(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0836 20230101AFI20240222BHJP
【FI】
G06Q10/0836
(21)【出願番号】P 2023052826
(22)【出願日】2023-03-29
【審査請求日】2023-06-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】菰岡 真人
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-031845(JP,A)
【文献】特開2003-090156(JP,A)
【文献】特開2017-107402(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0083176(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0250614(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の格納場所を備えるロッカー管理装置に荷物を格納する格納者を識別するための格納者識別情
報、所定の文字
列、及び前記荷物が格納された前記格納場
所が関連付けられた格納場所情報
と、前記格納者ごとに、当該格納者に対応する前記格納者識別情報、及び前記所定の文字列のフォーマットを示す情報が関連付けられた格納者情報とを記憶する記憶部と、
前記格納場所に荷物が格納された後に、前記荷物を取り出す取出者が入力した前記格納者識別情
報を受け付ける受付部と、
前記受付部が前記格納者識別情報を受け付けた後に、前記格納者情報において前記受付部が受け付けた前記格納者識別情報に関連付けられている前記フォーマットに従って文字列を入力させるための表示画面を表示部に表示させる表示制御部と、
を有し、
前記受付部は、前記取出者が前記表示画面において入力した文字列である取出者入力文字列を受け付け、
前記格納場所情報を参照して、前記格納場所と関連付けられている前記格納者識別情報及び前記所定の文字列の組み合わせと、前記受付部が受け付けた前記格納者識別情報及び前記取出者入力文字列の組み合わせとを照合し、照合した照合結果が正しいことを示すことを条件として、前記格納場所を解錠させるロッカー制御部
をさらに有する、
情報処理装置。
【請求項2】
複数の格納場所を備えるロッカー管理装置に荷物を格納する格納者を識別するための格納者識別情報、所定の文字列、及び前記荷物が格納された前記格納場所が関連付けられた格納場所情報と、前記格納者ごとに、当該格納者に対応する前記格納者識別情
報、及び前記所定の文字列のフォーマットを示す情
報が関連付けられた格納者情報
とを記憶
する記憶部と、
前記格納場所に荷物が格納される前に、前記格納者情報に含まれる複数の前記格納者識別情報の中から前記格納者が選択した前記格納者識別情報と、前記格納者が入力した前記所定の文字列である格納者入力文字列とを受け付け
る受付部と、
前記受付部が受け付けた前記格納者識別情報と、前記格納者入力文字列と、前記荷物が格納された前記格納場所とを関連付けて前記格納場所情報に追加する
ロッカー制御部と、
を有し、
前記受付部は、前記格納場所に荷物が格納された後に、前記荷物を取り出す取出者が入力した前記格納者識別情報と、前記取出者が入力した文字列である取出者入力文字列とを受け付け、
前記ロッカー制御部は、前記格納場所情報を参照して、前記格納場所と関連付けられている前記格納者識別情報及び前記所定の文字列の組み合わせと、前記受付部が受け付けた前記格納者識別情報及び前記取出者入力文字列の組み合わせとを照合し、照合した照合結果が正しいことを示すことを条件として、前記格納場所を解錠させる、
情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
前記フォーマットを登録するための登録要求であって、前記フォーマットを示す情報を含む前記登録要求を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記登録要求に基づいて発行された前記格納者識別情報と、前記取得部が取得した前記登録要求に含まれる前記フォーマットを示す情報とを関連付けて前記格納者情報に追加することにより、前記フォーマットを登録する登録部と、
をさらに有する、
請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ロッカー管理装置は、複数のエリアに配置されており、
前記格納者情報には、さらに、前記複数のエリアのうちの前記格納者が利用する利用エリアを示す情報が関連付けられており、
前記取得部は、前記複数のエリアの中から前記格納者が選択した前記利用エリアを示す情報をさらに含む前記登録要求を取得し、
前記登録部は、前記登録要求に含まれる前記利用エリアを示す情報をさらに関連付けて前記格納者情報に追加し、
前記ロッカー制御部は、前記受付部が受け付けた前記格納者識別情報と、前記格納者入力文字列と、前記格納者情報において前記受付部が受け付けた前記格納者識別情報に関連付けられている前記利用エリアに配置されている前記ロッカー管理装置が備える前記格納場所とを関連付けて前記格納場所情報に追加する、
請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受付部は、前記格納場所に荷物が格納される前に、前記格納者識別情報を発行するための発行要求と、前記格納者が入力した前記所定の文字列である格納者入力文字列とを受け付け、
前記情報処理装置は、前記受付部が受け付けた前記発行要求に基づいて、前記格納者識別情報を発行する発行部をさらに有し、
前記ロッカー制御部は、前記発行部が発行した前記格納者識別情報と、前記受付部が受け付けた前記格納者入力文字列と、前記荷物が格納された前記格納場所とを関連付けて前記格納場所情報に追加する、
請求項1
又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記ロッカー制御部が前記格納場所を解錠させる前に、前記格納場所が前記情報処理装置を管理する管理者によって一時的に解錠される場合がある旨のメッセージを表示部に表示させる表示制御部をさらに有する、
請求項1
又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
複数の格納場所を備えるロッカー管理装置に荷物を格納する格納者を識別するための格納者識別情
報、所定の文字
列、及び前記荷物が格納された前記格納場
所が関連付けられた格納場所情報
と、前記格納者ごとに、当該格納者に対応する前記格納者識別情報、及び前記所定の文字列のフォーマットを示す情報が関連付けられた格納者情報とを記憶する記憶部を有するコンピュータが実行する、
前記格納場所に荷物が格納された後に、前記荷物を取り出す取出者が入力した前記格納者識別情
報を受け付けるステップと、
前記格納者識別情報を受け付けた後に、前記格納者情報において受け付けた前記格納者識別情報に関連付けられている前記フォーマットに従って文字列を入力させるための表示画面を表示部に表示させるステップと、
