(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】情報処理システムおよび情報提供方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/02 20120101AFI20240226BHJP
【FI】
G06Q20/02
(21)【出願番号】P 2019239437
(22)【出願日】2019-12-27
【審査請求日】2022-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】平松 勝彦
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-081266(JP,A)
【文献】特開2009-288921(JP,A)
【文献】特開2014-130015(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105807698(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107358791(CN,A)
【文献】特開2008-257540(JP,A)
【文献】特開2004-139255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の端末と、
商品またはサービスを前記利用者に提供する提供者の装置と、
前記提供者に代わって、前記商品またはサービスの代金の支払に関する情報を前記利用者に提供する代行者の装置と、
を備え、
前記代行者の装置は、前記利用者の端末のアドレス
と、前記利用者に関する属性情報とを関連付けて記憶するアドレス記憶部を含み、
前記提供者の装置は、
前記利用者のIDと、
前記利用者に関する属性情報とを関連付けて記憶する利用者情報記憶部と、
前記利用者に関する属性情報に基づいて、前記利用者情報記憶部に記憶された前記利用者のIDと、前記代行者の装置に記憶された前記利用者の端末のアドレスに関するアドレス識別情報とを
自動で関連付ける関連付け部と、
前記利用者の支払に関する情報を生成する第1生成部と、
前記利用者の支払に関する情報を、前記利用者のIDに関連付けられたアドレス識別情報とともに前記代行者の装置に送信する送信部と、を含み、
前記代行者の装置は、前記提供者の装置から送信されたアドレス識別情報により識別されるアドレスをもとに、前記利用者の支払に関する情報を前記利用者の端末に転送する転送部をさらに含む、
情報処理システム。
【請求項2】
前記利用者の通信装置をさらに備え、
前記利用者の端末は、前記代行者の装置から送られた支払に関する情報を画面に表示させ、
前記利用者の通信装置は、前記画面に表示された支払に関する情報を読み取り、その情報をもとに所定の処理を実行する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記提供者の装置は、
認証情報を生成する第2生成部と、
前記利用者のIDに関連づけられたアドレス識別情報をもとに、前記提供者の装置にアクセスするための認証用アドレスを前記利用者の端末に通知するアドレス通知部と、
確認部と、をさらに含み、
前記第2生成部により生成された認証情報は、前記利用者に通知され、前記利用者の操作により前記利用者の端末に入力され、
前記利用者の端末は、前記認証用アドレスを用いて前記提供者の装置にアクセスし、前記利用者の操作により入力された認証情報を前記提供者の装置に送信し、
前記確認部は、前記第2生成部により生成された認証情報と、前記利用者の端末から送信された認証情報とを照合することにより、前記利用者のIDに関連付けられたアドレス識別情報の正誤を確認する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記提供者の装置は、
前記利用者の施設に設置された所定の機器に関する情報である機器情報を記憶する記憶部と、
前記利用者のIDに関連づけられたアドレス識別情報をもとに、前記提供者の装置にアクセスするための認証用アドレスを前記利用者の端末に通知するアドレス通知部と、
確認部と、をさらに含み、
前記機器情報は、前記利用者の操作により前記利用者の端末に入力され、
前記利用者の端末は、前記認証用アドレスを用いて前記提供者の装置にアクセスし、前記機器情報を前記提供者の装置に送信し、
前記確認部は、前記記憶部に記憶された機器情報と、前記利用者の端末から送信された機器情報とを照合することにより、前記利用者のIDに関連付けられたアドレス識別情報の正誤を確認する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
利用者の端末と、
商品またはサービスを前記利用者に提供する提供者の装置と、
前記提供者に代わって、前記商品またはサービスの代金の支払に関する情報を前記利用者に提供する代行者の装置と、
を備える情報処理システムが実行する方法であって、
前記代行者の装置
が、前記利用者の端末のアドレス
と、前記利用者に関する属性情報とを関連付けて記憶し、
前記提供者の装置が、前記利用者のIDと、前記利用者に関する属性情報とを関連付けて記憶し、
前記提供者の装置が、
前記利用者に関する属性情報に基づいて、自装置に記憶された前記利用者のIDと、前記代行者の装置に記憶された前記利用者の端末のアドレスに関するアドレス識別情報とを
自動で関連付
け、
前記提供者の装置が、前記利用者の支払に関する情報を生成
し、
