(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】ストリーム配信のためのシステム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 21/258 20110101AFI20240226BHJP
【FI】
H04N21/258
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023154207
(22)【出願日】2023-09-21
【審査請求日】2023-11-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517287224
【氏名又は名称】17LIVE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100199277
【氏名又は名称】西守 有人
(72)【発明者】
【氏名】李懿芸
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-188505(JP,A)
【文献】特許第7284910(JP,B1)
【文献】特許第7295322(JP,B1)
【文献】特許第7313643(JP,B1)
【文献】特許第7345812(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 -21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバによって実行されるストリーム配信方法であって、
配信者と視聴者の間に関連付けられた第1のパラメータを第1の閾値と比較する工程と、
前記配信者と前記視聴者の間に関連付けられた第2のパラメータを第2の閾値と比較する工程と、
上述の比較結果に基づいて、前記配信者により行われるライブストリームを視聴する資格が前記視聴者にあるか否かを判定する工程と、
を含むことを特徴とする、ストリーム配信方法。
【請求項2】
さらに、
前記第1のパラメータが前記第1の閾値より大きいと判定する工程と、
前記第2のパラメータが前記第2の閾値より小さいと判定する工程と、
前記視聴者が前記配信者により行われる前記ライブストリームを視聴する資格があると判定する工程と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のストリーム配信方法。
【請求項3】
さらに、
前記第1のパラメータが前記第1の閾値より大きいと判定する工程と、
前記第2のパラメータが前記第2の閾値より大きいと判定する工程と、
前記視聴者が前記配信者により行われる前記ライブストリームを視聴する資格がないと判定する工程と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のストリーム配信方法。
【請求項4】
さらに、前記配信者により行われる前記ライブストリームの開始について、前記視聴者に通知する工程を含む、ことを特徴とする、請求項2に記載のストリーム配信方法。
【請求項5】
さらに、前記配信者により行われる前記ライブストリームの開始について、前記視聴者が通知を受け取ることを阻止する工程を含む、ことを特徴とする、請求項3に記載のストリーム配信方法。
【請求項6】
前記第1のパラメータが、前記配信者のストリーミングを前記視聴者が視聴した回数である、ことを特徴とする、請求項1に記載のストリーム配信方法。
【請求項7】
さらに、
前記配信者から前記ライブストリームの望ましい視聴者数を取得する工程と、
前記望ましい視聴者数に基づいて、前記第1の閾値と前記第2の閾値を調整する工程と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のストリーム配信方法。
【請求項8】
さらに、
前記配信者の過去の配信における前記視聴者と別の視聴者の間の同時参加時間に基づいて、前記配信者と前記視聴者の間に関連付けられた信頼スコアを計算する工程と、
前記信頼スコアが第3の閾値未満であると判定する工程と、
を含み、前記別の視聴者が、前記配信者に関して、アクティブであると判定されている、ことを特徴とする、請求項2に記載のストリーム配信方法。
【請求項9】
ストリーム配信のためのシステムであって、1以上のプロセッサを備え、前記1以上のプロセッサが機械可読命令を実行して、
配信者と視聴者の間に関連付けられた第1のパラメータを第1の閾値と比較する工程と、
前記配信者と前記視聴者の間に関連付けられた第2のパラメータを第2の閾値と比較する工程と、
上述の比較結果に基づいて、前記配信者により行われるライブストリームを視聴する資格が前記視聴者にあるか否かを判定する工程と、
を実行することを特徴とする、ストリーム配信のためのシステム。
【請求項10】
ストリーム配信のためのプログラムを含む非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記プログラムが、1以上のコンピュータに、
配信者と視聴者の間に関連付けられた第1のパラメータを第1の閾値と比較する工程と、
前記配信者と前記視聴者の間に関連付けられた第2のパラメータを第2の閾値と比較する工程と、
上述の比較結果に基づいて、前記配信者により行われるライブストリームを視聴する資格が前記視聴者にあるか否かを判定する工程と、
を実行させることを特徴とする、
非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリーム配信に関し、特に、ライブストリーミング配信に関する。
【背景技術】
【0002】
ライブストリーミングサービスに代表されるように、インターネット上におけるリアルタイムの交流が日常生活に浸透している。さまざまなプラットフォームやプロバイダーがライブストリーミングサービスを提供しており、競争も激しい。プラットフォームにとって、ユーザが望むサービスを提供することが重要である。
【0003】
引用文献1は、インターネット上でリアルタイムの交流グループを能動的に構築する方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】台湾特許出願公開第107105371号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ストリーム配信のためのシステム及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様による方法は、1以上のコンピュータにより実行されるストリーム配信の方法であって、配信者と視聴者の間に関連付けられた第1のパラメータを第1の閾値と比較する工程と、当該配信者と当該視聴者の間に関連付けられた第2のパラメータを第2の閾値と比較する工程と、上述の比較の結果に基づき、当該視聴者が当該配信者により行われるライブストリームを視聴する資格があるか否かを判定する工程と、を含む。
【0007】
本発明の一実施態様によるシステムは、1以上のプロセッサを含むストリーム配信のためのシステムであって、当該1以上のコンピュータプロセッサが、機械可読命令を実行して、配信者と視聴者の間に関連付けられた第1のパラメータを第1の閾値と比較する工程と、当該配信者と当該視聴者の間に関連付けられた第2のパラメータを第2の閾値と比較する工程と、上述の比較の結果に基づき、当該視聴者が当該配信者により行われるライブストリームを視聴する資格があるか否かを判定する工程と、を実行する。
【0008】