前記取出者が前記表示画面において入力した文字列である取出者入力文字列を受け付けるステップと、
前記格納場所情報を参照して、前記格納場所と関連付けられている前記格納者識別情報及び前記所定の文字列の組み合わせと、受け付けた前記格納者識別情報及び前記取出者入力文字列の組み合わせとを照合するステップと、
照合した照合結果が正しいことを示すことを条件として、前記格納場所を解錠させるステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項8】
複数の格納場所を備えるロッカー管理装置に荷物を格納する格納者を識別するための格納者識別情
報、所定の文字
列、及び前記荷物が格納された前記格納場
所が関連付けられた格納場所情報
と、前記格納者ごとに、当該格納者に対応する前記格納者識別情報、及び前記所定の文字列のフォーマットを示す情報が関連付けられた格納者情報とを記憶する記憶部を有するコンピュータを、
前記格納場所に荷物が格納された後に、前記荷物を取り出す取出者が入力した前記格納者識別情
報を受け付ける受付部、及び
前記受付部が前記格納者識別情報を受け付けた後に、前記格納者情報において前記受付部が受け付けた前記格納者識別情報に関連付けられている前記フォーマットに従って文字列を入力させるための表示画面を表示部に表示させる表示制御部、
として機能させ、
前記受付部は、前記取出者が前記表示画面において入力した文字列である取出者入力文字列を受け付け、
前記コンピュータを、前記格納場所情報を参照して、前記格納場所と関連付けられている前記格納者識別情報及び前記所定の文字列の組み合わせと、前記受付部が受け付けた前記格納者識別情報及び前記取出者入力文字列の組み合わせとを照合し、照合した照合結果が正しいことを示すことを条件として、前記格納場所を解錠させるロッカー制御
部として
さらに機能させるためのプログラム。
【請求項9】
複数の格納場所を備えるロッカー管理装置に荷物を格納する格納者を識別するための格納者識別情報、所定の文字列、及び前記荷物が格納された前記格納場所が関連付けられた格納場所情報と、前記格納者ごとに、当該格納者に対応する前記格納者識別情報、及び前記所定の文字列のフォーマットを示す情報が関連付けられた格納者情報とを記憶する記憶部を有するコンピュータが実行する、
前記格納場所に荷物が格納される前に、前記格納者情報に含まれる複数の前記格納者識別情報の中から前記格納者が選択した前記格納者識別情報と、前記格納者が入力した前記所定の文字列である格納者入力文字列とを受け付けるステップと、
受け付けた前記格納者識別情報と、前記格納者入力文字列と、前記荷物が格納された前記格納場所とを関連付けて前記格納場所情報に追加するステップと、
前記格納場所に荷物が格納された後に、前記荷物を取り出す取出者が入力した前記格納者識別情報と、前記取出者が入力した文字列である取出者入力文字列とを受け付けるステップと、
前記格納場所情報を参照して、前記格納場所と関連付けられている前記格納者識別情報及び前記所定の文字列の組み合わせと、受け付けた前記格納者識別情報及び前記取出者入力文字列の組み合わせとを照合し、照合した照合結果が正しいことを示すことを条件として、前記格納場所を解錠させるステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項10】
複数の格納場所を備えるロッカー管理装置に荷物を格納する格納者を識別するための格納者識別情報、所定の文字列、及び前記荷物が格納された前記格納場所が関連付けられた格納場所情報と、前記格納者ごとに、当該格納者に対応する前記格納者識別情報、及び前記所定の文字列のフォーマットを示す情報が関連付けられた格納者情報とを記憶する記憶部を有するコンピュータを、
前記格納場所に荷物が格納される前に、前記格納者情報に含まれる複数の前記格納者識別情報の中から前記格納者が選択した前記格納者識別情報と、前記格納者が入力した前記所定の文字列である格納者入力文字列とを受け付ける受付部、及び
前記受付部が受け付けた前記格納者識別情報と、前記格納者入力文字列と、前記荷物が格納された前記格納場所とを関連付けて前記格納場所情報に追加するロッカー制御部、
として機能させ、
前記受付部は、前記格納場所に荷物が格納された後に、前記荷物を取り出す取出者が入力した前記格納者識別情報と、前記取出者が入力した文字列である取出者入力文字列とを受け付け、
前記ロッカー制御部は、前記格納場所情報を参照して、前記格納場所と関連付けられている前記格納者識別情報及び前記所定の文字列の組み合わせと、前記受付部が受け付けた前記格納者識別情報及び前記取出者入力文字列の組み合わせとを照合し、照合した照合結果が正しいことを示すことを条件として、前記格納場所を解錠させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、荷物の配送先としてロッカーが利用されている。特許文献1には、ロッカーを介して配送業者と受取人との間における荷物の受け渡しを行うための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術においては、受取人が取り決めたID(identifier)等が登録されてロッカーの錠が制御されるが、様々な人によって利用されるロッカーにおいては、重複したIDが登録されてしまうと、正しく荷物を受け渡すことができない等の不測の事態が生じてしまう可能性がある。そのため、IDの重複を避けてロッカーを制御する仕組みを提供することが求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ロッカーを制御するために用いられるIDの重複を避け、正しく荷物を引き渡すことを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様にかかる情報処理装置は、複数の格納場所を備えるロッカー管理装置に荷物を格納する格納者を識別するための格納者識別情報と、所定の文字列と、前記荷物が格納された前記格納場所とが関連付けられた格納場所情報を記憶する記憶部と、前記格納場所に荷物が格納された後に、前記荷物を取り出す取出者が入力した前記格納者識別情報と、前記取出者が入力した文字列である取出者入力文字列とを受け付ける受付部と、前記格納場所情報を参照して、前記格納場所と関連付けられている前記格納者識別情報及び前記所定の文字列の組み合わせと、前記受付部が受け付けた前記格納者識別情報及び前記取出者入力文字列の組み合わせとを照合し、照合した照合結果が正しいことを示すことを条件として、前記格納場所を解錠させるロッカー制御部と、を有する。
【0007】
前記記憶部は、前記格納者ごとに、当該格納者に対応する前記格納者識別情報と、前記所定の文字列のフォーマットを示す情報とが関連付けられた格納者情報をさらに記憶してもよいし、前記情報処理装置は、前記受付部が前記格納者識別情報を受け付けた後に、前記格納者情報において前記受付部が受け付けた前記格納者識別情報に関連付けられている前記フォーマットに従って文字列を入力させるための表示画面を表示部に表示させる表示制御部をさらに有してもよいし、前記受付部は、前記表示画面において入力された前記取出者入力文字列を受け付けてもよい。
