(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】三次元計測装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/24 20060101AFI20240226BHJP
【FI】
G01B11/24 D
(21)【出願番号】P 2021028628
(22)【出願日】2021-02-25
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】304036743
【氏名又は名称】国立大学法人宇都宮大学
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】石垣 裕之
(72)【発明者】
【氏名】岡田 点
(72)【発明者】
【氏名】二村 伊久雄
(72)【発明者】
【氏名】間宮 高弘
(72)【発明者】
【氏名】早崎 芳夫
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/190151(WO,A1)
【文献】特開平8-304027(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0180761(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G01B 9/00-9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射する所定の光を2つの光に分割可能な光学手段を有し、該分割した一方の光の少なくとも一部を計測光として被計測物に照射しかつ他方の光の少なくとも一部を参照光として参照面に照射すると共に、前記被計測物にて反射した前記計測光の少なくとも一部と前記参照面にて反射した前記参照光の少なくとも一部とを合成して出射可能な所定の光学系と、
前記光学手段の第1入力部に対し入射させる、第1波長の第1光を出射可能な第1照射手段と、
前記光学手段の第2入力部に対し入射させる、第2波長の第2光を出射可能な第2照射手段と、
前記第1入力部に対し前記第1光を入射することにより前記光学手段の第1出力部から出射される前記第1光に係る所定の出力光を撮像可能な第1撮像手段と、
前記第2入力部に対し前記第2光を入射することにより前記光学手段の第2出力部から出射される前記第2光に係る所定の出力光を撮像可能な第2撮像手段と、
前記第1撮像手段及び前記第2撮像手段により取得された画像データを基に前記被計測物の三次元計測を実行可能な画像処理手段とを備え、
前記光学手段から前記被計測物に向かう前記第1光に係る計測光と、前記光学手段から前記被計測物に向かう前記第2光に係る計測光の進行方向が異なり、かつ、前記光学手段から前記参照面に向かう前記第1光に係る参照光と、前記光学手段から前記参照面に向かう前記第2光に係る参照光の進行方向が異なり、
前記被計測物にて反射して前記光学手段に向かう前記第1光に係る計測光と、前記被計測物にて反射して前記光学手段に向かう前記第2光に係る計測光の進行方向が異なり、かつ、前記参照面にて反射して前記光学手段に向かう前記第1光に係る参照光と、前記参照面にて反射して前記光学手段に向かう前記第2光に係る参照光の進行方向が異なり、
前記光学手段は、
前記被計測物にて反射した前記第1光に係る計測光の一部と、前記参照面にて反射した前記第1光に係る参照光の一部とを合成して前記第1出力部から出射可能、かつ、前記被計測物にて反射した前記第2光に係る計測光の一部と、前記参照面にて反射した前記第2光に係る参照光の一部とを合成して前記第2出力部から出射可能に構成されていることを特徴とする三次元計測装置。
【請求項2】
前記光学手段と前記参照面との間に配置され、第1偏光を透過させる第1の偏光板と、
前記光学手段と前記被計測物との間に配置され、第2偏光を透過させる第2の偏光板と、
前記光学手段の第1出力部と前記第1撮像手段との間に配置され、前記第1光に係る前記第1偏光及び前記第2偏光をそれぞれ円偏光へ変換する第1の1/4波長板と、
前記光学手段の第2出力部と前記第2撮像手段との間に配置され、前記第2光に係る前記第1偏光及び前記第2偏光をそれぞれ円偏光へ変換する第2の1/4波長板とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の三次元計測装置。
【請求項3】
前記光学手段から前記被計測物に向かう前記第1光に係る計測光の光路と、前記光学手段から前記被計測物に向かう前記第2光に係る計測光の光路とが、前記被計測物に直交する所定の軸線方向に見て、該軸線を中心に対称となり、
かつ、
前記光学手段から前記参照面に向かう前記第1光に係る参照光の光路と、前記光学手段から前記参照面に向かう前記第2光に係る参照光の光路とが、前記参照面に直交する所定の軸線方向に見て、該軸線を中心に対称となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の三次元計測装置。
【請求項4】
前記被計測物に対する前記第1光に係る計測光の入射角と、前記被計測物に対する前記第2光に係る計測光の入射角とが同一角となり、
かつ、
前記参照面に対する前記第1光に係る参照光の入射角と、前記参照面に対する前記第2光に係る参照光の入射角とが同一角となっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の三次元計測装置。
【請求項5】
前記光学手段は、ハーフミラーであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の三次元計測装置。
【請求項6】
前記光学手段と前記参照面とを所定の位置関係とすることにより生じるキャリア縞を撮像して得た前記画像データを基に前記計測光の複素振幅を得るフーリエ変換法により前記被計測物の三次元計測を実行可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の三次元計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被計測物の形状を計測する三次元計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被計測物の形状を計測する三次元計測装置として、干渉計を利用した三次元計測装置が知られている。近年では、計測レンジの拡大を図るべく、波長の異なる2種類の光を利用して計測を行う三次元計測装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に係る三次元計測装置では、波長の異なる2種類の光をそれぞれ偏光ビームスプリッタの異なる位置から入射することにより、2種類の光の波長差を極めて小さくし、計測レンジを大幅に拡大することができる。
【0004】
一般に、干渉計を利用した三次元計測装置は、
図16に示すように、偏光ビームスプリッタ(PBS)100と、該偏光ビームスプリッタ100に対し入射させるコヒーレント光を出射する光源101と、偏光ビームスプリッタ100から出射される光を撮像する撮像装置102とを備えている。
【0005】
図16に示す例では、所定波長の偏光(偏光方向がX軸方向及びY軸方向に対し45°傾斜した偏光)が光源101からZ軸方向下向きに出射され、偏光ビームスプリッタ100の第1面100aに入射する。
【0006】
偏光ビームスプリッタ100の第1面100aから入射した光は、偏光ビームスプリッタ100の境界面100eにおいて2方向に分岐され、そのP偏光成分(
図16の紙面に平行な方向を偏光方向とする直線偏光)がZ軸方向下向きに透過して第3面100cから計測光として出射される一方、そのS偏光成分(
図16の紙面に垂直なY軸方向を偏光方向とする直線偏光)がX軸方向右向きに反射して第4面100dから参照光として出射される。
【0007】
偏光ビームスプリッタ100の第3面100cから出射した計測光(P偏光)は、1/4波長板103を透過することにより右回りの円偏光に変換された後、ワーク110で反射する。ここで、光の進行方向に対する回転方向は維持される。その後、かかる計測光は、再度、1/4波長板103を透過することで、右回りの円偏光からS偏光に変換された上で偏光ビームスプリッタ100の第3面100cに再入射する。
【0008】
一方、偏光ビームスプリッタ100の第4面100dから出射した参照光(S偏光)は、1/4波長板104を透過することにより左回りの円偏光に変換された後、参照面111で反射する。ここで、光の進行方向に対する回転方向は維持される。その後、かかる参照光は、再度、1/4波長板104を透過することで、左回りの円偏光からP偏光に変換された上で偏光ビームスプリッタ100の第4面100dに再入射する。
