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特許7442080トレーニングナビゲーションシステム、これに用いられるデータ処理装置およびトレーニングナビゲーション用プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】トレーニングナビゲーションシステム、これに用いられるデータ処理装置およびトレーニングナビゲーション用プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/00 20060101AFI20240226BHJP
   A63B 71/06 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
A63B69/00 C
A63B71/06 E
A63B69/00 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019155009
(22)【出願日】2019-08-27
(65)【公開番号】P2021029752
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000133179
【氏名又は名称】株式会社タニタ
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100140327
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 千秋
(74)【代理人】
【識別番号】100151024
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 幸嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100206117
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 光章
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(72)【発明者】
【氏名】戸澤 恵里
【審査官】関口 英樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/000048(WO,A1)
【文献】特開2003-339908(JP,A)
【文献】特開2004-105220(JP,A)
【文献】特開2017-094054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/06-5/22
A61H1/00-5/00
99/00
A63B69/00-71/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニタと、前記モニタに表示する映像のデータを処理するデータ処理装置を有するトレーニングナビゲーションシステムであって、
前記データ処理装置は、
前記モニタに表示するトレーニングガイド映像を記憶する記憶部と、
前記モニタ上で、前記トレーニングガイド映像を表示する表示制御部と、を備え、
前記トレーニングガイド映像は、個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉を、前記トレーニングガイド映像における当該筋肉の動きに応じて動的に変化する表示態様で人体筋肉図上に表すトレーニングナビ画像と共に表示される、
トレーニングナビゲーションシステム。
【請求項2】
トレーニングを行うユーザの身体の動きを表す検知データを出力するセンサをさらに備え、
前記記憶部は、前記トレーニングガイド映像を、個々のトレーニング項目でトレーニング対象とされている筋肉を表す対象部位情報と関連付けて記憶し、
前記データ処理装置は、
前記センサからの検知データに基づいて、ユーザの筋肉の動きを表す動作データを求める動作解析部と、
個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉の動きの度合を表すトレーニング効果指数を、前記動作データと前記対象部位情報とに基づいて算出する算出部と、
前記トレーニング効果指数を記憶する点数記憶部と、
前記点数記憶部に記憶されたトレーニング効果指数に基づいて、トレーニングの達成度を計算する点数計算部と、をさらに備え、
前記表示制御部は、トレーニング終了時に前記点数計算部で計算された達成度をモニタに表示する、請求項1に記載のトレーニングナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記センサは、ユーザの身体に装着されたマーカーの動きを検出することで、ユーザの身体の動きを検出する、請求項2に記載のトレーニングナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記マーカーはユーザが着用する衣類に印刷されている、請求項3に記載のトレーニングナビゲーションシステム。
【請求項5】
モニタに表示する映像のデータを処理するデータ処理装置であって、
前記モニタに表示するトレーニングガイド映像を記憶する記憶部と、
前記モニタ上で、前記トレーニングガイド映像を表示する表示制御部と、を備え、
前記トレーニングガイド映像は、個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉を、前記トレーニングガイド映像における当該筋肉の動きに応じて動的に変化する表示態様で人体筋肉図上に表すトレーニングナビ画像と共に表示される、
データ処理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記トレーニングガイド映像を、個々のトレーニング項目でトレーニング対象とされている筋肉を表す対象部位情報と関連付けて記憶し、
トレーニングを行うユーザの身体の動きを表す検知データを出力するセンサからの検知データに基づいて、ユーザの筋肉の動きを表す動作データを求める動作解析部と、
個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉の動きの度合を表すトレーニング効果指数を、前記動作データと前記対象部位情報とに基づいて算出する算出部と、
前記トレーニング効果指数を記憶する点数記憶部と、
前記点数記憶部に記憶されたトレーニング効果指数に基づいて、トレーニングの達成度を計算する点数計算部と、をさらに備え、
