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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】導線
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20240222BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20240222BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20240222BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20240222BHJP
   H01L 21/82 20060101ALI20240222BHJP
   H01L 29/66 20060101ALI20240222BHJP
   H01M 50/572 20210101ALN20240222BHJP
【FI】
H01L29/78 301J
H01L27/088 C
H01L27/088 D
H01L27/088 E
H01L29/78 301G
H01L21/82 F
H01L29/66 Z
H01M50/572
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022139704
(22)【出願日】2022-09-02
(62)【分割の表示】P 2022123161の分割
【原出願日】2022-08-02
(65)【公開番号】P2024021022
(43)【公開日】2024-02-15
【審査請求日】2022-09-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】714009083
【氏名又は名称】西沢 克弥
(72)【発明者】
【氏名】西沢 克弥
【審査官】岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-525912(JP,A)
【文献】国際公開第2009/133891(WO,A1)
【文献】特開2013-038127(JP,A)
【文献】特開2016-154189(JP,A)
【文献】特開2022-013089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 27/088
H01L 21/336
H01L 21/8234
H01L 21/82
H01L 29/66
H01M 50/572
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート電極に印加される電圧によりトランジスタの絶縁体と材料部分とゲート電極より構成されるキャパシタ部分が充電可能な導線であって、
第1電極(106)と第2電極(102)の間に電圧(VGS)を印加する事によりキャリア導入部(104)を材料部分(101)に形成させ、前記キャリア導入部(104)を含む前記材料部分(101)の導電性を変化可能な素子であって、前記素子の前記材料部分(101)はトランジスタのチャネル部分を含み前記キャリア導入部(104)は前記チャネル部分を含んでおり前記素子の前記第1電極(106)はトランジスタのゲート電極(106)であって、前記素子の前記第2電極(102)はトランジスタのソース電極(102)であって、前記素子は前記ゲート電極(106)に印加される前記電圧(VGS)により前記トランジスタの絶縁体(105)と前記材料部分(101)と前記ゲート電極(106)より構成されるキャパシタ部分が充電可能な特徴を持つ、前記素子を用いた導線。
【請求項2】
ゲート電極に印加される電圧によりトランジスタの絶縁体と材料部分とゲート電極より構成されるキャパシタ部分が充電可能な導線であって、
前記材料部分は、多孔質膜又は前記材料部分の全体積に対して隙間となる空間を持つ又は前記材料部分と前記絶縁体の接触する界面の表面積が前記材料部分の全面積よりも大きい導線。
【請求項3】
請求項1に記載の導線を用いた電気回路。
【請求項4】
請求項2に記載の導線を用いた電気回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電気二重層トランジスタ(又はMISFET・MOSFETのような電界効果トランジスタ)の動作時に起きる現象を、電気配線や電極に利用する考案である。(本願は出願時点では、本願の主張する配線や電極、モータ、アクチュエータ等の配線材料・配線部品に関する動作の実証がされていない。)
【背景技術】
【0002】
●本願では、電気二重層トランジスタによるキャリア導入を用いた、シート・フィルム・箔や線状の導体素子又は配線材料に関する。さらに、前記配線材料を用いたモータ、アクチュエータ、電池等の電子部品・装置に関する。
●また、前記導体素子が導体101へのキャリア導入をゲート電極部106で制御できることを利用し、前記導体素子1の導電性を、前記導電素子1の置かれた環境を検出する入力装置のセンサと、前記センサの入力とゲート電極106の制御する制御部を用いて、前記導体素子がセンサの測定値に応じて導電性の高低を制御できるようにする(図10)。
・前記高低とは、
高い状態はゲートにより101へキャリア導入され104を形成し導電正が増加する状態であって、
低い状態はゲートがオフになり101がキャリア導入されていない状態、又は、105に生じた電気二重層のイオン種により101の104の部分が導電性を低下させるように働く場合である。
●前記104を形成できる101を含む本願導体素子1を電池電極に利用することを提案する。
前記導電性の高低を106により制御することで効果が生じる例として、例えば電池の充放電時には前記ゲート電極106をオンにして、電池の保管時や電池が事故に遭遇する前に106をオフにして導電性を低くする例がある。
センサと制御部を含む電池が、衝撃や加速度を感じた時に106をオフにする動作を制御部に行わせ、電極の導電性を低くし、内部短絡時に正極負極の電極が導電性が高いまま接触し急速放電を伴う短絡を防ぐ(図9)。
【0003】
●本願図1の(B)と(A)の様に、(又は特許文献1の代表図1の様に、)
電導性の導体・半導体あるいは導電性高分子層・炭素ベース材料(CNTやグラフェングラファイト等)の導体層101があって、
ソース電極102、ドレイン電極103、ゲート電極106があり、
例えば溶融塩のイオン液体が102-103間と106間にあり、
(102をGNDにとって)電位VGSを106に印加して、106はチャージされ、
106のVGSを打ち消すように、電気二重層を形成することのできる絶縁層105に含まれるイオンは106の周りに配列し電気二重層を形成する。またキャパシタを形成する。
(絶縁層105はイオン液体を含む二次電池等のセパレータ層でもよい)
その結果、101のキャリア導入層104(MOSFETにおける反転層104)近傍にも電気二重層が出現し、(電界効果トランジスタの)電界効果により、半導体基板101(または、導体基板101、カーボン導体基板101、導電性高分子基板101、有機半導体基板101、炭素ベース導体材料基板101、電気の流れうる基板101)の、前記104にキャリア導入され、101のキャリア導入層104でキャリア密度nが増加する。
(※特許文献1では保護層107がキャリア導入層104の上に配置された構成が公知である。本願でも場合によっては保護層107が利用されうる。107は、電気二重層トランジスタにおいて、ある閾値を超えたゲート電圧において、104や101に電気化学反応・エッチング反応等が起こることを防ぐ。本願は保護層に関する発明ではないので説明を省略する。)
【0004】
<MISFET と電気二重層トランジスタ>
105と、105を挟む104と106により、キャパシタが形成される。
105が絶縁膜の場合MISFETで、105がイオン液体を含む場合(電気二重層キャパシタ部を持つ)電気二重層トランジスタとなる。
・電気二重層トランジスタにおいては、104と105の界面で、104内の電荷に釣り合うようにイオン液体中のイオンが電気二重層を形成し、104ー105ー106部で電気二重層キャパシタを形成する。前記電気二重層部の層の厚さは1nmクラスであるとされる。
・電気二重層トランジスタにおいては、イオン液体等の電気二重層キャパシタを形成することで、MISFETの絶縁層によるキャパシタよりも多い電荷を104に蓄積できうる。
・その原理又は方法を応用し、本願では有機半導体、導電性高分子や、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブCNTを含む炭素ベース材料、(他に鉄など汎用金属の膜)の導体101・101P・1012を、104や1042を形成する導体(又は導体・半導体)に用い、ゲート電極106と(電気二重層を形成できる)絶縁体層105を備えさせ、VGSを印加し104・1042を形成させ、104・1042や104を含む導体の導電性の向上を行わせようとする。
・また104の形成(及び、101の材料の種類によっては104とは逆に導電性を下げる働きをする104I)が106を用いて印加されるVGSの電圧値により制御されることを利用し、起電力やエネルギー密度の高い電池や、可燃性のある電解液等を用いる電池において、電池の破損につながる電池の置かれた環境データ(加速度等)を入力装置のセンサにより検知し、104を用いる電池電極の導電性を減らすよう104を生成しないようにVGSを制御して、電池の保管時、破損時、又は破壊される前に、電極の導電性を下げ、電極由来の内部短絡を防ぐようにすることを提案する(図9図10)。
図2のように、101にはボディB部分の108を定義できる。
図1図2の105は電気二重層を形成できてもよく、その場合には105の薄さは薄くできるうる。図面の101や101Pと、104、105のスケールと実物のスケールは一致するように記載していない。(模式図である。)
※MISFET :Metal-Insulator-Semiconductor FETの略。
