(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】小出し器具ならびにその製造方法および使用方法
(51)【国際特許分類】
B65D 83/68 20060101AFI20240222BHJP
B65D 81/32 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
B65D83/68 120
B65D81/32 V
(21)【出願番号】P 2022546688
(86)(22)【出願日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 US2021015385
(87)【国際公開番号】W WO2021154918
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-09-26
(32)【優先日】2020-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522304361
【氏名又は名称】オーバー ザ トップ フーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】ラッコウ トレイシー
(72)【発明者】
【氏名】ジトマー ロリ
(72)【発明者】
【氏名】ハーマン エリッサ
(72)【発明者】
【氏名】シェック ロビン
(72)【発明者】
【氏名】リンドバーグ ブレント
(72)【発明者】
【氏名】ショート マーティン
(72)【発明者】
【氏名】クロフト ロバート
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-175061(JP,U)
【文献】実開昭58-061774(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0277928(US,A1)
【文献】米国特許第03896971(US,A)
【文献】米国特許第03946906(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/68
B65D 83/66
B65D 81/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具であって、
第1の量の物質の入った容器を有し、
開口端部分、内部空所、および側壁を備えたノズルを有し、前記側壁は、開口部を有し、前記内部空所は、前記開口部と流体連通状態にあり、
プレート、ドーム、および弁を備えたポッドを有し、前記プレートは、前記弁を担持し、前記プレートは、前記ドームに固定され、前記ポッドは、前記プレートと前記ドームとの間に第2の量の物質を入れることができ、前記ポッドは、前記プレートが前記側壁に沿って延びかつ前記弁が前記開口部を通って前記内部空所と流体連通関係をなすよう前記側壁に固定され、前記内部空所が前記第1の量の物質を受け入れると、前記第2の量の物質は、前記弁を経て前記内部空所中に導入され、前記ドームは、前記側壁に向かって圧迫され、その結果、前記第1の量の物質が前記内部空所内の前記第2の量の物質と混合し、それにより、前記開口端部分から導出される第3の量の物質が作られる、器具。
【請求項2】
前記ポッドは、前記プレートが前記側壁に沿って延びかつ前記弁が前記開口部を通って前記内部空所と流体連通関係をなすよう前記側壁に取り外し可能に固定されている、請求項1記載の器具。
【請求項3】
前記ポッドは、前記プレートが前記側壁に沿って延びかつ前記弁が前記開口部を通って前記内部空所と流体連通関係をなすよう前記側壁に永続的に固定されている、請求項1記載の器具。
【請求項4】
前記弁は、逆止弁である、請求項1記載の器具。
【請求項5】
前記逆止弁は、ダックビル形弁である、請求項4記載の器具。
【請求項6】
前記弁は、第1の弁であり、前記ポッドは、前記プレートによって担持された第2の弁を有し、前記第2の弁は、第4の量の物質を受け入れるよう構成され、前記ドームは、前記第2の弁からの前記第4の量の物質の受け入れに応答して圧迫された後、元の形に戻る、請求項1記載の器具。
【請求項7】
前記第4の量の物質は、ある量の周囲空気である、請求項6記載の器具。
【請求項8】
前記第4の量の物質は、前記容器の外部に存在する、請求項6記載の器具。
【請求項9】
前記第4の量の物質は、前記ノズルの外部に存在する、請求項6記載の器具。
【請求項10】
前記第1の弁および前記第2の弁の少なくとも一方は、逆止弁である、請求項6記載の器具。
【請求項11】
前記逆止弁は、ダックビル形弁である、請求項10記載の器具。
【請求項12】
前記第1の弁および前記第2の弁の各々は、逆止弁である、請求項6記載の器具。
【請求項13】
前記逆止弁は、ダックビル形弁である、請求項12記載の器具。
【請求項14】
前記ドームは、弾性または形状記憶性を有する材料から成る、請求項1記載の器具。
【請求項15】
前記第1の量の物質は、食用である、請求項1記載の器具。
【請求項16】
前記第1の量の物質は、クリーム、オイル、フォーム、液体、気体、ペースト、またはゲルのうちの少なくとも1つを含む、請求項15記載の器具。
【請求項17】
前記第2の量の物質は、前記第1の量の物質の光学的性質、機械的性質、化学的性質、電気的性質、熱的性質、香り、または質感のうちの少なくとも1つを追加し、除去し、または改変するよう構成されている、請求項16記載の器具。
【請求項18】
前記第1の量の物質は、食用ではない、請求項1記載の器具。
【請求項19】
前記第1の量の物質は、クリーム、オイル、フォーム、液体、気体、ペースト、またはゲルのうちの少なくとも1つを含む、請求項18記載の器具。
【請求項20】
前記第2の量の物質は、前記第1の量の物質の光学的性質、機械的性質、化学的性質、電気的性質、熱的性質、香り、または質感のうちの少なくとも1つを追加し、除去し、または改変するよう構成されている、請求項19記載の器具。
【請求項21】
前記容器は、缶である、請求項1記載の器具。
【請求項22】
前記容器は、絞れるチューブである、請求項1記載の器具。
【請求項23】
前記第2の量の物質は、前記ノズルが前記容器に対して傾けられたことに基づいて前記内部空所が前記第1の量の物質を受け入れると、前記弁を経て前記内部空所中に導入され、前記ドームは
、前記側壁に向かって圧迫され、その結果、前記第1の量の物質が前記内部空所内の前記第2の量の物質と混合し、それにより、前記開口端部分から導出される第3の量の物質が作られる、請求項1記載の器具。
【請求項24】
前記第2の量の物質は、前記ノズルが前記容器に対して押圧されたことに基づいて前記内部空所が前記第1の量の物質を受け入れると、前記弁を経て前記内部空所中に導入され、前記ドームは
、前記側壁に向かって圧迫され、その結果、前記第1の量の物質が前記内部空所内の前記第2の量の物質と混合し、それにより、前記開口端部分から導出される第3の量の物質が作られる、請求項1記載の器具。
【請求項25】
前記開口端部分は、第1の開口端部分であり、前記ノズルは、第2の開口端部分を有し、前記ノズルは、前記第3の量の物質が前記第1の開口端部分または前記第2の開口端部分のうちの少なくとも一方から選択的に導出されるよう前記容器に対して選択的に回転可能である、請求項1記載の器具。
【請求項26】
前記容器に固定されたオーバーキャップをさらに有し、前記オーバーキャップは、前記ポッドが前記側壁に固定されると、前記ノズルおよび前記ポッドを用意し、前記プレートは、前記側壁に沿って延びかつ前記弁は、前記開口部を通って前記内部空所と流体連通関係をなすようになっている、請求項1記載の器具。
【請求項27】
前記オーバーキャップは、半透明か透明かのいずれか一方である、請求項26記載の器具。
【請求項28】
前記ノズルは、前記内部空所内を延びるバッフルを有し、前記バッフルは、前記内部空所が前記第1の量の物質を受け入れかつ前記ドームが前記側壁に向かって圧迫された時点で、前記第2の量の物質が前記弁を経て前記内部空所中に導入された後、前記第1の量の物質と前記第2の量の物質を前記内部空所内で混合し、それにより、前記開口端部分から導出される前記第3の量の物質が作られる、請求項1記載の器具。
【請求項29】
前記容器と前記ノズルは、互いに分離しかつ別々である、請求項1記載の器具。
【請求項30】
前記第1の量の物質は、気体と物体の混合物である、請求項1記載の器具。
【請求項31】
器具であって、
第1の量の物質の入った容器を有し、
前記容器に固定された頂部分を有し、前記頂部分は、ルーフ部分および小出しポートを備え、
第2の量の物質の入ったポッドを有し、前記ポッドは、(a)前記頂部分が前記容器と前記ポッドとの間に延び、かつ(b)前記ポッドが前記頂部分に向かって押圧されたことに基づいて、前記頂部分内の第1の量の物質および前記第2の量の物質により第3の量の物質が作られたときに前記小出しポートが該第3の量の物質を導出するように構成されるよう前記
ルーフ部分上に設けられ、
前記ポッドが前記頂部分に向かって押圧されたことに基づいて、前記第2の量の物質を前記ポッドから前記頂部分中に導入するよう構成された弁を有する、器具。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
〔関連出願の参照〕
本願は、2020年1月29日に出願された米国特許仮出願第62/967,258号および2020年7月14日に出願された米国特許仮出願第63/051,522号の優先権主張出願であり、これら米国特許仮出願の各々を参照により引用し、全ての目的についてその記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0002】
ユーザは、缶から小出し(分取)可能なホイップクリームの色、香り、または口当たり(または質感)を選択的に変えたいと望む場合がある。しかしながら、ユーザは、そのようにすることができない場合があり、と言うのは、缶は、固定されていてカスタマイズできないノズルを備えているからである。したがって、ノズルは、一度にただ一つの色、香り、または口当たりを持つホイップクリームを小出しし、この場合、ユーザは、色、香り、または口当たりを選択的に変えることができない。ヘアケア(髪の手入れ)製品や口腔ケア(歯の手入れ)製品の中には、小出し中に複数の着色ジェルまたは液体をスワールする(層状渦巻き状態で出す)よう作られているものがあるが、缶からホイップクリームを小出しするためのかかる技術の存在は、知られていない。
【発明の概要】
【0003】
一般に、本開示は、種々の状況(例えば、食品、パーソナルケア製品、美容製品、建造品)で使用できる種々の小出しまたは分取器具ならびにその製造方法および使用方法を提供することができる。小出し器具は、第1の内容物(例えば、ある量の物質)の入った種々のポッド、バッグ、パウチ、バルーン、または他の格納形態を含むことができ、第1の内容物は、第2の内容物(例えば、ある量の物質)の入った容器またはノズル中に導入されるよう作られ、その結果、第1の内容物は、容器またはノズル内の第2の内容物と混ざり合うことができ、それにより容器またはノズルから小出しされる第3の内容物が作られる。例えば、これらの形態により、ユーザは、第1の内容物により第2の内容物の、あるいは第2の内容物により第1の内容物の性質(例えば、光学的性質、機械的性質、化学的性質、電気的性質、熱的性質、色、香り、質感)を選択的に追加し、除き、改変し、または変化させることができる。
【0004】
一実施形態では、器具は、第1の量の物質の入った容器と、開口端部分、内部空所、および側壁を備えたノズルとを有し、側壁は、開口部を有し、内部空所は、開口部と流体連通状態にあり、器具は、プレート、ドーム、および弁を備えたポッドをさらに有し、プレートは、弁を担持し、プレートは、ドームに固定され、ポッドは、プレートとドームとの間に第2の量の物質を入れることができ、ポッドは、プレートが側壁に沿って延びかつ弁が開口部を通って内部空所と流体連通関係をなすよう側壁に固定され、内部空所が第1の量の物質を受け入れると、第2の量の物質は、弁を経て内部空所中に導入され、ドームは、側壁に向かって圧迫され、その結果、第1の量の物質が内部空所内の第2の量の物質と混合し、それにより、開口端部分から導出される第3の量の物質が作られる。
【0005】
一実施形態では、器具がクリームと気体の混合物を入れた缶と、缶に結合されたステムと、ステムにかぶさったガスケットと、バッフルおよび小出し先端部を含むノズルとを有し、ノズルは、ガスケットにかぶさり、ノズルは、缶と流体連通状態にあり、器具は、作用剤(agent)の入ったバッグを有し、バッグは、ステムに固定され、缶は、バッグを入れることができ、クリームと気体の混合物は、ガスケットに入るよう案内され、作用剤は、ステムが缶に対して傾けられていることに基づいてステム中に入るよう案内され、その結果、クリームと気体の混合物がバッフルを介して作用剤と混ぜ合わされ、そして小出し先端部を経て導出されるようになっている。
