(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】ユーザインタフェース装置、及び、プロジェクタ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0484 20220101AFI20240226BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240226BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20240226BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
G06F3/0484
G03B21/00 D
H04N5/74 Z
G03B21/14 Z
(21)【出願番号】P 2019185377
(22)【出願日】2019-10-08
【審査請求日】2022-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】山内 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤原 友未
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-184298(JP,A)
【文献】特開2001-092408(JP,A)
【文献】特開2013-083942(JP,A)
【文献】特開2019-158986(JP,A)
【文献】特開2007-279869(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0018814(US,A1)
【文献】特開2012-191349(JP,A)
【文献】特開2017-181668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01-3/04895
G03B 21/00
H04N 5/74
G03B 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクタと通信を行う通信部と、
前記通信部と前記プロジェクタとの通信が確立された後、前記プロジェクタによって投影される映像をユーザが選択するための選択画面を表示する表示部と、
前記選択画面を通じて選択された映像を前記プロジェクタに投影させるための制御信号を前記通信部に前記プロジェクタへ送信させる制御部とを備え、
前記表示部は、前記通信部と前記プロジェクタとの通信が確立された後、前記選択画面が表示されるまでの期間に前記ユーザに操作を要求する画面を表示しない
ユーザインタフェース装置。
【請求項2】
前記選択画面には、前記プロジェクタによって投影されている映像を示す表示情報が含まれる
請求項1に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記プロジェクタが投影している映像を示す映像識別情報の要求を前記通信部に前記プロジェクタへ送信させ、
前記表示部は、前記通信部が前記要求に応じて前記プロジェクタから受信した前記映像識別情報に基づいて、前記表示情報を含む前記選択画面を表示する
請求項2に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項4】
前記選択画面には、前記プロジェクタによって投影されている映像を調光または調色するためのオブジェクトが含まれる
請求項1~3のいずれか1項に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項5】
さらに、前記ユーザの操作を受け付ける操作受付部を備え、
前記制御部は、前記選択画面が表示されている状態で前記操作受付部により多くとも2回の操作が受け付けられたことを契機に、前記プロジェクタによって投影されている映像の投影条件を変更するための制御信号を前記通信部に前記プロジェクタへ送信させる
請求項1~4のいずれか1項に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1~5のいずれか1項に記載のユーザインタフェース装置として動作させるためのプログラム。
【請求項7】
プロジェクタであって、
前記プロジェクタへの電力供給が開始されたことを契機に、
(1)メーカロゴ映像を投影し、さらに、(2)前記メーカロゴ映像の投影後に、ユーザがユーザインタフェース装置を通じて投影を指示することができる映像であって、あらかじめユーザによって初期映像として登録された映像を投影する投影部を備える
プロジェクタ。
【請求項8】
さらに、前記映像の映像信号である対象映像信号を含む複数の映像信号が記憶された記憶部と、
前記プロジェクタへの電力供給が開始されたことを契機に、前記記憶部から前記対象映像信号を読み出し、読み出した前記対象映像信号に基づいて、前記映像を前記投影部に投影させる制御部とを備える
請求項7に記載のプロジェクタ。
【請求項9】