※MISFETや電気二重層トランジスタでは、ゲート電極のキャパシタ部に電荷がチャージされる構成をとる。前記キャパシタ部の自己放電は少ないことが好ましい。ゲート漏れ電流 、リーク電流は少ないことが好ましい。
【0005】
<ゲート部の絶縁破壊>
・導体素子のゲート部はキャパシタを構成するが、前記キャパシタの耐えられるVGSは限界があり(GS間の絶対最大定格電圧VGSA)、高電圧のVGSが印加された場合、ゲート部の絶縁が破壊される。
VGSAを超える電圧が106印加された場合、前記キャパシタ部分が破壊され、104を形成できなくなりうる。(図9のP2)
<ゲート部の絶縁破壊を用いたヒューズ風の2端子型の導線>
・一方本願の素子を図8の(B)のように2端子の電線1-2TERとして利用する場合、前記2端子に印加される電圧にはVGSAに起因する絶対最大定格値がある。
・1-2TERにVGSAを超える電圧が106に印加される時、キャパシタが破壊され104が消失して104を失った1-2TERの2端子間の導電性が低下することをヒューズのように利用できるかもしれない。
・1-2TERを導線1WIREとして複数直列に繋いだ電線を送電のネットワークに用いた時、落雷が落ちた際に落雷によって106がVGSAを超えるような高電圧が印加された場合に、導線内でキャパシタ部が破壊され、104がなくなり、1-2TERの導電性が低下することで、1-2TERの2端子の間で電流が流れにくくなり、1-2TERを複数含む電力網に大電流が流れ広がるのを防ぐ効果があるかもしれない。
【0006】
<導電率の視点>
●導電率SIGMAは、SIGMA=1/抵抗率RHO=電荷q×キャリア密度n×キャリア移動度MUであって、キャリア密度nの増加した前記104は導電率SIGMAが増加しうる。
本願ではこのメカニズムで導体、半導体にキャリアを導入・注入し、前記密度nを増加させ、導電率を向上させた104を利用する導体素子1を提案する。
●なお導体の抵抗Rは、R=抵抗率RHO×導体長さL/面積Aであり、物体の断面について、導電に寄与する面積Aが大きくできることが好ましい。
※キャリア密度nは無機材料のうち金属で10の22から23乗、半導体で10の10から17乗、絶縁体で10の1から4乗とされる。
※化学ドープされた導電性高分子においても高いキャリア密度を持つものが存在する。
※本願では(化学ドープを行わなくとも、)移動度の高い有機半導体やCNT、グラフェン、グラファイト等炭素材料、あるいは鉄など資源量の多い材料を101として用い、電気二重層トランジスタによりキャリア密度を増加させ、ゲート電極の電圧を制御し導電性を制御できる、導体素子として用いることを提案する。
●電気二重層トランジスタにおいてキャリア密度nを10の20から21乗以上にできるとすれば、移動度の高い有機半導体と掛け合わせることで導電性の高い導体素子1を形成しうるかもしれない。
・CNT等炭素材料で移動度の高いことが期待できる炭素材料に関しても移動度の高さと電気二重層形成による高いキャリア密度を掛け合わせて良好な導体にできるかもしれない。
●また、図11の101Pに1012を積層する構成では1012を薄い金属膜、101Pを導電性の炭素ベース材料からなる多孔質膜にでき、金属元素の利用料を減らしつつ金属膜1012にキャリア導入層104(及び104I)を形成して導電性を増減させることを提案する。
【0007】
<キャリア導入層104の面積を増加させる101P>
●導体の抵抗Rは、R=抵抗率RHO×導体長さL/導体面積Aであり、物体の断面について、導電に寄与する面積Aが大きくできることが好ましい。
図1の(A)や図11の(A)のように、平坦な101と105を持つ導体素子1の界面に形成される104はその厚さが1nm程度で薄い事が考えられ、導体の導電性を向上させるための104部分になる面積(先に述べた導体面積A)が小さく、104を形成しても、意図したように導体素子の抵抗Rを低下できない問題があるかもしれない。
・そこで、図11の(B)や(C)のように、
くし形状・ロッド・ピラー・多孔質の層を含む101Pを用い104を形成したり、
101Pの上に第2導電体1012の層を積層・堆積などさせて形成し、
1012にキャリア導入層1042を形成させることで、
図11の(A)の平坦な101と105に生じる104の面積よりも広い導電の面積を持つ104や1042を得ることができ、
導体面積A 面積を増やす事が可能になり、(導体の抵抗Rを減らすことができ)導体の導電性を向上できる。
(101Pを用いることで、電気二重層を形成できる導体の体積当たりの表面積を増加でき、キャリア導入層104や1042が形成される面積(導体面積A)を増加できる。)
図11の(A)と(B)と(C)の素子の断面模式図を比較すると、(B)や(C)は104や1042が(A)よりも広い面積としてとれる構成であるため、本願では図11の(B)と(C)のような101Pを用いる構成が好ましく利用できる。
・さらに金属材料において、金属が腐食等しないようにする必要はあるが(特許文献1のように素材を保護層にて保護する必要はあるかもしれないが)、地球に遍在する鉄等(導線中の金属の使用量を減らし省資源・軽量化する意味でのアルミ二ウム・銅等を含む)の汎用金属を、多孔質な導電性のある炭素材料導体101Pの上に積層・堆積させた1012として、前記1012の表面に形成された電気二重層により、キャリア導入された1042を形成してよく、例えば多孔質電極内101Pに形成された1042により導体素子1を構成してもよい。
【0008】
<<素子1の用途>>
●有機半導体や導電性高分子、炭素材料、鉄などの金属材料の膜において104を形成し二次電池の電極の導体部分やモータの導線部分に用いる事を提案する。
<フィルム電極用途>
●導体素子1をフィルム又はシートや箔の形態で用いる電極型の導体素子1FILMや二次電池の電極の導体部分、太陽電池や受光素子、発光素子等の半導体素子の導体部分や・ディスプレイ装置等コンピュータやロボット・車両・航空機・輸送機器等ハードウェアへの利用を提案する。
図6に示すような1FILMを用いる、EAPを用いたアクチュエータ2ACTを提案する。
アクチュエータにおいても金属製電極の利用を減らし金属資源コストと重量を低下させることができるかもしれない。
人が装着するロボットスーツや宇宙服等において、二次電池やアクチュエータ・モータの重量を減らすことができれば、前記スーツが軽量になり、ヒトが持ち運びしやすくなるかもしれない。
<導線用途>
●導体素子1を図5のように導線型の素子1WIREとして、電線やモータの導線部分に用いる事を提案する。
前記導体素子1や1WIREは送配電網や空中のプラットフォーム、基地局、構造物の電力の内部配線、配電、送電用途も想定する。
図5の構成では、導線の断面中心から106、105、104,101と配置されているが、この配置(1WIRE)を逆にした構成(1WIRE2)では前記断面中心から101,104,105、106と配置する事もできうる。
図5において、導線中心の106をアルミなどの金属ファイバとカーボンベース導電材で複合素材のゲート電極を構成し、ゲート電極兼電線芯材として断面中心に配置し、106へ電圧を印加し帯電させ、それを取り囲む105と101の104にてキャパシタを形成して104を含む101(同軸ケーブルの外部導体部)を導線の導体部に用いる。
1WIREは106が導線として曲げなどの機械的な力に耐えるように、前記複合素材の、電荷を蓄える用途のゲート電極にできうる等の理由から、図5に記載の、複合材料化できる106を中心の芯の線とした、導線1WIREの構成を考案した。
図5の1WIREは本願導体素子における導線の例の一つであって、本願の導線型の導体素子の形態は図5の例に限定されない。例えば1FILMを加工(パターニング・切断・エッチング)などして導線デバイスにしてもよい。
【0009】
<ゲート電極の導体素子1への内蔵の有無>
本願では図8に記載の3端子及び2端子の素子が考えられた。
●本願の1WIREや1FILMではゲート電極106を用いる3端子型素子となる。
一方、例えば導電性フィルムや導線を繋ぎ合わせて長い配線を構成する用途への利用に関して、2端子の素子が考えられた。
図8の(B)に2端子型の導体素子1(1-2TER)を記載した。
(1-2TERは、導体素子1の導体101が半導体の場合、FETのソースとゲートを短絡した、所謂定電流ダイオードのように動作する。前記導体101が炭素系材料等の導体である場合も許容電流以上には流せない)
・U1はハイサイドスイッチ時に、Vccからゲート106を駆動するゲートドライバ部(抵抗などでもよい)である。SGとS間に抵抗があってもよい。U1はセンサやゲート駆動回路、制御部を含んでもよい。
・前記(B)の構成では、U1によりVccから106を駆動することが、電線同士を繋いで電位を印加した時に可能となりえて、1-2TERを採用する導体素子は3端子型よりも導線や導電フィルム・シート・電極として取り扱いが簡単かもしれない。
・地上及び宇宙の太陽光発電所、宇宙構造物、宇宙ステーション等の大規模な太陽電池の発電部に用いる場合、1-3TERではゲート電極を駆動する回路とその配線網を備えさせる事も想定されるが、前記1-2TERではゲート電極への電圧印加は1ー2TERで内部で行えるので大規模な太陽光発電システム・大規模な回路の構築をしやすくする。(太陽電池だけでなく、電子部品、電池、モータ、アクチュエータ、センサ等の電極や配線部に用いる導体素子1においても1-2TERの利用が考えられる。)
・導体素子1はハイサイドスイッチでなくローサイドスイッチ型、あるいは一般的なトランジスタ部品の電気回路例と同じように運用されうる。(導体素子1はトランジスタでもある。)
・3端子型については、106にかける電圧VGSの大きさや、VGSの極性を変える事ができるメリットがある。
例えば図面に記載の熱電変換素子2TCEでは、n型とp型の半導体部に個別に極性や大きさの異なってもよい電圧を印加でき、n型・p型材料が全く違う材料系で、p型材料はキャリアが多く、n型材料はキャリアが少ない場合で、キャリア密度に違いがあっても、n型のゲート電極の電圧をp型のゲート電極の電圧よりも高くして、n型部に人工的にキャリアを生じさせ、p型に見合うキャリア量として、制御できるかもしれない。
