IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスアールアイ インターナショナルの特許一覧

特許7441935可変有効径ローラおよびローラ制約部を備えた純転がりサイクロイドトランスミッション
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】可変有効径ローラおよびローラ制約部を備えた純転がりサイクロイドトランスミッション
(51)【国際特許分類】
   F16H 13/08 20060101AFI20240222BHJP
   F16H 1/32 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
F16H13/08 Q
F16H1/32 A
【請求項の数】 42
(21)【出願番号】P 2022511187
(86)(22)【出願日】2020-08-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 US2020048029
(87)【国際公開番号】W WO2021041564
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-04-20
(31)【優先権主張番号】62/891,551
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501228071
【氏名又は名称】エスアールアイ インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】SRI International
【住所又は居所原語表記】333 Ravenswood Avenue, Menlo Park, California 94025, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カーンバウム・アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】キッチェル・マーフィー
【審査官】鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-241949(JP,A)
【文献】特表2018-519482(JP,A)
【文献】特開2014-084999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 13/08
F16H 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスミッションであって、
太陽ギアと、
入力部材であって、前記入力部材の回転が前記太陽ギアの回転をもたらすように前記太陽ギアに結合されている、入力部材と、
前記太陽ギアとギア接触している2以上の遊星ギアと、
2以上のカムであって、前記2以上のカムの各々は、前記太陽ギアの回転が前記2以上のカムの各々の回転をもたらすように前記2以上の遊星ギアに結合されている、2以上のカムと、
偏心部材であって、前記2以上のカムの回転が前記偏心部材の偏心運動をもたらすように前記2以上のカムに結合されており、前記偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する2つの接触面を有する、偏心部材と、
一連の可変幅切り抜き部を規定する少なくとも2つの接触面を有する接地部材と、
出力部材であって、前記偏心部材の回転が前記出力部材の回転をもたらすように前記偏心部材に結合されている、出力部材と、
複数のローラであって、前記複数のローラの内の各ローラは、前記入力部材の回転が前記偏心部材の回転をもたらすことにより、前記入力部材の前記回転が前記出力部材の回転を引き起こすように、前記偏心部材および前記接地部材の前記接触面と接触している、複数のローラと
前記複数のローラの位置を互いに対して維持するために、前記複数のローラと接触するさらなるケージと、
を備える、トランスミッション。
【請求項2】
請求項1に記載のトランスミッションであって、さらに、
2以上のさらなるカムであって、前記2以上のさらなるカムの各々は、前記太陽ギアの回転が前記2以上のカムの各々の回転をもたらすように前記2以上の遊星ギアに結合されている、2以上のさらなるカムと、
さらなる偏心部材であって、前記2以上のさらなるカムの回転が前記さらなる偏心部材の偏心運動をもたらすように前記2以上のさらなるカムに結合されており、前記さらなる偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する2つの接触面を有し、前記接地部材は、さらなる一連の可変幅切り抜き部を規定する少なくとも2つのさらなる接触面を有する、さらなる偏心部材と、
複数のさらなるローラであって、前記複数のさらなるローラの内の各ローラは、前記入力部材の回転が前記さらなる偏心部材の回転をもたらすことにより、前記入力部材の前記回転が前記出力部材の回転を引き起こすように、前記さらなる偏心部材の前記接触面および前記接地部材の前記少なくとも2つのさらなる接触面と接触している、複数のさらなるローラと、
を備える、トランスミッション。
【請求項3】
請求項2に記載のトランスミッションであって、前記2以上の遊星ギアの内の特定の遊星ギアは、前記特定の遊星ギアが結合されている前記2以上のカムの内の前記カムおよび前記2以上のさらなるカムの内の前記カムの間に配置されている、トランスミッション。
【請求項4】
請求項2に記載のトランスミッションであって、前記入力部材の回転により、前記偏心部材および前記さらなる偏心部材は、170~190度だけ異なる位相のそれぞれの偏心運動を行う、トランスミッション。
【請求項5】
請求項4に記載のトランスミッションであって、さらに、
複数の中央平面制約要素を備え、前記複数の中央平面制約要素の内の特定の中央平面制約要素は、前記複数のローラの内の第1特定ローラの位置および回転を、前記複数のさらなるローラの内の対応する第2特定ローラに対して、少なくとも1つの自由度に関して実質的に制約する、トランスミッション。
【請求項6】
請求項5に記載のトランスミッションであって、前記特定の中央平面制約要素、前記第1特定ローラ、および、前記第2特定ローラは、共に結合されている、トランスミッション。
【請求項7】
請求項5に記載のトランスミッションであって、前記特定の中央平面制約要素は、(i)前記第1特定ローラに結合されている第1制約部分と、(ii)前記第2特定ローラに結合されている第2制約部分と、を備え、前記第1および第2制約部分は、第1回転軸を中心とした前記第1および第2特定ローラの間の相対回転を制約しつつ、前記第1回転軸と直交する第2および第3回転軸を中心とした前記第1および第2特定ローラの間の相対回転を許容しつつ、さらに、前記第1および第2特定ローラの間の相対並進を許容するそれぞれの形状を有する、トランスミッション。
【請求項8】
請求項5に記載のトランスミッションであって、前記特定の中央平面制約要素は、前記特定の中央平面制約要素が、第1回転軸を中心とした前記第1および第2特定ローラの間の相対回転を制約しつつ、前記第1回転軸に沿った前記第1および第2特定ローラの間の相対並進を許容するように、前記第1および第2特定ローラにおける開口部内に配置されたロッドを備える、トランスミッション。
【請求項9】
請求項5に記載のトランスミッションであって、前記特定の中央平面制約要素は、第1ローラおよび第2ローラを備え、前記入力部材の回転の結果として、前記第1ローラおよび前記第2ローラが、それぞれ、前記接地部材のさらなる接触面および前記偏心部材のさらなる接触面と接触して転がり運動を行うように、前記第1ローラは、前記接地部材の前記さらなる接触面と接触し、前記第2ローラは、前記偏心部材の前記さらなる接触面と接触している、トランスミッション。
【請求項10】
請求項9に記載のトランスミッションであって、前記特定の中央平面制約要素は、さらに、第3ローラを備え、前記入力部材の回転の結果として、前記第3ローラが、前記さらなる偏心部材のさらなる接触面と接触して転がり運動を行うように、前記第3ローラは、前記さらなる偏心部材の前記さらなる接触面と接触している、トランスミッション。
【請求項11】
請求項5に記載のトランスミッションであって、さらに、前記複数の中央平面制約要素の位置を互いに対して維持するために、前記複数の中央平面制約要素と接触するケージを備える、トランスミッション。
【請求項12】
請求項11に記載のトランスミッションであって、さらに、前記複数のローラの位置を互いに対して維持するために、前記複数のローラと接触するさらなるケージを備える、トランスミッション。
【請求項13】
請求項11に記載のトランスミッションであって、前記特定の中央平面制約要素は、第1ローラを備え、前記入力部材の回転の結果として、前記第1ローラが、前記接地部材のさらなる接触面と接触して転がり運動を行うように、前記第1ローラは、前記接地部材の前記さらなる接触面と接触している、トランスミッション。
【請求項14】
請求項5に記載のトランスミッションであって、前記特定の中央平面制約要素は、前記接地部材のさらなる接触面とギア接触している、トランスミッション。
【請求項15】
請求項1に記載のトランスミッションであって、前記複数のローラの内の特定のローラは、前記偏心部材の前記接触面と接触する少なくとも2つの内向き接触面を有する、トランスミッション。
【請求項16】
請求項1に記載のトランスミッションであって、前記2以上の遊星ギア、前記2以上のカム、および、前記偏心部材は、第1サブトランスミッションを形成し、前記トランスミッションは、さらに、
2以上のさらなるサブトランスミッションを備え、前記さらなるサブトランスミッションの各々は、それぞれのさらなる偏心部材と、さらなる2以上の遊星ギアと、さらなる2以上のカムと、を備える、トランスミッション。
【請求項17】
請求項16に記載のトランスミッションであって、前記入力部材の回転により、前記偏心部材と、前記さらなるサブトランスミッションの前記偏心部材とは、実質的に均等に分離された位相を有するそれぞれの偏心運動を行う、トランスミッション。
【請求項18】
請求項1に記載のトランスミッションであって、前記2以上のカムの各々は、それぞれの軸受を有するそれぞれの軸に結合されて、前記それぞれの軸の周りを回転し、前記出力部材は、前記軸受および軸を介して前記偏心部材に結合されている、トランスミッション。
【請求項19】
請求項1に記載のトランスミッションであって、さらに、前記出力部材の接触面および前記偏心部材のさらなる接触面と転がり接触する2以上のピンを備え、前記出力部材は、前記2以上のピンを介して前記偏心部材に結合されている、トランスミッション。
【請求項20】
請求項に記載のトランスミッションであって、前記ケージは、前記接地部材のさらなる接触面および前記偏心部材のさらなる接触面とそれぞれ転がり接触する第1および第2接触面を備える、トランスミッション。
【請求項21】
トランスミッションであって、
入力部材と、
第1偏心部材であって、前記入力部材の回転が前記第1偏心部材の偏心運動をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第1偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する第1および第2接触面を有する、第1偏心部材と、
第2偏心部材であって、前記入力部材の回転が前記第2偏心部材の偏心運動をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第2偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する第3および第4接触面を有する、第2偏心部材と、
(i)一連の可変幅切り抜き部を規定する第5および第6接触面、ならびに、(ii)一連の可変幅切り抜き部を規定する第7および第8接触面、を有する接地部材と、
出力部材であって、前記第1および第2偏心部材の回転が前記出力部材の回転をもたらすように前記第1および第2偏心部材に結合されている、出力部材と、
第1複数のローラおよび第2複数のローラであって、前記入力部材の回転が前記第1および第2偏心部材の回転をもたらすことにより、前記入力部材の前記回転が前記出力部材の回転を引き起こすように、前記第1複数のローラの各ローラは、前記第1、第2、第5、および、第6接触面と接触し、前記第2複数のローラの各ローラは、前記第3、第4、第7、および、第8接触面と接触しており、前記第1複数のローラの各ローラは、前記第1複数のローラの内の前記ローラの位置および回転を、前記第2複数のローラの内の対応するローラに対して、少なくとも1つの自由度に関して制約するそれぞれの中央平面制約要素を介して、前記第2複数のローラの内の前記対応するローラに結合されている、第1複数のローラおよび第2複数のローラと、
を備え
前記中央平面制約要素の内の特定の1つは、前記第1複数のローラの内の第1ローラと、前記第2複数のローラの内の第2ローラとに対応しており、前記特定の中央平面制約要素ならびに前記第1および第2ローラは、共に結合されている、
トランスミッション。
【請求項22】
請求項2に記載のトランスミッションであって、さらに、
第1カムであって、前記入力部材の回転が前記第1カムの回転をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第1偏心部材は、前記第1カムの回転が前記第1偏心部材の偏心運動をもたらすように前記第1カムに結合されている、第1カムと、
第2カムであって、前記入力部材の回転が前記第2カムの回転をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第2偏心部材は、前記第2カムの回転が前記第2偏心部材の偏心運動をもたらすように前記第2カムに結合されており、前記第1カムおよび第2カムは、前記入力部材の回転により、前記第1偏心部材および前記第2偏心部材が、170~190度だけ異なる位相のそれぞれの偏心運動を行うように、オフセットされて前記入力部材に結合されている、第2カムと、
を備える、トランスミッション。
【請求項23】
トランスミッションであって、
入力部材と、
第1偏心部材であって、前記入力部材の回転が前記第1偏心部材の偏心運動をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第1偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する第1および第2接触面を有する、第1偏心部材と、
第2偏心部材であって、前記入力部材の回転が前記第2偏心部材の偏心運動をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第2偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する第3および第4接触面を有する、第2偏心部材と、
(i)一連の可変幅切り抜き部を規定する第5および第6接触面、ならびに、(ii)一連の可変幅切り抜き部を規定する第7および第8接触面、を有する接地部材と、
出力部材であって、前記第1および第2偏心部材の回転が前記出力部材の回転をもたらすように前記第1および第2偏心部材に結合されている、出力部材と、
