(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】心不全患者の体液過剰の急性治療のための方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 17/12 20060101AFI20240222BHJP
A61F 2/07 20130101ALI20240222BHJP
A61M 25/10 20130101ALI20240222BHJP
【FI】
A61B17/12
A61F2/07
A61M25/10 510
(21)【出願番号】P 2021561717
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 US2020028533
(87)【国際公開番号】W WO2020214819
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-12-03
(32)【優先日】2019-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ケビン ケー.コフマン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン ディー.ヘマー
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー イー.ジョンストン
(72)【発明者】
【氏名】エリック エー.モケルク
(72)【発明者】
【氏名】マーク イー.トロカンスキー
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0206974(US,A1)
【文献】特開2016-202555(JP,A)
【文献】特表2018-535810(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0085128(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0178750(US,A1)
【文献】特開2016-000180(JP,A)
【文献】国際公開第2018/140637(WO,A1)
【文献】特表2007-521034(JP,A)
【文献】特表2002-537909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00-18/18
A61F 2/07
A61M 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の血管内の血流の急性変化のための留置型メディカルデバイスであって、
カテーテル、
前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、血管の血管壁に向かい合うように構成された血管対向部材部分、及び、
前記血管対向部材部分内に配置され、血管を通る血流のための管腔を含む、流れ変更要素、
を含み、
前記血管対向部材は、前記留置型メディカルデバイスの位置で血流が前記管腔を通してのみ押し進められるように構成されており、および前記流れ変更要素は、前記管腔を通る血流を変化させて血管内の血流を制限し、そして患者の生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成されて
おり、
前記血管対向部材部分は、前記血管壁に接触するための少なくとも1つの外側バルーンを含む、
留置型メディカルデバイス。
【請求項2】
前記血管は大動脈であり、前記血管対向部材部分は、大動脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎動脈の遠位の大動脈に位置する導管内に40%~80%の狭くなった流れ管腔を形成し、大動脈の少なくとも1つの分岐血管への血流を変化させて一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されている、請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
前記血管は大静脈であり、前記血管対向部材部分は、大静脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎静脈の遠位にある大静脈に位置する導管内に40%~90%の狭くなった流れ管腔を形成し、一方又は両方の腎静脈を通る血流を変化させて一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されている、請求項1記載のデバイス。
【請求項4】
前記血管対向部材部分は、一方又は両方の腎静脈の上流に配置され、前記流れ変更要素は、一方又は両方の腎静脈からの血圧を低下させて腎臓を通る血流を促進するように構成されている、請求項3記載のデバイス。
【請求項5】
前記流れ変更要素は、バルーン、ステント、ステントグラフト、シース及び制限バンドのうちの少なくとも1つであり、前記血管対向部材部分は、外側バルーン、ステント、又はポリマー材料の少なくとも1つ又は複数の要素を含む、請求項1~4のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項6】
前記流れ変更要素はバルーンであり、前記血管対向部材部分は、少なくとも1つの外側バルーンであり、前記外側バルーン及び流れ変更要素を膨張及び収縮させるように構成された複数の膨張ポートをさらに含む、請求項5記載のデバイス。
【請求項7】
前記外側バルーン及び流れ変更要素は実質的に同様の長さである、請求項6記載のデバイス。
【請求項8】
前記流れ変更要素の長さは、前記外側バルーンの長さよりも短い、請求項6記載のデバイス。
【請求項9】
前記複数のポートのうちの1つは、外側バルーンの少なくとも一部の内直径を制限する流れを提供して管腔を変化させるように構成されている、請求項6~8のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項10】
前記カテーテルに結合され、内側又は外側バルーン内に配置された複数のストラットをさらに含み、前記複数のストラットは、前記バルーンを支持するように構成されている、請求項6~9のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項11】
前記流れ変更要素の管腔は、筒形、砂時計形、円形制限部分を有する形状、段差状制限部分を有する形状、傾斜した形状及び尖った形状のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~10のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項12】
前記流れ変更要素は、バルーン、ステント、ステントグラフト、制限バンド及びシースのうちの少なくとも1つである、請求項1~11のいずれか1項記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年7月23日に出願された仮出願第62/877,624号の利益を主張し、また、2019年4月17日に出願された仮出願第62/835,190号の利益を主張し、これらは両方とも、すべての目的のために全体が参照により本明細書に取り込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、心不全及び/又は他の心血管疾患を治療するためのシステム、メディカルデバイス及び方法に関する。より具体的には、本開示は、患者の心臓への圧力を増加させる過剰流体の蓄積を取り除くことによる急性治療に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
心不全を経験している患者は、体内に過剰な流体が蓄積している可能性がある。過剰な流体の蓄積は、間質腔への流体の蓄積を増加させ、すでに機能不全に陥っている心臓に負荷を加える可能性がある。過剰な流体(又は循環血液量増加)は、心不全患者の入院の主な原因である(米国で年間約1,000,000件)。
【0004】
過剰な流体の蓄積の治療は、利尿薬(又は他の医薬品)によって薬学的に治療することができる。しかしながら、患者は、薬剤耐性、不正確な投薬、又は、薬の指示もしくは食事療法に従わないという不履行などの他の問題を経験する可能性がある。腎機能に影響を与えることによって薬効に代わる又は薬効を増強するインプラント型又は留置型デバイス解決策などの非医薬品的選択肢は、体内の過剰な流体の蓄積の治療におけるこれら及び他の問題を回避するために有益である可能性がある。同様に、慢性高血圧(高血圧症)も降圧薬(又は他の医薬品)によって薬学的に管理することができる。さらに、他の病状は、低血圧、心拍出量の低下及び腎機能の低下をもたらす可能性がある。腎臓が全身血圧の調節及び交感神経の活動又は緊張の調節において中心的な役割を果たす限り、腎機能に影響を与えることによって薬効に代わる又は薬効を増強するインプラント型又は留置型デバイス解決策などの非医薬品選択肢は、高血圧及び他の病状を管理する代替手段を提供することができる。
【発明の概要】
【0005】
要旨
1つの例(「例1」)によれば、患者の血管内の血流の急性変化のための留置型メディカルデバイスは、カテーテル、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、血管の血管壁に向かい合うように構成された血管対向部材部分、及び、前記血管対向部材部分内に配置され、血管を通る血流のための管腔を含み、前記管腔を通る血流を変化させて血管内の血流を制限し、そして患者の生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成された流れ変更要素を含む。
【0006】
別の例(「例2」)によれば、例1のデバイスに加えて、前記血管は大動脈であり、前記血管対向部材部分は、大動脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎動脈の遠位の大動脈に位置する導管内に約40%~約80%の狭くなった流れ管腔を形成し、大動脈の少なくとも1つの分岐血管への血流を変化させて一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されている。
【0007】
別の例(「例3」)によれば、例1のデバイスに加えて、前記血管は大静脈であり、前記血管対向部材部分は、大静脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎静脈の遠位にある大静脈に位置する導管内に約40%~約90%の狭くなった流れ管腔を形成し、一方又は両方の腎静脈を通る血流を変化させて一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されている。
【0008】
別の例(「例4」)によれば、例3のデバイスに加えて、前記血管対向部材部分は、腎静脈の一方又は両方の上流に配置され、前記流れ変更要素は、一方又は両方の腎静脈からの血圧を低下させて腎臓を通る血流を促進するように構成されている。
【0009】
別の例(「例5」)によれば、例1~4のいずれか1つのデバイスに加えて、前記流れ変更要素は、バルーン、ステント、ステントグラフト、シース及び制限バンドのうちの少なくとも1つであり、前記血管対向部材部分は、外側バルーン、ステント、ポリマー材料又は他の構造などの少なくとも1つ又は複数の要素を含む。
【0010】
別の例(「例6」)によれば、例5のデバイスに加えて、前記流れ変更要素はバルーンであり、前記血管対向部材部分は、少なくとも1つの外側バルーンであり、前記外側バルーン及び流れ変更要素を膨張及び収縮させるように構成された複数の膨張ポートをさらに含む。
【0011】
別の例(「例7」)によれば、例6のデバイスに加えて、前記外側バルーン及び流れ変更要素は実質的に同様の長さである。
【0012】
別の例(「例8」)によれば、例5のデバイスに加えて、前記流れ変更要素の長さは、前記外側バルーンの長さよりも短い。
【0013】
別の例(「例9」)によれば、例6~8のいずれか1つのデバイスに加えて、前記複数のポートのうちの1つは、外側バルーンの少なくとも一部の内直径を制限する流れを提供して管腔を変化させるように構成されている。
【0014】
別の例(「例10」)によれば、例6~8のいずれか1つのデバイスに加えて、前記デバイスはまた、前記カテーテルに結合され、内側又は外側バルーン内に配置された複数のストラットを含み、前記複数のストラットは、前記バルーンを支持するように構成されている。
【0015】
別の例(「例11」)によれば、例1~10のいずれか1つのデバイスに加えて、前記流れ変更要素の管腔は、筒形、砂時計形、円形制限部分を有する形状、段差状制限部分を有する形状、傾斜した形状及び尖った形状のうちの少なくとも1つを含む。
【0016】
別の例(「例12」)によれば、例1~11のいずれか1つのデバイスに加えて、前記流れ変更要素は、バルーン、ステント、ステントグラフト、制限バンド及びシースのうちの少なくとも1つである。
【0017】
別の例(「例13」)によれば、患者の一方又は両方の腎臓への血流を増加させて尿産生を増加させる方法は、例1~12のいずれか1つのデバイスを含む。
【0018】
1つの例(「例14」)によれば、患者の大動脈又は大静脈における血流の急性変化のための留置型メディカルデバイスは、カテーテル、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在している導管、及び、前記導管の周囲に配置され、張力に応答して大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように前記管腔を通る血流を変化させるように構成された少なくとも1つの拘束繊維を含む。
【0019】
別の例(「例15」)によれば、例14のデバイスに加えて、前記導管は、大動脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎動脈の遠位の大動脈の導管内に約40%~約80%の狭くなった流れ管腔を作製して、腎臓への血流を促進するように構成されている。
【0020】
別の例(「例16」)によれば、例14のデバイスに加えて、前記導管は、大静脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎静脈の遠位の大静脈に位置する約40%~約90%の狭くなった流れ管腔を作製して、腎臓への血流を促進するように構成されている。
【0021】
別の例(「例17」)によれば、例16のデバイスに加えて、前記導管は一方又は両方の腎静脈の上流に配置され、前記少なくとも1つの拘束繊維は、一方又は両方の腎静脈から血圧を低下させ、腎臓を通る血流を促進するように構成されている。
【0022】
別の例(「例18」)によれば、例14~17のいずれか1つのデバイスに加えて、前記少なくとも1つの拘束繊維は前記導管の長さに沿って異なる部分に配置された複数の拘束繊維を含む。
【0023】
別の例(「例19」)によれば、患者の一方又は両方の腎臓への血流を増加させて尿産生を増加させる方法は、例14~18のいずれか1つのデバイスを含む。
【0024】
1つの例(「例20」)によれば、患者の大動脈又は大静脈における血流の急性変化のための留置型メディカルデバイスは、カテーテル、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在している導管、及び、前記導管の管腔内に配置され、前記管腔を通る血流を変化させて大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓に入る又はから出る血流を変化させるように構成されたリーフレット構造を含む。
【0025】
別の例(「例21」)によれば、例20のデバイスに加えて、前記導管は、大動脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎動脈の遠位にある大動脈の約40%~約80%の狭くなった流れ管腔を作製して腎臓への血流を促進するように構成されている。
【0026】
別の例(「例22」)によれば、例20のデバイスに加えて、前記導管は、大静脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎静脈の遠位にある大静脈の約40%~約90%の狭くなった流れ管腔を作製して腎臓への血流を促進するように構成されている。
【0027】
別の例(「例23」)によれば、例22のデバイスに加えて、前記導管は、一方又は両方の腎静脈の上流に配置され、前記リーフレット構造は、腎静脈の一方又は両方から血圧を低下させて腎臓を通る血流を促進するように構成されている。
【0028】
別の例(「例24」)によれば、例20~23のいずれか1つのデバイスに加えて、前記リーフレット構造を開閉するように構成された1つ以上の作動部材をさらに含む。
【0029】
別の例(「例25」)によれば、例24のデバイスに加えて、前記1つ以上の作動部材は、前記リーフレット構造内の各リーフレットを開閉するように構成された単一の作動部材を含む。
【0030】
別の例(「例26」)によれば、例24のデバイスに加えて、前記1つ以上の作動部材は、前記リーフレット構造内のリーフレットの数に等しい数の作動部材を含む。
【0031】
別の例(「例27」)によれば、例24~26のいずれか1つのデバイスに加えて、前記リーフレット構造は、前記リーフレット構造の開閉を促進するために前記管腔内に配置されたヒンジ部材に結合されている。
【0032】
別の例(「例28」)によれば、患者の一方又は両方の腎臓に入る又はから出る血流を増加させて尿産生を増加させる方法は、例20~28のいずれか1つのデバイスを含む。
【0033】
1つの例(「例29」)によれば、患者の大動脈又は大静脈における血流の急性変化のための留置型メディカルデバイスは、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成された上部、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成された下部、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、前記上部と前記下部との間に配置された導管、及び、前記上部及び前記下部のうちの少なくとも1つを回転させて管腔を通る血流を変化させて大動脈又は大静脈内の血流を制限し、一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されたカテーテルを含む。
