(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】添加剤自動投入装置及び洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/02 20060101AFI20240226BHJP
D06F 39/08 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
D06F39/08 301A
D06F39/08 301B
D06F39/08 321
D06F39/08 341
D06F39/08 301F
D06F39/08 301G
(21)【出願番号】P 2021538071
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 CN2020072362
(87)【国際公開番号】W WO2020147767
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-12-06
(31)【優先権主張番号】201910048382.8
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910047924.X
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910047951.7
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523331692
【氏名又は名称】青島海爾洗滌電器有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】黄涛
(72)【発明者】
【氏名】蒋玉亮
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-019391(JP,A)
【文献】特開2018-082917(JP,A)
【文献】特開2018-080481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/02
D06F 39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水流路と、
内部に添加剤を含む貯液タンクと、
貯液タンク内の添加剤を給水流路に抽出し、水流とともに吐水口へ搬送可能な吸引構造と、
給水流路の調圧口に設けられる逆流防止装置、を含み、
給水流路に水が進入すると、通過する水流の圧力の作用を受けて、逆流防止装置が調圧口を閉止するように制御され、給水流路内に負圧が発生した場合には、逆流防止装置が調圧口を開放して、給水流路内の圧力を調整するように制御される添加剤自動投入装置
であって、
逆流防止装置はバルブプレートを含み、バルブプレートは給水流路の内側の調圧口を然るべく覆い、
バルブプレートには開口が設けられており、開口にバルブコアが装着されており、バルブコアは弾性構造を介して開口に装着されており、バルブプレートには、調圧口に挿通されるホルダが給水流路の外側に向かって設けられており、ホルダの伝達端にはエンドカバーが設けられており、弾性構造がエンドカバーとバルブコアの間に挟持されており、これにより、バルブプレートは、ホルダによる規制作用を受けて、調圧口の軸方向における伸縮移動のみを生じ得ることを特徴とする、添加剤自動投入装置。
【請求項2】
バルブコアは、弾性構造からの弾性力の作用を受けて調圧口を然るべく密封しているが、調圧室を通過する水流の圧力が所定の値よりも大きくなると、弾性力に抗してバルブコアが押動されることで、調圧口が開放されて、給水流路内の水流について圧力の調整及び分流が行われることを特徴とする請求項
1に記載の添加剤自動投入装置。
【請求項3】
バルブコアは調圧室の外側の調圧口に設けられており、弾性構造は、バルブコアに対し、調圧室の外部から内部に向かう方向の弾性力を付与することで、バルブコアによって調圧口を然るべく密封し、調圧室内を通過する水流は、外側への移動圧力をバルブコアに付与し、水流の圧力が所定の値よりも大きくなると、水流の圧力が弾性力に抗してバルブコアを押動し、外側へ移動させることで調圧口が開放されることを特徴とする請求項
2に記載の添加剤自動投入装置。
【請求項4】
調圧口は分水流路と連通しており、分水流路の端部が自動投入装置の吐水口と連通していることを特徴とする請求項1~
3のいずれか1項に記載の添加剤自動投入装置。
【請求項5】
給水流路には調圧室が設けられており、調圧室には調圧口が設けられており、バルブプレートは調圧室の内側の調圧口を然るべく覆い、バルブプレートは、室内から水圧を受けると調圧口を然るべく閉塞し、バルブコアは、調圧室の外側におけるバルブプレートの開口を然るべく覆い、バルブコアは、室内から水圧を受けると開口を開放するか、開口を開放する付勢力を有することを特徴とする請求項1~
4のいずれか1項に記載の添加剤自動投入装置。
【請求項6】
調圧室の垂直方向の上側及び下側には、それぞれ入口と調圧口が設けられており、調圧室の一方の側壁には、吸引構造に接続される出口が設けられており、バルブプレートは、室内に流れ込んだ水流の圧力を受けると、重力に抗して調圧口を閉止するまで上方に移動することを特徴とする請求項
5に記載の添加剤自動投入装置。
【請求項7】
バルブプレートの下側を入口に対向して設けることで、給水流路への給水が停止して調圧室内に負圧が発生した場合、バルブプレートは重力の作用を受けて
入口を密封状に覆うまで下方へ移動することを特徴とする請求項
6に記載の添加剤自動投入装置。
【請求項8】
タンクを含み、タンクには調圧室が設けられており、調圧室には、給水管に接続される入口と、吸引構造に接続される出口が設けられており、更に、調圧室の上部には、外部と連通する調圧口が設けられており、調圧室内には、室内の圧力の作用によって調圧口を然るべく閉塞又は開放するよう上下に垂直移動可能なバルブプレートが設けられており、バルブプレートには開口が設けられており、開口には、開口を密封するバルブコアが設けられており、バルブコアは、弾性構造を介してバルブプレートに装着されており、これにより、給水流路内の水流の圧力が過剰となった場合には、バルブコアが押動されることで開口が開放される請求項1に記載の添加剤自動投入装置。