【0006】
一実施形態では、器具が、クリームと気体の混合物の入った缶と、側壁、内側チャンバ、および小出し先端部を備えたノズルを有し、側壁は、開口部を有し、内側チャンバは、開口部と流体連通状態にあり、ノズルは、缶と流体連通状態にあり、器具は、側壁を介して担持されたポッドを有し、ポッドは、作用剤を入れることができ、ポッドは、弁を有し、弁は、開口部と流体連通状態にあり、弁は、作用剤をクリームと気体の混合物が内側チャンバにある間に作動されるポッドに基づいて内側チャンバ中に導入し、その結果、作用剤は、内側チャンバ内のクリームと気体の混合物と混ぜ合わされ、次に小出し先端部を経て導出されるようになっている。
【0007】
一実施形態では、器具がクリームと気体の混合物の入った缶と、缶に固定されたベースとを有し、ベースは、缶と流体連通状態にある内側チャネルを有し、器具は、複数の内側チャンバおよび複数の小出し先端部を備えたノズルを有し、内側チャンバは、小出し先端部と一対一の流体連通状態にあり、小出し先端部は、幾何学的に互いに異なっており、ノズルは、ベースに固定され、ノズルは、ベースに対して選択的に回転するよう構成され、それにより内側チャネルは、内側チャンバのうちの1つと選択的に流体連通関係をなし、クリームと気体の混合物は、内側チャネルが内側チャンバのうちの1つと流体連通状態にあるときに小出し先端部のうちの1つから導出される。
【0008】
一実施形態では、器具がクリームと気体の混合物の入った缶と、側壁を備えたノズルチューブとを有し、側壁は、第1の開口部を有し、器具は、第2の開口部と第3の開口部を備えた第1のプレートを有し、第1の開口部は、第2の開口部と同軸であり、器具は、第4の開口部および第5の開口部を備えた第2のプレートを有し、第2の開口部は、第4の開口部と同軸でありかつ第3の開口部は、第5の開口部と同軸であり、第1のプレートは、側壁と第2のプレートとの間に延び、器具は、第2の開口部および第4の開口部と流体連通状態にある第1の弁と、第3の開口部および第5の開口部と流体連通状態にある第2の弁と、側壁に固定されたドームとを有し、第1のプレートおよび第2のプレートは各々、側壁とドームとの間に延び、第2のプレートは、ドームと第1のプレートとの間に延び、ドームは、作用剤を入れることができ、ドームは、第1の状態と第2の状態の間で変形可能であり、作用剤は、クリームと気体の混合物がノズルチューブ内にある間に、ドームが第1の状態から第2の状態に押圧されると、第1の弁または第2の弁を経てドームから第1の開口部を通ってノズルチューブ中に導入され、その結果、作用剤は、ノズルチューブ内のクリームと気体の混合物と混ぜ合わされ、次にノズルチューブから導出され、第1の弁または第2の弁により、ドームは、ドームが押されていない場合には第2の状態から第1の状態に戻ることができる。
【0009】
一実施形態では、器具がバッグおよびクリームと気体の混合物を入れた缶を有し、バッグには作用剤が入っており、器具は、缶に固定されかつバッグと流体連通状態にある第1の弁と、缶に固定されかつクリームと気体の混合物と流体連通状態にある第2の弁と、小出し端部分を備えたノズルチューブとを有し、ノズルチューブは、缶と小出し端部分との間に延びる内部空所を有し、器具は、内部空所を第1のチャンバと第2のチャンバに仕切る壁を有し、壁から第1の空所中に延びる複数のバッフルが設けられ、第1の弁は、作用剤を第1のチャンバ中に導入し、第2の弁は、クリームと気体の混合物をノズルチューブが作動されたことに応答して第1のチャンバおよび第2のチャンバ中に導入し、その結果、バッフルは、作用剤を第1のチャンバ内のクリームと気体の混合物と混ぜ合わせて、作用剤およびクリームと気体の混合物を小出し端部分に向かって案内して小出し端部分のところで第2のチャンバからのクリームと気体の混合物と出会うようにする。
【0010】
一実施形態では、器具がクリームと気体の混合物の入った缶と、缶に固定されかつ缶と流体連通状態にある第1の管状部材とを有し、第1の管状部材は、第1の壁および第1の壁から延びる複数のリーフを有し、第1の壁は、互いに間隔を置いて設けられかつリーフと缶との間に延びる複数の螺旋突出部を備えた外側部を有し、器具は、第1の管状部材にかぶさった第2の管状部材を有し、第2の管状部材は、第2の壁および第3の壁を有し、第2の壁は、互いに間隔を置いて配置されかつ第3の壁と缶との間に延びる複数の螺旋窪みを備えた内側部を有し、リーフは、第2の管状部材が螺旋窪みと嵌合している螺旋突出部により第1の管状部材回りに次第にまたは小刻みに回転することに基づいて第3の壁によって押圧されながら弾性的にまたは弾力的に撓みまたは曲がり、その結果、クリームと気体の混合物がリーフ相互間で制御可能に導出されるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る第1のディスペンサの一実施形態を示す図である。
【
図2】本発明に係る第2のディスペンサの一実施形態を示す図である。
【
図3】本発明に係る第3のディスペンサの一実施形態を示す図である。
【
図4】本発明に係る第4のディスペンサの一実施形態を示す図である。
【
図5】本発明に係る第5のディスペンサの一実施形態を示す図である。
【
図6】本発明に係る第6のディスペンサの一実施形態を示す図である。
【
図7】本発明に係る第7のディスペンサの一実施形態を示す図である。
【
図8】本発明に係る第8のディスペンサの一実施形態を示す図である。
【
図9】本発明に係る複数の出力パターンの複数の実施形態を示す図である。
【
図10】本発明に係る第10のディスペンサの一実施形態を示す図である。
【
図11】本発明に係るコンパートメントを備えた缶の一実施形態を示す図である。
【
図12】本発明に係る缶の一実施形態、小出しチューリップ(チューリップ形小出し部)を備えたノズルの一実施形態、および小出しクラウンを備えた真っ直ぐな形をしたノズルの一実施形態を示す図である。
【
図13】各々が本発明に従って種々の場所に固定されたポッドを有する1組の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一般的に、本開示は、種々の小出し(または分取)器具およびその製造および使用の種々の方法に関する。小出し器具は、第1の内容物(例えば、ある量の物質)の入った種々のポッド、バッグ、パウチ、バルーン、または他の格納形態を含むことができ、第1の内容物は、第2の内容物(例えば、ある量の物質)の入った容器またはノズル中に導入されるよう作られ、その結果、第1の内容物は、容器またはノズル内の第2の内容物と混ざり合うことができ、それにより容器またはノズルから小出しされる第3の内容物が作られる。例えば、これらの形態により、ユーザは、第1の内容物により第2の内容物の、あるいは第2の内容物により第1の内容物の性質(例えば、光学的性質、機械的性質、化学的性質、電気的性質、熱的性質、色、香り、質感)を選択的に追加し、除き、改変し、または変化させることができる。例えば、小出し器具が第1の内容物を蓄えるポッド(例えば、変形可能な弾性ドームを備える)を有し、ポッドは、容器に固定されたノズル(例えば、その側壁)に固定され(例えば、取り外し可能に、永続的に)、次に、ポッドは、容器内に蓄えられている第2の内容物がノズルを通って導出されると、第1の内容物と第2の内容物の微小量投与を可能にする。この微小量投与は、第2の内容物の性質を追加し、除去し、改変し、または変化させること(例えば、色を追加すること、香りを引き立てること、質感を変えること)によって、そのユーザによる品物のカスタマイズ化を可能にし、それにより付加価値がユーザに提供される。例えば、ポッドは、容器またはノズルからスナップ動作で着脱することができ(または違ったやり方で取り外し可能に固定することができ)、そしてポッドに代えて新たなポッド(または異なる形態、異なる形状、異なる寸法、または異なる内容物の一格納形態)を用いて多数回使用または再使用可能性もしくはカスタマイズ化を可能にする(ただし、1回使用が可能である)。例えば、小出し器具を本明細書において開示するように、容器またはノズルに固定する場合、この固定形態は、食品安全性(人間または動物による消費について適合する場合)を保証しまたは交差汚染を最小限にしもしくはなくす(人間または動物による消費に適合する場合の食品安全性を最大にするため)ようなものであるのが良い。例えば、これら小出し器具は、容器または容器に結合されたノズル(例えば、機械的に、流動的に、熱的に、磁気的に、摩擦嵌め、電気的に、締結具によって、嵌合により、インターロック可能に、取り外し可能に、永続的に)からのまたはこれらの中への流体、液体、気体、フォーム、ゲル(またはジェル)、コロイド、懸濁液、粒子、ペースト、または他の物質の塊状体を小出しするために容器(例えば、缶、絞れるチューブ、シリンジ、エアゾール)に結合されるのが良く(例えば、機械的に、流体的に、熱的に、磁気的に、摩擦嵌め、電気的に、締結具によって、嵌合により、インターロック可能に、取り外し可能に、永続的に)、これは、これら物質の塊状体が人間による消費に適しているか適していないかを問わず、またこれら物質の塊状体が食用であるか非食用であるかを問わず、そのように行われる。例えば、これら物質の塊状体のうちの何割かは、ある量のクリーム(または本明細書において開示する他の内容物)を含むのが良く、あるクリーム中には、脂溶性に基づいて、亜酸化窒素ガス(または二酸化炭素もしくは別の天然または人工ガス)が溶解されまたは今夕されている。したがって、ある量のクリームは、亜酸化窒素ガスを含んだ状態で、周囲大気室内圧力よりも高い圧力下で入れることができる。したがって、ある量のクリームが亜酸化窒素ガスとともに周囲大気室内圧力の環境に放出され、排出され、案内され、または違ったやり方で導出されると(例えば、弁を経て)、亜酸化窒素ガスは、膨張し、それによりある量のクリームをホイップし、発泡させ、泡立たせ、またはふんわりしたように見せる(圧力減少および亜酸化窒素ガスの泡立ちまたは沸騰に起因して)。この放出は、本明細書において開示するように種々の小出し器具を介して起こることができる。例えば、これらの小出し器具のうちの幾つかは、ノズルに対する改造策を提供することができる。例えば、これらの小出し器具のうちの幾つかは、缶または弁に対する改造策を提供することができる。例えば、これら小出し器具のうちの幾つかにより、ユーザは、スワールまたはリボン効果(または、別の幾何学的効果)の際に使用ごとに複数の香りまたは色を持つある量のホイップクリームを選択的に小出しすることができる。例えば、これらの小出し器具のうちの幾つかにより、ユーザは、着色剤(例えば、流体、液体、気体、フォーム、ゲル、コロイド、懸濁液、粒子)または香料添加剤(例えば、流体、液体、気体、フォーム、ゲル、コロイド、懸濁液、粒子)のどれほど多くを小出しすることができるかを選択的に調節しまたはカスタマイズすることができる。例えば、これら小出し器具のうちの幾つかにより、ユーザは、装飾用アイシングディスペンサとほぼ同じであるのが良い回転パイピングノズルを介してある量のホイップクリームの一質感形態を選択的に調節しまたはカスタマイズすることができる。
【0013】
例えば、本明細書において開示するような種々のポッド、バッグ、パウチ、バルーン、または他の格納形態もしくは容器(例えば、缶)は、非酸性水溶液(たとえば、ココア、ブリーチ剤)であれ酸性水溶液(例えば、ジュース、コーラ)であれいずれにせよ、水を主成分とする物質を入れることができる。例えば、本明細書において開示するような、種々のポッド、バッグ、パウチ、バルーン、または他の格納形態もしくは容器(例えば、缶)は、エステ用エンハンサ(例えば、カラー、フレーバー、アロマティックス、香水、アロマテラピー、芳香剤、洗浄剤)を入れることができる。例えば、本明細書において開示するような、種々のポッド、バッグ、パウチ、バルーン、または他の格納形態もしくは容器(例えば、缶)は、アルコール(例えば、手指消毒剤、液剤、スキンケア用の収斂剤、洗浄剤)を入れることができる。例えば、本明細書において開示するような、種々のポッド、バッグ、パウチ、バルーン、または他の格納形態もしくは容器(例えば、缶)は、パウダー(例えば、ビタミンパック、ドライカラー、ドライフレーバー、甘味料、ミルク、洗浄剤)を入れることができる。例えば、本明細書において開示するような、種々のポッド、バッグ、パウチ、バルーン、または他の格納形態もしくは容器(例えば、缶)は、油を主成分とする物質(例えば、燃料、化粧品、シェービングエイド、カンナビジオール、洗浄剤)を入れることができる。例えば、本明細書において開示するような、種々のポッド、バッグ、パウチ、バルーン、または他の格納形態もしくは容器(例えば、缶)は、機能性成分(例えば、ビタミン、ミネラル、栄養補助食品、ハーブ系サプリメント、筋肉増強用サプリメント、機能増強剤、アロエ、薬用成分、害虫駆除剤)を入れることができる。例えば、本明細書において開示するような、種々のポッド、バッグ、パウチ、バルーン、または他の格納形態もしくは容器(例えば、缶)は、流体、液体、気体、ゲル、ペースト、フォーム、接着剤、ある量の粒子、コロイド、懸濁液、または他形態の物質を入れることができる。例えば、本明細書において開示するような、種々のポッド、バッグ、パウチ、バルーン、または他の格納形態もしくは容器(例えば、缶)は、クリーム(例えば、乳製品ベース、乳糖ベース、非乳製品ベース)、水を主成分とする溶液(例えば、ソーダ)、油を主成分とする溶液(例えば、日焼け止めローション)、スキンクリーム(例えば、化粧水、保湿剤)、塗料、殺菌剤、消毒剤、モータ油、潤滑剤、ゲル(例えば、シェービングジェル)、フォーム、ブリーチ、害虫駆除剤、芳香剤、グルー、または他形態の物質を入れることができる。本開示は、多種多様な形態で具現化でき、必ずしも、本明細書に開示する種々の実施形態に限定されるものと解されてはならないことに注目されたい。これとは異なり、これら実施形態は、本開示が徹底的であって完全であり、そして本開示の種々の技術的思想を当業者に十分に伝えるよう提供されている。
