(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】レーザ加工機の冷却水監視装置
(51)【国際特許分類】
B23K 26/00 20140101AFI20240222BHJP
B23K 26/70 20140101ALI20240222BHJP
【FI】
B23K26/00 Q
B23K26/00 M
B23K26/70
(21)【出願番号】P 2020117588
(22)【出願日】2020-07-08
【審査請求日】2023-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】宮本 佳尚
【審査官】山内 隆平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/194070(WO,A1)
【文献】特許第6336163(JP,B1)
【文献】特開平10-335720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00
B23K 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ加工機の冷却水中に存在する不純物を検出して検出信号を出力するセンサと、
前記レーザ加工機の稼働中に、前記検出信号に基づいて前記冷却水の使用の適否を判定する判定部と、
前記レーザ加工機の稼働終了により前記判定部による判定が停止される期間中の、前記レーザ加工機の設置箇所の温度に関する環境情報を、前記レーザ加工機の稼働再開時に取得する第1の取得部と、
前記期間中における前記冷却水の水質変化の内容を前記環境情報に基づいて推定する第1の推定部と
を備え、
前記判定部は、前記稼働再開時に、前記第1の推定部が推定した前記水質変化の内容を考慮して前記冷却水の使用の適否を判定する
レーザ加工機の冷却水監視装置。
【請求項2】
前記判定部が前記冷却水の使用を否と判定した場合に、前記冷却水の水質に対する警告を出力する警告部をさらに備える請求項1に記載のレーザ加工機の冷却水監視装置。
【請求項3】
前記判定部が前記冷却水の使用を否と判定した場合、前記レーザ加工機の稼働停止中に貯留タンク内の前記冷却水を交換させる交換部をさらに備える請求項1又は2に記載のレーザ加工機の冷却水監視装置。
【請求項4】
前記レーザ加工機の設置箇所が属する地区の天気予報の情報を取得する第2の取得部と、
前記天気予報の情報から求めた前記設置箇所の将来の温度に基づいて、前記レーザ加工機の稼働を終了させた場合に前記冷却水に生じる将来の水質変化の内容を推定する第2の推定部と、
前記第2の推定部が推定した前記将来の水質変化の内容に基づいて、前記冷却水の使用が否となる将来の時期を予測する予測部と
をさらに備える
請求項1~3のいずれか1項に記載のレーザ加工機の冷却水監視装置。
【請求項5】
前記予測部が予測した前記将来の時期に基づいて、前記冷却水の将来の水質に対する予報を出力する予報部をさらに備える請求項4に記載のレーザ加工機の冷却水監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ加工機の冷却水監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ加工機は、発熱部分を冷却水で冷却する冷却装置を備える。特許文献1には、純水を用いて生成した冷却水をレーザ加工ヘッドに供給する冷却水供給システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
純水には水道水のような残留塩素が存在しないので、純水が循環する冷却装置の内部は、藻類、細菌、真菌等の微生物の成育に適した環境になりやすい。
【0005】
本発明の目的は、微生物が成育しやすい純水を用いた冷却水によるレーザ加工機の冷却を、適時継続的に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明の1つの態様に係るレーザ加工機の冷却水監視装置は、
レーザ加工機の冷却水中に存在する不純物を検出して検出信号を出力するセンサと、
前記レーザ加工機の稼働中に、前記検出信号に基づいて前記冷却水の使用の適否を判定する判定部と、
前記レーザ加工機の稼働終了により前記判定部による判定が停止される期間中の、前記レーザ加工機の設置箇所の温度に関する環境情報を、前記レーザ加工機の稼働再開時に取得する第1の取得部と、
前記期間中における前記冷却水の水質変化の内容を前記環境情報に基づいて推定する第1の推定部と
を備え、
前記判定部は、前記稼働再開時に、前記第1の推定部が推定した前記水質変化の内容を考慮して前記冷却水の使用の適否を判定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、微生物が成育しやすい純水を用いた冷却水によるレーザ加工機の冷却を、適時継続的に行えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】チラー装置から供給されてレーザ加工機を冷却する冷却水を監視する本発明の一実施形態に係る冷却水監視装置の概略構成を示す説明図である。