【請求項9】
出口は調圧室の一方の側に設けられており、出口は、吸引構造を構成するベンチュリ管の小口径の入口端に接続されており、入口は調圧室の底部に設けられており、調圧室の入口は調圧口と同軸に設けられることを特徴とする請求項
8に記載の添加剤自動投入装置。
【請求項10】
調圧室の天井壁には貫通したスリーブが設けられており、スリーブの中空経路が調圧口を構成しており、バルブプレートは、スリーブの下端を然るべく覆うように設けられており、バルブプレートが重力及び水流圧力の相互作用によって垂直方向に伸縮移動するよう、バルブプレートにはスリーブに挿接される位置規制構造が接続されていることを特徴とする請求項
8又は
9に記載の添加剤自動投入装置。
【請求項11】
開口はバルブプレートの中心部分に設けられており、バルブコアは柱状をなして開口に挿通されており、柱状のバルブコアの上端には外側に突出する突出部が周設されており、突出部の外周は開口よりも大きくなっており、これにより、柱状のバルブコアは、重力の作用によって上から下へ開口を然るべく密封することを特徴とする請求項
10に記載の添加剤自動投入装置。
【請求項12】
調圧室の底部には下方に窪んだ凹溝が設けられており、凹溝の開口の形状はバルブプレートと対向するように設けられており、これにより、バルブプレートが重力及び/又は負圧の作用を受けて調圧室の底部まで下降したときに、バルブプレートの下側が調圧室における凹溝の開口の外周と密封状に接触して入口が閉止されることを特徴とする請求項
11に記載の添加剤自動投入装置。
【請求項13】
調圧室の入口はスリーブと調圧室の側壁との間に設けられており、バルブプレートの外径は、スリーブの下端の周径よりも大きく、調圧室の内側壁の周径よりも小さく、入口から室内に流れ込んだ水流は、スリーブと調圧室の壁との隙間から出口へと流れることを特徴とする請求項
10~
12のいずれか1項に記載の添加剤自動投入装置。
【請求項14】
前記弾性構造は垂直に延伸するバネであり、バネは、圧縮状にホルダのエンドカバーとバルブコアとの間に装着されており、バネの両端はエンドカバーとバルブコアにそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項
10~
12のいずれか1項に記載の添加剤自動投入装置。
【請求項15】
前記タンクは上部に掛合される上部カバーを含み、更に、上部カバーは調圧室の上部を然るべく覆うように掛合されており、前記調圧室は、タンク又は上部カバーと一体成型されるよう構成され、上部カバーの上側には分水流路が設けられており、調圧室の上部に設けられた調圧口が分水流路と連通しており、分水流路は、タンクの吐水口又は洗浄槽内まで延伸しており、調圧口は外気と直接連通することを特徴とする請求項
8~
14のいずれか1項に記載の添加剤自動投入装置。
【請求項16】
バルブプレートと調圧口との接触面には少なくとも1つのシールリングが周設されており、バルブプレートと調圧室の入口との接触面には少なくとも1つのシールリングが周設されており、バルブプレートとバルブコアとの接触面には少なくとも1つのシールリングが周設されていることを特徴とする請求項
8~
15のいずれか1項に記載の添加剤自動投入装置。
【請求項17】
前記請求項
8~
16のいずれか1項に記載の自動投入装置が装着されており、自動投入装置の吐水口が洗浄槽に接続されており、これにより、貯液タンク内から給水水流により
前記タンクに抽出された添加剤が洗濯機への入水水流とともに洗浄槽内に送り込まれることを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類処理装置の技術分野に関し、具体的には、添加剤自動投入装置及び洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
消費水準の向上に伴って、日常生活の質に対する消費者の要求は一段と高まりを見せており、このことから、スマート家電へのニーズが発生している。現在市販されている洗濯機製品について言えば、多くのものに自動投入システムが採用されており、洗剤や柔軟剤をスマート投入することが可能である。ユーザは、大量の洗濯ケア剤をまとめて投入すればよいため、その後は、使用の度に投入する手間が省かれる。
【0003】
しかし、これにより、いくつかの課題も発生している。
【0004】
一般的に、自動投入装置の水路には、例えば、ベンチュリ管や吸引ポンプなど、負圧を利用して洗濯ケア用添加剤を抽出する吸引装置が装着されている。しかし、吸引装置を実際に使用する過程では、給水流量に対し一定の要求が存在する。給水時の水流量が過剰に多く、水圧が高すぎる場合には、水流が吸引構造を通過する手前の管路に大きな閉塞圧が発生する。閉塞圧は、投入装置の密封性にとって大きなリスクとなる。流量が過剰な場合には、様々な措置を講じて水路の密封性を解決しようとしても、管路からの漏れや破裂、裂開等のリスクが存在する。
【0005】
また、流路間の水圧の差が過剰に大きくなって、流路内に負圧が形成されやすいことから、洗濯ケア用添加剤の正常な抽出及び流路内の水流の円滑性に支障をきたす。特に、吸引構造にベンチュリ管を使用している場合、ベンチュリ管の入水端は直径が最小の管路であるため、閉塞圧が極めて発生しやすい。その結果、ベンチュリ管の給水水流が使用要求を満たせなくなり、洗濯ケア用添加剤の抽出が不可能となる。
【0006】
このほか、世界各地の基準として、洗濯機には逆流防止要求が課されており、自動投入装置の逆流防止機能もまた不可欠である。上記の機能を実現するためには、自動投入装置の流路に逆止弁を設置するか、管路と大気を連通させるエアギャップを設置すればよい。しかし、従来の自動投入装置内の水路には、給水流路の逆流防止機能を実現可能とする良好な構造形態は備わっていない。
【0007】
