(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】タイムスイッチ
(51)【国際特許分類】
G04G 15/00 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
G04G15/00 B
G04G15/00 P
(21)【出願番号】P 2020139250
(22)【出願日】2020-08-20
【審査請求日】2023-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】中村 隆司
(72)【発明者】
【氏名】山岸 正洋
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-269387(JP,A)
【文献】特開2020-24183(JP,A)
【文献】特開2018-132302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷及び電源の電気的な接続をオン及びオフするスイッチ部と、
前記スイッチ部がオンするオン時刻を、日の出時刻、日の入時刻、及び、指定時刻の3つの時刻のいずれに設定するか、及び、前記スイッチ部がオフするオフ時刻を前記3つの時刻のいずれに設定するかを受け付ける設定受付部と、
前記設定受付部が受け付けた設定にしたがって前記スイッチ部をオン及びオフする制御部とを備え、
前記制御部は、設定された前記オン時刻にオンされた前記スイッチ部を、オンされた当日の前記オフ時刻にオフするか、オンされた日の翌日の前記オフ時刻にオフするかを、前記オン時刻の設定、及び、前記オフ時刻の設定の組み合わせごとに定められた規則に基づいて決定する
タイムスイッチ。
【請求項2】
前記制御部は、前記オン時刻が日の出時刻に設定された場合、及び、前記オフ時刻が日の入時刻に設定された場合のそれぞれの場合に、設定された前記オン時刻にオンされた前記スイッチ部を、オンされた当日の前記オフ時刻にオフする
請求項1に記載のタイムスイッチ。
【請求項3】
前記制御部は、前記オン時刻が日の入時刻に設定され、かつ、前記オフ時刻が日の出時刻に設定された場合には、設定された前記オン時刻にオンされた前記スイッチ部を、オンされた日の翌日の前記オフ時刻にオフする
請求項1または2に記載のタイムスイッチ。
【請求項4】
前記制御部は、(a)前記オン時刻が指定時刻に設定され、かつ、前記オフ時刻が指定時刻または日の出時刻に設定された場合、及び、(b)前記オン時刻が日の入時刻に設定され、かつ、前記オフ時刻が指定時刻に設定された場合のそれぞれの場合に、設定された前記オン時刻にオンされた前記スイッチ部を、オンされた当日の前記オフ時刻にオフするか、オンされた日の翌日の前記オフ時刻にオフするかを、前記オン時刻、及び、前記オフ時刻を比較することにより決定する
請求項1~3のいずれか1項に記載のタイムスイッチ。
【請求項5】
前記設定受付部は、1以上の曜日のそれぞれに対する前記オン時刻の設定と、前記1以上の曜日に共通の前記オフ時刻の設定とを受け付け、
前記1以上の曜日それぞれにおいて、前記スイッチ部を当日及び翌日のいずれにオフするかを前記規則に基づいて決定する
請求項1~4のいずれか1項に記載のタイムスイッチ。
【請求項6】
さらに、記憶部を備え、
前記制御部は、前記
1以上の曜日それぞれにおいて、前記スイッチ部を当日及び翌日のいずれにオフするかを示す情報を前記記憶部に記憶する
請求項5に記載のタイムスイッチ。
【請求項7】
前記規則においては、前記オン時刻の設定、及び、前記オフ時刻の設定の組み合わせごとに、前記スイッチ部の動作を無効にする条件が定められ、
前記スイッチ部の動作を無効にする条件には、(a)設定されたオン時刻よりも設定されたオフ時刻のほうが後の時刻であること、(b)設定されたオフ時刻よりも設定されたオン時刻が後の時刻であること、及び、(c)設定されたオン時刻及び設定されたオフ時刻が同一時刻であること、の少なくとも1つが含まれる
請求項1~6のいずれか1項に記載のタイムスイッチ。
【請求項8】
前記設定受付部は、複数組のオン時刻及びオフ時刻の設定を受け付けることが可能であり、