【0010】
<熱電変換素子への利用>
●キャリアが増加した前記104を用いる熱電変換素子2TCEが考案される。
本願導体素子1について、1がP型半導体・N型半導体であって、半導体の移動度を保ちつつキャリア密度がゲート電極を制御して増やせるならば、熱電変換素子にも利用できるかもしれない。図11のように、N型とP型其々に対応するゲート電極106N、106NGと106P、106PGを備えさせ、106Nに電圧VGSN、106Pに電圧VGSPを其々印加できるため、P型部とN型部のキャリアを増大させた熱電変換素子となるかもしれない。また本願は炭素ベース材料、特に有機半導体や一部の無機半導体(特許文献1のような銅酸化物等無機半導体や、所謂ペロブスカイト太陽電池に用いられるペロブスカイト半導体含む)であってもキャリア密度を増やせるとすれば、特定の元素の資源面での制約がなくなり、資源量に限りない半導体材料を104(101)に用いる事で、熱電変換素子の大量生産が可能になるかもしれない。(公知の熱電変換素子では、Bi2Te3合金の利用が確認でき、Te等の資源量に限りのある元素を用いている。)熱電素子がウェアラブルデバイスから廃熱発電、人工衛星の物理電池、熱電池まで広く利用され、とくにウェアラブル用途で普及させる場合に、安価で大量に生産できる事は望ましいかもしれない。
<導体素子1が半導体を用いる場合>
1の101や101P、1012は、104・1042を形成させるときに、導体の101・1012のみならず、半導体としてふるまう組み合わせの材料部分101・1012を用いてよい。
例えば、1012が窒化アルミニウムAlN(他にシリコンカーバイトSiCや窒化ガリウムGaN、ダイヤモンドC、酸化チタンTiO2、酸化スズSnO2、酸化亜鉛ZnO、酸化インジウムスズITO、酸化インジウムガリウム亜鉛IGZO)などバンドギャップEgの高い(日常生活では絶縁体ともとれる材料の)半導体層であって、(高いEgのAlNのような半導体)1012に1042を形成させて、n型又はp型の半導体層1042として機能させてもよい。
前記1042を用いた半導体デバイスを構成してもよい。
前記1042を用いて電極や透明電極(太陽電池や発光素子、EL又は液晶のディスプレイデバイス含む)を構成してもよい。
101や1012はグラフェン、一部の有機半導体、前記ZnO、SnO2、TiO2、ITO、IGZOは透明電極に用いられる材料を含む。
・101や101P及び1012は半導体や導体を含む。
例えば元素の周期表に記載される、第14族元素を含んでよく、前記第14族元素はバンドギャップの高い材料としてダイヤモンドCを含んでよく、バンドギャップの低い半導体材料としてシリコンSiやゲルマニウムGeを含んでよく、導体の材料としてスズSnや鉛Pbも含んでよい。
【0011】
<<本願の背景>>
●第1の理由は、電気自動車の需要の拡大による金属資源の高騰があり、銅の使用量を減らすためである。
※但し本願装置はアルミ二ウムや銅をメッシュ状に形成した電極にカーボン素材や導電性高分子を組み合わせたハイブリッド電極でもよい。本願は配線材料に用いる銅等金属を減らしたいという意図がある。本願は銅を使用しないという限定をしない。104を形成するために106にアルミニウムを含むゲート電極を使ってもよい。
【0012】
●第2の理由は、宇宙空間で用いられる、大型の、装置・構造物・建造物の金属資源のリサイクル問題である。
発明者は特許文献2の特開2022-058853、又は該文献2に関連する特開2022-105726等で規模の大きい太陽電池や二次電池の配線・電極、または前記電子部品を含む航空機や宇宙機、人工衛星、構造物(軌道リング装置、軌道エレベータ装置)の開示をしている。
(特許文献2で主張される構造物や航空機は、電気自動車と同じく、電気式の航空機に搭載する二次電池、例えばリチウムイオン電池を含んでもよく、前記リチウムイオン電池は銅箔とアルミ箔を含んでいる。太陽電池についても、リチウムイオン電池ほどの電極の厚さではないが、金属電極が利用される)
・前記装置、前記構造物はミッション達成後に大気圏突入で焼却される見通しで提案されている。その装置・構造物に有限資源の銅等を搭載している場合、大気圏突入後は地球のどこか、海などに向けて焼却しながら落下する行くことになる。海洋などに銅を含む焼却後の残りが落ちて混ざり沈んで拡散してしまうと、(地上における家電製品から銅をリサイクルするような)銅資源の回収が困難である。地上から打ち上げられた金属元素が地上に落ちるときに拡散して稀薄化し再利用・資源回収が困難になる恐れがある。
・宇宙空間で大型の構造物が耐用年数を過ぎ交換が必要な場合、低コストな宇宙と地上の間での輸送手段(所謂軌道エレベータ等)にて更新用の部品をやり取りできれば好ましい。
(金属原子が含まれなくとも、構造物が、例えばSOxの発生に繋がる硫黄を含んでおり、大気圏突入時に大量の硫黄がSOxになり環境への負荷が高くなる恐れがあるかもしれない。好ましくは、所謂軌道エレベータ等で更新する部品をやり取りできればおおいに好ましい。)
・しかし、大規模構造物が事故に遭って地上に燃焼落下する時や、軌道エレベータなどの手段を用いても、規模の大きい構造物から人手やロボットを用いて回収する労力を減らしたい時に備えて、構造物を一度に(地上においてビルを爆破し解体するように)軌道から除いて大気圏突入によって焼却したい(又は事故の結果、焼却されてしまう)場合もあるかもしれない。
・その時、航空機や構造物内部の金属や希少元素を含む資源が地上に拡散してしまう恐れがあり、それを繰り返していくと将来には宇宙空間での大規模構造物の建造と利用が持続可能にならないかもしれない(持続可能な開発につながらないかもしれない)。
【0013】
●第3の理由はロボット用の省資源なアクチュエータ用途である。
・電気自動車では機器の内、二次電池の割合が多い。車両や無人航空機、人型や多脚型を含むロボットのうち、輸送機器のように充電後の移動距離が長いロボットは、電池に使われている金属資源が多いかもしれない。
・他方、電力網に接続され給電を受ける、移動距離の短い人型・多脚型等ロボットは二次電池・蓄電装置の容量を減らせる分、動作用のモータやアクチュエータ(人工筋肉、非特許文献1に記載の誘電体エラストマー利用のアクチュエータ含む)及び配線材料が製品占めるコストの割合が高くなると考えられる。前記モータ・アクチュエータや配電素材の銅等資源利用を低減できれば、金属資源の制約が少なくなり、ロボット製品の普及に寄与するかもしれないと考えた。
・またロボットやロボットスーツ類の電池やモータを軽量化することも必要であると考えている。
【0014】
●第4の理由は軽量なアクチュエータ、配線材料用途である。
上記3つの理由で述べた用途で、銅配線(及びアルミ二ウム配線)を炭素含有の材料に出来るならば、モーター、アクチュエータ、電池の配線部材の軽量化に繋がるかもしれない。
●例えばモバイルコンピュータやドローンなどに用いるリチウムイオンポリマー電池は、分解すると、電池の多くを占める金属の部材は活物質を塗布したアルミ二ウム電極と銅電極であることが確認できる。そこで金属使用量を減らせるならば電池や車両、飛行機、ロボットの重量低減・コストダウンに繋がると考えた。
●本願は軽量な電線、モータ、電池を構成すること意図している。
それらモータや電池を用いる各種機械・装置(電気自動車や電気式の航空機、ドローンなど輸送機器、電気式の農機具や船舶などの産業用機械、プリンタや加工機等の事務用・産業用機械、冷蔵庫、洗濯機や持ち運び式・電池式掃除機等の家電瀬品、電線、モバイルコンピュータ、ウェアラブルデバイス用に、本願は利用されうる。
【0015】
上記4つの理由・観点から、
配線材料、配線部品、電極の金属使用量の低減が課題であり、本願ではその解決のため、通常は(金属材料ほどには)導電性に優れないカーボン材料や有機系の導電材料に、電気二重層トランジスタのキャリアを増加させるメカニズムを利用できるよう、電界効果を生じさせる手段を配線材料や電極に搭載するアイデアを提案する。また前記手段を持ちいたモータ・アクチュエータ・電子部品、電極・電池電極・電池についても提案する。
安全な装置やシステムのために、本願では、元素の量の制限が少ないと思われる炭素ベースの導電材料に、導電性を向上させる仕組み備えさせることを提案し、前記仕組みを用い、危険を察知して電子部品や電池内の導電性を変えるシステム3(3.3WIRE、3BATT)を提案する。
<備考>
・発明者は短期的には、銅等の装置・構造物で宇宙開発が行われても問題はないと考えている。また導電性だけでなく、機械的な材料の性質や、各種性能面で銅等金属でなければいけない装置には前記金属が利用されるべきである。ただ、長期的には、人類が宇宙に進出するようになり、宇宙で活動する想定をすると、地球の銅資源(有限の資源)をリサイクルしにくい状態で地球に再突入させ、ばらまいてしまう事は好ましくないかもしれないと考え、前記素子1を提案する。
・資源の豊富さでみても、地球や地球近傍の衛星や惑星(金星や火星)には炭素があり、それらは本願で利用したい炭素ベースの導電性材料の基になる。(CのほかにシリコンSiについても本願方法で導体素子は形成できるかもしれない。SiはSiO2の形で月面にて確認されている。)
・そこで、本願では炭素をベースにする炭素系材料や有機半導体、導電性高分子の導電率を向上させ二次電池やモータ用に用いるために、(実証はできていないものの)、電気二重層トランジスタの104部分を前記二次電池の銅電極箔やモータの導線部に用いようとした。
・本願導体101は炭素ベースの導体(グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブを含み、有機半導体、導電性高分子を含み、無機半導体、無機導体、鉄等の金属を含んでよい。)
【0016】
<<実施例・想定例>>
<エネルギー密度の高い電池>
本願導体素子を箔状の素子して、二次電池の用いるときは、イオン液体を含むリチウムイオン電池や、イオン液体のもつ広い電位の窓を用いたリチウムイオン電池より高い起電力の二次電池デバイスも想定する。
【0017】