ストリーム配信のためのプログラムを含む非一時的なコンピュータ可読媒体であって、当該プログラムが、1以上のコンピュータに、配信者と視聴者の間に関連付けられた第1のパラメータを第1の閾値と比較する工程と、当該配信者と当該視聴者の間に関連付けられた第2のパラメータを第2の閾値と比較する工程と、上述の比較の結果に基づき、当該視聴者が当該配信者により行われるライブストリームを視聴する資格があるか否かを判定する工程と、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一部の実施態様に基づくライブストリーミングシステム1の構成を示す概略図である。
【
図2】本発明の一部の実施態様に基づく、
図1のユーザ端末30の機能と構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一部の実施態様に基づく、
図1のサーバの機能と構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3のストリームDB310の例示的データ構造を示す表である。
【
図5】
図3のユーザDB312の例示的データ構造を示す表である。
【
図6】
図3の贈り物DB314の例示的データ構造を示す表である。
【
図7】本発明の一部の実施態様に基づく、
図1の当該サーバ10の機能と構成を示すブロック図である。
【
図8】インタラクションパラメータDB330の例示的データ構造を示す表である。
【
図9】適格視聴者DB332の例示的データ構造を示す表である。
【
図10】本発明の一部の実施態様に基づく例示的なフローである。
【
図11】本発明の一部の実施態様に基づく配信者側の例示的なユーザインターフェイスの概略図である。
【
図12】本発明の一部の実施態様に基づく視聴者側の例示的なレコメンデーションページの概略図である。
【
図13】信頼スコアDB334の例示的データ構造を示す表である。
【
図14】本発明の一部の実施態様に基づく情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各図面に示す同一または類似の構成要素、部材、手順または信号には、すべての図面において同様の符号を付し、それによって重複する説明は適宜省略される。また、各図面の説明において重要でない一部部材は省略される。
【0011】
ストリーミングプラットフォームの配信者(またはストリーマー)は、より高い報酬を得るために、視聴者と良好な交流を保ちたいと考える。配信者は、できるだけ多くの視聴者と交流し、すべての視聴者に楽しんでもらい、交流に参加してもらいたいと考えるかもしれない。しかしながら、めったに交流しない控え目な(またはアクティブでない)視聴者は、頻繁に交流する積極的な(またはアクティブな)視聴者から悪影響を受ける可能性がある。例えば、他の積極的な視聴者がコメントし続けると、控え目な視聴者はストリーミングルームでどのように、あるいはいつコメントしたらいいかがわからなくなる可能性がある。そのため、控え目な視聴者の交流を促進するための方法またはシステムが望まれる。
【0012】
図1は、本発明の一部の実施態様に基づくライブストリーミングシステム1の構成を示す概略図である。当該ライブストリーミングシステム1は、ストリーミングのストリーマー(ライバー、アンカー、配信者、ライブストリーマーとも呼ばれる)LVと視聴者(オーディエンスとも呼ばれる)AU(AU1、AU2...)に、リアルタイムで交流または通信するためのライブストリーミングサービスを提供する。
図1に示すように、当該ライブストリーミングシステム1は、サーバ10と、ユーザ端末20と、ユーザ端末30(30a、30b...)を含む。一部の実施態様において、当該ストリーマーと視聴者は、集合的にユーザと呼ばれてもよい。当該サーバ10は、ネットワークNWに接続された、1以上の情報処理装置を含むことができる。当該ユーザ端末20、30は、例えば、スマートフォン、タブレット、ノートPC、レコーダー、携帯ゲーム機、ウェアラブル端末などのモバイル端末装置、あるいはデスクトップPCなどの据え置き型装置であってもよい。当該サーバ10、当該ユーザ端末20及び当該ユーザ端末30は、各種有線または無線ネットワークNWを介して相互に通信可能に接続される。
【0013】
当該ライブストリーミングシステム1には、配信者LV、視聴者AU、及び当該サーバ10を管理する管理者(またはアプリプロバイダー、図示せず)が参加する。当該配信者LVは、自身のユーザ端末20でコンテンツを記録し、当該サーバ10に直接または間接的にアップロードすることにより、リアルタイムで当該コンテンツを配信する者である。当該コンテンツの例としては、当該配信者自身の歌、トーク、パフォーマンス、ゲームプレイ、その他あらゆるコンテンツであってもよい。当該管理者は、当該サーバ10上で当該コンテンツをライブストリーミングするためのプラットフォームを提供するとともに、当該配信者LVと当該視聴者AU間のリアルタイムの交流を仲介または管理する。当該視聴者AUは、自分のユーザ端末30で当該プラットフォームにアクセスし、所望のコンテンツを選択して視聴する。当該視聴者AUは、選択したコンテンツのライブストリーミング中に、当該ユーザ端末30を介してコメントや応援、贈り物の送信などの操作を実行する。当該コンテンツを配信している当該配信者LVは、それらのコメント、応援、または贈り物に対して応答してもよい。当該応答が、映像および(または)音声で当該視聴者AUに送信され、双方向のコミュニケーションが確立される。
【0014】
「ライブストリーミング」という用語は、当該配信者LVのユーザ端末20で記録したコンテンツを、当該視聴者AUのユーザ端末30で実質的にリアルタイムに再生・視聴することを可能にするデータ伝送モードを指しても、そのような伝送モードにより実現されるライブブロードキャストを指してもよい。当該ライブストリーミングは、HTTPライブストリーミング、CMAF(Common Media Application Format)、WebRTC(Web Real-Time Communications)、RTMP(Real―Time Messaging Protocol)、RTMP(Real―Time Messaging Protocolなどの既存のライブストリーミング技術を利用して実現されてもよい。ライブストリーミングには、当該配信者LVによるコンテンツの記録と同時に、当該視聴者AUが所定の遅延をもって当該コンテンツを視聴でき伝送モードを含む。当該遅延の長さについては、当該配信者LVと当該視聴者AUの交流が成立可能な程度の遅延であってもよい。なお、当該ライブストリーミングは、当該コンテンツの全記録データを一度当該サーバに格納し、その後ユーザの要求に応じて当該サーバから当該ユーザに提供する、いわゆるオンデマンド配信と区別される。
【0015】
ここでいう「映像データ」とは、当該ユーザ端末20または30の撮像機能を用いて生成された画像データ(映像データとも呼ばれる)と、当該ユーザ端末20または30の音声入力機能を用いて生成された音声データとを含むデータを指す。当該映像データは、当該ユーザがコンテンツを視聴できるように、当該ユーザ端末20、30で再生される。一部の実施態様において、当該配信者のユーザ端末における映像データの生成と当該視聴者のユーザ端末における映像データの再生との間に、当該映像データに対して圧縮、展開、符号化、復号化、トランスコーディングなど、その形式、サイズ、またはデータの仕様を変更する処理が行われると想定される。しかし、そのような処理の前後で、当該映像データが表す当該コンテンツ(例えば、映像や音声)は実質的に変化しないため、本明細書においては、そのような処理後の当該映像データを、そのような処理前の当該映像データと同一ものと表現している。すなわち、当該配信者のユーザ端末で映像データが生成された後、当該サーバ10を介して当該視聴者のユーザ端末で再生される場合、当該配信者のユーザ端末で生成された当該映像データ、当該サーバ10を通過する当該映像データ、および当該視聴者のユーザ端末で受信して再生される当該映像データは、いずれも同一の映像データである。
