(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】CCR2アンタゴニストによる固形腫瘍の治療方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/536 20060101AFI20240226BHJP
A61K 31/453 20060101ALI20240226BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240226BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240226BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240226BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240226BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
A61K31/536
A61K31/453
A61P35/00
A61P17/00
A61K45/00
A61K39/395 N
A61K39/395 T
A61K39/395 U
A61P43/00 121
(21)【出願番号】P 2020537565
(86)(22)【出願日】2019-01-07
(86)【国際出願番号】 US2019012515
(87)【国際公開番号】W WO2019136368
(87)【国際公開日】2019-07-11
【審査請求日】2022-01-07
(32)【優先日】2018-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507416218
【氏名又は名称】ケモセントリックス,インコーポレイティド
(73)【特許権者】
【識別番号】506115514
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
【氏名又は名称原語表記】The Regents of the University of California
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100170852
【氏名又は名称】白樫 依子
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ジェイ.キャンベル
(72)【発明者】
【氏名】ラジンダー シン
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル ファン
(72)【発明者】
【氏名】シュエソン ウー
【審査官】横田 倫子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/165125(WO,A1)
【文献】特表2015-527978(JP,A)
【文献】特表2016-523259(JP,A)
【文献】国際公開第2016/187393(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 45/00
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療方法であって、それを必要とする対象に有効量のケモカイン受容体2(CCR2)アンタゴニストを投与することを含む、方法における使用ための、ケモカイン受容体2(CCR2)アンタゴニストを含む医薬組成物であって、ここで前記CCR2アンタゴニストが式
【化1】
を有する化合物、
又はその医薬上許容される
塩である、医薬組成物。
【請求項2】
前記必要とする対象が、第IA期のCTCLを有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記必要とする対象が、第IB期のCTCLを有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記必要とする対象が、第IIA期のCTCLを有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記必要とする対象が、第IIB期のCTCLを有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記必要とする対象が、第III期のCTCLを有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記必要とする対象が、第IV期のCTCLを有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記CCR2アンタゴニストが式
【化2】
を有する化合物1又はその医薬上許容される塩である、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記CCR2アンタゴニストが式
【化3】
を有する化合物2又はその医薬上許容される塩である、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記CCR2アンタゴニストが式
【化4】
を有する化合物3又はその医薬上許容される塩である、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記方法が、1又は複数の追加の治療薬を投与することを更に含む、請求項1~1
0のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記1又は複数の追加の治療薬が免疫チェックポイント阻害剤である、請求項1
1に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記免疫チェックポイント阻害剤がPD-1及び/又はPD-L1阻害剤である、請求項1
2に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記PD-1及び/又はPD-L1阻害剤が、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、IBI-308、mDX-400、BGB-108、MEDI-0680、SHR-1210、PF-06801591、PDR-001、GB-226、及びSTI-1110からなる群より選ばれる、請求項1
3に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記PD-1及び/又はPD-L1阻害剤が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、及びピジリズマブからなる群より選ばれる、請求項1
3に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記PD-1及び/又はPD-L1阻害剤が、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、BMS-936559、ALN-PDL、TSR-042、KD-033、CA-170、CA-327、STI-1014、及びKY-1003からなる群より選ばれる、請求項1
3に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2018年1月8日出願の米国仮出願第62/614,923号の米国特許法第119条(e)項に基づく優先権を主張し、その開示は全内容が参照により本明細書中に援用される。
【0002】
〔連邦政府の支援による研究と開発の下でなされた発明の権利に関する言及〕
該当せず
【0003】
〔コンパクトディスクで提出された「配列表」、表又はコンピュータプログラムリスト付録への参照〕
該当せず
【背景技術】
【0004】
腫瘍関連マクロファージ(TAM)は腫瘍組織中に多数存在し、発癌性の炎症を増強する[1-3]。TAMは、免疫抑制細胞の動員にとって極めて重要な多数のケモカインを分泌することにより、免疫抑制性の腫瘍微小環境(TME)に寄与する。更に、それらはVEGF、血小板増殖因子及び形質転換増殖因子βといった血管新生因子を産生し、血管新生を誘導する。更に、マクロファージ上にあるPD-L1(B7H1としても知られる)は、腫瘍を担持している宿主において、抗原特異的耐容性を誘導することによって直接的な免疫抑制機能をTAMに付与する[3-5]。
【0005】
TME中にマクロファージが豊富であることと、生存率との逆相関性は、前立腺、乳房、結腸直腸及びリンパの腫瘍をはじめとする悪性腫瘍で頻繁に報告されている[4,6]。腫瘍における高密度のマクロファージは、患者の予後不良と治療抵抗性に関連付けられており、TAMを標的とした癌治療戦略を煽動している[7]。注目すべきは、ヒト非ホジキンリンパ腫でのTAMの存在が、患者の生存率と相関するだけでなく治療応答性とも相関することが示された[8]。マクロファージコロニー刺激因子1受容体(CSF1R)介在性のシグナル伝達は、単球生存率とマクロファージ分化を指令する[9]。しかしながら、CSF1Rの遮断という戦略を適用する臨床試験は、患者の改善を証明することと一貫性がない。不完全なCSF1R阻害の主な理由は、恐らくCSF1R遮断の治療効果を減弱させるであろう、TME中での悪性細胞に薬剤が接近できる能力の依存性に起因するものであり得る[7、10-12]。
【0006】
CCL2-CCR2軸を標的とすることによって腫瘍への単球動員を遮断することは、別の有力な戦略を提供する[13]。中和CCL2抗体は、前臨床試験において腫瘍の進行を遅らせることが証明されている[14]。しかしながら、臨床試験は限定的な臨床応答を示した。薬物動態データは、転移性前立腺癌のCCL2/CCR2軸をモノクローナルCCL2抗体でターゲティングした場合、抗体の迅速な解離と望ましくない血清CCL2濃度の増加が生じることを明らかに示した[15-18]。
【0007】
上述した制限を鑑みると、CCR2アンタゴニストはCCL2-CCR2軸をターゲティングするのに興味深いものとなっている[19、20]。第Ib相試験では、経口投与された小分子CCR2アンタゴニスト(RF-04136309)によるCCR2遮断が、膵管腺癌(PDAC)におけるTAMの浸潤と内因性抗腫瘍免疫応答の減弱をもたらすことを証明した[21]。全体として、有益なアウトカムを有する臨床試験が不足しており、異なる癌における影響を数値化するために更なる研究が必要とされている。機序的には、CCR2アンタゴニストがTMEをいかに改造するか、CCR2アンタゴニストがいかに抗腫瘍免疫を活性化するかは、細胞免疫活性調節に関して前臨床腫瘍モデルにおいて記載されるに留まっている。その上、TAMターゲティングのための標準化学療法の最適な選択と、放射線療法又は免疫療法との最適な組み合わせは開発を待っている状態である[22]。
【0008】
本発明はそれらのニーズに対処し、関連する利点も提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一態様では、本開示は、有効量のケモカイン受容体2(CCR2)アゴニストを投与することを含む固形腫瘍の治療方法を提供する。
【0010】
幾つかの実施形態では、腫瘍がリンパ腫である。幾つかの実施形態では、リンパ腫が皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)である。
【0011】
更に別の態様では、本開示は、有効量のケモカイン受容体2(CCR2)アンタゴニストを投与することを含む、固形腫瘍微小環境においてマクロファージの数を減少させる方法を提供する。
【0012】
更に別の態様では、本開示は、有効量のケモカイン受容体2(CCR2)アンタゴニストを投与することを含む、固形腫瘍微小環境においてCD8+ T細胞の数を増加させる方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
幾つかの実施形態では、CCR2アンタゴニストは式Iを有する:
【化1】
ここで各変数は後述する。
【0014】
幾つかの実施形態では、CCR2アンタゴニストは、
【化2】
からなる群より選択された式を有する化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0015】
幾つかの実施形態では、CCR2アンタゴニストは式
【化3】
を有する化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0016】
幾つかの実施形態では、CCR2アンタゴニストは式
【化4】
有する化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0017】
幾つかの実施形態では、CCR2アンタゴニストは式
【化5】
を有する化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1A~C。化合物1の経口投与はMBL2/DNFBマウスモデルにおいて腫瘍増殖を阻害する。(A)治療レジメンのスキーム。化合物1は、20又は60 mg/kgを1日1回2週間に渡り経口投与する。マウスは耳腫瘍を調べるために15日目に安楽死させられる。追加のマウスは早期治療応答を調べるために3日目又は7日目に安楽死させられる。(B)2種の異なる用量の化合物1及びビヒクルで2週間処置したMBL2/DNFBマウスにおける耳腫瘍の検査。8つの各群からの代表的な1つの耳が示される。(C)15日目に安楽死させた直後に耳の厚さと耳の重量を測定する(*:p≦0.05、***:p≦0.001)。
【
図2】
図2A~B。化合物の経口投与はマウスにおいて用量依存的に吸収されそして十分に耐容性である。(A)マウスに化合物1を低濃度(1日あたり20 mg/kg)又は高濃度(1日あたり60 mg/kg)で連続10日間経口投与した。化合物1の血漿濃度は、最終投薬の24時間後に化学分析者によって検出した。(B)パネル(A)のマウスと同じ群を、最初の経口投与前及び最後の経口投与後に体重を記録した(各群 n=4)。統計解析は、GraphPad PRISM(登録商標)(GraphPad Software、カリフォルニア州サンディエゴ)において二元配置ANOVAにより実行する。
【
図3】
図3A~C。化合物1はマクロファージを特異的に標的するが、好中球は標的しない。(A、B)フロー分析によりCD11b+/F4/80+細胞集団により限定されたマクロファージが、化合物1のわずか2回の1日量投与後に耳TMEにおいて百分率(%)又は絶対数のいずれかの値として提供された(投薬量は図面に示されている、ビヒクル対照に対する *p<0.05、**p<0.01)。(C)(A)と同じ組織からの単細胞懸濁液を、CD11b、F4/80、CCR2、Ly6G及びLy6Cに対する抗体で染色した。CD11bでゲーティングされた細胞を更に分析して部分集団(サブグループ)を識別した。実線でかこった円は、化合物1によりターゲットされた細胞を示す。点線でかこった円は、化合物1により遮断されない細胞を示す。
【
図4】
図4A~C。増強した炎症は、腫瘍微小環境での化合物1によるCCR2拮抗作用と関連づけられる。(A、B)7日目に化合物1(60 mg/kg)又はビヒクルにより処置したマウスから耳組織を回収した。化合物1処置群及びビヒクル処置群からの耳組織について、HE染色切片及び抗F4/80で染色したIHCの代表的画像が示される。(C)7日目の耳をフローサイトメトリーにより分析し、TME中の2つの主な骨髄小集団の数をCD11b、F4/80及びLy6Gに対する抗体を用いて定量した。
【
図5】
図5A~C。化合物1処置は、TMEから産生されるサイトカインとバイオマーカーの発現を変更させた。7日目に回収した耳組織について定量的RT-PCRを実施した。癌の炎症及び免疫クロストークに関与する遺伝子が選択的に検出される。化合物1処置群とビヒクル処置群との間で発現比較を実施した。(A)免疫刺激性サイトカイン及び細胞毒性活性化マーカーを示す。(B)炎症促進性サイトカインを示す。(C)好中球走化性因子及びバイオマーカーを示す。遺伝子発現値は、GAPDHの内因性発現に対して正規化される(*p<0.05、**p<0.01;各群n=3匹のマウス)。
【
図6】化合物1処置は、TMEから産生されるサイトカインとバイオマーカーの発現を変更させた。7日目に回収した耳組織について定量的RT-PCRを実施した。免疫抑制及び抗炎症作用に関与する遺伝子が選択的に検出される。化合物1処置群とビヒクル処置群との間で発現比較評価を実施した。遺伝子発現値は、GAPDHの内因性発現に対して正規化される(各群n=3匹のマウス)。
【
図7】
図7A~E。CD8 T細胞はCCR2アンタゴニスト介在性の抗腫瘍免疫において必須である。(A)処置の2週間後に安楽死させたマウスから腫瘍組織を回収した。各群はグラフ中に示される通りである。CD8a抗体でのIHC染色を実施した。各群あたり4匹のマウスからの各切片においてHPF(高倍率域)の3つのランダム画像を撮影することにより、CD8陽性細胞の数をカウントした。(B)化合物1処置を伴うCD8 T細胞を中和するためのスキーム。中和抗CD8又はラットIgG2aを、MBL2腫瘍接種の1日前に腹腔内注射により投与し、続いてその7日後に2回目の投与を行った。化合物1又はビヒクルでの処置後、2週間にわたり腫瘍形成を調べた。(C)実験(B)で処置したマウスを、頸部流入領域リンパ節のフロー分析のために3日目に安楽死させ、CD8枯渇の効果を調べた(群あたり3匹のマウス)。(D)CD8 T細胞の中和を伴う又は伴わない化合物1/ビヒクル処置の2週間後の15日目にマウスを安楽死させた。腫瘍サイズを提供するために耳の厚さを測定した。(E)流入領域リンパ節はリンパ節転移についても測定する(n=4)。
【
図8】
図8A~D。化合物1と抗PD1は、MBL2腫瘍における抗腫瘍効果に相乗作用を与える。(A)耳皮膚に形成されたMBL2腫瘍におけるPD1とPD-L1のそれぞれの発現を、インビトロで培養したMBL2細胞におけるものと比較するために、qRT-PCRを実施した。(B)抗PD-1での処置を化合物1又はビヒクル対照での処置と組み合わせるためのスキーム。(C)処置2週間後のマウスからの脾臓を、単細胞懸濁液となるよう処理し、次いでフロー分析のため細胞内染色した(各群からの代表的なフローのグラフが示される)。(D)耳腫瘍を処置の2週間後に安楽死させたマウスにおいて耳腫瘍を検査した。各群からの代表的な耳の写真が示される(*p<0.05、各群 n=8匹のマウス)。耳の厚さの棒グラフ中の点線は、腫瘍形成能について陽性(プラス)と陰性(マイナス)の能力の間の境界線を示す。
【
図9】
図9A~B。抗PD-L1は、マウス耳におけるMBL2/DNFB腫瘍増殖を阻害する。抗PD-L1(BioXcell(登録商標)、マウス1匹あたり150μg、腹腔内(IP)経由で週3回投与)は、MBL2腫瘍移植と同日より開始して投与した。処置の2週間後、マウスを安楽死させた。耳の腫瘍サイズと腫瘍重量を記録した。(A)抗PD-L1又はPBS対照のいずれかで処置した2つのマウス群についての写真が示される。(B)耳の厚さと耳重量を測定した(*p<0.05、**p<0.01、群あたりn=4匹のマウス)。
【発明を実施するための形態】
【0019】
I.総論
本開示は、CCR2アンタゴニストを用いて固形腫瘍及び関連のリンパ腫を効果的に治療できるという驚くべき予想外の発見に一部基づいている。
【0020】
皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)は、主として皮膚に局在したT細胞新形成の不均質群であり、2つの最も一般的なタイプ、すなわち菌状息肉腫(MF)とセザリー症候群(SS)を含む[23]。皮膚炎のエビデンスはCTCLで共通である[24、25]。MF又はSSの病変皮膚では、CD163陽性マクロファージの数が増加し、マクロファージによるCCケモカインリガンド18発現が、Th2細胞の走化性を誘導することによってTヘルパー(Th)2優勢の微小環境を亢進する。そのような腫瘍微小環境は、CTCLの進行性臨床的挙動に対する決定因子として見なされている[26、27]。TMEにおいてTAMをCCR2アンタゴニストでターゲティングすることにより、良好な治療オプションが限られている腫瘍病期CTCLにある患者に、代替となる方策を提供する。
【0021】
以前の報告において、耳皮膚へのMBL2 Tリンパ腫細胞の注入と、それに続く2,4-ジニトロ-1-フルオロベンゼン(DNFB)の適用により、マウス皮膚に高悪性度のT細胞リンパ腫モデルを樹立した[23]。このモデルでの腫瘍形成は、腫瘍形成を促進する炎症性皮膚反応を触発するDNFBの局所適用に厳密に依存している。本明細書において、小分子CCR2アンタゴニストである化合物1が、耳においてTME中のマクロファージを枯渇させ、INF-γのような抗腫瘍サイトカインの有意に高い産生を引き起こすことを実証する。CCR2アンタゴニストの投与は、CD8 T細胞の拡大に至り、結果として移植した腫瘍細胞の増殖を減少させた。このメカニズムは、この抗腫瘍効果を、CD8モノクローナル中和抗体を同時投与することにより無効にすることができるという観察結果により裏付けられる。最後に、本発明者らは、CCR2アンタゴニストの治療効果が、抗PD-1抗体の同時投与により増加されることを証明する。まとめると、本明細書は、TME中へのTAMの動員を遮断することが、T細胞リンパ腫、より一般的には固形腫瘍を治療するための有効な方策であり得ることを実証する。
II.略語と定義
【0022】
CTCL(皮膚T細胞性リンパ腫);MF(菌状息肉腫);TME(腫瘍微小環境);DNFB(2,4-ジニトロ-1-フルオロベンゼン);PD-1(プログラム死リガンド1);qRT-PCR(定量的リアルタイムPCR);TAM(腫瘍関連マクロファージ);IP(腹腔内);mAb(モノクローナル抗体);IHC(免疫組織化学)。
【0023】
単独で又は別の置換基の一部としての用語「アルキル」は、別記しない限り、指示した数の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状炭化水素基を意味する(すなわち、C1-8は1~8個の炭素を意味する)。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルなどが挙げられる。用語「アルケニル」は、1つ以上の二重結合を有する不飽和アルキル基を指す。同様に、用語「アルキニル」は、1つ以上の三重結合を有する不飽和アルキル基を指す。このような不飽和アルキル基の例としては、ビニル、2-プロペニル、クロチル、2-イソペンテニル、2-(ブタジエニル)、2,4-ペンタジエニル、3-(1,4-ペンタジエニル)、エチニル、1-及び3-プロピニル、3-ブチニル、並びにより高級の同族体及び異性体が挙げられる。用語「シクロアルキル」は、指示された数の環原子を有する炭化水素環(例えば、C3-6シクロアルキル)を指し、完全に飽和しているか、又は環頂点間に多くて1個の二重結合を有する。用語「シクロアルキル」はまた、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタンなどの二環式及び多環式炭化水素環を指すことも意図している。用語「ヘテロシクロアルキル」は、N、O及びSから選ばれた1~5個のヘテロ原子を含むシクロアルキル基を指し、ここで窒素及び硫黄原子は場合により酸化されていてよく、窒素原子は場合により四級化されていてよい。ヘテロシクロアルキルは、単環式、二環式又は多環式の環系であってよい。ヘテロシクロアルキル基の非限定的例としては、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ブチロラクタム、バレロラクタム、イミダゾリジノン、ヒダントイン、ジオキソラン、フタルイミド、ピペリジン、1,4-ジオキサン、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリン-S-オキシド、チオモルホリン-S,S-オキシド、ピペラジン、ピラン、ピリドン、3-ピロリン、チオピラン、ピロン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、キヌクリジンなどが挙げられる。ヘテロシクロアルキル基は、環炭素又はヘテロ原子を介して分子の残部に結合することができる。シクロアルキルアルキル及びヘテロシクロアルキルアルキルなどの用語では、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基がアルキル又はアルキレンリンカーを介して分子の残部に結合していることを意味する。例えば、シクロブチルメチルは、分子の残部に結合しているメチレンリンカーに結合しているシクロブチル環である。
