ID、日時、トレンドグラフ、及びワードクラウドの表示の指示を情報処理装置1へ送信する(S223)。
制御部10は、装置ID、日時、トレンドグラフ、及びワードクラウドの表示の指示を受信する(S121)。
制御部10は、履歴DB114から指定された日時の運転状況を取得する(S122)。
【0084】
制御部10は、運転状況に基づき、ポンプ毎に指定期間における運転状況のワードクラウドを生成する(ステップS123)。具体的には、制御部10は、履歴DB114から取得した指定期間における全ての運転状況について、運転状況別の発生回数を算出し、運転状況の総数に対する運転状況別の発生回数の割合に応じて、運転状況の文字のサイズを異ならせたワードクラウド(文字情報)を生成する。制御部10は、表示対象期間における運転状況の発生回数が多い程、ワードクラウドにおいて運転状況を大きく表示する。なお、発生回数に応じて、各運転状況の文字の大きさを変える場合に限定されず、各運転状況の文字のフォント、色、配置、太さ、濃さ、点滅等を運転状況の発生回数に応じて変えてもよい。
【0085】
制御部10は、装置ID.及び日時に対応するトレンドグラフをグラフDB115から読み出し、読み出したトレンドグラフ、及びワードクラウドを端末2へ送信する(S124)。
制御部20は、トレンドグラフ、ワードクラウドを受信する(S224)。
制御部20は、表示部23に、対応する期間のトレンドグラフにワードクラウドを重畳してある表示画像25を表示する(S225)。
【0086】
図19に表示画像25の一例を示す。
表示画像25は、ワードクラウド261、262を有する。ワードクラウド261、262は、図14のトレンドグラフの画像に重畳して表示されている。図19においては、トレンドグラフの下部左側にポンプ1(IDNo.321-1)であるポンプ41のワードクラウド261を表示している。トレンドグラフの下部右側にポンプ2(IDNo.321-2)であるポンプ41のワードクラウド262を表示している。図19ではポンプ夫々のワードクラウドを表示しているが、マンホールポンプ装置として1つのワードクラウドを表示してもよい。
【0087】
図19の例では、ポンプIDが321-1であるポンプ41の1日のワードクラウドにおいて、「正常運転」の文字が赤字で大きく表示され、その他の運転状況の文字が黒字で小さく表示されている。従って、表示画像25により、2020年4月20日におけるポンプ「321-1」の運転状況は、正常運転が多数を占めていたことが容易に視認できる。また、正常運転と並べて表示されている他の運転状況の数と、運転状況の表示サイズから、異常な運転の発生状況や発生比率を視認することができる。異常運転の場合、トレンドグラフの拡大表示をするためのリンク先を指定してあり、クリックした場合、グラフDB115からリンク先のトレンドグラフの画像を取得し、制御部10により該運転状況を含む運転情報の期間のトレンドグラフを拡大表示するように構成されている。同種の異常運転に対し、「観察」、「注意」の度合別に、発生比率等に応じて、フォント、大きさ、色、配置等を変化させて並べて表示してもよい。
【0088】
制御部20は、運転状況の選択を受け付ける(S226)。使用者は拡大表示を行う運転状況のリンクをクリックする。使用者は、例えば図19のワードクラウド261において、ポンプ1の運転状況のリンク「空気が抜けにくい」をクリックする。
【0089】
制御部20は、運転状況のリンク(時間軸の座標)を情報処理装置1へ送信する(S227)。
制御部10は、運転状況のリンクを受信する(S125)。
制御部10は、グラフDB115から、リンク先のトレンドグラフの該運転状況の期間に対応する部分を取得し、横軸の時間を拡大表示したトレンドグラフを端末2へ送信する(S126)。「空気が抜けにくい」は、「停止時に空気混入」、「空運転」、「流入量と負荷が増加」より文字サイズが大きく、対応するトレンドグラフは複数あるので、制御部10は、対応する複数のトレンドグラフを取得して端末2へ送信する。
制御部20は、トレンドグラフを受信する(S228)。
制御部20は、表示部23にトレンドグラフを表示し(S229)、処理を終了する。 複数のトレンドグラフを受信した場合、端末2にはトレンドグラフの対象とする時間や、度合が記載されたリストが表示され、使用者がそのうちのいずれかを選択することで選択されたトレンドグラフを表示するように構成されていてもよい。また、指定した運転状況のリンクに対応する複数の運転状況が所定の時間範囲内に含まれる場合、当該複数の運転状況を1つのトレンドグラフで表示するように構成してもよい。図19のワードクラウド261において、ポンプ1の運転状況のリンク「空気が抜けにくい」が選択された場合、制御部20は、図20に示すように、図19の画像に図17と同様の拡大表示のトレンドグラフの画像を重畳させた表示画像25を表示する。図20において、重畳表示されたトレンドグラフは、複数の運転状況を1つのトレンドグラフで表示しているものである。このように、制御部20は、ポンプ1の「空気が抜けにくい」運転状況の発生順に、発生の時刻を中心とした拡大表示のトレンドグラフを表示部分250に表示する。
【0090】
本実施形態においては、運転状況の表示サイズ等から、各運転の発生状況や発生比率を視認することができる。そして、選択された運転状況を導出した時点を含む期間を拡大表示した、運転情報のトレンドグラフを出力するので、該運転状況が生じた時点やその前後の時間における運転情報を容易に視認することができる。
