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  • 特許-核生成層の堆積方法 図1
  • 特許-核生成層の堆積方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】核生成層の堆積方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20240222BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20240222BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20240222BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
H01L29/80 H
H01L21/205
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020554883
(86)(22)【出願日】2019-04-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-19
(86)【国際出願番号】 EP2019059010
(87)【国際公開番号】W WO2019197433
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-04-05
(31)【優先権主張番号】102018108604.0
(32)【優先日】2018-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502010251
【氏名又は名称】アイクストロン、エスイー
(74)【代理人】
【識別番号】100095267
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 高城郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124176
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 典子
(72)【発明者】
【氏名】モールダー、クリストフ・マルティン
【審査官】鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-030725(JP,A)
【文献】国際公開第2016/181441(WO,A1)
【文献】特開2015-225956(JP,A)
【文献】特開2017-108174(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 21/338
H01L 29/778
H01L 29/812
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
III主族及びV主族の元素を含む核生成層(3)をIV主族の元素を含む基板(1)の表面(2)上に直接堆積するための方法であって、III主族の元素を含む第1のガス状開始物質と共にV主族の元素を含む第2のガス状開始物質が500℃を超えるプロセス温度で前記基板(1)を収容するプロセスチャンバ(8)に導入され、前記核生成層(3)の堆積の少なくとも開始時に、前記第1及び第2のガス状開始物質と共にIV主族の元素を含む第3のガス状開始物質が前記プロセスチャンバ(8)に供給され、前記核生成層(3)上にバッファ層(4)が堆積されかつ前記バッファ層(4)上に活性層(6)が堆積されることによって前記活性層(6)と前記バッファ層(4)との間の界面(5)に二次元電子ガスを形成する、前記方法において、
前記プロセスチャンバ(8)内の前記第3のガス状開始物質の分圧又はマスフローが、2×1017cm-3~5×1017cm-3のドーピングを生じさせると共に、高周波減衰の低減を生じさせるように選択されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記プロセス温度が、800℃~1200℃の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
III主族及びV主族の元素を含む核生成層(3)をIV主族の元素を含む基板(1)の表面(2)上に直接堆積するための方法であって、III主族の元素を含む第1のガス状開始物質と共にV主族の元素を含む第2のガス状開始物質が500℃を超えるプロセス温度で前記基板(1)を収容するプロセスチャンバ(8)に導入され、前記核生成層(3)の堆積の少なくとも開始時に、前記第1及び第2のガス状開始物質と共にIV主族の元素を含む第3のガス状開始物質が前記プロセスチャンバ(8)に供給される、前記方法において、