前記制御部は、前記複数組のオン時刻及びオフ時刻の設定のうちの第一設定のオフ時刻が前記複数組のオン時刻及びオフ時刻の設定のうち前記第一設定と異なる第二設定において前記スイッチ部がオン状態となる期間に含まれる場合、前記第一設定のオフ時刻に前記スイッチ部をオフしない
請求項1~7のいずれか1項に記載のタイムスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザによって設定されたタイムスケジュールにしたがって負荷をオン及びオフするタイムスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
タイムスイッチは、ユーザによって設定されたタイムスケジュールにしたがって負荷をオン及びオフする装置である。このようなタイムスイッチとして、特許文献1には、日の出時刻及び日の入時刻のデータを内蔵することで、日の入時刻に負荷をオンし、日の出時刻に負荷をオフすることが可能なソーラタイムスイッチが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、日の出時刻、及び、日の入時刻は、季節によって異なる。例えば、ユーザがソーラタイムスイッチに対して、日の入時刻にオンし、18:00にオフするような設定を行う場合が考えられる。このような場合、ソーラタイムスイッチは、日の入時刻が18:00よりも前の時刻となる季節にはユーザの意図通りに動作するが、日の入時刻が18:00よりも後の時刻となる季節にはユーザの意図に反した(予期せぬ)動作をしてしまう。
【0005】
本発明は、予期せぬ動作をしてしまうことが抑制されたタイムスイッチを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るタイムスイッチは、負荷及び電源の電気的な接続をオン及びオフするスイッチ部と、前記スイッチ部がオンするオン時刻を、日の出時刻、日の入時刻、及び、指定時刻の3つの時刻のいずれに設定するか、及び、前記スイッチ部がオフするオフ時刻を前記3つの時刻のいずれに設定するかを受け付ける設定受付部と、前記設定受付部が受け付けた設定にしたがって前記スイッチ部をオン及びオフする制御部とを備え、前記制御部は、設定された前記オン時刻にオンされた前記スイッチ部を、オンされた当日の前記オフ時刻にオフするか、オンされた日の翌日の前記オフ時刻にオフするかを、前記オン時刻の設定、及び、前記オフ時刻の設定の組み合わせごとに定められた規則に基づいて決定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、予期せぬ動作をしてしまうことが抑制されたタイムスイッチが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係るタイムスイッチの外観斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係るタイムスイッチの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係るタイムスイッチの基本動作のフローチャートである。
【
図4】
図4は、比較例に係るタイムスイッチの動作例1を示す図である。
【
図5】
図5は、比較例に係るタイムスイッチの動作例2を示す図である。
【
図6】
図6は、オン時刻の設定、及び、オフ時刻の設定の組み合わせと動作パターンとの関係を示す図である。
【
図7】
図7は、週間プログラムの設定動作のフローチャートである。
【
図8】
図8は、週間プログラムの設定例を示す図である。
【
図9】
図9は、スイッチ部がオン状態となる期間が重複する2つの設定を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0011】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係るタイムスイッチの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係るタイムスイッチの外観斜視図である。
図2は、実施の形態に係るタイムスイッチの機能構成を示すブロック図である。
【0012】