【0016】
図1に示す例において、当該配信者LVは、ライブストリーミングデータを提供する。当該配信者LVのユーザ端末20は、当該配信者LVの映像や音声を記録して当該ストリーミングデータを生成し、生成された当該データは当該ネットワークNWを介して当該サーバ10に送信される。同時に、当該ユーザ端末20は、当該配信者LVの記録された映像VDを当該ユーザ端末20のディスプレイに表示し、当該配信者LVが現在行っているライブストリーミングコンテンツを確認できるようにする。
【0017】
当該プラットフォームに当該配信者LVのライブストリーミングを視聴することを要求した当該視聴者AU1、AU2のそれぞれのユーザ端末30a、30bは、当該ネットワークNWを介して当該ライブストリーミングに関連する映像データ(以下、「ライブストリーミングの映像データ」と呼ばれてもよい)を受信し、受信した当該映像データを再生して当該映像VD1、VD2をディスプレイに表示し、スピーカーから音声を出力する。当該ユーザ端末30a、30bでそれぞれ表示される映像VD1、VD2は、当該配信者LVの当該ユーザ端末20により撮像された映像VDと実質的に同じであり、当該ユーザ端末30a、30bで出力される音声は、当該配信者LVの当該ユーザ端末20で記録された音声と実質的に同じである。
【0018】
当該配信者LVの当該ユーザ端末20での映像・音声の記録と、当該視聴者AU1、AU2の当該ユーザ端末30a、30bでの映像データの再生は、実質的に同時に行われる。当該視聴者AU1が、当該配信者LVにより提供される当該コンテンツに関するコメントを当該ユーザ端末30aに入力すると、当該サーバ10は当該コメントを配信者LVの当該ユーザ端末20にリアルタイムで表示するとともに、当該視聴者AU1とAU2の当該ユーザ端末30aと30bにも当該コメントをそれぞれ表示する。当該配信者LVが当該コメントを読み、当該コメントに対応するトークを展開すると、そのトークの映像と音声が、それぞれ当該視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bに表示される。このインタラクティブな動作は、当該配信者LVと当該視聴者AU1間で会話が成立していると認識される。これにより、当該ライブストリーミングシステム1では、一方的なコミュニケーションではなく、双方向のコミュニケーションを可能にするライブストリーミングを実現する。
【0019】
図2は、本発明の一部の実施態様に基づく、
図1のユーザ端末30の機能と構成を示すブロック図である。当該ユーザ端末20は、当該ユーザ端末30と同じまたは類似した機能と構成を有する。
図2の各ブロックと以降のブロック図は、ハードウェアがコンピュータのCPUや機械装置などの要素によって実現されてもよく、ソフトウェアがコンピュータプログラムなどによって実現されてもよい。機能ブロックは、これらの要素間の連携動作により実現されてもよい。したがって、これらの機能ブロックは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによる多様な形態で実現され得ることが、当業者には理解されよう。
【0020】
当該配信者LV及び当該視聴者AUは、当該ネットワークNWを介してダウンロードサイトからライブストリーミングアプリケーションプログラム(以下、ライブストリーミングアプリケーションという)をダウンロードし、当該ユーザ端末20、30にインストールしてもよい。あるいは、当該ライブストリーミングアプリケーションは、当該ユーザ端末20と30に予めインストールされていてもよい。当該ライブストリーミングアプリケーションが当該ユーザ端末20、30上で実行されると、当該ユーザ端末20、30は、当該ネットワークNWを介して当該サーバ10と通信し、各種機能を実装または実行する。以下、当該ライブストリーミングアプリケーションが実行されるユーザ端末20、30(CPUなどのプロセッサ)によって実装される機能を、当該ユーザ端末20、30の機能として説明する。これらの機能は、実際には、当該ユーザ端末20、30上で当該ライブストリーミングアプリケーションにより実現される。一部の実施態様において、これらの機能は、HTML(HyperText Markup Language)などのプログラミング言語で記述され、当該サーバ10から当該ネットワークNWを介して当該ユーザ端末20、30のウェブブラウザに送信され、当該ウェブブラウザにより実行されるコンピュータプログラムによって実現されてもよい。
【0021】
当該ユーザ端末30は、配信ユニット100と視聴ユニット200を含む。当該配信ユニット100は、当該ユーザ(またはユーザ側)の映像と音声が記録された映像データを生成し、当該映像データを当該サーバ10に提供する。当該視聴ユニット200は、当該サーバ10から映像データを受信し、当該映像データを再生する。当該ユーザは、ライブストリーミングを行う際に、当該配信ユニット100を起動し、当該ユーザが映像を視聴する際に、当該視聴ユニット200を起動する。当該配信ユニット100が起動される当該ユーザ端末は、当該配信者の端末、すなわち、当該映像データを生成する当該ユーザ端末である。当該視聴ユニット200が起動される当該ユーザ端末は、当該視聴者の端末、即ち、当該映像データが再現され、再生される当該ユーザ端末である。
【0022】
当該配信ユニット100は、撮像コントロールユニット102と、オーディオコントロールユニット104と、映像送信ユニット106と、配信者側UIコントロールユニット108を含む。当該撮像コントロールユニット102は、カメラ(
図2に表示せず)に接続され、当該カメラで実行される撮像を制御する。当該撮像コントロールユニット102は、当該カメラからの画像データを取得する。当該オーディオコントロールユニット104は、マイク(
図2に表示せず)に接続され、当該マイクからの音声入力を制御する。当該オーディオコントロールユニット104は、当該マイクから当該オーディオデータを取得する。当該映像送信ユニット106は、当該撮像コントロールユニット102により取得された当該画像データと、当該オーディオコントロールユニット104により取得された当該オーディオデータを含む映像データを、当該ネットワークNWを介して当該サーバ10に送信する。当該映像データは、当該映像送信ユニット106によりリアルタイムに送信される。すなわち、当該撮像コントロールユニット102と当該オーディオコントロールユニット104による当該映像データの生成と、生成された当該映像データの当該映像送信ユニット106による送信とは、実質的に同時に実行される。当該配信者側UIコントロールユニット108は、当該配信者のUI(ユーザインターフェイス)をコントロールする。当該配信者側UIコントロールユニット108は、ディスプレイ(