【0024】
用語「アルキレン」は、それ自体で又は別の置換基の一部として、-CH2CH2CH2CH2-により例示されるようなアルカンから誘導される二価基を意味する。典型的には、アルキル(又はアルキレン)基は1~24個の炭素原子を有し、10個以下の炭素原子を有するそれらの基は本発明において好ましい。「低級アルキル」又は「低級アルキレン」は、一般に4個以下の炭素原子を有する、より短鎖のアルキル又はアルキレン基である。同様に、「アルケニレン」及び「アルキニレン」は、それぞれ、二重結合又は三重結合を有する「アルキレン」の不飽和形態を指す。
【0025】
用語「ヘテロアルキル」は、それ自体で又は他の用語と組み合わせて、特に別記しない限り、指摘の数の炭素原子とO、N、Si及びSからなる群より選ばれた1~3個のヘテロ原子とからなる安定な直鎖状もしくは分岐鎖状もしくは環状炭化水素基、又はその組み合わせを意味し、ここで窒素原子及び硫黄原子は場合により酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は場合により四級化されていてもよい。ヘテロ原子O、N及びSはヘテロアルキル基の任意の内部位置に配置されてよい。ヘテロ原子Siはヘテロアルキル基の任意の位置に配置されていてよく、それはアルキル基が分子の残部に結合されている位置を含む。例としては-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-CH2-N(CH3)-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、-CH2-CH2-S(O)-CH3、-CH2-CH2-S(O)2-CH3、-CH=CH-O-CH3、-Si(CH3)3、-CH2-CH=N-OCH3及びCH=CH-N(CH3)-CH3が挙げられる。2つまでのヘテロ原子は連続していてよく、例えば、-CH2-NH-OCH3及びCH2-O-Si(CH3)3である。同様に、用語「ヘテロアルケニル」及び「ヘテロアルキニル」は、それ自体で又は別の用語と組み合わせて、別記しない限り、指摘した数の炭素を含み、そしてO、N、Si及びSからなる群より選ばれた1~3個のヘテロ原子を有するアルケニル基又はアルキニル基を意味し、ここで、窒素及び硫黄原子は場合により酸化されていてよく、窒素ヘテロ原子は場合により四級化されていてよい。ヘテロ原子O、N及びSは、ヘテロアルキル基の任意の内部位置に配置されていてよい。
【0026】
用語「ヘテロアルキレン」は、それ自体で又は別の置換基の一部として、-CH2-CH2-S-CH2CH2-及びCH2-S-CH2-CH2-NH-CH2-、-O-CH2-CH=CH-、-CH2-CH=C(H)CH2-O-CH2-及びS-CH2-C≡C-により例示されるような、ヘテロアルキルから誘導された飽和又は不飽和又は多価不飽和の二価基を意味する。ヘテロアルキレン基に関して、ヘテロ原子は、鎖のいずれか一方又は両方の末端を占有することもできる(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)。
【0027】
用語「アルコキシ」、「アルキルアミノ」及び「アルキルチオ」(又はチオアルコキシ)は、それらの通常の意味で使用され、それぞれ、酸素原子、アミノ基又は硫黄原子を介して分子の残部に結合したアルキル基を指す。更に、ジアルキルアミノ基に関しては、アルキル部分は同じであっても異なっていてもよく、組み合わせて各々が結合している窒素原子と共に3~7員環を形成していてもよい。従って、-NRaRbとして表される基は、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、アゼチジニルなどを含むことが意図される。
【0028】
用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、それ自体で又は別の置換基の一部として、別記しない限り、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を意味する。さらに、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むものである。例えば、用語「C1-4ハロアルキル」は、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、3-ブロモプロピル等を含むものである。
【0029】
用語「アリール」は、別記しない限り、一緒に縮合しているか又は共有結合で連結している単環又は多環(3個以下の環)であることができる多不飽和の、典型的には芳香族の炭化水素基を意味する。用語「ヘテロアリール」は、N、O及びSから選ばれた1~5個のヘテロ原子を含有するアリール基(又は環)を指し、ここで窒素及び硫黄原子は場合により酸化されていてよく、窒素原子は場合により四級化されていてよい。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を介して分子の残部に結合することができる。アリール基の非限定的例としては、フェニル、ナフチル及びビフェニルが挙げられ、ヘテロアリール基の非限定的例としては、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ベンゾトリアジニル、プリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、イソベンゾフリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾトリアジニル、チエノピリジニル、チエノピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、イミダゾピリジン、ベンゾチアゾリル(benzothiaxolyl)、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、キノリル、イソキノリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、プテリジニル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、チアゾリル、フリル、チエニルなどが挙げられる。上記のアリール及びヘテロアリール環系のそれぞれの置換基は、下記に記載の許容される置換基の群から選ばれる。
【0030】
簡潔にするために、用語「アリール」は、他の用語と組み合わせて使用される場合(例えばアリールオキシ、アリールチオキシ、アリールアルキル)、上記で定義したアリール環及びヘテロアリール環の両方を包含する。従って、用語「アリールアルキル」は、アリール基がアルキル基に結合され、そのアルキル基が分子の残部に結合している基(例えばベンジル、フェネチル、ピリジルメチルなど)を含むことが意図される。
【0031】
上記の用語(例えば、「アルキル」、「アリール」及び「ヘテロアリール」)は、幾つかの実施形態では、指示された基の置換形と非置換形の両方を含む。各タイプの基の好ましい置換基を以下に与える。簡潔にするために、アリール及びヘテロアリールという用語は、以下に示す通りの置換形又は非置換形を指し、一方、用語「アルキル」及び関連する脂肪族基は、置換されていると示されない限り、非置換形を指すものである。
【0032】
アルキル基(アルキレン、アルケニル、アルキニル及びシクロアルキルとしばしば呼ばれる基を含む) のための置換基は、下記から選ばれる様々な基であることができる:0 ~(2 m'+1)の範囲の数の、-ハロゲン、-OR'、-NR'R”、-SR'、-SiR'R”R'”、-OC(O)R'、-C(O)R'、-CO2R'、-CONR'R”、-OC(O)NR'R”、-NR”C(O)R'、-NR'-C(O)NR”R'”、-NR”C(O)2R'、-NH-C(NH2)=NH、-NR'C(NH2)=NH、-NH-C(NH2)=NR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R”、-NR'S(O)2R”、-CN及びNO2 であり、ここで、m’はこのような基の中の炭素原子の総数である。R'、R'' 及びR''’ は各々独立に、水素、非置換C1-8アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換アリール、1~3個のハロゲンで置換されたアリール、非置換C1-8アルキル、C1-8アルコキシ又はC1-8チオアルコキシ基、又は非置換アリール-C1-4 アルキル基を指す。R'及びR''が同じ窒素原子に結合している場合には、それらは該窒素原子と一緒になって3員、4員、5員、6員又は7員環環を形成することができる。例えば、-NR'R”は、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルを含むことが意図される。用語「アシル」は、それ自体又は別の基の一部として使用される時、基の結合点に最も近い炭素上の2つの置換基が置換基=Oで置き換えられているアルキル基(例えば、-C(O)CH3、-C(O)CH2CH2OR'など)を指す。
【0033】
同様に、アリール及びヘテロアリール基の置換基は様々に異なり、一般に以下から選ばれる: 0(ゼロ)から芳香環系上の自由原子価(open valency)の総数までの範囲の数の、-ハロゲン、-OR'、-OC(O)R'、-NR'R”、-SR'、-R'、-CN、-NO2、-CO2R'、-CONR'R”、-C(O)R'、-OC(O)NR'R”、-NR”C(O)R'、-NR”C(O)2R'、-NR'-C(O)NR”R”'、-NH-C(NH2)=NH、-NR'C(NH2)=NH、-NH-C(NH2)=NR'、-S(O)R'、-S(O)2 R'、-S(O)2NR'R”、-NR'S(O)2R”、-N3、ペルフルオロ(C1~C4)アルコキシ及びペルフルオロ(C1~C4)アルキルであり、ここで、R'、R”及びR”’は独立に水素、C1-8アルキル、C3-6シクロアルキル、C 2-8アルケニル、C2-8アルキニル、非置換アリール及びヘテロアリール、(非置換アリール)-C1-4アルキル及び非置換アリールオキシ-C1-4アルキルから選ばれる。他の適切な置換基として、1~4個の炭素原子のアルキレンテザーにより環原子に結合している上記の各アリール置換基が挙げられる。
【0034】
アリール又はヘテロアリール環の隣接原子上の2つの置換基は、場合により、式-T-C(O)-(CH2)q-U-(式中、T及びUは独立に-NH-、-O-、-CH2-又は単結合であり、qは0~2の整数である)の置換基により置換されていてよい。あるいは、アリール又はヘテロアリール環の隣接原子上の2つの置換基は、場合により、式-A-(CH2)r-B-(式中、A及びBは独立に-CH2-、-O-、-NH-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-S(O)2NR'-又は単結合であり、rは1~3の整数である)の置換基により置換されていてよい。そのように形成された新しい環の単結合の1つは、場合により、二重結合により置き換えられていてよい。あるいは、アリール又はヘテロアリール環の隣接原子上の2つの置換基は、場合により式-(CH2)s-X-(CH2)t-(式中、s及びtは独立に、0~3の整数であり、Xは-O-、-NR'-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-又はS(O)2NR'-である)の置換基により置き換えられていてよい。-NR'-及びS(O)2NR'-中の置換基R'は、水素又は非置換C1-6アルキルから選ばれる。
【0035】
本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロ原子」は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)及びケイ素(Si)を含むことが意図される。
【0036】
本明細書に提供される化合物に関して、置換基(典型的には、R基)から芳香環(例えばベンゼン、ピリジンなど)の中心の方に向かって線が描かれる結合は、芳香環の任意の利用可能な頂点での接続を提供する結合を指すと理解されるだろう。幾つかの実施形態において、描写は、芳香環に縮合した環のところでの結合も含むだろう。例えば、インドールのベンゼン部分の中心に向かって線が描かれる結合は、インドールの6員環又は5員環部分の任意の利用可能な頂点への結合を示すであろう。
【0037】
用語「医薬上許容される塩」は、本明細書に記載の化合物に見られる特定の置換基に応じて、比較的非毒性の酸又は塩基を用いて調製される、活性化合物の塩を含むことが意図される。本発明の化合物が比較的酸性の官能基を含む場合、塩基付加塩はこのような化合物の中性形態をニートで又は適切な不活性溶媒中のいずれかで、十分な量の所望の塩基と接触させることによって得ることができる。医薬上許容される無機塩基から誘導される塩の例としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩が挙げられる。医薬上許容される有機塩基から誘導される塩としては、置換アミン、環状アミン、天然型アミン等を含む、第一級、第二級及び第三級アミンの塩が挙げられ、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどが挙げられる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含む場合には、酸付加塩は、かかる化合物の中性形態をニートで又は適切な不活性溶媒中で、十分な量の所望の酸と接触させることによって得ることができる。医薬上許容される酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸一水素、リン酸、リン酸一水素、リン酸二水素、硫酸、硫酸一水素、ヨウ化水素酸又は亜リン酸などの無機酸から誘導される塩、並びに、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などの比較的非毒性の有機酸から誘導される塩が挙げられる。また、アルギン酸塩などのアミノ酸の塩、及び、グルクロン酸又はガラクツロン酸などの有機酸の塩なども含まれる(例えば、Berge,S.M.他、"Pharmaceutical Salts", Journal of Pharmaceutical Science, 1977, 66, 1-19を参照されたい)。本発明の特定の化合物は、該化合物が塩基付加塩又は酸付加塩のいずれかに変換されるのを可能にする、塩基性官能基と酸性官能基の両方を含む。
【0038】
中性形態の化合物は、塩を塩基又は酸と接触させ、親化合物を従来の方法で単離することによって再生することができる。化合物の親形態は、極性溶媒への溶解性などの特定の物性の点で種々の塩形態とは異なるが、その他の点では、塩は本発明の目的の化合物の親形態と同等である。
【0039】
塩形態に加えて、本発明はプロドラッグ形態である化合物を提供する。本明細書に記載の化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学変化を受けて本発明の化合物を提供する化合物である。さらに、プロドラッグは、生体外環境において化学的又は生化学的方法により本発明の化合物へと変換されうる。例えば、プロドラッグは、適切な酵素又は化学試薬とともに経皮パッチリザーバに入れると、本発明の化合物へとゆっくりと変換されうる。
【0040】
本発明の特定の化合物は、非溶媒和形態並びに水和形態を含む溶媒和形態で存在することができる。一般に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と同等であり、本発明の範囲内に包含されることが意図される。本発明の特定の化合物は、多結晶又は非晶質形態で存在しうる。一般に、全ての物理的形態は、本発明によって想定される用途に関して同等であり、本発明の範囲内にあることが意図される。
【0041】
本発明の特定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)又は二重結合を有する:ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体、位置異性体及び個々の異性体(例えば、別個のエナンチオマー)は、すべて本発明の範囲内に包含されることが意図される。化合物が同定された立体化学(R又はS、又は破線やくさび形結合の記号表示で示される)で本明細書に提供される場合には、該化合物は他の異性体を実質的に含まない(例えば、他の異性体を少なくとも80%、90%、95%、98%、99%及び100%まで含まない)ものと当業者に理解される。
【0042】
本発明の化合物はまた、そのような化合物を構成する原子の1つ以上に不自然な割合の原子同位体を含むことができる。同位体の不自然な割合は、着目の原子の自然界に見出される量から着目の原子100%からなる量までの範囲と定義することができる。例えば、化合物は、例えばトリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)もしくは炭素-14(14C)などの放射性同位体、又は重水素(2H)もしくは炭素-13(13C)などの非放射性同位体を含むことができる。このような同位体変種は、本出願明細書の他の箇所に記載されたものに追加の有用性を提供することができる。例えば、本発明の化合物の同位体変種は、限定するわけではないが、診断及び/又は画像化試薬として、又は、細胞傷害性/放射能毒性の治療薬としての有用性を包含する、追加の有用性を見出すことができる。さらに、本発明の化合物の同位体変種は治療中の安全性、耐容性又は有効性の向上に寄与することができる、改変した薬物動態特性及び薬力学特性を有することができる。本発明の化合物のすべての同位体変種は放射性であろうとなかろうと、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0043】
本明細書中で用いる場合、「固形腫瘍」という用語は、悪性腫瘍を指す。固形腫瘍は一般に組織の限局性集合体である。しかしながら、固形腫瘍は、組織周辺を侵略し、新たな身体側面(body sides)に転移することができる。固形腫瘍は良性(癌でない)であっても悪性(癌)であってもよい。固形腫瘍の様々のタイプは、それらを構成する細胞のタイプごとに命名されている。固形腫瘍の例は、肉腫、癌腫、及びリンパ腫である。用語「固形腫瘍」は白血病(血液の癌)を含まない。「肉腫」は、骨や筋肉のような結合組織又は支持組織から発生する癌である。「癌腫」は、体組織を縁取る腺細胞及び上皮細胞から発生する癌である。「リンパ腫」は、リンパ節、脾臓及び胸腺のようなリンパ系臓器の癌である。それらの細胞は体の組織の大部分に存在するので、リンパ腫は広範囲の臓器に発生しうる。典型的な固形腫瘍の例としては、限定されないが、例えば線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、上皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮腫、滑液腫瘍、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸肉腫、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛腫、セミノーマ、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、多形性膠芽腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上皮腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、黒色腫、神経芽腫、及び網膜芽腫が挙げられる。
III.実施形態の詳細な説明
A.方法
【0044】
一態様では、本開示は、固形腫瘍の治療方法であって、ケモカイン受容体2(CCR2)アンタゴニストの有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0045】
幾つかの実施形態では、固形腫瘍は線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、上皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮腫、滑液腫瘍、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸肉腫、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛腫、セミノーマ、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、多形性膠芽腫、星状細胞腫、髄芽種、頭蓋咽頭腫、上皮腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、黒色腫、神経芽腫、及び網膜芽腫である。
【0046】
幾つかの実施形態では、固形腫瘍は脳腫瘍、乳癌、トリプルネガティブ型乳癌、膀胱癌、骨肉腫、結腸直腸癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌、胃癌、前立腺癌、肉腫、黒色腫、癌腫又はリンパ腫である。
【0047】
幾つかの実施形態では、固形腫瘍は、前立腺癌、乳癌、結腸直腸癌、膵臓癌、又はリンパ腫である。
【0048】
幾つかの実施態様では、固形腫瘍がリンパ腫である。幾つかの実施形態では、固形腫瘍が皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)である。上述した通り、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)は、皮膚に主に局在したT細胞悪性腫瘍の不均一群である。
【0049】
CTCLは一般に4つの別々の病期に分けられる(亜期を含む)。早期CTCL(第IA期とIB期)は、紅斑又はプラークで覆われた皮膚を伴う。IA期とIB期の相違点は、紅斑又はプラークに冒された皮膚の量である。IIA期では、皮膚の斑点/プラークに加えて、罹患した個体のリンパ節が腫脹するが、癌はリンパ節には広がっていない。IIB期は、1以上の腫瘍が皮膚に認められる病期(すなわち、「腫瘍期CTCL」)であり、リンパ節は腫脹するが、癌はまだリンパ節に広がっていない。III期CTCLでは、皮膚のほぼ全てが斑点、プラーク及び/又は腫瘍を有して発赤し、リンパ節は腫脹しうるが、癌はリンパ節に広がっていない。IV期では、癌がリンパ節に又は他の臓器に広がっている。