第1複数のローラおよび第2複数のローラであって、前記入力部材の回転が前記第1および第2偏心部材の回転をもたらすことにより、前記入力部材の前記回転が前記出力部材の回転を引き起こすように、前記第1複数のローラの各ローラは、前記第1、第2、第5、および、第6接触面と接触し、前記第2複数のローラの各ローラは、前記第3、第4、第7、および、第8接触面と接触しており、前記第1複数のローラの各ローラは、前記第1複数のローラの内の前記ローラの位置および回転を、前記第2複数のローラの内の対応するローラに対して、少なくとも1つの自由度に関して制約するそれぞれの中央平面制約要素を介して、前記第2複数のローラの内の前記対応するローラに結合されている、第1複数のローラおよび第2複数のローラと、
を備え、
前記第1複数のローラの内の特定のローラは、前記第1偏心部材の前記第1および第2接触面と接触する少なくとも2つの内向き接触面を有する、トランスミッション。
【請求項24】
トランスミッションであって、
入力部材と、
第1偏心部材であって、前記入力部材の回転が前記第1偏心部材の偏心運動をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第1偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する第1および第2接触面を有する、第1偏心部材と、
第2偏心部材であって、前記入力部材の回転が前記第2偏心部材の偏心運動をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第2偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する第3および第4接触面を有する、第2偏心部材と、
(i)一連の可変幅切り抜き部を規定する第5および第6接触面、ならびに、(ii)一連の可変幅切り抜き部を規定する第7および第8接触面、を有する接地部材と、
出力部材であって、前記第1および第2偏心部材の回転が前記出力部材の回転をもたらすように前記第1および第2偏心部材に結合されている、出力部材と、
第1複数のローラおよび第2複数のローラであって、前記入力部材の回転が前記第1および第2偏心部材の回転をもたらすことにより、前記入力部材の前記回転が前記出力部材の回転を引き起こすように、前記第1複数のローラの各ローラは、前記第1、第2、第5、および、第6接触面と接触し、前記第2複数のローラの各ローラは、前記第3、第4、第7、および、第8接触面と接触しており、前記第1複数のローラの各ローラは、前記第1複数のローラの内の前記ローラの位置および回転を、前記第2複数のローラの内の対応するローラに対して、少なくとも1つの自由度に関して制約するそれぞれの中央平面制約要素を介して、前記第2複数のローラの内の前記対応するローラに結合されている、第1複数のローラおよび第2複数のローラと、
を備え、
前記中央平面制約要素の内の特定の1つは、前記第1複数のローラの内の第1ローラと、前記第2複数のローラの内の第2ローラとに対応しており、前記特定の中央平面制約要素は、(i)前記第1ローラに結合されている第1制約部分と、(ii)前記第2ローラに結合されている第2制約部分と、を備え、前記第1および第2制約部分は、第1回転軸を中心とした前記第1および第2ローラの間の相対回転を制約しつつ、前記第1回転軸と直交する第2および第3回転軸を中心とした前記第1および第2ローラの間の相対回転を許容しつつ、さらに、前記第1および第2ローラの間の相対並進を許容するそれぞれの形状を有する、トランスミッション。
【請求項25】
トランスミッションであって、
入力部材と、
第1偏心部材であって、前記入力部材の回転が前記第1偏心部材の偏心運動をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第1偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する第1および第2接触面を有する、第1偏心部材と、
第2偏心部材であって、前記入力部材の回転が前記第2偏心部材の偏心運動をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第2偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する第3および第4接触面を有する、第2偏心部材と、
(i)一連の可変幅切り抜き部を規定する第5および第6接触面、ならびに、(ii)一連の可変幅切り抜き部を規定する第7および第8接触面、を有する接地部材と、
出力部材であって、前記第1および第2偏心部材の回転が前記出力部材の回転をもたらすように前記第1および第2偏心部材に結合されている、出力部材と、
第1複数のローラおよび第2複数のローラであって、前記入力部材の回転が前記第1および第2偏心部材の回転をもたらすことにより、前記入力部材の前記回転が前記出力部材の回転を引き起こすように、前記第1複数のローラの各ローラは、前記第1、第2、第5、および、第6接触面と接触し、前記第2複数のローラの各ローラは、前記第3、第4、第7、および、第8接触面と接触しており、前記第1複数のローラの各ローラは、前記第1複数のローラの内の前記ローラの位置および回転を、前記第2複数のローラの内の対応するローラに対して、少なくとも1つの自由度に関して制約するそれぞれの中央平面制約要素を介して、前記第2複数のローラの内の前記対応するローラに結合されている、第1複数のローラおよび第2複数のローラと、
を備え、
前記中央平面制約要素の内の特定の1つは、前記第1複数のローラの内の第1ローラと、前記第2複数のローラの内の第2ローラとに対応しており、前記特定の中央平面制約要素は、前記特定の中央平面制約要素が、第1回転軸を中心とした前記第1および第2ローラの間の相対回転を制約しつつ、前記第1回転軸に沿った前記第1および第2ローラの間の相対並進を許容するように、前記第1および第2ローラにおける開口部内に配置されたロッドを備える、トランスミッション。
【請求項26】
トランスミッションであって、
入力部材と、
第1偏心部材であって、前記入力部材の回転が前記第1偏心部材の偏心運動をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第1偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する第1および第2接触面を有する、第1偏心部材と、
第2偏心部材であって、前記入力部材の回転が前記第2偏心部材の偏心運動をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第2偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する第3および第4接触面を有する、第2偏心部材と、
(i)一連の可変幅切り抜き部を規定する第5および第6接触面、ならびに、(ii)一連の可変幅切り抜き部を規定する第7および第8接触面、を有する接地部材と、
出力部材であって、前記第1および第2偏心部材の回転が前記出力部材の回転をもたらすように前記第1および第2偏心部材に結合されている、出力部材と、
第1複数のローラおよび第2複数のローラであって、前記入力部材の回転が前記第1および第2偏心部材の回転をもたらすことにより、前記入力部材の前記回転が前記出力部材の回転を引き起こすように、前記第1複数のローラの各ローラは、前記第1、第2、第5、および、第6接触面と接触し、前記第2複数のローラの各ローラは、前記第3、第4、第7、および、第8接触面と接触しており、前記第1複数のローラの各ローラは、前記第1複数のローラの内の前記ローラの位置および回転を、前記第2複数のローラの内の対応するローラに対して、少なくとも1つの自由度に関して制約するそれぞれの中央平面制約要素を介して、前記第2複数のローラの内の前記対応するローラに結合されている、第1複数のローラおよび第2複数のローラと、
を備え、
前記中央平面制約要素の内の特定の1つは、第1ローラおよび第2ローラを備え、前記入力部材の回転の結果として、前記第1ローラおよび前記第2ローラが、それぞれ、前記接地部材のさらなる接触面および前記第1偏心部材のさらなる接触面と接触して転がり運動を行うように、前記第1ローラは、前記接地部材の前記さらなる接触面と接触し、前記第2ローラは、前記第1偏心部材の前記さらなる接触面と接触している、トランスミッション。
【請求項27】
請求項2に記載のトランスミッションであって、前記特定の中央平面制約要素は、さらに、第3ローラを備え、前記入力部材の回転の結果として、前記第3ローラが、前記第2偏心部材のさらなる接触面と接触して転がり運動を行うように、前記第3ローラは、前記第2偏心部材の前記さらなる接触面と接触している、トランスミッション。
【請求項28】
請求項2に記載のトランスミッションであって、さらに、前記中央平面制約要素の位置を互いに対して維持するために、前記中央平面制約要素の各々と接触するケージを備える、トランスミッション。
【請求項29】
請求項28に記載のトランスミッションであって、さらに、前記第1複数のローラの位置を互いに対して維持するために、前記第1複数のローラの各ローラと接触するさらなるケージを備える、トランスミッション。
【請求項30】
請求項28に記載のトランスミッションであって、前記中央平面制約要素の内の特定の1つは、第1ローラを備え、前記入力部材の回転の結果として、ローラ軸受が、前記接地部材のさらなる接触面と接触して転がり運動を行うように、前記第1ローラは、前記接地部材の前記さらなる接触面と接触している、トランスミッション。
【請求項31】
請求項2に記載のトランスミッションであって、前記中央平面制約要素の内の特定の1つは、前記接地部材のさらなる接触面とギア接触している、トランスミッション。
【請求項32】
請求項2に記載のトランスミッションであって、さらに、前記出力部材の接触面ならびに前記第1および第2偏心部材のさらなる接触面と転がり接触する2以上のピンを備え、前記出力部材は、前記2以上のピンを介して前記第1および第2偏心部材に結合されている、トランスミッション。
【請求項33】
請求項2に記載のトランスミッションであって、さらに、前記第1複数のローラの位置を互いに対して維持するために、前記第1複数のローラの各ローラと接触するケージを備える、トランスミッション。
【請求項34】
請求項3に記載のトランスミッションであって、前記ケージは、前記接地部材のさらなる接触面および前記第1偏心部材のさらなる接触面とそれぞれ転がり接触する第1および第2接触面を備える、トランスミッション。
【請求項35】
トランスミッションであって、
入力部材と、
第1偏心部材であって、前記入力部材の回転が前記第1偏心部材の偏心運動をもたらすように前記入力部材に結合されている、第1偏心部材と、
第2偏心部材であって、前記入力部材の回転が前記第1偏心部材の前記偏心運動と同じ位相で前記第2偏心部材の偏心運動をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第1および第2偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定するそれぞれの第1および第2接触面を有する、第2偏心部材と、
第3偏心部材であって、前記入力部材の回転が前記第3偏心部材の偏心運動をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第3偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する第3および第4接触面を有し、前記第3偏心部材は、前記第1偏心部材と前記第2偏心部材との間に配置されている、第3偏心部材と、
(i)一連の可変幅切り抜き部を規定する第5および第6接触面、ならびに、(ii)一連の可変幅切り抜き部を規定する第7および第8接触面、を有する接地部材と、
出力部材であって、前記第1、第2、および、第3偏心部材の回転が前記出力部材の回転をもたらすように前記第1、第2、および、第3偏心部材に結合されている、出力部材と、
第1複数のローラおよび第2複数のローラであって、前記入力部材の回転が前記第1および第2偏心部材の回転をもたらすことにより、前記入力部材の前記回転が前記出力部材の回転を引き起こすように、前記第1複数のローラの各ローラは、前記第1、第2、第5、および、第6接触面と接触し、前記第2複数のローラの各ローラは、前記第3、第4、第7、および、第8接触面と接触しており、前記第1複数のローラの各ローラは、前記第1複数のローラの内の前記ローラの位置および回転を、前記第2複数のローラの内の対応するローラに対して、少なくとも1つの自由度に関して制約するそれぞれの中央平面制約要素を介して、前記第2複数のローラの内の前記対応するローラに結合されている、第1複数のローラおよび第2複数のローラと、
を備える、トランスミッション。
【請求項36】
請求項3に記載のトランスミッションであって、前記第1複数のローラの内の特定の第1ローラは、前記第1および第5接触面と接触する第1ハーフローラと、前記第2および第6接触面と接触する第2ハーフローラとを備え、前記第1および第2ハーフローラは、前記第1および第2ハーフローラの間の軸方向の間隔を維持するよう構成された引張部材によって共に結合されている、トランスミッション。
【請求項37】
請求項3に記載のトランスミッションであって、前記引張部材は、前記特定の第1ローラに対応する前記中央平面制約要素の内の特定の1つの一部であり、前記特定の中央平面制約要素は、さらに、前記第2複数のローラの内の特定の第2ローラに対応し、前記引張部材は、前記引張部材が、第1回転軸を中心とした前記特定の第1ローラおよび特定の第2ローラの間の相対回転を制約しつつ、前記第1回転軸に沿った前記特定の第1ローラおよび特定の第2ローラの間の相対並進を許容するように、前記特定の第2ローラにおける開口部内に配置されている、トランスミッション。
【請求項38】
請求項3に記載のトランスミッションであって、前記中央平面制約要素の内の特定の1つは、第1ローラおよび第2ローラを備え、前記入力部材の回転の結果として、前記第1ローラおよび前記第2ローラが、それぞれ、前記接地部材のさらなる接触面および前記第3偏心部材のさらなる接触面と接触して転がり運動を行うように、前記第1ローラは、前記接地部材の前記さらなる接触面と接触し、前記第2ローラは、前記第3偏心部材の前記さらなる接触面と接触している、トランスミッション。
【請求項39】
請求項38に記載のトランスミッションであって、前記特定の中央平面制約要素は、さらに、第3ローラを備え、前記入力部材の回転の結果として、前記第3ローラが、前記第1偏心部材のさらなる接触面と接触して転がり運動を行うように、前記第3ローラは、前記第1偏心部材の前記さらなる接触面と接触している、トランスミッション。
【請求項40】
請求項3に記載のトランスミッションであって、さらに、前記中央平面制約要素の位置を互いに対して維持するために、前記中央平面制約要素の各々と接触するケージを備える、トランスミッション。
【請求項41】
請求項3に記載のトランスミッションであって、前記中央平面制約要素の内の特定の1つは、第1ローラを備え、前記入力部材の回転の結果として、前記第1ローラが、前記接地部材のさらなる接触面と接触して転がり運動を行うように、前記第1ローラは、前記接地部材の前記さらなる接触面と接触している、トランスミッション。
【請求項42】