前記表示制御部は、トレーニング終了時に前記点数計算部で計算された達成度をモニタに表示する、請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
モニタに表示するトレーニングガイド映像を記憶部から読み出し、
前記モニタ上で、前記トレーニングガイド映像を表示する処理を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記トレーニングガイド映像を、個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉を、前記トレーニングガイド映像における当該筋肉の動きに応じて動的に変化する表示態様で人体筋肉図上に表すトレーニングナビ画像と共に表示する、
プログラム。
【請求項8】
前記トレーニングガイド映像を、個々のトレーニング項目でトレーニング対象とされている筋肉を表す対象部位情報と関連付けて前記記憶部に記憶し、
トレーニングを行うユーザの身体の動きを表す検知データを出力するセンサからの検知データに基づいて、ユーザの筋肉の動きを表す動作データを求め、
個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉の動きの度合を表すトレーニング効果指数を、前記動作データと前記対象部位情報とに基づいて算出し、
前記トレーニング効果指数を点数記憶部へ記憶し、
前記点数記憶部に記憶されたトレーニング効果指数に基づいて、トレーニングの達成度を計算し、
トレーニング終了時に前記達成度をモニタに表示する、処理をさらにコンピュータに実行させる、請求項7に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筋肉トレーニングのナビゲーション機能を備えたトレーニングナビゲーションシステム、これに用いられるデータ処理装置およびトレーニングナビゲーション用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プレイヤが、モニタ画面に表示されたトレーニングガイド用画像を見ながらスキーやダンスのトレーニングができるトレーニング装置が開示されている。特許文献1のトレーニング装置はモニタ画面を備え、このモニタ画面には、トレーニングガイド用画像が表示されるのとは別の領域に、人体図を表示する領域が設けられ、トレーニングの際に意識を集中して欲しい筋肉部位が色違いで表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-105220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、筋肉のトレーニングにおいては、トレーニングしている部位に意識を集中してトレーニングを行うことで、トレーニングの効果が上がると言われている(筋肉トレーニングにおける意識性の原則)。一方で、特許文献1のトレーニング装置における筋肉部位の画像は、トレーニングの際に意識を集中して欲しい筋肉部位が人体図上で色違いで表示されるのみである。すなわち、トレーニング時におけるプレイヤの身体の動きと、トレーニングガイドとの関連性に乏しいという問題がある。これでは、筋肉トレーニングの効果が期待できない。
【0005】
本開示の目的は、トレーニングシステムのユーザが、トレーニング対象の筋肉がどこであるかをより意識してトレーニングを行うことができる、トレーニングナビゲーションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、第1の構成にかかるトレーニングナビゲーションシステムは、
モニタと、モニタに表示する映像のデータを処理するデータ処理装置と、トレーニングを行うユーザの身体の動きを表す検知データを出力するセンサとを有するトレーニングナビゲーションシステムであって、
データ処理装置は、
モニタに表示するトレーニングガイド映像を、個々のトレーニング項目でトレーニング対象とされている筋肉を表す対象部位情報と関連付けて記憶する記憶部と、
センサからの検知データに基づいて、ユーザの筋肉の動きを表す動作データを求める動作解析部と、
個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉の動きの度合を表すトレーニング効果指数を、動作データと対象部位情報とに基づいて算出する算出部と、
人体筋肉図上で、個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉を、トレーニング効果指数に応じて異なる表示態様で表すトレーニングナビ画像を生成する画像生成部と、
モニタ上で、画像生成部で生成されたトレーニングナビ画像を、トレーニングガイド映像と共に表示する表示制御部と、を備える。
【0007】
また、第2の構成にかかるトレーニングナビゲーションシステムは、
モニタと、モニタに表示する映像のデータを処理するデータ処理装置を有するトレーニングナビゲーションシステムであって、
データ処理装置は、
モニタに表示するトレーニングガイド映像を記憶する記憶部と、
モニタ上で、トレーニングガイド映像を表示する表示制御部と、を備え、
トレーニングガイド映像は、人体筋肉図上で、個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉について当該トレーニングの動きに応じて動的に変化する表示態様で表すトレーニングナビ画像と共に表示される。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によれば、トレーニング対象の筋肉がどこであるかを明確に意識しながらトレーニングを行うことができる、トレーニングナビゲーションシステム、データ処理装置、およびトレーニングナビゲーション用プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態にかかるトレーニングナビゲーションシステムの概略構成を示す図である。
図2】第1の実施形態にかかるデータ処理装置のブロック図である。
図3】ユーザのトレーニングウェアに配置されたマーカーの例を示す図である。
図4】マーカー間の距離の関係を示す模式図である。
図5】マーカー間の距離の変化を示す図である。
図6】トレーニング項目に対応するトレーニング対象筋肉およびトレーニング効果指数閾値の関係を示す図である。
図7】トレーニング対象筋肉の位置を示す図である。