前記プロセスチャンバ(8)内の前記第3のガス状開始物質の分圧又はマスフローが、2×1017cm-3~5×1017cm-3のドーピングを生じさせるように選択され、
前記核生成層(3)が、30~300mbarの範囲の全圧で堆積されることを特徴とする方法。
【請求項4】
前記第1のガス状開始物質に対する前記第2のガス状開始物質のモル比が、10~5000の範囲にあることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記第3のガス状開始物質の追加により、2×1017cm-3~5×1017cm-3の範囲の前記核生成層のn-ドーピングが得られることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記基板(1)がシリコン又はゲルマニウムからなり、かつ/又は、前記第3のガス状開始物質がSi2n+2若しくはGe2n+2、又は、シリコン若しくはゲルマニウムを含む他のガス状開始物質であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記III主族の元素がAlであり、かつ/又は、前記第1のガス状開始物質がTMAlであることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記V主族の元素が窒素であり、かつ/又は、前記第2のガス状開始物質がNHであることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記核生成層(3)上にAlNからなるバッファ層(4)が堆積され、かつ、前記バッファ層(4)上に活性層(6)が堆積されることによって活性層(6)と(バッファ層(4)との間の界面(5)に二次元電子ガスを形成すること、及び/又は、前記第3のガス状開始物質の供給が高周波減衰の減衰値を低減させることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の方法を含む層シーケンスであって、IV主族の元素を含む基板(1)の表面(2)上にIV主族及びV主族の元素を含む核生成層(3)が堆積され、前記核生成層(3)は、少なくとも前記表面(2)上に直接隣接する領域においてIV主族の元素でドーピングされることを特徴とする層シーケンス。
【請求項11】
前記核生成層(3)上に少なくともバッファ層(4)が堆積され、その上に活性層(6)もまた堆積されることによってバッファ層(4)と活性層(6)との間の界面(5)上に二次元電子ガスを形成することを特徴とする請求項10に記載の層シーケンス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、III主族及びV主族の元素を含む核生成層を、IV主族の元素を含む基板の表面上に直接堆積させるための方法に関し、III主族の元素を含む第1のガス状開始物質と共にV主族の元素を含む第2のガス状開始物質が、500℃を超えるプロセス温度で、基板を収容したプロセスチャンバに導入される。核生成層の堆積の少なくとも開始時に、V主族の元素を含むガス状開始物質が付加的にプロセスチャンバに供給され、それは層内にドーピングを生じさせる。
【0002】
本発明はさらに、この方法により作製された層シーケンス、特にHFETトランジスタに関する。
【背景技術】
【0003】
一般的な方法は、特許文献1に記載されている。機械的変形を抑制するために、III主族及びV主族の元素に加えて核生成層にドーパントとしてシリコンを高濃度で組み込むことが考えられる。
【0004】
HFET(High Electron Mobility Transistor:高電子移動度トランジスタ)又はヘテロ構造電界効果トランジスタは層シーケンスで構成され、その層シーケンスは、シリコン基板上に先ずAlNからなる核生成層が堆積される。核生成層の上に、GaNからなるバッファ層が堆積される。バッファ層の上に、AlGaN層が活性層として堆積されることによって、活性層とバッファ層との間に二次元電子ガスを形成する。
【0005】
HEMTの別の製造方法は、特許文献2に記載されている。シリコン基板上に、先ずシリコンからなる核生成層が堆積される。プロセスチャンバの壁に付着したガリウム、アルミニウム又は類似のものによるプロセスチャンバ内の汚染により、シリコン核生成層はp型の導電性を有する。核生成層を金属でドーピングすることにより、p-ドーピングを補償する。シリコン核生成層の上にIII-Vバッファ層が堆積される。
