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特許7441836エアロゾル送達デバイスにおける温度制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】エアロゾル送達デバイスにおける温度制御
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/57 20200101AFI20240222BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20240222BHJP
   A24F 40/53 20200101ALI20240222BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/46
A24F40/53
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021527181
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 IB2019059373
(87)【国際公開番号】W WO2020104875
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-08-01
(31)【優先権主張番号】62/769,296
(32)【優先日】2018-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/911,595
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/668,929
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノバック・ザ・サード,チャールズ・ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ドーアティ,ショーン・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ギャロウェイ,マイケル・ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ウッド,ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】フリスビー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ラム,ウィルソン・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー・ジュニア,レイモンド・チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】フンドゥクル,ナディ
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-507477(JP,A)
【文献】特表2015-524260(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0057811(US,A1)
【文献】特表2017-521076(JP,A)
【文献】特表2017-537638(JP,A)
【文献】特表2017-532011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00 - 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達デバイスであって、
出力電圧を提供するように構成された電源と、
エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させて、エアロゾルを生成するために電力を供給できる加熱要素であって、可変であり加熱要素の温度に比例する抵抗を有する、加熱要素と、
電源と加熱要素とに結合され、電源と加熱要素との間にあるスイッチと、
スイッチに結合され、加熱要素に電力を供給するために、スイッチに、加熱要素への出力電圧を切り替え可能に接続および切断させるように、加熱期間中にパルス幅変調(PWM)信号を出力するように構成された処理回路と
を備え、
PWM信号はパルスを含み、パルスにわたって加熱要素への出力電圧が接続され、パルスの間に加熱要素への出力電圧が切断され、
処理回路は、既知の電流のパルスを加熱要素に出力し、PWM信号の隣接するパルス間で、加熱要素にわたる電圧を測定するようにさらに構成され、
処理回路は、既知の電流および電圧に基づいて加熱要素の抵抗を計算し、抵抗に基づいて加熱要素の温度を計算し、温度が所定の目標から逸脱するときに、PWM信号のデューティサイクルを調整するように構成される、
エアロゾル送達デバイス。
【請求項2】
処理回路がPWM信号のデューティサイクルを調整するように構成されることが、温度が所定の目標をそれぞれ下回るか上回るときに、PWM信号のデューティサイクルを増加または減少させるように構成されることを含む、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項3】
パルスを出力するように構成された処理回路は、PWM信号のパルス間に散在する既知の電流のパルスを出力するように構成された処理回路を含み、処理回路は、既知の電流のパルスの各々について加熱要素にわたる電圧を測定するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項4】
加熱要素に出力される既知の電流のパルスが、加熱要素にわたる電圧を生成させ、既知の電流は、その電圧が電源によって提供される出力電圧の半分未満であるように選択される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項5】
PWM信号が存在せず、加熱要素への出力電圧が切断される加熱期間の外で、処理回路は、既知の電流の第2のパルスを加熱要素に出力し、加熱要素にわたる第2の電圧を測定するようにさらに構成され、
処理回路は、既知の電流および第2の電圧に基づいて加熱要素の公称抵抗を計算し、公称抵抗に基づいて加熱要素の公称温度を計算するように構成され、
処理回路は、加熱要素の公称温度にさらに基づいて加熱要素の温度を計算するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項6】
処理回路が、加熱期間中に加熱要素における熱量を計算し、加熱要素における熱量が閾値熱量よりも大きいときに、加熱要素のロックアウトを実行するようにさらに構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項7】
出力電圧を提供するように構成された電源と、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させて、エアロゾルを生成するために電力を供給できる加熱要素とを含むエアロゾル送達デバイスを制御する方法であって、加熱要素は、可変であり加熱要素の温度に比例する抵抗を有し、方法は、
パルス幅変調(PWM)信号に従って、加熱要素に電力を供給するために、加熱要素への出力電圧を切り替え可能に接続および切断することであって、PWM信号はパルスを含み、パルスにわたって加熱要素への出力電圧が接続され、パルスの間に加熱要素への出力電圧が切断される、ことと、
既知の電流のパルスを加熱要素に出力し、PWM信号の隣接するパルス間で、加熱要素にわたる電圧を測定することと、
既知の電流および電圧に基づいて加熱要素の抵抗を計算することと、
抵抗に基づいて加熱要素の温度を計算することと、
温度が所定の目標から逸脱するときに、PWM信号のデューティサイクルを調整することと
を含む、方法。
【請求項8】
PWM信号のデューティサイクルを調整することは、温度が所定の目標をそれぞれ下回るかまたは上回るときに、PWM信号のデューティサイクルを増加または減少させることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
パルスを出力することが、PWM信号のパルス間に散在する既知の電流のパルスを出力することを含み、加熱要素にわたる電圧が既知の電流のパルスの各々について測定される、請求項に記載の方法。
【請求項10】
加熱要素に出力される既知の電流のパルスが、加熱要素にわたる電圧を生成させ、方法は、その電圧が電源によって提供される出力電圧の半分未満であるように既知の電流を選択することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
PWM信号が存在せず、加熱要素への出力電圧が切断される加熱期間の外で、方法は、
既知の電流の第2のパルスを加熱要素に出力し、加熱要素にわたる第2の電圧を測定することと、
既知の電流および第2の電圧に基づいて加熱要素の公称抵抗を計算することと、
公称抵抗に基づいて加熱要素の公称温度を計算することと
をさらに含み、
加熱要素の温度は、加熱要素の公称温度にさらに基づいて計算される、請求項に記載の方法。
【請求項12】
加熱期間中に加熱要素における熱量を計算することと、
加熱要素における熱量が閾値熱量よりも大きいときに、加熱要素のロックアウトを実行することと
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月30日に出願された米国特許出願第16/668,929号、発明の名称「Temperature Control in an Aerosol Delivery Device」、2019年10月7日に出願された米国仮特許出願第62/911,595号、発明の名称「Temperature Control in an Aerosol Delivery Device」、および2018年11月19日に出願された米国仮特許出願第62/769,296号、発明の名称「Management System for Control Functions in a Vaporization System」に対する優先権および利益を主張し、これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、エアロゾルを生成する喫煙物品などのエアロゾル送達デバイスに関する。喫煙物品は、タバコから作製または由来し得るか、またはタバコを組み込むことができる材料を組み込むことができるエアロゾル前駆体を加熱もしくは分配する、またはエアロゾル前駆体からエアロゾルを生成するように構成されることができ、前駆体は人間が消費するための吸入可能な物質を形成することができる。
【背景技術】
【0003】
使用のためにタバコの燃焼を必要とする喫煙製品の改良または代替として、長年にわたり多くの喫煙デバイスが提案されてきた。これらのデバイスの多くは、称するところによれば、タバコ、葉巻、またはパイプ喫煙に関連する感覚を提供するように設計されているが、タバコの燃焼に起因する相当量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することはない。この目的により、揮発性物質を気化または加熱するために電気エネルギーを利用する、または著しい程度までタバコを燃焼させることなく、タバコ、葉巻、またはパイプ喫煙の感覚を提供することを試みる多数の喫煙製品、香り発生器および医療用吸入器が提案されてきた。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Robinsonらによる米国特許第7,726,320号明細書、Griffith Jr.らによる米国特許公開第2013/0255702号明細書、Searsらによる米国特許公開第2014/0096781号明細書に説明された背景技術に記載された様々な代替喫煙物品、エアロゾル送達デバイスおよび発熱源を参照されたい。また、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Blessらによる米国特許公開2015/0216232号に記載されたブランド名および商業ソースで参照されている様々なタイプの喫煙物品、エアロゾル送達デバイス、および電動発熱源も参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第7,726,320号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0216232号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、デバイスの有用性を拡張することができるような改善された電子機器をエアロゾル送達デバイスに提供することが望ましいことがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、エアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル送達デバイスに関し、エアロゾル送達デバイスは、いくつかの実施形態では、電子タバコ、非燃焼加熱式タバコ(もしくはデバイス)、または非加熱非燃焼式デバイスと呼ばれ得る。本開示は、以下の実施形態例を含むが、これらに限定されない。
【0007】
いくつかの実施形態例は、エアロゾル送達デバイスであって、出力電圧を提供するように構成された電源と、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させて、エアロゾルを生成するために電力を供給できる加熱要素であって、可変であり加熱要素の温度に比例する抵抗を有する、加熱要素と、電源と加熱要素とに結合され、電源と加熱要素との間にあるスイッチと、スイッチに結合され、加熱要素に電力を供給するために、スイッチに、加熱要素への出力電圧を切り替え可能に接続および切断させるように、加熱期間中にパルス幅変調(PWM)信号を出力するように構成された処理回路とを備え、PWM信号はパルスを含み、パルスにわたって加熱要素への出力電圧が接続され、パルスの間に加熱要素への出力電圧が切断され、処理回路は、既知の電流のパルスを加熱要素に出力し、PWM信号の隣接するパルス間で、加熱要素にわたる電圧を測定するようにさらに構成され、処理回路は、既知の電流および電圧に基づいて加熱要素の抵抗を計算し、抵抗に基づいて加熱要素の温度を計算し、温度が所定の目標から逸脱するときに、PWM信号のデューティサイクルを調整するように構成されるエアロゾル送達デバイスを提供する。
【0008】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの実施形態例では、処理回路がPWM信号のデューティサイクルを調整するように構成されることが、温度が所定の目標をそれぞれ下回るか上回るときに、PWM信号のデューティサイクルを増加または減少させるように構成されることを含む。
【0009】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの実施形態例では、パルスを出力するように構成された処理回路は、PWM信号のパルス間に散在する既知の電流のパルスを出力するように構成された処理回路を含み、処理回路は、パルスの各々について加熱要素にわたる電圧を測定するように構成される。
【0010】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの実施形態例では、加熱要素に出力される既知の電流のパルスが、加熱要素にわたる電圧を生成させ、既知の電流は、その電圧が電源によって提供される出力電圧の半分未満であるように選択される。
【0011】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの実施形態例では、PWM信号が存在せず、加熱要素への出力電圧が切断される加熱期間の外で、処理回路は、既知の電流の第2のパルスを加熱要素に出力し、加熱要素にわたる第2の電圧を測定するようにさらに構成され、処理回路は、既知の電流および第2の電圧に基づいて加熱要素の公称(nominal)抵抗を計算し、公称抵抗に基づいて加熱要素の公称温度を計算するように構成され、処理回路は、加熱要素の公称温度にさらに基づいて加熱要素の温度を計算するように構成される。
【0012】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの実施形態例では、処理回路が、加熱期間中に加熱要素における熱量を計算し、加熱要素における熱量が閾値熱量よりも大きいときに、加熱要素のロックアウトを実行するようにさらに構成される。