さらに、前記映像の映像信号である対象映像信号を含む複数の映像信号が記憶された記憶部を備えるサーバ装置と通信する通信部と、
前記プロジェクタへの電力供給が開始されたことを契機に、前記対象映像信号を前記通信部を介して取得し、取得した前記対象映像信号に基づいて前記映像を前記投影部に投影させる制御部とを備える
請求項7に記載のプロジェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタ、及び、プロジェクタを制御するためのユーザインタフェース装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの所望の映像を投影することができるプロジェクタが知られている。特許文献1には、天井等に設置可能であり、設置後に、光を投射する方向を調整可能なプロジェクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的なプロジェクタに所望の映像を投影させる場合、ユーザは、プロジェクタとパーソナルコンピュータ等を通信接続し、入力ソースを選択する操作、及び、映像再生開始を指示する操作等の多数回の操作を行う必要がある。つまり、一般的なプロジェクタでは、映像の投影が開始されるまでの手順が煩雑である。
【0005】
本発明は、映像の投影が開始されるまでの手順を簡略化することができるユーザインタフェース装置、プログラム、及び、プロジェクタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るユーザインタフェース装置は、プロジェクタと通信を行う通信部と、前記通信部と前記プロジェクタとの通信が確立された後、前記プロジェクタによって投影される映像をユーザが選択するための選択画面を表示する表示部と、前記選択画面を通じて選択された映像を前記プロジェクタに投影させるための制御信号を前記通信部に前記プロジェクタへ送信させる制御部とを備え、前記表示部は、前記通信部と前記プロジェクタとの通信が確立された後、前記選択画面が表示されるまでの期間に前記ユーザに操作を要求する画面を表示しない。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、前記ユーザインタフェース装置として動作させるためのプログラムである。
【0008】
本発明の一態様に係るプロジェクタは、前記プロジェクタへの電力供給が開始されたことを契機に、ユーザがユーザインタフェース装置を通じて投影を指示することができる映像を投影する投影部を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様に係るユーザインタフェース装置、プログラム、及び、プロジェクタは、映像の投影が開始されるまでの手順を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る映像投影システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る映像投影システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係るプロジェクタの動作例1のフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施の形態に係るプロジェクタの動作例2のフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施の形態に係るユーザインタフェース装置の動作例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態)
[映像投影システムの構成]
まず、実施の形態に係る映像投影システムの概略構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る映像投影システムの概略構成を示す図である。
図2は、実施の形態に係る照明システムの機能構成を示すブロック図である。
【0014】
図1及び
図2に示されるように、実施の形態に係る映像投影システム100は、プロジェクタ10と、ユーザインタフェース装置20とを備える。まず、プロジェクタ10について説明する。
【0015】
プロジェクタ10は、空間50の天井に埋め込まれる、埋め込み型(言い換えれば、ダウンライト型の)プロジェクタである。空間50は、例えば、部屋などの閉空間である。プロジェクタ10が投影する映像は、例えば、木の陰影(木漏れ日)などの自然物を模したモノクローム映像(言い換えれば、グレースケール映像)である。このような映像は、例えば、空間50の演出に用いられる。ユーザは、ユーザインタフェース装置20を操作することにより、複数種類の映像を切り替えることができる。なお、ここでの映像は、動画像を意味するが、静止画像であってもよい。
【0016】
プロジェクタ10は、具体的には、電源部11と、投影部12と、第一通信部13と、第二通信部14と、制御部15と、記憶部16とを備える。
【0017】
