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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】カーテンウォールユニット
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/96 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
E04B2/96
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020145539
(22)【出願日】2020-08-31
(65)【公開番号】P2022040707
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2023-05-02
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】野口 翔平
(72)【発明者】
【氏名】柏崎 永司
(72)【発明者】
【氏名】芦田 壮平
(72)【発明者】
【氏名】福山 圭輔
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-193594(JP,A)
【文献】特開2001-020425(JP,A)
【文献】特開2011-006908(JP,A)
【文献】特許第5679200(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/88-2/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上枠、下枠、及び、左右の縦枠を有する枠体を備え、上下に並べて設置されるカーテンウォールユニットであって、
前記縦枠は、上側縦枠部と、前記上側縦枠部よりも室内側に位置する下側縦枠部と、前記上側縦枠部と前記下側縦枠部を連結する連結部と、を有し、
前記上枠は、前記左右の縦枠の前記上側縦枠部の上端部と接続し、
前記下枠は、前記左右の縦枠の前記上側縦枠部の下端部と接続する室外側下枠部と、前記左右の縦枠の前記下側縦枠部と接続する室内側下枠部と、を有し、
カーテンウォールユニットを上下に並べて設置したときに、上側のカーテンウォールユニットの前記室内側下枠部は、下側のカーテンウォールユニットの前記上枠の上方に配置されるカーテンウォールユニット。
【請求項2】
請求項1に記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記連結部は、前記上側縦枠部の下側かつ前記下側縦枠部の室外側の箇所で、前記上側縦枠部から前記下側縦枠部まで配置されるカーテンウォールユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記連結部は、前記上側縦枠部の止水ラインよりも室外側で前記上側縦枠部に取り付けられ、前記下側縦枠部の止水ラインよりも室外側で前記下側縦枠部に取り付けられるカーテンウォールユニット。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記上側縦枠部は、室内外方向において互いに対向する室外側壁部と室内側壁部を有し、
前記連結部は、前記室外側壁部と前記室内側壁部の間に係合して前記上側縦枠部に固定される固定部を有するカーテンウォールユニット。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記下枠は、前記室外側下枠部に取り付けられるとともに、前記室外側下枠部から室内側に向かって突出して、前記室内側下枠部が取り付けられる取付部を有するカーテンウォールユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下に並べて設置されるカーテンウォールユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
カーテンウォールユニットは、建物の壁部に用いられて、上下方向と左右方向に並べて設置される。複数のカーテンウォールユニットは、それぞれの隣接する箇所で互いに組み合わされて、建物の壁部を形成する。また、従来、上下方向に連続するカーテンウォールユニットをセットバックさせて建物の壁部に設置するカーテンウォールが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された従来のカーテンウォールでは、上下に隣接するカーテンウォールユニットにおいて、上側のカーテンウォールユニットは、下側のカーテンウォールユニットよりも室内側に配置される。これにより、建物の壁部に設置されたカーテンウォールユニットの室内外方向の位置は、下側から上側に向かって、室内側に次第に変化する。これに対し、建物の壁部のデザインの多様化に伴い、カーテンウォールユニットにより、様々な建物の壁部を形成することが求められている。そのため、上下に並べて設置されるカーテンウォールユニットにおいても、建物の壁部のデザインの多様化に対応するための更なる改良の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5679200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、上下に並べて設置されたときに、下側から上側に向かって、室内外方向の位置を室外側に次第に変化させるカーテンウォールユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上枠、下枠、及び、左右の縦枠を有する枠体を備え、上下に並べて設置されるカーテンウォールユニットであって、