【0013】
いくつかの実施形態例は、エアロゾル送達デバイスであって、出力電圧を提供するように構成された電源と、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させて、エアロゾルを生成するために電力を供給できる加熱要素と、電源と加熱要素とに結合され、電源と加熱要素との間にあるスイッチと、スイッチに結合され、加熱要素に電力を供給するために、スイッチに、加熱要素への出力電圧を切り替え可能に接続および切断させるように、加熱期間中にパルス幅変調(PWM)信号を出力するように構成された処理回路とを備え、PWM信号はパルスを含み、パルスにわたって加熱要素への出力電圧が接続され、パルスの間に加熱要素への出力電圧が切断され、処理回路は、加熱期間中に加熱要素における熱量を計算し、加熱要素における熱量が閾値熱量よりも大きいときに、加熱要素のロックアウトを実行するようにさらに構成される、エアロゾル送達デバイスを提供する。
【0014】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの実施形態例では、加熱要素における熱量を計算するように構成された処理回路が、加熱期間中に加熱要素における熱量を繰り返し計算するように構成された処理回路を含む。
【0015】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの実施形態例では、加熱期間は、エアロゾル送達デバイスの少なくとも一部を通る空気の流れを引き起こすユーザの吹かしによって開始され、加熱要素における熱量を計算するように構成された処理回路は、少なくとも、加熱要素を通る加熱電流と、加熱要素にわたる加熱電圧とを測定し、加熱電流、加熱電圧、経過時間、およびPWM信号のデューティサイクルに基づいて、加熱要素に加えられる第1の熱量を計算し、ユーザの吹かしによって引き起こされる空気の流れに起因する強制対流によって加熱要素から除去される第2の熱量を決定し、第1の熱量および第2の熱量に基づいて、加熱要素における熱量を計算するように構成された、処理回路を含む。
【0016】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの実施形態例では、加熱要素のロックアウトを実行するように構成された処理回路は、少なくとも、スイッチに加熱要素への出力電圧を切断させるために、PWM信号を中断し、加熱要素における熱量が閾値熱量未満の量になるまで、加熱要素への出力電圧を切断したままにするように構成された、処理回路を含む。
【0017】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの実施形態例では、加熱要素のロックアウトを実行するように構成された処理回路が、少なくとも、加熱要素の周囲空気への暴露に起因する自然対流によって加熱要素から除去される第3の熱量を決定し、
加熱要素における熱量および第3の熱量に基づいて、加熱期間からの、加熱要素における任意の余熱量を計算し、処理回路は、加熱要素における任意の余熱量が閾値熱量未満の量になるまで、加熱要素への出力電圧を切断したままにするように構成される、処理回路
をさらに含む。
【0018】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの実施形態例では、ユーザの吹かしは、エアロゾル送達デバイスの少なくとも一部を通る第2の空気の流れを引き起こし、第2の加熱期間を開始させる第2のユーザの吹かしもまた含む複数のユーザの吹かしのうちの1つであり、加熱期間と第2の加熱期間との間に、処理回路は、少なくとも、加熱要素の周囲空気への暴露に起因する自然対流によって加熱要素から除去される第3の熱量を決定し、加熱要素における熱量および第3の熱量に基づいて、加熱期間からの、加熱要素における任意の余熱量を計算するようにさらに構成され、
処理回路は、加熱期間からの、加熱要素における任意の余熱量に基づいて、第2の加熱期間中の加熱要素における熱量を計算するようにさらに構成される。
【0019】
いくつかの実施形態は、出力電圧を提供するように構成された電源と、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させて、エアロゾルを生成するために電力を供給できる加熱要素とを含むエアロゾル送達デバイスを制御する方法であって、加熱要素は、可変であり加熱要素の温度に比例する抵抗を有し、方法は、パルス幅変調(PWM)信号に従って、加熱要素に電力を供給するために、加熱要素への出力電圧を切り替え可能に接続および切断することであって、PWM信号はパルスを含み、パルスにわたって加熱要素への出力電圧が接続され、パルスの間に加熱要素への出力電圧が切断される、ことと、既知の電流のパルスを加熱要素に出力し、PWM信号の隣接するパルス間で、加熱要素にわたる電圧を測定することと、既知の電流および電圧に基づいて加熱要素の抵抗を計算することと、抵抗に基づいて加熱要素の温度を計算することと、温度が所定の目標から逸脱するときに、PWM信号のデューティサイクルを調整することとを含む、方法を提供する。
【0020】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、方法のいくつかの実施形態例では、PWM信号のデューティサイクルを調整することは、温度が所定の目標をそれぞれ下回るかまたは上回るときに、PWM信号のデューティサイクルを増加または減少させることを含む。
【0021】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、方法のいくつかの実施形態例では、パルスを出力することが、PWM信号のパルス間に散在する既知の電流のパルスを出力することを含み、加熱要素にわたる電圧がパルスの各々について測定される。
【0022】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、方法のいくつかの実施形態例では、加熱要素に出力される既知の電流のパルスが、加熱要素にわたる電圧を生成させ、方法は、その電圧が電源によって提供される出力電圧の半分未満であるように既知の電流を選択することをさらに含む。
【0023】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、方法のいくつかの実施形態例では、PWM信号が存在せず、加熱要素への出力電圧が切断される加熱期間の外で、方法は、既知の電流の第2のパルスを加熱要素に出力し、加熱要素にわたる第2の電圧を測定することと、既知の電流および第2の電圧に基づいて加熱要素の公称抵抗を計算することと、公称抵抗に基づいて加熱要素の公称温度を計算することと、公称温度に基づいて加熱要素の公称温度を計算することとをさらに含み、加熱要素の温度は、加熱要素の公称温度にさらに基づいて計算される。
【0024】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、方法のいくつかの実施形態例では、方法は、加熱期間中に加熱要素における熱量を計算することと、加熱要素における熱量が閾値熱量よりも大きいときに、加熱要素のロックアウトを実行することとをさらに含む。
【0025】
いくつかの実施形態例は、出力電圧を提供するように構成された電源と、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させて、エアロゾルを生成するために電力を供給できる加熱要素とを含むエアロゾル送達デバイスを制御する方法であって、パルス幅変調(PWM)信号に従って、加熱要素に電力を供給するために、加熱要素への出力電圧を切り替え可能に接続および切断させることであって、PWM信号はパルスを含み、パルスにわたって加熱要素への出力電圧が接続され、パルスの間に加熱要素への出力電圧が切断される、ことと、加熱期間中に加熱要素における熱量を計算することと、加熱要素における熱量が閾値熱量よりも大きいときに、加熱要素のロックアウトを実行することとを含む、方法を提供する。
【0026】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、方法のいくつかの実施形態例では、加熱要素における熱量を計算することは、加熱期間中に加熱要素における熱量を繰り返し計算することを含む。
【0027】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、方法のいくつかの実施形態例では、加熱期間は、エアロゾル送達デバイスの少なくとも一部を通る空気の流れを引き起こすユーザの吹かしによって開始され、加熱要素における熱量を計算することは、少なくとも、加熱要素を通る加熱電流と、加熱要素にわたる加熱電圧とを測定することと、加熱電流、加熱電圧、経過時間、およびPWM信号のデューティサイクルに基づいて、加熱要素に加えられる第1の熱量を計算することと、ユーザの吹かしによって引き起こされる空気の流れに起因する強制対流によって加熱要素から除去される第2の熱量を決定することと、第1の熱量および第2の熱量に基づいて、加熱要素における熱量を計算することとを含む。
【0028】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、方法のいくつかの実施形態例では、加熱要素のロックアウトを実行することは、少なくとも、加熱要素への出力電圧を切断させるために、PWM信号を中断することと、加熱要素における熱量が閾値熱量未満の量になるまで、加熱要素への出力電圧を切断したままにすることとを含む。
【0029】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、方法のいくつかの実施形態例では、加熱要素のロックアウトを実行することは、少なくとも、加熱要素の周囲空気への暴露に起因する自然対流によって加熱要素から除去される第3の熱量を決定することと、加熱要素における熱量および第3の熱量に基づいて、加熱期間からの、加熱要素における任意の余熱量を計算することと、をさらに含み、加熱要素への出力電圧を切断したままにすることは、加熱要素における任意の余熱量が閾値熱量未満の量になるまで加熱要素への出力電圧を切断したままにすることを含む。
【0030】
任意の前述の実施形態例の、または任意の前述の実施形態例の任意の組み合わせの、方法のいくつかの実施形態例では、ユーザの吹かしは、エアロゾル送達デバイスの少なくとも一部を通る第2の空気の流れを引き起こし、第2の加熱期間を開始させる第2のユーザの吹かしもまた含む複数のユーザの吹かしのうちの1つであり、加熱期間と第2の加熱期間との間に、方法は、少なくとも、加熱要素の周囲空気への暴露に起因する自然対流によって加熱要素から除去される第3の熱量を決定することと、加熱要素における熱量および第3の熱量に基づいて、加熱期間からの、加熱要素における任意の余熱量を計算することとをさらに含み、方法は、加熱期間からの、加熱要素における任意の余熱量に基づいて、第2の加熱期間中の加熱要素における熱量を計算することをさらに含む。
【0031】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下に簡単に説明される添付の図面と共に以下の詳細な説明を読むことから明らかになろう。本開示は、そのような特徴または要素が明示的に組み合わされているか、または本明細書に記載されている特定の実施形態例に列挙されているか否かにかかわらず、本開示に記載されている2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴の任意の組み合わせを含む。本開示は、本開示の文脈が別段に明確に指示しない限り、その態様および実施形態例のいずれかにおいて、本開示の任意の分離可能な特徴または要素が組み合わせ可能と見なされるべきであるように全体的に読み取られることが意図される。
【0032】
したがって、この簡単な概要は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するためにいくつかの実施形態例を要約する目的のためだけに提供されていることを理解されよう。したがって、上記の実施形態例は単なる例であり、本開示の範囲または趣旨を狭めるように決して解釈されるべきではないことが理解されよう。他の実施形態例、態様、および利点は、いくつかの説明された実施形態例の原理を例として示す添付の図面と併せて説明される、以下の詳細な説明から明らかになろう。
【0033】
以上の一般的な用語で本開示の態様を説明してきたが、次に、必ずしも原寸に比例して描かれていない添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本開示の実施形態例による、互いに結合されたカートリッジおよび制御本体を含むエアロゾル送達デバイスの斜視図を示す。
図2】本開示の実施形態例による、互いに結合されたカートリッジおよび制御本体を含むエアロゾル送達デバイスの部分的切り欠き側面図を示す。
図3】本開示の別の実施形態例による、互いに結合された制御本体およびエアロゾル源部材を備えるエアロゾル送達デバイスの斜視図を示す。
図4】本開示の別の実施形態例による、互いに分離された制御本体およびエアロゾル源部材を備えるエアロゾル送達デバイスの斜視図を示す。
図5】実施形態例による、図3および図4のエアロゾル送達デバイスの正面図を示す。
図6】実施形態例による、図3および図4のエアロゾル送達デバイスの断面図を示す。
図7】本開示の様々な実施形態例によるエアロゾル送達デバイスの回路図を示す。
図8】本開示の様々な実施形態例によるエアロゾル送達デバイスの回路図を示す。
図9】いくつかの例による例示的なパルス幅変調(PWM)信号を示す。
図10】いくつかの例による、加熱要素にわたる電圧の測定値と重ね合わされた例示的なPWM信号を示す。
図11】様々な実施形態例による処理回路を示す。
図12】様々な実施形態例による処理回路を示す。
図13】様々な実施形態例による、エアロゾル送達デバイスを制御する方法における様々な動作を示すフローチャートである。
図14】様々な実施形態例による、エアロゾル送達デバイスを制御する方法における様々な動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本開示は、以下に、その実施形態例を参照して、より十分に説明される。これらの実施形態例は、本開示が徹底的で完全になり、本開示の範囲を当業者に全て伝達するように説明される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数形を含む。また、本明細書では定量的尺度、値、幾何学的関係などを参照することがあるが、特に明記しない限り、これらの全てではないとしてもいずれか1つ以上が、技術的な公差などのため起こり得る許容可能な変動を説明する絶対または近似であり得る。
【0036】
以下に説明するように、本開示はエアロゾル送達デバイスに関する。エアロゾル送達デバイスは、エアロゾル前駆体組成物(吸入可能な物質媒体と呼ばれることもある)からエアロゾル(吸入可能物質)を生成するように構成されてもよい。エアロゾル前駆体組成物は、固体タバコ材料、半固体タバコ材料、または液体エアロゾル前駆体組成物のうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル送達デバイスは、流体エアロゾル前駆体組成物(例えば、液体エアロゾル前駆体組成物)を加熱し、流体エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを生成するように構成されてもよい。そのようなエアロゾル送達デバイスは、いわゆる電子タバコを含んでもよい。他の実施形態では、エアロゾル送達デバイスは、非燃焼加熱式デバイスを含んでもよい。さらに他の実施形態では、エアロゾル送達デバイスは、非加熱非燃焼式燃焼デバイスを含んでもよい。
【0037】
蒸気前駆体組成物または「電子リキッド」とも呼ばれる液体エアロゾル前駆体組成物は、電子タバコおよび非加熱非燃焼式デバイス、ならびに吸入可能なエアロゾルを発生させるために液体を霧化または別様にエアロゾル化する他のデバイスに特に有用である。液体エアロゾル前駆体組成物は、例として、多価アルコール(例えば、グリセリン(植物性グリセリンを含む)、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物および/または香味料を含む様々な成分を含み得る。いくつかの例では、エアロゾル前駆体組成物は、グリセリンおよびニコチンを含む。
【0038】