【0034】
別の例(「例30」)によれば、例29のデバイスに加えて、前記上部及び前記下部は、大動脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎動脈の遠位にある大動脈内に位置する導管内に約40%~約80%の狭くなった流れ管腔を作製して腎臓への血流を増加させるように構成されている。
【0035】
別の例(「例31」)によれば、例29のデバイスに加えて、前記上部及び前記下部は、大静脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎静脈の遠位にある大静脈内に位置する同管内に約40%~約90%の狭くなった流れ管腔を作製して一方又は両方の腎静脈を通る血流を変化させるように構成されている。
【0036】
別の例(「例32」)によれば、例31のデバイスに加えて、前記上部及び前記下部は、一方又は両方の腎静脈の上流に配置され、一方又は両方の腎静脈から血圧を低下させて腎臓を通る血流を促進するように構成されている。
【0037】
別の例(「例33」)によれば、例29~32のいずれか1つのデバイスに加えて、前記カテーテルと、前記カテーテルの回転に応答して前記上部を回転させるように構成された前記上部とに結合された第一の複数のストラット、及び、前記カテーテルと、前記カテーテルの回転に応答して前記下部を回転させるように構成された前記下部とに結合された第二の複数のストラットをさらに含む。
【0038】
別の例(「例34」)によれば、例29~33のいずれか1つのデバイスに加えて、前記カテーテルは、前記上部及び前記下部を独立して回転させるように構成されている。
【0039】
別の例(「例35」)によれば、例29~34のいずれか1つのデバイスに加えて、前記導管は実質的に筒形であり、前記上部及び前記下部のうちの少なくとも1つの直径よりも小さい直径を含む。
【0040】
別の例(「例36」)によれば、患者の一方又は両方の腎臓への血流を増加させて尿産生を増加させる方法は、例30~36のいずれか1つのデバイスを含む。
【0041】
別の例(「例37」)によれば、患者の心不全の急性治療の方法は、患者の大動脈又は大静脈内でカテーテルに結合された留置型メディカルデバイスを配置すること、前記留置型メディカルデバイスを通る血流を制限して、患者内の過剰な流体の蓄積を減らすことにより、生理学的に媒介される治療応答を誘発すること、及び、前記留置型メディカルデバイスを患者の大動脈又は大静脈から取り外すことを含む。
【0042】
別の例(「例38」)によれば、例37の方法に加えて、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、そして大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成された血管対向部材部分、及び、前記血管対向部材部分内に配置され、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含み、前記管腔を通る血流を変化させて、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成された流れ変更要素を含む。
【0043】
別の例(「例39」)によれば、例37の方法に加えて、前記留置型メディカルデバイスは、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在している導管、及び、前記導管の周囲に配置され、張力に応答して前記管腔を通る血流を変化させて大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成された少なくとも1つの拘束繊維を含む。
【0044】
別の例(「例40」)によれば、例37の方法に加えて、前記留置型メディカルデバイスは、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在している導管、及び、前記導管の管腔内に配置され、前記管腔を通る血流を変化させて大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されたリーフレット構造を含む。
【0045】
別の例(「例41」)によれば、例37の方法に加えて、前記留置型メディカルデバイスは、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成された上部、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成された下部、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、前記上部と前記下部との間に配置された導管を含み、前記カテーテルは、前記上部及び前記下部のうちの少なくとも1つを回転させて、管腔を通る血流を変化させて、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されている。
【0046】
別の例(「例42」)によれば、例37の方法に加えて、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、血管対向部材部分、及び、大動脈又は大静脈を通って脈動している血流を方向付けるように前記管腔の直径を変化させるように構成された少なくとも1つの磁石を含む。
【0047】
別の例(「例43」)によれば、例37の方法に加えて、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む血管対向部材を含み、そしてシンチングバンドは、シンチングバンドの活性化に応答して、前記血管対向部材の直径を制限又は収縮するように構成されている。
【0048】
別の例(「例44」)によれば、例37の方法に加えて、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む血管対向部材、及び、活性化可能な物質の活性化に応答して前記血管対向部材の直径を制限又は収縮するように構成された活性化可能物質を含むシンチングバンドを含む。
【0049】
別の例(「例45」)によれば、例44の方法に加えて、前記活性化可能な物質は電気活性ポリマーである。
【0050】
別の例(「例46」)によれば、例37の方法に加えて、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、血管対向部材、及び、アクチュエータの作動に応答して前記血管対向部材の直径を制限又は収縮するように構成されたアクチュエータを含む。
【0051】
別の例(「例47」)によれば、例37の方法に加えて、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む血管対向部材、及び、前記血管対向部材部分の前端に漏斗形状を作製するように構成されたバルーンを含む。
【0052】
別の例(「例48」)によれば、例47の方法に加えて、前記バルーンは、膨張に応答して前記血管対向部材部分の一部を内側に引き、前記管腔を制限するように構成されている。
【0053】
別の例(「例49」)によれば、例37~48のいずれか1つの方法に加えて、血流を制限することは、患者の活動レベルに基づいて制限の量を調整することを含む。
【0054】
1つの例(「例50」)によれば、血管内の血流を制限するためのデバイスは、留置型メディカルデバイスを通る血流を制限して、生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成された、血管内にインプラントするように構成された、カテーテルに結合された留置型メディカルデバイスを含む。
【0055】
別の例(「例51」)によれば、例50のデバイスに加えて、前記血管は大動脈又は大静脈であり、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成された血管対向部材部分、及び、前記血管対向部材部分内に配置され、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含み、前記管腔を通る血流を変化させて大動脈又は大静脈の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成された流れ変更要素を含む。
【0056】
別の例(「例52」)によれば、例50のデバイスに加えて、前記血管は大動脈又は大静脈であり、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む導管、及び、前記導管の周囲に配置され、張力に応答して前記管腔を通る血流を変化させて大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成された少なくとも1つの拘束繊維を含む。
【0057】
別の例(「例53」)によれば、例50のデバイスに加えて、前記血管は大動脈又は大静脈であり、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む導管、及び、前記導管の管腔内に配置され、前記管腔を通る血流を変化させて大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されたリーフレット構造を含む。
【0058】
別の例(「例54」)によれば、例50のデバイスに加えて、前記血管は大動脈又は大静脈であり、前記留置型メディカルデバイスは、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成された上部、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成された下部、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、前記上部と前記下部との間に配置された導管を含み、前記カテーテルは、前記上部及び前記下部のうちの少なくとも1つを回転させて、前記管腔を通る血流を変化させて、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、1つへの血流を変化させるように構成されている。
【0059】
別の例(「例55」)によれば、例50のデバイスに加えて、前記血管は大動脈又は大静脈であり、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む血管対向部材部分、及び、大動脈又は大静脈を通って脈動している血流を方向付けるように前記管腔の直径を変化させるように構成された少なくとも1つの磁石を含む。
【0060】
別の例(「例56」)によれば、例50のデバイスに加えて、前記血管は大動脈又は大静脈であり、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、血管対向部材を含み、シンチングバンドは、前記シンチングバンドの活性化に応答して、前記血管対向部材の直径を制限又は収縮するように構成されている。
【0061】
別の例(「例57」)によれば、例50のデバイスに加えて、前記血管は大動脈又は大静脈であり、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、血管対向部材、及び、活性化可能な物質の活性化に応答して前記血管対向部材の直径を制限又は収縮するように構成された活性化可能な物質を含むシンチングバンドを含む。
【0062】
別の例(「例58」)によれば、例50のデバイスに加えて、前記血管は大動脈又は大静脈であり、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、血管対向部材、及び、アクチュエータの作動に応答して前記血管対向部材の直径を制限又は収縮するように構成されたアクチュエータを含む。
【0063】
別の例(「例59」)によれば、例50のデバイスに加えて、前記血管は大動脈又は大静脈であり、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、血管対向部材、及び、前記血管対向部材部分の前端に漏斗形状を作製するように構成されたバルーンを含む。
【0064】
上述の例はまさに実施例であり、本開示によって提供される本発明の概念のいずれかの範囲を制限又は他の方法で狭めるために読まれるべきではない。複数の例が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な例を示しそして記載する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に限定的なものではなく、本質的に例示的なものと考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に取り込まれ、その一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0066】
【
図1】
図1は、本開示の様々な態様による、例示的な留置型流れ制限デバイスである。
【0067】
【
図2A】
図2Aは、本開示の様々な態様による、流れ変更要素を有する例示的な留置型流れ制限デバイスの側面図である。
【0068】
【
図2B】
図2Bは、本開示の様々な態様による、
図2Aに示される流れ変更要素の上面図である。
【0069】
【
図3A】
図3Aは、本開示の様々な態様による、流れ変更要素を有する別の例示的な留置型流れ制限デバイスの側面図である。
【0070】
【
図3B】
図3Bは、本開示の様々な態様による、
図3Aに示される流れ変更要素の上面図である。
【0071】
【
図4】
図4A~4Fは、本開示の様々な態様による、留置型流れ制限デバイスのための例示的な管腔の側面図である。
【0072】
【
図5】
図5は、本開示の様々な態様による、流れ変更要素を有する別の例示的な留置型流れ制限デバイスの側面図である。
【0073】
【
図6】
図6は、本開示の様々な態様による、患者の大動脈内に配置された
図3A~Bに示される留置型流れ制限デバイスの図である。
【0074】
【
図7】
図7は、本開示の様々な態様による、患者の大静脈内に配置された
図3A~Bに示される留置型流れ制限デバイスの図である。
【0075】
【
図8A】
図8Aは、本開示の様々な態様による、第一の構成における、拘束繊維を有する別の例示的な留置型流れ制限デバイスの側面図である。
【0076】
【
図8B】
図8Bは、本開示の様々な態様による、第二の構成における、
図8Aに示される留置型流れ制限デバイス及び拘束繊維の側面図である。
【0077】
【
図8C】
図8Cは、本開示の様々な態様による、
図8A~Bに示される拘束繊維の側面図である。
【0078】
【
図9A】
図9Aは、本開示の様々な態様による、第一の構成における、複数の拘束繊維を有する別の例示的な留置型流れ制限デバイスの側面図である。
【0079】
【
図9B】
図9Bは、本開示の様々な態様による、第二の構成における、
図9Aに示される留置型流れ制限デバイス及び拘束繊維の側面図である。
【0080】
【
図10】
図10は、本開示の様々な態様による、患者の大静脈内に配置された
図8~9に示される留置型流れ制限デバイスの図である。
【0081】
【
図11】
図11は、本開示の様々な態様による、患者の大動脈内に配置された
図8~9に示される留置型流れ制限デバイスの図である。
【0082】
【
図12A】
図12Aは、本開示の様々な態様による、リーフレット構造を有する別の例示的な留置型流れ制限デバイスの側面図及び上面図である。
【0083】
【
図12B】
図12Bは、本開示の様々な態様による、
図12Aに示される留置型流れ制限デバイス及びリーフレット構造の上面図である。
【0084】
【
図12C-12E】
図12C~12Eは、本開示の様々な態様による、異なるリーフレット構造配置を有する、
図12A~12Bに示される留置型流れ制限デバイスの側面図及び上面図である。
【0085】
【
図12F】
図12Fは、本開示の様々な態様による、リーフレット構造が閉じられたときの
図12A~12Eに示される留置型流れ制限デバイス及びリーフレット構造の部分側面図である。
【0086】
【
図12G】
図12Gは、本開示の様々な態様による、リーフレット構造が開かれたときの
図12A~12Fに示される留置型流れ制限デバイス及びリーフレット構造の部分側面図である。
【0087】
【
図12H】
図12Hは、本開示の様々な態様による、静脈の流れに応答した、
図12A~12Gに示される留置型流れ制限デバイス及びリーフレット構造の側面図である。
【0088】
【
図12I】
図12Iは、本開示の様々な態様による、動脈の流れに応答した、
図12A~12Gに示される留置型流れ制限デバイス及びリーフレット構造の側面図である。
【0089】
【
図13】
図13は、本開示の様々な態様による、患者の大静脈内に配置された、
図12A~Iに示される留置型流れ制限デバイスの図である。
【0090】
【
図14】
図14は、本開示の様々な態様による、患者の大動脈内に配置された、
図12A~Iに示される留置型流れ制限デバイスの図である。
【0091】
【
図15A】
図15Aは、本開示の様々な態様による、第一の構成における別の例示的な留置型流れ制限デバイスの側面図である。
【0092】
【
図15B】
図15Bは、本開示の様々な態様による、第二の構成における
図15Aに示される留置型流れ制限デバイスの側面図である。
【0093】
【
図16A】
図16Aは、本開示の様々な態様による、第一の構成における
図15A~15Bに示される留置型流れ制限デバイスの上面図及び断面図である。
【0094】
【
図16B】
図16Bは、本開示の様々な態様による、第二の構成における
図15A~Bに示される留置型流れ制限デバイスの側面図である。
【0095】
【0096】
【
図18】
