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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】エレベータ
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/00 20060101AFI20240222BHJP
   B66B 13/30 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
B66B3/00 G
B66B13/30 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020104683
(22)【出願日】2020-06-17
(65)【公開番号】P2021195250
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2020-06-17
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】物部 愛
【合議体】
【審判長】小川 恭司
【審判官】吉田 昌弘
【審判官】中屋 裕一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-35243(JP,A)
【文献】実公昭42-745(JP,Y1)
【文献】特開昭61-119577(JP,A)
【文献】特開平11-92045(JP,A)
【文献】国際公開第2020/100261(WO,A1)
【文献】特開2016-199390(JP,A)
【文献】国際公開第2017/006393(WO,A1)
【文献】特許第2521576(JP,B2)
【文献】実開昭62-29371(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 3/00-3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗場扉及び前記乗場扉の隣接部の両方に配置される透過部と、
かごに取り付けられ、前記透過部を介して乗場から視認可能な画像を出力する出力部と、を備え、
前記出力部は、前記かごの上部に配置される上出力部を備え、
前記透過部は、前記乗場扉よりも上方に配置される上透過部と、前記乗場扉に配置される扉透過部と、を含み、
前記上透過部の上下方向の寸法は、前記上出力部が出力して前記上透過部を介して乗場から視認可能な画像の上下方向の寸法以上であり、且つ、前記扉透過部の上下方向の寸法は、前記上出力部が出力して前記扉透過部を介して乗場から視認可能な画像の上下方向の寸法以上であ、前記かごが昇降している状態で前記上出力部が出力して前記扉透過部を介して視認可能な画像の少なくとも一つは、前記かごが停止している状態で前記上出力部が出力して前記上透過部を介して視認可能な画像と、異なり、
前記上透過部の上下方向の寸法は、前記上出力部が出力して前記上透過部を介して乗場から視認可能な画像の上下方向の寸法以上であ、前記かごが停止している状態で前記上出力部が出力して前記上透過部を介して視認可能な画像は、変更される、エレベータ。
【請求項2】
前記かごが昇降している状態で前記扉透過部を介して視認可能な画像の少なくとも一つは、前記かごの内部の乗客量を示す乗客量情報を含む、請求項1に記載のエレベータ。
【請求項3】
前記上出力部は、画面に画像を表示する表示装置であり、
前記表示装置の画面は、斜め下方を向くように、上下方向に対して傾斜して配置される、請求項1又は2に記載のエレベータ。
【請求項4】
前記出力部は、前記かごの下部に配置される下出力部をさらに備える、請求項1~3の何れか1項に記載のエレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エレベータは、停止階の各乗場で視認可能な画像を表示するために、画像を出力する出力部を備えている(例えば、特許文献1及び2)。ところで、特許文献1及び2に係るエレベータにおいては、出力部が各乗場に個別に設けられているため、多くの出力部が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-24922号公報
【文献】特開平9-263368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、共通の出力部を用いることによって、各乗場で画像を視認することができるエレベータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
