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特許7441730情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20240222BHJP
   E03F 5/22 20060101ALI20240222BHJP
   E03F 5/02 20060101ALI20240222BHJP
   F04D 15/00 20060101ALI20240222BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240222BHJP
   G09G 5/26 20060101ALI20240222BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
G05B23/02 301Z
G05B23/02 301P
E03F5/22
E03F5/02
F04D15/00 Z
G09G5/00 530M
G09G5/26 B
G09G5/02 Z
G09G5/00 510C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020094994
(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公開番号】P2021189796
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】清水 寛正
(72)【発明者】
【氏名】植田 省吾
【審査官】稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-039676(JP,A)
【文献】特開平06-117886(JP,A)
【文献】特開平08-036682(JP,A)
【文献】特開2002-202810(JP,A)
【文献】特開2013-114471(JP,A)
【文献】特開2014-092799(JP,A)
【文献】特開2003-050883(JP,A)
【文献】特開2017-097628(JP,A)
【文献】特開2011-008627(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
E03F 5/22
E03F 5/02
F04D 15/00
G09G 5/00-5/02
G09G 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定機器による検出値に基づいて、機器の正常状態及び複数種の異常状態を含む運転状況を導出する導出部と、
前記導出部が導出した前記運転状況を記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶した所定の期間における前記運転状況に基づき、前記運転状況の種類別の発生回数に応じて、正常状態及び複数種の異常状態を含む前記運転状況の種類毎に前記運転状況を表す運転状況名称の文字の大きさを異ならせた文字情報を含む画面情報を生成する生成部と、
前記生成部が生成した前記画面情報を出力する出力部とを備える
情報処理装置。
【請求項2】
複数の機器の運転状況を導出する導出部と、
前記導出部が導出した前記運転状況を時系列で記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶した所定の期間における機器毎の前記運転状況に基づき、前記運転状況の発生回数に応じて、前記運転状況を表す文字の大きさを異ならせた文字情報を含む画面情報であって、機器種別と期間とにより定まるマトリクス上に、機器種別及び期間の各組み合わせに対する前記文字情報を表示する画面情報を生成する生成部と、
前記生成部が生成した前記画面情報を出力する出力部とを備える
情報処理装置。
【請求項3】
マンホールポンプ装置に備えられる第1水中ポンプ及び第2水中ポンプを含む機器の正常状態及び複数種の異常状態を含む運転状況を導出する導出部と、
前記導出部が導出した前記第1水中ポンプ及び第2水中ポンプの運転状況を時系列で記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶した第1単位期間の前記第1水中ポンプ及び第2水中ポンプの第1運転状況と、前記第1単位期間よりも短い第2単位期間の前記第1水中ポンプ及び第2水中ポンプの第2運転状況と、前記第2単位期間よりも短い第3期間の第1水中ポンプ及び第2水中ポンプの第3運転状況とに基づき、ポンプ種別を第1方向とし、期間を第2方向としたマトリクス上に、ポンプ種別及び期間の各組み合わせに対し、前記運転状況の発生回数に応じて、正常状態及び複数種の異常状態を含む前記運転状況を表す文字の大きさを異ならせた文字情報を表示する画面情報を生成する生成部と、
前記生成部が生成した前記画面情報を出力する出力部とを備える
情報処理装置。
【請求項4】
前記機器の運転情報を取得する取得部を備え、
前記導出部は、機器の運転情報が入力された場合に運転状況を出力するように学習してある学習モデルに基づいて、前記取得部が取得した前記運転情報に対する前記運転状況を導出する
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記機器は、マンホールポンプ装置に備えられる水中ポンプである
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記運転状況は、正常状態及び複数種異常態のいずれかに分類されるものであって、
前記導出部は、水中ポンプの運転情報が入力された場合に運転状況を出力するように学習してある学習モデルに基づいて、前記水中ポンプの前記運転情報に対する前記運転状況の分類結果を導出し、
前記生成部は、前記導出部が導出した前記運転状況の、前記所定の期間における種類別の発生回数に応じて、各種類に対応する前記運転状況を表す文字の大きさを決定する
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記生成部は、前記期間と、前記期間における前記文字情報とを関連付けて表示する前記画面情報を生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記期間の指定を受け付ける受付部を備える
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記生成部は、複数の前記機器と、前記機器別の前記文字情報とを関連付けて一覧で表示する前記画面情報を生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記生成部は、複数の期間と、前記期間別の前記文字情報とを関連付けて一覧で表示する前記画面情報を生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記運転状況には前記機器の位置が関連付けられており、
前記生成部は、地図画像上の前記機器の位置に重畳表示させた位置オブジェクトと、前記機器の位置に関連付けられる前記運転状況を表す前記文字情報とを対応付けて表示する前記画面情報を生成する
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記位置オブジェクトは、前記文字情報に含まれる前記運転状況を表す文字の大きさ、
色及び位置の少なくとも1つに関連付けられる表示態様を用いて表示される
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記生成部は、前記運転状況の種類又は発生回数に応じて、前記運転状況を表す文字のフォント、色又は位置を異ならせた前記画面情報を生成する