上記に鑑みて、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、給水水流の圧力を自動的に調整し、分流させるとの目的を実現する添加剤自動投入装置及び当該装置を応用する洗濯機を提供することである。また、本発明の他の目的は、給水水流の逆流防止機能という目的を実現する添加剤自動投入装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明では、具体的に以下の技術方案を用いる。
【0010】
添加剤自動投入装置は、給水流路と、内部に添加剤を含む貯液タンクと、貯液タンク内の添加剤を給水流路に抽出し、水流とともに吐水口へ搬送可能な吸引構造と、給水流路の調圧口に設けられる逆流防止装置、を含む。給水流路に水が進入すると、通過する水流の圧力の作用を受けて、逆流防止装置が調圧口を閉止するように制御され、給水流路内に負圧が発生した場合には、逆流防止装置が調圧口を開放して、給水流路内の圧力を調整するように制御される。
【0011】
更に、逆流防止装置はバルブプレートを含む。バルブプレートは、給水流路の内側の調圧口を然るべく覆う。好ましくは、バルブプレートの外周は調圧口から突出するように設けられている。よって、バルブプレートは、水圧を受けて調圧口を密封する際に、給水流路の内壁に密封状に接触する。また、バルブプレートと給水流路との接触面には、少なくとも1つのシールリングが周設されている。
【0012】
更に、バルブプレートには、調圧口に挿通されるホルダが給水流路の外側に向かって設けられている。ホルダの伝達端にはエンドカバーが設けられており、バネ構造がエンドカバーとバルブコアの間に挟持されている。これにより、バルブプレートは、ホルダによる規制作用を受けて、調圧口の軸方向における伸縮移動のみを生じ得る。
【0013】
更に、バルブプレートには開口が設けられており、開口にバルブコアが装着されている。バルブコアは、弾性構造を介して開口に装着されている。バルブコアは、弾性構造からの弾性力の作用を受けて調圧口を然るべく密封しているが、調圧室を通過する水流の圧力が所定の値よりも大きくなると、弾性力に抗してバルブコアが押動されることで、調圧口が開放されて、給水流路内の水流について圧力の調整及び分流が行われる。
【0014】
更に、バルブコアは調圧室の外側の調圧口に設けられている。弾性構造は、バルブコアに対し、調圧室の外部から内部に向かう方向の弾性力を付与することで、バルブコアによって調圧口を然るべく密封する。調圧室内を通過する水流は、外側への移動圧力をバルブコアに付与する。そして、水流の圧力が所定の値よりも大きくなると、水流の圧力が弾性力に抗してバルブコアを押動し、外側へ移動させることで調圧口が開放される。
【0015】
更に、調圧口は分水流路と連通しており、分水流路の端部が自動投入装置の吐水口と連通している。
【0016】
更に、給水流路には調圧室が設けられている。調圧室には調圧口が設けられており、バルブプレートが調圧室の内側の調圧口を然るべく覆う。バルブプレートは、室内から水圧を受けると調圧口を然るべく閉塞する。また、バルブコアは、調圧室の外側におけるバルブプレートの開口を然るべく覆う。バルブコアは、室内から水圧を受けると開口を開放するか、開口を開放する付勢力を有する。
【0017】
更に、調圧室の垂直方向の上側及び下側には、それぞれ入口と調圧口が設けられている。また、調圧室の一方の側壁には、吸引構造に接続される出口が設けられている。バルブプレートは、室内に流れ込んだ水流の圧力を受けると、重力に抗して調圧口を閉止するまで上方に移動する。好ましくは、入口と調圧口は同軸に設けられる。
【0018】
更に、バルブプレートの下側は入口に対向して設けられる。これにより、給水流路への給水が停止して調圧室内に負圧が発生した場合、バルブプレートは重力の作用を受けて入水口を密封状に覆うまで下方へ移動する。
【0019】
本発明は、更に、上記いずれかの自動投入装置が装着されており、自動投入装置の吐水口が洗浄槽に接続されており、これにより、貯液タンク内から給水流路内の水流により抽出された添加剤が洗濯機への入水水流とともに洗浄槽内に送り込まれることを特徴とする洗濯機を提供する。
【0020】
上記の目的を達成するために、本発明では、更に、具体的に以下の技術方案を用いてもよい。
【0021】
添加剤自動投入装置は、水を吸引構造に搬送可能な給水流路と、内部に添加剤を含む貯液タンクと、給水流路内を通過する水流に負圧を発生させることで、貯液タンク内の添加剤を抽出し、水流とともに吐水口まで搬送可能な吸引構造と、給水流路に設けられており、通過する水流の圧力を調整することで、給水水流の圧力が過剰な場合に、吸引構造に流れる水流を分流させる調圧装置、を含む。
【0022】
更に、給水流路には調圧室が設けられており、調圧室には調圧口が設けられている。また、調圧装置は調圧口に設けられている。給水水流の圧力が所定の値よりも大きくなると、調圧装置は水流の圧力の作用で調圧口を開放する。
【0023】
更に、調圧装置は、弾性構造を介して調圧口に装着されるバルブコアを含む。バルブコアは、弾性構造からの弾性力の作用を受けて調圧口を然るべく密封しているが、調圧室を通過する水流の圧力が所定の値よりも大きくなると、弾性力に抗してバルブコアが押動されることで、調圧口が開放される。
【0024】
更に、バルブコアは調圧室の外側の調圧口に設けられている。弾性構造は、バルブコアに対し、調圧室の外部から内部に向かう方向の弾性力を付与することで、バルブコアによって調圧口を然るべく密封する。調圧室内を通過する水流は、外側への移動圧力をバルブコアに付与する。そして、水流の圧力が所定の値よりも大きくなると、水流の圧力が弾性力に抗してバルブコアを押動し、外側へ移動させることで調圧口が開放される。
【0025】
更に、調圧口は分水流路と連通しており、分水流路の端部が自動投入装置の吐水口と連通している。
【0026】
更に、前記調圧装置はバルブプレートを含む。バルブプレートは、給水流路内の圧力の変化に応じて調圧口に対し伸縮移動を生じ得る。これにより、給水流路を通過する水流の圧力に押されている場合にはバルブプレートが調圧口を然るべく密封し、給水流路内に負圧が発生した場合にはバルブプレートが重力によって調圧口を開放する。
【0027】
