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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】プログラム、制御端末
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20240226BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
H04L12/28 500D
H04L12/28 500G
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019198440
(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2021071941
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】吉川 彩衣
【審査官】鈴木 香苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-011270(JP,A)
【文献】特開2016-163321(JP,A)
【文献】特開2018-007157(JP,A)
【文献】特開2017-199962(JP,A)
【文献】特開2004-302586(JP,A)
【文献】特開2015-019312(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御信号を生成し、前記制御信号を用いて複数の機器を制御する制御端末に通信接続されるコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記複数の機器の各々から、当該機器を識別する識別情報を取得する取得ステップと、
取得した前記複数の機器の各々の前記識別情報と、前記複数の機器の各々に対してユーザが付与した名称とを対応付ける名称情報を生成する生成ステップと、
前記複数の機器の前記識別情報が予め格納された前記制御端末に対して、生成した前記名称情報を送信する第1送信ステップと、を含み、
さらに、取得した前記複数の機器の各々の前記識別情報であって、前記複数の機器のうちの一の機器に対して送信することにより、前記複数の機器の各々の前記識別情報に基づいて、前記制御端末から送信された前記制御信号が送受信される前記複数の機器間でのネットワークの構築のために用いられる前記識別情報を、前記一の機器に対して送信する第2送信ステップを含
プログラム。
【請求項2】
制御信号を生成し、前記制御信号を用いて複数の機器を制御する制御端末に通信接続されるコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記複数の機器の各々から、当該機器を識別する識別情報を取得する取得ステップと、
取得した前記複数の機器の各々の前記識別情報と、前記複数の機器の各々に対してユーザが付与した名称とを対応付ける名称情報を生成する生成ステップと、
前記複数の機器の前記識別情報が予め格納された前記制御端末に対して、生成した前記名称情報を送信する第1送信ステップと、を含み、
さらに、前記複数の機器の各々から前記制御端末へと前記識別情報を送信させる指示情報を、前記複数の機器の各々に送信する第3送信ステップを含み、
前記指示情報に基づいて前記複数の機器の各々から送信された前記複数の機器の各々の前記識別情報が前記制御端末において格納された後に、前記制御端末に対して、前記名称情報を送信する前記第1送信ステップが実行される
プログラム
【請求項3】
前記指示情報は、前記複数の機器のうちの1以上の特定の機器と前記制御端末との通信を中継する中継器を経由して、前記1以上の特定の機器の各々から前記制御端末へと前記識別情報を送信させる中継指示を含む
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
さらに、前記複数の機器の各々に対する順番の入力を受け付ける入力ステップを含み、
受け付けた前記順番に沿って前記複数の機器の各々に前記指示情報を送信して、前記複数の機器の各々から送信される前記複数の機器の各々の前記識別情報を前記順番に対応する順に前記制御端末に格納させる
請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
制御信号を生成し、前記制御信号を用いて複数の機器を制御する制御端末に通信接続されるコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記複数の機器の各々から、当該機器を識別する識別情報を取得する取得ステップと、
取得した前記複数の機器の各々の前記識別情報と、前記複数の機器の各々に対してユーザが付与した名称とを対応付ける名称情報を生成する生成ステップと、
前記複数の機器の前記識別情報が予め格納された前記制御端末に対して、生成した前記名称情報を送信する第1送信ステップと、を含み、
前記取得ステップでは、前記複数の機器の各々との近距離無線通信によって前記識別情報を取得する
プログラム
【請求項6】
前記取得ステップでは、前記近距離無線通信が所定の通信強度以下である機器からは、前記識別情報を取得しない
請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
さらに、前記複数の機器の中から選択される1以上の機器の制御を含む生活シーンに関連付けられたシーン制御を実行するためのシーン制御情報を前記制御端末に対して送信する第4送信ステップを含む
請求項1~6のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記複数の機器は、電力の導通を制御するための建築物に設置される操作パネルである
請求項1~7のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のプログラムを実行する前記コンピュータに通信接続された前記制御端末であって、
前記複数の機器の各々の前記識別情報を格納する格納部と、
前記名称情報を受信する受信部と、
前記格納部に格納された前記複数の機器の各々の前記識別情報と、前記受信部で受信した前記名称情報とに基づき、前記複数の機器の各々に前記名称を割り当てて提示する提示部と、を備える
制御端末。
【請求項10】
前記制御端末が送信した前記制御信号は、前記複数の機器のうちの一の機器が前記コンピュータから受信した前記複数の機器の各々の前記識別情報に基づいて、前記複数の機器間で構築されたネットワークにおいて前記複数の機器間で送受信される
請求項9に記載の制御端末。
【請求項11】
前記格納部は、前記コンピュータが送信した複数の機器の各々から前記制御端末へと前記識別情報を送信させる指示情報に基づいて、前記複数の機器の各々から送信された前記複数の機器の各々の前記識別情報を格納し、
前記受信部は、前記格納部において前記複数の機器の各々の前記識別情報が格納された後に、前記コンピュータが送信した前記名称情報を受信する
請求項9又は10に記載の制御端末。
