(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】カーテンウォール及び建造物
(51)【国際特許分類】
E04B 2/96 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
E04B2/96
(21)【出願番号】P 2020155213
(22)【出願日】2020-09-16
【審査請求日】2023-05-02
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】丹治 成基
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-121454(JP,A)
【文献】実開昭54-080211(JP,U)
【文献】特開2021-055496(JP,A)
【文献】特開平04-007438(JP,A)
【文献】特開2001-303703(JP,A)
【文献】特開昭57-009942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/88-2/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物の壁部に左右方向に並べて設置されるカーテンウォールユニットを備えたカーテンウォールであって、
前記カーテンウォールユニットは、一対の縦枠と一対の横枠が枠組みされた枠体を備え、
前記横枠は、前記一対の縦枠のうちの一方の第1縦枠の見込み方向における室外側寄りの部分に接続する第1端部と、前記一対の縦枠のうちの他方の第2縦枠の見込み方向における室内側寄りの部分に接続する第2端部と、を有し、
左右方向に隣り合う前記カーテンウォールユニットにおいて、一方の前記カーテンウォールユニットの前記第1縦枠と他方の前記カーテンウォールユニットの前記第2縦枠は、左右に対向して配置され、前記一方のカーテンウォールユニットの前記第1端部は、前記他方のカーテンウォールユニットの前記第2端部よりも室外側の位置に配置されるカーテンウォール。
【請求項2】
請求項1に記載されたカーテンウォールにおいて、
前記カーテンウォールユニットは、前記枠体の外周部に設けられたタイト材を備え、
前記タイト材は、前記横枠に沿って延びる横タイト部と、前記横タイト部の前記第1端部側の先端部よりも室内側の位置で前記第1縦枠に沿って延びる第1縦タイト部と、前記横タイト部と前記第1縦タイト部とを連結する連結タイト部と、前記横タイト部に連続して前記第2縦枠に沿って延びる第2縦タイト部と、を有し、
前記一方のカーテンウォールユニットの前記第1縦タイト部と前記他方のカーテンウォールユニットの前記第2縦タイト部は、互いに対向する位置に設けられて当接するカーテンウォール。
【請求項3】
請求項2に記載されたカーテンウォールにおいて、
前記連結タイト部は、前記横タイト部から室内側に向かって延び、前記第1縦タイト部に向かって屈曲して、前記第1縦タイト部に連続するカーテンウォール。
【請求項4】
請求項2又は3に記載されたカーテンウォールにおいて、
前記枠体は、前記第1縦枠の端部に装着されて前記連結タイト部を保持する気密部品を有するカーテンウォール。
【請求項5】
請求項4に記載されたカーテンウォールにおいて、
前記気密部品は、前記第1縦枠の端部を覆って前記第1縦枠の端部から前記横枠まで配置される蓋部材と、前記連結タイト部が装着される装着部と、を有するカーテンウォール。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載されたカーテンウォールを外壁に用いた建造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のカーテンウォールユニットを備えたカーテンウォール、及び、カーテンウォールを外壁に用いた建造物に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のカーテンウォールユニットを備えたカーテンウォールでは、カーテンウォールユニットが建造物の壁部に左右方向に並べて設置されて、カーテンウォールが建造物の外壁に用いられている。また、カーテンウォールの複数のカーテンウォールユニットにより、建造物の壁面を凹凸形状に形成することがある。このようなカーテンウォールの構造として、従来、カーテンウォールの窓ユニットと外装パネルをそれぞれ躯体に沿ってジグザグ状に配設する建物の外壁部構造が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
ところが、特許文献1に記載された従来の建物の外壁部構造では、躯体をジグザグ状に形成する必要があり、凹凸形状の壁面の形成に手間がかかる。また、躯体がフラットな形状であるときには、窓ユニットと外装パネルをジグザグ状に配設できず、凹凸形状の壁面を形成するのが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、左右方向に並べて設置されるカーテンウォールユニットを備えたカーテンウォールにより、建造物の凹凸形状の壁面を容易に形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、建造物の壁部に左右方向に並べて設置されるカーテンウォールユニットを備えたカーテンウォールであって、