エレベータは、乗場扉及び前記乗場扉の隣接部のうち少なくとも一部に配置される透過部と、かごに取り付けられ、前記透過部を介して乗場から視認可能な画像を出力する出力部と、を備える。
【0006】
また、エレベータにおいては、前記出力部は、前記かごの上部に配置され、前記透過部は、前記乗場扉よりも上方に配置される上透過部を含む、という構成でもよい。
【0007】
また、エレベータにおいては、前記透過部は、前記乗場扉に配置される扉透過部をさらに含む、という構成でもよい。
【0008】
また、エレベータにおいては、前記出力部は、画面に画像を表示する表示装置であり、前記表示装置の画面は、斜め下方を向くように、上下方向に対して傾斜して配置される、という構成でもよい。
【0009】
また、エレベータにおいては、前記透過部の上下方向の寸法は、前記透過部を介して乗場から視認可能な画像の上下方向の寸法よりも、大きい、という構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態に係るエレベータの概要図である。
図2図2は、同実施形態に係る乗場の概要図である。
図3図3は、同実施形態に係るかごの概要図である。
図4図4は、図3のIV-IV線拡大断面図である。
図5図5は、同実施形態に係るかご位置及び画像情報の第1の関係を示す図である。
図6図6は、かご上昇時における第1期間の画像を示す図である。
図7図7は、かご上昇時における第2期間の画像を示す図である。
図8図8は、かご上昇時における第2期間の別の画像を示す図である。
図9図9は、かご上昇時における第2期間の終期の画像を示す図である。
図10図10は、第3期間の画像を示す図である。
図11図11は、第4期間の画像を示す図である。
図12図12は、第5期間の画像を示す図である。
図13図13は、第6期間の画像を示す図である。
図14図14は、同実施形態に係るかご位置及び画像情報の第2の関係を示す図である。
図15図15は、かご下降時における第1期間の画像を示す図である。
図16図16は、かご下降時における第2期間の画像を示す図である。
図17図17は、かご下降時における第2期間の別の画像を示す図である。
図18図18は、かご下降時における第2期間の終期の画像を示す図である。
図19図19は、他の実施形態に係るかごの概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、エレベータにおける一実施形態について、図1図18を参照しながら説明する。なお、各図(図19も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係るエレベータ1は、ユーザが乗るためのかご2と、一端部がかご2に接続されるロープ1aと、ロープ1aの他端部に接続される釣合錘1bとを備えている。エレベータ1は、ロープ1aを駆動してかご2を昇降させる巻上機1cと、各構成を制御する制御装置1dとを備えている。
【0013】
本実施形態においては、ロープ1aの一端部がかご2に固定され、ロープ1aの他端部が釣合錘1bに固定されている、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、ロープ1aの両端部がそれぞれ昇降路X1の上部に固定され、ロープ1aがかご2のシーブ及び釣合錘1bのシーブにそれぞれ巻き掛けられることによって、ロープ1aがかご2及び釣合錘1bにそれぞれ接続されている、という構成でもよい。
【0014】
また、本実施形態に係るエレベータ1は、巻上機1cを、昇降路X1の上部に配置される機械室X2の内部に配置する、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、機械室X2が備えられておらず、エレベータ1は、巻上機1cを昇降路X1の内部に配置する、という構成でもよい。
【0015】
また、本実施形態に係るエレベータ1は、ロープ式の駆動方式である、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、エレベータ1は、油圧式の駆動方式である、という構成でもよく、また、リニアモータ式の駆動方式である、という構成でもよい。
【0016】