タイムスイッチ10は、設定受付部13を通じて設定されたタイムスケジュールにしたがって、端子部11に接続された負荷(図示せず)及び電源(図示せず)の電気的な接続をオン及びオフする(以下、単に「負荷をオン(オフ)する」とも記載される)装置である。タイムスイッチ10は、具体的には、端子部11と、スイッチ部12と、設定受付部13と、表示部14と、記憶部15と、制御部16と、計時部17と、電池部18とを備える。
【0013】
端子部11には、負荷及び電源が接続される。負荷は、例えば、街路灯、照明、及び、看板などである。端子部11は、例えば、ネジによって負荷及び電源を固定する構造を有する。端子部11の回路構成については特に限定されない。端子部11の回路構成は、負荷が接続される端子間に電源の電圧が印加される有電圧出力構成であってもよいし、負荷が接続される端子間に電源の電圧が印加されない無電圧出力構成であってもよい。端子部11には、複数の負荷が取り付けられる場合もある。
【0014】
スイッチ部12は、端子部に接続された負荷及び電源の電気的な接続をオン及びオフする。スイッチ部12は、例えば、リレー素子、及び、リレー素子の駆動回路によって実現されるが、パワートランジスタ、及び、パワートランジスタの駆動回路によって実現されてもよい。スイッチ部12の接点構成は、特に限定されない。スイッチ部12は、c接点構成(つまり、単極双投)であってもよいし、a接点構成(つまり、単極単投)であってもよい。なお、端子部11に複数の負荷が取り付けられる場合、タイムスイッチ10は、複数の負荷に対応して複数のスイッチ部12を備える場合がある。
【0015】
設定受付部13は、タイムスイッチ10に関連する各種設定を受け付けるユーザインターフェースである。設定受付部13は、具体的には、スイッチ部12がオンするオン時刻の設定、及び、スイッチ部12がオフするオフ時刻の設定を受け付ける。設定受付部13は、例えば、ハードウェアキー(ハードウェアボタン)、及び、スライドスイッチなどによって実現されるが、タッチパネルなどによって実現されてもよい。
【0016】
表示部14は、ユーザが設定内容などを確認するための情報を表示する表示パネルである。表示部14は、例えば、液晶パネルによって実現されるが、有機ELパネルなどのその他の表示パネルによって実現されてもよい。
【0017】
記憶部15は、設定受付部13によって受け付けられた各種設定が設定情報として記憶される記憶装置である。記憶部15は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0018】
制御部16は、スイッチ部12のオン及びオフ(つまり、負荷及び電源の電気的な接続のオン及びオフ)を制御する制御装置である。制御部16は、具体的には、記憶部15に記憶された設定情報に基づいてスイッチ部12に制御信号を送信する。制御部16は、例えば、マイクロコンピュータまたはプロセッサなどによって実現される。なお、記憶部15は、制御部16に内蔵されてもよい。
【0019】
計時部17は、現在の日時を計測するタイマ装置である。計時部17は、例えば、リアルタイムクロックによって実現される。
【0020】
電池部18は、電池と、当該電池を収容する電池収容部(電池が収容される凹部)によって構成され、タイムスイッチ10が備える各構成要素(制御部16等)に電力を供給する。電池は、乾電池であってもよいし、蓄電池(充電が可能な電池)であってもよい。
【0021】
[基本動作]
次に、タイムスイッチ10の基本動作について説明する。
図3は、タイムスイッチ10の基本動作のフローチャートである。
【0022】
まず、設定受付部13は、初期設定をユーザから受け付ける(S11)。初期設定には、現在時刻の設定、及び、タイムスイッチ10の使用地域の設定などが含まれる。
【0023】
次に、設定受付部13は、スイッチ部12がオンするオン時刻の設定をユーザから受け付ける(S12)。設定受付部13によってオン時刻の設定が受け付けられると、オン時刻の設定情報が記憶部15に記憶される。
【0024】
オン時刻の設定の選択肢には、日の入設定、日の出設定、及び、定時設定の3つが含まれる。日の入設定は、日の入時刻にスイッチ部12がオンする設定である。日の出設定は、日の出時刻にスイッチ部12がオンする設定である。定時設定は、ユーザ指定の時刻にスイッチ部12がオンする設定である。