前記カーテンウォールユニットは、一対の縦枠と一対の横枠が枠組みされた枠体を備え、
前記横枠は、前記一対の縦枠のうちの一方の第1縦枠の見込み方向における室外側寄りの部分に接続する第1端部と、前記一対の縦枠のうちの他方の第2縦枠の見込み方向における室内側寄りの部分に接続する第2端部と、を有し、
左右方向に隣り合う前記カーテンウォールユニットにおいて、一方の前記カーテンウォールユニットの前記第1縦枠と他方の前記カーテンウォールユニットの前記第2縦枠は、左右に対向して配置され、前記一方のカーテンウォールユニットの前記第1端部は、前記他方のカーテンウォールユニットの前記第2端部よりも室外側の位置に配置されるカーテンウォールである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、左右方向に並べて設置されるカーテンウォールユニットを備えたカーテンウォールにより、建造物の凹凸形状の壁面を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態のカーテンウォールの正面図である。
【
図2】本実施形態のカーテンウォールの縦断面図である。
【
図3】本実施形態のカーテンウォールの横断面図である。
【
図4】
図1のX1-X1線で切断した本実施形態のカーテンウォールの縦断面図である。
【
図5】
図1のX2-X2線で切断した本実施形態のカーテンウォールの横断面図である。
【
図6】
図1のX3-X3線で切断した本実施形態のカーテンウォールの縦断面図である。
【
図7】
図1のX4-X4線で切断した本実施形態のカーテンウォールの横断面図である。
【
図8】本実施形態のカーテンウォールの2つのカーテンウォールユニットを示す斜視図である。
【
図9】本実施形態のタイト材を取り付けていない状態のカーテンウォールユニットと気密部品を示す斜視図である。
【
図10】本実施形態の気密部品を取り付けていない状態のカーテンウォールユニットを示す斜視図である。
【
図11】本実施形態の分解した状態の気密部品を示す斜視図である。
【
図12】本実施形態の気密部品を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のカーテンウォール及び建造物の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のカーテンウォールは、複数のカーテンウォールユニットを備えた建造物用のカーテンウォールである。カーテンウォール及びカーテンウォールユニットは、建造物の外壁に用いられて、建造物の室内(屋内)と室外(屋外)の間に設置される。複数のカーテンウォールユニットは、互いに組み合わされて、カーテンウォールの一部として、建造物の壁面を形成する。
【0010】
図1は、本実施形態のカーテンウォール1の正面図であり、建造物2の壁部2Aに設置されたカーテンウォール1を室外側からみて示している。
図2は、本実施形態のカーテンウォール1の縦断面図であり、建造物2の一部とカーテンウォール1を示している。
【0011】
図示のように、カーテンウォール1は、建造物2の壁部2Aに並べて設置される複数のカーテンウォールユニット3を備えている。カーテンウォールユニット3は、カーテンウォール1を構成するパネルユニットであり、壁部2Aへの設置前に、予めユニットとして組み立てられる。カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット3は、建造物2の躯体2Bの室外側に配置されて、建造物2の壁部2Aの壁面(外壁面)を形成している。複数のカーテンウォールユニット3は、上下方向と左右方向に並べて設置されて、それぞれ隣り合うカーテンウォールユニット3と互いに組み合わされている。
【0012】
なお、建造物2に設けたカーテンウォール1(カーテンウォールユニット3)を正面からみたときに(
図1参照)、上下となる方向が上下方向であり、左右となる方向が左右方向である。
図1では、上下方向は鉛直方向であり、左右方向は水平方向である。室内外方向S(
図2参照)は、建造物2に設けたカーテンウォール1における室内外方向(屋内外方向)である。このように、カーテンウォール1に関する方向は、建造物2に設けた状態での方向で特定する。また、カーテンウォール1に関して室内側、室外側とは、建造物2に設けた状態での室内側、室外側である。
【0013】
カーテンウォールユニット3は、パネル体3A、3B、3Cと、パネル体3A、3B、3Cを囲む枠体4と、枠体4により区画される腰部3D(スパンドレル部)及び窓部3E、3F(ビジョン部)を備えている。複数のカーテンウォールユニット3の枠体4は、それぞれ隣り合うカーテンウォールユニット3の枠体4と互いに組み合わされている。腰部3Dと窓部3E、3Fは、上下に並べてカーテンウォールユニット3に形成されている。
【0014】
枠体4は、開口部4A、4B、4Cを形成する方形状の開口枠であり、建造物2の躯体2Bに取り付けられる。パネル体3A、3B、3Cは、方形状のパネル状部材であり、それぞれ枠体4の開口部4A、4B、4Cに配置されて、枠体4に保持されている。ここでは、パネル体3A、3B、3Cは、ガラスパネル体(例えば、板ガラス、複層ガラス、又は、合わせガラス)である。
【0015】