【0050】
本開示は、本明細書に記載の方法を用いてI~IV期の病期のいずれかを治療することを企図する。幾つかの実施形態では、対象は早期CTCL(すなわち第IA、IB又はIIA期)を有する。幾つかの実施形態では、CTCLを有する対象は、IIB期の病期にあるか又はより進行した病期(すなわち「腫瘍期CTCL」)にある。よって、幾つかの実施形態では、対象はIIB期又はより進行したCTCL病態と診断される。幾つかの実施形態では、対象はIIB期CTCLと診断される。
【0051】
幾つかの実施形態では、CTCLはCTCLの特定の亜型である。幾つかの実施形態では、CTCLは多形性膠芽腫(MF)である。幾つかの実施形態では、CTCLはセザリー症候群(SS)である。
【0052】
第二の態様では、本開示は、固形腫瘍微小環境におけるマクロファージの数を減少させる方法であって、ケモカイン受容体2(CCR2)アンタゴニストの有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0053】
第三の態様では、本開示は、固形腫瘍微小環境におけるCD8+ T細胞の数を増加させる方法であって、ケモカイン受容体2(CCR2)アンタゴニストの有効量を投与することを含む方法を提供する。
B.CCR2アンタゴニスト
【0054】
幾つかの実施形態では、CCR2アンタゴニストは、式(I):
【化6】
を有するCCR2の小分子アンタゴニスト、又はその医薬上許容される塩、水和物、立体異性体もしくは回転異性体であり;ここで
AはC(R
5)(R
6)又はN(R
5)であり、
下付き文字のmとnは、各々独立に0~2の整数であり、そしてm + n は≦3であり;
R
1はアリール、アリール-C
1-4アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、ここで前記ヘテロアリール部分はN、O及びSから選ばれた環員として1~3個のヘテロ原子を有し;前記アリール及びヘテロアリール基又は部分は、場合により1~5個のR
x置換基で置換されていてよく;
R
2はH、C
1-8アルキル、C
3-8シクロアルキル、C
3-8シクロアルキル-C
1-4アルキル、アリール、アリール-C
1-4アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、ここで前記ヘテロアリール部分は、N、O及びSから選ばれた環員として1~3個のヘテロ原子を有し;ここで前記アリール及びヘテロアリール基又は部分は、場合により1~4個のR
X置換基で置換されてよく;
又は場合により、R
1とR
2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、6~11員の単環式もしくは縮合二環式の複素環又はヘテロアリール環を形成し、ここで-NR
1R
2は、場合により1~4個のR
x置換基によりさらに置換されてよく;
R
3は、H、C
1-8アルキル、C
3-8シクロアルキル及びC
3-8シクロアルキル-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、その各々は場合により1~3個のR
y置換基で置換されてよく、
R
4は、H、場合により1~2個のR
yで置換されてよいC
1-8アルキル、及びCO
2Hからなる群より選ばれ;
R
5は、C
1-8アルキル、C
1-8アルコキシ、C
3-8シクロアルキル、C
3-8シクロアルキルオキシ、C
3-8シクロアルキル-C
1-4アルキル、C
1-8アルキルアミノ、ジ-C
1-8アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリール-C
1-4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ及びヘテロアリール-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、その各々は場合により1~5個のR
z置換基で置換されてよく;
R
6は、H、F、OH、C
1-8アルキル及びC
1-8アルコキシからなる群より選ばれ、ここで前記C
1-8アルキル及びC
1-8アルコキシ基は、場合により1~3個のR
z置換基で置換されてよく;
又は、場合により、R
5とR
6は一緒になって、スピロ環系5員もしくは6員シクロアルキル環を形成してよく、前記環は場合により不飽和であってよく、そして場合により1~4個のR
z 置換基で置換されている縮合アリール基を有し;
各R
xは独立にハロゲン、-CN、-R
c、-CO
2R
a、-CONR
aR
b、-C(O)R
a、-OC(O)NR
aR
b、-NR
bC(O)R
a、-NR
bC(O)
2R
c、-NR
a-C(O)NR
aR
b、-NR
aC(O)NR
aR
b、-NR
aR
b、-OR
a、-O-X
1-OR
a、-O-X
1-NR
aR
b、-O-X
1-CO
2R
a、-O-X
1-CONR
aR
b、-X
1-OR
a、-X
1-NR
aR
b、-X
1-CO
2R
a、-X
1-CONR
aR
b、-SF
5、-S(O)
2NR
aR
b、及び5員もしくは6員のアリールもしくはヘテロアリールからなる群より選ばれ、ここで各X
1は、C
1-4アルキレンであり、各R
a及びR
bは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、該環はN、O又はSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、場合によりオキソにより置換されてよく;各R
cは独立にC
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル及びC
3-6シクロアルキルからなる群より選ばれ;そして場合により2つのR
x 置換基が隣接原子上にあるとき、それらは一緒になって縮合5員もしくは6員炭素環を形成し、ここで前記アリール又はヘテロアリール基は場合により、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルキル及びC
1-4ハロアルコキシから選ばれる1~3個の員により置換されてよく;
各R
yは独立に、ハロゲン、-CN、-R
f、-CO
2R
d、-CONR
dR
e、-C(O)R
d、-OC(O)NR
dR
e、-NR
eC(O)R
d、-NR
eC(O)
2R
f、-NR
dC(O)NR
dR
e、-NR
dC(O)NR
dR
e、-NR
dR
e、-OR
d及びS(O)
2NR
dR
eからなる群より選ばれ、各R
d及びR
e は独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、該環はN、O又はSから選ばれる環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し;各R
fは独立にC
1-8アルキル、C
1-8 ハロアルキル及びC
3-6シクロアルキルからなる群より選ばれ;
各R
zは独立して、ハロゲン、-CN、-R
i、-CO
2R
g、-CONR
gR
h、-C(O)R
g、-OC(O)NR
gR
h、-NR
hC(O)R
g-、-NR
hC(O)
2R
i、-NR
gC(O)NR
gR
h、-NR
gR
h、-OR
g、-S(O)
2NR
gR
h、-X
1-R
j、-X
1-NR
gR
h、-X
1-CONR
gR
h、-X
1-NR
hC(O)R
g、-NHR
j、-NHCH
2R
j及びテトラゾールからなる群より選ばれ、各R
g及びR
hは独立に水素、C
1-8アルキル、C
3-6シクロアルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合に、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、該環はN、O又はSから選ばれる環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、そして、場合により1又は2個のオキソにより置換されてよく、各R
iは独立して、C
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル及びC
3-6シクロアルキルからなる群より選ばれ、そして各R
jはC
3-6シクロアルキル、ピロリニル、ピペリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロピラニルからなる群より選ばれる。
【0055】
R1及びR2が、各々が結合している窒素原子と一緒になって、6~11員の単環式又は縮合二環式複素環を形成する場合、その6~11員の単環式又は縮合二環式複素環はアリール又はヘテロアリール環と縮合した単環式複素環を包含するということは理解されるべきである。
【0056】
式Iにおいて、置換基R3は、一実施形態では、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル及びシクロブチルメチルからなる群より選ばれる。
【0057】
本明細書中の記載において、当業者は、結合と交差する波形の線は、分子の残部に所与の置換基又は基の結合点を特定するものであると理解するだろう。
【0058】
上記の通り、下付き文字 mとnは、各々0、1及び2から選ばれ、そしてm + n は≦3である。前記下付き文字が0(ゼロ)である場合、当業者は、環頂点Aを有する環構造が意図されるが、丸括弧の一方の側にある隣接の環頂点は、結合により接続されていることを理解するだろう。従って、本発明は、頂点としてAを有する環が
【化7】
を含むものとされる構造を包含する。
【0059】
1つの選択される実施形態の群において、mとnは、両方とも0(ゼロ)である。別の選択される実施形態の群において、mとnは両方とも1である。更に別の選択される実施形態の群において、mは1であり、nは0である。更に別の選択される実施形態の群において、mは1であり、nは2である。
【0060】
更に他の選択される実施形態において、頂点Aを有する環は
【化8】
から選択される式により表される。
【0061】
実施形態の1つの下位群において、式(I)の化合物は
【化9】
によって表される。
【0062】
式(Ia)の範囲内において、多くの選択される実施形態は、式Ia1、Ia2、Ia3、Ia4及びIa5として提供される。
【化10】
【0063】
各式Ia、Ia1、Ia2、Ia3、Ia4及びIa5において、記載の置換基(R1~R6、Rx及びRz)及び下付き文字のmとnは、式Iに関して上記に提供した意味を有する。下付き文字のpとqは次の意味を有する:Ia1、Ia4及びIa5に関しては、下付き文字のqは0~5の整数であり;Ia2とIa4に関しては、下付き文字のpは0~4の整数であり;そしてIa3及びIa5に関しては、下付き文字のpは0~5の整数である。
【0064】
更に別の選択される実施形態では、本明細書に提供される化合物は、下記から選ば
れる式によって表される:
【化11】
上式中、各化合物は他の立体異性体を実質的に含まず、記載の置換基(R
1~R
6、R
x 及び
R
z)及び下付き文字のmとnは、式Iに関して上記に提供した意味を有する。下付き文字のpとqは次の意味を有する:Ia1'、Ia4'及びIa5'に関しては、下付き文字のqは0~5の整数であり;Ia2'及びIa4'に関して、下付き文字のpは0~4の整数であり;そしてIa3'及びIa5'に関して、下付き文字のpは0~5の整数である。
【0065】
式Iの実施形態の別の群において、AはC(R
5)(R
6)であり、ここでR
5及びR
6は一緒になって環を形成する。選択される実施形態は以下のように提供される:
【化12】
【0066】
各式Ib、Ib1及びIb2において、記載の置換基(R1~R6、Rx及びRz)及び下付き文字のmとnは、式Iに関して上記に提供した意味を有する。下付き文字のpとqは次の意味を有する:Ib、Ib1及びIb2に関しては、下付き文字のqは0~5の整数であり、Ib1に関しては、下付き文字のpは0~4の整数であり、そしてIb2に関しては、下付き文字のpは0~5の整数である。
【0067】
式Iの実施形態の別の群において、AはNR
5である(式Icを参照)。選択される実施形態は以下のように提供される:
【化13】
【0068】
各式Ic、Ic1、Ic2Ic3、Ic4及びIc5において、記載の置換基(R1~R6、Rx及びRz)及び下付き文字のmとnは、式Iに関して上記に提供した意味を有する。下付き文字のpとqは次の意味を有する:Ic1、Ic4及びIc5に関しては、下付き文字のqは0~5の整数であり、Ic2及びIc4に関しては、下付き文字のpは0~4の整数であり、そしてIc3及びIc5に関しては、下付き文字のpは0~5の整数である。
【0069】
更に別の選択される実施形態において、本明細書に提供される化合物は以下から選択
される式により表される:
【化14】
ここで各化合物は実質的に他の立体異性体を含まず、記載の置換基(R
1~R
6、R
x 及びR
z)及び下付き文字のmとnは、式Iに関して上記に提供した意味を有する。下付き文字のpとqは次の意味を有する:Ic1'、Ic4'及びIc5'に関しては、下付き文字のqは0~5の整数であり、Ic2'及びIc4'に関しては、下付き文字のpは0~4の整数であり、そしてIc3'及びIc5'に関しては、下付き文字のpは0~5の整数である。
【0070】
他の選択される実施形態では、化合物は上記のI、Ia、Ia1、Ia1'、Ib、Ic、Ic1及びIc1'の各々において提供され、ここで-N(R
1)(R
2) は下記のものから選ばれる:
【化15】
【0071】
更に他の選択される実施形態は、上記のI、Ia、Ia1、Ia1'、Ib、Ic、Ic1及びIc1'において提供され、ここで-N(R
1)(R
2)は以下のものから選ばれる:
【化16】
【0072】
なお別の選択される実施形態は、上記のI、Ia、Ia1、Ia1'、Ib、Ic、Ic1及びIc1'において提供され、-N(R
1)(R
2)は以下のものから選択される:
【化17】
【0073】
幾つかの実施形態において、式I、Ia、Ia2、Ia3、Ia2'及びIa3'の化合物が提供され、ここで、AはC(R
5)(R
6)であり、あるいはC(R
5)(R
6)として式中に示され、ここでR
5はアリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリール-C
1-4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ及びヘテロアリール-C
1-4アルキルから選ばれ、前記アリール基又はヘテロアリール基又は部分は、以下のものから選択される:
【化18】
【0074】
特定の選択される実施形態において、式I、Ia、Ia2、Ia3、Ia2'及びIa3'の化合物が提供され、ここでA はC(R
5)(R
6)であり、又は、C(R
5)(R
6)として式中に示され、ここでR
5はアリール、アリールオキシ、アリールアミノ及びアリール-C
1-4アルキルから選択され、前記アリール基又は部分は下記のものから選択される:
【化19】
【0075】
更に他の選択される実施形態において、式I、Ia、Ia2、Ia3、Ia2'及びIa3'の化合物が提供され、ここでAはC(R
5)(R
6)であり、又はC(R
5)(R
6)として式中に示され、ここでR
5 はヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ及びヘテロアリール-C
1-4アルキルから選ばれ、前記ヘテロアリール基又は部分は以下のものから選択される:
【化20】
【0076】
幾つかの実施形態において、式I、Ic、Ic2、Ic3、Ic2'及びIc3'の化合物が提供され
、ここでAはN(R5)であり、又はN(R5)として式中に示され、ここでR5 はアリール、アリール-C1-4アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C1-4アルキルから選ばれ、前記アリール基又はヘテロアリール基又は部分は、上記の群1から選択される。特定の選択される実施形態において、式I、Ic、Ic2、Ic3、Ic2'及びIc3'の化合物が提供され、ここでAはN(R5)であり、又はN(R5)として式中に示され、ここでR5 はアリール及びアリール-C1-4アルキルから選ばれ、前記アリール基もしくは部分は、上記の下位群1aから選択される。更に他の選択される実施形態では、式I、Ic、Ic2、Ic3、Ic2'及びIc3'の化合物が提供され、ここでAはN(R5)であり、又はN(R5)として式中に示され、ここでR5はヘテロアリール及びヘテロアリール-C1-4アルキルから選ばれ、前記ヘテロアリール基又は部分は、上記の下位群1bから選択される。
【0077】
幾つかの実施形態では、CCR2アンタゴニストは以下からなる群より選択された式を有する化合物:
【化21】
又はその医薬上許容される塩である。
【0078】
幾つかの実施形態では、CCR2アンタゴニストは式:
【化22】
を有する化合物1又はその医薬上許容される塩である。
【0079】
幾つかの実施形態では、CCR2アンタゴニストは式:
【化23】
を有する化合物2又はその医薬上許容される塩である。
【0080】
幾つかの実施形態では、CCR2アンタゴニストは式:
【化24】
を有する化合物3又はその医薬上許容される塩である。
【0081】
幾つかの実施形態において、CCR2アンタゴニストは、ChemoCentryxにより2016年5月19日に出願された米国出願第15/158,713号から派生した米国特許第2016/0340356号に開示された化合物又は医薬組成物から選択され、その内容があらゆる目的で本明細書中に援用される。
【0082】
幾つかの実施形態において、CCR2ケモカイン受容体アゴニストは、AZ889、AZD2423、INCB-8761、MK-0812、BMS-813160、INCB-003284、PF-04634817、BMS-741672、Cenicriviroc、CCX-140からなる群より選択される。
C.投与方法
【0083】
用語「治療的有効量」とは、細胞、組織、系又は動物、例えばヒトの生物学的又は医学的応答を惹起するであろう目的化合物の量を意味し、それは研究者、獣医、医師又は他の治療提供者により探索される量である。
【0084】
一般に、本明細書中に提供される治療法は、本明細書中に提供される1又は複数の化合物の有効量を患者に投与することを含む。好ましい実施形態では、本発明の化合物は、患者(例えばヒト)に経口又は局所投与される。治療レジメンは、使用する化合物及び処置すべき特定の状態;大部分の疾患の治療には、1日4回又はそれ未満の投与頻度が好ましい。一般に、1日2回の投薬レジメンがより好ましく、1日1回の投与が特に好ましい。しかしながら、特定患者についての特定の用量レベル及び治療レジメンは、使用する特定化合物の活性、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与の期間、投与の経路、排泄速度、薬物の組み合わせ(すなわち他の薬物が患者に投与される)及び治療を受ける特定の疾患の重篤度、並びに処方医の判断をはじめとする様々な要因に依存するだろう。一般に、効果的治療を提供するのに十分な最低用量の使用が好ましい。患者は一般に、治療又は予防しようとする状態に適当な医学的又は獣医学的基準を使って、治療有効性についてモニタリングされるだろう。
【0085】
処置すべき疾患及び患者の状態に応じて、本発明の化合物及び組成物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、嚢内注射又は点滴注入、皮下注射又は移植) 、吸入、経鼻、膣内、直腸内、舌下又は局所の投与経路のいずれかで投与することができ、各投与経路に適した通常の無毒性の医薬上許容されるキャリア(担体)、アジュバント及びビヒクルを含有する適切な投与単位製剤において単独で又は一緒に製剤化することができる。本発明はまた、本発明の化合物及び組成物のデポー製剤での投与も考えられる。
【0086】
約0.1 mg~ 約140 mg/kg体重/日のオーダーの投薬量が、病原性CCR2活性を伴う状態の処置又は予防に有用である(ヒト患者1人当たり約0.5 mg~ 約7 g/日)。単一剤形を製造するためにキャリア材料と組み合わせることができる有効成分の量は、治療する宿主及び特定の投与様式によって変化するであろう。投薬単位形態は、一般に、約1 mg~約500 mgの有効成分を含有するだろう。経口、経皮、静脈内又は皮下投与される化合物については、5 ng(ナノグラム)/mL~10μg(マイクログラム)/mL血清の血清濃度を達成するのに十分な量の化合物を投与することが好ましく、より好ましくは20 ng~1 μg/mL血清の血清濃度を達成するのに十分な化合物、最も好ましくは50 ng/mL~200 ng/mL血清の血清濃度を達成するのに十分な化合物を投与すべきである。滑膜への直接注射のためには(関節炎の治療のため)、約1マイクロモルの局所濃度を達成するのに十分な化合物を投与すべきである。
【0087】
投薬頻度も、使用する化合物及び処置される特定の疾患によって変化しうる。しかしながら、ほとんどの障害の治療のためには、1日4回、1日3回又はそれ未満の投薬レジメンが好ましく、1日1回又は1日2回の投薬レジメンが特に好ましい。しかし、特定の患者の特定の用量レベルは、使用する特定化合物の活性、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与の期間、投与経路、排泄速度、薬剤の組み合わせ(すなわち、他の薬物が患者に投与される)、治療を受ける特定の疾患の重篤度をはじめとする様々な要因、及び処方医の判断といった他の要因に依存することが理解されるであろう。
【0088】
幾つかの実施形態において、CCR2受容体調節を必要とする状態の治療又は予防のために、適切な投与量レベルは、一般に、患者の体重1 kgあたり1日あたり約0.001~100 mgであり、単回又は複数回投与で投与できる。好ましくは、投与量レベルは約0.01~約25 mg/kg/日であり、より好ましくは約0.05~約10 mg/kg/日である。適切な投与量レベルは約0.01~25 mg/kg/日、約0.05~10 mg/kg/日又は約0.1~ 5 mg/kg/日でありうる。この範囲内で、用量は1日あたり0.005~0.05、0.05~0.5、0.5~5.0又は5.0~ 50 mg/kgであってよい。経口投与では、組成物は、好ましくは、処置される患者に対する用量の、症候に合わせた調節のために、有効成分1.0~1000ミリグラム、特に1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0及び1000.0ミリグラムの有効成分を含有する錠剤の形態で提供される。化合物は、1日あたり1~4回、好ましくは1日あたり1回又は2回のレジメンで投与することができる。
【0089】
しかしながら、特定の患者のための特定の用量レベル及び投薬頻度は様々に異なることができ、使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用の長さ、年齢、体重、遺伝的特性、一般的健康状態、性別、食事、投与の様式と期間、排泄速度、薬物の組み合わせ、特定の状態の重篤度並びに治療を受ける宿主をはじめとする様々な因子によることが理解されるだろう。