【0008】
前記記憶部は、前記格納者ごとに、当該格納者に対応する前記格納者識別情報と、前記所定の文字列のフォーマットを示す情報とが関連付けられた格納者情報をさらに記憶してもよいし、前記受付部は、前記格納場所に荷物が格納される前に、前記格納者情報に含まれる複数の前記格納者識別情報の中から前記格納者が選択した前記格納者識別情報と、前記格納者が入力した前記所定の文字列である格納者入力文字列とを受け付けてもよいし、前記ロッカー制御部は、前記受付部が受け付けた前記格納者識別情報と、前記格納者入力文字列と、前記荷物が格納された前記格納場所とを関連付けて前記格納場所情報に追加してもよい。
【0009】
前記情報処理装置は、前記フォーマットを登録するための登録要求であって、前記フォーマットを示す情報を含む前記登録要求を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記登録要求に基づいて発行された前記格納者識別情報と、前記取得部が取得した前記登録要求に含まれる前記フォーマットを示す情報とを関連付けて前記格納者情報に追加することにより、前記フォーマットを登録する登録部と、をさらに有してもよい。
【0010】
前記ロッカー管理装置は、複数のエリアに配置されてもよいし、前記格納者情報には、さらに、前記複数のエリアのうちの前記格納者が利用する利用エリアを示す情報が関連付けられていてもよいし、前記取得部は、前記複数のエリアの中から前記格納者が選択した前記利用エリアを示す情報をさらに含む前記登録要求を取得してもよいし、前記登録部は、前記登録要求に含まれる前記利用エリアを示す情報をさらに関連付けて前記格納者情報に追加してもよいし、前記ロッカー制御部は、前記受付部が受け付けた前記格納者識別情報と、前記格納者入力文字列と、前記格納者情報において前記受付部が受け付けた前記格納者識別情報に関連付けられている前記利用エリアに配置されている前記ロッカー管理装置が備える前記格納場所とを関連付けて前記格納場所情報に追加してもよい。
【0011】
前記受付部は、前記格納場所に荷物が格納される前に、前記格納者識別情報を発行するための発行要求と、前記格納者が入力した前記所定の文字列である格納者入力文字列とを受け付けてもよいし、前記情報処理装置は、前記受付部が受け付けた前記発行要求に基づいて、前記格納者識別情報を発行する発行部をさらに有してもよいし、前記ロッカー制御部は、前記発行部が発行した前記格納者識別情報と、前記受付部が受け付けた前記格納者入力文字列と、前記荷物が格納された前記格納場所とを関連付けて前記格納場所情報に追加してもよい。
【0012】
前記情報処理装置は、前記ロッカー制御部が前記格納場所を解錠させる前に、前記格納場所が前記情報処理装置を管理する管理者によって一時的に解錠される場合がある旨のメッセージを表示部に表示させる表示制御部をさらに有してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様にかかる情報処理方法は、複数の格納場所を備えるロッカー管理装置に荷物を格納する格納者を識別するための格納者識別情報と、所定の文字列と、前記荷物が格納された前記格納場所とが関連付けられた格納場所情報を記憶する記憶部を有するコンピュータが実行する、前記格納場所に荷物が格納された後に、前記荷物を取り出す取出者が入力した前記格納者識別情報と、前記荷物を取り出す取出者が入力した文字列である取出者入力文字列とを受け付けるステップと、前記格納場所情報を参照して、前記格納場所と関連付けられている前記格納者識別情報及び前記所定の文字列の組み合わせと、受け付けた前記格納者識別情報及び前記取出者入力文字列の組み合わせとを照合するステップと、照合した照合結果が正しいことを示すことを条件として、前記格納場所を解錠させるステップと、を有する。
【0014】
本発明の第3の態様にかかるプログラムは、複数の格納場所を備えるロッカー管理装置に荷物を格納する格納者を識別するための格納者識別情報と、所定の文字列と、前記荷物が格納された前記格納場所とが関連付けられた格納場所情報を記憶する記憶部を有するコンピュータを、前記格納場所に荷物が格納された後に、前記荷物を取り出す取出者が入力した前記格納者識別情報と、前記荷物を取り出す取出者が入力した文字列である取出者入力文字列とを受け付ける受付部、及び前記格納場所情報を参照して、前記格納場所と関連付けられている前記格納者識別情報及び前記所定の文字列の組み合わせと、前記受付部が受け付けた前記格納者識別情報及び前記取出者入力文字列の組み合わせとを照合し、照合した照合結果が正しいことを示すことを条件として、前記格納場所を解錠させるロッカー制御部、として機能させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ロッカーを制御するために用いられるIDの重複を避け、正しく荷物を引き渡すことを可能とすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】情報処理装置の処理の概要を説明するための図である。
【
図2】情報処理装置の機能構成を模式的に示す図である。
【
図3】格納場所管理データベースの構成の一例を示す図である。
【
図4】格納者管理データベースの構成の一例を示す図である。
【
図5】ロッカーの表示部に表示される表示画面の一例を模式的に表した図である。
【
図6】ロッカーの表示部に表示される表示画面の一例を模式的に表した図である。
【
図7】ロッカーの表示部に表示される表示画面の一例を模式的に表した図である。
【
図8】ロッカーの表示部に表示される表示画面の一例を模式的に表した図である。
【
図9】情報処理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[情報処理装置1の処理の概要]
図1は、情報処理装置1の処理の概要を説明するための図である。情報処理装置1は、ロッカーLを介して格納者Dと取出者Uとの間における荷物の受け渡しを提供する情報処理サービスを管理する装置であり、例えば、サーバである。
【0018】
ロッカーLは、荷物の配送先として利用されるロッカーを管理するロッカー管理装置である。ロッカーLは、複数のエリアに配置されている。ロッカーLは、複数の格納場所と、格納場所の利用手続きを受け付ける受付機とを備える。受付機は、情報を表示するディスプレイ等の表示部と、情報の入力を受け付けるタッチパネル又はボタン等の操作部とを備える。ロッカーLは、情報処理装置1と通信可能である。
【0019】
格納者Dは、荷物の配送を依頼する依頼主から、ロッカーLを配送先とする荷物の配送依頼に応じてロッカーLに当該荷物を格納する者であり、例えば、配送業者、取出者Uが商品を購入した店舗、取出者Uを代理して店舗から商品を購入した代理購入者等である。荷物の依頼主は、例えば、取出者U、店舗、代理購入者等である。取出者Uは、格納者Dが配送した荷物を受け取る人、具体的には、格納者DがロッカーLの格納場所に格納した荷物を取り出す人である。
【0020】