前記縦枠は、上側縦枠部と、前記上側縦枠部よりも室内側に位置する下側縦枠部と、前記上側縦枠部と前記下側縦枠部を連結する連結部と、を有し、
前記上枠は、前記左右の縦枠の前記上側縦枠部の上端部と接続し、
前記下枠は、前記左右の縦枠の前記上側縦枠部の下端部と接続する室外側下枠部と、前記左右の縦枠の前記下側縦枠部と接続する室内側下枠部と、を有し、
カーテンウォールユニットを上下に並べて設置したときに、上側のカーテンウォールユニットの前記室内側下枠部は、下側のカーテンウォールユニットの前記上枠の上方に配置されるカーテンウォールユニットである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、上下に並べて設置されたときに、下側から上側に向かって、室内外方向の位置を室外側に次第に変化させるカーテンウォールユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態のカーテンウォールの正面図である。
図2】本実施形態のカーテンウォールの横断面図である。
図3】本実施形態のカーテンウォールの縦断面図である。
図4】本実施形態のカーテンウォールユニットの縦枠を示す斜視図である。
図5図1のX1-X1線で切断した本実施形態のカーテンウォールユニットの横断面図である。
図6】本実施形態のカーテンウォールユニットの枠体を示す斜視図である。
図7】本実施形態のカーテンウォールユニットの上枠と下枠を示す斜視図である。
図8図1のX2-X2線で切断した本実施形態のカーテンウォールユニットの縦断面図である。
図9】本実施形態のカーテンウォールユニットの枠体を示す斜視図である。
図10】本実施形態のカーテンウォールユニットの縦枠と下枠の組み立て手順を示す図である。
図11】本実施形態のカーテンウォールユニットの縦枠と下枠の組み立て手順を示す図である。
図12】本実施形態のカーテンウォールユニットの縦枠と下枠の組み立て手順を示す図である。
図13】本実施形態のカーテンウォールユニットの縦枠と下枠の組み立て手順を示す図である。
図14】本実施形態のカーテンウォールユニットの縦枠と下枠の組み立て手順を示す図である。
図15】本実施形態のカーテンウォールユニットの縦枠と下枠の組み立て手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のカーテンウォールユニットの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のカーテンウォールユニットは、建物のカーテンウォールに用いられて、カーテンウォールの一部として、建物の壁部(外壁)に設けられる。カーテンウォールユニット及びカーテンウォールは、建物の壁部で、建物の室内(屋内)と室外(屋外)の間に設置されて、建物の壁部を形成する。
【0010】
図1は、本実施形態のカーテンウォール1の正面図であり、建物2の壁部2Aに設置されたカーテンウォール1及びカーテンウォールユニット3を室外側からみて示している。図2は、本実施形態のカーテンウォール1の横断面図であり、図3は、本実施形態のカーテンウォール1の縦断面図である。図3では、カーテンウォール1と建物2の一部を示している。
【0011】
図示のように、カーテンウォール1は、建物2の壁部2Aに並べて設置される複数のカーテンウォールユニット3を備えている。カーテンウォールユニット3は、カーテンウォール1を構成するパネルユニットであり、壁部2Aへの設置前に、予めユニットとして組み立てられる。カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット3は、建物2の躯体の室外側に配置されて、建物2の壁部2Aの壁面(外壁面)を形成している。複数のカーテンウォールユニット3は、上下方向と左右方向に並べて設置されて、それぞれ隣り合うカーテンウォールユニット3と互いに組み合わされている。
【0012】
なお、建物2に設けたカーテンウォールユニット3(カーテンウォール1)を正面からみたときに(図1参照)、上下となる方向が上下方向であり、左右となる方向が左右方向である。図1では、上下方向は鉛直方向であり、左右方向は水平方向である。室内外方向S(図2図3参照)は、建物2に設けたカーテンウォールユニット3における室内外方向(屋内外方向)である。このように、カーテンウォールユニット3に関する方向は、建物2に設けた状態での方向で特定する。また、カーテンウォールユニット3に関して室内側、室外側とは、建物2に設けた状態での室内側、室外側である。
【0013】
カーテンウォールユニット3は、パネル体3A、3B(下パネル体3A、上パネル体3B)と、パネル体3A、3Bを囲む枠体4と、枠体4により区画される窓部3C(ビジョン部)及び腰部3D(スパンドレル部)を備えている。複数のカーテンウォールユニット3の枠体4は、それぞれ隣り合うカーテンウォールユニット3の枠体4と互いに組み合わされている。窓部3Cは、カーテンウォールユニット3の下側部分であり、腰部3Dは、カーテンウォールユニット3の上側部分である。窓部3Cと腰部3Dは、上下に並べてカーテンウォールユニット3に形成されている。
【0014】
枠体4は、開口部4A、4B(下開口部4A、上開口部4B)を形成する方形状の開口枠であり、建物2の躯体に取り付けられる。下開口部4Aは、窓部3Cに形成された開口部であり、上開口部4Bは、腰部3Dに形成された開口部である。パネル体3A、3Bは、方形状のパネル状部材であり、枠体4の開口部4A、4Bに配置されて、枠体4に保持されている。下パネル体3Aは、例えば、複層ガラスであり、窓部3Cの下開口部4Aに配置されて、窓部3Cに設けられている。上パネル体3Bは、例えば、合せガラスであり、腰部3Dの上開口部4Bに配置されて、腰部3Dに設けられている。パネル体3A、3Bは、それぞれ枠体4に嵌め込まれて、枠体4に固定されている。