図2に表示せず)に接続されてもよく、当該映像送信ユニット106により送信される当該映像データを再生することにより、当該ディスプレイに映像を表示する。当該配信者側UIコントロールユニット108は、操作オブジェクトや指示許諾オブジェクトを当該ディスプレイに表示し、当該オブジェクトをタップした当該配信者からの入力を受け付けてもよい。
【0023】
当該視聴ユニット200は、視聴者側UIコントロールユニット202と、重ね合わせ情報生成ユニット204と、入力情報送信ユニット206を含む。当該視聴ユニット200は、当該ネットワークNWを介して当該サーバ10から、当該配信者、当該ユーザ端末30のユーザである視聴者、及び他の視聴者が参加する、ライブストリーミングに関連する映像データを受信する。当該視聴者側UIコントロールユニット202は、当該視聴者のUIを制御する。当該視聴者側UIコントロールユニット202は、ディスプレイとスピーカー(
図2に表示せず)に接続され、受信した映像データを再生して、当該ディスプレイに映像を表示し、当該スピーカーから音声を出力する。当該映像が当該ディスプレイに出力され、当該音声が当該スピーカーから出力されている状態を「映像データが再生されている」状態と呼ぶことができる。当該視聴者側UIコントロールユニット202は、タッチパネル、キーボード、ディスプレイ等の入力手段(
図2に表示せず)にも接続され、当該入力手段を介してユーザの入力を取得する。当該重ね合わせ情報生成ユニット204は、当該サーバ10からの映像データから生成された画像上に、所定のフレーム画像を重ねる。当該フレーム画像には、当該ユーザからの入力を受け付けるためのさまざまなユーザインターフェイスオブジェクト(以下、単に「オブジェクト」という)、当該視聴者により入力されたコメント、及び(または)当該サーバ10から取得した情報などが含まれる。当該入力情報送信ユニット206は、当該ネットワークNWを介して、当該視聴者側UIコントロールユニット202により取得された当該ユーザ入力を当該サーバ10に送信する。
【0024】
図3に、本発明の一部の実施態様に基づく、
図1の当該サーバ10の機能と構成を示すブロック図を示す。当該サーバ10は、配信情報提供ユニット302と、中継ユニット304と、贈り物処理ユニット306と、支払い処理ユニット308と、ストリームDB310と、ユーザDB312と、贈り物DB314を含む。
【0025】
当該配信者側の当該ユーザ端末20から当該ネットワークNWを介してライブストリーミングの開始通知または要求を受信すると、当該配信情報提供ユニット302は、このライブストリーミングを識別するためのストリームIDと当該ライブストリーミングを行う配信者の配信者IDをストリームDB310に登録する。
【0026】
当該配信情報提供ユニット302が、当該ネットワークNWを介して当該視聴者側の当該ユーザ端末30の当該視聴ユニット200からライブストリームに関する情報の提供要求を受信すると、当該配信情報提供ユニット302は、当該ストリームDB310から現在利用可能なライブストリームを取得または確認し、利用可能なライブストリームのリストを作成する。当該配信情報提供ユニット302は、作成したリストを当該ネットワークNW経由で要求元の当該ユーザ端末30に送信する。要求元の当該ユーザ端末30の当該視聴者側UIコントロールユニット202は、受信したリストに基づいてライブストリーム選択画面を生成し、当該ユーザ端末30のディスプレイ上に表示する。
【0027】
当該ユーザ端末30の当該入力情報送信ユニット206が、当該ライブストリーム選択画面上で当該視聴者の選択結果を受信すると、当該入力情報送信ユニット206は、選択されたライブストリームのストリームIDを含む配信要求を生成し、当該ネットワークNWを介して当該サーバ10に当該要求を送信する。当該配信情報提供ユニット302は、要求元の当該ユーザ端末30に対して、受信した当該配信要求に含まれる当該ストリームIDで指定されるライブストリームの提供を開始する。当該配信情報提供ユニット302は、当該ストリームIDの(または対応する)視聴者IDに、要求元の当該ユーザ端末30の当該視聴者のユーザIDを含めるように当該ストリームDB310を更新する。
【0028】
当該中継ユニット304は、当該配信情報提供ユニット302により開始された当該ライブストリーミングにおいて、配信者側の当該ユーザ端末20から視聴者側の当該ユーザ端末30に当該映像データを中継する。当該中継ユニット304は、当該ライブストリーミング中または当該映像データの再生中に、当該入力情報送信ユニット206から視聴者によるユーザ入力を表す信号を受信する。当該ユーザ入力を表す信号は、当該ユーザ端末30のディスプレイに表示されたオブジェクトを指定するオブジェクト指定信号であってもよい。当該オブジェクト指定信号は、当該視聴者の視聴者ID、当該視聴者が視聴しているライブストリームの配信者の配信者ID、及び当該オブジェクトを特定するオブジェクトIDを含んでもよい。当該オブジェクトが贈り物であるとき、当該オブジェクトIDは贈り物IDである。同様に、当該中継ユニット304は、当該ユーザ端末20の当該配信ユニット100から、当該映像データの再生中(またはライブストリーミング中)に配信者により行われたユーザ入力を表す信号を受信する。当該信号は、オブジェクト指定信号であってもよい。
【0029】
また、当該ユーザ入力を表す信号は、視聴者が当該ユーザ端末30に入力したコメントと当該視聴者の視聴者IDを含むコメント入力信号であってもよい。当該コメント入力信号を受信すると、当該中継ユニット304は、当該コメントと信号に含まれる当該視聴者IDを、当該配信者の当該ユーザ端末20と他の視聴者の当該ユーザ端末30に送信する。これらユーザ端末20、30において、当該視聴者側UIコントロールユニット202と、当該重ね合わせ情報生成ユニット204は、同じく受信した当該視聴者IDと関連付けられたディスプレイ上に受信したコメントを表示する。
【0030】
当該贈り物処理ユニット306は、当該オブジェクト指定信号に含まれる贈り物IDによって特定される贈り物のポイントに基づき、当該配信者のポイントを増加させ、当該ユーザDB312を更新する。具体的には、当該贈り物処理ユニット306は、当該贈り物DB314を参照して、受信した当該オブジェクト指定信号に含まれる当該贈り物IDに対して付与するポイントを特定する。その後、当該贈り物処理ユニット306は、当該ユーザDB312を更新し、当該オブジェクト指定信号に含まれる当該配信者IDの(または当該配信者IDに対応する)ポイントに、特定されたポイントを追加する。
【0031】
当該支払い処理ユニット308は、当該オブジェクト指定信号の受信に応答して、視聴者からの贈り物の代金の支払いを処理する。具体的には、当該支払い処理ユニット308は、当該贈り物DB314を参照して、当該オブジェクト指定信号に含まれる当該贈り物IDにより特定される当該贈り物の価格ポイントを特定する。その後、当該支払い処理ユニット308は、当該ユーザDB312を更新し、当該オブジェクト指定信号に含まれる当該視聴者IDにより特定される当該視聴者のポイントから、特定された当該価格ポイントを差し引く。
【0032】
図4は、