【0025】
次に、設定受付部13は、スイッチ部12がオフするオフ時刻の設定を受け付ける(S13)。設定受付部13によってオフ時刻の設定が受け付けられると、オフ時刻の設定情報が記憶部15に記憶される。
【0026】
オフ時刻の設定の選択肢には、日の入設定、日の出設定、及び、定時設定の3つが含まれる。日の入設定は、日の入時刻にスイッチ部12がオフする設定である。日の出設定は、日の出時刻にスイッチ部12がオフする設定である。定時設定は、ユーザの指定時刻にスイッチ部12がオフする設定である。
【0027】
なお、日の入設定は、日の入時刻±所定時間(例えば、3時間)、といったように設定時刻をシフトさせることができる。同様に、日の出設定は、日の出時刻±所定時間(例えば、3時間)、といったように設定時刻をシフトさせることができる。このような機能を利用すると、オン時刻の設定が日の入設定である場合に、オフ時刻の設定を日の入設定にすることが可能である。同様に、オン時刻の設定が日の出設定である場合に、オフ時刻の設定を日の出設定にすることも可能である。
【0028】
次に、制御部16は、記憶部15に記憶された設定情報に基づいてスイッチ部12のオン及びオフを制御する(S14)。制御部16は、具体的には、計時部17によって計測される現在の時刻がステップS12において設定されたオン時刻になると、スイッチ部12をオンする。また、制御部16は、計時部17によって計測される現在の時刻がステップS13において設定されたオフ時刻になると、スイッチ部12をオフする。つまり、オン時刻からオフ時刻までの間、スイッチ部12はオン状態となる。
【0029】
[タイムスイッチの課題]
タイムスイッチ10は、オン時刻の設定、及び、オフ時刻の設定として、日の入設定または日の出設定が可能な、いわゆるソーラ機能つきタイムスイッチである。日の入設定、及び、日の出設定が選択されている場合、制御部16は、記憶部15にあらかじめ記憶された時刻情報を参照することにより、現在の日付における日の入時刻、及び、日の出時刻を特定し、特定した時刻を設定時刻として使用する。
【0030】
ここで、日の入時刻、及び、日の出時刻は、季節に応じて変動するため、一般的なソーラ機能つきタイムスイッチ(以下、比較例に係るタイムスイッチとも記載される)においては、ユーザの意図通りの動作が行われない可能性がある。
図4及び
図5は、比較例に係るタイムスイッチの動作例を示す図である。
【0031】
図4は、オン時刻として日の入時刻が設定され、オフ時刻として指定時刻(18:00)が設定されたときの冬シーズンにおける動作を示している。冬シーズンにおいては日の入時刻が18:00よりも早くなる。つまり、オン時刻がオフ時刻よりも早い時刻になるため、比較例に係るタイムスイッチは、ユーザの意図通りに動作する。
【0032】
一方、
図5は、オン時刻として日の入時刻が設定され、オフ時刻として指定時刻(18:00)が設定されたときの、夏シーズンの動作を示している。
図5は、
図4と設定は同じであるが、夏シーズンにおいては日の入時刻が18:00よりも遅くなる。つまり、
図5の(a)に示されるように、オン時刻がオフ時刻よりも遅い時刻になる。このため、比較例に係るタイムスイッチ10は、
図5の(b)に示されるように、当日の日の入時刻にオンし、翌日の18:00にオフする。つまり、ユーザの意図通りに動作しない。
【0033】
[タイムスイッチの動作パターン]
このように意図通りに動作しないことへの対策として、タイムスイッチ10は、オン時刻の設定、及び、オフ時刻の設定の組み合わせに基づいて、スイッチ部12を当日にオフするか、翌日にオフするか、あるいは、動作させないかを自動的に決定する。
図6は、オン時刻の設定、及び、オフ時刻の設定の組み合わせと動作パターンとの関係を示す図である。
図6は、言い換えれば、スイッチ部12を当日及び翌日のいずれにオフするかの規則を示す図である。
【0034】
なお、以下の説明では、オン時刻及びオフ時刻の設定は、1分単位で行われるものとする。また、以下の説明における、「オン時刻がAからBまでの時刻に設定されている場合」には、オン時刻がAに設定されている場合、及び、オン時刻がBに設定されている場合が含まれる。オフ時刻についても同様である。