●例えば、カチオンのリチウムイオンが移動するリチウムイオン電池に対し、アニオンのフッ化物イオンが移動するフッ化物イオン電池、フッ化物シャトル電池 (fluoride shuttle battery:FSB) が公知である。フッ化物イオン電池の文献として特許文献3が挙げられる。
●特許文献3の段落[0041]から段落[0057]には、フッ化物イオン電池(1次電池、2次電池であってよい)の構成要素が記載されている。前記FSBは正極活物質層の集電を行う正極集電体、および、負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。集電体の形状としては、例えば、箔状、メッシュ状、多孔質状等を挙げている。電解質層は液体電解液であってもよいとされる。
●本願では集電体(負極集電体・正極集電体である201NEC・201PEC)はキャリア導入された104を含む101の上に層として形成できる。
101が炭素材料であるとき、201NEC・201PECの104に近い部分(104に近い101に近い201NEC・201PECの領域)の導電性は、104がない場合よりも104がある本願構成は、集電体や電極の集電性能を向上できるかもしれない。
【0018】
<センサを含む電池と素子1>
●特許文献4の電池を保護する素子としてPTCサーミスタの利用が公知である。
本願では電池に強い衝撃が加わる等の入力を電池に備え付けたセンサがセンシングできる、
本願の導体素子1のゲート電極106を制御するセンサ3SENとゲートドライバ3CGATEとコントロール部・制御部3Cを含む電池デバイスを提案する。
【0019】
・エネルギー密度の高い(又は出力密度の高い)電池は、事故などで串刺しになる(電池内部で折れ曲がってセパレータなどが破損する)などして破損するときに、内部の電極が短絡を起こして、(内部短絡を起こして、)電池の蓄えたエネルギーが解放され爆発・燃焼などしやすいはずである。
・そこで本願では電池がNailなどで串刺しにされるなど、内部短絡した場合に、図9図10のような安全機構を提案する。
・前記事故前記電池が破壊される事故(電池の串刺し、車載電池の3BATTが交通事故により衝突・破壊される、3BATTを搭載する航空機が墜落する等)の予兆(衝撃・加速度の変化、飛行高度の変化、速度変化、電池のふくらみや電池を取り囲む他の部材の変形による電池のひずみ、衝突音など音の変化、電池等保護対象に超音波探針・エコーさせたときの音変化・異常検知、においの変化、化学物質を検出するセンサ、カメラでとらえた電池に迫る脅威、気圧・圧力変化、温度変化)をコントロール部・制御部のセンサにより検知し、本願導体素子1のゲートをオフにする動作を行い、電池の内部電極の導電性を下げることで、導電性が高い状態の内部正極負極の電極が内部短絡し、急速放電して発火する等の事故を防ぐ。
【0020】
・車載電池や航空機等の輸送機器の電池であって、電池に備えた前記制御部が前記輸送機器に搭載された自動車コンピュータC1と前記C1に搭載されたカメラが輸送機器の外界の危険(カメラにて自機に衝突しそうな物体)を検知し、C1は信号の通信経路を経緯させて、電池のコントローラ3CBATTに制御信号を伝達する。そして3CBATTは受け取った信号・データに応じて、記憶された手続きに従いゲートドライバ回路3CGATEを制御し、3CGATEから2BATTの106に印加される電圧VGSを変動させ、導体素子のゲート電極を制御してよい。そして106の電圧制御により101の104を減少またはなくしたり、104Iを生じさせ、2BATTの内部電極の導電性を低下させて良い。
【0021】
<センサにより導電性を制御される導体素子1>
電池の形態にかかわらず、電気用の導線や、シート・フィルム・箔の電極の形態であっても、前記のセンサ・入力装置により検知し、その結果にしたがって制御部でゲート電極のVGSを制御してもよい。
・モータ(アクチュエータ)に加速度センサや速度を検出する速度計をセンサとして取り付けて、前記導体素子1を用いるモータが規定速度以上の速度域にある場合や、規定以上の加速度で加速していることを前記制御部に接続された前記センサにて検知し、前記制御部からゲート電極106を制御してキャパシタをオフにし、導電性を下げてモータの動作を増速させないように仕向けてもよい。
・ロボットスーツに用いられうる、アクチュエータの場合もセンサと制御部を用いてよい。
・外部からの無線通信の入力結果に応じて導体素子のゲート電極を制御してよい。
【0022】
<電気・電力の用途、信号用途>
・本願により構成されうる導線デバイスは電気電力の送電用途を想定した。信号用途への利用は否定しない。
・大規模でもよい建造物や構造物(宇宙構造物、ビルやトンネル、道路等の構造物・建造物)の各部の経年劣化や置かれている環境をセンシングのために、センサやセンサの信号を検出する配線用に本願の導体素子1を用いてよい。
・温度センサやカメラを含むセンサ又は入力装置を稼働させたり、モータやブザーを含む出力装置を稼働させるための信号や電気電力の配線に前記素子1を用いてよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【文献】特開2022-013089号公報
【文献】特開2022-058853号公報
【文献】特許6313345号公報
【文献】特許3035677号公報
【非特許文献】
【0024】
【文献】「DEA - Dielectric Elastomer Actuator 」、早稲田大学 基幹理工学部 機械科学・航空学科 川本研究室、www. kawamoto.mech.waseda.ac.jp/kawa/researches/actuator.html、インターネット、令和4年7月13日閲覧
【文献】「DCモータとは?その特徴や仕組みを紹介」、jp.aspina-group. com/ja/learning-zone/columns/what-is/001/、シナノケンシ株式会社、インターネット、令和4年7月17日閲覧
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
<課題>
導電材料のキャリア密度を増加させ、導電性を向上させることである。また導電性の制御できること、センサによる測定結果を起点として前記制御を行い導電性の制御できるデバイスを構築すること、安全なデバイス、安全な電池を提供することも課題であった。
【0026】
・宇宙機、電気航空機、電気自動車、電気式輸送機器において、二次電池の電極材の金属使用量の低減が課題であった。モータの金属使用料低減も必要であると考えた。
・二次電池やモータ等に用いられる資源量の限られた金属箔・金属線等の配線材料の代わりになる、炭素ベースの導体配線、あるいは金属材料を減らしうる導体配線を考案する事が必要であった。
・共有結合性の炭素をベースにするグラフェンやカーボンナノチューブなど炭素材料あるいは炭素繊維、有機半導体・導電性高分子・塗布により作製できる有機又は無機の半導体では、金属導体のキャリア密度よりも低い場合があって、キャリア密度nの増加を行う必要があった。
・共有結合を多く含むカーボンナノチューブ・グラフェンや、有機半導体・導電性高分子等の炭素ベース配線材料は、キャリア移動度が高くともキャリア導入・注入・ドーピングしにくい等で、キャリア密度nが金属よりも低くなりがちであった。また、炭素ベース配線材料がドーピングで分子骨格をイオン化され不安定になる、或いはドーピングにより移動度の低下も起きる事も否定しない。そこで移動度が高いままキャリア密度nを増加させたいと考えた。
【課題を解決するための手段】
【0027】
<解決手段>
電気二重層トランジスタにおける導電材料101のキャリア注入が行われた部分104を用いて化学電池・物理電池を含む電池や電子部品、導線、アクチュエータ・モータ等の導電素材・導体素子1の部分に利用する。
(前記導体素子1を用いて、車両、輸送機器、航空機、ロボット、もしくは電池やモータを使う家電製品、製品、部品に用いて、導体の重量やコストを低減させる)
【0028】
●本願では電気二重層トランジスタの基板部の104へのキャリア注入を用いて、キャリア導入・キャリア注入された前記104を持つ、導電性高分子や有機半導体や無機半導体あるいは導電性の炭素材料、導電性材料でできた導体材料・配線材料・導体素子を提案する。そして104を用いた前記配線材料による二次電池、モータ、アクチュエータ、電子部品を提案する。
●本願では、導体(及び半導体)であって、移動度は高くともドーピング困難・キャリア密度向上に限界がある半導体・導体材料に電界効果によりキャリア注入させることで、高い移動度を保ちつつ、キャリア密度nを増加させる。
またその結果、キャリア密度nの増減を106にて制御可能になり、二次電池においては電池の充放電時はキャリア密度nを増加させ、電池保管時・電池利用無時はキャリア密度nを低下させるよう、ゲート電極を用いて制御可能となり、保管時においては電極の導電性が低いことにより二次電池内で電極のショートが起きても、電極の抵抗値が高いことでショート時に大電流が流れることを防ぎ、電池の発火事故を防ぐことにつなげる。(図9図10
【0029】
<電極抵抗を制御することによる短絡防止可能な電池デバイス>
●リチウムイオン電池は、過充電、外部短絡、内部短絡により破壊されうる。
・特許文献4は、リチウムイオン電池について、安全素子付き二次電池とする構成に関する特許である。特許文献4では前記安全素子としてPTC素子を用い、過充電に対し安全性を確保する。
・内部短絡の例は外部衝撃による電池内部構造の破壊・短絡である。正極と負極が内部で接触し、大電流が流れショートし、電解液や活物質が反応性が高い場合には燃える・爆発するなどの現象が起きる。
・内部短絡はほかにも電池の充放電時に電極・電解質・電解液・活物質由来の金属が析出しセパレータを通り抜けて短絡する場合や、セパレータ・電極などの製造時の不良、異物・不純物混入がある。
●本願の正極と負極の電極同地が電池内部で短絡した場合を、電池内部に金属釘T1を串刺した図として図9に記す。