図18は、本開示の様々な態様による、患者の大静脈内に配置された第一の構成における
図15A~17に示される留置型流れ制限デバイスの図である。
【0097】
【
図19】
図19は、本開示の様々な態様による、患者の大静脈内に配置された第二の構成における
図15A~17に示される留置型流れ制限デバイスの図である。
【0098】
【
図20】
図20は、本開示の様々な態様による、患者の大動脈内に配置された第一の構成における
図15A~17に示される留置型流れ制限デバイスの図である。
【0099】
【
図21】
図21は、本開示の様々な態様による、患者の大動脈内に配置された第二の構成における
図15A~17に示される留置型流れ制限デバイスの図である。
【0100】
【
図22】
図22は、本開示の様々な態様による、流れ変更要素を有する別の例示的な留置型流れ制限デバイスの側面図である。
【0101】
【
図23A】
図23Aは、本開示の様々な態様による、第一の構成における別の例示的な留置型流れ制限デバイスの側面図である。
【0102】
【
図23B】
図23Bは、本開示の様々な態様による、第二の構成における
図23Aに示される留置型流れ制限デバイスの側面図である。
【0103】
【
図24A】
図24Aは、本開示の様々な態様による、第一の構成における別の例示的な留置型流れ制限デバイスの側面図である。
【0104】
【
図24B】
図24Bは、本開示の様々な態様による、第二の構成における
図24Aに示される留置型流れ制限デバイスの側面図である。
【0105】
【
図25A】
図25Aは、本開示の様々な態様による、第一の構成における別の例示的な留置型流れ制限デバイスの側面図である。
【0106】
【
図25B】
図25Bは、本開示の様々な態様による、第二の構成における
図25Aに示される留置型流れ制限デバイスの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0107】
詳細な説明
定義及び用語
本開示は、限定的に読まれることを意図するものではない。例えば、本出願で使用される用語は、その分野の用語がそのような用語に帰する意味の関係で広く読まれるべきである。
【0108】
不正確さの用語に関して、「約」及び「ほぼ」という用語は、交換可能に使用され、記載された測定値を含み、また、記載された測定値に合理的に近い測定値も含む測定値を指すことができる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され、容易に確認されるように、合理的に少量だけ記載された測定値から逸脱している。このような逸脱は、例えば、測定誤差、測定及び/又は製造装置の校正の違い、測定値の読み取り及び/又は設定における人為的エラー、他の構成要素に関連する測定値の違いを考慮して性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われる小さな調整、特定の実装シナリオ、人又は機械による対象の不正確な調整及び/又は操作などに起因することがある。関連技術の当業者がそのような合理的に小さな差異の値を容易に確認できないと判断される場合には、「約」及び「ほぼ」という用語は、記載された値の±10%を意味すると理解することができる。
【0109】
様々な実施形態の説明
本開示の様々な態様は、患者の大動脈又は大静脈内に留置型流れ制限デバイスを配置することを含む方法を対象とする。この方法はまた、血流のある一部を大動脈の少なくとも1つの分岐血管に向け直すように留置型流れ制限デバイスを調整する一方で、分岐血管の近位の大動脈内の実質的に制限されていない血流を維持することを含むことができる。大静脈内で使用するには、方法はまた、大静脈の少なくとも1つの支流血管からの血流を増加させるために留置型流れ制限デバイスを調整することを含むことができる。
【0110】
さらに、以下でさらに詳細に論じられるように、留置型流れ制限デバイスは、患者の大動脈又は大静脈内に留置するように構成されうる。留置型流れ制限デバイスが大動脈内に配置されている場合には、デバイスはまた、分岐血管の近位の大動脈内の実質的に制限されていない血流を維持しながら、大動脈の少なくとも1つの分岐血管への血流を変化させるように構成されうる。留置型流れ制限デバイスが大静脈内に配置されている場合には、デバイスはまた、大静脈の少なくとも1つの支流血管からの血流を増加させるように構成されうる。
【0111】
大動脈にインプラントされると、留置型流れ制限デバイスは、大動脈内の流体を迂回させることによって、血流を腎動脈の少なくとも1つに向け直すように構成されている。腎灌流の増加を達成するために、腎動脈の遠位の血流に対する抵抗を増加させることができ、これにより遠位灌流が減少する。腎臓灌流の増加は腎臓の生産を促進し、したがって流体体積を取り除く。特定の例において、留置型流れ制限デバイスは、腎動脈の少なくとも部分的に遠位にある患者の大動脈に位置する導管内に約40%~約80%の狭くなった流れ管腔を作製し、大動脈の1つの分岐血管(例えば、一方又は両方の腎動脈)への血流を変化させるように構成されている。特定の例では、誘発される制限は、公称流量の約50%~約70%である。
【0112】
大静脈にインプラントされると、留置型流れ制限デバイスは、大静脈内の圧力を変化させて大静脈の支流血管からの血流を変化させることによって、大静脈で終結する支流血管(例えば、腎静脈)からの灌流を増強しうる。特定の例において、留置型流れ制限デバイス100は、少なくとも1つの支流血管の遠位の大静脈内に位置する導管内に約40%~約90%の狭くなった流れ管腔を作製するように構成されうる。腎静脈内の圧力を下げることによる、以下でさらに詳細に論じる留置型流れ制限デバイスの使用は、薬学的ではなく血行動態的に腎臓灌流を増加させることができる。
【0113】
特定の例において、本明細書で論じられる流れ制限デバイスは、他の血管にインプラントされうる。流れ制限デバイスは、血圧の低下又は血管系内の抵抗を治療するために、末梢抵抗の増加を促進しうる。以下でさらに議論されるように、これは、動静脈(AV)瘻の治療のための流れ制限デバイスのインプラント処置を含むことができる。
【0114】
留置型流れ制限デバイスは、以下でさらに詳細に論じられるように、患者のうっ血性心不全及び/又は高血圧及び低血圧などの他の心血管疾患の症状、又は、急性腎障害(AKI)につながる可能性がある腎灌流障害をもたらすことができる、他の病状又は手順の治療に向けられている。特定の例において、心不全(後期心不全など)の患者は心拍出量(例えば、1分間に心臓から送り出される血液の量)が減少し、利尿の減少につながる可能性がある。留置型流れ制限デバイスは、特定の例において、自然利尿を増加させ、心不全に起因する過剰な流体の蓄積を減らす。
【0115】
留置型流れ制限デバイスは、医師の注意下にある(例えば、入院)心不全患者の急性期治療のために使用されうる。留置型流れ制限デバイスは、すでに機能不全に陥っている心臓と組み合わせた流体の蓄積が患者にさらに害を及ぼす可能性があるため、体内の過剰な流体の蓄積(例えば、循環血液量増加)を低減することによって生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成されうる。以下でさらに詳細に議論されるように、本開示の様々な態様は、過剰な流体の蓄積を軽減し、急性治療のために心臓から過剰な流体をそらすことに向けられている。
【0116】
留置型流れ制限デバイスは、急性のモニターされた設定で数時間及び/又は数日間インプラント処置されうる。留置型流れ制限デバイスによって適用される抵抗又は流れ制限の量は、患者のニーズを満たすためにインプラント後に調整することができる。臨床的に、足首圧、ドップラー超音波速度、足関節上腕血圧比又は下肢の他の血行動態的パラメータの測定を使用して、適切な四肢灌流を確保しながら、誘発される狭窄の大きさを最適化することができる。
【0117】
留置型流れ制限デバイスは、患者の交感神経系の活性化を低下させて、安静時心拍数、血圧及び/又はN末端プロb型ナトリウム利尿ペプチド(nt-proBNP)を低下させることができる。さらに、交感神経系の活性化を低下させることは、心臓の収縮性を改善することもできる。特定の例において、留置型流れ制限デバイスは、患者のレニン-アンギオテンシン-アルドステロン系(RAAS)の刺激を低減する。
【0118】
図1は、本開示の様々な態様による例示的な留置型流れ制限デバイス100を示している。留置型流れ制限デバイス100は患者の血管系内に配置されて示されている。
図1に示される患者の血管系の簡略図は、患者の心臓102、腎臓104、106、大動脈112又は大静脈112、腹腔動脈114、上腸間膜動脈116、腎臓104、106に供給する(腎動脈)又は腎臓104、106から排出する(腎静脈)血管118、120、及び、下腸間膜動脈122を含む。留置型流れ制限デバイス100は大動脈112内に配置されうる。
図7、10、13及び16~18に示されるように、留置型流れ制限デバイス100を患者の大静脈内に配置することもできる。特定の例において、留置型流れ制限デバイス100は、腎臓104、106に供給する(腎動脈)又は腎臓104、106から排出する(腎静脈)血管118、120の遠位の大動脈112内に配置される。
【0119】
留置型流れ制限デバイス100は、大動脈112内の留置型流れ制限デバイス100の配置、構成及び/又は回収を容易にするカテーテル130に結合されうる。特定の例において、カテーテル130は、以下でさらに詳細に論じられるように、留置型流れ制限デバイス100の直径調整(又は他の構造変化)を容易にする特徴を含むことができる。留置型流れ制限デバイス100の寸法を変更すると、留置型流れ制限デバイス100を通る血流に対する抵抗を増加又は減少させて、一方又は両方の腎臓の104、106への血流を増加させることができる。
【0120】
上記のように、本明細書で論じられるインプラント可能な流れ制限デバイス100はセンサ132を含むことができる。センサ132は、インプラント可能な流れ制限デバイス100内又はその近くの血流(又は他の血行動態的パラメータ)をモニターするように構成されうる。あるいは、センサ132は、血流中の様々な生化学的、バイオマーカー又は薬理学的パラメータをモニターすることができる。センサ132は、圧力センサ又は流れセンサのうちの1つであることができる。さらに、インプラント可能な流れ制限デバイス100は、センサ132によってモニターされる血流に応答して血流量を変更するように構成されうる。インプラント可能な流れ制限デバイス100によって提供される制限量は、腎臓104、106への所望の血流を達成するように調整されうる。センサ132は、患者の外部の情報源と組み合わせて使用されて、インプラント可能な流れ制限デバイス100によって加えられる圧力の量を支援して、一方又は両方の腎臓104、106への所望の血流を達成することができる。特定の例において、センサ132を利用して、フィードバックループを使用して、インプラント可能な流れ制限デバイス100の制限量を設定することができる。センサ132は、所定の生理学的又は他の入力をモニターし、例えば、生理学的モニタリングに依存して、負荷サイクルの長さ(制限のオン/オフ)、負荷サイクルの速度、一時的な中断及び/又は患者の安全を確保するための治療の遮断を制御するためように設定することができる。センサ132はまた、制限がアクティブであるときを制御するために医師又は患者を利用することができる。
【0121】
図1に示される例示的な留置型流れ制限デバイス100は、本文書全体に開示された本開示の実施形態の使用範囲又は機能に関するいかなる制限をも示唆することを意図するものではない。例示的な留置型流れ制限デバイス100は、そこに示される任意の単一の構成要素又は構成要素の組み合わせに関連する依存性又は要件を有すると解釈されるべきではない。さらに、
図1に示される構成要素のうちの任意の1つ又は複数は、実施形態において、そこに示されている他の構成要素(及び/又は図示していない構成要素)の様々なものと統合することができる。例えば、以下で論じる留置型流れ制限デバイス100は、留置型流れ制限デバイス100の外面内又は外面上に配置されたセンサ132を含むことができる。さらに、流れ制限デバイス100は、他の血管にインプラントされうる。流れ制限デバイス100は、血管系内の血圧の低下又は抵抗を治療するために、末梢抵抗の増加を促進しうる。これには、動静脈(AV)瘻の治療のための流れ制限デバイスのインプラント処置を挙げることができる。
【0122】
図2Aは、本開示の様々な態様による、流れ変更要素208を有する例示的な留置型流れ制限デバイス100の側面図である。
図2A~Bに示されるように、留置型メディカルデバイス100は、患者の大動脈又は大静脈における血流の急性変化に使用されうる。留置型メディカルデバイス100はまた、カテーテル204、及び、前記カテーテル204の遠位端に配置され又は前記カテーテル204の遠位端から延在している血管対向部材部分を含むことができる。特定の例において、示されるように、流れ変更要素208はバルーンであることができる。他の例において、流れ変更要素208は、ステント、ステントグラフト、グラフト、バルブ及びフラップデバイス、制限バンド又は他の同様のデバイスであることができる。血管対向部材部分は、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成されている。特定の例において、示されるように、血管対向部材部分は外側バルーン206である。外側バルーン206は、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように膨張及び収縮するように構成されている。
【0123】
特定の例において、流れ変更要素208は、外側バルーン206(例えば、血管対向部材部分)内に配置される。流れ変更要素208はまた、大動脈又は大静脈を通って脈動している血流を方向付けるための管腔210を含む。流れ変更要素208は、管腔210を通る血流を変化させて、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓に入る又はから出る血流を変化させるように構成されうる。特定の例において、流れ変更要素208は、膨張及び収縮して、管腔210を通る血流の制限のレベルを変化させるように構成されている。外側バルーン206は大動脈又は大静脈の血管壁に接触することができ、それにより、留置型流れ制限デバイス100の位置で、大動脈又は大静脈を通る血流は管腔210を通してのみ押し進められる。したがって、流れ変更要素208は、留置型流れ制限デバイス100の位置で大動脈又は大静脈を通る血流の制限の量を変化させるように構成されている。特定の例において、そして示されるように、外側バルーン206及び流れ変更要素208は実質的に同様の長さである。
【0124】
特定の例において、外側バルーン206は、大動脈又は大静脈又は別の血管内の所望の位置で留置型流れ制限デバイス100を固定又は対向させるように膨張するように構成されている。留置型流れ制限デバイス100が固定又は対向された後に、流れ変更要素208は、管腔210の制限量を変化させるように選択的に膨張及び収縮されうる。流れ変更要素208は、大動脈、大静脈又は他の血管の所望の制限レベルを選択又は達成するように膨張及び収縮するように構成されうる。流れ変更要素208及び外側バルーン206は、カテーテル204を通して配置された複数の膨張ポート212のうちの1つ以上に接続されうる。
【0125】
膨張ポート212は、流れ変更要素208を膨張及び収縮させる制御システムに結合されうる。制御システムは、治療効果を最大化し、潜在的な安全リスクを最小化するために、流れ変更要素208を周期的に膨張及び収縮させることができる。流れ変更要素208の圧力を定期的に(例えば、15分ごとに)チェックすることができ、流れ制限の量は、より高い流れ再指向の期間中に十分に供給されない可能性がある酸素需要を満たすために制限がほとんど又はまったくない期間を含むことができる。末梢灌流に対する治療の効果を評価するために、ペダルパルスなどの生理学的指標を定期的に(例えば、15分ごとに)チェックすることができる。
【0126】
図2Bは、本開示の様々な態様による、
図2Aに示される流れ変更要素208の上面図である。
図2Bに示されるように、外側バルーン206は、リザーバ216を含み、流れ変更要素208は、リザーバ214を含む。リザーバ214、216の各々は流れ変更要素208及び外側バルーン206の所望のサイズを維持するために、気体、液体又は別の適切な物質により膨張又は収縮されることにより分離されうる。
【0127】
特定の例において、外側バルーン206は、大動脈の血管壁に向かい合い、一次血流を流れ変更要素208の中央管腔を通して押し進めるように構成されている。流れ変更要素208は、膨張又は収縮されて、天然大動脈の直径の約40%~約80%で一方又は両方の腎動脈の遠位に中央流れ管腔を作製し、大動脈の少なくとも1つの分岐血管への血流を変化させることができる。流れ変更要素208がバルーンではない場合において、流れ変更要素208の流れ管腔の直径は、制限を調整するために変更されうる。他の例において、外側バルーン206は、大静脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎静脈の遠位の大静脈に位置する導管内に約40%~約90%の狭くなった流れ管腔を作製し、一方又は両方の腎静脈を通る血流を変えるように構成されている。外側バルーン206は、一方又は両方の腎静脈の上流に配置することができ、流れ変更要素208は、腎動脈を通して血流を引くように一方又は両方の腎静脈からの血液を圧力低下させるように構成されうる。
【0128】
特定の例において、流れ変更要素208は、上記のように、大動脈又は大静脈以外の血管内に配置されている。これらの例において、流れ変更要素208は、管腔210を通る血流を変化させて、血管内の血流を制限し、患者に生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成されうる。特定の例において、流れ変更要素208は、血管内の末梢抵抗の増加を含むように生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成されている。流れ変更要素208は、以下でさらに詳細に記載するように、血管内の瘻を治療し、血管内の末梢抵抗を増加させるように構成されうる。