更に、バルブプレートには、給水流路の内外を連通させる開口が設けられている。また、バルブコアが開口に設けられており、弾性構造に押されてバルブコアが開口を然るべく密封する。
【0028】
更に、バルブコアは、給水流路の外側におけるバルブプレートの開口に然るべく設けられている。また、調圧口に挿通されるホルダが給水流路の外側に向かって延伸している。ホルダとバルブプレートの間には圧縮されたバネが設けられており、バネの両端がそれぞれホルダとバルブコアに接続されている。
【0029】
好ましくは、バルブプレートには、調圧口に挿通されるホルダが給水流路の外側に向かって設けられている。ホルダは、貫通孔を有するエンドカバーが上端に設けられており、下端がバルブプレートに接続されている。バネは、圧縮状態でエンドカバーとバルブプレートの間に挟持されており、バネの両端がバルブプレートとエンドカバーにそれぞれ接続されている。これにより、バルブプレートは、ホルダの作用によって調圧口に規制され、調圧口の軸方向における伸縮移動のみを生じ得る。
【0030】
更に、バルブプレートの外周は調圧口から突出するように設けられている。よって、バルブプレートは、水圧を受けて調圧口を密封する際に、給水流路の内壁に密封状に接触する。また、バルブプレートと給水流路との接触面には、少なくとも1つのシールリングが周設されている。好ましくは、バルブプレートの外周は、弾性の材質で構成されるシールリングで覆われている。
【0031】
本発明は、更に、上記いずれかの自動投入装置が装着されており、自動投入装置の吐水口が洗浄槽に接続されており、これにより、貯液タンク内から給水流路内の水流により抽出された添加剤が洗濯機への入水水流とともに洗浄槽内に送り込まれることを特徴とする洗濯機を提供する。
【0032】
上記の目的を達成するために、本発明では、更に、具体的に以下の技術方案を用いてもよい。
【0033】
自動投入装置は、タンクを含む。タンクには調圧室が設けられており、調圧室には、給水管に接続される入口と、吸引構造に接続される出口が設けられている。更に、調圧室の上部には、外部と連通する調圧口が設けられている。また、調圧室内には、室内の圧力の作用によって調圧口を然るべく閉塞又は開放するよう上下に垂直移動可能なバルブプレートが設けられている。バルブプレートには開口が設けられており、開口には、開口を密封するバルブコアが設けられている。バルブコアは、弾性構造を介してバルブプレートに装着されている。これにより、給水流路内の水流の圧力が過剰となった場合には、バルブコアが押動されることで開口が開放される。
【0034】
更に、出口は調圧室の一方の側に設けられている。出口は、吸引構造を構成するベンチュリ管の小口径の入口端に接続されている。また、入口は調圧室の底部に設けられており、調圧室に進入した水は調圧口と同軸に設けられる。
【0035】
更に、調圧室の天井壁には貫通したスリーブが設けられており、スリーブの中空経路が調圧口を構成している。バルブプレートは、スリーブの下端を然るべく覆うように設けられている。また、バルブプレートが重力及び水流圧力の相互作用によって垂直方向に伸縮移動するよう、バルブプレートにはスリーブに挿接される位置規制構造が接続されている。好ましくは、前記位置規制構造は垂直に延伸するホルダを含む。ホルダの外壁は、スリーブの内壁に然るべく位置規制されるよう接触している。また、ホルダの下端はバルブプレートに固定的に接続されており、ホルダの上端にはエンドカバーが装着されている。ホルダの高さはスリーブの高さ以下であり、且つ、スリーブの底端と調圧室の入口との高低差以上である。好ましくは、エンドカバーには、上下両側に貫通するよう設置された複数の貫通孔が設けられている。
【0036】
更に、開口はバルブプレートの中心部分に設けられている。また、バルブコアは柱状をなして開口に挿通されている。柱状のバルブコアの上端には外側に突出する突出部が周設されており、突出部の外周が開口よりも大きくなっている。これにより、柱状のバルブコアは、重力の作用によって上から下へ開口を然るべく密封する。
【0037】
更に、調圧室の底部には下方に窪んだ凹溝が設けられている。凹溝の開口の形状はバルブプレートと対向するように設けられている。これにより、バルブプレートが重力及び/又は負圧の作用を受けて調圧室の底部まで下降したときに、バルブプレートの下側が調圧室における凹溝の開口の外周と密封状に接触して入口が閉止される。好ましくは、柱状のバルブコアにおけるバルブプレートから突出する下端は調圧室の入口に対応している。これにより、バルブプレートが重力及び/又は負圧の作用を受けて調圧室の底部まで下降したときに、柱状のバルブコアの下端が入口に然るべく密封状に挿接される。
【0038】
更に、調圧室の入口は、スリーブと調圧室の側壁との間に設けられている。バルブプレートの外径は、スリーブの下端の周径よりも大きく、調圧室の内側壁の周径よりも小さい。よって、入口から室内に流れ込んだ水流は、スリーブと調圧室の壁との隙間から出口へと流れる。
【0039】
更に、前記弾性構造は垂直に延伸するバネである。バネは、圧縮状にホルダのエンドカバーとバルブコアとの間に装着されている。また、バネの両端は、エンドカバーとバルブコアにそれぞれ接続されている。好ましくは、ホルダは、垂直に延伸する複数の接続リブを含んでいる。接続リブは、上端がエンドカバーに固定的に接続されており、下端がバルブプレートに固定的に接続されている。また、隣り合う接続リブの間、及び/又は接続リブには、水流を通過させる貫通領域が設けられている。好ましくは、各接続リブは、スリーブの内壁と密着する円筒面に沿って設けられており、各接続リブにより取り囲まれる領域にバネが設けられている。
【0040】
更に、前記タンクは上部に掛合される上部カバーを含む。更に、上部カバーは調圧室の上部を然るべく覆うように掛合されている。前記調圧室は、タンク又は上部カバーと一体成型されるよう構成されている。上部カバーの上側には分水流路が設けられており、調圧室の上部に設けられた調圧口が分水流路と連通している。分水流路はタンクの吐水口又は洗浄槽内まで延伸している。また、調圧口は外気と直接連通する。
【0041】