前記串刺しの場合、ゲート電極106の電荷が他の電極へ流れ、106と104に蓄えられた電荷がなくなり、104がなくなることで、104よりも導電性が低下した101になり、101が導電性が低い場合には101を用いる正極・負極の導電性が低くなり、正極負極の101同士が内部短絡しても、101の導電性が低いために急速な内部短絡時の放電が起きにくくできるかもしれない。
【0030】
●前記串刺しとなる前に、電池にセンサ、例えば加速度センサを備えさせ、電池に印加される加速度の変化や温度変化、気圧変化(及びセンサ測定値から推測される高度等使用条件の変化)に応じて、ゲート電圧VGSを変えて、電池の電極の伝導性を低下させるよう導体素子を制御し、内部短絡に備えてよい。
●電池を搭載した電気式航空機や電気自動車等が事故(交通事故など)にあって、
電池が外部衝撃破壊される事による電池が内部短絡を防ぐため、
電池に備え付けたセンサ装置(加速度、温度、気圧、湿度、特殊なにおい、火気のにおい等)が、電池の内部短絡を避けたい場合の環境値、又はセンサの値(測定結果)になっている時、
ゲート106の電圧VGSを変えて、VGSを印加しないように制御し、
104のキャリア導入層を導入されていない状態にさせ、
その結果104を含んでいた101の電気伝導性、
導電性を低下させる事を、本願では考案として開示する。
前記導電性が低下した、電池内の、正極の101と負極の101が内部短絡しても、
101の導電性が低いことにより急激な内部短絡電流の発生を防ぎ、
内部短絡による加熱、燃焼、爆発を防ぐ事を意図している。
【発明の効果】
【0031】
ゲート電圧VGSをゲート106とソースの間に印加し、104のキャリア密度を増加させ、導電率を向上させる。その結果導体101に104を形成可能な、導体であってトランジスタである、導体素子1を構成する。
前記電圧VGSを変えることにより、導電性を制御でき、例えば、二次電池の利用時はVGSを印加し、電極を導通可能にさせ二次電池の充放電を行い、二次電池を利用しないとき又は保管時は、VGSの印加を止め、VGSの電位をリセット又は制御し、キャリア密度nを減らし、導電率を下げることで、電極間ショート時の反応や発火、発熱を低減できるかもしれない。(本願は実証が必要である。)
【0032】
・また電位の窓の広いイオン液体を用いるため、電位の高くとれる酸化還元反応・電気化学反応を用いる電池についても利用できるかもしれない。
・銅やアルミよりも軽い炭素ベースの導電性素材の導電率を向上させ、二次電池やモータの配線部に用いることにつながれば、ロボットスーツ・宇宙服(含むウェアラブデバイス)、電気自動車や電気航空機の軽量化と、省資源化に繋がる。
【0033】
・従来の電気二重層により形成されるキャリア導入層104(チャネル104)が1nmクラスと薄いので導体になる面積が小さい問題があるかもしれないが、
図11のように、多孔質層でもよい101Pを用いることで104を形成したり、101Pに第2導電体1012を形成し1012にキャリア導入層1042を形成し、面積を増やす事が可能になり導体の導電性を向上できる。(導体の体積当たりの表面積を増加できる。)
【0034】
・電気二重層トランジスタの、層が薄く面積の稼げない104の問題があるが、本願では101Pを用いることで104の面積を大きくでき、導体素子1の導電性の向上を図る。
【0035】
・また104でなく104Iが生じる場合には、104を形成させた導電性の良い状態から電極の電圧VGSの極性を入れ替えて104Iを生じさせるVGSを印加して104Iを生じさせ、導体素子1の導電性を導体の素の状態よりも下げうる。
【0036】
なお、多孔質の場合、キャパシタを充電するための時間が増える恐れは残っている。本願素子1は望みの動作モードにするために、電気二重層を含むキャパシタ部を充放電させるための充放電時間が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】電気二重層トランジスタ(A)と本願装置(B)の説明図。
図2】外部回路EXC1と導体素子1の電気回路の接続図。
図3】LiPo電池の活性層付き銅箔を本願の1で行おう場合の説明図(フィルム・シート・箔の形状の導体素子1FILMの説明図)
図4】本願導体素子を利用する電池2BATTの例。
図5】本願を利用する導線2WIREの例。(モータ用コイルを含む)(同軸ケーブル様のケーブルの銅芯線部分をゲート電極106とし、106を105で覆い、105を外周を筒状の101で覆い、106にゲート電圧VGS(VG)が印加された時101に104が生じさせようとする導線型導体素子2WIREである。)(図5の106から104m101までの配置を逆にしたものも考えられる。)
図6】本願を利用するEAP(201EAP)を用いるアクチュエータの説明図(EAP:エレクトロアクティブポリマー。図6の構成はEAPを圧電素子とするピエゾアクチュエータにも転用されうる。図6の構成に図5のコイル2COILにて磁場を生じさせて磁歪材料に印加する構成の磁歪素子も考えられる。)
図7】本願を利用する光電変換素子及び熱電変換素子の説明図。(本願を利用する太陽電池デバイス(2PV)とLED・レーザーダイオード等発光素子の説明図。)
図8】本願を利用する導体素子(3端子型1-3TERおよび2端子型1ー2TER)の説明図。
図9】本願を利用する電池(2BATT)を金属釘(nail)により串刺した場合の短絡防止説明図。
図10】2BATTと保護用センサ3SENやゲートドライバ3CGATEと電池のコントローラ3CBATTを含めた電池又は電池デバイス・電池システムである3BATT。(電池の保管時にゲート電圧をなくす、又は、キャパシタ部の電荷を放電させるような制御をゲート106とその制御部3CBATTやゲート駆動部3CGATEが行ってもよい。)
図11】101と105の触れる界面が大きい場合の例。(図式化ため、平面の101ー105面と、くし形の101Pー105面を記載。また101Pの上に堆積させた1012を記載し、キャリア導入層104・1042も図示。)
【発明を実施するための形態】
【0038】
<導体素子構成の例>
1について、101を有機半導体、導電性高分子、カーボン素材、グラフェン、カーボンナノチューブを含む炭素ベース素材で構成する。
105は絶縁体層である。イオン液体を含む多孔質のセパレータ層でもよい。
106はゲート電極である。
102や103は104を含む101においてキャリアにより電流が流れるソース・ドレインの部分である。
104は101に形成されたキャリア導入層である。(トランジスタのチャネル部である。)
【0039】
<界面の増加>
・105と触れ合う101の104が形成される界面について注目する。
前記電気二重層の厚みは1nm程度である。
図12の(A)のように、もし101と105の触れあう面が平坦ならば、101と105の境界に形成される104は1nm程度の平面の領域になるかもしれない。
そこで図12の(B)のように101Pを用いれば、導体層101Pの全体積に対するイオン液体と触れる導体101・101Pの表面の割合を大きくでき、
(全体積に対する隙間も生じて、所謂多孔質膜101Pになり)、
ゲート106にVGSを印加したときに、104の生じる面を増やし、
その結果101Pの104の導体としての面積(導体面積A)が増え、
101Pに形成された104を含む導体素子1の導電性を向上させうる。
(101Pの利用により、前記面積Aの増加でき、104形成による導電性の増加幅が大きく取れる。また104I形成による導電性の低下できる場合は低下幅を大きく取れうる。)
・101Pは101がくし形、ピラー又は多孔質の電極・導体材料であるときの101部分である。
図12の(C)のように、101や101Pの表面に第2の導体1012を積層してもよい。1012は鉄など金属でもよいし、Si等半導体や導体になる無機材料でもよいし、炭素ベースの導体材料でもよい。1012の厚さは数ナノメートルクラスの厚さでもよい。
・1012を用い、ゲート106にVGSを印加することにより形成されたキャリア導入層1042や1042Iを用いてよい。
(第2の導体1012は、101や101Pの表面に形成された導体物質でもよい。1012は101よりも薄くてもよい。)
●前記101Pを用い104、1042の生じる面を増やし、その結果104、1042の導体としての面積が増え、導電性を向上・導電性の制御幅の増大をさせうる構成は、本願の導体素子1、導線、コイル、モータ、導体のシート・フィルム・箔、電池、電子部品(光電変換素子、熱電変換素子)に用いてよい。
【0040】
<101の種類(キャリア種類や材料の相性)に応じたゲート電極の制御>
106に印加するVGSの正負の極性や電圧の大きさに応じて、101の導電性を制御し、導線や電池・電子部品の導体となる導体素子を本願では主張する。
・電子が多数のキャリアである金属(鉄、銅、銀、金等)を101として用いる場合、101の表面にアニオンが配列するゲート電極の電圧印加時と、101の表面にカチオンが配列する電極の電圧印加時では、配列したイオンの正負極性により前記金属の導電性を増加または低下させる。金属の101の時に106に印加する電圧の大きさや極性によっては104と104Iが形成されうる。
・本願ではゲート電極により101・104の導電性を増加させ導体素子や電極電線に用いる視点と、高エネルギー電池を内部短絡から守るなどの目的で101の導電性を低下させる視点を持っており、104を形成したり、104をなくしたり、104Iを生じさせるような106への電圧印加を利用する。
・また素子1を構成する部材には化学反応・腐食・エッチングを起こす組み合わせあり、それが極性や電圧の大きさにより生じる場合、それを考慮してゲート電極を設定する。
【0041】
<<導体素子1の製造の例>>
<1FILMの製造>
図3の導体素子1のフィルム又は箔1FILMの製造に関して考案する。
1.ゲート電極106の箔・フィルムを用意。
(金属メッシュに炭素材料を組み合わせてもよい)ゲート電極フィルム106を用いる。
2.106に105を塗布する。
105は106と104・101との接触を防ぐ絶縁のできるセパレータ機能付き層105SEPであってよく、電気二重層トランジスタを構成するための素材を含み、イオン液体を含ませる。