【0014】
本明細書または原文明細書において用いられる種々の用語は、直接的または間接的、全体または部分、一時的または永続的、活動または不活動を意味する場合がある。例えば、一要素が別の要素に“on”(訳文では「~に設けられ」としている場合がある)、“connected”(「連結され」)、または“coupled ”(「結合され」)と称される場合、当該一要素は、別の要素に直接設けられ、直に連結され、または直に結合される場合があり、あるいは介在要素が存在する場合があり、かかる介在要素としては、間接的または直接的な形態が挙げられる。これとは対照的に、一要素が別の要素に「直接的に連結され」または「直接的に結合され」ると呼ばれる場合、介在要素は存在しない。
【0015】
原文明細書で用いられる、種々の単数形“a”、“an”および“the”は、別段の明示の指定がなければ、種々の複数形をも含むようになっている。
【0016】
原文明細書で用いられる“comprise”(訳文では「~を有する」としている場合が多い)、“includes”(「~を含む」)または“comprising”、“including”という種々の表現は、原文明細書で用いられる場合、記載された特徴、整数、ステップ、作用、要素、またはコンポーネントの存在を指定しているが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、作用、要素、コンポーネント、またはこれらのグループの存在または追加を排除するものではない。
【0017】
本明細書で用いられる「または」は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を意味するようになっている。すなわち、別段の指定がなければ、または文脈から明らかではない場合、「XがAまたはBを採用する」という表現は、1組の自然な包括的な並び替えのうちの任意のものを意味するようになっている。すなわち、XがAを採用し、XがBを採用し、またはXがAとBの両方を採用する場合、「XがAまたはBを採用する」という表現が上記の場合のうちの任意のものにおいて満たされる。
【0018】
本明細書で用いられる「またはその他」、「組み合わせ」、「組み合わせに関する」、または「~の組み合わせ」という表現は、その用語の前に位置する列挙されたアイテムの全ての順列および組み合わせを意味している。例えば、「A、B、C、またはこれらの組み合わせ」は、A、B、C、AB、AC、BC、またはABCのうちの少なくとも1つを含むようになっており、また特定の前後関係において順序が重要である場合、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、またはCABを含むようになっている。この例に続き、1つ以上のアイテムまたは用語の繰り返し、例えば、BB、AAA、AB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなどを含む組み合わせが明示的に含まれる。当業者の理解によれば、典型的には、文脈上明らかでない場合には、任意の組み合わせにおけるアイテムまたは用語の数には制限はない。
【0019】
本明細書で用いられるように、別段の規定がなければ、本明細書で用いられる全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明と関連した当業者によって共通して理解されるのと同一の意味を有する。種々の用語、例えば一般的に用いられている辞書に定義されているような用語は、関連分野における意味と一致した意味を有するものとして解されるべきであり、明示的にそのように記載されていない場合には、理想化されまたは過剰に堅苦しい意味で解されるべきではない。
【0020】
本明細書で用いられる相対的な用語、例えば「~の下」、「下方(または下側)」、「~の上」、および「上方(または上側)」は、本明細書においては、一要素の別の要素に対する関係を、組をなす添付の例示の図面に示されているものとして説明するために用いられているといえる。かかる相対的な用語は、組をなす添付の例示の図面に記載された向きに加えて、図示の技術の種々の向きを包むものである。例えば、組をなす添付の例示の図面中の器具が逆さまにされた場合、他の要素の「下方」側に位置するものとして説明された種々の要素は、この場合、他の要素の「上方」側に差し向けられる。同様に、図示の図のうちの1つに記載された器具が逆さまにされた場合、他の要素の「下方」または「下」として説明された種々の要素は、他の要素の「上方」に向けられる。したがって、種々の例示の用語「~の下」および「下方」は、上下両方の向きを含むことができる。
【0021】
本明細書で用いられる「約」または「実質的に」という用語は、見掛けの値/用語からの±10%のばらつきを意味している。かかるばらつきに具体的に言及しているかどうかにかかわらず、かかるばらつきは、本明細書に提供されている任意所与の値/用語に常に含まれる。
【0022】
ある特定の実施形態に関して説明された特徴は、種々の幾つかの実施形態中にまたはこれら実施形態と任意の順列的または組み合わせ方式で組み合わせ可能である。本明細書において開示する例示の実施形態の種々の観点または要素は、同様な仕方で組み合わせ可能である。
【0023】
「第1」、「第2」、「第3」などの種々の用語は、本明細書においては、種々の要素、コンポーネント、領域、層、または区分を説明するために用いられる場合があるが、これらの要素、コンポーネント、領域、層、または区分は、必ずしも、かかる用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、一要素、一コンポーネント、一領域、一層、または一区分を別の要素、別のコンポーネント、別の領域、別の層、または別の区分から区別するために用いられている。かくして、以下に説明する第1の要素、第1のコンポーネント、第1の領域、第1の層、または第1の区分を、本開示の種々の教示から逸脱することなく、第2の要素、第2のコンポーネント、第2の領域、第2の層、または第2の区分と称することができる。
【0024】
ある特定の例示の実施形態に関して説明した特徴は、種々の他の例示の実施形態中にコンビネーションおよびサブコンビネーションとして組み込むことができ、または種々の例示の実施形態とコンビネーションおよびサブコンビネーションをなすことができる。また、本明細書において開示する例示の実施形態の種々の観点または要素もまた同様な仕方でコンビネーションおよびサブコンビネーションとして結合することができる。さらに。幾つかの例示の実施形態は、個別的にであれまとめてであれいずれにせよ、大きなシステムのコンポーネントであって良く、この場合、他の手順は、これらの用途に優先する場合があり、または違ったやり方でこれらの用途を改変することができる。さらに、本明細書において開示する、例示の実施形態の前に、後に、または同時に、多くのステップが必要な場合がある。注目すべきこととして、任意のものまたは全ての方法またはプロセスは、少なくとも本明細書において開示しているように、少なくとも1つの要素により任意の仕方で少なくとも部分的に実施できる。
【0025】
本発明の例示の実施形態について本発明の理想化された実施形態(および中間構造体)の例示を参照して本明細書において説明する。したがって、例えば製造技術または製造公差の結果として種々の例示の形状からのばらつきが予想される。かくして、本発明の種々の例示の実施形態は、本明細書において図示した領域の種々の特定の形状には必ずしも限定されるものとして解されてはならず、例えば製造の結果として生じる形状のばらつきを含むものとする。
【0026】
任意または全ての要素は、本明細書に開示するように、同一の構造的に連続した部品から形成でき、例えば一体型であり、または別々に製造されまたは連結され、例えば組立体またはモジュールである場合がある。任意のまたは全ての要素は、本明細書に開示さするように、アディティブ・マニュファクチャリングであれ、サブトラクティブ・マニュファクチャリングであれ、他の任意の形式のマニュファクチャリングであれいずれにせよ、任意の製造プロセスにより製造できる。例えば、幾つかの製造プロセスは、3次元(3D)印刷、レーザー切断、コンピュータ数値制御ルーティング、フライス加工、プレス加工、スタンピング、真空成形、ハイドロフォーミング法、射出成形、リソグラフィなどを含む。
【0027】
図1は、本発明に係る第1のディスペンサの一実施形態を示している。具体的に説明すると、第1のディスペンサ100は、ある量のクリーム(以下、単に「クリーム」という場合がある)を蓄えた缶102を有し、亜酸化窒素ガス(または二酸化炭素または別の天然もしくは人工ガス)が脂溶性に基づいてこのクリーム中に溶解されまたは混ぜ込まれている。したがって、クリームは、亜酸化窒素ガスと共に周囲大気室内圧力よりも高い圧力下で缶102内に入れられるのが良い。
【0028】
第1のディスペンサ100を、香料添加剤(例えば、流体、液体、気体、フォーム、ゲル、コロイド、懸濁液、粒子)または着色剤(例えば、流体、液体、気体、フォーム、ゲル、コロイド、懸濁液、粒子)を缶102から、本明細書において説明するように、亜酸化窒素ガスを含むクリームと一緒に小出しするよう構成されたバッグオンバルブ(bag-on-valve:BOV)システムを採用している。例えば、バッグオンバルブシステムは、少なくとも2種類の香料添加剤もしくは少なくとも2種類の着色剤または少なくとも1種類の着色剤および少なくとも1種類の香料添加剤を本明細書において説明するように、亜酸化窒素ガスを含むクリームと一緒に同時に小出しするよう構成されているのが良い。
【0029】
具体的に説明すると、バッグオンバルブシステムは、香料添加剤または着色剤を蓄えたバッグ104(または別の硬質または軟質容器)を含む。バッグ104は、プラスチック、金属、合金、セラミック、形状記憶材料、ゴム、シリコーン、ラミネートフィルム、または他の適当な材料を含むのが良い。バッグ104は、缶102内の亜酸化窒素ガスを含むクリームと同じ圧力下にある。バッグ104を再使用目的で取り外すことができずまたは補充することができない。ただし、幾つかの状況では、このことが可能である場合がある(例えば、ステムが選択的に取り外し可能である場合)。
【0030】
バッグオンバルブシステムは、ステム108、ガスケット110、およびノズル112を備えた集成部品106を含む。ステム108、ガスケット110、またはノズル112は、プラスチック、金属、合金、セラミック、形状記憶材料、ゴム、シリコーン、または他の適当な材料を含むのが良い。ステム108は、ベース部分およびコラム(柱)部分を有する。ガスケット110は、ベース部分および開口端部分を備えた管状部分を有する。ノズル112は、この中に収容された複数の混合バッフルおよび混合バッフルから見て下流側に位置する小出しポートを有する。ノズル112は管状であるが、他の形状も採用が可能である。
【0031】
バッグ104は、ステム108のベース部分に固定され(例えば、締結され、嵌合され)、他方、ステム108のベース部分は、缶102内に蓄えられた亜酸化窒素ガスを含むクリームと流体連通状態にある。断面
図114に記載されているように、ガスケット110は、ステム108にかぶさっており、(a)ステム108のコラム部分は、ガスケット110の管状部分と嵌合し、(b)ステム108のコラム部分は、ガスケット110の管状部分の開口端を通ってガスケット110の管状部分の先へ延びているが、(c)ガスケット110の管状部材内からガスケット110の管状部材の開口端部分を経てガスケット110の管状部材の外側までの流体連通を可能にするために、十分には緊密または締まった状態ではないように延びている。ノズル112は、ガスケット110にかぶさっており、ガスケット110の管状部材の開口端は、ノズル112の混合バッフルおよびノズル112の小出しポートと流体連通関係をなしている。
