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特許7441894拡張ダイナミックレンジ・プロジェクタにおけるDCIおよびその他のコンテンツの表示
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】拡張ダイナミックレンジ・プロジェクタにおけるDCIおよびその他のコンテンツの表示
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/74 20060101AFI20240222BHJP
   H04N 9/31 20060101ALI20240222BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240222BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
H04N5/74 D
H04N9/31 790
G09G5/00 510B
G09G5/00 510V
G09G5/02 B
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022100470
(22)【出願日】2022-06-22
(62)【分割の表示】P 2020102224の分割
【原出願日】2014-10-02
(65)【公開番号】P2022133326
(43)【公開日】2022-09-13
【審査請求日】2022-06-22
(31)【優先権主張番号】61/889,322
(32)【優先日】2013-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507236292
【氏名又は名称】ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】リチャーズ、マーティン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ゴーニー、ダグラス ジェイ.
【審査官】佐野 潤一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-098817(JP,A)
【文献】特表2011-514546(JP,A)
【文献】特表2012-519882(JP,A)
【文献】特開2012-047827(JP,A)
【文献】特開2007-206343(JP,A)
【文献】国際公開第2013/046095(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/74
H04N 9/31
G03B 21/00
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張ダイナミックレンジ(EDR)プロジェクタシステムにおいて、デジタル・シネマ・イニシアチブ(DCI)準拠の画像データをレンダリングするための方法であって、前記拡張ダイナミックレンジプロジェクタシステムは、第1の変調器および第2の変調器を備え、前記方法は、
複数の画像フォーマットを含む入力画像データを受け取ること、
前記入力画像データがDCI画像データであるかどうかを判定すること、
前記入力画像データがEDR画像データであるかどうかを判定すること、
前記入力画像データが前記EDR画像データであると判定したことに応答して、前記EDR画像データをEDR画像フォーマットに従って処理すること、
前記入力画像データが前記DCI画像データであると判定したことに応答して、
前記EDRプロジェクタシステムの最大輝度に対するDCI最大輝度の比で前記第1の変調器の輝度を設定すること、
前記第1の変調器において、ぼかしハーフトーン画像を作成することにより、前記DCI画像データに対してダイナミックレンジ処理を実行すること、
前記第1の変調器からの処理されたDCI画像データを前記第2の変調器においてレンダリングすること、を備える、方法。
【請求項2】
前記入力画像データが前記DCI画像データであるかどうかを判定することは、
前記入力画像データに関連付けられたメタデータを検出することであって、前記メタデータは、前記入力画像データがDCIに準拠していることを示す、前記メタデータを検出すること、
前記入力画像データを分析して、前記入力画像データがDCIに準拠していることを示す複数の画像データパラメータを検出すること、を含む群からのいずれか1つをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記DCI画像データに対して前記ダイナミックレンジ処理を実行することは、
前記第1の変調器を所望の輝度レベルに設定すること、
前記入力画像データから所望の画像を形成するために、前記第2の変調器に信号を送信して前記第1の変調器からの光を変調すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の変調器を前記所望の輝度レベルに設定することは、
前記プロジェクタシステムのフル輝度を伝送するように前記第1の変調器を設定することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の変調器を前記所望の輝度レベルに設定することは、
前記EDRプロジェクタシステムの最大輝度に対する前記DCI最大輝度の比で実質的に伝送するように前記第1の変調器を設定することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記所望の画像を形成するために前記第2の変調器に前記信号を送信することは、
前記EDRプロジェクタシステムのフル輝度出力に対する所望の最小レベルで、前記所望の画像をレンダリングすることをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記所望の最小レベルは、前記EDRプロジェクタシステムの前記最大輝度の略1/1800である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記DCI画像データを所望の色域に色域マッピングすることをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記DCI画像データを所望の色域に色域マッピングすることは、
前記EDRプロジェクタシステムのフル色域に前記DCI画像データを拡張することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ビデオデータストリームにおける黒背景上の明るい特徴をレンダリングするためのプロセッサにより実行される方法であって、前記ビデオデータストリームは、マルチ変調プロジェクタ・ディスプレイ・システムにより投影されるものであり、前記マルチ変調プロジェクタ・ディスプレイ・システムは、複数のアナログミラーを有する第1の変調器と、複数のミラーを有する第2の変調器と、前記第1の変調器および前記第2の変調器を制御するプロセッサと、を含み、前記方法は、
前記黒背景上の少なくとも1つの明るい特徴を含む入力画像データを受け取ること、
前記入力画像データがDCI画像データであるかどうかを判定すること、
前記入力画像データがEDR画像データであるかどうかを判定すること、
前記入力画像データが前記EDR画像データであると判定したことに応答して、前記EDR画像データをEDR画像フォーマットに従って処理すること、
記入力画像データが前記DCI画像データであると判定したことに応答して、
EDRプロジェクタシステムの最大輝度に対するDCI最大輝度の比で前記第1の変調器の輝度を設定すること、
前記第1の変調器において、ぼかしハーフトーン画像を作成することにより、前記DCI画像データに対してダイナミックレンジ処理を実行すること、
前記第1の変調器からの処理されたDCI画像データを前記第2の変調器においてレンダリングすること、を備える、方法。
【請求項11】
前記入力画像データが前記DCI画像データであるかどうかを判定することは、
前記入力画像データに関連付けられたメタデータを検出することであって、前記メタデータは、前記入力画像データがDCIに準拠していることを示す、前記メタデータを検出すること、
前記入力画像データを分析して、前記入力画像データがDCIに準拠していることを示す複数の画像データパラメータを検出すること、を含む群からのいずれか1つをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記DCI画像データに対してダイナミックレンジ処理を実行することは、
前記第1の変調器を所望の輝度レベルに設定すること、
前記入力画像データから所望の画像を形成するために、前記第2の変調器に信号を送信して前記第1の変調器からの光を変調すること、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の変調器を前記所望の輝度レベルに設定することは、
前記マルチ変調プロジェクタ・ディスプレイ・システムのフル輝度を伝送するように前記第1の変調器を設定することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の変調器を前記所望の輝度レベルに設定することは、
前記EDRプロジェクタシステムの最大輝度に対する前記DCI最大輝度の比で実質的に伝送するように前記第1の変調器を設定することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記所望の画像を形成するために前記第2の変調器に前記信号を送信することは、
前記EDRプロジェクタシステムのフル輝度出力に対する所望の最小レベルで、前記所望の画像をレンダリングすることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記所望の最小レベルは、前記EDRプロジェクタシステムの前記最大輝度の略1/1800である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記DCI画像データを所望の色域に色域マッピングすることをさらに備える請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記DCI画像データを所望の色域に色域マッピングすることは、
