特許 7441974 携帯用直火焼き器

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-02-21

(45)【発行日】2024-03-01

(54)【発明の名称】携帯用直火焼き器

(51)【国際特許分類】

   A47J 37/07 20060101AFI20240222BHJP

【ＦＩ】

A47J37/07

【請求項の数】 9

(21)【出願番号】P 2022567192

(86)(22)【出願日】2021-05-11

(65)【公表番号】

(43)【公表日】2023-06-14

(86)【国際出願番号】 KR2021005846

(87)【国際公開番号】W WO2021230605

(87)【国際公開日】2021-11-18

【審査請求日】2022-11-02

(31)【優先権主張番号】10-2020-0056281

(32)【優先日】2020-05-12

(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR

(73)【特許権者】

【識別番号】520074240

【氏名又は名称】ファイバー テック カンパニー リミテッド

【氏名又は名称原語表記】ＦＩＢＥＲ ＴＥＣＨ ＣＯ．， ＬＴＤ．

(74)【代理人】

【識別番号】110002262

【氏名又は名称】ＴＲＹ国際弁理士法人

(72)【発明者】

【氏名】ギル ヒョジョン

(72)【発明者】

【氏名】イ セヨン

(72)【発明者】

【氏名】ウ ジョンホン

(72)【発明者】

【氏名】イ テクホン

【審査官】土屋 正志

(56)【参考文献】

【文献】韓国登録特許第１０－１９６３５４４（ＫＲ，Ｂ１）

【文献】実開昭５５－１６３９１７（ＪＰ，Ｕ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ａ４７Ｊ ３７／０７

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

上部に焼きプレートを載置させて支持する下部ケースと、
前記下部ケースから離隔し、ガスの供給を受けて点火された火炎を前記下部ケース側に放出するヒータモジュールが内蔵された上部ケースと、
前記焼きプレートの下面に結合され、前記焼きプレートを支持する昇降フレームと、
前記昇降フレームを昇降させるリフト部と、
前記上部ケースおよび前記下部ケースの前面に結合され、長さ方向にガイド溝が形成された昇降カイダと、
上部から側方に突出し、前記ガイド溝を貫通する回転結合部が形成された昇降固定レバーと、
前記昇降フレームの前面を貫通して前記昇降固定レバーの前記回転結合部と結合する結合ユニットと、
を含む、携帯用直火焼き器。

【請求項2】

前記昇降固定レバーは、前記結合ユニットに回転可能に結合されることを特徴とする、請求項１に記載の携帯用直火焼き器。

【請求項3】

前記昇降固定レバーは、下部から側方に突出した固定突出部が形成されることを特徴とする、請求項２に記載の携帯用直火焼き器。

【請求項4】

前記昇降固定レバーは、下部が上部よりも幅が広い形態であることを特徴とする、請求項３に記載の携帯用直火焼き器。

【請求項5】

前記下部ケースに収容され、前面に枠状の突出部が形成され、前記突出部の枠状内に下降固定溝が形成された油受けをさらに含む、請求項３に記載の携帯用直火焼き器。

【請求項6】

前記リフト部が下降した状態で、前記固定突出部は、前記下降固定溝に挿入可能であることを特徴とする、請求項５に記載の携帯用直火焼き器。

【請求項7】

前記リフト部が上昇した状態で、前記固定突出部は、前記昇降カイダのガイド溝に挿入可能であることを特徴とする、請求項３に記載の携帯用直火焼き器。

【請求項8】

前記固定突出部は、終端に行くほど高さが大きいことを特徴とする、請求項６または７に記載の携帯用直火焼き器。

【請求項9】

前記固定突出部の側方には、突出したストッパが形成されることを特徴とする、請求項８に記載の携帯用直火焼き器。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、携帯可能であり、室内外で簡便に焼き物を焼いたり暖めたりできる携帯用直火焼き器に関する。

【背景技術】

【0002】

一般的に、焼き器は、熱気で焼き物を煮る装置であり、熱気を提供する方式に応じて、ガスおよび炭の火炎を用いる直接加熱方式と、電気を用いる間接加熱方式に区分される。

【0003】

例えば、直接加熱方式中の炭を用いる直火焼き器の場合、火炎の大きさの調節が難しいため、焼き物の中身はろくに煮ることができず、表面だけ焦げる問題と、燃焼時に飛散する灰および煤煙が発生する問題が生じるため、これを解決するための方法としてブタンガスを用いる直火焼きが提案された。