【0035】
図6の(1)に示されるように、オン時刻が指定時刻に設定され、かつ、オフ時刻が指定時刻に設定された場合、制御部16は、オフ時刻がオン時刻よりも後の時刻であれば、当日にスイッチ部12をオフし、オフ時刻がオン時刻よりも前の時刻であれば、翌日にスイッチ部12をオフする。
【0036】
図6の(2)に示されるように、オン時刻が指定時刻に設定され、かつ、オフ時刻が日の入時刻に設定された場合、制御部16は、当日にスイッチ部12をオフする。ただし、オン時刻がオフ時刻から23:59までの時刻に設定されている場合(つまり、オン時刻がオフ時刻と同一、または、オン時刻がオフ時刻よりも後の時刻に設定されている場合)には、制御部16は、動作を無効にする。つまり、タイムスイッチ10は、設定に基づいて動作しない。
【0037】
図6の(3)に示されるように、オン時刻が指定時刻に設定され、かつ、オフ時刻が日の出時刻に設定された場合、制御部16は、当日にスイッチ部12をオフするか、翌日にスイッチ部12をオフするかを、オン時刻、及び、オフ時刻を比較することにより決定する。
【0038】
具体的には、制御部16は、オン時刻が、0:00からオフ時刻-1分までの時刻に設定されている場合には、当日にスイッチ部12をオフする。ただし、オン時刻がオフ時刻から11:59までの時刻に設定されている場合(つまり、オン時刻がオフ時刻と同一、または、オフ時刻よりも後の時刻に設定されている場合)には、制御部16は、動作を無効にする。つまり、タイムスイッチ10は、設定に基づいて動作しない。
【0039】
一方、制御部16は、オン時刻が、12:00から23:59までの時刻(つまり、午後)に設定されている場合には、翌日にスイッチ部12をオフする。
【0040】
図6の(4)に示されるように、オン時刻が日の入時刻に設定され、かつ、オフ時刻が指定時刻に設定された場合、制御部16は、当日にスイッチ部12をオフするか、翌日にスイッチ部12をオフするかを、オン時刻、及び、オフ時刻を比較することにより決定する。
【0041】
具体的には、制御部16は、オフ時刻が、オン時刻+1分から23:59までの時刻に設定されている場合(つまり、オフ時刻がオン時刻よりも後の時刻に設定されている場合)には、当日にスイッチ部12をオフする。ただし、オフ時刻が12:00からオン時刻までの時刻に設定されている場合(つまり、オフ時刻がオン時刻と同一、または、オフ時刻がオン時刻よりも前の時刻に設定されている場合)には、制御部16は、動作を無効にする。つまり、タイムスイッチ10は、設定に基づいて動作しない。
【0042】
一方、制御部16は、オフ時刻が、0:00から11:59までの時刻(つまり、午前)に設定されている場合には、翌日にスイッチ部12をオフする。
【0043】
図6の(5)に示されるように、オン時刻が日の入時刻に設定され、かつ、オフ時刻が日の入時刻に設定された場合、制御部16は、オン時刻がオフ時刻よりも前に設定されている場合には、当日にスイッチ部12をオフする。なお、上述のように、日の入設定においては、日の入時刻±所定時間(例えば、3時間)のように時刻をシフトさせることができ、オン時刻及びオフ時刻がいずれも日の入設定であってもオン時刻とオフ時刻が異なる場合がある。制御部16は、オフ時刻がオン時刻以前に設定されている場合には、動作を無効にする。
【0044】
図6の(6)に示されるように、オン時刻が日の入時刻に設定され、かつ、オフ時刻が日の出時刻に設定された場合、制御部16は、翌日にスイッチ部12をオフする。
【0045】
図6の(7)に示されるように、オン時刻が日の出時刻に設定され、かつ、オフ時刻が指定時刻に設定された場合、制御部16は、当日にスイッチ部12をオフする。ただし、オフ時刻が0:00~オン時刻までの時刻に設定されている場合(つまり、オフ時刻がオン時刻と同一、または、オフ時刻がオン時刻よりも前の時刻に設定されている場合)には、制御部16は、動作を無効にする。つまり、タイムスイッチ10は、設定に基づいて動作しない。
【0046】