異なる期間に、同一の運転状況が発生しており、該運転状況が選択された場合、期間の早い順に、トレンドグラフを表示してもよく、使用者により期間を選択してもよい。
また、ワードクラウドを表示する期間は一日の場合に限定されない。異なる期間のワードクラウドを同時に表示してもよい。
【0091】
(第3実施形態)
第3実施形態においては、制御部10は、予め各マンホールポンプ装置4の位置情報を取得し、装置DB113に記憶しており、各マンホールポンプ装置4の位置にピンマークを表した地図画像(図22参照)を記憶部11に記憶している。そして、表示画像25は、地図画像の表示ボタンを有する。
図21は、情報処理システム100が実行するトレンドグラフの拡大表示の処理手順の一例を示すフローチャートである。
端末2の制御部20は、地図画像の表示の指示を受け付ける(S231)。使用者は操作部24により地図画像の表示ボタンをクリックする。
【0092】
制御部20は、地図画像の表示の指示を情報処理装置1へ送信する(S232)。
制御部10は、地図画像の表示の指示を受信する(S131)。
【0093】
制御部10は、地図画像を記憶部11から読み出し、端末2へ送信する(S132)。
制御部20は、地図画像を受信する(S233)。
制御部20は、表示部23に、地図画像259を表示する(S234、図22参照)。
【0094】
制御部20は、マンホールポンプ装置4の選択を受け付ける(S235)。制御部20は、ピンマーク260を含む地図画像259が表示されている状態において、使用者の操作により、所要のマンホールポンプ装置4に対応するピンマーク260の選択を受け付ける。
制御部20は、使用者の操作部24の操作によって、日時の入力を受け付ける(S236)。日時の入力を受け付けることにより、期間が指定される。
制御部20は、マンホールポンプ装置、日時を情報処理装置1へ送信する(S237)。
制御部10は、マンホールポンプ装置、日時を受信する(S134)。
【0095】
制御部10は、ピンマーク260のマンホールポンプ装置4に対応するポンプ41の運転状況を履歴DB114から読み出し、一覧表を生成する(S135)。一覧表は日時列,ポンプ号機番号列,状況列,駆動時間列を含む運転情報列と、運転状況列とを含む。運転状況列において、正常以外の運転状況についてはトレンドグラフのリンク先を指定してある。
制御部10は、一覧表を送信する(S136)。
制御部20は、一覧表を受信する(S238)。
【0096】
制御部20は、地図画像259に重畳して、一覧表258を表示する(S239)。図22に示すように、表示部分250において、地図画像259に重畳して、一覧表258が表示されている。
制御部20は、運転状況の選択を受け付ける(S240)。使用者は拡大表示を行う運転状況のリンクをクリックする。使用者は、例えば図22において、駆動の開始時刻が「13:17:51」であるポンプ1の運転状況のリンク「流入量と負荷が増加(注意)」をクリックする。
【0097】
制御部20は、運転状況のリンクを情報処理装置1へ送信する(S241)。
制御部10は、運転状況のリンクを受信する(S137)。
制御部10は、グラフDB115から、リンク先のトレンドグラフの該運転状況の期間に対応する部分を取得し、横軸の時間を拡大表示したトレンドグラフを端末2へ送信する(S138)。
制御部20は、トレンドグラフを受信する(S242)。
制御部20は、表示部23にトレンドグラフを表示し(S243)、処理を終了する。 図23に示すように、表示部分250の地図画像259に重畳して、駆動時間、水位、駆動電流のトレンドグラフ255、256、257が拡大表示される。
【0098】
本実施形態によれば、地図画像259上におけるマンホールポンプ装置4のピンマーク260の位置及び拡大表示したトレンドグラフによって、使用者にマンホールポンプ装置4とポンプ41の位置と、運転状況の内容とを具体的に把握させることができる。
【0099】
本実施形態においては、使用者は、装置や機器の位置と、運転状況及び運転情報の内容とを容易に関連付けて把握することができる。また、例えば、地図画像259上のピンマーク260が示すマンホールポンプ装置4の間に上流側(送水側)、下流側(受水側)の関係がある場合、地図画像259上に上流側ピンマーク260から下流側ピンマーク260に向かう矢印を表示することで、注目したマンホールポンプ装置4やポンプ41に対し、その上流側のマンホールポンプ装置4、下流側のマンホールポンプ装置4を容易に特定でき、それらマンホールポンプ装置4のポンプ41の運転状況の把握と、配管路を含む系統全体での異常発生場所の特定が容易になる。
【0100】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0101】
100 情報処理システム
1 情報処理装置
10 制御部(取得部、導出部、第1出力部、第2出力部、第3出力部、第4出力部)
11、21、31 記憶部
111、211 プログラム
112 学習モデル
113 装置DB
114 履歴DB
115 グラフDB
12、22、32 通信部
2 端末
20、30 制御部
23 表示部
24 操作部
3 制御装置
4 マンホールポンプ装置
41 水中ポンプ(機器)
図1
図2
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