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
測定機器による検出値に基づいて、機器の正常状態及び複数種の異常状態を含む運転状況を導出し、
導出した前記運転状況を記憶し、
記憶した所定の期間における前記運転状況に基づき、前記運転状況の種類別の発生回数に応じて、正常状態及び複数種の異常状態を含む前記運転状況の種類毎に前記運転状況を表す運転状況名称の文字の大きさを異ならせた文字情報を含む画面情報を生成し、
生成した前記画面情報を出力する
情報処理方法。
【請求項15】
測定機器による検出値に基づいて、機器の正常状態及び複数種の異常状態を含む運転状況を導出し、
導出した前記運転状況を記憶し、
記憶した所定の期間における前記運転状況に基づき、前記運転状況の種類別の発生回数に応じて、正常状態及び複数種の異常状態を含む前記運転状況の種類毎に前記運転状況を表す運転状況名称の文字の大きさを異ならせた文字情報を含む画面情報を生成し、
生成した前記画面情報を出力する
処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
機器の監視、制御を行う制御装置は、監視、制御対象となっている機器から出力される各動作検知信号の取り込みを行うとともに、取り込まれた各動作検知信号の値、各種設定データの値などに基づき、制御信号を生成して、各機器を制御する。
【0003】
このような制御装置では、機器から出力された各動作検知信号などに基づき、運転トレンドデータ、操作履歴データを更新しながら、運転トレンド、操作履歴、異常履歴などの情報を表示装置に表示させる。これらの情報は、日時、回数、数値変化のグラフなどを含む画面により表示される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-139625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の方法においては、数値やグラフにより表示される制御結果からユーザが機器の状況を理解するのは容易ではないという問題がある。
【0006】
本開示の目的は、機器の運転状況を視覚的に認識することが可能な画面情報を出力する情報処理装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、機器の運転状況を導出する導出部と、前記導出部が導出した前記運転状況を記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶した所定の期間における前記運転状況に基づき、前記運転状況の発生回数に応じて、前記運転状況を表す文字の大きさを異ならせた文字情報を含む画面情報を生成する生成部と、前記生成部が生成した前記画面情報を出力する出力部とを備える。
【0008】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、機器の運転状況を導出し、導出した前記運転状況を記憶し、記憶した所定の期間における前記運転状況に基づき、前記運転状況の発生回数に応じて、前記運転状況を表す文字の大きさを異ならせた文字情報を含む画面情報を生成し、生成した前記画面情報を出力する。
【0009】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、機器の運転状況を導出し、導出した前記運転状況を記憶し、記憶した所定の期間における前記運転状況に基づき、前記運転状況の発生回数に応じて、前記運転状況を表す文字の大きさを異ならせた文字情報を含む画面情報を生成し、生成した前記画面情報を出力する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、機器の運転状況を把握することが可能な画面情報を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】運転状況情報処理システムの構成例を示す模式図である。
図2】制御装置及びマンホールポンプ装置の構成を説明する説明図である。
図3】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図4】管理者DBの内容例を示す概念図である。
図5】検出値DBの内容例を示す概念図である。
図6】運転状況DBの内容例を示す概念図である。
図7】運転状況名称DBの内容例を示す概念図である。
図8】運転状況名称DBの内容例を示す概念図である。
図9】学習モデルの構成を説明する説明図である。
図10】情報処理端末の構成を示すブロック図である。
図11】制御装置等の構成を示すブロック図である。
図12】運転状況情報処理システムが実行する運転状況の導出処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13】運転状況情報処理システムが実行する運転状況の提供処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14】機器及び期間の指定を受け付けるための受付用画面の一例を示す模式図である。
図15】第1実施形態におけるワードクラウドを含む分析結果画面の第1例を示す模式図である。
図16】第1実施形態におけるワードクラウドを含む分析結果画面の第2例を示す模式図である。
図17】第2実施形態におけるワードクラウドを含む分析結果画面の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、運転状況情報処理システム100の構成例を示す模式図である。運転状況情報処理システム100は、情報処理装置1と、情報処理端末2と、運転状況の監視対象となる複数の機器41とを含む。本実施形態では、対象となる機器41が、ポンプ、特にマンホールポンプ装置4に備えられている水中ポンプ41である場合を例に説明する。マンホールポンプ装置4には、水中ポンプ41の運転情報を取得する制御装置3が備えられている。情報処理装置1と、情報処理端末2及び制御装置3とはそれぞれインターネット等のネットワークNを介して情報の送受信が可能である。
【0014】
情報処理装置1は、例えばサーバコンピュータである。情報処理装置1は、制御装置3を介して取得した各水中ポンプ41の運転情報に基づく運転状況を情報処理端末2に提供する。
【0015】
運転状況とは、水中ポンプ41の運転情報を解析して得られる水中ポンプ41の運転の状況に関する情報であり、例えば正常運転、異物検出、流入量増加、空気混入など、水中ポンプ41の状況に応じて複数種類に分類される。情報処理装置1は、所定期間における運転状況を表す運転状況名称のワードクラウドを情報処理端末2に提供する。ワードクラウドとは、文字(運転状況名称)群を含む文字情報の画像であり、表示対象となる文字(運転状況名称)の発生回数に応じて、文字それぞれの大きさ、フォント、色、配置などを変化させて並べて示した画像である。
【0016】
情報処理端末2それぞれは、表示機能を備える情報端末装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。情報処理端末2は、例えばマンホールポンプ装置4の管理者(例えば自治体の担当者、設備維持管理者等)により管理されており、管理者は情報処理端末2を用いて水中ポンプ41の運転状況を確認する。各管理者は、例えば担当する自治体のエリア内に設置されている複数のマンホールポンプ装置4を管理している。
【0017】