図6の(8)に示されるように、オン時刻が日の出時刻に設定され、かつ、オフ時刻が日の入時刻に設定された場合、制御部16は、当日にスイッチ部12をオフする。
【0047】
図6の(9)に示されるように、オン時刻が日の出時刻に設定され、かつ、オフ時刻が日の出時刻に設定された場合、制御部16は、オン時刻がオフ時刻よりも前に設定されている場合には、当日にスイッチ部12をオフする。なお、上述のように、日の出設定においては、日の出時刻±所定時間(例えば、3時間)のように時刻をシフトさせることができ、オン時刻及びオフ時刻がいずれも日の出設定であってもオン時刻とオフ時刻が異なる場合がある。制御部16は、オフ時刻がオン時刻以前に設定されている場合には、動作を無効にする。
【0048】
以上説明したように、制御部16は、設定されたオン時刻にオンされたスイッチ部12を、オンされた当日のオフ時刻にオフするか、オンされた日の翌日のオフ時刻にオフするかを、オン時刻の設定、及び、オフ時刻の設定の組み合わせごとに定められた規則(
図6)に基づいて決定する。
【0049】
例えば、制御部16は、オン時刻が日の出時刻に設定された場合(
図6の動作パターン(7)、(8)、(9))、及び、オフ時刻が日の入時刻に設定された場合(
図6の動作パターン(2)、(5)、(8))のそれぞれの場合に、設定されたオン時刻にオンされたスイッチ部12を、オンされた当日のオフ時刻にオフする。
【0050】
例えば、制御部16は、オフ時刻が日の入時刻に設定され、かつ、オン時刻が日の出時刻に設定された場合(
図6の動作パターン(6))には、設定されたオン時刻にオンされたスイッチ部12を、オンされた日の翌日のオフ時刻にオフする。
【0051】
例えば、制御部16は、(a)オン時刻が指定時刻に設定され、かつ、オフ時刻が指定時刻または日の出時刻に設定された場合(
図6の動作パターン(1)、(3))、及び、(b)オン時刻が日の入時刻に設定され、かつ、オフ時刻が指定時刻に設定された場合(
図6のパターン(4))のそれぞれの場合に、設定されたオン時刻にオンされたスイッチ部12を、オンされた当日のオフ時刻にオフするか、オンされた日の翌日のオフ時刻にオフするかを、オン時刻、及び、オフ時刻を比較することにより決定する。
【0052】
また、
図6の規則においては、オン時刻の設定、及び、オフ時刻の設定の組み合わせごとに、スイッチ部12の動作を無効にする条件が定められている。具体的には、
図6の動作パターン(2)、(3)、(4)、(5)、(7)、(9)において、スイッチ部12の動作を無効にする条件が定められている。動作を無効にする条件には、(a)設定されたオン時刻よりも設定されたオフ時刻のほうが後の時刻であること、(b)設定されたオフ時刻よりも設定されたオン時刻が後の時刻であること、及び、(c)設定されたオン時刻及び設定されたオフ時刻が同一時刻であること、の少なくとも1つが含まれる。
【0053】
このようなタイムスイッチ10は、ユーザが意図していない動作が行われないように判定基準(
図6)が定められているため、ユーザの意図通りに動作する可能性が高いタイムスイッチであるといえる。また、タイムスイッチ10は、ユーザが期待していない動作については無効化されているという点でも、ユーザの意図通りに動作する可能性が高いタイムスイッチであるといえる。
【0054】
なお、
図6の動作パターンは一例である。例えば、動作パターン(2)、(3)、(4)、(5)、(7)、(9)においては、オン時刻がオフ時刻よりも前の時刻であれば当日にスイッチ部がオフされ、オン時刻がオフ時刻よりも後の時刻であれば翌日にスイッチ部12がオフされてもよい。つまり、動作パターン(2)、(3)、(4)、(5)、(7)、(9)においては、オン時刻及びオフ時刻が同じ時刻である場合にのみ第二処理が行われてもよい。
【0055】
[週間プログラムの設定動作]
タイムスイッチ10は、上述の処理(スイッチ部12を当日にオフするか翌日にオフするかを、オン時刻の設定、及び、オフ時刻の設定の組み合わせに基づいて決定する処理)を利用して、週間プログラムの設定をユーザから受け付けることもできる。
図7は、週間プログラムの設定動作のフローチャートである。なお、週間プログラムとは、1週間単位でタイムスイッチ10のオン及びオフを設定し、この設定を毎週繰り返すためのプログラムである。