情報処理装置1は、格納者ID及び格納文字列の組み合わせを、荷物が格納された格納場所を制御するためのIDとして管理する。格納者IDは、格納者Dを識別するための格納者識別情報である。格納文字列は、格納者Dによる荷物の格納を識別するための文字列であって、例えば、格納者Dが発行した所定の文字列、又は情報処理装置1が発行した所定の文字列である。格納者Dが発行した所定の文字列は、例えば、荷物の配送を識別するための配送番号、荷物の配送の受け付けを識別するための受付番号、荷物の配送の問い合わせを識別するための問合番号等のように、格納者Dが依頼主からの荷物の配送依頼を受け付けてから格納者Dが荷物を配送するまでの間において、格納者Dが所定の対応を識別するために発行した情報である。
以下、情報処理装置1が実行する処理の流れについて説明する。
【0021】
まず、格納者Dは、荷物の依頼主から、ある場所に存在するロッカーLを配送先とする荷物の配送依頼を引き受けると、格納した荷物を格納場所から取り出すための取出情報を取出者Uに通知する(
図1における(1))。取出情報には、例えば配送番号が含まれる。
【0022】
格納者Dは、荷物の配送先であるロッカーLに到着すると、当該ロッカーLにおいて荷物を格納するための格納手続きを行う(
図1における(2))。なお、格納者Dは、格納手続きを行った後に、取出情報を取出者Uに通知してもよい。
【0023】
格納者DがロッカーLにおいて格納手続きを行うと、情報処理装置1は、当該格納手続きに基づく格納場所情報を記憶する(
図1における(3))。格納場所情報は、格納者IDと、格納文字列と、格納場所とが関連付けられた情報である。格納者Dが、格納場所に荷物を格納すると、情報処理装置1は、当該格納場所をロッカーLに施錠させる(
図1における(4))。
【0024】
格納者Dが荷物を格納場所に格納した後において、取出者Uは、ロッカーLに到着すると、当該ロッカーLにおいて格納者Dが格納した荷物を取り出すための取出手続きを行う(
図1における(5))。具体的には、取出者Uが、格納者Dから通知された取出情報に基づいて、ロッカーLにおいて格納者IDと、所定の文字列(例えば配送番号)とを入力する操作を行う。
【0025】
情報処理装置1は、記憶している格納場所情報を参照し、格納場所と関連付けられている格納者ID及び格納文字列の組み合わせと、取出者Uが入力した格納者ID及び文字列の組み合わせとを照合し、照合した照合結果が正しいことを示すことを条件として、当該格納場所をロッカーLに解錠させる(
図1における(6))。その後、取出者Uは、解錠された格納場所から荷物を取り出す。
【0026】
このように、情報処理装置1は、一つの種類ではなく、格納者ID及び格納文字列の複数の種類の組み合わせを、荷物が格納された格納場所を制御するためのIDとして管理することにより、ロッカーLの格納場所を制御するために用いられるIDの重複を避け、正しく荷物を引き渡すことを可能とすることができる。また、情報処理装置1は、ロッカーLの格納場所を制御するために用いられるIDが重複する確率を低減することができる。
以下、情報処理装置1の機能構成について説明する。
【0027】
[情報処理装置1の機能構成]
図2は、情報処理装置1の機能構成を模式的に示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しているが、
図2に示していないデータの流れがあってもよい。
図2において、各機能ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示す機能ブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。機能ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0028】
通信部11は、ネットワークに接続するための通信インターフェースであり、外部の端末及び外部のサーバからデータを受信するための通信コントローラを有する。
【0029】
記憶部12は、情報処理装置1を実現するコンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)や情報処理装置1の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報を格納するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置である。
【0030】
記憶部12は、ロッカーLに関する情報を記憶している。ロッカーLに関する情報には、例えば、ロッカーID、格納場所ID、ロッカーLが配置されているエリアを示す情報等が含まれる。
【0031】
また、記憶部12は、格納場所情報を管理する格納場所管理データベースを記憶している。
図3は、格納場所管理データベースの構成の一例を示す図である。
図3に示す例において、格納場所管理データベースは、荷物が格納されている格納場所ごとに、ロッカーIDと、格納場所IDと、格納者IDと、格納文字列と、パスワードとを関連付けて記憶している。パスワードは、例えば、格納者Dによる格納手続きが行われたときに情報処理装置1が発行した情報である。
【0032】
また、記憶部12は、情報処理サービスに登録されている格納者Dに関する情報を示す格納者情報を管理する格納者管理データベースを記憶している。
図4は、格納者管理データベースの構成の一例を示す図である。
図4に示す例において、格納者管理データベースは、格納者Dごとに、格納者IDと、格納者名と、フォーマット情報(桁数、文字種類、フォーマット名等)と、利用エリアとを関連付けて記憶している。
【0033】
フォーマット情報は、格納文字列のフォーマットを示す情報である。文字種類は、格納文字列のフォーマットで定められている文字の種類である。
図4に示す格納者管理データベースにおいては、格納文字列の各桁に共通する文字種類を記憶しているが、これに限らない。例えば、格納文字列の1桁ごとに文字の種類が定められている場合、格納者管理データベースは、1桁ごとに当該桁に対応する文字種類を関連付けて記憶してもよい。フォーマット名は、例えば、配送番号、受付番号、問合せ番号等のように、格納者Dが定めたフォーマットの名称であり、UI(User Interface)への表示等に用いられる。利用エリアは、ロッカーLが配置されている複数のエリアのうちの格納者Dが利用するエリアを示す情報であり、例えば、都道府県、市区町村等によって示される。
【0034】
図2に戻り、制御部13は、情報処理装置1のCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することによって、受付部131、表示制御部132、ロッカー制御部133、発行部134、取得部135、登録部136及び照合部137として機能する。
以下、受付部131、表示制御部132、ロッカー制御部133、発行部134、取得部135、登録部136及び照合部137の機能の詳細を、格納者Dが荷物を格納する手続きを行う際に情報処理装置1が実行する格納処理と、取出者Uが荷物を取り出す手続きを行う際に情報処理装置1が実行する取出処理とに分けて説明する。
【0035】
<格納処理>