前記EDRプロジェクタシステムのフル色域に前記DCI画像データを拡張することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ・システムに関し、より具体的には、拡張ダイナミックレンジ(EDR:Enhanced Dynamic Range)プロジェクション・ディスプレイ・システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル・シネマ・イニシアチブ(DCI:Digital Cinema Initiative)は、2003年3月に開始された大手映画スタジオによる共同事業である。DCIの主な目的は、新興デジタルシネマ市場向けの仕様を策定および推進することであった。これらの仕様には、互換性および相互運用性を実現するためのコンテンツ要件セットが含まれる。
【0003】
2005年7月20日に最初に発表された(その後、定期的に更新された)「デジタル・シネマ・システム仕様」のさまざまな部分の中でも、特に、プロジェクション・システムの性能仕様、および/またはそのコンテンツに関する色空間、解像度、輝度、コントラスト、およびインタフェースのセットがある。
【0004】
ところが、プロジェクタ・システムの技術の進歩によって、現在の最新鋭のプロジェクタの性能は、DCI仕様で規定されているようなプロジェクタ・システムを十分にしのぐものであり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、先進の高性能プロジェクタおよびその他のディスプレイ上でのコンテンツの前処理および表示を提供する。このようなディスプレイには、種々の実施形態の大型フォーマットの広色域かつ高ダイナミックレンジのシネマプロジェクタまたはその他のディスプレイが含まれる。このようなプロジェクタは、旧来の劇場型映画館および複合型映画館を含むあらゆるシネマ用途、有線テレビ用途、ライブコンサート、スポーツイベント、テーマパーク、掲示板広告、さらには、工業デザインシステム、シネマポストプロダクション、グラフィックアート、出版などを含むあらゆる種類のプロフェッショナル用途において、好んで利用される。このようなディスプレイは、一般的に、典型的なシネマ標準または5000:1を超えるコントラスト比を有する最新のディスプレイをしのぐコントラスト比を有し、1,000,000:1の場合や、さらに状況によってはそれより高い場合がある。このようなディスプレイは、一般的に、現在のシネマ標準を超えた色域を有する。いくつかの実施形態のディスプレイ・システムのためのコンテンツの準備および表示、ならびにそれらの構成および使用の方法について、本明細書で開示している。
【0006】
拡張ダイナミックレンジ(EDR)およびその他の高性能ディスプレイ・システムにおいてDCI準拠の画像データをレンダリングするシステムおよび方法について開示する。EDRプロジェクタ・システムの一実施形態は、第1の変調器と第2の変調器とを備える。他の実施形態では、レーザ光源と、解像度および/または周波数領域処理ならびに加工したサブフレームの(例えば、マルチプルプロジェクタで)同時または(シングルまたはマルチプルプロジェクタモードで)交互の投影を含むコンテンツ・エンハンスメント、のうちのいずれかとともに、解像度を向上させた変調器を提供することができる。
【0007】
一実施形態では、EDRプロジェクタ・システムにおいて、DCI準拠の画像データをレンダリングするための方法は、複数の画像フォーマットを含む入力画像データを受け取ることと、入力画像データがDCI画像データを含むかどうか判断することと、入力画像データがDCI画像データを含む場合には、DCI画像データに対してダイナミックレンジ(DR)処理を実行することと、ダイナミックレンジ処理されたDCI画像データをEDRプロジェクタ・システムにおいてレンダリングすることと、を含む。1つのDR処理方法は、第1の変調器を所望の輝度レベルに設定することであり、例えば、フルにオンするか、またはEDR最大輝度に対するDCI最大輝度の比に設定する。さらに、EDRプロジェクタに対して、所望の最小輝度レベルを設定することができる。
【0008】
他の実施形態では、マルチ変調プロジェクタ・ディスプレイ・システムは、光源と、コントローラと、光源によって照射される第1の変調器と、第1の変調器からの光によって照射される第2の変調器と、を備え、第1の変調器は、光源からの光を変調するための複数のアナログミラーを有し、第2の変調器は、第1の変調器からの光を変調することが可能であって、複数のミラーを有し、コントローラは、プロセッサと、プロセッサに関連付けられたメモリとをさらに有し、メモリは、プロセッサ可読命令をさらに含み、これにより、プロセッサがプロセッサ可読命令を読み出すことで、プロセッサは以下の命令を実行する:少なくとも1つのハイライトな特徴(highlight feature)を含む入力画像データを受け取ることと、入力画像データがDCI画像データを含むかどうか判断することと、入力画像データがDCI画像データを含む場合には、DCI画像データに対してダイナミックレンジ処理を実行することと、ダイナミックレンジ処理されたDCI画像データをEDRプロジェクタ・システムにおいてレンダリングすること。
【0009】
本システムの他の特徴ならびに効果は、本出願で提示する図面と関連させて読まれる以下の詳細な説明において提示している。
例示的な実施形態を図面の参照図に示している。本明細書で開示する実施形態および図面は、限定するものではなく、例示とみなされるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本明細書で開示される本出願のシステム、方法、および技術として適し得るEDRプロジェクタ・ディスプレイ・システムの一実施形態を示している。
図2図2は、本明細書で開示される本出願のシステム、方法、および技術として適し得るEDRプロジェクタ・ディスプレイ・システムの他の実施形態を示している。
図3図3は、マルチ(デュアル)変調器ディスプレイ・システムによって実施され得る光学処理/画像処理の上位図の一実施形態を示している。
図4図4は、適切な2値ハーフトーン画像を生成するための方法の一実施形態を示している。
図5図5は、パルス幅DMD補正画像を生成するための技術の一実施形態を示している。
図6図6は、主変調で認識される光照射野を生成するために、予備変調/主変調マッピング、光照射野モデル、および主変調/予備変調マッピングを使用するフロー図の一実施形態である。
図7図7は、本出願の原理に従って構成されたDCIモード画像処理パイプラインの一実施形態である。
図8図8は、本出願の原理に従って構成されたダイナミックレンジ処理モジュールの一実施形態である。
図9図9は、本出願の原理に従って構成されたダイナミックレンジ処理モジュールの他の実施形態である。
図10図10は、DCI-P3色域マップと比較した場合の、EDRプロジェクタ・システムの色域マップの表現である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明を通して、より完全な理解を当業者に与えるため、具体的詳細について記載する。ただし、開示を不必要に不明瞭にすることがないよう、周知の要素については、詳細に提示または記載していない場合がある。よって、説明および図面は、限定的意味ではなく例示的意味のものとみなされるべきである。
【0012】
本明細書で使用される場合の、「コンポーネント」、「システム」、「インタフェース」、「コントローラ」というような用語は、ハードウェア、(例えば、実行中の)ソフトウェア、および/またはファームウェアのいずれかであるコンピュータ関連エンティティを指すものである。例えば、これらの用語はいずれも、プロセッサ上で実行中のプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、プログラム、および/またはコンピュータであり得る。例として、サーバ上で実行中のアプリケーションと、サーバは、どちらもコンポーネントおよび/またはコントローラであり得る。1つ以上のコンポーネント/コントローラを、1つのプロセスに含むことが可能であり、1つのコンポーネント/コントローラを、1つのコンピュータ上に局在化させること、および/または2つ以上のコンピュータに分散させることが可能である。
【0013】
請求項に係る主題について図面を参照して説明するが、このとき、類似の要素は、全体を通して同様の参照符号を用いて示している。以下の説明では、主題の革新についての完全な理解を与えるため、説明を目的として、様々な具体的詳細が記載される。しかしながら、これら特定の詳細を省いても、請求項に係る主題を実施できることは明らかであろう。また、主題の革新の説明を容易とするために、周知の構造およびデバイスは、ブロック図の形式で示している。
【0014】
[序論]
拡張ダイナミックレンジ(EDR)プロジェクション・システムは、標準DCI(デジタル・シネマ・イニシアチブ)プロジェクタと比較して、大幅に向上した性能を有する。標準DCIコンテンツの表示は、DCIプロジェクタ仕様を満たすプロジェクタ用に設計およびグレーディングされている。それらのプロジェクタは、EDRプロジェクタと比べて、より制限されたダイナミックレンジおよび色空間を有する。DCIコンテンツを、アーチファクト(例えば、ダークノイズ、暗い疑似輪郭など)を伴うことなく適切に表示するためには、EDRプロジェクタは、標準DCIプロジェクタと同等または少なくとも類似したエクスペリエンスを提供する「DCIモード」を備えていなければならない。向上したエクスペリエンスを提供することが望ましい場合があるが、ただしそれは、不快なアーチファクトを伴わないものでなければならず、また、コンテンツ制作者の芸術的意図に沿ったものでなければならない。
【0015】
DCIとEDRプロジェクタの性能を整合させる必要性について概説するため、以下の表1は、2008年3月7日に発表された「デジタル・シネマ・システム仕様」バージョン1.2で公開されている画像パラメータおよび許容範囲の一覧表である。
【0016】
【表1】
これに対し、EDRプロジェクタ・システムは、(おそらく最小限の)互換性を持つDCIプロジェクタのために上記で規定されたものよりも広い色空間およびダイナミックレンジを有する。
【0017】