図2は、制御装置3及びマンホールポンプ装置4の構成を説明する説明図である。制御装置3は、例えばマンホールポンプ装置4の近傍に設けられた制御盤300の内部に設置されている。制御装置3は、後述するマンホールポンプ装置4内の水中ポンプ41及び水位計42,46それぞれと電気的に接続されており、水中ポンプ41の駆動に関する情報及びマンホールポンプ装置4の水位に関する情報を含む水中ポンプ41の運転情報を取得する。また、制御装置3は、例えば、ポンプ41の吐出圧力を測定する圧力計(不図示)、吐出量を測定する流量計(不図示)等の測定機器と電気的に接続されており、ポンプ41の吐出圧力や吐出量を含む運転情報を取得してもよい。制御装置3は、取得した駆動に係る運転情報及び水位に係る運転情報、並びに水位に基づくポンプ41の駆動の開始日時及び停止日時(駆動時間)の運転情報、吐出圧力や吐出量に係る運転情報を情報処理装置1へ送信する。
【0018】
マンホールポンプ装置4は、流入管43から流入した汚水を貯留する貯留槽44と、貯留槽44に貯留された汚水を吐出管45に向けて圧送する2台の水中ポンプ41,41と、貯留槽44に貯留された汚水の水位を計測する水位計42とを備えている。
【0019】
水中ポンプ41は、ポンプ本体411と、ポンプ本体411の上部に配置されたモータ等の駆動装置412とを備えている。通常は、2台の水中ポンプ41,41が交互に運転され、例えば異常高水位が発生した場合は汚水の圧送量を増やすために2台の水中ポンプ41,41が同時に運転される。制御装置3は、各水中ポンプ41における駆動装置412の駆動が開始した時から停止するまでの駆動時間、駆動電流及び貯留槽44の水位を検出する。なお、マンホールポンプ装置4に設置される水中ポンプ41は2台に限定されるものではない。マンホールポンプ装置4に設置される水中ポンプ41は1台であってもよく、又は3台以上の水中ポンプ41が設置されていてもよい。また、水中ポンプ41または貯留槽44内の圧送配管には、噴出機構となる槽内撹拌装置(不図示)を設けてもよい。槽内撹拌装置により、水中ポンプ41の噴出水で貯留槽44内に強力な撹拌渦を作り出し、沈殿物の堆積、油脂類の固着、スカムの発生を抑制し、省メンテナンス化を実現できる。
【0020】
水中ポンプ41は、その他不図示の保護装置により、水中ポンプ41に関する情報をさらに検出可能に構成されるものであってよい。例えば、制御装置3には、駆動装置412と電気的に接続された保護装置(例えば、3Eリレーなど)が備えられており、制御装置3を介して保護装置により駆動装置412の異常(例えば、過負荷検出、欠相検出、逆運転検出など)を検出するものであってよい。また、水中ポンプ41には、駆動装置412内に水が浸水した場合、それを検出するための保護装置(例えば、電極式浸水検知器、フロート式浸水検知器等)が組み込まれており、駆動装置412の浸水を検出した際には、制御装置3が受信できるものであってよい。制御装置3により、駆動装置412の駆動電流等に加えて、保護装置と電気的に接続された保護装置からの情報を取得することで、水中ポンプ41の運転状況をより正確に判定することができる。なお、水中ポンプ41に関する情報を検出する例として保護装置を使用する例を説明したが、本実施形態は限定されるものではなく、機器の異常を検出できるものであればよい。
【0021】
水位計42は、例えば気泡式や投込圧力式等の水位計である。気泡式の水位計42は、貯留槽44の底部に設置された空気吐出部421、空気ポンプ(不図示)、空気ポンプと空気吐出部421とを接続するエアチューブ422、圧力センサ及びコントローラ(不図示)を有する。水位計42は、貯留槽44に貯留される汚水の水位を検出する。さらに、貯留槽44内には、予備の水位計として、貯留槽44内における異常高水位を検出するためのフロート式の水位計46が設置されている。水位計42,46により検出された水位の情報は、制御装置3に送信される。
【0022】
制御装置3は、水位計42,46から検出された水位を受信する。貯留槽44内の水位が所定の駆動水位以上となった場合、制御装置3は一方の水中ポンプ41の駆動装置412を駆動させる。水中ポンプ41の動作により、貯留槽44内の汚水が吐出管45を通じて外部に排出され、貯留槽44の水位が下降する。貯留槽44内の水位が所定の停止水位未満となった場合、制御装置3は、当該水中ポンプ41の駆動装置412を停止させる。これにより、水中ポンプ41による汚水の排水が終了する。その後、流入管43を介して外部から流入する汚水が再び貯留槽44に貯留され、所定の駆動水位以上に水位が上昇すると、制御装置3は他方の水中ポンプ41の駆動装置412を駆動させる。他方の水中ポンプ41における同様の処理により、貯留槽44内の汚水が排出され水位が所定の停止水位未満となった場合、制御装置3は、当該他方の水中ポンプ41の駆動装置412を停止させる。マンホールポンプ装置4ではこのような一連の処理が繰り返される。
【0023】
なお、本運転状況情報処理システム100の適用対象となる機器41は、マンホールポンプ装置4の水中ポンプ41に限定されるものではない。水中ポンプ41は、その他揚水装置に設けられるものであってもよい。また、機器41は水を送出する水中ポンプ41に限定されるものではなく、例えば、各散気手段に空気を送る、ルーツブロワ、ターボブロワ等の送風機であってもよい。また、汚水貯留槽内を攪拌させるための撹拌機であってもよい。
【0024】
上述のような運転状況情報処理システム100の構成及び詳細な処理内容について以下に説明する。
【0025】
図3は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、制御部10、記憶部11及び通信部12を備える。情報処理装置1は説明を容易にするために1台のサーバコンピュータとして説明するが、複数のサーバコンピュータで機能又は処理を分散させてもよいし、1台の大型コンピュータに仮想的に生成される複数のサーバコンピュータ(インスタンス)の内の1つであってもよい。
【0026】
制御部10は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit )、GPU(Graphics Processing Unit)等を用いたプロセッサであり、内蔵するROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。
【0027】
通信部12は、ネットワークNを介した通信を実現する通信インタフェースである。制御部10は、通信部12によりネットワークNを介した情報処理端末2及び制御装置3それぞれとの間における情報の送受信が可能である。制御部10は、通信部12を介して制御装置3から運転情報を取得する。また制御部10は、通信部12を介して運転状況や画面情報を情報処理端末2へ出力する。
【0028】
記憶部11は、例えばハードディスク又はSSD(Solid State Drive )等の不揮発性メモリを含む。記憶部11には、プログラム1Pを含む制御部10が参照するプログラム及びデータが記憶されている。制御部10は、プログラム1Pを読み出して実行することによって、汎用的なサーバコンピュータを本開示特有の情報処理装置1として機能させる。
【0029】
また、記憶部11には、管理者DB(Data Base :データベース)110、検出値DB111、運転状況DB112、運転状況名称DB113、及び学習モデル1M等が記憶されている。
【0030】
記憶部11に記憶されるプログラム1P及び学習モデル1Mは、記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録されている態様であってもよい。記憶部11は、図示しない読出装置によって記録媒体1Aから読み出されたプログラム1P及び学習モデル1Mを記憶する。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからプログラム1P及び学習モデル1Mをダウンロードし、記憶部11に記憶させたものであってもよい。なお記憶部11は、複数の記憶装置により構成されていてもよく、情報処理装置1に接続された外部記憶装置であってもよい。