【0015】
枠体4は、互いに組み合わされた5つの枠5~8(上枠5、下枠6、一対の縦枠7、無目8)を有し、枠5~8により、方形状の開口部4A、4Bを形成している。枠体4の枠5~8は、枠体4を構成する枠材であり、例えば、押出成形により形成された形材からなる。上枠5と下枠6は、枠体4の上下の横枠であり、枠体4の上部と下部で左右方向(横方向)に沿って延びる。一対の縦枠7は、枠体4の左右の側部に位置する側枠であり、枠体4の側部で上下方向(縦方向)に沿って延びる。
【0016】
上枠5、下枠6、及び、左右の縦枠7が枠組みされて、枠5~7の端部同士が接続されている。無目8は、上枠5と下枠6の間で左右方向に沿って延びる中間枠であり、枠体4の開口部4A、4Bを上下に区画している。無目8は、左右の縦枠7に架け渡されて、縦枠7に接続されている。以下では、左右の縦枠7を区別するときには、一方の縦枠7を第1縦枠7Aと言い、他方の縦枠7を第2縦枠7Bと言う。
【0017】
カーテンウォールユニット3は、建物2の壁部2A(図3参照)で、上下に並べて設置されて、建物2の壁部2A(壁面)を形成する。複数のカーテンウォールユニット3は、上下に連続して設置されて、上下に隣接して配置される。上下に隣接するカーテンウォールユニット3は、室内外方向Sにずらして配置されており、上下のカーテンウォールユニット3の室内外方向Sにおける位置は、互いに相違している。また、上下に隣接するカーテンウォールユニット3において、上側のカーテンウォールユニット3は、下側のカーテンウォールユニット3よりも室外側に位置する。そのため、建物2の壁部2Aに上下に並べて設置されたときに、カーテンウォールユニット3は、下側から上側に向かって、室外側に次第にせり出すように配置される。
【0018】
上下に並べて設置されたカーテンウォールユニット3は、上方に向かうに連れて室外側に次第に変位して、階段状に配置される。建物2の壁部2Aは、上下に並ぶカーテンウォールユニット3により、下側から上側に向かって、室内外方向Sの位置が室外側に次第に変化するように形成される。これにより、建物2の壁部2Aは、下側から上側に向かって、室外側に次第にせり出すように形成されるとともに、下側よりも上側が室外側に位置するように階段状に形成される。また、建物2の壁部2Aは、上下方向に対して、上方に向かうに連れて室外側に次第に変位するような勾配(逆勾配)に形成される。
【0019】
図4は、本実施形態のカーテンウォールユニット3の縦枠7を示す斜視図であり、上下に並ぶ2つのカーテンウォールユニット3の縦枠7の互いに隣接する箇所を示している。
図示のように、縦枠7は、上枠5と下枠6の間で上下方向に延びる上側縦枠部10と、上側縦枠部10よりも室内側に位置する下側縦枠部20と、上側縦枠部10と下側縦枠部20を連結する連結部30を有している。このように、左右の縦枠7は、それぞれ上側縦枠部10と下側縦枠部20とに上下に分割された分割縦枠であり、上下方向に延びるとともに、下端側(下側縦枠部20側)で室内側に屈曲して室内側に突出している。
【0020】
下側縦枠部20の上下方向の長さは、上側縦枠部10の上下方向の長さよりも短い。また、上側縦枠部10と下側縦枠部20は、室内外方向Sにずらして配置されており、下側縦枠部20は、上側縦枠部10から室内側に離隔した位置に配置されている。上側縦枠部10は、上下方向において、下側縦枠部20よりも上側の位置に配置され、縦枠7の上端部7Cを含む。下側縦枠部20は、上下方向において、上側縦枠部10よりも下側の位置に配置され、縦枠7の下端部7Dを含む。上側縦枠部10は、枠体4の開口部(ここでは、下開口部4Aと上開口部4B)を形成する縦枠本体であり、下側縦枠部20よりも室外側に位置している。上側縦枠部10の上端部11は、縦枠7の上端部7Cである。
【0021】
上側縦枠部10は、上枠5の左右方向における端部と接続して、上枠5の端部から下方に向かって延びる。ここでは、下側縦枠部20は、縦枠7の下端部7Dであり、連結部30により、上側縦枠部10の下端部12に連結されて、上側縦枠部10よりも下側の位置まで配置されている。縦枠7の連結部30は、上側縦枠部10と下側縦枠部20の間に位置する連結材(縦枠連結部)である。連結部30は、上側縦枠部10と下側縦枠部20に取り付けられて、上側縦枠部10と下側縦枠部20の間で、室内外方向Sに延びる。
【0022】
連結部30は、2つの固定部31、32(室外側固定部31、室内側固定部32)を有している。室外側固定部31は、上方に突出する係合部(係合凸部)であり、連結部30の室外側の部分に形成されて、室内側固定部32よりも室外側かつ上側に位置している。室外側固定部31が上側縦枠部10に固定されて、室外側固定部31により、連結部30が上側縦枠部10に取り付けられている。室内側固定部32は、下側縦枠部20に当接する当接部であり、連結部30の室内側の部分に形成されて、室外側固定部31よりも室内側かつ下側に位置している。室内側固定部32が下側縦枠部20に固定されて、室内側固定部32により、連結部30が下側縦枠部20に取り付けられている。
【0023】
連結部30は、上側縦枠部10と下側縦枠部20に取り付けられた状態で、上側縦枠部10の下側かつ下側縦枠部20の室外側の箇所に設けられて、当該箇所で、上側縦枠部10から下側縦枠部20まで配置されている。また、連結部30は、上側縦枠部10の室内側かつ下側縦枠部20の上側の箇所には設けられず、下側縦枠部20よりも室外側の箇所のみに設けられている。連結部30は、上側縦枠部10の下端部12に取り付けられて、上側縦枠部10から下側縦枠部20まで室内側に向かって突出する。連結部30の室内側の端部である室内側固定部32において、連結部30は、下側縦枠部20の室外側面21に当接して、下側縦枠部20の室外側面21に取り付けられている。