更に、バルブプレートと調圧口との接触面には少なくとも1つのシールリングが周設されており、バルブプレートと調圧室の入口との接触面には少なくとも1つのシールリングが周設されており、バルブプレートとバルブコアとの接触面には少なくとも1つのシールリングが周設されている。好ましくは、バルブプレートの外周は、弾性の材質で構成されて上下両側を覆うパッキンにより包まれている。柱状のバルブコアにおける中央部の外周には、弾性の材質で構成される少なくとも1つのシールリングが周設されている。好ましくは、調圧室の底壁には、上方へ突出する突出リブが周設されている。前記突出リブは、バルブプレートに設けられたパッキンに対応して同軸且つ等しい大きさに設定されている。
【0042】
本発明は、更に、上記いずれかの自動投入装置が装着されており、自動投入装置の吐水口が洗浄槽に接続されており、これにより、貯液タンク内から給水水流によりタンクに抽出された添加剤が洗濯機への入水水流とともに洗浄槽内に送り込まれることを特徴とする洗濯機を提供する。
【発明の効果】
【0043】
本発明の有益な効果は以下の通りである。
【0044】
1.本発明で提供する洗濯ケア用添加剤の自動投入装置における入水水路には調圧装置が設けられており、入水水流の圧力を自動的に調整する。これにより、給水水流の圧力が過剰な場合には、給水の分流を自動的に起動可能とすることで、入水水流の圧力を自動的に調整して、吸引構造の入水端における水圧を適切に調整するとの目的を達成する。
【0045】
2.本発明で提供する洗濯ケア用添加剤の自動投入装置には、管路内の圧力に応じて通気孔の開閉を自動的に調整する逆流防止装置が設けられている。これにより、管路内の圧力を然るべく調整し、管路内における負圧の発生を回避することで、逆流防止機能という目的を達成する。
【0046】
3.本発明で提供する洗濯ケア用添加剤の自動投入装置には、管路内の圧力に応じて自動的に昇降変位する逆流防止装置が設けられている。これにより、通気孔の開閉を自動制御するとの効果が達せられるため、自動投入装置に水が正常に進入したときには水圧を利用して調圧口を閉塞し、負圧が発生した場合及び水の進入が停止した場合には自重の作用で調圧口を然るべく開放するとの使用目的が実現される。
【0047】
且つ、本発明は構造がシンプルであり、効果が著しいため、利用普及に適している。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】
図1は、本発明の実施例1における自動投入装置の接続関係を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例2及び3における自動投入装置の接続関係を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例における自動投入装置の構造を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例における自動投入装置の平面構造を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例における
図4のC-C断面の構造を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例における
図4のD-D断面の構造を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例の
図6におけるA部分の拡大構造を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施例における自動投入装置の調圧装置の装着構造を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施例における
図6の調圧装置の分解構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明で解決する技術的課題、使用する技術方案及び達成する技術的効果をより明確とするために、以下に、図面を組み合わせて本発明の実施形態につき更に詳細に記載する。
【0050】
<実施例1>
図1に示すように、本実施例は、以下を含む添加剤自動投入装置を提供する。即ち、給水流路100は、進入した水を吸引構造400に搬送可能である。貯液タンク200の内部には添加剤が含まれている。前記添加剤は、従来のいずれかの液体洗剤、柔軟剤、加香剤、消毒剤等とすることができる。吸引構造400は、給水流路100内を通過する水流に負圧を発生させることで、貯液タンク200内の添加剤を抽出し、水流とともに吐水口まで搬送することが可能である。前記吸引構造400は、負圧を発生させることで添加剤を水流中に抽出可能な従来のいずれかの装置とすればよく、例えば、吸引ポンプ、ベンチュリ管等とすればよい。また、調圧装置が給水流路100に設けられており、通過する水流の圧力を調整する。これにより、給水水流の圧力が過剰な場合には、吸引構造400に流れる水流を分流させる。
【0051】
本発明で提供する洗濯ケア用添加剤の自動投入装置における入水水路には調圧装置が設けられており、入水水流の圧力を自動的に調整する。これにより、給水水流の圧力が過剰な場合には、給水の分流を自動的に起動可能とすることで、入水水流の圧力を自動的に調整して、吸引構造の入水端における水圧を適切に調整するとの目的を達成する。
【0052】
本実施例では、給水流路100に調圧室500が設けられており、調圧室500の上部に調圧口3が設けられている。前記調圧装置は、水流の圧力の作用下で、然るべく覆蓋及び閉止可能に調圧口3に設けられている。そして、給水水流の圧力が所定の値よりも大きくなると、調圧装置は水流の圧力の作用で調圧口3を開放する。
【0053】
本実施例において、前記調圧装置は、弾性構造5を介して調圧口3に装着されるバルブコア4を含む。バルブコア4は、弾性構造5からの弾性力の作用を受けて調圧口3を然るべく密封しているが、調圧室500を通過する水流の圧力が所定の値よりも大きくなると、弾性力に抗してバルブコア4が押動されることで、調圧口3が開放される。
【0054】