図8】モニタに表示されるトレーニングガイド映像の例を示す図である。
図9】ナビ領域に示される人体図に重ねるトレーニングナビ画像の表示態様の変化の例を示す図である。
図10】ナビ領域に人体筋肉図を用いた場合のトレーニングナビゲーションシステムの概略構成を示す図である。
図11】ナビ領域32に示される筋肉の表示態様の変化の別の例を示す図である。
図12A】ナビ領域32に示される筋肉の表示態様のうち、筋肉の上部が濃い色で示される例を示す図である。
図12B】ナビ領域32に示される筋肉の表示態様のうち、筋肉の下部が濃い色で示される例を示す図である。
図13A】ナビ領域32に示される筋肉の表示態様のうち、対応する筋肉が濃い色で表示される例を示す図である。
図13B】ナビ領域32に示される筋肉の表示態様のうち、対応する筋肉が薄い色で表示される例を示す図である。
図13C】ナビ領域32に示される筋肉の表示態様のうち、対応する筋肉の上部が濃い色で表示される例を示す図である。
図13D】ナビ領域32に示される筋肉の表示態様のうち、対応する筋肉の下部が濃い色で表示される例を示す図である。
図14A】ナビ領域32に示される筋肉の表示態様のうち、対応する筋肉が濃い色で表示される例を示す図である。
図14B】ナビ領域32に示される筋肉の表示態様のうち、対応する筋肉が薄い色で表示される例を示す図である。
図14C】ナビ領域32に示される筋肉の表示態様のうち、対応する筋肉の上部が濃い色で表示される例を示す図である。
図14D】ナビ領域32に示される筋肉の表示態様のうち、対応する筋肉の下部が濃い色で表示される例を示す図である。
図15A】モニタに表示されるトレーニングガイド映像の左上にナビ領域が表示される例を示す図である。
図15B】モニタに表示されるトレーニングガイド映像の右上にナビ領域が表示される例を示す図である。
図15C】モニタに表示されるトレーニングガイド映像の左下にナビ領域が表示される例を示す図である。
図16】第2の実施形態にかかるデータ処理装置200のブロック図を示す。
図17】第2の実施形態における点数の表示例を示す図である。
図18】第2の実施形態における点数をトレーニングガイド映像に表示する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、以下において「ユーザ」とは、本実施形態にかかるトレーニングナビゲーションシステムを用いて筋肉トレーニングを行う人を指す。
【0011】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るトレーニングナビゲーションシステム1の構成例を示す。トレーニングナビゲーションシステム1は、センサ2と、モニタ3と、データ処理装置100とを備える。モニタ3には、ユーザに対して筋肉トレーニングの動作を指示するために、トレーニングガイド映像が表示される。図1の例では、手にエキスパンダーを持った3人のインストラクターが上半身のトレーニングを行っている様子が、トレーニングガイド映像としてモニタ3に表示されている。また、トレーニングナビゲーションシステム1では、モニタ3の画面の一部(図1の例では画面の右下)にナビ領域32が設けられている。ナビ領域32には、人体筋肉図上で、現在のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉がどこであるかが、トレーニングガイド映像に合わせてリアルタイムに表示される。また、トレーニングナビゲーションシステム1では、トレーニング中のユーザの身体の動きを、センサ2で検知する。センサ2の検知データはデータ処理装置100に送られ、データ処理装置100が、トレーニング対象の筋肉が充分に動いているか否かに応じて、モニタ3のナビ領域32の人体筋肉図の表示態様(例えば、色)をリアルタイムで異ならせる。これにより、ユーザは、トレーニング対象とされている筋肉が効果的に鍛えられているか否かをモニタ3で確認しながら、トレーニングを行うことができる。
【0012】
なお、モニタ3は、図1に図示した形状に限らず、ノートPCのディスプレイ部分、タブレット端末のディスプレイ部分、スマートフォンのディスプレイ部分等で構成することができる。図1に示す第1の実施形態においては、センサ2およびモニタ3がそれぞれデータ処理装置100に接続されている例を示したが、実施形態はこれに限定されない。例えば、モニタ3とデータ処理装置100とが一体となって、トレーニングナビゲーション機能付き電子計算機を構成することができる。また、センサ2が、モニタ3またはデータ処理装置100と一体化された構成としても良い。あるいは、センサ2、モニタ3、およびデータ処理装置100の全てが一体化された構成としても良い。
【0013】
図2は、データ処理装置100のブロック図を示す。データ処理装置100は、動作解析部101と、算出部102と、画像生成部103と、表示制御部104と、記憶部110と、を備える。
【0014】
記憶部110には、モニタ3に表示すべきトレーニングガイド映像が記憶されている。トレーニングガイド映像は、図1に示したように、インストラクターがトレーニングを行っている映像である。トレーニングガイド映像には、BGMとしての音楽や、音声や字幕によるトレーニング項目の解説が含まれていても良い。トレーニングガイド映像は、一つまたは複数のトレーニング項目に関する映像を含む。トレーニング項目とは、特定の筋肉を対象とする、トレーニングの一単位である。トレーニングガイド映像は、複数のトレーニング項目に関する映像が連続して再生されるように構成されていても良いし、一つのトレーニング項目が終了するごとに停止するように構成されていても良い。記憶部110には、トレーニング項目ごとに、トレーニング対象とされている筋肉を特定する対象部位情報も記憶されている。
【0015】