【0024】
カーテンウォールユニット3を上下に並べて設置したときに、上側に位置するカーテンウォールユニット3の下側縦枠部20は、下側に位置するカーテンウォールユニット3の上側縦枠部10の上方の位置に配置される。上下に隣接するカーテンウォールユニット3において、上側のカーテンウォールユニット3の下側縦枠部20と下側のカーテンウォールユニット3の上側縦枠部10は、室内外方向Sにおける位置を重複させて、上下方向において互いに対向して配置される。また、上側のカーテンウォールユニット3の上側縦枠部10と下側のカーテンウォールユニット3の上側縦枠部10は、室内外方向Sにずらして配置されており、上側のカーテンウォールユニット3の上側縦枠部10は、下側のカーテンウォールユニット3の上側縦枠部10よりも室外側の位置に配置される。
【0025】
図5は、図1のX1-X1線で切断した本実施形態のカーテンウォールユニット3の横断面図であり、左右に並ぶ2つのカーテンウォールユニット3の縦枠7側の部分を示している。図5では、連結部30の室外側固定部31の断面にハッチングを付している。
図示のように、カーテンウォールユニット3は、縦枠7(ここでは、第1縦枠7A)の上側縦枠部10に取り付けられた化粧フィン3Eを備えている。化粧フィン3Eは、上側縦枠部10から室外側に突出し、上側縦枠部10に沿って上下方向に延びる。化粧フィン3Eは、左右に並ぶカーテンウォールユニット3の上側縦枠部10の間の箇所の室外側に配置されて、パネル体3A、3Bよりも室外側に位置している。
【0026】
左右に並べて設置されたカーテンウォールユニット3において、左右の縦枠7(第1縦枠7A、第2縦枠7B)は、左右方向に隣接して配置されて、左右方向において互いに対向する。また、左右の縦枠7の上側縦枠部10は、左右方向において互いに対向し、左右の縦枠7の下側縦枠部20は、左右方向において互いに対向する。左右の縦枠7の連結部30は、左右方向において互いに対向する。
【0027】
縦枠7の上側縦枠部10は、パネル体3A、3Bを保持する保持部13と、保持部13の室内側に位置する室内側部14を有している。また、上側縦枠部10は、室内側部14に形成された見込み部15、一対の壁部16、17(室外側壁部16、室内側壁部17)、及び、係合部18を有している。保持部13は、上側縦枠部10の室外側の部分に形成されて、室内側部14の室外側に位置している。パネル体3A、3Bの縦縁部が保持部13に装着されて、パネル体3A、3Bが保持部13に保持されている。室内側部14は、上側縦枠部10の室内側の部分であり、パネル体3A、3Bよりも室内側に位置している。
【0028】
見込み部15は、枠体4の開口部4A、4Bを区画する板状部であり、上側縦枠部10の見込み方向(室内外方向S)に沿って配置されている。壁部16、17と係合部18は、見込み部15に対して枠体4の左右方向における外方側(枠体4の開口部4A、4Bの反対側)に形成されている。壁部16、17は、上下方向に延び、見込み部15から枠体4の左右方向における外方側に向かって突出している。枠体4の左右方向における外方側は、カーテンウォールユニット3の左右方向における外方側である。室外側壁部16と室内側壁部17は、室内外方向Sに間隔をあけて形成されて、室内外方向Sにおいて互いに対向して形成されている。
【0029】
第1縦枠7Aの上側縦枠部10の係合部18(第1係合部18A)は、左右方向に突出する係合突部であり、第2縦枠7Bの上側縦枠部10の係合部18(第2係合部18B)は、第1係合部18Aが挿入可能な係合凹部である。第1係合部18Aは、突片である2つの係合片18C、18Dを有し、第2係合部18Bに向かって突出している。第2係合部18Bは、溝状の凹部(係合溝)であり、溝壁である2つの係合壁18E、18Fを有している。第2係合部18Bの係合壁18E、18Fは、室外側壁部16と室内側壁部17である。第2係合部18Bは、係合壁18E、18Fと見込み部15により溝状(凹状)に区画されて、枠体4の左右方向における外方側(第1係合部18A側)に向かって開放されている。
【0030】
第1係合部18A(係合突部)が第2係合部18B(係合凹部)に挿入されて、第1係合部18Aと第2係合部18Bが互いに係合する。その状態で、第1係合部18Aの係合片18C、18Dが第2係合部18Bの係合壁18E、18Fの間に配置されて、室内外方向Sに対向する係合片18C、18Dと係合壁18E、18Fが係合する。室外側の係合壁18Eにはレインバリア40が取り付けられており、室外側の係合片18Cと係合壁18Eの間にレインバリア40が挟まれる。また、室内側の係合壁18Fにはウインドバリア41が取り付けられており、室内側の係合片18Dと係合壁18Fの間にウインドバリア41が挟まれる。
【0031】
左右に並べて設置されたカーテンウォールユニット3の上側縦枠部10の間の箇所で、上側縦枠部10の係合部18、レインバリア40、及び、ウインドバリア41により、左右方向に隣接する上側縦枠部10の間に等圧空間42が形成される。等圧空間42は、室外(外気)と等圧な空間であり、室外と連通する。また、等圧空間42は、左右方向に隣接する上側縦枠部10の見込み部15、壁部16、17、及び、係合部18により区画されて、上側縦枠部10に沿って上下方向に延びる。室内側壁部17は、等圧空間42の室内側に位置しており、上側縦枠部10の止水ラインを構成している。上側縦枠部10は、止水ラインである室内側壁部17において室内外間が止水される。等圧空間42内に水が浸入したときに、水が室内側壁部17に止められて、室内側壁部17の室外側から室内側に水が浸入するのが抑制される。