様々な実施形態と組み合わせて使用され得るいくつかの液体エアロゾル前駆体組成物は、レブリン酸、コハク酸、乳酸、ピルビン酸、安息香酸、フマル酸、それらの組み合わせなどの1つ以上の酸を含んでもよい。ニコチンを含む液体エアロゾル前駆体組成物に酸を含めることにより、塩形態のニコチンを含むプロトン化液体エアロゾル前駆体組成物を提供することができる。代表的な種類の液体エアロゾル前駆体成分および配合物もまた、Robinsonらによる米国特許第7,726,320号明細書、Chongらによる米国特許第9,254,002号明細書、Zhengらによる米国特許出願公開第2013/0008457号明細書、Lipowiczらによる米国特許出願公開第2015/0020823号明細書、Kollerによる米国特許出願公開第2015/0020830号明細書、ならびにBowenらによる国際出願第2014/182736号明細書、およびCollettらによる米国特許第8,881,737号明細書に記載および特徴付けられており、これらの開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。使用され得る他のエアロゾル前駆体は、上記で特定された多数の代表的な製品のいずれかに組み込まれたエアロゾル前駆体を含む。Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」もまた望ましい。さらに別の例のエアロゾル前駆体組成物は、以下のブランド名、BLACK NOTE、COSMIC FOG、The MILKMAN E-LIQUID、FIVE PAWNS、THE VAPOR CHEF、VAPE WILD、BOOSTED、THE STEAM FACTORY、MECH SAUCE、CASEY JONES MAINLINE RESERVE、MITTEN VAPORS、DR.CRIMMY’S V-LIQUID、SMILEY E LIQUID、BEANTOWN VAPOR、CUTTWOOD、CYCLOPS VAPOR、SICBOY、GOOD LIFE VAPOR、TELEOS、PINUP VAPORS、SPACE JAM、MT.BAKER VAPOR、およびJIMMY THE JUICE MANで販売される。エアロゾル前駆体と共に発泡性材料の実施形態が使用されることができ、発泡性材料の実施形態は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるHuntらの米国特許出願公開第2012/0055494号明細書に説明されている。さらに、発泡性材料の使用は、例えば、Niaziらによる米国特許第4,639,368号明細書、Wehlingらによる米国特許第5,178,878号明細書、Wehlingらによる米国特許第5,223,264号明細書、Patherらによる米国特許第6,974,590号明細書、Bergquistらによる米国特許第7,381,667号明細書、Crawfordらによる米国特許第8,424,541号明細書、Stricklandらによる米国特許第8,627,828号明細書、Sunらによる米国特許第9,307,787号明細書、ならびにBrinkleyらによる米国特許出願公開第2010/0018539号明細書、Johnsonらによる国際公開第97/06786号に記載されており、これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる。
【0039】
エアロゾル前駆体組成物は、追加的または代替的に、植物成分(例えば、ラベンダー、ペパーミント、カモミール、バジル、ローズマリー、タイム、ユーカリ、ショウガ、大麻、人参、マカおよびチサン)、刺激剤(例えば、カフェインおよびガラナ)、アミノ酸(例えば、タウリン、テアニン、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン)および/または医薬、栄養補助食品および医薬成分(例えば、ビタミン、例えばB6、B12およびCならびにカンナビノイド、例えばテトラヒドロカンナビノール(THC)およびカンナビジオール(CBD)を含むがこれらに限定されない他の活性成分を含んでもよい。
【0040】
エアロゾル前駆体を支持するための代表的な種類の基材、貯蔵器、または他の構成要素は、Newtonによる米国特許第8,528,569号明細書、Chapmanらによる米国特許出願公開第2014/0261487号明細書、Davisらによる米国特許出願公開第2015/0059780号明細書、Blessらによる米国特許出願公開第2015/0216232号明細書に記載されており、これら全ては参照により本明細書に組み込まれる。さらに、様々なウィッキング(wicking)材料、ならびに特定のタイプの電子タバコ内のこれらのウィッキング材料の構成および動作が、Searsらによる米国特許第8,910,640号明細書に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
他の実施形態では、エアロゾル送達デバイスは、固体エアロゾル前駆体組成物(例えば、押出タバコロッド)または半固体エアロゾル前駆体組成物(例えば、グリセリンを充填させたタバコペースト)を加熱するように構成された非燃焼加熱式デバイスを含んでもよい。エアロゾル前駆体組成物は、タバコを含むビーズ、タバコ細片、タバコストリップ、再構成タバコ材料、またはそれらの組み合わせ、および/あるいは、実質的に固体または成形可能な(例えば、押出可能)基質を形成するための任意の無機材料(炭酸カルシウムなど)、任意の香味料、およびエアロゾル形成材料と混合された細かく粉砕されたタバコ、タバコ抽出物、噴霧乾燥タバコ抽出物、または他のタバコ形態の混合物を含んでもよい。代表的な種類の固体および半固体エアロゾル前駆体組成物および配合物は、Thomasらによる米国特許第8,424,538号明細書、Sebastianらによる米国特許第8,464,726号明細書、Connerらによる米国特許出願公開第2015/0083150号明細書、Ademeらによる米国特許出願公開第2015/0157052号明細書、およびNordskogらによる米国特許出願公開第2017/0000188号明細書に開示され、これらの全ては参照により本明細書に組み込まれる。固体および半固体エアロゾル前駆体組成物および構成のさらなる代表的な種類は、British American TobaccoによるGLO(TM)製品用のNEOSTIKS(TM)消耗エアロゾル源部材と、Philip Morris International,Inc.によるIQOS(TM)製品用のHEETS(TM)消耗エアロゾル源部材に見られるものを含む。
【0042】
様々な実施形態において、吸入可能な物質は、具体的には、タバコ成分またはタバコ由来材料(すなわち、タバコから直接単離され得る、または合成的に調製され得る、タバコ中に天然に見出される材料)であってもよい。例えば、エアロゾル前駆体組成物は、不活性基材と組み合わせたタバコ抽出物またはその画分を含んでもよい。エアロゾル前駆体組成物は、未燃焼タバコ、または燃焼温度より低い温度に加熱されると吸入可能な物質を放出する未燃焼タバコを含む組成物をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、タバコ凝縮物またはその画分(すなわち、タバコの燃焼によって生成された煙の凝縮成分は、香味を残し、場合によってはニコチンを残す)を含んでもよい。
【0043】
本開示で有用なタバコ材料は様々であり得、例えば、黄色種タバコ、バーレー種タバコ、オリエンタルタバコまたはメリーランドタバコ、暗色タバコ、暗色火干タバコ、(dark-fired tobacco)およびラスチカタバコ、ならびに他の希少もしくは特殊なタバコ、またはそれらのブレンドを含み得る。タバコ材料はまた、加工タバコ幹(stem)(例えば、切断され巻かれたまたは切断され膨化された幹)、容積拡大タバコ(例えば、好ましくは刻みフィラーの形態のドライアイス拡大タバコ(DIET)などの膨化タバコ)、再構成タバコ(例えば、製紙型またはキャストシート型プロセスを使用して製造された再構成タバコ)などのいわゆる「ブレンド」形態および加工形態を含むことができる。様々な代表的なタバコの種類、加工された種類のタバコ、およびタバコブレンドの種類は、Lawsonらによる米国特許第4,836,224号明細書、Perfettiらによる米国特許第4,924,888号明細書、Brownらによる米国特許第5,056,537号明細書、Brinkleyらによる米国特許第5,159,942号明細書、Gentryらによる米国特許第5,220,930号明細書、Blakleyらによる米国特許第5,360,023号明細書、Shaferらによる米国特許第6,701,936号明細書、Liらによる米国特許第7,011,096号明細書、Liらによる米国特許第7,017,585号明細書、Lawsonらによる米国特許第7,025,066号明細書、Perfettiらによる米国特許出願公開第2004/0255965号明細書、Beremanによる国際出願第02/37990号、およびBombickら、Fund.Appl.Toxicol.,39,p.11-17(1997)に記載され、これらは参照により本明細書に組み込まれる。本開示によるものを含む、喫煙デバイスに有用であり得るさらなる例示的なタバコ組成物は、Robinsonらによる米国特許第7,726,320号明細書に開示され、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0044】
さらに、エアロゾル前駆体組成物は、吸入可能な物質またはその前駆体が組み込まれているか、そうでなければ上に堆積されている不活性基材を含んでもよい。例えば、吸入可能な物質を含む液体は、熱を加えると、吸入可能な物質が、陽圧または陰圧を加えることによって本発明の物品から取り出されことができる形態で放出されるように、不活性基材上にコーティングされるか、吸収されるか、または中へと吸収されてもよい。いくつかの態様では、エアロゾル前駆体組成物は、カットフィラー形態の風味豊かな芳香のタバコのブレンドを含んでもよい。別の態様では、エアロゾル前駆体組成物は、Pryorらによる米国特許第4,807,809号明細書、Pryorらによる米国特許第4,889,143号明細書、Rakerによる米国特許第5,025,814号明細書に記載されているような再構成タバコ材料を含んでもよく、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。適切なエアロゾル前駆体組成物に関するさらなる情報については、2018年3月9日に出願された、Surらによる米国特許出願第15/916,834号明細書を参照されたく、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
エアロゾル前駆体組成物の種類にかかわらず、エアロゾル送達デバイスは、エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成構成要素を含んでもよい。例えば、電子タバコまたは非燃焼加熱式デバイスの場合、エアロゾル生成構成要素は、加熱要素(時に加熱部材と呼ばれる)であってもよく、または加熱要素を含んでもよい。非加熱非燃焼式デバイスの場合、いくつかの例では、エアロゾル生成構成要素は、少なくとも1つの振動可能な圧電または圧磁メッシュであってもよく、またはそれらを含んでもよい。
【0046】
適切な加熱要素の一例は、誘導ヒータである。そのようなヒータは、多くの場合、誘導送信機および誘導受信機を備える。誘導送信機は、交流電流がそれを通して導かれたときに発振磁場(例えば、時間と共に周期的に変化する磁場)を作り出すように構成されたコイルを含むことができる。誘導受信機は、誘導送信機内に少なくとも部分的に置かれまたは受け入れられてもよく、導電性材料(例えば、強磁性材料またはアルミニウム被覆材料)を含んでもよい。誘導送信機を通して交流電流を導くことにより、誘導を介して誘導受信機に渦電流が発生されることができる。誘導受信機を画定する材料の抵抗を通って流れる渦電流は、ジュール加熱(すなわち、ジュール効果を通して)によってそれを加熱することができる。噴霧器を画定してもよい誘導受信機は、無線で加熱されて、誘導受信機に近接して配置されたエアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを形成してもよい。誘導ヒータを備えたエアロゾル送達デバイスの様々な実施形態は、Davisらによる米国特許出願公開第2017/0127722号明細書、Surらによる米国特許出願公開第2017/0202266号明細書、Surらによる米国特許出願公開第2018/0132531号明細書、Sebastianらによる米国特許出願公開第2019/0124979号明細書、およびSurらによる米国特許出願公開第2019/0174823号明細書に記載されており、これらの全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0047】
本明細書でより詳細に説明するものを含む他の実施形態では、加熱要素は、電気抵抗ヒータの場合のような導電性ヒータである。これらのヒータは、電流がそれらを通して導かれると熱を生成するように構成されてもよい。様々な実施形態では、導電性ヒータは、箔、発泡体、プレート、ディスク、螺旋、繊維、ワイヤ、フィルム、糸、ストリップ、リボンまたはシリンダの形態などの様々な形態で提供されてもよい。そのようなヒータは、多くの場合、金属材料を含み、電流の通過に関連する電気抵抗の結果として熱を生成するように構成される。そのような抵抗ヒータは、エアロゾル前駆体組成物に近接して配置され、エアロゾル前駆体組成物を加熱してエアロゾルを生成してもよい。本開示と共に使用可能であり得る様々な導電性基材は、上に引用したGriffithらによる米国特許第2013/0255702号明細書に記載されている。適切なヒータの他の例は、DePianoらによる米国特許第9,491,974号明細書に記載され、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達デバイスは、パワーユニットまたは制御デバイスと呼ばれることもある制御本体を含んでもよい。エアロゾル送達デバイスはまた、いわゆる電子タバコまたは非加熱非燃焼式デバイスの場合にはカートリッジ、または非燃焼加熱式デバイスの場合にはエアロゾル源部材を含んでもよい。電子タバコまたは非燃焼加熱式デバイスのいずれかの場合、制御本体は再利用可能であり得るが、カートリッジ/エアロゾル源部材は、限られた数の使用のために構成されてもよく、および/または使い捨て可能に構成されてもよい。様々な機構が、カートリッジ/エアロゾル源部材を制御本体に接続して、ねじ係合、圧入係合、締り嵌め、滑り嵌め、磁気係合などをもたらすことができる。
【0049】
制御本体およびカートリッジ/エアロゾル源部材は、いくつかの異なる材料のうちのいずれかから形成され得る別個の、それぞれのハウジングまたは外側本体を含むことができる。ハウジングは、任意の適切な構造的に強固な材料で形成されることができる。いくつかの例では、ハウジングは、ステンレス鋼、アルミニウムなどの金属または合金で形成されることができる。他の適切な材料は、様々なプラスチック(例えば、ポリカーボネート)、プラスチック上の金属メッキ、セラミックなどを含む。
【0050】
カートリッジ/エアロゾル源部材は、エアロゾル前駆体組成物を含んでもよい。エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを生成するために、エアロゾル生成構成要素(例えば、加熱要素、圧電/圧磁メッシュ)は、エアロゾル前駆体組成物と接触して、または近接して、例えば制御本体およびカートリッジにわたって、またはエアロゾル源部材が配置され得る制御本体内に配置されてもよい。制御本体は、再充電可能なまたは交換可能であり得る電源を含んでもよく、それによって制御本体は、多数のカートリッジ/エアロゾル源部材と共に再利用されてもよい。
【0051】
制御本体はまた、デバイスの手動制御のために押しボタン、タッチ感知面などの、エアロゾル送達デバイスをアクティブ化する手段を含んでもよい。追加的または代替的に、制御本体は、ユーザがカートリッジ/エアロゾル源部材で吸引し、それによってエアロゾル送達デバイスをアクティブ化するときを検出するための流量センサを含んでもよい。
【0052】