エレベータ1は、それぞれの乗場X3の開口を開閉するための乗場扉装置3を備えている。乗場扉装置3は、乗場X3の開口を開閉するために第1横方向D1に移動する乗場扉3aを備えており、かご2は、かご2の開口を開閉するために第1横方向D1に移動するかご扉2aと、かご扉2aを開閉させる扉駆動部2bとを備えている。そして、かご扉2aが扉駆動部2bによって開閉されることにより、かご2が停止している乗場X3の乗場扉3aも、かご扉2aと連動して開閉される。
【0017】
また、エレベータ1は、それぞれの乗場X3に、例えば、かご2を呼び出す指示情報を入力するために操作される乗場操作部1eを備えており、かご2は、内部に、かご2の停止階の指示情報及び扉2a,3aの開閉の指示情報を入力するために操作されるかご操作部2cを備えている。そして、制御装置1dは、操作部1e,2cに入力された情報に基づいて、巻上機1cを制御することによって、かご2を昇降及び停止させる。
【0018】
図1及び図2に示すように、乗場扉装置3は、乗場扉3aに隣接する扉隣接部3bを備えている。扉隣接部3bは、乗場扉3aよりも上方に配置される壁部3cと、例えばコンクリート等で形成される躯体の開口の内周に配置される枠部3dとを備えている。なお、壁部3cは、例えば、閉まっている状態の乗場扉3aの側方に配置されていてもよい。
【0019】
なお、乗場扉3aの枚数は、特に限定されず、例えば、本実施形態のように、乗場扉3aは、2枚備えられていてもよい。また、各乗場扉3aの移動の方向は、特に限定されず、例えば、本実施形態のように、各乗場扉3aは、開閉時に反対方向に移動する、所謂、センターオープンタイプとしてもよく、また、例えば、開閉時に同じ方向に移動する、所謂、片側オープンタイプとしてもよい。
【0020】
そして、乗場扉装置3は、光を透過する透過部4を備えており、エレベータ1は、かご2に取り付けられる出力部5,6を備えている。出力部5,6は、透過部4を介して乗場X3から視認可能な画像を出力する。なお、出力部5,6は、かご2の上部に配置される上出力部5と、かご2の下部に配置される下出力部6とを備えている。そして、出力部5,6は、画面に画像を表示する表示装置(例えば、液晶ディスプレイ)である。
【0021】
これにより、出力部5,6から画像が出力されることによって、乗場扉装置3の透過部4を介して、乗場X3から画像を視認することができる。これにより、共通の出力部5,6を用いることによって、各乗場X3で画像を視認することができる。
【0022】
図2図4に示すように、透過部4は、乗場扉3a及び扉隣接部3bのうち少なくとも一部に配置されている。具体的には、透過部4は、乗場扉3aに配置される扉透過部4aと、乗場扉3aよりも上方に配置される、即ち、壁部3cに配置される上透過部4bとを備えている。
【0023】
そして、かご2が乗場X3に停止した状態で、上出力部5は、上透過部4bと第2横方向D2で対面するように、配置されている。これにより、かご2が乗場X3に停止して、扉2a,3aが開放された状態でも、上透過部4bを介して、乗場X3から上出力部5の画像51を連続して視認することができる。なお、第2横方向D2は、第1横方向D1と直交する方向である。
【0024】
このように、透過部4の上下方向D3の寸法W1は、透過部4を介して乗場X3から視認可能な各画像51,61の上下方向D3の寸法W2よりも、大きくなっている。これにより、かご2が昇降している状態で、各出力部5,6は、扉透過部4a及び上透過部4bと第2横方向D2で対面する。したがって、かご2が停止している状態だけでなく、かご2が昇降している状態でも、扉透過部4a及び上透過部4bを介して、乗場X3から各出力部5,6の画像51,61を視認することができる。
【0025】
なお、特に限定されないが、扉透過部4aは、例えば、本実施形態のように、乗場扉3aの全体に配置されてもよく、また、例えば、乗場扉3aの一部に配置されてもよい。また、特に限定されないが、上透過部4bは、例えば、本実施形態のように、壁部3cの全体に配置されていてもよく、また、例えば、壁部3cの一部に配置されていてもよい。
【0026】
また、特に限定されないが、エレベータ1は、本実施形態のように、上出力部5を覆うカバー部7を備えていてもよい。例えば、カバー部7は、上出力部5の上方を覆う上カバー部7aと、上出力部5の側方を覆う側カバー部7bとを備えている。なお、カバー部7は、上出力部5に対して乗場X3側を開放しており、上出力部5の画面は、露出されている。
【0027】
そして、カバー部7a,7bは、上出力部5よりも、乗場X3側へ向けて(即ち、かご2の外方へ向けて)延びている。これにより、例えば、上出力部5の画面に粉塵等が付着することを抑制することができる。また、カバー部7は、剛性を有している。これにより、作業員がカバー部7の上カバー部7aに載ったり、作業員がカバー部7に衝突したりした場合でも、上出力部5を保護することができる。