【0009】
そして、偏光ビームスプリッタ100の第3面100cから再入射した計測光(S偏光)が境界面100eにてX軸方向左向きに反射する一方、第4面100dから再入射した参照光(P偏光)は境界面100eをX軸方向左向きに透過する。これにより、計測光及び参照光が合成された合成光が出力光として偏光ビームスプリッタ100の第2面100bから出射される。
【0010】
偏光ビームスプリッタ100の第2面100bから出射された合成光(計測光及び参照光)は、まず1/4波長板105により、その計測光成分(S偏光成分)が左回りの円偏光に変換され、その参照光成分(P偏光成分)が右回りの円偏光に変換される。ここで、左回りの円偏光と右回りの円偏光は回転方向が異なるので干渉しない。
【0011】
かかる合成光は、続いて偏光板106を透過することにより、その計測光成分と参照光成分とが偏光板106の角度に応じた位相で干渉する。そして、このような干渉光が偏光板106の角度を変えて、撮像装置102により複数通り撮像され、得られた輝度画像データを基にワーク110の三次元計測が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1に係る三次元計測装置においては、偏光ビームスプリッタや1/4波長板などの光学部材を用いて、波長の異なる2種類の光をそれぞれ偏光方向の異なる偏光成分(P偏光及びS偏光)に分離・変換することで、同一光路上を同一方向へ進む2種類の光を分離可能としている。
【0014】
例えば特許文献1では、波長1500nmの第1光に係るS偏光成分(又はP偏光成分)と、波長1503nmの第2光に係るP偏光成分(又はS偏光成分)とが同一の1/4波長板(特許文献1の干渉光学系3内の1/4波長板21,22など)を同一方向へ通過する構成となっている。
【0015】
しかしながら、偏光ビームスプリッタや1/4波長板など、偏光成分(P偏光及びS偏光)の分離・変換に必要な光学部材は、精度良く製造することが難しく、その製造誤差が偏光成分の分離・変換精度に大きく影響するおそれがある。
【0016】
特に、2種類の波長に対応した1/4波長板を精度良く製造することは非常に難しい。そのため、特許文献1のように、波長の異なる2種類の光が通過する位置に1/4波長板(特許文献1の1/4波長板21,22など)を配置する場合、ここを通過する2種類の光の少なくとも一方には、変換誤差が生じるおそれがある。
【0017】
1/4波長板は、所定波長(例えば1500nm又は1503nm)の入射光に対し1/4波長分(例えば375nm又は375.75nm)の位相差を付与して、直線偏光を円偏光に変換したり円偏光を直線偏光に変換する機能を有する光学部材である。
【0018】
つまり、波長1500nmの第1光と、波長1503nmの第2光に対応した1/4波長板を製造する場合には、375nm~375.75nmのうちの所望の位相差(例えば375.6nm)を付与する1/4波長板を製造することとなる。
【0019】
このため、特許文献1のように、1/4波長板を往復することによって偏光成分がS偏光からP偏光へ、又は、P偏光からS偏光へ変換される構成においては、偏光成分が完全に変換されず、わずかに残った変換前の偏光成分(例えばS偏光)が変換後の偏光成分(例えばP偏光)に混ざってしまうおそれがある。
【0020】
かかる場合、
図16に示すように、完全に変換されなかった偏光成分が戻り光Kp,Ksとして、偏光ビームスプリッタ100の境界面100eで反射又は透過するなど、本来導かれる方向とは異なる方向へ導かれてしまうこととなる。
【0021】
これにより、第1光に係る計測光(S偏光)及び参照光(P偏光)の干渉光と、第2光に係る計測光(P偏光)及び参照光(S偏光)の干渉光をそれぞれ異なるカメラで撮像する特許文献1に係る構成においては、本来、第1光(又は第2光)に係る干渉光のみを撮像する第1カメラ(又は第2カメラ)に対し第2光(又は第1光)の戻り光が入射し、これを含んだ干渉光が撮像されてしまうため、計測精度が低下するおそれがある。
【0022】
本発明は、上記事情等に鑑みてなされたものであり、その目的は、計測精度の向上等を図ることのできる三次元計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0024】
手段1.入射する所定の光を2つの光に分割可能な光学手段(例えばビームスプリッタやハーフミラーなど)を有し、該分割した一方の光の少なくとも一部を計測光として被計測物に照射しかつ他方の光の少なくとも一部を参照光として参照面に照射すると共に、前記被計測物にて反射した前記計測光の少なくとも一部と前記参照面にて反射した前記参照光の少なくとも一部とを合成して出射可能な所定の光学系(特定光学系)と、
前記光学手段の第1入力部に対し入射させる、第1波長の第1光を出射可能な第1照射手段と、
前記光学手段の第2入力部に対し入射させる、第2波長の第2光を出射可能な第2照射手段と、
前記第1入力部に対し前記第1光を入射することにより前記光学手段の第1出力部から出射される前記第1光に係る所定の出力光を撮像可能な第1撮像手段と、
前記第2入力部に対し前記第2光を入射することにより前記光学手段の第2出力部から出射される前記第2光に係る所定の出力光を撮像可能な第2撮像手段と、
前記第1撮像手段及び前記第2撮像手段により取得された画像データを基に前記被計測物の三次元計測を実行可能な画像処理手段とを備え、
前記光学手段から前記被計測物に向かう前記第1光に係る計測光と、前記光学手段から前記被計測物に向かう前記第2光に係る計測光の進行方向(ベクトル)が異なり、かつ、前記光学手段から前記参照面に向かう前記第1光に係る参照光と、前記光学手段から前記参照面に向かう前記第2光に係る参照光の進行方向(ベクトル)が異なり、
前記被計測物にて反射して前記光学手段に向かう前記第1光に係る計測光と、前記被計測物にて反射して前記光学手段に向かう前記第2光に係る計測光の進行方向(ベクトル)が異なり、かつ、前記参照面にて反射して前記光学手段に向かう前記第1光に係る参照光と、前記参照面にて反射して前記光学手段に向かう前記第2光に係る参照光の進行方向(ベクトル)が異なり、
前記光学手段は、
前記被計測物にて反射した前記第1光に係る計測光の一部と、前記参照面にて反射した前記第1光に係る参照光の一部とを合成して前記第1出力部から出射可能、かつ、前記被計測物にて反射した前記第2光に係る計測光の一部と、前記参照面にて反射した前記第2光に係る参照光の一部とを合成して前記第2出力部から出射可能に構成されていることを特徴とする三次元計測装置。
【0025】
上記手段1によれば、照射手段から撮像手段に至る第1光及び第2光の進行方向(ベクトル)が互いに重複する区間が存在しない構成となる。つまり、所定の光学系に入射した第1光と第2光は互いに干渉することなく、完全に分離した状態で所定の光学系から別々に出射されることとなる。尚、ここで進行方向が逆向きに光路が重なる場合や、光路が交差する場合があっても特段の問題は生じない。
【0026】
このように、本手段によれば、光学系に対する第1光及び第2光それぞれの入射位置や入射角度を適切に設定するだけで、第1光及び第2光を完全に分離して取り扱うことができるため、偏光成分(P偏光及びS偏光)の分離・変換に必要な偏光ビームスプリッタや1/4波長板などの光学部材を大幅に削減することができ、構成の簡素化を図ることができる。特に、波長の異なる2種類の光の偏光成分が同一光路上を同一方向に通過する1/4波長板を省略した光学系を実現することができる。
【0027】
結果として、上述した戻り光の影響など、所定の光学部材から受ける製造誤差等の影響を排除し、計測精度の向上を図ることができる。
【0028】
ひいては、第1光及び第2光として波長の近い2種類の光を用いることができ、三次元計測に係る計測レンジをより広げることができる。加えて、第1光に係る出力光の撮像と、第2光に係る出力光の撮像を同時に行うことができるため、計測効率の向上を図ることができる。
【0029】
手段2.前記光学手段と前記参照面との間に配置され、第1偏光(例えばP偏光)を透過させる第1の偏光板と、
前記光学手段と前記被計測物との間に配置され、第2偏光(例えばS偏光)を透過させる第2の偏光板と、
前記光学手段の第1出力部と前記第1撮像手段との間に配置され、前記第1光に係る前記第1偏光及び前記第2偏光をそれぞれ円偏光へ変換する第1の1/4波長板と、
前記光学手段の第2出力部と前記第2撮像手段との間に配置され、前記第2光に係る前記第1偏光及び前記第2偏光をそれぞれ円偏光へ変換する第2の1/4波長板とを備えていることを特徴とする手段1に記載の三次元計測装置。