前記提供者の装置が、前記利用者の支払に関する情報を、前記利用者のIDに関連付けられたアドレス識別情報とともに前記代行者の装置に送信
し、
前記代行者の装置が、前記提供者の装置から送信されたアドレス識別情報により識別されるアドレスをもとに、前記利用者の支払に関する情報を前記利用者の端末に転送す
る、
情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は通信技術に関し、特に情報処理システムおよび情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品またはサービスを購買した利用者に対して、代金の支払に関する情報を示すバーコードが郵送等により提供され、金融機関の店舗やコンビニエンスストア等においてそのバーコードを用いて代金の決済が行われることがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デジタル化が進展する中、商品またはサービスを購買した利用者に対して、代金の支払に関する情報を提供するためのより良い仕組みが求められている。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みてなされたものであり、1つの目的は、商品またはサービスを購買した利用者に対して、代金の支払に関する情報を提供するための好適な仕組みを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の情報処理システムは、利用者の端末と、商品またはサービスを利用者に提供する提供者の装置と、提供者に代わって、商品またはサービスの代金の支払に関する情報を利用者に提供する代行者の装置と、を備える。代行者の装置は、利用者の端末のアドレスを記憶するアドレス記憶部を含む。提供者の装置は、利用者のIDと、代行者の装置に記憶された利用者の端末のアドレスに関するアドレス識別情報とを関連付ける関連付け部と、利用者の支払に関する情報を生成する第1生成部と、利用者の支払に関する情報を、利用者のIDに関連付けられたアドレス識別情報とともに代行者の装置に送信する送信部と、を含む。代行者の装置は、提供者の装置から送信されたアドレス識別情報により識別されるアドレスをもとに、利用者の支払に関する情報を利用者の端末に転送する転送部をさらに含む。
【0007】
本開示の別の態様は、情報提供方法である。この方法は、利用者の端末と、商品またはサービスを利用者に提供する提供者の装置と、提供者に代わって、商品またはサービスの代金の支払に関する情報を利用者に提供する代行者の装置と、を備える情報処理システムが実行する方法であって、代行者の装置は、利用者の端末のアドレスを記憶し、提供者の装置が、利用者のIDと、代行者の装置に記憶された利用者の端末のアドレスに関するアドレス識別情報とを関連付けるステップと、提供者の装置が、利用者の支払に関する情報を生成するステップと、提供者の装置が、利用者の支払に関する情報を、利用者のIDに関連付けられたアドレス識別情報とともに代行者の装置に送信するステップと、代行者の装置が、提供者の装置から送信されたアドレス識別情報により識別されるアドレスをもとに、利用者の支払に関する情報を利用者の端末に転送するステップと、を含む。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を、装置、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを記録した記録媒体などの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、商品またはサービスを購買した利用者に対して、代金の支払に関する情報を提供するための好適な仕組みを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施例の支払支援システムの構成を示す図である。
【
図2】第1実施例の代行者装置の機能ブロックを示すブロック図である。
【
図4】第1実施例の提供者装置の機能ブロックを示すブロック図である。
【
図6】第1実施例の支払支援システムの動作を示す図である。
【
図7】第2実施例の支払支援システムの構成を示す図である。
【
図8】第2実施例の提供者装置の機能ブロックを示すブロック図である。
【
図9】第2実施例の利用者情報の例を示す図である。
【
図10】第2実施例の支払支援システムの動作を示す図である。
【
図11】第3実施例の支払支援システムの構成を示す図である。
【
図12】第3実施例の提供者装置の機能ブロックを示すブロック図である。
【
図13】第3実施例の利用者情報の例を示す図である。
【
図14】第3実施例の支払支援システムの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示における装置または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(large scale integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。ここではICやLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)もしくはUSLI(ultra large scale integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができる再構成可能な論理デバイスも同じ目的で使うことができる。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0012】