D.併用療法
【0090】
固形腫瘍の成長と転移を治療する、予防する、緩和する、制御する又は減弱させる際に、本発明の化合物は次のものと組み合わせて使用することができる:(1)癌ワクチン接種法、(2)免疫チェックポイントモジュレーター、例えば、免疫チェックポイント阻害剤に対するアゴニスト抗体(抗PD1、抗PD-L1、抗CTLA4、抗Tim3、抗VISTA、抗KIR)又は免疫促進剤に対するアゴニスト抗体(抗Lag3、抗OX40、抗-ICOS、抗-4-1BB)、(3)形質転換細胞において通常アップレギュレートされる表面タンパク質に対する遮断抗体又は枯渇抗体(CEACAM1、Syndecan-2、GRP78)、(4)抗血管新生療法( 抗-VEGF、抗-VEGFR、VEGFR小分子阻害剤)、(5)抗リンパ管形成(VEGF、FDF2、PDGF並びにそれらの各々の受容体に対する遮断抗体まは阻害剤)、(6)標準化学療法(ゲムシタビン、パクリタキセル、フォルフィリノックス(FOLFORINOX))、(7) 放射線療法、(8)他のケモカインアンタゴニスト(CCR1、CCR4、CCR6、CXCR4、CXCR4、CXCR2、CXCR7小分子阻害剤、遮断抗体又は枯渇抗体)、(9)上記ケモカイン受容体を活性化するケモカインに対する枯渇抗体、(10)癌における共通の体細胞突然変異を標的とする阻害剤、例えば、以下の遺伝子(BRAF、KRAS、NRAS、EGFR、CTNNB1、NOTCH1、PIK3CA、PTEN、APC、FLT3、IDH1、IDH2、KIT、TP53、JAK2)を特異的に標的とするもの。併用療法は、固形腫瘍環境においてCD8+ T細胞数を増加させる方法、及び固形腫瘍微小環境においてマクロファージ数を減少させる方法において期待される。
【0091】
本発明の化合物は、抗炎症薬又は鎮痛薬、例えばアヘン剤アゴニスト、リポキシゲナーゼ阻害剤、例えば5-リポキシゲナーゼ阻害剤、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えばシクロオキシゲナーゼ-2阻害剤、インターロイキン阻害剤、例えばインターロイキン-1 阻害剤、NMDAアンタゴニスト、一酸化窒素阻害剤もしくは一酸化窒素合成阻害剤、非ステロイド系抗炎症剤又はサイトカイン抑制性抗炎症剤、例えばアセトアミノフェン、アスピリン、コデイン、生物学的TNF封鎖剤、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラク、モルヒネ、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカムのような化合物、ステロイド系鎮痛剤、スフェンタニル、スンリンダク、テニダップ等と組み合わせて使用することができる。
【0092】
幾つかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害薬は、PD-1及び/又はPD-L1阻害剤である。幾つかの実施形態では、PD-L1阻害剤はデュルバルマブ又はアテゾリズマブ又はアベルマブ又はBMS-936559(MDX-1105)又はALN-PDL 又はTSR-042又はKD-033 又はCA-170 又は CA-327 又はSTI-1014又はMEDI-0680又はKY-1003であり得る。デュルバルマブ(MEDI4736)はPD-L1に対して向けられたヒトモノクローナル抗体である。アテゾリズマブ(Atrexolizumab)(MPDL3280A) は完全にヒト化され工作された、PD-L1に対するIgG1モノクローナル抗体である。アベルマブ (MSB0010718C)は完全にヒト化され工作された、PD-L1に対するIgG1モノクローナル抗体である。BMS-936559 (MDX-1105) は、PD-L1に対する完全にヒトのIgG4 モノクローナル抗体である。ALN-PDL はPD-L1を標的とする干渉RNA (RNAi)である。TSR-042 は、PD-1/PD-L1経路に対して向けられる、工作されたキメラ抗体を指す。KD-033 は、二機能性(二価性)抗PD-L1/IL-15 融合タンパク質であって、抗PD-L1抗体がIL-15 受容体のsushiドメインによりサイトカインIL-15に末端で連結されている融合タンパク質である。CA-170 は、PD-L1とVISTAの小分子アンタゴニストである。STI-1014 は抗PD-L1 抗体を指す。KY-1003 はPD-L1に対するモノクローナル抗体である。CA-327 は、PD-L1とTIM3の小分子アンタゴニストを指す。
【0093】
幾つかの実施形態では、PD-1及び/又はPD-L1阻害剤は、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、AP-106、AP-105、MSB-2311、CBT-501、アベルマブ、AK-105、IO-102、IO-103、PDR-001、CX-072、SHR-1316、JTX-4014、GNS-1480、組み換えヒト化抗PD1 mAb(Shanghai Junshi Biosciences)、REGN-2810、ペラレオレプ、SHR-1210、PD1/PDL1 阻害剤ワクチン(THERAVECTYS)、BGB-A317、組み換えヒト化抗PD-1 mAb (Bio-Thera Solutions)、PD-1を標的とするプロボディ(CytomX)、XmAb-20717、FS-118、PSI-001、SN-PDL01、SN-PD07、PD-1 改変TILs(Sangamo Therapeutics)、PRS-332、FPT-155、jienuo mAb(Genor Biopharma)、TSR-042、REGN-1979、REGN-2810、レスミノスタット、FAZ-053、PD-1/CTLA-4二重特異性抗体 (MacroGenics)、MGA-012、MGD-013、M-7824、PD-1ベースの二特異性抗体(Beijing Hanmi Pharmaceutical)、AK-112、AK-106、AK-104、AK-103、BI-754091、ENUM-244C8、MCLA-145、MCLA-134、抗PD1腫瘍溶解性モノクローナル抗体 (Transgene SA)、AGEN-2034、IBI-308、WBP-3155、JNJ-63723283、MEDI-0680、SSI-361、CBT-502、抗PD-1 二重特異性抗体、二元標的指向性抗PD-1/LAG-3 mAbs (TESARO)、二元標的指向性抗PD-1/TIM-3 mAbs (TESARO)、PF-06801591、LY-3300054、BCD-100、STI-1110、ペムブロリズマブバイオシミラー、ニボルマブバイオシミラー、PD-L1-TGF-β療法、KY-1003、STI-1014、GLS-010、AM-0001、GX-P2、KD-033、PD-L1/BCMA二重特異性抗体 (Immune Pharmaceuticals)、PD-1/Ox40を標的とする二重特異性抗体 (Immune Pharmaceuticals)、BMS-936559、抗PD-1/VEGF-A DARPins (Molecular Partners)、mDX-400、ALN-PDL、PD-1阻害剤ペプチド (Aurigene)、siRNA 負荷樹状細胞ワクチン (Alnylam Pharmaceuticals)、GB-226、PD-L1 を標的とするCAR-TNKベースの免疫療法薬 (TNK Therapeutics/NantKwest)、、INSIX RA、INDUS-903、AMP-224、抗CTLA-4/抗PD-1 二重特異性ヒト化抗体 (Akeso Biopharma)、B7-H1ワクチン(State Key Laboratory of Cancer Biology/Fourth Military Medical University)、及びGX-D1からなる群より選択される。
【0094】
幾つかの実施形態では、PD-1阻害剤は、ペムブロリズマブ又はニボルマブ又はIBI-308又はmDX-400又はBGB-108又はMEDI-0680又はSHR-1210又はPF-06801591又はPDR-001又はGB-226又はSTI-1110でありうる。ニボルマブ(オプジーボ(OPDIVOTM)、MDX-1106、BMS-936558、及びONO-4538としても知られる) は、PD-1に対するヒトIgG4 モノクローナル抗体である。ペムブロリズマブ (キートルーダ(KEYTRUDA(登録商標))、ラムブロリズマブ、及びMK-34としても知られる)は、PD-1に対するヒト化IgG4 κアイソタイプモノクローナル抗体である。IBI-308は、PD-1に対して向けられたモノクローナル抗体を指す。mDX-400はPD-1に対するマウス抗体を指す。BGB-108はPD-1に対するヒト化モノクローナル抗体である。MEDI-0680 (AMP-514)はPD-1に対するヒト化IgG4 モノクローナル抗体である。SHR-1210 はPD-1に対するモノクローナル抗体を指す。PF-06801591はPD-1に対するモノクローナル抗体である。PDR-001は、PD-1に対するモノクローナル抗体を指す。GB-226はPD-1に対するモノクロ―ナル抗体を指す。STI-1110 はPD-1に対するモノクローナル抗体を指す。
【0095】
幾つかの実施形態では、PD-1阻害剤はRPM1-14である。
【0096】
幾つかの実施形態では、PD-1阻害剤はニボルマブ、ペムブロリズマブ及びピジリズマブから選択された抗体である。
【0097】
本明細書に記載の抗PD-1抗体及び抗体フラグメントは、記載の抗体のものとは異なるアミノ酸配列を有するが、PD-1を結合する能力を保持しているタンパク質を包含する。
【0098】
幾つかの実施形態では、抗PD-1抗体は、DARTs(登録商標)、DUOBODIES(登録商標)、BITES(登録商標)、XmAbs(登録商標)、TandAbs(登録商標)、Fab誘導体、並びにPD-1に結合する同様なものを包む、二重特異性抗体及び抗体様治療タンパク質を包含する。
【0099】
本明細書に記載のPD-L1抗体及び抗体フラグメントは、記載の抗体とは異なるアミノ酸配列を有するがPD-L1を結合する能力を保持しているタンパク質を包含する。そのような変異型抗体及びそのフラグメントは、親の配列に比較した時に1つ以上のアミノ酸の付加、欠失又は置換を含むことができるが、記載の抗体のものと本質的に同等又は本質的に生物学的に同等である生物活性を示すことができる。
【0100】
幾つかの実施形態では、抗PD-1抗体は、PD-L1に結合する、DARTs(登録商標)、DUOBODIES(登録商標)、BITES(登録商標)。XmAbs(登録商標)、TandAbs(登録商標)、Fab誘導体等をはじめとする抗体を包含する。
【0101】
追加のPD-1/PD-L1経路阻害剤の非限定例は、例えば、Chem & Han, Jour Clin Invest, 2015, 125(9):3384-3391、米国特許第8,168,757号;同第8,354,509号、同第8,552,154号、同第8,741,205号及び同第9,212,224号、米国特許出願公開第2014/0341917号、同第2015/0203580号及び同第2015/0320859号、国際特許出願WO2015/026634号パンフレットに記載されている。
【0102】
幾つかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤はCTLA-4阻害剤である。多数のCTLA-4阻害剤が当業界で知られている。幾つかの実施形態では、CTLA-4阻害剤は抗体である。幾つかの実施形態では、CTLA-4阻害剤抗体はイピリムマブ、トレメリムマブ、AGEN1884及びAGEN2041から選択される。幾つかの実施形態では、CTLA-4阻害剤抗体はイピリムマブである。幾つかの実施形態では、CTLA-4阻害剤抗体はトレメリムマブである。幾つかの実施形態では、CTLA-4阻害剤抗体はAGEN1884である。幾つかの実施形態では、CTLA-4阻害剤抗体はAGEN2041である。
【0103】
生物学的製剤、例えば抗体又はそのフラグメントは、例えばその生物学的製剤が、参照製剤として知られる既にFDAにより認可された生物学的製剤に高度に類似しているならば、バイオシミラーであると考えられる。バイオシミラーは、安全性と有効性の点で、参照製剤との臨床上有意な相違がない。バイオシミラーは、作用機序、投与の経路、投薬形態、及び強度がそれの参照製剤と同一であり得る。
【0104】
2つの生物学的製剤、例えば抗体又はそのフラグメントは、例えば、それらを同様な実験条件下で、単回投与又は複数回投与のいずれかで、同モル用量で投与した時に、吸収の速度と程度が有意な差を示されないような医薬同等物又は医薬代替物であるならば、生物学的に同等であると考えられる。幾つかの抗体は、それらが吸収の程度に関して同等であるが吸収速度に関しては同等でない場合、それらは同等物又は医薬代替物と考えられるが、吸収速度におけるそのような相違は意図的でありかつ標識付けに反映されるため、例えば慢性使用での有効な体内薬物濃度の達成には必須ではなく、試験される特定の薬品にとって医学的に重要でないと考えられる。
【0105】
幾つかの実施形態では、2つの生物学的製剤(例えば2つの抗体又はそのフラグメント)は、それらが安全性、純度又は効力に関して臨床上有意な差が全くない場合、生物学的に同等である。
【0106】
別の実施形態では、2つの生物学的製剤(例えば2つの抗体又はそのフラグメント)は、免疫原性の臨床上有意な変化、又は減少した有効性といった、予想される副作用のリスクの増加を伴うことなく、患者が参照製剤と生物学的製剤とを1回以上切り替えることができるならば、それらは生物学的に同等である。
【0107】
更に別の実施形態では、2つの生物学的製剤(例えば2つの抗体又はそのフラグメント)は、それらが両者とも使用条件にとって共通の作用機序により、そのような機序が既知である程度に作用するならば、それらは生物学的に同等である。
【0108】
生物学的同等性は、インビボ法及び/又はインビトロ法により実証することができる。生物学的同等性の尺度としては、例えば、(a) 抗体又はその代謝産物の濃度が、時間の関数として、血中、血漿中、血清中又は他の生物学的流体中で測定される、ヒト又は他の哺乳動物におけるインビボ試験;(b) ヒトのインビボのバイオアベイラビリティ(生物学的利用能)データと相関性があり、かつ合理的に予測できるインビトロ試験; (c) 抗体(又はその標的)の適当な急性薬理学的作用が時間の関数として測定される、ヒト又は他の哺乳動物におけるインビボ試験;及び (d) 抗体の安全性、効能、又はバイオアベイラビリティもしくは生物学的同等性を確立する、良く管理された臨床試験。
【0109】
本明細書に記載の抗体のバイオベター(従来品を改良したバイオ医薬品)変異体は、標的抗原、例えばPD-1又はPD-L1に特異的な現存の参照抗体をベースとすることができ、例えばそれがその標的抗原に対してより高い結合親和性を有しそして/又は参照抗体とは異なるエピトープに結合するか、又はより望ましい治療効果、発現及び/又は生物物理学的特性を有するような変化を受けている。
【0110】
幾つかの実施形態では、PD-1及び/又はPD-L1阻害剤は次の式:
【化25】
を有する小分子PD-1/PD-L1阻害剤である。
【0111】
幾つかの実施形態では、PD-1及び/又はPD-L1阻害剤は、式(II)を有する小分子PD-1/PD-L1阻害剤
【化26】
又はその医薬上許容される塩であって、ここで
R
1はハロゲン、C
5-8シクロアルキル、C
6-10アリール及びチエニルからなる群より選択され、ここで前記C
6-10アリール及びチエニルは、場合により1~5個のR
x置換基で置換されてよく;各R
xは独立にハロゲン、-CN、-R
c、-CO
2R
a、-CONR
aR
b、-C(O)R
a、-OC(O)NR
aR
b、-NR
bC(O)R
a、-NR
bC(O)
2R
c、-NR
a-C(O)NR
aR
b、-NR
aR
b、-OR
a、-O-X
1-OR
a、-O- X
1-CO
2R
a、-O-X
1-CONR
aR
b、-X
1-OR
a、-X
1-NR
aR
b、-X
1-CO
2R
a、-X
1-CONR
aR
b、-SF
5及びS(O)
2NR
aR
bからなる群より選択され、ここで各X
1は、C
1-4アルキレンであり;各R
a及びR
bは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選択され、又は、同一の窒素原子に結合している場合、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、該環はN、O又はSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、場合によりオキソにより置換されてよく;各R
cは独立に、C
1-8アルキル、C
2-8アルケニル、C
2-8アルキニル及びC
1-8ハロアルキルからなる群より選ばれ;そして場合により2つのR
x 置換基が隣接原子上にあるとき、それらは一緒になって5員、6員もしくは7員の縮合炭素環もしくは複素環を形成し、それらの環は場合によりハロ、オキソ、C
1-8ハロアルキル及びC
1-8アルキルから独立に選ばれた1~3個の置換基により置換されてよく;
各R
2a、R
2b及びR
2cは独立に、H、ハロゲン、-CN、-R
d、-CO
2R
e、-CONR
eR
f、-C(O)R
e、-OC(O)NR
eR
f、-NR
fC(O)R
e、-NR
fC(O)
2R
d、-NR
e-C(O)NR
eR
f、-NR
eR
f、-OR
e、-O-X
2-OR
e 、-O-X
2-NR
eR
f、-O- X
2-CO
2R
e、-O-X
2-CONR
eR
f、-X
2-OR
e、-X
2-NR
eR
f、-X
2-CO
2R
e、-X
2-CONR
eR
f、-SF
5、-S(O)
2NR
eR
f、 C
6-10アリール及びC
5-10ヘテロアリールからなる群より選ばれ、ここで各X
2はC
1-4アルキレンであり;各R
e及びR
fは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれるか、又は、同一の窒素原子に結合している場合には、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、該環はN、O及びSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、そして場合によりオキソにより置換されてよく;各R
dは独立に、C
1-8アルキル、C
2-8アルケニル及びC
1-8ハロアルキルからなる群より選ばれ;
R
3は、-NR
gR
h及びC
4-12ヘテロシクリルからなる群より選ばれ、ここでC
4-12ヘテロシクリルは場合により1~6個のR
yで置換されてよく;
ここで各R
yは独立に、ハロゲン、-CN、-R
i、-CO
2R
j、-CONR
jR
k、-CONHC
1-6 アルキル-OH、-C(O)R
j、-OC(O)NR
jR
k、-NR
jC(O)R
k、-NR
jC(O)
2R
k、CONOH、PO
3H
2、-NR
j-C
1-6 アルキル-C(O)
2R
k、-NR
jC(O)NR
jR
k、-NR
jR
k、-OR
j、-S(O)
2NR
jR
k、-O-C
1-6アルキル-OR
j、-O-C
1-6アルキル-NR
jR
k、-O-C
1-6アルキル-CO
2R
j、-O-C
1-6アルキル-CONR
jR
k、-C
1-6アルキル-OR
j、-C
1-6アルキル-NR
jR
k、-C
1-6アルキル-CO
2R
j、-C
1-6アルキル-CONR
jR
k、及び SF
5からなる群より選ばれ、
ここでR
yのC
1-6アルキル部分は、場合により、OH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、PO
3H
2、COO-C
1-8アルキル又はCO
2Hで更に置換されてよく、ここで各R
j及びR
kは独立に、水素; OH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、PO
3H
2、COO-C
1-8アルキル又はCO
2Hから選ばれた1~2個の置換基により場合により置換されてよいC
1-8アルキル;及びOH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、PO
3H
2、COO-C
1-8アルキル又はCO
2Hから選ばれた1~2個の置換基により場合により置換されてよいC
1-8ハロアルキルから独立に選ばれ、又はそれが同一の窒素原子に結合している場合、R
jとR
kはその窒素原子と一緒になって5員又は6員環を形成することができ、前記環はN、O又はSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、場合によりオキソで置換されてよく;各R
i は-OH、C
1-8アルキル、C
2-8アルケニル及びC
1-8 ハロアルキルから独立に選ばれ、その各々が場合によりOH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、PO
3H
2、COO-C
1-8アルキル又はCO
2Hで置換されてよく;
R
gはH、C
1-8ハロアルキル及びC
1-8アルキルからなる群より選ばれ;
R
hは-C
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル、C
1-8アルキル-COOH、C
1-8アルキル-OH、C
1-8アルキル-CONH
2、C
1-8アルキル-SO
2NH
2、C
1-8アルキル-PO
3H
2、C
1-8アルキル-CONOH、C
1-8アルキル-NR
h1R
h2、-C(O)-C
1-8アルキル、-C(O)-C
1-8アルキル-OH、-C(O)-C
1-8アルキル-COOH、C
3-10シクロアルキル、-C
3-10シクロアルキル-COOH、-C
3-10シクロアルキル-OH、C
4-8ヘテロシクリル、-C
4-8ヘテロシクリル-COOH、-C
4-8ヘテロシクリル-OH、-C
1-8アルキル-C
4-8ヘテロシクリル、-C
1-8アルキル-C
3-10シクロアルキル、C
5-10ヘテロアリール、-C
1-8アルキル-C
5-10ヘテロアリール、C
10カルボシクリル、-C
1-8アルキル-C
6-10アリール、-C
1-8アルキル-(C=O)-C
6-10アリール、-C
1-8アルキル-NH(C=O)-C
1-8アルケニル、-C
1-8アルキル-NH(C=O)-C
1-8アルキル、-C
1-8アルキル-NH(C=O)-C
1-8アルキニル、-C
1-8アルキル-(C=O)-NH-C
1-8アルキル-COOH、及びC
1-8アルキル-(C=O)-NH-C
1-8 アルキル-OH(場合によりCO
2Hで置換される)から選ばれ;又は
R
hはそれが結合しているNと一緒になって、1~3個の天然アミノ酸と0~2個の非天然アミノ酸とを含むモノ、ジ又はトリペプチドを形成し;ここで
前記非天然アミノ酸は、C
2-4ヒドロキシアルキル、C
1-3アルキル-グアニジニル及びC
1-4アルキル-ヘテロアリールからなる群より選ばれたα炭素置換基を有し;
前記各天然又は非天然アミノ酸のα炭素は、場合によりメチル基で更に置換されることがあり;
前記モノ、ジ又はトリペプチドの末端部分は、C(O)OH、C(O)O-C