【0028】
また、上出力部(表示装置)5の画面は、斜め下方を向くように、上下方向D3に対して傾斜して配置されている。具体的には、上出力部(表示装置)5の画面は、下方へ行くにつれて乗場X3から離れるように(即ち、かご2の内方へ行くように)、上下方向D3に傾斜して配置されている。
【0029】
これにより、上透過部4bが高い位置に配置されているにも関わらず、例えば、かご2が乗場X3に停止した状態において、上透過部4bを介して、上出力部5の画面の画像51を乗場X3から視認し易くなる。また、例えば、上出力部5の画面に粉塵等が付着することを抑制することもできる。
【0030】
なお、特に限定されないが、下出力部6も、例えば、上出力部5と同様に、カバー部7で覆われていてもよい。また、特に限定されないが、下出力部6の画面は、例えば、上下方向D3に沿って配置されていてもよい。
【0031】
本実施形態に係るエレベータ1の構成は、以上の通りであり、次に、本実施形態に係るエレベータ1の画像51,61の情報及び時間について、図5図18を参照しながら説明する。なお、下記説明は、画像51,61の情報及び時間の一例であって、画像51,61の情報及び時間は、下記説明に限定されない。
【0032】
<第1の例>
まず、上昇しているかご2が、所定の乗場X3で停止し、当該乗場X3で降りる乗客が存在する第1の例について、図5図13を参照しながら説明する。なお、当該乗場X3で降りる乗客が存在するか否かの判断は、かご操作部2c(図1参照)に入力された情報に基づいて、判断される。
【0033】
まず、図5及び図6に示すように、第1時間T1において、上出力部5が扉透過部4aと対面することによって、乗場X3から画像51が視認可能となる。そして、第1期間P1においては、上出力部5の画像51は、扉透過部4aを介して、かご2の内部の乗客量を示す乗客量情報を表示している。なお、第1期間P1は、第1時間T1から、第1時間T1の所定時間(例えば、1秒)後までの期間である。
【0034】
特に限定されないが、図6に示すように、乗客量情報は、人の数で示されてもよい。例えば、乗客量(積載量)が最大積載量の0%~20%である場合は、1人とし、20%~40%である場合は、2人とし、40%~60%である場合は、3人とし、60%~80%である場合は、4人とし、80%以上である場合は、5人としてもよい。また、乗客量情報は、最大積載量に対する乗客量の比率を、例えば、グラフで示されてもよく、また、例えば、数字で示されてもよい。
【0035】
第2期間P2においては、上出力部5の画像51は、図5及び図7に示すように、当該乗場X3で降りる乗客が存在することを示す降車客情報と、図5及び図8に示すように、かご2が移動している方向を示す移動方向情報とを表示している。特に限定されないが、第2期間P2において、上出力部5の画像51は、扉透過部4aを介して、降車客情報と移動方向情報とを交互に繰り返し表示してもよい。
【0036】
そして、図9に示すように、上出力部5が第2横方向D2で上透過部4と対面したときに、上出力部5の画像51は、上透過部4bを介して、降車客情報と移動方向情報とのうち、乗場X3の人にとって優先度の高い降車客情報を表示する。なお、第2期間P2は、第1時間T1の所定時間後から、かご2が当該乗場X3に停止する第2時間T2までの期間である。また、図7図9図10図13及び図16図18も同様)において、斜線領域は、透過部4を介して視認可能なかご扉2a及び扉駆動部2bを示している。
【0037】
第3期間P3においては、図5及び図10に示すように、上出力部5の画像51は、上透過部4bを介して、扉2a,3aが開放されることを示す扉開放情報を表示している。なお、第3期間P3は、第2時間T2から、扉2a,3aの開放が開始する第3時間T3の、所定時間(例えば、1秒)後までの期間である。
【0038】
第4期間P4においては、図5及び図11に示すように、上出力部5の画像51は、上透過部4bを介して、降車客情報を再度表示している。なお、第4期間P4は、第3時間T3の所定時間後から、扉2a,3aの開放が終了する第4時間T4の、所定時間(例えば、1秒)後までの期間である。
【0039】
第5期間P5においては、図5及び図12に示すように、上出力部5の画像51は、上透過部4bを介して、移動方向情報を再度表示している。なお、第5期間P5は、第4時間T4の所定時間後から、扉2a,3aの閉止が開始する第5時間T5の、所定時間(例えば、1秒)前までの期間である。