【0030】
上記手段2によれば、位相シフト法を利用した三次元計測が可能となり、さらなる計測精度の向上を図ることができる。
【0031】
尚、ここでは、「第1の1/4波長板」として、第1光の第1波長に合わせ製造した専用の1/4波長板を用いると共に、「第2の1/4波長板」として、第2光の第2波長に合わせ製造した専用の1/4波長板を用いることができる。これにより、2種類の波長に対応した1/4波長板を用いる場合と比較して、光の変換誤差を低減することができる。結果として、計測精度の向上を図ることができる。
【0032】
手段3.前記光学手段から前記被計測物に向かう前記第1光に係る計測光の光路と、前記光学手段から前記被計測物に向かう前記第2光に係る計測光の光路とが、前記被計測物に直交する所定の軸線(例えばZ軸)方向に見て、該軸線を中心に対称となり、
かつ、
前記光学手段から前記参照面に向かう前記第1光に係る参照光の光路と、前記光学手段から前記参照面に向かう前記第2光に係る参照光の光路とが、前記参照面に直交する所定の軸線(例えばX軸)方向に見て、該軸線を中心に対称となっていることを特徴とする手段1又は2に記載の三次元計測装置。
【0033】
上記手段3によれば、例えば被計測物に直交する所定の軸線方向に見て、第1光に係る計測光の光路と、第2光に係る計測光の光路とが重複している場合等と比較して、光学手段から被計測物に向かう第1光に係る計測光と第2光に係る計測光が混在しにくくなる。同様に、光学手段から参照面に向かう第1光に係る参照光と第2光に係る参照光も混在しにくくなる。結果として、さらなる計測精度の向上を図ることができる。
【0034】
手段4.前記被計測物に対する前記第1光に係る計測光の入射角と、前記被計測物に対する前記第2光に係る計測光の入射角とが同一角となり、
かつ、
前記参照面に対する前記第1光に係る参照光の入射角と、前記参照面に対する前記第2光に係る参照光の入射角とが同一角となっていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の三次元計測装置。
【0035】
上記手段4によれば、第1光の光路長と第2光の光路長とを同一長とすることができる。結果として、第1光に係る撮像処理、及び、第2光に係る撮像処理において、被計測物を同じ大きさ(同じ倍率)で撮像することができる。ひいては、計測精度の向上を図ることができる。
【0036】
手段5.前記光学手段は、ハーフミラーであることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の三次元計測装置。
【0037】
上記手段5によれば、ビームスプリッタ等の肉厚の光学手段に比べ、薄板状のハーフミラーは、光の屈折等をほとんど考慮しなくともよいため、三次元計測装置をより小型化することができる。
【0038】
例えば
図15(a)に示すように、光学手段としてハーフミラー200を用いた場合、被計測物201に対する光の入射角θの下限値は、下記式(1)で定義することができる。
【0039】
θ ≧ tan-1(φ/2WD) ・・・(1)
ここで、「φ」は、光源203から出射され被計測物201にて反射して撮像素子204に入射するレーザ光の径(幅)であり、「WD」は、光源203と撮像素子204の配置位置が重ならないように、最低限確保しなければならない光源203(撮像素子204)と被計測物201との距離である。
【0040】
これに対し、
図15(b)に示すように、光学手段としてビームスプリッタ210を用いた場合には、ビームスプリッタ210における光の屈折等を考慮しなければならないため、上記式(1)を適用することができない。仮にハーフミラー200を用いた場合と同様、被計測物201に対し入射角θで光を入射させようとした場合、光源203(撮像素子204)と被計測物201との距離WEを、ハーフミラー200を用いた場合の距離WDよりも長く設定しなければ、光源203と撮像素子204の配置位置が重なり合ってしまうこととなる。
【0041】
手段6.前記光学手段と前記参照面とを所定の位置関係とすることにより生じるキャリア縞を撮像して得た前記画像データ(干渉縞画像)を基に前記計測光の複素振幅を得るフーリエ変換法により前記被計測物の三次元計測を実行可能に構成されていることを特徴とする手段1に記載の三次元計測装置。
【0042】
尚、「前記光学手段と前記参照面とを所定の位置関係とすること」には、例えば「前記参照面を所定の基準姿勢から傾けること」が含まれる。前記「基準姿勢」としては、例えば被計測物に直交する第1軸線(例えばZ軸)、及び、前記第1軸線(例えばZ軸)と直交する第2軸線(例えばX軸)に対し、前記「光学手段(例えばビームスプリッタやハーフミラーなど)」を45°傾斜させて配置した場合において、前記「参照面」が前記第2軸線(例えばX軸)に対し直交する姿勢が含まれる。
【0043】
上記手段6によれば、偏光ビームスプリッタはもとより、手段2で用いる1/4波長板や偏光板など、偏光成分(P偏光及びS偏光)を分離・変換するための光学部材を一切配置しなくても良い構成となる。加えて、撮像手段の撮像素子として、偏光イメージセンサを用いる必要もない。
【0044】
結果として、部品点数の削減や構成の簡素化などを図ることができる。さらに、光学部材から受ける製造誤差等の影響を低減し、計測精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】第1実施形態に係る三次元計測装置の概略構成図である。
【
図2】三次元計測装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図6】第2実施形態に係る三次元計測装置の概略構成図である。
【
図7】第3実施形態に係る三次元計測装置の概略構成図である。
【
図8】第4実施形態に係る三次元計測装置の概略構成図である。
【
図9】第5実施形態に係る三次元計測装置の概略構成図である。
【
図10】(a),(b)は、対物レンズを配置した場合における第1光の参照面及び設置部に対する入射角を説明するための模式図である。
【
図11】第6実施形態に係る三次元計測装置の概略構成図である。
【
図12】第7実施形態に係る三次元計測装置の概略構成図である。
【
図13】第1光に係る計測光及び参照光と、第2光に係る計測光及び参照光の進行方向が重複する場合の一例を示す光路図である。
【
図14】(a)は、第1光の入射光が入射する第1位置と、第1光の出射光が出射する第2位置とが、ビームスプリッタの第1面の一辺と平行する方向に並んだ状態を示す模式図であり、(b)は、第1光の入射光が入射する第1位置と、第1光の出射光が出射する第2位置とが、ビームスプリッタの第1面の対角線方向に並んだ状態を示す模式図である。
【
図15】(a)は、ハーフミラーを用いた場合の被計測物における入射光及び反射光の光路等を説明するための模式図であり、(b)は、ビームスプリッタを用いた場合の被計測物における入射光及び反射光の光路等を説明するための模式図である。
【
図16】従来の三次元計測装置における光の光路を示す光路図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
〔第1実施形態〕
以下、三次元計測装置の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施形態に係る三次元計測装置1の概略構成を示す模式図であり、
図2は三次元計測装置1の電気的構成を示すブロック図である。以下、便宜上、
図1の紙面左右方向を「X軸方向」とし、紙面前後方向を「Y軸方向」とし、紙面上下方向を「Z軸方向」として説明する。
【0047】
三次元計測装置1は、干渉計の原理に基づき構成されたものであり、特定波長の光を出力可能な2つの投光系2A,2B(第1投光系2A,第2投光系2B)と、該投光系2A,2Bからそれぞれ出射される光が入射される干渉光学系3と、該干渉光学系3から出射される光を撮像可能な2つの撮像系4A,4B(第1撮像系4A,第2撮像系4B)と、投光系2A,2Bや干渉光学系3、撮像系4A,4Bなどに係る各種制御や画像処理、演算処理等を行う制御装置5(
図2参照)とを備えている。
【0048】