3.105塗布・製膜後に、101を塗布する。101は101Pを含んでよい。
(3-2.101Pを塗布し、製膜したのち、101P上に1012を形成してもよい。)
3A.106の層に105を塗布し、101や101Pを含むシートと張り合わせて良い。
3B.101の層に105を塗布し、106のシートと張り合わせて良い。
※101Pにイオン液体をしみこませる必要がある。
【0042】
<1WIREの製造>
図5の導線1WIREの製造に関して考案する。
1.ゲート電線106を用意する。(電線106はアルミ二ウム等金属の細い線と炭素材料との複合素材でよく、106に機械的強度のある糸状素材を前記複合素材に含ませて用いてもよい。106は主に電気二重層を形成するキャパシタ部への電荷チャージ用の電極用線でありその目的を達しつつ、導線として必要な機会強度を持たせる目的で複数の素材を組み合わせてよい。)
2.106に105を塗布する。105は電気二重層を形成でき、セパレータ機能を持つ105SEPも含むことができる。
3.105塗布・製膜後に、101を塗布する。101は101Pを含んでよい。
(3-2.101Pを塗布し、製膜したのち、101P上に1012を形成してもよい)
※又は105塗布製膜後に101を105を取り囲むように配置できればよい。
例えば101のシート101又は細い線101等巻くことのできる材料で105が塗布された106を隙間なく巻いて覆えばよい。
(同軸ケーブルの外部導体の網組み銅線の細い導線が誘電体を取り囲むように巻くように配置されているように、105を101の線を用いて取り囲むように編んだり巻いてもよい。)
4.裸電線の1WIREとなる。
(4-2.1WIREを複数用い、より線にしてもよい。)
5.1WIREが絶縁電線である場合、絶縁用被覆1COVERを101の上に施す。複数の裸電線の1WIREを(よりをかけるなどしつつ)束ねたうえで、絶縁用被覆1COVERを施して絶縁電線としてもよい。
【実施例1】
【0043】
図11に記載の101Pや1012を用いる導体素子1>
本願を実施する場合、図11の(A)の平坦な101を用いて平坦な104を用いる場合よりも、図11に記載する(B)や(C)に形成される104や1042を用いる方が、単位体積当たりの104Aの表面積(導電面積A)を増加させ、導電素子1の導電性を向上できうるので101Pや101Pの104や1042を用いる事ができる。そこで本願の実施例では101Pが用いられてよい。
【0044】
<電極、電池、電子部品の場合>
図1は電気二重層トランジスタ(A)と本願装置(B)の説明図で、図3は例としてLiPo電池等の活性層付き銅箔を、本願の1で行う場合の説明図である。(フィルム・シート・箔の形状の導体素子1FILMの説明図である。)
図4は本願導体素子1、1FILMを利用する電池2BATTの例である。
【0045】
<機械電気変換用途>
図6は本願を利用するEAP(201EAP)を用いるアクチュエータの説明図であり、
図6の構成はEAPの代わりに圧電材料を用いるピエゾアクチュエータにも転用されうる。図6の構成では、EAPと1FILMの代わりに、磁歪材料と2COILにて磁場を生じさせて磁歪材料に印加する構成の磁歪素子も考えられる。
図6においては、縦変位型のピエゾアクチュエータの配線部やピエゾ素子の電極部に本願の1FILM(及び1WIRE)を用いたピエゾ素子について、ピエゾ素子部をEAPとした構成の素子2ACTである。
・ゲート駆動ラインAおよびBに2ACTーDRVからゲート駆動用の電圧を印加し、導電性を増加させた後、2ACTーDRVからEAP駆動用の電圧を印加しアクチュエータを動作させる。
・EAP駆動ラインAに接続された1FILMのアルファ(プラス電極)のソース部(又はゲート部)と、EAP駆動ラインBに接続された1FILMのベータ(マイナス電極)のソース部(又はゲート部)に、2ACTーDRVからEAP駆動電圧を印加し、EAPやピエゾの層を駆動する。
図6の構成に含まれるEAPやピエゾを1FILMで挟んだ電気機械を行える素子は、アクチュエータとして動作させることもでき、ヒトやモノの動きなどによる機械的な力を受け取り発電したり、機械的力をセンシングするセンサに用いられうる。
【0046】
<光電変換、熱電変換の用途>
図7は本願を利用する光電変換素子2PCE及び熱電変換素子2TCEの説明図である。本願を利用する太陽電池デバイス(2PV)とLED・レーザーダイオード等発光素子の説明図である。前記素子の電極や半導体部に本願の導体素子を用いる。
【0047】
<導線の場合>
図5は本願を利用する導線2WIREの例である。導線を用いて構成できるモータ用コイル2COILを含む。同軸ケーブル様のケーブルの銅芯線部分をゲート電極106とし、106を105で覆い、105を外周を筒状の101で覆い、106にゲート電圧VGS(VG)が印加された時101に104が生じさせようとする導線型導体素子2WIREである。
図5の106から104m101までの配置を逆にしたものも考えられる。)
【0048】
<ゲート端子106及びその制御部の導電素子1への統合の有無>
図8は本願を利用する導体素子(3端子型1-3TERおよび2端子型1ー2TER)の説明図である。本願は1-3TERの端子の構成を用いるが、導線等で導体を直列につないで延長する場合は1-2TERの構成を用いると、つなぐときに2端子素子の両端を繋いでいけばいいので、導体素子1による導体の延長が簡単になる。
【0049】
本願導体素子1や1-2TERの形式は電線や導線(導線を用いるコイル・モータ含む)に用いることを想定する。
他には、一部の大面積・大規模な電極を展開するか素子内に格納する電子部品(太陽電池、LED、LD、OLED、デジタルサイネージ、液晶ディスプレイ、電池、コンデンサ・キャパシタ、圧電・磁歪・EAPアクチュエータ素子、微小電気機械システム素子・MEMS素子・NEMS素子、インクジェットヘッド、デジタルミラーデバイス、撮像素子、熱画像撮像素子、各種電気回路)に用いられてよい。
【0050】
<電池2BATTとしての利用>
図3図4に二次電池の場合の実施例を示す。リチウムイオンポリマーLiPo電池では銅箔の裏表に活物質・正極剤を塗布している。本願ではゲート箔106を作りイオン液体を含ませうるセパレータ層105SEPを設けてその外側に電極層101・101Pを塗り、その外側に活物質201を塗る構成がある。
・前記LiPo電池において、ゲート素子にアルミニウムの金属や、その金属と他の材料との複合素材を用いる場合、銅などの炭素系素材より重く材料コストが高い金属を置き換える・削減するという用途も考えられる。
・例えばリチウムイオン電池のような銅の電極とアルミニウムの電極を用いる系で、正極に本願の導体素子を、負極にアルミ箔を用いることで、既存の正極に銅を用いる構成よりも銅の使用量を減らしつつ、正極の導電性を前記ゲートによりオンオフでき、保管時に正極のゲート106をオフにすることで、保管時の(低抵抗にされた正極と、既存のアルミ二ウム負極の接触ではアルミニウム側は低抵抗なものの、正極が高抵抗になるので内部短絡時に大電流が流れLiPo電池が膨れたり発火爆発しにくいことを期待して)ショートによる発熱を防ぐことにつながり、電池の安全性を高めつつ、限られた金属元素の使用を低減につながるかもしれない。
【0051】
<センサや制御部を備えた電池システム3や3BATTの利用>
図9は本願を利用する電池(2BATT)を金属釘(nail)により串刺した場合の短絡防止説明図、図10は2BATTと保護用センサ3SENやゲートドライバ3CGATEと電池のコントローラ3CBATTを含めた3BATTとその保護機構の説明図である。
図10は本願の導体素子1を電極の箔として電池電極に用い、
かつセンサ3SENと、電池のゲート106に接続されたゲートドライバ3CGATEを、
コントローラ3CBATTに接続しており、
前記コントローラ3CBATTは電池周辺の環境3BCEについて、
3SENを用いて3SENのセンサ種類に応じたセンサ値を測定して得て、
測定して得たセンサ値に応じて3CBATTは3CGATEを制御し、
3CGATEは2BATTの106のVGSを制御する。
3BATTは制御部3Cとセンサ3SEN(センサの具体例として3A、3T等)を用いて、
3BATTの2BATTの106を制御し、
2BATTが充放電を行わない時、又は保管時や、
2BATTが破壊され内部短絡が起きえるときに、
106に印加された電圧を制御し、
104を消失させたり、104Iを生じさせ、
2BATTの正極と負極の電極の抵抗値を高抵抗にさせ、
内部短絡時に正極と負極の間において、大電流を流れ難くして、
電池の破壊(発火・爆発)を防ぎ、電池を安全にする目的がある。
【0052】
●本願は導体素子1により、銅を含む電池に比べ軽量で、金属元素に由来する資源の制約を無くし、又は、金属資源の使用量を減らし、電池の内部短絡に備える、軽量・安全な電池を提供しようとする。
【0053】
●先に述べた3BATTはシステム3の実施例の一つである。
他の例として、本願明細書の「符号の説明」の部分において、<加速度感知型素子>と<温度感知型素子>の項目で記載するように、センサと導体素子1を用いるシステム3は、電池システム3BATTの形態だけでなく、電線のシステム3WIRE等の形態でも利用されうる。
【0054】
<絶縁体に近い101や1012の導体素子1への利用>
・1012に、バンドギャップが広い等で通常は絶縁体に近いものとみなされる素材を用い、1012にキャリア導入された1042を形成し本願導体素子として利用してよい。
・紫外線LEDや深紫外 LED、あるいはそれらの放出する光子を上回る、高エネルギーのフォトンを放出する(バンドギャップが高く、通常絶縁体であるといえる)素材101や1012を本願で用いてよい。(窒化アルミニウムなど高いバンドギャップの半導体素子、あるいは絶縁体であっても101や1012に用いてよい。)
【0055】
<イオン液体・溶融塩>
・本願の考案にあたり、イオン液体の試薬を個人で調達することに難があったため、本願はアイデアレベルの出願となっている。イオン液体は出願時点では容易に得られる物質ではなく、高価な場合がある。
【0056】