【0040】
第6期間P6においては、図5及び図13に示すように、上出力部5の画像51は、上透過部4bを介して、扉2a,3aが閉止されることを示す扉閉止情報を表示している。なお、第6期間P6は、第5時間T5の所定時間前から、扉2a,3aの閉止が終了する第6時間T6までの期間である。
【0041】
第7期間P7においては、図5に示すように、各出力部5,6の画像51,61は、例えば、広告情報を表示してもよい。なお、第7期間P7に表示する画像51,61は、例えば、建物情報(例えば、ショッピングモール内のエレベータ1であれば、店舗情報、イベント告知、インフォメーションセンター等の場所の案内等)でもよく、また、例えば、画像51,61を視認できる階の階床番号の情報(例えば、「3階」等)でもよく、また、例えば、時刻や天気等の情報でもよい。
【0042】
そして、かご2が上昇することによって、上出力部5の画像51が上透過部4bを介して乗場X3から視認不能となる。その後、下出力部6が、扉透過部4a及び上透過部4bの順に対面するため、下出力部6の画像61は、扉透過部4a及び上透過部4bを介して、乗場X3から視認可能となる。
【0043】
さらに、その後、かご2が上昇することによって、下出力部6の画像61は、上透過部4bを介して乗場X3から視認不能となる。なお、第7期間P7は、第6時間T6から、かご2が移動を開始する第7時間T7を経過し、上出力部5及び下出力部6の画像51,61が透過部4を介して乗場X3から視認不能となる第8時間T8までの期間である。
【0044】
<第2の例>
次に、上昇しているかご2が、所定の乗場X3で停止し、当該乗場X3で降りる乗客が存在しない第2の例について、図14を参照しながら説明する。なお、第2の例については、第1の例に対して異なる画像51,61の情報、即ち、第2期間P2及び第4期間P4の画像51の情報についてのみ説明する。
【0045】
第2期間P2において、乗場X3で降りる乗客が存在しないため、上出力部5の画像51は、降車客情報を表示することなく、扉透過部4a及び上透過部4bを介して、移動方向情報を表示する。即ち、第2期間P2において、上出力部5の画像51は、移動方向情報を連続して表示している。
【0046】
第4期間P4において、乗場X3で降りる乗客が存在しないため、上出力部5の画像51は、降車客情報を表示することなく、上透過部4bを介して、移動方向情報を表示する。即ち、第4期間P4及び第5期間P5に亘って、上出力部5の画像51は、移動方向情報を連続して表示している。
【0047】
<第3の例>
次に、下降しているかご2が、所定の乗場X3で停止し、当該乗場X3で降りる乗客が存在する第3の例について、図5及び図15図18を参照しながら説明する。なお、第3の例については、第1の例に対して異なる画像51,61の情報、即ち、第1期間P2、第2期間P2及び第7期間P7の画像51,61の情報についてのみ説明する。
【0048】
まず、図5及び図15に示すように、第1時間T1において、下出力部6が上透過部4bと対面することによって、乗場X3から画像61が視認可能となる。そして、第1期間P1においては、下出力部6の画像61は、上透過部4b及び扉透過部4aを介して、乗客量情報を表示している。
【0049】
第2期間P2においては、下出力部6の画像61は、図5及び図16に示すように、降車客情報と、図5及び図17に示すように、移動方向情報とを表示している。特に限定されないが、第2期間P2において、下出力部6の画像61は、扉透過部4aを介して、降車客情報と移動方向情報とを交互に繰り返し表示してもよい。
【0050】
そして、かご2が下降することによって、下出力部6の画像61が扉透過部4aを介して乗場X3から視認不能となる。その後、図18に示すように、上出力部5が、上透過部4bと第2横方向D2で対面するため、上出力部5の画像51は、上透過部4bを介して、乗場X3の人にとって優先度の高い降車客情報を表示する。
【0051】
第7期間P7においては、図5に示すように、上出力部5の画像51は、例えば、広告情報を表示している。そして、かご2が下降することによって、上出力部5が、扉透過部4aに対面するため、上出力部5の画像51は、扉透過部4aを介して、乗場X3から視認可能となる。その後、かご2が下降することによって、上出力部5の画像51は、扉透過部4aを介して乗場X3から視認不能となる。
【0052】
<第4の例>