1-6 アルキル及びPO
3H
2からなる群より選ばれ、ここで
R
h1及びR
h2は各々独立に、H、C
1-6アルキル及びC
1-4ヒドロキシアルキルからなる群より選ばれ;
前記R
hのC
1-8 アルキル部分は、場合によりOH、COOH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、COO-C
1-8 アルキル、PO
3H
2、及び場合により1~2個のC
1-3アルキル置換基で置換されるC
5-6 ヘテロアリールから独立に選ばれた1~3個の置換基で更に置換されてよく、
R
hのC
10カルボシクリル、C
5-10ヘテロアリール及びC
6-10アリール部分は、場合によりOH、B(OH)
2、COOH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、PO
3H
2、COO-C
1-8アルキル、C
1-4アルキル、C
1-4アルキル-OH、C
1-4アルキル-SO
2NH
2、C
1-4アルキル-CONH
2、C
1-4アルキル-CONOH、C
1-4アルキル-PO
3H
2、C
1-4アルキル-COOH及びフェニルから独立に選ばれた1~3個の置換基により置換されてよく;そして
R
hのC
4-8ヘテロシクリル及びC
3-10シクロアルキル部分は、場合により1~4個のR
w 置換基で置換されてよく;
各R
w置換基は独立に、C
1-4アルキル、C
1-4アルキル-OH、C
1-4アルキル-COOH、C
1-4アルキル-SO
2NH
2、C
1-4アルキル-CONH
2、C
1-4アルキル-CONOH、C
1-4アルキル-PO
3H、OH、COO-C
1-8アルキル、COOH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、PO
3H
2 及びオキソから選ばれ;
R
4はO-C
1-8アルキル、O-C
1-8ハロアルキル、O-C
1-8アルキル-R
z、C
6-10アリール、C
5-10ヘテロアリール、-O-C
1-4アルキル-C
6-10アリール及びO-C
1-4アルキル-C
5-10ヘテロアリールからなる群より選ばれ、ここでC
6-10アリールとC
5-10ヘテロアリールは場合により1~5個のR
zで置換されてよく;
各R
zは独立に、ハロゲン、-CN、-R
m、-CO
2R
n、-CONR
nR
p、-C(O)R
n、-OC(O)NR
nR
p、-NR
nC(O)R
p、-NR
nC(O)
2R
m、-NR
n-C(O)NR
nR
p、-NR
nR
p、-OR
n、-O-X
3-OR
n、-O-X
3-NR
nR
p、-O- X
3-CO
2R
n、-O-X
3-CONR
nR
p、-X
3-OR
n、-X
3-NR
nR
p、-X
3-CO
2R
n、-X
3-CONR
nR
p、-SF
5、-S(O)
2R
nR
p、-S(O)
2NR
nR
p、及び3~7員の炭素環又は4~7員の複素環からなる群より選ばれ、前記3~7員の炭素環又は4~7員の複素環は、場合により1~5個のR
tで置換されてよく、ここで各R
t は、C
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル、-CO
2R
n、-CONR
nR
p、-C(O)R
n、-OC(O)NR
nR
p、-NR
nC(O)R
p、-NR
nC(O)
2R
m、-NR
n-C(O)NR
nR
p、-NR
nR
p、-OR
n、-O-X
3-OR
n、-O-X
3-NR
nR
p、-O-X
3-CO
2R
n、-O-X
3-CONR
nR
p、-X
3-OR
n、-X
3-NR
nR
p、-X
3-CO
2R
n、-X
3-CONR
nR
p、-SF
5 及びS(O)
2NR
nR
pからなる群より独立に選ばれ;
ここで各X
3はC
1-4アルキレンであり;各R
n 及びR
p は独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は同一の窒素に結合している場合には、その窒素原子と一緒になって5員又は6員環を形成することができ、前記環はN、O又はSから選ばれた0~2個の追加のヘテロ原子を有し、そして場合によりオキソで置換されてよく;各R
m は独立に、C
1-8アルキル、C
2-8アルケニル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ;そして場合により、2つのR
z 置換基が隣接原子上にあるとき、それらは一緒になって5員又は6員の縮合炭素環又は複素環を形成し、それらの環は場合によりオキソで置換されてよく;
n は0、1、2又は3であり;
各R
5 は独立に、ハロゲン、-CN、-R
q、-CO
2R
r、-CONR
rR
s、-C(O)R
r、-OC(O)NR
rR
s、-NR
rC(O)R
s、-NR
rC(O)
2R
q、-NR
r-C(O)NR
rR
s、-NR
rR
s、-OR
r、-O-X
4-OR
r、-O-X
4-NR
rR
s、-O-X
4-CO
2R
r、-O-X
4-CONR
rR
s、-X
4-OR
r、-X
4-NR
rR
s、-X
4-CO
2R
r、-X
4-CONR
rR
s、-SF
5、-S(O)
2NR
rR
sからなる群より選ばれ、ここで各X
4 はC
1-4アルキレンであり;各R
r 及びR
s は独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合、その窒素原子と一緒になって5員又は6員環を形成することができ、前記環はN、O又はSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、そして場合によりオキソで置換されてよく;各R
qは独立にC
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルからなる群より選ばれ;
R
6aは、H、C
1-4アルキル及びC
1-4ハロアルキルからなる群より選ばれ;
各R
6bは独立に、F、C
1-4アルキル、O-R
u、C
1-4ハロアルキル、NR
uR
vからなる群より選ばれ、ここで各R
u及びR
vは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合には、その窒素原子と一緒になって5員又は6員環を形成することができ、前記環はN、O又はSから選ばれた0~2個の追加のヘテロ原子を有し、そして場合によりオキソで置換されてよく;そして
mは0、1、2、3又は4である。
【0112】
幾つかの実施形態では、小分子PD-1/PD-L1阻害剤は、ChemoCentrixにより2017年6月26日に出願された国際出願公開WO 2018/005374号パンフレット中に開示された化合物又は医薬組成物から選択される。その内容があらゆる目的で本明細書中に組み込まれる。
【0113】
本開示のPD-1及び/又はPD-L1阻害剤は、抗体化合物の分解を遅らせる又は抗体の免疫原性を最小にするように製剤化することができる。この目的を達成するために様々な技術が当業界で知られている。
【0114】
本明細書中に記載の併用療法では、CCR2アンタゴニストは、追加の治療薬と一緒に又は別々に処方することができる。CCR2アンタゴニストと追加療法は、各々の投与経路に相応しい常用の非毒性の医薬上許容されるキャリア、アジュバント及びビヒクルを含有する、適当な投与単位形態製剤(単独又は混合)において処方することができる。特定の用量レベル及び投薬頻度が異なり得ること、そして使用する特定化合物の活性、代謝安定性及び該化合物の作用の長さ、年齢、体重、投与の形式及び期間、排泄速度、薬物組み合わせ、特定の状態の重篤度、並びに治療を受けている宿主をはじめとする様々な要因に依存するだろうことは、理解されよう。
【0115】
抗体のような生物学的製剤は、1つ以上の抗体又はそのフラグメントと医薬上許容されるキャリアとを含有する医薬組成物に構成することができる。本明細書中で用いる場合、「医薬上許容されるキャリア(担体)」とは、物理学的に相溶性のあらゆる溶剤、分散媒、コーティング、抗菌剤又は抗真菌剤、等張化及び吸収遅延剤などを包含する。好ましくは、キャリアは静脈内、筋肉内、皮下、非経口、表皮投与(例えば注射又は輸液による)に適当である。本発明の医薬組成物は、1もしくは複数の医薬上許容される塩、抗酸化剤、水性又は非水性キャリア、及び/又はアジュバント、例えば保存剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤を含むことができる。
【0116】
幾つかの実施形態では、治療化合物及び剤は、単独で、すなわち他のものを含まずに提供されるならば、治療量以下(sub-therapeutic)であろう量にて各々提供されるだろう。当業者は、「組み合わせ」が治療における組み合わせを含み得る(すなわち、2以上の薬物を混合物として投与することができ、あるいは少なくとも同時に、又は少なくとも異なる時点であるが、両薬物が同時点で対象中に存在するように対象に導入することができる)ことを理解するだろう。
【0117】
同様に、本発明の化合物、剤及び組成物は、癌の治療、予防、抑制又は緩和に用いられる他の薬剤と組み合わせて治療することができる。そのような他の薬剤は、本発明の化合物、剤又は組成物と同時に又は連続して、そのために通常使用される経路と量により、投与することができる。本発明の化合物、剤又は組成物が1以上の他の薬剤と同時に使用される場合、本発明の化合物、剤又は組成物に加えてそのような他の薬剤を含有する医薬組成物が好ましい。従って、医薬組成物には、本発明の化合物、剤又は組成物に加えて、1以上の他の有効成分又は治療薬も含有するものが含まれ得る。
【0118】
併用療法は、CCR2アンタゴニストと追加の治療薬との同時投与、CCR2アンタゴニストと追加の治療薬の連続投与、CCR2アンタゴニストと追加の治療薬阻害剤とを含有する組成物の投与、又は1つの組成物がCCR2アンタゴニストを含みそして別の組成物が追加の治療薬を含むような別個の組成物の同時投与を包含する。
【実施例】
【0119】
IV.実施例
以下の実施例は、特許請求する発明を例示するために提供されるが、限定するためではない。
材料と方法
【0120】
動物及び細胞株。雌C57BL/6マウス(6~8週齢)をCharles River(カリフォルニア州ホリスター)から購入し、カリフォルニア州サクラメントにあるカリフォルニア大学デービス校(UCDAVIS)の動物施設に収容した。全ての動物実験は、UCDAVISの施設内動物管理・使用委員会のガイドラインと承認に従って実施された。MBL2細胞株は、C57BL/6マウスにおいてモロニーMuLV誘発T細胞リンパ腫から誘導された確立された細胞系であり、ウイルス依存性免疫原性を低下させるためにゲノムからgag遺伝子が削除されている細胞系である。MBL2細胞を10%熱不活性化FBSを含むDMEM(Invitrogen社、カリフォルニア州カールスバーグ)中で培養した。
【0121】
マウスにおけるMBL2腫瘍の確立。マウスの耳の皮膚腫瘍を確立する方法は以前に記載されている[28]。簡単に言えば、PBSで洗浄したMBL2細胞(20μLのPBS中4×105個)を、28ゲージの針を使用して耳の中央背面の下でかつ軟骨平面の上の皮膚空間に注入した。次に、マウスを、DNFB(1-フルオロ-2,4-ジニトロベンゼン、アセトンとオリーブ油 4:1(v/v)からなるビヒクル中0.5%、10μL/耳)(Sigma社、カリフォルニア州セントルイス)で背側耳皮膚を局所的に1回処置した。腫瘍成長は、デジタルキャリパーを使用した耳の最大厚により、又は耳の基準線から切除した腫瘍を有する耳全体の重量により評価した。エンドポイントの決定は、許容最大耳腫瘍サイズに基づいて、又は通常移植後2週間以内に発生する局所的びらんと出血に基づいて行う。
【0122】
CCR2アンタゴニスト及び/又は抗PD1による腫瘍処置。高濃度(6 mg/mL)又は低濃度(2 mg/mL)の低分子化合物「化合物1」、並びにビヒクル対照は、全てChemoCentrix(カリフォルニア州マウンテンビュー)によりラボ用製剤として提供された。治療用途には、化合物1又はビヒクルの強制投与による経口投与は、MBL2細胞接種と同日であるが、通常は2時間間隔を空けて開始した。化合物1は、腫瘍接種後2週間までの間、1日1回(高用量では60 mg/kg、低用量では20 mg/kg)投与した。処置に対する早期免疫応答の分析のため、3日目又は7日目にマウスを安楽死させた。抗PD1での腫瘍処置には、in vivo MAb抗マウスPD-1(CD279)及びラットIgG2a(BioXcell社、ニューハンプシャー州ウエストレバノン)をIP(マウス1匹あたり10 mg/kg)経由で、腫瘍移植と同日に開始して一週間に3回注射した。併用療法については、上記単剤レジメンと同じ方法を維持した。
【0123】
H&E及び組織免疫化学。マウスの耳腫瘍を、耳の基準線で外科的に切除した後、耳のサンプルを長軸に沿って2つの部分に切断し、RNA抽出用にRNAlater中に入れるか、又はヘマトキシリンとエオシン(H&E)染色用に又は精製マウス抗体(カリフォルニア州サンディエゴにあるBiolegend社からの抗CD8及び抗F4/80)での免疫組織学的染色用に10%ホルマリン液に入れた。
【0124】
定量的リアルタイムPCR。RNA(サンプルあたり<2μg)を、大容量第一鎖cDNAキット(Qiagen社)を用いてcDNAに変換した。リアルタイムPCRはStepOne Plus Real-time PCRシステム(Applied Biosystems社、カリフォルニア州カールスバーグ)上で実施した。qPCRプライマー対は、Integrated DNA technologies社(アイオア州コーラルビル)より購入した。
【0125】
腫瘍モデルにおけるCD8 T細胞枯渇。BioXcell社から購入したInVivoPlus抗マウスCD8α(クローン53-6.7)を、腫瘍移植の前日にマウスに腹腔内経路(注射1回あたり250μg)で注射した。その7日後に同用量で2回目の注射を行った。CD8枯渇の影響を分析するために、最初の投与から3日後に、耳腫瘍接種マウスを安楽死させた。頸部流出リンパ節を回収し、細胞懸濁液をFITC-抗CD8(別のクローン 5H10-1、Biolegend社、カリフォルニア州サンディエゴ)での染色を含むフローサイトメトリー分析用に単離した。
【0126】
マウス耳組織、リンパ節及び脾臓のフローサイトメトリー。抗マウスCD45(クローン30-F11)、CD11b(M1/70)、F4/80(BM8)、Ly6G(1A8)、Ly6C(HK1.4)、IFN-γ(XMG1.2)及びCD8(5H10-1)抗体(Ab)をBioLegend社(カリフォルニア州サンディエゴ)より購入した。耳又は腫瘍組織を記載の通り[30]消化して皮膚細胞懸濁液を得た。リンパ節又は脾臓を直接ミンチし、100μm(ミクロン)の細孔を有するセルストレーナー(Thermo Fisher Scientific社、マサチューセッツ州ウォルサム)を通してろ過した。脾臓サンプル中の赤血球をRBC溶解バッファー(BioLegend社)により除去した。細胞をブレフェルジンAとPMA/イオノマイシンと共に4時間インキュベートすることにより、記載の通りに細胞内染色を行った。フローサイトメトリーは、FlowJo解析ソフトウェア(Tree Star社、カリフォルニア州サンカーロス)と組み合わせてAcuri C6又はLSR II(BD Bioscience社、カリフォルニア州サンノゼ)を使って実施した。
【0127】
統計解析。全てのデータは平均±SEMとして表す。データは、GraphPad Prismのバージョン6(GraphPad Software社、カリフォルニア州サンディエゴ)を使って解析した。両側スチューデントt検定を用いることにより、データの平均とSEMの単純比較を実行した。p値<0.05を統計上有意であると見なした。
実施例1:小分子CCR2アンタゴニストは、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)のマウスモデルにおいて腫瘍マクロファージを枯渇させ、CD8 T細胞集積を刺激する(要約)
【0128】
血中の単球から動員された腫瘍関連マクロファージ(TAM)は、腫瘍成長を支える免疫抑制腫瘍微小環境(TME)を確立する上で重要な役割を果たすとされている。本発明者らは、耳の皮膚にMBL2 Tリンパ腫細胞を注入し、続いてDNFBを適用することにより、同系マウス皮膚での高悪性度の皮膚T細胞リンパ腫の確立を報告した。このモデルでは、マクロファージが腫瘍成長の維持に重要な役割を果たす。よって、皮膚中への単球の移入(trafficing)を阻止すること(特異的ケモカイン受容体の阻害を通して)が、腫瘍の発達に影響を及ぼし得ると仮定した。本例では、この腫瘍モデルにおいて単球のCCR2介在性走化性を遮断する、小分子薬である化合物1の経口投与の効果を調べる。腫瘍開始後2日間に渡り化合物1を投与した後、皮膚におけるマクロファージの顕著な枯渇(それぞれ、ビヒクル処置マウスで全白血球の17.7%に対し、化合物処置マウスで全白血球の2.78%の枯渇)を測定した(フローサイトメトリーにより)。処置の一週間後、化合物1処置マウスの腫瘍部位に好中球膿瘍と表皮潰瘍が発生したが、ビヒクル処置マウスでは発生しなかった。フロサイトメトリーは、化合物1処置後にTME中に相当多数の好中球の存在を同定した。2週時には、対照群のマウスの大部分が大型腫瘍のために安楽死させられた。しかしながら、化合物1で処置した腫瘍は、より小さく、腫瘍中の相当多数のCD8+ T細胞から構成される強力な炎症反応のために(免疫組織化学により確認された)、時にはほとんど消滅した。要約すると、本発明者らのデータは、化合物1で処置したマウスでの腫瘍マクロファージ集積の顕著な減少が、多くの動物で腫瘍サイズの減少とTMEにおけるCD8+ T細胞の増加に付随して起こることを示している。本発明者らは、CCR2受容体の阻害と腫瘍の微小環境の制御に基づいたCTCLの治療戦略には、更なる探査が当然必要であると提案する。
実施例2:CCR2アンタゴニストである化合物1は、皮膚T細胞リンパ腫のマウスモデルにおいて腫瘍進行を阻害した
【0129】
本発明者らは以前に、皮膚皮下にMBL2細胞を移植した後、耳への2,4-ジニトロ-1-フルオロベンゼン(DNFB)の単回局所投与により構築された炎症依存性マウスT細胞リンパ腫モデルを報告した。耳皮下へのMBL2細胞単独の移植は、同系マウスであるにもかかわらず、腫瘍形成を引き起こさない。これはおそらくDNFBによって触発される炎症が、しばしば効率的な腫瘍形成に必要であるためであろう。しかし、マウスに腫瘍細胞の移植後直ちに背側皮膚に、十分に研究された接触アレルゲンであるDNFBを単回投与すると、結果生じる腫瘍微小環境(TME)が2週間に渡り再現性のある腫瘍形成を可能にする。DNFBの適用が、TMEにおける多量の炎症性細胞(これは主に骨髄細胞集団、すなわちマクロファージと好中球を含む)の浸潤を誘導する。本発明者らは以前、クロドロネートリポソームを使ってマクロファージの「自殺」を誘導することにより、MBL2/DNFBモデルでのマクロファージが腫瘍成長に寄与することを示している[29]。従って、TMEにおける単球の動員とマクロファージ分化を阻止するためにケモカイン受容体CCR2を標的とする化合物が、皮膚におけるT細胞リンパ腫の増殖もおそらく低減させるだろうと仮定した。
【0130】
化合物1は経口的に生物利用能のあるCCR2アンタゴニストである。2つの異なる用量、すなわち20 mg/kg又は60 mg/kgで毎日1回経口強制投与により投与した後、マウス中の化合物1の血漿濃度は、供給量と良好な相関があった(
図2A)。加えて、いずれの投与計画もマウスに有意な(>20%)の体重変化を引き起こさず、これは薬剤が良好な耐容性を示したことを表している。実験的治療レジメンでは、腫瘍移植と同日に開始して、強制経口投与によって化合物1を毎日投与した(
図1A)。異なる2用量の化合物1で処置したマウスの耳腫瘍は、ビヒクル処置マウスでは起こらない、腫瘍成長の目に見える減少を示した(
図1C)。耳の厚さと耳重量の両方(安楽死直後に測定)が、未処置群又はビヒクル処置群のいずれと比較しても、化合物1処置によって有意に減少した(
図1C)。よって、化合物1は、T細胞リンパ腫の炎症及びマクロファージ依存性モデルにおいて腫瘍成長を阻止した。
実施例3:化合物1処置後の腫瘍微小環境(TME)においてCCR2
+マクロファージが特異的に枯渇される
【0131】
本発明者らが以前に示したように、DNFBはMBL2/DNFBモデルにおいて耳皮膚の炎症性TMEを誘導し、すなわち、耳はわずか2日間で発赤、浮腫、及び多数の炎症性細胞の迅速な集積を示す[28]。化合物1がマウスで腫瘍成長を減少させるメカニズムを明らかにするために、腫瘍移植後2日間に渡り化合物1で処置したマウスを調べた。耳腫瘍からの細胞懸濁液のフローサイトメトリー分析は、CD11b
+/F4/80
+マクロファージのレベルが化合物1処置によって有意に減少することを示し、ここで前記レベルは耳全体における計算による生存細胞の百分率値と絶対数の両方を含んだ(
図3A&B)。フローデータと腫瘍測定値の両方とも、高用量の化合物1が副作用を伴わずに良好な治療アウトカムを生じることを示したので、次の実験において1日当たり60 mg/kgを標準用量として使用することにした。
【0132】
免疫機能の点からマクロファージに密接に関連する他の骨髄由来の亜集団がTMEに蓄積することが知られている。化合物1が、上記で検出されたCD11b及びF4/80陽性マクロファージを特異的に標的するかどうか疑問に思った。耳の全組織からの単細胞懸濁液に対するフローサイトメトリーにより、表面マーカー、即ちCD11b、F4/80、Ly6G、Ly6C及びCCR2を組み合わせることで、CD11bでゲーティングされた骨髄細胞集団を支配する、明らかに2つのタイプの細胞が存在することがわかった(
図3C)。しかしながら、F4/80陽性細胞は、化合物1により標的指向される細胞型である。この集団は、化合物1の機能的標的であるLy6CとCCR2を共発現する。その他の主な細胞集団は、CD11b陽性及びLy6G陽性の細胞から成り、これもLy6Cを共発現するが、CCR2は共発現しない(
図3C)。それらの細胞は好中球マーカーを示すけれども、腫瘍微小環境の背景においてMDSC(骨髄由来サプレッサー細胞)に類似した潜在的に未熟な性質と特徴をもつため、それらを好中球様細胞と呼んだ。
図3Cに示すように、好中球の集積は化合物1によって遮断されなかった;対照的に、CCR2拮抗作用によるマクロファージの枯渇のため、それらの相対存在量は増加した。
実施例4:化合物1処置は腫瘍内炎症を増強する
腫瘍形成の間、化合物1で処置したマウスは有意に増強した耳の皮膚炎を示し、これは対照マウスよりも赤く、鱗状であった。7日目からの組織の組織学的検査により、背側、すなわちDNFBに曝露した側の耳表面が、表面に潰瘍形成、落屑性及び炎症性浸潤物の明らかな蓄積を示すことが顕微鏡的に明らかになった。抗F4/80でのIHC染色は、マクロファージがTME中にほとんど存在しないことを確証した(
図4B)。同時点からの組織のフローサイトメトリーは、好中球様細胞の有意な増加を示し、それは組織学的徴候と一致していた(
図4C)。注目すべきことに、比率の増加だけでなく、総数も増加し、好中球様細胞がマクロファージの枯渇に付随してTMEに動員されることを示した。よって、化合物1での処置は、少数のF4/80
+マクロファージを有するTMEにおいて好中球様細胞の増加と腫瘍壊死を引き起こす。