ここで、「制御装置5」が本実施形態における「画像処理手段」を構成し、「干渉光学系3」が本実施形態における「所定の光学系(特定光学系)」を構成する。尚、本実施形態においては、光の干渉を生じさせること(干渉光を撮像すること)を目的として、入射する所定の光を2つの光(計測光及び参照光)に分割し、該2つの光に光路差を生じさせた上で、再度合成して出力する光学系を「干渉光学系」という。つまり、2つの光を内部で干渉させることなく、単に合成光として出力する光学系についても「干渉光学系」と称している。従って、本実施形態のように「干渉光学系」から2つの光(計測光及び参照光)が干渉することなく合成光として出力される場合には、後述するように、少なくとも撮像される前段階において、所定の干渉手段を介して干渉光に変換することとなる。
【0049】
まず、2つの投光系2A,2B(第1投光系2A,第2投光系2B)の構成について詳しく説明する。第1投光系2Aは、第1発光部11Aや第1光アイソレータ12Aなどを備えている。ここで「第1発光部11A」が本実施形態における「第1照射手段」を構成する。
【0050】
図示は省略するが、第1発光部11Aは、特定波長λ1の直線偏光を出力可能なレーザ光源や、該レーザ光源から出力される直線偏光を拡大し平行光として出射するビームエキスパンダ、強度調整を行うための偏光板、偏光方向を調整するための1/2波長板などを備えている。
【0051】
本実施形態における第1発光部11Aの光軸(光の出射方向)JA1は、Z軸方向に対し右側に角度θ1傾いている。かかる構成の下、本実施形態では、第1発光部11Aから、X軸方向及びY軸方向に対し45°傾斜した方向を偏光方向とする波長λ1(例えばλ1=1500nm)の直線偏光が干渉光学系3に向け出射される。ここで「波長λ1」が本実施形態における「第1波長」に相当する。以降、第1発光部11Aから出射される波長λ1の光を「第1光」という。
【0052】
第1光アイソレータ12Aは、一方向(本実施形態では干渉光学系3側)に進む光のみを透過し逆方向(本実施形態では第1発光部11A側)に進む光を遮断する光学素子である。これにより、第1発光部11Aから出射された第1光のみを透過することとなり、入射光による第1発光部11Aの損傷や不安定化などを防止することができる。
【0053】
尚、本実施形態では、
図1の紙面(X-Z平面)に平行な方向を偏光方向とする直線偏光をP偏光(P偏光成分)といい、
図1の紙面に垂直なY軸方向を偏光方向とする直線偏光をS偏光(S偏光成分)という。
【0054】
第2投光系2Bは、上記第1投光系2Aと同様、第2発光部11Bや第2光アイソレータ12Bなどを備えている。ここで「第2発光部11B」が本実施形態における「第2照射手段」を構成する。
【0055】
第2発光部11Bは、上記第1発光部11Aと同様、特定波長λ2の直線偏光を出力可能なレーザ光源や、該レーザ光源から出力される直線偏光を拡大し平行光として出射するビームエキスパンダ、強度調整を行うための偏光板、偏光方向を調整するための1/2波長板などを備えている。
【0056】
本実施形態における第2発光部11Bの光軸(光の出射方向)JB1は、X軸方向に対し上側に角度θ2傾いている。尚、本実施形態では、角度θ2が上記角度θ1と同一角度に設定されている。
【0057】
かかる構成の下、本実施形態では、第2発光部11Bから、X軸方向及びY軸方向に対し45°傾斜した方向を偏光方向とする波長λ2(例えばλ2=1503nm)の直線偏光が干渉光学系3に向け出射される。ここで「波長λ2」が本実施形態における「第2波長」に相当する。以降、第2発光部11Bから出射される波長λ2の光を「第2光」という。
【0058】
第2光アイソレータ12Bは、第1光アイソレータ12Aと同様、一方向(本実施形態では干渉光学系3側)に進む光のみを透過し逆方向(本実施形態では第2発光部11B側)に進む光を遮断する光学素子である。これにより、第2発光部11Bから出射された第2光のみを透過することとなり、入射光による第2発光部11Bの損傷や不安定化などを防止することができる。
【0059】
次に干渉光学系3の構成について詳しく説明する。干渉光学系3は、ハーフミラーHM、偏光板21,22、参照面23、設置部24などを備えている。
【0060】
ハーフミラーHMは、偏光状態も含め、入射光を所定の比率(本実施形態では1:1)で透過光と反射光とに分割する公知の薄板状の光学部材であり、本実施形態における光学手段を構成する。これにより、透過光のP偏光成分及びS偏光成分、並びに、反射光のP偏光成分及びS偏光成分が全て同じ比率で分割されると共に、透過光と反射光の各偏光状態は入射光の偏光状態と同じとなる。
【0061】
ハーフミラーHMは、その表裏両面がY軸方向と平行、かつ、X軸方向及びZ軸方向に対し45°傾斜するように配置されている。以下、本実施形態では、第1投光系2A(第1発光部11A)から出射される第1光が入射するハーフミラーHMの上側の面を「第1面HMa」といい、第2投光系2B(第2発光部11B)から出射される第2光が入射するハーフミラーHMの下側の面を「第2面HMb」という。
【0062】
また、干渉光学系3においては、ハーフミラーHMの第1面HMaとX軸方向に対向するように偏光板21が配置されると共に、該偏光板21とX軸方向に対向するように参照面23が配置されている。尚、偏光板21及び参照面23は、X軸方向と直交するように(X軸方向が法線方向となるように)配置されている。
【0063】
本実施形態における偏光板21は、第1偏光としてのP偏光のみを透過させ、S偏光を遮断するように配置されている。つまり、ハーフミラーHMの第1面HMaから出射される光のP偏光成分のみが偏光板21を透過して、参照面23に対し参照光として照射される。また、参照面23で反射した参照光(P偏光)は、再度、偏光板21を透過してハーフミラーHMの第1面HMaに入射する。「偏光板21」が本実施形態における「第1の偏光板」を構成する。
【0064】
また、干渉光学系3においては、ハーフミラーHMの第2面HMbとZ軸方向に対向するように偏光板22が配置されると共に、該偏光板22とZ軸方向に対向するように設置部24が配置されている。尚、偏光板22及び設置部24は、Z軸方向と直交するように(Z軸方向が法線方向となるように)配置されている。
【0065】
本実施形態における偏光板22は、第2偏光としてのS偏光のみを透過させ、P偏光を遮断するように配置されている。つまり、ハーフミラーHMの第2面HMbから出射される光のS偏光成分のみが偏光板22を透過して、設置部24に置かれた被計測物としてのワークWに対し計測光として照射される。また、ワークWにて反射した計測光(S偏光)は、再度、偏光板22を透過してハーフミラーHMの第2面HMbに入射する。「偏光板22」が本実施形態における「第2の偏光板」を構成する。
【0066】
次に2つの撮像系4A,4B(第1撮像系4A,第2撮像系4B)の構成について詳しく説明する。
【0067】
第1撮像系4Aは、1/4波長板31Aや第1カメラ33Aなどを備えている。ここで「第1カメラ33A」が本実施形態における「第1撮像手段」を構成する。
【0068】
1/4波長板31Aは、ハーフミラーHMの第1面HMaから出射される第1光の参照光成分(P偏光成分)及び計測光成分(S偏光成分)をそれぞれ円偏光に変換するためのものであり、本実施形態における「第1の1/4波長板」を構成する。尚、1/4波長板31Aは、第1光の波長λ1(例えばλ1=1500nm)に合わせて専用に設計された1/4波長板である。
【0069】
本実施形態に係る第1カメラ33Aは、撮像素子として偏光イメージセンサ70Aを備えた偏光カメラである。本実施形態における第1カメラ33Aの光軸(第1光に係る合成光の入射方向)JA2は、Z軸方向に対し左側に角度θ1傾いている。
【0070】
図5に示すように、偏光イメージセンサ70Aは、センサ本体部となる受光素子アレイ71と、その受光面側となる前面側に設けられた偏光子アレイ72と、その前面側に設けられたマイクロレンズアレイ73とを備えている。
【0071】
受光素子アレイ71は、複数の受光素子(画素)74が行列状に二次元配列されてなる一般的なCCDイメージセンサなどの半導体素子構造を有する。
【0072】
尚、実際の受光素子アレイ71は、多数の画素(例えば1280×1024画素)が配列されたものであるが、
図5においては、説明の簡素化を図るため、その一部である4行4列のみ図示している(偏光子アレイ72及びマイクロレンズアレイ73についても同様)。
【0073】
偏光子アレイ72は、複数の偏光子75が行列状に二次元配列されたものである。各偏光子75は、受光素子アレイ71の各受光素子74と1対1で対応するように設けられている。
【0074】
偏光子75は、上記のように円偏光に変換された参照光成分及び計測光成分を選択的に透過させるものである。これにより、回転方向の異なる参照光成分と計測光成分とを干渉させることができる。また、参照光成分及び計測光成分に所定の位相差が付与される。従って、各偏光子75が本実施形態における「位相シフト手段」や「干渉手段」を構成することとしてもよい。