【0032】
連結部30の室外側固定部31は、上側縦枠部10の室外側壁部16と室内側壁部17の間に挿入されて、室外側壁部16と室内側壁部17の間に配置される。これにより、室外側固定部31は、上側縦枠部10の等圧空間42に配置される。室外側固定部31は、室外側壁部16と室内側壁部17に当接して、室外側壁部16と室内側壁部17の間に係合し、固定具であるビス43により、上側縦枠部10に固定される。
【0033】
ビス43は、室外側壁部16を室外側から貫通して、室外側固定部31に固定される。また、ビス43は、室内側壁部17を室内側から貫通して、室外側固定部31に固定される。ビス43により、連結部30の室外側固定部31は、室外側壁部16と室内側壁部17に固定される。室外側固定部31は、室内側壁部17の室外側に配置されて、室内側壁部17に固定される。そのため、連結部30は、上側縦枠部10の止水ラインである室内側壁部17よりも室外側の位置で上側縦枠部10に取り付けられる。
【0034】
縦枠7の下側縦枠部20は、室外側に向けて配置された室外側面21と、見込み部22と、一対の壁部23、24(室外側壁部23、室内側壁部24)と、係合部25を有している。室外側面21は、下側縦枠部20において最も室外側に位置し、連結部30の室内側固定部32の室内側に配置されて、室内側固定部32と当接している。見込み部22は、板状部であり、下側縦枠部20の見込み方向(室内外方向S)に沿って配置されている。
【0035】
室外側面21、壁部23、24、及び、係合部25は、見込み部22に対して枠体4の左右方向における外方側に形成されている。壁部23、24は、上下方向に延び、見込み部22から枠体4の左右方向における外方側に向かって突出している。室外側壁部23と室内側壁部24は、室内外方向Sに間隔をあけて形成されて、室内外方向Sにおいて互いに対向して形成されている。
【0036】
第1縦枠7Aの下側縦枠部20の係合部25(第1係合部25A)は、左右方向に突出する係合突部であり、第2縦枠7Bの下側縦枠部20の係合部25(第2係合部25B)は、第1係合部25Aが挿入可能な係合凹部である。第1係合部25Aは、突片である2つの係合片25C、25Dを有し、第2係合部25Bに向かって突出している。第2係合部25Bは、溝状の凹部(係合溝)であり、溝壁である2つの係合壁25E、25Fを有している。第2係合部25Bの係合壁25E、25Fは、室外側壁部23と室内側壁部24である。第2係合部25Bは、係合壁25E、25Fと見込み部22により溝状(凹状)に区画されて、枠体4の左右方向における外方側(第1係合部25A側)に向かって開放されている。
【0037】
第1係合部25A(係合突部)が第2係合部25B(係合凹部)に挿入されて、第1係合部25Aと第2係合部25Bが互いに係合する。その状態で、第1係合部25Aの係合片25C、25Dが第2係合部25Bの係合壁25E、25Fの間に配置されて、室内外方向Sに対向する係合片25C、25Dと係合壁25E、25Fが係合する。室外側の係合壁25Eにはレインバリア44が取り付けられており、室外側の係合片25Cと係合壁25Eの間にレインバリア44が挟まれる。また、室内側の係合壁25Fにはウインドバリア45が取り付けられており、室内側の係合片25Dと係合壁25Fの間にウインドバリア45が挟まれる。
【0038】
左右に並べて設置されたカーテンウォールユニット3の下側縦枠部20の間の箇所で、下側縦枠部20の係合部25、レインバリア44、及び、ウインドバリア45により、左右方向に隣接する下側縦枠部20の間に等圧空間46が形成される。等圧空間46は、左右方向に隣接する下側縦枠部20の見込み部22、壁部23、24、及び、係合部25により区画されて、下側縦枠部20に沿って上下方向に延びる。室内側壁部24は、等圧空間46の室内側に位置しており、下側縦枠部20の止水ラインを構成している。下側縦枠部20は、止水ラインである室内側壁部24において室内外間が止水される。等圧空間46内に水が浸入したときに、水が室内側壁部24に止められて、室内側壁部24の室外側から室内側に水が浸入するのが抑制される。
【0039】
連結部30の室内側固定部32は、下側縦枠部20の室外側面21に室外側から当接して、固定具であるビス47により、下側縦枠部20に固定される。ビス47は、下側縦枠部20の室外側面21が形成された部分を室内側から貫通して、室内側固定部32に固定される。ビス47により、連結部30の室内側固定部32は、下側縦枠部20の室外側面21に固定される。室内側固定部32は、室内側壁部24よりも室外側に配置されて、室外側面21に固定される。そのため、連結部30は、下側縦枠部20の止水ラインである室内側壁部24よりも室外側の位置で下側縦枠部20に取り付けられる。
【0040】
図6は、本実施形態のカーテンウォールユニット3の枠体4を示す斜視図であり、上下に並ぶ2つのカーテンウォールユニット3の枠体4の互いに隣接する箇所を示している。また、図6では、図4に示す上下の縦枠7を示すとともに、上側の縦枠7に接続された下枠6と下側の縦枠7に接続された上枠5を示している。図7は、本実施形態のカーテンウォールユニット3の上枠5と下枠6を示す斜視図であり、図6に示す枠体4から縦枠7を除いて、互いに組み合わされた上枠5と下枠6を示している。
【0041】