電源部11は、プロジェクタ10の外部の交流電源30から供給される交流電力を直流電力に変換する電力変換回路である。なお、交流電源30からの電力供給のオン及びオフは、例えば、壁スイッチ31などの操作パネルによって行われる。
【0018】
投影部12は、制御部15の制御にしたがって映像を投影する。投影部12には、光源駆動部12a、光源12b、映像素子12c、及び、投影レンズ12dが含まれる。
【0019】
光源駆動部12aは、電源部11から供給される電力を用いて光源12bの明るさを調整するための回路である。光源駆動部12aは、制御部15から出力される制御信号に基づいて動作する。
【0020】
光源12bは、白色光を発する光源である。光源12bは、具体的には、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)によって実現されるが、半導体レーザ、有機EL(Electro Luminescence)、または、無機EL等によって実現されてもよい。光源12bは、調光及び調色が可能である。光源12bは、例えば、第一色温度(低色温度)の白色光を発する第一LED素子、及び、第一色温度と異なる第二色温度(高色温度)の白色光を発する第二LED素子を含み、各LED素子の輝度が独立して制御可能であることにより、調色が可能である。
【0021】
映像素子12cは、光源12bが発する光を変調することにより映像として出射する。映像素子12cは、具体的には、透過型液晶パネルなどの光透過型の映像素子であるが、マイクロミラーアレイまたは反射型液晶パネルなどの反射型の映像素子であってもよい。
【0022】
投影レンズ12dは、映像素子12cによって出射される映像を床面などの投影面に投射する光学素子である。
【0023】
第一通信部13は、プロジェクタ10がユーザインタフェース装置20と局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(言い換えれば、通信モジュール)である。第一通信部13は、例えば、電波通信または光通信などの無線通信を行うが、有線通信を行ってもよい。第一通信部13が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0024】
第二通信部14は、プロジェクタ10がサーバ装置40とインターネットなどの広域通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(言い換えれば、通信モジュール)である。第二通信部14は、例えば、電波通信または光通信などの無線通信を行うが、有線通信を行ってもよい。第二通信部14が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0025】
制御部15は、光源12b(より詳細には、光源駆動部12a)、及び、映像素子12cの制御を行う制御装置である。制御部15は、電源部11から供給される電力によって動作する。制御部15は、具体的には、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。
【0026】
記憶部16には、プロジェクタ10が投影する複数種類の映像(言い換えれば、複数のコンテンツ)それぞれの映像信号が記憶される。複数種類の映像は、例えば、互いに被写体が異なる映像であり、この中には後述の第一映像及び第二映像が含まれる。ここでの複数種類の映像のそれぞれは、ユーザがユーザインタフェース装置20を操作することにより意図的に投影することができる映像を意味し、プロジェクタ10が起動されたときに表示されるメーカロゴの映像、及び、黒画像など、ユーザの意図に関係なく不可避的に投影される映像は含まれない。また、複数種類の映像のそれぞれは、例えば、一般的な映像よりもコントラスト比が低い演出用の映像であり、演出用の映像のコントラスト比は、例えば、100:1以下である。なお、コントラスト比は、映像の最も暗い部分(黒)を1としたときに、最も明るい部分(白)の明るさがその何倍であるかを示す物理量である。
【0027】
また、記憶部16には、制御部15によって実行されるプロジェクタ10の制御プログラムなども記憶される。記憶部16は、具体的には、半導体メモリなどによって実現される。
【0028】
次に、ユーザインタフェース装置20について説明する。ユーザインタフェース装置20は、ユーザの操作を受け付け、受け付けられた操作に応じてプロジェクタ10を動作させるためのリモートコントローラである。ユーザインタフェース装置20は、スマートフォンまたはタブレット端末などの汎用の携帯端末にアプリケーションプログラムがインストールされることによって実現されるが、プロジェクタ10の専用のリモートコントローラであってもよい。ユーザインタフェース装置20は、操作受付部21と、表示部22と、通信部23と、制御部24と、記憶部25とを備える。
【0029】
操作受付部21は、プロジェクタ10の動作に関連するユーザの操作を受け付ける。操作受付部21は、例えば、タッチパネル、及び、ハードウェアボタンなどによって実現される。
【0030】