【0032】
一動作モードでは、第1の形式の製品(赤色の矢印)が缶102内に蓄えられている。例えば、第1の形式の製品は、クリームを含むのが良く、亜酸化窒素ガス(または二酸化炭素または別の天然もしくは人工ガス)が脂溶性に基づいてこのクリーム中に溶解されまたは混ぜ込まれている。バッグ104内には、第2の形式の製品(黄色の矢印)が蓄えられており、この第2の形式の製品の濃度が高い場合がある。バッグ104は、ノズル112の下に位置し、このバッグは、弁(例えば、フィラメント弁)に封着されまたは違ったやり方で流体的もしくは機械的に連結されている。ノズル112は、ガスケット110をステム108に対して傾けて密封を解除することによって作動される。これが起こると、第1の形式の製品のうちの約半分が缶102から出、第1の形式の製品の約半分(赤色矢印)がバッグ104内に蓄えられている第2の形式の製品(黄色矢印)と混ざり合い、その後、混合バッフルを介して混合されながらノズル112に入り、そして、ノズル112の小出しポートを通って橙色(赤色矢印と黄色矢印の組み合わせ)の物質の塊状体として小出し状態で出る。小出しにより、小出しされた物質の塊状体は、少なくとも2つの互いに異なる色(または香りもしくは質感)のバリエーションを有することができる。注目すべきこととして、ノズル112の小出しポートは、物質の塊状体をノズル112の混合バッフルにより混合された少なくとも2つの互いに異なる色(または香りもしくは質感)バリエーションを備えた状態で導出する。さらに、注目すべきこととして、ノズル112は、缶102に対して缶102またはバッグ104(例えば、スプレー缶、エアゾール缶、ポンプまたはプランジャディスペンサ)に向かってノズル112を押し下げることによって作動されても良く、あるいは、ノズル112は、絞ることができても良い(例えば、押し潰し可能なチューブ)。例えば、缶102内に蓄えられている第1の形式の製品は、脱臭剤、塗料、オイル、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、石鹸、液体石鹸または他の内容物を含むことができる。注目すべきこととして、ノズル112は、缶102と同軸に、または缶102に対して斜めにまたは垂直に出すこともできる。
【0033】
比50/50は、感覚的(例えば、香り、質感、色)目的については望ましいが、これは、必要問はされず、この比は、ノズル112をどのように構成するかに基づいて調節されるのが良い。例えば、比75/25または比40/60、その他が存在する場合がある。バッグ104を完全にバイパスし、それにより比100/0を作ることは、可能ではなくあるいは幾つかの状況では可能ではあるけれども望ましいことではないが、バッグ104をバイパスすることができる(例えば、副次的弁によりバッグからの導出を止めることができる)。
【0034】
ノズル112は、ある範囲のあらかじめ設定された角度(例えば、XYZ軸に沿う任意の方向に約0゜~約90゜で傾いても良い。)したがって、ノズル112をどのように角度的に傾けるかは、一つの色(または一つの香りまたは一つの質感)をどれほど多くまたはどれほど少なく導出することができるか(例えば、傾動が弁流れ度を調整しまたは制御することができる)に影響を及ぼすことができる。
【0035】
図2は、本発明に係る第2のディスペンサの一実施形態を示している。具体的に説明すると第2のディスペンサ200は、上述したように構造の面、形態の面、製造の面、使用の面、または内容物の面のいずれにおいても、缶102とほぼ同じであるのが良い缶202を有する。第2のディスペンサ200は、缶202の遠位側に位置する小出しポート、小出しポートと缶102との間に位置決めされている間に小出しポートおよび缶102と流体連通状態にある内部空所、および内部空所と流体連通状態にある開口部を備えた側壁を有するノズルチューブ204を含む。断面
図212に記載されているように、内部空所は、各々が小出しポートと流体連通状態にある複数のチャンバを含む。これらチャンバは、互いに並置した状態で延びることができまたはそのように延びるのを回避することができる。側壁は、内方窪みを有する。開口部は、窪み内に形成されている。ノズルチューブ204は、プラスチック、金属、合金、セラミック、形状記憶材料、ゴム、シリコーン、または他の適当な材料を含むのが良い。注目すべきこととして、ノズルチューブ204は例示であり、これを非チューブとしても形作ることができる。
【0036】
第2のディスペンサ200は、ポッド206が内方窪み中に挿入されたときに開口部と流体的に係合するよう構成されている弁208を備えたポッド206を有し、その結果、ポッド206は、内側窪み内にぴったりと、摩擦的に、またはしっかりと嵌まり込むようになっている。幾つかの状況では、ノズル204の側壁は、ポッド206ではなく弁208を有する。ポッド206は、弁208がノズルチューブ204の内部空所と流体連通状態にある間、内方窪みを経て側壁への締結、嵌合、インターロック、磁気的結合、またはちがったやり方の固定(例えば、永続的な、取り外し可能な)を行うことができる。例えば、ポッド206は、締結、嵌合、インターロック、接着、成形、結合、超音波溶接により側壁またはノズルチューブ204に永続的に固定され、またはガスケット、スナップ、摩擦嵌めまたは他形式の永続的固定方式で封着されても良い。同様に、ポッド206は、面ファスナー方式、磁気的結合、スナップ(着脱)、締結、嵌合、インターロック、摩擦嵌め、または他形式の取り外し可能な取り付け方式により側壁またはノズルチューブ204に取り外し可能に(例えば、着脱可能に)固定されても良い。ポッド206または弁208は、プラスチック、金属、合金、セラミック、形状記憶材料、ゴム、シリコーン、ラミネートフィルム、または他の適当な材料を含むのが良い。ポッド206は、着色剤(例えば、流体、液体、気体、フォーム、ゲル、コロイド、懸濁液、粒子)、香料添加剤(例えば、流体、液体、気体、フォーム、ゲル、コロイド、懸濁液、粒子)、質感添加剤(例えば、流体、液体、気体、フォーム、ゲル、コロイド、懸濁液、粒子)、または別の作用剤(例えば、流体、液体、気体、フォーム、ゲル、コロイド、懸濁液、粒子)を含むことができる。ポッド206は、ドームの形をしているが、非ドーム(例えば、直方体、立方体、錐体)として形作られても良い。
【0037】
一動作モードでは、ポッド206は、上述したように複数の香料添加剤の小出しを可能にし、上述したように複数の着色剤の小出しを可能にし、あるいは上述したように香料添加剤と着色剤の小出しを可能にするよう用いられる。ポッド206により、ユーザは、小出し中の着色剤または香料添加剤を調節したりカスタマイズしたりすることができる。例えば、缶202は、第1の形式の製品(赤色の矢印)を蓄えている。第1の形式の製品は、クリームを含むのが良く、亜酸化窒素ガス(または二酸化炭素または別の天然もしくは人工ガス)が脂溶性に基づいてこのクリーム中に溶解されまたは混ぜ込まれている。スケッチ210により示されている、ポッド206は、ノズル204の側壁の内方窪み内の定位置への嵌まり込み、スナップ嵌入、クリップ止め、嵌合、締結、インターロック、磁気的結合、滑り込み(例えば、水平の、垂直の、斜めの)、あるいはその他の固定を行い、その結果、弁208は、ノズル204の側壁の開口部を通ってノズル204の内部空所内のチャンバのうちの少なくとも1つと流体連通関係をなすようになっている。チャンバのうちの少なくとも1つは、着色剤または香料添加剤(黄色の矢印)を収容している。ユーザによってポッド206が押されると、ノズル204が傾けられ、ポッド206が縮む。かかる作用により、着色剤または香料添加剤がチャンバのうちの1つ(第1のチャンバ)中に小出しされ、かかるチャンバを通って、亜酸化窒素ガスの混入または溶解がなされているクリームが缶202から移し出され、その結果として、橙色(赤色矢印と黄色矢印の組み合わせ)の物質の塊状体がノズル204の小出し先端部まで案内される。これが行われている間、第1の形式の製品(赤色矢印)は、第2の形式の製品(黄色矢印)と混ざり合うことなく、チャンバのうちの別の1つ(第2のチャンバ)を通って缶202からノズル204の小出し先端部まで案内され(例えば、並列に)、そして小出し先端部から小出しされる(赤色矢印で示されているように)。注目すべきこととして、ポッド206は、ポッド206の内容物の香り、色、または質感に基づいてユーザによって選択的に交換することができ、それにより、多数の香りの小出しが可能である。幾つかの状況では、ユーザは、ポッド206を押すことができ、または押すことができず、それゆえに、第1の形式の製品(赤色)の100%を小出しすることができ、あるいはできない。幾つかの状況では、ノズル204は、複数のポッド206を担持することができ、その目的は、複数の香料添加剤、着色剤、または質感添加剤を小出しすることにある。例えば、ノズル204の側壁は、内方窪みが存在しているにせよ、存在していないにせよ、ポッド206が並置して位置決めされているにせよ、互いに上下に位置決めされているにせよ、互いに対して間隔を置いているにせよ、互いにすぐ隣に位置しているにせよ、いずれにせよ、ポッド206を担持することができる。さらに、注目すべきこととして、ノズル204を缶202(例えば、スプレー缶として、エアゾール缶として、ポンプまたはプランジャディスペンサとして)に向かって押し下げることによってノズル204を作動させることができ、またはノズル204は、絞れるのが良い(例えば、押し潰し可能なチューブ)。例えば、缶102内に蓄えられている第1の形式の製品は、脱臭剤、塗料、オイル、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、石鹸、液体石鹸または他の内容物を含むことができる。注目すべきこととして、ノズル204は、缶202と同軸に、または缶202に対して斜めにまたは垂直に出すこともできる。
【0038】
図3は、本発明に係る第3のディスペンサの一実施形態を示している。具体的に説明すると、第3のディスペンサ300は、上述したように構造の面、形態の面、製造の面、使用の面、または内容物の面のいずれにおいても、缶102または缶202とほぼ同じであるのが良い缶302を有する。
【0039】
第3のディスペンサ300は、ベース304とノズル306を有する。ベース304は、缶302に固定されている(例えば、締結、嵌合、インターロック、磁気的結合)。ノズル306は、ノズル306が、時計回りの方向であれ反時計回りの方向であれいずれにせよ、自由であれ、または互いに周方向に間隔を置いて配置された(例えば、約15゜、30゜、45゜、60゜、90゜、180゜)複数のあらかじめ設定されたステーションを介してであれいずれにせよ、ベース304または缶302に対して回転することができる(例えば、缶の垂直軸線回りに、長手方向軸線回りに)よう、ベース304に固定されている(例えば、締結、嵌合、インターロック、磁化により)。ベース304は、缶302とノズル306との間に延びている。ベース304またはノズル306は、プラスチック、金属、合金、セラミック、形状記憶材料、ゴム、シリコーン、または他の適当な材料を含むのが良い。ベース304は、円の形をしているが、異なる形(例えば、卵形、正方形)のものであっても良い。ベース304は、本明細書において説明する用意ある量の内容物を缶302から受け入れる内側チャネルを有する。
【0040】
略
図310に記載しているように、ノズル306をベース304または缶302に対して(例えば、XYZ軸線に沿って)傾けることによってノズル306を作動させたり作動停止させたりすることができる。ノズル306は、複数の内側チャンバおよび複数の小出し先端部308を有し、内側チャンバは一対一の対応関係をなして小出し先端部308と流体連通状態にある。したがって、断面
図312に記載されているように、ノズル306をベース304または缶302に対して選択的に回転されると、内側チャネルをこれが内側チャンバのうちの1つを介して小出し先端部308のうちの1つと流体連通関係をなすよう選択的に設定することができる。小出し先端部308は、これを通って小出しされる内容物(例えば、ホイップクリーム)が異なる厚さ、形状、質感、または他の特性を有するようにするために、互いに異なる幾何学的構造(例えば、山部、谷部、平端部、弧状部、正弦波部)のものである。
【0041】
一動作モードでは、第3のディスペンサは、略