様々な実施形態では、本開示によるエアロゾル送達デバイスは、限定はしないが、実質的に棒状または実質的に管状または実質的に円筒状であると定義され得る全体形状を含む、様々な全体形状を有し得る。添付の図面に示され、添付の図面を参照して説明された実施形態では、エアロゾル送達デバイスは、実質的に円形の断面を有するが、他の断面形状(例えば、楕円形、正方形、長方形、三角形など)も本開示に包含される。物品の物理的形状を説明するそのような文言は、制御本体およびカートリッジ/エアロゾル源部材を含むそれらの個々の構成要素にも適用され得る。他の実施形態では、制御本体は、小さな箱形などの別のハンドヘルド形状をとることができる。
【0053】
より具体的な実施形態では、制御本体およびカートリッジ/エアロゾル源部材のうちの一方または両方は、使い捨て可能であるか、再使用可能であると呼ばれることがある。例えば、制御本体は、交換式電池または再充電可能な電池、SSB、薄膜SSB、再充電可能なスーパーキャパシタ、リチウムイオンまたはハイブリッドリチウムイオンスーパーキャパシタなどの電源を有してもよい。電源の一例は、ドイツのTadiran Batteries GmbHによって製造されたTKI-1550再充電可能なリチウムイオン電池である。別の実施形態では、有用な電源は、日本の三洋電機株式会社によって製造されたN50-AAA CADNICAニッケル-カドミウムセルであり得る。他の実施形態では、例えば各々1.2ボルトを提供する複数のそのような電池が直列に接続されることができる。
【0054】
いくつかの例では、それで、電源は、任意のタイプの再充電技術に接続され、それによって任意のタイプの再充電技術と組み合わされてもよい。適切な充電器の例は、電源に定電流またはパルス直流(DC)電力を単に供給する充電器、制御回路を追加する高速充電器、3段充電器、誘導で電力供給される充電器、スマート充電器、運動で電力供給される充電器、パルス充電器、ソーラー充電器、USBベースの充電器などを含む。いくつかの例では、充電器は、電源アダプタおよび任意の適切な充電回路を含む。他の例では、充電器は電源アダプタを含み、制御本体は充電回路を装備している。これらの他の例では、充電器は、単に電源アダプタと呼ばれることもある。
【0055】
制御本体は、適切な充電器に接続するために、およびいくつかの例では、通信のために他の周辺機器に接続するために、いくつかの異なる端子、電気コネクタなどのいずれかを含むことができる。より具体的な適切な例は、円筒形コネクタなどの直流(DC)コネクタ、タバコライタコネクタ、およびUSB 1.x(例えば、タイプA、タイプB)、USB 2.0およびそのアップデートおよび追加(例えば、Mini A、Mini B、Mini AB、Micro A、Micro B、Micro AB)およびUSB 3.x(例えば、タイプA、タイプB、マイクロB、マイクロAB、タイプC)によって指定されるものを含むUSBコネクタ、ならびにAppleのLightningコネクタなどのプロプライエタリコネクタなどを含む。制御本体は、充電器または他の周辺機器と直接接続してもよく、または2つは、適切なコネクタも有する適切なケーブルを介して接続してもよい。2つがケーブルによって接続される例では、制御本体および充電器または他の周辺機器は、1つのタイプのコネクタまたは両方のタイプのコネクタを有するケーブルと同じまたは異なるタイプのコネクタを有することができる。
【0056】
誘導電力供給される充電を伴う例では、エアロゾル送達デバイスは、誘導無線充電技術を装備してもよく、誘導送信機を含み誘導無線充電を使用する無線充電器、充電パッドなどと接続するための誘導受信機を含んでもよい(例えば、Wireless Power Consortium(WPC)からのQi無線充電規格による無線充電を含む)。あるいは、電源は、無線周波数(RF)ベースの充電器から再充電されてもよい。誘導無線充電システムの例は、Surらによる米国特許出願公開第2017/0112196号に記載され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、電子タバコの場合のいくつかの実施形態では、カートリッジは、参照により本明細書に組み込まれる、Changらの米国特許第8,910,639号明細書に開示されているように、使い捨てカートリッジを含み得る。
【0057】
電源を再充電技術に接続するために1つ以上の接続が使用されることができ、いくつかは充電ケース、クレードル、ドック、スリーブなどを伴うことができる。より具体的には、例えば、制御本体は、電源に接続するためのUSBコネクタを含むクレードルと係合するように構成されてもよい。あるいは、別の例では、制御本体は、電源に接続するためのUSBコネクタを含むスリーブ内に嵌合して係合するように構成されてもよい。これらおよび同様の例では、USBコネクタは電源に直接接続されてもよく、またはUSBコネクタは適切な電源アダプタを介して電源に接続されてもよい。
【0058】
電源の例は、Peckerarらによる米国特許第9,484,155号明細書、2015年10月21日に出願されたSurらの米国特許出願公開第2017/0112191号明細書に記載され、それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。適切な電源の他の例は、Hawesらによる米国特許出願公開第2014/0283855号明細書、Fernandoらによる米国特許出願公開第2014/0014125号明細書、Nicholsらによる米国特許出願公開第2013/0243410号明細書、Fernandoらによる米国特許出願公開第2010/0313901号明細書、およびFernandoらによる米国特許第9,439,454号明細書に記載されており、これらの全ては参照により本明細書に組み込まれる。流量センサに関して、代表的な電流調節構成要素、およびエアロゾル送達デバイス用の様々なマイクロコントローラ、センサ、およびスイッチを含む他の電流制御構成要素は、Gerthらによる米国特許第4,735,217号明細書、全てブルックスらによる米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書、および第4,947,875号明細書、McCaffertyらによる米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらによる米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらによる米国特許第7,040,314号明細書、Panらによる米国特許第8,205,622号明細書、Colletらによる米国特許第8,881,737号明細書、Ampoliniらによる米国特許第9,423,152号明細書、Fernandoらによる米国特許第9,439,454号明細書、Henryらによる米国特許出願公開第2015/0257445明細書に記載され、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0059】
入力デバイスは、エアロゾル送達デバイスと共に含まれてもよい(そして流量センサを置き換えまたは補足してもよい)。入力は、使用者がデバイスの機能を制御できるようにするため、および/または使用者に情報を出力するために含まれ得る。任意の構成要素または構成要素の組み合わせは、デバイスの機能を制御するための入力として利用され得る。適切な入力デバイスは、押しボタン、タッチスイッチ、または他のタッチ感知面を含む。例えば、1つ以上のプッシュボタンはWormらによる米国特許出願公開第2015/0245658号明細書に記載されているように使用されることがあり、これは参照により本明細書に組み込まれる。同様に、タッチスクリーンはSearsらによる米国特許第10,172,388号明細書に記載されているように使用されることがあり、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
さらなる例として、エアロゾル送達デバイスの特定の動きに基づくジェスチャ認識に適合された構成要素が、入力デバイスとして使用され得る。参照により本明細書に組み込まれる、Henryらによる米国特許出願公開第2016/0158782号明細書を参照されたい。さらに別の例として、容量センサがエアロゾル送達デバイスに実現されて、容量センサが実現されているデバイスの表面に触れるなどして、使用者が入力を提供することを可能にしてもよい。別の例では、デバイスに関連する運動を検出することができるセンサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、光電近接センサなど)がエアロゾル送達デバイスに実現されて、使用者が入力を提供することを可能にしてもよい。適切なセンサの例は、Surらによる米国特許出願公開第2018/0132528号明細書およびHenryらによる米国特許出願公開第2016/0158782号明細書に記載され、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0061】
上述のように、エアロゾル送達デバイスは、少なくとも1つの制御構成要素などの様々な電子機器を含んでもよい。適切な制御構成要素は、いくつかの電子構成要素を含んでもよく、いくつかの例では、プリント回路板(PCB)などの回路基板から形成されてもよい。いくつかの例では、電子構成要素は、1つ以上の実施形態例に従って、データ処理、アプリケーション実行、または他の処理、制御もしくは管理サービスを行うように構成された処理回路を含む。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサコア、マイクロプロセッサ、コプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または例えばASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、それらの何らかの組み合わせなどの、1つ以上の集積回路を含む様々な他のコンピュータデバイスまたは処理デバイスなどの様々な形態で具現化されるプロセッサを含むことができる。いくつかの例では、処理回路は、プロセッサに結合された、またはプロセッサと一体化されたメモリを含むことができ、データ、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラム命令、それらの何らかの組み合わせなどを記憶することができる。
【0062】
いくつかの例では、制御構成要素は、処理回路に結合または一体化され得る1つ以上の入力/出力周辺機器を含み得る。より具体的には、制御構成要素は、1つ以上のネットワーク、コンピューティングデバイスまたは他の適切に有効にされたデバイスとの無線通信を可能にするための通信インタフェースを含み得る。好適な通信インタフェースの例は、Marionらの米国特許出願公開第2016/0261020号明細書に開示されており、その内容は本明細書に参照により組み込まれる。適切な通信インタフェースの別の例は、Texas Instruments製のCC3200シングルチップ無線マイクロコントローラユニット(MCU)である。エアロゾル送達デバイスが無線通信するように構成されてもよい好適な方法の例は、Ampoliniらの米国特許出願公開第2016/0007651号明細書およびHenry,Jr.らの米国特許出願公開第2016/0219933号明細書に開示されており、それらの各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
本開示のエアロゾル送達デバイスには、さらなる構成要素が利用されることができる。適切な構成要素の一例は、エアロゾル送達デバイスを使用して照射され得る発光ダイオード(LED)、量子ドットベースのLEDなどの光源である。適切なLED構成要素の例、ならびにそれらの構成および使用法は、Sprinkelらによる米国特許第5,154,192号明細書、Newtonによる米国特許第8,499,766号明細書、Scatterdayによる米国特許第8,539,959号明細書およびSearsらによる米国特許第9,451,791号明細書に記載されており、これらの全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
他の動作のインデックスも本開示に包含される。例えば、動作の視覚インディケータはまた、喫煙経験の進行を示すための光の色または強度の変化を含む。振動モータなどの動作の触感(触覚)インディケータ、およびスピーカなどの動作の音声(オーディオ)インディケータも同様に本開示に包含される。さらに、そのような動作のインディケータの組み合わせも、単一の喫煙物品で使用するのに適している。別の態様によれば、エアロゾル送達デバイスは、例えば、電源内に残っている電力量、喫煙経験の進行、エアロゾル生成構成要素をアクティブ化することに対応するインディケーションなど、喫煙物品の動作に対応する情報を提供するように構成されたディスプレイなどの1つ以上のインディケータまたはインデックスを含んでもよい。
【0065】
さらに他の構成要素も企図される。例えば、Sprinkelらによる米国特許第5,154,192号明細書は喫煙物品のインディケータを開示しており、Sprinkel、Jr.による米国特許第5,261,424号明細書は、吸引に関連付けられた使用者の唇の活動を検出し、次いで、加熱デバイスの加熱デバイスの加熱をトリガするために、デバイスのマウスエンドに関連付けられることができる圧電センサを開示しており、McCaffertyらによる米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを通る圧力降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギーの流れを制御するための吹かしセンサを開示し、Harrisらによる米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過率の不均一性を検出する識別子と、構成要素がリセプタクルに挿入されたときに検出ルーチンを実行するコントローラとを含む喫煙デバイス内のリセプタクルを開示し、Fleischhauerらによる米国特許第6,040,560号明細書は、多数の差異的なフェーズを有する定義された実行可能な電源サイクルについて説明し、Watkinsらによる米国特許第5,934,289号は、フォトニック-オプトロニック構成要素を開示し、Countsらによる米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙デバイスを通る吸引抵抗を変えるための手段を開示し、Blakeらによる米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙デバイスに使用するための特定の電池構成を開示し、Griffenらによる米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙デバイスと共に使用するための様々な充電システムを開示し、Fernandoらによる米国特許第8,402,976号明細書は、充電を容易にし、デバイスのコンピュータ制御を可能にするための喫煙デバイス用のコンピュータインタフェーシング手段を開示し、Fernandoらによる米国特許第8,689,804号明細書は、喫煙デバイスの識別システムを開示し、Flickによる国際出願第2010/003480号は、エアロゾル発生システム内のふかしを示す流体流れ感知システムを開示し、前述の開示の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