まず、情報処理装置1が実行する格納処理について説明する。情報処理装置1は、情報処理サービスにおいて格納者情報が登録されている格納者Dが荷物を格納する場合(第1のケース)と、情報処理サービスにおいて格納者情報が登録されていない格納者Dが荷物を格納する場合とでそれぞれ異なる格納処理を実行する。また、情報処理装置1は、情報処理サービスにおいて格納者情報が登録されていない格納者Dが荷物を格納する場合において、当該格納者が格納者情報を登録せずに荷物を格納する場合(第2のケース)と、当該格納者が格納者情報を登録して荷物を格納する場合(第3のケース)とでそれぞれ異なる格納処理を実行する。
【0036】
(第1のケースにおける格納処理)
情報処理装置1は、情報処理サービスにおいて格納者情報が登録されている格納者Dが荷物を格納する場合、登録されている格納者IDと、登録されているフォーマットに従った格納文字列とに基づいて、荷物が格納された格納場所を管理する。
【0037】
受付部131は、ロッカーLの操作部を介して、格納者Dが入力した情報を受け付ける。具体的には、受付部131は、ロッカーLの格納場所に荷物が格納される前に、当該ロッカーLのロッカーIDと、格納者管理データベースに含まれる複数の格納者IDの中から格納者Dが選択した格納者IDと、格納者Dが入力した格納文字列(以下、「格納者入力文字列」という。)と、荷物を格納する格納場所に対応する格納場所IDとを受け付ける。
【0038】
表示制御部132は、受付部131が種々の情報を受け付けるための表示画面をロッカーLの表示部に表示させる。具体的には、表示制御部132は、表示画面を表示させるための情報をロッカーLに送信することにより、表示画面をロッカーLの表示部に表示させる。
【0039】
図5は、ロッカーLの表示部に表示される表示画面の一例を模式的に表した図である。
図5(a)に示す表示画面は、メニュー画面である。
図5(a)に示すメニュー画面には、荷物を格納するためのボタンB1と、荷物を取り出すためのボタンB2とが表示されている。格納者Dが
図5(a)に示すメニュー画面においてボタンB1を押下する操作を行うと、受付部131は、格納要求を受け付ける。格納要求には、ロッカーLに対応するロッカーIDが含まれている。
【0040】
表示制御部132は、受付部131が格納要求を受け付けると、格納者管理データベースに記憶されている格納者名の一覧をロッカーLの表示部に表示させる。具体的には、表示制御部132は、格納者管理データベースにおいて、ロッカーLを含む利用エリア(受付部131が受け付けた格納要求に含まれるロッカーIDに対応するロッカーLを含む利用エリア)に関連付けられている格納者名の一覧をロッカーLの表示部に表示させる。
【0041】
図5(b)に示す表示画面は、格納者選択画面である。
図5(b)に示す格納者選択画面には、表示領域R1において、格納者管理データベースに記憶されている格納者名の一覧が表示されている。格納者Dが
図5(b)に示す格納者選択画面において自身の格納者名(例えば、「A宅配便」)を選択する操作を行うと、受付部131は、格納者Dが選択した格納者名に対応する格納者IDを受け付ける。表示制御部132は、受付部131が格納者IDを受け付けると、格納者管理データベースにおいて受付部131が受け付けた格納者IDに関連付けられているフォーマット情報に従って格納文字列を入力させるための文字列入力画面をロッカーLの表示部に表示させる。
【0042】
図5(c)に示す表示画面は、文字列入力画面である。
図5(c)に示す文字列入力画面には、格納者管理データベースにおいて格納者名「A宅配便」に関連付けられているフォーマット情報に従って格納文字列を入力させるためのメッセージM1と、入力された文字列を表示する表示項目A1と、格納文字列を入力するためのキーボードK1とが表示されている。
【0043】
格納者Dが、
図5(c)に示す文字列入力画面において格納文字列(格納者入力文字列)を入力する操作を行うと、受付部131は、格納者入力文字列を受け付ける。なお、格納文字列を入力手段においては、キーボードK1に限らず、バーコード等のコード画像又はスマートフォン等のICデバイスから格納文字列を読み取ることによって、文字列が入力されてもよい。
【0044】
受付部131は、格納者入力文字列を受け付ける前に、当該格納者入力文字列が格納者Dに対応する格納文字列のフォーマット情報に従っているか否かを判定するフォーマット判定処理を実行してもよい。受付部131は、格納者入力文字列がフォーマット情報に従っていると判定した場合に、当該格納者入力文字列を受け付ける。一方、格納者入力文字列がフォーマット情報に従っていないと受付部131が判定した場合、表示制御部132は、格納者入力文字列が登録されているフォーマットに従っていない旨のメッセージをロッカーLの表示部に表示させてもよい。
【0045】
上記において、格納者Dが格納文字列を入力する例を説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置1が格納文字列を発行してもよい。例えば、文字列入力画面には、格納文字列を発行するための不図示の文字列発行ボタンが設けられている。この場合において、まず、格納者Dが文字列入力画面において文字列発行ボタンを押下する操作を行うと、発行部134は、格納文字列を発行する。そして、表示制御部132は、発行部134が発行した格納文字列をロッカーLの表示部に表示させる。その後、格納者Dは、ロッカーLの表示部に表示された格納文字列を、取出情報として取出者Uに通知する。
【0046】
受付部131が格納者入力文字列を受け付けると、表示制御部132は、ロッカーLに備えられている複数の格納場所の中から荷物を格納する格納場所を選択するための格納場所選択画面をロッカーLの表示部に表示させる。
【0047】
図5(d)に示す表示画面は、格納場所選択画面である。
図5(d)に示す格納場所選択画面には、表示領域R2において、ロッカーLが備える格納場所の一覧が表示されている。格納者Dが、
図5(d)に示す格納場所選択画面において格納場所を選択する操作を行うと、受付部131は、格納者Dが選択した格納場所に対応する格納場所IDを受け付ける。
【0048】
図2に戻り、ロッカー制御部133は、荷物が格納された格納場所を制御する。ロッカー制御部133は、例えば、ロッカーLに対して荷物が格納された格納場所の施錠を指示することにより、当該格納場所を制御する。また、ロッカー制御部133は、例えば、利用されていない格納場所が施錠されている場合において、受付部131がロッカーID、格納場所ID、格納者ID及び格納者入力文字列を受け付けた場合に、受付部131が受け付けた格納場所IDに対応する格納場所の解錠を指示し、当該格納場所に荷物が格納されたことに応じて当該格納場所を施錠させる。
【0049】
また、ロッカー制御部133は、受付部131が受け付けたロッカーIDと、格納者IDと、格納者入力文字列と、荷物が格納された格納場所に対応する格納場所IDとを関連付けて格納場所管理データベースに追加する。具体的には、ロッカー制御部133は、受付部131が受け付けたロッカーIDと、格納者IDと、格納者入力文字列と、格納者管理データベースにおいて受付部131が受け付けた格納者IDに関連付けられている利用エリアに配置されているロッカーLが備える格納場所に対応する格納場所IDとを関連付けて格納場所管理データベースに追加する。発行部134が格納文字列を発行した場合、ロッカー制御部133は、発行部134が発行した格納文字列を格納場所管理データベースに記憶させる。
