(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】端末装置、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/55 20140101AFI20240226BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20240226BHJP
A63F 13/2145 20140101ALI20240226BHJP
A63F 13/426 20140101ALI20240226BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/58
A63F13/2145
A63F13/426
(21)【出願番号】P 2022180072
(22)【出願日】2022-11-10
(62)【分割の表示】P 2021097184の分割
【原出願日】2018-10-22
【審査請求日】2022-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196829
【氏名又は名称】中澤 言一
(72)【発明者】
【氏名】柿澤 幸司
(72)【発明者】
【氏名】下田 翔大
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-059554(JP,A)
【文献】特開2017-051493(JP,A)
【文献】特開2009-056181(JP,A)
【文献】特許第4262217(JP,B2)
【文献】特開2015-029520(JP,A)
【文献】特許第6185123(JP,B1)
【文献】特開2007-014457(JP,A)
【文献】桃太郎電鉄のお助け機能「いけますよ!」の実装に関する考察,ktbdmr 言葉黙, Hatena Blog [online],2016年05月23日,<https://kotodamar.hatenablog.com/entry/2016/05/23/%E6%A1%83%E5%A4%AA%E9%83%8E%E9%9B%BB%E9%89%84%E3%81%AE%E3%81%8A%E5%8A%A9%E3%81%91%E6%A9%9F%E8%83%BD%E3%80%8C%E3%81%84%E3%81%91%E3%81%BE%E3%81%99%E3%82%88%EF%BC%81%E3%80%8D%E3%81%AE%E5%AE%9F%E8%A3%85>,[2023年10月5日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内に位置するゲーム媒体を表示する表示部と、
前記仮想空間における所定位置に関する情報を記憶する記憶部と、
プレイヤによる、移動方向を含む移動指示を取得する取得部と、
前記ゲーム媒体の移動可能領域内に複数の
リンクを設定し、設定された複数の前記
リンクのうちの一又は複数の前記
リンクを、前記仮想空間内の前記ゲーム媒体の位置から前記所定位置への経路として算出する算出部と、
前記移動指示
に含まれる前記移動方向と、前記経路を構成
し且つ前記リンクに相当する
要素経路のうちの前記ゲーム媒体の位置に接続する前記
要素経路
の方向とに基づいて、前記経路を前記ゲーム媒体の移動経路として判定する判定部と、
前記移動経路に従って前記ゲーム媒体が前記所定位置まで移動するように、前記ゲーム媒体の表示を制御する表示制御部と、
を備える、端末装置。
【請求項2】
前記移動経路に従って移動する前記ゲーム媒体が、前記仮想空間内の特定オブジェクトに関する所定範囲内に含まれた場合、前記特定オブジェクトに関する特定ゲームが実行される、請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記移動可能領域内の複数の前記
リンクと各前記
リンクのパラメータとに基づいて、前記経路を算出する、請求項
1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記
リンクの前記パラメータは、前記
リンクの長さに所定係数を乗じた値である、請求項
3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記算出部は、前記経路を構成する一又は複数の前記
リンクの前記パラメータの合計に応じた前記経路を算出する、請求項
4に記載の端末装置。
【請求項6】
前記所定係数に対応する前記
リンクに従って前記ゲーム媒体が移動すると前記プレイヤにとって不利なゲーム効果が生じるような場合、所定値よりも大きい値が前記所定係数として設定され、
前記算出部は、前記経路を構成する一又は複数の前記
リンクの前記パラメータの合計が最小の前記経路を算出する、請求項
5に記載の端末装置。
【請求項7】
前記プレイヤにとって不利なゲーム効果は、前記ゲーム媒体のパラメータの減少、前記ゲーム媒体の移動速度の減少、及び前記ゲーム媒体と敵ゲーム媒体との接触、のうちの少なくとも一のゲーム効果である、請求項
6に記載の端末装置。
【請求項8】
前記所定係数に対応する前記
リンクに従って前記ゲーム媒体が移動すると前記プレイヤにとって有利なゲーム効果が生じるような場合、所定値よりも小さい値が前記所定係数として設定され、
前記算出部は、前記経路を構成する一又は複数の前記
リンクの
前記パラメータの合計が最小の前記経路を算出する、請求項
5~7のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項9】
前記プレイヤにとって有利なゲーム効果は、前記ゲーム媒体のパラメータの増加、前記ゲーム媒体の移動速度の増加、及び第1ゲーム媒体の獲得、のうちの少なくとも一のゲーム効果である、請求項
8に記載の端末装置。
【請求項10】
前記
リンクの設定において、前記算出部は、前記移動可能領域を複数の多角形領域に分割し、前記複数の多角形領域のそれぞれの頂点間の線分を前記
リンクとする、請求項
3~9のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項11】
前記
リンクの設定において、前記算出部は、前記所定位置に対応する点と、前記所定位置を含む前記多角形領域の頂点とを結ぶ線分、及び、前記ゲーム媒体の位置に対応する点と、前記ゲーム媒体の位置を含む前記多角形領域の頂点とを結ぶ線分、を前記
リンクとする、請求項
10に記載の端末装置。
【請求項12】
記憶部と、仮想空間内に位置するゲーム媒体を表示する表示部と、を備える端末装置の制御方法であって、
前記仮想空間における所定位置に関する情報を前記記憶部に記憶し、
プレイヤによる、移動方向を含む移動指示を取得し、
前記ゲーム媒体の移動可能領域内に複数の
リンクを設定し、設定された複数の前記
リンクのうちの一又は複数の前記
リンクを、前記仮想空間内の前記ゲーム媒体の位置から前記所定位置への経路として算出し、
前記移動指示
に含まれる前記移動方向と、前記経路を構成
し且つ前記リンクに相当する
要素経路のうちの前記ゲーム媒体の位置に接続する前記
要素経路
の方向とに基づいて、前記経路を前記ゲーム媒体の移動経路として判定し、
前記移動経路に従って前記ゲーム媒体が前記所定位置まで移動するように、前記ゲーム媒体の表示を制御する、
ことを含む、制御方法。
【請求項13】
記憶部と、仮想空間内に位置するゲーム媒体を表示する表示部と、を備える端末装置の制御プログラムであって、
前記仮想空間における所定位置に関する情報を前記記憶部に記憶し、
プレイヤによる、移動方向を含む移動指示を取得し、
前記ゲーム媒体の移動可能領域内に複数の
リンクを設定し、設定された複数の前記
リンクのうちの一又は複数の前記
リンクを、前記仮想空間内の前記ゲーム媒体の位置から前記所定位置への経路として算出し、
前記移動指示
に含まれる前記移動方向と、前記経路を構成
し且つ前記リンクに相当する
要素経路のうちの前記ゲーム媒体の位置に接続する前記
要素経路
の方向とに基づいて、前記経路を前記ゲーム媒体の移動経路として判定し、
前記移動経路に従って前記ゲーム媒体が前記所定位置まで移動するように、前記ゲーム媒体の表示を制御する、
ことを前記端末装置に実行させる、制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤが仮想空間内に位置するキャラクタを操作するゲームが普及している。このようなゲームでは、キャラクタは、プレイヤによる、移動方向を指定する操作により仮想空間内を移動する。そして、プレイヤは、キャラクタが遭遇した敵キャラクタと対戦したり、発生したイベントを攻略したりしてゲームを進行させる。
【0003】
このようなゲームでは、プレイヤは、所定の目的位置までキャラクタを操作することによって、敵キャラクタと遭遇し、又は、イベントを発生させる。そして、目的位置を所定の順序で訪れることによってゲームが進行する。このようなプレイヤによるキャラクタの操作を支援する方法として、特許文献1には、プレイヤが指定した目的位置までキャラクタを自動的に移動させる移動制御方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の移動制御方法では、プレイヤは、目的位置までキャラクタを移動させるために、目的位置を指定する。しかしながら、目的位置を指定する操作は、移動方向を指定してキャラクタを移動させる操作と比較すると、プレイヤにとって直感的な操作とはいい難かった。また、特許文献1に記載の移動制御方法では、プレイヤは、目的位置を指定するために、あらかじめ目的位置を把握する必要があった。しかしながら、プレイヤは、目的位置を訪れたことがない場合や、目的位置の方角のみを把握しているが正確な位置を把握していない場合等、目的位置についての正確な知識を有していない場合があった。このような場合、プレイヤは、目的位置を指定することができず、特許文献1に記載の移動制御方法は、プレイヤによるキャラクタの操作を支援することができなかった。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決すべくなされたものであり、プレイヤにとって直感的な操作により、プレイヤによるキャラクタの操作を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明に係る端末装置は、仮想空間内に位置するゲーム媒体を表示する表示部と、仮想空間における所定位置に関する情報を記憶する記憶部と、プレイヤによる、移動方向を含む移動指示を取得する取得部と、仮想空間内のゲーム媒体の位置から所定位置への経路を算出する算出部と、算出された経路が移動方向に関する所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、経路が所定条件を満たすと判定された場合、経路に従ってゲーム媒体が所定位置まで移動するように、ゲーム媒体の表示を制御する表示制御部と、を備える。