【
図2A】
図1のY型ストレーナの内部の構造を示す説明図である。
【
図3A】
図1の循環経路の配管の内部に経年によって生じる状態変化を示す断面図である。
【
図3B】
図1の循環経路の配管中に存在する直角エルボの内部に経年によって生じる状態変化を示す断面図である。
【
図4A】
図1のレーザ加工機を冷却する冷却水中の不純物を検出する透過型センサをチラー装置の貯留タンクに配置する場合の説明図である。
【
図4B】
図1のレーザ加工機を冷却する冷却水中の不純物を検出する透過型センサを冷却水の循環経路に配置する場合の説明図である。
【
図5】
図1のコントローラがプログラムに基づいて実行する冷却水の監視処理に関する手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図1のコントローラがプログラムに基づいて実行する冷却水の将来における水質変化の内容の推定処理に関する手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図1のコントローラがプログラムに基づいて実行する冷却水の将来における水質変化の内容の推定処理に関する手順の別例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一あるいは同等の部位、又は構成要素には、同一の符号を付している。
【0010】
以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものである。この発明の技術的思想は、各構成要素の材質、形状、構造、配置、機能等を下記のものに特定するものでない。
【0011】
図1に示す冷却水監視装置1は、冷却水の水質を監視する。冷却水は、チラー装置3とレーザ加工機5のレーザ発振部7との間、及び、チラー装置3とレーザ加工機5のレーザ加工ヘッド9との間でそれぞれ循環される。
【0012】
チラー装置3は、例えば、25°Cの冷却水をレーザ発振部7及びレーザ加工ヘッド9に供給する。冷却水監視装置1は、例えば、後述するように、チラー装置3の内部において、あるいは、チラー装置3の外部に設けた冷却水の循環経路11,13において、冷却水を監視することができる。
【0013】
各循環経路11,13の往路上には、Y型ストレーナ15がそれぞれ設けられている。各循環経路11,13の往路には、レーザ発振部7及びレーザ加工ヘッド9に向かう冷却水がそれぞれ通過する。
【0014】
各Y型ストレーナ15は、
図2Aに示すように、循環経路11,13の途中に接続される本体17と、本体17内に設けられる濾過部材19とを有している。
【0015】
本体17は、主流路21と、主流路21の中間部から分岐された分岐流路23とを有している。主流路21の一端には流入口25が設けられており、他端には流出口27が設けられている。主流路21の中間部には、流入口25から流出口27に向けて主流路21を流れる流体を分岐流路23に導く整流板29が設けられている。
【0016】
流入口25は、循環経路11,13のチラー装置3側に接続されている。流出口27は循環経路11,13のレーザ発振部7側及びレーザ加工ヘッド9側にそれぞれ接続されている。
【0017】
濾過部材19は、分岐流路23の先端の開口から内部に収容されている。濾過部材19が収容された分岐流路23の開口は、蓋31によって塞がれている。この蓋31により濾過部材19は、分岐流路23内に固定されている。
【0018】
濾過部材19は、両端が開放された筒状に形成されている。濾過部材19は、本実施形態では、
図2Bに示すように、ステンレス鋼線によるメッシュ状部材で構成されている。メッシュには、例えば、1インチ間に100の網目を有する空間率36.0%のものを用いることができる。
【0019】
循環経路11,13に介設したY型ストレーナ15の内部では、流入口25から主流路21に流入した冷却水が整流板29により分岐流路23の濾過部材19内に流入する。濾過部材19内の冷却水は、メッシュ状部材の網目を通過して分岐流路23から主流路21の流出口27側に流出する。メッシュの網目を通過できない冷却水中の不純物は、濾過部材19内に残る。
【0020】
図1のレーザ発振部7及びレーザ加工ヘッド9を冷却する循環経路11,13の冷却水には、不純物をほとんど含まない純水が用いられる。純水は、チラー装置3の熱交換部(図示せず)に水中のミネラル分等が析出して熱交換効率が下がるのを防ぐために、冷却水として用いられる。しかし、純水には水道水のような残留塩素が存在しないので、純水を用いた冷却水は、藻類、細菌、真菌等の微生物の成育に適した環境になりやすい。
【0021】