本明細書で開示される多くの実施形態では、このようなEDRプロジェクタにDCIコンテンツを入力して、そのようなコンテンツを変換し、ビデオおよび/または画像データをDCI仕様と同等以上の仕様でレンダリングするために、新規のデュアル変調器、トリプル変調器、およびその他のマルチ変調器によるプロジェクション・ディスプレイ・システムならびに技術を採用することができる。
【0018】
多くの実施形態では、第1(または前段)ステージ変調器としてのMEMSアレイによって中間照射を第2(または後段)ステージDMD変調器上に投影させるという組み合わせを採用している。
【0019】
[EDRデュアル変調器プロジェクタの実施形態]
EDRプロジェクタ・システムおよびデュアル変調プロジェクタ・システムは、
(1)Wardらによる「SERIAL MODULATION DISPLAY HAVING BINARY LIGHT MODULATION STAGE(2値光変調ステージを有するシリアル変調ディスプレイ)」と題する、2012年2月28日に発行された米国特許第8125702号、
(2)Whiteheadらによる「PROJECTION DISPLAYS(プロジェクションディスプレイ)」と題する、2013年6月13日に公開された米国特許出願公開第2013/0148037号、
(3)Lauらによる「APPLICATION OF MEMS PIXELS IN DISPLAY AND IMAGING DEVICES(ディスプレイおよびイメージング装置におけるMEMS画素の応用)」と題する、2013年6月13日に公開された米国特許出願公開第2013/0147777号、
(4)Kangらによる「HIGH DYNAMIC RANGE PROJECTION SYSTEM(高ダイナミックレンジプロジェクション・システム)」と題する、2012年2月16日に公開された米国特許出願公開第2012/0038693号、
を含む、本出願と同一の所有者による特許および特許出願に記載されており、これらの文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
本明細書で開示される数多くのデュアル、トリプル、2段より多くの変調(これらのすべてを以下で「マルチ変調(multi-modulation)」と呼ぶ)によるディスプレイ・システムは、変調チップに対して必要なところにのみ光を当てるためにビーム・ステアリング(beam steering)を用いる。
【0021】
図1は、(変調器として)2つ以上のデジタル・プロジェクタを備えたデュアル変調プロジェクタ・ディスプレイ・システム100の一実施形態である。図1は、本例の実施形態によるモノクロ・ディスプレイ100を示している。ディスプレイ100は、光源102を備える。光源102からの光104は、第1の光変調器106に照射される。光源102として、例えば、レーザ、キセノンランプ、(例えば、ダイオードもしくは他の)レーザまたは他の固体発光素子のアレイ、アークランプなどを含むことができる。
【0022】
一実施形態において、第1の光変調器106は、例えば高速スイッチング素子上に、MEMS素子などのような複数の制御可能素子106aを有し得る。より詳細に(図2A~Bおよび図3A~Cを参照して)後述するように、素子106aは、それらを第2の変調器110に対して光を反射させるように適切な制御回路/コントローラ116によって操作することができるように、選択することができる。コントローラ116は、プロセッサと、プロセッサと通信するメモリとを有することができ、メモリに命令を含み得ることで、コントローラは、本明細書で記載されるようなハイライティング技術(highlighting techniques)を実施するために、第1の変調器および第2の変調器(さらに、当該システムがもし備えている場合は、他の変調器)を適切に制御することができる。
【0023】
また、制御可能素子のセットとして、制御可能なアナログミラーのセットを含むこともでき、それらは、本明細書で記載されるようなハイライト処理のためにサブフレームのレンダリングを提供するのに十分なスイッチング反応速度を有し得る。一実施形態では、素子106aのスイッチング応答時間は、画像データの所与のフレーム内で数回、第2の変調器に対して光を反射させるのに十分に高速であり得る。例えば、素子106aは、所望に応じて、1/2フレーム、1/3フレーム、1/4フレーム、または1/nフレームの、第2の変調器110への照射を実現できる。
【0024】
第1の変調器106からの光は、光学系108を通過することができ、その光学系は、第2の変調器110への照射の所望の点広がり関数(PSF:Point Spread Function)を実現するのに十分な光学部品を含み得る。第2の変調器110の素子110aに対する第1の変調器106の素子106aの比に応じて、所望のPSFは異なり得る。例えば、第1の変調器106はMEMSアレイであり、第2の変調器110はDMDアレイである場合、典型的なMEMSアレイは、数百万のミラー素子(例えば、500K超のミラー、さらにはそれ以上)を搭載し得るDMDアレイよりも少ない多数の素子106a(例えば、数百~数千の範囲の、100から2~3Kのミラー素子)を有する。
【0025】
第2の光変調器110は、(第1の光変調器106が制御され得るのと同様に)制御回路116によって制御することができ、また、複数の制御可能素子110aを有し得る。各々の制御可能素子110aは、第1の空間光変調器106から素子110aに入射する光の割合を選択するように制御することができ、その光は、(場合によっては第2の光学系112を通して)表示領域114に伝達される。
【0026】
いくつかの実施形態において、第2の空間光変調器110は、オン状態とオフ状態で切り替えることができる反射光学素子または透過光学素子110aである例えばDMD素子を有する。このような実施形態では、第2の空間光変調器110は、その素子をオンまたはオフに設定するコントローラによって制御することができる。
【0027】
伝達光学系108は、第1の光変調器106からの光を第2の光変調器110に伝達する。この光は、第1の空間光変調器106の素子106aがすべてオンにされているときには、第2の光変調器110の有効領域全体を照射することが可能である。この光は、第2の空間光変調器110のエッジを越えて広がる可能性がある。伝達光学系108は、その光をぼかし得る。伝達光学系108は、第1の空間光変調器106上の点からの光がどのように第2の空間光変調器110上に広がるのかを少なくとも近似する伝達関数によって特徴付けることができる。第2の光変調器110に入射する光のパターンは、第1の変調器106の構成(すなわち、どの素子106aがオンで、どの素子106aがオフであるか)および伝達関数から、推定または特定することができる。適切な投影レンズ112によって、第2の空間光変調器110からの光を表示用のスクリーン114上に合焦させる。スクリーン114として、前面投影スクリーンまたは背面投影スクリーンを含むことができる。
【0028】
図1の実施形態では、単一の光チャネルを示しているが、光学的にオフセットした2つの反射型変調器を各カラーチャネルに含むように、プロジェクタ内の一連のカラーチャネルの各々に対して第1と第2の変調器を複製できることは理解されるであろう。一連のカラーチャネルは、赤チャネル、緑チャネル、および青チャネルを含むことができる。光源は、例えば、複数の有色レーザ光源を含むことができる。一実施形態では、光源は、コントローラ(例えば、116)からの信号(図示せず)に従って、全体的(明るさ)および/または空間的(ローカル)ディミング(dimmed)のいずれかで変調することができる。
【0029】
第2の変調器への中間信号は、例えば、第1の変調器によって反射される光の点広がり関数およびオフセットを含む光照射野シミュレーションに基づくものであり得る。例えば、第2の変調器への中間信号は、各チャネルで第1の変調器によって反射される光の点広がり関数および各チャネルでのオフセットに基づくものであり得る。それらのチャネルでのオフセットは、同じであり得るか、または少なくとも2つのチャネルでのオフセットが異なり、このとき、各チャネルでの第2の変調器への中間信号は、そのオフセットと、チャネル間のオフセット差のうちの少なくとも一方に基づくものである。
【0030】
[他のマルチ変調器の実施形態]
図2は、本出願の目的に適したデュアル変調プロジェクタ・ディスプレイ・システム200の他の実施形態である。ディスプレイ200は、光源202を備えることができ、それは、1つの光源(例えば、ランプなど)または複数の点光源(例えば、レーザ、LEDなど)を含み得る。デジタル映写機の文脈では、図2における光源202は、レーザ光源バンクを1つ以上含むことができる(例えば、202-1,202-2,202-3;202-1’,202-2’,202-3’、この場合、合成されると白色光になり得る複数の有色光源、例えば、赤、緑、青を設けることができる)。
【0031】
光源202から光は、光学ステージ204に伝送されることができ、この光学ステージは、RGBレーザ光源からの光を合成するためのコンバイナ(combiner)204-1と、光の均一性を向上させることができるロッドインテグレータ(integrating rod)204-2と、を含み得る。光203は、その後、光に角度多様性を与えるための拡散器206を通して伝送されることができる。第1の変調器/予備変調器208は、この光を入力させることができ、そしてコントローラ220の制御下で、本明細書でさらに説明するように予備変調器による画像処理を提供することができる。
【0032】
一実施形態において(図2に示すように)、第1の予備変調器208はDMDアレイとすることができ、これは、光学素子のセットを通して、個々のカラーチャネル(例えば、赤、緑、青のチャネルとして、例えば、208-1,208-2,208-3)を処理することができる。単なる例示として、予備変調器208は、標準的なプリズム構成を用いた1.2”の2KミラーDMDとすることができる。予備変調器208は、2値ハーフトーン画像を表示するように制御することができ、その場合、例えば、それらの画素をフルにオンまたはオフにする(オフ状態における光は、オフ状態の光205として消去されることができる)。他の実施形態では、アナログ微小電気機械システム(MEMS)、ならびに/または他のアナログおよび/もしくはデジタル反射器を適切に制御することにより、異なるタイプの画像を形成するように再配光することができる。