実施例を詳細に説明する前に、実施例の情報処理システムが解決しようとする課題を説明する。
近年、商品またはサービスを購買した利用者に対して、代金の支払に関する情報(以下「支払情報」とも呼ぶ。)を示すバーコードが郵送により提供され、金融機関の店舗やコンビニエンスストア等においてそのバーコードを用いて代金の決済が行われることがある。しかし、労働力不足が問題となっている現在、電子化・自動化の範囲を拡げる等、更なる効率化が求められる。
【0013】
電子化の方法として、支払情報を電子メールで利用者に提供する方法がある。しかし、電子メールでは情報漏洩のリスクが高まるという課題もある。また、これを解決する方法として、支払情報にアクセスするためのアドレス(URL等)を電子メールで利用者に提供し、そのアドレスを用いたアクセス先のサイトで利用者を認証し、支払情報を利用者の画面に表示させる方法がある。しかし、商品またはサービスの提供者ごとにこのような仕組みを構築することは、個々の提供者の負担が大きい。
【0014】
また、現在、商品またはサービスの提供者ごとに利用者IDを管理することは複雑であるため、利用者IDのアグリゲーションが実施されることがある。例えば、ウェブ上の新しいサービスを利用する際、通販サイトやSNSサイトの既存の利用者IDを代用することができる。この場合、代用した利用者IDに紐付く個人情報が、利用者の許諾のもとで、通販サイトやSNSサイトから新しいサービスに対して提供されることがある。
【0015】
支払情報の電子配送に関してまとめると、下記の方法を組み合わせることも考えられる。(1)支払情報にアクセスするためのアドレスを電子メール等で利用者に提供し、そのアドレスによるアクセス先のサイトで利用者を認証し、支払情報を表示する。(2)複数のサービスに対する利用者IDを特定のサービスの利用者IDで代用する。
【0016】
しかし、複数のサービスに対する利用者IDを特定のサービスの利用者IDで代用する場合、複数のサービスに関する様々な情報が代用先の利用者IDで管理され、様々な情報が代用先(上記特定のサービスの提供者)に集まる可能性がある。そこで、実施例では、利用者に支払情報を提供するためのより良い仕組みを実現するシステムを提案する。
【0017】
<第1実施例>
図1は、第1実施例の支払支援システム10の構成を示す。支払支援システム10は、提供者装置11、代行者装置12、利用者端末14、利用者通信装置16を備える。これらの装置は、LAN、WAN、インターネット等の通信網を介して接続される。
【0018】
提供者装置11は、商品またはサービスを利用者に提供する提供者の情報処理装置である。提供者は、例えば、通信販売事業者、動画配信サービス事業者であってもよい。提供者装置11は、複数の提供者の複数の提供者装置(例えば第1の提供者の提供者装置11aと、第2の提供者の提供者装置11b)を含む。
【0019】
代行者装置12は、提供者に代わって、商品またはサービスの代金の支払に関する情報(支払情報)を利用者に提供する代行者の情報処理装置である。代行者は、複数の提供者が利用者に送付すべき支払情報を一括して受け付け、複数の提供者に代わって支払情報を利用者に提供する代行サービスを提供する事業者である。
【0020】
利用者端末14は、提供者から商品またはサービスを購買した利用者の施設(第1実施例では利用者の住宅)に設置される情報処理端末である。実施例の利用者端末14は、入力装置と表示装置とを有する。利用者端末14は、利用者宅のHEMS(Home Energy Management System)コントローラ端末であってもよい。
【0021】
利用者通信装置16は、利用者が有する通信装置である。実施例の利用者通信装置16は、カメラを備える。また、利用者通信装置16には、上記カメラにより撮像された支払情報(例えば二次元コード)をもとに、商品またはサービスの代金の決済処理(提供者への支払処理)を実行する決済アプリケーション(以下「決済App」とも呼ぶ。)がインストールされる。利用者通信装置16は、スマートフォンまたはタブレット端末であってもよく、決済Appは、公知のアプリケーションであってもよい。
【0022】
金融機関装置18は、銀行等、金融機関の情報処理装置である。利用者通信装置16の決済Appは、金融機関装置18と連携して決済処理を実行する。なお、
図1では、利用者端末14と利用者通信装置16を1つずつ描いたが、実際には、複数の利用者が存在し、利用者ごとに利用者端末14と利用者通信装置16の組み合わせが存在する。
【0023】
図2は、第1実施例の代行者装置12の機能ブロックを示すブロック図である。本開示のブロック図において示される各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPU・メモリをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0024】
代行者装置12は、アドレス記憶部20、支払情報受付部22、支払情報転送部24を備える。これら複数の機能ブロックのうち少なくとも一部の機能ブロックの機能が実装されたコンピュータプログラムが、記録媒体に格納され、その記録媒体を介して代行者装置12のストレージにインストールされてもよい。または、上記のコンピュータプログラムが、通信網を介して代行者装置12のストレージにインストールされてもよい。代行者装置12のCPUは、上記のコンピュータプログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、各機能ブロックの機能を発揮してもよい。他のブロック図についても同様である。