微生物自身及び微生物が分泌する粘性有機物は、冷却水内にスライムを形成する。スライムは、自由に形状を変え、また、集合離散することができる。このため、冷却水中のスライムは、Y型ストレーナ15の濾過部材19の網目を通過して、Y型ストレーナ15よりもレーザ発振部7及びレーザ加工ヘッド9側の循環経路11,13に流れ込んでしまう。
【0022】
循環経路11,13内を流れる冷却水中のスライムは、循環経路11,13の配管の内部に付着してバイオフィルムを形成する。
図3Aに示すように、循環経路11,13の配管33に形成されたバイオフィルム35の膜厚は、バイオフィルム35の表面に新たに付着するスライムにより、時間が経つにつれて増加する。特に、
図3Bに示す直角エルボ37が配管33中に存在する場合は、直角エルボ37の部分に冷却水の乱流が生じてスライムが付着しやすいので、バイオフィルム35の膜厚が増加するペースが速くなりやすい。
【0023】
配管33中のバイオフィルム35の膜厚が増加すると、配管33の流路断面積が徐々に狭められて、循環経路11,13における冷却水の循環量が減る。冷却水の循環量が減ると、チラー装置3によるレーザ発振部7及びレーザ加工ヘッド9の冷却効率が低下する。
【0024】
そこで、本実施形態の冷却水監視装置1では、冷却水中に存在する微生物等の不純物の状態を、冷却水の交換の要否を判断する材料に追加している。冷却水の交換の要否は、本実施形態では、
図1に示すCNC装置39のコントローラ41が判断する。
【0025】
CNC装置39は、レーザ加工機5によって加工する加工対象物の形状データ等に基づいて、レーザ発振部7によるレーザ光の出力と、レーザ加工ヘッド9の動作とを、NC(数値制御)によって制御する。コントローラ41は、CNC装置39のレーザ発振部7及びレーザ加工ヘッド9を制御するコントローラと兼用でもよく、冷却水の交換の要否を判断する専用のコントローラでもよい。
【0026】
コントローラ41には、チラー装置3の導電率計43及び透過型センサ45からの検出信号が入力される。導電率計43及び透過型センサ45は、例えば、チラー装置3の冷却水の貯留タンク(図示せず)に設けることができる。
【0027】
導電率計43は、貯留タンク内の冷却水のイオンを検出して導電率、即ち、電気伝導率を測定し、測定した導電率に応じた検出信号を出力する。冷却水の導電率は、冷却水に用いる純水中の不純物(無機物)が増えると上がる。そこで、コントローラ41は、導電率計43の検出信号が示す冷却水の導電率により、冷却水中の不純物が使用の継続により増えたかどうかを判断する。
【0028】
透過型センサ45は、
図4Aに示すように、一対の投光部47及び受光部49を有している。透過型センサ45においては、投光部47が出力した検出光51の、チラー装置3の貯留タンク53内の冷却水55を透過した透過光57を、貯留タンク53を挟んで対向する受光部49が受光する。したがって、貯留タンク53の少なくとも検出光51及び透過光57の光路上に位置する部分は、検出光51及び透過光57が透過可能な素材で形成されている。
【0029】
透過型センサ45は、受光部49による透過光57の受光光量に応じた検出信号を出力する。コントローラ41は、透過型センサ45の検出信号から、検出光51の光路上に位置する貯留タンク53内の冷却水55中の不純物59の数を検出することができる。
【0030】
なお、透過型センサ45は、例えば、循環経路11,13中の冷却水55の流れが清流となる直管部分に、
図4Bに示すように、配管33を挟んで投光部47及び受光部49が対向するように配置してもよい。導電率計43も、
図4Bに示す透過型センサ45のように、循環経路11,13中の配管33に設けて内部の冷却水55の導電率を測定する構成としてもよい。
【0031】
また、コントローラ41は、CNC装置39が電源のオンにより運転されている時間を積算する。
【0032】
CNC装置39の運転中には、CNC装置39の制御によりレーザ発振部7及びレーザ加工ヘッド9を動作させて、加工対象物をレーザ加工することができる。したがって、CNC装置39の運転中は、チラー装置3が循環経路11,13を循環させる冷却水55により、レーザ発振部7及びレーザ加工ヘッド9が冷却される。したがって、レーザ発振部7及びレーザ加工ヘッド9の冷却に冷却水55を使用した時間は、CNC装置39の運転時間の積算値を目安に把握することができる。
【0033】
そこで、コントローラ41は、冷却水55を交換する定期メンテナンスの時期が到来したか否かを、CNC装置39の運転時間の積算値に基づいて判断する。
【0034】
なお、コントローラ41は、CNC装置39が接続されたインターネット61を介して、不図示のWebサーバから気象情報を取得することができる。Webサーバは、例えば、過去の気象履歴及び現在以降の天気予報を気象情報として提供するサービスの提供者が運用するサーバとすることができる。
【0035】