【0033】
一実施形態において、予備変調器/ハーフトーン(halftone)DMDは、ハーフトーン画像を生成するために、均一な光照射野を空間変調することができ、その場合、例えば、そのフレーム時間全体にわたって、またはその一部で、すべての画素をオンまたはオフのいずれかとする。その結果として得られるハーフトーン画像は、適度にぼかしたものであり、特に明クリッピング(bright-clipping)を避けることが求められる場合に、主変調器/パルス幅DMD上に十分な光レベルを生成することができる。パルス幅DMDは光レベルを減少させるのみであり得るため、ぼかしハーフトーン画像は、例えば入力画像である所望のスクリーン画像よりも、略すべての位置において高くなければならない。状況によって、黒背景上に非常に明るいドットがあるなどの画像特徴により、明クリッピングまたは暗クリッピング(dark-clipping)のいずれかを選択するという不可避の条件を強いられ得る場合には、いくらかの明クリッピングが意図的に許可されることがあり、ぼかしハーフトーン画像は、特にそのドットでは、入力よりも高くはならないことになる。
【0034】
一実施形態において、低い光レベルを実現するため、およびハロー(halo)を避けるために、ぼかしハーフトーン画像は、所望のスクリーン画像よりも、わずかに高く設定することができる。従って、ぼかしハーフトーン画像は、実質的に、所望のスクリーン画像に対して帯域制限された最小上限とすることができ、例えば、光学ぼかしによって帯域幅が制限される。一実施形態では、(以下のように)画像に対して帯域制限された上限を生成する傾向がある。それは最小上限ではなくてもよく、ただし同様の性能があり得るものである。真の最小値は実現が可能であっても比較的困難であり得るため、このような緩和が望ましい場合がある。本実施形態では、「明クリッピングなし」という特性が実質的に維持されれば十分であり得る。
【0035】
本実施形態では、ハーフトーン画像は、空間ディザパターン(spatial dither pattern)を用いて形成することができる。ディザパターンは、画素からなる矩形ブロック上に定義することができ、そのパターンをタイリングすることにより、画像フレーム全体にわたって繰り返すことができる。パターンのサイズは、ブラーカーネル(blur kernel)のサイズに関連させることができ、そのカーネルによってパターンを平滑化する。また、カーネルのサイズによって、最小非ゼロ光レベル(minimum non-zero light level)を決定することもでき、例えば、ディザパターンの1つの画素をオンにし、他をすべてオフにして、最小レベルを生成することができる。このプロジェクタ・システムの実施形態に関するさらなる情報は、2013年8月16日に出願された「SYSTEMS AND METHODS FOR LIGHT FIELD MODELING TECHNIQUES FOR MULTI-MODULATION DISPLAYS(マルチ変調ディスプレイのための光照射野モデリング技術のシステムおよび方法)」と題する、本出願と同一の所有者による米国仮特許出願第61/866704号で開示されており、この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
このハーフトーン画像207は、点広がり関数(Point Spread Function : PSF)光学ステージ212を通して伝送されることができる。PSF光学ステージは、多くの異なる光学素子210、214などを含むことができ、例えば、レンズ、拡散器、反射器などを含むことができる。本出願の目的では、PSF光学ステージは、予備変調器208からハーフトーン画像を受け取って、第2の変調器/主変調器216へのハーフトーン画像(209)に所望のぼかしを付与すれば十分である。第1の変調器208と同様に、第2の変調器はDMDアレイとすることができ、これは、光学素子のセットを通して、個々のカラーチャネル(例えば、赤、緑、青のチャネルとして、例えば、216-1,216-2,216-3)を処理することができる。単なる他の例示として、予備変調器208は、標準的なプリズム構成を用いた1.4”の4KミラーDMDとすることができる。
【0037】
主変調器216は、光209を受けることができ、また、コントローラ220によって制御されることができる。コントローラ220は、主変調器216上の画素ごとの局所輝度を特定するために、ハーフトーニング(half-toning)とPSFの組合せ効果を推定および/またはモデル化する光照射野シミュレーションを採用することができる。MEMS反射器を採用しているような他の実施形態では、コントローラ220は、同様に、光照射野形成をモデル化することができる。このモデルから、コントローラ220は、最終的に投影/レンダリングされた画像を生成するために、光照射野に変更を加える目的で、主変調器216の画素値を計算、推定、または特定することができる。光213は、その後、プロジェクタスクリーン(図示せず)上に最終的に投影/レンダリングされた画像を形成するために、投影光学系218を通して伝送されることができる。オフされた光は、オフ状態の光211として消去されることができる。
【0038】
多くの実施形態において、最終画像は、ぼかしハーフトーン画像と主変調器の画像の積で生成されることができる。このような最終画像では、コントラストは、200,000:1程度であり得る。
【0039】
前述のように、動作において、図2のプロジェクタ・システムは、例えば、時分割またはパルス幅変調器として、種々の方式で動作することができ、例えば、ともにパルス幅変調器として機能する2つ以上のDMDおよび/または反射器を直列で動作させる。このような動作は、時分割シーケンスにおける精密な時分割アライメントおよび画素間の対応を必要とする傾向がある。
【0040】
そこで、図2のプロジェクタ・ディスプレイ・システムは、「予備変調器」または「予備変調・変調器」として第1のDMD/反射器208を採用することができ、そしてハーフトーン画像を用いて光源を空間変調することができ、それを所望の期間(例えば、1フレームまたはその一部)にわたって維持することができる。このハーフトーン画像をぼかすことで、空間的低減帯域幅の光照射野を生成することができ、これを第2のDMD/反射器216に当てることができる。主変調器と呼ばれる第2のDMD/反射器は、ぼかし光照射野をパルス幅変調することができる。この構成は、例えば精密な時分割アライメントおよび/または画素間の対応である上記の要件の両方を回避する傾向があり得る。いくつかの実施形態において、2つ以上のDMD/反射器で、時間的にフレームのアライメントが得られ、概ね空間的にフレームのアライメントが得られる。いくつかの実施形態において、予備変調DMD/反射器からのぼかし光照射野は、主DMD/反射に略重なり得る。他の実施形態では、例えば画像レンダリング性能の助けとするために、空間的アライメントが知られており、これが考慮されることがある。
【0041】
一実施形態において、プロジェクタ・システムは、2値ハーフトーン画像を生成することができ、これを光学部品によって平滑化することで、所望の表示画像の低減帯域幅バージョンを生成することができる。光学部品のPSFの形状によって、平滑化関数の特性が決まり得る。PSFの形状は、システムの表示性能および計算要件に影響を及ぼし得る。多くの実施形態において、PSF整形は、以下の属性および/または以下のガイドラインのうちの1つ以上を含むことができる。
【0042】
(1)PSFは、最も疎なハーフトーンパターンを平滑化することで、比較的平坦な照射野にすることができる。これによって、PSFのサイズに近似下限を課すことができる。
【0043】
(2)PSFが大きいほど、デュアル変調が有効である空間周波数が低くなり得るとともに、結果的に(本明細書でさらに説明するように)「ハロー」が大きくなり得る。これによって、より大きな計算コストが要求され得る。
【0044】
(3)PSFは、制限された帯域幅および制限された立ち上がり時間を有し得る。帯域幅および立ち上がり時間が大きいほど、高い補正精度が要求され得るとともに、計算による近似が制限され得る。
【0045】
(4)PSFは、コンパクトとすることができるとともに、PSFの空間的広がりを制限することができる。PSFは、ゼロに減衰することができる。減衰が遅いか、またはPSFの「裾(tail)」が重いと、画像のコントラストが制限され得るとともに、計算要件が増大し得る。
【0046】
(5)PSFは、径方向に略対称とすることができる。非対称性は、計算において考慮することができる。
一実施形態において、光学ぼかしPSFは、ガウス分布、または回転された二乗余弦関数、または空間的広がりが制限されるとともに径方向に略対称な他の何らかのピーク関数、などの形状に実質的になり得る。多くの実施形態において、PSFは、空間周波数が制限され、立ち上がり時間が制限され、さらに/または空間的広がりが制限されたものでなければならない。通常、空間周波数と立ち上がり時間には相関があり得る。過度の空間周波数または立ち上がり時間であると、より密なサンプリング、および、より高いモデリング精度が要求され得ることで、計算要件が増大する。PSFが画像フレームにわたって変化する場合は、PSFのセットを用いることができ、そしてPSF補間法を採用することができる。PSFが、PSF位置によって変化する高空間周波数を有する場合は、適切な補間のために、より密なモデルセットが必要となり得ることで、計算要件および校正の複雑さが増大する。PSFパルスに急激なスパイク(spike)またはリッジ(ridge)を有することは、望ましくない場合がある。また、PSFは、その周辺で緩徐に減衰することが、そこで急峻に終端するよりも望ましい場合がある。滑らかな形状は、より低い空間周波数、および、より長い立ち上がり時間を有する。PSFの空間的広がりによって、計算オペレータのサイズが決まり得る。PSFが、減衰する広い「裾」を有すると、オペレータのサイズひいては計算要件が増大し得る。
【0047】