請求項3に記載のトランスミッションであって、さらに、前記第1複数のローラの位置を互いに対して維持するために、前記第1複数のローラの各ローラと接触するケージを備える、トランスミッション。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本願は、2019年8月26日出願の米国特許出願第62/891,551号に基づく優先権を主張し、その特許出願は、参照によって本明細書に組み込まれる。また、本願は、2017年12月21日出願の米国特許米国第15/738,706号の内容を参照によって組み込む。
【0002】
本明細書で別段の指示がない限りは、本セクションに記載の材料は、本願の請求項に対する先行技術ではなく、本セクションに含まれることによって先行技術であると認められるものではない。
【0003】
「トランスミッション」という用語は、一般に、回転する動力源から別の装置への速度およびトルクの変換を提供するシステムを意味しうる。産業機械、医療ロボット工学、および、家庭用電子機器が、かかるトランスミッションを利用しうる。トランスミッションの選択および設計は、複数の要因を考慮することを含む。要因の例は、負荷容量、効率、および、コストを含む。
【0004】
入力トルクと出力トルクとの間の機械的利益を提供するために、様々な機構の一部としてトランスミッションが備えられる。したがって、トランスミッションは、モータ、エンジン、タービン、または、その他のトルクジェネレータの特性(例えば、トルク-速度曲線、効率曲線)を、エフェクタ、車輪、ジェネレータ、または、生み出されたトルクを対象とした何らかの他の用途の特性に合わせるために備えられうる。例えば、トランスミッションは、内燃エンジンによって生み出された高い回転速度および比較的低いトルクを、自動車の車輪を駆動するためのより低い速度およびより高いトルクの要件に合わせるために、自動車に設けられうる。別の例において、トランスミッションは、内燃エンジンおよびジェネレータの両方がそれぞれの効率的な回転数に従って動作されるように、内燃エンジンをジェネレータに接続するために提供されうる。
【0005】
トルクおよび回転が機械要素の間で伝達されうるように、シャフトまたはその他の回転機械要素を結合するための様々な機構の一部として、継手が含まれる。継手は、オフセットした回転軸を有するシャフト、非平行な回転軸を有するシャフト、または、回転軸に関して何らかの他の形で異なるシャフトの間での回転/トルクの伝達を可能にするよう構成されうる。例えば、オルダム継手は、平行だがオフセットした回転軸を有する2つのシャフトを結合する。一部の例において、継手は、シャフト(またはその他の結合された回転機械要素)が回転軸の位置および/または角度に関して経時的に変化することを可能にするよう構成されうる。例えば、自在継手は、異なる角度の回転軸を有する2つのシャフトを結合して、それらの角度が経時的に変化することを可能にする。
【0006】
継手は、別の機構の一部として提供される場合がある。例えば、トランスミッションは、トランスミッション内の要素の回転を結合するために1以上の継手を含みうる。特に、様々なトランスミッション(例えば、サイクロイドドライブ)が、サイクロイド運動を行う、トランスミッションの出力シャフト(またはその他の出力要素)に結合された1以上の要素を備える。かかるサイクロイド運動は、別の回転軸を中心にそれ自体が周回する回転軸を中心とする回転として説明できる。サイクロイドドライブまたはその他の機構において、第1要素(例えば、サイクロイドギア)の回転軸は、出力要素の回転軸を中心に周回しうる(例えば、第1要素が機構の入力に結合されたカムによって駆動された時に)。第1要素の回転軸と出力要素の回転軸との間のオフセットは、実質的に一定のままでありうる。
【発明の概要】
【0007】
本開示のいくつかの実施形態は、トランスミッションであって、(i)太陽ギアと、(ii)入力部材であって、入力部材の回転が太陽ギアの回転をもたらすように太陽ギアに結合されている、入力部材と、(iii)太陽ギアとギア接触している2以上の遊星ギアと、(iv)2以上のカムであって、2以上のカムの各々は、太陽ギアの回転が2以上のカムの各々の回転をもたらすように2以上の遊星ギアに結合されている、2以上のカムと、(v)偏心部材であって、2以上のカムの回転が偏心部材の偏心運動をもたらすように2以上のカムに結合されており、偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する2つの接触面を有する、偏心部材と、(vi)一連の可変幅切り抜き部を規定する少なくとも2つの接触面を有する接地部材と、(vii)出力部材であって、偏心部材の回転が出力部材の回転をもたらすように偏心部材に結合されている、出力部材と、(viii)複数のローラであって、複数のローラの内の各ローラは、入力部材の回転が偏心部材の回転をもたらすことにより、入力部材の回転が出力部材の回転を引き起こすように、偏心部材および接地部材の接触面と接触している、複数のローラと、を備える、トランスミッションを提供している。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態は、トランスミッションであって、(i)入力部材と、(ii)第1偏心部材であって、入力部材の回転が第1偏心部材の偏心運動をもたらすように入力部材に結合されており、第1偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する第1および第2接触面を有する、第1偏心部材と、(iii)第2偏心部材であって、入力部材の回転が第2偏心部材の偏心運動をもたらすように入力部材に結合されており、第2偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する第3および第4接触面を有する、第2偏心部材と、(iv)(1)一連の可変幅切り抜き部を規定する第5および第6接触面、ならびに、(2)一連の可変幅切り抜き部を規定する第7および第8接触面、を有する接地部材と、(v)出力部材であって、第1および第2偏心部材の回転が出力部材の回転をもたらすように第1および第2偏心部材に結合されている、出力部材と、(vi)第1複数のローラおよび第2複数のローラであって、入力部材の回転が第1および第2偏心部材の回転をもたらすことにより、入力部材の回転が出力部材の回転を引き起こすように、第1複数のローラの各ローラは、第1、第2、第5、および、第6接触面と接触し、第2複数のローラの各ローラは、第3、第4、第7、および、第8接触面と接触しており、第1複数のローラの各ローラは、第1複数のローラの内のローラの位置および回転を、第2複数のローラの内の対応するローラに対して、少なくとも1つの自由度に関して制約するそれぞれの中央平面制約要素を介して、第2複数のローラの内の対応するローラに結合されている、第1複数のローラおよび第2複数のローラと、を備える、トランスミッションを提供している。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態は、トランスミッションであって、(i)入力部材と、(ii)第1偏心部材であって、入力部材の回転が第1偏心部材の偏心運動をもたらすように入力部材に結合されている、第1偏心部材と、(iii)第2偏心部材であって、入力部材の回転が第1偏心部材の偏心運動と同じ位相で第2偏心部材の偏心運動をもたらすように入力部材に結合されており、第1および第2偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定するそれぞれの第1および第2接触面を有する、第2偏心部材と、(iv)第3偏心部材であって、入力部材の回転が第3偏心部材の偏心運動をもたらすように入力部材に結合されており、第3偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する第3および第4接触面を有し、第3偏心部材は、第1偏心部材と第2偏心部材との間に配置されている、第3偏心部材と、(v)(1)一連の可変幅切り抜き部を規定する第5および第6接触面、ならびに、(2)一連の可変幅切り抜き部を規定する第7および第8接触面、を有する接地部材と、(vi)出力部材であって、第1、第2、および、第3偏心部材の回転が出力部材の回転をもたらすように第1、第2、および、第3偏心部材に結合されている、出力部材と、(vii)第1複数のローラおよび第2複数のローラであって、入力部材の回転が第1および第2偏心部材の回転をもたらすことにより、入力部材の回転が出力部材の回転を引き起こすように、第1複数のローラの各ローラは、第1、第2、第5、および、第6接触面と接触し、第2複数のローラの各ローラは、第3、第4、第7、および、第8接触面と接触しており、第1複数のローラの各ローラは、第1複数のローラの内のローラの位置および回転を、第2複数のローラの内の対応するローラに対して、少なくとも1つの自由度に関して制約するそれぞれの中央平面制約要素を介して、第2複数のローラの内の対応するローラに結合されている、第1複数のローラおよび第2複数のローラと、を備える、トランスミッションを提供している。
【0010】
必要に応じて添付の図面を参照しつつ、以下の詳細な説明を読むことにより、当業者にとっては、これらおよびその他の態様、利点、および、代替物が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】一実施例に従って、リング内で転がる円を示す図。
【0012】
図1B】一実施例に従って、リング内で円を転がした結果として得られるサイクロイド曲線を示す図。
【0013】
図2A】一実施例に従って、第1リングを示す図。
【0014】
図2B】一実施例に従って、図2Aに示した第1リングの開放環状空間内で回転可能な第2リングを示す図。
【0015】
図2C】一実施例に従って、図2Bの第2リングが図2Aの第1リング内で回転可能であるサイクロイド駆動装置を示す図。
【0016】
図2D】一実施例に従って、図2Cに示した装置を示す簡略図。
【0017】
図3】一実施例に従って、180度異なる位相で駆動される2セットのローラを備えた装置を示す簡略図。
【0018】
図4】トランスミッションの一例を示す断面斜視図。
【0019】
図5A】一実施例に従って、互いに対してオフセットされた状態で並列に結合された2つのサブトランスミッションを示す断面図。
【0020】
図5B】一実施例に従って、互いに対してオフセットされた状態で並列に結合された4つのサブトランスミッションを示す断面図。
【0021】
図5C】一実施例に従って、互いに対してオフセットされた状態で並列に結合された4つのサブトランスミッションを示す断面図。
【0022】
図5D】一実施例に従って、互いに対してオフセットされた状態で並列に結合された2つのサブトランスミッションを示す断面図。
【0023】
図5E】一実施例に従って、互いに対してオフセットされた状態で並列に結合された2つのサブトランスミッションを示す断面斜視図。
【0024】
図6A】一実施例に従って、互いに対してオフセットされた状態で並列に結合された2つのサブトランスミッションのローラおよびその他の要素を示す断面図。
【0025】
図6B】一実施例に従って、互いに対してオフセットされた状態で並列に結合された2つのサブトランスミッションのローラおよびその他の要素を示す断面図。
【0026】
図7】一実施例に従って、互いに対してオフセットされた状態で並列に結合された2つのサブトランスミッションのローラおよびその他の要素を示す断面斜視図。
【0027】
図8A】一実施例に従って、互いに対してオフセットされた状態で並列に結合された2つのサブトランスミッションを示す断面斜視図。
【0028】
図8B】一実施例に従って、互いに対してオフセットされた状態で並列に結合された2つのサブトランスミッションを示す断面斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面が参照される。図において、同様の符号は、通例、文脈で特に指示が限りは、同様の構成要素を識別する。詳細な説明、図面、および、請求項に記載の実施形態の例は、限定を意図したものではない。本明細書に提示された主題の範囲から逸脱することなしに、他の実施形態が用いられてもよく、その他の変更がなされてもよい。本明細書に概略的に記載され、図に示されている本開示の態様は、幅広い異なる構成で、配置、置換、組みあわせ、分離、および、設計されてよく、それらのすべてが、本明細書内で明確に意図されていることが容易に理解される。
【0030】
I.概要
1または複数のカムを介して入力によって駆動されることに応じて、トランスミッションの主回転軸を中心にそれ自体が周回する回転軸を中心に歳差回転を行う内側部材を備えたトランスミッションが、本明細書で提供されている。この歳差運動は、トランスミッションの変速比に従って入力および出力のトルク/回転の間の変換を提供するために、トランスミッションの出力に結合される。反力が、複数の成形ローラを介してトランスミッションの内側部材と接地との間で伝達される。成形ローラは、内側部材が回転している時に、成形ローラが接触面に対して転がり運動を行うように、可変幅切り抜き部を規定する成形接触面を介して内側部材および接地と接触する。この転がり運動は、高効率、高出力/トルク定格、寿命の延長、および、その他の利点を有するトランスミッションをもたらす。
【0031】
いくつかの実施形態において、複数のかかるトランスミッションが、並列で提供される。これは、複合トランスミッションの負荷容量を増大させるため、複合トランスミッションの寿命を延長するため、または、その他の利点を提供するためになされうる。例えば、かかる複合トランスミッションの異なるサブトランスミッションは、互いに対して異なる位相で駆動されてよい(例えば、互いに対してそれぞれ異なる角度オフセットで単一の入力に結合されたそれぞれの異なるカムによって駆動されることによる)。かかる構成は、トルクリップルの低減を提供しうる。追加的または代替的に、個々のトランスミッションの相対位相合わせは、偏心質量の運動(例えば、様々なトランスミッションの内側部材の運動)による動作中のトランスミッションの並進および/または回転振動またはウォブルを低減するように指定されてよい。これは、サブトランスミッションの1つを、その要素が中央サブトランスミッションの各側に配置されるように分割することで、中央および分割トランスミッションの回転質量が複合トランスミッションの動作中に完全にバランスされるようにすることを含みうる。
【0032】
かかる複合トランスミッションの2つ(以上)のトランスミッションが約180度の相対位相を有する場合、2つのトランスミッションのローラは、ローラの回転位相合わせを維持するために、一緒に結合されてよい。これは、ローラの回転位相合わせ、向き、位置、または、その他の特性がずれるまたはその他の形で準最適になる(拘束(binding)、摩耗の増大、寿命の短縮、伝達効率の低下、または、その他の望ましくない影響につながりうる)ことを防止するためになされてよい。1つのトランスミッションの個々のローラは、(例えば、対応するローラを一緒に融合またはその他の方法で剛結合することによって)6自由度すべてで、または、より少ない数の自由度で、ローラの相対的な向きおよび位置を制約する中央平面制約要素を介して、第2トランスミッションの対応するローラに結合されてよい。例えば、成形ロッド、成形要素のセット、または、その他の中央平面制約要素が、対応するローラの相対回転を制約しつつ、対応するローラが他の2回転自由度に関して、および、3並進自由度に関して変化することを許容するように作用しうる。ローラのペアの間のかかる結合は、(例えば、第1ローラが、通常は接触している1以上の接触面との接触から瞬間的に外れることによって)その結合がなければ制約不足になった第1ローラの運動の部分の間であっても、第1ローラが結合されている第2ローラから伝達されたトルクおよび/または力によって、第1ローラの回転位相合わせを維持することを可能にしうる。かかる結合は、6自由度すべてで一対のローラの相対的な位置および向きを制約する場合でも、一対のローラの位置および向きを必ずしも過度に制約することはない。