コントローラ41は、インターネット61を介して取得した気象情報のうち、レーザ加工機5の設置箇所が属する地区の気象情報における過去の気象履歴を、レーザ加工機5の設置箇所の温度に関する環境情報として用いる。コントローラ41は、この環境情報を用いて、電源オフによるCNC装置39の運転停止中に冷却水55に生じた水質変化の内容を推定することができる。電源オフによるCNC装置39の運転停止は、例えば、レーザ加工機5の稼働終了により発生する。
【0036】
また、コントローラ41は、取得した気象情報中の現在以降の天気予報を用いて、CNC装置39の電源をオフしてレーザ加工機5の稼働を終了させた場合に冷却水55に生じる将来の水質変化の内容を推定することができる。将来の水質変化の内容は、例えば、CNC装置39の電源オフ後に何日で冷却水55を交換する時期が到来するか、等とすることができる。
【0037】
ここで、冷却水55の水質変化とは、例えば、
図3A及び
図3Bを参照して説明した配管33の内部のバイオフィルム35の元となるスライムの発生とすることができる。
【0038】
次に、コントローラ41が不図示のメモリに記憶されたプログラムにしたがい実行する冷却水55の監視処理に関する手順の一例を、
図5のフローチャートを参照して説明する。
【0039】
コントローラ41は、CNC装置39の電源がオンされると(ステップS11)、冷却水55に関する情報を取得する(ステップS13)。取得する情報は、導電率計43及び透過型センサ45の検出信号の情報と、CNC装置39の運転時間の積算値の情報と、インターネット61上で提供される過去の気象履歴の情報とを含んでいる。過去の気象履歴は、レーザ加工機5の設置箇所を含む地区の過去の気温を含んでいる。
【0040】
コントローラ41は、ステップS13で取得した透過型センサ45の検出信号から、検出光51及び透過光57の光路上の冷却水55中に存在する不純物59の数を割り出すことができる。そして、コントローラ41は、割り出した不純物59の数をCNC装置39の運転時間中に積算した積算値と、それに関する閾値とを比較する(ステップS15)。
【0041】
閾値との比較により、冷却水55の使用が否、即ち、不適切と判定されるまで冷却水55中の不純物59の数が増えている場合は(ステップS15でNG)、後述するステップS25に処理を移行する。また、使用が適切と判定される程しか不純物59が増えていない場合は(ステップS15でOK)、コントローラ41は、ステップS13で取得したCNC装置39の運転時間の積算値から、定期メンテナンスの時期が到来したか否かを確認する(ステップS17)。
【0042】
定期メンテナンスの時期が到来し、冷却水55の使用が不適切と判定された場合は(ステップS17でNG)、ステップS25に処理を移行する。また、時期が到来しておらず、冷却水55の使用が適切と判定された場合は(ステップS17でOK)、コントローラ41は、冷却水55の使用が不適切と判定される程のイオンが冷却水55から検出されたか否かを確認する(ステップS19)。この確認の際に、コントローラ41は、ステップS13で取得した導電率計43の検出信号から、冷却水55のイオンの量を検出する。
【0043】
冷却水55の使用が不適切と判定される程のイオンが検出された場合は(ステップS19でNG)、ステップS25に処理を移行する。また、使用が適切と判定される程しかイオンが検出されていない場合は(ステップS19でOK)、コントローラ41は、外部環境積算を行う(ステップS21)。
【0044】
外部環境積算では、コントローラ41は、循環経路11,13の配管33に形成されたバイオフィルム35の膜厚を求める。バイオフィルム35の膜厚は、時間が経つにつれて増加し、循環経路11,13の配管33における冷却水55の循環量を減少させる。そこて、コントローラ41は、ステップS21の外部環境積算において、配管33のバイオフィルム35の発生量を推定する。そして、コントローラ41は、推定した発生量を積算して配管33のバイオフィルム35の膜厚を求め、求めた膜厚が、冷却水55の流量不足により冷却効率に支障を及ぼす程に増加したか否かを確認する。
【0045】
CNC装置39の運転中には、チラー装置3の熱交換部により、冷却水55の温度が例えば25°Cに維持される。このため、CNC装置39の運転中におけるバイオフィルム35の発生量は、例えば、CNC装置39の運転時間に基づいて推定することができる。
【0046】
CNC装置39の運転停止期間中には、冷却水55の温度が、チラー装置3の停止により25°Cに維持されず、チラー装置3の外部環境の影響を受けて変化する。このため、CNC装置39の運転停止期間中におけるバイオフィルム35の発生量は、例えば、チラー装置3の外部環境を考慮して推定する必要がある。
【0047】
循環経路11,13の冷却水55は、レーザ加工機5の設置箇所を循環する。したがって、CNC装置39の運転停止期間中には、冷却水55の温度が、レーザ加工機5の設置箇所における温度の影響を受けて変化する。
【0048】