【0025】
アドレス記憶部20は、複数の利用者のそれぞれについて、ネットワーク上での利用者端末14の位置を一意に識別可能なアドレス(例えばIPアドレス)を含むアドレス情報を記憶する。
図3は、アドレス情報の例を示す。第1実施例のアドレス情報は、代行者が利用者に割り当てたID(代行者-利用者ID)、利用者端末アドレス、利用者氏名、利用者住所を対応付けたものである。
【0026】
図2に戻り、支払情報受付部22は、提供者装置11から送信された支払情報と、アドレス識別情報(実施例では代行者-利用者ID)の組を受け付ける。支払情報転送部24は、アドレス記憶部20を参照して、支払情報受付部22により受け付けられたアドレス識別情報(実施例では代行者-利用者ID)をもとに、支払情報の送信先となる利用者端末アドレスを識別する。支払情報転送部24は、識別した利用者端末アドレスをもとに、支払情報受付部22により受け付けられた支払情報を、送信先となる利用者端末14に転送する。
【0027】
図4は、第1実施例の提供者装置11の機能ブロックを示すブロック図である。提供者装置11は、利用者情報記憶部30、購買明細生成部32、関連付け部34、支払情報生成部36、支払情報送信部38を備える。
【0028】
利用者情報記憶部30は、提供者が提供する商品またはサービスを購買した複数の利用者のそれぞれに関する情報(以下「利用者情報」とも呼ぶ。)を記憶する。
図5は、利用者情報の例を示す。第1実施例の利用者情報は、提供者が利用者に割り当てたID(提供者-利用者ID)、利用者の氏名と住所、利用者が購買した商品またはサービスの明細データ(購買明細)、代行者-利用者IDとを対応付けたものである。
【0029】
図4に戻り、購買明細生成部32は、利用者(購買者)が商品またはサービスを購買した場合、購買された商品またはサービスの代金を含む購買明細を生成する。購買明細生成部32は、生成した購買明細を、利用者情報記憶部30に記憶された複数の利用者情報のうち購買者の利用者情報に格納する。
【0030】
関連付け部34は、複数の利用者のそれぞれについて、提供者-利用者IDと、代行者装置12に記憶された利用者端末14のアドレスに関するアドレス識別情報とを関連付ける。アドレス識別情報は、代行者装置12に記憶された複数の利用者端末アドレスの中から1つの利用者端末アドレスを識別可能な情報であり、第1実施例では、代行者-利用者IDである。変形例として、アドレス識別情報は利用者端末アドレスそのものでもよい。
【0031】
関連付け部34は、或る提供者-利用者IDに関連づけるアドレス識別情報(代行者-利用者ID)を、その提供者-利用者IDに対応付けて利用者情報記憶部30に格納する。実施例では、提供者の担当者(従業員等)は、代行者装置12に記憶されたアドレス情報を代行者から取得し、利用者の氏名や住所等の一致度合いをもとに、提供者-利用者IDと代行者-利用者IDとを関連付け、関連付けの結果を提供者装置11に入力する。関連付け部34は、上記担当者による関連付けの結果を利用者情報に反映する。具体的には、関連付け部34は、或る提供者-利用者IDと、そのIDに対して上記担当者により関連付けられた代行者-利用者IDとを関連付けるよう利用者情報を更新する。
【0032】
変形例として、関連付け部34は、代行者装置12に記憶されたアドレス情報を代行者装置12から取得し、利用者の氏名や住所等の一致度合いをもとに、提供者-利用者IDと代行者-利用者IDとを自動的に関連付けてもよい。
【0033】
支払情報生成部36は、利用者の支払に関する支払情報を生成する。支払情報は、利用者が購買した商品またはサービスの代金の決済に必要な情報をコード化した二次元コードの画像を含む。決済に必要な情報は、例えば、利用者が購買した商品またはサービスの代金(決済金額)と提供者の口座番号とを含んでもよい。支払情報生成部36は、利用者情報記憶部30に記憶された利用者情報ごとに、購買明細に記録された未払いの商品の代金を合計し、その合計金額を決済金額として示す二次元コードを生成することにより、複数の利用者それぞれの支払情報を生成してもよい。
【0034】
支払情報送信部38は、支払情報生成部36により生成された各利用者の支払情報を、各利用者のID(提供者-利用者ID)に関連づけられたアドレス識別情報(代行者-利用者ID)とともに代行者装置12に送信する。
【0035】
図6は、第1実施例の支払支援システム10の動作を示す。提供者装置11の関連付け部34は、利用者と利用者端末アドレスを関連付ける(S10)。実施例では、関連付け部34は、担当者の操作に応じて、提供者-利用者IDと、代行者装置12における利用者端末アドレスの識別情報である代行者-利用者IDとを関連付ける。提供者装置11の支払情報生成部36は、複数の利用者それぞれの支払情報を生成する(S12)。提供者装置11の支払情報送信部38は、各利用者の支払情報を、各利用者の代行者-利用者IDとともに代行者装置12へ送信する(S14)。これらS10~S14の処理は、複数の提供者装置11(提供者装置11a、提供者装置11b等)で実行される。
【0036】
代行者装置12の支払情報受付部22は、複数の提供者装置11のそれぞれから送信された利用者の支払情報と代行者-利用者IDの組を受け付ける。代行者装置12の支払情報転送部24は、支払情報受付部22により受け付けられた代行者-利用者IDに関連づけられた利用者端末アドレスを送信先として識別する。支払情報転送部24は、送信先として識別した利用者端末アドレスを用いて、支払情報受付部22により受け付けられた支払情報を送信先となる特定の利用者端末14に転送する(S16)。利用者端末14は、代行者装置12により転送された支払情報を表示装置の画面に表示させる(S18)。