図310に記載しているように、内容物(例えばホイップクリーム)を異なる厚さおよび形状で缶302から小出しするために回転式連発拳銃(リボルバー)式に内容物を小出しするよう構成されている。例えば、第3のディスペンサ300は、ユーザが互いに異なる寸法または形状の小出し先端部308を択一的に用いることができるようにする回転式配管ノズル組立体である。ノズル306は、ベース304に対して時計回りの方向か反時計回りの方向かのいずれかの方向であらかじめ設定されたステーションのうちの1つ(例えば、射出設備)であってノズル306を定位置にロックする当該ステーションまで回転することができ、それによりユーザは、カスタマイズされた厚さまたは質感にしたがって内容物を小出しすることができる。ノズル306は、一度に1つの小出し先端部308を通ってしか小出しするよう設定されていないが、幾つかの状況では、引き続き内容物を多数の小出し先端部308から捻り出してスプレーすることによって、1つの容器(例えば、ボウル、カップ)中への複数の質感の内容物の小出しを可能にするような形態が想定できる。
【0042】
注目すべきこととして、第1のディスペンサ100、第2のディスペンサ200、または第3のディスペンサ300のうちの少なくとも任意の2つの任意の形態を組み合わせることができる。例えば、第3のディスペンサ300は、第1のディスペンサ100または第2のディスペンサ200と組み合わせ可能である。さらに、ノズル306またはベース304は、着脱可能に取り付け可能であるのが良い。例えば、ノズル306を他の缶302の他のベース304に着脱可能に取り付けることができる。例えば、少なくとも小出し先端部308に対して互いに同一でありまたは互いに異なる複数のノズル308を含むキットを提供することができる。
【0043】
図4は、本発明に係る第4のディスペンサの一実施形態を示している。具体的に説明すると、第4のディスペンサ400は、缶402(または別の容器)、オーバーキャップ404、ポッド406、ノズルチューブ408、およびリング410を有する。注目すべきこととして、缶402、ポッド406、およびノズルチューブ408は、それぞれ、上述したように、構造の面、形態の面、製造の面、使用の面、または内容物の面のいずれにおいても、缶202、ポッド206、およびノズルチューブ204とほぼ同じであるのが良い。例えば、ポッド406は、締結、嵌合、インターロック、接着、成形、結合、超音波溶接により側壁またはノズルチューブ408に永続的に固定され、またはガスケット、スナップ、摩擦嵌めまたは他形式の永続的固定方式で封着されても良い。同様に、ポッド406は、面ファスナー方式、磁化、スナップ(着脱)、締結、嵌合、インターロック、摩擦嵌め、または他形式の取り外し可能な取り付け方式により側壁またはノズルチューブ408に取り外し可能に(例えば、着脱可能に)固定されても良い。
【0044】
オーバーキャップ404は、ポッド406がこれによって包囲されるよう、ポッド406を覆って缶402に固定される(例えば、取り付けられる、締結される、磁気的結合される)。オーバーキャップ404は透明であるが、半透明または不透明であっても良い。オーバーキャップ404は、プラスチックを含むが、他の適当な材料(例えば、ゴム、シリコーン、金属)を含むことができる。オーバーキャップ404は、缶402から先の尖っていない前端部分(例えば、平たいベース)に向かって遠ざかる方向に見て幅が変化している(例えば、テーパーが付けられている)が、この形態は様々であって良い。例えば、オーバーキャップ404は、缶402から先の尖っていない前端部分に向かって遠ざかる方向に見て幅が一様であっても良い(例えば、テーパーがつけられていない)、またはオーバーキャップ404は、尖った前端部分を有しても良い。オーバーキャップ404を省いても良いことに注目されたい。
【0045】
ポッド406は、平坦な頂側部、平坦な頂側部から延びる一対の側壁、および平坦な頂側部から延びる後壁を有し、一対の側壁および平坦な頂側部は、湾曲した前側部を形成する共通の点に向かって細まっている。ポッド406は、透明であるが、半透明または不透明であっても良い。ポッド406は、ゴムまたはシリコーンを含むが、他の適当な材料(例えば、エラストマー、プラスチック、金属、形状記憶材料)を含むことができる。缶402は例示であり、他の容器または格納形態を使用しても良いことに注目されたい。例えば、
図12は、缶1200(例えば、3部品構成型缶)の一実施形態、小出しチューリップ(チューリップ形小出し部)を備えたノズル1202の一実施形態、および小出しクラウン(クラウン形小出し部)を備えた真っ直ぐな形状をしているノズル1204の一実施形態を示している。したがって、缶1200は、ノズル1202またはノズル1204を経てホイップクリームとして導出されるべきクリームと気体の混合物を蓄えるために使用できる。同様に、容器または格納形態のどのような形式、寸法、および形状を用いるかは、当業者には明らかなように、業界、部門、または使用事例(例えば、ヘアケア製品入り缶と日焼け止め防止剤入り缶)によって様々であることに注目されたい。同様に、ノズルのどのような形式、寸法、および形状が用いられるかは、業界、部門、または使用事例(例えば、ホイップクリームとエアゾールスプレー)によって様々であることに注目されたい。さらに、注目すべきこととして、ノズル408を、缶402に対して、缶402(例えば、スプレー缶、エアゾール缶、ポンプまたはプランジャディスペンサとして)に向かって押し下げることによってノズル408を作動することができ、あるいはノズル408は、絞れるのが良い(例えば、押し潰し可能なチューブ)。例えば、缶402は、脱臭剤、塗料、オイル、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、石鹸、液体石鹸または他の内容物を含む製品の一形式(例えば、ある量の物質)を蓄えることができる。注目すべきこととして、ノズル404は、缶402と同軸に、または缶402に対して斜めにまたは垂直に出すこともできる。
【0046】
図5は、本発明に係る第5のディスペンサの一実施形態を示している。具体的に説明すると、第5のディスペンサは、ノズルチューブ502、第1のプレート504、複数の弁506、第2のプレート508、およびドーム510を有する。ノズルチューブ502は、開口部512、凹み514、およびチャネル516を有する。第1のプレート504は、ノズルチューブ502と第2のプレート508またはドーム510との間に延びている。第2のプレート508は、ドーム510と第1のプレート504またはノズルチューブ502との間に延びている。
【0047】
ノズルチューブ502は、上述したように、構造の面、形態の面、製造の面、使用の面、または内容物の面のいずれにおいても、ノズルチューブ402とほぼ同じである。しかしながら、ノズルチューブ502は、作用剤または添加剤(例えば、流体、液体、気体、着色剤、香料添加剤)がノズルチューブ502(例えば、内側チャンバ)に入るようにするための開口部512を形成する側壁を有する。作用剤または添加剤は、本明細書において開示するように、ドーム510内に蓄えられ、またはドーム510によって包囲されるのが良い。ノズルチューブ502の側壁からは、突出部が外方に延びており、この突出部は、弁506のうちの1つ(例えば、戻し弁)がドーム510の外部(例えば、周囲空気)から流体(例えば、液体、気体、空気)をドーム510中に引き込むことができるようにするための凹みを形成している。ノズルチューブ502は、ベースを有し、側壁はこのベースから延びており、このベースは、ノズルチューブ502を他の方向からではなく所定の方向から缶(例えば、缶400)に対して側方に押すことができようにするチャネルを形成している。例えば、ノズルチューブ502は、ベース(例えば、円形、正方形、三角形)から片持ち式に延びており、その結果、ノズル502を所定の方向から傾けることができるようになっている。例えば、ベースは、ノズルチューブ502と一体であるが、集成対であっても良い(例えば、締結、嵌合、インターロック、接着)。
【0048】
第1のプレート504からは側壁が垂下しており、ノズルチューブ502の突出部は、第1のプレート504をノズルチューブ502中に挿入したときに第1のプレート504の側壁が延びて入る領域を形成している。第1のプレート504は、複数の丸形コーナー部を有するが、この形態は様々であって良い(例えば、鋭角のコーナー部)。第1のプレート504は、複数の第1の開口部を有し、これら第1の開口部のうちの1つは、開口部512と同軸でありかつこれと流体連通状態にある。第1の開口部は、寸法が互いに同一ではないが、形状が互いに同一である。しかしながら、この形態は、第1の開口部の寸法が互いに同一である、またはその形状が互いに同一ではない、と言ったように様々であって良い。
【0049】
第2のプレート508は、形状、面積、および寸法が第1のプレート504と一致しており、その結果、第2のプレート508をドーム510と第1のプレート504との間に介在させることができるようになっている。第2のプレート508は、複数の丸形コーナー部を有するが、この形態は様々であって良い(例えば、鋭角のコーナー部)。第2のプレート508は、複数の第2の開口部を有し、これら第2の開口部のうちの1つは、開口部512と同軸でありかつこれと流体連通状態にある。第2の開口部は、寸法が互いに同一ではないが、形状が互いに同一である。しかしながら、この形態は第2の開口部の寸法が互いに同一である、またはその形状が互いに同一ではない、と言ったように様々であって良い。注目すべきこととして、第1のプレート504の小径開口部は、第2のプレート508の大径開口部と同軸であり、第1のプレート504の大径開口部は、第2のプレート508の小径開口部と同軸である。
【0050】
弁506は、構造または動作モダリティにおいて互いに同一であるにせよ互いに同一ではないにせよいずれにせよ、種々の適当な形式のものであって良い。例えば、弁506のうちの少なくとも1つは、成形済みの単一部品であって良い。例えば、弁506は、構造または動作モダリティにおいて互いに同一であるにせよ互いに同一ではないにせよいずれにせよ、一方向弁または逆止弁であって良い。例えば、弁506のうちの少なくとも1つは、ダックビル形弁であっても良い。例えば、弁506のうちの1つ(例えば、下側の弁)は、作用剤または添加剤をドーム510から導出するよう構成されているのが良く、弁506のうちの1つ(例えば、上側の弁)は、ドーム510がその元のまたはほぼ元の形態(例えば、形状または寸法)に形が戻ることができるようにするために通気するよう構成されているのが良い。弁506の各々は、リング形のベースおよびリング形ベースから延びる楔形のコラム(柱)を有するよう示されているが、この構造は、様々であって良く、他の適当な構造または形態を用いることができる。弁506の各々は、第1の開口部のうちの1つ(例えば、小径開口部)および第2の開口部のうちの1つ(例えば、大径開口部)と流体連通状態にある。
【0051】
構造または動作モダリティとは無関係に、弁506により、ドーム510が作動されている(例えば、ユーザによって押されている、ユーザによって押し下げられている、ユーザによって圧迫されている)ことに基づいて、ドーム510からノズルチューブ502中への作用剤または添加剤(例えば、流体、液体、気体、着色剤、香料添加剤)の導入が可能であり、しかもドーム510を自動作動停止する(例えば、弾力的にまたは弾性的にその元のまたはほぼ元の形状に形が戻る)ことができるようにするために、ドーム510の外部(例えば、周囲空気)からドーム510中への流体(例えば、液体、気体、空気)の導入が可能である。
【0052】
ドーム510は、平坦な頂側部、平坦な頂側部から延びる一対の側壁、および平坦な頂側部から延びる後壁を有し、一対の側壁および平坦な頂側部は、湾曲した前側部を形成する共通の点に向かって細まっている。ドーム510は、透明であるが、半透明または不透明であっても良い。ドーム510は、ゴムまたはシリコーンを含むが、他の適当な材料(例えば、エラストマー、プラスチック、金属、形状記憶材料)を含むことができる。ドーム510は、ドーム510が内部に作用剤または添加剤(例えば、流体、液体、気体、着色剤、香料添加剤)を収容している間にノズルチューブ502とのシールを形成するよう、ノズルチューブ502に固定されている(例えば、接着、磁気的結合、締結、嵌合)。ドーム510は、ノズルチューブ502に永続的に(例えば、ドーム510またはノズルチューブ502が破壊または動作不能にならない限り、取り外し不能または着脱不能に)固定されても良く、あるいは、ノズルチューブ502に取り外し可能にまたは着脱可能に固定されても良い(例えば、作用剤または添加剤の補充のために)。例えば、ドーム510は、キャップ(例えば、テザー付きキャップ、スクリューオンキャップ)付きの開口部を有するのが良く、ドーム510は、この開口部を通って補充できる。例えば、ドーム510は、弁506のうちの1つを経て補充可能である。
【0053】
例えば、