バイオフィルム35の元となるスライムを形成する微生物の量は、例えば、微生物の成長に最適な37°C~40°Cの純水中では、冷却水55の温度である25°Cに比べて指数関数的に増加する。CNC装置39の運転停止期間における冷却水55の温度は、循環経路11,13が存在するレーザ加工機5の設置箇所における温度次第で、微生物の成長に最適な温度まで上昇する可能性がある。したがって、CNC装置39の運転停止期間におけるバイオフィルム35の推定発生量は、CNC装置39の運転停止期間中のレーザ加工機5の設置箇所における気温を考慮して計算する必要がある。
【0049】
そこで、コントローラ41は、レーザ加工機5の設置箇所における温度を、チラー装置3の外部環境として考慮して、CNC装置39の運転停止期間におけるバイオフィルム35の推定発生量を計算する。具体的には、コントローラ41は、CNC装置39の運転停止期間におけるバイオフィルム35の推定発生量を、ステップS13で取得した過去の気象履歴のうち、CNC装置39の運転停止期間の気温を用いて計算する。
【0050】
詳しくは、コントローラ41は、CNC装置39の運転停止期間における気象履歴中のレーザ加工機5の設置箇所を含む地区の気温を、予め定めた補正係数により補正して、レーザ加工機5の設置箇所の気温を求める。そして、コントローラ41は、CNC装置39の運転停止期間における各時間帯について、レーザ加工機5の設置箇所における各時間帯の気温を用いて、バイオフィルム35の推定発生量をそれぞれ計算する。
【0051】
上述した気温の補正係数は、例えば、補正後の計算上の気温と実測したレーザ加工機5の設置箇所の気温との差分を用いて最適化することもできる。
【0052】
さらに、コントローラ41は、計算した各時間帯のバイオフィルム35の推定発生量から、CNC装置39の運転停止期間中に増加した配管33のバイオフィルム35の膜厚を求める。
【0053】
ステップS11でCNC装置39の電源がオンされた後、ステップS21の処理を最初に行う場合は、コントローラ41は、電源がオンされるまでのCNC装置39の運転停止期間におけるバイオフィルム35の発生量を推定する。そして、バイオフィルム35の推定発生量と、CNC装置39が運転停止期間に入る直前に計算されたバイオフィルム35の膜厚との積算により、CNC装置39の電源オン直後におけるバイオフィルム35の膜厚を、現在の膜厚として計算する。
【0054】
CNC装置39の電源オン直後以降に、ステップS21の外部環境積算の処理を行う場合は、コントローラ41は、直前のステップS21の処理後に発生したバイオフィルム35の量を推定する。そして、推定したバイオフィルム35の発生量に、直前のステップS21で計算したバイオフィルム35の膜厚を積算して、現在の膜厚を計算する。
【0055】
バイオフィルム35の推定発生量は、
図5のステップS13で取得した情報を用いて計算することができる。コントローラ41は、計算した現在のバイオフィルム35の膜厚が、冷却水55の流量不足により冷却効率に支障を及ぼす程に増加したか否かを確認する。
【0056】
そして、コントローラ41は、現在のバイオフィルム35の膜厚を、それに関する閾値と比較する。この閾値は、配管33のバイオフィルム35の膜厚が、冷却水55の交換を検討するまで増えたか否かを確認するためのものである。
【0057】
閾値との比較により、冷却水55の使用が不適切と判定される程、配管33のバイオフィルム35の膜厚が増えている場合は(ステップS21でNG)、ステップS25に処理を移行する。また、使用が適切と判定される程しか膜厚が増えていない場合は(ステップS21でOK)、コントローラ41は、チラー装置3によるレーザ発振部7及びレーザ加工ヘッド9の冷却運転を継続して(ステップS23)、ステップS13にリターンする。
【0058】
ステップS25では、コントローラ41は、ステップS15~21の比較又は確認の結果を踏まえて、冷却水55の水質がユーザに警告するレベルに悪化したか否かを総合的に判断する。警告するレベルに達したか否かの判断基準は、任意に決定することができる。
【0059】
例えば、ステップS15では、冷却水55の使用の適否を判定するために、冷却水55中の不純物59の数をCNC装置39の運転時間中に積算した積算値を閾値と比較した。しかし、例えば、冷却水55の温度が上昇してスライムが大量に発生する夏場には、ステップS25において、透過型センサ45の検出信号から割り出した冷却水55中の不純物59の数の瞬時値を、それに関する閾値と比較してもよい。
【0060】
総合判断の結果、警告するレベルまで悪化していない場合は(ステップS25でOK)、コントローラ41は、ステップS23でチラー装置3の冷却運転を継続した後、ステップS13にリターンする。警告するレベルまで悪化した場合は(ステップS25でNG)、コントローラ41は、冷却水55の水質に関するユーザへの警告を行う(ステップS27)。この警告は、例えば、CNC装置39に設けてコントローラ41に接続したインジケータ等の表示部42を用いて行うことができる。その後、コントローラ41は、レーザ加工機5の稼働状態がビジー、即ち、稼働中であるか否かを確認する(ステップS29)。