【0004】

すなわち、ブタンガスを用いる直接加熱方式の直火焼き器は、火炎の調節が容易であるという長所があるが、大半の焼き器は、肉類を載せる焼きプレートの下側から火炎を発生させるため、焼き物から発生する肉汁や油などが落ちて煙りおよび有毒ガスが発生し、焼く際に焼き物が焼きプレートにくっつきやすく、このため、焼き物が焦げるなどの問題があった。

【0005】

このような問題を解決するために、火炎を上部から発生させる下向き式焼き器が提案されており、韓国公開特許第１０－２０１２－００８３１６９号（２０１２．０７．２５．公開）の「携帯用直火焼き器」と、韓国登録特許第１０－１４５４３５６号（２０１４．１０．２３．公告）の「テーブル取り付けおよび携帯が可能な暖炉兼用直火焼き器」と、韓国公開特許第１０－２０１４－０１４６８８２号（２０１４．１２．２９．公開）および韓国登録特許第１０－１７１５５７２号（２０１７．０３．２２．公告）の「焼き台の昇降構造を有する両方向焼き器」などがある。

【0006】

このような下向き式焼き器は、焼き物から発生する肉汁や油などが落ちて煙りおよび有毒ガスが発生し、焼く際に焼き物が焼きプレートにくっつきやすい問題を改善することになり、下向き式の問題である焼く時間が長い問題を改善するために焼きプレートの高低の調節ができるようにリフトを設けたが、焼きプレートに焼き物の重さまで加えられた状態で昇下降をすることにより昇下降が滑らかではない場合が発生する。

【0007】

また、リフトにより昇下降するため、上昇した状態で自重により上昇状態の維持が難しかったり、下降した状態で反発力により下降状態の維持が不安であったりする場合が発生し得、この場合、大きな危険を招き得る。

【0008】

以上の背景技術に記載された事項は、発明の背景に対する理解を助けるためのものであって、本技術が属する分野における通常の知識を有する者に既に知られた従来技術ではない事項を含んでもよい。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0009】

【文献】韓国登録特許第１０－１６８６３７９号（２０１６．１２．１３．公告）

【文献】韓国登録特許第１０－１４５４３５６号（２０１４．１０．２３．公告）

【文献】韓国登録特許第１０－１５６４６２４号（２０１５．１１．０２．公告）

【文献】韓国登録特許第１０－１７１５５７２号（２０１７．０３．２２．公告）

【文献】韓国登録特許第１０－１６８６３７９号（２０１６．１２．１３．公告）

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0010】

本発明は、上述した問題を解決するために導き出されたものであり、本発明は、下向き式の携帯用直火焼き器の昇下降動作を円滑にできるようにし、昇下降動作後の状態を安定的に維持できるようにする携帯用直火焼き器を提供することにその目的がある。

【課題を解決するための手段】

【0011】

本発明の一態様に係る携帯用直火焼き器は、上部に焼きプレートを載置させて支持する下部ケースと、前記下部ケースから離隔し、ガスの供給を受けて点火された火炎を前記下部ケース側に放出するヒータモジュールが内蔵された上部ケースと、前記焼きプレートの下面に結合され、前記焼きプレートを支持する昇降フレームと、前記昇降フレームを昇降させるリフト部と、を含み、前記下部ケースの内側底面に取り付けられ、前記昇降フレームを弾性支持するスプリングをさらに含む。
そして、前記スプリングをカバーするスプリングカバーをさらに含むことができる。

【0012】

本発明の一態様に係る携帯用直火焼き器は、上部に焼きプレートを載置させて支持する下部ケースと、前記下部ケースから離隔し、ガスの供給を受けて点火された火炎を前記下部ケース側に放出するヒータモジュールが内蔵された上部ケースと、前記焼きプレートの下面に結合され、前記焼きプレートを支持する昇降フレームと、前記昇降フレームを昇降させるリフト部と、前記上部ケースおよび前記下部ケースの前面に結合され、長さ方向にガイド溝が形成された昇降カイダと、上部から側方に突出し、前記ガイド溝を貫通する回転結合部が形成された昇降固定レバーと、前記昇降フレームの前面を貫通して前記昇降固定レバーの前記回転結合部と結合する結合ユニットと、を含む。

【0013】

そして、前記昇降固定レバーは、前記結合ユニットに回転可能に結合されることを特徴とする。
また、前記昇降固定レバーは、下部から側方に突出した固定突出部が形成されることを特徴とする。
ここで、前記昇降固定レバーは、下部が上部よりも幅が広い形態であることを特徴とする。