動作解析部101は、トレーニングを行っているユーザの身体の動きを表す検知データを、センサ2から取得する。センサ2は、例えばカメラであり、トレーニング中のユーザを撮影して、撮影した画像を検知データとして動作解析部101へ送る。センサ2の個数は任意であるが、トレーニング中のユーザに対して、トレーニング対象とする筋肉の動きを検知できる位置に、必要な個数を設けることが望ましい。なお、ユーザの身体の動きを正確に検知するために、ユーザは、例えば図3に示すようなトレーニングウェア20を着用することが好ましい。図3に示すトレーニングウェア20は、ユーザの胴体部分(背面側)の動きを測定するためのものであり、背中部分にマーカーm211~m243が印刷されている。なお、以降においてマーカーを個々に区別して論じる必要がない場合、単に「マーカーm」と称する。なお、図3においては、説明を簡略化するために、上半身にマーカーmを12個のみ配置した例を示しているが、実際には、マーカーmをより多く設けることが望ましい。また、トレーニング内容に応じて、首、背中、臀部、肩、上腕、前腕、大腿部(前側および/または後ろ側)、下肢、腹部、および胸部等の身体各部の任意の箇所に、任意の個数のマーカーmを設けることができる。マーカーmの大きさや間隔は均一であっても良いし、トレーニング内容やトレーニング対象部位に応じて、任意に設定することもできる。トレーニングウェア20は、ユーザの身体にぴったりとフィットし、ユーザの身体の動きに応じて延び縮みする素材であることが好ましい。マーカーmは、例えば、トレーニングウェア20とは異なる色の真円形状であるが、これに限定されない。また、マーカーmはトレーニングウェア20に印刷されるものに限定されず、例えば、トレーニングウェアに張り付けるものでもよい。
【0016】
動作解析部101は、センサ2からの検知データに基づいて、ユーザの筋肉の動きを表す動作データを生成する。具体的には、センサ2が撮影した画像に基づいて、マーカーm間の距離を算出する。上述したように、ユーザの動きに応じてトレーニングウェア20が伸び縮みするので、トレーニングに伴って筋肉が収縮することにより、その筋肉上のマーカーm間の距離が縮まることとなる。したがって、マーカーm間の距離を、筋肉の動きを表す動作データとして用いることができる。図4は、ユーザが直立して静止した状態でのマーカーm211~m243の位置関係を表す模式図である。図4に示す例では、ユーザが直立して静止しているので、各マーカー間の距離は均等である。ここで、この静止状態におけるマーカー間の距離が20であるものとする。この距離の単位は、本発明の実施形態を限定するものではなく、センチメートル等の国際単位系の長さの単位であっても良いし、センサ2から送られた画像上の画素数であっても良い。あるいは、他の任意の単位であっても良い。
【0017】
動作解析部101は、センサ2からの検知データを一定の時間間隔で取得し、動作データ(マーカーm間の距離)を生成する。一定の時間間隔でマーカーm間の距離を算出することで、ユーザの筋肉の動きをほぼリアルタイムで表す動作データが得られる。
【0018】
図5に、動作解析部101で生成した動作データの一例を示す。上段は、ある時点における各マーカー間の距離の一例を示す。また下段は、時点Tの次のタイミングである時点T+1における各マーカー間の距離の一例を示す。図5に示す例では、例えば、時点T+1におけるマーカーm211とマーカーm212との距離が、時点Tにおける距離よりも縮まっている。同様に、マーカーm212とマーカーm213との距離も、縮まっている。
【0019】
算出部102は、動作解析部101から、一定の時間間隔で算出される動作データを受け取り、個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉の動きの度合を表すトレーニング効果指数を算出する。以下、トレーニング効果指数の算出の一例について、説明する。
【0020】
算出部102は、ユーザの筋肉の動きを表す動作データ(すなわち、動作解析部101で得られたマーカーm間の距離)と、トレーニング対象とされている筋肉を表す対象部位情報とに基づき、トレーニング効果指数を算出する。なお、対象部位情報は、個々のトレーニング項目ごとに、記憶部110に記憶されている。図6に、対象部位情報の一例を示す。
【0021】
図6に示す「脊柱起立筋群」、「菱形筋」、「腹斜筋」、「僧帽筋」、「広背筋」の筋肉の位置は、図7に示すとおりである。なお、「脊柱起立筋群」の筋肉の動きを表す動作データは、マーカーm211~m243の全てのマーカーから得られる。すなわち、図6に示す「バックエクステンション」のトレーニング項目を行っている場合、動作解析部101は、マーカーm211~m243において、縦方向の距離を算出することにより、「脊柱起立筋群」の筋肉の動きを表す動作データを生成する。なお、図6に示す、トレーニング項目と、トレーニング対象の筋肉およびその筋肉の動きを表す動作データを得るためのマーカーに関する情報は、記憶部110にあらかじめ記憶されている。同様に、「菱形筋」の筋肉の動きを表す動作データは、マーカーm211~m213およびマーカーm221~m223において、横方向の距離を算出することから得られる。「腹斜筋」の筋肉の動作データは、マーカーm2y1(yは1~4の整数)およびm2y3(yは1~4の整数)の8個のマーカーにおいて縦方向の距離から得られる。「僧帽筋」の筋肉の動作データは、マーカーm211~m233の9個のマーカーにおいて縦方向の距離から得られる。さらに、「広背筋」の筋肉の動作データは、マーカーm221~m233の6個のマーカーにおいて、横方向の距離から得られる。
【0022】
「バックエクステンション」の場合、算出部102は、各マーカー間の距離の変化から、縦方向のマーカー間の距離の変化により筋肉の動きの度合を算出する。「バックエクステンション」の場合は、マーカー間の距離が縦方向に縮まるように運動が行われるのが正しいからである。従って、算出部102は、例えば、各マーカー間の縦方向の距離が縮まっている箇所の差分を加点し、逆に縦方向の距離が広まっている箇所の差分を減点し、これらの数字の合計をトレーニング効果指数として算出する。算出されたトレーニング効果指数は、画像生成部103に送られる。
【0023】
画像生成部103は、トレーニング効果指数に基づいて、トレーニングナビ画像33を生成する。トレーニングナビ画像33は、図8に示すように、モニタ3の表示領域31においてナビ領域32に表示される。図8の例では、表示領域31の右下にナビ領域32が配置されているが、表示領域31におけるナビ領域32の位置は任意である。トレーニングナビ画像33は、人体図上で、トレーニング対象となっている筋肉の位置を示すと共に、算出部102で求められたトレーニング効果指数に応じて、その筋肉の表示態様(例えば、色や輝度等)が段階的に変化する。なお、図8の例では、ナビ領域32のトレーニングナビ画像33は、人体の輪郭が線によって、かつ、トレーニング対象の筋肉部位が矩形領域として、極めて抽象的に表現されている。しかし、トレーニングナビ画像33は、後述の図10等に示すように、より写実的な人体筋肉図で表すこともできる。トレーニングナビ画像33として人体筋肉図を用いることで、ユーザがより筋肉を意識しやすくなり、トレーニングの効果も期待できる。