【0061】
なお、例えば、コントローラ41が、ステップS17でOKと判定し、かつ、ステップS25でNGと判断した場合に、ステップS17の定期メンテナンスの時期を短い周期に変更する構成としてもよい。
【0062】
コントローラ41は、レーザ加工機5の稼働状態がビジーであるか否かを、例えば、レーザ加工機5の稼働スケジュール、レーザ加工機5を用いた製品等の生産管理データ、現在が日中か夜間か等を勘案して判断する。その結果、稼働状態がビジーである場合は(ステップS29でBUSY)、コントローラ41は、チラー装置3によるレーザ発振部7及びレーザ加工ヘッド9の冷却運転を継続して(ステップS23)、ステップS13にリターンする。
【0063】
また、レーザ加工機5の稼働状態がビジーでない、即ち、稼働停止中である場合は(ステップS29でSPARE)、コントローラ41は、チラー装置3及びレーザ加工機5の電源をオフさせて、貯留タンク53内の冷却水55を排水させる(ステップS31)。冷却水55の排水量は全量としてもよく、一部の量としてもよい。排水後に、コントローラ41は、排水量と同じ量の新しい冷却水55を貯留タンク53内に給水する(ステップS33)。そして、CNC装置39の電源をオフさせて(ステップS35)、一連の処理を終了する。
【0064】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態では、
図5のフローチャートにおけるステップS15の処理が、冷却水監視装置における判定部に対応する処理となっている。また、本実施形態では、
図5中のステップS21の処理が、冷却水監視装置における第1の取得部及び第1の推定部に対応する処理となっている。
【0065】
さらに、本実施形態では、
図5中のステップS27の処理が、冷却水監視装置における警告部に対応する処理となっている。また、本実施形態では、
図5中のステップS31及びステップS33の処理が、冷却水監視装置における交換部に対応する処理となっている。
【0066】
次に、コントローラ41が不図示のメモリに記憶されたプログラムにしたがい実行する冷却水55の将来における水質変化の内容の推定処理に関する手順の一例を、
図6のフローチャートを参照して説明する。
【0067】
コントローラ41は、
図6の手順による推定処理を、
図5の監視処理におけるステップS21の外部環境積算の一部として実行することができる。即ち、コントローラ41は、
図5の監視処理を実行するCNC装置39の運転中に、
図6の推定処理を周期的に実行することができる。
【0068】
コントローラ41は、インターネット61上で提供される、レーザ加工機5の設置箇所を含む地区の天気予報の情報を取得する(ステップS43)。
【0069】
そして、コントローラ41は、取得した天気予報中のレーザ加工機5の設置箇所を含む地区の気温から、レーザ加工機5の設置箇所における将来の気温を割り出す(ステップS45)。将来の気温は、例えば、天気予報から得られる期間の気温とすることができる。将来の気温の割り出しには、例えば、
図5のステップS21においてレーザ加工機5の設置箇所の気温を求めるのに用いた補正係数を利用することができる。
【0070】
続いて、コントローラ41は、
図6に示すように、これからCNC装置39の運転を停止した場合に発生することが予想される冷却水55の水質変化の内容を推定する(ステップS47)。冷却水55の水質変化は、例えば、CNC装置39の将来の運転停止中における配管33のバイオフィルム35の膜厚の増加量とすることができる。CNC装置39の将来の運転停止中におけるバイオフィルム35の膜厚の増加量は、例えば、ステップS45で割り出した、レーザ加工機5の設置箇所における将来の気温を用いて計算することができる。
【0071】
次に、コントローラ41は、ステップS47で推定した内容から、これからCNC装置39の運転を停止した場合に増加する配管33のバイオフィルム35の膜厚を、現時点からの経過時間毎に推定する。そして、推定したバイオフィルム35の膜厚が冷却水55の交換を検討する膜厚に達する警告時期を予測する(ステップS49)。警告時期は、例えば、推定した経過時間毎のバイオフィルム35の膜厚を、
図5のステップS21において冷却水55の交換を検討するまで増えたか否かを確認するために用いた閾値と比較することで予測することができる。
【0072】
さらに、コントローラ41は、ステップS49で予測した警告時期を、現時点からCNC装置39の運転を停止した場合に訪れる冷却水55の予想交換時期の予報として出力する(ステップS51)。予報の出力は、例えば、CNC装置39の上述した表示部42を用いて行うことができる。以上で、一連の処理を終了する。
【0073】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態では、