【0031】
図4は、管理者DB110の内容例を示す概念図である。管理者DB110は、マンホールポンプ装置4の管理者に関する情報を格納するデータベースである。管理者DB110には、例えば、複数の管理者それぞれの管理者IDに関連付けて、マンホールポンプ装置4の識別情報(例えば装置ID)、マンホールポンプ装置4に設けられる水中ポンプ41の識別情報(例えばポンプID)、位置情報(例えば設置場所の住所)が格納されている。管理者DB110の内容は、管理者のマンホールポンプ装置4の管理サービスへの加入時等に取得され予め登録されてよい。管理者DB110に記録される内容は図4に示す例に限定されない。
【0032】
図5は、検出値DB111の内容例を示す概念図である。検出値DB111は、制御装置3を介して水中ポンプ41から取得した検出値を格納するデータベースである。検出値DBには、各水中ポンプ41の駆動装置412における駆動電流及び水位を示す検出値が、検出日時に関連付けて時系列的に格納されている。検出値DB111に記憶される各検出値は、制御装置3により所定間隔(例えば1秒~1分間隔)で検出され、通信部12を介して制御装置3から取得する都度、制御部10によって追加される。検出値DB111には、その他水中ポンプ41のオン/オフ動作に関する情報、保護装置からの水中ポンプ41に関する情報が格納されていてよい。なお、検出値は、所定間隔で検出されるものに限定されず、駆動装置412の駆動開始時点及び終了時点における検出値が含まれてよい。記憶部11は、複数のマンホールポンプ装置4の夫々について検出値DB111を記憶している。検出値DB111に記録される内容は図5に示す例に限定されない。
【0033】
図6は、運転状況DB112の内容例を示す概念図である。運転状況DB112は、水中ポンプ41の運転状況を格納するデータベースである。運転状況DB112には、運転情報に関連付けて運転状況が記録されている。運転情報には、駆動開始時点から停止時点までの駆動時間、水中ポンプ41の識別情報(例えばポンプID)、駆動電流、水位が含まれている。制御部10は、検出値DB111から水中ポンプ41の駆動装置412における動作毎の、駆動装置412が駆動を開始した時点から停止する時点までの駆動時間、駆動時間内における駆動電流及び水位を抽出し、運転情報を取得する。
【0034】
運転状況とは、水中ポンプ41の運転動作の正常及び異常に関する状況を示す情報である。運転状況は、例えば「正常」、「異物検出」、「流入量増加」、「空気混入」、「駆動時間判定」等の複数種類に分類される。運転状況の各種類は、さらに中分類、小分類等の細分化された種類に分類されてもよい(図7及び図8参照)。例えば、「正常」は、「正常」、「正常(他ポンプ運転)」などに中分類されてよく、「正常(他ポンプ運転)」は、「正常(他ポンプも運転、同時起動停止)」、「正常(他ポンプも運転、同時停止)」、…、などに小分類されてよい。
【0035】
ここで、「正常」とは、水中ポンプ41の運転に異常がなく運転された状態を含む。「異物検出」とは、水中ポンプ41の異物に関する状態であり、例えば、ポンプ本体411内に滞留していた何らかの異物がポンプ本体411の外部に流出された状態、ポンプ本体411内に何らかの異物が流入して当該異物がポンプ本体411内を閉塞した状態、ポンプ本体411内に何らかの異物が滞留している状態などを含んでよい。「流入量増加」とは、貯留槽44への流入量または水中ポンプ41の排水能力に関する状態であり、例えば、水中ポンプ41の計画排水量より貯留槽44内に汚水が過剰に流入し、貯留槽44内における汚水の水位が安定的に下降しない状態、水中ポンプ41の排水能力が低下したことにより、貯留槽44内の流入量が想定される範囲内であっても水中ポンプ41の排水処理が追いつかない状態などを含んでよい。「流入量増加」は、豪雨などの外的要因によって、貯留槽44内において想定される流入量を超えて貯留槽44内に汚水が流入した状態を含んでもよい。「空気混入」とは、水中ポンプ41の空気混入に関する状態であり、例えばポンプ本体411の内部に空気が混入したことにより、水中ポンプ41が揚水できなくなった状態を含む。「空気混入」は、水中ポンプ41を駆動させる前にポンプ本体411の中の入った空気が抜け切らずに、駆動を開始したことで水中ポンプ41が揚水できない状況がある状態、水中ポンプ41を駆動させた後に、何らかの理由で空気を吸い込み揚水できなくなった状態を含んでもよい。「駆動時間判定」とは、水中ポンプ41の駆動時間と他水中ポンプ41の運転情報、保護装置等の情報から判定した水中ポンプ41の状態を含む。
【0036】
マンホールポンプ装置4には、汚水(例えば、トイレ排水などし尿を含むもの、台所、風呂、洗濯などの排水、髪の毛、長尺物のゴミ、固形物のゴミ等)が流入される。例えば、ポンプ本体411内に滞留していた何らかの異物がポンプ本体411の外部に流出された状態は、異物検出という異物に関する異常は発生しているものの、水中ポンプ41の運転状況としては「正常」である。一方で、ポンプ本体411内に何らかの異物が流入して当該異物がポンプ本体411内を閉塞した状態は、異物検出という異物に関する状態の発生であるとともに、水中ポンプ41の運転状況としても「異常」である。また、ポンプ本体411内に何らかの異物が滞留している状態は、異物検出という異物に関する状態の発生であるとともに、水中ポンプ41の運転状況としても「異常」である。このように、運転状況に応じて「正常」「異常」の質が異なるところ、運転状況を細分化することで、より的確に状態を把握することができる。
【0037】
情報処理装置1は、水中ポンプ41の駆動時間、駆動電流及び水位の情報を含む運転情報を制御装置3から取得し、後述する学習モデル1Mを用いて、運転情報に応じた運転状況の識別結果を導出する。運転状況DB112に記憶される運転状況情報は、新たな運転情報に応じた運転状況を導出する都度、制御部10によって記録される。記憶部11は、複数のマンホールポンプ装置4の夫々について運転状況DB112を記憶している。運転状況DB112に記録される内容は図6に示す例に限定されない。
【0038】
図7及び図8は、運転状況名称DB113の内容例を示す概念図である。運転状況名称DB113は、ワードクラウドを生成するための運転状況名称を格納するデータベースである。運転状況名称とは、運転状況を表す文字であり、ワードクラウドを生成する場合に用いる運転状況の表示名称である。運転状況名称は、専門的な内容を含む運転状況を、管理者の認識し易い文言に変換して表示するものである。運転状況名称DB113には、運転状況に関連付けて、当該運転状況を示す運転状況名称の文字データが記録されている。制御部10は、運転状況名称DB113を参照して運転状況をワードクラウド表示用の運転状況名称に変換し、ワードクラウドを生成する。
【0039】
本実施形態では、異なる種類の運転状況であっても、同一の運転状況名称に変換される。例えば、運転状況の中分類が「正常」及び「異物通過」の場合は、いずれも「正常運転」の運転状況名称に集約してワードクラウド表示される。一方、大分類又は中分類が同一種類の運転状況であっても、詳細分類に応じて異なる運転状況名称に変換される。例えば、運転状況の中分類が「異物検出」の場合は、その小分類に応じて、「ゴミが多い」、「ゴミが多く、負荷増加」などに分別した運転状況名称にてワードクラウド表示される。運転状況名称DB113に記録される内容は図7及び図8に示す例に限定されない。