表示部22は、制御部24の制御に基づいて、画像を表示する。表示部22は、具体的には、例えば、液晶パネルまたは有機ELパネルなどの表示パネルによって実現される。
【0031】
通信部23は、ユーザインタフェース装置20がプロジェクタ10と局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部23によって行われる通信は、例えば、無線通信であるが、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0032】
制御部24は、ユーザインタフェース装置20の動作に関連する各種情報処理を行う。制御部24は、プロセッサまたはマイクロコンピュータなどによって実現される。
【0033】
記憶部25は、制御部24によって実行されるアプリケーションプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部25は、具体的には、半導体メモリなどにより実現される。
【0034】
次に、サーバ装置40について説明する。サーバ装置40は、複数の映像信号を管理し、プロジェクタ10に映像信号を提供するコンピュータ装置である。サーバ装置40は、複数の映像信号がデータベース化されて記憶されたサーバ記憶部41を備える。サーバ記憶部41は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などによって実現される。サーバ記憶部41に記憶される複数の映像信号のそれぞれは、ユーザがユーザインタフェース装置20を操作することにより意図的に投影することができる映像の映像信号である。
【0035】
[プロジェクタの動作例1]
一般的なプロジェクタに所望の映像を投影させる場合、ユーザは、プロジェクタと情報端末(パーソナルコンピュータ等)を通信接続し、入力ソースを選択する操作、及び、映像再生開始を指示する操作等の多数回の操作を行う必要がある。ユーザは、映像を投影するために多数回の操作を行うことが要件となることに、煩わしさ、及び、難しさを感じる場合がある。特に、プロジェクタの操作になじみのないユーザは、煩わしさ及び難しさを感じる傾向が顕著である。このように、映像を投影するために多数回の操作を行うことが要件とされることは、プロジェクタを使用するモチベーションを下げる原因になる。
【0036】
これに対し、プロジェクタ10では、映像の投影が開始されるまでの手順が大幅に簡略化されている。以下、このようなプロジェクタ10の動作例1について説明する。
図3は、プロジェクタ10の動作例1のフローチャートである。
【0037】
まず、壁スイッチ31がユーザによって押下され、プロジェクタ10へ電力供給が開始される(S11)。プロジェクタ10の投影部12(例えば、光源駆動部12a、光源12b、映像素子12c、及び、投影レンズ12d)は、電力供給が開始されたことを契機に、制御部15の制御にしたがって映像を投影面に投影する(S12)。具体的には、プロジェクタ10の制御部15は、光源駆動部12aに制御信号を出力することにより、光源駆動部12aを介して光源12bを所定の明るさで発光させる(S13)。これと並行して、制御部15は、映像信号を記憶部16から読み出して映像素子12cに出力することにより、映像素子12cに映像を出射させる(S14)。この結果、投影レンズ12dから投影面に映像が投影される(S15)。
【0038】
ステップS12において投影される映像は、映像信号が記憶部16に記憶されている複数種類の映像の一つであり、ステップS12の後、ユーザがユーザインタフェース装置20を操作することにより意図的に投影を指示することができる映像である。プロジェクタ10が起動されたときに表示されるメーカロゴの映像、及び、黒画像など、ユーザの意図に関係なく不可避的に投影される映像は、ステップS12において投影される映像には含まれない。メーカロゴの映像、及び、黒画像などは、例えば、ステップS11及びステップS12の間の期間に投影される場合がある。
【0039】
なお、制御部15は、例えば、ステップS14において記憶部16から読み出す映像信号を、上記複数の映像信号の中からランダムに1つ選択する。しかしながら、制御部15は、あらかじめユーザによって初期映像として登録された映像の映像信号を選択してもよい。また、制御部15は、過去にユーザによって投影が指示された映像の履歴情報を記憶部16に記憶しておき、履歴情報に基づいて、直近に投影が指示された映像の映像信号、または、投影が指示される頻度が最も高い映像の映像信号を選択してもよい。
【0040】
このように、プロジェクタ10は、プロジェクタ10への電力供給が開始されたことを契機に、ユーザがユーザインタフェース装置20を通じて投影を指示することができる映像を投影する。プロジェクタ10は、映像の投影に関して、ユーザが映像の投影を指示する操作を行うことを必須要件としていない。したがって、プロジェクタ10によれば、ユーザは、ユーザインタフェース装置20への映像の投影を指示する操作を行わなくても映像を投影することができる。つまり、ユーザは、壁スイッチ31を押下するだけの簡単な操作で映像を投影することができる。