【0050】
ロッカー制御部133は、受付部131が格納要求を受け付けたことに応じて発行されたパスワードをさらに関連付けて格納場所管理データベースに記憶させてもよい。例えば、まず、発行部134は、受付部131が格納要求を受け付けた場合に、パスワードを発行する。そして、ロッカー制御部133は、発行部134が発行したパスワードをさらに関連付けて格納場所管理データベースに記憶させる。
【0051】
また、発行部134がパスワードを発行すると、表示制御部132は、受付部131が格納要求を受け付けたときからロッカー制御部133が格納場所を制御するまでの間における所定のタイミングで、ロッカーLの表示部に当該パスワードを表示させる。格納者Dは、ロッカーLの表示部に表示されたパスワードを、取出情報として取出者に通知する。
【0052】
(第2のケースにおける格納処理)
情報処理装置1は、情報処理サービスにおいて格納者情報が登録されていない格納者Dが格納者情報を登録せずに荷物を格納する場合、新たに発行した格納者IDと、格納文字列とに基づいて、荷物が格納された格納場所を管理する。受付部131は、ロッカーLの格納場所に荷物が格納される前に、当該ロッカーLのロッカーIDと、格納者IDを発行するための発行要求と、格納者入力文字列と、荷物を格納する格納場所に対応する格納場所IDとを受け付ける。
【0053】
図6は、ロッカーLの表示部に表示される表示画面の一例を模式的に表した図である。
図6(a)に示す表示画面は、受付部131が格納要求を受け付けたことに応じて表示される格納者選択画面である。
図6(a)に示す格納者選択画面には、格納者IDを発行するためのボタンB3がさらに表示されている。
【0054】
格納者Dが
図6(a)に示す格納者選択画面においてボタンB3を押下する操作を行うと、受付部131は、発行要求を受け付ける。発行部134は、受付部131が受け付けた発行要求に基づいて、格納者IDを発行する。表示制御部132は、発行部134が格納者IDを発行すると、当該格納者IDをロッカーLの表示部に表示させる。
【0055】
図6(b)に示す表示画面は、発行部134が発行した格納者IDが表示されるID表示画面である。
図6(b)に示すID表示画面には、格納者Dに対して当該格納者IDを取出者Uに通知させるためのメッセージと、発行部134が発行した格納者IDとが表示されている。格納者Dは、ロッカーLの表示部に表示された格納者IDを、取出情報として取出者Uに通知する。
【0056】
その後、受付部131は、ロッカーLの操作部を介して、格納者Dから、格納者入力文字列と、荷物を格納する格納場所に対応する格納場所IDとを受け付ける。なお、情報処理サービスにおいて登録されていない格納者Dにおいては、フォーマット情報が登録されていないため、受付部131は、フォーマット判定処理を実行せずに、情報処理サービスにおいて登録されていない格納者Dが入力した格納者入力文字列を受け付ける。
【0057】
ロッカー制御部133は、発行部134が発行した格納者IDと、受付部131が受け付けたロッカーIDと、格納者入力文字列と、格納場所IDとを関連付けて格納場所管理データベースに追加する。
【0058】
(第3のケースにおける格納処理)
情報処理装置1は、情報処理サービスにおいて格納者情報が登録されていない格納者Dが格納者情報を登録して荷物を格納する場合、新たな格納者情報を登録した後に、登録された格納者IDと、登録されたフォーマットに従った格納文字列とに基づいて、荷物が格納された格納場所を管理する。
【0059】
取得部135は、格納者Dによる登録要求を取得する。登録要求は、格納者Dのフォーマットを登録するための要求である。登録要求には、フォーマット情報が含まれる。発行部134は、登録要求に基づいて、格納者IDを発行する。そして、登録部136は、取得部135が取得した登録要求に基づいて発行された格納者IDと、取得部135が取得した登録要求に含まれるフォーマット情報とを関連付けて格納者管理データベースに追加することにより、フォーマットを登録する。
【0060】
登録部136は、エリア情報をさらに関連付けて格納者管理データベースに記憶させてもよい。具体的には、まず、取得部135は、複数のエリアの中から格納者Dが選択した利用エリアを示す情報をさらに含む登録要求を取得する。そして、登録部136は、登録要求に含まれる利用エリアを示す情報をさらに関連付けて格納者管理データベースに追加する。
【0061】
図7は、ロッカーLの表示部に表示される表示画面の一例を模式的に表した図である。
図7(a)に示す表示画面は、受付部131が格納要求を受け付けたことに応じて表示される格納者選択画面である。
図7(a)に示す格納者選択画面には、格納者情報を新規登録するためのボタンB4がさらに表示されている。格納者Dが
図7(a)に示す格納者選択画面においてボタンB4を押下する操作を行うと、受付部131は、新たな格納者情報を登録する手続きを行うための手続要求を受け付ける。表示制御部132は、受付部131が手続要求を受け付けると、格納者情報を登録する登録ページにアクセスための情報をロッカーLの表示部に表示させる。
【0062】
図7(b)に示す表示画面は、コード画像が表示された画像表示画面である。コード画像には、登録・編集ページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)が含まれている。格納者Dが画像表示画面に表示されたコード画像を、格納者Dが使用するスマートフォン等の不図示の格納者端末で読み取る操作を行うと、表示制御部132は、登録ページを格納者端末に表示させる。なお、登録ページにおいては、表示されるコード画像のみでなく、一般的なWebサービスとしてアクセス可能とすることができる。この場合、格納者Dは、事前に格納者情報の登録及び編集をすることができる。
【0063】
図示はしないが、登録ページには、格納者名、フォーマット情報(桁数、文字種類及びフォーマット名等)、利用エリア等を登録するための入力項目が設けられている。格納者Dが格納者端末に表示された登録ページにおいて各入力項目に情報を入力して登録する操作を行うと、取得部135は、格納者端末から、格納者Dが入力した情報を含む登録要求を取得する。
【0064】
なお、取得部135は、登録されている複数のフォーマット情報の中から格納者Dが選択したフォーマット情報を取得してもよい。例えば、記憶部12には、フォーマット情報を管理する不図示のフォーマット管理データベースが記憶されている。この場合において、まず、表示制御部132は、登録ページにおいて、フォーマット管理データベースに記憶されているフォーマット情報の一覧を表示する。そして、格納者Dが登録ページにおいてフォーマット情報の一覧からフォーマット情報を選択する操作を行うと、選択されたフォーマット情報を含む登録要求を取得する。このようにすることで、情報処理装置1は、格納者Dがフォーマット情報を入力する負担を軽減させることができる。
【0065】