電子エアロゾル送達品に関連する構成要素、および本物品で使用され得る開示の物質または構成要素のさらなる例は、Gerthらによる米国特許第4,735,217号明細書、Morganらによる米国特許第5,249,586号明細書、Higginsらによる米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらによる米国特許第6,053,176号明細書、Whiteによる米国特許第6,164,287号明細書、Vogesによる米国特許第6,196,218号明細書、Felterらによる米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsによる米国特許第6,854,461号明細書、Honによる米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiによる米国特許第7,513,253号明細書、Hamanoによる米国特許第7,896,006号明細書、Shayanによる米国特許第6,772,756号明細書、Honによる米国特許第8,156,944号明細書および第8,375,957号明細書、Thorensらによる米国特許第8,794,231号明細書、Oglesbyらによる米国特許第8,851,083号明細書、Monseesらによる米国特許第8,915,254号明細書および第8,925,555号明細書、DePianoらによる米国特許第9,220,302号明細書、Honによる米国特許出願公開第2006/0196518明細書および2009/0188490明細書、Oglesbyらによる米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangによる米国特許出願公開第2010/0307518明細書、Honによる国際公開第2010/091593号、Fooによる国際出願第2013/089551号明細書を含み、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。さらに、Wormらの米国特許出願公開第2017/0099877号明細書は、エアロゾル送達デバイスに含まれ得るカプセルおよびエアロゾル送達デバイス用のフォブ形状構成を開示しており、参照により本明細書に組み込まれる。前述の文書によって開示された様々な材料は、様々な実施形態において本デバイスに組み込まれてもよく、前述の開示の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0067】
本開示のエアロゾル送達デバイスに組み込まれことができるさらに他の特徴、制御部または構成要素は、Harrisらによる米国特許第5,967,148号明細書、Watkinsらによる米国特許第5,934,289号明細書、Countsらによる米国特許第5,954,979号明細書、Fleischhauerらによる米国特許第6,040,560号明細書、Honによる米国特許第8,365,742号明細書、Fernandoらによる米国特許第8,402,976号明細書、Kataseによる米国特許出願公開第2005/0016550号明細書、Fernandoらによる米国特許第8,689,804号明細書、Tuckerらによる米国特許出願公開第2013/0192623号明細書、Levenらによる米国特許第9,427,022号明細書、Kimらによる米国特許出願公開第2013/0180553号明細書、Sebastianらによる米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Novakらによる米国特許出願公開第2014/0261495号明細書およびDePianoらによる米国特許第9,220,302号明細書に記載されており、これらのいずれも参照により本明細書に組み込まれる。
【0068】
図1および図2は、電子タバコの場合の制御本体およびカートリッジを含むエアロゾル送達デバイスの実施形態を示す。これに関して、図1および図2は、本開示の実施形態例によるエアロゾル送達デバイス100を示す。示されるように、エアロゾル送達デバイスは、制御本体102(パワーユニットとも呼ばれる)およびカートリッジ104を含んでもよい。制御本体およびカートリッジは、機能的な関係において永久にまたは取り外し可能に整列され得る。図1および図2は、それぞれ、結合構成におけるエアロゾル送達デバイスの斜視図および部分的に切り取られた側面図を示している。
【0069】
制御本体102およびカートリッジ104は、圧入(または締まりばめ)接続、ねじ接続、磁気接続などの様々な接続によって互いに係合するように構成されることができる。したがって、制御本体は、カートリッジ上の第2の係合要素(例えば、コネクタ)に係合するように適合された第1の係合要素(例えば、カプラ)を含むことができる。第1の係合要素および第2の係合要素は、可逆的であってもよい。一例として、第1の係合要素および第2の係合要素のいずれか一方が雄ねじであり、他方が雌ねじであってもよい。さらなる例として、第1の係合要素または第2の係合要素のいずれかは磁石であってもよく、他方は金属または対になる磁石であってもよい。
【0070】
特定の実施形態では、係合要素は、制御本体102およびカートリッジ104の存在する構成要素によって直接画定されてもよい。例えば、制御本体のハウジングは、その端部に、カートリッジの少なくとも一部(例えば、貯蔵タンクまたはカートリッジの他のシェル形成要素)を受け入れるように構成されたキャビティを画定してもよい。特に、カートリッジの貯蔵タンクは、カートリッジのマウスピースが制御本体のキャビティの外側に露出したままである間に、制御本体のキャビティ内に少なくとも部分的に受け入れられてもよい。カートリッジは、締まりばめ(例えば、戻り止めおよび/またはカートリッジの外面と制御本体キャビティを形成する壁の内面との間に締まり係合(interference engagement)を作り出す他の機構の使用によって)、磁気係合(例えば、制御本体のキャビティ内に配置され、カートリッジ上に配置された磁石および/または磁性金属の使用を通して)、または他の適切な技術などによって、制御本体ハウジングによって形成されたキャビティ内に保持されてもよい。
【0071】
図1にも示されるように、エアロゾル送達デバイス100は、制御本体102の外側ハウジング上に画定されたインディケーション窓106を含んでもよく、それを通して、ユーザは、カートリッジ104の特有の特性に関連する視覚的インディケーション108を提供されることができる。追加的または代替的に、制御本体は、制御本体の外側ハウジングに画定された少なくとも1つのアパーチャ110を含むことができ、それを通して光源(図2参照)からの光を見ることができる。
【0072】
図2に示す切り欠き図に見られるように、制御本体102およびカートリッジ104は各々、いくつかのそれぞれの構成要素を含む。図2に示す構成要素は、制御本体およびカートリッジ内に存在し得る構成要素を代表するものであり、本開示によって包含される構成要素の範囲を限定することを意図するものではない。図示するように、例えば、制御本体は、制御構成要素208(例えば、処理回路など)、流量センサ210、電源212(例えば、電池、スーパーキャパシタ)、および光源214(例えば、LED、量子ドットベースのLED)を含むことができるハウジング206(制御本体シェルと呼ばれることもある)から形成されることができ、そのような構成要素は、可変に整列されることができる。電源は再充電可能であってもよく、制御本体は、電源に結合され、電源を制御可能に充電するように構成された充電回路を含んでもよい。
【0073】
制御本体102はまた、カートリッジ受け入れチャンバ216を含み、カートリッジは、カートリッジ受け入れチャンバと取り外し可能に結合されるように構成されてもよい。制御本体は、制御本体をカートリッジ、特にカートリッジ上の電気接点220と電気的に結合するように構成されたカートリッジ受け入れチャンバ内に配置された電気コネクタ218を含むことができる。これに関して、電気コネクタおよび電気接点は、制御本体およびカートリッジの接続インタフェースを形成してもよい。また示されるように、制御本体は、制御本体を1つ以上の外部デバイスと接続するための外部電気コネクタ222を含むことができる。適切な外部電気コネクタの例は、上記のようなUSBコネクタ、AppleのLightningコネクタなどのプロプライエタリコネクタなどが含まれる。
【0074】
様々な例において、カートリッジ104は、タンク部分およびマウスピース部分を含む。カートリッジ、タンク部分および/またはマウスピース部分は、長手方向軸(L)、長手方向軸に垂直な第1の横軸(T1)、および長手方向軸に垂直であり、第1の横軸に垂直な第2の横軸(T2)に関して別々に画定されてもよい。カートリッジは、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成された貯蔵器226(タンク部内)を囲み、加熱要素228(エアロゾル生成構成要素)を含むハウジング224(カートリッジシェルと呼ばれることもある)から形成されることができる。いくつかの例では、制御本体102上の電気コネクタ218およびカートリッジ上の電気接点220は、加熱要素をカートリッジの制御構成要素208および/または電源212と電気接続することができる。様々な構成において、このカートリッジの構造はタンクと称されることがあり、したがって、「カートリッジ」、「タンク」などの用語は、エアロゾル前駆体組成物用の貯蔵器を囲み、加熱要素を含むシェルまたは他のハウジングを指すために互いに交換可能に使用することができる。
【0075】
示されるように、いくつかの例では、貯蔵器226は、貯蔵器ハウジング内に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物を吸い取る(wick)あるいは加熱要素228へ輸送するのに適合された液体輸送要素230と流体通信することができる。液体輸送要素の少なくとも一部は、加熱要素に近接して(例えば、直接隣接している、隣接している、とても近接している、または比較的近接している)配置されてもよい。液体輸送要素は、加熱要素と貯蔵器226に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物との間に延在してもよく、加熱要素の少なくとも一部は、貯蔵器の近位端の上方に置かれてもよい。本開示の目的のために、この特定の文脈における「上」という用語は、実質的に長手方向軸(L)に沿った方向において貯蔵器および/またはカートリッジ104の近位端に向かうことを意味すると解釈されるべきであることを理解されたい。液体輸送要素の他の構成も、本開示の範囲内で企図される。例えば、いくつかの実施形態例では、液体輸送要素は、貯蔵器の遠位端に近接して配置され、および/または長手方向軸(L)を横切って配置されてもよい。適切な配置のさらなる例については、参照により本明細書に組み込まれる、2019年10月10日に出願されたNovakらの米国特許第16/598,505号明細書を参照されたい。
【0076】
加熱要素228および液体輸送要素230は、流体接続された別個の要素として構成され得るか、加熱要素および液体輸送要素、または組み合わされた要素として構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、加熱要素は、液体輸送要素に一体化されてもよい。そのような構成要素のいくつかの例は、Buchbergerによる米国特許第8,833,364号明細書およびBuchbergerによる米国特許出願公開第2017/0203057号明細書に記載され、これらは参照により本明細書に組み込まれる。さらに、加熱要素および液体輸送要素は、本明細書に別段の記載があるように、任意の構造で形成され得る。いくつかの例では、バルブが貯蔵器226と加熱要素との間に配置され、貯蔵器から加熱要素へ通過または送達されるエアロゾル前駆体組成物の量を制御するように構成されることができる。
【0077】
電流が通って流れるときに熱を生成するように構成された材料の様々な例が用いられて、加熱要素228を形成することができる。これらの例における加熱要素は、ワイヤコイル、平板、マイクロヒータなどの抵抗性加熱要素であり得る。加熱要素が形成され得る材料の例は、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、ニッケル、ステンレス鋼、インジウムスズ酸化物、タングステン、二ケイ化モリブデン(MoSi)、ケイ化モリブデン(MoSi)、アルミニウムをドープした二ケイ化モリブデン(Mo(Si,Al))、チタン、白金、銀、パラジウム、銀とパラジウムの合金、グラファイトおよびグラファイト系材料(例えば、炭素系発泡体および糸)、導電性インク、ホウ素ドープシリカ、ならびにセラミック(例えば、正または負の温度係数セラミック)を含み得る。加熱要素は、抵抗加熱要素または誘導によって熱を発生させるように構成された加熱要素であってもよい。加熱要素は、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、酸化ベリリウム、アルミナ、窒化ケイ素、またはそれらの複合材料などの熱伝導性セラミックでコーティングされてもよい。本開示によるエアロゾル送達デバイスに有用な加熱要素の実施形態例が以下にさらに説明され、本明細書に記載のようなデバイスに組み込まれることができる。
【0078】
形成されたエアロゾルをカートリッジ104から放出することを可能にするために、開口部232がハウジング224(例えば、マウスピース部分のマウスエンドに)に存在してもよい。
【0079】
カートリッジ104はまた、集積回路、メモリ構成要素(例えば、EEPROM、フラッシュメモリ)、センサなどを含み得る1つ以上の電子構成要素を含み得る。電子構成要素は、有線または無線手段によって、制御構成要素208および/または外部デバイスと通信するように適合されてもよい。電子構成要素は、カートリッジ内のどこにでも配置されることができる。
【0080】
上に示したように制御本体102の制御構成要素208は、いくつかの電子構成要素を含み、いくつかの例では、電子構成要素を支持し電気的に接続するPCBなどの回路基板から形成されることができる。流量センサ210は、これらの電子構成要素のうちの1つであってもよく、あるいは回路基板上に配置されてもよい。いくつかの例では、空気流量センサは、それが取り付けられることができるそれ自体の回路基板または他の基部要素を含み得る。いくつかの例では、フレキシブル回路基板が利用されてもよい。フレキシブル回路基板は、様々な形状に構成されることができる。いくつかの例では、フレキシブル回路基板は、ヒータ基材と組み合わされ、その上に積層され、またはその一部もしくは全部を形成することができる。
【0081】
図2に示す貯蔵器226は、現在説明されているように、容器とすることができるか、または繊維状貯蔵器とすることができる。例えば、この例では、貯蔵器は、実質的にハウジング224の内部を取り囲む管形状に形成された不織繊維の1つ以上の層を含むことができる。エアロゾル前駆体組成物は貯蔵器内に保持されることができる。例えば液体成分は、貯蔵器によって収着的に保持されることができる。貯蔵器は液体輸送要素230と流体接続され得る。液体輸送要素は、この例では金属ワイヤコイルの形態である加熱要素228に、毛管作用、またはマイクロポンプを介して貯蔵器内に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物を輸送することができる。このように、加熱要素は液体輸送要素と加熱構成にある。
【0082】
いくつかの例では、マイクロ流体チップが貯蔵器226に埋め込まれてもよく、貯蔵器から送達されるエアロゾル前駆体組成物の量および/または質量は、微小電気機械システム(MEMS)技術に基づくものなどのマイクロポンプによって制御されてもよい。本開示によるエアロゾル送達デバイスに有用な貯蔵器および輸送要素の実施形態の別の例が本明細書にさらに説明され、そのような貯蔵器および/または輸送要素は、本明細書に説明したようなデバイスに組み込まれることができる。特に、本明細書にさらに記載されるような加熱要素および輸送要素の特定の組み合わせは、本明細書に説明したようなデバイスに組み込まれることができる。
【0083】
使用時に、使用者がエアロゾル送達デバイス100で吸引すると、空気流が流量センサ210によって検出され、加熱要素228がアクティブ化されてエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させる。エアロゾル送達デバイスのマウスエンドで吸引すると、周囲空気がエアロゾル送達デバイスに入って通過する。カートリッジ104において、吸引された空気は形成された蒸気と結合してエアロゾルを形成する。エアロゾルは取り除かれるか、吸引されるか、または加熱要素から引き出され、エアロゾル送達デバイスのマウスエンドの開口部232から外へ吐出される。
【0084】
電子タバコの場合の制御本体およびカートリッジを含むエアロゾル送達デバイスの実施形態に関するさらなる詳細については、上記のSurによる米国特許出願第15/836,086号明細書、Surらによる米国特許出願第15/916,834号明細書、ならびに2018年3月9日に出願されたSurによる米国特許出願第15/916,696号明細書、および2018年年10月26日に出願されたAllerらによる米国特許出願第16/171,920号明細書を参照されたく、これらの全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0085】