【0008】
また、本発明に係る端末装置において、経路は、複数の要素経路によって構成され、所定条件は、移動方向と、ゲーム媒体の位置と接続する要素経路の方向とがなす角の大きさが所定角度以下であることである、ことが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る端末装置において、移動指示は、操作位置に関する情報を含み、算出部は、操作位置に関する情報が所定範囲内である場合に、経路を算出しない、ことが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る端末装置において、表示制御部は、経路が所定条件を満たさないと判定された場合、ゲーム媒体が移動方向に移動するように、ゲーム媒体の表示を制御する、ことが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る端末装置において、表示制御部は、経路が所定条件を満たすと判定された場合、経路の少なくとも一部を仮想空間に表示する、ことが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る端末装置において、表示制御部は、経路に従って移動しているゲーム媒体が所定位置に到達する前に停止した場合、プレイヤに移動指示の入力を促す情報を表示部に表示する、ことが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る端末装置は、プレイヤによる接触を検出する操作部を備え、取得部は、プレイヤが操作部に接触している接触位置を所定時間間隔で取得し、移動方向は、取得部が最後に取得した接触位置の、その直前に取得した接触位置を基準とする方向である、ことが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る端末装置において、算出部は、ゲーム媒体の位置からの複数の経路と、複数の経路のそれぞれに係るパラメータとを算出する、ことが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る端末装置において、表示制御部は、複数の経路が所定条件を満たすと判定された場合、所定条件を満たすと判定された経路のうち、パラメータが最も小さい経路に従ってゲーム媒体が移動するように、ゲーム媒体の表示を制御する、ことが好ましい。
【0016】
また、本発明に係る端末装置において、算出部は、ゲーム媒体の位置との関係が所定関係である所定位置への経路を算出する、ことが好ましい。
【0017】
上述した課題を解決するために、本発明に係る制御方法は、記憶部と、仮想空間内に位置するゲーム媒体を表示する表示部と、を備える端末装置の制御方法であって、仮想空間における所定位置に関する情報を記憶部に記憶し、プレイヤによる、移動方向を含む移動指示を取得し、仮想空間内のゲーム媒体の位置から所定位置への経路を算出し、算出された経路が移動方向に関する所定条件を満たすか否かを判定し、経路が所定条件を満たすと判定された場合、経路に従ってゲーム媒体が所定位置まで移動するように、ゲーム媒体の表示を制御する、ことを含む。
【0018】
上述した課題を解決するために、本発明に係る制御プログラムは、記憶部と、仮想空間内に位置するゲーム媒体を表示する表示部と、を備える端末装置の制御プログラムであって、仮想空間における所定位置に関する情報を記憶部に記憶し、プレイヤによる、移動方向を含む移動指示を取得し、仮想空間内のゲーム媒体の位置から所定位置への経路を算出し、算出された経路が移動方向に関する所定条件を満たすか否かを判定し、経路が所定条件を満たすと判定された場合、経路に従ってゲーム媒体が所定位置まで移動するように、ゲーム媒体の表示を制御する、ことを含むことを端末装置に実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る端末装置、制御方法及び制御プログラムによって、プレイヤにとって直感的な操作により、プレイヤによるキャラクタの操作を支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】端末装置によって提供されるゲームの概略について説明するための模式図である。
【
図2】端末装置によって提供されるゲームの概略について説明するための模式図である。
【
図3】端末装置1の概略構成の一例を示す図である。
【
図4】(a)は、端末装置1の表示部13に表示されるフィールド画面410の一例を示す図であり、(b)は、端末装置1の表示部13に表示されるフィールド画面420の一例を示す図である。
【
図5】(a)は、端末装置1の表示部13に表示されるフィールド画面510の一例を示す図であり、(b)は、端末装置1の表示部13に表示されるフィールド画面520の一例を示す図である。
【
図6】(a)は、操作部12を上面にした端末装置1を側面から見た模式図であり、(b)は、操作部12を上面にした端末装置1を上面から見た場合の模式図である。
【
図7】操作部12を上面にした端末装置1を上面から見た場合の模式図である。
【
図8】(a)は、端末装置1が、移動可能領域413を分割する処理の一例を示す図であり、(b)は、端末装置1が、経路算出用グラフを生成し、経路算出用グラフにおいて、ゲーム媒体411の位置から目的位置への経路を算出する処理の一例を示す図である。
【
図9】算出された経路と移動方向とをフィールド画面910に表示した図である。
【
図10】(a)領域テーブル1010のデータ構造の一例を示す図であり、(b)は、目的位置テーブル1020のデータ構造の一例を示す図である。
【
図11】端末装置1における移動処理の一例を示すフロー図である。
【
図12】端末装置1における移動指示取得処理の一例を示すフロー図である。
【
図13】端末装置1における経路算出処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0022】
(本実施形態の概要)
図1及び
図2は、端末装置によって提供されるゲームの概略について説明するための模式図である。
【0023】
まず、
図1について説明する。端末装置は、仮想空間内に位置するゲーム媒体を表示し、仮想空間における目的位置に関する情報を記憶する(
図1の(1))。
図1の(1)に示す例では、ゲーム媒体は、プレイヤによって操作されるキャラクタである。ゲーム媒体は、ゲーム装置によって提供される各種ゲーム又は各種サービス等において使用される電子データであり、例えば、カード又はアバターであってよい。
【0024】
ゲーム媒体は、アイテム、ポイント、仮想通貨、チケット又はパラメータであってよい。また、ゲーム媒体は、レベル情報、ステータス情報、パラメータ情報(体力値及び攻撃力等)又は能力情報(スキル、アビリティ、呪文、ジョブ等)であってよい。ゲーム媒体は、プレイヤによって、ゲーム内で取得、保有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄及び/又は贈与等され得る任意の電子データであってよい。また、ゲーム媒体の利用態様は本明細書で明示されるものに限られない。
【0025】
目的位置は、プレイヤがゲーム媒体を操作して到達させるべき仮想空間における位置を表す。目的位置は、例えば、敵ゲーム媒体の位置、又は、イベントが発生する位置である。目的位置は、ゲーム媒体のパラメータを変更させるためのパラメータ変更位置、仮想空間内に設けられた通路の分岐点、仮想空間内に設けられたモニュメント等のオブジェクトの設置位置であってもよい。また、目的位置は、仮想空間内においてゲーム媒体が到達可能な任意の位置であってもよい。目的位置は、プレイヤによって任意に設定可能であってよい。また、目的位置は、ゲームの進行状況に応じて新たに追加されたり、削除されたりしてもよい。
【0026】
ゲーム媒体が目的位置に到達することによって、プレイヤは、敵ゲーム媒体との対戦ゲームや、その他のイベントを進行することができる。なお、
図1の(1)に示す例では、目的位置が表示されているが、端末装置は、目的位置を表示しなくてもよい。なお、目的位置は、所定位置の一例である。
【0027】
続いて、端末装置は、プレイヤによる、移動方向を含む移動指示を取得する(
図1の(2))。移動指示は、ゲーム媒体を目的位置に自動的に移動させるための指示である。また、移動方向は、プレイヤによって入力された、ゲーム媒体が目的位置に到達するために最初に移動すべき方向である。すなわち、移動方向を含む移動指示は、仮想空間内において、目的位置までゲーム媒体を移動させるための指示である。なお、
図1の(2)に示す例では、移動方向を含む移動指示は、プレイヤがタッチパネルである操作部に接触し、その接触位置を変化させる操作をすることによって、端末装置によって取得される。
【0028】
続いて、
図2について説明する。端末装置は、仮想空間内のゲーム媒体の位置から目的位置への経路を算出する(
図2の(3))。経路は、ゲーム媒体が目的位置に到達することができる任意の経路である。例えば、経路は、最短経路であってよい。
【0029】
続いて、端末装置は、算出された経路が移動方向に関する所定条件を満たすか否かを判定し、経路が所定条件を満たすと判定された場合、経路に従ってゲーム媒体が目的位置まで移動するように、ゲーム媒体の表示を制御する(
図2の(4))。例えば、所定条件は、算出された経路に従ってゲーム媒体が最初に移動する方向と、移動指示に含まれる移動方向とがなす角の大きさが所定角度以下であることである。
【0030】
以上、
図1及び
図2を参照しつつ説明したとおり、端末装置は、仮想空間内に位置するゲーム媒体を表示し、仮想空間における目的位置に関する情報を記憶する。また、端末装置は、プレイヤによる、移動方向を含む移動指示を取得する。また、端末装置は、仮想空間内のゲーム媒体の位置から目的位置への経路を算出する。また、端末装置は、算出された経路が移動方向に関する所定条件を満たすか否かを判定し、経路が所定条件を満たすと判定された場合、経路に従ってゲーム媒体が目的位置まで移動するように、ゲーム媒体の表示を制御する。これにより、端末装置は、プレイヤが目的位置を正確に把握していない場合であっても、直感的な操作によりプレイヤがゲーム媒体を目的位置まで自動的に移動させることを可能とし、プレイヤによるゲーム媒体の操作を支援する。