図3のストリームDB310の例示的データ構造を示す表である。当該ストリームDB310は、現在行われているライブストリームに関する情報を保持する。当該ストリームDB310は、ストリームID、配信者ID、視聴者IDを、相互に関連付けて格納する。当該ストリームIDは、当該ライブストリーミングシステム1により提供されるライブストリーミングプラットフォームにおけるライブストリームを識別するためのIDである。当該配信者IDは、当該ライブストリームを提供する配信者を識別するためのユーザIDである。当該視聴者IDは、当該ライブストリームの視聴者を識別するためのユーザIDである。一部の実施態様による当該ライブストリーミングシステム1により提供されるライブストリーミングプラットフォームにおいて、ユーザがライブストリームを開始すると、当該ユーザは配信者となり、同じユーザが別のユーザによりブロードキャストされるライブストリームを視聴すると、当該ユーザは視聴者にもなる。したがって、配信者と視聴者の区別は固定されておらず、あるとき配信者IDとして登録されたユーザIDが、別のときに視聴者IDとして登録されることもあり得る。
【0033】
図5は、
図3のユーザDB312の例示的データ構造を示す表である。当該ユーザDB312は、ユーザに関する情報を保持する。当該ユーザDB312は、当該ユーザIDと当該ポイントを、相互に関連付けて格納する。当該ユーザIDは、ユーザを識別する。当該ポイントは、対応する当該ユーザが保持するポイントに相当する。当該ポイントは、当該ライブストリーミングプラットフォーム内で流通する電子的な価値である。一部の実施態様において、配信者がライブ配信中に視聴者から贈り物を受け取ると、当該配信者のポイントは当該贈り物に対応する価値だけ増加する。当該ポイントは、例えば、当該配信者が当該ライブストリーミングプラットフォームの管理者から受け取る報酬(金銭など)の量を決定するために使用される。一部の実施態様において、当該配信者が視聴者から贈り物を受け取る際に、当該ポイントに代えて、当該贈り物に対応する金額を付与してもよい。
【0034】
図6は、
図3の贈り物DB314の例示的データ構造を示す表である。当該贈り物DB314は、当該ライブストリーミング中に当該視聴者が利用できる贈り物についての情報を保持する。贈り物は、電子データである。贈り物は、ポイントまたは金銭で購入するか、無償で提供することができてもよい。贈り物は、視聴者が配信者に贈ることができる。配信者に贈り物を贈ることは、贈り物を使う、贈り物を送る、贈り物を投げるなどとも呼ばれる。贈り物の中には、購入と同時に使用できるものと、購入後、購入した視聴者が後から任意のタイミングで使用できるものとがある。視聴者が配信者に贈り物を贈ると、当該贈り物に対応する量のポイントが当該配信者に付与される。贈り物が使用されると、その使用によって当該贈り物に関連するエフェクトが発生してもよい。例えば、ライブストリーミング画面に当該贈り物に対応したエフェクト(視覚的効果や聴覚的効果など)が表示される。
【0035】
当該贈り物DB314は、贈り物ID、付与ポイント、価格ポイントを、相互に関連付けて格納する。当該贈り物IDは、贈り物を識別するためのものである。当該付与ポイントは、配信者に贈り物が贈られたときに当該配信者に付与されるポイントの量である。当該価格ポイントは、贈り物の使用(購入)に対して支払われるポイントの量である。視聴者は、ライブストリームを視聴しているときに、所望の贈り物の当該価格ポイントを支払うことで、配信者に当該所望の贈り物を贈ることができる。当該価格ポイントの支払いは、適宜の電子決済手段により行うことができる。例えば、視聴者が管理者に当該価格ポイントを支払うことにより、支払いが行われてもよい。あるいは、銀行振り込みやクレジットカードによる支払いが利用されてもよい。当該管理者は、当該付与ポイントと当該価格ポイントとの関係を任意に設定することができる。例えば、付与ポイント=価格ポイントとして設定してもよい。あるいは、当該付与ポイントに1.2などの所定の係数を乗じたポイントを当該価格ポイントとして設定しても、当該付与ポイントに所定の手数料ポイントを加算したポイントを当該価格ポイントとして設定してもよい。
【0036】
図7に、
図3の本発明の一部の実施態様に基づく当該配信情報提供ユニット302の機能と構成を示すブロック図を示す。一部の実施態様において、当該配信情報提供ユニット302は、ライブストリーマーの視聴者を積極的な視聴者と控え目な視聴者に区分し、当該積極的な視聴者が当該ライブストリーマーのライブストリームを見つけられないようにすることで、当該イブストリーマーの当該ライブストリームにおける当該積極的な視聴者の参加を抑制するように構成される。当該配信情報提供ユニット302は、比較ユニット320と、判定ユニット322と、通知ユニット324と、インタラクションパラメータDB330と、適格視聴者DB332と、信頼スコアDB334と、機械学習モデル370と、を含む。当該機械学習モデル370は、1つ以上の機械学習アルゴリズムを含む。一部の実施態様において、当該機械学習モデル370は、当該配信情報提供ユニット302または当該サーバ10の外部に実装されてもよい。
【0037】
図8は、インタラクションパラメータDB330の例示的データ構造を示す表である。当該インタラクションパラメータDB330は、当該配信者ID、当該視聴者ID、当該インタラクションパラメータ、それぞれの閾値、当該適格視聴者数を、互いに関連付けて格納する。
【0038】
当該インタラクションパラメータは、視聴回数、コメント数、贈り物の数、贈り物の金額(または贈り物の総額)、フォロー値などのパラメータを含む。各インタラクションパラメータは、視聴者と配信者の間に関連付けられる。パラメータの値は、過去に蓄積された値であってもよい。例えば、当該視聴回数は、過去の視聴回数であってもよい。例えば、視聴者V1は、配信者D1のストリーミングを合計3回視聴している(当該ストリーミングは1つのストリームIDまたは異なるストリームIDに関連付けられてもよい)。視聴者V1は、配信者D1のストリーミングにおいて(配信者D1による1回のストリームで、または複数回のストリームで)合計20回コメントしている。
【0039】
「フォロー値」とは、当該視聴者が当該配信者をフォローしたか否かを示す。値「0」は、当該視聴者がまだ当該配信者のフォロワーではないことを示す。値「1」は、当該視聴者がすでに当該配信者のフォロワーであることを示す。
【0040】
インタラクションパラメータの当該閾値(または基準値)は、そのインタラクションパラメータに関して控え目な視聴者または積極的な視聴者を判定するために使用される。例えば、TH2が25に設定されている場合、コメント面において、(コメント数20の)視聴者V1は、配信者D1の控え目な視聴者とみなされ、(コメント数35の)視聴者V2は、配信者D1の積極的な視聴者とみなされる。例えば、TH5が0.5に設定されている場合、「フォロー」面において、(フォロー値1の)視聴者V1は、配信者D1の積極的な視聴者とみなされ、(フォロー値0の)視聴者V3は、配信者D1の控え目な視聴者とみなされる。各インタラクションパラメータの当該閾値は、実際の用途やストリーミングプラットフォーム運営者の望ましい重点項目に応じて設定されてもよい。
【0041】
当該適格視聴者数EVNは、配信者D1による新しいライブストリームを視聴する(またはそれについての通知を受信する)資格がある視聴者の数である。一部の実施態様において、当該適格視聴者は、「視聴回数がTH1以上」かつ「他のインタラクションパラメータにおいて控え目」の視聴者である。一部の実施態様において、当該適格視聴者は、「視聴回数がTH1以上」かつ「少なくとも1つの他のインタラクションパラメータにおいて控え目」の視聴者である。一部の実施態様において、「視聴回数がTH1以上」とは、当該視聴者が当該配信者に関心がある(または交流を望んでいる可能性がある)ことを示す。しかし、その視聴者は、他に積極的な視聴者もいる標準モードのストリームルームでどのように、あるいはいつ交流したらいいかがわからない可能性がある。