図5に示されているように、第5のディスペンサ500により、作用剤または添加剤を缶(例えば、加圧エアゾール缶)のノズルチューブ502内の製品(例えば、クリームと気体の混合物)と組み合わせることができる。第5のディスペンサ500により、作用剤または添加剤を少なくとも幾分かの混合度が制御されて最終の製品(例えば、クリームと気体の混合物と混ぜ合わされた作用剤)の所定の現れ方が明確に見えるように組み合わせることができる。これは、種々の仕方で行える。かかるやり方の1つとしては、作用剤または添加剤をクリームと気体の混合物(例えば、ホイップクリームの塊状体)中の規定された縞模様として現れるようにするのが良い。
【0054】
例えば、ノズルチューブ520は、種々の仕方で導出を行うことができる。例えば、弁506は、2つの同一のまたは互いに異なるキャニスタまたは非キャニスタ型弁(例えば、カボット(Cabot )型弁、蝶弁、逆止弁、ダックビル形弁、多方向弁、二方向弁)として具体化されるのが良い。例えば、かかる弁506のうちの1つにより、製品(例えば、クリームと気体の混合物と混ぜ合わされた作用剤または添加剤)を弁のステム(弁棒)から出すことができ、そしてノズルチューブ502の内側の側壁に対するのとは逆に外方に押し出すことができる。例えば、かかる弁506のうちの1つにより、製品は、ノズルチューブ502内に当該弁506の出口の上方に延びる表面が設けられていて約1ミリメートル~約2ミリメートルの隙間が存在する場合に垂直に出ることができ、その目的は、製品をノズルチューブ502の内側側壁に対して横向きに押し出すことにある。製品が横向きに押し出されない場合、製品は、ノズルチューブ502の小出し端部分に直接導出される場合があり、この場合、作用剤または添加剤は、製品と全く混ぜ合わされることがないという恐れがある。
【0055】
例えば、ノズルチューブ502は、ノズルチューブ502の内側チャンバ内に延びる仕切り(例えば、壁)によって区分された(例えば、分割され、セグメント化され、二分された)内側チャンバを有するのが良く、それにより製品の流れがおおまかに半分に分割され、ただし、必要ならば他の比率の分割を採用することができる。仕切りは、製品の大部分が添加剤と混じり合わないようにする。実験から、幾つかの状況では、仕切りがない場合、作用剤または添加剤は、製品流の中心に押し込まれる場合があり、すると、作用剤または添加剤がノズルチューブ502を出るときに製品内には見うけられない場合がある。したがって、ノズルチューブ502内の内側チャンバは、仕切られても良く、または仕切られなくても良く、これは、使用事例、業界、内容物、または他の要因で決まる場合のあることに注目されたい。
【0056】
例えば、ドーム510を押すと(例えば、弾力的にまたは弾性的に変形させると)、ノズルチューブ502および弁506のうちの1つのステムは押し倒されるのが良く、製品は、弁506のうちの1つを通って出ることができる。同様に、作用剤または添加剤は、弁506のうちの1つの中へ押されまたは押圧され、そして缶からのクリームと気体の混合物と混ざり合う。混合は、弁506のうちの1つが、ノズルチューブ502の延びる元となっているベースの近くに位置している場合、場合によっては最適に制御できる。
【0057】
例えば、作用剤または添加剤は、弁506のうちの1つのサイズまたは設計によって制御される粘度、出力量および出力速度を有するのが良い。
図5は、弁506の各々が、直径約4ミリメートルであるのが良いダックビル形弁として示しているが、他の形態の採用が可能である。幾つかの状況では、ドーム510中に逆流する作用剤または添加剤を最小限に抑えるためまたは作用剤もしくは添加剤がドーム510中に逆流することができないようにするために、弁506のうちの少なくとも1つが一方向弁であることが望ましい。
【0058】
例えば、最初の使用に先立つドーム510内の幾分かのヘッドスペースが重要であるといえ、と言うのは、このヘッドスペースにより作用剤または添加剤が小出し前にノズルチューブ502に残らないようにするので、すなわち、少なくとも幾分かの空気(またはドーム510内のヘッドスペースを満たす任意他の流体または期待)が最初に押し出されてある量の作用剤または添加剤が出るようになっており、その後作用剤または添加剤が弁506のうちの1つを出てノズルチューブ502中に入り始めるからである。
【0059】
例えば、弁506のうちの1つは、ドーム510を弾力的にまたは弾性的に元の形に戻すために通気する。ドーム510が弾力材料、弾性材料、形状記憶材料、またはエラストマー材料を含むのが良いので、ドーム510を押したり(例えば、圧縮したり)、離したり(例えば、インフレートさせたり)することができ、この場合、ドーム510は、ドーム510中に通気している弁506のうちの1つ(例えば、上側の弁)に基づいて、自然にその元のまたはほぼ元の(例えば、約25%の減少率の範囲内で)形態、形状、寸法、または容積に戻ることができる。例えば、この通気は、凹み514からの周囲空気を用いることができる。
【0060】
例えば、ディスペンサ500は、通気弁508なしでも動作できる。幾つかの状況では、これにより、ドーム510は、使用相互間で、すなわち、ドーム510を押して作用剤または添加剤を小出しするたびに元の形に戻ることができない場合があり、作用剤または添加剤を押し出しているときにドーム510の容積を減少させる場合がある。通気弁を用いない場合、ドーム510は、このサイズのままであり、また、次にドーム510を押し込むたびに容積が減少し、ついには作用剤または添加剤が完全に空になる。
【0061】
例えば、弁506は、一部品として形成され(例えば、射出成形され)てもよく、それどころか、第1のプレート504または第2のプレート506中に一体化されても良い。同様に、第1のプレート504および第2のプレート508は、一部品として形成されても(例えば、射出成形されても)良い。ドーム510は、第1のプレート504または第2のプレート508に一体化されても(例えば、固定されても、締結されても、嵌め合わされても、接着されても、接触しても)良い。第2のプレート508または弁506のうちの1つは、ノズルチューブ502と一体化されても(例えば、固定されても、締結されても、嵌め合わされても、接着されても、接触しても)良い。ノズルチューブ502内の仕切りは、ノズルチューブ502とは別体に形成されても(例えば、射出成形されても)良く、あるいは、ノズルチューブ502の一部品として取り付けられまたは挿入されても良い。
【0062】
例えば、第5のディスペンサ500は、本明細書において開示した任意他のディスペンサとまさに同様に、使い捨てユニットとして1回使用向きに構成される。しかしながら、第5のディスペンサ500は、ドーム510が空になったかどうかを問わず、ドーム510を再充填するというオプション(例えば、ドーム510が添加剤または作用剤の注入を行うために取り外しまたは回動によって開くことができる蓋を有する場合)または新たなドーム510をノズルチューブ502に取り付けるというオプション(例えば、混合およびマッチング目的)で再使用可能なユニットとして構成されても良い。
【0063】
一動作モードでは、
図2、
図4、
図5、その他に示されているように、缶202または402(または、絞れるチューブまたは別の容器)は、本明細書において開示しているように、第1の量の物質を収容することができる。例えば、第1の量の物質は、食用であっても良く食用でなくてもよく、あるいは、流体、クリーム、オイル、フォーム、液体、気体、ペースト、またはゲルのうちの少なくとも1つを含むことができる。例えば、第1の量の物質は、本明細書において開示しているように、気体と物体の混合物であるのが良くまたはこれを含むのが良い。ノズル204,408または508は、開口端部分、内部空所、および側壁を有する。側壁は、開口部512を有し、内部空所は、開口部512と流体連通状態にある。ポッド206または406は、プレート508、ドーム510、および弁208または506(例えば、逆止弁、ダックビル形弁)を有する。プレート508は、弁208または506を担持し、プレート508は、ドーム510に固定されている。ポッド206または406は、本明細書において開示するように、プレート508とドーム510との間に第2の量の物質を収容する。ポッド206または406は、プレート508が側壁に沿って延びかつ弁208または506が開口部512を通って内部空所と流体連通関係をなすよう側壁に固定されている。第2の量の物質は、内部空所が第1の量の物質を受け入れて、ドーム510が側壁に向かって圧迫されると、弁208または506を経て内部空所中に導入され、その結果、第1の量の物質は、内部空所内の第2の量の物質と混ざり合い、それにより開口端部分から導出される第3の量の物質が形成される。ポッド206または406は、側壁に取り外し可能に固定され(例えば、摩擦嵌めされ、磁気的結合され、締結され、嵌め合わされ)ても良く、あるいは、側壁に永続的に固定され(例えば、嵌め合わされ、接着され、結合され、溶接され)ても良く、その結果、プレート508は、側壁に沿って延びかつ弁208または506は、開口部512を通って内部空所と流体連通関係をなすようになっている。注目すべきこととして、弁は、第1の弁208または506であるのが良く、ポッド206または406は、プレート508により担持された第2の弁208または506(例えば、逆止弁、ダックビル形弁)を含むのが良く、この場合、第2の弁208または506は、本明細書において開示するように、第4の量の物質を受け入れるよう構成されている。ドーム510は、第2の弁208または506から第4の量の物質の受け入れに応答して圧迫された後に元の形に戻ることができる(例えば、弾性的に、弾力的に、形状記憶作用的に)。例えば、第4の量の物質は、ある量の周囲空気を含むのが良く、または缶202もしくは402(または別の容器)またはノズル502の外部に位置するのが良い。例えば、第2の量の物質は、前記第1の量の物質の光学的性質、機械的性質、化学的性質、電気的性質、熱的性質、香り、または質感のうちの少なくとも1つを追加し、除去し、または改変するよう構成されており、これは、内部空所内に位置しているにせよ、ノズル204,408または508の開口端部分からの導出時もしくは導出後であるにせよ、いずれにせよそうである。例えば、第2の量の物質は、ノズル204,408または508が缶202または402に対して傾けられたことに基づいて、内部空所が第1の量の物質を受け入れてドーム510が側壁に向かって圧迫された(例えば、弾性的に、弾力的に、形状記憶的に)ときに弁208または506を経て内部空所中に導入されるのが良く、その結果、第1の量の物質が内部空所内の第2の量の物質と混ざり合い、それによりノズル204,408または508の開口端部分から導出される第3の量の物質が形成される。例えば、第2の量の物質は、ノズル204,408または508が缶202または402に向かって押されたことに基づいて、内部空所が第1の量の物質を受け入れてドーム510が側壁に向かって圧迫された(例えば、弾性的に、弾力的に、形状記憶的に)ときに弁208または506を経て内部空所中に導入されるのが良く、その結果、第1の量の物質が内部空所内の第2の量の物質と混ざり合い、それによりノズル204,408または508の開口端部分から導出される第3の量の物質が形成される。
図3に示されているように、開口端部分は、第1の開口端部分であるのが良く、ノズル204,408または508(例えば、第3のディスペンサ300として具現化されている)は、第2の開口端部分を有する。ノズル204,408または508は、缶202,302または402に対して選択的に回転可能であり、その結果、第3の量の物質は、第1の開口端部分または第2の開口端部分のうちの少なくとも一方から選択的に導出されるようになっている。
図4に示されているように、オーバーキャップ404(例えば、透明、半透明、不透明)は、缶202または402に固定されるのが良く、この場合、オーバーキャップは、ポッド406が側壁に固定されるとノズル204,408または508およびポッド406を包囲し、その結果、プレート508は、側壁に沿って延びかつ弁208または506が開口部512を通って内部空所と流体連通関係をなすようになっている。
図1、
図7、および
図8に示されているように、ノズル204,408,804,718または508は、内部空所内を延びるバッフルを有する。バッフル722は、内部空所が第1の量の物質を受け入れ、かつドーム510が側壁に向かって圧迫された(例えば、弾性的に、弾力的に、形状記憶的に)ときに、第2の量の物質が弁208または506を経て内部空所中に導入された後に、内部空所内の第1の量の物質と第2の量の物質と混合し、それにより、開口端部分から導出される第3の量の物質が形成される。
図2、
図4、
図5、
図7、および
図8に示されているように、缶202または402およびノズル204,408または508は、互いに分離しかつ別々である(が、一体であってもよい)。