次に、下降しているかご2が、所定の乗場X3で停止し、当該乗場X3で降りる乗客が存在しない第4の例について、図5及び図14を参照しながら説明する。なお、第4の例については、第3の例に対して異なる画像51,61の情報、即ち、第2期間P2及び第4期間P4の画像51,61の情報についてのみ説明する。
【0053】
第2期間P2において、乗場X3で降りる乗客が存在しないため、下出力部6の画像61は、降車客情報を表示することなく、扉透過部4aを介して、移動方向情報を表示する。即ち、第2期間P2において、下出力部6の画像61は、移動方向情報を連続して表示している。
【0054】
第4期間P4において、乗場X3で降りる乗客が存在しないため、上出力部5の画像51は、降車客情報を表示することなく、上透過部4bを介して、移動方向情報を表示する。即ち、第4期間P4及び第5期間P5に亘って、上出力部5の画像51は、移動方向情報を連続して表示している。
【0055】
なお、出力部5,6の画像51,61で表示される情報は、上記説明の情報に限られない。出力部5,6の画像51,61で表示される情報は、例えば、車椅子の乗客が存在していることを示す情報でもよく、また、例えば、ベビーカーを有する乗客が存在していることを示す情報でもよい。
【0056】
以上より、本実施形態に係るエレベータ1は、乗場扉3a及び前記乗場扉3aの隣接部3bのうち少なくとも一部(本実施形態においては、乗場扉3a及び乗場扉3aの隣接部3bの両方)に配置される透過部4と、かご2に取り付けられ、前記透過部4を介して乗場X3から視認可能な画像51,61を出力する出力部5,6と、を備える。
【0057】
斯かる構成によれば、出力部5,6がかご2に取り付けられており、出力部5,6から画像51,61が出力されることによって、乗場扉3a及び乗場扉3aの隣接部3bのうち少なくとも一部に配置される透過部4を介して、乗場X3から画像51,61を視認することができる。これにより、共通の出力部5,6を用いることによって、各乗場X3で画像51,61を視認することができる。
【0058】
また、本実施形態に係るエレベータ1においては、前記出力部5は、前記かご2の上部に配置され、前記透過部4は、前記乗場扉3aよりも上方に配置される上透過部4bを含む、という構成である。
【0059】
斯かる構成によれば、出力部5は、かご2の上部に配置されており、上透過部4bは、乗場扉3aよりも上方に配置されている。これにより、かご2が乗場X3に停止して、扉2a,3aが開放された状態でも、上透過部4bを介して、乗場X3から画像51を視認することができる。
【0060】
また、本実施形態に係るエレベータ1においては、前記透過部4は、前記乗場扉3aに配置される扉透過部4aをさらに含む、という構成である。
【0061】
斯かる構成によれば、出力部5は、かご2の上部に配置されており、扉透過部4aは、乗場扉3aに配置されている。これにより、かご2が停止している状態だけでなく、かご2が昇降している状態でも、扉透過部4aを介して、乗場X3から画像51を視認することができる。
【0062】
また、本実施形態に係るエレベータ1においては、前記出力部5は、画面に画像51を表示する表示装置であり、前記表示装置の画面は、斜め下方を向くように、上下方向D3に対して傾斜して配置される、という構成である。
【0063】
斯かる構成によれば、表示装置の画面が上下方向D3に対して傾斜して配置されるため、表示装置の画面は、斜め下方を向いている。これにより、例えば、かご2が乗場X3に停止した状態において、上透過部4bを介して、表示装置の画面の画像51を乗場X3から視認し易くなる。
【0064】
また、本実施形態に係るエレベータ1においては、前記透過部4の上下方向D3の寸法W1は、前記透過部4を介して乗場X3から視認可能な画像51,61の上下方向D3の寸法W2よりも、大きい、という構成である。
【0065】
斯かる構成によれば、透過部4の上下方向D3の寸法W1が、透過部4を介して乗場X3から視認可能な画像51,61の上下方向D3の寸法W2よりも大きいため、乗場X3から画像51,61を視認できる時間を長くすることができる。これにより、例えば、かご2が停止している状態だけでなく、かご2が昇降している状態でも、乗場X3から画像51,61を視認することができる。
【0066】
なお、エレベータ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、エレベータ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0067】