【0037】
利用者通信装置16は、利用者端末14の表示装置の画面に表示された支払情報を読み取り、その情報をもとに所定の処理を実行する。具体的には、画面に表示される支払情報は、二次元コードの画像を含む。利用者は、利用者通信装置16の決済Appを起動し、
画面に表示された二次元コードを利用者通信装置16のカメラで撮像する。利用者通信装置16の決済Appは、二次元コードの撮像データを解析して決済に必要な情報(決済金額等)を取得する(S20)。
【0038】
利用者通信装置16の決済Appは、S20で取得した情報をもとに、商品またはサービスの代金の決済処理(提供者への支払処理)を、金融機関装置18と連携して実行する(S22)。利用者通信装置16の決済Appは、決済結果を含む支払完了通知を提供者装置11へ送信する(S24)。これらS18~S24の処理は、複数の利用者それぞれの環境で実行される。
【0039】
現在、個人に関する情報を開示することには様々な制約がある。第1実施例の支払支援システム10によると、提供者は利用者の情報を代行者へ開示することなく支払情報を簡便に利用者に届けることができる。すなわち、第1実施例の支払支援システム10によると、支払情報を利用者へ届けるための、提供者が利用しやすい仕組みを実現することができる。また、超高齢化社会になりつつある現在、表示装置を備えた利用者端末14(例えばHEMSコントローラ)を活用して、自宅にいながら様々な提供者への支払を可能にする仕組みを利用者に提供できる。
【0040】
以上、本開示を第1実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0041】
変形例を説明する。上記実施例では、商品またはサービスの代金の支払に関する情報として、利用者が購買した商品またはサービスの代金の決済に用いられるデータ(二次元コード等)を提供者から利用者に提供した。変形例として、商品またはサービスの代金の支払に関する情報として、商品またはサービスの購買を提案するためのクーポン情報を提供者から利用者に提供してもよい。クーポン情報は、適用される商品名や割引金額等をコード化した二次元コードの画像を含んでもよい。
【0042】
第1実施例の支払支援システム10の仕組みを用いて、提供者から利用者にクーポン情報を送付することにより、提供者の商品やサービスを、代行者を通じて利用者に提案する提案システムを実現できる。この提案システムでは、利用者通信装置16にインストールされたアプリケーション(例えば購買支援App)は、利用者通信装置16のカメラにより撮像された二次元コードの画像をもとにクーポン情報を取得し、また、クーポンを受領した旨の通知を提供者装置11へ送信してもよい。
【0043】
<第2実施例>
本実施例に関して、第1実施例と相違する点を中心に以下説明し、共通する点の説明を省略する。本変形例の構成要素のうち第1実施例の構成要素と同一または対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0044】
図7は、第2実施例の支払支援システム10の構成を示す。第2実施例の支払支援システム10は、第1実施例の支払支援システム10の特徴に加えて、提供者装置11における利用者と利用者端末アドレスとの関連付けの正誤を確認する仕組みを提供する。また、この正誤確認に用いられる認証情報が、提供者から利用者に通知される。
【0045】
図8は、第2実施例の提供者装置11の機能ブロックを示すブロック図である。第2実施例の提供者装置11は、第1実施例で説明済みの機能ブロックに加えて、認証情報生成部40、認証情報出力部42、認証要求送信部44、認証情報受付部46、確認部48を備える。
【0046】
図9は、第2実施例の利用者情報記憶部30に記憶される、第2実施例の利用者情報の例を示す。第2実施例の利用者情報は、第1実施例の利用者情報の項目に加えて、利用者端末アドレスと認証フラグを含む。認証フラグの「済」は、利用者と利用者端末アドレスとの関連付けが正しいと確認されたことを示し、認証フラグの「未」は、利用者と利用者端末アドレスとの関連付けが誤りと確認されたこと、または、利用者と利用者端末アドレスとの関連付けの正誤を未確認であることを示す。
【0047】
図8に戻り、関連付け部34は、担当者の操作に応じて、提供者-利用者IDと、代行者-利用者IDおよび利用者端末アドレスとを関連付ける(
図9)。認証情報生成部40は、利用者ごとの認証情報を生成する。認証情報は、利用者と利用者端末アドレスとの関連付けの正誤を確認するために用いられる利用者ごとに異なる符牒であり、任意の長さの文字列またはバイト列であってもよい。
【0048】
認証情報出力部42は、認証情報生成部40により生成された各利用者の認証情報を提供者装置11の外部に出力することにより、各利用者に認証情報を通知する。第2実施例では、認証情報出力部42は、利用者の住居に郵送される文書を生成する装置に認証情報を出力し、出力先の装置が認証情報を含む文書を生成し、認証情報を含む文書が利用者の住居に郵送される。
【0049】
変形例として、各利用者の利用者通信装置16の電子メールアドレスが利用者情報記憶部30に記憶されている場合等、認証情報出力部42は、各利用者の認証情報を含む電子メールを各利用者の利用者通信装置16へ送信することにより、各利用者に認証情報を通知してもよい。