本実施例において、バルブコアは調圧室500の外側の調圧口3に設けられている。弾性構造5は、バルブコア4に対し、調圧室500の外部から内部に向かう方向の弾性力を付与することで、バルブコア4によって調圧口3を然るべく密封する。調圧室500内を通過する水流は、外側への移動圧力をバルブコア4に付与する。そして、水流の圧力が所定の値よりも大きくなると、水流の圧力が弾性力に抗してバルブコア4を押動し、外側へ移動させることで調圧口3が開放される。
【0055】
本実施例において、調圧口3は分水流路10と連通しており、分水流路10の端部が添加剤自動投入装置の吐水口と連通している。これにより、分流した進入水は、吸引構造400を迂回して吐水口へと直接案内される。よって、吸引構造400に対する衝撃力が過剰となって流路の破裂等が発生するとの事態が回避される。
【0056】
<実施例2>
本実施例は、上記実施例1をベースとするが、更に以下の違いを有している。即ち、本実施例では、
図2に示すように、前記調圧装置全体が上下に垂直移動可能に調圧室500内に装着されている。これにより、給水流路100から調圧室500に流れ込む水圧の作用下で、調圧装置は自重に抗して全体が押され、調圧口3を然るべく閉塞するまで上昇する。また、調圧装置には、室内外を連通させる開口7が設けられており、前記バルブコア4が開口7に然るべく装着されている。バルブコア4は、弾性構造5からの弾性力の作用を受けて開口7を然るべく密封しているが、調圧室500を通過する水流の圧力が所定の値よりも大きくなると、弾性力に抗してバルブコア4が押動されることで、開口7が開放される。
【0057】
本実施例において、前記調圧装置は水平に設置されるバルブプレート6を含む。バルブプレート6は、給水流路100から調圧室500に流れ込む水流の圧力の変化に応じて相対的に上下の伸縮移動を生じ得る。これにより、給水流路100を通過する水流の圧力に押されている場合にはバルブプレート6が調圧口を然るべく密封し、給水流路100内に負圧が発生した場合にはバルブプレート6が重力によって調圧口3を開放する。
【0058】
本実施例において、バルブプレート6には、上下両側に貫通して調圧室500の内外を連通させる開口7が設けられている。また、バルブコア4が開口7に設けられており、弾性構造5に押されてバルブコアが開口7を然るべく密封している。本実施例において、前記バルブコア4はバルブプレート6の上側の開口7に設けられている。弾性構造5は、バルブコア4に対し、上から下へ調圧室500の内部に向かう方向の弾性力を付与することで、バルブコア4によってバルブプレート6の開口7を然るべく密封する。調圧室500内を通過する水流は、外側への移動圧力をバルブコア4に付与する。そして、水流の圧力が所定の値よりも大きくなると、水流の圧力が弾性力に抗してバルブコア4を押動し、外側へ移動させることで開口7が開放される。また、これにより調圧口3が開放されて、給水流路100内の大流量且つ高圧力の進入水が開口7と調圧口3から流出可能となることで、進入水を分流させるとの目的が実現される。
【0059】
本実施例において、バルブプレート6には、調圧口3に然るべく挿接される位置規制構造が設けられている。これにより、自重及び水流圧力の作用下でのみ、バルブプレート6が上下及び垂直方向の変位を生じ得るよう保証する。本実施例において、前記位置規制構造は、具体的に次の通りである。バルブプレート6には、調圧室500の外側に向かって延伸するホルダ8が接続されている。ホルダ8とバルブプレート6の間には圧縮されたバネ50が設けられており、バネ50の両端がそれぞれホルダ8とバルブコア4に接続されている。好ましくは、本実施例において、バルブプレート6には、調圧口3に挿通されるホルダ8が給水流路100の外側に向かって設けられている。また、ホルダ8の伝達端には、貫通孔を有するエンドカバー9が設けられている。バネ50は、圧縮状態でエンドカバー9とバルブコア4の間に挟持されており、バネ50の両端がそれぞれバルブコア4とエンドカバー9に接続されている。よって、バルブプレート6は、ホルダ8の作用によって調圧口3に規制され、調圧口3の軸方向における伸縮移動のみを生じ得る。これにより、調圧室500内の分水水流は、開口7、調圧口3を通じて給水流路100から流れ出すため、進入水の圧力を自動的に調整し、分流させるとの目的が達成される。
【0060】
本実施例において、バルブプレート6の外周は調圧口3から突出するように設けられている。よって、バルブプレート6は、水圧を受けて調圧口3を密封する際に、給水流路100の内壁に密封状に接触する。また、バルブプレート6と給水流路100との接触面には、少なくとも1つのシールリングが周設されている。好ましくは、バルブプレート6の外周は、弾性の材質で構成されるシールリングで覆われている。また、本実施例において、バルブコア4の外周にはシールリングが周設されている。よって、バルブコア4がバルブプレート6の開口7に然るべく密封状に接触する際に、バルブコア4に設けられたシールリングがバルブコア4とバルブプレート6との接触面に位置する。これにより、バルブプレート6の開口7の密封性が保証される。
【0061】
<実施例3>
図2に示すように、本実施例は、以下を含む添加剤自動投入装置を提供する。即ち、給水流路100は、進入した水を吸引構造400に搬送可能である。貯液タンク200の内部には添加剤が含まれている。前記添加剤は、従来のいずれかの液体洗剤、柔軟剤、加香剤、消毒剤等とすることができる。吸引構造400は、給水流路100内を通過する水流に負圧を発生させることで、貯液タンク200内の添加剤を抽出し、水流とともに吐水口まで搬送することが可能である。前記吸引構造400は、負圧を発生させることで添加剤を水流中に抽出可能な従来のいずれかの装置とすればよく、例えば、吸引ポンプ、ベンチュリ管等とすればよい。また、逆流防止装置が給水流路100の調圧口3に設けられている。給水流路100に水が進入すると、通過する水流の圧力の作用を受けて、逆流防止装置が調圧口3を閉止するように制御される。また、給水流路100内に負圧が発生した場合には、逆流防止装置が調圧口3を開放して、給水流路100内の負圧を調整するように制御される。