図示のように、上枠5は、左右の縦枠7の上側縦枠部10の間に配置されて、左右の縦枠7のそれぞれの上側縦枠部10の上端部11(縦枠7の上端部7C)と接続している。上枠5の左右方向の端部が上側縦枠部10の上端部11に取り付けられて、上枠5が上側縦枠部10に保持されている。上枠5の室内外方向Sの幅は、下枠6の室内外方向Sの幅よりも狭い。下枠6は、左右の縦枠7の上側縦枠部10の間で左右方向に延びる室外側下枠部50と、左右の縦枠7の下側縦枠部20の間で左右方向に延びる室内側下枠部60と、室外側下枠部50と室内側下枠部60を連結する取付部70と、下枠カバー80を有している。上下方向において、室外側下枠部50は、室内側下枠部60よりも上側の位置に配置され、室内側下枠部60は、室外側下枠部50よりも下側の位置に配置されている。
【0042】
室外側下枠部50と室内側下枠部60は、室内外方向Sにずらして配置されており、室内側下枠部60は、室外側下枠部50から室内側に離隔した位置に配置されている。室外側下枠部50は、枠体4の開口部(ここでは、下開口部4A)を形成する下枠本体であり、室内側下枠部60よりも室外側に位置するとともに、室内側下枠部60よりも上側の位置まで配置されている。また、室外側下枠部50は、左右の縦枠7の上側縦枠部10の間に配置されて、左右の縦枠7のそれぞれの上側縦枠部10の下端部12と接続している。室外側下枠部50の左右方向の端部が上側縦枠部10の下端部12に取り付けられて、室外側下枠部50が上側縦枠部10に保持されている。
【0043】
室内側下枠部60は、下側に隣接するカーテンウォールユニット3の上枠5と連結する連結枠部であり、室外側下枠部50よりも室内側に位置している。また、室内側下枠部60は、左右の縦枠7の下側縦枠部20の間に配置されて、左右の縦枠7のそれぞれの下側縦枠部20(縦枠7の下端部7D)と接続している。室内側下枠部60の左右方向の端部が下側縦枠部20に取り付けられて、室内側下枠部60が下側縦枠部20に保持されている。
【0044】
それぞれのカーテンウォールユニット3において、上枠5、縦枠7の上側縦枠部10、及び、下枠6の室外側下枠部50は、縦枠7の下側縦枠部20及び下枠6の室内側下枠部60よりも室外側の位置に配置される。室内側下枠部60は、室外側下枠部50よりも下側の位置まで配置されて、取付部70により、室外側下枠部50に連結されている。取付部70は、室外側下枠部50と室内側下枠部60を連結する連結材(下枠連結部)であり、室外側下枠部50と室内側下枠部60の間に位置している。
【0045】
下枠6の取付部70は、室外側下枠部50に着脱可能に取り付けられて、室外側下枠部50から室内側に向かって突出する。また、取付部70は、室内側下枠部60よりも上側に配置されて、室内外方向Sに沿って延びる。室内側下枠部60は、取付部70の下側に配置されて、取付部70に着脱可能に取り付けられている。室内側下枠部60は、取付部70により、室外側下枠部50よりも室内側の位置に配置されている。下枠カバー80は、室内側下枠部60の室外側かつ室外側下枠部50と取付部70の下側の箇所に設けられて、室外側下枠部50と取付部70を下側から覆っている。
【0046】
カーテンウォールユニット3を上下に並べて設置したときに、上側に位置するカーテンウォールユニット3の下枠6の室内側下枠部60は、下側に位置するカーテンウォールユニット3の上枠5の上方の位置に配置される。上下に隣接するカーテンウォールユニット3において、上側のカーテンウォールユニット3の室内側下枠部60と下側のカーテンウォールユニット3の上枠5は、室内外方向Sにおける位置を重複させて、上下方向において互いに対向して配置され、互いに連結される。また、上側のカーテンウォールユニット3の室外側下枠部50と下側のカーテンウォールユニット3の上枠5は、室内外方向Sにずらして配置されている。上側のカーテンウォールユニット3の上枠5、縦枠7の上側縦枠部10、及び、下枠6の室外側下枠部50は、下側のカーテンウォールユニット3の枠体4(上枠5、下枠6(室外側下枠部50、室内側下枠部60)、縦枠7(上側縦枠部10、下側縦枠部20))よりも室外側の位置に配置される。
【0047】
図8は、図1のX2-X2線で切断した本実施形態のカーテンウォールユニット3の縦断面図であり、上下に並ぶ2つのカーテンウォールユニット3の互いに隣接する箇所を示している。
図示のように、下枠6の室外側下枠部50は、下パネル体3Aを保持する保持部51と、保持部51の室内側に位置する室内側部52を有している。また、室外側下枠部50は、室内側部52に形成された装着部53を有している。
【0048】
保持部51は、室外側下枠部50の室外側の部分に形成されて、室内側部52の室外側に位置している。下パネル体3Aの下縁部が保持部51に装着されて、下パネル体3Aが保持部51に保持されている。室内側部52は、室外側下枠部50の室内側の部分であり、下パネル体3Aよりも室内側に位置している。装着部53は、室内側部52の内側に向かって窪んだ凹部であり、室外側下枠部50の室内側の下縁部に形成されている。
【0049】
下枠6の取付部70は、2つの固定部71、72(室外側固定部71、室内側固定部72)を有している。室外側固定部71は、取付部70の室外側の縁部に形成されて、室外側下枠部50の装着部53に当接している。室外側固定部71は、固定具であるボルト81及びナット82により、室外側下枠部50の装着部53に固定されて、装着部53に装着されている。これにより、室外側固定部71が室外側下枠部50に固定されて、室外側固定部71により、取付部70が室外側下枠部50に取り付けられている。室内側固定部72は、取付部70の下面部であり、室内側下枠部60は、室内側固定部72に当接して固定されている。
【0050】