【0050】
認証要求送信部44は、提供者-利用者IDに関連付けられたアドレス識別情報(第2実施例では利用者端末アドレス)をもとに、提供者装置11にアクセスするための認証用戻りアドレスを含む認証要求を利用者の端末に送信する。認証要求は、別途通知された認証情報を用いて提供者装置11の認証を受けるよう利用者を促す内容を含む。認証用戻りアドレスは、利用者ごとに異なる値(例えば利用者ごとにパラメータが異なるURL)である。
【0051】
第2実施例では、認証要求を提供者装置11から利用者端末14に直接送信するが、変形例として、支払情報と同様に、認証要求を提供者装置11から代行者装置12を介して利用者端末14に送信してもよい。この場合、利用者情報記憶部30の利用者情報は、代行者-利用者IDを含む一方、利用者端末アドレスを含まなくてもよい。認証要求送信部44は、宛先利用者の代行者-利用者IDとともに認証要求を代行者装置12へ送信し、代行者装置12から利用者端末14へ転送させてもよい。
【0052】
認証情報受付部46は、認証用戻りアドレスを用いた利用者端末14からのアクセスを受け付け、利用者端末14から送信された認証情報を受け付ける。確認部48は、利用者端末14が用いた認証用戻りアドレスの値に応じて、確認対象の利用者を識別する。確認部48は、確認対象の利用者に対して認証情報生成部40により生成された認証情報と、利用者端末14から送信された認証情報とを照合することにより、提供者-利用者IDに関連付けられたアドレス識別情報(第2実施例では代行者-利用者IDおよび利用者端末アドレス)の正誤を確認する。
【0053】
具体的には、確認部48は、認証情報生成部40により生成された認証情報と、利用者端末14から送信された認証情報とが一致する場合、提供者-利用者IDに関連付けられたアドレス識別情報が正しいと判定し、その提供者-利用者IDに紐付く利用者情報の認証フラグを「済」に更新する。一方、確認部48は、認証情報生成部40により生成された認証情報と、利用者端末14から送信された認証情報とが不一致の場合、提供者-利用者IDに関連付けられたアドレス識別情報が誤りと判定し、その提供者-利用者IDに紐付く利用者情報の認証フラグを「未」のままにする。
【0054】
図10は、第2実施例の支払支援システム10の動作を示す。
図6のS10の処理と同様に、提供者装置11の関連付け部34は、利用者と利用者端末アドレスを関連付ける(S30)。認証情報生成部40は、認証情報を生成し(S32)、認証情報出力部42は、認証情報を外部装置に出力する(S34)。第2実施例では、認証情報は郵送により利用者に通知される。認証要求送信部44は、認証用戻りアドレスを含む認証要求を利用者端末14に送信する(S36)。
【0055】
利用者は、郵送された認証情報を確認し、利用者端末14の入力装置を介して、その認証情報を利用者端末14に入力する。利用者端末14は、利用者が入力した認証情報を受け付ける(S38)。また、利用者端末14は、利用者の操作に応じて、提供者装置11から送信された認証要求に含まれる認証用戻りアドレスを用いて提供者装置11にアクセスし、利用者が入力した認証情報を提供者装置11に送信する(S40)。提供者装置11の確認部48は、S32で生成された認証情報と、利用者端末14から受信した認証情報とをもとに、利用者と利用者端末アドレスとの関連付けの正誤を確認する(S42)。
【0056】
図10のS32~S42の処理は利用者ごとに実行される。また、提供者装置11の確認部48により利用者と利用者端末アドレスとの関連付けが正しいことが確認された場合、その利用者に対して第1実施例で
図6に関連して説明したS12以降の処理が実行される。すなわち、提供者装置11の支払情報生成部36は、利用者端末アドレスとの関連付けが正しいことが確認された利用者であり、言い換えれば、利用者情報の認証フラグが「済」に設定された利用者に関する支払情報を生成する。提供者装置11の支払情報送信部38は、利用者端末アドレスとの関連付けが正しいことが確認された利用者の利用者端末14に、代行者装置12を介して支払情報を送信する。
【0057】
第2実施例の支払支援システム10によると、提供者において利用者と利用者端末アドレスとの関連付けの正誤を確認でき、或る利用者の支払情報を、その利用者とは異なる利用者の利用者端末14に誤送付してしまうことを防止できる。
【0058】
以上、本開示を第2実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0059】
<第3実施例>
本実施例に関して、これまでの実施例と相違する点を中心に以下説明し、共通する点の説明を省略する。本変形例の構成要素のうちこれまでの実施例の構成要素と同一または対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0060】
図11は、第3実施例の支払支援システム10の構成を示す。第3実施例の支払支援システム10は、第1実施例の支払支援システム10の特徴に加えて、第2実施例と同様に、提供者装置11における利用者と利用者端末アドレスとの関連付けの正誤を確認する仕組みを提供する。ただし、第2実施例では提供者装置11が生成した認証情報を用いて関連付けの正誤を確認したが、第3実施例では利用者宅に設置された所定の機器に関する情報である機器情報を用いて関連付けの正誤を確認する。
【0061】