【0129】
図3Aは、本開示の様々な態様による、流れ変更要素208を有する別の例示的な留置型流れ制限デバイス100の側面図である。
図3A~Bに示されるように、留置型メディカルデバイス100は、患者の大動脈又は大静脈における血流の急性変化のために使用されうる。留置型メディカルデバイス100はまた、カテーテル204、及び、前記カテーテル204の遠位端に配置され又は前記カテーテル204の遠位端から延在している血管対向部材部分314を含むことができる。血管対向部材部分314は、大動脈又は大静脈の血管壁に対して向かい合うように構成されている。特定の例において、そして示されるように、血管対向部材部分314は、ステント、バルーン、ポリマー材料又は別の支持材料であることができる。血管対向部材部分314は、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成されている。血管対向部材部分314は、流れ変更要素208の長さに沿って配置されたステントフレームを含むことができる。流れ変更要素208は、バルーン、ステント、ステントグラフト、制限バンド又は他の同様のデバイスであることができる。
【0130】
特定の例において、流れ変更要素208は、血管対向部材部分314内に配置される。血管対向部材部分314は大動脈又は大静脈の血管壁に接触することができ、それにより、大動脈又は大静脈を通る血流は、留置型流れ制限デバイス100の位置で、管腔210を通してのみ押し進められる。
【0131】
流れ変更要素208はまた、大動脈又は大静脈を通って脈動している血流を方向付けるための管腔210を含む。流れ変更要素208は、管腔210を通る血流を変化させて、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されうる。特定の例において、バルーン又は膨張可能なシースとして構成された流れ変更要素208は、膨張及び収縮して、管腔210を通る血流の制限のレベルを変更するように構成されている。流れ変更要素208がバルーンではない場合において、流れ変更要素208の流れ管腔の直径は、制限を調整するために変更されうる。したがって、流れ変更要素208は、留置型流れ制限デバイス100の位置で大動脈又は大静脈を通る血流の制限量を変化させるように構成されている。
【0132】
特定の例において、複数のストラット316はカテーテル204に結合され、血管対向部材部分314内に配置されることができる。
図3Aに示されるように、複数のストラット316は、カテーテル204に沿って近位位置320から流れ変更要素208の管腔210を通って外向きに延在し、管腔210を出た後に、カテーテル204の遠位端322に向かって内向きに延在する。複数のストラット316は、流れ変更要素208及び/又は血管対向部材部分314を支持するように構成されうる。
【0133】
留置型流れ制限デバイス100はまた、デリバリーシース324を含むことができる。流れ変更要素208及び血管対向部材部分314は、デリバリーシース324内でデリバリー直径に崩潰し、
図3Aに示されるように、血管壁に対して展開直径に展開するように構成されうる。血管対向部材部分314は自己拡張ステントを含むことができ、又は、血管対向部材部分314は、血管壁に対して拡張し、流れ変更要素208の膨張に応答して血管壁に固定又は対向することができる。さらに、血管対向部材部分314はグラフト部分を含むことができる。
【0134】
特定の例において、血管対向部材部分314は、拡張可能部分を含むことができ、又は、血管対向部材部分314全体はバルーン拡張可能であることができる。例えば、血管対向部材部分314の拡張可能部分は、初期展開直径を超えて血管対向部材部分314の最大直径拡張限界まで複数の調整直径を介して直径調整を可能にする制御拡張を有するように構成されうる。直径方向に調整可能なデバイス及び関連方法の例は、米国特許公開第2016/0143759号明細書にも記載されている。
【0135】
適切なステントパターン及び関連製造方法の例は、米国特許第6,673,102号明細書にも記載されている。血管対向部材部分314のステントは、ステンレス鋼、ニッケル-チタン合金(ニチノール)、タンタル、エルジロイ、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの様々なポリマー材料、又は、左旋性ポリ乳酸(L-PLA)又はポリグリコール酸(PGA)などの生体吸収性材料を含む様々なワイヤ材料から形成することができる。
【0136】
図3Bは、本開示の様々な態様による、
図3Aに示される流れ変更要素208の上面図である。示されるように、複数のストラット316は管腔210を分割する。カテーテル204はまた、デリバリーを容易にするためのガイドワイヤ管腔318を含むこともできる。示されるように、流れ変更要素208は実質的に筒形である内部形状を有する。特定の例において、そして
図4A~Fに示されるように、流れ変更要素208、したがって流れ変更要素208の管腔210は、内部砂時計形状、円形制限部分を有する形状、階段状制限部分を有する形状、傾斜形状及び尖った形状を有することができる。流れ変更要素208は、制限構成でこれらの形状を形成することができ、公称の非制限形状又はシリンダーを含むことができる。特定の例では、流れ変更要素208は、制限構成又は非制限構成のいずれかでこれらの形状を含む。
【0137】
特定の例において、流れ変更要素208は、大動脈又は静脈大静脈以外の血管内に配置されている。これらの例において、流れ変更要素208は、管腔210を通る血流を変化させ、血管内の血流を制限し、患者に生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成されうる。特定の例において、流れ変更要素208は、血管内の末梢抵抗の増加を含むように生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成されている。流れ変更要素208は、以下でさらに詳細に記載するように、血管内の瘻を治療し、血管内の末梢抵抗を増加させるように構成されうる。
【0138】
図4A~Fは、本開示の様々な態様による、留置型流れ制限デバイス100のための例示的な管腔の側面図である。
図4A~Fに示される形状は、留置型流れ制限デバイス100の内面、又は、本明細書で論じられる流れ変更要素208の内面に形成されうる。
【0139】
図4Aに示されるように、留置型流れ制限デバイス100の内面424又は流れ変更要素208の内面424は、実質的に筒形であることができる。
図4Bに示されるように、留置型流れ制限デバイス100の内面424又は流れ変更要素208の内面424は、砂時計形状であることができる。
図4Cに示されるように、留置型流れ制限デバイス100の内面424又は流れ変更要素208の内面424は、円形又は半円形のくぼみ426を含むことができる。
図4Dに示されるように、留置型流れ制限デバイス100の内面424又は流れ変更要素208の内面424は、階段状のくぼみ426を含むことができる。
図4Eに示されるように、留置型流れ制限デバイス100の内面424又は流れ変更要素208の内面424は、V字形のくぼみ426を含むことができる。
図4Fに示されるように、留置型流れ制限デバイス100の内面424又は流れ変更要素208の内面424は、傾斜構造を形成することができる。
【0140】
図4A~Fに示される留置型流れ制限デバイス100の内面424又は内面424は、留置型流れ制限デバイス100の内面424の全周(360度)にわたって一貫していてもよい。他の例において、
図4A~Fに示される留置型流れ制限デバイス100の内面424又は内面424は、留置型流れ制限デバイス100の内面424又は内面424の部分又はセクション(例えば、180度間隔のポケット)に形成されうる。
【0141】
図5は、本開示の様々な態様による、流れ変更要素を有する別の例示的な留置型流れ制限デバイスの側面図である。留置型メディカルデバイス100は、
図5に示されるように、
図4Cに示される形状のより詳細な図である。デバイス100は、患者の大動脈又は大静脈における血流の急性変化のために使用されうる。留置型メディカルデバイス100はまた、カテーテル(図示せず)、及び、カテーテルの遠位端に配置され又はカテーテルの遠位端から延在している血管対向部材部分314を含むことができる。血管対向部材部分314は、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成されている。特定の例において、そして示されるように、血管対向部材部分314は、部分的又は全体的に、ステント、バルーン、ポリマー材料又は別の支持材料であることができる。血管対向部材部分314は、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成されている。
【0142】
特定の例において、流れ変更要素208は、血管対向部材部分314内に配置されている。血管対向部材部分314は大動脈又は大静脈の血管壁に接触することができ、それにより、大動脈又は大静脈を通る血流は、留置型流れ制限デバイス100の位置で管腔210を通してのみ押し進められる。流れ変更要素208は、
図5に示されるように、血管対向部材部分314の長さよりも短い長さを含むことができる。
【0143】
流れ変更要素208はまた、大動脈又は大静脈を通って脈動している血流を方向付けるための管腔210を含む。流れ変更要素208は、管腔210を通る血流を変化させ、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されうる。特定の例において、バルーン又は膨張可能なシースとしての流れ変更要素208は、空気、液体又は別の物質を膨張ポート212を通して供給及び戻すことによって、管腔210を通る血流の制限のレベルを変化させるように膨張及び収縮するように構成されている。流れ変更要素208がバルーンではない場合において、流れ変更要素208の流れ管腔の直径は、制限を調整するために変更されうる。したがって、流れ変更要素208は、留置型流れ制限デバイス100の位置で大動脈又は大静脈を通る血流の制限の量を変化させるように構成されている。
【0144】
留置型流れ制限デバイス100が固定又は対向された後に、流れ変更要素208は、管腔210の制限量を変化させるために、選択的に膨張及び収縮されうる(又は制限され及び制限されない)。ブラダ730は、流れ変更要素208の内面の全周(360度)にわたって一貫している流れ変更要素208によって形成されうるか、又は、流れ変更要素208の内面の部分又はセクション(例えば、180度間隔のポケット)に形成されうる。
【0145】
上記のように、留置型流れ制限デバイス100は、患者の大動脈、大静脈、又は、大動脈又は大静脈以外の血管内に配置することができる。これらの例において、流れ変更要素208は、管腔210を通る血流を変化させ、血管内の血流を制限し、患者に生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成されうる。特定の例において、流れ変更要素208は、生理学的に媒介される治療応答を誘発し、血管内の末梢抵抗の増加を含むように構成されている。流れ変更要素208は、以下でさらに詳細に記載するように、血管内の瘻を治療し、血管内の末梢抵抗を増加させるように構成されうる。
【0146】
図6は、本開示の様々な態様による、患者の大動脈内に配置された
図3A~Bに示される留置型流れ制限デバイスの図であり、
図7は、本開示の様々な態様による、患者の大静脈内に配置された
図3A~Bに示される留置型流れ制限デバイスの図である。
図6及び
図7に示されるように(そして上記で詳細に記載されるように)、カテーテル204は、デバイス100を標的位置にデリバリーするためのガイドワイヤ255の配置を容易にするためのガイドワイヤ管腔250を含むことができる。デバイス100は、腎静脈又は動脈の遠位に配置されうる。
【0147】
大動脈内にインプラントされると、留置型流れ制限デバイス100は、大動脈内の流体を迂回させることによって、血流を腎動脈のうちの少なくとも1つに向けて再指向させるように構成されている。腎臓灌流の増加を達成するために、腎動脈の遠位の血流に対する抵抗を増加させることができ、これにより遠位灌流が減少する。腎臓灌流の増加は腎臓の生産を促進し、したがって体液体積を取り除く。特定の例において、留置型流れ制限デバイスは、腎動脈の少なくとも部分的に遠位で患者の大動脈の導管内に約40%~約80%の間で狭くなった流れ管腔を作製し、血流を少なくとも1つの分岐血管(例えば、腎動脈の一方又は両方)への血流を変化させるように構成されている。特定の例において、誘発される制限は、公称流量の約50%~約70%である。
【0148】
大静脈にインプラントされると、留置型流れ制限デバイス100は、大静脈内の圧力を変化させて大静脈の支流血管からの血流を変化させることによって、大静脈で終結する支流血管(例えば、腎静脈)からの灌流を増強しうる。特定の例において、留置型流れ制限デバイス100は、約40%~約90%の少なくとも1つの支流血管の遠位の大静脈に位置する導管内で狭くなった流れ管腔を作製するように構成されうる。腎静脈内の圧力を下げることによる、以下でさらに詳細に論じられる留置型流れ制限デバイスの使用は、薬学的ではなく血行動態的に腎臓灌流を増加させることができる。
【0149】
上記のように、留置型流れ制限デバイス100は、大動脈又は静脈大静脈以外の血管内に配置することができる。これらの例において、流れ変更要素208は、管腔210を通る血流を変化させて、血管内の血流を制限し、患者に生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成されうる。特定の例において、流れ変更要素208は、血管内の末梢抵抗の増加を含むように生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成されている。流れ変更要素208は、以下でさらに詳細に記載されるように、血管内の瘻を治療し、血管内の末梢抵抗を増加させるように構成されうる。
【0150】
図8Aは、本開示の様々な態様による、第一の構成における、拘束繊維832を有する別の例示的な留置型流れ制限デバイス100の側面図である。留置型メディカルデバイス100は、
図8A~Cに示されるように、患者の大動脈又は大静脈における血流の急性変化のために使用されうる。留置型メディカルデバイス100はまた、アイレット支持部材840、及び、アイレット支持部材840の遠位端に配置され又はアイレット支持部材840の遠位端から延在している導管834を含むことができる。導管834は、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔210を含む。特定の例において、導管834は、直径方向に調整可能なステント及び/又はグラフト構成要素を含む。さらに、導管834は、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成されている。
【0151】
特定の例において、示されるように、拘束繊維832は、導管834の周囲に配置されている。アイレット支持部材840は、導管834に対する拘束繊維832の位置を維持するように構成されうる。拘束繊維832は、張力に応答して管腔210を通る血流を変化させて、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されている。
図8Aに示されるように、拘束繊維832は、第一の構成にあり、張力がかかっていない。この構成において、導管834は流れを制限していない。
図8Bは、第二の構成における、
図8Aに示される留置型流れ制限デバイス100及び拘束繊維832の側面図である。第二の構成において、流れは制限される。拘束繊維832に張力は加えられ、導管834は制限される。
【0152】
拘束繊維832は、管腔210を通る血流を変化させて、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されうる。特定の例において、拘束繊維832は、加えられた張力に基づいて、管腔210を通る血流の制限レベルに構成される。したがって、拘束繊維832は、留置型流れ制限デバイス100の位置で大動脈又は大静脈を通る血流の制限の量を変化させるように構成されている。拘束繊維の例は、Norrisらの米国特許第10,117,765号明細書に見出すことができる。
【0153】
図8Cは、本開示の様々な態様による、
図8A~Bに示される拘束繊維832の側面図である。拘束繊維832は、アイレット支持部材840内のアイレット836を通して配置される。アイレット836は、導管834の周りに力を加えることを容易にすることができる。
【0154】
特定の例において、導管834は大動脈又は大静脈以外の血管内に配置される。これらの例において、拘束繊維832は、管腔210を通る血流を変化させて、血管内の血流を制限し、患者において生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成されうる。特定の例において、拘束繊維832は、生理学的に媒介される治療応答を誘発して、血管内の末梢抵抗の増加を含むように構成されている。拘束繊維832は、以下でさらに詳細に記載するように、血管内の瘻を治療し、血管内の末梢抵抗を増加させるように構成されうる。
【0155】
図9Aは、本開示の様々な態様による、第一の構成における複数の拘束繊維832a~cを有する別の例示的な留置型流れ制限デバイスの側面図である。留置型メディカルデバイス100は、
図9A~Bに示されるように、患者の大動脈又は大静脈における血流の急性変化のために使用されうる。留置型メディカルデバイス100はまた、カテーテル204、及び、前記カテーテル204の遠位端に配置され又は前記カテーテル204の遠位端から延在している導管834を含むことができる。導管834は、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔210を含む。特定の例において、導管834は、直径方向に調整可能なステント及び/又はグラフト構成要素を含む。さらに、導管834は、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成されている。