【0033】
かかる中央平面制約要素は、さらなる利点を提供するよう構成できる。例えば、ケージまたはその他の位置決め要素が、中央平面制約要素の相対位置を維持することによって、そこに結合されたローラの相対位置を維持するために、提供されてもよい。別の例において、中央平面制約要素は、トランスミッションの内側部材および/または接地とギア接触、転がり接触、または、何らかのその他の形態の接触をなし、それにより、そこに結合されたローラの適切な回転位相合わせを維持することができる。
【0034】
本明細書に記載のトランスミッションの内側部材は、単一のカムによって駆動されてよく、または、他の方法でトランスミッションの入力に結合されてよい。いくつかの例において、かかる内側部材は、追加的または代替的に、遊星ギア装置の太陽ギアがトランスミッション入力に結合された状態で、遊星ギア装置の遊星ギアとして作用する2以上のカムによって駆動されてよい。これは、トランスミッションの変速比に関する利点を提供しうる。いくつかの例において、トランスミッションの出力は、出力への内側部材の結合を容易にするために、2以上のカムの軸に結合されてよい。
【0035】
II.トランスミッションの例
本明細書で用いられている「サイクロイド」という用語は、円形ホイールが直線または円形の経路のいずれかに沿って滑ることなしに転がった時に、円形ホイールの縁上の点がたどる曲線のことである。かかるサイクロイド運動は、「偏心運動」または「ルーレット運動」の一種であり、物体が、別の回転軸(例えば、かかる偏心運動を行う部材に結合されたカムの回転軸)を中心にそれ自体が周回する回転軸を中心に回転する。一例において、かかる偏心、ルーレット、および/または、サイクロイド運動は、円形ホイールが主要な円またはリングの内側で転がった時に生じる。図1Aは、一実施例に従って、リング102内で転がる円100を示す。円100がリング102の内面に沿って移動すると、円100の縁上の点104がサイクロイド曲線をたどる。
【0036】
図1Bは、一実施例に従って、リング102内で円100を転がした結果として得られるサイクロイド曲線106を示す。サイクロイド曲線106は、リング102内で円100が転がるのに伴って、点104によってたどられる。円100の運動は、リング102が静止したままであれば、偏心運動と呼ばれうる。
【0037】
本明細書では、この偏心運動を利用するトランスミッションシステムおよびトランスミッション装置の例が開示されている。本明細書に記載の特定の実施形態の偏心運動は、ローラ、軸受、カム、または、その他の要素が、サイクロイド運動、エピサイクロイド運動、トロコイド運動、もしくは、何らかのその他のルーレット経路および/または軌道に従った運動、を行うことを含んでよい。これらのシステムおよび装置は、高効率、長いサービス寿命、軽量、高い出力/トルク定格、小さいフォームファクタ、または、その他の利点を達成しうる有利な構成を提供できる。これらのトランスミッションシステムは、モータおよびトランスミッションが、ロボットの本体から距離おいて取り付けられうるロボット用途で利用されうる。用途の中でも特に、自動車、重工業、および、エネルギ生成も、本明細書に記載のトランスミッションの利用から恩恵を受けうる。
【0038】
図2A図2B図2C、および、図2Dは、一実施例に従って、トランスミッション例の要素を示す。特に、図2Aは、一実施例に従って、第1リング200を示している。第1リング200は、開放環状空間202と、第1リング200の内周面206上に配置された接触面によって規定される一連の可変幅切り抜き部204A、204B、204C、204D、204E、および、204Fと、を有する。
【0039】
図2Bは、一実施例に従って、第1リング200の開放環状空間202内で回転可能な第2リング208を示す。第2リング208は、第2リング208の外周面212上に配置された接触面によって規定されるそれぞれの一連の可変幅切り抜き部(切り抜き部210A、210B、210C、および、210Dなど)を有する。
【0040】
第1リング200の一連の可変幅切り抜き部204A~Fおよび第2リング208の一連の可変幅切り抜き部210A~Dの各切り抜き部は、切り抜き部の第1端の第1幅で始まる。次いで、幅は、切り抜き部の中心での第1幅よりも広い第2幅まで増大し、その後、狭くなって切り抜き部の第2端で第1幅に戻る。例えば、第2リング208の切り抜き部210Aは、第1端214Aおよび第2端214Bを有する。第1端214Aでの切り抜き部210Aの幅は狭い。次いで、幅は、徐々に増大して、切り抜き部210Aの中心で幅「d」に至り、その後、第2端214Bまで徐々に減少して、第1端214Aの幅と同等の幅に至る。
【0041】
図2Aおよび図2Bは、それぞれ、内周面206および外周面212のブランク領域によって分離されている別個の切り抜き部204A~Fおよび210A~を示す。例えば、図2Aに示す第1リング200を参照すると、切り抜き部204A~Fは、連続的な接触面のそれぞれの部分を形成している。
【0042】
しかしながら、他の実施例において、表面206および212は各々、それぞれの連続的な可変幅通路または可変幅溝をその中に配置されてもよい。各連続的な可変幅通路または溝は、軸受の軌道に類似しうる。この類似性において、リング200および208は、軸受のレースと同様に作用する。可変幅溝の幅は、第1幅と、第1幅よりも広い第2幅との間で徐々に変化しうる。例えば、第1幅は、切り抜き部210Aの第1端214Aの幅と同等であってよく、第2幅は、切り抜き部210Aの中心における幅「d」と同等であってよい。可変幅切り抜き部204A~Fおよび210A~Dは、第1幅から第2幅まで増加して第1幅へ戻る可変幅溝の領域を表しうる。そうして、可変幅切り抜き部204A~Fおよび210A~Dは、第1幅または何らかの他の幅を有する溝の部分などの部分によって分離されてよい。このように、可変幅切り抜き部204A~Fおよび210A~Dは、それぞれの可変幅の連続的な溝または軌道の部分であってよい。
【0043】
図2Cは、一実施例に従って、(例えば、第2リング208の中央内に配置され、入力部材に結合されたカムによって駆動された結果として)第2リング208が第1リング200内で回転可能である偏心駆動トランスミッション216を示す。装置216は、第1リング200と第2リング208との間に配置されると共に複数の成形ローラ220A、220B、220C、220D、および、220Eを互いに結合するよう構成されているローラケージ218を備える。ローラケージ218は、複数のローラ220A~Eが、第1リング200の内周面206および第2リング208の外周面212の上でそれらの間で転がるのに伴って、第1リング200の開放環状空間202内で回転可能である。ローラケージ218は、ローラ220A~Eが互いに等距離にあるように、ローラ220A~Eを結合している。
【0044】
ローラ220A~Eの各ローラは、内周面206と第2リング208の外周面212との上で転がりながら、切り抜き部204A~Fおよび210A~Dを横断する。ローラ220A~Eの内の1つのローラが、切り抜き部204A~Fおよび210A~Dの内の1つの切り抜き部を横断する時、そのローラは、狭い幅を有する切り抜き部のエリアから、より広いエリア(すなわち、切り抜き部の中央領域付近)へ移動する。したがって、ローラが切り抜き部を通過する時、ローラが切り抜き部内に係合する量が増減する。特に、切り抜き部のより広いエリアにおいて、ローラは、切り抜き部が配置された表面(すなわり、内周面206または外周面212)のより深いところを通る。したがって、ローラが切り抜き部を横断するにつれて、第1リング200の中心とローラとの間の半径方向距離が変化する。
【0045】
例えば、図2Cに示すように、ローラ220Eは、切り抜き部204Bの一端の近くにあるので、切り抜き部204Bとの係合が少ない。一方で、ローラ220Dは、切り抜き部204Cの中心の近くにあるので、切り抜き部204Cとより多く係合しており、すなわち、ローラ220Dは、切り抜き部204Cの中により深く配置されている。ローラ220Cは、実質的に切り抜き部204Dの中心にあるので、ローラ220Dと切り抜き部204Cとの係合よりもさらに大きく切り抜き部204Dと係合している。ローラ220A~Eは、同様に振る舞い、切り抜き部210A~Dを横断するにつれて、第2リング208の切り抜き部210A~Dとの係合を増減させる。切り抜き部または切り抜き部を規定する溝の可変幅は、ローラが切り抜き部または溝を横断する時にローラの有効径を変化させる手段である。ローラの有効径の変化は、装置216のリング200、208の接触面に対するローラの純転がり運動または略純転がり運動を維持することを可能にする。
【0046】
上述したように、切り抜き部204A~Fおよび210A~Dは、軸受の軌道に類似して動作するそれぞれの可変幅溝の一部でありうる。したがって、原則的に、ローラ220A~Eの各々は、一点で各軌道に接触する。しかしながら、無限に小さい点への負荷が、無限に高い接触圧を引き起こすことになる。実際的に、ローラは、タイヤが路面に接するところで平らになるのと同じように、各軌道に接触するところで若干変形する(平らになる)。軌道も、各ローラが圧迫するところで若干凹む。したがって、ローラと軌道との間の接触は、有限のサイズであり、有限の圧力を有する。
【0047】
一例において、装置216は、入力シャフトの速度を特定の割合で低減するよう構成されたサイクロイド減速機またはトランスミッションとして動作しうる。例えば、第2リング208は、カムおよび軸受を介して入力シャフト(図示せず)へ偏心して取り付けられうる。この構成において、入力シャフトは、第1リング200の開放環状空間202内の湾曲した経路に沿って、第2リング208を偏心駆動する。さらに、一例において、第1リング200は、減速機の固定子または接地として構成されうる(すなわち、第1リング200は固定されうる)。次いで、出力シャフトが、第2リング208に結合されえ、出力シャフトは、入力シャフトと比較して低減された速度を有する。別の例において、第1リング200が出力シャフトに結合されて回転可能である一方で、第2リング208が固定されて減速機の固定子として動作するよう構成されてもよい。したがって、入力、出力、および、固定子/接地の指定は、図2A~Fの実施形態または本明細書の他の箇所に関して互いに交換可能である。
【0048】
装置216が、かかる変速(例えば、減速または加速)トランスミッションとして動作するために、第2リング208の可変幅切り抜き部210A~Dの総数が、第1リング200の可変幅切り抜き部204A~Fの総数よりも少ない。さらに、ローラ220A~Eの有効位置の総数(ローラの総数以上でありうる)が、第1リング200の可変幅切り抜き部204A~Fの総数より少なく、第2リング208の可変幅切り抜き部210A~Dの総数より多い。上述の装置216において、第1リング200は6つの切り抜き部を有し、第2リング208は4つの切り抜き部を有し、5つのローラ220A~Eが第1リング200と第2リング208との間に配置されている。
【0049】
トランスミッションの減速比は、ローラ220A~Eの有効位置の総数に基づいて決定される。特に、減速比は、以下の式を用いて算出できる:
【0050】
【数1】
【0051】
ここで、Rは、減速比であり、Nは、ローラの数である。
【0052】
装置216の1つの利点は、式(1)に基づいて、装置216が非整数の減速比を提供できることである。一例として、第1リング200が7つの切り抜き部を有し、第2リング208が5つの切り抜き部を有し、6つのローラが第1リング200と第2リング208との間に配置されている場合、減速比Rは、式(1)によって、2.5:1と算出されうる。
【0053】
例において、切り抜き部およびローラの総数は、3つの連続した整数である(例えば、図2A図2Cに示すように、第2リング208の4つの切り抜き部、ローラケージ218内の5つのローラ、および、第1リング200の6つの切り抜き部)。しかしながら、他のパターン(例えば、第2リング208の4つの切り抜き部、ローラケージ218内の6つのローラ、および、第1リング200の8つの切り抜き部)を持つサイクロイドドライブも可能である。
【0054】
剛体の接触点におけるそれらの線速度の大きさおよび方向の両方が一致した時に、純転がりが起きる。かかる純転がり運動または略純転がり運動は、摩耗の低減および廃熱の発生低減(例えば、接触している表面の間の相対運動を減らすことによる)につながり、効率の改善、装置寿命の延長、および、その他の利点をもたらしうる。図2Dは、一実施例に従って、装置216を示す簡略図である。以下の分析は、任意の数のローラまたは減速比に対して成り立つ。図2Dは、ローラ220A~Eの純転がりまたは略純転がりを達成する装置216とパラメータ間の関係との分析を容易にする。
【0055】
図2Dは、第1リング200、第2リング208、および、ローラケージ218を円または円筒として図示している。第1リング200および第2リング208の円筒は、ローラ220A~Eが接触する表面を規定している。したがって、これらの円筒は、第1リング200および第2リング208の溝または軌道内にある。第1リング200、第2リング208、および、ローラケージ218の各々は、それに剛性的かつ同心的にそれぞれ取り付けられた対応するピッチ円を有する。図2Dにおいて、ピッチ円222は第1リング200に対応し、ピッチ円224は第2リング208に対応し、ピッチ円226はローラケージ218に対応する。
【0056】
リング200および208を規定する表面は、ここでは円筒として説明したが、円錐断面であってもよく、ここで、各断面は円である。この実施例は、ベベルギアタイプの配列に類似する。
【0057】
3つのピッチ円222、224、および、226は、装置216によって達成される所望の減速比、および、入力シャフトと第2リング208との間の偏心量によって規定されうる。具体的には、ピッチ円の直径の比と、第1リング200、第2リング208、および、ローラケージ218の直径の比は、各構成要素が有する切り抜き部またはローラの整数の数の比に等しい。例えば、ピッチ円222の直径とピッチ円224の直径との比は、第1リング200の切り抜き部の数と第2リング208の切り抜き部の数との比に等しい。同様に、第1リング200と第2リング208との直径の比も、第1リング200の切り抜き部の数と第2リング208の切り抜き部の数との比に等しい。別の例として、ピッチ円222の直径とピッチ円226の直径との比は、第1リング200の切り抜き部の数とローラケージ218に結合されたローラの数との比に等しい。同様に、第1リング200とローラ218との直径の比も、第1リング200の切り抜き部の数とローラケージ218に結合されたローラの数との比に等しい。