枠体4は、互いに組み合わされた4つの枠5~8(一対の横枠5、6、一対の縦枠7、8)と2つの無目9A、9Bを有している。枠体4の枠5~8と無目9A、9Bは、例えば、押出成形により形成された形材からなる。一方(上方)の横枠(第1横枠5)は、上枠であり、他方(下方)の横枠(第2横枠6)は、下枠である。一対の横枠5、6は、枠体4の上部と下部で左右方向(横方向)に沿って延びる。一対の縦枠7、8(第1縦枠7、第2縦枠8)は、枠体4の左右の側部に位置する側枠であり、枠体4の側部で上下方向(縦方向)に沿って延びる。上下の横枠5、6と左右の縦枠7、8が枠組みされて、枠5~8の端部同士が接続されている。
【0016】
無目9A、9Bは、上下の横枠5、6の間で左右方向に沿って延び、左右の縦枠7、8に接続されている。また、無目9A、9Bは、左右の縦枠7、8に架け渡されて、枠体4の内側の開口部4A、4B、4Cを上下に区画している。ブラケット4D(
図2参照)が枠体4に固定され、ファスナー2Cが建造物2の躯体2Bに固定されている。ブラケット4Dがファスナー2Cに取り付けられて、ブラケット4Dとファスナー2Cにより、枠体4及びカーテンウォールユニット3が建造物2の躯体2Bに取り付けられている。
【0017】
図3は、本実施形態のカーテンウォール1の横断面図であり、窓部3Fの箇所で左右方向Rに切断したカーテンウォールユニット3を示している。
図示のように、カーテンウォール1のカーテンウォールユニット3は、建造物2の壁部2Aに左右方向Rに並べて設置されている。また、カーテンウォールユニット3は、左右に連続して設置されて、建造物2の壁面(壁部2A)を形成する。複数のカーテンウォールユニット3は、左右方向Rに対して互いに同じ方向に向けて傾けて配置されて、左右に隣接して配置される。
【0018】
カーテンウォールユニット3は、左右方向Rの一方側から他方側に向かって、室内外方向Sに次第に変位するように配置されて、室内外方向Sの位置を次第に変化させる。建造物2の壁面は、左右方向Rの断面において、左右方向Rに並ぶ複数のカーテンウォールユニット3により、凹凸形状(例えば、鋸刃形状、ジグザグ形状)に形成されている。建造物2の壁面は、カーテンウォール1の室外側の壁面(外壁面)であり、ここでは、左右方向Rにジグザグ形状に形成されている。また、建造物2の壁面は、カーテンウォールユニット3のそれぞれの箇所で、左右方向Rの一方側から他方側に向かって、室内外方向Sに次第に変位するように形成されて、室内外方向Sの位置を次第に変化させる。
【0019】
左右方向Rに隣り合う2つのカーテンウォールユニット3において、一方のカーテンウォールユニット3の第1縦枠7と他方のカーテンウォールユニット3の第2縦枠8は、左右方向Rにおいて互いに対向して、左右に隣接して配置されている。第1縦枠7は、枠体4の一対の縦枠7、8のうちの一方の縦枠であり、左右方向Rの一方側に位置している。第2縦枠8は、枠体4の一対の縦枠7、8のうちの他方の縦枠であり、左右方向Rの他方側に位置している。複数のカーテンウォールユニット3は、互いの第1縦枠7と第2縦枠8が隣り合う状態で、左右方向Rに順に配置されている。
【0020】
カーテンウォールユニット3の左右方向Rに対する傾きに対応して、枠体4の一対の横枠5、6は、左右方向Rに対して傾けて配置されている。一対の横枠5、6は、それぞれの長手方向の両側の端部に位置する左右の端部5A、5B、6A、6B(第1端部5A、6A、第2端部5B、6B)を有している。第1端部5A、6Aは、横枠5、6の長手方向の一方側の端部に位置する一端部であり、第2端部5B、6Bは、横枠5、6の長手方向の他方側の端部に位置する他端部である。横枠5、6の左右の端部5A、5B、6A、6Bは、横枠5、6のそれぞれにおいて、室内外方向Sに互いに位置をずらして配置されている。
【0021】
カーテンウォールユニット3のそれぞれにおいて、横枠5、6の第1端部5A、6Aは、第1縦枠7の上下の端部で、第1縦枠7の見込み方向(室内外方向S)における室外側寄りの部分に接続して、第1縦枠7に固定されている。また、横枠5、6の第2端部5B、6Bは、第2縦枠8の上下の端部で、第2縦枠8の見込み方向(室内外方向S)における室内側寄りの部分に接続して、第2縦枠8に固定されている。そのため、2つのカーテンウォールユニット3が左右に隣接する箇所で、一方のカーテンウォールユニット3の横枠5、6の第1端部5A、6Aと他方のカーテンウォールユニット3の横枠5、6の第2端部5B、6Bは、室内外方向Sに位置をずらして配置されている。
【0022】
図4は、
図1のX1-X1線で切断した本実施形態のカーテンウォール1の縦断面図であり、上下方向に隣り合う2つのカーテンウォールユニット3の横枠5、6側の部分を示している。また、
図4は、第2縦枠8側(第2端部5B、6B側)の箇所で切断した横枠5、6を示している。
図示のように、カーテンウォールユニット3は、枠体4に取り付けられたタイト材10、20(第1タイト材10、第2タイト材20)を備えている。タイト材10、20は、弾性変形可能なシール材であり、それぞれ枠体4の外周部に設けられて、枠体4の外周部に沿って環状に配置されている。
【0023】
第1タイト材10は、第2タイト材20の室外側に位置する室外側タイト材であり、第2タイト材20は、第1タイト材10の室内側に位置する室内側タイト材である。また、第1タイト材10は、ヒレ状のレインバリアであり、第2タイト材20は、中空状のウインドバリアである。2列のタイト材10、20は、枠体4の外周部で、室内外方向Sに離隔して並列し、互いに間隔をあけて配置されている。横タイト部11、21は、タイト材10、20の横枠5、6に設けられた部分であり、一対の横枠5、6のそれぞれに沿って延びる。横枠5、6の横タイト部11、21は、横枠5、6の第1端部5A、6Aと第2端部5B、6Bの間で、横枠5、6の長手方向に沿って延びる。