図13に示されているように、ポッド206または406は、本明細書に開示されているように、本発明の教示に従って、種々の場所に(例えば、容器に、ノズルに、注ぎ口に、側壁に、頸部に、ルーフに、頂部分に、中間領域に、静止ハンドルに、回動可能なハンドルに)固定されるのが良い。注目すべきこととして、ポッド206または406は、ノズル204,408または508が作動導出モードにある(例えば、傾けられた、押された、回動された、回された)状態にまたは受動的導出モードにある(例えば、キャップが取り外された)ときにその内容物を導出することができる。
【0064】
図6は、本発明に係る第6のディスペンサの一実施形態を示している。具体的に説明すると、第6のディスペンサ600は、上述したように構造の面、形態の面、製造の面、使用の面、または内容物の面のいずれにおいても、第1のディスペンサ100とほぼ同じである。しかしながら、第6のディスペンサは、缶102内に複数のバッグ104を有し、これらバッグは、複数の作用剤または添加剤(例えば、流体、液体、気体、着色剤、香料添加剤)を入れているのが良い。バッグ104は、構造の面、寸法の面、形状の面、容積の面、または動作の面のいずれにおいても、互いに同一であっても良く、互いに同一でなくても良い。作用剤または添加剤は、構造の面、寸法の面、形状の面、容積の面、または動作の面のいずれにおいても、互いに同一であっても良く、互いに同一でなくても良い。ノズル112は、側壁を有し、ノズル112は、この側壁を通って小出しする。
【0065】
図7は、本発明に係る第7のディスペンサの一実施形態を示している。具体的に説明すると、第7のディスペンサ700は、上述したように構造の面、形態の面、製造の面、使用の面、または内容物の面のいずれにおいても、第1のディスペンサ100または第2のディスペンサ200とほぼ同じである。第7のディスペンサ700は、缶702、ポッド704、およびノズルチューブ718を有し、ノズルチューブ718は、缶702から延びている。しかしながら、ポッド704は、ノズルチューブ718内を延びている。注目すべきこととして、ポッド704は、締結、嵌合、インターロック、接着、成形、結合、超音波溶接により側壁またはノズルチューブ718に永続的に固定され、またはガスケット、スナップ、摩擦嵌めまたは他形式の永続的固定方式で封着されても良い。同様に、ポッド704は、面ファスナー方式、磁気的結合、スナップ(着脱)、締結、嵌合、インターロック、摩擦嵌め、または他形式の取り外し可能な取り付け方式により側壁またはノズルチューブ718に取り外し可能に(例えば、着脱可能に)固定されても良い。
【0066】
具体的に説明すると、ノズルチューブ718は、仕切り710を担持した内部空所を有し、仕切り710は、ベース724(例えば、パック(puck)形、直方体形、ピラミッド形、円錐形)、壁720(例えば、中実、無孔)、および複数のバッフル722(例えば、半卵形、長方形、正方形、三角形、五角形、六角形)によって形成されている。 壁720は、ベース724から延びており(例えば、片持ち式に、垂直に、非垂直に)、その結果、壁720は、第1の側部(例えば、混合側部)および第2の側部(例えば、平坦な側部)を有する。
【0067】
バッフル722は、互いに垂直方向に間隔を置くとともにさらにベース724の上に延びながら壁720の第1の側部から階段のような状態で互いに上に延びている。バッフル722は、直線的であれ非直線的(例えば、弧状)であれいずれにせよ、また水平であるにせよ勾配が付けられているにせよいずれにせよ、ベース724上に水平に延びるのが良い。
【0068】
ベース724は、側壁720と一体である(例えば、射出成形されている)が、一集成体であるのが良い(例えば、締結、嵌合、接着、磁気的結合)。バッフル722は、側壁720と一体である(例えば、射出成形されている)が、一集成体であるのが良い(例えば、締結、嵌合、接着、磁気的結合)。ベース724、側壁720、またはバッフル722は、プラスチックを含むが、他の適当な材料(例えば、プラスチック、ゴム、シリコーン、金属)を含むことができる。
【0069】
ポッド702は、サック724と弁712を有し、この場合、弁712は、サック724からしっぽのような状態で延びている。サック724は、本明細書において開示しているように、作用剤または添加剤を収容し、弁712(例えば、逆止弁、一方向弁、二方向弁)は、少なくとも、作用剤または添加剤をサック724から導出するよう構成されている。サック724は、弾性材料、弾力材料、形状記憶材料、エラストマー材料、または別の適当な材料を含む。例えば、サック724は、シリコーンまたはゴムを含むのが良い。弁12は、サック724と一体である(例えば、射出成形されている)が、サック724と集成されるのが良い(例えば、締結、嵌合、接着、熱的結合、磁気的結合)。
【0070】
側壁720の第2の側部は、サック724が側壁720の第1の側部から延びるバッフル722の反対側に位置した状態で、側壁720の第2の側部にのることができるよう構成されている(例えば、平坦な表面になっている)。弁712を受け入れるため、側壁720は、側壁720の第1の側部と側壁720の第2の側部との間に延びる開口チャネルを有する。開口チャネルは、弁712を、または弁712が開口チャネル内に位置していない場合には弁712から導出されている作用剤または添加剤を受け入れるよう構成されている。
【0071】
仕切り710がノズルチューブ718の内部空所中に挿入されると、側壁720は、内部空所を第1のチャンバ706と第2のチャンバ708に仕切る(例えば、セグメント化する、分離する、二分する)。第1のチャンバ706は、バッフル722が第1のチャンバ内で延びるよう側壁720の第1の側部に対して露出されている。第2のチャンバ708は、サック712が第2のチャンバ内に収容されるよう、ポッド702に露出されている。その結果として、開口チャネルは、第1のチャンバ706と第2のチャンバ708との間に延び、その結果、第1のチャンバ706は、開口チャネルを通って第2のチャンバ708と流体連通関係をなすようになっている。注目すべきこととして、側壁720は、側方に曲がるのが良く、その結果、側壁720は、ノズルチューブ718(例えば、内側部)に接触して側壁720とノズルチューブ718は、第2のチャンバ708を形成するようになっている。
【0072】
一動作モードでは、ノズルチューブ718は、ポッド704および仕切り710を収容し、その結果、第2のチャンバ708は、サック724を収容し、弁712は、第1のチャンバ706と第2のチャンバ708との間に延びる開口チャネル中に延びまたは尾を引くように延びている。ノズルチューブ718を側方に傾けまたは缶702に対して押しまたは引くと(例えば、ユーザが力づくでノズルチューブ718を第2のチャンバ708にかぶせた状態で接触させると)、サック712は、圧迫され(例えば、弾力的に、弾性的に、形状記憶的に)、それにより作用剤または添加剤をサック714内に押し込み、弁712に向かって案内しまたは収斂させ、そしてこれに対応して開口チャネルを通って第1のチャンバ706中に導入する。その時点で、添加剤または作用剤は、バッフル722を経てクリームと気体の混合物と混ぜ合わされ、そしてノズルチューブ718から導出される。注目すべきこととして、サック724は、弁712からの作用剤または添加剤の導出速度に対応して関連するのが良い圧縮率を有するのが良い。例えば、この対応関係は、比例関係であるのが良く、この場合、サック724加わる圧力が大きければ、その結果として、より多くの作用剤または添加剤がこれに対応して弁712から導出される。
【0073】
注目すべきこととして、ノズルチューブ718内の側壁720は、本明細書において開示するように、十分な色の分散および制御を可能にする。これは、これが可能である1つの理由は、サック724が本明細書において開示するように、薄い(濃度の低い)液体を収容しているからである。しかしながら、サック72に粘度の高い溶液(例えば、練り歯磨きのゲル)が満たされた場合、側壁720は、本明細書で開示するように、第7のディスペンサ700または任意他のディスペンサでは省略できる。したがって、作用剤または添加剤の粘度により、側壁720は、本明細書において開示するように、第7のディスペンサ700または任意他のディスペンサでは存在していても良くまたは存在しなくても良い。
【0074】
図8は、本発明に係る第8のディスペンサの一実施形態を示している。具体的に説明すると、第8のディスペンサ800は、上述したように、構造の面、形態の面、製造の面、使用の面、または内容物の面のいずれにおいても、第1のディスペンサ100、第6のディスペンサ600、または第7のディスペンサ700と同じである。第8のディスペンサ800は、缶802、バッグ808、およびノズルチューブ804を有し、ノズルチューブ802は、小出し端部分を有する。ノズルチューブ804は、垂直にまたは側方に導出することができることに注目されたい。しかしながら、第8のディスペンサ800は、複数の弁806(例えば、一方向弁、逆止弁)を担持した缶802を有し、弁806は、種々の適当な形式のものであって良く、また、上述したように、構造の面、形態の面、製造の面、使用の面、または内容物の面のいずれにおいても、互いに同一であっても良くまたは互いに同一でなくても良い。弁806は、互いに間隔を置いて配置され、かつ互いに並置して位置決めされている。
【0075】
缶802は、本明細書において開示するように、クリームと気体の混合物または他の内容物を収容している。缶802は、これに固定され(例えば、締結され、嵌め合わされ、磁気的に結合され、熱的に結合され)た状態でバッグ808を収容しており、バッグ808は、上述したように、構造の面、形態の面、製造の面、使用の面、または内容物の面のいずれにおいても、バッグ104とほぼ同じであるのが良い。バッグ808は、本明細書において開示するように、作用剤または添加剤を収容している。バッグ808は、本明細書において開示するように、缶802内に入れられたクリームと気体の混合物または他の内容物に接触することができる。
【0076】
弁806のうちの1つ(第1の弁806)は、バッグ808と流体連通状態にある。弁806のうちの別の1つ(第2の弁806)は、本明細書に開示するように、缶802内のクリームと気体の混合物または他の内容物と流体連通状態にある。弁806は、並列または直列に(例えば、逐次または順次)作動可能である。例えば、ノズルチューブ804を側方に傾けまたは缶802に対して押し、または引き、あるいは回す(例えば、時計回りまたは反時計回り)と、弁806を作動させることができる。
【0077】
ノズルチューブ804は、内部空所を有し、このノズルチューブ内には仕切り812が設けられており、仕切り812は、上述したように、構造の面、形態の面、製造の面、使用の面、または内容物の面のいずれにおいても、仕切り710とほぼ同じである。したがって、仕切り812は、第1の側部および第2の側部を備えた側壁を有し、この場合、本明細書に開示するように、第1の側部からは複数のバッフルが延びており(例えば、片持ち式に)、第2の側部は、平坦である。仕切り812の側壁がノズルチューブ802内に延びるときに、側壁は、本明細書において開示するように、ノズルチューブ802の内部空所を第1のチャンバ(例えば混合チャンバ)と第2のチャンバに仕切る(例えば、セグメント化する、分割する、二分する)。
【0078】
一動作モードでは、缶802は、本明細書において開示するように、バッグ808と流体連通状態にある第1の弁806および缶802内に入っているクリームと気体の混合物または他の内容物と流体連通状態にある第2の弁806を有する。ノズルチューブ804は、ノズルチューブ804の内部空所が第1のチャンバおよび第2のチャンバに仕切られるように、仕切り812の側壁を収容している。ノズルチューブ804を回転させ(例えば、時計回りまたは反時計回り)または缶802に対して側方に傾けまたは押したり引いたりすると(例えば、ユーザが力づくでノズルチューブ804を接触させると)、第1の弁806が作動し、作用剤または添加剤は、バッグ808から第1のチャンバ中に導出される。また、並列であれ直列であれいずれにせよ、第2の弁808が作動し、缶802内に入っているクリームと気体の混合物または他の内容物は、第1のチャンバおよび第2のチャンバ中に導入される。第1のチャンバ内においては、バッフルにより、添加剤または作用剤は、缶802内に入っているクリームと気体の混合物または他の内容物と混ざり合い、次に小出し端部分まで案内される。第2のチャンバ内においては、缶802内に入っているクリームと気体の混合物または他の内容物は、小出し端部分に向かって案内される。小出し端部分のところにおいて、第1のチャンバからのクリームと気体の混合物または他の内容物と混ぜ合わされた添加剤または作用剤と、第2のチャンバからのクリームと気体の混合物または他の内容物と混ぜ合わされた添加剤または作用剤とが出合い、このことは、次の混合目的の目的であるかその時点での導出目的であるかを問わずそうである。