【請求項12】
前記指示情報は、前記複数の機器のうちの1以上の特定の機器と前記制御端末との通信を中継する中継器を経由して、前記1以上の特定の機器の各々から前記制御端末へと前記識別情報を送信させる中継指示を含む
請求項11に記載の制御端末。
【請求項13】
前記コンピュータは、入力を受け付けた複数の機器の各々に対する順番に沿って前記複数の機器の各々に前記指示情報を送信し、
前記格納部は、前記複数の機器の各々から送信される前記複数の機器の各々の前記識別情報を前記順番に対応する順に格納し、
前記提示部は、前記複数の機器の各々に割り当てた前記名称を、前記格納部に格納された順に提示する
請求項11又は12に記載の制御端末。
【請求項14】
前記受信部は、さらに、前記コンピュータが送信した、前記複数の機器の中から選択される1以上の機器の制御を含む生活シーンに関連付けられたシーン制御を実行するためのシーン制御情報を受信する
請求項13に記載の制御端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の機器の制御に用いられる制御端末に接続されたコンピュータにおいて実行されるプログラム及び当該制御端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機器を遠隔操作する技術が知られている。特許文献1には、電子機器と通信端末装置とを、物理的な操作によってペアリングする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-050752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、機器を遠隔操作するための制御端末に、上記のように機器をペアリングして登録する際には、機器の登録のためにユーザが行う操作が煩雑である場合がある。
【0005】
本開示は上記に鑑みてなされ、ユーザが識別可能な態様で機器を登録する操作を容易にするためのプログラム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示に係るプログラムの一態様においては、制御信号を生成し、前記制御信号を用いて複数の機器を制御する制御端末に通信接続されるコンピュータによって実行されるプログラムであって、前記複数の機器の各々から、当該機器を識別する識別情報を取得する取得ステップと、取得した前記複数の機器の各々の前記識別情報と、前記複数の機器の各々に対してユーザが付与した名称とを対応付ける名称情報を生成する生成ステップと、前記複数の機器の前記識別情報が予め格納された前記制御端末に対して、生成した前記名称情報を送信する第1送信ステップと、を含む。
【0007】
また上記目的を達成するために、本開示に係る制御端末の一態様においては、コンピュータに通信接続され、複数の機器に対するユーザの制御指示を受け付けて制御信号を生成し、前記制御信号を用いて前記複数の機器を制御する制御端末であって、前記複数の機器の各々を識別する識別情報を格納する格納部と、前記コンピュータによって生成され、送信された、前記複数の機器の各々の前記識別情報と、前記複数の機器の各々の名称とを対応付ける名称情報を受信する受信部と、前記格納部に格納された前記複数の機器の各々の前記識別情報と、前記受信部で受信した前記名称情報とに基づき、前記複数の機器の各々に前記名称を割り当てて提示する提示部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、機器の登録が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る制御システムの構成を説明するための概略図である。
図2図2は、実施の形態に係る制御システムの機能ブロック図である。
図3図3は、実施の形態に係る制御システムの通信シーケンス図である。
図4図4は、実施の形態における制御端末20の提示部において提示される提示例を示す図である。
図5A図5Aは、実施の形態に係る変形例1に係る制御システムの通信シーケンス図である。
図5B図5Bは、実施の形態に係る変形例2に係る制御システムの通信シーケンス図である。
図6図6は、実施の形態の変形例2に係る制御システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(開示の基礎となった知見)
近年、電力の使用量を見直して削減する省エネルギー化を、一般家庭レベルで実現するためのいわゆるHEMS(Home Energy Management System)が普及している。HEMSを導入することによって、例えば、HEMSコントローラ等の制御端末により宅内での電力の使用量と発電量とをモニタして電力の自給率が算出される等、ユーザが電力使用について考えるための機会が提供される。また、例えば、制御端末によって、具体的に宅内の各種機器がそれぞれどのようなタイミングでどのような量の電力を使用しているかをモニタすることが可能となる。さらに、電力の効率的な使用を目的とし、各種機器の動作に関するアドバイス、及び各種機器の動作の自動制御等が可能な制御端末等も普及している。
【0011】
このように、制御端末が宅内の各種機器等を一元管理するために、各種機器は、制御端末に接続され、ユーザが識別可能に登録されていることが必要となる。宅内の機器は、例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、及び掃除機等、多岐にわたる。接続された機器は、制御端末からの制御信号の送信等、接続後に用いられる各種通信を行うための通信プロファイル等から、種別の自動認識が可能である場合が多い。また、機器と制御端末との通信データ内に当該機器の型名が含まれる場合もある。このような場合、接続された機器が制御端末において型名で表示されるためユーザにとって容易に機器を識別可能である。したがって、宅内における同種の機器が1つである場合が多い冷蔵庫、洗濯機、掃除機等では、当該機器を接続するのみでユーザによる識別が可能な場合が多い。
【0012】
しかしながら、例えば、各部屋の照明スイッチ等の操作パネル、照明装置をはじめ、先に挙げたテレビ及びエアコン等は、同種の機器が宅内に複数ある場合も多く、これら一つひとつを、ユーザが識別可能に登録する作業は煩雑である。特に、照明スイッチ等の操作パネル等は、同種であるうえに、施工都合により同型のものが使用される場合が多い。したがって、このような機器は、通信プロファイル及び通信データ内の型名から各々の機器を特定することが困難である。つまり、制御端末に接続後、ユーザが登録情報と照らし合わせながら機器を操作して、各々の機器を特定し、かつ、ユーザによって各々の機器を識別可能な名称を付与して登録する必要が生じる。
【0013】
具体的に、リビングのスイッチと寝室のスイッチとがいずれも、単に「スイッチ」として自動認識されて登録されている状況について考える。ユーザは、登録されている「スイッチ」のうち一方を操作して、リビングのスイッチであると特定できた場合、当該スイッチの登録情報を編集して「リビングのスイッチ」と再登録する操作を行う。つまり、このような操作を宅内のすべてのスイッチ等について行う必要が生じる。