【0024】
トレーニングナビ画像33における、トレーニング対象筋肉の表示態様は、算出部102で求められたトレーニング効果指数と図6に示したトレーニング効果指数閾値とを比較することにより、画像生成部103によって決定される。トレーニング効果指数閾値は、トレーニング項目の運動内容やトレーニング対象筋肉の性質、あるいは、トレーニング対象筋肉に対応するマーカーの数等に応じて、あらかじめ適宜に決定することができる。トレーニング効果指数閾値は、トレーニング項目に対応させて、記憶部110に記憶されている。
【0025】
画像生成部103は、例えば、算出部102で求められたトレーニング効果指数と、記憶部110に記憶されているトレーニング効果指数閾値とを比較することにより、トレーニングナビ画像33の表示態様を、例えば、低、中、高の三段階のいずれかに決定する。例えば、トレーニング対象筋肉が「脊柱起立筋群」である場合、画像生成部103は、トレーニング効果指数が0以下の場合は、トレーニング対象の筋肉がしっかり動いていないものとして、表示態様を「低」と決定する。トレーニング効果指数が9~18の範囲である場合、画像生成部103は、表示態様を「中」と決定する。トレーニング効果指数が18以上(トレーニング効果指数閾値の2倍以上)である場合、筋肉がよく動いているとして、画像生成部103は、表示態様を「高」と決定する。なお、この表示態様を決定する際の基準はあくまでも一例であって、トレーニング効果指数に応じて表示態様を何段階とするか、または、閾値をどのように設定するか等は、任意の設計事項である。
【0026】
図9は、トレーニング対象筋肉が「脊柱起立筋群」の場合の、ナビ領域32に示されるトレーニングナビ画像33の表示態様の変化の例を示す。図9に示す例では、筋肉が動いていない場合(トレーニング効果指数が0以下の場合)は、最下段に示すようにトレーニングナビ画像33の表示態様は「低」であって、対象筋肉の部分は色無し(白)で表示される。一方、筋肉が良く動いている場合(トレーニング効果指数が18以上である場合)には、最上段に示すように、対象筋肉の部分が濃い色(例えば濃い赤色)で表示される。なお、図9においては、濃い赤色を太いハッチングで表現している。中段には、筋肉が中程度動いている場合(トレーニング効果指数が9~18の範囲である場合)の例を示す。この場合、濃い赤色と色無し(白)の中間程度の濃さの色(薄い赤色)で対象筋肉が表示される。なお、図9においては、薄い赤色を細いハッチングで表現している。このように、トレーニング効果指数に応じて、トレーニングナビ画像33においてトレーニング対象筋肉の表示態様(色)を異ならせることにより、ユーザは、色の濃さにより、トレーニング対象筋肉が良く動いているか否かを認識することができる。なお、このように、筋肉の動きの度合を示す色として赤色を用いることが好ましい。筋肉を収縮する様子を表現するため、血液のイメージの赤色を用いることで、ユーザ自身の身体のトレーニングを行っているという実感に結び付き、トレーニングの効果も期待できるからである。
【0027】
すなわち、画像生成部103では、トレーニング効果指数を、トレーニングナビ画像33に視覚的に反映させて表示する。例えば、上述の通り、トレーニング効果指数に応じてトレーニングナビ画像33の色の濃淡を変化させ、筋肉が動いていない場合を白で表示し、筋肉の動きの度合が上がるに従って、トレーニング対象箇所の色を濃くして表示する方法を用いることができる。このトレーニングナビ画像33における筋肉の動きの度合の表示は、トレーニング対象箇所の色の濃淡や明るさ(輝度)を異ならせる方法に限定されない。例えば、トレーニング対象箇所にハッチングを付し、そのピッチで筋肉の動きの度合を表示させてもよい。あるいは、トレーニングナビ画像33に、トレーニング効果指数に応じた数字を表示させる方法でもよい。
【0028】
表示制御部104は、トレーニングガイド映像に同期させて、画像生成部103で生成されたトレーニングナビ画像33をナビ領域32に表示する。
【0029】
以上のように、第1の実施形態にかかるトレーニングナビゲーションシステム1では、現在行っているトレーニングの対象となっている筋肉の位置、すなわち、特に意識すべき筋肉の位置を、ナビ領域32で知ることができる。さらに第1の実施形態においては、現在行っているトレーニングにおける筋肉の動きの度合が、トレーニング効果指数に応じて異なる表示態様で、トレーニングナビ画像33として表示される。これにより、ユーザは、トレーニング対象の筋肉の動きの度合を知ることができ、自らの動きが充分か否かを意識してトレーニングを行うことができる。よって、より効果的に筋肉をトレーニングすることができる。
【0030】
第1の実施形態にかかるトレーニングナビゲーションシステム1では、とくに意識すべき筋肉の位置を、図7に示すような矩形で表示する例を示したが、この表示形態は矩形に限定されない。例えば、図10に示すように具体的な筋肉の形状を正確に表示するために、人体筋肉図による表示とすることも可能である。これにより、ユーザは、意識すべき筋肉の位置をより具体的に認識することができる。また、図11に示す例では、僧帽筋を背面からとらえた画像をナビ領域32に表示している。図11の上段は僧帽筋が良く動いている場合(トレーニング効果指数の値が高い場合)に、トレーニングナビ画像33として僧帽筋の箇所を濃い赤色で示し、下段は僧帽筋があまり動いていない場合(トレーニング効果指数の値が低い場合)にはトレーニングナビ画像33として僧帽筋を薄い赤色で示す例を示す。このように具体的な筋肉の動きの度合に応じて表示する色を変化させることで、ユーザは、トレーニングにおいてより具体的に筋肉の動きを意識することができる。
【0031】
さらに、図12Aおよび図12Bに示すように、同じ筋肉内においても、より動いている箇所(トレーニング効果指数の値が相対的に高い箇所)を濃い赤色で強調することもできる。図12Aに示す例では、トレーニングナビ画像33として僧帽筋の上部がより動いている例を示し、図12Bに示す例では、トレーニングナビ画像33として僧帽筋の下部がより動いている例を示す。これによりユーザは、同じ筋肉内でもより詳細に筋肉の動きの度合を意識することができ、ユーザはより効果的に筋肉をトレーニングすることができる。
【0032】