【0156】
特定の例において、示されるように、拘束繊維832a~cは、導管834の周囲に配置されている。拘束繊維832a~cは、導管834の長さに沿った異なる位置に配置されている。さらに、拘束繊維832a~cは、拘束繊維832a~cの位置で導管834の直径を制限するように個別に張力をかけられることができる。拘束繊維832a~cは、張力に応答して管腔210を通る血流を変化させて、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されている。
【0157】
拘束繊維832a~cは、管腔210を通る血流を変化させて、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されうる。特定の例において、拘束繊維832a~cは、加えられた張力に基づいて、管腔210を通る血流のレベルを制限するように構成されている。したがって、拘束繊維832a~cは、留置型流れ制限デバイス100の位置で大動脈又は大静脈を通る血流の制限量を変化させるように構成されている。
【0158】
上記のように、留置型流れ制限デバイス100は、大動脈又は大静脈以外の血管内に配置することができる。これらの例において、拘束繊維832a~cは、管腔210を通る血流を変化させて、血管内の血流を制限し、患者に生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成されうる。特定の例において、留置型流れ制限デバイス100は、生理学的に媒介される治療応答を誘発し、血管内の末梢抵抗の増加を含むように構成されうる。留置型流れ制限デバイス100は、以下でさらに詳細に記載されるように、血管内の瘻を治療し、血管内の末梢抵抗を増加させるように構成されうる。
【0159】
図9Bは、本開示の様々な態様による、第二の構成における
図9Aに示される留置型流れ制限デバイス100及び拘束繊維832a~cの側面図である。留置型流れ制限デバイス100はまた、デリバリーシース324を含むことができる。導管834は、デリバリーシース324内のデリバリー直径に崩潰し、
図9Aに示されるように、血管壁に対して展開直径に展開するように構成されうる。導管834は、自己拡張型ステント及び/又はグラフトを含むことができ、血管壁に対して拡張し、血管壁に対して固定又は向かい合うことができる。
【0160】
図10は、本開示の様々な態様による、患者の大静脈内に配置された
図8~9に示される留置型流れ制限デバイスの図である。
図11は、本開示の様々な態様による、患者の大動脈内に配置された
図8~9に示される留置型流れ制限デバイスの図である。
図10に示されるように、デバイス100は、カテーテルハンドル1000に結合されうる。カテーテルハンドル1000は、ユーザによる拘束繊維832a~cへの張力の適用を容易にするように構成される拘束繊維832a~cに結合された要素又は構造を含むことができる。本明細書で論じられる他のデバイス100はまた、ユーザがデバイスを開閉することを可能にするために、カテーテルハンドル1000(例えば、ハンドル1000に結合され、以下で詳細に記載される作動部材1244)に同様に結合されうる。さらに、カテーテルハンドル1000は、適用された制限の量を表示するための視覚的インジケータを含むことができる。
【0161】
大動脈にインプラントされると、留置型流れ制限デバイス100は、大動脈内の流体を迂回させることによって、血流を腎動脈の少なくとも1つに再指向するように構成されている。腎灌流の増加を達成するために、腎動脈の遠位の血流に対する抵抗を増加させることができ、これにより遠位灌流を減少させる。腎臓灌流の増加は腎臓産生を促進し、したがって流体体積を取り除く。特定の例において、留置型流れ制限デバイスは、腎動脈の少なくとも部分的に遠位の患者の大動脈の導管内に約40%~約80%で狭くなった流れ管腔を作製し、大動脈の少なくとも1つの分岐血管(例えば、腎動脈の一方又は両方)への血流を変えるように構成されている。特定の例において、誘発される制限は、公称流量の約50%~約70%である。
【0162】
大静脈にインプラントされると、留置型流れ制限デバイス100は、大静脈内の圧力を変化させて大静脈の支流血管からの血流を変化させることによって、大静脈で終結する支流血管(例えば、腎静脈)からの灌流を増強しうる。特定の例において、留置型流れ制限デバイス100は、少なくとも1つの支流血管の遠位の大静脈に位置する導管内で約40%~約90%の狭くなった流れ管腔を作製するように構成されうる。腎静脈内の圧力を下げることによる、以下でさらに詳細に論じられる留置型流れ制限デバイスの使用は、薬学的ではなく血行動態的に腎臓灌流を増加させることができる。
【0163】
図12Aは、本開示の様々な態様による、リーフレット構造1240を有する別の例示的な留置型流れ制限デバイス100の側面図及び上面図である。留置型メディカルデバイス100は、
図12A~Gに示されるように、患者の大動脈又は大静脈における血流の急性変化のために使用されうる。留置型メディカルデバイス100はまた、カテーテル204、及び、前記カテーテル204の遠位端に配置され又は前記カテーテル204の遠位端から延在している導管834を含むことができる。導管834は、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔210を含む。特定の例において、導管834は、直径方向に調整可能なステント及び/又はグラフト構成要素を含む。さらに、導管834は、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成されている。導管834は、自己拡張型ステント及び/又はグラフトを含むことができ、血管壁に対して拡張し、血管壁に対して固定又は向かい合うことができる。特定の例において、導管834はバルーン構造であることができる。
【0164】
導管834は、導管834の管腔210内に配置されている。リーフレット構造1240は、管腔210を通る血流を変化させて、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されている。特定の例において、リーフレット構造1240は、逆流圧力に応答して開閉することができる。リーフレット構造1240は、血流を所望の百分率で制限するように構成されうる(例えば、一方又は両方の腎動脈の遠位の大動脈の導管内で約40%~約80%の狭くなった流れ管腔を作製し、大動脈の少なくとも1つの分岐血管への血流を変化させ、又は、一方又は両方の腎静脈の遠位にある大静脈にある導管内で約40%~約90%の狭くなった流れ管腔を作製し、一方又は両方の腎静脈を通る血流を変化させるために)。
【0165】
特定の例において、リーフレット構造1240は、リーフレット構造1240を開閉するように構成された1つ以上の作動部材1244に結合される。特定の例において、作動部材1244は、リーフレット構造1240内のリーフレットの数に等しいことがあり、又は、単一の作動部材1244は、リーフレット構造1240内の各リーフレットを開閉することができる。作動部材1244は、管腔210を通る血流を変化させて、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されうる。特定の例において、作動部材1244は、加えられた張力に基づいて、管腔210を通る血流のレベルを制限するように構成されている。特定の例において、リーフレット構造1240は、管腔210内に配置されたヒンジ部材1242に結合されて、リーフレット構造1240の開閉を容易にすることができる。作動部材1244部材は、繊維、コード、金属ストラット、半金属ストラット、超弾性合金材料又は他の同様の構造要素であることができる。作動部材1244は、リーフレット構造1240に結合されていない作動部材1244の端部に加えられる力又は張力に応答して、リーフレット構造1240の開閉を容易にする柱強度を有することができる。
【0166】
様々な例において、本明細書に記載のリーフレット構造1240は、生体適合性の合成材料(例えば、ePTFE及びePTFE複合材料、又は、所望に応じて他の材料を含む)から形成されうる。合成リーフレットでの使用に適した他の生体適合性ポリマーとして、限定するわけではないが、ウレタン、シリコーン(オルガノポリシロキサン)、シリコン-ウレタンのコポリマー、スチレン/イソブチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリエチレン-コ-ポリ(酢酸ビニル)、ポリエステルコポリマー、ナイロンコポリマー、フッ素化炭化水素ポリマー、及び、上述のそれぞれのコポリマー又は混合物が挙げられる。リーフレット構造1240は、記載された延伸フルオロポリマー材料を形成するために使用される延伸性フルオロポリマーを含むことができ、PTFEホモポリマーを含むことができる。他の例において、PTFE、延伸性変性PTFE及び/又はPTFEの延伸コポリマーのブレンドを使用できる。適切なフルオロポリマー材料の非限定的な例は、例えば、Brancaの米国特許第5,708,044号明細書、Baillieの米国特許第6,541,589号明細書、Sabolらの米国特許第7,531,611号明細書、Bruchmanの米国特許出願第11/906,877号明細書、及び、Xuらの米国特許出願第12/410,050号明細書に記載されている。さらに、リーフレット構造1240はまた、例えば、Diennoらの米国特許第9,855,141号明細書に記載されている。
【0167】
他の例において、そのようなリーフレット構造は、ウシ組織、ブタ組織などを含む再利用組織などの天然材料から形成されている。合成材料であるリーフレット構造1240は、非合成リーフレット構造1240が洗浄プロセスを必要としうるので、デバイス100の急性使用を容易にしうる。合成リーフレット構造1240は、デバイス100を使用する前にこの追加の工程を必要としない。
【0168】
リーフレット構造1240は、導管834に結合又は取り付けられることができる。「結合された(coupled)」という用語は、本明細書で使用されるときに、接合、接続、取り付け、接着、貼り付け又はボンド結合を意味する。リーフレット構造1240のリーフレットは、接着剤、熱結合又は化学結合によって、導管834の外面に(例えば、非機械的に)接着されうる。このようにして、リーフレット構造1240のリーフレットは、取り付けのためにリーフレット又は導管834の表面に穴を開けるか、さもなければ機械的に変更を行うことなく、導管834に取り付けられ又は結合される。特定の例において、リーフレットは、接着フィルムによって導管834に取り付け、接着、貼り付け又はボンド結合される。特定の例において、リーフレット構造1240は、導管834のスリット内に取り込まれることができる。導管834へのリーフレットの取り付けについての議論については、Colavitoらの米国特許出願第16/129,673号明細書を参照することができる。
【0169】
さらに、任意要素のオリフィス1246は、リーフレット構造1240のリーフレットの間の中央に配置されうる。オリフィス1246は、大動脈又は大静脈を完全に閉塞することなく、管腔210を通る血流を可能にするサイズにされうる。
図12Bは、本開示の様々な態様による、
図12Aに示される、留置型流れ制限デバイス100及びリーフレット構造1240の上面図である。
【0170】
特定の例において、導管834は、大動脈又は大静脈以外の血管内に配置されている。これらの例において、リーフレット構造1240は、管腔210を通る血流を変化させて、血管内の血流を制限し、患者に生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成されうる。特定の例において、リーフレット構造1240は、生理学的に媒介される治療応答を誘発し、血管内の末梢抵抗の増加を含むように構成されている。リーフレット構造1240は、以下でさらに詳細に記載されるように、血管内の瘻を治療し、血管内の末梢抵抗を増加させるように構成されうる。
【0171】
図12C~Eは、本開示の様々な態様による、異なるリーフレット構成1240の配置を有する、
図12A~Bに示される留置型流れ制限デバイス100の側面図及び上面図である。
図12Cに示されるように、リーフレット構造1240のリーフレットは、同じ平面内に配置されている。
図12Dに示されるように、リーフレット構造1240のリーフレットは、4つのリーフレットを含む。リーフレット構造1240は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ及びさらなる数のリーフレットを含むことができる。
図12Eに示されるように、リーフレット構造1240のリーフレットは、管腔210内で長手方向にずらされている。
【0172】
図12Fは、本開示の様々な態様による、リーフレット構造1240が閉じられたときの、
図12A~Eに示される、留置型流れ制限デバイス100及びリーフレット構造1240の部分側面図であり、
図12Gは、リーフレット構造1240が開かれたときの、
図12A~Fに示される、留置型流れ制限デバイス100及びリーフレット構造1240の部分側面図である。
【0173】
図12Fに示される閉位置において、リーフレット構造1240(例示を容易にするために単一のリーフレットが示されている)は、逆行方向1265で管腔210を通る流体流を防止するシェルフ1260とのリーフレット重複領域1255を有する。シェルフ1260は、
図12A~Eに示される配置のうちのいずれか1つのリーフレット構造1240の後ろで(流れに対して)遠位に配置されうる。リーフレット構造1240が閉位置にないとき(流入圧力が流出圧力よりも大きいとき)の順方向への順方向流1250の間に、リーフレット構造1240はシェルフ1260から離れて移動し、それらの間にギャップ1270を画定する。ギャップ1270及びリーフレット構造1240の概念のさらなる議論のために、Colavitoらの米国特許公開第2018/0353293号明細書を参照することができる。
【0174】
リーフレット構造1240が閉位置にないときにリーフレット構造1240とシェルフ1260との間に形成されるギャップ1270は、リーフレット構造1240に隣接する流体1275が、管腔210を通る順方向の順方向流1250中にギャップ1270を通過することを可能にする。すなわち、リーフレット構造1240の後ろの再循環流は、ギャップ1270を通過することができ、再循環流がリーフレット構造1240の後ろで減速又は停滞するのを防ぐ。さらに、ギャップ1270はまた、順方向流1250がギャップ1270を通過することを可能にし、リーフレット構造1240の後ろの再循環流をさらに攪乱し、リーフレット構造1240の下流に移動させる。したがって、リーフレット構造1240の後ろの血液は、凝固又は血栓を形成する可能性が低い。
【0175】
図12Hは、本開示の様々な態様による、静脈の流れに応答する、
図12A~Gに示される留置型流れ制限デバイス100及びリーフレット構造1240の側面図である。
図12Hに示される静脈インプラント処置について、カテーテル(図示せず)を大腿静脈に挿入し、ガイドワイヤを介して腎静脈の遠位の位置まで追跡することができる(本明細書で論じられる他の大静脈インプラント処置もこの方法で展開することができる)。他の例において、デバイスはデリバリーのためにガイドワイヤを使用しない。さらに、静脈インプラント処置は、頸静脈を通るアクセス経路を使用して行うことができる。リーフレット構造1240は血流1250を可能にするために開閉されうる。リーフレット構造1240は、示されるように、リーフレット構造1240を上向きに開くように作動されうる。
【0176】
図12Iは、本開示の様々な態様による、動脈の流れに応答する、
図12A~Gに示される、留置型流れ制限デバイス100及びリーフレット構造1240の側面図である。
図12Iに示される動脈インプラント処置については、カテーテル(図示せず)を腸骨に挿入し、ガイドワイヤを介して腎動脈の遠位の位置まで追跡することができる(本明細書で論じられる他の大動脈インプラント処置もこの方法で展開することができる)。リーフレット構造1240は、血流1250を可能にするために開閉されうる。リーフレット構造1240は、示されるように、リーフレット構造1240を下向きに開くように作動されうる。
【0177】
これらの各例において、流れは収縮期と拡張期の間で異なる。リーフレット構造1240は、作動部材1244を介して設計負荷サイクルのために構成されうる。
【0178】
図13は、本開示の様々な態様による、患者の大静脈内に配置された
図12A~Iに示される留置型流れ制限デバイスの図である。
図14は、本開示の様々な態様による、患者の大動脈内に配置された
図12A~Iに示される留置型流れ制限デバイスの図である。示されるように、デバイスは、デリバリーを容易にするために拘束ループ1280を含むことができる。
図9A~Bに示される拘束繊維832a~cと同様の拘束ループ1280は、デリバリーのために及び/又は導管834を通る流れを変化させるために使用されうる。
【0179】
大動脈にインプラントされると、留置型流れ制限デバイス100は、大動脈内の流体を迂回させることによって、血流を腎動脈の少なくとも1つに再指向させるように構成されている。腎灌流の増加を達成するために、腎動脈の遠位の血流に対する抵抗を増加させることができ、これにより遠位灌流が減少する。腎臓灌流の増加は腎臓産生を促進し、したがって流体体積を取り除く。特定の例において、留置型流れ制限デバイスは、腎動脈の少なくとも部分的に遠位の患者の大動脈の導管内に約40%~約80%の狭くなった流れ管腔を作製し、大動脈の少なくとも1つの分岐血管(例えば、腎動脈の一方又は両方)への血流を変化させるように構成されている。特定の例において、誘発される制限は、公称流量の約50%~約70%である。
【0180】