【0014】
そこで本開示では、上記に鑑みて、制御端末への機器の登録を容易にするためのプログラム等を提供する。
【0015】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0016】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては、同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0017】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る複数の機器の制御のための制御システムの構成について説明する。
【0018】
本実施の形態では、プログラムを携帯端末60上で実行し、ユーザ90が制御端末20に登録したいと考えている機器の動作モードを登録モードに変更することで、当該機器の識別情報が取得される。識別情報を取得したタイミングで、ユーザ90が制御端末20に登録したいと考えている機器の名称を携帯端末60に入力することで、識別情報と名称とが対応付けられた名称情報が生成される。名称情報が制御端末20に送信されると、制御端末20は、登録されている機器の各識別情報と名称情報とを用いて、登録されている情報を再登録する。本実施の形態によれば、このように、ユーザ90が識別情報を取得し得る機器を特定できるタイミングでユーザ90が当該機器の名称を付与できるようにすることで、複数の機器の中から一つの機器を特定して名称を付与する作業が省略される。
【0019】
図1は、実施の形態に係る制御システムの構成を説明するための概略図である。図1では、ユーザ90とユーザ90の自宅である建築物80とが示されている。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態における制御システム10では、制御端末20に対して、各種機器を登録する際、ユーザ90が所有する携帯端末60を用いて、各種機器の登録を行う。
【0021】
制御端末20は、いわゆるHEMSコントローラであり、複数の機器の各々に無線で通信接続されるインタフェース装置である。制御端末20は、ユーザ90の操作に基づいて制御信号を生成して、当該制御信号を用いて通信接続された複数の機器の各々を制御する。制御端末20は、複数の機器の各々の制御によって、例えば、当該機器の動作状態に関する情報を取得する、及び、当該機器の動作状態を切り替える等、複数の機器の各々を遠隔操作する。制御端末20は、第1機器31、第2機器32、第3機器33、及び第4機器34に接続される。
【0022】
第1機器31、第2機器32、及び第4機器34は、それぞれ、互いに異なる建築物80内の個室に備えられた照明装置31aの点灯状態を制御するための操作パネルである。また、第3機器33は、建築物80内の送電線からの電力を家電機器に供給するためのプラグを備える形状の操作パネルであり、図中では、家電機器の一例である空気調和装置33aの電力線が当該プラグに接続されている。第3機器33は、操作パネルが操作されることにより、建築物80内の送電線と、家電機器との電力の導通を遮断する。
【0023】
また、建築物80内の送電線の上流には、配電盤32aが備えられる。建築物80外の送電網からの電力は、当該配電盤32aを介して建築物80内の各送電線に供給される。配電盤32aは、以上のような建築物80内の送電線の各々について電力の供給と遮断とを切り替える操作パネルである。
【0024】
さらに、制御端末20には、照明装置31a、無線アダプタ等(不図示)を含む空気調和装置33a、配電盤32aが直接接続され、制御端末20がこれらの機器を直接(つまり、第1機器31、第2機器32、及び第4機器34の操作を伴わずに)制御してもよい。すなわち、本開示における機器には、照明装置31a、空気調和装置33a、配電盤32a等が含まれてもよい。なお、図示しないが、図中の機器はいずれも建築物80内に配置されているが、建築物80外の機器であってもよい。つまり、制御端末20には、建築物80が属する敷地内の駐車場の照明装置及び操作パネル、建築物80外に配置された給湯装置、発電装置及び蓄電装置、温度計、湿度計、開閉センサ等の環境センサ等に接続され、制御端末20がこれらの機器を制御してもよい。
【0025】
また、制御端末20と各機器との通信は、無線によって行われるが、物理的な距離及び障壁の存在等によって当該通信が安定しない場合、中継器20aが用いられてもよい。つまり、複数の機器のうち、通信が安定しない特定の機器と制御端末20との通信を中継する中継器20aによって、特定の機器から制御端末20への通信、及び、制御端末20から特定の機器への通信が中継されてもよい。
【0026】
以下、制御システム10における携帯端末60、各種機器、及び制御端末20間における通信について、図2を用いてより詳しく説明する。図2は、実施の形態に係る制御システムの機能ブロック図である。図2では、建築物80と、当該建築物80内に設置された制御端末、各種機器(以下包括して機器30ともいう)と、制御端末20に通信接続される携帯端末60と、サーバ装置50とが図示されている。
【0027】
建築物80は、説明したように例えばユーザ90の自宅であるが、複数のユーザが入居可能な集合住宅であってもよく、商業施設、又は企業ビル等であってもよい。
【0028】
制御端末20は、制御部24、格納部25、第1通信部26、第2通信部27、スピーカ28、及び入力受付部29を備える。制御部24は、制御端末20の各種機能を実現するためのプログラムと、当該プログラムを実行する際に用いられるプロセッサ及びメモリによって実現される。格納部25は、制御部24において実行されるプログラム及び各種データ等が格納される記憶装置であり、例えば、半導体によって実現される揮発性及び不揮発性のメモリである。格納部25には、機器30の各々から送信された機器30の各々を識別する識別情報等が格納される。
【0029】
第1通信部26は、制御端末20と携帯端末60との通信に用いられる通信モジュールである。第1通信部26は、例えば、建築物80内に設置されたルータ装置(不図示)を介して構築された無線LAN(Local Area Network)等の局所通信網によって携帯端末60と無線で通信する。第1通信部26は、携帯端末60から、機器30の各々の識別情報と、機器30の各々の名称とを対応付ける名称情報を含む各種データを受信する受信部の一例である。
【0030】
また、第1通信部26は、制御端末20とサーバ装置50との通信に用いられる通信モジュールでもある。第1通信部26は、ルータ装置及び終端装置(いずれも不図示)を介してインターネット等の広域通信網70に接続する。第1通信部26は、広域通信網70を介してサーバ装置50に接続し、各種データ等をサーバ装置50との間で送受信する。
【0031】