【0042】
図9は、適格視聴者DB332の例示的データ構造を示す表である。当該適格視聴者DB332は、当該配信者IDと当該適格視聴者IDを、互いに関連付けて格納する。当該適格視聴者は、当該インタラクションパラメータDB330内の当該インタラクションパラメータと当該閾値に基づいて特定される。この特定は、当該比較ユニット320及び(または)当該判定ユニット322により実行されてもよい。各配信者の当該適格視聴者数は、例えば、当該判定ユニット322により、当該インタラクションパラメータDB330に格納されてもよい。
【0043】
当該比較ユニット320は、インタラクションパラメータを対応する閾値と比較するように構成される。例えば、当該比較ユニット320は、視聴者V3と配信者D1の間に関連付けられた「視聴回数」を
図8の閾値TH1と比較するように構成される。例えば、当該比較ユニット320は、視聴者V3と配信者D1の間に関連付けられた「コメント数」を
図8の閾値TH2と比較するように構成される。
【0044】
当該判定ユニット322は、上述の比較結果に基づいて、配信者により行われるライブストリームを視聴する資格が視聴者にあるか否かを判定するように構成される。例えば、
図8に示す実施態様において、(視聴者V3と配信者D1の間に関連付けられた) 「視聴回数」がTH1より多く、かつ(視聴者V3と配信者D1の間に関連付けられた) 「コメント数」が閾値TH2未満であると、当該比較ユニット320が判定したとき(または判定した後)、当該判定ユニット322は、視聴者V3が配信者D1により行われる(または行われる予定の)ライブストリームを視聴する資格があると判定してもよい。視聴者V3は、配信者D1に関心がある(視聴回数>TH1)が、配信者が他の積極的な視聴者と交流する必要があり得る標準モードのストリームルームで、どのようにあるいはいつ交流したらいいかがわからない(コメント数<TH2)可能性がある、控え目な視聴者であってもよい。
【0045】
例えば、
図8に示す実施態様において、(視聴者V2と配信者D1の間に関連付けられた) 「視聴回数」がTH1より多く、かつ(視聴者V2と配信者D1の間に関連付けられた) 「コメント数」が閾値TH2より大きいと、当該比較ユニット320が判定したとき(または判定した後)、当該判定ユニット322は、視聴者V2が配信者D1により行われる(または行われる予定の)ライブストリームを視聴する資格がないと判定してもよい。視聴者V2は、配信者D1に対して積極的な視聴者であるとみなされてもよい。
【0046】
当該通知ユニット324は、配信者により行われるライブストリームの開始について視聴者に通知するように構成される。例えば、当該通知ユニット324は、当該判定ユニット322が視聴者V3を配信者D1の適格視聴者であると判定した後、配信者D1により行われる(または行われる予定の)ライブストリームの開始について視聴者V3に通知してもよい。
【0047】
一部の実施態様において、当該通知ユニット324は、配信者により行われるライブストリームの開始について視聴者が通知を受け取ることを阻止するように構成される。例えば、当該通知ユニット324は、当該判定ユニット322が視聴者V2を配信者D1の非適格視聴者であると判定した後、配信者D1により行われる(または行われる予定の)ライブストリームの開始についての通知を視聴者V2が受け取ることを阻止してもよい。したがって、適格視聴者(または控え目な視聴者)のみがそのライブストリームについて通知を受け取り、参加することができる。配信者は、控えめな視聴者との交流に集中し、より多くの交流を控え目な視聴者に促すことができる。
【0048】
図10は、本発明の一部の実施態様に基づく例示的なフローである。
【0049】
工程S1000において、配信者D1がクロークモードでライブストリームを開始する。「クロークモード」とは、適格視聴者(または控え目な視聴者)のみが参加できる、および(または)適格視聴者(または控え目な視聴者)のみが通知を受け取ることができる配信モードである。
【0050】
工程S1002において、当該比較ユニット320は、配信者D1に関する視聴者V1の視聴回数が閾値TH1より大きいか否かを判定する。「はい」の場合、フローは工程S1006に進む。「いいえ」の場合、フローは工程S1004に進む。
【0051】
工程S1004において、当該判定ユニット322は、配信者D1のクロークモードに対して視聴者V1が適格でないと判定する。これは、視聴回数がまだ少ないため、視聴者V1が配信者D1に関心があると確定できないためである。
【0052】
工程S1006において、当該比較ユニット320は、配信者D1に関する視聴者V1のコメント数が閾値TH2未満であるか否かを判定する。「はい」の場合、フローは工程S1010に進む。「いいえ」の場合、フローは工程S1008に進む。
【0053】
工程S1008において、当該判定ユニット322は、配信者D1のクロークモードに対して視聴者V1が適格でないと判定する。これは、コメント数がTH2未満でないため、視聴者V1がすでに配信者D1のアクティブまたは積極的な視聴者である可能性があるためである。アクティブまたは積極的な視聴者は、クロークモード配信のターゲットではない。
【0054】
工程S1010において、当該判定ユニット322は、配信者D1のクロークモード配信に対して視聴者V1が適格であると判定する。
【0055】
工程S1012において、当該通知ユニット324は、配信者D1のライブストリームについて視聴者V1に通知し、視聴者V1が参加できるようにする。第三者通知サービスが利用されてもよい。
【0056】
工程S1014において、視聴者V1がクロークモードのライブストリームに参加する。
【0057】
類似の工程がすべての視聴者(配信者D1のフォロワーあるいはフォロワー以外、または一部の実施態様において、配信者D1の配信を過去X日間に視聴した視聴者であってもよい)に対して実行されてもよい。
【0058】
一部の実施態様において、配信者D1は、クロークモードの配信を開始するとき、視聴者の望ましい数(または数の範囲や最大数)を設定することができる。配信者D1は、各視聴者が交流の機会を得られるように、限られた数の控え目な視聴者に集中したいと考える可能性がある。各インタラクションパラメータの閾値は、望ましい視聴者数に基づいて、当該機械学習モデル370により調整されてもよい。例えば、当該機械学習モデル370は、すべての視聴者(またはライブストリーム開始時点のオンライン視聴者)の視聴回数とコメント数に基づいて、「視聴回数」の閾値と「コメント数」の閾値を調整し、クロークモードに対して限られた数の視聴者のみ適格と判定され得るようにしてもよい。一部の実施態様において、当該機械学習モデル370は、各視聴者の出入りに基づいて閾値をリアルタイムで調整し、クロークモードの視聴者数が配信者により設定された望ましい範囲内に保たれるようにしてもよい。この調整は、さまざまな方法で行うことができる。例えば、「視聴回数」の閾値は、配信者に関心がない視聴者を除外するために最初に固定されてもよく、その他のインタラクションパラメータの閾値は、望ましい視聴者数に基づいて調整されてもよい。
【0059】