【0041】
[プロジェクタの動作例2]
上記動作例1では、制御部15は、プロジェクタ10への電力供給が開始されたことを契機に、記憶部16から映像信号を読み出し、読み出した映像信号に基づいて、映像を投影部12に投影させた。つまり、プロジェクタ10は、プロジェクタ10に内蔵された映像信号を用いて映像を投影した。しかしながら、プロジェクタ10は、サーバ装置40から取得した映像信号を用いて映像を投影してもよい。
図4は、このようなプロジェクタ10の動作例2のフローチャートである。なお、動作例2の説明においては、動作例1で既出の事項については、説明が省略または簡略化される。
【0042】
まず、壁スイッチ31がユーザによって押下され、プロジェクタ10へ電力供給が開始される(S21)。プロジェクタ10の投影部12は、電力供給が開始されたことを契機に、制御部15の制御にしたがって映像を投影面に投影する(S22)。具体的には、プロジェクタ10の制御部15は、光源駆動部12aに制御信号を出力することにより、光源駆動部12aを介して光源12bを所定の明るさで発光させる(S23)。これと並行して、制御部15は、サーバ装置40から第二通信部14を介して映像信号を取得し、取得した映像信号を映像素子12cに出力することにより、映像素子12cに映像を出射させる(S24)。この結果、投影レンズ12dから投影面に映像が投影される(S25)。
【0043】
ステップS24における処理は、より詳細には以下の通りである。制御部15は、第二通信部14にサーバ装置40へ映像信号の要求を送信させる。サーバ装置40は、受信した要求に応じてサーバ記憶部41から映像信号を読み出し、上記要求に対する応答として映像信号をプロジェクタ10に送信する。
【0044】
なお、制御部15は、ステップS24においてサーバ装置40から取得する映像信号を、サーバ記憶部41に記憶された複数の映像信号の中からランダムに1つ選択する。制御部15は、過去にユーザによって投影が指示された映像の履歴情報を記憶部16(またはサーバ記憶部41)に記憶しておき、履歴情報に基づいて、直近に投影が指示された映像の映像信号、または、投影が指示される頻度が最も高い映像の映像信号を選択してもよい。また、このような映像信号の選択は、サーバ装置40によって行われてもよい。
【0045】
このように、プロジェクタ10は、プロジェクタ10への電力供給が開始されたことを契機に、映像信号を第二通信部14を介して取得し、取得した映像信号に基づいて映像を投影してもよい。映像信号がプロジェクタ10の記憶部16に内蔵される場合、記憶部16の記憶容量に制限があることから映像の選択肢の幅が狭まる可能性がある。しかしながら、プロジェクタ10は、記憶容量の制限が緩いサーバ記憶部41を備えるサーバ装置40から映像信号の提供を受けることで、映像の選択肢を広げることができる。
【0046】
[ユーザインタフェース装置の動作例]
上述のように、プロジェクタ10は、電源が供給されると、ユーザの映像の投影を指示する操作を受け付ける前に映像を投影する。そうすると、ユーザが別の映像の投影を希望するような場合に、投影中の映像を変更するための操作が複雑であることは好ましくない。そこで、ユーザインタフェース装置20は、容易に映像を変更できるように構成されている。
図5は、ユーザインタフェース装置20の動作例のフローチャートである。
【0047】
プロジェクタ10に電源が供給されている状態で、ユーザインタフェース装置20の操作受付部21は、プロジェクタ10を遠隔制御するためのアプリケーションプログラム(以下、プロジェクタ制御アプリとも記載される)の実行を指示する操作をユーザから受け付ける(S31)。制御部24は、この操作が受け付けられたことを契機に記憶部25に記憶された上記プロジェクタ制御アプリを実行する。これにより、以下のステップS32~ステップS35の処理が行われる。
【0048】
まず、制御部24は、通信部23とプロジェクタ10(より詳細には、第一通信部13)との通信接続処理を行う(S32)。
【0049】
制御部24は、ステップS32の通信接続処理によって通信部23とプロジェクタ10との通信が確立された後、プロジェクタ10が現在投影している映像を示す映像識別情報の要求を通信部23にプロジェクタ10へ送信させる(S33)。この結果、通信部23は、上記要求に応じてプロジェクタ10から映像識別情報を受信する(S34)。
【0050】
次に、制御部24は、プロジェクタによって投影される映像をユーザが選択するための選択画面を表示部22に表示させる(S35)。このとき、制御部24は、ステップS34において受信された映像識別情報に基づいて、プロジェクタ10によって現在投影されている映像を示す表示情報を含む選択画面を表示部22に表示させる。選択画面は、
図1に示されている。選択画面のベースとなる画面情報は、例えば、記憶部25にあらかじめ記憶される。
【0051】