また、トレーニングナビ画像33は、図13A図13Dに示すように人間の骨格の画像に対象となる筋肉のみを重ねて示すことも可能である。すなわち、図12Aおよび図12Bでは、人体の輪郭も表示されているが、図13A図13Dの例では、人体の輪郭は表示されない。図13Aは、僧帽筋の全体がよく動いている場合のトレーニングナビ画像33であり、図13Bは、僧帽筋があまり動いていない場合である。さらに図13Cは、僧帽筋の上部がより動いている場合のトレーニングナビ画像33であり、図13Dは、僧帽筋の下部がより動いている場合のトレーニングナビ画像33である。図13A図13Dに示すように、骨格の画像に対象となる筋肉のみを表示させることにより、ユーザは、より明確に筋肉の動きの度合を意識することができる。
【0033】
あるいは、図14A図14Dに示すように、骨格は表示せずに、筋肉のみを表示したトレーニングナビ画像33を用いることも可能である。この場合も図13A図13Dの場合と同様に、ユーザは、筋肉の動きの度合を意識することができる。
【0034】
また、第1の実施形態にかかるトレーニングナビゲーションシステム1では、胴体の背面部分の筋肉におけるトレーニングの例を中心に説明したが、これに限定されない。例えば、胴体の胸部や腹部に関する胴体の正面の筋肉のトレーニングについても適用できる。また、上半身に限定されず、例えば、下半身の正面および背面の筋肉のトレーニングにも適用できる。また、胴体や下半身の筋肉に限定されず、腕や脚の筋肉のトレーニングに適用することも可能である。
【0035】
また、第1の実施形態においては、ユーザが、マーカーを印刷したトレーニングウェアを装着し、マーカー間の距離を測定して、ユーザの身体の動きを検出する例を示したが、ユーザの身体の動きを検出する方法はこの方法に限定されない。例えば、センサ2は、距離測定センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、位置決定機器(GPS)、光センサ、赤外線センサ等の各種センサおよび/またはこれらの組み合わせを用いることができる。また、センサ2は、生地の伸縮状態によって電気抵抗値が変わるような専用のトレーニングウェアであってもよい。この場合、データ処理装置100は、電気抵抗値の変化によって筋肉の動きの度合を算出する。または、マーカーを用いることなく、ユーザの動きをカメラで撮影し、その撮影画像からユーザの動きを特定する方法を用いることができる。この場合、例えばトレーニングガイド映像内のインストラクターの動きと撮影画像内のユーザの動きとのマッチング度合を計算することで、筋肉の動きの度合を算出することができる。さらにこの場合、AI技術を用いたパターンマッチングを適用することで、より詳細に筋肉の動きの度合を算出することができる。
【0036】
また、第1の実施形態においては、表示領域31の右下にナビ領域32を設ける例を図8で示したが、ナビ領域32の位置はこれに限定されない。例えば、図15A~Cで示すように、ナビ領域32を、表示領域31の、左上(図15A)、右上(図15B)、または左下(図15C)などに表示することもできる。また、トレーニングガイド映像の内容に応じて、映像中のインストラクターや字幕等と重ならないように、ナビ領域32の表示位置を動的に変更できるようにしても良い。これにより、ユーザにとって見やすい画像が生成され、さらなるトレーニングの効果が期待できる。
【0037】
[第1の実施形態の変形例]
第1の実施形態においては、トレーニングを行うユーザの身体の動きを表す検知データを出力するセンサ2を備えたトレーニングナビゲーションシステムを例示した。しかし、本発明において、センサは必須の構成要件ではない。言い換えると、トレーニング中のユーザの身体の動きを検出することは、本発明に必須の要件ではない。センサを備えず、トレーニングナビ画像として、個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉を、トレーニングガイド映像における当該筋肉の動きに応じて動的に変化する表示態様で人体筋肉図上に表した画像を、トレーニングガイド映像と共にモニタに表示する形態としても良い。
【0038】
この変形例によっても、トレーニング対象の筋肉がどこであるかを、トレーニング中のユーザに明確に意識させることができる。また、トレーニング対象の筋肉に掛けるべき負荷の度合、すなわち、トレーニングガイド映像中のトレーニング対象の筋肉の動きの度合に応じて、トレーニングナビ画像における当該筋肉の表示態様(例えば色や明るさ)を、動的に異ならせることが好ましい。これにより、ユーザは、トレーニング対象の筋肉をどの程度動かせば良いかを的確に意識しながらトレーニングを行うことができるので、トレーニング効果をさらに向上させることができる。
【0039】
[第2の実施形態]
以上のとおり、本発明の具体的な実施形態を一つ説明したが、上述した実施形態は例示であって、本発明を限定するものではない。例えば、上述の実施形態では、トレーニング中に、トレーニング対象の筋肉の動きの度合を示す形態を例示したが、トレーニング終了時に、トレーニング対象の筋肉の動きの度合が総合的にどうであったかの結果を表示する方法を用いてもよい。この発明の第2の実施形態にかかるトレーニングナビゲーションシステム1について、第1の実施形態と異なる構成について説明する。
【0040】
第2の実施形態にかかるトレーニングナビゲーションシステム1は、データ処理装置100の代わりにデータ処理装置200を備えた点において、第1の実施形態と異なっている。図16に示すデータ処理装置200においては、第1の実施形態におけるデータ処理装置100の構成に対し、さらに点数計算部205と、点数記憶部210と、を備える。
【0041】
点数記憶部210は、算出部102で算出されるトレーニング効果指数を、算出部102で算出されるごとに逐次記憶する。点数計算部205は、トレーニング終了時に、点数記憶部210に記憶されたトレーニング効果指数の合計値を計算する。表示制御部104は、点数計算部205で計算された合計値に基づいて、トレーニングの達成度を表示する画面を生成し、トレーニング終了時にモニタ3に表示する。
【0042】