【0031】
なお、上述した
図1及び
図2の説明は、本発明の内容への理解を深めるための説明に過ぎない。本発明は、具体的には、次に説明する各実施形態において実施され、且つ、本発明の原則を実質的に超えずに、さまざまな変形例によって実施されてもよい。このような変形例はすべて、本発明および本明細書の開示範囲に含まれる。
【0032】
(端末装置1の構成)
図3は、端末装置1の概略構成の一例を示す図である。
【0033】
端末装置1は、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)等の通信端末であってよい。端末装置1は、携帯電話(所謂「スマートフォン」)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant,PDA)、タブレット端末又はタブレットPC(Personal Computer)等であってよい。端末装置1は、携帯ゲーム機、携帯音楽プレイヤ又はノートPC等であってよい。
【0034】
端末装置1は、プレイヤがキャラクタを操作することによって進行するゲームを提供する。そのために、端末装置1は、記憶部11と、操作部12と、表示部13と、処理部14と、を備える。
【0035】
記憶部11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ装置を備える。記憶部11は、処理部14での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム及びデータ等を記憶する。記憶部11に記憶されるドライバプログラムは、操作部12を制御する入力デバイスドライバプログラム、及び、表示部13を制御する出力デバイスドライバプログラム等である。記憶部11に記憶されるアプリケーションプログラムは、ゲームの進行を制御する制御プログラム等である。記憶部11に記憶されるデータは、ゲームの実行時において使用される各種データ(例えば、ゲーム媒体に関する情報等)等である。また、記憶部11は、所定の処理に係るデータを一時的に記憶してもよい。
【0036】
操作部12は、タッチパネル等のポインティングデバイスである。なお、操作部12は、入力キー等でもよい。プレイヤは、操作部12を用いて、文字、数字及び記号、若しくは、表示部13の表示画面上の位置等を入力することができる。操作部12は、プレイヤにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、プレイヤの指示として、処理部14に供給される。
【0037】
表示部13は、液晶ディスプレイである。なお、表示部13は、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等でもよい。表示部13は、処理部14から供給された映像データに応じた映像や、画像データに応じた画像等を表示する。
【0038】
処理部14は、コンピュータプログラムに従って動作する一又は複数のプロセッサ、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する一又は複数の専用のハードウェア回路、あるいはそれらの組み合わせ、を含む回路(Circuitry)として構成し得る。処理部14は、端末装置1の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。処理部14は、記憶部11に記憶されているプログラム及びプレイヤによる操作部12の操作に応じて入力された各種指示等に基づいて、各種情報処理を適切な手順で実行し、表示部13の動作を制御する。処理部14は、記憶部11に記憶されているオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム及びアプリケーションプログラムに基づいて各種情報処理を実行する。また、処理部14は、複数のプログラムを並列に実行することができる。
【0039】
(各種画面の説明)
以下、
図4及び
図5を参照して、端末装置1の表示部13に表示される各種画面の一例について説明する。
【0040】
図4(a)は、端末装置1の表示部13に表示されるフィールド画面410の一例を示す図である。フィールド画面410は、プレイヤが仮想空間内に位置するゲーム媒体を操作して、ゲームを進行させるための画面である。
図4(a)に示す例では、フィールド画面410は、仮想空間内の所定の視点位置及び所定の視線方向において3次元仮想空間を所定の2次元スクリーン面に投影した場合における2次元スクリーン面の画像を含む。例えば、所定の視点位置は、ゲーム媒体の近傍である。また、例えば、所定の視線方向は、所定の視点位置を基準とするゲーム媒体の位置の方向である。
【0041】
フィールド画面410は、端末装置1が、図示しないメインメニュー画面において、プレイヤによるゲーム開始指示を取得したときに表示されてよい。メインメニュー画面は、プレイヤによる操作部12の操作により、ゲームを実行するためのアプリケーションプログラムが起動されたときに、所定のタイトル画面等に続いて表示されてよい。
【0042】
フィールド画面410は、ゲーム媒体411と、目的位置412aと、目的位置412bと、移動可能領域413と、操作指示オブジェクト414と、メニュー画面表示指示オブジェクト415と、を含む。なお、以降では、目的位置412aと目的位置412bとは、併せて目的位置412と称されることがある。
【0043】
ゲーム媒体411は、プレイヤによって操作される、仮想空間内に位置するゲーム媒体である。プレイヤは、操作部12を介して、ゲーム媒体411を操作し、ゲームを進行する。
【0044】
目的位置412は、プレイヤがゲーム媒体を操作して到達させるべき仮想空間における位置を表す。
図4(a)に示す例では、目的位置412は、所定のオブジェクトによってプレイヤがその位置を視認できるように表示されている。目的位置412は、プレイヤが視認できるように表示されなくてもよい。これにより、3Dゲームなどの、よりリアリティのある表現が含まれるゲームにおいて、現実に近い状況を表現しつつ、ユーザの操作性を向上することができる。また、目的位置412は、プレイヤのゲームの進行状況に応じて表示されるか否かが変更されてもよい。例えば、目的位置412は、所定のイベントが発生するまでは表示されなくてよい。これにより、プレイヤは、目的位置412を把握することができなくなるため、目的位置412に基づいてイベントの内容を予測することができなくなり、ゲームをより楽しむことができるようになる。
【0045】
例えば、目的位置412は、敵ゲーム媒体が配置された位置であってよい。この場合、ゲーム媒体411が目的位置412に到達すると、図示しない敵ゲーム媒体との対戦ゲーム画面が表示され、プレイヤは、敵ゲーム媒体との対戦ゲームをプレイすることができる。また、例えば、目的位置412は、イベントの発生位置として設定された位置であってよい。この場合、ゲーム媒体411が目的位置412に到達すると、図示しないイベント画面が表示され、プレイヤは、イベントに対応するシナリオを閲覧することができる。
【0046】
また、目的位置412は、仮想空間内の任意の位置であってよい。例えば、目的位置412は、仮想空間内に設けられた通路の分岐点であってよい。これにより、ゲーム媒体411は、通路の分岐点で停止することとなるため、プレイヤは、いずれの分岐を選択するかを自ら判断することができ、プレイヤ自身の選択でゲームを進行している感覚を味わうことができる。
【0047】
移動可能領域413は、仮想空間内においてゲーム媒体411が移動することができる領域である。移動可能領域413は、プレイヤのゲームの進行状況に応じてその形状が変化するように設定されてよい。例えば、所定のイベントが発生したことに応じて、移動可能領域413が広がり、ゲーム媒体411が新たな目的位置412に到達できるように設定されてよい。これにより、プレイヤは、適切な順序でゲームを進行することができるようになる。
【0048】
操作指示オブジェクト414は、プレイヤがゲーム媒体411を操作するための手動操作指示を入力するためのオブジェクトである。プレイヤが操作部12を操作し、操作指示オブジェクト414の表示領域内を入力位置とする入力をした場合、端末装置1は、入力位置に応じた方向を操作方向として含む手動操作指示を取得する。手動操作指示を取得した端末装置1は、フィールド画面410においてゲーム媒体411が操作方向に移動するように、ゲーム媒体411の表示を制御する。入力位置に応じた方向とは、入力位置の、操作指示オブジェクト414の表示領域の中心に対する方向である。プレイヤは、操作指示オブジェクト414により、手動でゲーム媒体411を操作することができる。
【0049】
なお、以降では、プレイヤが操作部12を操作し、オブジェクトの表示領域内を入力位置とする入力をすることを、プレイヤがオブジェクトを選択すると称することがある。
【0050】
メニュー画面表示指示オブジェクト415は、メニュー画面を表示するためのメニュー画面表示指示をプレイヤが入力するためのオブジェクトである。プレイヤがメニュー画面表示指示オブジェクト415を選択すると、端末装置1は、メニュー画面を表示するためのメニュー画面表示指示を取得する。メニュー画面表示指示を取得した端末装置1は、図示しないメニュー画面を表示する。メニュー画面は、プレイヤがゲームを進行するために有用な情報を表示する。例えば、メニュー画面は、ゲーム媒体411に関する情報、ゲーム媒体411の位置に関する情報、目的位置に関する情報、移動可能領域413に関する情報、及び、ゲームの進行状況に関する情報等を表示する。
【0051】
図4(b)は、端末装置1の表示部13に表示されるフィールド画面420の一例を示す図である。フィールド画面420は、フィールド画面410において、端末装置1が移動方向を含む移動指示を取得した場合に表示される画面である。なお、上述した説明と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。また、移動方向を含む移動指示は、例えば、プレイヤがタッチパネルである操作部12に接触し、その接触位置を変化させる操作をすることによって、端末装置1によって取得される。移動方向を含む移動指示の詳細は後述する。
【0052】