【0040】
図9は、学習モデル1Mの構成を説明する説明図である。学習モデル1Mは、機械学習により生成されたモデルであり、運転情報の入力に応じて運転状況を示すデータを出力する識別器である。学習モデル1Mは予め、情報処理装置1又は外部装置において生成され学習される。制御部10は、例えばサポートベクタマシン(SVM:support vector machine)決定木、クラスタリング等の機械学習アルゴリズムを用いて、境界線を定め、運転状況の種類を特定するようにしてもよい。学習モデル1Mは、その定義情報によって定義される。記憶部11には、学習モデル1Mに関する定義情報が記憶されている。
【0041】
学習モデル1Mに入力される入力情報は、運転情報である。本実施形態においては、運転情報には、水中ポンプ41における駆動装置412の駆動を開始した時点から停止する時点までの駆動時間、所定周期で検出された駆動電流及び水位が含まれている。
【0042】
制御部10は、運転情報に所定の前処理を施し、前処理が施された運転情報を入力情報として学習モデル1Mに入力するものであってもよい。例えば、制御部10は、運転情報に基づき、駆動時間内における駆動電流の波形、水位変化、各種パラメータ等を取得する前処理を行う。各種パラメータには、例えば、駆動電流の時系列データに基づく駆動電流の標準偏差、駆動電流の最大値及び最小値、駆動電流の単位時間当たりの変化量、並びに駆動時間内における駆動電流の時間的変化の度合が変化した変化点の合計数などの駆動電流パラメータ等が含まれてよい。各種パラメータには、水位の時系列データに基づく水位変化速度の最大値、及び駆動時間内における水位の時間的変化の度合が変化した変化点の合計数などの水位パラメータが含まれてよい。各種パラメータには、上述の駆動電流パラメータ及び水位パラメータの少なくとも一つが含まれてよい。制御部10は、これらパラメータを入力情報として学習モデル1Mに入力する。
【0043】
入力情報には、気象情報等の外部データがさらに入力要素として含まれてもよい。例えば、制御部10は、水中ポンプ41の位置情報(例えば、住所、GPS情報など)に基づき、水中ポンプ41の設置場所付近の気象情報(例えば、降水量、降雨予測量、気温、湿度、落雷など)を外部サーバから取得し、日時情報を関連付けて記憶部11に記憶しておく。制御部10は、駆動時間に応じた気象情報を読み出し、入力情報として学習モデル1Mに入力する。水中ポンプ41の運転には、流入管43への雨水流入など気象状況が影響するため、学習モデル1Mの入力情報に気象情報を含めることで、より運転状況を精度よく出力することができる。また、入力情報には、水中ポンプ41の保護装置により検出される水中ポンプ41に関する情報が入力要素として含まれてもよい。
【0044】
学習モデル1Mは、運転情報に応じた運転状況を示す出力情報を出力する。運転状況は、例えば「正常」、「異物検出」、「流入量増加」、「空気混入」、「駆動時間判定」等を含んでよい。なお各運転状況の種類は、より細かく分類されていてもよい。すなわち、学習モデル1Mは、図7及び図8の例における運転状況の大分類における識別結果を出力してもよく、より細かい中分類、小分類の識別結果を出力してもよい。なお、学習モデル1Mは、運転状況に応じた運転状況名称を出力情報として出力するものであってもよい。
【0045】
制御部10は、識別対象となる運転情報が入力されると、運転情報に応じた運転状況の種類を識別する。具体的には、制御部10は、運転状況の種類ごとに特徴量を記憶しており、運転情報に含まれる特徴量と運転状況毎の特徴量とに基づいて、類似度が最も高い特徴量の属する運転状況の種類を、運転情報の運転状況と特定する。制御部10は、運転情報を含む入力情報に、既知の運転状況の種類が付与された情報群を訓練データとして取得する。制御部10は、過去に計測された大量の訓練データを用いて、運転情報に応じた運転状況を識別するよう学習モデル1Mの学習を行う。
【0046】
制御部10は、複数の学習モデル1Mを記憶し、これら複数の学習モデル1Mの出力情報に基づき運転状況の種類を分類してもよい。例えば、第1の学習モデル1Mは、運転情報に応じて、運転状況の種類が正常であるか否かを示す出力情報を出力する。第2の学習モデル1Mは、運転情報に応じて、運転状況の種類が異物検出であるか否かを示す出力情報を出力する。第3の学習モデル1Mは、運転情報に応じて、運転状況の種類が流入量増加であるか否かを示す出力情報を出力する。第4の学習モデル1Mは、運転情報に応じて、運転状況の種類が空気混入であるか否かを示す出力情報を出力する。このように、各学習モデル1Mは、運転情報に応じた運転状況の種類毎の分類結果を出力する。この場合において、各学習モデル1Mの入力情報には、運転時間、駆動電流及び水位の全てが含まれるものに限定されない。学習モデル1Mは、例えば駆動電流及び水位の少なくとも1つを入力要素とするものであってもよく、駆動電流パラメータ及び水位パラメータに含まれるパラメータ情報のうちの少なくとも1つを入力要素とするものであってもよい。
【0047】
学習モデル1Mは図9に示した例に限定されるものではない。学習モデル1Mは、ニューラルネットワーク等、他のアルゴリズムによって学習されたモデルであってもよい。ニューラルネットワークとしては多層のニューラルネットワーク(深層学習)を用いることができ、例えば畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network:CNN)を用いることができる。この場合、訓練データの入力データとして、電流値の時系列データ、水位の時系列データ、駆動電流パラメータ、水位パラメータ、降水量の少なくとも1つを用い、出力データとして正常、異物検出、流入量増加、空気混入等の運転状況のラベルを付与すればよい。制御部10は、すでに計測済みの大量の訓練データを用いて、バックプロパゲーション等により、学習モデル1Mのパラメータのチューニングを行う。なお、制御部10は機械学習の手法を用いるものに限定されず、例えば運転時間、駆動電流及び水位による閾値判断等、その他ルールベースの手法を用いて運転状況を導出してもよい。例えば、「駆動時間判定」に係る運転状況は、学習モデルを用いず、水中ポンプ41の運転時間と他ポンプの運転情報、保護装置の情報から導出してよい。何らかの理由で、駆動電流、水位が計測できない場合などにおいても有効である。
【0048】
図10は、情報処理端末2の構成を示すブロック図である。情報処理端末2は、制御部20、記憶部21、通信部22、表示部23及び操作部24を備える。
【0049】
制御部20は、CPU又はGPU等のプロセッサと、メモリ等を含む。制御部20は、プロセッサ、メモリ、記憶部21、及び通信部22を集積した1つのハードウェア(SoC:System On a Chip)として構成されていてもよい。制御部20は、記憶部21に記憶されているプログラム2Pに基づき、各構成部を制御して処理を実行する。
【0050】
記憶部21は、例えばハードディスク又はSSD等の不揮発性メモリを含む。記憶部21は、プログラム2Pを含む制御部20が参照するプログラム及びデータを記憶する。通信部22は、ネットワークNを介した情報処理装置1との通信を実現する通信インタフェースである。
【0051】
表示部23は、液晶パネル、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイ装置を含む。表示部23は、制御部20からの指示に従って運転状況を含む各種の情報を表示する。操作部24は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースであり、例えば物理ボタン、マウス、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ及びマイクロフォン等を含む。操作部24は、ユーザからの操作入力を受け付け、操作内容に応じた制御信号を制御部20へ送出する。