図17に、第2の実施形態における点数の表示例を示す。図17に示すように、第2実施形態においては、トレーニング終了時に、トレーニングの達成度を示す結果表示領域34を表示する。図17においては、トレーニング効果指数の合計値を、100%換算で計算して表示している。第1の実施形態で説明したように、算出部102は、一定の時間間隔で動作解析部101から動作データを受け取り、トレーニング効果指数を算出する。例えば、「バックエクステンション」のトレーニング項目の間に、算出部102がトレーニング効果指数の算出をn回行ったとすると、点数計算部205は、このn回分のトレーニング効果指数を点数記憶部210から読み出して、その合計値を算出する。そして、その合計値を、トレーニング効果指数閾値の2n倍(すなわち、「バックエクステンション」の場合は18×n)で除することにより、達成度を算出する。すなわち、図6を参照して第1の実施形態で説明したとおり、本実施形態においても、トレーニング効果指数がトレーニング効果指数閾値(9)の2倍以上となった場合に、トレーニング対象筋肉がよく動いている(トレーニング効果が達成されている)と評価される。このように、点数計算部205は、トレーニング項目ごとと、トレーニング全体との両方について達成度を計算し、結果表示領域34に表示する。
【0043】
これにより、ユーザは、トレーニング全体を通じてのトレーニングの達成度と、個々のトレーニング項目におけるトレーニング達成度との両方を知ることができ、トレーニングの効果がさらに向上することが期待できる。
【0044】
なお、第2の実施形態において、トレーニングの達成度がトレーニング終了時に表示される形態を示したが、このトレーニングの達成度の表示は、この形態に限定されるものではない。例えば、図18に示すように、トレーニング中にナビ領域32の付近に、現時点のトレーニング項目についての達成度が表示される点数表示領域35や、トレーニング全体の達成度を表示する点数表示領域36を設ける形態をとることができる。これにより、ユーザは、トレーニング中の達成度を知ることができる。ユーザはこの達成度を見てよりペースを上げてトレーニングを行うか、ペースを落としてトレーニングを行うか等、トレーニングのペース配分が図れ、よりトレーニングの効果が期待できるようになる。
【0045】
なお、本発明は、以下のように説明することもできる。
【0046】
本発明のトレーニングナビゲーションシステムの第1の構成は、モニタと、モニタに表示する映像のデータを処理するデータ処理装置と、トレーニングを行うユーザの身体の動きを表す検知データを出力するセンサとを有するトレーニングナビゲーションシステムであって、データ処理装置は、モニタに表示するトレーニングガイド映像を、個々のトレーニング項目でトレーニング対象とされている筋肉を表す対象部位情報と関連付けて記憶する記憶部と、センサからの検知データに基づいて、ユーザの筋肉の動きを表す動作データを求める動作解析部と、個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉の動きの度合を表すトレーニング効果指数を、動作データと対象部位情報とに基づいて算出する算出部と、人体筋肉図上で、個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉を、トレーニング効果指数に応じて異なる表示態様で表すトレーニングナビ画像を生成する画像生成部と、モニタ上で、画像生成部で生成されたトレーニングナビ画像を、トレーニングガイド映像と共に表示する表示制御部と、を備える。
【0047】
この第1の構成では、センサで検知したユーザの身体の動きを表す検知データに基づいて、動作解析部において、ユーザの筋肉の動きを表す動作データを求める。個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉の動きの度合を表すトレーニング効果指数を、動作データと記憶部に記憶された対象部位情報とに基づいて算出する。個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉を、トレーニング効果指数に応じて異なる表示態様で表すトレーニングナビ画像を、画像生成部で生成し、表示制御部において、モニタ上で、画像生成部で生成されたトレーニングナビ画像を、トレーニングガイド映像と共に表示する。これにより、トレーニングシステムのユーザがより意識を集中して欲しい筋肉の部位を意識しながらトレーニングできるため、トレーニングの効果の向上が期待できる。
【0048】
本発明のトレーニングナビゲーションシステムの第2の構成は、第1の構成のトレーニングナビゲーションシステムにおいて、トレーニングナビ画像は、個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉を、トレーニング効果指数に応じて異なる色で表す。
【0049】
この第2の構成によれば、ユーザは、トレーニング効果指数に応じて異なる色で表されたトレーニングナビ画像により、トレーニング状況を視覚的に把握することができ、よりトレーニングの効果が期待できる。
【0050】
本発明のトレーニングナビゲーションシステムの第3の構成は、第1または第2の構成のトレーニングナビゲーションシステムにおいて、トレーニング効果指数を記憶する点数記憶部と、点数記憶部に記憶されたトレーニング効果指数に基づいて、トレーニングの達成度を計算する点数計算部と、を備え、表示制御部は、トレーニング終了時に点数計算部で計算された点数をモニタに表示する。
【0051】
この第3の構成によれば、ユーザは、トレーニングにおいて、トレーニング終了時にトレーニングの点数を知ることがでる。これにより、ユーザはトレーニングが適切に行われたか否かを知ることができ、トレーニングの効果の向上が期待できる。
【0052】
本発明のトレーニングナビゲーションシステムの第4の構成は、第1~第3のいずれかの構成のトレーニングナビゲーションシステムにおいて、ユーザの身体に装着されたマーカーの動きを検出することで、ユーザの身体の動きを検出する。
【0053】
この第4の構成によれば、ユーザの身体に装着されたマーカーにより、トレーニングにおけるユーザの詳細な動きに対する筋肉の動きが検知され、トレーニングナビ画像に反映される。これにより、ユーザは、モニタに表示されたトレーニングナビ画像によりトレーニングの効果を認識することができ、よりトレーニングの効果の向上が期待できる。
【0054】
本発明のトレーニングナビゲーションシステムの第5の構成は、第4の構成のトレーニングナビゲーションシステムにおいて、前記マーカーが、ユーザが着用する衣類に印刷されている。ユーザが着用する衣類にマーカーを設けることにより、トレーニング中のユーザの身体の動きを正確に検知することができる。
【0055】
本発明のデータ処理装置の第1の構成は、
トレーニングを行うユーザの身体の動きを表す検知データをセンサから取得し、前記検知データに基づいてモニタに表示する映像のデータを処理するデータ処理装置であって、