【0024】
カーテンウォールユニット3は、第2横枠6に取り付けられたカバー体3Gを備えている。カバー体3Gは、第2横枠6から室外側に突出し、第2横枠6に沿って延びる。カバー体3Gは、2つのカーテンウォールユニット3が上下に隣接する箇所で、上側のカーテンウォールユニット3の第2横枠6(下枠)と下側のカーテンウォールユニット3の第1横枠5(上枠)の室外側に配置されて、第1横枠5と第2横枠6を室外側から覆う。
【0025】
上下方向に隣り合う2つのカーテンウォールユニット3において、上側のカーテンウォールユニット3の第2横枠6と下側のカーテンウォールユニット3の第1横枠5は、上下方向において互いに対向して、上下に隣接して配置されている。
【0026】
横枠5、6は、パネル体3A、3Cを保持する保持部5C、6Cと、外周部5D、6Dと、外周部5D、6Dに形成された2列の溝状の装着部5E、5F、6E、6F(第1装着部5E、6E、第2装着部5F、6F)を有している。
【0027】
第1横枠5の外周部5Dは、枠体4の外周部の一部(上部)であり、保持部5Cの上側に位置している。第2横枠6の外周部6Dは、枠体4の外周部の一部(下部)であり、保持部6Cの下側に位置している。外周部5D、6Dは、板状の対向部であり、横枠5、6の見込み方向に沿って形成されている。上下方向に隣り合う2つのカーテンウォールユニット3において、上側のカーテンウォールユニット3の第2横枠6の外周部6Dと下側のカーテンウォールユニット3の第1横枠5の外周部5Dは、上下方向において互いに対向し、上下に離隔した状態で隣接して配置されている。
【0028】
第1横枠5の装着部5E、5Fは、第1横枠5の外周部5Dの上側に形成され、第1横枠5の長手方向に沿って延びる。第2横枠6の装着部6E、6Fは、第2横枠6の外周部6Dの下側に形成され、第2横枠6の長手方向に沿って延びる。第1装着部5E、6Eは、第2装着部5F、6Fの室外側に位置している。2列の装着部5E、5F、6E、6Fは、横枠5、6のそれぞれで、室内外方向Sに離隔して、並列して形成されている。
【0029】
第1タイト材10の横タイト部11は、第1装着部5E、6Eに装着されて、横枠5、6の外周部5D、6Dに取り付けられている。第2タイト材20の横タイト部21は、第2装着部5F、6Fに装着されて、横枠5、6の外周部5D、6Dに取り付けられている。これにより、2列の横タイト部11、21が、横枠5、6のそれぞれに並列して設けられる。第1横枠5の横タイト部11、21(第1横タイト部)は、第1横枠5の外周部5Dから上側に突出し、第2横枠6の横タイト部11、21(第2横タイト部)は、第2横枠6の外周部6Dから下側に突出している。
【0030】
2つのカーテンウォールユニット3が上下に隣接する箇所で、上側のカーテンウォールユニット3の第2横枠6の横タイト部11、21と下側のカーテンウォールユニット3の第1横枠5の横タイト部11、21は、第1横枠5と第2横枠6の間で、上下方向において互いに対向する位置に設けられて互いに当接する。横タイト部11、21のそれぞれにより、第1横枠5と第2横枠6の間の箇所がシールされる。また、互いに当接する2列の横タイト部11、21により、互いに隣接する第1横枠5と第2横枠6の間に等圧空間30が形成される。等圧空間30は、室外(外気)の気圧(外気圧)と等圧となる空間であり、室外と連通する。横枠5、6の間の等圧空間30は、横枠5、6と横タイト部11、21により区画されて、2列の横タイト部11、21の間に形成され、横枠5、6の長手方向に沿って延びる。
【0031】
図5は、
図1のX2-X2線で切断した本実施形態のカーテンウォール1の横断面図であり、左右方向Rに隣り合う2つのカーテンウォールユニット3の縦枠7、8側の部分を示している。
図示のように、第1縦タイト部12、22は、タイト材10、20の第1縦枠7に設けられた部分であり、第1縦枠7の上下の端部の間で、第1縦枠7の長手方向(上下方向)に沿って延びる。第2縦タイト部13、23は、タイト材10、20の第2縦枠8に設けられた部分であり、第2縦枠8の上下の端部の間で、第2縦枠8の長手方向(上下方向)に沿って延びる。
【0032】
縦枠7、8は、縦枠7、8のそれぞれの見込み方向における室内側の部分である室内側部7A、8Aと、縦枠7、8のそれぞれの見込み方向における室外側の部分である室外側部7B、8Bを有している。第1縦枠7の室内側部7Aは、横枠5、6の第1端部5A、6Aよりも室内側に位置しており、第1縦枠7の室外側部7Bは、室内側部7Aの室外側に位置している。第2縦枠8の室外側部8Bは、横枠5、6の第2端部5B、6Bよりも室外側に位置しており、第2縦枠8の室内側部8Aは、室外側部8Bの室内側に位置している。
【0033】
縦枠7、8は、パネル体3A、3B、3Cを保持する保持部7C、8Cと、外周部7D、8Dと、外周部7D、8Dに形成された2列の溝状の装着部7E、7F、8E、8F(第1装着部7E、8E、第2装着部7F、8F)と、横枠5、6と接続する接続部7G、8Gを有している。カバー体3Gは、接続部7G、8Gよりも室外側に配置されており、第2横枠6から縦枠7、8の室外側の縁部まで室外側に突出している。カバー体3Gの第2縦枠8側の端部の突出寸法(室内外方向Sの幅)は、カバー体3Gの第1縦枠7側の端部の突出寸法よりも大きい。