大静脈にインプラントされると、留置型流れ制限デバイス100は、大静脈内の圧力を変化させて大静脈の支流血管からの血流を変化させることによって、大静脈で終結する支流血管(例えば、腎静脈)からの灌流を増強しうる。特定の例において、留置型流れ制限デバイス100は、少なくとも1つの支流血管の遠位の大静脈に位置する導管内に約40%~約90%の狭くなった流れ管腔を作製するように構成されうる。腎静脈内の圧力を下げることによる、以下でさらに詳細に論じられる留置型流れ制限デバイスの使用は、薬学的ではなく血行動態的に腎臓灌流を増加させることができる。
【0181】
図15Aは、本開示の様々な態様による、第一の構成における別の例示的な留置型流れ制限デバイス100の側面図である。
図15Bは、本開示の様々な態様による、第二の構成における
図15Aに示される留置型流れ制限デバイスの側面図である。上記のように、導管1354は、上部1350と下部1352との間に配置される。上部及び下部1350、1352は、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成されうる。特定の例において、上部及び下部1350、1352は独立して回転可能である。上部及び下部1350、1352のうちの少なくとも1つの回転は、導管1354及び管腔210の直径を変化させ、これは、管腔210を通る血流を制限しうる。上部及び下部1350、1352は、複数のストラット1360、1362、1364、1366によってカテーテル204に結合される。
図14A~Bに示されるように、上部及び下部1350、1352は、中央部分よりも大きな直径を有する。さらに、上部及び下部1350、1352は、
図14A~Bを参照して以下でさらに詳細に記載されるように、血管壁に接触して係合するように構成されている。
【0182】
ストラット1360、1362、1364、1366は、カテーテル204に沿った異なる部分に結合される別個のストラットのセットを含むことができる。例えば、ストラットの第一のセット1360は、カテーテル204に沿った点「D」で結合されることができ、ストラットの第二のセット1362は、カテーテル204に沿った点「C」で結合されることができ、ストラットの第三のセット1364は、カテーテル204に沿った点「B」で結合されることができ、ストラットの第四のセット1366は、カテーテル204に沿った点「A」で結合されうる。
【0183】
特定の例において、ストラットのセット1360、1362、1364、1366は、上部及び下部1350、1352の内側又は外側セクションに結合されうる。ストラットの第一のセット1360は、下部1352の外周に結合されることができ、ストラットの第二のセット1362は、下部1352の内周に結合されることができる。さらに、ストラットの第三のセット1364は、上部1350の内周に結合されることができ、ストラットの第四のセット1366は、上部1350の外周に結合されることができる。
【0184】
カテーテル204の異なる部分は、ストラットのセット1360、1362、1364、1366を介して上部及び下部1350、1352の一方又は両方を回転させるために独立して回転可能であることができる。特定の例において、カテーテル204の点A、B、C及び/又はDは回転するように構成されうる。カテーテル204上のこれらの点の回転は、ストラットのセット1360、1362、1364、1366に力を渡して、所望の上部及び下部1350、1352を回転させる。一方向への回転は、導管1354を制限することができ、反対方向への回転は導管1354を開くことができる。したがって、カテーテル204は、管腔210を通る血流を変化させて、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されうる。
【0185】
特定の例において、デバイス100は、大動脈又は大静脈以外の血管内に配置されている。これらの例において、上部及び下部1350、1352は、管腔210を通る血流を変化させて、血管内の血流を制限し、患者に生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成されうる。特定の例において、上部及び下部1350、1352は、生理学的に媒介される治療応答を誘発して、血管内の末梢抵抗の増加を含むように構成されている。上部及び下部1350、1352は、以下でさらに詳細に記載されるように、血管内の瘻を治療し、血管内の末梢抵抗を増加させるように構成されうる。
【0186】
図16Aは、本開示の態様による、第一の構成における
図15A~Bに示される、留置型流れ制限デバイス100の上面図及び断面図であり、
図16Bは、第二の構成における
図15A~Bに示される、留置型流れ制限デバイスならびに上部及び下部1350、1352の上面図及び側面図である。留置型メディカルデバイス100は、
図15A~Bに示されるように、患者の大動脈又は大静脈における血流の急性変化のために使用されうる。留置型メディカルデバイス100はまた、カテーテル(図示せず)、及び、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在している導管1354及び上部及び下部1350、1352を含むことができる。上記で詳細に論じたように、導管1354は、制限を変更し、直径を変更するデバイス100の部分である。導管1354及び上部及び下部1350、1352は、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔210を含む。特定の例において、導管1354は、直径方向に調整可能なステント及び/又はグラフト構成要素を含む。さらに、上部及び下部1350、1352は、大動脈又は大静脈の血管壁に接触し、血管内の導管1354を安定化するように構成されている。導管1354(及び/又は上部及び下部1350、1352)は、自己拡張型ステント及び/又はグラフトを含むことができ、血管壁に対して拡張し、血管壁に対して固定又は向かい合うことができる。導管1354(及び/又は上部及び下部1350、1352)内のステント部分は、編組されうるか、又はカットチューブから形成されうる。
【0187】
導管1354の直径及び長さは、第一の構成で
図15Aにおいて制限のための上部及び下部1350、1352のうちの少なくとも1つの回転の後で、そして
図15Bにおいて上部及び下部1350、1352のうちの少なくとも1つの回転の前で示されている。これらの構成で導管1354を比較して示されるように、導管1354の直径は、上部及び下部1350、1352のうちの少なくとも1つの回転に応答して減少する。特定の例において、導管1354の長さは、上部及び下部1350、1352のうちの少なくとも1つの回転に応答して増加する。
【0188】
上部及び下部1350、1352は、血流を所望の百分率で制限するように構成されている(例えば、一方又は両方の腎動脈の遠位の大動脈の導管内で約40%~約80%の狭くなった流れ管腔を作製し、大動脈の少なくとも1つの分岐血管への血流を変化させ、又は、一方又は両方の腎静脈の遠位の大静脈に位置する導管内で約40%~約90%の狭くなった流れ管腔を作製し、一方又は両方の腎静脈を通る血流を変化させる)。
【0189】
特定の例において、
図15A~Bを参照して上記でさらに詳細に記載されるように、カテーテルは、上部1350及び下部1352のうちの少なくとも1つを回転させて、管腔210を通る血流を変化させて、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されうる。
【0190】
図17は、本開示の様々な態様による、
図15A~B及び
図16A~Bに示される、留置型流れ制限デバイス100の側面図である。
図17に示されるように、
図15~16に示されるデバイス100などの留置型流れ制限デバイス100は、デリバリーシース324内で崩潰されている。上部及び下部1350、1352及び導管1354はデリバリー直径で配置されている。
【0191】
図18は、本開示の様々な態様による、患者の大静脈内に配置された第一の構成における
図15~17に示される留置型流れ制限デバイスの図である。
図19は、本開示の様々な態様による、患者の大静脈内に配置された第二の構成における
図15~17に示される留置型流れ制限デバイスの図である。
図20は、本開示の様々な態様による、患者の大動脈内に配置された第一の構成における
図15~17に示される留置型流れ制限デバイスの図である。
図21は、本開示の様々な態様による、患者の大動脈内に配置された第二の構成における
図15~17に示される留置型流れ制限デバイスの図である。特定の例において、カテーテル204は、
図20に示されるように、非外傷性遠位先端275を含むことができる。
【0192】
大動脈にインプラントされると、留置型流れ制限デバイス100は、大動脈内の流体を迂回させることによって、血流を腎動脈の少なくとも1つに再指向させるように構成されている。腎灌流の増加を達成するために、腎動脈の遠位の血流に対する抵抗を増加させることができ、これにより遠位灌流が減少する。腎臓灌流の増加は腎臓産生を促進し、したがって流体体積を取り除く。特定の例において、留置型流れ制限デバイスは、腎動脈の少なくとも部分的に遠位の患者の大動脈の導管内で約40%~約80%の狭くなった流れ管腔を作製し、大動脈の少なくとも1つの分岐血管(例えば、腎動脈の一方又は両方)への血流を変化させるように構成されている。特定の例において、狭くなった流れ管腔は、約50%~約70%である。
【0193】
大静脈にインプラントされると、留置型流れ制限デバイス100は、大静脈内の圧力を変化させて大静脈の支流血管からの血流を変化させることによって、大静脈で終結する支流血管(例えば、腎静脈)からの灌流を増強しうる。特定の例において、留置型流れ制限デバイス100は、少なくとも1つの支流血管の遠位の大静脈に位置する導管内で約40%~約90%の狭くなった流れ管腔を作製するように構成されうる。腎静脈内の圧力を下げることによる、以下でさらに詳細に議論される留置型流れ制限デバイスの使用は、薬学的ではなく血行動態的に腎臓灌流を増加させることができる。
【0194】
図22は、本開示の様々な態様による、流れ変更要素を有する別の例示的な留置型流れ制限デバイスの側面図である。留置型メディカルデバイス100は、
図22に示されるように、患者の大動脈又は大静脈における血流の急性変化のために使用されうる。留置型メディカルデバイス100はまた、カテーテル(図示せず)、及び前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在している血管対向部材部分314を含むことができる。血管対向部材部分314は、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成されている。示されるように、血管対向部材部分314は外側ジャケットである(これは、部分的又は全体的に、グラフト材料、バルーン、ポリマー材料又は別の同様の材料から形成されうる)。血管対向部材部分314は、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成されている。特定の例において、外側ジャケット314は、大動脈又は大静脈の血管壁に対してデバイス100を拡張して保持するように構成されている。
【0195】
特定の例において、流れ変更要素208は、血管対向部材部分314内に配置される。
図22に示されるように、流れ変更要素208は内側ジャケットである。内側ジャケット208は、大動脈又は大静脈を通って脈動している血流を方向付けるための管腔210を含む。内側ジャケット208は、管腔210を通る血流を変化させて、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されうる。特定の例において、バルーン又は膨張可能なシースであることができる内側ジャケット208は、空気、液体、超吸収性ポリマー(SAP)、ポリマー間の化学反応、非ニュートン流体又は別の物質を膨張ポート212を介して供給しそして戻すことにより膨張及び収縮させ、管腔210を通る血流の制限レベルを変化させるように構成されている。
【0196】
留置型流れ制限デバイス100が固定又は対向された後に、流れ変更要素208は、管腔210の制限量を変化させるように、選択的に膨張されそして収縮されることができる(又は制限され及び制限されない)。内側ジャケット208と外側ジャケット314との間によりブラダ730は形成されうる。これは、流れ変更要素208の内面の全周(360度)にわたって一貫しているか、又は、流れ変更要素208の内面の部分又はセクション(例えば、180度間隔のポケット)に形成されている。
【0197】
特定の例において、流れ変更要素208は、大動脈又は大静脈以外の血管内に配置されている。これらの例において、流れ変更要素208は、管腔210を通る血流を変化させて、血管内の血流を制限し、患者に生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成されうる。特定の例において、流れ変更要素208は、生理学的に媒介される治療応答を誘発し、血管内の末梢抵抗の増加を含むように構成されている。流れ変更要素208は、以下でさらに詳細に記載されるように、血管内の瘻を治療し、血管内の末梢抵抗を増加させるように構成されうる。
【0198】
図23Aは、本開示の様々な態様による、第一の構成における別の例示的な留置型流れ制限デバイス100の側面図である。留置型メディカルデバイス100は、
図23A~Bに示されるように、患者の大動脈又は大静脈における血流の急性変化のために使用することができる。留置型メディカルデバイス100はまた、カテーテル(図示せず)、及び前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在している血管対向部材部分314を含むことができる。血管対向部材部分314は、大動脈又は大静脈の血管壁2350に対して向かい合うように構成されている。
【0199】
特定の例において、流れ変更要素208は、
図23A及び23Bを比較して示されるように、血管対向部材部分314の少なくとも一部を収縮させるように血管対向部材部分314の外側に配置される。流れ変更要素208は、血管対向部材部分314の周囲に配置された1つ以上の磁石であることができる。磁石は、流れ変更要素208として、アクチュエータ2352によって作動されうる。アクチュエータ2352は、磁石を作動させて一緒に引き付けて、血管対向部材部分314を収縮させるように構成されうる。このようにして、磁石は、血管対向部材部分314の管腔210を変化させて、大動脈又は大静脈を通って脈動している血流を方向付ける。磁石は、管腔210を通る血流を変化させて、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されうる。留置型流れ制限デバイス100が固定又は対向された後に、磁石は、管腔210の制限量を変化させるように選択的に活性化されうる。
【0200】
特定の例において、流れ変更要素208は、大動脈又は大静脈以外の血管内に配置されている。これらの例において、流れ変更要素208は、管腔210を通る血流を変化させて、血管内の血流を制限し、患者に生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成されうる。特定の例において、流れ変更要素208は、生理学的に媒介される治療応答を誘発し、血管内の末梢抵抗の増加を含むように構成されている。流れ変更要素208は、以下でさらに詳細に記載されるように、血管内の瘻を治療し、血管内の末梢抵抗を増加させるように構成されうる。
【0201】
図24Aは、本開示の様々な態様による、第一の構成における別の例示的な留置型流れ制限デバイスの側面図である。留置型メディカルデバイス100は、
図24A~Bに示されるように、患者の大動脈又は大静脈における血流の急性変化のために使用されうる。留置型メディカルデバイス100はまた、カテーテル(図示せず)、及び、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在している血管対向部材部分314を含むことができる。血管対向部材部分314は、大動脈又は大静脈の血管壁2350に向かい合うように構成されている。
【0202】
特定の例において、流れ変更要素208は、
図24A及び24Bと比較して示されるように、血管対向部材部分314の外側に配置され、血管対向部材部分314の少なくとも一部を収縮させる。流れ変更要素208は、血管対向部材部分314の周囲に配置された締め付けバンド(シンチングバンド)であることができる。流れ変更要素208としての締め付けバンドは、アクチュエータ2352によって作動されうる。特定の例において、締め付けバンドは、締め付けバンド内で直径が拡大するポリマー又は活性化可能物質(例えば、電気活性ポリマー)のための経路を含むことができ、それにより、血管対向部材部分314の少なくとも一部の直径を制限又は収縮させる。このように、締め付けバンドは、ポリマー又は活性化可能物質(例えば、電気活性ポリマー)の活性化に応答して、血管対向部材部分314の少なくとも一部の直径を制限又は収縮するように構成されている。
【0203】
アクチュエータ2352は、ポリマー又は活性化可能物質(例えば、電気活性ポリマー)を活性化して、血管対向部材部分314を収縮させるように構成されうる。このようにして、締め付けバンドは、血管対向部材部分314の管腔210を変化させ、大動脈又は大静脈を介して脈動している血流を方向付ける。締め付けバンドは、管腔210を通る血流を変化させて、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されうる。留置型流れ制限デバイス100が固定又は対向された後に、締め付けバンドを選択的に活性化させて、管腔210の制限量を変化させることができる。
【0204】
特定の例において、流れ変更要素208は、大動脈又は大静脈以外の血管内に配置されている。これらの例において、流れ変更要素208は、管腔210を通る血流を変化させて、血管内の血流を制限し、患者に生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成されうる。特定の例において、流れ変更要素208は、生理学的に媒介される治療応答を誘発し、血管内の末梢抵抗の増加を含むように構成されている。流れ変更要素208は、以下でさらに詳細に記載されるように、血管内の瘻を治療し、血管内の末梢抵抗を増加させるように構成されうる。