【0079】
図9は、本発明に係る複数の導出パターンの複数の実施形態を示している。具体的に説明すると、複数の導出パターン900は、本明細書において開示するように、第1のディスペンサ100、第2のディスペンサ200、第3のディスペンサ300、第4のディスペンサ400、第5のディスペンサ500、第の6ディスペンサ600、第7のディスペンサ700、第8のディスペンサ800、または任意他のディスペンサのうちの少なくとも1つを経て形成されている。例えば、導出パターン900のうちの少なくとも1つは、加圧ホイップクリーム製品を含むことができ、この加圧ホイップクリーム製品は、独特の香りを備えていることに加えて、2色の製品を同時に小出しし、それによりクリームと色の劇的な渦巻き状態が作られる。この送り出しにより、製品の香りのはっきりとした合図となり、しかも面白くて魅力あるものとして消費者がユニークな経験として感じ、それにより製品を際立たせる。
【0080】
図10は、本発明に係る第10のディスペンサの一実施形態を示している。具体的に説明すると、第10のディスペンサ1000は、第1の管状部材1002および第2の管状部材1004を有し、第2の管状部材1004は、第2の管状部材1004が時計回りであるにせよ反時計回りであるにせよいずれにせよ、第1の管状部材1002に対して第1管状部材1002の上で回転することができるようまたその逆の関係が成り立つよう第1の管状部材1002に取り付けられている(例えば、同心状に、嵌まり合うように)。具体的に説明すると、第1の管状部材1002は、本明細書において開示するように缶に固定され(例えば、締結され、取り付けられ、接着され、磁気的に結合され、熱的に結合され)、この場合、缶は、本明細書において開示するように、クリームと気体の混合物または他の内容物を収容している。第1の管状部材1002または第2の管状部材1004は、プラスチックを含むが、他の適当な材料(例えば、金属、ゴム、シリコーン)を含むことができる。
【0081】
第1の管状部材1002は、対称であれ非対称であれいずれにせよ、閉鎖形状(例えば、O字形、D字形)または開放形状(例えば、C字形、U字形)で延びる第1の壁1006(例えば、ベース)を有し、第1の壁1006は、第1の空間を包囲している。第1の壁1006の外部には、つかみ具合または把持具合を幾分向上させるために複数の突出部または窪みが形成されている。第1の管状部材1002が缶に固定され(例えば、締結され、嵌め合わされ、インターロックされ、接着され、磁気的に結合され)ると、第1の空間は、本明細書において開示するように、缶と流体連通関係をなす。
【0082】
第1の管状部材1002は、第1の壁1006から延びる第2の壁1008を有する。第2の壁1008は、対称であれ非対称であれいずれにせよ、閉鎖形状(例えば、O字形、D字形)または開放形状(例えば、C字形、U字形)で延び、第2の壁1008は、第2の空間を包囲している。第2の空間は、第1の空間と流体連通状態にある。第2の壁1008は、第1の壁1006とは面一をなしていない(例えば、第1の壁1006は、第2の壁1008よりも直径方向にまたは周方向に大きいまたは小さい)。第1の壁1006と第2の壁1008は一体である(例えば、射出成形されている)が、一集成体(例えば、締結、嵌合、接着)であっても良い。第2の壁1008は、外面を有し、複数の突出部1010が、この外面からこれに沿って第2の壁1008周りに螺旋状に延びている。突出部1010は、互いに間隔を置いて配置されかつ互いに平行であるのが良い。突出部1010は、第2の壁1008と一体である(例えば、射出成形されている)が、一集成体であっても良い(例えば、接着、締結、嵌合)。第2の壁1008は、遠位端部分を有し、複数の葉状片1012がこの遠位端部分から延びている。葉状片1012は、第2の壁1008と一体である(例えば、射出成形されている)が、一集成体であっても良い(例えば、締結、嵌合、接着)。葉状片1012は、プラスチックを含むが、他の適当な材料(例えば、エラストマー、弾力材料、弾性材料、シリコーン、ゴム、金属)を含むことができる。葉状片1012は、形状が三角形であるが、この形状は様々であって良い(例えば、長方形、正方形、半卵形)。
【0083】
葉状片1012は、弾性であり、弾力性があり、または形状記憶性があるよう構成されており、その結果、葉状片1012は、既定された可動範囲内で、または複数の位置相互間で曲がりまたは撓むことができるようになっている。例えば、デフォルト状態では、葉状片1012は、互いに平行に延びる。非デフォルト状態では、葉状片1012は、互いに非平行に延び、しかも共通の中心に向かって弾性的に、弾力的に、または形状記憶的に撓みまたは曲がり、この共通の中心は、本明細書において開示するように、第1の壁1006または第2の壁1008と同軸であるのが良い。
【0084】
第2の管状部材1004は、第3の壁1014と第4の壁1016を有し、第4の壁1016は、第3の壁1014から延びかつ第3の壁1014から共通の中心に向かってテーパーしている。第3の壁1014と第4の壁1016は、一体である(例えば、射出成形されている)が、一集成体であっても良い(例えば、締結、嵌合、接着、磁気的結合)。第3の壁1014または第4の壁1016は、プラスチックを含むが、他の適当な材料(例えば、ゴム、シリコーン、金属)を含むことができる。第4の壁1016は、開口遠位端部分を有する。
【0085】
第3の壁1014は、外側部および内側部を有する。第3の壁1014の外側部には、つかみ具合または把持具合を幾分向上させるために複数の突出部または窪みが形成されている。第3の壁1014の内側部は、突出部1010と嵌合しまたは噛み合う(例えば、複数の窪みを有する)よう構成されており、その結果、第2の管状部材1004は、時計回りであるにせよ反時計回りであるにせよいずれにせよ、第1の管状部材1002に対して第1の管状部材1002上で回転することができるようになっており、またはその逆の関係が成り立つ。この回転により、葉状片1012は、共通の中心に向かってまたは共通の中心から遠ざかって弾力的にまたは弾性的にもしくは形状記憶的に次第にまたは小刻みに曲がりまたは撓むことができる(例えば、曲がりまたは撓む)。したがって、(a)第1の管状部材1002を缶に固定して(例えば、締結して、嵌合させて、接着して、圧着して、磁気結合して)、第1の空間が缶内に蓄えられたクリームと気体の混合物または他の内容物と流体連通関係をなすとともに、(b)缶内に蓄えられているクリームと気体の混合物または他の内容物が第1の空間および第2の空間を通って缶から第4の壁1016の開口遠位端部分に向かって導出されているとき、葉状片1012をどのように差し向けまたは位置決めするかは、蓄えられたクリームと気体の混合物または他の内容物が取る形状または寸法を制御する。
【0086】
例えば、第2の管状部材1004は、第2の管状部材1004の突出部または窪みが第1の管状部材1002の突出部または窪みのすぐ隣に位置するよう第1の管状部材1002に取り付けられるのが良い。これが起こると、第4の壁1016は、葉状片1012を押圧してこれが共通の中心に向かって弾性的または弾力的または形状記憶的に曲がりまたは撓み、その結果、缶からのクリームと気体の混合物は、クリームと気体の混合物が第1の管状部材1002の第1の空間と第1の管状部材1002の第2の空間から調達されるときに、共通の中心を包囲した領域(例えば、葉状片1012の非デフォルト位置)から導出されるようになっている。これは、
図10の最も右の渦巻き状態(最も小さな渦巻き状態)として示されている。しかしながら、第2の管状部材1004を第3の壁1014の内側部が第2の壁1008の突出部1010と回転的に嵌まり合いまたは噛み合うことに基づいて、第1の管状部材1002に対して反時計回りに回転させることができる。これが起こると、第4の壁1016は、次第にまたは小刻みに葉状片1012を共通中心から遠ざかるように弾性的または弾力的または形状記憶的に曲げまたは撓ませることができ、その結果、缶からのクリームと気体の混合物は、クリームと気体の混合物が第1の管状部材1002の第1の空間と第1の管状部材1002の第2の空間から調達されるときに、共通の中心を包囲した領域(例えば、葉状片1012の非デフォルト位置)から導出されるようになっている。これは、
図10の真ん中に位置する渦巻き状態として示されている(中間の渦巻き)。この場合もまた、第2の管状部材1004を第3の壁1014の内側部が第2の壁1008の突出部1010とさらに回転的に嵌まり合いまたは噛み合うことに基づいて、第1の管状部材1002に対してさらに反時計回りに回転させる。これが起こると、第4の壁1016は、さらに次第にまたは小刻みに葉状片1012を共通中心から遠ざかるように弾性的または弾力的または形状記憶的に曲げまたは撓ませることができ、その結果、缶からのクリームと気体の混合物は、クリームと気体の混合物が第1の管状部材1002の第1の空間と第1の管状部材1002の第2の空間から調達されるときに、共通の中心を包囲した領域(例えば、葉状片1012のデフォルト位置)から導出されるようになっている。これは、
図10の最も左の渦巻き状態(最も大きな渦巻き状態)として示されている。
【0087】
図11は、本発明に係るコンパートメントを有する缶の一実施形態を示している。具体的に説明すると、缶1100は、内部コンパートメント1110および内部コンパートメント1110への接近を制御するために缶1110に着脱可能に取り付けられたベース1102を有するのが良い。この着脱可能な取り付け形態は、種々の仕方で具現化できる。例えば、この着脱可能な取り付け形態は、締結、嵌合、インターロック、磁気的結合、または他の取り付け形態により具現化できる。内部コンパートメントは、固体の状態であれ気体の状態であれ液体の状態であれいずれにせよ、任意形態の商品を蓄えることができる。かかる商品の幾つかの例としては、パッケージ、ポッド、バッグ、キャンディー、スプリンクル、グリッター、または他のアイテムが挙げられる。これらは、ユーザによって個人化された様々なまたは高められた感覚的経験が最も望ましい状況で有用な場合がある。内部コンパートメント1110は、一成分を気体の圧力下で保護されかつ混ざりもののない状態に保つとともに、第2の物体を気体圧力なしで安全に蓄えられた状態に保ちながらカスタマイズ化および不均質化を可能にする。例えば、缶1100は、完全に機能するエアゾール缶(例えば、ホイップクリーム、練り歯磨き、塗料、コーティング、接着剤、オイル)であるのが良く、缶1100内に設けられた内部仕切りは、内部コンパートメント1110を形成し、それにより、内部コンパートメント1110内の缶1100内(上げ底)内の二次アイテムを少なくとも幾分か隠すとともに保護することができ、この二次アイテムには、ベース1102(例えば、ねじ付きキャップ)を缶1100から取り外すことによって接近できる。したがって、要求に応じて、ユーザは、缶1100からベース1102を取り外すことができ、そして所望量の非曝気成分を小出しされた曝気製品に添加することができ、それにより、感覚的な経験を高めることができる。注目すべきこととして、内部コンパートメント1110は、缶1100の底部分上に位置した状態で示されているが、内部コンパートメント1110は、本明細書において開示するように、缶1100の頂部分上にまたは上側部分と底部分との間(例えば、側壁)に、またはオーバーキャップ内に位置しても良い。例えば、上側部分は、缶1100の側壁または缶1100の頂部分を含むことができる。
【0088】
以下の種々の請求項に記載された機能要素に加えて、全ての手段またはステップの種々の対応の構造、材料、行為、および均等例は、具体的にクレーム請求されている他のクレーム請求された要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、または行為を含むものである。種々の実施形態は、本発明の種々の原理および本発明の種々の実用上の利用分野を最もよく開示するとともに、当業者が想定される特定の用途に合わせて種々の改造を施した種々の実施形態が得られるよう本発明を理解するために、選択されて記載されたものである。詳細な説明は、例示および説明の種々の目的のために提示されており、完全に排他的であることを意図しておらずまたは本発明を開示した種々の形態に限定することを意図していない。以下の種々の請求項に記載された本発明の範囲および精神から逸脱することなく、技術および構造における多くの改造および変形が当業者には明らかであろう。したがって、かかる改造例および変形例は、本発明の一部とみなされる。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められ、特許請求の範囲は、本発明の出願時に既知の均等例および予測できない均等例を含む。