一部の実施態様において、配信者に関して適格なクロークモード視聴者である視聴者のみが、ストリーミングプラットフォーム上のレコメンデーションページでその配信者のクロークモード配信を見ることができる。一部の実施態様において、視聴者はプラットフォーム上のレコメンデーションページで(その視聴者に関する)クロークモード配信のみを表示することを選択し、他の積極的な(またはアクティブな)視聴者を気にしなくてもいいようにすることができる。したがって、各視聴者のレコメンデーションページに表示されるクロークモード配信は異なる。
【0060】
図11に、本発明の一部の実施態様に基づく配信者側の例示的なユーザインターフェイスの概略図を示す。
【0061】
配信者D1がライブストリームを開始するとき、ストリーミングモード選択のチャットボックスがポップアップする。配信者D1は、標準モードまたはクロークモードで配信することを選択できる。配信者D1は、クロークモードで配信したい場合、望ましい視聴者数を入力することもできる。
【0062】
図12に、本発明の一部の実施態様に基づく視聴者側の例示的なレコメンデーションページの概略図を示す。
【0063】
視聴者V1は、ゲーム、歌唱、クロークモード配信など、さまざまな配信の種類を選択し、対応するお勧めのライブストリームを見ることができる。
図12に示すように、視聴者V1が「あなたのためのクローク配信」をクリックすると、視聴者V1が利用可能なクロークモードの配信(つまり、それらのクロークモード配信に対して視聴者V1が適格視聴者であることを意味する)が表示される。
【0064】
図13は、信頼スコアDB334の例示的データ構造を示す表である。当該信頼スコアDB334は、当該配信者ID、当該控え目な視聴者ID、当該積極的な視聴者との同時参加率、信頼スコアを、互いに関連付けて格納する。
【0065】
当該控え目な視聴者は、対応する配信者に関して、控え目な視聴者として特定された当該視聴者である。例えば、配信者D1に関して、視聴者V1、V5、V7のコメント数は、コメント数の閾値より少ない。
【0066】
「積極的な視聴者との同時参加率」(または略して「同時参加率」)は、当該視聴者が当該配信者のストリーミングにおいて、他の積極的な視聴者と共にどのくらいの時間を費やしているかを示す。積極的な視聴者との同時参加率は、[当該配信者に関して、他の積極的な視聴者も存在するときに、視聴者が当該配信者のストリーミングにおいて費やした時間]を[当該配信者のストリーミングにおいて当該視聴者が費やした合計時間]で割ったものとしてもよい。一部の実施態様において、当該同時参加率が高いほど、他の積極的な視聴者による悪影響により、当該視聴者が控え目な視聴者であることの信頼度が高まる。
【0067】
当該同時参加率に基づいて、当該信頼スコアが決定される。当該信頼スコアは、当該同時参加率と同じであっても、当該同時参加率に比例してもよい。当該信頼スコアは、他の積極的な視聴者からの影響によって、ある視聴者が控え目な視聴者であるとどの程度自信をもって判定されているかを示すものである。一部の実施態様において、当該信頼スコアは、クロークモード配信に視聴者数の制限があるときに、視聴者に通知を配信する際の優先順位(スコアが高いほど優先順位が高い)として機能してもよい。一部の実施態様において、当該信頼スコアが信頼スコア閾値よりも高い控え目な視聴者のみがクロークモード配信に参加することができる。一部の実施態様において、当該同時参加率と当該信頼スコアは、当該判定ユニット322により決定または計算されてもよい。
【0068】
当該配信者は、他の積極的な視聴者の悪影響のために控え目になっている当該控え目な視聴者を当該クロークモード配信に招待し、当該控え目な視聴者がより快適な環境でより多く交流できるようにしてもよい。信頼スコアが低い控え目な視聴者は、他の積極的な視聴者がいてもいなくても、その視聴者が控えめになりがちであることを示す可能性があり、したがって、クロークモード配信が交流の促進につながらない可能性がある。
【0069】
図14を参照しながら、当該情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
図14は、本発明の一部の実施態様に基づく情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図に示された情報処理装置900は、例えば、一部の実施態様における、当該サーバ10及び(または)当該ユーザ端末20、30を実現することができる。
【0070】
当該情報処理装置900は、CPU901と、ROM(リードオンリーメモリ)903と、RAM(ランダムアクセスメモリ)905を含む。また、当該情報処理装置900は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インターフェイス913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート925、通信装置929を含んでもよい。さらに、当該情報処理装置900は、カメラ(図示せず)などの撮像装置を含む。また、当該情報処理装置900は、当該CPU901に加えて、あるいは当該CPU901の代わりに、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)やASIC(特定用途向け集積回路)を含んでもよい。
【0071】
当該CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、当該ROM903、当該RAM905、当該ストレージ装置919、または当該リムーバブル記録媒体923に格納された各種プログラムに従って、当該情報処理装置900のすべてまたは一部の動作を制御する。例えば、当該CPU901は、一部の実施態様における当該サーバ10及び当該ユーザ端末20、30に含まれる各機能ユニットの動作全般を制御する。当該ROM903は、当該CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを格納する。当該RAM905は、当該CPU901の実行時に使用されるプログラムや、実行時に適宜変化するパラメータなどを格納する主記憶装置として機能する。当該CPU901、ROM903、RAM905は、ホストバス907によって相互接続され、当該ホストバス907は、CPUバスなどの内部バスであってもよい。さらに、当該ホストバス907は、ブリッジ909を介してPCI(ペリフェラルコンポーネントインターコネクト/インターフェイス)バスなどの外部バス911に接続される。
【0072】
当該入力装置915は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、レバーなどのユーザが操作する装置、あるいはマイクに代表される音センサ、加速度センサ、傾斜センサ、赤外線センサ、深度センサ、温度センサ、湿度センサなど物理量を電気信号に変換する装置であってもよい。当該入力装置915は、例えば、赤外線等の電波を利用したリモコン装置や、当該情報処理装置900の操作に対応した携帯電話等の外部接続装置927であってもよい。当該入力装置915は、当該ユーザが入力した情報または検出された物理量に基づいて入力信号を生成し、当該CPU901に出力する入力制御回路を含む。当該ユーザは、当該入力装置915を操作することにより、当該情報処理装置900に各種データを入力し、動作を指示する。
【0073】