<請求の範囲について>
●請求項1の発明は、
第1電極106と第2電極102の間に、
電圧VGSを印加する事により、
キャリア導入部104を、
材料部分101に形成させ、
前記キャリア導入部104を含む、
前記部分101の導電性を変化可能な、
導体素子であって、
前記部分101は、
多孔質膜である材料部分101P、
又は、前記材料部分101Pの全体積に対して、
隙間となる空間を持つ材料101Pであって、
前記導体素子の、前記部分101は、
電気二重層トランジスタの、チャネル部分を含み、
前記キャリア導入部104は前記チャネル部分を含んでおり、
前記導体素子の、前記第1電極106は、
電気二重層トランジスタの、ゲート電極106であって、
前記導体素子の、前記第2電極102は、
電気二重層トランジスタの、ソース電極102であって、
前記導体素子は前記ゲート電極106に印加される、
前記電圧VGSにより、
前記電気二重層トランジスタのイオン液体を含む絶縁体105と、
前記部分101と、前記ゲート電極106より構成されるキャパシタ部分が、
充電された特徴を持つ、導体素子。
●請求項2の発明は、
絶縁電線又は裸電線である導線であって、
前記導線の断面は、前記断面の中心から、
ゲート電極106として作動する内部導体部106と、
前記内部導体部106の周りを囲む前記絶縁体105と、
前記絶縁体105の外側を囲む外部導体になる前記部分101と、
を持つ、
又は、
前記導線の断面は、前記断面の中心から、
ゲート電極106として作動する外部導体部106と、
前記外部導体部106の周りを囲む前記絶縁体105と、
前記絶縁体105の外側を囲む内部導体になる前記部分101と、
を持つ、請求項1に記載の導体素子。
●請求項3の発明は、
請求項2の導体素子を導線に用いるコイル。
●請求項4の発明は、
シート状またはフィルム状または箔の形状である請求項1に記載の導体素子。
(フィルム又はシート形状の電極とした導体素子1)
●請求項5の発明は、
請求項4に記載の導体素子を、電池の正極または負極に用いた、電池。
●請求項6の発明は、
請求項5に記載の電池について、
前記導体素子のゲート電極106を制御する制御部3Cと、
ゲート電極を駆動する部分3CGATEと、
前記制御部3Cの入力装置にセンサ3SENを含む、電池。
●請求項7の発明は、
前記センサ3SENに加速度センサ3Aを含む、電池。
【0057】
本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本願の導体素子(素子1、素子1を含む部品2・製品2、センサを含む素子のシステム3)は、以下の意図や可能性を持っている。
1.電池の分野では、銅を含む電池に比べ軽量で、金属元素に由来する資源の制約をなくし、安全にした電池を提供する。
2.モータの分野では、軽量で、金属元素に由来する資源の制約を減らしたモータを提供する。
3.導線の分野では、軽量で、金属元素に由来する資源の制約を減らしたモータを提供4.する。
4.センサに関する分野では本願の導体素子1はセンサ(3SEN等と制御部など)により1の導電性をオンオフできるスイッチ部1になるかもしれない。前記スイッチ部の機能は1WIREや1FILM、1FILMを含む電池3BATTに利用されうる。
【符号の説明】
【0059】
<<トランジスタ部分>>
1:導体素子。(半導体素子に限らないので導体素子と記載)
101:導体又は半導体。キャリアを伝導する素材部分。
(101はコンダクターとセミコンダクターを含む。)
102:ソース電極(S)。
103:ドレイン電極(D)。
104:キャリア導入層。(電界効果トランジスタのチャネル部104)(導電性増加型のキャリア導入層104)
105:絶縁体層。
※電界効果トランジスタの絶縁体層105でもよいし、溶融塩・イオン液体等の電気二重層の形成に用いることのできる絶縁体部分105(105はイオン液体を含むことのできる多孔質材料やセパレータでもよい。電気二重層を形成できる絶縁体層105でよい。
※本願では絶縁体・誘電体を用いる前記電界効果トランジスタのキャパシタ部分が電荷を101の104にためる事で104を含む101の導電性を増加させることを、半導体の101でなく、カーボーンベース素材の導体101にも適用する目的があって、具体的には、電界効果トランジスタのカテゴリ内の、電気二重層トランジスタの構成を用いる。
105SEP:セパレータにイオン液体を含ませるなどして物理的に内部短絡しないようセパレートしつつ、電気二重層形成に用いられる絶縁体層。(電気二重層の形成ができるセパレータ部)
106:ゲート電極(G)。
(107:保護層)
108:ボディ部(B)。(電界効果トランジスタ・MISFETのボディ端子部)
201:101に積層された層(電池の活物質の層や半導体素子の半導体層、EAP層等の或る機能を実現するための層・素材・構造を含んでよい。
104I:逆のキャリア導入層。(導電性を低下させる型のキャリア導入層104I)(導電性を低下させる種類のキャリアを導入する層104I)
2:導体素子1を用いた電子部品・導線・センサ・電気電子応用製品。
3:導体素子1や、素子1を用いた部品・製品2に、センサ3SENと制御部3C及びゲート駆動回路3CGATEを備えさせた、導体素子1の導電性をセンサ又は入力装置からの入力の結果に応じて増減させる機能を備えたシステム・装置。
図11の説明>
101P:101が、くし形・ピラー状・ロッド状・多孔質の層・膜・電極であるときの導体101の部分。(101Pは多孔質膜でもよい。)
・前記多孔質のイメージについては、色素増感太陽電池の半導体微粒子・粒子を焼結した多孔質膜や、固体酸化物形燃料電池の燃料極、乾電池を含む電池における電極の導体においてカーボンブラックなど導体の微粒子を塗布するなどして形成する多孔質な集電体や集電体を含む電極膜、あるいは電極101に成長又は堆積させたナノロッド構造・ピラー構造などである。
・例えば、101Pの空隙率・ポロシティは多孔質材料の場合に取りうる範囲内にあってよい。101Pは全容積に対する隙間空間の容積の割合がもとめられる層又は部分であってよい。101Pは所謂半導体や導体の単結晶の平面でできた101とは異なり、全容積に対し隙間の容積が存在する、ミクロ・ナノレベルでは平坦ではない、ミクロ・ナノレベルの空隙を多く持つ導体層・膜であってよい。スポンジのようなのミクロ・ナノレベルの隙間を持つ多孔質な膜でもよい。
1012:第2の101。
●101や101Pの表面に形成された導体物質1012でもよい。
1012は101よりも層の厚さが薄くてもよい。
1012が銅やアルミ二ウムであり、その厚さを薄くでき、1012を101に堆積させ、前記101をカーボン素材等の炭素ベースの素材にて形成できるとき、前記銅やアルミニウムの使用量を低減できうる。
1042:1012に形成されたキャリア導入層。導電性を向上させるためのキャリア導入層。
1042I:1012に形成された逆のキャリア導入層。(導電性を低下させる型のキャリア導入層1042I)(導電性を低下させる種類のキャリアを導入する層1042I)
<<電線・導線に関連するもの>>
1WIRE:導体素子を用いた導線。(導体素子による導線の例)
1COVER:配線部材の被覆層。
2COIL:1WIREからなるコイル。
2CORE:磁心。コイルのコア
2COREーMGS:磁歪素子の磁歪材料
2MOTO:モータ(2COILを用いる。)(モータの具体的な種類を限定しない場合。)
2MOTOーBLDC:ブラシレスDCモータ。
(例えば、ブラシレスDCモータのアウターロータ、インナーロータ型はコイル2COILをステータ側に固定でき、ステータに流す電流を制御してロータを回転させ、モータを駆動できる。非特許文献2の記事のように、ブラシレス方式では、モータの駆動回路は必要であるが、ステータのコイルに本願の素子1や2COILを用いることができうる。)
3C:ゲート制御部106やセンサと接続された制御部・コントローラ。
3SEN:センサ又は入力装置部。
3WIRE:3SENのセンサ測定値により106を制御する機構を加えた導線システム。
※1WIREが1-2TERの構成をとり、1WIREにセンサ3SENと制御部3Cを含む構成でもよい。1WIREに3SENとして温度測定センサ3Tや加速度センサ3Aが含まれてもよい。
<<2端子素子と3端子素子>>
1ー2TER:2端子の導体素子1。(ゲート106に関する端子が1の内部に組み込まれており、既存の電線を連結して延長して長い電線を構成するように、1-2TER型の1WIREを連結して利用できる。1-2TER型はゲート電極用の外部回路・配線が不要になる効果を持つ方式。)
U1:ゲートの制御部または駆動回路。(3Cや3SENや3CGATE等の3を構成するための部分を含んでもよい。)
1-3TER:3端子の導体素子1。(106を1の外部から制御できる方式。)
<<電極に関連するもの>>
1FILM:導体素子を用いたフィルム又は箔又はシート。(電極箔・フィルム電極)
※1FILMは図1の(A)や(B)を広い平面として用いて、ゲート電極の部分1つに対して1つの201を積層して利用できる片面電極タイプ1FILMの裏表どちらか片方が電極になるタイプ)と、
図3の(B)のように、ゲート電極の部分1つに対して2つの201を積層して利用できる両面電極タイプ(1FILMの裏表両方が電極になるタイプ)がある。
3C:ゲート制御部106やセンサと接続された制御部・コントローラ。
3SEN:センサ又は入力装置部。
3FILM:3SENのセンサ測定値により106を制御する機構を加えた電極システム、導電フィルム・導電箔・導電シートシステム。
201:104・101付近に積層された層。(電池の電極層や電池の活物質、半導体素子の電極層や活性層、電荷輸送のための層等を含んでよい。201は電極により制御され何らかの機能を起こす層でもよく、例えば液晶素子の電極に導体素子1FILMを用いる場合の液晶層201-LCでもよい。)
201-LC:液晶層
<電極・電線を用いるアクチュエータ、変換器、機械電気変換素子>
201EAP:EAPである201。
2ACT:アクチュエータ(EAPを用いたアクチュエータ含む。1FILMを用いてよい)。