前記モニタに表示するトレーニングガイド映像を、個々のトレーニング項目でトレーニング対象とされている筋肉を表す対象部位情報と関連付けて記憶する記憶部と、
前記センサからの検知データに基づいて、ユーザの筋肉の動きを表す動作データを求める動作解析部と、
個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉の動きの度合を表すトレーニング効果指数を、前記動作データと前記対象部位情報とに基づいて算出する算出部と、
人体筋肉図上で、個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉を、前記トレーニング効果指数に応じて異なる表示態様で表すトレーニングナビ画像を生成する画像生成部と、
前記モニタ上で、前記画像生成部で生成されたトレーニングナビ画像を、トレーニングガイド映像と共に表示する表示制御部と、を備える。
【0056】
この構成によれば、トレーニング効果指数に応じて異なる表示態様で表すトレーニングナビ画像を画像生成部で生成し、表示制御部が、モニタ上で、画像生成部で生成されたトレーニングナビ画像を、トレーニングガイド映像と共に表示する。これにより、トレーニングシステムのユーザがより意識を集中して欲しい筋肉の部位を意識しながらトレーニングできるため、トレーニングの効果の向上が期待できる。
【0057】
本発明のデータ処理装置の第2の構成は、前記第1の構成のデータ処理装置において、
トレーニングナビ画像が、個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉を、前記トレーニング効果指数に応じて異なる色で表す。
【0058】
このデータ処理装置の第2の構成によれば、ユーザは、トレーニング効果指数に応じて異なる色で表されたトレーニングナビ画像により、トレーニング状況を視覚的に把握することができ、よりトレーニングの効果が期待できる。
【0059】
本発明のデータ処理装置の第3の構成は、前記第1または第2の構成のデータ処理装置において、
前記トレーニング効果指数を記憶する点数記憶部と、
前記点数記憶部に記憶されたトレーニング効果指数に基づいて、トレーニングの達成度を計算する点数計算部と、を備え、
前記表示制御部は、トレーニング終了時に前記点数計算部で計算された点数をモニタに表示する。
【0060】
このデータ処理装置の第3の構成によれば、ユーザは、トレーニングにおいて、トレーニング終了時にトレーニングの点数を知ることがでる。これにより、ユーザはトレーニングが適切に行われたか否かを知ることができ、トレーニングの効果の向上が期待できる。
【0061】
本発明にかかるプログラムは、センサからの検知データに基づいて、ユーザの筋肉の動きを表す動作データを求め、動作データと、記憶部に記憶された個々のトレーニング項目でトレーニング対象とされている筋肉を表す対象部位情報とに基づいて個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉の動きの度合を表すトレーニング効果指数を算出し、人体筋肉図上で、個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉を、トレーニング効果指数に応じて異なる表示態様で表すトレーニングナビ画像を生成し、トレーニングナビ画像を、トレーニングガイド映像と共にモニタに表示する処理を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0062】
このプログラムによって動作するコンピュータは、センサからの検知データに基づいて、ユーザの筋肉の動きを表す動作データを求める。この動作データと、記憶部に記憶された個々のトレーニング項目でトレーニング対象とされている筋肉を表す対象部位情報とに基づいて個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉の動きの度合を表すトレーニング効果指数を算出する。さらに、人体筋肉図上で、個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉を、トレーニング効果指数に応じて異なる表示態様で表すトレーニングナビ画像を生成し、画像生成部で生成されたトレーニングナビ画像を、トレーニングガイド映像と共にモニタに表示する。これにより、トレーニングシステムのユーザがより意識を集中して欲しい筋肉の部位を意識しながらトレーニングできるため、トレーニングの効果の向上が期待できる。
【0063】
また、本発明の第6の構成にかかるトレーニングナビゲーションシステムは、
モニタと、前記モニタに表示する映像のデータを処理するデータ処理装置を有するトレーニングナビゲーションシステムであって、
前記データ処理装置は、
前記モニタに表示するトレーニングガイド映像を記憶する記憶部と、
前記モニタ上で、前記トレーニングガイド映像を表示する表示制御部と、を備え、
前記は、個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉を、前記トレーニングガイド映像における当該筋肉の動きに応じて動的に変化する表示態様で人体筋肉図上に表すトレーニングナビ画像と共に表示される。
【0064】
この第6の構成にかかるトレーニングナビゲーションシステムによれば、個々のトレーニング項目においてトレーニング対象とされている筋肉を、前記トレーニングガイド映像における当該筋肉の動きに応じて動的に変化する表示態様で人体筋肉図上に表すトレーニングナビ画像が、トレーニングガイド映像と共にモニタ上に表示される。これにより、トレーニング対象の筋肉の部位を意識しながらトレーニングできるため、トレーニングの効果の向上が期待できる。
【符号の説明】
【0065】
1…トレーニングナビゲーションシステム、2…センサ、3…モニタ、31…トレーニングガイド映像、32…ナビ領域、33…トレーニングナビ画像、34…結果表示領域、35…点数表示領域、36…点数表示領域、100…データ処理装置、101…動作解析部、102…算出部、103…画像生成部、104…表示制御部、110…記憶部、200…データ処理装置、205…点数計算部、210…点数記憶部、m211~m243…マーカー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図13D
図14A
図14B
図14C
図14D
図15A
図15B
図15C
図16
図17
図18