【0058】
図2Dは、動的な幾何構成のスナップショットを表しており、ここで、瞬間回転中心228は、トランスミッション216に結合された入力シャフトの各回転に対して一周する。ローラ220A~Eの有効径は、周回軌道を通して常に変化している。にもかかわらず、上記の分析は、不変パラメータに依存するため、サイクルを通してすべての構成に対して成り立ち、したがって、すべてのローラが点に接触する。図2Dを参照すると、ローラ220A~Eと第1リング200および第2リング208との間に干渉があるように見える。例えば、図2Dに示す領域238は、ローラ220Bと第1リング200との間の干渉であるように見える。しかしながら、領域238は干渉ではない。領域238は、ローラ220Bが、第1リング200におけるそれぞれの溝または切り抜き部(例えば、切り抜き部204A~Fの内の1つの切り抜き部)内でより深くに位置していることを示す。換言すると、ローラ220Bは、溝または切り抜き部における十分に広い場所にたまたま位置しているために、ローラ220Bが第1リング200の中により深く沈み込んでいる。
【0059】
上述の構成において、ローラ220A~Eは、ベースにおいて融合された2つの円錐の形状を有するよう示されている。ただし、これは、本明細書に記載のトランスミッションにおけるかかるローラの非限定的な実施形態例として意図されている。例えば、かかるローラは、球形であってもよいし、先端で融合された2つの円錐の形状を有してもよい。ただし、本明細書に記載のトランスミッションのローラは、一般に、回転軸に関して回転対称である。
【0060】
偏心駆動トランスミッション216は、さらなる要素を備えてもよく、および/または、何らかのより大きい装置の一部であってもよい。例えば、偏心駆動トランスミッション216は、偏心駆動トランスミッション216と異なる位相で駆動されると共に偏心駆動トランスミッション216と同じ入力および出力に結合されているさらなる偏心駆動トランスミッションを備えた複合トランスミッションの一部であってよい。これは、複合トランスミッションのトルク容量を高め、トルクリップルを低減し、動作時に偏心駆動トランスミッション216の振動を低減しおよび/またはその重心のバランスを取り、もしくは、何らかのその他の利点を提供するためになされうる。
【0061】
例えば、さらなる偏心駆動トランスミッションは、偏心駆動トランスミッション216と180度(または約180度)異なる位相で駆動されてよい。図3は、例として、かかる複合トランスミッション300の要素を示す。複合トランスミッション300のさらなる偏心駆動トランスミッションは、さらなる複数のローラ240A~Eと、第3リング(図示せず)と、第4リング(図示せず)と、を備える。第3リングは、第1リング200に結合されており、開放環状空間と、第3リングの内周面上に配置された接触面によって規定されている一連の可変幅切り抜き部(第1リング200の可変幅切り抜き部204A、204B、204C、204D、204E、および、204Fと同様のサイズおよび形状を有してよい)と、を有する。さらなる偏心駆動トランスミッションは、さらに、第4リング209を備えており、第4リング209は、第3リングの開放環状空間内で回転可能であり、第4リング209の外周面上に配置された接触面によって規定されているそれぞれの一連の可変幅切り抜き部(第2リング208の可変幅切り抜き部210A、210B、210C、および、210Dと同様のサイズおよび形状を有してよい)を有する。
【0062】
かかる構成は、偏心駆動トランスミッション216のローラ220A~Eが、それぞれの中央平面制約要素250A~Eを介して、さらなる偏心駆動トランスミッションのそれぞれのローラ240A~Eに結合されることを可能にしうる。かかる中央平面制約要素250A~Eは、単一の回転軸に関して少なくともローラのペアの相対回転を制約するよう構成されうる(図3の平面に実質的に垂直およびローラの歳差として湾曲経路に沿って移動)。中央平面制約要素250A~Eは、さらなる回転軸に関してローラのペアの相対回転を制約し、および/または、1または複数の方向に沿ってローラのペアの相対位置を制約するよう構成される。例えば、中央平面制約要素250A~Eは、6自由度すべてに関して、ローラのペアの相対回転および相対位置を制約するよう構成されうる。かかる制約部は、本明細書の他の場所で述べるように、様々な利点を提供しうる。
【0063】
図3は、複合トランスミッション300のローラのペアの瞬間回転軸(黒点で示されている)を示す。個々のローラの回転対称軸は、「+」記号で示されている。例えば、偏心駆動トランスミッション216の第1ローラ220Aが、第1中央平面制約要素250Aを介して、さらなる偏心駆動トランスミッションの第1ローラ240Aに結合される。ローラ220A、250Aは、互いにオフセットされたそれぞれの回転対称軸(「+」)を有する。しかしながら、複合トランスミッション300の構成の結果として、ローラ220A、250Aは、同じ回転軸260Aを中心に回転し、それにより、トランスミッション300のそれぞれの接触面に対してローラの過剰な制約または滑りを引き起こすことなしに、ローラ220A、250Aを互いに結合することが可能になる。
【0064】
本明細書に記載のトランスミッションの偏心部材は、(例えば、入力部材のシャフトに融合またはその他の方法で結合されることによって)入力部材に結合された偏心カムによって駆動されてよい。出力部材(例えば、出力シャフト)が、入力部材を介してトランスミッションに回転/トルクを印加した結果として偏心部材から回転/トルクを抽出するために、様々な方法で偏心部材に結合されてよい。例えば、複数のピンまたはポストが、偏心部材に剛結合され(例えば、偏心部材と共に単一の鋳造または機械加工された材料片から形成され)、出力部材に結合された整流板またはその他の要素における円形の穴またはポケットと(例えば、複数のニードル軸受を介して)軸受接触してよい。逆に、かかるピンまたはポストが、出力部材に結合され、偏心部材における円形の穴またはポケット内に配置されてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、偏心部材は、偏心部材および出力部材の(および/またはそれらに結合されている要素の)接触面に対して転がり運動を行う1セットのピンを介して出力部材に結合されてよい。(転がり運動を介して)このように偏心部材および出力部材を結合することにより、トランスミッションの効率、出力容量、および、寿命が改善され、もしくは、その他の利点が提供されうる。
【0066】
図4は、かかる方法で構成されたトランスミッション400の一例を示す断面斜視図である。トランスミッション400は、シャフト410およびそれに結合されたカム415を備えた入力部材と、偏心部材420と、対向する第1プレート430aおよび第2プレート430bを備えた出力部材と、トランスミッションの入力として機能し、入力シャフト410およびカム415を備えた第3部材と、を備える。第1プレート430aおよび第2プレート430bは、一緒にボルト締めされるか、または、他の方法で一緒に剛結合されていてよい。入力シャフト410、カム415、ならびに、出力部材の第1プレート430aおよび第2プレート430bは、第1回転軸401を中心に回転し、偏心部材420は、第2回転軸402を中心に回転する。回転軸401、402は、実質的に平行であり、ゼロではない距離だけ互いからオフセットされている。
【0067】
偏心部材420は、回転/トルクが、偏心部材420を介して入力部材410から出力部材430a/430bへ(およびその逆へ)伝達されるように、1セットのピン460を介して出力部材430a/430bに結合されている。偏心部材420および出力部材430a/430bは、それぞれ、円筒形の接触面425および435を備えており、接触面には、ピン460が接触し、接触面に対して、ピン460が転がり運動(例えば、略純転がり運動)を行う。
【0068】
本開示を通して、入力部材、偏心部材、出力部材、および、接地部材に言及しており、かかる特徴を組み込んだトランスミッションは、一般に、入力部材を介して回転入力を受けて、出力部材を介して回転出力を提供し、接地部材を機械的に接地するものとして記載されていることに注意されたい。ただし、これらの実施形態は、例示のための非限定的な例として意図されたものである。当業者は、応用例に従って様々な方法で、入力、出力、および、接地の機能を、本明細書に記載のトランスミッションの様々な要素に割り当ててよいことを理解するだろう。例えば、本明細書の実施形態の内の1つの実施形態の「入力部材」(例えば、図4に示したトランスミッション400の入力部材)が機械的に接地され、「出力部材」がトランスミッションへの機械的入力として用いられ、「接地部材」が機械的に接地されずにトランスミッションからの機械的出力として用いられてもよい。さらに、本明細書に記載のトランスミッションは、機械的動力またはトルクを双方向に、すなわち、入力から出力へおよび出力から入力へ、伝達するよう構成されてもよい。例えば、本明細書に記載のトランスミッションは、トランスミッションが、第1期間中に、モータ発電機から車輪へ動力を伝達し、その後の第2期間中に、回生ブレーキスキームの一環として車輪から動力を抽出するために利用されるように、電気自動車のモータ発電機を自動車の車輪に結合するために用いられてよい。
【0069】
さらに、「部材」(例えば、「入力部材」の中の部材など)という用語は、別段の指示が無い限りは、広い意味を持つよう意図される。かかる部材は、本明細書では、単一鋳造、機械加工、その他の方法で形成されたプレートまたはその他の形状の要素として示されているが、「部材」は、ボルト、溶接、ねじ、クリップ、または、その他の方法で一緒に固定された複数の要素を備えてもよいことが意図されている。「部材」の複数の要素は、それらが密着するように(例えば、単一の「部材」のかかる複数の要素の大きい表面が接触するように)ボルト締めまたはその他の方法で一緒に固定されてもよいし、部材のさらなる中間要素を介して(例えば、トランスミッションの何らかの介在する部材またはその他の要素における対応する穴を通りうる1セットのロッド、ピン、シリンダ、または、ネジによって)一緒に固定されてもよい。
【0070】
III.並列トランスミッションの例
上述のトランスミッションは、可変幅切り抜き部を規定するトランスミッションの偏心部材および接地部材の接触面に対して転がり運動(例えば、略純転がり運動)を示す成形ローラを有しており、他のトランスミッションと比べて様々な利点を提供する。これらの利点は、効率の改善、構成要素の摩耗の低減、サービス寿命の延長、トルクおよび/または出力容量の増大、サイズおよび/または重量の低減、バックラッシュの低減、もしくは、その他の利点を含みうる。複合トランスミッションの一部として入力と出力との間で並列に構成された2以上のかかるトランスミッションを提供することにより、さらなる利点を実現することができる。かかる利点は、出力/トルク容量の増大、寿命の延長、または、その他の利点を含みうる。例えば、トルクリップルを低減するため、並進または回転ウォブルを減らすため、もしくは、何らかの他の利点を提供するために、異なるトランスミッションの位相を互いに相対的に設定することによって(例えば、トランスミッションの偏心部材を駆動するために用いられるカムの対応する角度を設定することによって)、さらなる利点を得ることができる。
【0071】
例えば、かかる複合トランスミッションの2つのトランスミッションは、逆位相で駆動されてよい(例えば、トランスミッションの偏心部材は、170~190度だけ位相のずれた、または、179~181度だけ位相のずれたそれぞれの偏心運動で駆動されてよい)。これは、2つのトランスミッションの偏心部材、カム、成形ローラ、および/または、その他の要素の質量の運動が互いに部分的または完全に打ち消し合うことで、2つの複合トランスミッションの動作によって発生する時間的に変化する慣性力/トルク(「ウォブル」と呼ばれてよい)を低減または排除する効果を有しうる。
【0072】
図5Aは、一実施例に従って、第1トランスミッション502が第2トランスミッション504に対してオフセットされた状態で並列に結合された2つのトランスミッション502および504を示す。第1トランスミッション502および第2トランスミッション504は、それぞれの第1偏心部材506および第2偏心部材508を有し、機械的接地514を共有している。トランスミッション502、504は、入力シャフト520に結合されたそれぞれの第1カム512Aおよび第2カム512Bによって駆動される。カムは、170~190度の角度(例えば、179~181度の角度)だけ互いに対してオフセットされている。したがって、偏心部材506、508は、対応する量だけ位相がずれたそれぞれの偏心運動を行う。偏心部材506、508は、単一の出力に結合されてもよいし、それぞれの異なる出力に結合されてもよい。
【0073】
かかる異なる位相の並列トランスミッション502、504の利点は、第1トランスミッション502の偏心が第2トランスミッション504の個別の偏心によって打ち消されまたは補償されることである。この配列は、2つのトランスミッションの要素の偏心運動により並進「ウォブル」を完全にまたは部分的に打ち消しうるものの、かかる配列は、トランスミッションの偏心運動が非ゼロの距離だけ分離された平行な平面内にあることにより回転「ウォブル」を示しうることに注意されたい。
【0074】
さらなるトランスミッション(例えば、3以上のトランスミッション)が、さらなるまたは別の利点を提供するために、単一の複合トランスミッションに組み合わせられてもよい。例えば、かかる複合トランスミッションは、複合トランスミッションの動作時にトルクリップルを低減するために位相に関して実質的に等しくオフセットされた3以上の並列トランスミッションのセットを備えてよい。図5Bは、並列に構成された第1トランスミッション532B、第2トランスミッション534B、第3トランスミッション536B、および、第4トランスミッション538Bを備えたかかる複合トランスミッション530Bの一例を示す。トランスミッション532B、534B、536B、538Bの各々は、それぞれのカム552B、554B、556B、558Bによってそれぞれの偏心運動を駆動されるそれぞれの偏心部材542B、544B、546B、548Bを備える。カム552B、554B、556B、558Bは、それらに対応する偏心部材542B、544B、546B、548Bが、対応する量だけ位相のずれたそれぞれの偏心運動を行うように、それぞれの異なる角度で入力シャフト560Bに結合されている。したがって、互いに対するカム552B、554B、556B、558Bの角度は、複合トランスミッション530Bに生じるトルクリップルの量を低減するように設定できる。例えば、角度(および偏心部材の偏心運動の対応する位相)は、実質的に均一に離間されうる(例えば、定義上で0度にあるカム内の特定の1つに対して、90、180、および、270度に配置されうる)。
【0075】