(1)上記実施形態に係るエレベータ1においては、出力部5,6は、画面に画像51,61を表示する表示装置である、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成が好ましいものの、斯かる構成に限られない。例えば、図19に示すように、出力部5は、透過部4に画像51を投影する投影装置(例えば、プロジェクタ)である、という構成でもよい。
【0068】
出力部5が投影装置である場合には、透過部4は、例えば、透過型スクリーン(例えば、スクリーンの機能を有するフィルム)を備えている、という構成としてもよい。一方、出力部5,6が表示装置である場合には、透過部4は、光を透過できればよく、特に限定されないが、例えば、一般的なガラス板で構成される、という構成としてもよい。
【0069】
また、出力部5が投影装置である場合には、例えば、周囲の明るさによって、画像51,61が鮮明に映らない虞があったり、また、例えば、特にかご2が昇降する際に、投影装置から投影された光が、透過部4を通じて、乗場X3にいる乗客の視界に入り、乗客を不快にさせる虞があったりする。それに対して、出力部5,6が表示装置である場合には、このような問題を発生することを抑制することができる。
【0070】
(2)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、透過部4は、乗場扉3a及び扉隣接部3bの両方に配置されている、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。透過部4は、例えば、乗場扉3aのみに配置されている(即ち、上透過部4bを備えていない)、という構成でもよく、また、例えば、扉隣接部3bのみに配置されている(即ち、扉透過部4aを備えていない)、という構成でもよい。
【0071】
(3)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、出力部5,6は、かご2の上部に配置される上出力部5と、かご2の下部に配置される下出力部6とを備えている、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0072】
出力部5,6は、例えば、上出力部5のみを備えている、という構成でもよく、また、例えば、下出力部6のみを備えている、という構成でもよい。また、例えば、出力部5,6は、かご扉2aに配置されており、かご2が停止している状態において、扉透過部4aと第2横方向D2で対面する、という構成でもよい。
【0073】
(4)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、上出力部(表示装置)5の画面は、斜め下方を向くように、上下方向D3に対して傾斜して配置される、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。上出力部5の画面は、例えば、上下方向D3に沿って配置されてもよく、また、例えば、斜め上方を向くように、上下方向D3に対して傾斜して配置される、という構成でもよい。
【0074】
(5)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、透過部4の上下方向D3の寸法W1は、透過部4を介して乗場X3から視認可能な画像51,61の上下方向D3の寸法W2よりも、大きい、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。透過部4の当該寸法W1は、例えば、画像51,61の当該寸法W2と、同じである、という構成でもよく、また、例えば、例えば、画像51,61の当該寸法W2よりも、小さい、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…エレベータ、1a…ロープ、1b…釣合錘、1c…巻上機、1d…制御装置、1e…乗場操作部、2…かご、2a…かご扉、2b…扉駆動部、2c…かご操作部、3…乗場扉装置、3a…乗場扉、3b…扉隣接部、3c…壁部、3d…枠部、4…透過部、4a…扉透過部、4b…上透過部、5…上出力部、51…画像、6…下出力部、61…画像、7…カバー部、7a…上カバー部、7b…側カバー部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、X1…昇降路、X2…機械室、X3…乗場
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