【0062】
本発明で提供する洗濯ケア用添加剤の自動投入装置には、管路内の圧力に応じて通気孔の開閉を自動的に調整する逆流防止装置が設けられている。これにより、管路内の圧力を然るべく調整し、管路内における負圧の発生を回避することで、逆流防止機能という目的を達成する。且つ、本発明で提供する洗濯ケア用添加剤の自動投入装置には、管路内の圧力に応じて自動的に昇降変位する逆流防止装置が設けられている。これにより、通気孔の開閉を自動制御するとの効果が達せられるため、自動投入装置に水が正常に進入したときには水圧を利用して調圧口を閉塞し、負圧が発生した場合及び水の進入が停止した場合には自重の作用で調圧口を然るべく開放するとの使用目的が実現される。
【0063】
本実施例において、逆流防止装置はバルブプレート6を含む。バルブプレート6は、給水流路100の内側の調圧口3を然るべく覆う。また、バルブプレート6の外周は調圧口3から突出するように設けられている。よって、バルブプレート6は、水圧を受けて調圧口3を密封する際に、給水流路100の内壁に密封状に接触する。また、バルブプレート6と給水流路100との接触面には、少なくとも1つのシールリングが周設されている。
【0064】
本実施例において、調圧室500の垂直方向の上側及び下側には、それぞれ入口1と調圧口3が設けられている。また、調圧室500の一方の側壁には、吸引構造400に接続される出口2が設けられている。バルブプレート6は、室内に流れ込んだ水流の圧力を受けると、重力に抗して調圧口3を閉止するまで上方に移動する。好ましくは、入口1と調圧口3は同軸に設けられる。
【0065】
本実施例において、バルブプレート6の下側は入口1に対向して設けられる。これにより、給水流路100への給水が停止して調圧室500内に負圧が発生した場合、バルブプレート6は、重力の作用を受けて入口1を密封状に覆うまで下方へ移動する。
【0066】
本実施例において、バルブプレート6には、調圧口3に挿通されるホルダ8が給水流路100の外側に向かって設けられている。ホルダ8の上端は調圧口3を貫通しており、且つエンドカバー9が設けられている。これにより、バルブプレート6は、ホルダ8による規制作用を受けて、調圧口3の軸方向における伸縮移動のみを生じ得る。
【0067】
本実施例において、バルブプレート6には開口7が設けられており、開口7にバルブコア4が装着されている。バルブコア4は、弾性構造5を介して開口7に装着されている。バルブコア4は、弾性構造5からの弾性力の作用を受けて調圧口3を然るべく密封しているが、調圧室500を通過する水流の圧力が所定の値よりも大きくなると、弾性力に抗してバルブコア4が押動されることで、調圧口3が開放される。
【0068】
本実施例において、バルブコア4は調圧室500の外側の調圧口3に設けられている。弾性構造5は、バルブコア4に対し、調圧室500の外部から内部に向かう方向の弾性力を付与することで、バルブコア4によって調圧口3を然るべく密封する。調圧室500内を通過する水流は、外側への移動圧力をバルブコア4に付与する。そして、水流の圧力が所定の値よりも大きくなると、水流の圧力が弾性力に抗してバルブコア4を押動し、外側へ移動させることで調圧口3が開放される。
【0069】
本実施例において、調圧口3は分水流路10と連通しており、分水流路10の端部が自動投入装置の吐水口と連通している。吐水口は、自動投入装置のタンクの内部に位置している。当該吐水口部分の圧力は、大気圧とするか、洗濯機における洗浄槽300内の圧力と同等となるよう設定する。
【0070】
本実施例において、給水流路100には調圧室500が設けられている。調圧室500には調圧口3が設けられており、バルブプレート6が調圧室500の内側の調圧口3を然るべく覆う。バルブプレート6は、室内から水圧を受けると調圧口3を然るべく閉塞する。また、バルブコア4は、調圧室500の外側におけるバルブプレート6の開口7を然るべく覆う。バルブコア4は、室内から水圧を受けると開口7を開放するか、開口7を開放する付勢力を有する。
【0071】
<実施例4>
図1~
図9に示すように、本実施例では、自動投入装置について説明する。当該自動投入装置はタンク600を含む。タンク600には調圧室500が設けられており、調圧室500には、給水管に接続される入口1と、吸引構造400に接続される出口2が設けられている。更に、調圧室500の上部には、外部と連通する調圧口3が設けられている。また、調圧室500内には、室内の圧力の作用によって調圧口3を然るべく閉塞又は開放するよう上下に垂直移動可能なバルブプレート6が設けられている。バルブプレート6には開口7が設けられており、開口7には、開口7を密封するバルブコア4が設けられている。バルブコア4は、弾性構造5を介してバルブプレート6に装着されている。これにより、給水流路100内の水流の圧力が過剰となった場合には、バルブコア4が押動されることで開口7が開放される。
【0072】
本実施例において、出口2は調圧室500の一方の側に設けられている。出口2は、吸引構造400を構成するベンチュリ管の小口径の入口端に接続されている。また、入口1は調圧室500の底部に設けられており、調圧室500に進入した水は調圧口3と同軸に設けられる。
【0073】
本実施例において、調圧室500の天井壁には貫通したスリーブ11が設けられており、スリーブ11の中空経路が調圧口3を構成している。バルブプレート6は、スリーブ11の下端を然るべく覆うように設けられている。また、バルブプレート6が重力及び水流圧力の相互作用によって垂直方向に伸縮移動するよう、バルブプレート6にはスリーブ11に挿接される位置規制構造が接続されている。
【0074】
本実施例において、前記位置規制構造は垂直に延伸するホルダ8を含む。ホルダ8の外壁は、スリーブ11の内壁に然るべく位置規制されるよう接触している。また、ホルダ8の下端はバルブプレート6に固定的に接続されており、ホルダ8の上端にはエンドカバー9が装着されている。ホルダ8の高さはスリーブ11の高さ以下であり、且つ、スリーブ11の底端と調圧室500の入口との高低差以上である。本実施例において、エンドカバー9には、上下両側に貫通するよう設置された複数の貫通孔が設けられている。好ましくは、エンドカバー9は、外周のリング状フックを覆う環状リブと、径方向に間隔を置いて配列される複数の直線リブを有している。各直線リブは、内端が環状リブの円心で交わるように固定されており、外端が環状リブの内周に固定されている。また、各直線リブ間の隙間が、上下両側に貫通する貫通孔を構成している。