【0014】

そして、前記下部ケースに収容され、前面に枠状の突出部が形成され、前記突出部の枠状内に下降固定溝が形成された油受けをさらに含むことができる。

【0015】

それにより、前記リフト部が下降した状態で、前記固定突出部は、前記下降固定溝に挿入可能であることを特徴とする。
また、前記リフト部が上昇した状態で、前記固定突出部は、前記昇降カイダのガイド溝に挿入可能であることを特徴とする。

【0016】

そして、前記固定突出部は、終端に行くほど高さが大きいことを特徴とする。
さらに、前記固定突出部の側方には、突出したストッパが形成されることを特徴とする。

【発明の効果】

【0017】

本発明の携帯用直火焼き器によると、リフトを弾性支持するスプリング構成により、下向き式の携帯用直火焼き器の昇下降動作を円滑にできるようにする。
そして、昇降固定レバーにより上昇状態または下降状態で焼きプレートを安定的に固定させて安全を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【0018】

【図1】本発明の携帯用直火焼き器の結合および分離した状態を図示したものである。

【図2】本発明の携帯用直火焼き器の結合および分離した状態を図示したものである。

【図3】本発明の携帯用直火焼き器の一部の図である。

【図4】本発明の携帯用直火焼き器の下降した状態を部分図示したものである。

【図5】本発明の一構成を別に図示したものである。

【図6】本発明の一構成を別に図示したものである。

【図7】本発明の携帯用直火焼き器の上昇した状態を部分図示したものである。

【図8】本発明の一構成を別に図示したものである。

【発明を実施するための形態】

【0019】

本発明と本発明の動作上の利点および本発明の実施により達成される目的を十分に理解するためには、本発明の好ましい実施形態を例示する添付図面および添付図面に記載された内容を参照しなければならない。

【0020】

本発明の好ましい実施形態を説明するにおいて、本発明の要旨を不要に濁す恐れがある公知の技術や繰り返しの説明は、その説明を縮小または省略することにする。

【0021】

図１および図２は、本発明の携帯用直火焼き器の結合および分離した状態を図示したものであり、図３は、本発明の携帯用直火焼き器の一部の図である。
以下、図１～図３を参照して、本発明の一実施形態に係る携帯用直火焼き器について説明する。

【0022】

本発明の携帯用直火焼き器は、下部ケース３１の後端上側に形成される収容室にブタンガス容器を収容し、調節バルブ１２を介してブタンガスを排出するガス供給部１と、前記ガス供給部１を介して排出されるブタンガスを上部ケース２１の下側に吐き出しおよび燃焼させて生成された火炎の熱気を焼き部３の下部ケース３１側に下降発散するヒータモジュールを有する火炎部２と、前記ヒータモジュールの自然上昇放出熱気で焼き物を暖めることができるように上部ケース２１を開放し、この開放部分に流入してヒータモジュールの上端に載置される保温容器２３と、二等分に分割されて左、右測板３２１、３２１’に分けられ、上側焼き面に油排出のために突出したリブ３２２が複数形成され、左、右測板３２１、３２１’が当接するリブ３２２部分の突片３２２’の間に油落下空間を備え、この突片３２２’と左、右測板３２１、３２１’の側面上端に突出した第１固定突起が前記下部ケース３１の上側両端に形成されたガイド溝およびガス供給部１の上側に形成された第１固定ホール１３に嵌合されて左右側カバーの役割をするようになる焼きプレート３２と、保温容器２３を覆う蓋４と、前記蓋４上に形成される取っ手５と、を含んで構成される。

【0023】

そして、昇降フレーム３３に焼きプレート３２が嵌合され、昇降フレーム３３は、リフト部３５により昇降し、焼き物をヒータモジュールに近接または離隔させるようになる。

【0024】

リフト部３５は、下部ケース３１に支持ブラケット３５１、３５１’により固定され、この支持ブラケット３５１、３５１’の両側垂直面に軸固定および移動するように一端が取り付けられ、中央にヒンジ軸により互いに結合される第１リンク３５２および第２リンク３５２’からなり、前記第１リンク３５２および第２リンク３５２’の他端は、昇降フレーム３３の垂直面に軸固定および移動するようになる。

【0025】

さらに、本発明は、リフト部３５による昇降フレーム３３の昇下降を円滑にできるように、弾性スプリング３５３を下部ケース３１の内側底面に取り付ける。

【0026】

弾性スプリング３５３は、下部ケース３１に第１リンク３５２と第２リンク３５２’の交差部分に対応する地点に取り付けられることが好ましい。
そして、弾性スプリング３５３に異物が入って汚染されるのを防止するために、弾性スプリング３５３は、弾性スプリング３５３を保護するスプリングカバー３５４が嵌合される。