【0052】
図11は、制御装置3等の構成を示すブロック図である。制御装置3は、制御部30、記憶部31、通信部32及び入出力部33を備える。
【0053】
制御部30は、一又は複数のCPU、GPU等を用いたプロセッサであり、内蔵するROM又はRAM等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。記憶部31は、制御部30が参照する情報を記憶する記憶装置である。通信部32は、ネットワークNを介した情報処理装置1との通信を実現する通信インタフェースである。制御部30は、マンホールポンプ装置4から取得した運転情報を通信部32を介して情報処理装置1へ送信する。
【0054】
入出力部33は、マンホールポンプ装置4の水中ポンプ41及び水位計42,46と接続される入出力インタフェースである。入出力部33には、その他図示しない水中ポンプ41の保護装置、駆動装置412の保護装置が接続されてもよい。制御部30は、入出力部33を介して水位計42,46から水位を示す信号を取得する。制御部30は、入出力部33を介して水中ポンプ41の駆動装置412へ駆動を制御する信号を出力する。制御部30は、駆動装置412の駆動が開始した時点から停止する時点までの駆動時間において、水中ポンプ41の駆動装置412における駆動電流を検出する。
【0055】
図12は、運転状況情報処理システム100が実行する運転状況の導出処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1の制御部10は、制御装置3から運転情報が送信されると以下の処理を開始する。
【0056】
情報処理装置1の制御部10は、制御装置3から検出日時、駆動電流及び水位を含む検出値を受信し(ステップS11)、検出値DB111に記憶する。検出値には、その他水中ポンプ41のオン/オフ動作に関する情報、保護装置による水中ポンプ41に関する情報が含まれてよい。この場合において制御部10は、検出値とマンホールポンプ装置4及び水中ポンプ41の識別情報とを関連付けて取得してよい。
【0057】
制御部10は、水中ポンプ41の駆動が停止したか否かを判定する(ステップS12)。例えば水中ポンプ41のオフ動作に関する情報を取得していないことにより、駆動が停止していないと判定した場合(ステップS12:NO)、制御部10は、処理をステップS11に戻し、検出値の受信を継続する。
【0058】
一方、例えば水中ポンプ41のオフ動作に関する情報を取得したことにより、駆動が停止したと判定した場合(ステップS12:YES)、制御部10は、駆動時間内における運転情報を取得する(ステップS13)。具体的には、制御部10は、検出値DB111を参照して、水中ポンプ41の駆動を開始した時点から停止する時点までの駆動時間と、当該駆動時間中における水中ポンプ41の駆動電流と、当該駆動時間中における水位とを抽出することにより、運転情報を取得する。制御部10は、取得した運転情報を記憶部11に記憶する。制御部10は、運転情報を取得する取得部として機能する。
【0059】
制御部10は、取得した運転情報の解析処理を実行し、運転情報に基づく運転状況を導出する(ステップS14)。具体的には、制御部10は、駆動時間、駆動電流及び水位を含む運転情報を入力情報として学習モデル1Mに入力して、出力される運転状況を取得する。この場合において、制御部10は、動作情報から各種パラメータ等を生成する前処理を施してもよい。また、制御部10は、外部サーバから気象情報を取得し、入力情報の入力要素としてもよい。制御部10は、運転状況を導出する導出部として機能する。制御部10は、導出した運転状況と運転情報とを関連付けて運転状況DB112に記憶し(ステップS15)、一連の処理を終了する。制御部10は、制御装置3から検出値が出力される都度、上述の処理を実行する。このようにして、水中ポンプ41の運転毎に、水中ポンプ41の運転状況を解析した運転状況が生成され、運転状況DB112に記録される。
【0060】
上述のステップS13において、運転情報の取得処理は、水中ポンプ41の運転が停止する度に実行するものに限定されない。制御部10は、定期的なタイミング(例えば1日1回)で複数回の運転情報を一括して取得してもよい。また、例えば、駆動装置412が起動および停止を頻繁に行わない24時間常時運転等を行っている場合には、制御部10は、任意に設定した時間間隔(例えば1時間、1日)毎に運転情報を取得してもよい。この場合において、駆動時間は、駆動装置412の実際に駆動開始してから停止するまでの時間であってもよく、または起動及び停止を連続的に設定することにより、例えば連続した駆動運転を1時間ごとの駆動時間に分けて運転情報を取得してもよい。
【0061】
上述のステップS14において、運転状況の導出処理は、運転情報の取得の度に行われるものに限定されない。例えば、制御部10は、取得した動作情報を運転状況DB112に記憶しておき、後述する情報処理端末2からの運転状況の問い合わせを受信したタイミングや、定期的に決められたタイミングにおいて、期間内に取得した運転情報から運転状況を導出する処理を実行してもよい。
【0062】
上述のステップS14において、学習モデル1Mから出力情報として運転状況に応じた運転状況名称が出力される場合、制御部10は、運転状況DB112に運転状況名称を記憶してよい。なお、運転状況名称は、運転状況名称に応じた運転状況コードを用いて記憶されてもよい。運転状況コードを用いることで、多言語(英語、日本語、中国語、韓国語など)への対応が容易である。
【0063】
図13は、運転状況情報処理システム100が実行する運転状況の提供処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の処理は、情報処理端末2の記憶部21に記憶してあるプログラム2Pに従って制御部20によって実行されると共に、情報処理装置1の記憶部11に記憶してあるプログラム1Pに従って制御部10によって実行される。
【0064】
情報処理端末2の制御部20は、マンホールポンプ装置4の管理者の操作部24の操作によって、運転状況の表示対象となる機器及び期間の指定を受け付ける(ステップS21)。制御部20は、プログラム2Pに従って、機器及び期間の指定を受け付けるための受付用画面250を表示部23に表示し、受付用画面250を利用して管理者から機器及び期間の指定を受け付ける。
【0065】
図14は、機器及び期間の指定を受け付けるための受付用画面250の一例を示す模式図である。受付用画面250には、例えば、マンホールポンプ装置4及び水中ポンプ41を指定するプルダウンメニュー251、期間の設定を自動で指定するか、任意の期間を指定するかを選択するための選択ボタン252,252、任意の期間を指定する場合の期間設定用のプルダウンメニュー253、選択した指定期間の運転状況を表示する表示ボタン254などが含まれている。
【0066】
管理者は、受付用画面250を利用して情報処理端末2を操作し、指定する機器及び期間を入力する。管理者は、管理するマンホールポンプ装置4の中から、プルダウンメニュー251により運転状況の表示対象となるマンホールポンプ装置4及び水中ポンプ41を選択する。さらに管理者は、期間の指定にあたり、自動で設定される期間と、任意に設定される期間とのいずれかの選択ボタン252,252を指定する。自動で設定される期間が選択された場合には、例えば最新の運転情報の取得日時に基づき、所定の期間が自動で設定される。任意に設定される期間が選択された場合には、プルダウンメニュー253の操作によって、期間の開始日及び終了日の指定を受け付ける。管理者が期間を選択し、表示ボタン254を指定することにより、マンホールポンプ装置4の識別情報、期間指定の選択、及び任意の期間を指定する場合の期間等が入力される。制御部20は、マンホールポンプ装置4の識別情報、期間指定の選択、及び任意の期間を指定する場合の期間等の指定を受け付ける。