【0034】
第1縦枠7では、保持部7Cと接続部7Gは、室外側部7Bに設けられ、装着部7E、7Fは、室内側部7Aに設けられている。第1縦枠7の室内側部7Aは、保持部7C及び接続部7Gよりも室内側に位置し、接続部7G及び横枠5、6の第1端部5A、6Aから室内側に向かって突出している。第2縦枠8では、保持部8C、接続部8G、及び、装着部8E、8Fは、室内側部8Aに設けられている。第2縦枠8の室外側部8Bは、保持部8C及び接続部8Gよりも室外側に位置し、接続部8G及び横枠5、6の第2端部5B、6Bから室外側に向かって突出している。
【0035】
縦枠7、8の外周部7D、8Dは、枠体4の外周部の一部(側部)であるとともに、板状の対向部であり、縦枠7、8の見込み方向に沿って形成されている。左右方向Rに隣り合う2つのカーテンウォールユニット3において、一方のカーテンウォールユニット3の第1縦枠7の外周部7Dと他方のカーテンウォールユニット3の第2縦枠8の外周部8Dは、左右方向Rにおいて互いに対向し、左右に離隔した状態で隣接して配置されている。
【0036】
縦枠7、8の装着部7E、7F、8E、8Fは、縦枠7、8の外周部7D、8Dで縦枠7、8の長手方向に沿って延びる。第1装着部7E、8Eは、第2装着部7F、8Fの室外側に位置している。2列の装着部7E、7F、8E、8Fは、縦枠7、8のそれぞれで、室内外方向Sに離隔して、並列して形成されている。第1タイト材10の第1縦タイト部12は、第1縦枠7の第1装着部7Eに装着され、第2タイト材20の第1縦タイト部22は、第1縦枠7の第2装着部7Fに装着されている。これにより、タイト材10、20の第1縦タイト部12、22が第1縦枠7の外周部7D及び室内側部7Aに取り付けられ、2列の第1縦タイト部12、22が第1縦枠7の室内側部7Aに並列して設けられる。
【0037】
第1タイト材10の第2縦タイト部13は、第2縦枠8の第1装着部8Eに装着され、第2タイト材20の第2縦タイト部23は、第2縦枠8の第2装着部8Fに装着されている。これにより、タイト材10、20の第2縦タイト部13、23が第2縦枠8の外周部8D及び室内側部8Aに取り付けられ、2列の第2縦タイト部13、23が第2縦枠8の室内側部8Aに並列して設けられる。縦タイト部12、13、22、23は、縦枠7、8の室内側部7A、8A及び外周部7D、8Dから枠体4の側方に突出している。
【0038】
2つのカーテンウォールユニット3が左右に隣接する箇所で、一方のカーテンウォールユニット3の第1縦枠7の第1縦タイト部12、22と他方のカーテンウォールユニット3の第2縦枠8の第2縦タイト部13、23は、第1縦枠7と第2縦枠8の間で、左右方向Rにおいて互いに対向する位置に設けられて互いに当接する。具体的には、第1縦枠7の第1縦タイト部12と第2縦枠8の第2縦タイト部13が左右方向Rにおいて互いに当接し、第1縦枠7の第1縦タイト部22と第2縦枠8の第2縦タイト部23が左右方向Rにおいて互いに当接する。
【0039】
互いに対向して当接する第1縦タイト部12、22と第2縦タイト部13、23のそれぞれにより、第1縦枠7と第2縦枠8の間の箇所がシールされる。縦タイト部12、13、22、23が第1縦枠7と第2縦枠8の間に配置されて、互い当接する2列の縦タイト部12、13、22、23により、互いに隣接する第1縦枠7と第2縦枠8の間に等圧空間30が形成される。縦枠7、8の間の等圧空間30は、縦枠7、8と縦タイト部12、13、22、23により区画されて、2列の縦タイト部12、13、22、23の間に形成され、縦枠7、8の長手方向に沿って延びる。
【0040】
縦枠7、8の接続部7G、8Gは、縦枠7、8の上下の端部のそれぞれに位置している。第1縦枠7の接続部7Gは、第1縦枠7の見込み方向における室外側寄りの部分(室外側部7B)であり、第2縦枠8の接続部8Gは、第2縦枠8の見込み方向における室内側寄りの部分(室内側部8A)である。第1横枠5の第1端部5Aは、第1縦枠7の上端部の接続部7Gに接続し、第1横枠5の第2端部5Bは、第2縦枠8の上端部の接続部8Gに接続する。第2横枠6の第1端部6Aは、第1縦枠7の下端部の接続部7Gに接続し、第2横枠6の第2端部6Bは、第2縦枠8の下端部の接続部8Gに接続する。
【0041】
2つのカーテンウォールユニット3が左右に隣接する箇所では、一方のカーテンウォールユニット3の第1縦枠7と他方のカーテンウォールユニット3の第2縦枠8は、左右に互いに対向して並べて配置されている。また、一方のカーテンウォールユニット3の第1縦枠7の接続部7Gと他方のカーテンウォールユニット3の第2縦枠8の接続部8Gは、室内外方向Sに位置をずらして配置されている。これにより、一方のカーテンウォールユニット3の第1縦枠7の接続部7G及び横枠5、6の第1端部5A、6Aは、他方のカーテンウォールユニット3の第2縦枠8の接続部8G及び横枠5、6の第2端部5B、6Bよりも室外側の位置に配置されている。
【0042】
図6は、
図1のX3-X3線で切断した本実施形態のカーテンウォール1の縦断面図であり、第1縦枠7側(第1端部5A、6A側)の箇所で切断した横枠5、6を示している。
図7は、
図1のX4-X4線で切断した本実施形態のカーテンウォール1の横断面図であり、横枠5、6に設けられたタイト材10、20の横タイト部11、21を模式的に鎖線で示している。