第3実施例の機器情報は、メータ15(第3実施例では電力量計とするが、水道やガスのメータでもよい)に関する情報(「メータ情報」と呼ぶ)とし、具体的には、メータ15の筐体に記載されたシリアル番号とする。変形例として、機器情報は、利用者宅に設置された様々な機器のシリアル番号であってもよい。また、機器情報は、シリアル番号に限られず、利用者宅の機器を他の利用者宅の機器と区別可能な情報であればよい。
【0062】
図12は、第3実施例の提供者装置11の機能ブロックを示すブロック図である。第3実施例の提供者装置11は、第1実施例で説明済みの機能ブロックに加えて、認証要求送信部44、認証情報受付部46、確認部48を備える。
【0063】
図13は、第3実施例の利用者情報記憶部30に記憶される、第3実施例の利用者情報の例を示す。第3実施例の利用者情報は、第2実施例の利用者情報の項目に加えて、メータ情報を含む。既述したように、メータ情報は、各利用者宅に設置されたメータ15のシリアル番号である。提供者は、各利用者宅に設置されたメータ15のシリアル番号を電力会社等から入手し、各利用者に関連付けて利用者情報記憶部30に記憶させる。関連付け部34は、担当者の操作に応じて、各利用者の提供者-利用者IDとメータ情報とを関連付けてもよい。
【0064】
図12に戻り、認証要求送信部44は、提供者-利用者IDに関連付けられたアドレス識別情報(第3実施例では利用者端末アドレス)をもとに、提供者装置11にアクセスするための認証用戻りアドレスを含む認証要求を利用者の端末に送信する。認証用戻りアドレスは、利用者ごとに異なる値(例えばパラメータが異なるURL)である。
【0065】
認証情報受付部46は、認証用戻りアドレスを用いた利用者端末14からのアクセスを受け付け、利用者端末14から送信されたメータ情報を受け付ける。確認部48は、利用者端末14が用いた認証用戻りアドレスの値に応じて、確認対象の利用者を識別する。確認部48は、確認対象の利用者について、利用者情報記憶部30に予め格納されたメータ情報と、利用者端末14から送信されたメータ情報とを照合することにより、提供者-利用者IDに関連付けられたアドレス識別情報(第3実施例では代行者-利用者IDおよび利用者端末アドレス)の正誤を確認する。
【0066】
具体的には、確認部48は、利用者情報記憶部30に予め格納されたメータ情報と、利用者端末14から送信されたメータ情報とが一致する場合、提供者-利用者IDに関連付けられたアドレス識別情報が正しいと判定し、その提供者-利用者IDに紐付く利用者情報の認証フラグを「済」に更新する。一方、確認部48は、利用者情報記憶部30に予め格納されたメータ情報と、利用者端末14から送信されたメータ情報とが不一致の場合、提供者-利用者IDに関連付けられたアドレス識別情報が誤りと判定し、その提供者-利用者IDに紐付く利用者情報の認証フラグを「未」のままにする。
【0067】
図14は、第3実施例の支払支援システム10の動作を示す。
図6のS10の処理と同様に、提供者装置11の関連付け部34は、利用者と利用者端末アドレスを関連付ける(S50)。認証要求送信部44は、認証用戻りアドレスを含む認証要求を利用者端末14に送信する(S52)。
【0068】
利用者は、自宅に設置されたメータ15のメータ情報(シリアル番号)を確認し、利用者端末14の入力装置を介して、そのメータ情報を利用者端末14に入力する。利用者端末14は、利用者が入力したメータ情報を受け付ける(S54)。また、利用者端末14は、利用者の操作に応じて、提供者装置11から送信された認証要求に含まれる認証用戻りアドレスを用いて提供者装置11にアクセスし、利用者が入力したメータ情報を提供者装置11に送信する(S56)。提供者装置11の確認部48は、利用者情報記憶部30に記憶された確認対象利用者のメータ情報と、その確認対象利用者の利用者端末14から受信したメータ情報とをもとに、利用者と利用者端末アドレスとの関連付けの正誤を確認する(S58)。
【0069】
図14のS52~S58の処理は利用者ごとに実行される。また、提供者装置11の確認部48により利用者と利用者端末アドレスとの関連付けが正しいことが確認された場合、その利用者に対して第1実施例で
図6に関連して説明したS12以降の処理が実行される。すなわち、提供者装置11の支払情報生成部36は、利用者端末アドレスとの関連付けが正しいことが確認された利用者であり、言い換えれば、利用者情報の認証フラグが「済」に設定された利用者に関する支払情報を生成する。提供者装置11の支払情報送信部38は、利用者端末アドレスとの関連付けが正しいことが確認された利用者の利用者端末14に、代行者装置12を介して支払情報を送信する。
【0070】
第3実施例の支払支援システム10によると、第2実施例の支払支援システム10と同様に、提供者において利用者と利用者端末アドレスとの関連付けの正誤を確認でき、或る利用者の支払情報を、その利用者とは異なる利用者の利用者端末14に誤送付してしまうことを防止できる。
【0071】
以上、本開示を第3実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0072】
変形例として、関連付けの正誤確認に用いる機器情報は、通信機能を有し、ネットワークに接続されたIoT(Internet of Things)機器の機器情報であってもよい。例えば、メータ15は、利用者宅に設置されたスマートメータであってもよい。この場合、利用者端末14は、利用者宅のホームネットワークを介して、メータ15に関するメータ情報(例えばシリアル番号)を読み込んでもよい。既述したように利用者端末14がHEMSコントローラの場合、利用者端末14は、メータ15をHEMSに登録する際に、メータ15のメータ情報を取得し、記憶してもよい。利用者端末14は、提供者装置11から認証要求を受信した場合、メータ15から動的に取得したメータ情報、または、予め記憶されたメータ15のメータ情報を提供者装置11へ送信してもよい。また、メータ情報の取得と送信を、利用者の操作に応じて実行し、または自動的に実行してもよい。