図1に示される選択画面は、現在投影されている映像を示す表示情報22aとして、サムネイル画像を含む。表示情報22aは、サムネイル画像に限定されず、現在投影されている映像の文字タイトル(例えば、「木漏れ日」)などであってもよい。また、選択画面には、プロジェクタ10によって投影されている映像を選択(変更)するための選択オブジェクト22bが含まれる。
【0052】
表示部22によって選択画面が表示されているときに操作受付部21によってユーザの映像の選択操作が受け付けられると(S36)、制御部24は、選択画面を通じて選択された映像をプロジェクタに投影させるための制御信号を通信部23にプロジェクタ10へ送信させる(S37)。映像の選択操作には、少なくとも、選択オブジェクト22bへの操作が含まれる。この結果、プロジェクタ10からはユーザが選択した映像が投影される。つまり、ステップS31~ステップS37の一連の処理により、プロジェクタ10によって投影される映像が変更される。
【0053】
以上説明したユーザインタフェース装置20の動作において、ステップS31の処理、及び、ステップS32の処理の間には、表示部22は、ユーザに操作を要求する画面を表示しない。つまり、表示部22は、通信部23とプロジェクタ10との通信が確立された後、選択画面が表示されるまでの期間にユーザに操作を要求する画面を表示しない。言い換えれば、プロジェクタ制御アプリを立ち上げた後、ユーザが最初に操作を行うのは、映像の選択画面が表示された後になる。したがって、ユーザは、比較的少ない操作回数でプロジェクタ10によって投影されている映像を変更することができる。
【0054】
ユーザは、映像を選択する際には、選択オブジェクト22bだけをタップ操作すれば映像を変更することができる。つまり、最小の場合、ユーザは1回のタップ操作のみで映像を変更することができる。これにより、ユーザインタフェース装置20は、映像の変更に際してユーザが煩わしさを感じてしまうことを抑制することができる。
【0055】
ところで、
図1の選択画面には、プロジェクタ10によって投影されている映像の投影条件を変更するための映像調整オブジェクト22cが含まれる。投影条件の変更は、例えば、映像(より具体的には、光源12b)の調光または調色である。ユーザは、映像調整オブジェクト22cを操作することにより、映像を調光または調色することもできる。
【0056】
表示部22によって選択画面が表示されているときに操作受付部21によってユーザの投影条件の変更操作が受け付けられると(S38)、制御部24は、映像の投影条件を、変更操作により指定される投影条件に変更するための制御信号を通信部23にプロジェクタ10へ送信させる(S39)。映像の選択操作には、少なくとも、映像調整オブジェクト22cへの操作が含まれる。この結果、プロジェクタ10からは変更後の投影条件で映像が投影される。
【0057】
ユーザは、映像調整オブジェクト22c(
図1の例では、スライドバー)をドラッグ操作することで映像を調光または調色することができる。つまり、ユーザは1回のドラッグ操作で映像を調光または調色することができる。なお、映像の投影条件は、多くとも2回以内の操作で変更されるとよく、これにより、ユーザインタフェース装置20は、投影条件の変更に際してユーザが煩わしさを感じてしまうことを抑制することができる。
【0058】
なお、映像の投影条件には、映像の明るさ(調光に対応)及び色温度(調色に対応)以外に、コントラスト比、フォーカス、アスペクト比、再生速度、投影角度、及び、投影倍率などが含まれる。つまり、このような調光及び調色以外の投影条件が変更されてもよい。
【0059】
[効果等]
以上説明したように、プロジェクタ10は、プロジェクタ10への電力供給が開始されたことを契機に、ユーザがユーザインタフェース装置20を通じて投影を指示することができる映像を投影する投影部12を備える。
【0060】
このようなプロジェクタ10によれば、ユーザは、ユーザインタフェース装置20への映像の投影を指示する操作を行わなくても映像を投影することができる。つまり、プロジェクタ10は、映像の投影が開始されるまでの手順を簡略化することができる。
【0061】
また、動作例1では、プロジェクタ10は、さらに、上記映像の映像信号である対象映像信号を含む複数の映像信号が記憶された記憶部16と、プロジェクタ10への電力供給が開始されたことを契機に、記憶部16から対象映像信号を読み出し、読み出した対象映像信号に基づいて、映像を投影部12に投影させる制御部15とを備える。
【0062】
このようなプロジェクタ10は、他の装置から映像信号の提供を受けずに映像を投影することができる。したがって、プロジェクタ10は、他の装置との通信量を抑制することができる。
【0063】
また、動作例2では、プロジェクタ10は、さらに、上記映像の映像信号である対象映像信号を含む複数の映像信号が記憶されたサーバ記憶部41を備えるサーバ装置40と通信する第二通信部14と、プロジェクタ10への電力供給が開始されたことを契機に、対象映像信号を第二通信部14を介して取得し、取得した対象映像信号に基づいて映像を投影部12に投影させる制御部15とを備える。