単なる例示的な一実施形態において、PSFは、例えば5×5のディザパターンに適用されるぼかし関数を表す。従って、PSFは、他のすべてのハーフトーン画素をゼロとして「1」の5×5グリッドを含むハーフトーン画像から比較的平坦な照射野を生成するのに十分な大きさとすることができる。ぼかし関数が実質的にガウス分布の形状などを有する場合には、その直径は、10画素から20画素の範囲であり得る。本例では、PSFの形状を制限する下限および上限を規定することができる。下限は二乗余弦パルスとすることができ、上限はガウスパルスとすることができる。
【0048】
単なる一例として、LBを下限とし、UBを上限とする。「r」を、PSFの中心からの距離とし、Nを、ディザパターンの辺のサイズとし、ともに画素数で表す。このとき、パルス振幅は、次のようにして中心値に正規化することができる。
【0049】
【数1】
注目され得るように、下限はゼロに減衰し、上限はガウス分布のように減衰する。この減衰は、PSFの裾からの光があまりにも多く蓄積することを避けるために重要である。多くの他のPSF形状および関数が可能であり、本出願の範囲は、このようなすべての変形を包含することは、理解されるであろう。
【0050】
図3に注目すると、図3は、図1に示すようなマルチ(デュアル)変調器ディスプレイ・システムによって実施され得る光学処理/画像処理の動作のための上位フローチャート300の一実施形態を示している。均一光301を、ディスプレイ・システムに入力することができ、そして第1の変調器302(例えば、ハーフトーンDMDまたは他の変調器)によって、ハーフトーン画像をぼかし光学系304に供給する。その後、ぼかし画像を、第2の変調器306(例えば、パルス幅DMDまたは他の変調器)で受けることができ、これにより、ぼかし画像をさらに変調することで、スクリーン画像303を生成する。一実施形態では、フローチャート300は、コントローラのシステムメモリに保存できるプロセッサ可読命令のセットをたどるものである。コントローラで、画像データを受け取り、(例えば、302で)ハーフトーン画像を生成し、(例えば、304で)ハーフトーン画像にぼかしを付与し、(例えば、306で)画像をさらに変調することで、最終画像を生成することができる。
【0051】
図1のディスプレイ・システムの文脈では、生成される画像を制御するために使用できる2つの変数として、各々のDMD素子への符号語を採用することができる。一実施形態では、ぼかし関数は、光学系によって実現することができ、すべての画像に対して一定のものとすることができる。様々なディスプレイ・システム設計において、ぼかし関数の設計およびハーフトーン符号化の方法は、ディスプレイの性能に関係するとともに影響を及ぼし得る。そのような一例のシステムにおいて、ハーフトーン符号化およびぼかし関数の適切な選択を確定するために、以下の目的/前提が考慮され得る。
【0052】
(1)明クリッピングなし:一実施形態において、主変調器/DMDに入射するぼかし光照射野は、入力画像、所望のスクリーン画像よりも、すべての位置で高くすることができる。その光照射野を、主変調器/DMDで減衰させることができる。
【0053】
(2)小さいハロー:ハローは、暗い背景上の明るいオブジェクトの周りの暗クリッピングである。黒背景上の小さな明るいオブジェクトが明クリッピングされないことを考えると、その明るいオブジェクトにおけるぼかし光照射野は、明るいオブジェクトよりも高くなり得る。その光照射野は、空間的低減帯域幅を有し得るので、明るいオブジェクトの非常に近くは暗くならないことがある。明るいオブジェクトに近い光照射野のレベルは、主DMDによって可能な限り低減され得るが、それでも依然として所望のスクリーンレベルよりは高い可能性があり、暗クリッピングを発生させる。一部のケースでは、暗クリッピングによって、真の黒よりも高められたレベルを表すことがあり、多くの場合、暗い細部の損失およびコントラストの損失が見られる。ハローは、暗クリッピングによって生じる主な視覚的アーチファクトであるが、ぼかし光照射野によって高コントラストの高周波数パターンを表すことができない局所領域ではいずれも暗クリッピングが発生し得る。局所領域の空間的広がりは、ブラーカーネルまたはPSFのサイズによって決定できる光照射野の帯域幅によって決まり得る。
【0054】
(3)適切な局所コントラスト:光照射野の帯域幅は、ぼかしPSFのサイズによって決定できる。PSFが小さいほど、高帯域幅の光照射野が可能である。ところが、PSFが小さいほど、密なハーフトーンパターンと組み合わせる必要がある。密なハーフトーンパターンであるほど、小さいディザパターンサイズに関連付けることができ、それは、より少ない離散レベル、および、より高い最初の非ゼロレベルを有し得る。
【0055】
(4)上記の目的は競合し得る。従って、多くの変形および/または実施形態が、可能かつ/または望ましいことがあり得る。これについては、DMDコントラスト比、PSFサイズ、および局所コントラストの考察に関連して、本明細書でさらに解説する。
【0056】
以下のテーブル1は、レベル指数を示す10×10パターンの一例を示している。所与のレベル指数について、その数が付された画素、およびそれより小さい数が付されたすべて画素がオンにされ、一方、それより大きい数が付されたすべての画素はオフにされる。所与のレベルパターンをぼかすと、その結果は、平坦ではない傾向があり、変調された照射野は、何らかの最小値を有し得る。以下のテーブル2は、テーブル1の各レベル指数について、正規化された最小光レベルを示しており、先の指数に対する光レベルを示している。他のパターンサイズおよび他の空間ディザパターンが可能であり、それらが本出願に包含されることは、理解されるであろう。
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
本実施形態では、任意の特定の入力画素について、ぼかしハーフトーン画像の対応する画素のレベルは、より高くなければならない。その画素において、より高い所望のレベルを実現するために、ブラーカーネルの空間的広がりの範囲内の入力画像の近傍画素をすべて評価することができ、例えば、所望のレベルよりも低いレベルを有する近傍画素をいずれもオンにすることができる。この方法の一実施形態は、次のように実施することができる。
【0059】
任意の特定の入力画素について、フルフレーム光照射野のレベルが、その画素レベルよりも高くなるように、レベル指数を選択する。例えば、ぼかしたときに、その画素レベルを超えるハーフトーンパターンを生成するレベル指数を、例えばフレーム全体に対して、選択することが可能である。
【0060】
このフルフレーム・ハーフトーンパターンが与えられると、PSFによってその特定の画素に光を与えない画素は、その特定の画素のレベルに影響を及ぼすことなく、すべてオフにすることができる。
【0061】
なお、この方法は、ハーフトーン画像にブロッキーな外見(blocky appearance)を与える具体的なレベルでハーフトーンタイルを生成しないことがあるということに留意すべきである。むしろ、個々の画素は、それらの指数および画像特徴への近接度に応じてオンまたはオフにされ得る。他の実施形態では、誤差拡散および/または局所ブルーノイズの実施が可能な場合があり、例えば、ハーフトーングリッドを、対応する画素によって局所的に2値化することができる。
【0062】
なお、一実施形態は、配列ディザリングにより実現することができるが、それは上限を実現するために膨張につながり得ることは理解されるべきである。平滑性は、例えばディザパターンで1画素のみがオンであるなど、最も低いレベルで問題となることがある。ブルーノイズおよび/またはFMディザリングなど、異なる平滑効果を得るために他のアプローチを適用することも可能であり得る。他の例として、黒背景上にあるフル輝度よりも低輝度の小さな明るいオブジェクトについて考える。この場合、取り込まれるハローは、所望のものよりも広いことがある。膨張領域は、完全に「1」で埋められないことがある。よりコンパクトな、すべてが「1」である領域では、表示のハロー幅が眼のグレア幅よりも大きいので、より少ないハローが現れ得る。小さな明るいオブジェクトの輝度を低減することで、単にハロー輝度を低減するよりも、ハロー幅を減少させることができる。
【0063】
図4は、適切な2値ハーフトーン画像を生成するための方法の一実施形態を示している。ハーフトーン画像モジュール400で、入力画像データ401を受け取ることができ、そして402で、その画像データをブラーカーネルの範囲に膨張することで、膨張された入力画像x(m,n)を生成することができる。結果として得られる2値ハーフトーン画像b(m,n)は、x(m,n)>htLevel(m,n)の場合に、b(m,n)=1と設定することができ、ここで、htLevel(m,n)は、例えば画像フレーム全体にわたってタイリングされるマップとしてのテーブル2の値として与えられ得る。2値ハーフトーン画像は、b(m,n)として返されることができる。
【0064】
一実施形態において、最小上限に近い上限を実現するために、膨張オペレータを採用することができる。他の実施形態では、カーネル下に最大限の要素を提供できる非線形フィルタを採用することができる。
【0065】
主変調器/パルス幅DMDは、ぼかしハーフトーン画像光照射野を変調することで、所望のスクリーン画像を生成する。パルス幅DMDは、光を減衰させることのみ可能であり、よって、その光照射野は、明クリッピングを防ぐために、所望のスクリーン画像における上限とすることができる。さらに、暗クリッピングを防ぐために、光照射野は、最小上限とすることができる。ぼかしハーフトーン画像光照射野は、光学プロセスのモデルを用いて、計算、推定、またはモデル化することができる。一実施形態において、光学プロセスは、ぼかしのみと仮定することができ、例えば、予備変調器から主変調器へのアライメントを無視することができる。いくつかの実施形態において、これは、全体的なレジストレーションエラーとなり得る。
【0066】
他の実施形態では、そのようなアラインメントを考慮に入れて、適用すべき補正係数を生成することができる。例えば、実際のディスプレイ上で、予備変調DMDによって生成されるぼかし光照射野フレームは、主DMDフレームとの完全なアライメントが得られないことがある。例えば、光照射野画像は、フレームのエッジでオーバースキャン(overscan)を生じさせるように、わずかに回転、シフト、またはスケーリングされることがある。また、ぼかし光学系および他の光学系によって歪みが生じることもある。このような可能性があるため、予備変調DMD上の点を主DMD上の点にマッピングする予備変調/主変調マッピングを、測定し、例えばルックアップテーブル(LUT)などのようなマッピングとして適用することができる。