【0073】
上述した実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本開示の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【0074】
実施例および変形例に記載の技術は、以下の項目によって特定されてもよい。
[項目1]
利用者の端末(14)と、
商品またはサービスを前記利用者に提供する提供者の装置(11)と、
前記提供者に代わって、前記商品またはサービスの代金の支払に関する情報を前記利用者に提供する代行者の装置(12)と、
を備え、
前記代行者の装置(12)は、前記利用者の端末(14)のアドレスを記憶するアドレス記憶部(20)を含み、
前記提供者の装置(11)は、
前記利用者のIDと、前記代行者の装置(12)に記憶された前記利用者の端末(14)のアドレスに関するアドレス識別情報とを関連付ける関連付け部(34)と、
前記利用者の支払に関する情報を生成する第1生成部(36)と、
前記利用者の支払に関する情報を、前記利用者のIDに関連付けられたアドレス識別情報とともに前記代行者の装置(12)に送信する送信部(38)と、を含み、
前記代行者の装置(12)は、前記提供者の装置(11)から送信されたアドレス識別情報により識別されるアドレスをもとに、前記利用者の支払に関する情報を前記利用者の端末(14)に転送する転送部(24)をさらに含む、
情報処理システム(10)。
[項目2]
前記利用者の通信装置(16)をさらに備え、
前記利用者の端末(14)は、前記代行者の装置(12)から送られた支払に関する情報を画面に表示させ、
前記利用者の通信装置(16)は、前記画面に表示された支払に関する情報を読み取り、その情報をもとに所定の処理を実行する、
項目1に記載の情報処理システム(10)。
[項目3]
前記提供者の装置(11)は、
認証情報を生成する第2生成部と、
前記利用者のIDに関連づけられたアドレス識別情報をもとに、前記提供者の装置(11)にアクセスするための認証用アドレスを前記利用者の端末(14)に通知するアドレス通知部と、
確認部と、をさらに含み、
前記第2生成部により生成された認証情報は、前記利用者に通知され、前記利用者の操作により前記利用者の端末(14)に入力され、
前記利用者の端末(14)は、前記認証用アドレスを用いて前記提供者の装置(11)にアクセスし、前記利用者の操作により入力された認証情報を前記提供者の装置(11)に送信し、
前記確認部は、前記第2生成部により生成された認証情報と、前記利用者の端末(14)から送信された認証情報とを照合することにより、前記利用者のIDに関連付けられたアドレス識別情報の正誤を確認する、
項目1または2に記載の情報処理システム(10)。
[項目4]
前記提供者の装置(11)は、
前記利用者の施設に設置された所定の機器(15)に関する情報である機器情報を記憶する記憶部(30)と、
前記利用者のIDに関連づけられたアドレス識別情報をもとに、前記提供者の装置(11)にアクセスするための認証用アドレスを前記利用者の端末(14)に通知するアドレス通知部と、
確認部と、をさらに含み、
前記機器情報は、前記利用者の操作により前記利用者の端末(14)に入力され、
前記利用者の端末(14)は、前記認証用アドレスを用いて前記提供者の装置(11)にアクセスし、前記機器情報を前記提供者の装置(11)に送信し、
前記確認部は、前記記憶部(30)に記憶された機器情報と、前記利用者の端末(14)から送信された機器情報とを照合することにより、前記利用者のIDに関連付けられたアドレス識別情報の正誤を確認する、
項目1または2に記載の情報処理システム(10)。
[項目5]
利用者の端末(14)と、
商品またはサービスを前記利用者に提供する提供者の装置(11)と、
前記提供者に代わって、前記商品またはサービスの代金の支払に関する情報を前記利用者に提供する代行者の装置(12)と、
を備える情報処理システム(10)が実行する方法であって、
前記代行者の装置(12)は、前記利用者の端末(14)のアドレスを記憶し、
前記提供者の装置(11)が、前記利用者のIDと、前記代行者の装置(12)に記憶された前記利用者の端末(14)のアドレスに関するアドレス識別情報とを関連付けるステップと、
前記提供者の装置(11)が、前記利用者の支払に関する情報を生成するステップと、
前記提供者の装置(11)が、前記利用者の支払に関する情報を、前記利用者のIDに関連付けられたアドレス識別情報とともに前記代行者の装置(12)に送信するステップと、
前記代行者の装置(12)が、前記提供者の装置(11)から送信されたアドレス識別情報により識別されるアドレスをもとに、前記利用者の支払に関する情報を前記利用者の端末(14)に転送するステップと、
を含む情報提供方法。
【符号の説明】
【0075】
10 支払支援システム、 11 提供者装置、 12 代行者装置、 14 利用者端末、 16 利用者通信装置、 20 アドレス記憶部、 24 支払情報転送部、 30 利用者情報記憶部、 34 関連付け部、 36 支払情報生成部、 38 支払情報送信部、 48 確認部。