図示のように、タイト材10、20のそれぞれは、上下の横タイト部11、21と、第1縦タイト部12、22と、第2縦タイト部13、23と、上下の連結タイト部14、24を有している。タイト材10、20のそれぞれにおいて、横タイト部11、21、第1縦タイト部12、22、第2縦タイト部13、23、及び、連結タイト部14、24は、環状のタイト材10、20に沿って順に設けられて、互いに連続して形成されている。
【0043】
横タイト部11、21の第1先端部15、25(
図7参照)は、横タイト部11、21の長手方向の一方側(横枠5、6の第1端部5A、6A側)に位置する一方側先端部であり、横タイト部11、21の第2先端部16、26は、横タイト部11、21の長手方向の他方側(横枠5、6の第2端部5B、6B側)に位置する他方側先端部である。横タイト部11、21の第1先端部15、25と第2先端部16、26は、横枠5、6のそれぞれにおいて、室内外方向Sに互いに位置をずらして配置されている。第1縦タイト部12、22は、第1縦枠7の見込み方向における室内側寄りの部分(室内側部7A)に取り付けられ、第2縦タイト部13、23は、第2縦枠8の見込み方向における室内側寄りの部分(室内側部8A)に取り付けられている。
【0044】
タイト材10、20のそれぞれにおいて、横タイト部11、21の第2先端部16、26と第2縦タイト部13、23は、室内外方向Sにおける同じ位置に配置されている。横枠5、6の第2端部5B、6B側のそれぞれにおいて、横タイト部11、21と第2縦タイト部13、23は、連続して形成されて、直接に繋がる。このように、第2縦タイト部13、23は、横タイト部11、21に直接に連続して、第2縦枠8に沿って延びる。
【0045】
タイト材10、20のそれぞれにおいて、第1縦タイト部12、22は、横タイト部11、21の第1先端部15、25よりも室内側の位置に配置されており、第1先端部15、25よりも室内側の位置で、第1縦枠7に沿って延びる。横枠5、6の第1端部5A、6A側のそれぞれにおいて、連結タイト部14、24は、横タイト部11、21の第1先端部15、25と第1縦タイト部12、22の間に設けられて、横タイト部11、21と第1縦タイト部12、22とに連続する。横タイト部11、21と第1縦タイト部12、22は、連結タイト部14、24により連結され、連結タイト部14、24を介して間接に繋がる。
【0046】
2つのカーテンウォールユニット3が上下に隣接する箇所で、上側のカーテンウォールユニット3の連結タイト部14、24と下側のカーテンウォールユニット3の連結タイト部14、24は、上下方向において互いに対向する位置に設けられて互いに当接する。上下の2列の連結タイト部14、24は、それぞれ対向する位置に設けられた連結タイト部14、24と上下方向において当接する。上下に隣接するカーテンウォールユニット3の枠体4の間に連結タイト部14、24が配置されて、互い当接する2列の連結タイト部14、24により、互いに隣接する枠体4の間に等圧空間30が形成される。
【0047】
連結タイト部14、24は、横タイト部11、21の第1先端部15、25から室内側に向かって延び、横タイト部11、21と第1縦タイト部12、22の間の箇所で、第1縦タイト部12、22に向かって左右方向Rに屈曲して、第1縦タイト部12、22に連続する。枠体4は、第1縦枠7の上下の端部に連結された上下の気密部品40を備えている。気密部品40は、第1縦枠7の端部と横枠5、6に装着される装着部品(アタッチメント)であり、第1縦枠7の上下の端部のそれぞれにおいて、連結タイト部14、24を保持している。
【0048】
図8は、本実施形態のカーテンウォール1の2つのカーテンウォールユニット3を示す斜視図であり、左右方向Rに隣り合うカーテンウォールユニット3の上側のコーナー部を示している。
図9は、本実施形態のタイト材10、20を取り付けていない状態のカーテンウォールユニット3と気密部品40を示す斜視図である。
図10は、本実施形態の気密部品40を取り付けていない状態のカーテンウォールユニット3を示す斜視図である。
図11は、本実施形態の分解した状態の気密部品40を示す斜視図であり、
図12は、本実施形態の気密部品40を示す斜視図である。なお、第2横枠6に装着される気密部品40は、第1横枠5に装着される気密部品40と同様に構成されている。
【0049】
図示のように、気密部品40は、枠体4の連結タイト部14、24が設けられた箇所を気密状に封止するタイト部品であり(
図8参照)、連結タイト部14、24とともに、等圧空間30を形成する。また、気密部品40(
図9~
図12参照)は、第1縦枠7の端部を覆って第1縦枠7の端部から横枠5、6まで配置される蓋部材41と、連結タイト部14、24が装着される装着部50、51(第1装着部50、第2装着部51)を有している。蓋部材41は、第1縦枠7の端部に重ねて配置されて、第1縦枠7の端部の少なくとも一部(ここでは、第1縦枠7の室内側部7Aの端部)を覆う。また、蓋部材41は、封止部材であり、第1縦枠7の端部と横枠5、6に装着されて、枠体4の連結タイト部14、24が設けられた箇所を封止する。
【0050】
第1縦枠7の室内側部7Aは、中空形状に形成されており、第1縦枠7は、室内側部7Aの上下の端部のそれぞれに開口7Hを有している(
図10参照)。第1縦枠7の上下の端部のそれぞれで(