フィールド画面420は、移動指示取得効果421を含む。移動指示取得効果421は、プレイヤが入力した移動指示が端末装置1によって取得されたことを示す表示効果である。移動指示取得効果421は、移動指示に含まれる移動方向を表示してよい。
図4(b)に示す例では、移動指示取得効果421は、矢印によって移動方向を表示している。これにより、プレイヤは、入力された移動指示が端末装置1によって取得されたか否かを確かめることができる。また、プレイヤは、入力された移動指示が如何なる移動方向を含むかを確かめることができる。そして、プレイヤは、プレイヤの誤操作によってゲーム媒体411がプレイヤの意図しない目的位置に移動していくことを、早期に認識することができる。
【0053】
また、移動指示取得効果421は、所定時間経過後に消滅するような表示効果であってよい。これにより、移動指示取得効果421によってフィールド画面420の視認性が低下することを防ぐことができる。
【0054】
図5(a)は、端末装置1の表示部13に表示されるフィールド画面510の一例を示す図である。フィールド画面510は、端末装置1が、経路に従ってゲーム媒体411が目的位置412まで移動するように、ゲーム媒体411の表示を制御している場合に表示される画面である。
【0055】
フィールド画面420において移動方向を含む移動指示が入力されると、端末装置1は、ゲーム媒体411の位置から目的位置412への経路を算出する。続いて、端末装置1は、算出された経路が移動方向に関する所定条件を満たすか否かを判定する。続いて、経路が所定条件を満たすと判定された場合、端末装置1は、経路に従ってゲーム媒体411が目的位置412まで移動するように、ゲーム媒体411の表示を制御する。端末装置1が経路を算出する処理と所定条件を満たすか否かを判定する処理との詳細は後述する。なお、
図5(a)に示す例では、目的位置412aへの経路が所定条件を満たすと判定されている。
【0056】
フィールド画面510は、経路表示効果511を含む。経路表示効果511は、所定条件を満たすと判定された経路の少なくとも一部を仮想空間に表示する表示効果である。経路表示効果511は、ゲーム媒体411が経路に従って目的位置まで移動している場合に表示される。これにより、プレイヤは、ゲーム媒体411が目的位置に向かって移動していることを確かめることができる。また、プレイヤは、ゲーム媒体411がどのような経路に従って移動しているかを確かめることができる。
【0057】
また、経路表示効果511は、経路のうち、現在のゲーム媒体411の位置から目的位置に至る箇所のみを仮想空間に表示してよい。これにより、経路表示効果511によってフィールド画面420の視認性が低下することを防ぐことができる。
【0058】
なお、ゲーム媒体411が経路に従って移動している場合であっても、端末装置1は、操作方向を含む手動操作指示を取得することができる。この場合、端末装置1は、経路に従ってゲーム媒体411が移動するようにゲーム媒体の表示を制御することを中断する。続いて、端末装置1は、フィールド画面510においてゲーム媒体411が操作方向に移動するように、ゲーム媒体411の表示を制御する。
【0059】
また、ゲーム媒体411が経路に従って移動している場合であっても、端末装置1は、新たに移動方向を含む移動指示を取得することができる。この場合、端末装置1は、移動指示が入力された時点におけるゲーム媒体411の位置から目的位置412のそれぞれに対応する経路を算出する。続いて、フィールド画面420において移動指示が入力された場合と同様の処理を行う。これにより、プレイヤは、ゲーム媒体411が目的位置412に移動しているときに他の目的位置412にゲーム媒体411を移動させたくなった場合に、簡易な操作でゲーム媒体411を他の目的位置412に移動させることができる。
【0060】
図5(b)は、端末装置1の表示部13に表示されるフィールド画面520の一例を示す図である。フィールド画面520は、フィールド画面510において、経路に従って移動しているゲーム媒体411が目的位置412に到達する前に障害物オブジェクトに接触した場合に表示される画面である。なお、ゲーム媒体411が移動したことに伴い、フィールド画面520は、フィールド画面510とは異なる、ゲーム媒体411の近傍である視点位置において3次元仮想空間を投影した画像を含む。障害物オブジェクトは、例えば、敵ゲーム媒体である。経路に従って移動しているゲーム媒体411が目的位置412に到達する前に障害物オブジェクトに接触した場合、端末装置1は、ゲーム媒体411が停止するように、ゲーム媒体411の表示を制御する。なお、ゲーム媒体411が障害物オブジェクトに接触した場合とは、ゲーム媒体411が障害物オブジェクトから所定範囲内に含まれた場合を含む。
【0061】
フィールド画面520は、障害物オブジェクト521と、移動指示入力指示効果522とを含む。障害物オブジェクト521は、ゲーム媒体411が通過して移動することができないように設定されたオブジェクトである。なお、障害物オブジェクト521は、端末装置1の制御によって仮想空間内を移動してもよい。移動指示入力指示効果522は、プレイヤに移動指示の入力を促す情報である。
図5(b)に示す例では、移動指示入力指示効果522は、矢印と指を用いて、タッチパネルである操作部12に接触し、その接触位置を変化させる操作をプレイヤに促す情報が表示されている。これにより、プレイヤは、さらに操作部12を操作しなければならないことを認識することができる。
【0062】
なお、経路に従って移動しているゲーム媒体411が目的位置に到達する前に敵ゲーム媒体である障害物オブジェクト521に接触した場合、敵ゲーム媒体との対戦ゲームが開始されてよい。対戦ゲームは、端末装置1の表示部13に図示しない対戦ゲーム画面が表示されることによって進行されてもよく、フィールド画面520において進行されてもよい。この場合、対戦ゲームが終了した後に、端末装置1は、ゲーム媒体411が停止するように、ゲーム媒体411の表示を制御する。
【0063】
また、移動指示入力指示効果522は、ゲーム媒体411が停止する直前に移動していた経路上の方向を移動方向として含む移動指示の入力を促す表示効果であってよい。例えば、移動指示入力指示効果522は、ゲーム媒体411が停止する直前に移動していた経路上の方向を指す矢印を含む表示効果であってよい。これにより、プレイヤは、ゲーム媒体411を所望の目的位置に到達させることができる移動方向を認識することができる。また、ゲーム媒体411が経路上でない位置に停止した場合、移動指示入力指示効果522が示す方向は、ゲーム媒体411が経路上の位置に戻るための方向であってもよい。ゲーム媒体411が経路上でない位置に停止する場合とは、例えば、ゲーム媒体411が障害物オブジェクト521に接触するなどして、対戦ゲームやイベント等が開始されたことによって、ゲーム媒体411が経路上の位置から移動した場合である。
【0064】
(端末装置が移動指示を取得する処理の説明)
以下では、
図6及び
図7を参照して、端末装置1がプレイヤによる移動指示を取得する処理について説明する。
【0065】
図6(a)は、操作部12を上面にした端末装置1を側面から見た模式図である。
図6(b)は、操作部12を上面にした端末装置1を上面から見た場合の模式図である。以下では、
図6(a)及び
図6(b)を用いて、操作部12がタッチパネルである場合において、端末装置1がプレイヤによる移動指示を取得する処理の一例について説明する。
【0066】
まず、端末装置1は、操作部12が、プレイヤの操作部12に対する接触を検出したか否かを判定する。
図6(a)に示した例では、プレイヤは、操作部12の位置611aに接触している。したがって、端末装置1は、操作部12が、プレイヤの操作部12に対する接触を検出したと判定する。
【0067】
続いて、操作部12が接触を検出したと判定された場合、端末装置1は、プレイヤが操作部12に接触している接触位置を所定時間間隔(例えば、1/30秒)で入力位置として取得する。
図6(a)に示した例では、プレイヤは、位置611aから位置611dまで接触位置を変化させている。そして、端末装置1は、プレイヤが接触位置を変化させる過程で接触した位置611aと位置611bと位置611cと位置611dとを所定時間間隔で入力位置として取得している。
【0068】
続いて、端末装置1は、操作部12が、プレイヤの操作部12に対する接触の終了を検出したか否かを判定する。
図6(a)に示した例では、プレイヤは、操作部12の位置611dに接触した後、接触を終了している。したがって、端末装置1は、位置611dを入力位置として取得した後、操作部12が、プレイヤの操作部12に対する接触の終了を検出したと判定する。
【0069】
続いて、端末装置1は、最後に取得した入力位置と、その直前に取得した入力位置とが所定距離以上離れているか否かを判定する。
図6(b)に示した例では、端末装置1が最後に取得した入力位置は、位置611dである。また、端末装置1が位置611dを取得する直前に取得した入力位置は、位置611cである。したがって、端末装置1は、位置611dと位置611cとが所定距離以上離れているか否かを判定する。判定は、位置611dの操作部12における位置座標と位置611cの操作部12における位置座標に基づいて行われてよい。
【0070】
続いて、最後に取得した入力位置と、その直前に取得した入力位置とが所定距離以上離れていると判定された場合、端末装置1は、操作指示を取得する。操作指示は、最初に取得した入力位置の操作部12における位置座標を操作位置の座標として含む。また、操作指示は、最後に取得した入力位置の、その直前に取得した入力位置を基準とする方向を移動方向として含む。
図6(b)に示した例では、操作位置の座標は、位置611aの操作部12における位置座標である。また、移動方向は、位置611dの位置611cを基準とする方向である。なお、操作位置の座標は、操作位置に関する情報の一例である。
【0071】
なお、最後に取得した入力位置と、その直前に取得した入力位置とが所定距離以上離れていないと判定された場合、端末装置1は、操作指示を取得しない。これにより、プレイヤが接触している位置を変化させる速度が大きいときにゲーム媒体411は目的位置まで自動的に移動することとなるため、プレイヤにとって直感的な操作が可能となる。また、プレイヤは、接触している位置を変化させる速度に応じて異なるゲーム操作を入力することが可能となる。そして、端末装置1は、多様なゲーム操作を提供することが可能となる。
【0072】