サーバ装置50は、制御システム10において行われる情報処理の一部を実行する情報処理サーバと、制御システム10において利用される各種データの一部を格納するデータ格納サーバとの機能を兼ねる装置である。なお、サーバ装置50は、情報処理サーバの機能を有する第1サーバ装置と、データ格納サーバの機能を有する第2サーバ装置との複数のサーバ装置から構成されてもよい。また、サーバ装置50は、第1サーバ装置及び第2サーバ装置の機能の一部を分割して実行する別のサーバ装置を含む、3以上のサーバ装置から構成されてもよい。
【0032】
このようなサーバ装置50を備える制御システム10では、例えば、ユーザ90は、携帯端末60上のアプリケーションにおいて、制御端末20に対して行う操作と同様の操作を行う。操作に基づいて生成される操作信号は、広域通信網70を介してサーバ装置50に送信される。このような操作信号には、受け付けた操作に基づく情報と、ユーザ90の認証情報とを含む。サーバ装置50は、認証情報によって建築物80内の制御端末20へ接続が可能となり、操作信号を制御信号に変換して制御端末20に送信する。制御端末20は、受信した制御信号により、当該制御端末20に接続された機器30を制御する。
【0033】
このように、サーバ装置50を介することによって、ユーザ90は、建築物80外から安全に建築物80内の機器30を遠隔操作することができる。なお、制御システム10に上記の機能が備えられることは必須ではない。したがって、サーバ装置50を備えずに本開示における制御システム10を実現することも可能である。
【0034】
第2通信部27は、制御端末20と機器30の各々との通信に用いられる通信モジュールである。第2通信部27は、例えば、機器30の各々と所定の通信プロトコルを用いた特定小電力無線通信、又は、近距離無線通信によって通信を行う。機器30は、前述した第1機器31、第2機器32、第3機器33、及び第4機器34を含む複数の機器である。機器30は、上記の他の機器を含んでいてもよい。
【0035】
スピーカ28は、制御端末20からユーザ90に向けて音声による出力を行うための発音装置である。スピーカ28は、例えば、ユーザ90による制御端末20の操作を受け付けたことを示す操作音を出力する。また、スピーカ28は、制御端末20を用いた機器の制御の結果を音声で出力してもよい。例えば、ユーザ90が制御端末20に、「リビングのエアコン」として登録されている機器の動作状態を取得する制御を行わせた場合、スピーカ28から「リビングのエアコンは、冷房運転で28℃に設定され動作中です。」等の合成音声が出力される。このとき、制御端末20は、「リビングのエアコン」として登録されている機器から、設定されている動作モードとして「冷房運転」、温度設定値として「28℃」、及び、動作のOn/Offの情報として「動作中」等の情報を取得している。
【0036】
入力受付部29は、制御端末20に対するユーザ90の入力操作を受け付けるユーザインタフェース装置である。入力受付部29は、タッチパネル21、提示部22、及びマイクロフォン23を備える。タッチパネル21は、感圧式、又は静電容量式等によってユーザ90が触れた箇所を検知するセンサ装置である。また、提示部22は、液晶又は有機EL(Electro Luminescence)等の表示パネルを用いて画像を表示する表示装置である。提示部22には、機器30の各々に名称が割り当てられた状態で、当該名称によって機器30の各々が画像として表示される(つまり、ユーザ90に対して提示される)。
【0037】
タッチパネル21と、提示部22とは、重ね合わせたタッチパネルモジュールとして形成される。これにより、制御端末20によって生成された画像が提示部22において提示され、ユーザ90は、画像中の操作したい箇所を触れるのみで、当該箇所がタッチパネル21によって検知される。このようなタッチパネル21と提示部22とが重ね合わされたタッチパネルモジュールでは、画像に直接触れて操作が受け付けられたようにユーザ90が感じるため、直感的な操作体系を実現することができる。
【0038】
マイクロフォン23は、制御端末20の周囲の音を集音することで当該音の入力を受け付ける集音装置である。マイクロフォン23は、例えば、ユーザ90の発話による音声入力を受け付ける。制御端末20は、マイクロフォン23によって、ユーザ90が発話した制御端末20のへの制御指示を示す内容の音声の入力を受け付け、音声認識によって当該内容を取得する。このようにして取得された内容から、制御端末20は、ユーザ90の発話による制御指示を理解して実行する。
【0039】
携帯端末60は、スマートフォン、タブレット端末、又はノートパソコン等の、ユーザ90によって携行される情報端末(いわゆるコンピュータ)である。携帯端末60は、端末通信部61、端末格納部62、端末制御部63、及び端末入力受付部64を備える。
【0040】
端末通信部61は、局所通信網を介して、制御端末20の第1通信部26と通信し、広域通信網70を介して、サーバ装置50と通信するための第1通信モジュールと、近距離無線通信により機器30の各々と通信するための第2通信モジュールとが一体化された通信装置である。端末通信部61は、上記第1通信モジュールを用いて名称情報等を送信する。また、端末通信部61は、上記第2通信モジュールを用いて機器30の各々から当該機器を識別する識別情報を取得する。
【0041】
端末格納部62は、端末制御部63において実行されるプログラム及び各種データ等が格納される記憶装置であり、例えば、半導体によって実現される揮発性及び不揮発性のメモリである。端末格納部62には、機器30の各々から取得された機器30の各々を識別する識別情報等が格納される。
【0042】
端末制御部63は、携帯端末60における各種機能を実現するためのプログラムと、当該プログラムを実行する際に用いられるプロセッサ及びメモリによって実現される。端末制御部63は、一例として、機器30の各々に対してユーザ90が付与した名称を機器30の各々の識別情報と対応付ける名称情報を生成する等の情報処理を実行する。
【0043】
端末入力受付部64は、携帯端末60に対するユーザ90の入力操作を受け付けるユーザインタフェース装置である。端末入力受付部64は、例えばタッチパネルモジュールによって実現される。端末入力受付部64は、一例として、機器30の各々に対するユーザ90の名称の付与の操作を受け付ける。
【0044】
[動作]
以下では、上記のようにして実現される制御システムにおける動作について図3及び図4を用いて説明する。図3は、実施の形態に係る制御システムの通信シーケンス図である。図3では、本実施の形態における制御端末20への機器30の登録操作について説明する。本実施の形態における制御端末20への機器30の登録操作は、図中に示すように、携帯端末60、機器30及び制御端末20を用いて、ユーザ90が各種の操作を行うことで実施される。
【0045】
はじめに、ユーザ90は、機器30に対して、登録開始操作を実施する(ステップS11)。登録開始操作は、機器30の動作モードを登録モードへと変更するための操作である。具体的には、ユーザ90は、機器30に設けられた登録モード開始ボタン等のプッシュスイッチを操作して、機器30の動作モードを登録モードに変更する。動作モードが登録モードに変更された機器30は、近距離無線通信によって制御端末20に識別されるための情報を発信する。具体的には、機器30は、識別情報を無指向的(つまり、特定の送信先をもたず)に送信する(ステップS12)。