【0006】
III-V族の核生成層を基板上に堆積する際、核生成層と基板との間に高い電気伝導度の界面が形成される。この導電性境界層の形成は、特に、核生成層(AlN層)の堆積時の温度が比較的高いことに起因する。しかしながら、この導電性の原因はまだ十分に解明されていない。2つの互いに隣接する層の境界面を超える原子の拡散もまた、導電性を促進し得る。加えて、界面に電荷キャリアの蓄積を生じ得る強い内部電界が存在する。核生成層と基板との間の界面で導電性が上昇するこの現象は、高いスイッチング周波数において分散や減衰によってデバイス特性を大きく損なう。
【0007】
非特許文献1は、サファイアからなる基板上のシリコンドーピングAlN層の堆積を記載しており、ドーパントとしてシランが用いられている。
【0008】
特許文献3及び4は、III及びV族半導体層の堆積方法を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2013-030725公報
【文献】米国特許第9,917,156号明細書
【文献】米国特許出願公開第2002/0117104号明細書
【文献】米国特許出願公開第2003/0092263号明細書
【非特許文献】
【0010】
【文献】Growth and studies of Si-doped AlN-layers, Journal of crystal growth 310 (2008) 4939-4941
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、特に、GaNベースのHFETデバイス構造において、寄生分散効果を低減することができる手段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題は、請求の範囲に与えられた方法及びそこで特定された層構造によって解決される。
【0013】
従属項は、主請求項のさらなる進展として有利であるだけでなく、課題の独立した解決手段も表している。
【0014】
第1にそして本質的に、核生成層の堆積中に堆積パラメータを修正することにより、分散又は減衰が低減される。第1にそして本質的に、核生成層の堆積の少なくとも開始時に、第3のガス状開始物質が第1及び第2のガス状開始物質と共にプロセスチャンバに供給され、その場合、第3のガス状開始物質が、一定のドーピング効果を発現することが提示される。第1及び第2のガス状開始物質は、基板の表面上に化学量論的に正しい多成分結晶、特にIII-V結晶が堆積されるようにプロセスチャンバに供給される。
本発明の好ましい形態では、基板が、(111)又は(110)配向を有するシリコン基板である。III主族の元素は、アルミニウムとすることができるが、ゲルマニウム又はインジウムとすることもでき、V主族の元素は、窒素とすることができるが、ヒ素又はリンとすることもできる。第1のガス状開始物質は、アルミニウム、ガリウム、又はインジウムを含む有機金属化合物、例えばTMAlとすることができる。第2のガス状開始物質は、V族-水素-化合物、特に窒素-水素-化合物とすることができ、例えばNHである。核生成層が堆積され、好ましくはアルミニウムと窒素が1:1の比で組み込まれるプロセス温度は、800~1200℃の範囲である。堆積プロセスは、30~300mbarの全圧で行われる。好ましい形態において、第1のガス状開始物質に対する第2のガス状開始物質のモル比が、好ましくはアルミニウム化合物に対する窒素化合物のモル比が、およそ10~5000である。第1のガス状開始物質(III主族)の分圧を介して調整される核生成層の成長速度は、好ましくは0.01~2μm/hである。
本発明によれば、結晶マトリクスを形成する2つのガス状開始物質に加えて、第3のガス状開始物質がプロセスチャンバに供給され、その結果、n-ドーピング、特に弱いn-ドーピングを生じさせ、層内のドーパント濃度が1×1019cm-3よりも低くなる。ドーパントの機能を有するこの第3の開始物質は、核生成層の堆積の全期間に亘って供給することも、核生成層の堆積の開始時にのみ部分的に供給することもできる。適切な開始物質は、シリコン又はゲルマニウムの水素化物である。第3のガス状開始物質は、例えば、Si2n+2又はGe2n+2の構造式に対応することができる。原則的に、シリコン又はゲルマニウムを含むどのようなガス状開始物質でもよい。プロセスチャンバ内の第3のガス状開始物質の分圧又は第3のガス状開始物質のガスフローは、好ましくは、ドーパントレベルが1×1017~1×1018cm-3の範囲内であるように調整される。