続いて、端末装置1は、プレイヤによる操作指示を取得したことに応じて、操作指示に含まれる操作位置の座標が所定範囲内であるか否かを判定する。
【0073】
図7は、操作部12を上面にした端末装置1を上面から見た場合の模式図である。以下では、
図7を用いて、端末装置1が操作指示に含まれる操作位置の座標が所定範囲内であるか否かを判定する処理について説明する。
図7に示す例では、四角形である操作部12は、2本の対角線の上側である上側領域711aと、2本の対角線の下側である下側領域711bと、上側領域711aと下側領域711bに含まれない横側領域711cとに分割されている。
【0074】
端末装置1は、操作指示に含まれる操作位置の座標が横側領域711cに含まれるか否かを判定する。例えば、端末装置1は、操作位置の座標が操作部12の対角線の1本の上側に位置し、且つ、他の1本の下側に位置するか否かを判定することで、操作位置の座標が横側領域711cに含まれるか否かを判定する。操作位置の座標が横側領域711cに含まれないと判定された場合、端末装置1は、操作指示が移動指示であると判定する。すなわち、端末装置1は、操作指示を、操作位置の座標と移動方向とを含む移動指示として取得する。操作位置の座標が横側領域711cに含まれると判定された場合、端末装置1は、操作指示を移動指示として取得しない。なお、操作位置の座標が横側領域711cに含まれることは、操作位置の座標が所定範囲内であることの一例である。
【0075】
このようにすることで、プレイヤは、移動指示に含まれる操作位置の座標に応じて異なるゲーム操作を入力することができ、端末装置1は、多様性なゲーム操作を提供することが可能となる。なお、操作位置の座標が横側領域711cに含まれないと判定された場合、端末装置1は、操作指示を視点移動指示として取得してもよい。視点移動指示を取得した端末装置1は、移動指示に含まれる移動方向に応じて、視点位置及び視線方向の少なくとも何れかが移動するようにフィールド画面の表示を変更する。
【0076】
(端末装置が経路を算出する処理の説明)
以下では、
図8を参照して、端末装置1が仮想空間内のゲーム媒体の位置から目的位置への経路を算出する処理について説明する。
【0077】
まず、端末装置1は、プレイヤによる移動指示を取得したことに応じて、後述するように、仮想空間内のゲーム媒体の位置から目的位置への経路を算出する。
【0078】
図8(a)は、端末装置1が、移動可能領域413を分割する処理の一例を示す図である。また、
図8(b)は、端末装置1が、経路算出用グラフを生成し、経路算出用グラフにおいて、ゲーム媒体411の位置から目的位置への経路を算出する処理の一例を示す図である。
【0079】
移動指示を取得した端末装置1は、移動可能領域413を分割した複数の多角形領域のうち、ゲーム媒体411の位置を含む多角形領域を特定する。
図8(a)に示す例では、端末装置1は、移動可能領域413を分割した多角形領域413aから多角形領域413eのうち、多角形領域413aがゲーム媒体の位置を含む多角形領域であると特定している。
【0080】
なお、移動可能領域413を分割した複数の多角形領域は、あらかじめ記憶部11に記憶されていてもよく、移動指示に含まれる操作位置の座標が所定範囲内であると判定されたことに応じて端末装置1によって算出されてもよい。例えば、端末装置1は、ドロネー(Delaunay)のアルゴリズム等の公知のアルゴリズムを用いて、移動可能領域413を分割した複数の多角形領域を算出してよい。
【0081】
続いて、端末装置1は、目的位置412のうち、ゲーム媒体411の位置との関係が所定関係である目的位置412を抽出する。例えば、ゲーム媒体411の位置との関係が所定関係であるとは、ゲーム媒体411の位置からの仮想空間における距離が所定距離以下であることである。
図8(a)に示す例では、目的位置412aと目的位置412bとが、ゲーム媒体411の位置との関係が所定関係である目的位置412として抽出されたものとする。
【0082】
続いて、端末装置1は、抽出された目的位置412のそれぞれを含む多角形領域を特定する。
図8(a)に示す例では、多角形領域413bが、目的位置412aを含む多角形領域として特定されている。また、多角形領域413cが、目的位置412bを含む多角形領域として特定されている。
【0083】
続いて、端末装置1は、複数のノードと、複数のノードの間を接続する少なくとも一のリンクとを含む経路算出用グラフを生成する。経路算出用グラフのノードは、ゲーム媒体の位置と目的位置と、複数の多角形領域の頂点とを含む。
図8(b)に示す例では、経路算出用グラフのノードは、多角形領域413a~413eの頂点822と、ゲーム媒体411の位置に対応するノード823と、目的位置412a及び目的位置412bに対応するノード824a及びノード824bとを含んでいる。また、経路算出用グラフのリンクは、複数の多角形領域の辺と、ゲーム媒体の位置又は目的位置を含む多角形領域の頂点とゲーム媒体の位置又は目的位置に対応するノードとを結ぶ直線とを含む。
図8(b)に示す例では、経路算出用グラフのリンクは、多角形領域413a~413eの辺と、ゲーム媒体411の位置を含む多角形領域413aの頂点と、ゲーム媒体411の位置に対応するノード823とを結ぶ直線とを含んでいる。同様に、経路算出用グラフのリンクは、多角形領域413bの頂点とノード824aとを結ぶ直線と、多角形領域413cの頂点とノード824bとを結ぶ直線とを含んでいる。このように、経路算出用グラフを抽出された目的位置のみをノードとして含むグラフとすることで、経路の算出に要する計算処理の負荷を抑えることができる。
【0084】
続いて、端末装置1は、ゲーム媒体411の位置から抽出された目的位置412のそれぞれへの最短経路を算出する。例えば、端末装置1は、ダイクストラ(Dijkstra)のアルゴリズム又はA*アルゴリズム等の最短経路を求めるための公知のアルゴリズムを用いて、ゲーム媒体の位置から目的位置への最短経路を算出してよい。
図8(b)に示す例では、端末装置1は、ゲーム媒体411の位置に対応するノード823から目的位置412aに対応するノード824aへの経路825aと、ノード823から目的位置412bに対応するノード824bへの経路825bとを算出している。
【0085】
なお、最短経路は、経路コストが最も小さい経路である。経路コストは、経路に含まれるリンクのコストを合計した値である。リンクのコストは、リンクの両端のノードの間の仮想空間における直線距離(リンクの長さ)である。このようにすることで、ゲーム媒体411が目的位置まで移動するために要する時間を短くすることができ、プレイヤのゲームに対する継続意欲を維持向上することができる。なお、経路コストは、経路に係るパラメータの一例である。
【0086】
また、上述したような最短経路を求めるための公知のアルゴリズムを用いることによって、端末装置1は、ゲーム媒体411の位置からの複数の経路と、複数の経路のそれぞれに係る経路コストを算出する。
【0087】
なお、端末装置1は、経路コストが所定のコスト以下である経路のみを算出するように構成されてもよい。例えば、端末装置1は、算出された、抽出された目的位置のそれぞれへの最短経路のうち、経路コストが所定のコスト以下である経路のみを抽出することで、経路コストが所定のコスト以下である経路のみを算出してよい。このようにすることで、後述する、経路が所定条件を満たすか否かを判定する処理の処理負荷や処理時間を低減することができる。
【0088】
なお、リンクのコストは、リンクの長さ以外の値であってよい。例えば、リンクのコストは、リンクの長さに所定の係数を乗じた値であってよい。また、所定の係数は、リンクの両端のノードの間をゲーム媒体411が移動するときに生じるイベント又はゲーム効果等に応じて定められてよい。例えば、ノードの間をゲーム媒体411が移動するときに、プレイヤにとって不利な効果が生じる場合に、所定の係数は1よりも大きい値に定められてよい。プレイヤにとって不利な効果とは、例えば、ゲーム媒体411の体力値等のパラメータが減少したり、ゲーム媒体の移動速度が減少したり、敵ゲーム媒体と接触したりするような効果である。また、ノードの間をゲーム媒体411が移動するときに、プレイヤにとって有利な効果が生じる場合に、所定の係数は1より小さい値に定められてよい。プレイヤにとって有利な効果とは、例えば、ゲーム媒体のパラメータが増加したり、ゲーム媒体の移動速度が増加したり、アイテム等のゲーム媒体を獲得できたりするような効果である。このようにすることで、ゲーム媒体411はプレイヤにとって有利な経路に従って目的位置まで移動することとなるため、プレイヤが移動指示を入力する動機づけとなる。
【0089】
なお、上述した説明により算出された経路は、経路算出用グラフにおける最短経路である。端末装置1は、算出された経路にさらに平滑化処理を施すことにより、移動可能領域413における最短経路を算出してよい。
【0090】
(経路が所定条件を満たすか否かを端末装置が判定する処理の説明)
以下、
図9を用いて、算出された経路が移動方向に関する所定条件を満たすか否かを端末装置1が判定する処理について説明する。
図9は、算出された経路と移動方向とをフィールド画面910に表示した図である。
図9には、フィールド画面910と、移動方向911と、ゲーム媒体の位置から目的位置412aへの経路912aと、ゲーム媒体の位置から目的位置412bへの経路912bとが示されている。経路912aは、ゲーム媒体の位置と接続する要素経路912a1と、要素経路912a1と接続する要素経路912a2とを含む。経路912bは、ゲーム媒体の位置と接続する要素経路912b1と、要素経路912b1と接続する要素経路912b2とを含む。なお、要素経路とは、経路を構成する直線部分をいい、経路算出用グラフにおける一つのリンクに相当するものである。なお、また、以下では、経路を構成する要素経路のうち、ゲーム媒体の位置と接続する要素経路を第1要素経路と称する。
図9に示される例では、経路912aを構成する要素経路のうち、第1要素経路は、要素経路912a1である。また、経路912bを構成する要素経路のうち、第1要素経路は、要素経路912b1である。なお、移動方向911と経路912aと経路912bとは、説明のために図示したものであり、フィールド画面910において表示されなくてもよい。
【0091】
まず、端末装置1は、移動指示に含まれる移動方向911と、算出された経路を構成する要素経路のうち、第1要素経路の方向とがなす角の大きさを算出する。