【0046】
なお、このとき、制御端末20の動作モードが同じように登録モードとなっていると、実際に機器30と制御端末20との接続が確立され、登録が行われてしまう。したがって、制御端末20の動作モードが登録モードとなっていないタイミングにステップS11及びステップS12が実施される。
【0047】
ユーザ90は、あらかじめ携帯端末60上で、制御端末20に機器30を登録するための登録プログラムを実行しておく。これにより、携帯端末60上で実行される登録プログラムは、動作モードが登録モードに変更された機器30から送信されている識別情報を近距離無線通信により受信して取得する(取得ステップS13)。ユーザ90は、自身が識別可能な量だけ、複数ある機器30の各々について、上記ステップS11~取得ステップS13を繰り返し、携帯端末60を用いて識別情報を取得する。なお、識別情報の取得には、近距離無線通信によって取得する方法の他に、機器30の各々に付された二次元バーコード等を携帯端末60の撮像装置(不図示)によって撮像して取得する方法が用いられてもよい。
【0048】
例えば、ユーザ90は、識別情報を取得している機器30の中に同種又は同型の機器30が現れるまで上記ステップS11~取得ステップS13を繰り返して携帯端末60に識別情報を取得させてもよい。また、ユーザ90は、あらかじめ自身で定めた機器30の個数ずつ、携帯端末60に識別情報を取得させてもよく、建築物80内の個室ごとに、携帯端末60に識別情報を取得させてもよい。
【0049】
ユーザ90は、識別情報を取得した機器30の各々に対して、機器30の各々の名称を付与する(ステップS14)。機器30の各々の名称の付与は、ユーザ90が端末入力受付部64を介して、携帯端末60上で実行されている登録プログラムに対して入力を受け付けさせることで付与する。つまり、付与された名称は、機器30の各々の識別情報ごとに対応している。
【0050】
携帯端末60上の登録プログラムでは、識別情報が取得された機器30に名称が付与されると、識別情報とユーザ90が付与した名称とを対応付ける名称情報を生成する(生成ステップS15)。さらに、識別情報が取得された機器30に名称が付与されるごとに、生成した名称情報を更新して新たに付与された名称を含む名称情報を再生成する。つまり、本実施の形態では、複数の機器30の各々から取得された識別情報と、複数の機器30の各々にユーザ90が付与した名称とを対応付ける名称情報を一つ生成する。なお、一つの機器から取得された識別情報と、当該複数の一つの機器にユーザ90が付与した名称とを対応付ける名称情報を一つ生成し、複数の機器30と同数の名称情報が生成されてもよい。
【0051】
ユーザ90は、以上のステップS11~生成ステップS15を繰り返し、制御端末20に登録したい機器30のすべてについて、識別情報の取得と名称の付与を行う。つまり、ユーザ90は、機器30の各々から識別情報を取得する作業を進めながら、識別情報を取得した順序等から機器30を識別可能なうちに当該機器30に名称を付与できる。すべての機器30について上記作業を繰り返し行うことで、ユーザ90は、機器30に同種又は同型の機器が含まれていても混同することなく名称を付与できる。
【0052】
ユーザ90は、機器30の各々について順番を入力する。順番の入力は、ユーザ90が端末入力受付部64を介して、携帯端末60上で実行されている登録プログラムに対して入力を受け付けさせることで入力する(ステップS16)。つまり、入力された順番は、携帯端末60上で実行されている登録プログラムにおいて受け付けられる(入力ステップ)。この入力される順番は、複数ある機器30を制御端末20に登録させる際に登録順を決定するために用いられる。具体的には、入力された順番に沿って機器30の各々は、制御端末20に登録される。
【0053】
制御端末20の仕様によっては、登録された機器30を提示する際の順序を入れ替えられない場合があるが、このように、順番を設定して、順番に対応する順に制御端末20に機器30の各々が登録されることで、ユーザ90の所望の順に機器30を提示できる。提示される機器30が整然と並ぶため、制御端末20から機器30を制御する際の操作性が向上される。なお、このような登録順の設定は、複数の機器30を一挙に制御端末20に登録されることが前提として必要であり、本開示における、複数の機器30の登録が容易となったうえに成り立つ効果である。
【0054】
入力ステップの後、携帯端末60上で実行される登録プログラムは、機器30の各々から制御端末20へと識別情報を送信させる指示情報を、機器30の各々に対して入力された順番に沿って送信する(第3送信ステップS17)。機器30の各々は、指示情報を受信した機器から制御端末20へと識別情報を送信する。制御端末20への識別情報の送信順は、指示情報を受信した順と一致しており、結果的に、複数ある機器30は、ユーザ90によって入力された順番に沿って制御端末20に識別情報を送信する(ステップS18)。なお、上記を実現するために、携帯端末60上で実行される登録プログラムは、指示情報の送受信、各機器における指示情報の受信から識別情報の送信までの情報処理、及び識別情報の送受信等のタイムラグを考慮した十分な時間をおいて各機器に指示情報を送信する。
【0055】
このとき、機器30と制御端末20との接続が確立され、登録が行われるように、制御端末20が登録モードとなっている必要がある。したがって、ステップS18よりも以前に、ユーザ90は、制御端末20の動作モードを登録モードに変更するための操作を行ってもよい。このような制御端末20の動作モードを登録モードに変更するための操作は、携帯端末60から制御端末に対して送信されるモード切替信号によって行われてもよい。この場合、第3送信ステップS17よりも以前に携帯端末60上で実行される登録プログラムが自動的に当該モード切替信号を送信してもよい。
【0056】
なお、上記の指示情報は、中継器20aを経由して、機器30の各々制御端末20へと識別情報を送信させる中継指示を含んでいてもよい。具体的には、機器30のうち、制御端末20との間の物理的な距離及び障壁の存在等によって識別情報を送信するための通信が安定しない特定の機器は、あらかじめ制御端末20に接続された中継器20aを経由して識別情報を送信する。例えば、機器は、一旦識別情報を送信し、制御端末20によって受信されたことが確認できない場合に、あらかじめ定められた中継器20aに再び識別情報を送信するようにしてもよい。中継器20aを経由して識別情報が送信された特定の機器では、制御端末20からの制御信号も中継器20aを経由して当該特定の機器に送信される。
【0057】
また、このような指示情報を機器30の各々に送信することなく、制御端末20に機器30の各々を登録させてもよい。例えば、携帯端末60上で実行される登録プログラムが受信した識別情報を名称情報と併せて、制御端末20に直接送信することで制御端末20において識別情報とユーザ90が付与した名称とが同時に格納され登録されてもよい。
【0058】