【0205】
図25Aは、本開示の様々な態様による、第一の構成における別の例示的な留置型流れ制限デバイスの側面図である。留置型メディカルデバイス100は、
図25A~Bに示されるように、患者の大動脈又は大静脈における血流の急性変化のために使用されうる。留置型メディカルデバイス100はまた、カテーテル204、及び、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在している血管対向部材部分314(例えば、グラフト又はステントグラフト)を含むことができる。血管対向部材部分314は、大動脈又は大静脈の血管壁2350に対して向かい合うように構成されている。
【0206】
特定の例において、流れ変更要素208は、
図24A及び24Bを比較して示されるように、血管対向部材部分314内に配置されて、血管対向部材部分314の管腔210を制限するように拡張する。流れ変更要素208は、血管対向部材部分314内の中央に配置されたバルーンであることができる。バルーンの膨張は、血管対向部材部分314の前端に漏斗形状を形成する。特定の例において、血管対向部材部分314は、示されているように、バルーンの少なくとも一部に結合されている。このようにして、バルーンの膨張は、血管対向部材部分314の部分を内側に引き寄せて、管腔210を制限する。
【0207】
特定の例において、流れ変更要素208は、大動脈又は大静脈以外の血管内に配置されている。これらの例において、流れ変更要素208は、管腔210を通る血流を変化させて、血管内の血流を制限し、患者に生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成されうる。特定の例において、流れ変更要素208は、生理学的に媒介される治療応答を誘発し、血管内の末梢抵抗の増加を含むように構成されている。流れ変更要素208は、以下でさらに詳細に記載されるように、血管内の瘻を治療し、血管内の末梢抵抗を増加させるように構成されうる。
【0208】
上記の図は、デバイスが配置されている血管の分岐血管(例えば、大動脈及び/又は大静脈、及び、大動脈及び/又は大静脈から延在し又はそれに導く分岐血管)への血流を増加させるように血管でのインプラント処置による急性治療のために使用できるデバイスを示している。特定の例において、デバイスは、負荷サイクルを使用して血流を変化させるように作動されうる。負荷サイクルは、収縮期及び拡張期の血流圧と同期していることができる。他の例において、負荷サイクルは、他の生理学的信号に基づくか、又はランダムに選択されうる。さらに、制限の量は、制限位置の下の循環を遮断することなく血流を調整するために、患者の活動レベル(例えば、立ち上がる、座る、眠る、運動する、安静時)に基づいて変化されうる。センサは、上記のように、活動レベルを感知し、制限百分率を変化させるためのフィードバックを提供することができる。
【0209】
さらに、特定の例において、上記のデバイスは、大動脈又は大静脈の直径方向の制限を記載しているが、制限部分の長さも、大動脈又は大静脈の制限の量に影響を与えることができる。したがって、制限部分の長さ及び制限部分の直径又は周囲長さを変化させて、所望の狭窄又は制限百分率を達成することができる。
【0210】
さらに、本明細書で論じられるデバイスは、動静脈(AV)瘻の治療のために血管内にインプラントされうる。AV瘻の形成は、血管系内の末梢抵抗の低下につながることがある。AV瘻又はそれに隣接した本明細書で論じられるデバイスのインプラント処置は、流れ抵抗を公称レベルまで増加させ、AV瘻に起因する末梢抵抗の減少を打ち消すことができる。特定の例において、デバイスは、AV瘻の遠位に、AV瘻の近位に又はAV瘻を横切ってインプラントされる。
【0211】
試験方法
流れ制限デバイス及び方法のための適切な試験方法の非限定的な例は、誘発された心不全(約30%の駆出率をもたらす冠状動脈微小塞栓形成)のイヌの応答を評価することを含んだ。4匹のイヌは腎動脈の遠位にある流れ制限デバイスを受け取り、3匹は対照のために維持された。デバイスによって誘発された平均直径狭窄は約60%(約55~約64%の範囲)であった。動物は35日間生き続けた:血液化学、バイオマーカー及び血行動態的状態を、研究全体を通してモニターした。
【0212】
血行動態的状態の変化は、対照群と比較して試験群で観察され、心機能の改善及び交感神経系の緊張の低下を示した。例えば、心拍数及び平均動脈圧は対照と比較して低下したが、収縮性は増加した。これらの比較結果は、対照と比較して、プロBNP及びNGALなどのバイオマーカーのポジティブシフトによって支持された。例として、インプラントを装着した動物は、利尿性付与の結果として、約35%多い尿を生成し、約21%高いクレアチニン含有量を示し、血清クレアチニンの増加が約52%少なくなった。表1に、調査結果を示す。
【表1】
【0213】
研究の終わりに、すべての動物(試験及び対照)に、80mgのLasix(利尿剤)のボーラスを投与した。このモデルにおいて、健康な動物は血清クレアチニンレベルの変化が最小限であるのに対し、心不全の動物は有意な増加を経験する。 この試験は、腎臓に負荷がかかったときのデバイスの効果を例示するために実施した。表2は、ボーラス投与後の結果を示している。
【表2】
【0214】
上記で詳細に論じたように、流れ制限デバイスは、腎動脈の遠位の大動脈内に配置されたときに同様の結果を達成し、心不全に関連する体液過剰及び心臓負荷の症状を軽減するのに役立つことができる。デバイスは、狭窄の近位の血圧を上昇させ、そうすることで、腎臓灌流圧を上昇させ、したがって腎臓灌流を増加させることができる。このデバイスの二次的効果は、RAAS系の活性化の低下であることができる。デバイスの有効性は、中枢血行動態、左心室(LV)機能、腎機能及びバイオマーカーの評価に基づいていた。
【0215】
特定の例において、誘発された狭窄は、それが約40%に達するまで、流れ又は圧力にほとんど影響を及ぼさないことがあり、その後、効果は、動脈の直径及び血流速度に依存する。狭窄のレジームは、約40%~約80%又は約50%~約70%であることができる。臨床的には、足首の圧力、ドップラー超音波速度又は下肢の他の血行動態的パラメータの測定を使用して、適切な四肢の灌流を確保しながら、誘発される狭窄の大きさを最適化することができる。
【0216】
例示的な留置型メディカルデバイスは、直径方向に調整可能なステント及び/又はグラフト構成要素を含むことができる。例えば、本明細書で論じられるステント構成要素は、デバイスの伸長がステント構成要素の直径を増加させ、デバイスの短縮がステント構成要素の直径を減少させうるように、直径方向に調整可能であることができる。直径方向に調整可能なステント構成要素に関するさらなる議論については、直径方向に調整可能なステント構成要素の教示についての米国特許第8,936,634号明細書を参照することができる。さらに、本明細書で論じられるグラフト構成要素も直径方向に調整可能であることができる。直径方向に調整可能なグラフト構成要素に関するさらなる議論については、直径方向に調整可能なグラフト構成要素の教示についての米国特許第6,336,937号及び米国特許第9,522,072号明細書を参照することができる。さらに、留置型メディカルデバイスは、腎臓への流れを変化させ、
図1を参照してさらに詳細に論じられるように、患者の変化に影響を与える神経ホルモン応答を生成しうる。
【0217】
合成ポリマー(グラフト構成要素として使用できる)の例としては、限定するわけではないが、ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリカーボネート、ポリホルムアルデヒド、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロクロロエチレン、ポリビニルクロリド、ポリウレタン、エラストマーオルガノシリコーンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリグリコール酸、ポリエステル、ポリアミド、それらの混合物、ブレンド及びコポリマーが挙げられ、それらはグラフト材料として適している。1つの実施形態において、前記グラフトは、DACRON(登録商標)及びMYLAR(登録商標)を含むポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル及びKEVLAR(登録商標)などのポリアラミド、共重合ヘキサフルオロプロピレンを含む又は含まないポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(TEFLON(登録商標)又はGORE-TEX(登録商標))などのポリフルオロカーボン及び多孔質又は非多孔質ポリウレタンのクラスから作られる。特定の例において、グラフトは、英国特許第1,355,373号、同第1,506,432号又は同第1,506,432号又は米国特許第3,953,566号又は同第4,187,390号明細書に記載される延伸フルオロカーボンポリマー(特にPTFE)材料を含む。好ましいフルオロポリマーのクラスとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、テトラフルオロエチレン(TFE)とペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)とのコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)のホモポリマー、及び、TFE、エチレン-クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)とのそのコポリマー、エチレン-テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニリド(PVF)のコポリマーが挙げられる。血管プロテーゼで広く使用されているため、特に好ましいのはePTFEである。特定の例において、グラフトは、上記に列挙された前記材料の組み合わせを含む。特定の例において、グラフトは、体液に対して実質的に不透過性である。前記実質的に不透過性のグラフトは、体液に対して実質的に不透過性である材料から製造されることができ、又は、(例えば、上記又は当該技術分野で知られている異なるタイプの材料を層状にすることによって)体液に対して実質的に不透過性であるように処理又は製造された透過性材料から構築されることができる。
【0218】
グラフト材料の追加の例としては、限定するわけではないが、フッ化ビニリジン/ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニリデン、1-ヒドロペンタフルオロプロピレン、ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ペンタフルオロプロペン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロアセトン、ヘキサフルオロイソブチレン、フッ素化ポリ(エチレン-コ-プロピレン)(FPEP)、ポリ(ヘキサフルオロプロペン)(PHFP)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)(PCTFE)、ポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)、ポリ(フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン)(PVDF-TFE)、ポリ(フッ化ビニリデン-コ-ヘキサフルオロプロペン)(PVDF-HFP)、ポリ(テトラフルオロエチレン-コ-ヘキサフルオロプロペン)(PTFE-HFP)、ポリ(テトラフルオロエチレン-コ-ビニルアルコール)(PTFE-VAL)、ポリ(テトラフルオロエチレン-コ-ビニルアセテート)(PTFE-VAC)、ポリ(テトラフルオロエチレン-コ-プロペン)(PTFEP)、ポリ(ヘキサフルオロプロペン-コ-ビニルアルコール)(PHFP-VAL)、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)(PETFE)、ポリ(エチレン-コ-ヘキサフルオロプロペン)(PEHFP)、ポリ(フッ化ビニリデン-コ-クロロトリフルオロエチレン)(PVDF-CTFE)及びそれらの組み合わせ、ならびに米国公開2004/0063805号明細書に記載されている追加のポリマー及びコポリマーが挙げられる。追加のポリフルオロコポリマーとしては、テトラフルオロエチレン(TFE)/ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)が挙げられる。PAVEは、米国公開第2006/01988666号及び米国特許第7,049,380号明細書に本質的に記載されているように、ペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、ペルフルオロエチルビニルエーテル(PEVE)又はペルフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)であることができる。他のポリマー及びコポリマーとしては、ポリラクチド、ポリカプロラクトン-グリコリド、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリアミノ酸、多糖類、ポリホスファゼン、ポリ(エーテル-エステル)コポリマー、例えば、PEO-PLLA、又はそれらのブレンド、ポリジメチル-シロキサン、ポリ(エチレン-ビニルアセテート)、アクリレートベースのポリマー又はコポリマー、例えば、ポリ(ヒドロキシエチルメチルメタクリレート)、ポリビニルピロリジノン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素化ポリマー、セルロースエステル及び米国公開2004/0063805号明細書に記載されている任意のポリマー及びコポリマーが挙げられる。
【0219】
本明細書で論じられるように、グラフト構成要素は、少なくとも1つのほぼ平坦な表面を有するほぼ平坦なリボン又はテープである結合部材を使用することによって、自己拡張型ステント要素に取り付けることができる。特定の例において、テープ部材は、接着剤で連続的又は不連続的にコーティングされた延伸PTFE(ePTFE)から作られる。接着剤は熱可塑性接着剤であることができる。特定の例において、熱可塑性接着剤は、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)であることができる。より具体的には、ePTFEのFEP塗布面を、自己拡張型ステント及びグラフト構成要素の外面に対して対面させ、それに接触させ、したがって、自己拡張型ステントをグラフト構成要素に取り付けることができる。ステントをグラフトに取り付ける材料及び方法は、米国特許第6,042,605号明細書において議論されている。
【0220】
本明細書で論じられるステント要素は、様々な生体適合性材料から製造することができる。これらの材料としては、316Lステンレス鋼、コバルト-クロム-ニッケル-モリブデン-鉄合金(「コバルト-クロム」)、L605などの他のコバルト合金、タンタル、ニッケル-チタン合金(ニチノールなど)又は他の生体適合性金属を挙げることができる。特定の例において、上記で詳細に論じたように、ステント(及びグラフト)は自己拡張性であることができる。プロテーゼは、バルーン拡張型又は自己拡張型、又は非金属(例えば、PEEK、3D印刷材料、PLA)であることができる。
【0221】
これらのステントでの使用には、ニチノールなどの様々な金属の超弾性合金などの様々な材料が適している。材料の主な要件は、非常に薄いシート又は小径のワイヤに加工された場合でも、適切に弾力性があることである。コバルトクロム合金(例えば、ELGILOY(登録商標))、白金/タングステン合金、特にニッケル-チタン合金(例えば、ニチノール)などの他の合金と同様に、高い弾力性を生じるように、物理的に、化学的に又はその他の方法で処理した様々なステンレス鋼は適切である。
【0222】
本発明の範囲から逸脱することなく、議論された例示的な実施形態に様々な変更及び付加を行うことができる。例えば、上記の実施形態は特定の特徴に言及しているが、本発明の範囲はまた、異なる特徴の組み合わせを有する実施形態及び記載された特徴のすべてを含むわけではない実施形態を含む。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲内にあるようなすべてのそのような代替、変更及び変形を、それらのすべての同等形態とともに包含することを意図している。
(態様)
(態様1)
患者の血管内の血流の急性変化のための留置型メディカルデバイスであって、
カテーテル、
前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、血管の血管壁に向かい合うように構成された血管対向部材部分、及び、
前記血管対向部材部分内に配置され、血管を通る血流のための管腔を含み、前記管腔を通る血流を変化させて血管内の血流を制限し、そして患者の生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成された流れ変更要素、
を含む、留置型メディカルデバイス。
(態様2)
前記血管は大動脈であり、前記血管対向部材部分は、大動脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎動脈の遠位の大動脈に位置する導管内に約40%~約80%の狭くなった流れ管腔を形成し、大動脈の少なくとも1つの分岐血管への血流を変化させて一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されている、態様1記載のデバイス。
(態様3)