【0067】
図13に戻り説明を続ける。制御部20は、マンホールポンプ装置4の識別情報、期間指定の選択、及び任意の期間を指定する場合の期間等を含む運転状況の問い合わせを情報処理装置1へ送信する(ステップS22)。
【0068】
情報処理装置1の制御部10は、情報処理端末2から運転状況の問い合わせを受信し(ステップS23)、情報処理端末2を介して受け付けた指定期間を取得する(ステップS24)。具体的には、制御部10は、自動で設定される期間が選択されたことを示す選択結果に基づき、最新の運転情報の取得日時に応じた所定期間を取得する。自動で指定される期間は、例えば、運転情報の取得日の前日、当該前日を含む過去1週間及び過去1か月間の3種類の期間を含む。又は、制御部10は、任意の期間が選択されたことを示す選択結果と、選択された開始日及び終了日とに基づき、指定期間を取得する。制御部10は、受付部として機能する。
【0069】
制御部10は、運転状況DB112を参照して、指定された期間を日時項目に含む運転状況を特定し、指定期間における運転状況を取得する(ステップS25)。情報処理端末2からの問い合わせに応じて運転状況を導出するように構成されている場合は、制御部10は、図12のステップS14の処理を実行し、指定された期間の運転情報を読みだして運転状況を導出すると共に、導出した運転状況を運転状況DB112に記憶させる。制御部10は、運転状況名称DB113を参照して、取得または導出した運転状況をワードクラウド表示するための文字データである運転状況名称に変換する(ステップS26)。なお、学習モデル1Mから運転状況名称が出力される場合には、ステップS26の処理は省略してよい。
【0070】
制御部10は、運転状況名称に基づき、指定期間における運転状況のワードクラウドを生成する(ステップS27)。具体的には、制御部10は、運転状況DB112から取得した指定期間における全ての運転状況について、運転状況別の発生回数を算出し、運転状況の総数に対する運転状況別の発生回数の割合に応じて、運転状況名称の文字の表示態様を変更したワードクラウド(文字情報)を生成する。制御部10は、生成部として機能する。なお、運転状況の発生回数を算出する場合において、同一の運転状況名称に変換される運転状況が複数種類発生したときは、これら複数種類の運転状況の発生回数の合計値が当該複数種類の運転状況に係る合計発生回数として算出されてよい。
【0071】
本実施形態では、制御部10は、表示対象期間における運転状況の発生回数が多い程、ワードクラウドにおいて当該運転状況の運転状況名称を大きく表示する。なお、発生回数に応じた表示態様は、各運転状況名称の文字の大きさを変更するものに限定されず、各運転状況名称の文字のフォント、色、配置、太さ、濃さ、点滅などを当該運転状況の発生回数に応じたものとするものであってもよい。
【0072】
ワードクラウドの運転状況名称は、発生回数に加えて、当該運転状況の種類に基づき表示態様がさらに変更されてもよい。例えば、制御部10は、運転状況の種類別に設定される重み付け係数を用いて、発生回数に重み付け係数を乗じた重み付け発生回数を算出し、運転状況の総数に対する重み付け発生回数の割合に応じて、運転状況の文字の表示態様を変更する。重み付け係数は、例えば運転状況が異常である場合に関するもの程大きく表示するよう、大きな数値が設定される。あるいは、制御部10は、特定の種類の運転状況についてのみ、当該運転状況の運転状況名称の表示色等を変更してもよい。
【0073】
制御部10は、運転状況のワードクラウドを含む分析結果画面情報を生成する(ステップS28)。分析結果画面情報には、ワードクラウドと、当該ワードクラウドにて示される運転状況の期間及び水中ポンプ情報とが関連付けられて表示されている。制御部10は、生成した分析結果画面情報を情報処理端末2へ送信する(ステップS29)。制御部10は、出力部として機能する。
【0074】
情報処理端末2の制御部20は、情報処理装置1から画面情報を受信する(ステップS30)。制御部20は、受信した画面情報に基づく分析結果画面を表示部23に表示し(ステップS31)、一連の処理を終了する。
【0075】
なお、上述の図12及び図13におけるフローチャートの処理において、一連の処理を情報処理装置1の制御部10、又は、情報処理装置1の制御部10と情報処理端末2の制御部20とが分担して実行する例を説明したが、これら制御部10及び制御部20の分担は一例であり、図12及び図13の例に限定されるものではない。情報処理装置1の制御部10により実行される処理の一部又は全部は、情報処理端末2の制御部20で実行されてもよく、あるいは、制御装置3の制御部30で実行されてもよい。
【0076】
図15は、第1実施形態におけるワードクラウドを含む分析結果画面260の第1例を示す模式図である。制御部10は、図14に示す受付用画面250が表示されている状態において、プルダウンメニュー251にてマンホールポンプ装置4の全ての水中ポンプ41(図15の例では、ポンプ「101-1」及びポンプ「101-2」)を指定する操作と、期間の設定を自動で指定するための「最新」と表示された選択ボタン252の選択操作とを受け付けた場合、図15の例にて示される分析結果画面260の画像情報を生成する。分析結果画面260には、自動で指定される期間におけるポンプ「101-1」及びポンプ「101-2」の運転状況を示す複数のワードクラウド(文字情報)261が含まれている。自動で指定される期間は、例えば運転状況の取得日の前日を起算日とする過去1日間、1週間及び1か月間の3つの期間を含む。図15の例では、分析結果画面260には、縦軸を所定期間262、横軸を水中ポンプ情報263とするマトリクス形式にて運転状況を示す複数の領域が含まれており、各領域には、所定期間及び水中ポンプ41毎に生成されたワードクラウド261が表示されている。
【0077】
制御部10は、ワードクラウドと、当該ワードクラウドにて示される運転状況に関連付けられる期間及び水中ポンプ41の識別情報とに基づき、生成したワードクラウドをマトリクス上の対応する各領域に表示させる分析結果画面情報を生成する。分析結果画面260では、運転状況の文字の表示態様によって、対象期間における運転状況の発生回数の割合を容易に認識することができる。図15の例では、ポンプ「101-1」の1か月間のワードクラウド261aにおいて、「正常運転」の文字が大きく表示され、その他の運転状況名称の文字が小さく表示されている。従って、分析結果画面260により、過去1か月におけるポンプ「101-1」の運転状況は、正常運転が多数を占めていたことが視覚的に容易に認識できる。また、正常運転と並べて表示されている他の運転状況名称の数と、運転状況名称の表示サイズから、非定常な動作の発生状況や発生比率を視覚的に認識することができる。さらに、分析結果画面260には、短期、中期及び長期の複数期間における運転状況が一覧で示されており、期間毎の運転状況の比較が容易となる。
【0078】