取得部135が登録要求を取得すると、登録部136は、当該登録要求に基づいて、新たな格納者情報を格納者管理データベースに追加する。登録部136は、フォーマット管理データベースに記憶されていない新たなフォーマット情報を取得部135が取得した場合、当該新たなフォーマット情報をフォーマット管理データベースに追加してもよい。その後、格納者Dは、情報処理サービスにおいて格納者情報が登録されている格納者Dと同様の手順で、荷物を格納する手続きを行う。
【0066】
上記において、取得部135が、登録ページにおいて格納者Dが入力した情報を含む登録要求を受け付ける例を説明したが、これに限らない。例えば、表示制御部132は、受付部131が手続要求を受け付けた場合に、各入力項目をロッカーLの表示部に表示させてもよい。この場合、受付部131は、格納者DがロッカーLの表示部に表示された各入力項目に情報を入力して登録する操作を行うと、格納者Dが入力した情報を含む登録要求を受け付ける。
【0067】
<取出処理>
続いて、情報処理装置1が実行する取出処理について説明する。受付部131は、格納者Dによって格納場所に荷物が格納された後に、取出者Uが入力した格納者IDと、取出者Uが入力した文字列である取出者入力文字列とを受け付ける。
【0068】
受付部131は、例えば、格納者ID及び取出者入力文字列の順に受け付ける。この場合において、情報処理装置1は、登録されている格納者のフォーマットに従って取出者入力文字列を入力させてもよい。具体的には、まず、表示制御部132は、受付部131が格納者IDを受け付けた後に、格納者管理データベースにおいて受付部131が受け付けた格納者IDに関連付けられているフォーマット情報に従って取出者入力文字列を入力させるための表示画面をロッカーLの表示部に表示させる。そして、受付部131は、格納者IDを取得した後に、表示画面において入力された取出者入力文字列を受け付ける。
【0069】
図8は、ロッカーLの表示部に表示される表示画面の一例を模式的に表した図である。
図8(a)に示す表示画面は、荷物を格納するためのボタンB1と、荷物を取り出すためのボタンB2とが表示されたメニュー画面である。取出者Uが
図8(a)に示すメニュー画面においてボタンB2を選択する操作を行うと、受付部131は、取出要求を受け付ける。取出要求には、ロッカーLのロッカーIDが含まれている。表示制御部132は、受付部131が取出要求を受け付けると、格納場所管理データベースにおいてロッカーIDに関連付けられている格納者IDに対応する格納者名の一覧をロッカーLの表示部に表示させる。
【0070】
図8(b)に示す表示画面は、格納者選択画面である。
図8(b)に示す格納者選択画面には、表示領域R2において、格納場所管理データベースにおいてロッカーIDに関連付けられている格納者IDに対応する格納者名の一覧、換言すると、ロッカーLにおいて未だ取り出されていない荷物を格納した格納者Dの名称の一覧が表示されている。なお、表示制御部132は、未だ取り出されていない荷物を格納した格納者Dが情報処理サービスにおいて格納者情報が登録されていない格納者D(格納者Dの格納者情報が格納者管理データベースに記憶されていない格納者D)である場合、格納者IDを表示させてもよい。
【0071】
取出者Uが
図8(b)に示す格納者選択画面において1つの格納者名(例えば、「A宅配便」)を選択する操作を行うと、受付部131は、取出者Uが選択した格納者名に対応する格納者IDを受け付ける。なお、受付部131は、キーボードによる手入力で格納者ID(例えば、情報処理サービスにおいて格納者情報が登録されていない格納者Dに対応する格納者ID)を受け付けてもよい。表示制御部132は、受付部131が格納者IDを受け付けると、格納文字列を入力させるための文字列入力画面をロッカーLの表示部に表示させる。
【0072】
図8(c)に示す表示画面は、文字列入力画面である。
図8(c)に示す文字列入力画面には、格納者管理データベースにおいて格納者名「A宅配便」に関連付けられているフォーマット情報に従って格納文字列を入力させるためのメッセージM2と、入力された格納文字列を表示する表示項目A2と、格納文字列を入力するためのキーボードK2とが表示されている。なお、情報処理サービスにおいて格納者情報が登録されていない格納者Dが格納者選択画面で選択された場合、表示制御部132は、単に格納文字列を入力させるためのメッセージを表示させてもよい。
【0073】
表示制御部132は、フォーマット情報に基づいて、キーボードK2を制御してもよい。表示制御部132は、例えば、格納者管理データベースにおいて受付部131が受け付けた格納者IDに関連付けられている文字種類のキーのみが入力可能なキーボードK2を表示させる。また、例えば、格納者管理データベースにおいて1桁ごとに文字種類が関連付けられている場合、表示制御部132は、格納文字列の1桁ごとに、当該桁に関連付けられている文字種類のキーのみが入力可能なキーボードK2を表示させてもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、取出者Uが格納文字列を入力しやすくすることができる。
【0074】
取出者Uが、
図8(c)に示す文字列入力画面において格納文字列を入力する操作を行うと、受付部131は、取出者Uが入力した格納文字列である取出者入力文字列を受け付ける。なお、格納文字列の入力手段においては、キーボードK2に限らず、バーコード等のコード画像、スマートフォン又はICカード等のICデバイスから格納文字列を読み取ることによって、格納文字列が入力されてもよい。
【0075】
受付部131は、取出者入力文字列を受け付ける前に、取出者入力文字列がフォーマット情報に従っているか否かを判定するフォーマット判定処理を実行してもよい。受付部131は、例えば、取出者入力文字列がフォーマット情報に従っていると判定した場合、取出者入力文字列を受け付ける。一方、取出者入力文字列がフォーマット情報に従っていないと受付部131が判定した場合、表示制御部132は、取出者入力文字列が格納者Dのフォーマットに従っていない旨のメッセージを文字列入力画面に表示させる。
【0076】
ロッカー制御部133は、受付部131が格納者ID及び取出者入力文字列を受け付けると、格納場所管理データベースを参照して、格納場所と関連付けられている格納者ID及び格納文字列の組み合わせと、受付部131が受け付けた格納者ID及び取出者入力文字列の組み合わせとを照合し、照合した照合結果が正しいことを示すことを条件として、格納場所を解錠させる。
【0077】
具体的には、まず、ロッカー制御部133は、格納場所管理データベースを参照して、格納場所と関連付けられている格納者ID及び格納文字列の組み合わせと、受付部131が受け付けた格納者ID及び取出者入力文字列の組み合わせとが一致するか否かを照合する。そして、ロッカー制御部133は、照合結果が正しいことを示す場合(格納場所と関連付けられている格納者ID及び格納文字列の組み合わせと、受付部131が受け付けた格納者ID及び取出者入力文字列の組み合わせとが一致する場合)に、当該格納場所を解錠するための解錠要求をロッカーLに送信することにより、格納場所を解錠させる。表示制御部132は、ロッカー制御部133が格納場所を解錠させた後に、格納場所が解錠された旨のメッセージをロッカーLの表示部に表示させる。