前記血管は大静脈であり、前記血管対向部材部分は、大静脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎静脈の遠位にある大静脈に位置する導管内に約40%~約90%の狭くなった流れ管腔を形成し、一方又は両方の腎静脈を通る血流を変化させて一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されている、態様1記載のデバイス。
(態様4)
前記血管対向部材部分は、一方又は両方の腎静脈の上流に配置され、前記流れ変更要素は、一方又は両方の腎静脈からの血圧を低下させて腎臓を通る血流を促進するように構成されている、態様3記載のデバイス。
(態様5)
前記流れ変更要素は、バルーン、ステント、ステントグラフト、シース及び制限バンドのうちの少なくとも1つであり、前記血管対向部材部分は、外側バルーン、ステント、ポリマー材料又は他の構造などの少なくとも1つ又は複数の要素を含む、態様1~4のいずれか1項記載のデバイス。
(態様6)
前記流れ変更要素はバルーンであり、前記血管対向部材部分は、少なくとも1つの外側バルーンであり、前記外側バルーン及び流れ変更要素を膨張及び収縮させるように構成された複数の膨張ポートをさらに含む、態様5記載のデバイス。
(態様7)
前記外側バルーン及び流れ変更要素は実質的に同様の長さである、態様6記載のデバイス。
(態様8)
前記流れ変更要素の長さは、前記外側バルーンの長さよりも短い、態様5記載のデバイス。
(態様9)
前記複数のポートのうちの1つは、外側バルーンの少なくとも一部の内直径を制限する流れを提供して管腔を変化させるように構成されている、態様6~8のいずれか1項記載のデバイス。
(態様10)
前記カテーテルに結合され、内側又は外側バルーン内に配置された複数のストラットをさらに含み、前記複数のストラットは、前記バルーンを支持するように構成されている、態様6~9のいずれか1項記載のデバイス。
(態様11)
前記流れ変更要素の管腔は、筒形、砂時計形、円形制限部分を有する形状、段差状制限部分を有する形状、傾斜した形状及び尖った形状のうちの少なくとも1つを含む、態様1~10のいずれか1項記載のデバイス。
(態様12)
前記流れ変更要素は、バルーン、ステント、ステントグラフト、制限バンド及びシースのうちの少なくとも1つである、態様1~11のいずれか1項記載のデバイス。
(態様13)
患者の一方又は両方の腎臓への血流を増加させて尿産生を増加させる方法であって、態様1~12のいずれか1項記載のデバイスを含む、方法。
(態様14)
患者の大動脈又は大静脈における血流の急性変化のための留置型メディカルデバイスであって、
カテーテル、
大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在している導管、及び、
前記導管の周囲に配置され、張力に応答して大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように前記管腔を通る血流を変化させるように構成された少なくとも1つの拘束繊維、
を含む、留置型メディカルデバイス。
(態様15)
前記導管は、大動脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎動脈の遠位の大動脈の導管内に約40%~約80%の狭くなった流れ管腔を作製して、腎臓への血流を促進するように構成されている、態様14記載のデバイス。
(態様16)
前記導管は、大静脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎静脈の遠位の大静脈に位置する約40%~約90%の狭くなった流れ管腔を作製して、腎臓への血流を促進するように構成されている、態様14記載のデバイス。
(態様17)
前記導管は一方又は両方の腎静脈の上流に配置され、前記少なくとも1つの拘束繊維は、一方又は両方の腎静脈から血圧を低下させ、腎臓を通る血流を促進するように構成されている、態様16記載のデバイス。
(態様18)
前記少なくとも1つの拘束繊維は前記導管の長さに沿って異なる部分に配置された複数の拘束繊維を含む、態様14~17のいずれか1項記載のデバイス。
(態様19)
患者の一方又は両方の腎臓への血流を増加させて尿産生を増加させる方法であって、態様14~18のいずれか1項記載のデバイスを含む、方法。
(態様20)
患者の大動脈又は大静脈における血流の急性変化のための留置型メディカルデバイスであって、
カテーテル、
大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在している導管、及び、
前記導管の管腔内に配置され、前記管腔を通る血流を変化させて大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓に入る又はから出る血流を変化させるように構成されたリーフレット構造、
を含む、留置型メディカルデバイス。
(態様21)
前記導管は、大動脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎動脈の遠位にある大動脈の約40%~約80%の狭くなった流れ管腔を作製して腎臓への血流を促進するように構成されている、態様20記載のデバイス。
(態様22)
前記導管は、大静脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎静脈の遠位にある大静脈の約40%~約90%の狭くなった流れ管腔を作製して腎臓への血流を促進するように構成されている、態様20記載のデバイス。
(態様23)
前記導管は、一方又は両方の腎静脈の上流に配置され、前記リーフレット構造は、一方又は両方の腎静脈から血圧を低下させて腎臓を通る血流を促進するように構成されている、態様22記載のデバイス。
(態様24)
前記リーフレット構造を開閉するように構成された1つ以上の作動部材をさらに含む、態様20~23のいずれか1項記載のデバイス。
(態様25)
前記1つ以上の作動部材は、前記リーフレット構造内の各リーフレットを開閉するように構成された単一の作動部材を含む、態様24記載のデバイス。
(態様26)
前記1つ以上の作動部材は、前記リーフレット構造内のリーフレットの数に等しい数の作動部材を含む、態様24記載のデバイス。
(態様27)
前記リーフレット構造は、前記リーフレット構造の開閉を促進するために前記管腔内に配置されたヒンジ部材に結合されている、態様24~26のいずれか1項記載のデバイス。
(態様28)
患者の一方又は両方の腎臓に入る又はから出る血流を増加させて尿産生を増加させる方法であって、態様20~27のいずれか1項記載のデバイスを含む、方法。
(態様29)
患者の大動脈又は大静脈における血流の急性変化のための留置型メディカルデバイスであって、
大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成された上部、
大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成された下部、
大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、前記上部と前記下部との間に配置された導管、及び、
前記上部及び前記下部のうちの少なくとも1つを回転させて管腔を通る血流を変化させて大動脈又は大静脈内の血流を制限し、一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されたカテーテル、
を含む、留置型メディカルデバイス。
(態様30)
前記上部及び前記下部は、大動脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎動脈の遠位にある大動脈内に位置する導管内に約40%~約80%の狭くなった流れ管腔を作製して腎臓への血流を増加させるように構成されている、態様29記載のデバイス。
(態様31)
前記上部及び前記下部は、大静脈の血管壁に向かい合い、一方又は両方の腎静脈の遠位にある大静脈内に位置する導管内に約40%~約90%の狭くなった流れ管腔を作製して一方又は両方の腎静脈を通る血流を変化させるように構成されている、態様29記載のデバイス。
(態様32)
前記上部及び前記下部は、一方又は両方の腎静脈の上流に配置され、一方又は両方の腎静脈から血圧を低下させて腎臓を通る血流を促進するように構成されている、態様31記載のデバイス。
(態様33)
前記カテーテルと、前記カテーテルの回転に応答して前記上部を回転させるように構成された前記上部とに結合された第一の複数のストラット、及び、前記カテーテルと、前記カテーテルの回転に応答して前記下部を回転させるように構成された前記下部とに結合された第二の複数のストラットをさらに含む、態様29~32のいずれか1項記載のデバイス。
(態様34)
前記カテーテルは、前記上部及び前記下部を独立して回転させるように構成されている、態様29~33のいずれか1項記載のデバイス。
(態様35)
前記導管は実質的に筒形であり、前記上部及び前記下部のうちの少なくとも1つの直径よりも小さい直径を含む、態様30~35のいずれか1項記載のデバイス。
(態様36)
患者の一方又は両方の腎臓への血流を増加させて尿産生を増加させる方法であって、態様29~35のいずれか1項記載のデバイスを含む、方法。
(態様37)
患者の心不全の急性治療の方法であって、
患者の大動脈又は大静脈内でカテーテルに結合された留置型メディカルデバイスを配置すること、
前記留置型メディカルデバイスを通る血流を制限して、患者内の過剰な流体の蓄積を減らすことにより、生理学的に媒介される治療応答を誘発すること、及び、
前記留置型メディカルデバイスを患者の大動脈又は大静脈から取り外すこと、
を含む、方法。
(態様38)
前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、そして大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成された血管対向部材部分、及び、前記血管対向部材部分内に配置され、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含み、前記管腔を通る血流を変化させ、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成された流れ変更要素を含む、態様37記載の方法。
(態様39)
前記留置型メディカルデバイスは、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在している導管、及び、前記導管の周囲に配置され、張力に応答して前記管腔を通る血流を変化させて大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成された少なくとも1つの拘束繊維を含む、態様37記載の方法。
(態様40)
前記留置型メディカルデバイスは、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在している導管、及び、前記導管の管腔内に配置され、前記管腔を通る血流を変化させて大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されたリーフレット構造を含む、態様37記載の方法。
(態様41)
前記留置型メディカルデバイスは、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成された上部、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成された下部、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、前記上部と前記下部との間に配置された導管を含み、前記カテーテルは、前記上部及び前記下部のうちの少なくとも1つを回転させて、管腔を通る血流を変化させて、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、一方への血流を変化させるように構成されている、態様37記載の方法。
(態様42)
前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、血管対向部材部分、及び、大動脈又は大静脈を通って脈動している血流を方向付けるように前記管腔の直径を変化させるように構成された少なくとも1つの磁石を含む、態様37記載の方法。
(態様43)
前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む血管対向部材を含み、そしてシンチングバンドは、シンチングバンドの活性化に応答して、前記血管対向部材の直径を制限又は収縮するように構成されている、態様37記載の方法。
(態様44)
前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む血管対向部材、及び、活性化可能な物質の活性化に応答して前記血管対向部材の直径を制限又は収縮するように構成された活性化可能物質を含むシンチングバンドを含む、態様37記載の方法。
(態様45)
前記活性化可能な物質は電気活性ポリマーである、態様44記載の方法。
(態様46)
前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、血管対向部材、及び、アクチュエータの作動に応答して前記血管対向部材の直径を制限又は収縮するように構成されたアクチュエータを含む、態様37記載の方法。
(態様47)
前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む血管対向部材、及び、前記血管対向部材部分の前端に漏斗形状を作製するように構成されたバルーンを含む、態様37記載の方法。
(態様48)
前記バルーンは、膨張に応答して前記血管対向部材部分の一部を内側に引き、前記管腔を制限するように構成されている、態様47記載の方法。
(態様49)
血流を制限することは、患者の活動レベルに基づいて制限の量を調整することを含む、態様37~48のいずれか1項記載の方法。
(態様50)
血管内の血流を制限するためのデバイスであって、
留置型メディカルデバイスを通る血流を制限して、生理学的に媒介される治療応答を誘発するように構成された、血管内にインプラントするように構成された、カテーテルに結合された留置型メディカルデバイスを含む、デバイス。
(態様51)
前記血管は大動脈又は大静脈であり、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成された血管対向部材部分、及び、前記血管対向部材部分内に配置され、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含み、前記管腔を通る血流を変化させて大動脈又は大静脈の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成された流れ変更要素を含む、態様50記載のデバイス。
(態様52)
前記血管は大動脈又は大静脈であり、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む導管、及び、前記導管の周囲に配置され、張力に応答して前記管腔を通る血流を変化させて大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成された少なくとも1つの拘束繊維を含む、態様50記載のデバイス。
(態様53)
前記血管は大動脈又は大静脈であり、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む導管、及び、前記導管の管腔内に配置され、前記管腔を通る血流を変化させて大動脈又は大静脈内の血流を制限し、患者の一方又は両方の腎臓への血流を変化させるように構成されたリーフレット構造を含む、態様50記載のデバイス。
(態様54)
前記血管は大動脈又は大静脈であり、前記留置型メディカルデバイスは、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成された上部、大動脈又は大静脈の血管壁に向かい合うように構成された下部、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、前記上部と前記下部との間に配置された導管を含み、前記カテーテルは、前記上部及び前記下部のうちの少なくとも1つを回転させて、前記管腔を通る血流を変化させて、大動脈又は大静脈内の血流を制限し、一方への血流を変化させるように構成されている、態様50記載のデバイス。
(態様55)
前記血管は大動脈又は大静脈であり、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む血管対向部材部分、及び、大動脈又は大静脈を通って脈動している血流を方向付けるように前記管腔の直径を変化させるように構成された少なくとも1つの磁石を含む、態様50記載のデバイス。
(態様56)
前記血管は大動脈又は大静脈であり、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、血管対向部材を含み、シンチングバンドは、前記シンチングバンドの活性化に応答して、前記血管対向部材の直径を制限又は収縮するように構成されている、態様50記載のデバイス。
(態様57)
前記血管は大動脈又は大静脈であり、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、血管対向部材、及び、活性化可能な物質の活性化に応答して前記血管対向部材の直径を制限又は収縮するように構成された活性化可能な物質を含むシンチングバンドを含む、態様50記載のデバイス。
(態様58)
前記血管は大動脈又は大静脈であり、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、血管対向部材、及び、アクチュエータの作動に応答して前記血管対向部材の直径を制限又は収縮するように構成されたアクチュエータを含む、態様50記載のデバイス。
(態様59)
前記血管は大動脈又は大静脈であり、前記留置型メディカルデバイスは、前記カテーテルの遠位端に配置され又は前記カテーテルの遠位端から延在し、大動脈又は大静脈を通る血流のための管腔を含む、血管対向部材、及び、前記血管対向部材部分の前端に漏斗形状を作製するように構成されたバルーンを含む、態様50記載のデバイス。