登録モードで動作している制御端末20は識別情報を受信すると、受信した識別情報を受信した順(つまり入力された順番に対応する順)に格納部25に格納する(ステップS19)。ここでの格納は、通常の機器の登録と同様である。すなわち、識別情報が格納された機器は、制御端末20と通信可能に接続され、自動認識等によって仮名称が付与された状態で登録される。
【0059】
ここで、携帯端末60上で実行される登録プログラムは、生成ステップS15において生成した名称情報を制御端末20へと送信する(第1送信ステップS20)。制御端末20は、名称情報を受信し、格納部25に格納された機器30の各々の識別情報と、受信した名称情報とに基づき、機器30の各々に名称を割り当てる(ステップS21)。受信した名称情報は、機器30の各々の識別情報と、ユーザ90が付与した名称とを対応付けている。したがって、格納された識別情報によって識別される機器に付与された仮名称を、名称情報上で一致する識別情報に対応付けられた名称に変更して再登録する。
【0060】
このようにして、制御端末20は、識別情報が格納された順に、当該識別情報によって識別される機器に対してユーザ90が付与した名称によって、機器30の各々を提示する(ステップS22)。
【0061】
図4は、実施の形態における制御端末20の提示部において提示される提示例を示す図である。図4では、「リビング・エアコン」、「リビング・ダウンライト」、「リビング・シーリング」、「キッチン・シーリング」、「寝室・シーリング」、及び「浴室・乾燥機」の6つの機器が登録された制御端末20を示している。なお、図4では、ユーザ90による操作を受け付けるための待機モードで動作している制御端末20を示しており、登録された各種機器について、動作状態(On/Off)が併せて提示されている様子が示されている。
【0062】
6つの機器のうち、「リビング・ダウンライト」、「リビング・シーリング」、「キッチン・シーリング」、及び「寝室・シーリング」の4つは、照明装置のOn/Offを切り替えるための操作パネルである。ユーザ90は、自身の識別性の向上のため、操作パネルに対して、操作パネルによる操作対象である照明装置が属する部屋名と、当該照明装置の形状とを併記する名称を付与している。これらの機器は、同種かつ同型の機器であるため、自動的に登録される仮名称によってユーザ90が識別して任意の名称を付与することが困難である。したがって従来、一つひとつの登録されている機器を操作して、当該機器を特定し、さらに、登録されている仮名称を編集して再登録する必要があった。本実施の形態においては、このような作業を必要とせずに、簡易に一つひとつの機器を識別可能に登録することが可能である。図4に示すように、ユーザ90は、自身が付与した名称、かつ、自身が入力した順番で提示される機器30を見て、これらの機器30を制御するために制御端末20を操作することができる。
【0063】
[効果等]
以上説明したように、本実施の形態におけるプログラム(登録プログラム)は、制御信号を生成し、制御信号を用いて複数の機器30を制御する制御端末20に通信接続される携帯端末60等のコンピュータによって実行される登録プログラムであって、複数の機器30の各々から、当該機器を識別する識別情報を取得する取得ステップと、取得した複数の機器30の各々の識別情報と、複数の機器30の各々に対してユーザ90が付与した名称とを対応付ける名称情報を生成する生成ステップと、複数の機器30の識別情報が予め格納された制御端末20に対して、生成した名称情報を送信する第1送信ステップと、を含む。
【0064】
これによれば、登録プログラムによって機器の各々の識別情報を取得しながら、当該機器に対して名称を付与する作業を実施できる。連続的に識別情報を取得する操作と、個々に識別情報を取得する操作とを、ユーザが任意に切り替えながら、識別情報の取得と名称の付与を進めることができるため、機器を特定しながら名称を付与していく従来の場合に比べ、機器が複数存在することによる混乱が生じにくい。したがって、ユーザが識別可能な態様で機器を登録する操作が容易となる。
【0065】
また、例えば、登録プログラムでは、さらに、複数の機器30の各々から制御端末20へと識別情報を送信させる指示情報を、複数の機器30の各々に送信する第3送信ステップを含み、指示情報に基づいて複数の機器30の各々から送信された複数の機器30の各々の識別情報が制御端末20において格納された後に、制御端末20に対して、名称情報を送信する第1送信ステップが実行されてもよい。
【0066】
これによれば、制御端末20は、複数の機器30からあらかじめ受信した識別情報を格納し、複数の機器30と通信可能な状態である。この状態で制御端末20は、名称情報を受信して、通信可能な状態にある複数の機器30に対して付与された名称を割り当てることができる。よって、ユーザが識別可能な態様で機器を登録する操作が容易となる。
【0067】
また、例えば、登録プログラムでは、指示情報は、複数の機器30のうちの1以上の特定の機器と制御端末との通信を中継する中継器20aを経由して、1以上の特定の機器の各々から制御端末20へと識別情報を送信させる中継指示を含んでもよい。
【0068】
これによれば、制御端末20は、中継器20aを経由して通信する特定の機器においても、識別情報をあらかじめ受信して格納することができる。よって、中継器20aを経由して通信する特定の機器においても、ユーザが識別可能な態様で機器を登録する操作が容易となる。
【0069】
また、例えば、登録プログラムでは、さらに、複数の機器30の各々に対する順番の入力を受け付ける入力ステップを含み、受け付けた順番に沿って複数の機器30の各々に指示情報を送信して、複数の機器30の各々から送信される複数の機器30の各々の識別情報を順番に対応する順に制御端末20に格納させてもよい。
【0070】
これによれば、制御端末20において、登録された複数の機器30が、登録順に表示される等、登録順に意味が存在する場合において、当該登録順をユーザが任意に設定できる。このような入力される順番が、識別情報を取得した順と一致している必要はなく、ユーザは、目についた順に識別情報の取得と名称の付与を進め、その後、任意に入力された順番に従って制御端末20に複数の機器30が登録される。よって、ユーザが識別可能な態様で機器を登録する操作が容易となる。
【0071】
また、例えば、取得ステップでは、複数の機器30の各々との近距離無線通信によって識別情報を取得してもよい。
【0072】
これによれば、複数の機器30から近距離無線通信によって識別情報を取得できる。よって、識別情報の取得のために有線通信等を使用する必要がなく、ユーザが識別可能な態様で機器を登録する操作が容易となる。
【0073】
また、本実施の形態における制御端末20は、携帯端末60等のコンピュータに通信接続され、複数の機器30に対するユーザ90の制御指示を受け付けて制御信号を生成し、制御信号を用いて複数の機器30を制御する制御端末20であって、複数の機器30の各々を識別する識別情報を格納する格納部25と、コンピュータによって生成され、送信された、複数の機器30の各々の識別情報と、複数の機器30の各々の名称と、を対応付ける名称情報を受信する受信部(第1通信部26)と、格納部25に格納された複数の機器30の各々の識別情報と、第1通信部26で受信した名称情報とに基づき、複数の機器30の各々に名称を割り当てて提示する提示部22と、を備える。