下枠6の室内側下枠部60は、取付部70に当接する当接部61と、上枠5と係合する係合部62を有している。当接部61は、室内側下枠部60の上面部であり、取付部70の室内側固定部72に下側から当接している。室内側固定部72は、固定具であるボルト83及び裏板84により、室内側下枠部60の当接部61に固定されている。これにより、室内側固定部72が室内側下枠部60に固定されて、室内側下枠部60が取付部70に取り付けられている。係合部62は、下方に突出する係合突部であり、中空状に形成されている。
【0051】
上枠5は、上パネル体3Bを保持する保持部5Aと、保持部5Aの室内側に位置する室内側部5Bを有している。また、上枠5は、室内側部5Bに形成された係合部5Cを有している。保持部5Aは、上枠5の室外側の部分に形成されて、室内側部5Bの室外側に位置している。上パネル体3Bの上縁部が保持部5Aに装着されて、上パネル体3Bが保持部5Aに保持されている。
【0052】
室内側部5Bは、上枠5の室内側の部分であり、上パネル体3Bよりも室内側に位置している。係合部5Cは、室内側下枠部60の係合部62が挿入可能な係合凹部であり、溝壁である2つの係合壁5D、5Eを有している。係合壁5D、5Eは、室内外方向Sに間隔をあけて形成されて、室内外方向Sにおいて互いに対向して形成されている。係合部5Cは、係合壁5D、5Eにより区画された溝状の凹部(係合溝)であり、上方に向かって開放されている。
【0053】
下枠6の室内側下枠部60の係合部62(係合突部)が上枠5の係合部5C(係合凹部)に挿入されて、室内側下枠部60の係合部62と上枠5の係合部5Cが互いに係合する。その状態で、室内側下枠部60の係合部62は、上枠5の係合部5Cの係合壁5D、5Eの間に配置されて、係合壁5D、5Eと係合する。室外側の係合壁5Dにはレインバリア48が取り付けられており、係合壁5Dと室内側下枠部60の係合部62の間にレインバリア48が挟まれる。また、室内側の係合壁5Eにはウインドバリア49が取り付けられており、係合壁5Eと室内側下枠部60の係合部62の間にウインドバリア49が挟まれる。
【0054】
図9は、本実施形態のカーテンウォールユニット3の枠体4を示す斜視図であり、図6と同様に、上下に並ぶ2つのカーテンウォールユニット3の枠体4を示している。
図示のように、カーテンウォールユニット3の縦枠7は、縦枠カバー7Eを有している。縦枠カバー7Eは、下側縦枠部20の室外側に配置されて、連結部30を覆う。また、縦枠カバー7Eは、上側縦枠部10の室内側かつ下側縦枠部20の上側に配置されて、下枠6の取付部70を覆う。
【0055】
図10図15は、本実施形態のカーテンウォールユニット3の縦枠7と下枠6の組み立て手順を示す図である。図10図15では、下枠6の室外側下枠部50、室内側下枠部60、及び、取付部70を二点鎖線で示している。
図示のように、下枠6の室外側下枠部50を縦枠7の上側縦枠部10の下端部12と接続して、室外側下枠部50を上側縦枠部10に取り付ける(図10参照)。また、ビス43により、縦枠7の連結部30の室外側固定部31を上側縦枠部10の下端部12に固定して、連結部30を上側縦枠部10に取り付ける(図11参照)。
【0056】
下枠6の室内側下枠部60を縦枠7の下側縦枠部20と接続して、下側縦枠部20を室内側下枠部60に取り付ける(図12参照)。ビス33により、縦枠カバー7Eを下側縦枠部20に取り付け、ビス34により、蓋材7Fを縦枠カバー7Eに取り付ける(図13参照)。その状態で、ビス47により、連結部30の室内側固定部32を下側縦枠部20の室外側面21に固定して、下側縦枠部20を連結部30に取り付ける(図14図15参照)。また、取付部70を室外側下枠部50に取り付け、室内側下枠部60を取付部70に取り付ける。ビス35により、縦枠カバー7Eを連結部30に取り付ける。左右の縦枠7(第1縦枠7A、第2縦枠7B)で、縦枠7と下枠6を同様の手順で組み立てる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態のカーテンウォールユニット3では、上下に並べて設置されたときに、下側から上側に向かって、室内外方向Sの位置を室外側に次第に変化させることができる。また、縦枠7の上側縦枠部10、連結部30、及び、下側縦枠部20により、カーテンウォールユニット3に掛かる荷重を受けることで、カーテンウォールユニット3の強度を確保することができる。これにより、カーテンウォールユニット3を安定して設置することができる。上下に並べて設置されるカーテンウォールユニット3を室内外方向Sにずらして容易に連結することもできる。
【0058】
縦枠7の連結部30を上側縦枠部10の下側かつ下側縦枠部20の室内側に配置しており、カーテンウォールユニット3の室内側に配置される内装に連結部30が影響するのを抑制することができる。また、カーテンウォールユニット3の室内側の空間への連結部30の露出を抑制して、カーテンウォールユニット3の意匠性を向上することができる。
【0059】
連結部30は、上側縦枠部10の止水ラインよりも室外側で上側縦枠部10に取り付けられ、下側縦枠部20の止水ラインよりも室外側で下側縦枠部20に取り付けられる。そのため、連結部30が縦枠7における水密性に影響するのを防止して、カーテンウォールユニット3の水密性を確保することができる。
【0060】
連結部30の室外側固定部31は、上側縦枠部10の室外側壁部16と室内側壁部17の間に係合して、上側縦枠部10に固定される。そのため、連結部30を上側縦枠部10に対して正確に配置できるとともに、連結部30を上側縦枠部10に安定して取り付けることができる。
【0061】