図6のフローチャートにおけるステップS43の処理が、冷却水監視装置における第2の取得部に対応する処理となっている。また、本実施形態では、
図6中のステップS45及びステップS47の処理が、冷却水監視装置における第2の推定部に対応する処理となっている。
【0074】
さらに、本実施形態では、
図6中のステップS49の処理が、冷却水監視装置における予測部に対応する処理となっている。また、本実施形態では、
図6中のステップS51の処理が、冷却水監視装置における予報部に対応する処理となっている。
【0075】
以上に説明した本実施形態の冷却水監視装置1では、レーザ加工機5が稼働中となるCNC装置39の運転中に、コントローラ41が、チラー装置3が送り出す冷却水55中の不純物59の数を透過型センサ45の検出信号から割り出す。そして、割り出した不純物59の数の積算値が、冷却水55の使用が否、即ち、不適切と判定されるまで増えた場合に、コントローラ41が、冷却水55の水質が悪化した旨をユーザに警告する。
【0076】
このため、不純物59となるスライムを形成する微生物の成育に適した環境になりやすい純水を用いた冷却水55によるレーザ加工機5の冷却が、冷却水55中に発生した不純物59の数が抑制された適切な状態で行われるようにすることができる。
【0077】
また、本実施形態では、コントローラ41が、インターネット61上の過去の気象情報に基づいて、CNC装置39の運転停止期間中におけるレーザ加工機5の設置箇所の温度を推定する。そして、コントローラ41は、推定した温度から、CNC装置39の運転停止期間中に増加した循環経路11,13の配管33内のバイオフィルム35の膜厚を計算する。さらに、コントローラ41は、配管33のバイオフィルム35の膜厚が、CNC装置39の運転停止期間中に、冷却水55の使用が不適切と判定されるまで増えると予想した場合にも、冷却水55の水質悪化をユーザに警告する。
【0078】
このため、CNC装置39の運転停止期間中に冷却水55が微生物の成育に適した環境になることが予想されても、配管33の膜厚増加による冷却水55の流量不足がCNC装置39の運転再開時に生じないように、冷却水55の交換を事前に促すことができる。そして、警告に対応して冷却水55が交換されれば、CNC装置39の運転再開時に、配管33の膜厚増加による冷却水55の流量不足が生じていない適切な状態で、冷却水55によるレーザ加工機5の冷却が適正に行われるようにすることができる。
【0079】
さらに、本実施形態では、冷却水55の水質変化を警告した場合、レーザ加工機5が稼働中でなければ、コントローラ41が、チラー装置3の貯留タンク内の冷却水55を新しい冷却水55に交換させることができる。このため、水質の悪化が予測されたら冷却水55を自動的に交換させることもできる。
【0080】
なお、CNC装置39の運転停止期間中におけるレーザ加工機5の設置箇所の温度は、上述した例のように過去の気象情報に基づいて推定したものでなくてもよく、例えば、運転停止期間中にレーザ加工機5の設置箇所で実測した温度であってもよい。
【0081】
また、本実施形態では、コントローラ41が、インターネット61上の天気予報に基づいて、レーザ加工機5の設置箇所における将来の温度を推定する。そして、コントローラ41は、推定した将来の温度から、CNC装置39が運転停止した場合に増加する配管33内のバイオフィルム35の膜厚が冷却水55の交換を検討するまで増える警告時期を予測し、予想交換時期の予報としてユーザに出力する。
【0082】
このため、CNC装置39の運転を停止する予定がある場合に、運転停止後のいつ頃に冷却水55の水質が交換を検討するまで悪化するかを推定し、予定通りにCNC装置39の運転を停止しても問題ないかどうかを、ユーザに事前に確認させることができる。
【0083】
上述した予報を出力するために、本実施形態では、コントローラ41が
図6の推定処理を周期的に実行するものとした。しかし、
図6の推定処理を、トリガとなるイベントが発生した場合にコントローラ41に実行させてもよい。推定処理のトリガとなるイベントは、例えば、コントローラ41が検出可能な、推定処理の実行を要求するユーザによる不図示のボタンの操作等で発生するものとすることができる。
【0084】
図6の推定処理をイベントの発生時にコントローラ41に実行させる場合は、
図6のステップS43の前に、イベントが発生したか否かを確認するステップを追加する。このステップを追加した推定処理の手順を示すのが、
図7のフローチャートである。
【0085】
図7の手順による推定処理では、コントローラ41は、イベントが発生したか否かを確認する(ステップS41)。イベントが発生していない場合は(ステップS41でNO)、一連の処理を終了する。イベントが発生した場合は(ステップS41でYES)、コントローラ41は、
図6のステップS43以降の処理に移行する。
【0086】
コントローラ41に