実施例5:化合物1処置は、TME中のサイトカインと免疫バイオマーカーを改変する
【0133】
化合物1媒介性の腫瘍阻害の根本となるメカニズムを更に解明するために、化合物1で処置した腫瘍において抗腫瘍免疫に関与することが知られているサイトカインとケモカインを定量した。注目すべきは、IFN-γ、IFN-γ誘導ケモカイン、CXCL10及びCXCL11が全て、化合物1処置により耳においてmRNAレベルで増加した点である。別のTh1マーカーであるIL-12は、化合物1処置マウスの耳において増加することがわかった。抗腫瘍細胞傷害経路の活性化のもう1つの指標であるグランザイムBのアップレギュレーション(上方制御)も観察した(
図5A)。対照的に、代表的なTh2サイトカインであるIL-10 とTGF-βの発現は、化合物1処置マウスと対照との間で同程度に発現された(
図6)。
【0134】
遺伝子発現の追加の分析は、IL-17a、IL-1β及びIL-6のような幾つかの主要な炎症サイトカインが、化合物1処置マウスで変動しうる程度にアップレギュレートされることを示した。TME中でのCCR2拮抗作用の間の、CCR2、CCR2のリガンド、及びそれと密接に関連するケモカインCCL7のアップレギュレーションは、効果的CCR2阻害の背景においてCCL2の増強された転写を反映している可能性がある(
図5B)。化合物1処置後にTME中で著しく増加したバイオマーカーの最終群は、認識された好中球化学誘引物質とバイオマーカー、すなわちCXCL1/2及びS100A8/9(
図5C)であり、これはフローサイトメトリー(
図4C)により示されたような好中球様細胞の動員と一致している。
実施例6:CD8 T細胞は、TME中でのマクロファージ阻止後の抗腫瘍活性を媒介する
【0135】
本発明者らは、次に、化合物1が腫瘍成長を効果的に阻止するのにCD8 T細胞が必要とされるかどうかを考えた。2週間の処置を受けた腫瘍担持マウスから腫瘍組織を回収した。未処置の腫瘍とビヒクル処置腫瘍においてIHC染色によりCD8 T細胞はほとんど観察されなかった(
図7A)。しかしながら、化合物1処置は、用量依存性方式でTME注のCD8+ T細胞浸潤の数を顕著に増加させた(
図7A)。
【0136】
次に、化合物1処置と同時にIP注射によって中和CD8抗体を投与した(
図7B)。枯渇用の抗CD8抗体の初回注射から3日後に、CD3+/CD8+ T細胞が抗体処置マウスの頸流入領域リンパ節に事実上欠損していることがわかった(
図7C)。抗CD8処置の2週間後、エンドポイントでの耳腫瘍サイズの測定は、化合物1処置が指摘したように腫瘍成長を阻害することを再び示し(輪郭を描いた緑色三角形)、一方で抗CD8がこの効果を無効にした(ビヒクル処置群のレベルと同じ位に)ことを示した(
図7D)。DNFB-MBL2モデルでは、同側の頸部流入領域リンパ節のサイズがリンパ節転移と良く相関した。
図7Eに示されるように、化合物1処置による頸部LNサイズの減縮は、CD8 T細胞枯渇により逆転した。よって、化合物1処置は、腫瘍成長並びにLN転移の効率的減縮にとってCD8+ T細胞の存在を必要とする。
実施例7:マクロファージの阻止は、MBL2腫瘍成長を抑制することに関して抗PD1と相乗作用する
【0137】
癌の免疫回避におけるPD1の役割は、腫瘍細胞又はマクロファージなどの抗原提示細胞がPD-L1を発現し、PD-1陽性CD8
-T細胞と相互作用して、それらを抗腫瘍活性に関してアネルギー状態にする限りにおいて、十分確立されている。よって、PD-1とPD-L1間の相互作用を阻害する阻害剤は、免疫チェックポイントの遮断として知られるT細胞応答を増強することができる。インビトロで培養されたMBL2細胞と比較して、マウスで形成されたMBL2腫瘍は、PD-L1の有意な増加を示した(
図8A)。化合物1による結果と同様、このMBL2モデルにおけるPD-1/PD-L1軸の抗体遮断は、腫瘍成長を効率的に遅らせることができるが、腫瘍を排除することはできなかった(
図9A~B)。この結果は、抗腫瘍効果を十分に果たすために、単剤よりもむしろ併用療法を適用することを促した。
【0138】
併用療法には、マウスを、初回の化合物1処置と腫瘍移植の同日に始まり1日おきに10 mg/kgの抗PD1で処置した(
図2A)。二週間処置が完了した後、マウスを安楽死させた時、各群において脾臓を分析したところ、化合物1と抗PD1の組み合わせで処置した群ではIFN-γ産生CD8-T細胞の数が有意に増加することが認められ、このことは、それらのマウスがより堅牢な抗腫瘍免疫能を示すことを示唆している(
図8C)。耳腫瘍のサイズを調べるうちに、併用療法が、アイソタイプ及びビヒクルで処置した対照群に比較して、耳の腫瘍成長を有意に阻害することがわかった。本発明者らの長期間に渡る、すなわち腫瘍移植後6週間を超える期間に渡る、MBL2/DNFBモデルの過去の知見によれば、2週間で1 mm未満の耳の厚さを有するマウスは、仮にあるにしても稀しか腫瘍を発生しない。グラフ中水平の点線により示すように、併用処置群からのマウスのほぼ75%が、1 mm未満の腫瘍厚さを有し、これは長期腫瘍クリアランスを示唆する(
図8D)。
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【0139】
上記発明を理解の明確化のため例示と実施例によってある程度詳細に説明してきたが、当業者は、添付の特許請求の範囲内で一定の変更と修正を実施できることを認識するだろう。加えて、本明細書中に提供する各参考文献は、あたかも各参考文献が個別に参照によって組み込まれたのと同じ程度にその全内容が参照によって組み込まされる。本願と本明細書中に提供される参考文献との間に矛盾が存在する場合、本出願が優先する。
本発明の態様の一部を以下に記載する。
1.有効量のケモカイン受容体2(CCR2)アンタゴニストを投与することを含む、固形腫瘍の治療方法。
2.前記CCR2アンタゴニストが下式:
【化27】
を有する化合物、それの医薬上許容される塩、水和物、立体異性体又は回転異性体であり、ここで
AはC(R
5)(R
6)又はN(R
5)であり、
下付き文字のmとnは、各々独立に0~2の整数であり、そしてm+nは≦3であり;
R
1はアリール、アリール-C
1-4アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、ここで前記ヘテロアリール部分はN、O及びSから選ばれた環員として1~3個のヘテロ原子を有し;前記アリール及びヘテロアリール基又は部分は、場合により1~5個のR
x置換基で置換されてよく;
R
2はH、C
1-8アルキル、C
3-8シクロアルキル、C
3-8シクロアルキル-C
1-4アルキル、アリール、アリール-C
1-4アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、ここで前記ヘテロアリール部分は、N、O及びSから選ばれた環員として1~3個のヘテロ原子を有し;ここで前記アリール及びヘテロアリール基又は部分は、場合により1~4個のR
X置換基で置換されてよく;
又は場合により、R
1とR
2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、6~11員の単環式もしくは縮合二環式の複素環又はヘテロアリール環を形成し、ここで-NR
1R
2は、場合により1~4個のR
x置換基によりさらに置換されてよく;
R
3は、H、C
1-8アルキル、C
3-8シクロアルキル及びC
3-8シクロアルキル-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、その各々は場合により1~3個のR
y置換基で置換されてよく、
R
4は、H、場合により1~2個のR
yで置換されてよいC
1-8アルキル、及びCO
2Hからなる群より選ばれ;
R
5は、C
1-8アルキル、C
1-8アルコキシ、C
3-8シクロアルキル、C
3-8シクロアルキルオキシ、C
3-8シクロアルキル-C
1-4アルキル、C
1-8アルキルアミノ、ジ-C
1-8アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリール-C
1-4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ及びヘテロアリール-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、その各々は場合により1~5個のR
z置換基で置換されてよく;
R
6は、H、F、OH、C
1-8アルキル及びC
1-8アルコキシからなる群より選ばれ、ここで前記C
1-8アルキル及びC
1-8アルコキシ基は、場合により1~3個のR
z置換基で置換されてよく;
又は、場合により、R
5とR
6は一緒になって、スピロ環系5員もしくは6員シクロアルキル環を形成してよく、前記環は場合により不飽和であってよく、そして場合により1~4個のR
z置換基で置換されている縮合アリール基を有し;
各R
xは独立に、ハロゲン、-CN、-R
c、-CO
2R
a、-CONR
aR
b、-C(O)R
a、-OC(O)NR
aR
b、-NR
bC(O)R
a、-NR
bC(O)
2R
c、-NR
a-C(O)NR
aR
b、-NR
aC(O)NR
aR
b、-NR
aR
b、-OR
a、-O-X
1-OR
a、-O-X
1-NR
aR
b、-O-X
1-CO
2R
a、-O-X
1-CONR
aR
b、-X
1-OR
a、-X
1-NR
aR
b、-X
1-CO
2R
a、-X
1-CONR
aR
b、-SF
5、-S(O)
2NR
aR
b、及び5員もしくは6員のアリールもしくはヘテロアリールからなる群より選ばれ、ここで各X
1は、C
1-4アルキレンであり、各R
a及びR
bは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、該環はN、O又はSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、場合によりオキソにより置換されてよく;各R
cは独立にC
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル及びC
3-6シクロアルキルからなる群より選ばれ;そして場合により2つのR
x置換基が隣接原子上にあるとき、それらは一緒になって縮合5員もしくは6員炭素環を形成し、ここで前記アリール又はヘテロアリール基は場合により、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルキル及びC
1-4ハロアルコキシから選ばれる1~3個の員により置換されてよく;
各R
yは独立に、ハロゲン、-CN、-R
f、-CO
2R
d、-CONR
dR
e、-C(O)R
d、-OC(O)NR
dR
e、-NR
eC(O)R
d、-NR
eC(O)
2R
f、-NR
dC(O)NR
dR
e、-NR
dC(O)NR
dR
e、-NR
dR
e、-OR
d及びS(O)
2NR
dR
eからなる群より選ばれ;各R
d及びR
eは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、該環はN、O又はSから選ばれる環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し;各R
fは独立にC
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル及びC
3-6シクロアルキルからなる群より選ばれ;
各R
zは独立に、ハロゲン、-CN、-R
i、-CO
2R
g、-CONR
gR
h、-C(O)R
g、-OC(O)NR
gR
h、-NR
hC(O)R
g、-NR
hC(O)
2R
i、-NR
gC(O)NR
gR
h、-NR
gR
h、-OR
g、-S(O)
2NR
gR
h、-X
1-R
j、-X
1-NR
gR
h、-X
1-CONR
gR
h、-X
1-NR
hC(O)R
g、-NHR
j、-NHCH
2R
j及びテトラゾールからなる群より選ばれ;ここで各R
g及びR
hは独立に、水素、C
1-8アルキル、C
3-6シクロアルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合には、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、前記環はN、O又はSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、そして、場合により1又は2個のオキソにより置換されてよく;各R
iは独立に、C
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル及びC
3-6シクロアルキルからなる群より選ばれ;そして各R
jはC
3-6シクロアルキル、ピロリニル、ピペリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロピラニルからなる群より選ばれる、項目1に記載の方法。
3.前記CCR2アンタゴニストが、
【化28】
又はその医薬上許容される塩からなる群より選ばれる、項目1に記載の方法。
4.前記CCR2アンタゴニストが式
【化29】
を有する化合物1又はその医薬上許容される塩である、項目1に記載の方法。
5.前記CCR2アンタゴニストが式
【化30】
を有する化合物2又はその医薬上許容される塩である、項目1に記載の方法。
6.前記CCR2アンタゴニストが式
【化31】
を有する化合物3又はその医薬上許容される塩である、項目1に記載の方法。
7.前記固形腫瘍が、皮膚癌、脳腫瘍、乳癌、トリプルネガティブ型乳癌、膀胱癌、骨肉腫、結腸直腸癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌、胃癌、前立腺癌、肉腫、黒色腫、癌腫及びリンパ腫からなる群より選ばれる、項目1~6のいずれかに記載の方法。
8.前記固形腫瘍が、皮膚癌、前立腺癌、乳癌、結腸直腸癌、膵臓癌及びリンパ腫からなる群より選ばれる、項目1~6のいずれかに記載の方法。
9.前記固形腫瘍がリンパ腫である、項目1~6のいずれかに記載の方法。
10.前記リンパ腫が皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)である、項目9に記載の方法。
11.前記治療が、前記CCR2アンタゴニストを投与しなかった個体と比較した時に腫瘍サイズの縮小を提供する、項目1~10のいずれかに記載の方法。
12.前記治療が腫瘍成長を阻止する、項目1~10のいずれかに記載の方法。
13.前記治療が前記固形腫瘍を根絶させる、項目1~10のいずれかに記載の方法。
14.前記CCR2アンタゴニストが経口投与される、項目1~13のいずれかに記載の方法。
15.1又は複数の追加の治療薬を投与することを更に含む、項目1~14のいずれかに記載の方法。
16.前記1又は複数の追加の治療薬が免疫チェックポイント阻害剤である、項目15に記載の方法。
17.前記免疫チェックポイント阻害剤がPD-1及び/又はPD-L1阻害剤である、項目16に記載の方法。
18.前記PD-1及び/又はPD-L1阻害剤が、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、IBI-308、mDX-400、BGB-108、MEDI-0680、SHR-1210、PF-06801591、PDR-001、GB-226、STI-1110、そのバイオシミラー、そのバイオベター、及びその生物学的同等物からなる群より選ばれる、項目17に記載の方法。
19.前記PD-1及び/又はPD-L1阻害剤が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、及びピジリズマブからなる群より選ばれる、項目17に記載の方法。
20.前記PD-1及び/又はPD-L1阻害剤が、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、BMS-936559、ALN-PDL、TSR-042、KD-033、CA-170、CA-327、STI-1014、KY-1003、そのバイオシミラー、そのバイオベター、及びその生物学的同等物からなる群より選ばれる、項目17に記載の方法。
21.前記PD-1及び/又はPD-L1阻害剤が、式(II)の化合物
【化32】
又はその医薬上許容される塩であり、ここで
R
1はハロゲン、C
5-8シクロアルキル、C
6-10アリール及びチエニルからなる群より選ばれ、ここで前記C
6-10アリール及びチエニルは、場合により1~5個のR
x置換基で置換されてよく;
各R
xは独立にハロゲン、-CN、-R
c、-CO
2R
a、-CONR
aR
b、-C(O)R
a、-OC(O)NR
aR
b、-NR
bC(O)R
a、-NR
bC(O)
2R
c、-NR
a-C(O)NR
aR
b、-NR
aR
b、-OR
a、-O-X
1-OR
a、-O-X
1-CO
2R
a、-O-X
1-CONR
aR
b、-X
1-OR
a、-X
1-NR
aR
b、-X
1-CO
2R
a、-X
1-CONR
aR
b、-SF
5及びS(O)
2NR
aR
bからなる群より選ばれ、ここで各X
1は、C
1-4アルキレンであり;各R
a及びR
bは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、該環はN、O又はSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、場合によりオキソにより置換されてよく;各R
cは独立に、C
1-8アルキル、C
2-8アルケニル、C
2-8アルキニル及びC
1-8ハロアルキルからなる群より選ばれ;そして場合により2つのR
x置換基が隣接原子上にあるとき、それらは一緒になって5員、6員もしくは7員の縮合炭素環もしくは複素環を形成し、それらの環は場合によりハロ、オキソ、C
1-8ハロアルキル及びC
1-8アルキルから独立に選ばれた1~3個の置換基により置換されてよく;
各R
2a、R
2b及びR
2cは独立に、H、ハロゲン、-CN、-R
d、-CO
2R
e、-CONR
eR
f、-C(O)R
e、-OC(O)NR
eR
f、-NR
fC(O)R
e、-NR
fC(O)
2R
d、-NR
e-C(O)NR
eR
f、-NR
eR
f、-OR
e、-O-X
2-OR
e、-O-X
2-NR
eR
f、-O-X
2-CO
2R
e、-O-X
2-CONR
eR
f、-X
2-OR
e、-X
2-NR
eR
f、-X
2-CO
2R
e、-X
2-CONR
eR
f、-SF
5、-S(O)
2NR
eR
f、C
6-10アリール及びC
5-10ヘテロアリールからなる群より選ばれ、ここで各X
2はC
1-4アルキレンであり;各R
e及びR
fは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれるか、又は、同一の窒素原子に結合している場合には、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、該環はN、O及びSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、そして場合によりオキソにより置換されてよく;各R
dは独立に、C
1-8アルキル、C
2-8アルケニル及びC
1-8ハロアルキルからなる群より選ばれ;
R
3は、-NR
gR
h及びC
4-12ヘテロシクリルからなる群より選ばれ、ここでC
4-12ヘテロシクリルは場合により1~6個のR
yで置換されてよく;
各R
yは独立に、ハロゲン、-CN、-R
i、-CO
2R
j、-CONR
jR
k、-CONHC
1-6アルキル-OH、-C(O)R
j、-OC(O)NR
jR
k、-NR
jC(O)R
k、-NR
jC(O)
2R
k、CONOH、PO
3H
2、-NR
j-C
1-6アルキル-C(O)
2R
k、-NR
jC(O)NR
jR
k、-NR
jR
k、-OR
j、-S(O)
2NR
jR
k、-O-C
1-6アルキル-OR
j、-O-C
1-6アルキル-NR
jR
k、-O-C
1-6アルキル-CO
2R
j、-O-C
1-6アルキル-CONR
jR
k、-C
1-6アルキル-OR
j、-C
1-6アルキル-NR
jR
k、-C
1-6アルキル-CO
2R
j、-C
1-6アルキル-CONR
jR
k、及びSF
5からなる群より選ばれ、
ここでR
yのC
1-6アルキル部分は、場合により、OH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、PO
3H
2、COO-C
1-8アルキル又はCO
2Hで更に置換されてよく、ここで各R
j及びR
kは独立に、水素;OH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、PO
3H
2、COO-C
1-8アルキル又はCO
2Hから選ばれた1~2個の置換基により場合により置換されてよいC
1-8アルキル;及びOH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、PO
3H
2、COO-C
1-8アルキル又はCO
2Hから選ばれた1~2個の置換基により場合により置換されてよいC
1-8ハロアルキル、から選ばれ、又はそれが同一の窒素原子に結合している場合には、R
jとR
kはその窒素原子と一緒になって5員又は6員環を形成することができ、前記環はN、O又はSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、場合によりオキソで置換されてよく;各R
iは-OH、C
1-8アルキル、C
2-8アルケニル及びC
1-8ハロアルキルから独立に選ばれ、その各々が場合によりOH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、PO
3H
2、COO-C
1-8アルキル又はCO
2Hで置換されてよく;
R
gはH、C
1-8ハロアルキル及びC
1-8アルキルからなる群より選ばれ;
R
hは-C
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル、C
1-8アルキル-COOH、C
1-8アルキル-OH、C
1-8アルキル-CONH
2、C
1-8アルキル-SO
2NH
2、C
1-8アルキル-PO
3H
2、C
1-8アルキル-CONOH、C
1-8アルキル-NR
h1R
h2、-C(O)-C
1-8アルキル、-C(O)-C
1-8アルキル-OH、-C(O)-C
1-8アルキル-COOH、C
3-10シクロアルキル、-C
3-10シクロアルキル-COOH、-C
3-10シクロアルキル-OH、C
4-8ヘテロシクリル、-C
4-8ヘテロシクリル-COOH、-C
4-8ヘテロシクリル-OH、-C
1-8アルキル-C
4-8ヘテロシクリル、-C
1-8アルキル-C
3-10シクロアルキル、C
5-10ヘテロアリール、-C
1-8アルキル-C
5-10ヘテロアリール、C
10カルボシクリル、-C
1-8アルキル-C
6-10アリール、-C
1-8アルキル-(C=O)-C
6-10アリール、-C
1-8アルキル-NH(C=O)-C
1-8アルケニル、-C
1-8アルキル-NH(C=O)-C
1-8アルキル、-C
1-8アルキル-NH(C=O)-C
1-8アルキニル、-C
1-8アルキル-(C=O)-NH-C
1-8アルキル-COOH、及び場合によりCO
2Hで置換されるC
1-8アルキル-(C=O)-NH-C