図9に示される例では、端末装置1は、移動方向911と要素経路912a1の方向とがなす角913aの大きさを算出する。同様に、端末装置1は、移動方向911と要素経路912b1の方向とがなす角913bの大きさを算出する。
【0092】
続いて、端末装置1は、算出された角の大きさが所定角度以下であるか否かを判定する。
図9に示される例では、端末装置1は、角913aの大きさは所定角度以下であり、角913bの大きさは所定角度以下ではないと判定されたものとする。このようにすることで、端末装置1は、移動方向と、第1要素経路の方向とがなす角の大きさが所定角度以下であるか否かを判定する。なお、移動方向と、第1要素経路の方向とがなす角の大きさが所定角度以下であることは、移動方向に関する所定条件を満たすことの一例である。
【0093】
続いて、端末装置1は、角の大きさが所定角度以下であると判定された経路に従ってゲーム媒体が目的位置まで移動するように、ゲーム媒体の表示を制御する。これにより、移動指示に含まれる移動方向とゲーム媒体が最初に移動する方向との差が小さくなり、直感的な操作が可能となる。
【0094】
なお、複数の経路が、移動方向と第1要素経路の方向とがなす角の大きさが所定角度以下であると判定された場合、端末装置1は、経路コストが最も小さい経路に従ってゲーム媒体が目的位置まで移動するように、ゲーム媒体411の表示を制御する。これにより、同一方向に複数の目的位置が存在する場合、ゲーム媒体411は、最も近い目的位置に移動するようになるため、移動時間を小さくすることができる。
【0095】
また、上述した説明において、第1要素経路の方向とは、3次元仮想空間において定められた第1要素経路を、所定の視点位置及び所定の視線方向において2次元スクリーンに投影した際の、2次元スクリーンにおける第1要素経路の方向である。すなわち、第1要素経路の方向とは、3次元仮想空間における方向ではなく、表示部13に表示されたフィールド画面における第1要素経路の方向である。このように定めることで、プレイヤは、表示部13に表示されている方向に基づいて移動指示を入力すればよいため、より直感的な操作が可能となる。
【0096】
(各種データの説明)
以下、
図10を用いて、記憶部11に記憶される各種データについて説明する。
【0097】
図10(a)は、多角形領域に関する情報を管理する領域テーブル1010のデータ構造の一例を示す図である。領域テーブル1010には、領域ID1011、頂点1012、及び、隣接領域ID1013等が関連付けて記憶されている。
【0098】
領域ID1011は、多角形領域を一意に特定可能な識別情報である。頂点1012は、多角形領域の頂点を一意に特定可能な情報である。
図10(a)に示す例では、頂点1012は、多角形領域の頂点の座標である。なお、
図10(a)に示す例では、頂点1012には、3つの座標が記憶されている。すなわち、
図10(a)に示す例では、多角形領域は、三角形である。また、
図10(a)に示す例では、それぞれの頂点の座標は2次元座標系で記述されているが、3次元座標系で記述されてもよく、他の座標系で記述されてもよい。隣接領域ID1013は、多角形領域に隣接する他の多角形領域の識別情報である。隣接する多角形領域とは、少なくとも1つの辺を共有する多角形領域をいう。
【0099】
図10(b)は、目的位置に関する情報を管理する目的位置テーブル1020のデータ構造の一例を示す図である。目的位置テーブル1020には、目的位置ID1021、位置1022、及び、領域ID1023等が関連付けて記憶されている。なお、目的位置テーブル1020に記憶されているデータは、仮想空間における目的位置に関する情報の一例である。
【0100】
目的位置ID1021は、目的位置を一意に特定可能な識別情報である。位置1022は、目的位置の位置を表す座標である。領域ID1023は、目的位置を内部に含む多角形領域の識別情報である。
【0101】
(処理部14の説明)
以下、端末装置1の処理部14について説明する。
【0102】
図3に示されるように、処理部14は、取得部141と、算出部142と、判定部143と、表示制御部144とをその機能ブロックとして備える。これらの各部は、処理部14が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。これらの各部は、ファームウェアとして端末装置1に実装されてもよい。
【0103】
取得部141は、プレイヤによる、移動方向を含む移動指示を取得する。例えば、取得部141は、操作部12が、プレイヤの操作部12に対する接触を検出したか否かを判定する。接触を検出したと判定された場合、取得部141は、プレイヤが操作部12に接触している接触位置を所定時間間隔で入力位置として取得する。
【0104】
続いて、取得部141は、操作部12が、プレイヤの操作部12に対する接触の終了を検出したか否かを判定する。接触の終了を検出したと判定された場合、取得部141は、最後に取得した入力位置と、その直前に取得した入力位置とが所定距離以上離れているか否かを判定する。所定距離以上離れていると判定された場合、取得部141は、操作指示を取得する。操作指示は、最初に取得した入力位置の操作部12における位置座標を操作位置の座標として含む。また、操作指示は、最後に取得した入力位置の、その直前に取得した入力位置に対する方向を移動方向として含む。
【0105】
続いて、取得部141は、操作指示に含まれる操作位置の座標が所定範囲内であるか否かを判定する。操作位置の座標が所定範囲内でないと判定された場合、取得部141は、操作指示を移動指示として取得する。操作位置の座標が所定範囲内であると判定された場合、取得部141は、移動指示を取得しない。なお、操作位置の座標が所定範囲内であると判定された場合、取得部141は、操作指示を視点移動指示として取得してよい。
【0106】
また、取得部141は、プレイヤによる、ゲーム媒体411を操作するための手動操作指示を取得する。例えば、取得部141は、プレイヤが操作部12を操作し、フィールド画面410において操作指示オブジェクト414の表示領域内を入力位置とする入力をした場合、入力位置に応じた方向を操作方向として含む手動操作指示を取得する。
【0107】
また、取得部141は、プレイヤによる、メニュー画面を表示するためのメニュー画面表示指示を取得する。例えば、取得部141は、プレイヤが操作部12を操作し、フィールド画面410においてメニュー画面表示オブジェクトを選択したことに応じて、メニュー画面表示指示を取得する。
【0108】
算出部142は、取得部141がプレイヤによる移動指示を取得したことに応じて、移動可能領域413を分割した複数の多角形領域のうち、ゲーム媒体411の位置を含む多角形領域を特定する。続いて、算出部142は、目的位置テーブル1020を参照して、ゲーム媒体の位置からの仮想空間における距離が所定距離以下である目的位置412を抽出する。続いて、算出部142は、目的位置テーブル1020を参照して、抽出された目的位置412のそれぞれを含む多角形領域を特定する。続いて、算出部142は、経路算出用グラフを生成する。続いて、算出部142は、ゲーム媒体411の位置から抽出された目的位置412のそれぞれへの経路を算出する。また、算出部142は、それぞれの経路に係る経路コストを算出する。
【0109】
また、算出部142は、抽出された目的位置412への経路のうち、経路コストが所定のコスト以下である経路のみを算出してよい。例えば、算出部142は、算出された、抽出された目的位置のそれぞれへの最短経路のうち、経路コストが所定のコスト以下である経路のみを抽出することで、経路コストが所定のコスト以下である経路のみを算出する。
【0110】
以上説明したように、算出部142は、プレイヤによる移動指示に含まれる操作位置の座標が所定範囲内である場合に、ゲーム媒体411の位置から抽出された目的位置412のそれぞれへの経路を算出しない。
【0111】
判定部143は、算出された経路が移動方向に関する所定条件を満たすか否かを判定する。例えば、所定条件は、移動方向と、経路を構成する要素経路のうち、ゲーム媒体411の位置と接続する第1要素経路の方向とがなす角の大きさが所定角度(例えば、60度)以下であることである。なお、算出部142によって複数の経路が算出された場合、判定部143は、算出された複数の経路のそれぞれについて、移動方向に関する所定条件を満たすか否かを判定する。
【0112】
表示制御部144は、経路が所定条件を満たすと判定された場合、経路に従ってゲーム媒体が目的位置まで移動するように、ゲーム媒体の表示を制御する。例えば、表示制御部144は、ゲーム媒体が移動方向に向かって歩行しているような画像を表示するための表示データを表示部13に供給することによって、ゲーム媒体の表示を制御する。
【0113】
また、表示制御部144は、経路が所定条件を満たすと判定された場合、表示部13を制御して、経路の少なくとも一部を仮想空間に表示する。例えば、表示制御部144は、経路のうち、現在のゲーム媒体411の位置から目的位置412に至る箇所のみを仮想空間に表示してよい。
【0114】
また、表示制御部144は、複数の経路が所定条件を満たすと判定された場合、所定条件を満たすと判定された経路のうち、経路コストが最も小さい経路に従ってゲーム媒体が移動するように、ゲーム媒体の表示を制御する。
【0115】
また、表示制御部144は、経路に従って移動しているゲーム媒体が目的位置に到達する前に障害物オブジェクトに接触した場合、ゲーム媒体が停止するように、ゲーム媒体の表示を制御する。
【0116】
また、表示制御部144は、経路に従って移動しているゲーム媒体が目的位置に到達する前に停止した場合、プレイヤによる移動指示の入力を促す情報を前記表示部に表示する。
【0117】
また、表示制御部144は、経路が所定条件を満たさないと判定された場合、表示部13を制御して、ゲーム媒体がプレイヤによって入力された移動指示に含まれる移動方向に直進するように、ゲーム媒体の表示を制御する。これにより、移動方向に目的位置が存在しない場合であっても、プレイヤは移動方向にゲーム媒体を移動させることができ、プレイヤにとってより直感的な操作を提供することができる。表示制御部144は、直進しているゲーム媒体が移動可能領域の外縁に到達した場合、ゲーム媒体が停止するように、ゲーム媒体の表示を制御する。
【0118】
また、表示制御部144は、取得部141がプレイヤによる手動操作指示を取得したことに応じ、ゲーム媒体が手動操作指示に含まれる操作方向に移動するように、ゲーム媒体の表示を制御する。
【0119】