図7の手順で推定処理を実行させる場合は、ユーザによる操作ボタンの操作等のイベントが発生すると、天気予報に基づいて将来の温度が推定されて、冷却水55の予想交換時期の予測結果が予報として出力される。このため、例えば、CNC装置39を運転停止する予定がない等の理由で、ユーザがイベントを発生させる操作を行わなければ、冷却水55の予想交換時期の予報が不必要に出力されるのを避けることができる。
【0087】
なお、ユーザの操作等のイベントが発生すると、CNC装置39が将来運転停止した場合の冷却水55の警告時期を予測して予報を出力する構成は、省略してもよい。また、CNC装置39の運転停止期間中に配管33のバイオフィルム35の膜厚が増加した量を推定し、推定した膜厚の増加量次第で、冷却水55の水質に関する警報をユーザに出力する構成は、省略してもよい。
【0088】
さらに、冷却水55の水質に関する警報をユーザに出力した後、レーザ加工機5の稼働状態がビジーでなければ、チラー装置3の貯留タンク内の一部又は全ての冷却水55を新しい冷却水55に交換する構成は、省略してもよい。
【0089】
また、本実施形態では、コントローラ41が、透過型センサ45の検出信号から、検出光51の光路上に位置する貯留タンク53内の冷却水55中の不純物59の数を検出するものとした。しかし、コントローラ41は、透過型センサ45の検出信号から、検出光51及び透過光57の光路上の冷却水55における不純物59の存在率に応じた光透過率を割り出してもよい。その場合、コントローラ41は、例えば、
図5のステップS15において、割り出した光透過率の瞬時値又は積算値を、それに関する閾値と比較する。
【0090】
[実施形態により開示される発明とその効果]
以上に説明した実施形態及びその変形例によって、以下に示す各態様の発明が開示される。
【0091】
まず、第1の態様に係る発明として、
レーザ加工機の冷却水中に存在する不純物を検出して検出信号を出力するセンサと、
前記レーザ加工機の稼働中に、前記検出信号に基づいて前記冷却水の使用の適否を判定する判定部と、
を備えるレーザ加工機の冷却水監視装置が開示される。
【0092】
第2の態様に係る発明として、第1の態様に係る発明に関し、
前記レーザ加工機の稼働終了により前記判定部による判定が停止される期間中の、前記レーザ加工機の設置箇所の温度に関する環境情報を、前記レーザ加工機の稼働再開時に取得する第1の取得部と、
前記期間中における前記冷却水の水質変化の内容を前記環境情報に基づいて推定する第1の推定部と
をさらに備え、
前記判定部は、前記稼働再開時に、前記第1の推定部が推定した前記水質変化の内容を考慮して前記冷却水の使用の適否を判定する
レーザ加工機の冷却水監視装置が開示される。
【0093】
第3の態様に係る発明として、第1又は第2の態様に係る発明に関し、前記判定部が前記冷却水の使用を否と判定した場合に、前記冷却水の水質に対する警告を出力する警告部をさらに備えるレーザ加工機の冷却水監視装置が開示される。
【0094】
第4の態様に係る発明として、第1~第3のいずれか1つの態様に係る発明に関し、前記判定部が前記冷却水の使用を否と判定した場合、前記レーザ加工機の稼働停止中に貯留タンク内の前記冷却水を交換させる交換部をさらに備えるレーザ加工機の冷却水監視装置が開示される。
【0095】
第5の態様に係る発明として、第1~第4のいずれか1つの態様に係る発明に関し、
前記レーザ加工機の設置箇所が属する地区の天気予報の情報を取得する第2の取得部と、
前記天気予報の情報から求めた前記設置箇所の将来の温度に基づいて、前記レーザ加工機の稼働を終了させた場合に前記冷却水に生じる将来の水質変化の内容を推定する第2の推定部と、
前記第2の推定部が推定した前記将来の水質変化の内容に基づいて、前記冷却水の使用が否となる将来の時期を予測する予測部と
をさらに備えるレーザ加工機の冷却水監視装置が開示される。
【0096】
第6の態様に係る発明として、第5の態様に係る発明に関し、前記予測部が予測した前記将来の時期に基づいて、前記冷却水の将来の水質に対する予報を出力する予報部をさらに備えるレーザ加工機の冷却水監視装置が開示される。
【0097】
第1~第6の態様に係る発明のレーザ加工機の冷却水監視装置によれば、微生物が成育しやすい純水を用いた冷却水によるレーザ加工機の冷却を、適時継続的に行えるようにすることができる。
【符号の説明】
【0098】
1 冷却水監視装置
3 チラー装置
5 レーザ加工機
7 レーザ発振部
9 レーザ加工ヘッド
11,13 循環経路
15 Y型ストレーナ
17 本体
19 濾過部材
21 主流路
23 分岐流路
25 流入口
27 流出口
29 整流板
31 蓋
33 配管
35 バイオフィルム
37 直角エルボ
39 CNC装置
41 コントローラ
42 表示部
43 導電率計
45 透過型センサ
47 投光部
49 受光部
51 検出光
53 貯留タンク
55 冷却水
57 透過光
59 不純物
61 インターネット