1-8アルキル-OHから選ばれ;又は
R
hはそれが結合しているNと一緒になって、1~3個の天然アミノ酸と0~2個の非天然アミノ酸とを含むモノ、ジ又はトリペプチドを形成し;ここで
前記非天然アミノ酸は、C
2-4ヒドロキシアルキル、C
1-3アルキル-グアニジニル及びC
1-4アルキル-ヘテロアリールからなる群より選ばれたα炭素置換基を有し;
前記各天然又は非天然アミノ酸のα炭素は、場合によりメチル基で更に置換され;
前記モノ、ジ又はトリペプチドの末端部分は、C(O)OH、C(O)O-C
1-6アルキル及びPO
3H
2からなる群より選ばれ、ここで
R
h1及びR
h2は各々独立に、H、C
1-6アルキル及びC
1-4ヒドロキシアルキルからなる群より選ばれ;
前記R
hのC
1-8アルキル部分は、場合によりOH、COOH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、COO-C
1-8アルキル、PO
3H
2、及び場合により1~2個のC
1-3アルキル置換基で置換されるC
5-6ヘテロアリールから独立に選ばれた1~3個の置換基で更に置換されてよく、
R
hのC
10カルボシクリル、C
5-10ヘテロアリール及びC
6-10アリール部分は、場合によりOH、B(OH)
2、COOH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、PO
3H
2、COO-C
1-8アルキル、C
1-4アルキル、C
1-4アルキル-OH、C
1-4アルキル-SO
2NH
2、C
1-4アルキル-CONH
2、C
1-4アルキル-CONOH、C
1-4アルキル-PO
3H
2、C
1-4アルキル-COOH及びフェニルから独立に選ばれた1~3個の置換基により置換されてよく;そして
R
hのC
4-8ヘテロシクリル及びC
3-10シクロアルキル部分は、場合により1~4個のR
w置換基で置換されてよく;
各R
w置換基は独立に、C
1-4アルキル、C
1-4アルキル-OH、C
1-4アルキル-COOH、C
1-4アルキル-SO
2NH
2、C
1-4アルキル-CONH
2、C
1-4アルキル-CONOH、C
1-4アルキル-PO
3H、OH、COO-C
1-8アルキル、COOH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、PO
3H
2及びオキソから選ばれ;
R
4はO-C
1-8アルキル、O-C
1-8ハロアルキル、O-C
1-8アルキル-R
z、C
6-10アリール、C
5-10ヘテロアリール、-O-C
1-4アルキル-C
6-10アリール及びO-C
1-4アルキル-C
5-10ヘテロアリールからなる群より選ばれ、ここでC
6-10アリールとC
5-10ヘテロアリールは場合により1~5個のR
zで置換されてよく;
各R
zは独立に、ハロゲン、-CN、-R
m、-CO
2R
n、-CONR
nR
p、-C(O)R
n、-OC(O)NR
nR
p、-NR
nC(O)R
p、-NR
nC(O)
2R
m、-NR
n-C(O)NR
nR
p、-NR
nR
p、-OR
n、-O-X
3-OR
n、-O-X
3-NR
nR
p、-O-X
3-CO
2R
n、-O-X
3-CONR
nR
p、-X
3-OR
n、-X
3-NR
nR
p、-X
3-CO
2R
n、-X
3-CONR
nR
p、-SF
5、-S(O)
2R
nR
p、-S(O)
2NR
nR
p、及び3~7員の炭素環又は4~7員の複素環からなる群より選ばれ、前記3~7員の炭素環又は4~7員の複素環は、場合により1~5個のR
tで置換されてよく、ここで各R
tは独立に、C
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル、-CO
2R
n、-CONR
nR
p、-C(O)R
n、-OC(O)NR
nR
p、-NR
nC(O)R
p、-NR
nC(O)
2R
m、-NR
n-C(O)NR
nR
p、-NR
nR
p、-OR
n、-O-X
3-OR
n、-O-X
3-NR
nR
p、-O-X
3-CO
2R
n、-O-X
3-CONR
nR
p、-X
3-OR
n、-X
3-NR
nR
p、-X
3-CO
2R
n、-X
3-CONR
nR
p、-SF
5及びS(O)
2NR
nR
pからなる群より選ばれ;
ここで各X
3はC
1-4アルキレンであり;各R
n及びR
pは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は同一の窒素に結合している場合には、その窒素原子と一緒になって5員又は6員環を形成することができ、前記環はN、O又はSから選ばれた0~2個の追加のヘテロ原子を有し、そして場合によりオキソで置換されてよく;各R
mは独立に、C
1-8アルキル、C
2-8アルケニル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ;そして場合により、2つのR
z置換基が隣接原子上にあるとき、それらは一緒になって5員又は6員の縮合炭素環又は複素環を形成し、それらの環は場合によりオキソで置換されてよく;
nは0、1、2又は3であり;
各R
5は独立に、ハロゲン、-CN、-R
q、-CO
2R
r、-CONR
rR
s、-C(O)R
r、-OC(O)NR
rR
s、-NR
rC(O)R
s、-NR
rC(O)
2R
q、-NR
r-C(O)NR
rR
s、-NR
rR
s、-OR
r、-O-X
4-OR
r、-O-X
4-NR
rR
s、-O-X
4-CO
2R
r、-O-X
4-CONR
rR
s、-X
4-OR
r、-X
4-NR
rR
s、-X
4-CO
2R
r、-X
4-CONR
rR
s、-SF
5、-S(O)
2NR
rR
sからなる群より選ばれ、ここで各X
4はC
1-4アルキレンであり;各R
r及びR
sは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合、その窒素原子と一緒になって5員又は6員環を形成することができ、前記環はN、O又はSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、そして場合によりオキソで置換されてよく;各R
qは独立にC
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルからなる群より選ばれ;
R
6aは、H、C
1-4アルキル及びC
1-4ハロアルキルからなる群より選ばれ;
各R
6bは独立に、F、C
1-4アルキル、O-R
u、C
1-4ハロアルキル、NR
uR
vからなる群より選ばれ、ここで各R
u及びR
vは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合には、その窒素原子と一緒になって5員又は6員環を形成することができ、前記環はN、O又はSから選ばれた0~2個の追加のヘテロ原子を有し、そして場合によりオキソで置換されてよく;そして
mは0、1、2、3又は4である、項目17に記載の方法。
22.有効量のケモカイン受容体2(CCR2)アンタゴニストを投与することを含む、固形腫瘍の微小環境におけるCD8+T細胞数を増加させる方法。
23.前記CCR2アンタゴニストが式
【化33】
を有する化合物、その医薬上許容される塩、水和物、立体異性体又は回転異性体であり、ここで
AはC(R
5)(R
6)又はN(R
5)であり、
下付き文字のmとnは、各々独立に0~2の整数であり、m+nは≦3であり;
R
1はアリール、アリール-C
1-4アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、ここで前記ヘテロアリール部分はN、O及びSから選ばれた環員として1~3個のヘテロ原子を有し;前記アリール及びヘテロアリール基又は部分は、場合により1~5個のR
x置換基で置換されてよく;
R
2はH、C
1-8アルキル、C
3-8シクロアルキル、C
3-8シクロアルキル-C
1-4アルキル、アリール、アリール-C
1-4アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、ここで前記ヘテロアリール部分は、N、O及びSから選ばれた環員として1~3個のヘテロ原子を有し;ここで前記アリール及びヘテロアリール基又は部分は、場合により1~4個のR
X置換基で置換されてよく;
又は場合により、R
1とR
2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、6~11員の単環式もしくは縮合二環式の複素環又はヘテロアリール環を形成し、ここで-NR
1R
2は、場合により1~4個のR
x置換基によりさらに置換されてよく;
R
3は、H、C
1-8アルキル、C
3-8シクロアルキル及びC
3-8シクロアルキル-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、その各々は場合により1~3個のR
y置換基で置換されてよく、
R
4は、H、場合により1~2個のR
yで置換されてよいC
1-8アルキル、及びCO
2Hからなる群より選ばれ;
R
5は、C
1-8アルキル、C
1-8アルコキシ、C
3-8シクロアルキル、C
3-8シクロアルキルオキシ、C
3-8シクロアルキル-C
1-4アルキル、C
1-8アルキルアミノ、ジ-C
1-8アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリール-C
1-4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ及びヘテロアリール-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、その各々は場合により1~5個のR
z置換基で置換されてよく;
R
6は、H、F、OH、C
1-8アルキル及びC
1-8アルコキシからなる群より選ばれ、ここで前記C
1-8アルキル及びC
1-8アルコキシ基は、場合により1~3個のR
z置換基で置換されてよく;
又は、場合により、R
5とR
6は一緒になって、スピロ環系5員もしくは6員シクロアルキル環を形成してよく、前記環は場合により不飽和であってよく、そして場合により1~4個のR
z置換基で置換されている縮合アリール基を有し;
各R
xは独立に、ハロゲン、-CN、-R
c、-CO
2R
a、-CONR
aR
b、-C(O)R
a、-OC(O)NR
aR
b、-NR
bC(O)R
a、-NR
bC(O)
2R
c、-NR
a-C(O)NR
aR
b、-NR
aC(O)NR
aR
b、-NR
aR
b、-OR
a、-O-X
1-OR
a、-O-X
1-NR
aR
b、-O-X
1-CO
2R
a、-O-X
1-CONR
aR
b、-X
1-OR
a、-X
1-NR
aR
b、-X
1-CO
2R
a、-X
1-CONR
aR
b、-SF
5、-S(O)
2NR
aR
b、及び5員もしくは6員のアリールもしくはヘテロアリールからなる群より選ばれ、ここで各X
1は、C
1-4アルキレンであり、各R
a及びR
bは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、該環はN、O又はSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、場合によりオキソにより置換されてよく;各R
cは独立にC
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル及びC
3-6シクロアルキルからなる群より選ばれ;そして場合により2つのR
x置換基が隣接原子上にあるとき、それらは一緒になって縮合5員もしくは6員炭素環を形成し、ここで前記アリール又はヘテロアリール基は場合により、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルキル及びC
1-4ハロアルコキシから選ばれる1~3個の員により置換されてよく;
各R
yは独立に、ハロゲン、-CN、-R
f、-CO
2R
d、-CONR
dR
e、-C(O)R
d、-OC(O)NR
dR
e、-NR
eC(O)R
d、-NR
eC(O)
2R
f、-NR
dC(O)NR
dR
e、-NR
dC(O)NR
dR
e、-NR
dR
e、-OR
d及びS(O)
2NR
dR
eからなる群より選ばれ;各R
d及びR
eは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、該環はN、O又はSから選ばれる環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し;各R
fは独立にC
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル及びC
3-6シクロアルキルからなる群より選ばれ;
各R
zは独立に、ハロゲン、-CN、-R
i、-CO
2R
g、-CONR
gR
h、-C(O)R
g、-OC(O)NR
gR
h、-NR
hC(O)R
g、-NR
hC(O)
2R
i、-NR
gC(O)NR
gR
h、-NR
gR
h、-OR
g、-S(O)
2NR
gR
h、-X
1-R
j、-X
1-NR
gR
h、-X
1-CONR
gR
h、-X
1-NR
hC(O)R
g、-NHR
j、-NHCH
2R
j及びテトラゾールからなる群より選ばれ;ここで各R
g及びR
hは独立に、水素、C
1-8アルキル、C
3-6シクロアルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合には、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、前記環はN、O又はSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、そして、場合により1又は2個のオキソにより置換されてよく;各R
iは独立に、C
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル及びC
3-6シクロアルキルからなる群より選ばれ;そして各R
jはC
3-6シクロアルキル、ピロリニル、ピペリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロピラニルからなる群より選ばれる、項目22に記載の方法。
24.前記CCR2アンタゴニストが、
【化34】
又はその医薬上許容される塩からなる群より選ばれる、項目22に記載の方法。
25.前記CCR2アンタゴニストが式
【化35】
を有する化合物1又はその医薬上許容される塩である、項目22に記載の方法。
26.前記CCR2アンタゴニストが式
【化36】
を有する化合物2又はその医薬上許容される塩である、項目22に記載の方法。
27.前記CCR2アンタゴニストが式
【化37】
を有する化合物3又はその医薬上許容される塩である、項目22に記載の方法。
28.有効量のケモカイン受容体2(CCR2)アンタゴニストを投与することを含む、固形腫瘍の微小環境におけるマクロファージの数を減少させる方法。
29.前記CCR2アンタゴニストが式
【化38】
を有する化合物、その医薬上許容される塩、水和物、立体異性体又は回転異性体であり、ここで
AはC(R
5)(R
6)又はN(R
5)であり、
下付き文字のmとnは、各々独立に0~2の整数であり、m+nは≦3であり;
R
1はアリール、アリール-C
1-4アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、ここで前記ヘテロアリール部分はN、O及びSから選ばれた環員として1~3個のヘテロ原子を有し;前記アリール及びヘテロアリール基又は部分は、場合により1~5個のR
x置換基で置換されてよく;
R
2はH、C
1-8アルキル、C
3-8シクロアルキル、C
3-8シクロアルキル-C
1-4アルキル、アリール、アリール-C
1-4アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、ここで前記ヘテロアリール部分は、N、O及びSから選ばれた環員として1~3個のヘテロ原子を有し;ここで前記アリール及びヘテロアリール基又は部分は、場合により1~4個のR
X置換基で置換されてよく;
又は、場合により、R
1とR
2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、6~11員の単環式もしくは縮合二環式の複素環又はヘテロアリール環を形成し、ここで-NR
1R
2は、場合により1~4個のR
x置換基によりさらに置換されてよく;
R
3は、H、C
1-8アルキル、C
3-8シクロアルキル及びC
3-8シクロアルキル-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、その各々は場合により1~3個のR
y置換基で置換されてよく、
R
4は、H、場合により1~2個のR
yで置換されてよいC
1-8アルキル、及びCO
2Hからなる群より選ばれ;
R
5は、C
1-8アルキル、C
1-8アルコキシ、C
3-8シクロアルキル、C
3-8シクロアルキルオキシ、C
3-8シクロアルキル-C
1-4アルキル、C
1-8アルキルアミノ、ジ-C
1-8アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリール-C
1-4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ及びヘテロアリール-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、その各々は場合により1~5個のR
z置換基で置換されてよく;
R
6は、H、F、OH、C
1-8アルキル及びC
1-8アルコキシからなる群より選ばれ、ここで前記C
1-8アルキル及びC
1-8アルコキシ基は、場合により1~3個のR
z置換基で置換されてよく;
又は、場合により、R
5とR
6は一緒になって、スピロ環系5員もしくは6員シクロアルキル環を形成してよく、前記環は場合により不飽和であってよく、そして場合により1~4個のR
z置換基で置換されている縮合アリール基を有し;
各R
xは独立に、ハロゲン、-CN、-R
c、-CO
2R
a、-CONR
aR
b、-C(O)R
a、-OC(O)NR
aR
b、-NR
bC(O)R
a、-NR
bC(O)
2R
c、-NR
a-C(O)NR
aR
b、-NR
aC(O)NR
aR
b、-NR
aR
b、-OR
a、-O-X
1-OR
a、-O-X
1-NR
aR
b、-O-X
1-CO
2R
a、-O-X
1-CONR
aR
b、-X
1-OR
a、-X
1-NR
aR
b、-X
1-CO
2R
a、-X
1-CONR
aR
b、-SF
5、-S(O)
2NR
aR
b、及び5員もしくは6員のアリールもしくはヘテロアリールからなる群より選ばれ、ここで各X
1は、C
1-4アルキレンであり、各R
a及びR
bは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、該環はN、O又はSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、場合によりオキソにより置換されてよく;各R
cは独立にC
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル及びC
3-6シクロアルキルからなる群より選ばれ;そして場合により2つのR
x置換基が隣接原子上にあるとき、それらは一緒になって縮合5員もしくは6員炭素環を形成し、ここで前記アリール又はヘテロアリール基は場合により、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルキル及びC
1-4ハロアルコキシから選ばれる1~3個の員により置換されてよく;
各R
yは独立に、ハロゲン、-CN、-R
f、-CO
2R
d、-CONR
dR
e、-C(O)R
d、-OC(O)NR
dR
e、-NR
eC(O)R
d、-NR
eC(O)
2R
f、-NR
dC(O)NR
dR
e、-NR
dC(O)NR
dR
e、-NR
dR
e、-OR
d及びS(O)
2NR
dR
eからなる群より選ばれ;各R
d及びR
eは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、該環はN、O又はSから選ばれる環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し;各R
fは独立にC
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル及びC
3-6シクロアルキルからなる群より選ばれ;
各R
zは独立に、ハロゲン、-CN、-R
i、-CO
2R
g、-CONR
gR
h、-C(O)R
g、-OC(O)NR
gR
h、-NR
hC(O)R
g、-NR
hC(O)
2R
i、-NR
gC(O)NR
gR
h、-NR
gR
h、-OR
g、-S(O)
2NR
gR
h、-X
1-R
j、-X
1-NR
gR
h、-X
1-CONR
gR
h、-X
1-NR
hC(O)R
g、-NHR
j、-NHCH
2R
j及びテトラゾールからなる群より選ばれ;ここで各R
g及びR
hは独立に、水素、C
1-8アルキル、C
3-6シクロアルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合には、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、前記環はN、O又はSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、そして、場合により1又は2個のオキソにより置換されてよく;各R
iは独立に、C
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル及びC
3-6シクロアルキルからなる群より選ばれ;そして各R
jはC
3-6シクロアルキル、ピロリニル、ピペリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロピラニルからなる群より選ばれる、項目28に記載の方法。
30.前記CCR2アンタゴニストが、
【化39】
又はその医薬上許容される塩からなる群より選ばれる、項目28に記載の方法。
31.前記CCR2アンタゴニストが式
【化40】
を有する化合物1又はその医薬上許容される塩である、項目28に記載の方法。
32.前記CCR2アンタゴニストが式
【化41】
を有する化合物2又はその医薬上許容される塩である、項目28に記載の方法。
33.前記CCR2アンタゴニストが式
【化42】
を有する化合物3又はその医薬上許容される塩である、項目28に記載の方法。
34.皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療方法であって、それを必要とする対象に有効量のケモカイン受容体2(CCR2)アンタゴニストを投与することを含む、方法。
35.前記必要とする対象が、第IA期のCTCLを有する、項目34に記載の方法。
36.前記必要とする対象が、第IB期のCTCLを有する、項目34に記載の方法。
37.前記必要とする対象が、第IIA期のCTCLを有する、項目34に記載の方法。
38.前記必要とする対象が、第IIB期のCTCLを有する、項目34に記載の方法。