図3から図6は、非燃焼加熱式デバイスの場合の制御本体およびエアロゾル源部材を含むエアロゾル送達デバイスの実施形態を示す。より具体的には、図3は、本開示の実施形態例によるエアロゾル送達デバイス300を示す。エアロゾル送達デバイスは、制御本体302およびエアロゾル源部材304を含んでもよい。様々な実施形態では、エアロゾル源部材および制御本体は、機能的関係で恒久的にまたは取り外し可能に整列されることができる。これに関して、図3は、結合された構成のエアロゾル送達デバイスを示し、図4は、分離された構成のエアロゾル送達デバイスを示す。
【0086】
図4に示すように、本開示の様々な実施形態では、エアロゾル源部材304は、制御本体302に挿入されるように構成された加熱される端部406と、ユーザが吸引してエアロゾルを作り出すマウスエンド408とを含んでもよい。様々な実施形態では、加熱される端部の少なくとも一部は、エアロゾル前駆体組成物410を含んでもよい。
【0087】
様々な実施形態では、エアロゾル源部材304またはその一部は、エアロゾル源部材のための追加の構造および/または支持を提供するのに有用な任意の材料から形成され得る外部オーバラップ材料412に包まれてもよい。様々な実施形態では、外部オーバラップ材料は、熱の伝達に抵抗する材料を含むことができ、紙またはセルロース材料などの他の繊維材料を含むことができる。外部オーバラップ材料はまた、繊維材料内に埋め込まれたまたは分散された少なくとも1つの充填材料を含むことができる。様々な実施形態において、充填材料は、水不溶性粒子の形態を有してもよい。さらに、充填材料は、無機成分を組み込まれることができる。様々な実施形態では、外部オーバラップは、下にあるバルク層、およびタバコの典型的な包装紙などの上にある層などの多数の層から形成されてもよい。そのような材料は、例えば、亜麻、麻、サイザル麻、稲わら、および/またはエスパルトなどの軽量の「くず繊維」を含むことができる。外部オーバラップはまた、酢酸セルロースなどの従来のタバコのフィルタ要素に通常使用される材料を含むことができる。さらに、エアロゾル源部材のマウスエンド408でのオーバラップの過剰な長さは、以下に説明するように、単に消費者の口からエアロゾル前駆体組成物410を分離するか、またはフィルタ材料を配置するための空間を提供するか、物品での吸引に影響を与えるか、吸引中にデバイスを出る蒸気またはエアロゾルの流れ特性に影響を与えるように機能してもよい。本開示と共に使用することができるオーバラップ材料のための構成に関するさらなる議論は、上記で引用したWormらによる米国特許第9,078,473号明細書に見出されることができる。
【0088】
様々な実施形態では、エアロゾル前駆体組成物410とエアロゾル源部材304のマウスエンド408との間に他の構成要素が存在してもよく、マウスエンドは、例えば、酢酸セルロースまたはポリプロピレン材料で作られてもよいフィルタ414を含んでもよい。フィルタは、追加的または代替的に、Rakerらによる米国特許第5,025,814号明細書に記載されているなどのタバコを含む材料のストランドを含んでもよく、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。様々な実施形態では、フィルタは、エアロゾル源部材のマウスエンドの構造的完全性を高め、および/または必要に応じて濾過能力を提供し、および/または吸引への抵抗を提供することができる。いくつかの実施形態では、以下の1つまたは任意の組み合わせがエアロゾル前駆体組成物とマウスエンドとの間に配置されてもよい:エアギャップ、冷却空気用相変化材料、香味放出媒体、選択的化学吸着が可能なイオン交換繊維、濾過媒体としてのエアロゲル粒子、および他の適切な材料。
【0089】
本開示の様々な実施形態は、エアロゾル源部材304のエアロゾル前駆体組成物410を加熱するために、1つ以上の導電性加熱要素を使用する。様々な実施態様では、加熱要素は、箔、発泡体、メッシュ、中空ボール、ハーフボール、ディスク、螺旋、繊維、ワイヤ、フィルム、糸、ストリップ、リボン、またはシリンダの形態などの様々な形態で提供されてもよい。そのような加熱要素は、多くの場合、金属材料を含み、電流の通過に関連する電気抵抗の結果として熱を生成するように構成される。そのような抵抗加熱要素は、エアロゾル源部材、特にエアロゾル源部材のエアロゾル前駆体組成物と直接接触して、または近接して配置されてもよい。加熱要素は、制御本体および/またはエアロゾル源部材内に置かれてもよい。様々な実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、加熱アセンブリとして働くか、またはその機能を促進することができる基材部分に埋め込まれた、または他の方法で基材部分の一部である構成要素(すなわち、熱伝導構成要素)を含むことができる。様々な加熱部材および要素のいくつかの例は、Wormらによる米国特許第9,078,473号明細書に記載されている。
【0090】
様々な加熱要素構成のいくつかの非限定的な例は、加熱要素がエアロゾル源部材304に近接して設置される構成を含む。例えば、いくつかの例では、加熱要素の少なくとも一部は、エアロゾル源部材の少なくとも一部を取り囲んでもよい。他の例では、制御本体302に挿入されたときに、エアロゾル源部材の外部に隣接して1つ以上の加熱要素が配置されてもよい。他の例では、加熱要素の少なくとも一部は、エアロゾル源部材が制御本体に挿入されたときに、エアロゾル源部材の少なくとも一部を貫通してもよい(例えば、エアロゾル源部材を貫通する1つ以上のプロングおよび/またはスパイクなど)。いくつかの例では、エアロゾル前駆体組成物は、加熱要素として働くか、または加熱要素の機能を促進し得る、エアロゾル前駆体組成物に接触する構造、またはエアロゾル前駆体組成物に埋め込まれた複数のビーズもしくは粒子、またはエアロゾル前駆体組成物の一部を含んでもよい。
【0091】
図5は、本開示の実施形態例によるエアロゾル送達デバイス300の正面図を示し、図6は、図5のエアロゾル送達デバイスの断面図を示す。特に、図示の実施形態の制御本体302は、その係合端部に画定された開口部518を含むハウジング516と、流量センサ520(例えば、吹かしセンサまたは圧力スイッチ)と、制御構成要素522(例えば、処理回路など)と、電源524(例えば、電池、スーパーキャパシタ)と、光源526(例えば、LED)を含むエンドキャップとを備えることができる。電源は再充電可能であってもよく、制御本体は、電源に結合され、電源を制御可能に充電するように構成された充電回路を含んでもよい。
【0092】
一実施形態では、光源526は、1つ以上のLED、量子ドットベースのLEDなどを含むことができる。光源は、制御構成要素522と通信することができ、例えば、流量センサ520によって検出されるように、制御本体302に結合されたときに、ユーザがエアロゾル源部材304で吸引すると点灯されることができる。
【0093】
図示する実施形態の制御本体302は、エアロゾル源部材304のエアロゾル前駆体組成物410を加熱するように構成された1つ以上の加熱アセンブリ528(個別にまたは集合的に加熱アセンブリと呼ばれる)を含む。本開示の様々な実施形態の加熱アセンブリは様々な形態をとることができるが、図5および図6に示す特定の実施形態では、加熱アセンブリは、外側シリンダ530と、加熱要素532(エアロゾル生成構成要素)とを含み、この実施形態では、受け入れベース534(様々な構成において、加熱アセンブリ、より具体的にはヒータプロングは、ヒータと呼ばれてもよい)から延在する複数のヒータプロングを含む。図示の実施形態では、外側シリンダは、外側シリンダ内のヒータプロングによって発生された熱を維持し、より具体的には、エアロゾル前駆体組成物内のヒータプロングによって発生された熱を維持するように、ステンレス鋼で構成された二重壁真空管を含む。様々な実施形態では、ヒータプロングは、銅、アルミニウム、白金、金、銀、鉄、鋼、真鍮、青銅、グラファイト、またはそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない1つ以上の導電性材料で構築されてもよい。
【0094】
図示するように、加熱アセンブリ528は、ハウジング516の係合端に近接して延在してもよく、エアロゾル前駆体組成物410を含むエアロゾル源部材304の加熱される端部406の一部を実質的に取り囲むように構成されてもよい。このようにして、加熱アセンブリは、ほぼ管状の構成を画定することができる。図5および図6に示すように、加熱要素532(例えば、複数のヒータプロング)は、外側シリンダ530によって囲まれて受け入れチャンバ536を作り出す。このようにして、様々な実施形態では、外側シリンダは、これらに限定されないが、絶縁ポリマー(例えば、プラスチックまたはセルロース)、ガラス、ゴム、セラミック、磁器、二重壁真空構造、またはそれらの任意の組み合わせを含む非導電性絶縁材料および/または構造を含むことができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、加熱アセンブリ528の1つ以上の部分または構成要素は、エアロゾル前駆体組成物410と組み合わせられ、パッケージ化され、および/または一体化(例えば中に埋め込まれる)されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、上述のような材料で形成されてもよく、その中に混合された1つ以上の導電性材料を含んでもよい。これらの実施形態のいくつかでは、エアロゾル源部材が制御本体の受け入れチャンバに挿入されると、接点が電気エネルギー源と電気的に接続するように、接点がエアロゾル前駆体組成物に直接接続されてもよい。あるいは、接点は、電気エネルギー源と一体であってもよく、エアロゾル源部材が制御本体の受け入れチャンバに挿入されると、接点がエアロゾル前駆体組成物と電気的に接続するように、受け入れチャンバ内に延在してもよい。エアロゾル前駆体組成物中に導電性材料が存在するため、電気エネルギー源からエアロゾル前駆体組成物への電力の印加は、電流が流れ、したがって導電性材料から熱を生成することを可能にする。したがって、いくつかの実施形態では、加熱要素は、エアロゾル前駆体組成物と一体であると説明されてもよい。非限定的な例として、グラファイトまたは他の適切な導電性材料は、加熱要素を媒体と一体化させるために、エアロゾル前駆体組成物を形成する材料と混合されるか、その中に埋め込まれるか、そうでなければその上または中に直接存在してもよい。
【0096】
上述したように、図示の実施形態では、外側シリンダ530はまた、エアロゾル源部材がハウジング516に挿入されるときにエアロゾル源部材304の適切な位置決めを容易にするように働いてもよい。様々な実施形態では、加熱アセンブリ528の外側シリンダは、ハウジングに対する加熱アセンブリの整列を提供するために、ハウジングの内面と係合することができる。それにより、加熱アセンブリ間の固定された結合の結果として、加熱アセンブリの長手方向軸は、ハウジングの長手方向軸と実質的に平行に延在してもよい。特に、支持シリンダは、ハウジングの開口部518から受け入れベース534まで延在して、受け入れチャンバ536を作り出すことができる。
【0097】
エアロゾル源部材304の加熱される端部406は、制御本体302に挿入するためのサイズにされ形成される。様々な実施形態において、制御本体の受け入れチャンバ536は、内面および外面を有する壁によって画定されるものとして特徴付けることができ、内面は、受け入れチャンバの内部容積を画定する。例えば、図示の実施形態では、外側シリンダ530は、受け入れチャンバの内部容積を画定する内面を画定する。図示の実施形態では、外側シリンダの内径は、対応するエアロゾル源部材(例えば、滑り嵌めを作り出すために)の外径よりもわずかに大きいかまたはほぼ等しくてもよく、それにより、外側シリンダは、エアロゾル源部材を制御本体に対して適切な位置(例えば、横方向の位置)に案内するように構成される。したがって、エアロゾル源部材の最大外径(または実施形態の特定の断面形状に応じた他の寸法)は、制御本体内の受け入れチャンバの開放端の壁の内面における内径(または他の寸法)よりも小さくなるようなサイズにされることができる。いくつかの実施形態では、それぞれの直径の差は、エアロゾル源部材が受け入れチャンバにぴったりと嵌合するように十分に小さくてもよく、摩擦力は、エアロゾル源部材が印加された力なしで動かされるのを防ぐ。一方、差は、過度の力を必要とせずにエアロゾル源部材が受け入れチャンバにスライドして出入りするのを可能にするのに十分であり得る。
【0098】
図示の実施形態では、制御本体302は、エアロゾル源部材304が制御本体に挿入されると、加熱要素532(例えば、ヒータプロング)がエアロゾル源部材の加熱される端部406のエアロゾル前駆体組成物410の少なくとも一部のほぼ半径方向中心に置かれるように構成される。このようにして、固体または半固体エアロゾル前駆体組成物と共に使用されるとき、ヒータプロングはエアロゾル前駆体組成物と直接接触してもよい。チューブ構造を画定する押出エアロゾル前駆体組成物と共に使用されるときなどの他の実施形態では、ヒータプロングは、押出チューブ構造の内面によって画定されたキャビティの内側に置かれてもよく、押出チューブ構造の内面に接触しない。
【0099】
使用中、消費者は、加熱アセンブリ528、特にエアロゾル前駆体組成物410(またはその特定の層)に隣接する加熱要素532の加熱を開始する。エアロゾル前駆体組成物の加熱は、エアロゾル源部材304内の吸入可能な物質を放出して、吸入可能な物質を生み出す。消費者がエアロゾル源部材のマウスエンド408で吸入すると、空気は、制御本体302の開口部またはアパーチャなどの空気取り入れ口538を通ってエアロゾル源部材に吸引される。吸引された空気と放出された吸入可能な物質との組み合わせは、吸引された物質がエアロゾル源部材のマウスエンドから出るときに消費者によって吸入される。いくつかの実施形態では、加熱を開始するために、消費者は、加熱アセンブリの加熱要素に電池または他のエネルギー源から電気エネルギーを受け取らせる押しボタンまたは同様の構成要素を手動で作動させることができる。電気エネルギーは、所定の時間長にわたって供給されてもよく、または手動で制御されてもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、電気エネルギーの流れは、デバイス300の吹かしの間に実質的に進行しない(ただし、エネルギーの流れは、周囲温度よりも高いベースライン温度―例えば、活性加熱温度への急速加熱を容易にする温度を維持するように進行することがある)。しかしながら、図示の実施形態では、加熱は、流量センサ520などの1つ以上のセンサの使用を通して消費者の吹かすアクションによって開始される。吹かしが中止されると、加熱は停止または減少する。消費者が十分な量の吸入可能な物質(例えば、典型的な喫煙経験に同等の十分な量)を放出するように十分な回数の吹かしをした場合、エアロゾル源部材304は制御本体302から取り外され、廃棄されてもよい。いくつかの実施形態では、容量性感知要素および他のセンサなどのさらなる感知要素が、Phillipsらによる米国特許出願第15/707,461号明細書に論じられているように使用されてもよく、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0101】
様々な実施形態では、エアロゾル源部材304は、管状形状などの適切なコンフォメーションを形成および維持し、その中にエアロゾル前駆体組成物410を保持するのに適した任意の材料で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材は、単一の壁、または他の実施形態では多数の壁から形成されてもよく、本明細書でさらに論じるように、少なくとも電気加熱要素によって提供される加熱温度でその構造的完全性を保持する―例えば劣化しない―ように、耐熱性である材料(天然または合成)から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、耐熱性ポリマーが使用されてもよいが、他の実施形態では、エアロゾル源部材は、実質的にストロー形状の紙などの紙から形成されてもよい。本明細書でさらに論じるように、エアロゾル源部材は、それを通る蒸気の移動を実質的に防止するように働く、それに関連する1つ以上の層を有してもよい。1つの実施形態例では、アルミニウム箔層がエアロゾル源部材のうちの一方の表面に積層されてもよい。セラミック材料も使用され得る。さらなる実施形態では、エアロゾル前駆体組成物から熱を不必要に移動させないように、絶縁材料が使用されてもよい。上述の機能を提供するために使用され得る、または上述の材料および構成要素の代替物として使用され得る構成要素および材料のさらなる例示的なタイプは、Crooksらによる米国特許出願公開第2010/00186757号明細書、Crooksらによる米国特許出願公開第2010/00186757号明細書、およびSebastianらによる米国特許出願公開第2011/0041861号明細書に述べられ、これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる。