【0056】
まず、ユーザは、1週間のうちスイッチ部12をオンしたい曜日と、その曜日におけるオン時刻の設定を行う。つまり、ユーザは、1以上の曜日のそれぞれに対するオン時刻の設定を行い、設定受付部13はこれを受け付ける(S21)。
図8は、週間プログラムの設定例を示す図であり、
図8の例では、月曜日、水曜日、金曜日の3つの曜日が選択され、これら3つの曜日のそれぞれに対して、オン時刻の設定(日の出設定、日の入設定、定時設定のいずれか)が行われる。
【0057】
次に、ユーザは、ステップS21で設定した1以上の曜日に共通のオフ時刻の設定を行い、設定受付部13はこれを受け付ける(S22)。制御部16は、1以上の曜日それぞれにおいて、スイッチ部12を当日及び翌日のいずれにオフするかを処理(
図6の規則)によって決定し(S23)、1以上の曜日それぞれにおいて、スイッチ部12を当日及び翌日のいずれにオフするかを示す情報を記憶部15に記憶する(S24)。
【0058】
このように、タイムスイッチ10は、
図6の規則を利用して週間プログラムの設定を受け付けることができる。
【0059】
なお、
図7の例では、設定受付部13は、1以上の曜日のそれぞれに対するオン時刻の設定と、1以上の曜日に共通のオフ時刻の設定とを受け付けたが、1以上の曜日のそれぞれに対するオフ時刻の設定と、1以上の曜日に共通のオン時刻の設定とを受け付けてもよい。
【0060】
[複数の設定においてオン状態となる期間が重複する場合]
タイムスイッチ10は、複数組のオン時刻及びオフ時刻の設定を受け付けることができる。このとき、複数組の設定において、スイッチ部12がオン状態となる期間が重複する場合がある。
図9は、スイッチ部12がオン状態となる期間が重複する2つの設定を示す図である。
【0061】
図9の(a)に示される第一設定のオフ時刻が
図9の(b)の第二設定においてスイッチ部12がオン状態となる期間に含まれる場合、第一設定に基づいてスイッチ部12がオフされると、第二設定が無効化されてしまう。
【0062】
そこで、制御部16は、第一設定のオフ時刻が第二設定においてスイッチ部12がオン状態となる期間に含まれる場合、第一設定のオフ時刻にスイッチ部12をオフせずに第二設定のオン状態を優先する。つまり、制御部16は、オン状態を優先するOR論理でスイッチ部12を制御する。これにより、
図9の(c)に示されるように、スイッチ部12は、第一設定のオン時刻から第二設定のオフ時刻までオン状態となり、第二設定が無効化されることが抑制される。
【0063】
[効果等]
以上説明したように、タイムスイッチ10は、負荷及び電源の電気的な接続をオン及びオフするスイッチ部12と、スイッチ部12がオンするオン時刻を、日の出時刻、日の入時刻、及び、指定時刻の3つの時刻のいずれに設定するか、及び、スイッチ部12がオフするオフ時刻を3つの時刻のいずれに設定するかを受け付ける設定受付部13と、設定受付部13が受け付けた設定にしたがってスイッチ部12をオン及びオフする制御部16とを備える。制御部16は、設定されたオン時刻にオンされたスイッチ部12を、オンされた当日のオフ時刻にオフするか、オンされた日の翌日のオフ時刻にオフするかを、オン時刻の設定、及び、オフ時刻の設定の組み合わせごとに定められた規則に基づいて決定する。
【0064】
このように、規則によってタイムスイッチ10の動作が制限されれば、タイムスイッチ10が予期せぬ動作をしてしまうことが抑制される。つまり、タイムスイッチ10は、予期せぬ動作をしてしまうことが抑制されたタイムスイッチであるといえる。
【0065】
また、例えば、制御部16は、オン時刻が日の出時刻に設定された場合、及び、オフ時刻が日の入時刻に設定された場合のそれぞれの場合に、設定されたオン時刻にオンされたスイッチ部12を、オンされた当日のオフ時刻にオフする。
【0066】
このように、オン時刻が日の出時刻に設定された場合、及び、オフ時刻が日の入時刻に設定された場合に、スイッチ部12が当日にオフするように動作が制限されれば、タイムスイッチ10が予期せぬ動作をしてしまうことが抑制される。
【0067】