【0027】

昇降フレーム３３の昇降時の支持は昇降カイダ４０によりなされる。
昇降カイダ４０は、上部ケース２１と下部ケース３１の前面に結合され、ガイド溝４１１が垂直方向に形成される。

【0028】

そして、中段には串載置溝４１２が形成され、串載置台としての役割もする。
昇降フレーム３３の支持および固定は、結合ユニット５０および昇降固定レバー６０によりなされる。

【0029】

結合ユニット５０は、昇降フレーム３３の前面を貫通して昇降固定レバー６０と結合され、昇降固定レバー６０の上部で水平方向に突出した回転結合部６１１が昇降カイダ４０のガイド溝４１１を貫通して結合ユニット５０にヒンジ結合される。
したがって、昇降フレーム３３は、昇降カイダ４０のガイド溝４１１の範囲内で上昇および下降を安定的にすることになる。

【0030】

さらに、本発明は、昇降フレーム３３の昇下降時に最大上昇または最大下降した状態を維持できるように構成されることを特徴とする。先ず、図５は、昇降フレーム３３が下降した状態であり、本発明は、下降した昇降フレーム３３が意図せず上昇できないようにする。

【0031】

図６を共に参照すると、昇降固定レバー６０は、下部で水平方向に突出した固定突出部６１２が形成される。ここで、昇降固定レバー６０の下部は、取っ手の役割ができるように上部よりも幅が広いことがより好ましい。

【0032】

そして、下部ケース３１に収容される油受け３２４の前面には突出部３２４－２が形成され、突出部３２４－２の枠内に下降固定溝３２４－１が形成される。

【0033】

突出部３２４－２は、下側が開口した四角枠状であることが好ましく、それにより、下降した状態で昇降固定レバー６０の固定突出部６１２が下降固定溝３２４－１に挿入され、昇降固定レバー６０が上方向に動作しないようにする。

【0034】

次に、昇降フレーム３３を上昇させるためには、昇降固定レバー６０を下部を把持して引っ張ると、昇降固定レバー６０は、回転結合部６１１を基準に回転動作し、固定突出部６１２の下降固定溝３２４－１による拘束が解除される。
それにより、リフト部３５により昇降フレーム３３が上昇可能な状態となる。

【0035】

図7は、昇降フレーム３３が上昇した状態であり、図8共に参照すると、昇降フレーム３３と共に上昇した昇降固定レバー６０の固定突出部６１２を昇降カイダ４０のガイド溝４１１に挿入させ、昇降固定レバー６０が下方向に動作しないようにする。

【0036】

一方、昇降固定レバー６０の固定突出部６１２は、終端に行くほど高さが大きくなるように構成されることで、ガイド溝４１１または下降固定溝６１２に挿入された状態で容易に離脱できないようにし、また、挿入する方向に過度に動作しないようにするために、固定突出部６１２の側方には、固定突出部６１２の突出長さよりは短いストッパ６１２－１が突出するように形成されることができる。

【0037】

以上のように、本発明の携帯用直火焼き器は、焼きプレートの昇下降が円滑になるようにしながらも、昇下降状態を安定的に維持できるようにすることで、焼き器の安全性を向上させることができる。

【0038】

以上、本発明は例示された図面を参照して説明されたが、記載された実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想および範囲を逸脱せずに多様に修正および変形可能であることは、本技術分野における通常の知識を有する者に明らかである。したがって、その修正例または変形例は、本発明の特許請求の範囲に属するというべきであり、本発明の権利範囲は、添付の特許請求の範囲に基づいて解釈しなければならない。

【符号の説明】

【0039】

１ ガス供給部
１２ 調節バルブ
１３ 第１固定ホール
１４ 第２固定ホール
１５、１５’ 係止ホール
２ 火炎部
２１ 上部ケース
２３ 保温容器
３ 焼き部
３１ 下部ケース
３２ 焼きプレート
３２１、３２１’ 左、右側板
３２２ リブ
３２２’ 突片
３４ 支持フレーム
３４１、３４１’ ハンガーループ
３６ 作動レバー
４ 蓋
５ 取っ手
３５３ スプリング
３５４ スプリングカバー
３３ 昇降フレーム
３５ リフト部
３５１、３５１’ 支持ブラケット
４０ 昇降カイダ
４１１ ガイド溝
４１２ 串載置台
５０ 結合ユニット
６０ 昇降固定レバー
６１１ 回転結合部
６１２ 固定突出部
６１２－１ ストッパ
３２４ 油受け
３２４－１ 下降固定溝
３２４－２ 突出部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】