【0075】
偏光子75は、透過軸の設定角度が45°ずつ異なる4種類の偏光子75a,75b,75c,75dからなる。より詳しくは、基準線(水平線)に対する透過軸の設定角度が「0°」となるように設定された第1偏光子75aと、透過軸の設定角度が「45°」となるように設定された第2偏光子75bと、透過軸の設定角度が「90°」となるように設定された第3偏光子75cと、透過軸の設定角度が「135°」となるように設定された第4偏光子75dとを備えている。
【0076】
これにより、偏光子アレイ72の各偏光子75を透過する光の参照光成分及び計測光成分を4通りの位相差で干渉させることができる。つまり、参照光及び計測光の位相差が90°ずつ異なる4通りの干渉光を生成することができる。
【0077】
具体的な設定としては、第1偏光子75aを透過する光の参照光成分の位相シフト量が「0°」となり、第2偏光子75bを透過する光の参照光成分の位相シフト量が「90°」となり、第3偏光子75cを透過する光の参照光成分の位相シフト量が「180°」となり、第4偏光子75dを透過する光の参照光成分の位相シフト量が「270°」となるように設計されている。
【0078】
そして、偏光子アレイ72においては、これら透過軸角度が異なる4種類の偏光子75a,75b,75c,75dが所定順序で2行2列の行列状に並んだ特定の偏光子配列パターン(
図5の太枠部分参照)が行列状に繰り返し配置された構成となっている。
【0079】
本実施形態における前記偏光子配列パターンは、偏光子アレイ72の正面視で、右下に第1偏光子75aが配置され、右上に第2偏光子75bが配置され、左上に第3偏光子75cが配置され、左下に第4偏光子75dが配置された構成となっている。
【0080】
これにより、偏光子アレイ72のどの位置で、2行2列の行列状に並んだ4つの偏光子75を抽出した場合であっても、透過軸角度が異なる4種類の偏光子75a,75b,75c,75dが必ず1ずつ含まれることとなる。
【0081】
マイクロレンズアレイ73は、複数のマイクロレンズ76が行列状に二次元配列されたものである。マイクロレンズ76は、画素毎の集光効率を向上させるためのものであり、偏光子アレイ72の各偏光子75と1対1で対応するように設けられている。
【0082】
これにより、マイクロレンズアレイ73の各マイクロレンズ76によって集光された光は、それぞれ対応する偏光子アレイ72の各偏光子75を透過することで、その参照光成分及び計測光成分にそれぞれ所定の位相差が付与されると共に、干渉光となって、それぞれ対応する受光素子アレイ71の各受光素子74に受光されることとなる。
【0083】
第1カメラ33Aによって撮像され取得された輝度画像データは、第1カメラ33A内部においてデジタル信号に変換された上で、デジタル信号の形で制御装置5(画像データ記憶装置54)に入力されるようになっている。
【0084】
第2撮像系4Bは、第1撮像系4Aと同様、1/4波長板31Bや第2カメラ33Bなどを備えている。ここで「第2カメラ33B」が本実施形態における「第2撮像手段」を構成する。
【0085】
1/4波長板31Bは、ハーフミラーHMの第2面HMbから出射される第2光の参照光成分(P偏光成分)及び計測光成分(S偏光成分)をそれぞれ円偏光に変換するためのものであり、本実施形態における「第2の1/4波長板」を構成する。尚、1/4波長板31Bは、第2光の波長λ2(例えばλ2=1503nm)に合わせて専用に設計された1/4波長板である。
【0086】
本実施形態に係る第2カメラ33Bは、第1カメラ33Aと同様、撮像素子として偏光イメージセンサ70Bを備えた偏光カメラである。本実施形態における第2カメラ33Bの光軸(第2光に係る合成光の入射方向)JB2は、X軸方向に対し下側に角度θ2傾いている。また、偏光イメージセンサ70Bは、第1カメラ33Aに係る上記偏光イメージセンサ70Aと同一構成であるため、その詳細な説明は省略する。
【0087】
第1カメラ33Aと同様、第2カメラ33Bによって撮像され取得された輝度画像データは、第2カメラ33B内部においてデジタル信号に変換された上で、デジタル信号の形で制御装置5(画像データ記憶装置54)に入力されるようになっている。
【0088】
ここで制御装置5の電気的構成について説明する。
図2に示すように、制御装置5は、三次元計測装置1全体の制御を司るマイクロコンピュータ51、キーボードやマウス、あるいは、タッチパネルで構成される「入力手段」としての入力装置52、液晶画面などの表示画面を有する「表示手段」としての表示装置53、カメラ33A,33Bにより撮像され取得された輝度画像データ等を順次記憶するための画像データ記憶装置54、各種演算結果を記憶するための演算結果記憶装置55、各種情報を予め記憶しておく設定データ記憶装置56を備えている。
【0089】
尚、マイクロコンピュータ51は、演算手段としてのCPU51aや、各種プログラムを記憶するROM51b、演算データや入出力データなどの各種データを一時的に記憶するRAM51cなどを備え、上記各種装置52~56と電気的に接続されている。
【0090】
次に三次元計測装置1の作用について説明する。尚、後述するように、本実施形態における第1光及び第2光の照射は同時に行われるものであり、第1光の光路と第2光の光路が一部で重なることとなるが、ここでは、より分かりやすくするため、第1光及び第2光の光路ごとに異なる図面を用いて個別に説明する。
【0091】
まず第1光の光路について
図3を参照して説明する。
図3に示すように、第1投光系2A(第1発光部11A)から干渉光学系3に向け、波長λ1の第1光(偏光方向がX軸方向及びY軸方向に対し45°傾斜した直線偏光)が出射される。ここで、光の進行方向(ベクトル)は、Z軸方向に対し上記角度θ1だけ傾いている。
【0092】
第1投光系2Aから出射された第1光は、ハーフミラーHMの第1位置P1に入射する。従って、この「ハーフミラーHMの第1位置P1」が本実施形態における「第1入力部」を構成する。
【0093】
ハーフミラーHMの第1位置P1に入射した第1光は、その一部(半分)が第1面HMaにて反射して偏光板21に向け出射される一方、残り(半分)がハーフミラーHMを透過して第2面HMbから偏光板22に向け出射される。
【0094】
ハーフミラーHMの第1面HMaにて反射した第1光は、偏光板21に入射し、そのP偏光成分のみが偏光板21を透過する。偏光板21を透過した第1光のP偏光成分は、参照光として参照面23に対し照射され反射する。ここで、第1光に係る参照光(P偏光)の参照面23に対する入射角及び反射角は、上記角度θ1となる。
【0095】
その後、参照面23で反射した第1光に係る参照光(P偏光)は、再度、偏光板21を透過して、ハーフミラーHMの第2位置P2に入射する。ハーフミラーHMの第2位置P2に入射した第1光に係る参照光は、その一部(半分)が第1面HMaにて反射して第1撮像系4Aに向け出射される一方、残り(半分)がハーフミラーHMを透過して第2面HMbから第2投光系2Bに向け出射される。
【0096】
一方、第1投光系2AからハーフミラーHMの第1位置P1に入射し、該ハーフミラーHMを透過した第1光は、偏光板22に入射し、そのS偏光成分のみが偏光板22を透過する。偏光板22を透過した第1光のS偏光成分は、計測光としてワークWに対し照射され反射する。ここで、第1光に係る計測光の設置部24(ワークW)に対する入射角及び反射角は、上記角度θ1となる。
【0097】
その後、ワークWで反射した第1光に係る計測光(S偏光)は、再度、偏光板22を透過して、ハーフミラーHMの第2位置P2に入射する。ハーフミラーHMの第2位置P2に入射した第1光に係る計測光は、その一部(半分)がハーフミラーHMを透過して第1面HMaから第1撮像系4Aに向け出射される一方、残り(半分)が第2面HMbにて反射して第2投光系2Bに向け出射される。
【0098】
つまり、ハーフミラーHMの第2位置P2において、第1面HMaにて反射した第1光に係る参照光(P偏光)と、第1面HMaへ透過した第1光に係る計測光(S偏光)とが合成されると共に、第2面HMbへ透過した第1光に係る参照光(P偏光)と、第2面HMbにて反射した第1光に係る計測光(S偏光)とが合成されることとなる。
【0099】
結果として、第1光に係る参照光(P偏光)及び計測光(S偏光)が合成された合成光が、干渉光学系3からの出力光として、ハーフミラーHMの第2位置P2から第1撮像系4A及び第2投光系2Bに対しそれぞれ出射されることとなる。従って、この「ハーフミラーHMの第2位置P2」が本実施形態における「第1出力部」を構成する。