39.前記必要とする対象が、第III期のCTCLを有する、項目34に記載の方法。
40.前記必要とする対象が、第IV期のCTCLを有する、項目34に記載の方法。
41.前記CCR2アンタゴニストが式
【化43】
を有する化合物、その医薬上許容される塩、水和物、立体異性体又は回転異性体であり、ここで
AはC(R
5)(R
6)又はN(R
5)であり、
下付き文字のmとnは、各々独立に0~2の整数であり、m+nは≦3であり;
R
1はアリール、アリール-C
1-4アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、ここで前記ヘテロアリール部分はN、O及びSから選ばれた環員として1~3個のヘテロ原子を有し;前記アリール及びヘテロアリール基又は部分は、場合により1~5個のR
x置換基で置換されてよく;
R
2はH、C
1-8アルキル、C
3-8シクロアルキル、C
3-8シクロアルキル-C
1-4アルキル、アリール、アリール-C
1-4アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、ここで前記ヘテロアリール部分は、N、O及びSから選ばれた環員として1~3個のヘテロ原子を有し;ここで前記アリール及びヘテロアリール基又は部分は、場合により1~4個のR
X置換基で置換されてよく;
又は、場合により、R
1とR
2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、6~11員の単環式もしくは縮合二環式の複素環又はヘテロアリール環を形成し、ここで-NR
1R
2は、場合により1~4個のR
x置換基によりさらに置換されてよく;
R
3は、H、C
1-8アルキル、C
3-8シクロアルキル及びC
3-8シクロアルキル-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、その各々は場合により1~3個のR
y置換基で置換されてよく、
R
4は、H、場合により1~2個のR
yで置換されてよいC
1-8アルキル、及びCO
2Hからなる群より選ばれ;
R
5は、C
1-8アルキル、C
1-8アルコキシ、C
3-8シクロアルキル、C
3-8シクロアルキルオキシ、C
3-8シクロアルキル-C
1-4アルキル、C
1-8アルキルアミノ、ジ-C
1-8アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリール-C
1-4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ及びヘテロアリール-C
1-4アルキルからなる群より選ばれ、その各々は場合により1~5個のR
z置換基で置換されてよく;
R
6は、H、F、OH、C
1-8アルキル及びC
1-8アルコキシからなる群より選ばれ、ここで前記C
1-8アルキル及びC
1-8アルコキシ基は、場合により1~3個のR
z置換基で置換されてよく;
又は、場合により、R
5とR
6は一緒になって、スピロ環系5員もしくは6員シクロアルキル環を形成してよく、前記環は場合により不飽和であってよく、そして場合により1~4個のR
z置換基で置換されている縮合アリール基を有し;
各R
xは独立に、ハロゲン、-CN、-R
c、-CO
2R
a、-CONR
aR
b、-C(O)R
a、-OC(O)NR
aR
b、-NR
bC(O)R
a、-NR
bC(O)
2R
c、-NR
a-C(O)NR
aR
b、-NR
aC(O)NR
aR
b、-NR
aR
b、-OR
a、-O-X
1-OR
a、-O-X
1-NR
aR
b、-O-X
1-CO
2R
a、-O-X
1-CONR
aR
b、-X
1-OR
a、-X
1-NR
aR
b、-X
1-CO
2R
a、-X
1-CONR
aR
b、-SF
5、-S(O)
2NR
aR
b、及び5員もしくは6員のアリールもしくはヘテロアリールからなる群より選ばれ、ここで各X
1は、C
1-4アルキレンであり、各R
a及びR
bは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、該環はN、O又はSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、場合によりオキソにより置換されてよく;各R
cは独立にC
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル及びC
3-6シクロアルキルからなる群より選ばれ;そして場合により2つのR
x置換基が隣接原子上にあるとき、それらは一緒になって縮合5員もしくは6員炭素環を形成し、ここで前記アリール又はヘテロアリール基は場合により、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルキル及びC
1-4ハロアルコキシから選ばれる1~3個の員により置換されてよく;
各R
yは独立に、ハロゲン、-CN、-R
f、-CO
2R
d、-CONR
dR
e、-C(O)R
d、-OC(O)NR
dR
e、-NR
eC(O)R
d、-NR
eC(O)
2R
f、-NR
dC(O)NR
dR
e、-NR
dC(O)NR
dR
e、-NR
dR
e、-OR
d及びS(O)
2NR
dR
eからなる群より選ばれ;各R
d及びR
eは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、該環はN、O又はSから選ばれる環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し;各R
fは独立にC
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル及びC
3-6シクロアルキルからなる群より選ばれ;
各R
zは独立に、ハロゲン、-CN、-R
i、-CO
2R
g、-CONR
gR
h、-C(O)R
g、-OC(O)NR
gR
h、-NR
hC(O)R
g、-NR
hC(O)
2R
i、-NR
gC(O)NR
gR
h、-NR
gR
h、-OR
g、-S(O)
2NR
gR
h、-X
1-R
j、-X
1-NR
gR
h、-X
1-CONR
gR
h、-X
1-NR
hC(O)R
g、-NHR
j、-NHCH
2R
j及びテトラゾールからなる群より選ばれ;ここで各R
g及びR
hは独立に、水素、C
1-8アルキル、C
3-6シクロアルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合には、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、前記環はN、O又はSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、そして、場合により1又は2個のオキソにより置換されてよく;各R
iは独立に、C
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル及びC
3-6シクロアルキルからなる群より選ばれ;そして各R
jはC
3-6シクロアルキル、ピロリニル、ピペリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロピラニルからなる群より選ばれる、項目34~40のいずれかに記載の方法。
42.前記CCR2アンタゴニストが
【化44】
又はその医薬上許容される塩からなる群より選ばれる、項目34~40のいずれかに記載の方法。
43.前記CCR2アンタゴニストが式
【化45】
を有する化合物1又はその医薬上許容される塩である、項目34~40のいずれかに記載の方法。
44.前記CCR2アンタゴニストが式
【化46】
を有する化合物2又はその医薬上許容される塩である、項目34~40のいずれかに記載の方法。
45.前記CCR2アンタゴニストが式
【化47】
を有する化合物3又はその医薬上許容される塩である、項目34~40のいずれかに記載の方法。
46.1又は複数の追加の治療薬を投与することを更に含む、項目34~45のいずれかに記載の方法。
47.前記1又は複数の追加の治療薬が免疫チェックポイント阻害剤である、項目46に記載の方法。
48. 前記免疫チェックポイント阻害剤がPD-1及び/又はPD-L1阻害剤である、項目47に記載の方法。
49.前記PD-1及び/又はPD-L1阻害剤が、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、IBI-308、mDX-400、BGB-108、MEDI-0680、SHR-1210、PF-06801591、PDR-001、GB-226、STI-1110、そのバイオシミラー、そのバイオベター、及びその生物学的同等物からなる群より選ばれる、項目48に記載の方法。
50.前記PD-1及び/又はPD-L1阻害剤が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、及びピジリズマブからなる群より選ばれる、項目48に記載の方法。
51.前記PD-1及び/又はPD-L1阻害剤が、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、BMS-936559、ALN-PDL、TSR-042、KD-033、CA-170、CA-327、STI-1014、KY-1003、そのバイオシミラー、そのバイオベター、及びその生物学的同等物からなる群より選ばれる、項目48に記載の方法。
52.前記PD-1及び/又はPD-L1阻害剤が、式(II)の化合物
【化48】
又はその医薬上許容される塩であり、ここで
R
1はハロゲン、C
5-8シクロアルキル、C
6-10アリール及びチエニルからなる群より選ばれ、ここで前記C
6-10アリール及びチエニルは、場合により1~5個のR
x置換基で置換されてよく;
各R
xは独立にハロゲン、-CN、-R
c、-CO
2R
a、-CONR
aR
b、-C(O)R
a、-OC(O)NR
aR
b、-NR
bC(O)R
a、-NR
bC(O)
2R
c、-NR
a-C(O)NR
aR
b、-NR
aR
b、-OR
a、-O-X
1-OR
a、-O-X
1-CO
2R
a、-O-X
1-CONR
aR
b、-X
1-OR
a、-X
1-NR
aR
b、-X
1-CO
2R
a、-X
1-CONR
aR
b、-SF
5及びS(O)
2NR
aR
bからなる群より選ばれ、ここで各X
1は、C
1-4アルキレンであり;各R
a及びR
bは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、該環はN、O又はSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、場合によりオキソにより置換されてよく;各R
cは独立に、C
1-8アルキル、C
2-8アルケニル、C
2-8アルキニル及びC
1-8ハロアルキルからなる群より選ばれ;そして場合により2つのR
x置換基が隣接原子上にあるとき、それらは一緒になって5員、6員もしくは7員の縮合炭素環もしくは複素環を形成し、それらの環はハロ、オキソ、C
1-8ハロアルキル及びC
1-8アルキルから独立に選ばれた1~3個の置換基により置換されてよく;
各R
2a、R
2b及びR
2cは、H、ハロゲン、-CN、-R
d、-CO
2R
e、-CONR
eR
f、-C(O)R
e、-OC(O)NR
eR
f、-NR
fC(O)R
e、-NR
fC(O)
2R
d、-NR
e-C(O)NR
eR
f、-NR
eR
f、-OR
e、-O-X
2-OR
e、-O-X
2-NR
eR
f、-O-X
2-CO
2R
e、-O-X
2-CONR
eR
f、-X
2-OR
e、-X
2-NR
eR
f、-X
2-CO
2R
e、-X
2-CONR
eR
f、-SF
5、-S(O)
2NR
eR
f、C
6-10アリール及びC
5-10ヘテロアリールからなる群より選ばれ、ここで各X
2はC
1-4アルキレンであり;各R
e及びR
fは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれるか、又は、同一の窒素原子に結合している場合には、その窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、該環はN、O及びSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、そして場合によりオキソにより置換されてよく;各R
dは独立に、C
1-8アルキル、C
2-8アルケニル及びC
1-8ハロアルキルからなる群より選ばれ;
R
3は、-NR
gR
h及びC
4-12ヘテロシクリルからなる群より選ばれ、ここでC
4-12ヘテロシクリルは場合により1~6個のR
yで置換されてよく;
各R
yは独立に、ハロゲン、-CN、-R
i、-CO
2R
j、-CONR
jR
k、-CONHC
1-6アルキル-OH、-C(O)R
j、-OC(O)NR
jR
k、-NR
jC(O)R
k、-NR
jC(O)
2R
k、CONOH、PO
3H
2、-NR
j-C
1-6アルキル-C(O)
2R
k、-NR
jC(O)NR
jR
k、-NR
jR
k、-OR
j、-S(O)
2NR
jR
k、-O-C
1-6アルキル-OR
j、-O-C
1-6アルキル-NR
jR
k、-O-C
1-6アルキル-CO
2R
j、-O-C
1-6アルキル-CONR
jR
k、-C
1-6アルキル-OR
j、-C
1-6アルキル-NR
jR
k、-C
1-6アルキル-CO
2R
j、-C
1-6アルキル-CONR
jR
k、及びSF
5からなる群より選ばれ、
ここでR
yのC
1-6アルキル部分は、場合により、OH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、PO
3H
2、COO-C
1-8アルキル又はCO
2Hで更に置換されてよく、ここで各R
j及びR
kは独立に、水素;OH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、PO
3H
2、COO-C
1-8アルキル又はCO
2Hから選ばれた1~2個の置換基により場合により置換されるC
1-8アルキル;及びOH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、PO
3H
2、COO-C
1-8アルキル又はCO
2Hから選ばれた1~2個の置換基により場合により置換されるC
1-8ハロアルキル、から選ばれ、又はそれが同一の窒素原子に結合している場合には、R
jとR
kは、その窒素原子と一緒になって5員又は6員環を形成することができ、前記環はN、O又はSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、場合によりオキソで置換されてよく;各R
iは-OH、C
1-8アルキル、C
2-8アルケニル及びC
1-8ハロアルキルから独立に選ばれ、その各々が場合によりOH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、PO
3H
2、COO-C
1-8アルキル又はCO
2Hで置換されてよく;
R
gはH、C
1-8ハロアルキル及びC
1-8アルキルからなる群より選ばれ;
R
hは-C
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル、C
1-8アルキル-COOH、C
1-8アルキル-OH、C
1-8アルキル-CONH
2、C
1-8アルキル-SO
2NH
2、C
1-8アルキル-PO
3H
2、C
1-8アルキル-CONOH、C
1-8アルキル-NR
h1R
h2、-C(O)-C
1-8アルキル、-C(O)-C
1-8アルキル-OH、-C(O)-C
1-8アルキル-COOH、C
3-10シクロアルキル、-C
3-10シクロアルキル-COOH、-C
3-10シクロアルキル-OH、C
4-8ヘテロシクリル、-C
4-8ヘテロシクリル-COOH、-C
4-8ヘテロシクリル-OH、-C
1-8アルキル-C
4-8ヘテロシクリル、-C
1-8アルキル-C
3-10シクロアルキル、C
5-10ヘテロアリール、-C
1-8アルキル-C
5-10ヘテロアリール、C
10カルボシクリル、-C
1-8アルキル-C
6-10アリール、-C
1-8アルキル-(C=O)-C
6-10アリール、-C
1-8アルキル-NH(C=O)-C
1-8アルケニル、-C
1-8アルキル-NH(C=O)-C
1-8アルキル、-C
1-8アルキル-NH(C=O)-C
1-8アルキニル、-C
1-8アルキル-(C=O)-NH-C
1-8アルキル-COOH、及び場合によりCO
2Hで置換されるC
1-8アルキル-(C=O)-NH-C
1-8アルキル-OHから選ばれ;又は
R
hはそれが結合しているNと一緒になって、1~3個の天然アミノ酸と0~2個の非天然アミノ酸とを含むモノ、ジ又はトリペプチドを形成し;ここで
前記非天然アミノ酸は、C
2-4ヒドロキシアルキル、C
1-3アルキル-グアニジニル及びC
1-4アルキル-ヘテロアリールからなる群より選ばれたα炭素置換基を有し;
前記各天然又は非天然アミノ酸のα炭素は、場合によりメチル基で更に置換されることがあり;
前記モノ、ジ又はトリペプチドの末端部分は、C(O)OH、C(O)O-C
1-6アルキル及びPO
3H
2からなる群より選ばれ、ここで
R
h1及びR
h2は各々独立に、H、C
1-6アルキル及びC
1-4ヒドロキシアルキルからなる群より選ばれ;
前記R
hのC
1-8アルキル部分は、場合によりOH、COOH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、COO-C
1-8アルキル、PO
3H
2、及び場合により1~2個のC
1-3アルキル置換基で置換されるC
5-6ヘテロアリールから独立に選ばれた1~3個の置換基で更に置換されてよく、
R
hのC
10カルボシクリル、C
5-10ヘテロアリール及びC
6-10アリール部分は、場合によりOH、B(OH)
2、COOH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、PO
3H
2、COO-C
1-8アルキル、C
1-4アルキル、C
1-4アルキル-OH、C
1-4アルキル-SO
2NH
2、C
1-4アルキル-CONH
2、C
1-4アルキル-CONOH、C
1-4アルキル-PO
3H
2、C
1-4アルキル-COOH及びフェニルから独立に選ばれた1~3個の置換基により置換されてよく;そして
R
hのC
4-8ヘテロシクリル及びC
3-10シクロアルキル部分は、場合により1~4個のR
w置換基で置換されてよく;
各R
w置換基は独立に、C
1-4アルキル、C
1-4アルキル-OH、C
1-4アルキル-COOH、C
1-4アルキル-SO
2NH
2、C
1-4アルキル-CONH
2、C
1-4アルキル-CONOH、C
1-4アルキル-PO
3H、OH、COO-C
1-8アルキル、COOH、SO
2NH
2、CONH
2、CONOH、PO
3H
2及びオキソから選ばれ;
R
4はO-C
1-8アルキル、O-C
1-8ハロアルキル、O-C
1-8アルキル-R
z、C
6-10アリール、C
5-10ヘテロアリール、-O-C
1-4アルキル-C
6-10アリール及びO-C
1-4アルキル-C
5-10ヘテロアリールからなる群より選ばれ、ここでC
6-10アリールとC
5-10ヘテロアリールは場合により1~5個のR
zで置換されてよく;
各R
zは独立に、ハロゲン、-CN、-R
m、-CO
2R
n、-CONR
nR
p、-C(O)R
n、-OC(O)NR
nR
p、-NR
nC(O)R
p、-NR
nC(O)
2R
m、-NR
n-C(O)NR
nR
p、-NR
nR
p、-OR
n、-O-X
3-OR
n、-O-X
3-NR
nR
p、-O-X
3-CO
2R
n、-O-X
3-CONR
nR
p、-X
3-OR
n、-X
3-NR
nR
p、-X
3-CO
2R
n、-X
3-CONR
nR
p、-SF
5、-S(O)
2R
nR
p、-S(O)
2NR
nR
p、及び3~7員の炭素環又は4~7員の複素環からなる群より選ばれ、前記3~7員の炭素環又は4~7員の複素環は、場合により1~5個のR
tで置換されてよく、ここで各R
tは独立に、C
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル、-CO
2R
n、-CONR
nR
p、-C(O)R
n、-OC(O)NR
nR
p、-NR
nC(O)R
p、-NR
nC(O)
2R
m、-NR
n-C(O)NR
nR
p、-NR
nR
p、-OR
n、-O-X
3-OR
n、-O-X
3-NR
nR
p、-O-X
3-CO
2R
n、-O-X
3-CONR
nR
p、-X
3-OR
n、-X
3-NR
nR
p、-X
3-CO
2R
n、-X
3-CONR
nR
p、-SF
5及びS(O)
2NR
nR
pからなる群より選ばれ;
ここで各X
3はC
1-4アルキレンであり;各R
n及びR
pは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は同一の窒素に結合している場合には、その窒素原子と一緒になって5員又は6員環を形成することができ、前記環はN、O又はSから選ばれた0~2個の追加のヘテロ原子を有し、そして場合によりオキソで置換されてよく;各R
mは独立に、C
1-8アルキル、C
2-8アルケニル及びC
1-8ハロアルキルからなる群から選ばれ;そして場合により、2つのR
z置換基が隣接原子上にあるとき、それらは一緒になって5員又は6員の縮合炭素環又は複素環を形成し、それらの環は場合によりオキソで置換されてよく;
nは0、1、2又は3であり;
各R
5は独立に、ハロゲン、-CN、-R
q、-CO
2R
r、-CONR
rR
s、-C(O)R
r、-OC(O)NR
rR
s、-NR
rC(O)R
s、-NR
rC(O)
2R
q、-NR
r-C(O)NR
rR
s、-NR
rR
s、-OR
r、-O-X
4-OR
r、-O-X
4-NR
rR
s、-O-X
4-CO
2R
r、-O-X
4-CONR
rR
s、-X
4-OR
r、-X
4-NR
rR
s、-X
4-CO
2R
r、-X
4-CONR
rR
s、-SF
5、-S(O)
2NR
rR
sからなる群より選ばれ、ここで各X
4はC
1-4アルキレンであり;各R
r及びR
sは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合、その窒素原子と一緒になって5員又は6員環を形成することができ、前記環はN、O又はSから選ばれた環員として0~2個の追加のヘテロ原子を有し、そして場合によりオキソで置換されてよく;各R
qは独立にC
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルからなる群より選ばれ;
R
6aは、H、C
1-4アルキル及びC
1-4ハロアルキルからなる群より選ばれ;
各R
6bは独立に、F、C
1-4アルキル、O-R
u、C
1-4ハロアルキル、NR
uR
vからなる群より選ばれ、ここで各R
u及びR
vは独立に、水素、C
1-8アルキル及びC
1-8ハロアルキルから選ばれ、又は、同一の窒素原子に結合している場合には、その窒素原子と一緒になって5員又は6員環を形成することができ、前記環はN、O又はSから選ばれた0~2個の追加のヘテロ原子を有し、そして場合によりオキソで置換されてよく;そして
mは0、1、2、3又は4である、項目48に記載の方法。