【0078】
図8(d)に示す表示画面は、解錠画面である。
図8(d)に示す解錠画面には、解錠した格納場所を示すメッセージが表示されている。取出者Uは、解錠画面に表示されたメッセージを参照して、解錠された格納場所から荷物を取り出す。ロッカー制御部133は、格納場所を解錠させた後に、格納場所管理データベースにおいて、受付部131が受け付けた格納者ID及び取出者入力文字列に該当するレコードを削除する。
【0079】
ところで、ロッカーLが荷物の配送先として利用される場合においては、不正な物が取り引きされる可能性がある。そこで、情報処理装置1は、情報処理装置1を管理する管理者による操作に応じて、荷物が格納されている格納場所を一時的に解錠させてもよい。
【0080】
この場合、表示制御部132は、ロッカー制御部133が格納場所を解錠させる前に、格納場所が情報処理装置1の管理者によって一時的に解錠される場合がある旨の注意メッセージをロッカーLの表示部に表示させてもよい。表示制御部132は、例えば、受付部131が取出要求を受け付けた後に注意メッセージをロッカーLの表示部に表示させる。このようにすることで、情報処理装置1は、ロッカーLを介して不正な物が取り引きされる事態の発生を低減させることができる。
【0081】
[情報処理装置1の処理]
続いて、情報処理装置1の処理の流れについて説明する。
図9は、情報処理装置1の処理の流れを示すフローチャートである。
図9においては、情報処理装置1は、情報処理サービスに登録されている格納者Dが荷物を格納する場合における格納処理、及び取出処理の流れについて説明する。本フローチャートは、受付部131が、ロッカーLの格納場所に荷物が格納される前に、ロッカーIDと格納者IDと格納者入力文字列と格納場所IDとを含む格納場所情報を受け付けたことを契機として開始する(S1)。
【0082】
ロッカー制御部133は、格納場所情報を受け付けると、荷物が格納された格納場所を制御する(S2)。また、ロッカー制御部133は、格納場所情報に含まれるロッカーID、格納者ID、格納者入力文字列及び格納場所IDを関連付けて格納場所管理データベースに追加する(S3)。
【0083】
受付部131は、格納者Dによって格納場所に荷物が格納された後に、取出者Uが入力した格納者IDと、取出者Uが入力した取出者入力文字列とを含む取出者入力情報を受け付ける(S4)。ロッカー制御部133は、格納場所管理データベースを参照して、格納場所と関連付けられている格納者ID及び格納文字列の組み合わせと、受付部131が受け付けた格納者ID及び取出者入力文字列の組み合わせとを照合する(S5)。
【0084】
ロッカー制御部133は、照合した照合結果が正しくないことを示す場合(S5においてNOの場合)、処理をS4に戻す。一方、ロッカー制御部133は、照合した照合結果が正しいことを示す場合(S5においてYESの場合)、格納場所を解錠させる(S6)。
【0085】
[変形例]
上記において、ロッカー制御部133が、格納場所管理データベースを参照して、格納場所と関連付けられている格納者ID及び格納文字列の組み合わせと、受付部131が受け付けた格納者ID及び取出者入力文字列の組み合わせとが一致するか否かを照合する例を説明したが、これに限らない。ロッカー制御部133は、例えば、格納場所と関連付けられている格納者IDと受付部131が受け付けた格納者IDとが一致しているか否かを照合し、かつ、格納場所と関連付けられている格納文字列と受付部131が受け付けた取出者入力文字列を復号した復号文字列とが一致するか否かを照合してもよい。
【0086】
例えば、格納者管理データベースには、取出者入力文字列を復号するための秘密鍵がさらに関連付けられている。この場合において、まず、格納者Dは、公開鍵を取出情報として取出者Uが使用する不図示の取出者端末に通知する。取出者端末は、公開鍵を用いて、所定の文字列(例えば、格納者Dから通知された配送番号等)を暗号化する。取出者Uは、ロッカーLにおいて、所定の入力手段を用いて暗号化された所定の文字列である暗号化文字列(例えばハッシュ値)を取出者入力文字列として入力する。
【0087】
受付部131が格納者IDと取出者入力文字列とを受け付けると、ロッカー制御部133は、受付部131が受け付けた取出者入力文字列を、受付部131が受け付けた格納者IDに関連付けて格納者管理データベースに記憶されている秘密鍵で復号することにより、復号文字列を生成する。そして、ロッカー制御部133は、格納場所管理データベースを参照して、格納場所と関連付けられている格納者ID及び格納文字列の組み合わせと、受付部131が受け付けた格納者ID及び生成した復号文字列の組み合わせとが一致するか否かを照合する。
【0088】
[本実施の形態における効果]
以上説明したとおり、情報処理装置1は、格納場所に荷物が格納された後に、取出者が入力した格納者IDと、取出者が入力した取出者入力文字列とを受け付け、格納場所管理データベースを参照して、格納場所と関連付けられている格納者ID及び格納文字列の組み合わせと、受け付けた格納者ID及び取出者入力文字列の組み合わせとを照合し、照合した照合結果が正しいことを示すことを条件として、格納場所を解錠させる。このように、情報処理装置1は、一つの種類ではなく、格納者ID及び格納文字列の複数の種類の組み合わせを、荷物が格納された格納場所を制御するためのIDとして管理することにより、ロッカーLの格納場所を制御するために用いられるIDの重複を避け、正しく荷物を引き渡すことを可能とすることができる。また、情報処理装置1は、ロッカーLの格納場所を制御するために用いられるIDが重複する確率を低減することができる。
【0089】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0090】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0091】
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 受付部
132 表示制御部
133 ロッカー制御部
134 発行部
135 取得部
136 登録部
137 照合部
D 格納者
L ロッカー
U 取出者
【要約】
【課題】ロッカーを制御するために用いられるIDの重複を避け、正しく荷物を引き渡すことを可能とする。
【解決手段】情報処理装置1は、複数の格納場所を備えるロッカー管理装置に荷物を格納する格納者を識別するための格納者識別情報と、所定の文字列と、荷物が格納された格納場所とが関連付けられた格納場所情報を記憶する記憶部12と、格納場所に荷物が格納された後に、荷物を取り出す取出者が入力した格納者識別情報と、取出者が入力した文字列である取出者入力文字列とを受け付ける受付部131と、格納場所情報を参照して、格納場所と関連付けられている格納者識別情報及び所定の文字列の組み合わせと、受付部131が受け付けた格納者識別情報及び取出者入力文字列の組み合わせとを照合し、照合した照合結果が正しいことを示すことを条件として、格納場所を解錠させるロッカー制御部133と、を有する。
【選択図】
図2