【0100】
このうち、第2投光系2Bに入射した第1光に係る合成光(参照光及び計測光)は、第2光アイソレータ12Bによりその進行を遮断され、捨て光となる。
【0101】
一方、第1撮像系4Aに入射した第1光に係る合成光(参照光及び計測光)は、まず1/4波長板31Aにより、その計測光成分(S偏光成分)が左回りの円偏光に変換され、その参照光成分(P偏光成分)が右回りの円偏光に変換される。ここで、左回りの円偏光と右回りの円偏光は回転方向が異なるので干渉しない。
【0102】
第1光に係る合成光は、続いて第1カメラ33A(偏光イメージセンサ70A)に入射し、偏光子アレイ72を透過することにより、その参照光成分と計測光成分とが各種偏光子75a,75b,75c,75dの透過軸角度に応じた位相で干渉する。そして、かかる第1光に係る干渉光が第1カメラ33A(受光素子アレイ71)により撮像される。
【0103】
具体的に、第1偏光子75aに対応する受光素子74では、該第1偏光子75aにおいて参照光成分及び計測光成分に「0°」の位相差が付与された第1光に係る干渉光が受光される。
【0104】
同様に、第2偏光子75bに対応する受光素子74では、該第2偏光子75bにおいて参照光成分及び計測光成分に「90°」の位相差が付与された第1光に係る干渉光が受光される。第3偏光子75cに対応する受光素子74では、該第3偏光子75cにおいて参照光成分及び計測光成分に「180°」の位相差が付与された第1光に係る干渉光が受光される。第4偏光子75dに対応する受光素子74では、該第4偏光子75dにおいて参照光成分及び計測光成分に「270°」の位相差が付与された第1光に係る干渉光が受光される。
【0105】
次に第2光の光路について
図4を参照して説明する。
図4に示すように、第2投光系2B(第2発光部11B)から干渉光学系3に向け、波長λ2の第2光(偏光方向がY軸方向及びZ軸方向に対し45°傾斜した直線偏光)が出射される。ここで、光の進行方向(ベクトル)は、X軸方向に対し角度θ2(=θ1)だけ傾いている。
【0106】
第2投光系2Bから出射された第2光は、ハーフミラーHMの第2位置P2に入射する。従って、この「ハーフミラーHMの第2位置P2」が本実施形態における「第2入力部」を構成する。
【0107】
ハーフミラーHMの第2位置P2に入射した第2光は、その一部(半分)がハーフミラーHMを透過して偏光板21に向け出射される一方、残り(半分)が第2面HMbにて反射して偏光板22に向け出射される。
【0108】
ハーフミラーHMの第2位置P2を透過した第2光は、偏光板21に入射し、そのP偏光成分のみが偏光板21を透過する。偏光板21を透過した第2光のP偏光成分は、参照光として参照面23に対し照射され反射する。ここで、第2光に係る参照光(P偏光)の参照面23に対する入射角及び反射角は、上記角度θ2となる。
【0109】
その後、参照面23で反射した第2光に係る参照光(P偏光)は、再度、偏光板21を透過して、ハーフミラーHMの第1位置P1に入射する。ハーフミラーHMの第1位置P1に入射した第2光に係る参照光は、その一部(半分)がハーフミラーHMを透過して第2面HMbから第2撮像系4Bに向け出射される一方、残り(半分)が第1面HMaにて反射して第1投光系2Aに向け出射される。
【0110】
一方、第2投光系2BからハーフミラーHMの第2位置P2に入射し、第2面HMbにて反射した第2光は、偏光板22に入射し、そのS偏光成分のみが偏光板22を透過する。偏光板22を透過した第2光のS偏光成分は、計測光としてワークWに対し照射され反射する。ここで、第2光に係る計測光の設置部24(ワークW)に対する入射角及び反射角は、上記角度θ2となる。
【0111】
その後、ワークWで反射した第2光に係る計測光(S偏光)は、再度、偏光板22を透過して、ハーフミラーHMの第1位置P1に入射する。ハーフミラーHMの第1位置P1に入射した第2光に係る計測光は、その一部(半分)が第2面HMbにて反射して第2撮像系4Bに向け出射される一方、残り(半分)がハーフミラーHMを透過して第1面HMaから第1投光系2Aに向け出射される。
【0112】
つまり、ハーフミラーHMの第1位置P1において、第1面HMaにて反射した第2光に係る参照光(P偏光)と、第1面HMaへ透過した第2光に係る計測光(S偏光)とが合成されると共に、第2面HMbへ透過した第2光に係る参照光(P偏光)と、第2面HMbにて反射した第2光に係る計測光(S偏光)とが合成されることとなる。
【0113】
結果として、第2光に係る参照光(P偏光)及び計測光(S偏光)が合成された合成光が、干渉光学系3からの出力光として、ハーフミラーHMの第1位置P1から第2撮像系4B及び第1投光系2Aに対しそれぞれ出射されることとなる。従って、この「ハーフミラーHMの第2位置P2」が本実施形態における「第2出力部」を構成する。
【0114】
このうち、第1投光系2Aに入射した第2光に係る合成光(参照光及び計測光)は、第1光アイソレータ12Aによりその進行を遮断され、捨て光となる。
【0115】
一方、第2撮像系4Bに入射した第2光に係る合成光(参照光及び計測光)は、まず1/4波長板31Bにより、その計測光成分(S偏光成分)が左回りの円偏光に変換され、その参照光成分(P偏光成分)が右回りの円偏光に変換される。ここで、左回りの円偏光と右回りの円偏光は回転方向が異なるので干渉しない。
【0116】
第2光に係る合成光は、続いて第2カメラ33B(偏光イメージセンサ70B)に入射し、偏光子アレイ72を透過することにより、その参照光成分と計測光成分とが各種偏光子75a,75b,75c,75dの透過軸角度に応じた位相で干渉する。そして、かかる第2光に係る干渉光が第2カメラ33B(受光素子アレイ71)により撮像される。
【0117】
具体的に、第1偏光子75aに対応する受光素子74では、該第1偏光子75aにおいて参照光成分及び計測光成分に「0°」の位相差が付与された第2光に係る干渉光が受光される。
【0118】
同様に、第2偏光子75bに対応する受光素子74では、該第2偏光子75bにおいて参照光成分及び計測光成分に「90°」の位相差が付与された第2光に係る干渉光が受光される。第3偏光子75cに対応する受光素子74では、該第3偏光子75cにおいて参照光成分及び計測光成分に「180°」の位相差が付与された第2光に係る干渉光が受光される。第4偏光子75dに対応する受光素子74では、該第4偏光子75dにおいて参照光成分及び計測光成分に「270°」の位相差が付与された第2光に係る干渉光が受光される。
【0119】
次に、制御装置5によって実行される形状計測処理の手順について詳しく説明する。まずは、設置部24へワークWを設置した後、第1投光系2Aから干渉光学系3(ハーフミラーHMの第1位置P1)に対し第1光を照射すると同時に、第2投光系2Bから干渉光学系3(ハーフミラーHMの第2位置P2)に対し第2光を照射する。
【0120】
その結果、干渉光学系3(ハーフミラーHMの第2位置P2)から第1撮像系4Aに対し第1光に係る合成光(参照光及び計測光)が出射されると同時に、干渉光学系3(ハーフミラーHMの第1位置P1)から第2撮像系4Bに対し第2光に係る合成光(参照光及び計測光)が出射される。
【0121】
続いて、前記第1光に係る合成光を第1撮像系4Aにより撮像すると同時に、前記第2光に係る合成光を第2撮像系4Bにより撮像する。そして、各カメラ33A,33Bからそれぞれ取得された輝度画像データが制御装置5へ出力される。制御装置5は、入力した輝度画像データを画像データ記憶装置54に記憶する。
【0122】
このように、それぞれ1回の撮像処理で取得された輝度画像データ(第1光に係る輝度画像データ、及び、第2光に係る輝度画像データ)には、三次元計測を行う上で必要な4通りの輝度データ(位相の異なる4通りの干渉光の強度データ)が含まれている。
【0123】
そして、制御装置5は、画像データ記憶装置54に記憶された第1光に係る輝度画像データ、及び、第2光に係る輝度画像データを基に、位相シフト法によりワークWの表面形状を計測する。つまり、ワークWの表面上の各計測位置における高さ計測を行う。このように求められたワークWの計測結果(高さデータ)は、制御装置5の演算結果記憶装置55に格納される。尚、上記のように波長の異なる2種類の光を用いた位相シフト法による計測方法は、公知技術であるため(例えば特許第6271493号公報参照)、その詳細な説明は省略する。
【0124】
以上詳述したように、本実施形態では、投光系2A,2Bから撮像系4A,4Bに至る第1光及び第2光の進行方向(ベクトル)が互いに重複する区間が存在しない構成となる。つまり、干渉光学系3に入射した第1光と第2光は互いに干渉することなく、完全に分離した状態で干渉光学系3から別々に出射されることとなる。