図9参照)、気密部品40の蓋部材41は、第1縦枠7の室内側部7Aの開口7Hに重ねて配置されて開口7Hを覆うとともに、第1縦枠7の室内側部7Aから突出して横枠5、6の室内側の位置まで配置されている。気密部品40は、蓋部材41により、第1縦枠7の室内側部7Aの開口7Hを塞いで封止する。第1縦枠7の上端部では、気密部品40は、蓋部材41により、水を受けて止水する。蓋部材41に受けられた水は、蓋部材41から排水部4Eを通過して、第1縦枠7に沿って延びる等圧空間30に排水される。
【0051】
気密部品40の装着部50、51は、第1縦枠7の上端部では、蓋部材41の上側に設けられ、第1縦枠7の下端部では、蓋部材41の下側に設けられている。第1縦枠7の上下の端部のそれぞれで、2列の装着部50、51は、互いに離隔して、並列して形成されている。装着部50、51は、横枠5、6の装着部5E、5F、6E、6Fと第1縦枠7の装着部7E、7Fの間に設けられて、横枠5、6の装着部5E、5F、6E、6Fと第1縦枠7の装着部7E、7Fとに連続して配置されている。
【0052】
装着部50、51は、横枠5、6の装着部5E、5F、6E、6Fから室内側に向かって延び、横枠5、6の装着部5E、5F、6E、6Fと第1縦枠7の装着部7E、7Fの間の箇所で、第1縦枠7の装着部7E、7Fに向かって左右方向Rに屈曲して、第1縦枠7の装着部7E、7Fに連続する。第1タイト材10の連結タイト部14は、第1装着部50に装着され、第2タイト材20の連結タイト部24は、第2装着部51に装着されている(
図8参照)。これにより、タイト材10、20の連結タイト部14、24が気密部品40に取り付けられて、2列の連結タイト部14、24が気密部品40に並列して設けられる。気密部品40は、装着部50、51により、連結タイト部14、24を保持する。
【0053】
気密部品40の第1装着部50(
図11、
図12参照)は、レール状に形成され、蓋部材41に取り付けられて、蓋部材41から室外側に向かって突出している。気密部品40の第2装着部51は、室外側に位置する溝状の室外側装着部52と、室内側に位置する溝状の室内側装着部53を有している。室外側装着部52は、板状の第1壁材54と、レール状の第2壁材55を有している。第1壁材54と第2壁材55は、蓋部材41に取り付けられて、左右方向Rにおいて互いに対向して配置され、蓋部材41から室外側に向かって突出している。室外側装着部52は、第1壁材54と第2壁材55により、溝状に形成されて、室内外方向Sに沿って延びる。室内側装着部53は、蓋部材41に一体に形成されて、左右方向Rに沿って延びる。
【0054】
気密部品40を第1縦枠7の端部と横枠5、6に当接させて装着した状態で(
図9参照)、気密部品40の第1装着部50は、横枠5、6の第1装着部5Eと第1縦枠7の第1装着部7Eとに連続する。第1縦枠7の端部には、第1装着部50に沿って延びる壁片7Iが形成されている。気密部品40の第1装着部50と壁片7Iは、左右方向Rにおいて互いに対向して配置される。第1タイト材10の連結タイト部14は、気密部品40の第1装着部50と壁片7Iの間に保持されて、気密部品40の第1装着部50に装着される(
図8参照)。気密部品40の第2装着部51では、室外側装着部52は、横枠5、6の第2装着部5Fに連続し、室内側装着部53は、第1縦枠7の第2装着部7Fに連続する。第2タイト材20の連結タイト部24は、気密部品40の第2装着部51の室外側装着部52と室内側装着部53とに連続して装着される。
【0055】
以上説明したカーテンウォール1では、左右方向Rに並べて設置されるカーテンウォールユニット3により、建造物2の凹凸形状の壁面を容易に形成することができる。これにより、建造物2の壁面の意匠性を向上することができる。
【0056】
互いに当接するタイト材10、20の第1縦タイト部12、22と第2縦タイト部13、23により、左右方向Rに隣り合うカーテンウォールユニット3の間における止水性を向上することができる。連結タイト部14、24により、横枠5、6の第1端部5A、6A側で、室内外方向Sにずれる横タイト部11、21と第1縦タイト部12、22とを連結して、カーテンウォールユニット3の止水性を向上することができる。また、屈曲する連結タイト部14、24により、横タイト部11、21と第1縦タイト部12、22の間の部分を正確に止水して、横枠5、6の第1端部5A、6Aと第1縦枠7とが接続する箇所の止水性を確保することができる。
【0057】
タイト材10、20の連結タイト部14、24を保持する気密部品40により、連結タイト部14、24による止水性を安定して確保することができる。また、気密部品40の装着部50、51により、タイト材10、20の横タイト部11、21と第1縦タイト部12、22の間で、連結タイト部14、24を正確に保持して、連結タイト部14、24による止水性を確実に発揮させることができる。気密部品40の蓋部材41により、第1縦枠7の端部を止水でき、枠体4の連結タイト部14、24が設けられた箇所の止水性を確保することができる。
【0058】
なお、枠体4には、1つのタイト材のみを設けてもよく、複数のタイト材を設けるようにしてもよい。カーテンウォールユニット3は、ガラスパネル体を有する窓ユニットであってもよく、ガラスパネル体以外のパネル体を有するパネルユニット(例えば、壁ユニット)であってもよい。枠体4には、1つ以上の無目を設けてもよく、無目を設けないようにしてもよい。また、枠体4に縦中間材を設けて、枠体4の内側の開口部を左右に区画してもよい。カーテンウォールユニット3は、パネル体を有しないユニット(例えば、枠体ユニット)であってもよい。カーテンウォールユニット3は、建造物2の壁部2Aに左右方向Rにのみ並べて設置してもよい。