【0074】
これによれば、制御端末20は、コンピュータ上で実行される登録プログラムによってユーザが機器の各々の識別情報を取得しながら、当該機器に対して名称を付与する作業を実施して付与した名称と、識別情報とを対応付ける名称情報を受信する。制御端末20は、名称情報に基づいて、機器の登録を行う。このような名称情報によって機器が登録されることで、機器を特定しながら名称を付与していく従来の場合に比べ、機器が複数存在することによる混乱が生じにくい。したがって、ユーザが識別可能な態様で機器を登録する操作が容易となる。
【0075】
また、例えば、格納部25は、コンピュータが送信した複数の機器30の各々から制御端末20へと識別情報を送信させる指示情報に基づいて、複数の機器30の各々から送信された複数の機器30の各々の識別情報を格納し、第1通信部26は、格納部25において複数の機器30の各々の識別情報が格納された後に、コンピュータが送信した名称情報を受信してもよい。
【0076】
これによれば、制御端末20は、複数の機器30からあらかじめ受信した識別情報を格納し、複数の機器30と通信可能な状態である。この状態で制御端末20は、名称情報を受信して、通信可能な状態にある複数の機器30に対して付与された名称を割り当てることができる。よって、ユーザが識別可能な態様で機器を登録する操作が容易となる。
【0077】
また、例えば、指示情報は、複数の機器30のうちの1以上の特定の機器と制御端末20との通信を中継する中継器20aを経由して、1以上の特定の機器の各々から制御端末20へと識別情報を送信させる中継指示を含んでもよい。
【0078】
これによれば、制御端末20は、中継器20aを経由して通信する特定の機器においても、識別情報をあらかじめ受信して格納することができる。よって、中継器20aを経由して通信する特定の機器においても、ユーザが識別可能な態様で機器を登録する操作が容易となる。
【0079】
また、例えば、コンピュータは、入力を受け付けた複数の機器30の各々に対する順番に沿って複数の機器30の各々に指示情報を送信し、格納部25は、複数の機器30の各々から送信される複数の機器30の各々の識別情報を、順番に対応する順に格納し、提示部22は、複数の機器30の各々に割り当てた名称を、格納部25に格納された順に提示してもよい。
【0080】
これによれば、制御端末20において、登録された複数の機器30が、登録順に表示される等、登録順に意味が存在する場合において、当該登録順をユーザが任意に設定できる。このような入力される順番が、識別情報を取得した順と一致している必要はなく、ユーザは、目についた順に識別情報の取得と名称の付与を進め、その後、任意に入力された順番に従って制御端末20に複数の機器30が登録される。よって、ユーザが識別可能な態様で機器を登録する操作が容易となる。
【0081】
[変形例]
以下、実施の形態の変形例について、図面を用いて説明する。なお、以下の変形例では、上記に説明した実施の形態と比較して異なる点を中心に説明し、共通する点については省略又は簡略化して説明する。以下、変形例1について説明する。図5Aは、実施の形態の変形例1に係る制御システムの通信シーケンス図である。
【0082】
本変形例1では、上記の実施の形態と比較して、携帯端末60上で実行される登録プログラムが制御端末20に対してシーン制御情報を送信する点で異なる。シーン制御情報とは、登録されている機器30の中から選択される1以上の機器の制御を含む生活シーンに関連付けられたシーン制御を実行するための設定情報である。つまり、シーン制御情報とは、起床、外出、及び就寝などのユーザ90の生活シーンに適合するような1以上の機器の一括制御のためにあらかじめ設定されたパラメタの情報である。
【0083】
例えば、「起床」の生活シーンに対するシーン制御を実行すると、照明装置及び空気調和装置があらかじめ設定されたパラメタ(明るさ、設定温度など)でOnし、窓及び車庫等の電動シャッターがあらかじめ設定されたパラメタ(開状態)に従って開く。生活シーンごとにどのような機器がどのような動作を行うかは、ユーザ90があらかじめパラメタとして設定することができる。
【0084】
ここで、携帯端末60は、登録プログラムの他に、制御端末20と同様の機能が実装された制御プログラムを実行することも可能である。すなわち、携帯端末60上で、制御端末20を介さずに各種機器を制御することが可能な場合がある。このとき、携帯端末60上に上記のようなシーン制御のためのシーン制御情報が格納されている場合がある。新たに制御端末20を導入した際などに、シーン制御のためのパラメタを設定する作業は煩雑であるため、上記のような場合には、携帯端末60上のシーン制御情報が流用できるとよい。
【0085】
したがって、本図5Aに示すように、変形例1では、携帯端末60上で実行される登録プログラムは、制御端末20に対してシーン制御情報を送信する(第4送信ステップS23)。制御端末20は、携帯端末60から送信されたシーン制御情報を受信する。シーン制御情報は、例えば、携帯端末60から制御端末20へと名称情報が送信される際に同時に送信されてもよく、その他のタイミングであってもよい。また、携帯端末60上で実行されるプログラムは、シーン制御情報を制御端末20に送信するか否かをユーザ90に確認する構成であってもよい。ユーザ90によってシーン制御情報の送信が許可された場合にのみ、シーン制御情報が送信されてもよい。
【0086】
以上説明したように、本変形例における登録プログラムは、さらに、複数の機器30の中から選択される1以上の機器の制御を含む生活シーンに関連付けられたシーン制御を実行するためのシーン制御情報を制御端末20に対して送信する第4送信ステップを含む。
【0087】
これによれば、コンピュータ上で生成されたシーン制御を実行するためのシーン制御情報を、制御端末20において新たに生成する必要なく、制御端末20から当該シーン制御を実行することができる。つまり、シーン制御において制御される機器が登録されたシーン制御情報を新たに生成する必要がなくなる。よって、シーン制御のために機器を登録する操作が容易となる。
【0088】
また、本変形例における制御端末20の第1通信部26は、さらに、コンピュータが送信した、複数の機器30の中から選択される1以上の機器の制御を含む生活シーンに関連付けられたシーン制御を実行するためのシーン制御情報を受信する。
【0089】
これによれば、コンピュータ上で生成されたシーン制御を実行するためのシーン制御情報を、制御端末20において新たに生成する必要なく、シーン制御情報を受信することで、制御端末20から当該シーン制御を実行することができる。つまり、シーン制御において制御される機器が登録されたシーン制御情報を新たに生成する必要がなくなる。よって、シーン制御のために機器を登録する操作が容易となる。
【0090】