【0125】
このように、本実施形態によれば、干渉光学系3に対する第1光及び第2光それぞれの入射位置や入射角度を適切に設定するだけで、第1光及び第2光を完全に分離して取り扱うことができるこのため、偏光成分(P偏光及びS偏光)の分離・変換に必要な偏光ビームスプリッタや1/4波長板などの光学部材を大幅に削減することができ、構成の簡素化を図ることができる。特に、波長の異なる2種類の光の偏光成分が同一光路上を同一方向に通過する1/4波長板を省略した光学系を実現することができる。
【0126】
結果として、所定の光学部材から受ける製造誤差等の影響を排除し、計測精度の向上を図ることができる。
【0127】
ひいては、第1光及び第2光として波長の近い2種類の光を用いることができ、三次元計測に係る計測レンジをより広げることができる。加えて、第1光に係る出力光の撮像と、第2光に係る出力光の撮像を同時に行うことができるため、計測効率の向上を図ることができる。
【0128】
加えて、本実施形態では、カメラ33A,33Bの撮像素子として、偏光イメージセンサ70A,70Bを用いることにより、各カメラ33A,33Bによる1回の撮像で、ワークWに係る位相シフト法による高さ計測に必要な複数通りの輝度データを同時に取得することができる。結果として、構成の簡素化やデータ取得時間の短縮等を図ることができる。
【0129】
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態について
図6を参照して説明する。本実施形態は、主に撮像系4A,4Bの配置構成等が第1実施形態と異なる。従って、本実施形態では、第1実施形態と異なる特徴部分について詳しく説明し、同一構成部分については同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0130】
本実施形態に係る第1撮像系4Aは、ハーフミラーHMの第2位置P2から2方向へ出射される第1光に係る合成光のうち、第2投光系2Bに向けて出射される光を撮像するよう構成されている。同様に、本実施形態に係る第2撮像系4Bは、ハーフミラーHMの第1位置P1から2方向へ出射される第2光に係る合成光のうち、第1投光系2Aに向けて出射される光を撮像するよう構成されている。以下、詳しく説明する。
【0131】
本実施形態では、第2投光系2BとハーフミラーHMとの間において、第2発光部11Bの光軸JB1と重なるように配置された第1ビームスプリッタ13Aを備えている。
【0132】
尚、第1ビームスプリッタ13Aは、直角プリズム(直角二等辺三角形を底面とする三角柱状のプリズム。以下同様。)を貼り合せて一体としたキューブ型の公知の光学部材であって、その接合面13Ahには例えば金属膜などのコーティングが施されている。
【0133】
以下同様であるが、ビームスプリッタは、ハーフミラーHMと同様、偏光状態も含め、入射光を所定の比率(本実施形態では、1:1)で透過光と反射光とに分割するものである。つまり、透過光のP偏光成分及びS偏光成分、並びに、反射光のP偏光成分及びS偏光成分が全て同じ比率で分割されると共に、透過光と反射光の各偏光状態は入射光の偏光状態と同じとなる。
【0134】
第1ビームスプリッタ13Aは、その接合面13Ahを挟んで隣り合う2面のうちの一方が第2発光部11Bの光軸JB1と直交しかつ他方が第1カメラ33Aの光軸JA2と直交するように配置されている。つまり、第1ビームスプリッタ13Aの接合面13Ahが光軸JB1及び光軸JA2に対し45°傾斜するように配置されている。
【0135】
これにより、第1ビームスプリッタ13Aを介して、ハーフミラーHMの第2位置P2の第2面HMbから出射される第1光に係る合成光の一部(半分)を第2投光系2B側に透過させ、残り(半分)を第1撮像系4A側に反射させ入射させることができる。
【0136】
また、本実施形態では、第1投光系2AとハーフミラーHMとの間において、第1発光部11Aの光軸JA1と重なるように配置された第2ビームスプリッタ13Bを備えている。
【0137】
第2ビームスプリッタ13Bは、第1ビームスプリッタ13Aと同様、直角プリズムを貼り合せて一体としたキューブ型の公知の光学部材であって、その接合面13Bhには例えば金属膜などのコーティングが施されている。
【0138】
第2ビームスプリッタ13Bは、その接合面13Bhを挟んで隣り合う2面のうちの一方が第1発光部11Aの光軸JA1と直交しかつ他方が第2カメラ33Bの光軸JB2と直交するように配置されている。つまり、第2ビームスプリッタ13Bの接合面13Bhが光軸JA1及び光軸JB2に対し45°傾斜するように配置されている。
【0139】
これにより、第2ビームスプリッタ13Bを介して、ハーフミラーHMの第1位置P1の第1面HMaから出射される第2光に係る合成光の一部(半分)を第1投光系2A側に透過させ、残り(半分)を第2撮像系4B側に反射させ入射させることができる。
【0140】
次に、本実施形態に係る第1光の光路について説明する。第1投光系2Aから出射された第1光は、第2ビームスプリッタ13Bに入射する。
【0141】
第2ビームスプリッタ13Bに入射した第1光の一部(半分)は、接合面13Bhを透過してハーフミラーHMの第1位置P1に入射する。一方、第2ビームスプリッタ13Bに入射した第1光の残り(半分)は、接合面13Bhにて反射し、捨て光となる。
【0142】
その後、ハーフミラーHMの第1位置P1に入射した第1光は、上記第1実施形態と同様の光路を辿り、第1光に係る参照光(P偏光)及び計測光(S偏光)が合成された合成光が、ハーフミラーHMの第2位置P2から第1ビームスプリッタ13Aに対し出射されることとなる。
【0143】
第1ビームスプリッタ13Aに入射した第1光に係る合成光(参照光及び計測光)は、その一部(半分)が接合面13Ahを透過して第2投光系2Bに入射する一方、残り(半分)が接合面13Ahにて反射して第1撮像系4Aに入射する。
【0144】
このうち、第2投光系2Bに入射した第1光に係る合成光(参照光及び計測光)は、第2光アイソレータ12Bによりその進行を遮断され、捨て光となる。一方、第1撮像系4Aに入射した第1光に係る合成光は、参照光成分及び計測光成分がそれぞれ円偏光に変換され、干渉光として撮像される。
【0145】
次に、本実施形態に係る第2光の光路について説明する。第2投光系2Bから出射された第2光は、第1ビームスプリッタ13Aに入射する。
【0146】
第1ビームスプリッタ13Aに入射した第2光の一部(半分)は、接合面13Ahを透過してハーフミラーHMの第2位置P2に入射する。一方、第1ビームスプリッタ13Aに入射した第2光の残り(半分)は、接合面13Ahにて反射し、捨て光となる。
【0147】
その後、ハーフミラーHMの第2位置P2に入射した第2光は、上記第1実施形態と同様の光路を辿り、第2光に係る参照光(P偏光)及び計測光(S偏光)が合成された合成光が、ハーフミラーHMの第1位置P1から第2ビームスプリッタ13Bに対し出射されることとなる。
【0148】
第2ビームスプリッタ13Bに入射した第2光に係る合成光(参照光及び計測光)は、その一部(半分)が接合面13Bhを透過して第1投光系2Aに入射する一方、残り(半分)が接合面13Bhにて反射して第2撮像系4Bに入射する。
【0149】
このうち、第1投光系2Aに入射した第2光に係る合成光(参照光及び計測光)は、第1光アイソレータ12Aによりその進行を遮断され、捨て光となる。一方、第2撮像系4Bに入射した第2光に係る合成光は、参照光成分及び計測光成分がそれぞれ円偏光に変換され、干渉光として撮像される。
【0150】
以上詳述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。加えて、本実施形態によれば、各種機器を集約配置することができる。
【0151】
但し、本実施形態では、ハーフミラーHMに加え、ビームスプリッタ13A,13Bにより、さらに撮像系4A,4Bへ入射する光量が半減するため、この点においては、第1実施形態の方が好ましい。
【0152】
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態について
図7を参照して説明する。本実施形態は、主に投光系2A,2Bや撮像系4A,4Bの配置構成が第1実施形態と異なる。従って、本実施形態では、第1実施形態と異なる特徴部分について詳しく説明し、同一構成部分については同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0153】