また、表示制御部144は、取得部141がプレイヤによるメニュー画面表示指示を取得したことに応じ、表示部13を制御して、メニュー画面を表示する。例えば、表示制御部144は、メニュー画面を表示するための表示データを、記憶部11から取得し、表示部13に供給する。
【0120】
また、表示制御部144は、取得部141がプレイヤによる視点移動指示を取得したことに応じ、表示部13を制御して、視点位置及び視線方向の少なくとも一方が移動するようにフィールド画面の表示を変更する。例えば、表示制御部144は、視点位置を視点移動指示に含まれる移動方向に移動させるとともに、移動後の視点位置を基準としたゲーム媒体の方向を視点方向とするように、フィールド画面の表示を変更する。
【0121】
(端末装置による処理の流れの説明)
以下、
図11から
図13を参照して、端末装置1による処理の流れについて説明する。
【0122】
図11は、端末装置1による移動処理の流れの一例を示したフロー図である。
【0123】
まず、端末装置1の記憶部11は、仮想空間における目的位置に関する情報を記憶する(S1101)。続いて、端末装置1の表示部13は、仮想空間内に位置するゲーム媒体を表示する(S1103)。続いて、端末装置1の取得部141は、移動指示取得処理を実行する(S1105)。移動指示取得処理の詳細は後述する。続いて、端末装置1の算出部142は、経路算出処理を実行する(S1107)。経路算出処理の詳細は後述する。
【0124】
続いて、端末装置1の判定部143は、移動指示に含まれる移動方向と、算出された経路を構成する要素経路のうち、ゲーム媒体の位置に接続する第1要素経路の方向とがなす角の大きさが所定角度以下であるか否かを判定する(S1109)。角の大きさが所定角度以下であると判定された場合(S1109-Y)、端末装置1の表示制御部144は、経路に従ってゲーム媒体を移動するように、ゲーム媒体の表示を制御する(S1111)。続いて、表示制御部144は、経路に従って移動しているゲーム媒体が目的位置に到達したか否かを判定する(S1113)。目的位置に到達していないと判定された場合、すなわち、経路に従って移動しているゲーム媒体が目的位置に到達する前に停止したと判定された場合(S1113-N)、表示制御部144は、プレイヤに移動指示の入力を指示する情報を表示し(S1115)、S1105に進む。目的位置に到達したと判定された場合(S1113-Y)、一連の処理を終了する。また、角の大きさが所定角度以下でないと判定された場合(S1109-N)、表示制御部144は、ゲーム媒体が移動指示に含まれる移動方向に直進するように、ゲーム媒体の表示を制御し(S1117)、一連の処理を終了する。
【0125】
図12は、端末装置1における移動指示取得処理の流れの一例を示すフロー図である。まず、端末装置1の取得部141は、操作部12が、プレイヤの操作部12に対する接触を検出したか否かを判定する(S1201)。接触を検出していないと判定された場合(S1201-N)、S1201に進む。接触を検出したと判定された場合(S1201-Y)、取得部141は、プレイヤが操作部に接触している接触位置を所定時間間隔で入力位置として取得する(S1203)。続いて、取得部141は、操作部12が、プレイヤの操作部12に対する接触の終了を検出したか否かを判定する(S1205)。接触の終了を検出していないと判定された場合(S1205-N)、S1203に進む。接触の終了を検出したと判定された場合(S1205-Y)、取得部141は、最後に取得した入力位置と、その直前に取得した入力位置とが所定距離以上離れているか否かを判定する(S1207)。所定距離以上離れていると判定された場合(S1207-Y)、取得部141は、操作位置の座標と移動方向とを含む操作指示を取得する(S1209)。所定距離以上離れていないと判定された場合(S1207-N)、S1201に進む。続いて、取得部141は、操作指示に含まれる操作位置の座標が所定範囲内であるか否かを判定する(S1211)。操作位置の座標が所定範囲内でないと判定された場合(S1211-N)、取得部141は、操作指示を移動指示として取得し(S1213)、一連の処理を終了する。操作位置の座標が所定範囲内であると判定された場合(S1211-Y)、S1201に進む。
【0126】
図13は、端末装置1における経路算出処理の流れの一例を示すフロー図である。まず、端末装置1の算出部142は、ゲーム媒体の位置を含む多角形領域を特定する(S1301)。続いて、算出部142は、目的位置のうち、ゲーム媒体411の位置との関係が所定関係である目的位置を抽出する(S1303)。続いて、算出部142は、抽出された目的位置のそれぞれを含む多角形領域を特定する(S1305)。続いて、算出部142は、経路算出用グラフを生成する(S1307)。続いて、算出部142は、ゲーム媒体の位置から抽出された目的位置のそれぞれへの最短経路と、それぞれの経路に係る経路コストを算出し(S1309)、一連の処理を終了する。
【0127】
以上説明したように、本発明に係る端末装置1は、仮想空間内に位置するゲーム媒体を表示する表示部13を備える。また、本発明に係る端末装置1は、仮想空間における目的位置に関する情報を記憶する記憶部11を備える。また、本発明に係る端末装置1は、プレイヤによる、移動方向を含む移動指示を取得する取得部141を備える。また、本発明に係る端末装置1は、仮想空間内のゲーム媒体の位置から目的位置への経路を算出する算出部142を備える。また、本発明に係る端末装置1は、算出された経路が移動方向に関する所定条件を満たすか否かを判定する判定部143を備える。また、本発明に係る端末装置1は、経路が所定条件を満たすと判定された場合、経路に従ってゲーム媒体が目的位置まで移動するようにゲーム媒体の表示を制御する表示制御部144を備える。このような構成を備えることにより、本発明に係る端末装置1は、プレイヤによるキャラクタの操作を支援することを可能とする。
【0128】
また、本発明に係る端末装置1において、経路は、複数の要素経路によって構成されてよい。また、所定条件は、移動方向と、ゲーム媒体の位置と接続する要素経路の方向とがなす角の大きさが所定角度以下であることであってよい。このようにすることで、ゲーム媒体は、プレイヤが入力した移動指示に含まれる移動方向に近い方向に移動することになるため、プレイヤにとって直感的な操作が実現される。
【0129】
また、本発明に係る端末装置1において、移動指示は、操作位置に関する情報を含んでよい。また、算出部142は、操作位置に関する情報が所定範囲内である場合に、経路を算出しなくてよい。このようにすることで、操作位置に関する情報が所定範囲内である場合に、異なるゲーム操作を割り当てることが可能となり、ゲーム操作の多様性が増す。
【0130】
また、本発明に係る端末装置1において、表示制御部144は、経路が所定条件を満たさないと判定された場合、ゲーム媒体が移動方向に移動するように、ゲーム媒体の表示を制御してよい。このようにすることで、経路が所定条件を満たさない場合であっても、ゲーム媒体は、プレイヤが入力した移動指示に含まれる移動方向に近い方向に移動することになるため、プレイヤにとってより直感的な操作が実現される。
【0131】
また、本発明に係る端末装置1において、表示制御部144は、経路が所定条件を満たすと判定された場合、経路の少なくとも一部を仮想空間に表示してよい。このようにすることで、プレイヤは、ゲーム媒体がこれから移動する経路を容易に確かめることができる。
【0132】
また、本発明に係る端末装置1において、表示制御部144は、経路に従って移動しているゲーム媒体が所定位置に到達する前に停止した場合、プレイヤによる移動指示を促す情報を表示部に表示してよい。このようにすることで、プレイヤは、さらに操作部12を操作しなければならないことを認識することができる。
【0133】
また、本発明に係る端末装置1は、プレイヤによる接触を検出する操作部12を備えてよい。また、本発明に係る端末装置1において、取得部141は、プレイヤが操作部12に接触している接触位置を所定時間間隔で取得してよい。また、移動方向は、取得部141が最後に取得した接触位置の、その直前に取得した接触位置を基準とする方向であってよい。このようにすることで、プレイヤは、ゲーム媒体を移動させたい方向に接触位置を変化させることでゲーム媒体を移動させることができるようになり、より直感的な操作が可能となる。
【0134】
また、本発明に係る端末装置1において、表示制御部144は、複数の経路が所定条件を満たすと判定された場合、所定条件を満たすと判定された経路のうち、経路コストが最も小さい経路に従ってゲーム媒体外移動するように、ゲーム媒体の表示を制御してよい。このようにすることで、同一方向に複数の目的位置が存在する場合、ゲーム媒体は、最も近い目的位置に移動するようになるため、移動時間を小さくすることができる。
【0135】
また、本発明に係る端末装置1において、算出部142は、ゲーム媒体の位置との関係が所定関係である目的位置への経路を算出してよい。このようにすることで、経路の算出に要する計算処理の負荷を抑えることができる。
【0136】
また、本発明に係る、記憶部11と、仮想空間内に位置するゲーム媒体を表示する表示部13と、を備える端末装置1の制御方法は、仮想空間における所定位置に関する情報を記憶部11に記憶することを含む。また、本発明に係る制御方法は、プレイヤによる、移動方向を含む移動指示を取得することを含む。また、本発明に係る制御方法は、仮想空間内のゲーム媒体の位置から目的位置への経路を算出することを含む。また、本発明に係る制御方法は、算出された経路が移動方向に関する所定条件を満たすか否かを判定することを含む。また、本発明に係る制御方法は、経路が所定条件を満たすと判定された場合、経路に従ってゲーム媒体が所定位置まで移動するように、ゲーム媒体の表示を制御することを含む。このような構成を備えることにより、本発明に係る制御方法は、プレイヤによるキャラクタの操作を支援することを可能とする。
【0137】