好ましい方法では、TMAl及びNHと共に例えばシラン又はゲルマンである水素化シリコン化合物又は水素化ゲルマニウム化合物をプロセスチャンバに供給することによって、シリコン基板の表面上にAlN核生成層が形成される。
【0015】
本発明のさらなる発展において、III族窒化物、特にAlN、GaN、InN、AlGaN、InGaN、又はAlInGaNの材料系からなるバッファ層を核生成層上に堆積させることが提示される。そのさらなる層も同様にドーピングすることができる。ドーパントとしてシリコンも考えられる。少なくとも1つのバッファ層の上にさらに1又は複数の活性層が堆積され、それは、例えば活性層とバッファ層との間、又は、2つの活性層の間に二次元電子ガスを有するヘテロ構造電界効果トランジスタを作製するために必要である。このために、特にGaN/AlN、GaN/AlGaN、GaN/AlInN、InGaN/AlN、InGaN/GaN、及び/又は、InGaN/AlInNのヘテロ構造が好ましい。
【0016】
上記のように核生成層を堆積させた構造体を用いた実験では、著しく低い減衰量が得られた。シリコン基板上の約200nm厚のAlN層上に堆積されたコプレナー線路について計測された高周波数減衰(フォワード伝送S21)は、最大1018cm-3のドーパントレベルで有意に低い減衰値を示した。
【0017】
本発明はさらに、上記方法により作製された層シーケンスに関し、層シーケンスはシリコン基板上に堆積され、V主族元素でドーピングされたIII-V核生成層を有する。核生成層は、III-V材料を有する少なくとも1つのバッファを担持する。バッファ層と活性層の間には二次元電子ガスが生じる。
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、高電子移動度トランジスタの層構造を示す。
図2図2は、図1に示した層シーケンスを堆積するためのCVDリアクタの概略図である。
図3図3は、AlN層に異なるドーパントを有するAlN/Si構造上のコプレナー線路のS21減衰パラメータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、HEMTの構成を概略的に示しており、この場合、シリコン基板1の表面2上に核生成層3が堆積される。核生成層3の堆積前に、シリコン基板1の表面2が適切に準備される。このために、シリコン基板1が、CVDリアクタ7のプロセスチャンバ8内に配置される。50~800mbarの範囲の典型的な全圧で水素雰囲気中で900℃~1200℃に加熱される。この準備ステップの間に、基板の自然なSiO層が熱的に除去される。その後、例えばTMAl又はNH又は他のガス状開始物質を用いてより低温又はより高温及び変化した圧力で基板の任意のさらなる前処理が行われる。
【0021】
AlNの核形成層3の実際のエピタキシャル成長は、TMAl及びNHの同時供給により行われる。核生成層3は、温度、圧力及びガスフローを変化させることができる多段階のプロセスで堆積させることができる。核生成層3を堆積させるための温度範囲は、典型的には、800~1200℃の範囲にあり、その場合、プロセスチャンバ8内の全圧は30~300mbarの範囲にある。
【0022】
ガス入口部材11を通ってガス状開始物質が、例えば窒素である搬送ガスと共にプロセスチャンバ8に供給される。プロセスチャンバ8内においては、加熱装置10により加熱されたサセプタ9上に、核生成層3で被覆された1又は複数の基板1が配置されている。ガス入口部材11を通して、III族開始物質に対するV族開始物質のモル比が10~5000の範囲で、ガス状プリカーサ、特にTMAl及びNHがプロセスチャンバ8に供給される。ガス状開始物質の流量は、AlN核生成層3の成長速度が0.01~2μm/hの範囲となるように調整されている。
【0023】
本発明にとって不可欠な点は、核生成層3の堆積中に、しかしながら核生成層3の堆積の少なくとも開始時に、弱いn導電性を生じさせるさらなるガス状開始物質がプロセスチャンバ8に供給されることである。この第3のガス状開始物質は、好ましくは、Si2n+2又はGe2n+2の構造式を有するシラン又はゲルマニウムである。
【0024】
III-V核生成層3の追加のn-ドーピングは、冒頭で述べた分散効果の大幅な低減と減衰の低減をもたらす。図3には、例えば、
a)ドーピングされていないAlN
b)1×1018cm でドーピングされたAlN、又は
c)2×1017cm でドーピングされたAlN、
d)5×1017cm でドーピングされたAlN