【0102】
図示の実施形態では、制御本体302は、電気加熱要素532に電力を提供することを含む、エアロゾル送達デバイス300の様々な機能を制御する制御構成要素522を含む。例えば、制御構成要素は、導電性ワイヤ(図示せず)によって電源524に接続された処理回路(本明細書でさらに説明されるように、さらなる構成要素に接続されてもよい)を含むことができる。様々な実施形態では、処理回路は、消費者による吸入のための吸入可能な物質の放出のために、加熱アセンブリ528、特にヒータプロングが電気エネルギーをいつどのように受け取ってエアロゾル前駆体組成物410を加熱するかを制御することができる。いくつかの実施形態では、そのような制御は、上記でより詳細に説明したように、流量センサ520によってアクティブ化することができる。
【0103】
図5および図6に見られるように、図示の実施形態の加熱アセンブリ528は、受け入れベース534から延在する外側シリンダ530と、加熱要素532(例えば、複数のヒータプロング)とを備える。エアロゾル前駆体組成物410が管構造を含むものなどのいくつかの実施形態では、ヒータプロングは、エアロゾル前駆体組成物の内面によって画定されたキャビティ内に延在するように構成されてもよい。エアロゾル前駆体組成物が固体または半固体を含む図示の実施形態などの他の実施形態では、複数のヒータプロングは、エアロゾル源部材が制御本体302に挿入されたときに、エアロゾル源部材304の加熱される端部406に含まれるエアロゾル前駆体組成物に貫通するように構成される。そのような実施形態では、ヒータプロングおよび/または受け入れベースを含む加熱アセンブリの構成要素の1つ以上は、非粘着性または粘着抵抗性材料、例えば、特定のアルミニウム、銅、ステンレス鋼、炭素鋼、およびセラミック材料で構成されてもよい。他の実施形態では、ヒータプロングおよび/または受け入れベースを含む加熱アセンブリの構成要素の1つ以上は、例えばTeflon(R)などのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)コーティング、または耐粘着性エナメルコーティングなどの他のコーティング、またはGreblon(R)、またはThermolon(TM)などのセラミックコーティングを含む非粘着コーティングを含むことができる。
【0104】
さらに、図示された実施形態では、受け入れベース534の周りに実質的に等しく分布した多数のヒータプロング532があるが、他の実施形態では、他の任意の適切な空間構成で、1つを含む任意の数のヒータプロングが使用されることができることに留意されたい。さらに、様々な実施形態において、ヒータプロングの長さは変化してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ヒータプロングは小さな突起を含むことができるが、他の実施形態では、ヒータプロングは、受け入れチャンバの全長の約25%まで、約50%まで、約75%まで、および約全長までを含む、受け入れチャンバ536の長さの任意の部分を延長することができる。さらに他の実施形態では、加熱アセンブリ528は、他の構成をとることができる。上記の議論により本発明での使用に適合させることができる他のヒータ構成の例は、Countsらによる米国特許第5,060,671号明細書、Deeviらによる米国特許第5,093,894号明細書、Deeviらによる米国特許第5,224,498号明細書、Sprinkel Jr.らによる米国特許第5,228,460号、Deeviらによる米国特許第5,322,075号明細書、Deeviらによる米国特許第5,353,813号明細書、Deeviらによる米国特許第5,468,936号明細書、Deeviらによる米国特許第5,498,850号明細書、Dasによる米国特許第5,659,656号明細書、Dasによる米国特許第5,498,855号明細書、Hajaligolによる米国特許第5,530,225号明細書、Hajaligolによる米国特許第5,665,262号明細書、およびDasらによる米国特許第5,573,692号明細書、Fleischhauerらによる米国特許第5,591,368号明細書に見出され、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0105】
様々な実施形態では、制御本体302は、内部に空気取り入れ口538(例えば、1つ以上の開口部またはアパーチャ)を含んで、周囲空気が受け入れチャンバ536の内部へ入るのを可能にしてもよい。このようにして、いくつかの実施形態では、受け入れベース534は空気取り入れ口も含むことができる。したがって、いくつかの実施形態では、消費者がエアロゾル源部材304のマウスエンドで吸引すると、空気は、制御本体および受け入れベースの空気取り入れ口を通って受け入れチャンバに吸引され、エアロゾル源部材に入り、消費者による吸入のためにエアロゾル源部材のエアロゾル前駆体組成物410を通って吸引され得る。いくつかの実施形態では、吸引された空気は、吸入可能な物質を任意選択のフィルタ414を通ってエアロゾル源部材のマウスエンド408の開口部から運び出す。加熱要素532がエアロゾル前駆体組成物の内側に配置された状態で、ヒータプロングがアクティブ化されて、エアロゾル前駆体組成物を加熱し、エアロゾル源部材を通して吸入可能な物質を放出させてもよい。
【0106】
特に図5および図6を参照して上述したように、本開示の様々な実施形態は、エアロゾル前駆体組成物410を加熱するために導電性ヒータを使用する。また上述したように、様々な他の実施形態は、エアロゾル前駆体組成物を加熱するために誘導ヒータを使用する。これらの実施形態のいくつかでは、加熱アセンブリ528は、誘導送信機および誘導受信機を備えた変圧器を含む誘導ヒータとして構成されてもよい。加熱アセンブリが誘導ヒータとして構成される実施形態では、外側シリンダ530は誘導送信機として構成されてもよく、受け入れベース534から延在する加熱要素532(例えば、複数のヒータプロング)は誘導受信機として構成されてもよい。様々な実施形態では、誘導送信機および誘導受信機のうちの一方または両方は、制御本体302および/またはエアロゾル源部材304内に置かれてもよい。
【0107】
様々な実施形態では、誘導送信機および誘導受信機としての外側シリンダ530および加熱要素532は、1つ以上の導電性材料で構築されてもよく、さらなる実施形態では、誘導受信機は、コバルト、鉄、ニッケル、およびそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない強磁性材料で構築されてもよい。1つの実施形態例では、箔材料は導電性材料で構成され、ヒータプロングは強磁性材料で構成される。様々な実施形態において、受け入れベースは、非導電性および/または絶縁性材料から構成されてもよい。
【0108】
誘導送信機としての外側シリンダ530は、支持シリンダを取り囲む箔材料を有する積層体を含むことができる。いくつかの実施形態では、箔材料は、その上に印刷された電気トレース、例えば、いくつかの実施形態では、箔材料が誘導受信機として加熱要素532の周りに配置されたときに螺旋コイルパターンを形成することができる1つ以上の電気トレースを含むことができる。箔材料および支持シリンダはそれぞれ、管状構成を画定することができる。支持シリンダは、箔材料がヒータプロングと接触し、それによってヒータプロングと短絡しないように、箔材料を支持するように構成されてもよい。このようにして、支持シリンダは、箔材料によって生成される発振磁場に対して実質的に透明であり得る非導電性材料を含むことができる。様々な実施形態では、箔材料は、支持シリンダ内に埋め込まれるか、そうでなければ結合されてもよい。図示の実施形態では、箔材料は、支持シリンダの外面と係合するが、他の実施形態では、箔材料は、支持シリンダの内面に配置されてもよく、または支持シリンダ内に完全に埋め込まれてもよい。
【0109】
外側シリンダ530の箔材料は、交流電流がそれを通して導かれたときに発振磁場(例えば、時間と共に周期的に変化する磁場)を作り出すように構成され得る。加熱要素532のヒータプロングは、外側シリンダ内に少なくとも部分的に配置または受け入れられ、導電性材料を含むことができる。箔材料通して交流電流を導くことにより、誘導によってヒータプロングに渦電流が発生されることができる。ヒータプロングを画定する材料の抵抗を通って流れる渦電流は、ジュール加熱(すなわち、ジュール効果を通して)によってそれを加熱することができる。ヒータプロングは、ヒータプロングに近接して配置されたエアロゾル前駆体組成物410からエアロゾルを形成するために無線で加熱されてもよい。
【0110】
エアロゾル送達デバイス、制御本体およびエアロゾル源部材の他の実施形態は、上記のSurらによる米国特許出願第15/916,834号明細書、Surらによる米国特許出願第15/916,696号明細書、およびSurらによる米国特許出願第第15/836,086号明細書に記載される。
【0111】
上述のように、実施形態例のエアロゾル送達デバイスは、電子タバコ、加熱式電子タバコまたは非燃焼加熱式デバイスの文脈において、または電子タバコと非燃焼加熱式デバイスの両方の機能を含むデバイスの場合であっても、様々な電子構成要素を含んでもよい。図7および図8は、本開示の様々な実施形態例による、エアロゾル送達デバイス100,300のうちのいずれか1つ以上の機能であるか、それらの機能を組み込むことができるエアロゾル送達デバイス700,800の回路図を示す。
【0112】
図7および図8に示すように、エアロゾル送達デバイス700,800は、制御構成要素704(処理回路706を有する)を有する制御本体702および電源708を含み、これらは制御本体102,302、制御構成要素208,522、および電源212,524の、それぞれの機能に対応するかまたはそれぞれの機能を含み得る。エアロゾル送達デバイスはまた、加熱要素228,534の機能に対応し得るかまたはそれらの機能を含み得る加熱要素710を含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル送達デバイス、特に制御本体は、電源704をエアロゾル送達デバイスまたは特に制御本体に接続するように構成された端子712を含み、電源は出力電圧を提供するように構成される。制御本体は、加熱要素、または加熱要素を制御本体に接続するように構成された第2の端子714を含み得る。
【0113】
いくつかの例では、エアロゾル送達デバイス700、800は、センサ210,520に対応するか、またはそれらの機能を含み得るセンサ716を含む。センサは、エアロゾル送達デバイスの少なくとも一部を通る空気の流れによって引き起こされる圧力の測定値を生成するか、そうでなければエアロゾル送達デバイスの使用を示す入力を受信するように構成された圧力センサであってもよい。センサは、測定値/ユーザ入力を対応する電気信号に変換するように構成され、これはアナログからデジタルへの変換を含むことができる。いくつかの例では、このセンサはデジタルセンサ、デジタル圧力センサなどであってもよく、そのいくつかの適切な例は株式会社村田製作所によって製造されている。
【0114】
処理回路706は、電源708からの出力電圧を、加熱要素710を含む負荷718に切り替え可能に接続し、それによって加熱要素に電力を供給するように構成されてもよい。より具体的には、例えば、処理回路は、センサ716から対応する電気信号を受信し、それに応答して、加熱要素を含む負荷に電源を接続し、それによって加熱要素に電力を供給するように構成されてもよい。処理回路は、対応する電気信号を処理してオン/オフ状態を決定するように構成されてもよく、センサによって生成された測定値/ユーザ入力に比例して、電源の出力電圧の負荷への切り替え接続を変調してもよい。
【0115】
いくつかの例では、制御構成要素704は、電源706と加熱要素710(または加熱要素を含む負荷)とに結合され、電源706と加熱要素710(または加熱要素を含む負荷)との間にある、処理回路706によって制御可能なハイサイド(high-side)負荷スイッチ(LS)などのスイッチ720をさらに含み、電源708からの出力電圧を、加熱要素を含む負荷に接続および切断する。いくつかのより具体的な例では、処理回路は、加熱期間中にパルス幅変調(PWM)信号を出力して、加熱要素に電力を供給するために、スイッチに(電源の)出力電圧を切り替え可能に接続および切断させるように構成されてもよい。加熱期間は、エアロゾル送達デバイス700の少なくとも一部を通る空気の流れを引き起こすユーザの吹かしによって開始されてもよい。PWM信号はパルスを含み、パルスにわたって加熱要素への出力電圧が接続されることができ、パルスの間に加熱要素への出力電圧が切断されることができる。
【0116】
いくつかの例では、処理回路706は、加熱要素710を通る加熱電流IHEATER、加熱要素にわたる加熱電圧VHEATER、および/または電源708からの出力電圧VOUTPUTを測定するように構成されてもよい。加熱電流は、図7に示すように、電流感知回路722からなど、いくつかの異なる方法で測定することができる。同様に、図7にも示すように、加熱電圧は、処理回路への加熱電圧を低減するように構成された分圧器724を使用するなど、いくつかの異なる方法で測定されることができる。また示されるように、図7および図8の両方において、エアロゾル送達デバイスは、処理回路が電源708からの出力電圧VOUTPUTを測定することができる(第2の)分圧器を含むことができる。いくつかの例では、処理回路は、実際の加熱電流、加熱電圧および/または出力電圧(または低減された電圧)で動作してもよく、または処理回路は、実際の電流および電圧をそれぞれのデジタル均等物に変換するように構成された1つ以上のアナログ-デジタル変換器(ADC)を含んでもよい。
【0117】
図8に示すように、いくつかの例では、エアロゾル送達デバイス800の処理回路706は、既知の電流IKNOWNのパルスを加熱要素710に出力するように構成されてもよく、これはいくつかの例では固定した電流であってもよい。これらの例のいくつかでは、この既知の電流は、加熱要素710を通る加熱電流IHEATERに等しいかまたは実質的に等しくてもよく、その場合、処理回路は、電流感知回路722なしで加熱電流を測定できる。また、これらの例のいくつかでは、既知の電流は、適切な電流制限回路826の使用などによって電流制限されてもよい。
【0118】
図8のエアロゾル送達デバイス800のいくつかの例では、加熱要素710は、可変であり加熱要素の温度に比例する抵抗を有してもよい。そして、処理回路は、既知の電流IKNOWNのパルスを加熱要素710に出力し、PWM信号の隣接するパルス間の加熱要素にわたる電圧、すなわち加熱電圧VHEATERを測定するようにさらに構成されてもよい。図9は、パルス902を含む例示的なPWM信号900を示し、パルス902にわたって加熱要素への出力電圧VOUTPUTが接続されることができ、パルス902の間に加熱要素への出力電圧が切断されることができる。図10は、IKNOWNが加熱要素に出力されるときのパルス間のVHEATERの測定値と重ね合わされた例示的なPWM信号を示す図である。パルス自体は、加熱要素にわたる電圧を生成させ、既知の電流は、その電圧が電源によって提供される出力電圧の半分未満であるように選択されてもよい。
【0119】
いくつかの例では、既知の電流のパルス902は、PWM信号900のパルス間に散在されてもよい。これらの例のいくつかでは、処理回路706は、パルスの各々について加熱要素にわたる電圧VHEATERを測定するように構成されてもよい。
【0120】
図8に戻ると、処理回路706は、以下のように、既知の電流および電圧に基づいて加熱要素の抵抗RHEATERを計算するように構成されてもよい:
HEATER=VHEATER/IKNOWN(1)
次いで、処理回路は、以下に従ってなど、抵抗に基づいて加熱要素の温度THEATERを計算することができる:
HEATER=TNOM+((RNOM×RHEATER)/(TCR×RNOM))(2)
上記において、TNOMは加熱要素の周囲温度または公称(nominal)温度であり、RNOMはTNOMにおける加熱要素の公称抵抗であり、TCRは加熱要素の抵抗の温度係数である。
【0121】
いくつかの例では、処理回路706は、加熱期間にわたって、既知の電流のパルス902の各々について加熱要素710の温度を計算することができる。処理回路は、センサ716によって測定され得る、エアロゾル送達デバイスの少なくとも一部を通る空気の流れを引き起こすユーザの吹かしに応答してなど、加熱期間が開始されたときに始めることができる。これにより、エアロゾル送達デバイスは、前の加熱期間からの、加熱要素における任意の余熱に対処することができる。
【0122】
処理回路706は、温度が所定の目標から逸脱したときにPWM信号900のデューティサイクルを調整するようにさらに構成されてもよい。これは、温度が所定の目標をそれぞれ下回るか上回るときにPWM信号のデューティサイクルを増減させるように構成された処理回路を含むことができる。すなわち、処理回路は、温度が所定の目標を下回るときにデューティサイクルを増加させ、温度が所定の目標を上回るときにデューティサイクルを減少させることができる。いくつかの例では、処理回路は、加熱期間にわたって加熱要素の温度を繰り返し計算することができる。処理回路は、センサ716によって測定され得る、エアロゾル送達デバイスの少なくとも一部を通る空気の流れを引き起こすユーザの吹かしに応答してなど、加熱期間が開始されたときに始めることができる。これにより、エアロゾル送達デバイスは、前の加熱期間からの、加熱要素における任意の余熱に対処することができる。
【0123】
いくつかの例では、目標は目標設定点温度であってもよい。他の例では、目標はある範囲の温度であってもよい。適切な温度範囲の一例は、目標設定点温度+/-目標設定点温度からの許容公差によって反映される。適切な温度範囲が使用されて、追加されたヒステリシスの量を反映することもできる。これらの例のいくつかでは、処理回路706は、温度が第1の目標設定点温度を下回るときにデューティサイクルを増加させ、温度が第1の目標設定点温度よりも高い第2の目標設定点温度を上回るときにデューティサイクルを減少させることができる。
【0124】
いくつかの例では、目標は、使用期間中に適用され得る温度または電力制御プロファイルに従って経時的に変化し得る。いくつかの例では、目標は、センサ716によって生成されたエアロゾル送達デバイス700のハウジングの少なくとも一部(例えば、ハウジング206,516)を通る空気流によって引き起こされる圧力の測定値に従って変化するか、そうでなければ可変であり得る。より具体的な例では、目標は、圧力と目標との間の所定の関係に従って可変であってもよい。適切な所定の関係の例は、ステップ関数、線形関数、非線形関数、またはそれらの組み合わせによって記述されることができる。
【0125】
いくつかの例では、加熱期間は多数の部分に分割されてもよく、目標は異なる部分について異なり得る。目標は、加熱期間が開始された後の加熱期間の第1の部分の、第1の目標設定点温度またはプロファイルと、加熱期間の第2の部分の、第2の目標設定点温度またはプロファイルとを含むことができる。より具体的な例では、目標は、加熱期間の第1の部分の目標設定点温度、および加熱期間の第2の部分の圧力によって目標が変化するプロファイルを含むことができる。
【0126】
いくつかの例では、PWM信号が存在せず、加熱要素710への出力電圧が切断される加熱期間の外側で、処理回路706は、既知の電流の第2のパルスを加熱要素に出力し、加熱要素にわたる第2の電圧を測定するようにさらに構成されてもよい。処理回路は、上記の式(1)などに従って、既知の電流IKNOWNおよび第2の電圧VHEATERに基づいて、加熱要素の公称抵抗RNOMを計算するように構成されてもよい。処理回路は、以下のように、公称抵抗に基づいて加熱要素の公称温度TNOMを計算することができる:
NOM=(((RNOM/RROOM)-1)/TCR)+TROOM(3)
式(3)において、TROOMは室温(例えば、20°C)を指し、RROOMはTROOMにおける加熱要素の抵抗を指す。他の例では、公称温度は、圧力センサ、マイクロコントローラユニット(MCU)、独立した負温度係数サーミスタ(NTC)、または温度を直接測定するように構成された赤外線温度センサなどの別個の構成要素を使用して決定されてもよい。公称温度がどのように決定されるかにかかわらず、処理回路は、次いで、上記のように、加熱要素の公称温度にさらに基づいて加熱要素の温度を計算するように構成されてもよい。
【0127】
いくつかの例では、エアロゾル送達デバイス700、800の処理回路706は、加熱期間中に加熱要素710における熱量を計算するか―または繰り返し計算し―加熱要素における熱量が閾値熱量よりも大きいときに、加熱要素のロックアウトを実行するようにさらに構成されてもよい。この熱量はジュールで測定されてもよいが、熱量は英国熱量単位(BTU)、カロリーなどの他の単位で測定されてもよい。
【0128】
いくつかの例では、ここでも、加熱期間は、エアロゾル送達デバイス700の少なくとも一部を通る空気の流れを引き起こすユーザの吹かしによって開始されてもよい。これらの例のいくつかでは、加熱要素における熱量の計算は、加熱要素を通る加熱電流IHEATERおよび加熱要素にわたる加熱電圧VHEATERを測定するように構成された処理回路706を含む。ここでも、加熱電流は、図7に示すような電流感知回路722からなど、いくつかの異なる方法で測定されることができる。同様に、加熱電圧は、処理回路への加熱電圧を低減するように構成された分圧器724を使用するなど、いくつかの異なる方法で測定されることができる。
【0129】
加熱電流IHEATERおよび加熱電圧VHEATERが測定されるまさにその方法にかかわらず、いくつかの例では、処理回路706は、以下のように、加熱電流、加熱電圧、経過時間、およびPWM信号のデューティサイクルに基づいて、加熱要素710に加えられる第1の熱量を計算するように構成されてもよい:
=VHEATER×IHEATER×Time×Duty(4)
式(4)において、Qは第1の熱量であり、Timeは経過時間であり、DutyはPWM信号のデューティサイクルである。
【0130】
処理回路706は、Qとして表されことができる、ユーザの吹かしによって引き起こされる空気の流れに起因する強制対流によって加熱要素から除去される第2の熱量を決定するように構成されることができる。また、処理回路は、例えば、以下の式(5)に従って、第1の熱量および第2の熱量に基づいて、加熱要素における熱量を計算するように構成されてもよく、ここで、QHEATERは、加熱要素における熱量である:
HEATER=Q-Q(5)
【0131】
いくつかの例では、通常の吹かし条件下でのQHEATERの計算は、吹かしの体積流量、したがって強制対流による熱損失Qの使用を伴い得る。流量は、予め設定されてもよく、あるいは実験的研究または処理回路706への他のパラメトリックな入力から決定されてもよい。流量は、吹かし圧のアナログ表現(センサ716が真の圧力をアナログ信号に変換する)によって、またはそうでなければエアロゾル送達デバイス700、800を通る空気流のアナログ表現を提供し得る別のセンサの追加によって外挿されてもよい。次いで、センサからの信号を使用して、ルックアップテーブルから実験的に導出された値を引き出すことができる。適切なセンサの一例は、参照により本明細書に組み込まれる、Lambらによる米国特許出願公開第2016/0128389号明細書に記載されているようなMEMSマイクロホンである。適切なセンサの別の例は、流路内の絶対流量計(または流量センサ)であり、吹かしの体積流量、したがって強制対流による熱損失を測定するように構成される。
【0132】
エアロゾル送達デバイス700、800の処理回路706は、加熱要素における熱量QHEATERが閾値熱量よりも大きいときに、加熱要素710のロックアウトを実行するように構成されてもよい。加熱要素のロックアウトは、いくつかの異なる方法で実施されることができる。処理回路は、スイッチ720へのPWM信号を抑制し、それによって、加熱要素の熱量が閾値熱量未満の量になるまで、電源708から加熱要素への出力電圧を切断したままにすることができる。いくつかの例では、加熱要素のロックアウトは、PWM信号を中断して、スイッチに加熱要素への出力電圧を切断させ、加熱要素の熱量が閾値熱量未満の量になるまで、電源から加熱要素への出力電圧を切断したままにするように構成された処理回路を含み得る。
【0133】
追加的または代替的に、いくつかの例では、処理回路706は、加熱要素710と回路グランドとの間に接続された第2のスイッチ726にイネーブル信号を出力し、第2のスイッチを閉じさせ、それによって加熱要素を通る電流の流れを可能にすることができる。次いで、加熱要素のロックアウトは、イネーブル信号を抑制して第2のスイッチを開かせ、それによって加熱要素に開回路状態を引き起こすように構成された処理回路を含むことができる。次いで、第2のスイッチは、加熱要素における熱量が閾値熱量未満の量になるまで開いたままにすることができる。
【0134】
いくつかのさらなる例では、加熱要素710のロックアウトは、Qとして表され得る、加熱要素の周囲空気への暴露に起因する自然対流によって加熱要素から除去される第3の熱量を決定するように構成された処理回路706をさらに含む。この熱除去は、多くの場合、ユーザの吹かしによって引き起こされる強制対流によって除去される熱よりもはるかに小さい(すなわち、Q<<Q)。処理回路は、以下の式(6)に従って、加熱要素での熱量、および第3の熱量に基づいて、加熱期間からの、加熱要素での余熱量を計算するように構成されることができ、QHEATER_REMAINは、発熱体における任意の余熱量である:
HEATER_REMAIN=QHEATER-Q(6)
次いで、処理回路は、加熱要素における任意の余熱量が閾値熱量未満の量になるまで、電源708から加熱要素への出力電圧を切断したままにするように構成されてもよい。
【0135】
いくつかの例では、ユーザの吹かしは、エアロゾル送達デバイス700の少なくとも一部を通る第2の空気の流れを引き起こし、第2の加熱期間を開始させる第2のユーザの吹かしも含む複数のユーザの吹かしのうちの1つである。これらの例のいくつかでは、加熱期間と第2の加熱期間との間に、処理回路706は、Qを決定し、上記の式(6)などに従って、加熱期間からの、加熱要素710における任意の余熱の量を計算するようにさらに構成されてもよい。次いで、処理回路は、式(7)などに従って、加熱期間からの、加熱要素における任意の余熱量に基づいて、第2の加熱期間中の加熱要素における熱量を計算するようにさらに構成されてもよい:
HEATER(2)=QHEATER_REMAIN+Q1(2)-Q2(2)(7)
上記において、括弧(2)は、第2のユーザの吹かしのための第2の加熱期間中の量を示す。
【0136】
強制対流による熱損失と同様に、いくつかの例では、QHEATER_REMAINの計算は、加熱要素の周囲空気への暴露による熱損失Qの理解を含むことができる。加熱要素RHEATERの抵抗は、上記のように周期的に測定または計算されることができ、そこから上述のようにQが決定されることができる。いくつかの例では、周囲損失を有意にするために必要な加熱期間と比較して加熱期間が比較的短い可能性があるため、Qは単に無視されてもよい(Q>>Q)。
【0137】
いくつかの例では、処理回路706は、加熱要素710に電力を供給し、加熱要素のロックアウトを監視(計算)し実行するための別個の特有のプロセッサを含むことができる。図11は、いくつかの例では処理回路1100に対応し得る処理回路706を示す。図11に示すように、処理回路は、加熱期間中にPWM信号を出力して、加熱要素に電力を供給するために、スイッチ720に、加熱要素への出力電圧を切り替え可能に接続および切断させるように構成されたプロセッサ1102を含むことができる。処理回路はまた、PWM信号がスイッチに行くことを可能にするように設計されたイネーブル信号を出力するように構成された第2のプロセッサ1104を含んでもよい。これに関して、PWM信号およびイネーブル信号は、イネーブル信号が提供されるときにのみPWM信号が出力される論理積を実施するように構成されたANDゲート1106に入力されてもよい。これらの実施形態においてロックアウトを実行するために、第2のプロセッサはイネーブル信号を抑制し、それによってANDゲートにスイッチへのPWM信号を抑制させることができる。
【0138】
図12は、他の例では、特にエアロゾル送達デバイス700、800が加熱要素710と回路接地との間に接続された第2のスイッチ726を含む実施形態において、処理回路706に対応し得る処理回路1200を示す。これらの実施形態例では、プロセッサ1102は、加熱期間中にPWM信号を出力して、加熱要素に電力を供給するために、スイッチ720に、加熱要素への出力電圧を切り替え可能に接続および切断させることができる。第2のプロセッサ1104は、第2のスイッチ726にイネーブル信号を出力して加熱要素を通る電流の流れを可能にし、ロックアウト中にイネーブル信号を抑制して第2のスイッチを開放させ、それによって加熱要素に開回路状態を生じさせてもよい。
【0139】
図13は、本開示の実施形態例による、エアロゾル送達デバイス700、800を制御する方法1300における様々な動作を示すフローチャートである。ブロック1302に示すように、本方法は、PWM信号に従って加熱要素に電力を供給するために、加熱要素710への出力電圧を切り替え可能に接続および切断することを含むことができる。PWM信号はパルスを含み、パルスにわたって加熱要素への出力電圧が接続され、パルスの間に加熱要素への出力電圧が切断される。
【0140】
方法1300は、ブロック1304に示すように、加熱要素に既知の電流のパルスを出力することと、PWM信号の隣接するパルス間で加熱要素710にわたる電圧を測定することとを含むことができる。方法は、ブロック1306および1308に示すように、既知の電流および電圧に基づいて加熱要素の抵抗を計算することと、抵抗に基づいて加熱要素の温度を計算することとを含むことができる。また、本方法は、ブロック1310に示すように、温度が所定の目標から逸脱したときにPWM信号のデューティサイクルを調整することを含むことができる。
【0141】
図14は、本開示の実施形態例による、エアロゾル送達デバイス700,800を制御する別の方法1400における様々な動作を示すフローチャートである。前述と同様に、方法は、ブロック1402に示すように、PWM信号に従って加熱要素に電力を供給するために、加熱要素710への出力電圧を切り替え可能に接続および切断することを含むことができる。ここでもPWM信号はパルスを含み、パルスにわたって加熱要素への出力電圧が接続され、パルスの間に加熱要素への出力電圧が切断される。また示されるように、方法は、ブロック1404および1406に示されるように、加熱期間中に加熱要素における熱量を計算することと、加熱要素における熱量が閾値熱量よりも大きいときに、加熱要素のロックアウトを実行することとをさらに含む。
【0142】
物品の使用の上述の説明は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして当業者には明らかであり得る軽微な変更を介して、本明細書に説明される様々な実施形態例に適用されることができる。しかしながら、上述の使用の説明は、物品の使用を限定することが意図されるものではなく、本開示の全ての必要な開示要件に従うために提供される。図1から図12に示されたか、そうでなければ上述に説明された物品に示された要素はいずれも、本開示によるエアロゾル送達デバイスに含まれ得る。
【0143】
本開示の多くの変更および他の実施形態を、前述の説明および関連する図面に示された教示の利益を有する当業者は、思い付くであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるべきである。本明細書では特定の用語が使用されているが、それらは一般的で説明的な意味でのみ使用され、限定のためではない。
図1
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図14