また、本発明に係る、記憶部11と、仮想空間内に位置するゲーム媒体を表示する表示部13と、を備える端末装置1の制御プログラムは、仮想空間における所定位置に関する情報を記憶部11に記憶することを含むことを端末装置1に実行させる。また、本発明に係る制御方法は、プレイヤによる、移動方向を含む移動指示を取得することを含むことを端末装置1に実行させる。また、本発明に係る制御方法は、仮想空間内のゲーム媒体の位置から目的位置への経路を算出することを含むことを端末装置1に実行させる。また、本発明に係る制御方法は、算出された経路が移動方向に関する所定条件を満たすか否かを判定することを含むことを端末装置1に実行させる。また、本発明に係る制御方法は、経路が所定条件を満たすと判定された場合、経路に従ってゲーム媒体が所定位置まで移動するように、ゲーム媒体の表示を制御することを含むことを端末装置1に実行させる。このような構成を備えることにより、本発明に係る制御プログラムは、プレイヤによるキャラクタの操作を支援することを可能とする。
【0138】
(変形例1)
上述した説明において、算出部142は、ゲーム媒体の位置からの仮想空間における距離が所定距離以下である目的位置を抽出するものとしたが、これに限られない。例えば、算出部142は、経路算出用グラフにおいて、ゲーム媒体の位置からすべての目的位置への経路と経路コストとを算出した後に、経路コストが所定値以下である目的位置を抽出してよい。また、リンクのコストとしてリンクの長さ以外の値を用いている場合、算出部142は、経路に含まれるリンクの長さの合計値が所定値以下である目的位置を抽出してよい。
【0139】
また、多角形領域は、複数の領域グループの何れかに関連付けられてよい。そして、算出部142は、ゲーム媒体の位置が含まれる多角形領域が関連付けられた領域グループに関連付けられた多角形領域に含まれる目的位置を抽出してよい。この場合、記憶部11は、領域テーブル1010において、多角形領域ごとに、領域グループを識別するための識別情報を関連付けて記憶する。そして、算出部142は、ゲーム媒体の位置を含む多角形領域を特定した後、領域テーブル1010を参照し、特定された多角形領域に関連付けられた領域グループの識別情報を取得する。続いて、算出部142は、取得した領域グループの識別情報に関連付けられた他の多角形領域の領域ID1011を取得する。続いて、算出部142は、目的位置テーブル1020を参照して、取得した領域ID1023に関連付けられた目的位置の目的位置ID1021を取得することで、目的位置を抽出する。このようにすることで、ゲーム媒体が自動的に移動できる目的位置と自動的に移動できない目的位置を柔軟に設定することが可能となる。
【0140】
(変形例2)
上述した説明では、表示制御部144は、経路に従って移動しているゲーム媒体が目的位置に到達する前に障害物オブジェクトに接触した場合、ゲーム媒体が停止するようにゲーム媒体の表示を制御するものとしたが、これに限られない。例えば、ゲーム媒体は、障害物オブジェクトに接触しないようにしてもよい。
【0141】
この場合、記憶部11は、移動可能領域から障害物オブジェクトを中心とした所定範囲の領域を除いた領域を分割した複数の多角形領域を記憶する。これにより、経路に従って移動しているゲーム媒体は、目的位置に到達する前に障害物オブジェクトに接触しないようになる。
【0142】
また、障害物オブジェクトの種類に応じて、ゲーム媒体が障害物オブジェクトに接触するか否かが異なるように設定されてもよい。例えば、障害物オブジェクトには、ゲーム媒体と接触することで対戦ゲームが開始される敵ゲーム媒体と、ゲーム媒体と接触することでイベントが開始されるNPC(ノンプレイヤキャラクタ)とが含まれてよい。そして、記憶部11は、移動可能領域からNPCである障害物オブジェクトを中心とした所定範囲の領域を除いた領域を分割した複数の多角形領域を記憶する。これにより、経路に従って移動しているゲーム媒体は、目的位置に到達する前にNPCである障害物オブジェクトに接触せず、敵ゲーム媒体である障害物オブジェクトには接触し得るようになる。そして、プレイヤは、移動指示を入力することによって、NPCとのイベントを省略しつつ敵ゲーム媒体との対戦ゲームを楽しむことができる。また、経路に従って移動しているゲーム媒体は、敵ゲーム媒体である障害物オブジェクトに接触せず、NPCである障害物オブジェクトには接触し得るように設定されてもよい。これにより、プレイヤは、対戦ゲームを省略しつつNPCとのイベントを楽しむことができる。
【0143】
(変形例3)
上述した説明では、経路を構成する要素経路のうち、ゲーム媒体の位置と接続する要素経路である第1要素経路の方向と移動指示に含まれる移動方向とがなす角の大きさが所定角度以下であるときに経路が所定条件を満たすと判定したが、これに限られない。所定条件を満たすか否かは、第1要素経路と、プレイヤが入力した移動指示との乖離度が所定値以下であるか否かによって判定されてもよい。
【0144】
この場合、端末装置1の取得部141は、操作位置と移動方向とに代わり、取得した一連の入力位置を含む移動指示を取得する。端末装置1の判定部143は、第1要素経路を表す線分と、取得した一連の入力位置のそれぞれの座標との距離を算出する。続いて、判定部143は、算出されたそれぞれの距離を平均することで、乖離度を算出する。続いて、判定部143は、乖離度が所定値以下であるか否かを判定することによって、経路が所定条件を満たすか否かを判定する。これにより、ゲーム媒体は、プレイヤが入力した移動指示に含まれる入力位置に沿って最初に移動するようになるため、プレイヤにとってより直感的な操作が実現する。
【0145】
なお、乖離度は上述の方法に限らず、任意の方法で算出されてよい。例えば、乖離度は、第1要素経路を表す線分と、取得した一連の入力位置のそれぞれの座標との距離の合計値であってもよい。また、判定部143は、ゲーム媒体の位置と接続する要素経路を表す線分と、取得した一連の入力位置のそれぞれの座標との距離のうち、値が小さい又は大きい所定数の距離を抽出し、それらの平均値又は合計値を乖離度としてもよい。
【0146】
また、所定条件を満たすか否かは、第1要素経路と、プレイヤが入力した移動指示との一致度が所定値以上であるか否かによって判定されてもよい。一致度は、例えば、第1要素経路に対応するベクトルとプレイヤが入力した移動指示に対応するベクトルとの内積であってよい。第1要素経路に対応するベクトルは、例えば、第1要素経路の2つの端点のうち、ゲーム媒体の位置である一方の端点を始点とし、他方の端点を終点とするベクトルである。プレイヤが入力した移動指示に対応するベクトルは、例えば、移動指示に含まれる入力位置のうち最後に取得された入力位置を終点とし、その直前に取得された入力位置を始点とするベクトルである。移動指示に対応するベクトルは、他の入力位置に基づいて定められるベクトルであってもよい。
【0147】
また、判定部143は、算出された経路のうち、経路を構成する第1要素経路と移動指示との乖離度が最も小さい経路、又は、経路を構成する第1要素経路と移動指示との一致度が最も大きい経路のみを所定条件を満たす経路と判定してもよい。
【0148】
(変形例4)
上述した説明では、移動指示に含まれる移動方向は、最後に取得した入力位置の、その直前に取得した入力位置に対する方向としたが、これに限られない。例えば、移動方向は、最後に取得した入力位置の、最初に取得した入力位置に対する方向であってもよい。また、移動方向は、取得した一連の入力位置に基づいて算出された直線の方向であってもよい。この場合、算出される直線は、例えば、取得した一連の入力位置の座標との距離(又は、距離の二乗など、距離に基づく値)の合計値が最小となる直線であってよい。
【0149】
これにより、プレイヤが操作部12に対する接触を終了する直前に操作を誤った場合であっても、プレイヤの意図しない方向にゲーム媒体が移動する可能性を低下させ、プレイヤの意に沿った操作を実現する。
【0150】
(変形例5)
上述した説明では、複数の経路が移動方向に関する所定条件を満たすと判定された場合、表示制御部144は、経路コストが最も小さい経路に従ってゲーム媒体が移動するようにゲーム媒体の表示を制御したが、これに限られない。例えば、経路を構成する第1要素経路と移動方向とがなす角の大きさが所定角度以下である経路が複数存在する場合、表示制御部144は、角の大きさが最も小さい経路に従ってゲーム媒体が移動するようにゲーム媒体の表示を制御してよい。
【0151】
このようにすることで、ゲーム媒体は、移動指示に含まれる移動方向との差が最も小さくなるような経路に従って移動することとなるため、プレイヤにとってより直感的な操作が実現する。
【0152】
(変形例6)
また、判定部143は、経路を構成する第1要素経路の方向と移動指示に含まれる移動方向とがなす角の大きさが所定角度以下であるか否かを判定する際、経路ごとに異なる所定角度を定めてもよい。例えば、判定部143は、経路コストが大きいほど、所定角度が大きくなるように所定角度を定めてもよい。また、判定部143は、ゲーム媒体の位置と経路によって到達する目的位置との仮想空間内における距離が大きいほど、所定角度が大きくなるように所定角度を定めてもよい。また、判定部143は、第1要素経路の長さが長いほど、所定角度が大きくなるように所定角度を定めてもよい。
【0153】
プレイヤが遠方の目的位置にゲーム媒体を移動させようとする場合、プレイヤにとって最短経路を予測するのが困難となるため、移動指示に含まれる移動方向と第1要素経路の方向とが異なりやすい。上述したように判定部143を構成することで、遠方の目的位置にゲーム媒体を移動させる場合であっても、第1要素経路と移動方向とがなす角の大きさが所定角度以下となりやすくなるため、プレイヤは容易に遠方の目的位置にゲーム媒体を移動させることが可能となる。
【0154】
(変形例7)
なお、本発明は、端末装置とサーバ装置との協働によって提供されてもよい。この場合、端末装置1は、通信部を備え、サーバ装置と通信可能に接続される。そして、端末装置1における機能の一部は、サーバ装置によって提供される。例えば、端末装置1の処理部14は、プレイヤによる移動指示に対応する信号を取得し、通信部を介してサーバ装置に送信する。そして、サーバ装置は、受信した移動指示に応じてゲーム媒体が移動するように表示する表示データを生成し、端末装置1に送信する。そして、端末装置1の処理部14は、表示部13を制御して、受信した表示データに基づいてゲーム媒体が移動するように表示する。このようにすることで、端末装置1の処理能力によらず、本発明に係るゲームを提供することができる。
【0155】
当業者は、本発明の精神および範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。例えば、本発明の精神および範囲において、上述した各部の機能は、適宜に結合又は分割されてよい。また、上述した各部の処理は、異なる順序で行われてもよい。また、上述した実施形態及び変形例は、適宜に組み合わせて実施されてもよい。