が示されている。
【0025】
図3は、2×1017cm 及び5×1017cm のドーパント濃度で減衰の大きな低減を示している。それに対して、1×1018cm の高いドーピングでは、減衰は再び増加し、ドーピングされていないAlNの値に近い値をとる。この結果、より高いドーパント濃度では、所望の効果が明らかに得られないことが判った。
【0026】
その後、核生成層3上に公知の方法で、先ずGaNバッファ層4を堆積させ、その後、AlGaN活性層6を堆積させることによって、バッファ層4と活性層6との間の界面5に二次元電子ガスが形成される。加えて、ゲート接点、ソース接点、ドレイン接点が、公知の方法で作製される。
【0027】
以上の説明は、本願によって包含される発明を全体として説明するためのものであり、少なくとも以下の特徴の組み合わせによって、それぞれが独立した特徴を有することによって、従来技術をさらに発展させるものである。その場合、これらの特徴の組み合わせのうちの2つ、いくつか、又は全てを組み合わせることも可能である。すなわち:
【0028】
核生成層3の堆積の少なくとも開始時に、第1及び第2のガス状開始物質と共に第3の、IV主族の元素を含むガス状開始物質がプロセスチャンバ8に供給されることを特徴とする方法。
【0029】
プロセスチャンバ8内の第3のガス状開始物質の分圧が、第1及び第2のガス状開始物質の分圧よりも少なくとも10分の1小さいこと、及び/又は、プロセスチャンバ8内の第3のガス状開始物質の分圧又はマスフローが、最大1×1018cm-3のドーピングを生じさせるように選択されることを特徴とする方法。
【0030】
プロセス温度が、800℃~1200℃の範囲、好ましくは950℃~1050℃の範囲にあることを特徴とする方法。
【0031】
核生成層3が、30~300mbarの全圧で堆積されることを特徴とする方法。
【0032】
第1のガス状開始物質に対する第2のガス状開始物質のモル比が、10~5000の範囲にあることを特徴とする方法。
【0033】
第3のガス状開始物質の添加により、1×1017~5×1018×cm-3の範囲の核生成層のn-ドーピングが得られることを特徴とする方法。
【0034】
基板1がシリコン又はゲルマニウムからなり、かつ/又は、第3のガス状開始物質がSi2n+2若しくはGe2n+2、又は、シリコン若しくはゲルマニウムを含む他のガス状開始物質であることを特徴とする方法。
【0035】
III主族の元素がAlであり、かつ/又は、第1のガス状開始物質がTMAlであることを特徴とする方法。
【0036】
V主族の元素が窒素であり、かつ/又は、第2のガス状開始物質がNHであることを特徴とする方法。
【0037】
核生成層3上に特にAlNからなるバッファ層4が堆積され、かつ、バッファ層4上に活性層6が堆積されることによって、活性層6とバッファ層4との間の界面5に二次元電子ガスを形成すること、及び/又は、第3のガス状開始物質の供給が高周波減衰の減衰値を低減させることを特徴とする方法。
【0038】
IV主族の元素を含む基板1の表面2上にIV主族及びV主族の元素を含む核生成層3が堆積され、核生成層3は、少なくとも表面2上に直接隣接する領域においてIV主族の元素でドーピングされることを特徴とする層シーケンス。
【0039】
核生成層3上に少なくともバッファ層4が堆積され、その上に活性層6もまた堆積されることによってバッファ層4と活性層6との間の界面5に二次元電子ガスを形成することを特徴とする層シーケンス。
【0040】
開示された全ての特徴は、(それ自体のために、また互いに組み合わされて)本発明に不可欠である。ここでの出願の開示は、関連する/追加された優先権書類(先の出願の写し)の開示内容をその内容全体に含み、それはこれらの書類の特徴を本願の請求項に組み込む目的でもある。従属請求項は、特にこれらの請求項に基づいて分割出願を行うために、引用される請求項の特徴がなくても、先行技術の独立した発明性のあるさらなる発展を特徴とする。各請求項で特定された発明は、前述の説明で特定された、特に参照符号が付与された、及び/又は符号の説明で特定された、1つ以上の機能を追加で有することができる。本発明はまた、特に、それらがそれぞれの使用目的に明らかに不要であるか、または技術的に同じ効果を有する他の手段で置き換えることができる限り、前述の説明で述べた特徴の個々のものが実装されない設計形態に関する。
【符号の説明】
【0041】
1 基板
2 表面
3 核生成層
4 バッファ層
5 界面
6 活性層
7 リアクタ
8 プロセスチャンバ
9 サセプタ
10 加熱装置
11 ガス入口部材

図1
図2
図3