下枠6において、取付部70は、室外側下枠部50に取り付けられ、室内側下枠部60は、取付部70に取り付けられる。従って、縦枠7の上側縦枠部10と下側縦枠部20に接続される下枠6を容易に形成することができる。また、室外側下枠部50と室内側下枠部60の室内外方向Sの間隔(距離)の変更に容易に対応することができる。その際、例えば、取付部70の室内外方向Sの寸法を変更し、又は、取付部70に対する室内側下枠部60の取付位置を室内外方向Sに変更可能にする。このように、室外側下枠部50と室内側下枠部60の室内外方向Sの間隔を容易に変更できるため、建物2の外観意匠、及び、上下方向に対する建物2の壁部2A(壁面)の角度を容易に変更することができる。
【0062】
なお、下枠6の室外側下枠部50と取付部70を一体に形成してもよい。また、下枠6は、室外側下枠部50と室内側下枠部60を含む1つの部材であってもよい。この場合には、下枠6は、例えば、全体が一体に押出成形により形成された形材からなる。枠体4は、無目8を有しない枠体であってもよい。
【0063】
以上のとおり、カーテンウォールユニットは、上枠、下枠、及び、左右の縦枠を有する枠体を備え、上下に並べて設置されるカーテンウォールユニットであって、
前記縦枠は、上側縦枠部と、前記上側縦枠部よりも室内側に位置する下側縦枠部と、前記上側縦枠部と前記下側縦枠部を連結する連結部と、を有し、
前記上枠は、前記左右の縦枠の前記上側縦枠部の上端部と接続し、
前記下枠は、前記左右の縦枠の前記上側縦枠部の下端部と接続する室外側下枠部と、前記左右の縦枠の前記下側縦枠部と接続する室内側下枠部と、を有し、
カーテンウォールユニットを上下に並べて設置したときに、上側のカーテンウォールユニットの前記室内側下枠部は、下側のカーテンウォールユニットの前記上枠の上方に配置されるカーテンウォールユニットである。
従って、上下に並べて設置されたときに、下側から上側に向かって、室内外方向の位置を室外側に次第に変化させるカーテンウォールユニットを提供することができる。
【0064】
前記連結部は、前記上側縦枠部の下側かつ前記下側縦枠部の室外側の箇所で、前記上側縦枠部から前記下側縦枠部まで配置される。
カーテンウォールユニットの室内側に配置される内装に縦枠の連結部が影響するのを抑制することができる。また、カーテンウォールユニットの室内側の空間への連結部の露出を抑制して、カーテンウォールユニットの意匠性を向上することができる。
【0065】
前記連結部は、前記上側縦枠部の止水ラインよりも室外側で前記上側縦枠部に取り付けられ、前記下側縦枠部の止水ラインよりも室外側で前記下側縦枠部に取り付けられる。
連結部が縦枠における水密性に影響するのを防止して、カーテンウォールユニットの水密性を確保することができる。
【0066】
前記上側縦枠部は、室内外方向において互いに対向する室外側壁部と室内側壁部を有し、
前記連結部は、前記室外側壁部と前記室内側壁部の間に係合して前記上側縦枠部に固定される固定部を有する。
連結部を上側縦枠部に対して正確に配置できるとともに、連結部を上側縦枠部に安定して取り付けることができる。
【0067】
前記下枠は、前記室外側下枠部に取り付けられるとともに、前記室外側下枠部から室内側に向かって突出して、前記室内側下枠部が取り付けられる取付部を有する。
縦枠の上側縦枠部と下側縦枠部に接続される下枠を容易に形成することができる。また、室外側下枠部と室内側下枠部の室内外方向の間隔(距離)の変更に容易に対応することができる。その際、例えば、取付部の室内外方向の寸法を変更し、又は、取付部に対する室内側下枠部の取付位置を室内外方向に変更可能にする。このように、室外側下枠部と室内側下枠部の室内外方向の間隔を容易に変更できるため、建物の外観意匠、及び、上下方向に対する建物の壁部(壁面)の角度を容易に変更することができる。
【符号の説明】
【0068】
1・・・カーテンウォール、2・・・建物、2A・・・壁部、3・・・カーテンウォールユニット、3A・・・下パネル体、3B・・・上パネル体、3C・・・窓部、3D・・・腰部、3E・・・化粧フィン、4・・・枠体、4A・・・下開口部、4B・・・上開口部、5・・・上枠、5A・・・保持部、5B・・・室内側部、5C・・・係合部、5D・・・係合壁、5E・・・係合壁、6・・・下枠、7・・・縦枠、7A・・・第1縦枠、7B・・・第2縦枠、7C・・・上端部、7D・・・下端部、7E・・・縦枠カバー、7F・・・蓋材、8・・・無目、10・・・上側縦枠部、11・・・上端部、12・・・下端部、13・・・保持部、14・・・室内側部、15・・・見込み部、16・・・室外側壁部、17・・・室内側壁部、18・・・係合部、18A・・・第1係合部、18B・・・第2係合部、18C・・・係合片、18D・・・係合片、18E・・・係合壁、18F・・・係合壁、20・・・下側縦枠部、21・・・室外側面、22・・・見込み部、23・・・室外側壁部、24・・・室内側壁部、25・・・係合部、25A・・・第1係合部、25B・・・第2係合部、25C・・・係合片、25D・・・係合片、25E・・・係合壁、25F・・・係合壁、30・・・連結部、31・・・室外側固定部、32・・・室内側固定部、33・・・ビス、34・・・ビス、35・・・ビス、40・・・レインバリア、41・・・ウインドバリア、42・・・等圧空間、43・・・ビス、44・・・レインバリア、45・・・ウインドバリア、46・・・等圧空間、47・・・ビス、48・・・レインバリア、49・・・ウインドバリア、50・・・室外側下枠部、51・・・保持部、52・・・室内側部、53・・・装着部、60・・・室内側下枠部、61・・・当接部、62・・・係合部、70・・・取付部、71・・・室外側固定部、72・・・室内側固定部、80・・・下枠カバー、81・・・ボルト、82・・・ナット、83・・・ボルト、84・・・裏板、S・・・室内外方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15