【0067】
図5は、パルス幅DMD補正画像503を生成するための技術の一実施形態を示している。2値ハーフトーン画像(例えば、図4の403)を、ブラーモデル(blur model)502に入力することができ、そして504で逆数を取ることができる。パルス幅DMD補正画像は、入力画像を、モデル化されたぼかしハーフトーン画像光照射野で除算することによって求めることができ、例えば、入力画像501に、ぼかしハーフトーン画像光照射野の逆数を(506で)乗算することにより、求めることができる。
【0068】
実際のディスプレイ上で、所与の予備変調画素のPSF形状は、予備変調フレーム上でのその位置に依存し得る。ぼかし光学系は、すべての予備変調位置を同じにはぼかさない場合がある。局所領域内の画素のPSFは、ほとんど違いがないと仮定することができ、(例えば、均一な光照射野が予備変調器に入射するとして)すべての画素は、同じエネルギーを有すると仮定することができる。しかしながら、実際のディスプレイ上では、それぞれのPSFは異なる傾向があり得る。一実施形態において、2Kのフレームの場合に、各PSFを、別々にモデル化し、さらに/または画像領域の局所部分に適用することができ、その結果、例えば、取得、保存、モデル化されるとともに、計算に使用され得るPSFは、2百万通りとなる。他の実施形態では、この複雑さを軽減するために、簡略化モデルを提供することができる。局所領域内のPSFは類似する傾向があるので、例えば、少なくとも画像領域の局所領域および/または局所部分では、すべてのPSFを表すために単一のPSFモデルを用いる。このように局所的であり得るPSFモデルは、適切なPSFモデルを提供するように、測定またはモデル化されることができる。
【0069】
主DMDは、ぼかし光照射野を補正することで、最終的なスクリーン画像を生成する。一実施形態において、光照射野補正は、主DMD画素グリッド上で実施することができる。この補正プロセスでは、ぼかし光照射野を主画素グリッド上で表すことができる。一方、その光照射野は、予備変調画素グリッド上のハーフトーン画像をぼかすことによって形成される。さらに、予備変調器と主変調器とは、アライメントが得られていないことがある。
【0070】
適切な補正プロセスを実施するために選択できる2つの代替実施形態がある。第1の実施形態は、予備変調グリッド上で光照射野をモデル化し、そしてそれを主グリッドにマッピングすることであろう。第2の実施形態は、各々の予備変調画素に関連付けられたPSFを主グリッド上でモデル化することにより、光照射野を主グリッド上でモデル化することであろう。本出願は、両方の代替実施形態を包含しているが、以下では、第1の実施形態について、すなわち、予備変調グリッド上で光照射野をモデル化し、それを主グリッドにマッピングすることについて説明する。一実施形態では、幾何学的および/または光学的歪みを考慮して、主グリッド上で点をマッピングすることが可能であり得る。
【0071】
この第1の実施形態は、次のような理由で選択されることがある。
(1)PSFは、その形状が局所領域では略維持され得るからという理由による。従って、その領域全体について単一のPSFを用いて、ハーフトーン画像での標準的な畳み込み処理により、予備変調における局所領域で光照射野をモデル化することができる。
【0072】
(2)予備変調/主変調のミスアライメントによって、主変調における局所領域のPSFは、異なるサンプル位相を有することがあり、これらを考慮する必要があり得る。一部の実施形態では、予備変調と主変調のアライメントが得られていないことがあるので、元々は予備変調グリッドでアラインされたPSFモデル(premod-grid-aligned PSF)を主変調グリッドに移行させると、いくらかのサンプル位相シフトがあり得る。
【0073】
(3)主変調においてモデル化する場合は、局所領域においてPSF形状に違いがなくても、サンプル位相の違いがあることから、畳み込み計算時に異なるPSFを用いる必要があり得る。
【0074】
(4)PSFは、元々は予備変調を基準としたものである。予備変調のためよりも、主変調のためには、より多くのPSFをモデル化および記録する必要があるであろう。
(5)光照射野のモデル化は、計算コストが大きい傾向があり得る。実際の実施では、PSFは、サブサンプリングして近似する必要があり得る。これは、予備変調グリッド上で実行されると、より簡単であろう。
【0075】
(6)モデル化された光照射野を予備変調から主変調にマッピングすることは、計算コストがかかるが、しかし、それは、主変調において光照射野をモデル化するコストよりも小さい場合がある。
【0076】
(7)予備変調において光照射野のモデル化を実施する場合には、モデル化された光照射野を予備変調から主変調にマッピングすることができる。このマッピングが正確であることが求められることがある。特定のディスプレイについて、予備変調/主変調アライメントは調整される。マッピングに誤差がある場合は、修正され得る。例えば、それらの誤差は、校正プロセスでPSFに修正を加えることによって考慮することができ、例えば、マッピングのオフセット誤差は、そのフレーム位置のPSFモデルにおけるオフセットで相殺することができる。
【0077】
また、予備変調/主変調のミスアライメントが理由で、ハーフトーン画像を計算するプロセスのために、入力画像が予備変調グリッドにマッピングされることがある。このプロセスは、光照射野を主変調にマッピングするほどの精度は要求されないことがある。図6は、前述の第1の実施形態を示している。本システムは、コントローラの指示の下で、入力画像601を受け取ることができる。604でハーフトーン画像を計算する前に、主変調/予備変調マッピング602を適用することができる。606で光照射野モデルを適用することができ、次に、608で予備変調/主変調マッピングを適用することで、主変調で認識される光照射野603を生成することができる。一部の実施形態において、主変調は、ある解像度(例えば、4K)とすることができ、予備変調は別の解像度(例えば、2K)とすることができるが、この処理によって他のマッピングを実施することも可能であり得る。例えば、この処理によって、2K/2Kマッピングを実施することができるが、2Kの主変調は、プロジェクタ・システムによって4Kにアップコンバートすることができる。当然のことながら、他のマッピングも可能である。
【0078】
[EDRプロジェクションのためのDCIコンテンツマッピングの実施形態]
ここまで、EDRプロジェクタ・システムのいくつかの実施形態について説明したが、そのようなEDRプロジェクタ・システムで、様々に異なる画像データフォーマットを含み得る入力データストリームを処理できる方法について以下で説明する。この場合、(例えば、図1図2、または他の図の実施形態にあるような)所与のEDRプロジェクタ・システムが構成され得るが、本出願の多くの実施形態では、EDR画像/ビデオデータおよび/またはDCI仕様の画像/ビデオコンテンツの両方を含み得る画像/ビデオデータを入力することが可能である。
【0079】
前述のように、EDRプロジェクション・システムは、標準DCI(デジタル・シネマ・イニシアチブ)プロジェクタと比較して、レンダリング性能を大幅に向上している可能性がある。標準DCIコンテンツの表示は、一般的に、DCIプロジェクタ仕様を満たすプロジェクタ用に設計およびグレーディングされている。それらのプロジェクタは、EDRプロジェクタと比べて、より制限されたダイナミックレンジおよび色空間を有する。例えば、DCIでは、プロジェクタに対して最小2000:1のシーケンシャル・コントラスト比を規定しているものの、実際には、この値を超えるプロジェクタはわずかであり、このため、通常、グレーディングはすべて、おおよそ2000:1のコントラスト比で実施される。
【0080】
DCIコンテンツを、アーチファクト(例えば、ダークノイズ、暗い疑似輪郭など)を伴うことなく適切に表示するためには、EDRプロジェクタは、標準DCIプロジェクタと同等または少なくとも類似したエクスペリエンスを提供する「DCIモード」を備えていなければならない。向上したエクスペリエンスを提供することが望ましい場合があるが、ただしそれは、不快なアーチファクトを伴わないものでなければならず、また、コンテンツ制作者の芸術的意図に沿ったものでなければならない。
【0081】
図7は、EDRプロジェクタ・システム700の一実施形態を示しており、これは、入力としてのEDRおよびDCIの両方の画像および/またはビデオデータ701を効果的にレンダリングすることができる画像および/またはビデオ処理モジュールをさらに備え、これにより、上述のようなDCIモードを提供することもできる。プロジェクタ750は、大まかには、光源751と、投影光学系758を通して光をスクリーン760上に伝送するデュアル変調器754、756と、を備える。プロジェクタ750は、上記の図1および2の形態で、またはEDR画像/ビデオのレンダリングを実施できる任意の形態で、構成することができる。
【0082】
図7は、さらに、ビデオ/画像パイプライン720の一実施形態を示している。702で、パイプラインは、入力データおよび/またはメタデータ701を受け取り、現在の入力がEDR、DCI、または他のいずれかのデータフォーマットであるかどうかを検出することができる。本システムは、いくつかの方法で、入力画像データがDCIフォーマット、EDRフォーマット、および/または他のフォーマットであるかどうか判断することができる。1つの可能な方法は、入力画像データに関連付けられているメタデータを検出することである。メタデータおよび/またはタグによって、その画像データが準拠しているフォーマットをシステムに通知している場合がある。他の可能な方法は、コントローラ/システムが画像データを分析して、画像データがDCIパラメータ(例えば、色域、輝度など)の範囲内であるかどうか検出することである。また、コントローラ/システムは、画像フォーマットを自動的に検出するために、入力画像データパラメータにおける可能性のある変化を検出することもできる。
【0083】