2ACTS:2ACTを圧力検知用のセンサや、ヒトや物が動く機械的な力を電気力に変換する発電装置、機械電気変換器として用いる場合の素子。
2ACT-EXC:2ACT駆動用の外部回路。(ゲート駆動部とEAPやピエゾ素材など機能層を駆動するドライブ回路を分離して駆動させる場合)
2MOTT:モータ。電動機。
2MOTTG:電動機を用いる発電機、モータ型の機械電気変換器。
<光電変換素子>
2PCE(2PV):光電変換素子。光半導体素子の例として太陽電池。(又はフォトダイオード、LED、OLED)
2PV-E:電極
2PV-HTM:ホールを輸送する層。
2PV-AL:活性層。
(受光素子では光を吸収し電荷分離する層、発光素子では光を放出する層でもよい)
2PV-ETM:電子を輸送する層。
2PV-TE:透明な電極。
1WIRE(バスバー配線部):集電用の導体素子1、1WIREによる棒・線・板・シート・厚膜の部分。
<熱電変換素子>
2TCE:本願の導体素子1において、104部分にN型及びP型の半導体を用いる熱電変換素子
104N:キャリア導入されたn型半導体層、106N:104N用のゲート電極、
104P:キャリア導入されたp型半導体層、106P:104P用のゲート電極
105N、105P:キャリア導入手段としての電気二重層を生じさせるイオン液体による絶縁体層
106NGRID:106Nに電圧を印加する為の配電網
106PGRID:106Pに電圧を印加する為の配電網(106NGRIDと別の配電網)
図11ではN型半導体のゲート106Nには電圧VGN、P型半導体のゲート106Pには電圧VGPを印加できるように記載している。VGPはVGNと異なる電圧であり、前記2種類のゲートでは電圧の極性が違ってもよい。)
<電池>
2BATT:導体素子1を用いる電池。
104NE:負極の1FILMのキャリア導入層
106NE:負極の1FILMのゲート電極
101NE:負極の1FILMの導電体層
201NEC:負極集電体の201。
201NE:負極活物質層。
104PE:正極の1FILMのキャリア導入層
106PE:正極の1FILMのゲート電極
101PE:正極の1FILMの導電体層
201PEC:正極集電体の201。
201PE:正極活物質層。
201EC:電極集電体。
202:正極負極から電荷を取り出す端子部の想定例。
105、105SEP:1FILMの絶縁体層
205:電池のセパレータ。
205E:電池の電解液、電解質。
P1:106と104間のショートによる電気二重層の電荷消失領域
(前記ショートにより104が無くなるまたは104の電荷が低下して、104を含む101が電極として高抵抗になるエリア)
P2:ゲート106が絶縁破壊され短絡した場合に電荷が減少したエリア。
Nail・Spike:電池串刺し用の導体釘・金属釘
(電池内部の正極負極内部104と106が短絡した場合に生じる領域。)
(電池が衝突や衝撃、事故等を受けて、電池の構造が各電極が伸び・破れ・変形して、前記電極の接触が起きた時の短絡部を、前記釘の部分に見立ててもよい。)
図10の説明>
3BATT:2BATTにセンサ測定値により106を制御する機構を加えた電池システム。
3SEN:導体素子1の導電性を制御するための周囲の環境からの情報を得るセンサ。測定手段。
3A:加速度センサ、ショックセンサ。
3S:ひずみセンサ(外部衝撃による電池変形を検知。電池に貼るひずみセンサの場合には電池・電池パックの膨れ等も検知)。
3K:接触センサ(電池へ向かう物体を接触検知する場合のセンサ)。
3T:PTC素子、温度センサ、温度測定手段。
3C:コントローラ、制御部、制御手段。
(コンピュータ等制御部とゲート駆動部を含んでいてもよい。)
3CBATT:電池コントローラ、3Cのうちの3CBATT。
3CGATE:ゲート106のコントローラ。3Cにより制御される。
3BC:電池の筐体、容器(電池システムを収めた容器)。
3BCE:導体素子1を含む装置の周囲環境(図中では電池2BATTの周囲環境)。
3COMM:3Cの通信装置、通信手段。他の通信装置と無線又は有線の通信が行えてよい。
C2:外部コンピュータ。3Cの通信装置3COMMとC2の通信装置を用いて、3Cと通信できる端末。
(C1によって3Cのゲート電極の制御方法・プログラム・アルゴリズム・制御用変数を通信によりやり取りし、変更・更新できてもよい。
他に、3BATTなどの3の保守点検時のために、3CにアクセスできるC2について、C2から3Cにゲート電極をオンまたはオフさせるよう命令したり、電圧値や極性を変えるように指令してもよい。)
C1:3BATTを利用するコンピュータ等。
・例えば自動車を制御する車載コンピュータC1であって、自動車の車載カメラCAMを接続して備え、CAMより外部環境を撮影し、C1と衝突しそうな自動車・衝突物の検知などを行う。C1は自動運転用の自動車の制御部C1でもよい。
(・電池を搭載する航空機などの輸送機械の制御コンピュータC1でもよい。航空機の場合、墜落前にセンサで墜落を察知し(または墜落をセンシングする測定手段を持ち墜落を察知して)、電池の抵抗を高抵抗にして、墜落時に電池ケースが破壊され正極負極が内部短絡し火災・爆発に至ることを防ぐ事につながりうる。)
C1の3CBATTが破損する恐れのある場合に、3BATTの3C(3CBATT)に電池の電極の導電性を低下させるためのゲート電極の電圧制御データ・指令を送り、電極が電導性を低くした状態になるよう制御する。
(C1と3BATTを含む自動車が衝突し3CBATTが破壊され、内部短絡が生じた時に、3BATTの電極の抵抗を増大させ、正負電極間の内部短絡により発火・爆発することを防ぐ)
C1SEN:C1のセンサ
CAM:C1のセンサとしてのカメラ
図10の補足>
図10の例は、導体素子1を用いる電池にセンサとコントローラを備えさせ、センサが測定した値に応じてゲート駆動回路をコントローラで制御して、ゲート106に印加された電圧を制御し、104や1042(及び101や1012の種類によっては104Iや1042I)を制御・形成し又は消失させ、
101や101Pの導電性を増減させ、導電性を低下させることが好ましい場合には導電性を低下させる構成であり、
前記構成は電池でなく、1FILMを用いた3FILMや、1WIREを用いた3WIREの構成においても用いることができる。
・電池の形態に限らず、広く、導体素子1を用いた電子部品2・電気電子製品2に3SETと3Cと3CGATEを用いてセンサにより制御できる3が利用されうる。前記3SENは公知の種類のセンサを用いてよい。
・例えば3SENに、加速度センサ(3軸の加速度センサ)、磁気センサ、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、圧力センサ、ひずみセンサ、接触センサ・タッチセンサ、照度・光センサ、赤外線センサ、カメラ・スキャナ・撮像素子、においセンサ、火災センサ・煙センサ、音センサ、無線センサ(無線の受信機)を用いてよい。
・外部のコンピュータC2が無線又は有線による通信により、(3Cの通信装置3COMMを用いて)3Cにアクセスして導体素子1の導電性素子の制御のプログラム等・変数等を変更してもよい。
・また導体素子1のゲート106の電圧VGSを、外部のコンピュータC2が3Cの3COMMを介して無線又は有線による通信により制御できてもよい。
<温度感知型素子>
・例えば、3WIREは温度センサ3Tと制御部・ゲート駆動部を備えており、漏電火災時の熱又は漏電火災に至る前の発熱による温度上昇を、3WIREは3Tにて検知して、3WIREは温度上昇を検知し、導線の抵抗を増やす制御を行い、電流が流れにくくする形で火災を防ぐことが考えられるかもしれない。
建物火災時に、火元の部屋や区画に接続された配電網の3WIREは、火元の前記部屋等に電流を流れないように、ヒューズが切れるようにできるかもしれにない。(3WIREを温度上昇による抵抗増大型のヒューズ付き素子のように構成できるかもしれない)
<加速度感知型素子>
<加速度センサ、制御部、ゲート部を用いて動く導体素子システム>
・3BATTのみならず、3WIREや3FILMの3SENに加速度センサ(3軸の加速度センサでもよい)を搭載することで、加速度に応じて(重力加速度に応じて、又は重力加速度の向きを基準とした電線の傾きをセンシングして)3WIREや3FILMの導電性を増減させる制御部を持つ導体素子のシステムが構成されうる。
・電柱を用いて水平又はたるむ形で電線を架線として張り巡らせ配電網・送電網が構築され電力の供給に用いられている。電車用途や電信電話用の電線も張り巡らされている。
上記の系(電線が地中化されておらず、空中にあって、切断されると垂れ下がる系)では、電柱を用いて架線された電線が台風・倒木等で切断され、重力に従って落ちて垂れ下がる光景が見られる。垂れ下がった導線は、通常、銅やアルミ二ウム部を持ち、前記金属部は垂れ下がるあるいは傾きによって導電性が変化することはなく、常に導体なので、垂れ下がった状態でも電気が流れうる。
・そこで、電線の垂れ下がり時に、加速度センサで垂れ下がりを検知し、導体の電導性を下げたり、センサにより検知した異常を、導体システムの制御部3Cと外部のコンピュータC2間での通信により、前記C2に伝える、導線システム3WIREも検討できうる。
・本願構成の加速度センサ3Aを3SENに含む3WIREは電線の垂れ下がりを重力加速度や電線が切れて落下する又は垂れ下がる場合に加速度変化や垂れ下がり時の加速度を測定し、測定結果に応じて、ゲート電極106の電圧VGSを制御する。
・3軸の加速度センサで、加速度センサの測定値が垂れ下がった場合(電線が重力方向と同じ向きに垂れ下がっている時)の条件になっているかをセンサにより測定し、その結果垂れ下がっていると判定された場合に、ゲート106を制御し、1WIREや3WIREの導電性を低下させてもよい。
・又は導電1WIRE、3WIRE(及び1FILM、3FILM)について、(加速度センサを用いた)傾きセンサを備えさせ、1WIRE、3WIRE(1FILM、3FILM)の傾きに応じて導電性を増減させる制御をしてよい。
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