追加的または代替的に、複合トランスミッション内の複数のトランスミッションの位相合わせは、動作中に複合トランスミッションに生じる時間的に変化する慣性力またはトルク(「ウォブル」と呼んでもよい)を低減または削除するように設定されてもよい。例えば、2つのトランスミッション(または、例えば、その質量が2つのトランスミッションと同等であるようなバラストを備えることによって、慣性的に、2つのトランスミッションであるかのように振る舞うよう構成された単一のトランスミッション)が、2つのさらなるトランスミッションの間に配置され、さらなる2つのトランスミッションから(例えば、170~190度)ずれた位相で駆動されてよい。これは、かかる複合トランスミッションが動作される時に発生しうる「ウォブル」(並進および回転の両方)を低減または完全に打ち消す効果を有しうる。
【0076】
図5Cは、並列に構成された第1トランスミッション532C、第2トランスミッション534C、第3トランスミッション536C、および、第4トランスミッション538Cを備えたかかる複合トランスミッション530Cの一例を示す。トランスミッション532C、534C、536C、538cの各々は、それぞれのカム552C、554C、556C、558Cによってそれぞれの偏心運動を駆動されるそれぞれの偏心部材542C、544C、546C、548Cを備える。カム552C、554C、556C、558Cは、それらに対応する偏心部材542C、544C、546C、548Cが、対応する量だけ位相のずれたそれぞれの偏心運動を行うように、それぞれの異なる角度で入力シャフト560Cに結合されている。カムの角度は、第1トランスミッション532Cおよび第4トランスミッション538Cが互いに対して同じ位相で駆動される一方で、第2トランスミッション534Cおよび第3トランスミッション536Cが互いに対して同じ位相であるが第1トランスミッション532Cおよび第4トランスミッション538Cトランスミッションに対しては(例えば、170~190度または179~181度だけ)異なる位相で駆動されるように、設定されている。
【0077】
「ウォブル」のかかる低減または打ち消しは、トランスミッションの一方を、2つのトランスミッションの他方の両側に配置された2つの分離した「ハーフトランスミッション」へ「分割する」ことによって、2トランスミッションの複合トランスミッションにおいても達成されうる。2つのハーフトランスミッションの偏心部材は、中央のトランスミッションの偏心部材を通して形成された対応する開口部を通して伸びるロッドまたはその他の部材を介して、機械的に結合されうる。
【0078】
図5Dは、並列に構成された第1トランスミッション532Dならびに第1ハーフトランスミッション534Dおよび第2ハーフトランスミッション536Dを備えたかかる複合トランスミッション530Dの一例を示す。トランスミッション532D、534D、536Dの各々は、それぞれのカム552D、554D、556Dによってそれぞれの偏心運動を駆動されるそれぞれの偏心部材542D、544D、546Dを備える。カム552D、554D、556Dは、第1ハーフトランスミッション534Dおよび第2ハーフトランスミッション536Dが互いに同じ位相であり第1トランスミッション532Dとは異なる位相である状態で、それぞれに対応する偏心部材542D、544D、546Dがそれぞれの偏心運動を行うように、それぞれの角度で入力シャフト560Dに結合されている。トランスミッション530Dの接地531Dおよびハーフトランスミッション534D、536Dの偏心部材544D、546Dによって第1ハーフトランスミッション534Dおよび第2ハーフトランスミッション536Dのハーフローラ(例えば、574Dおよび576D)に加えられる反力が、張力のかかったロッドまたはその他の部材とハーフローラを結合することによって考慮されてもよい。かかる引張部材は、さらなる利点を提供するように(例えば、第1トランスミッション532Dに対応するローラの相対位置および/または相対回転を制約するように)成形またはその他の方法で構成されてよい。
【0079】
出力が、様々な方法で、例えば、単一トランスミッションに関連して上述したのと同様のメカニズムで、かかる複合トランスミッションの複数の偏心部材から出力部材へ抽出されうる。いくつかの実施形態において、複数のトランスミッションの偏心部材は、偏心部材の接触面に対する転がり運動を行うと共にニードル軸受または何らかのその他の様々な軸受(例えば、スリーブ軸受、または、出力部材とピンとの間の直接接触)を介して出力部材に係合する1セットのピンを介して出力部材に結合されてよい。(偏心部材の表面に対する転がり運動を介して)このように偏心部材および出力部材を結合することにより、トランスミッションの効率、出力容量、および、寿命が改善され、もしくは、その他の利点が提供されうる。
【0080】
図5Eは、かかる方法で構成された図5Dのトランスミッション例530Dの一例を示す断面斜視図である。第1トランスミッション532Dならびに第1ハーフトランスミッション534Dおよび第2ハーフトランスミッション536Dの偏心部材542D、544D、546Dは、回転/トルクが偏心部材542D、544D、546Dを介して入力部材560Dから出力部材570D/575Dへ(およびその逆へ)伝達されるように、1セットのピン580Dを介して出力部材の第1プレート570Dおよび第2プレート575Dに結合されている。偏心部材542D、544D、546Dは、それぞれ、円筒形の接触面543D、545D、および、547Dを備えており、接触面には、ピン580Dが接触し、接触面に対して、ピン580Dが転がり運動(例えば、略純転がり運動)を行う。ピン580Dは、ニードル軸受または何らかのその他の様々な軸受を介して出力部材570D/575Dに結合されている。
【0081】
IV.中央平面制約要素の例
対応する可変幅接触面切り抜き部と転がり運動接触する成形ローラを有する様々なトランスミッションが、本明細書に記載されている。かかるトランスミッションの性能は、成形ローラの挙動(例えば、成形ローラが可変幅接触面に対する純転がり運動を行う程度)に関連しうる。製造公差、摩耗、および、断裂、ほこり、砂粒、または、金属粒子の存在、成形ローラが空間的に過剰または過小に制約されている機械的特異点、もしくは、その他の要因により、成形ローラは、トランスミッション内で位置ずれまたはさらには拘束されて、非効率、損傷、または、その他の望ましくない影響を引き起こしうる。
【0082】
これらの影響は、様々な方法で、例えば、成形ローラが所望の方法でトランスミッション内で回転および並進することを保証するためにトランスミッションにさらなる要素を導入することによって、緩和可能である。例えば、互いに対する成形ローラの位置を維持するために、ケージが追加されてよい(例えば、成形ローラは、ニードル軸受または何らかのその他の様々な軸受を介してケージに接触してよい)。かかるケージは、成形ローラからの反力によって(例えば、ケージと接触するすべての成形ローラが受ける反力の合計に基づいて)所定の位置に維持されうる。追加的または代替的に、かかるケージは、ケージおよびそれに結合された成形ローラをトランスミッション内で所望の軌道に沿って維持するために、トランスミッションの接地部材、偏心部材、出力部材、または、その他の構成要素の対応する接触面と転がり運動接触するよう構成された成形接触面を備えてよい。
【0083】
本明細書に記載されている複数の個々のトランスミッションで構成された複合トランスミッションは、複合トランスミッションの個々のトランスミッションの各々に対してそれぞれのセットの成形ローラを含む。かかる複合トランスミッションの2つの隣接するトランスミッションが、互いに対して或る相対位相で駆動された(例えば、隣接するトランスミッションの偏心部材が、互いに170~190度または179~181度だけ異なる位相のそれぞれの偏心運動を行うように駆動された)時、隣接するトランスミッションの隣接する成形ローラの相対的な位置および向きは、隣接する成形ローラの向きおよび/または位置が少なくとも1つの自由度に関して制約されるように、中央平面制約要素を介して互いに結合されうる。かかる制約は、トランスミッション内で動く時に所望の向きおよび/または位置の軌道に沿って成形ローラを維持することを容易にしうる。かかる構成の利点は、成形ローラがその軌道の制約不足または制約過剰な領域を通過する間、所望の軌道に沿って成形ローラの位置および/または向きを維持することである。この利点は、成形ローラが、それに結合された隣接する成形ローラから、および/または、隣接する成形ローラへの結合のために介した中央平面制約要素から、補正力/トルクを受けることによって達成されうる。
【0084】
2つ(または2つ以上)の並列トランスミッションの対応する成形ローラが、対応する成形ローラの相対的な位置および回転を規定する1または複数(例えば、6すべて)の自由度に関して、中央平面制約要素によって制約されてよい。例えば、中央平面制約要素は、対応する成形ローラの相対的な位置および向きがすべての6自由度で完全に制約されるように、対応する成形ローラの両方が融合またはその他の方法で剛結合されている剛性要素であってよい。別の例において、中央平面制約要素は、第1軸(例えば、成形ローラの回転対称軸に平行な軸)に関する互いに対しての成形ローラの回転が制約される一方で、残りの2軸に関する回転および三次元における相対運動が比較的制約されないように、構成されてもよい。かかる中央平面制約要素は、上記の1自由度の制約が達成されるように、それぞれの成形ローラに結合されると共に、成形面を介して互いにおよび/または1以上の介在要素と接触する2以上の成形面を備えうる。
【0085】
図6Aは、本明細書に記載の中央平面制約要素640Aを備えた複合トランスミッション600Aの一例を示す断面斜視図である。トランスミッション600Aは、第2偏心部材615Aの偏心運動とは(例えば、170~90度または179~181度だけ)異なる位相の偏心運動を通して駆動される第1偏心部材610Aを備える。第1偏心部材610Aは、可変幅切り抜き部を規定する成形接触面612Aを介して、第1セットの成形ローラ(成形ローラ630Aを含む)と転がり運動接触しており、第1セットの成形ローラは、可変幅切り抜き部を規定する成形接触面622Aを介して、機械的接地620Aと転がり運動接触している。第2偏心部材615Aは、可変幅切り抜き部を規定する成形接触面617Aを介して、第2セットの成形ローラ(成形ローラ635Aを含む)と転がり運動接触しており、第2セットの成形ローラは、可変幅切り抜き部を規定する成形接触面624Aを介して、機械的接地620Aと転がり運動接触している。
【0086】
対応する成形ローラ630Aおよび635Aは、中央平面制約要素640Aを介して互いに結合結されている。図に示すように、成形ローラ630A、635Aは、中央平面制約要素640Aに剛結合されており、その結果、成形ローラ630A、635Aの相対的な位置および向きは、6自由度すべてに関して制約される。成形ローラ630A、635Aは、中央平面制約要素640Aに溶接、ボルト締め、融合、または、その他の方法で剛結合された別個の要素であってよい。あるいは、成形ローラ630A、635A、および、中央平面制約要素640Aの一部または全部が、単一の連続した部品または材料であってもよく、例えば、単一の材料片として一緒に鋳造されてよく、単一の材料片から機械加工されてよい、などである。
【0087】
図6Aの成形ローラ例630A、630Bは、「菱形の」断面を有しており、対になった円錐の形状を有すると言ってもよい。成形ローラのその他の形状(例えば、図5Eに示したような球形)も可能である。いくつかの例において、かかる成形ローラの転がり運動接触面は、「外向き」であってよく、すなわち、転がり運動接触面は、互いから離れる方向に向けられていてよい。これは、球形および二重円錐形状のローラに当てはまる。かかる成形ローラは、外向きの接触面を有しており、本明細書に記載のトランスミッションで用いられる時、圧縮力を受ける。しかしながら、内向きの転がり運動接触面を有する成形ローラを利用することが、いくつかの応用例で有利でありうる。かかる成形ローラは、内向きの接触面を有しており、本明細書に記載のトランスミッションで用いられる時、引張力を受ける。これは、例えば、トランスミッションの偏心部材および/または接地部材が、その成形ローラ接触面の間に(引張力ではなく)圧縮力を維持することが望ましい実施形態において、有利でありうる。かかる内向きの成形ローラは、単一のトランスミッションにおいて、または、複数のかかる単一のトランスミッションを並列で備えた複合トランスミッションにおいて、利点を提供しうることに注意されたい。
【0088】
内向きの接触面を有するかかる成形ローラの1つの可能な利点は、ローラを互いにおよび/または中央平面制約要素に結合するためのさらなる表面領域をローラの端部に提供することである。図6Bは、中央平面制約要素640Bを介して、第2成形ローラ635Bに結合されている第1成形ローラ630Bを示す断面図である。成形ローラ630B、635Bの各々は、「蝶ネクタイ形の」断面を有しているため、それぞれの内側向きの接触面632B、637Bを有しており、接触面を介して、成形ローラ630B、635Bは、本明細書に記載のトランスミッションの偏心部材、接地部材、または、その他の要素の対応する成形接触面に対する純転がり運動を行いうる。
【0089】
中央平面制約要素は、それが結合される成形ローラよりも低い剛性を有しうる。これは、中央平面制約要素が弾性的に変形することを可能にすることで、トランスミッション内での成形ローラの拘束の回避を可能にすることによって、成形ローラの拘束を防止しうる。
【0090】
中央平面制約要素は、1または複数の自由度に関して2つの成形ローラの相対的な位置および/または向きを制約するように様々な方法で構成されてよい。例えば、中央平面制約要素は、第1成形ローラの両側に配置された分割成形ローラのハーフローラを互いに結合してその間に引張力を維持しつつ、第1成形ローラにおける対応する穴または開口部を貫通するテンションロッドを備えてよい。ロッドならびに対応する穴または開口部は、第1成形ローラと分割成形ローラのハーフローラとがテンションロッドの長軸に沿って制約を受けずに並進することを可能にしつつ、5自由度(すべての回転自由度および2つの並進自由度)に関して第1成形ローラおよびハーフローラの相対的な位置および向きを制約するために、対応する断面形状を有してよい。
【0091】
かかる実施形態が、図7に例として示されている。図7は、第1ハーフトランスミッション704と第2ハーフトランスミッション706との間に配置された第1トランスミッション702を備える複合トランスミッション700の要素を示す断面斜視図であり、トランスミッションはすべて、共通の入力および出力(図示せず)へ並列に結合されている。第1トランスミッション702は、第1偏心部材722と、トランスミッション700の第1偏心部材722および接地部材710の成形接触面に対して転がり運動(例えば、略純転がり運動)を行う複数の成形ローラ732と、を備える。第1ハーフトランスミッション704および第2ハーフトランスミッション706は、それぞれの第2偏心部材724および第3偏心部材726と、それぞれ第2偏心部材724および第3偏心部材726の成形接触面に対して、ならびに、接地部材の成形接触面に対して、転がり運動(例えば、略純転がり運動)を行うそれぞれの複数の第1ハーフローラ734および第2ハーフローラと、を備える。トランスミッション700は、さらに、ハーフローラ734、736の間の引張力を維持すると共に第1トランスミッション702の成形ローラ732の対応する成形穴または開口部を貫通するテンションロッド740を備えた中央平面制約要素を備える。