パイプラインが、現在、702でDCI準拠の画像/ビデオデータを受け取っている場合に、パイプライン720は、スクリーン760上に最終画像を適切にレンダリングするために、以下の処理モジュールのすべてまたはいずれかを実行することができる。モジュール704は、所望の色域マッピングおよび/または色空間変換を(例えば、3×3行列によって、または色域マッピングの他の周知の技術によって)実行することができる。一実施形態において、モジュール704は、画像データの色空間を特定するためにメタデータを用いることができる。あるいは、モジュール704は、データ検査によって色空間を特定することができる。より詳細に後述するように、色空間変換が望ましい場合があり、それは、大部分において、プロジェクタ・システムの構成によって誘導され得る。例えば、プロジェクタ・システムが、レーザ光源バンクで照射される場合には、色域マッピングは、鑑賞者のエクスペリエンスおよび最終画像の知覚を向上させる助けとなり得る。
【0084】
モジュール706は、プロジェクタ・システムの構成ならびに所望の視覚効果に応じて、様々なダイナミックレンジマッピング技術を提供することができる。例えば、一実施形態において、モジュール706は、メタデータに基づいて所望の性能を決定することができる。このような性能は、画像データを生成するために使用されるプロセスの制限であり得る。モジュール708は、本明細書でさらに説明するように、EDRプロジェクタ・システムにおいてDCI仕様のコンテンツをレンダリングすることから生じ得るアーチファクトの低減を実施することができる。モジュール710は、表示領域における視環境条件を対象としたいくつかの技術を実施することができる。これらの環境条件として、室内周囲データ(例えば、周辺光レベルおよび周辺色)ならびに室内反射データ(例えば、スクリーンからの光が壁または他の物体で反射されてスクリーンに戻り得る場合の、反射色および反射の大きさ)を含むことができる。
【0085】
なお、モジュール710は、デュアルまたはマルチ変調器ディスプレイ・システム以外のプロジェクション・システム(例えば、高性能および/または高F値ディスプレイ・システム、またはDCI仕様を超え得る他の任意のシステム)において採用してもよいことは、理解されるであろう。例えば、4Kの高コリメートレーザ・プロジェクション・システム(例えば、大型フォーマットデジタルのもの)でも十分であろう。712で、コントローラ720は、スクリーン760上に最終画像をレンダリングするために、制御および/またはデータ信号をEDRプロジェクタに送信することができる。例えば、コントローラは、任意の適切なディスプレイである、例えばEDRデュアル変調ディスプレイまたは他の高性能ディスプレイ・システムを、制御および/または通電することができる。
【0086】
なお、種々の実施形態のプロジェクタ・システムに、異なる光源を適用できることは、理解されるであろう。例えば、種々の実施形態において、光源751として、例えば、キセノンランプ、レーザ、LED、ナノチューブベースの光源など、任意の適切な光源を含むことができる。また、光源は、固有の偏光を示し得るものであり、蛍光体もしくは他の発光材料または量子ドットのような光変換材料によるものとすることができる。
【0087】
多くの実施形態において、モジュール710の機能は、後に合成される別々の画像に対して動作するように構成することができる。このような合成は、電子的(例えば、画像データの積)とするか、または完全な画像を形成するように投影することができる。それらの画像は、例えば、3D画像の左チャネルと右チャネル、または高解像度と低解像度および/もしくは高空間周波数と低空間周波数の画像であり得る。一般的に、それらの画像は、同じフレームの同じコンテンツ内容のものである。例えば、3D画像の同じシーンの左右の視点画像、同じフレームの低空間周波数と高空間周波数の画像(同じ基本ピクチャまたは画像が再生されるもので、それらの画像のうち1つは主に低空間周波数成分で構成されており、その他の画像は主に高空間周波数成分で構成されている)である。一実施形態において、本発明は、3D画像の左右のチャネルのそれぞれについて、低空間周波数成分と高空間周波数成分の画像を作成する。
【0088】
モジュール710での画像の処理には、例えば、ダウンサンプラ/アップサンプラ(downsampler/upsampler)、3Dコンバータ、空間周波数分周器/変換器、または様々に異なる画像を生成するために必要な他のハードウェアなど、追加のハードウェアまたは処理能力が含まれ得る。また、原画像データと共に提供されるメタデータを利用して、それらの画像を生成するか、または様々に異なる画像の生成について他の処理要素に指示することもできる。追加の画像のメタデータまたは合成は、ポストプロダクション処理において、例えば業務用表示モニタを用いて生成することができる。あるいは、それらの画像は、原画像データの中に提供されることがあり、そのような画像は、ソース(例えば、3D用の様々に異なる視線のカメラ/キャプチャデバイス、および/または同じシーンを取り込む低空間周波数と高空間周波数のカメラ)で取り込まれたものであり得る。
【0089】
モジュール710内の各種プロセスは、追加の画像に対して個別に動作して、出力を提供することができる。例えば、色空間変換は、それらの画像の各々に対して、異なるパラメータで別々に実行され得る(例えば、パラメータの第1セットで、低空間周波数画像を処理し、パラメータの第2セットで、高空間周波数画像を処理する)。処理された画像は、表示のために出力される。それらの画像は、(画像データの合成セットとして)電子的に合成されて、鑑賞者による鑑賞のために表示または投影されることができる。
【0090】
あるいは、追加の画像は、同時に表示または投影することができ、投影および/または表示されるときに、相互に合成されることができる。例えば、それらの画像は、別々のプロジェクション・システムに供給することができ、第1のプロジェクション・システムで低空間周波数画像を投影し、第2のプロジェクション・システムで同じ画像の高空間周波数バージョンを投影する。これらの投影は、同時とすることができる。それらのプロジェクション・システムは、低空間周波数成分画像と高空間周波数成分画像の投影が交互になるように、反転同期させることができる。一実施形態において、クワッドプロジェクタ(quad projectors)が用いられ、それらはそれぞれ、解像度、空間周波数、および/または視点(例えば、3D画像のチャネル)のいずれかが異なる画像を、任意のパターンで投影するように構成することができる。一実施形態では、クワッドプロジェクタを用いて3D画像を投影し、左右のチャネルが、低空間周波数と高空間周波数で交互に、異なるプロジェクタから異なるタイミングで投影される。
【0091】
[ダイナミックレンジ処理の実施形態]
EDRプロジェクタは、標準DCIプロジェクタと比べて、はるかに高いダイナミックレンジ(100×~1000×)を有する。さらに、EDRプロジェクタは、標準DCIプロジェクタと比べて、著しく輝度が高い場合があり、DCIプロジェクションでは48ニト(nits)であるのと比較して、EDRプロジェクションでは108ニトである。また、(例えば、図1および2にあるような)デュアル変調DMD-DMDプロジェクタでは、両方の変調器を様々な方法で併用することで、EDR画像を生成することができる。
【0092】
図8は、EDRデュアル変調器プロジェクタ・システムによってDCI準拠の入力データを処理するために用いることができる方法(800)の一実施形態である。一実施形態において、本方法は、プロジェクタ・システムのコントローラにおいて、ソフトウェア、ファームウェア、または組み合わせで実現することができる。802で、コントローラは、EDR、DCI画像/ビデオデータ、または任意の既知のフォーマットの画像/ビデオデータの組み合わせを入力として受け取ることができる。804で、コントローラおよび/またはシステムは、入力画像データが示しているフォーマットを検出することができる。一例では、入力データがDCI準拠ではない場合に、システムは、EDRまたは他の既知の画像フォーマットに従って入力データを処理することができる。
【0093】
この入力画像データがDCI準拠である場合は、コントローラ/システムは、808で、第1の変調器(例えば、予備変調器としての、図1における106、または図2における208)を、フルにオンにするように設定することができる。これによって、プロジェクタ・システムは、その可能な最大輝度に設定されることになる。コントローラ/システムは、810で、投影される所望の画像を形成するために、制御および/またはデータ信号を、第2の変調器に送信することができる。このようにして、EDRプロジェクタを、DCI準拠の画像データをレンダリングするのには十分であるシングル変調器プロジェクタのように使用することができる。
【0094】
プロジェクタをDCIプロジェクタと同様のコントラスト比を持つようにするこの方法では、予備変調器をフルにオンのままにすることになるので、その結果、仮想シングル変調器システムのようになり、DCIプロジェクタと略同等のダイナミック特性を有する傾向を示すことになる。より高い光レベルをEDRプロジェクタで再生できるいくつかの実施形態では、出力を調整して、DCIレベルすなわち48ニトに下げることが可能である。この場合、適切な制御信号を光源に対して生成する(例えば、光源の出力を下げる)ことができ、これに代えて、または併せて、フルのオンよりも低いハーフトーンを生成するように第1の変調器を設定することができる。例えば、EDRプロジェクタがレーザ光源を採用している場合、最大輝度は108ニト程度であり得る。従って、空間ハーフトーンを、実質的に48/108または(DCI最大輝度)/(EDRシステムの最大輝度)の比に設定することが可能であり得る。なお、フルのオンよりも低い他の所望の輝度比が、本出願によって企図されるとともに、本出願の範囲は、そのような他の所望の比を包含することは、理解されるであろう。さらに、他の実施形態では、他の最大輝度投影(例えば、108ニト以外)を考慮することが可能であり得るとともに、他の実施形態は、本出願に包含される。
【0095】