【0075】
本実施例において、開口7はバルブプレート6の中心部分に設けられている。また、バルブコア4は柱状をなして開口7に挿通されている。柱状のバルブコア4の上端には外側に突出する突出部が周設されており、突出部の外周が開口7よりも大きくなっている。これにより、柱状のバルブコア4は、重力の作用によって上から下へ開口7を然るべく密封する。
【0076】
本実施例において、調圧室500の底部には、下方に窪んだ凹溝14が設けられている。凹溝14の開口の形状は、バルブプレート6と対向するように設けられている。これにより、バルブプレート6が重力及び/又は負圧の作用を受けて調圧室500の底部まで下降したときに、バルブプレート6の下側が調圧室500における凹溝14の開口の外周と密封状に接触して入口が閉止される。好ましくは、調圧室500の底壁には、上方へ突出する突出リブ15が周設されている。前記突出リブ15は、バルブプレート6に設けられたパッキン12に対応して同軸且つ等しい大きさに設定されている。これにより、バルブプレートが負圧及び/又は自重によって調圧室の底部まで下降した場合、パッキン12は入口1を然るべく閉塞する。
【0077】
本実施例において、柱状のバルブコア4におけるバルブプレート6から突出する下端は、調圧室500の入口1に対応している。これにより、バルブプレートが重力及び/又は負圧の作用を受けて調圧室500の底部まで下降したときに、柱状のバルブコア4の下端が入口1に然るべく密封状に挿接される。好ましくは、柱状のバルブコア4の下端は滑らかな半円球状をなしている。且つ、柱状のバルブコア4の外周側は、調圧室500の下端における入口1部分の管路の内壁に然るべく密接する。これにより、柱状のバルブコア4の下端が入口1に然るべく挿入されて密封状に接触することで、バルブプレート6全体が下降したあと、柱状のバルブコア4により調圧室500の入口1を閉塞するとの目的が実現される。
【0078】
本実施例において、調圧室500の入口1は、スリーブと調圧室500の側壁との間に設けられている。バルブプレート6の外径は、スリーブ11の下端の周径よりも大きく、調圧室500の内側壁の周径よりも小さい。よって、入口から室内に流れ込んだ水流は、スリーブ11と調圧室500の壁との隙間から出口2へと流れる。
【0079】
本実施例において、前記弾性構造5は垂直に延伸するバネ50である。バネ50は、圧縮状にホルダのエンドカバー9とバルブコア4との間に装着されている。また、バネ50の両端は、エンドカバー9とバルブコア4にそれぞれ接続されている。本実施例において、ホルダ8は、垂直に延伸する複数の接続リブを含んでいる。接続リブは、上端がエンドカバー9に固定的に接続されており、下端がバルブプレート6に固定的に接続されている。また、隣り合う接続リブの間、及び/又は接続リブには、水流を通過させる貫通領域が設けられている。好ましくは、各接続リブは、スリーブ11の内壁と密着する円筒面に沿って設けられており、各接続リブにより取り囲まれる領域にバネ50が設けられている。
【0080】
本実施例において、自動投入装置のタンク600は、上部に掛合される上部カバー700を含んでおり、上部カバー700には、調圧室500が下方に突出するよう設けられている。また、前記調圧室500は、上部カバー700又はタンク600と一体成型されるよう構成されている。上部カバー700の上側には分水流路10が設けられており、調圧室500の上部に設けられた調圧口が分水流路10と連通している。分水流路10はタンク600の出口2又は洗浄槽300内まで延伸しており、分圧により流出した入水水流をタンク600に直接流入させることで、入水水流の圧力を自動的に調整するとの目的を実現する。且つ、給水流路100内の負圧を調整するために、調圧口3は外気と直接連通する。
【0081】
本実施例において、バルブプレート6と調圧口3との接触面には少なくとも1つのシールリングが周設されており、バルブプレート6と調圧室500の入口1との接触面には少なくとも1つのシールリングが周設されており、バルブプレート6とバルブコア4との接触面には少なくとも1つのシールリング13が周設されている。本実施例において、バルブプレート6の外周は、弾性の材質で構成されて上下両側を覆うパッキン12により包まれている。また、柱状のバルブコア4における中央部の外周には、弾性の材質で構成される少なくとも1つのシールリング13が周設されている。好ましくは、調圧室500の底壁には、上方へ突出する突出リブ15が周設されている。前記突出リブ15は、バルブプレート6に設けられたパッキン12に対応して同軸且つ等しい大きさに設定されている。
【0082】
<実施例5>
本実施例は、更に洗濯機を提供する。前記洗濯機には、上記実施例1~4のいずれかで記載した自動投入装置が装着されている。自動投入装置の吐水口は洗浄槽300に接続されているため、貯液タンク200内から入水水流によりタンク600に抽出された添加剤は、洗濯機への入水水流とともに洗浄槽300内に送り込まれる。
【0083】
以上は、本発明の好ましい実施例及び運用する技術の原理にすぎない。当業者は、本発明がここで記載した特定の実施例に限定されないことを理解し得る。また、当業者であれば、本発明の保護の範囲を逸脱することなく、各種の明らかな変更、再調整及び置き換えを行うことが可能である。
【符号の説明】
【0084】
100 給水流路
200 貯液タンク
300 洗浄槽
400 吸引構造
500 調圧室
600 タンク
1 入口
2 出口
3 調圧口
4 バルブコア
5 弾性構造
6 バルブプレート
7 開口
8 ホルダ
9 エンドカバー
10 分水流路
11 スリーブ
12 パッキン
13 シールリング
14 凹溝
15 突出リブ
50 バネ