【0092】
中央平面制約要素は、成形ローラの絶対的な位置および向き、もしくは、トランスミッションの接地またはその他の要素に対する相対的な位置および向きを維持するよう構成されてよい。例えば、成形ローラの相対位置は、互いに対しておよび/またはトランスミッションの接地またはその他の要素に対して中央平面制約要素の位置を維持する中央平面制約要素に結合されたケージによって維持されてよい。かかるケージは、互いに対しておよび/またはトランスミッションのその他の要素に対して成形ローラのセットの位置を維持するよう構成されたケージに加えてまたはその代わりに提供されてよい。
【0093】
追加的または代替的に、中央平面制約要素は、トランスミッションの偏心部材、接地部材、または、その他の要素の対応する接触面とギア接触および/または純転がり接触するローラまたはその他の成形要素を備えてもよい。かかるギア接触または転がり接触は、拘束を防ぐため、効率を上げるため、成形ローラだけでは制約不足になる軌道の部分を通してローラが所望の並進軌道および回転軌道に適合するようにするため、および/または、何らかのその他の利点を提供するために、成形ローラの相対角度位相合わせを維持するために提供されてよい。
【0094】
かかる特徴が、図7に例として示されている。図7に示す中央平面制約要素は、テンションロッドに加えて、トランスミッションの動作時にローラ750、752、754、756が接触面に対して転がり運動(例えば、略純転がり運動)を行うように、トランスミッションの対応する接触面と接触する複数のローラ750、752、754、756を備える。第1ローラ750は、複合トランスミッション700の接地部材710の接触面と接触している。第2ローラ752、第3ローラ754、および、第4ローラ756は、複合トランスミッションのそれぞれ対応する第1偏心部材722、第2偏心部材724、および、第3偏心部材726のそれぞれの接触面と接触している。かかる転がり運動接触は、複合トランスミッション700のローラおよび/または接触部材の正確な回転位相合わせを維持するのに役立ちうる。図7に示すローラは、対応する接触面と転がり運動接触しているが、本明細書に記載されている中央平面制約要素のかかる要素は、かかるトランスミッションの成形ローラ、偏心部材、または、その他の要素の回転位相の維持を助けるために、追加的または代替的に、かかるトランスミッションの要素とギア接触または何らかの他の形態の接触をしてもよいことに注意されたい。
【0095】
また、中央平面制約要素のかかるローラは、さらなる利点または別の利点を提供しうることにも注意されたい。例えば、かかるローラは、トランスミッションにおける別の軸受面の必要性を低減するため、トランスミッションの効率を高めるため、トランスミッションのコストを削減するため、トランスミッションを通る負荷経路を短縮するため、または、かかるトランスミッションにその他の利点を提供するために、トランスミッションの偏心部材から接地へ負荷を伝達してもよい。
【0096】
さらに、図7は、そこに示す複合トランスミッション700の接地部材および各偏心部材に接触するローラを有する中央平面制約要素を示しているが、これは、非限定的な実施形態例としてのみ意図されていることに注意されたい。かかる中央平面制約要素は、一応用例に従って、かかるローラの任意の一部を備えてよいことが想定される。例えば、かかる中央平面制約要素は、トランスミッションの接地部材と接触するローラのみを備えてもよいし、トランスミッションの偏心部材の1または複数と接触するローラのみを備えてもよい。
【0097】
V.偏心部材の遊星駆動の例
上述のトランスミッションにおいて、個々の偏心部材は、偏心部材が入力の回転に応じて偏心運動を行うように、単一のカムによって入力(または出力または機械的接地)に結合されている。しかしながら、トランスミッションのかかる偏心部材は、遊星装置に提供された複数のカムによって駆動されてもよい。各かかるカムは、それぞれのギアに結合され、そのギアを介して、入力シャフトまたはその他の部材に結合された太陽ギアによって駆動されてよい。トランスミッションのかかる構成は、例えば、複数のカムに入力負荷を分散させることによって、遊星ギアセットがトランスミッションの変速比のさらなる増減を提供することによって、または、何らかのその他の利点を提供することによって、様々な利点を提供しうる。
【0098】
図8Aは、並列かつ異なる位相で駆動される2つのサブトランスミッションを備えたかかるトランスミッション800Aの一例を示す。トランスミッション800Aは、入力部材810Aの回転が太陽ギア815Aの回転をもたらすように、太陽ギア815Aを結合された入力部材810Aを備える。太陽ギア815Aは、それぞれの軸820Aに各々結合された複数の遊星ギア821Aとギア接触している。各軸820Aは、それぞれの偏心部材830A、835Aと接触する1セットのカム825A、823Aのセットにも結合されている。かかるトランスミッションの出力は、トランスミッションを通したトルクおよび/または動力の伝達を容易にするために、様々な方法(例えば、本明細書の他の場所に記載したような方法)で偏心部材に結合されてよい。図8Aに示すように、トランスミッション800Aの出力部材840Aは、軸820Aを介して偏心部材830A、835Aに結合されている。各軸820Aは、ニードル軸受または何らかのその他の様々な軸受を介して出力部材840Aと接触している。
【0099】
請求項8Aは、その中に2つの完全サブトランスミッションを並列で有する複合トランスミッションの偏心部材を駆動するための1セットの遊星カムの利用を示しているが、かかる1セットの遊星カムは、他の方法で構成された単一または複数のトランスミッション(例えば図2C~D、図3図4図5A~E、図6A、または、図7に示した単一または複数のトランスミッションの構成のうちのいずれか)を駆動するために適用されてもよいことに注意されたい。
【0100】
図8Aのトランスミッション800Aの遊星ギアは、トランスミッションのカムに対して「遠位に」配置されている(すなわち、カムの間にはない)。この配置は、例えば、トランスミッションのコストを削減することによって、ならびに/もしくは、トランスミッションの組み立ておよび/または修理を容易にすることによって、様々な利点を提供しうる。しかしながら、カムの間に遊星ギアを配置することは、いくつかの応用例では有利でありうる。これは、例えば、遊星ギアから伝達される負荷のバランスを取るため、トランスミッション内の負荷経路を短縮するため、大きい負荷のかかる軸の軸受の数を減らすため、および/または、その負荷の大きさを低減するため、もしくは、何らかのその他の利点を提供するためになされうる。
【0101】
図8Bは、かかる方法で構成されたトランスミッション800Bを示す。トランスミッション800Bは、入力部材810Bの回転が太陽ギア815Bの回転をもたらすように、太陽ギア815Bを結合された入力部材810Bを備える。太陽ギア815Bは、それぞれの軸820Bに各々結合された複数の遊星ギア821Bとギア接触している。各軸820Bは、遊星ギア821Bの両側に配置されてそれぞれの偏心部材830B、835Bと接触する1セットのカム825B、823Bにも結合されている。トランスミッション800Bの出力部材840Bは、軸820Bを介して偏心部材830B、835Bに結合されている。各軸820Bは、ニードル軸受または何らかのその他の様々な軸受を介して出力部材840Bと接触している。
【0102】
VI.結び
図に示した特定の配置は、限定と見なすべきではない。別の実施形態が、所与の図に示した各要素を多くまたは少なく備えてもよいことを理解されたい。さらに、図示した要素の一部は、組み合わせられてもよいし、省略されてもよい。さらにまた、一実施例が、図示されていない要素を備えてもよい。
【0103】
さらに、様々な態様および実施形態を本明細書で開示したが、別の態様および実施形態が当業者にとっては明らかである。本明細書に開示した様々な態様および実施形態は、例示を目的としたものであり、限定の意図はなく、真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。本明細書に提示された主題の精神または範囲から逸脱することなしに、他の実施形態が用いられてもよく、その他の変更がなされてもよい。本明細書に概略的に記載され、図に示されている本開示の態様は、幅広い異なる構成で、配置、置換、組みあわせ、分離、および、設計されてよく、それらのすべてが、本明細書内で想定されていることが容易に理解される。
【0104】
さらに、本明細書に記載されているトランスミッションのローラまたは他のメカニズムの相対的な回転および/または位置を、少なくとも1つの自由度に関して、制約するよう構成された「中央平面制約要素」への言及が、全体を通してなされている。かかる「中央平面制約要素」のセットは、一般に、複合トランスミッションの2以上のサブトランスミッションの間の位置である共通平面に沿って配置されるものとして本明細書に記載されている。しかしながら、これは、非限定的な実施形態例として意図される。かかる制約要素のセットの一部である制約要素が、複合トランスミッションのサブトランスミッションの間に配置されても配置されなくてもよい複数の異なる平面上に配置されてもよい(例えば、交互の制約要素が、それぞれの異なる平面上に配置されてもよい)。「中央平面制約要素」という用語は、本明細書では非限定的に用いられており、複合トランスミッションのサブトランスミッション間に位置する平面上に配置されていない制約要素、および/または、すべてが単一の平面に沿って配置されてはいない(例えば、2つの異なる平面に沿って交互に配置されている)かかる制約要素のセットの一部である制約要素、を記述してもよい。本開示は以下の適用例としても実現できる。
[適用例1]
トランスミッションであって、
太陽ギアと、
入力部材であって、前記入力部材の回転が前記太陽ギアの回転をもたらすように前記太陽ギアに結合されている、入力部材と、
前記太陽ギアとギア接触している2以上の遊星ギアと、
2以上のカムであって、前記2以上のカムの各々は、前記太陽ギアの回転が前記2以上のカムの各々の回転をもたらすように前記2以上の遊星ギアに結合されている、2以上のカムと、
偏心部材であって、前記2以上のカムの回転が前記偏心部材の偏心運動をもたらすように前記2以上のカムに結合されており、前記偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する2つの接触面を有する、偏心部材と、
一連の可変幅切り抜き部を規定する少なくとも2つの接触面を有する接地部材と、
出力部材であって、前記偏心部材の回転が前記出力部材の回転をもたらすように前記偏心部材に結合されている、出力部材と、
複数のローラであって、前記複数のローラの内の各ローラは、前記入力部材の回転が前記偏心部材の回転をもたらすことにより、前記入力部材の前記回転が前記出力部材の回転を引き起こすように、前記偏心部材および前記接地部材の前記接触面と接触している、複数のローラと、
を備える、トランスミッション。
[適用例2]
適用例1に記載のトランスミッションであって、さらに、
2以上のさらなるカムであって、前記2以上のさらなるカムの各々は、前記太陽ギアの回転が前記2以上のカムの各々の回転をもたらすように前記2以上の遊星ギアに結合されている、2以上のさらなるカムと、
さらなる偏心部材であって、前記2以上のさらなるカムの回転が前記さらなる偏心部材の偏心運動をもたらすように前記2以上のさらなるカムに結合されており、前記さらなる偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する2つの接触面を有し、前記接地部材は、さらなる一連の可変幅切り抜き部を規定する少なくとも2つのさらなる接触面を有する、さらなる偏心部材と、
複数のさらなるローラであって、前記複数のさらなるローラの内の各ローラは、前記入力部材の回転が前記さらなる偏心部材の回転をもたらすことにより、前記入力部材の前記回転が前記出力部材の回転を引き起こすように、前記さらなる偏心部材の前記接触面および前記接地部材の前記少なくとも2つのさらなる接触面と接触している、複数のさらなるローラと、
を備える、トランスミッション。
[適用例3]
適用例2に記載のトランスミッションであって、前記2以上の遊星ギアの内の特定の遊星ギアは、前記特定の遊星ギアが結合されている前記2以上のカムの内の前記カムおよび前記2以上のさらなるカムの内の前記カムの間に配置されている、トランスミッション。
[適用例4]
適用例2に記載のトランスミッションであって、前記入力部材の回転により、前記偏心部材および前記さらなる偏心部材は、170~190度だけ異なる位相のそれぞれの偏心運動を行う、トランスミッション。
[適用例5]
適用例4に記載のトランスミッションであって、さらに、
複数の中央平面制約要素を備え、前記複数の中央平面制約要素の内の特定の中央平面制約要素は、前記複数のローラの内の第1特定ローラの位置および回転を、前記複数のさらなるローラの内の対応する第2特定ローラに対して、少なくとも1つの自由度に関して実質的に制約する、トランスミッション。
[適用例6]
適用例5に記載のトランスミッションであって、前記特定の中央平面制約要素、前記第1特定ローラ、および、前記第2特定ローラは、共に結合されている、トランスミッション。
[適用例7]
適用例5に記載のトランスミッションであって、前記特定の中央平面制約要素は、(i)前記第1特定ローラに結合されている第1制約部分と、(ii)前記第2特定ローラに結合されている第2制約部分と、を備え、前記第1および第2制約部分は、第1回転軸を中心とした前記第1および第2特定ローラの間の相対回転を制約しつつ、前記第1回転軸と直交する第2および第3回転軸を中心とした前記第1および第2特定ローラの間の相対回転を許容しつつ、さらに、前記第1および第2特定ローラの間の相対並進を許容するそれぞれの形状を有する、トランスミッション。
[適用例8]
適用例5に記載のトランスミッションであって、前記特定の中央平面制約要素は、前記特定の中央平面制約要素が、第1回転軸を中心とした前記第1および第2特定ローラの間の相対回転を制約しつつ、前記第1回転軸に沿った前記第1および第2特定ローラの間の相対並進を許容するように、前記第1および第2特定ローラにおける開口部内に配置されたロッドを備える、トランスミッション。
[適用例9]
適用例5に記載のトランスミッションであって、前記特定の中央平面制約要素は、第1ローラおよび第2ローラを備え、前記入力部材の回転の結果として、前記第1ローラおよび前記第2ローラが、それぞれ、前記接地部材のさらなる接触面および前記偏心部材のさらなる接触面と接触して転がり運動を行うように、前記第1ローラは、前記接地部材の前記さらなる接触面と接触し、前記第2ローラは、前記偏心部材の前記さらなる接触面と接触している、トランスミッション。
[適用例10]
適用例9に記載のトランスミッションであって、前記特定の中央平面制約要素は、さらに、第3ローラを備え、前記入力部材の回転の結果として、前記第3ローラが、前記さらなる偏心部材のさらなる接触面と接触して転がり運動を行うように、前記第3ローラは、前記さらなる偏心部材の前記さらなる接触面と接触している、トランスミッション。
[適用例11]
適用例5に記載のトランスミッションであって、さらに、前記複数の中央平面制約要素の位置を互いに対して維持するために、前記複数の中央平面制約要素と接触するケージを備える、トランスミッション。