プロジェクタ・システムが、動作中に、EDRとDCI画像コンテンツの組み合わせを受け取った場合に、プロジェクタ・システムは、適宜、DCIモードとEDRモードで切り替えることが可能であり得る。EDRデータが入力され、レンダリングされているときには、プロジェクタ・システムは、上述のように、フルレンジのデュアル変調動作を用いることができる。DCIデータが入力され、レンダリングされているときには、プロジェクタ・システムは、第1の変調器の適切なDCレベル(例えば、フルのオンなど)を設定して、第2の変調器を画像レンダリング変調器として用いることができる。
【0096】
ダイナミックレンジ処理方法として、別の第2の方法は、プロジェクタ・システムのデュアル変調技術を用いることであるが、ただし、プロジェクタがそれを下回ることはない光の下限を追加することである。単なる一例として、下限をピークの1/1800に設定できる場合があり、この結果、良好なDCIプロジェクタの標準的なシーケンシャル・コントラスト比が得られる。この方法によって、アーチファクトがなく、同時コントラスト比がいくらか向上した画像が得られる。前述のように、ピーク出力を48ニトに設定することが可能であり得る。
【0097】
図9は、この第2のダイナミックレンジ処理方法(900)の一実施形態である。902で、入力画像/ビデオデータを受け取ると、プロジェクタ・システムは、904で、入力画像データがDCIコンテンツ、EDRコンテンツ、またはそれ以外のものであるかどうか判断することができる。コンテンツがEDRである場合、プロジェクタ・システムは、906で、EDRまたは他のコンテンツデータを所望通りに処理することを決定できる。入力データがDCIコンテンツである場合は、プロジェクタ・システムは、照射光の下限レベルを実現するために、画像データ信号、一方または両方の変調器への制御信号、光源(複数の場合もある)のいずれか、(または上記のすべて)を調整することができる。
【0098】
この光の下限を実現するために、単独または組み合わせで用いる数多くの可能な技術がある。1つの可能な実施形態では、プロジェクタ・システムは、画像の暗い領域の輝度が光の下限レベルに高められるように、画像データに変更を加えることができる。別の可能な実施形態では、プロジェクタ・システムは、上述のように、第1の変調器の光比(light ratio)を48/108よりも高くなるように調整することができる。さらに、このような光の下限レベルを確保するために採用できる他の技術がある。例えば、この光の下限レベルを実現するために、聴衆席の天井の照明を点灯させることが可能である。
【0099】
この考えを拡張して、重大なアーチファクトを発生させることなく、または芸術的意図を大きく変えることなく、下限を、(コントラスト比(CR)=1800:1である)1/1800から1/5000(CR=5000:1)程度に下げることができる。CRが5000:1~50000:1の間である場合に、アーチファクトが視認できるようになることがあり、芸術的効果/意図が変わる傾向を示すことがある。従って、一部の実施形態では、CRが50000:1よりも高いことは、芸術的意図が変わる可能性があるため、望ましくない場合がある。生じ得るアーチファクトとして、黒色クリッピング、ノイズ、およびグレーディング誤差を含むことができる。グレーディングもしくは任意の変換および/またはグレーディングの処理および/またはグレーディング済み画像データにおける不整合が、視認できるようになる傾向があり得る。
【0100】
ダイナミックレンジ処理のためのさらに別の第3の方法は、DCI画像データを分析し、マッピングアルゴリズムに基づいて画像を動的に調整する逆トーンマッピング技法を用いることであり得る。逆トーンマッピングおよび/または動的画像調整を実施するために、本出願と同一の所有者による以下の出願に開示されているような技術を用いることができる。
【0101】
(1)Gishらによる「EXTENDING IMAGE DYNAMIC RANGE(画像ダイナミックレンジの拡張)」と題する、2013年6月13日に公開された米国特許出願公開第2013/0148029号
(2)Messmerによる「TONE AND GAMUT MAPPING METHODS AND APPARATUS(トーンおよび色域のマッピング方法および装置)」と題する、2013年3月28日に公開された米国特許出願公開第2013/0076763号
これらの文献はすべて、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0102】
[色空間処理の実施形態]
EDRプロジェクタは、DCIのプロジェクタと比べて、大きい色空間を有する。図10は、CIE1931色度図1000の枠内にDCI規格の色域(P3としても知られる)1006を示す色域マップ1000であり、1002はスペクトル軌跡である。EDRプロジェクタ・システムのいくつかの実施形態(例えば、図2)では、光源は、単一波長源を含むことができ、これらとして、さらに相互に近接離間した2つ以上の単一波長源を含むことができる。
【0103】
例えば、一実施形態では、赤色レーザ光源1004-r、あるいは2つの赤色レーザ光源(例えば、1004-rを1004-r1と1004-r2に分割する)と、1つまたは2つの緑色レーザ光源(例えば、1004-gを1004-g1と1004-g2に分割する)と、1つまたは2つの青色レーザ光源(例えば、1004-bを1004-b1と1004-b2に分割する)と、を備えることができ、これにより、CIE1931色度図に埋め込んで示すような色域1004を規定する。
【0104】
種々の実施形態において、より広い色空間(例えば、1004)を、より狭い色空間(例えば、1006)にマッピングする方法を実現することが可能である。そのような方法の1つは、3×3CSC(Color Space Conversion:色空間変換)行列であり得る。これを用いて、EDR固有色空間をDCI色空間に高精度でマッピングすることが可能である。
【0105】
他の実施形態では、DCI(P3)コンテンツを拡張EDR色空間に拡張すること(例えば、3DのLUT、色域マッピング)が可能であり得る。多くの実施形態において、色拡張を実施しつつも、望ましくないアーチファクト(例えば、色ずれ、過剰な彩度)を発生させないことが望ましいであろう。上記で参照により組み込まれた、本出願と同一の所有者による特許出願の多くにおいて、いくつかの色空間処理技術についての記載を見つけることができる。
【0106】
本明細書に記載の種々の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実現することができる。ソフトウェアで実現する場合、それらの機能は、コンピュータ可読媒体に保存されるか、またはコンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令またはコードとして伝送されることが可能である。コンピュータ可読媒体として、コンピュータ可読記憶媒体が含まれる。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な記憶媒体とすることができる。例として、限定するものではないが、そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、もしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、または所望のプログラムコードを命令またはデータ構造の形で保持もしくは保存するために使用できるとともにコンピュータによってアクセスできる他の任意の媒体を含むことができる。本明細書で使用される場合のディスク(diskおよびdisc)には、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク(登録商標)、およびブルーレイディスク(BD)が含まれ、この場合、diskは、通常、磁気的にデータを再生するものであり、discは、通常、レーザで光学的にデータを再生するものである。また、伝搬信号は、コンピュータ可読記憶媒体の範囲内には含まれない。コンピュータ可読媒体には、さらに、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を助ける任意の媒体を含む通信媒体が含まれる。例えば、接続は、通信媒体であり得る。例えば、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)を用いて、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を用いて、ソフトウェアが伝送される場合、その同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、通信媒体の定義に含まれる。また、上記のものの組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0107】
代替的または追加的に、本明細書に記載の機能は、1つ以上のハードウェア・ロジック・コンポーネントによって、少なくとも部分的に実現することができる。例えば、使用できるハードウェア・ロジック・コンポーネントの例示的なタイプとして、限定するものではないが、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準品(ASSP)、システムオンチップ・システム(SOC)、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)などが含まれる。
【0108】
以上、本発明の原理を示す添付の図面を併用して読まれる本発明の1つ以上の実施形態についての詳細な説明を提示した。理解されるべきことは、本発明は、かかる実施形態に関連させて記載されているが、本発明は、いずれの実施形態にも限定されないということである。本発明の範囲は請求項によってのみ限定され、本発明は、数多くの代替案、変形、および均等物を網羅する。本発明についての完全な理解を与えるため、様々な具体的詳細を本明細書で記載している。それらの詳細は、例示目的で提示されるものであり、本発明は、それら特定の詳細の一部またはすべてを省いても、請求項に基づき実施することができる。明確にする目的で、発明が不必要に不明瞭になることがないよう、本発明に関連する技術分野で知られている技術的事項については詳細に記載していない。
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