【0059】
以上のとおり、カーテンウォールは、
建造物の壁部に左右方向に並べて設置されるカーテンウォールユニットを備えたカーテンウォールであって、
前記カーテンウォールユニットは、一対の縦枠と一対の横枠が枠組みされた枠体を備え、
前記横枠は、前記一対の縦枠のうちの一方の第1縦枠の見込み方向における室外側寄りの部分に接続する第1端部と、前記一対の縦枠のうちの他方の第2縦枠の見込み方向における室内側寄りの部分に接続する第2端部と、を有し、
左右方向に隣り合う前記カーテンウォールユニットにおいて、一方の前記カーテンウォールユニットの前記第1縦枠と他方の前記カーテンウォールユニットの前記第2縦枠は、左右に対向して配置され、前記一方のカーテンウォールユニットの前記第1端部は、前記他方のカーテンウォールユニットの前記第2端部よりも室外側の位置に配置されるカーテンウォールである。
従って、左右方向に並べて設置されるカーテンウォールユニットを備えたカーテンウォールにより、建造物の凹凸形状の壁面を容易に形成することができる。
【0060】
前記カーテンウォールユニットは、前記枠体の外周部に設けられたタイト材を備え、
前記タイト材は、前記横枠に沿って延びる横タイト部と、前記横タイト部の前記第1端部側の先端部よりも室内側の位置で前記第1縦枠に沿って延びる第1縦タイト部と、前記横タイト部と前記第1縦タイト部とを連結する連結タイト部と、前記横タイト部に連続して前記第2縦枠に沿って延びる第2縦タイト部と、を有し、
前記一方のカーテンウォールユニットの前記第1縦タイト部と前記他方のカーテンウォールユニットの前記第2縦タイト部は、互いに対向する位置に設けられて当接する。
互いに当接するタイト材の第1縦タイト部と第2縦タイト部により、左右方向に隣り合うカーテンウォールユニットの間における止水性を向上することができる。連結タイト部により、横枠の第1端部側で、室内外方向にずれる横タイト部と第1縦タイト部とを連結して、カーテンウォールユニットの止水性を向上することができる。
【0061】
前記連結タイト部は、前記横タイト部から室内側に向かって延び、前記第1縦タイト部に向かって屈曲して、前記第1縦タイト部に連続する。
屈曲する連結タイト部により、横タイト部と第1縦タイト部の間の部分を正確に止水して、横枠の第1端部と第1縦枠とが接続する箇所の止水性を確保することができる。
【0062】
前記枠体は、前記第1縦枠の端部に装着されて前記連結タイト部を保持する気密部品を有する。
気密部品により、連結タイト部による止水性を安定して確保することができる。
【0063】
前記気密部品は、前記第1縦枠の端部を覆って前記第1縦枠の端部から前記横枠まで配置される蓋部材と、前記連結タイト部が装着される装着部と、を有する。
装着部により、タイト材の横タイト部と第1縦タイト部の間で、連結タイト部を正確に保持して、連結タイト部による止水性を確実に発揮させることができる。また、蓋部材により、第1縦枠の端部を止水でき、枠体の連結タイト部が設けられた箇所の止水性を確保することができる。
【0064】
建造物は、カーテンウォールを外壁に用いた建造物である。
従って、左右方向に並べて設置されるカーテンウォールユニットを備えたカーテンウォールにより、建造物の凹凸形状の壁面を容易に形成することができる。
【符号の説明】
【0065】
1・・・カーテンウォール、2・・・建造物、2A・・・壁部、2B・・・躯体、2C・・・ファスナー、3・・・カーテンウォールユニット、3A・・・パネル体、3B・・・パネル体、3C・・・パネル体、3D・・・腰部、3E・・・窓部、3F・・・窓部、3G・・・カバー体、4・・・枠体、4A・・・開口部、4B・・・開口部、4C・・・開口部、4D・・・ブラケット、4E・・・、排水部、5・・・第1横枠、5A・・・第1端部、5B・・・第2端部、5C・・・保持部、5D・・・外周部、5E・・・第1装着部、5F・・・第2装着部、6・・・第2横枠、6A・・・第1端部、6B・・・第2端部、6C・・・保持部、6D・・・外周部、6E・・・第1装着部、6F・・・第2装着部、7・・・第1縦枠、7A・・・室内側部、7B・・・室外側部、7C・・・保持部、7D・・・外周部、7E・・・第1装着部、7F・・・第2装着部、7G・・・接続部、7H・・・開口、7I・・・壁片、8・・・第2縦枠、8A・・・室内側部、8B・・・室外側部、8C・・・保持部、8D・・・外周部、8E・・・第1装着部、8F・・・第2装着部、8G・・・接続部、9A・・・無目、9B・・・無目、10・・・第1タイト材、11・・・横タイト部、12・・・第1縦タイト部、13・・・第2縦タイト部、14・・・連結タイト部、15・・・第1先端部、16・・・第2先端部、20・・・第2タイト材、21・・・横タイト部、22・・・第1縦タイト部、23・・・第2縦タイト部、24・・・連結タイト部、25・・・第1先端部、26・・・第2先端部、30・・・等圧空間、40・・・気密部品、41・・・蓋部材、50・・・第1装着部、51・・・第2装着部、52・・・室外側装着部、53・・・室内側装着部、54・・・第1壁材、55・・・第2壁材、R・・・左右方向、S・・・室内外方向。