【0064】
このようなプロジェクタ10は、記憶容量の制限が緩いサーバ記憶部41を備えるサーバ装置40から映像信号の提供を受けることで、映像の選択肢を広げることができる。
【0065】
また、ユーザインタフェース装置20は、プロジェクタ10と通信を行う通信部23と、通信部23とプロジェクタ10との通信が確立された後、プロジェクタ10によって投影される映像をユーザが選択するための選択画面を表示する表示部22と、選択画面を通じて選択された映像をプロジェクタ10に投影させるための制御信号を通信部23にプロジェクタ10へ送信させる制御部24とを備える。表示部22は、通信部23とプロジェクタ10との通信が確立された後、選択画面が表示されるまでの期間にユーザに操作を要求する画面を表示しない。
【0066】
このようなユーザインタフェース装置20によれば、ユーザが最初に映像を選択するための操作を行うのは、映像の選択画面が表示された後になる。したがって、ユーザは、比較的少ない操作回数でプロジェクタ10によって投影されている映像を変更することができる。つまり、ユーザインタフェース装置20は、変更先の映像の投影が開始されるまでの手順を簡略化することができる。
【0067】
また、例えば、選択画面には、プロジェクタ10によって投影されている映像を示す表示情報が含まれる。
【0068】
このようなユーザインタフェース装置20によれば、ユーザは、現在投影されている映像を容易に把握することができる。
【0069】
また、例えば、制御部24は、プロジェクタ10が投影している映像を示す映像識別情報の要求を通信部23にプロジェクタ10へ送信させる。表示部22は、通信部23が要求に応じてプロジェクタ10から受信した映像識別情報に基づいて、表示情報を含む選択画面を表示する。
【0070】
このようなユーザインタフェース装置20は、プロジェクタ10により現在投影されている映像の問い合わせを行うことで、選択画面に表示情報を含めることができる。
【0071】
また、例えば、選択画面には、プロジェクタ10によって投影されている映像を調光または調色するための映像調整オブジェクト22cが含まれる。
【0072】
このようなユーザインタフェース装置20によれば、ユーザは、映像の調光または調色を行うことができる。
【0073】
また、例えば、ユーザインタフェース装置20は、さらに、ユーザの操作を受け付ける操作受付部21を備える。制御部24は、選択画面が表示されている状態で操作受付部21により多くとも2回の操作が受け付けられたことを契機に、プロジェクタ10によって投影されている映像の投影条件を変更するための制御信号を通信部23にプロジェクタ10へ送信させる。
【0074】
このようなユーザインタフェース装置20は、投影条件の変更に際してユーザが煩わしさを感じてしまうことを抑制することができる。
【0075】
また、上記実施の形態のプロジェクタ制御アプリは、携帯端末などのコンピュータを、ユーザインタフェース装置20として動作させるためのプログラムである。
【0076】
このようなプログラムは、ユーザインタフェース装置20と同様の効果を奏することができる。
【0077】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0078】
例えば、上記実施の形態では、プロジェクタは、演出用の映像を投影したが、演出用ではない一般的な映像を投影してもよい。例えば、上記実施の形態では、プロジェクタはモノクローム(言い換えれば、グレースケール)の映像を投影すると説明されたが、カラーの映像を投影してもよい。また、上記実施の形態では、プロジェクタは、天井埋め込み型のプロジェクタであったが、机上に設置される一般的なプロジェクタであってもよい。このように、本発明は、一般的なプロジェクタにも適用することができる。
【0079】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0080】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0081】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0082】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0083】
例えば、本発明は、上記実施の形態の映像投影システムとして実現されてもよい。本発明は、プロジェクタの制御方法として実現されてもよい。本発明は、プロジェクタの制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0084】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
10 プロジェクタ
12 投影部
14 第二通信部
15 制御部
16 記憶部
20 ユーザインタフェース装置
21 操作受付部
22 表示部
23 通信部
24 制御部
40 サーバ装置
41 サーバ記憶部