また、例えば、制御部16は、オン時刻が日の入時刻に設定され、かつ、オフ時刻が日の出時刻に設定された場合には、設定されたオン時刻にオンされたスイッチ部12を、オンされた日の翌日のオフ時刻にオフする。
【0068】
このように、オフ時刻が日の入時刻に設定され、かつ、オン時刻が日の出時刻に設定された場合に、スイッチ部12が翌日にオフするように動作が制限されれば、タイムスイッチ10が予期せぬ動作をしてしまうことが抑制される。
【0069】
また、例えば、制御部16は、(a)オン時刻が指定時刻に設定され、かつ、オフ時刻が指定時刻または日の出時刻に設定された場合、及び、(b)オン時刻が日の入時刻に設定され、かつ、オフ時刻が指定時刻に設定された場合のそれぞれの場合に、設定されたオン時刻にオンされたスイッチ部12を、オンされた当日のオフ時刻にオフするか、オンされた日の翌日のオフ時刻にオフするかを、オン時刻、及び、オフ時刻を比較することにより決定する。
【0070】
このようにタイムスイッチの動作が制限されれば、タイムスイッチ10が予期せぬ動作をしてしまうことが抑制される。
【0071】
また、例えば、設定受付部13は、1以上の曜日のそれぞれに対するオン時刻の設定と、1以上の曜日に共通のオフ時刻の設定とを受け付け、1以上の曜日それぞれにおいて、スイッチ部12を当日及び翌日のいずれにオフするかを規則に基づいて決定する。
【0072】
このようなタイムスイッチ10は、規則を利用して、ユーザが週間プログラムの設定を行うことを支援することができる。
【0073】
また、例えば、タイムスイッチ10は、さらに、記憶部15を備える。制御部16は、1以上の曜日それぞれにおいて、スイッチ部12を当日及び翌日のいずれにオフするかを示す情報を記憶部15に記憶する。
【0074】
このようなタイムスイッチ10は、規則を利用して、ユーザが週間プログラムの設定を行うことを支援することができる。
【0075】
また、例えば、規則においては、オン時刻の設定、及び、オフ時刻の設定の組み合わせごとに、スイッチ部12の動作を無効にする条件が定められる。スイッチ部12の動作を無効にする条件には、(a)設定されたオン時刻よりも設定されたオフ時刻のほうが後の時刻であること、(b)設定されたオフ時刻よりも設定されたオン時刻が後の時刻であること、及び、(c)設定されたオン時刻及び設定されたオフ時刻が同一時刻であること、の少なくとも1つが含まれる。
【0076】
このように、一定の条件のもとで動作が無効化されれば、タイムスイッチ10が予期せぬ動作をしてしまうことが抑制される。
【0077】
また、例えば、設定受付部13は、複数組のオン時刻及びオフ時刻の設定を受け付けることが可能であり、制御部16は、複数組のオン時刻及びオフ時刻の設定のうちの第一設定のオフ時刻が複数組のオン時刻及びオフ時刻の設定のうち第一設定と異なる第二設定においてスイッチ部12がオン状態となる期間に含まれる場合、第一設定のオフ時刻にスイッチ部12をオフしない。
【0078】
このようなタイムスイッチ10は、第一設定のオン時刻から第二設定のオフ時刻までオン状態となることで、第二設定が無効化することを抑制することができる。
【0079】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0080】
例えば、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。
【0081】
また、上記実施の形態のフローチャートで説明された処理の順序は、一例である。複数の処理の順序は変更されてもよいし、複数の処理は並行して実行されてもよい。
【0082】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0083】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0084】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0085】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
10 タイムスイッチ
12 スイッチ部
13 設定受付部
15 記憶部
16 制御部