当該出力装置917は、取得した情報を視覚的または聴覚的に当該ユーザに通知することができる装置である。当該出力装置917は、例えば、LCD、PDP、OLED等のディスプレイ、スピーカーやヘッドフォン等の音声出力装置、プリンタなどであってもよい。当該出力装置917は、当該情報処理装置900による処理結果を、テキスト、画像などの映像、または音声などのオーディオとして出力する。
【0074】
当該ストレージ装置919は、データストレージ用装置であり、当該情報処理装置900のストレージユニットの一例として構成される。当該ストレージ装置919は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)などの磁気記憶装置、半導体記憶装置、光記憶装置、または光磁気記憶装置である。このストレージ装置919は、当該CPU901が実行するプログラム、各種データ、外部から取得した各種データなどを格納する。
【0075】
当該ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体923のリーダー/ライターであり、当該情報処理装置900に内蔵または外付けされる。当該ドライブ921は、装着されたリムーバブル記録媒体923に記録された情報を読み出し、当該RAM905にそれを出力する。さらに、当該ドライブ921は、装着された当該リムーバブル記録媒体923に記録を書き込む。
【0076】
当該接続ポート925は、当該情報処理装置900に機器を直接接続するためのポートである。当該接続ポート925は、例えば、USB(ユニバーサルシリアルバス)ポート、IEEE1394ポート、またはSCSI(小型計算機システムインターフェイス)ポートなどであってもよい。さらに、当該接続ポート925は、RS-232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(高精細度マルチメディアインターフェイス)ポートなどであってもよい。当該接続ポート925に当該外部接続装置927を接続することにより、当該情報処理装置900と当該外部接続装置927との間で様々なデータのやり取りを行うことができる。
【0077】
当該通信装置929は、例えば、当該ネットワークNWに接続するための通信装置で形成された通信インターフェイスである。当該通信装置929は、例えば、有線または無線のローカルエリアネットワーク(LAN)、Bluetooth(商標)、または、無線USB(WUSB)用の通信カードであってもよい。さらに、当該通信装置929は、光通信用のルータ、ADSL(非対称デジタル加入者線)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。当該通信装置929は、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて、インターネット上や他の通信装置との間で信号等の送受信を行う。当該通信装置929に接続される当該通信ネットワークNWは、有線または無線で接続されるネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、電波通信、衛星通信などである。当該通信装置929は、通信装置としての機能を実現する。
【0078】
当該撮像装置(図示せず)は、CCD(電荷結合デバイス)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)などの撮像素子と、当該撮像素子上の被写体像の結像を制御するためのレンズなど各種部材を用いて現実空間の画像を撮像し、撮像画像を生成する装置である。当該撮像装置は、静止画を撮像しても、動画を撮像してもよい。
【0079】
以上、本実施態様に係る当該ライブストリーミングシステム1の構成及び動作について説明した。本実施態様は単なる一例であり、各構成要素や各処理の組み合わせについてさまざまな変更が可能であり、それらの変更も本発明の範囲内であることは当業者には理解されるところである。
【0080】
本発明で説明した処理及び手順は、明示的に説明したものに加えて、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせにより実現することができる。例えば、本明細書で説明した処理および手順は、その処理および手順に対応するロジックを集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、非一時的なコンピュータ可読媒体、磁気ディスクなどの媒体に実装することにより実現することができる。さらに、本明細書に記載された処理および手順は、その処理および手順に対応するコンピュータプログラムとして実現することができ、各種のコンピュータにより実行することができる。
【0081】
さらに、上記実施態様で説明したシステムまたは方法は、固体記憶装置、光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置などの非一時的なコンピュータ可読媒体に格納されたプログラムに統合されてもよい。あるいは、プログラムは、インターネットを介してサーバからダウンロードされ、プロセッサにより実行されるものとしてもよい。
【0082】
以上、本発明の技術的内容及び特徴を説明したが、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の教示及び開示から逸脱することなく、なお多くの変形及び修正を行うことができる。したがって、本発明の範囲は、既に開示された実施態様に限定されず、本発明から逸脱しない別の変形や修正を含む、特許請求の範囲に含まれる範囲である。
【符号の説明】
【0083】
1 通信システム
10 サーバ
20 ユーザ端末
30、30a、30b ユーザ端末
LV 配信者
AU1、AU2 視聴者
VD、VD1、VD2 映像
NW ネットワーク
30 ユーザ端末
100 配信ユニット
102 撮像コントロールユニット
104 オーディオコントロールユニット
106 映像送信ユニット
108 配信者側UIコントロールユニット
200 視聴ユニット
202 視聴者側UIコントロールユニット
204 重ね合わせ情報生成ユニット
206 入力情報送信ユニット
302 配信情報提供ユニット
304 中継ユニット
306 贈り物処理ユニット
308 支払い処理ユニット
310 ストリームDB
312 ユーザDB
314 贈り物DB
320 比較ユニット
322 判定ユニット
324 通知ユニット
330 インタラクションパラメータDB
332 適格視聴者DB
334 信頼スコアDB
370 機械学習モデル
900 情報処理装置
901 CPU
903 ROM
905 RAM
907 ホストバス
909 ブリッジ
911 外部バス
913 インターフェイス
915 入力装置
917 出力装置
919 ストレージ装置
921 ドライブ
923 リムーバブル記録媒体
925 接続ポート
927 外部接続装置
929 通信装置
【要約】 (修正有)
【課題】ストリーム配信のための控え目な視聴者の交流を促進するシステム及び方法を提供する
【解決手段】方法は、配信者D1と視聴者V1の間に関連付けられたインタラクションパラメータに含まれる視聴回数を閾値TH1と比較する工程S1002と、配信者D1と視聴者V1の間に関連付けられたインタラクションパラメータに含まれるコメント数を閾値TH2と比較する工程S1006と、上述の比較の結果に基づき、当該視聴者が当該配信者により行われるライブストリームを視聴する資格があるか否かを判定する工程S1004,S1008、S1010と、を含む。
【選択図】
図10