[適用例12]
適用例11に記載のトランスミッションであって、さらに、前記複数のローラの位置を互いに対して維持するために、前記複数のローラと接触するさらなるケージを備える、トランスミッション。
[適用例13]
適用例11に記載のトランスミッションであって、前記特定の中央平面制約要素は、第1ローラを備え、前記入力部材の回転の結果として、前記第1ローラが、前記接地部材のさらなる接触面と接触して転がり運動を行うように、前記第1ローラは、前記接地部材の前記さらなる接触面と接触している、トランスミッション。
[適用例14]
適用例5に記載のトランスミッションであって、前記特定の中央平面制約要素は、前記接地部材のさらなる接触面とギア接触している、トランスミッション。
[適用例15]
適用例1に記載のトランスミッションであって、前記複数のローラの内の特定のローラは、前記偏心部材の前記接触面と接触する少なくとも2つの内向き接触面を有する、トランスミッション。
[適用例16]
適用例1に記載のトランスミッションであって、前記2以上の遊星ギア、前記2以上のカム、および、前記偏心部材は、第1サブトランスミッションを形成し、前記トランスミッションは、さらに、
2以上のさらなるサブトランスミッションを備え、前記さらなるサブトランスミッションの各々は、それぞれのさらなる偏心部材と、さらなる2以上の遊星ギアと、さらなる2以上のカムと、を備える、トランスミッション。
[適用例17]
適用例16に記載のトランスミッションであって、前記入力部材の回転により、前記偏心部材と、前記さらなるサブトランスミッションの前記偏心部材とは、実質的に均等に分離された位相を有するそれぞれの偏心運動を行う、トランスミッション。
[適用例18]
適用例1に記載のトランスミッションであって、前記2以上のカムの各々は、それぞれの軸受を有するそれぞれの軸に結合されて、前記それぞれの軸の周りを回転し、前記出力部材は、前記軸受および軸を介して前記偏心部材に結合されている、トランスミッション。
[適用例19]
適用例1に記載のトランスミッションであって、さらに、前記出力部材の接触面および前記偏心部材のさらなる接触面と転がり接触する2以上のピンを備え、前記出力部材は、前記2以上のピンを介して前記偏心部材に結合されている、トランスミッション。
[適用例20]
適用例1に記載のトランスミッションであって、さらに、前記複数のローラの位置を互いに対して維持するために、前記複数のローラと接触するさらなるケージを備える、トランスミッション。
[適用例21]
適用例20に記載のトランスミッションであって、前記ケージは、前記接地部材のさらなる接触面および前記偏心部材のさらなる接触面とそれぞれ転がり接触する第1および第2接触面を備える、トランスミッション。
[適用例22]
トランスミッションであって、
入力部材と、
第1偏心部材であって、前記入力部材の回転が前記第1偏心部材の偏心運動をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第1偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する第1および第2接触面を有する、第1偏心部材と、
第2偏心部材であって、前記入力部材の回転が前記第2偏心部材の偏心運動をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第2偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する第3および第4接触面を有する、第2偏心部材と、
(i)一連の可変幅切り抜き部を規定する第5および第6接触面、ならびに、(ii)一連の可変幅切り抜き部を規定する第7および第8接触面、を有する接地部材と、
出力部材であって、前記第1および第2偏心部材の回転が前記出力部材の回転をもたらすように前記第1および第2偏心部材に結合されている、出力部材と、
第1複数のローラおよび第2複数のローラであって、前記入力部材の回転が前記第1および第2偏心部材の回転をもたらすことにより、前記入力部材の前記回転が前記出力部材の回転を引き起こすように、前記第1複数のローラの各ローラは、前記第1、第2、第5、および、第6接触面と接触し、前記第2複数のローラの各ローラは、前記第3、第4、第7、および、第8接触面と接触しており、前記第1複数のローラの各ローラは、前記第1複数のローラの内の前記ローラの位置および回転を、前記第2複数のローラの内の対応するローラに対して、少なくとも1つの自由度に関して制約するそれぞれの中央平面制約要素を介して、前記第2複数のローラの内の前記対応するローラに結合されている、第1複数のローラおよび第2複数のローラと、
を備える、トランスミッション。
[適用例23]
適用例22に記載のトランスミッションであって、さらに、
第1カムであって、前記入力部材の回転が前記第1カムの回転をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第1偏心部材は、前記第1カムの回転が前記第1偏心部材の偏心運動をもたらすように前記第1カムに結合されている、第1カムと、
第2カムであって、前記入力部材の回転が前記第2カムの回転をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第2偏心部材は、前記第2カムの回転が前記第2偏心部材の偏心運動をもたらすように前記第2カムに結合されており、前記第1カムおよび第2カムは、前記入力部材の回転により、前記第1偏心部材および前記第2偏心部材が、170~190度だけ異なる位相のそれぞれの偏心運動を行うように、オフセットされて前記入力部材に結合されている、第2カムと、
を備える、トランスミッション。
[適用例24]
適用例22に記載のトランスミッションであって、前記第1複数のローラの内の特定のローラは、前記第1偏心部材の前記第1および第2接触面と接触する少なくとも2つの内向き接触面を有する、トランスミッション。
[適用例25]
適用例22に記載のトランスミッションであって、前記中央平面制約要素の内の特定の1つは、前記第1複数のローラの内の第1ローラと、前記第2複数のローラの内の第2ローラとに対応しており、前記特定の中央平面ローラならびに前記第1および第2ローラは、共に結合されている、トランスミッション。
[適用例26]
適用例22に記載のトランスミッションであって、前記中央平面制約要素の内の特定の1つは、前記第1複数のローラの内の第1ローラと、前記第2複数のローラの内の第2ローラとに対応しており、前記特定の中央平面制約要素は、(i)前記第1ローラに結合されている第1制約部分と、(ii)前記第2ローラに結合されている第2制約部分と、を備え、前記第1および第2制約部分は、第1回転軸を中心とした前記第1および第2ローラの間の相対回転を制約しつつ、前記第1回転軸と直交する第2および第3回転軸を中心とした前記第1および第2ローラの間の相対回転を許容しつつ、さらに、前記第1および第2ローラの間の相対並進を許容するそれぞれの形状を有する、トランスミッション。
[適用例27]
適用例22に記載のトランスミッションであって、前記中央平面制約要素の内の特定の1つは、前記第1複数のローラの内の第1ローラと、前記第2複数のローラの内の第2ローラとに対応しており、前記特定の中央平面制約要素は、前記特定の中央平面制約要素が、第1回転軸を中心とした前記第1および第2ローラの間の相対回転を制約しつつ、前記第1回転軸に沿った前記第1および第2ローラの間の相対並進を許容するように、前記第1および第2ローラにおける開口部内に配置されたロッドを備える、トランスミッション。
[適用例28]
適用例22に記載のトランスミッションであって、前記中央平面制約要素の内の特定の1つは、第1ローラおよび第2ローラを備え、前記入力部材の回転の結果として、前記第1ローラおよび前記第2ローラが、それぞれ、前記接地部材のさらなる接触面および前記第1偏心部材のさらなる接触面と接触して転がり運動を行うように、前記第1ローラは、前記接地部材の前記さらなる接触面と接触し、前記第2ローラは、前記第1偏心部材の前記さらなる接触面と接触している、トランスミッション。
[適用例29]
適用例28に記載のトランスミッションであって、前記特定の中央平面制約要素は、さらに、第3ローラを備え、前記入力部材の回転の結果として、前記第3ローラが、前記第2偏心部材のさらなる接触面と接触して転がり運動を行うように、前記第3ローラは、前記第2偏心部材の前記さらなる接触面と接触している、トランスミッション。
[適用例30]
適用例22に記載のトランスミッションであって、さらに、前記中央平面制約要素の位置を互いに対して維持するために、前記中央平面制約要素の各々と接触するケージを備える、トランスミッション。
[適用例31]
適用例30に記載のトランスミッションであって、さらに、前記第1複数のローラの位置を互いに対して維持するために、前記第1複数のローラの各ローラと接触するさらなるケージを備える、トランスミッション。
[適用例32]
適用例30に記載のトランスミッションであって、前記中央平面制約要素の内の特定の1つは、第1ローラを備え、前記入力部材の回転の結果として、前記ローラ軸受が、前記接地部材のさらなる接触面と接触して転がり運動を行うように、前記第1ローラは、前記接地部材の前記さらなる接触面と接触している、トランスミッション。
[適用例33]
適用例22に記載のトランスミッションであって、前記中央平面制約要素の内の特定の1つは、前記接地部材のさらなる接触面とギア接触している、トランスミッション。
[適用例34]
適用例22に記載のトランスミッションであって、さらに、前記出力部材の接触面ならびに前記第1および第2偏心部材のさらなる接触面と転がり接触する2以上のピンを備え、前記出力部材は、前記2以上のピンを介して前記第1および第2偏心部材に結合されている、トランスミッション。
[適用例35]
適用例22に記載のトランスミッションであって、さらに、前記第1複数のローラの位置を互いに対して維持するために、前記第1複数のローラの各ローラと接触するケージを備える、トランスミッション。
[適用例36]
適用例35に記載のトランスミッションであって、前記ケージは、前記接地部材のさらなる接触面および前記第1偏心部材のさらなる接触面とそれぞれ転がり接触する第1および第2接触面を備える、トランスミッション。
[適用例37]
トランスミッションであって、
入力部材と、
第1偏心部材であって、前記入力部材の回転が前記第1偏心部材の偏心運動をもたらすように前記入力部材に結合されている、第1偏心部材と、
第2偏心部材であって、前記入力部材の回転が前記第1偏心部材の前記偏心運動と同じ位相で前記第2偏心部材の偏心運動をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第1および第2偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定するそれぞれの第1および第2接触面を有する、第2偏心部材と、
第3偏心部材であって、前記入力部材の回転が前記第3偏心部材の偏心運動をもたらすように前記入力部材に結合されており、前記第3偏心部材は、一連の可変幅切り抜き部を規定する第3および第4接触面を有し、前記第3偏心部材は、前記第1偏心部材と前記第2偏心部材との間に配置されている、第3偏心部材と、
(i)一連の可変幅切り抜き部を規定する第5および第6接触面、ならびに、(ii)一連の可変幅切り抜き部を規定する第7および第8接触面、を有する接地部材と、
出力部材であって、前記第1、第2、および、第3偏心部材の回転が前記出力部材の回転をもたらすように前記第1、第2、および、第3偏心部材に結合されている、出力部材と、
第1複数のローラおよび第2複数のローラであって、前記入力部材の回転が前記第1および第2偏心部材の回転をもたらすことにより、前記入力部材の前記回転が前記出力部材の回転を引き起こすように、前記第1複数のローラの各ローラは、前記第1、第2、第5、および、第6接触面と接触し、前記第2複数のローラの各ローラは、前記第3、第4、第7、および、第8接触面と接触しており、前記第1複数のローラの各ローラは、前記第1複数のローラの内の前記ローラの位置および回転を、前記第2複数のローラの内の対応するローラに対して、少なくとも1つの自由度に関して制約するそれぞれの中央平面制約要素を介して、前記第2複数のローラの内の前記対応するローラに結合されている、第1複数のローラおよび第2複数のローラと、
を備える、トランスミッション。
[適用例38]
適用例37に記載のトランスミッションであって、前記第1複数のローラの内の特定の第1ローラは、前記第1および第5接触面と接触する第1ハーフローラと、前記第2および第6接触面と接触する第2ハーフローラとを備え、前記第1および第2ハーフローラは、前記第1および第2ハーフローラの間の軸方向の間隔を維持するよう構成された引張部材によって共に結合されている、トランスミッション。
[適用例39]
適用例38に記載のトランスミッションであって、前記引張部材は、前記特定の第1ローラに対応する前記中央平面制約要素の内の特定の1つの一部であり、前記特定の中央平面制約要素は、さらに、前記第2複数のローラの内の特定の第2ローラに対応し、前記引張部材は、前記引張部材が、第1回転軸を中心とした前記特定の第1ローラおよび特定の第2ローラの間の相対回転を制約しつつ、前記第1回転軸に沿った前記特定の第1ローラおよび特定の第2ローラの間の相対並進を許容するように、前記特定の第2ローラにおける開口部内に配置されている、トランスミッション。
[適用例40]
適用例37に記載のトランスミッションであって、前記中央平面制約要素の内の特定の1つは、第1ローラおよび第2ローラを備え、前記入力部材の回転の結果として、前記第1ローラおよび前記第2ローラが、それぞれ、前記接地部材のさらなる接触面および前記第3偏心部材のさらなる接触面と接触して転がり運動を行うように、前記第1ローラは、前記接地部材の前記さらなる接触面と接触し、前記第2ローラは、前記第3偏心部材の前記さらなる接触面と接触している、トランスミッション。
[適用例41]
適用例40に記載のトランスミッションであって、前記特定の中央平面制約要素は、さらに、第3ローラを備え、前記入力部材の回転の結果として、前記第3ローラが、前記第1偏心部材のさらなる接触面と接触して転がり運動を行うように、前記第3ローラは、前記第1偏心部材の前記さらなる接触面と接触している、トランスミッション。
[適用例42]
適用例37に記載のトランスミッションであって、さらに、前記中央平面制約要素の位置を互いに対して維持するために、前記中央平面制約要素の各々と接触するケージを備える、トランスミッション。
[適用例43]
適用例37に記載のトランスミッションであって、前記中央平面制約要素の内の特定の1つは、第1ローラを備え、前記入力部材の回転の結果として、前記第1ローラが、前記接地部材のさらなる接触面と接触して転がり運動を行うように、前記第1ローラは、前記接地部材の前記さらなる接触面と接触している、トランスミッション。
[適用例44]
適用例37に記載のトランスミッションであって、さらに、前記第1複数のローラの位置を互いに対して維持するために、前記第1複数のローラの各ローラと接触するケージを備える、トランスミッション。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図7
図8A
図8B