以下、さらに、変形例2について説明する。図5Bは、実施の形態の変形例2に係る制御システムの通信シーケンス図である。また、図6は、実施の形態の変形例2に係る制御システムの概略図である。
【0091】
本変形例2では、上記の実施の形態と比較して、携帯端末60上で実行される登録プログラムが機器30に対して識別情報を送信する点で異なる。
【0092】
上記に説明したような制御端末20への機器30の登録は、同時に隣家等の別の建築物80a内、又は集合住宅等の同一の建築物内ではあるが、同一の制御端末20に登録されるべきでない機器30aにおいても行われている場合がある。このような登録されるべきでない機器が誤って登録されてしまうと、ユーザ90の混乱を招き、制御端末20への機器の登録作業がより煩雑なものとなってしまう。
【0093】
本変形例2に係る登録プログラムでは、このような場合に対応可能である。本変形例2における制御システム10では、携帯端末60上で実行されるプログラムは、複数の機器30の各々から送信される識別情報を取得し、他の建築物80a内の機器30aから送信される識別情報を取得しない。具体的には、携帯端末60上で実行されるプログラムは、識別情報の送信のための近距離無線通信が所定の通信強度以下である機器(例えば、他の建築物80a内の機器30a等)からは、識別情報を受信しても取得しない。ここでの所定の通信強度とは、例えば、遮蔽物等が存在しない場合に想定され得る平均的な通信強度であってもよく、同時に通信接続されている機器の中の最も通信強度の高い機器における通信強度であってもよい。
【0094】
登録されるべきでない機器30aは、壁、床、天井等の構造物を遮蔽物として介した通信強度の低い通信によって識別情報を送信している場合が想定されるため、上記のように通信強度を用いて設定された条件に基づいて、これらの機器30aを排除可能である。
【0095】
また、本変形例2に係る登録プログラムでは、図5Bに示すように、機器30aを排除して取得された機器30の各々の識別情報を、機器30のうちの一の機器に送信する(第4送信ステップS24)。機器30の各々の識別情報を受信した一の機器は、受信した識別情報を機器30のすべてに送信する。これにより、機器30のすべてが識別情報を有する状態となる。
【0096】
機器30の各々は、識別情報に基づき、機器30間でネットワーク30bを構築する。機器30間では、制御端末20からの制御信号を中継する等の、一部の情報の送受信を行うが、このような情報の送受信の際に、機器30aが含まれないネットワーク30b内においてこのような情報の送受信が行われる。よって、機器30aとの情報の送受信が行われなくなるため、誤作動等のトラブルの発生が低減される。
【0097】
以上説明したように、本変形例における登録プログラムは、さらに、複数の機器30のうちの一の機器に対して、取得した複数の機器30の各々の識別情報を送信する第2送信ステップを含み、複数の機器30は、一の機器に対して送信された複数の機器30の各々の識別情報に基づいて、制御端末20から送信された制御信号が複数の機器30間で送受信されるネットワーク30bを構築する。
【0098】
これによれば、ユーザが機器の登録のために取得した識別情報に含まれない識別情報の機器をネットワーク30bから除外することができる。このように除外された機器は、制御端末20による制御対象とならない。これにより、ユーザが意図しない機器の登録が抑制され、このような機器の誤制御が抑制される。
【0099】
また、例えば、取得ステップでは、近距離無線通信が所定の通信強度以下である機器(例えば、別の建築物80a内の機器30a等)からは、識別情報を取得しなくてもよい。
【0100】
これによれば、隣家等、通信可能な範囲内で同時に機器の登録のための操作を行っている場合等に、通信強度に基づいて、このような隣家の機器の登録を抑制することができる。つまり、ユーザが意図しない機器の登録が抑制され、このような機器の誤制御が抑制される。
【0101】
また、本変形例においては、制御端末20が送信した制御信号は、複数の機器30のうちの一の機器がコンピュータから受信した複数の機器30の各々の識別情報に基づいて、複数の機器30間で構築されたネットワーク30bにおいて複数の機器30間で送受信される。
【0102】
これによれば、ユーザが機器の登録のために取得した識別情報に含まれない識別情報の機器をネットワーク30bから除外することができる。このように除外された機器に対しては制御情報が送信されない。つまり、このように除外された機器は、制御端末20による制御対象とならない。これにより、ユーザが意図しない機器の登録が抑制され、このような機器の誤制御が抑制される。
【0103】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0104】
例えば、上記実施の形態においては、識別情報をあらかじめ格納した状態の制御端末に対して携帯端末から名称情報を送信したが、この順序は逆であってもよい。つまり、制御端末は、携帯端末から名称情報を受信した後、機器の各々から識別情報が送信されてもよい。識別情報と名称情報とがそろった時点で、提示部において提示させるための名称の割り当てが行われてもよい。このように、各処理の順序は、上記実施の形態において説明した順序に限らず、入れ替えられてもよい。また、制御端末において登録されている機器の表示順序を入れ替えることが可能である場合の機器の各々に対する順番の入力の省略等にみられるように、一部の処理は省略されてもよい。
【0105】
また、上記実施の形態において説明した登録プログラムは、携帯端末等のコンピュータ上で実行される機器の制御のための制御プログラムに含まれる一つの機能であってもよい。
【0106】
住宅等、建築物の施工時に上記登録プログラムによってあらかじめ各種機器が登録された状態で制御端末が備えられた建築物がユーザに引き渡されてもよい。つまり、登録プログラムは、制御端末等の施工者によって使用されてもよい。このような場合、建築物のユーザへの引き渡し時に提供される各種の設定情報(つまり、どの個室のどの機器を、どの名称で登録したか)が出力可能な出力部を備えてもよい。
【0107】
また、上記実施の形態において、説明したプログラムは、専用のハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0108】
また、本開示の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0109】
例えば、本開示は、制御システムなどのコンピュータが実行する制御方法として実現されてもよいし、このような制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0110】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0111】
20 制御端末
20a 中継器
22 提示部
25 格納部
26 第1通信部(受信部)
29 入力受付部
30 機器
30b ネットワーク
80、80a 建築物
90 ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6