ワードクラウドには、運転情報が関連付けられて表示されてもよい。例えば、制御部10は、図15に示す分析結果画面260が表示されている状態において、管理者のクリック操作等による、ワードクラウドに含まれるいずれか1個の運転状況名称の選択を受け付ける。制御部10は、選択された運転状況名称に基づき、当該運転状況名称で示される全ての運転状況に対応する運転情報を取得する。制御部10は、取得した運転情報を含む画面情報を生成し、表示部23を介して表示させる。運転情報は、例えば、選択された運転状況名称に係る水中ポンプ41及び指定期間における全運転情報ログの駆動時間の一覧のうち、選択された運転状況名称に対応する駆動時間をハイライト表示または、該当箇所の抽出等を行うことにより、視覚的に識別可能に表示される。運転情報は、例えば、選択された運転状況名称に係る水中ポンプ41及び指定期間における駆動電流、水位の時系列データのグラフ上において、選択された運転状況名称に対応する駆動電流、水位をハイライト表示等することにより表示されてもよい。
【0079】
マンホールポンプ装置4の水中ポンプ41のように、特に外部環境に影響され易く、非定常稼働が発生し易い機器においては、汚水の流入増加、異物混入、運転開始から停止までの時間設定の誤りや水位計の誤動作による空気混入など、運転毎に状況が変化する可能性があるため、機器の稼働データから瞬時に運転状況を把握することは容易ではない。このような運転状況をワードクラウドにより表示することで、機器に発生した状況を視覚的に認識させることができる。
【0080】
図16は、第1実施形態におけるワードクラウドを含む分析結果画面260の第2例を示す模式図である。図14に示す受付用画面250が表示されている状態において、マンホールポンプ装置4を指定するプルダウンメニュー251にて「全て」の選択操作を受け付けた場合、制御部10は図16に示す如く、指定期間における複数の水中ポンプ41のワードクラウド261が一覧で表示される分析結果画面260の画像情報を生成する。分析結果画面260には、水中ポンプ41別のワードクラウド261を含む複数の領域が含まれており、各領域には、同一の期間における各水中ポンプ41の運転状況のワードクラウド261が表示されている。各ワードクラウド261の下側には、当該ワードクラウド261に係る指定期間及び水中ポンプ41の情報が対応付けて表示されている。制御部10は、例えば特定の管理者IDに関連付けられる全てのマンホールポンプ装置4に設けられる水中ポンプ41それぞれについて、指定された期間における運転状況を取得し、取得した運転状況のワードクラウドを生成する。制御部10は、生成した各ワードクラウドに、指定期間及び水中ポンプ41の識別情報をそれぞれ対応付けて表示する画面情報を生成する。
【0081】
本実施形態によれば、運転情報に応じた運転状況が、ワードクラウド形式の文字情報として表示部23に表示される。運転状況は、学習モデル1Mにより精度良く識別される。さらに、運転状況は、運転状況名称のワードクラウドにより表示されるため、専門的な知識を有さない管理者や、経験の低い管理者であっても、機器の運転の状態を視覚的に即座に把握することができ、運転状況に対する迅速な対応が可能となる。
【0082】
本実施形態によれば、管理者の操作による、運転状況の表示対象となる機器、期間などの指定を受け付けることができるため、運転状況の表示における自由度が高まる。また、複数のワードクラウドによる運転状況が一覧で表示されることにより、機器別、又は期間別の運転状況の比較が容易となり、運転状況の検討を効率的に行うことができる。
【0083】
(第2実施形態)
図17は、第2実施形態におけるワードクラウドを含む分析結果画面270の例を示す模式図である。図17は、ワードクラウドを水中ポンプ41の位置情報と共に表示した分析結果画面270の例を示している。図17に示す例にて、分析結果画面270には、管理者の管理する水中ポンプ41の位置を示す地図画像271と、当該水中ポンプ41の運転状況のワードクラウド画像272とが表示されている。
【0084】
制御部10は、予め各水中ポンプ41の位置情報を取得し、管理者DB110に記憶している。制御部10は、地図画像271を表示させると共に、地図画像上の各水中ポンプ41がある位置情報に対応する位置に、各水中ポンプ41の位置オブジェクト273を重畳して表示させる分析結果画面情報を生成する。位置オブジェクト273は、それぞれに対応する水中ポンプ41の運転状況のワードクラウド272に対応して、その表示態様が変化する。例えば、位置オブジェクト273は、ワードクラウド272で一番大きく表示される運転状況名称の表示色と同じ色で表示される。又は、位置オブジェクト273は、ワードクラウド272に特定の運転状況名称が含まれる場合にのみ、当該特定の運転状況名称の表示色と同じ色で表示されるものであってもよい。なお、位置オブジェクト273は、同じ位置に複数の水中ポンプ41が設置されている場合、これらを代表して1つの位置オブジェクトで表しても良く、水中ポンプ41が設置されたマンホールポンプ装置4の位置を示すものであっても良い。
【0085】
位置オブジェクト273を含む地図画像271が表示されている状態において、管理者の操作によるいずれかの位置オブジェクト273の指定を受け付けた場合、制御部10は図17に示す如く、当該位置オブジェクトの水中ポンプ41に対応するワードクラウド272を含む分析結果画面情報を生成し、情報処理端末2の表示部23を介して表示させる。例えば、プルダウンメニュー251によって、マンホールポンプ装置「ABC101」のポンプ「ポンプ(101-2)」を選択すれば、マンホールポンプ装置「ABC101」の位置オブジェクト273の色や大きさなどを変更してわかりやすくし、さらに地図画像271に、「ポンプ(101-2)」のワードクラウド272を重畳して表示できる。また、マンホールポンプ装置「ABC101」のポンプ「全て」を選択すれば、マンホールポンプ装置「ABC101」に複数の水中ポンプ41がある場合、地図画像271に、マンホールポンプ装置「ABC101」に設けられた複数の水中ポンプ41のワードクラウド272を複数重畳して表示できる。制御部10は、管理者のカーソル操作によりいずれかの位置オブジェクト273が選択された場合、当該位置オブジェクトの水中ポンプ41に対応するワードクラウド272を自動的に表示させるものであってもよい。
【0086】
本実施形態によれば、ワードクラウド272の表示態様と位置オブジェクト273の表示態様とが関連付けられている。従って、地図画像上における水中ポンプ41の位置オブジェクト273の位置及び表示態様によって、管理者に水中ポンプ41の位置と、運転状況の内容とを具体的に把握させることができる。また、例えば、地図画像271上の位置オブジェクトが示すマンホールポンプ装置4の間に上流側(送水側)、下流側(受水側)の関係がある場合、地図画像271上に上流側位置オブジェクトから下流側位置オブジェクトに向かう矢印を表示することで、異常が確認されたマンホールポンプ装置4や水中ポンプ41に対し、その上流側のマンホールポンプ装置4、下流側のマンホールポンプ装置4を容易に特定でき、それらマンホールポンプ装置4の水中ポンプ41の運転状況の把握と、配管路を含む系統全体での異常発生場所の特定が容易になる。
【0087】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0088】
100 運転状況情報処理システム
1 情報処理装置
10 制御部
11 記憶部
1P プログラム
1M 学習モデル
110 管理者DB
111 検出値DB
112 運転状況DB
113 運転状況名称DB
12 通信部
2 情報処理端末
20 制御部
21 記憶部
2P プログラム
22 通信部
23 表示部
24 操作部
3 制御装置
4 マンホールポンプ装置
41 水中ポンプ(機器)
42,46 水位計
図1
図2
図3
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