本実施形態では、第1投光系2A(第1発光部11A)から出射される第1光、及び、第2投光系2B(第2発光部11B)から出射される第2光が共に、ハーフミラーHMの第1面HMaに入射するように構成されている。
【0154】
詳しくは、第1発光部11Aの光軸(第1光の出射方向)JA1がZ軸方向に対し右側に角度θ1傾き、第2発光部11Bの光軸JB1(第2光の出射方向)がZ軸方向に対し左側に角度θ2傾いている。但し、本実施形態では、角度θ1と角度θ2が同一角度に設定されており、Z軸方向を中心に、第1投光系2Aと第2投光系2Bとが対称に配置された構成となっている。
【0155】
また、本実施形態では、第1撮像系4Aが、ハーフミラーHMの第2面HMbから出射される第1光に係る合成光が入射するように配置され、第2撮像系4Bが、ハーフミラーHMの第2面HMbから出射される第2光に係る合成光が入射するように配置されている。
【0156】
詳しくは、第1カメラ33Aの光軸(第1光に係る合成光の入射方向)JA2がX軸方向に対し上側に角度θ1傾き、第2カメラ33Bの光軸(第2光に係る合成光の入射方向)JB2がX軸方向に対し下側に角度θ2傾いている。従って、本実施形態では、第1撮像系4Aと第2撮像系4BとがX軸方向を中心に対称に配置された構成となっている。
【0157】
次に、本実施形態に係る第1光の光路について説明する。第1投光系2Aから出射された第1光は、ハーフミラーHMの第1位置P1に入射する。その後、第1光は、上記第1実施形態と同様の光路を辿り、ハーフミラーHMの第2位置P2から、第1光に係る参照光(P偏光)及び計測光(S偏光)が合成された合成光が第2投光系2B及び第1撮像系4Aに向け出射されることとなる。
【0158】
このうち、第2投光系2Bに入射した第1光に係る合成光(参照光及び計測光)は、第2光アイソレータ12Bによりその進行を遮断され、捨て光となる。一方、第1撮像系4Aに入射した第1光に係る合成光は、参照光成分及び計測光成分がそれぞれ円偏光に変換され、干渉光として撮像される。
【0159】
次に、本実施形態に係る第2光の光路について説明する。第2投光系2B(第2発光部11B)から干渉光学系3に向け、波長λ2の第2光(偏光方向がX軸方向及びY軸方向に対し45°傾斜した直線偏光)が出射される。
【0160】
第2投光系2Bから出射された第2光は、ハーフミラーHMの第2位置P2に入射する。従って、この「ハーフミラーHMの第2位置P2」が本実施形態における「第2入力部」を構成する。
【0161】
ハーフミラーHMの第2位置P2に入射した第2光は、その一部(半分)が第1面HMaにて反射して偏光板21に向け出射される一方、残り(半分)がハーフミラーHMを透過して第2面HMbから偏光板22に向け出射される。
【0162】
ハーフミラーHMの第1面HMaにて反射した第2光は、偏光板21に入射し、そのP偏光成分のみが偏光板21を透過する。偏光板21を透過した第2光のP偏光成分は、参照光として参照面23に対し照射され反射する。ここで、第2光に係る参照光(P偏光)の参照面23に対する入射角及び反射角は、上記角度θ2(=θ1)となる。
【0163】
その後、参照面23で反射した第2光に係る参照光(P偏光)は、再度、偏光板21を透過して、ハーフミラーHMの第1位置P1に入射する。ハーフミラーHMの第1位置P1に入射した第2光に係る参照光は、その一部(半分)が第1面HMaにて反射して第1投光系2Aに向け出射される一方、残り(半分)がハーフミラーHMを透過して第2面HMbから第2撮像系4Bに向け出射される。
【0164】
一方、第2投光系2BからハーフミラーHMの第2位置P2に入射し、該ハーフミラーHMを透過した第2光は、偏光板22に入射し、そのS偏光成分のみが偏光板22を透過する。偏光板22を透過した第2光のS偏光成分は、計測光としてワークWに対し照射され反射する。ここで、第2光に係る計測光の設置部24(ワークW)に対する入射角及び反射角は、上記角度θ2(=θ1)となる。
【0165】
その後、ワークWで反射した第2光に係る計測光(S偏光)は、再度、偏光板22を透過して、ハーフミラーHMの第1位置P1に入射する。ハーフミラーHMの第1位置P1に入射した第2光に係る計測光は、その一部(半分)がハーフミラーHMを透過して第1面HMaから第1投光系2Aに向け出射される一方、残り(半分)が第2面HMbにて反射して第2撮像系4Bに向け出射される。
【0166】
つまり、ハーフミラーHMの第1位置P1において、第2面HMbにて反射した第2光に係る計測光(S偏光)と、第2面HMbへ透過した第2光に係る参照光(P偏光)とが合成されると共に、第1面HMaへ透過した第2光に係る計測光(S偏光)と、第1面HMaにて反射した第2光に係る参照光(P偏光)とが合成されることとなる。
【0167】
結果として、第2光に係る参照光(P偏光)及び計測光(S偏光)が合成された合成光が、干渉光学系3からの出力光として、ハーフミラーHMの第1位置P1から第2撮像系4B及び第1投光系2Aに対しそれぞれ出射されることとなる。従って、この「ハーフミラーHMの第1位置P1」が本実施形態における「第2出力部」を構成する。
【0168】
このうち、第1投光系2Aに入射した第2光に係る合成光(参照光及び計測光)は、第1光アイソレータ12Aによりその進行を遮断され、捨て光となる。
【0169】
一方、第2撮像系4Bに入射した第2光に係る合成光は、参照光成分及び計測光成分がそれぞれ円偏光に変換され、干渉光として撮像される。
【0170】
以上詳述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。
【0171】
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態について
図8を参照して説明する。本実施形態は、第2実施形態と同様の特徴と有し、主に撮像系4A,4Bの配置構成等が第3実施形態と異なる。従って、本実施形態では、第2,第3実施形態と異なる特徴部分について詳しく説明し、同一構成部分については同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0172】
本実施形態に係る第1撮像系4Aは、ハーフミラーHMの第2位置P2から2方向へ出射される第1光に係る合成光のうち、第2投光系2Bに向けて出射される光を撮像するよう構成されている。同様に、本実施形態に係る第2撮像系4Bは、ハーフミラーHMの第1位置P1から2方向へ出射される第2光に係る合成光のうち、第1投光系2Aに向けて出射される光を撮像するよう構成されている。以下、詳しく説明する。
【0173】
本実施形態では、第2投光系2BとハーフミラーHMとの間において、第2発光部11Bの光軸JB1と重なるように配置された第1ビームスプリッタ13Aを備えている。
【0174】
第1ビームスプリッタ13Aは、その接合面13Ahを挟んで隣り合う2面のうちの一方が第2発光部11Bの光軸JB1と直交しかつ他方が第1カメラ33Aの光軸JA2と直交するように配置されている。つまり、第1ビームスプリッタ13Aの接合面13Ahが光軸JB1及び光軸JA2に対し45°傾斜するように配置されている。
【0175】
これにより、第1ビームスプリッタ13Aを介して、ハーフミラーHMの第2位置P2の第1面HMaから出射される第1光に係る合成光の一部(半分)を第2投光系2B側に透過させ、残り(半分)を第1撮像系4A側に反射させ入射させることができる。
【0176】
また、本実施形態では、第1投光系2AとハーフミラーHMとの間において、第1発光部11Aの光軸JA1と重なるように配置された第2ビームスプリッタ13Bを備えている。
【0177】
第2ビームスプリッタ13Bは、その接合面13Bhを挟んで隣り合う2面のうちの一方が第1発光部11Aの光軸JA1と直交しかつ他方が第2カメラ33Bの光軸JB2と直交するように配置されている。つまり、第2ビームスプリッタ13Bの接合面13Bhが光軸JA1及び光軸JB2に対し45°傾斜するように配置されている。
【0178】
これにより、第2ビームスプリッタ13Bを介して、ハーフミラーHMの第1位置P1の第1面HMaから出射される第2光に係る合成光の一部(半分)を第1投光系2A側に透過させ、残り(半分)を第2撮像系4B側に反射させ入射させることができる。
【0179】
次に、本実施形態に係る第1光の光路について説明する。第1投光系2Aから出射された第1光は、第2ビームスプリッタ13Bに入射する。
【0180】
第2ビームスプリッタ13Bに入射した第1光の一部(半分)は、接合面13Bhを透過してハーフミラーHMの第1位置P1に入射する。一方、第2ビームスプリッタ13Bに入射した第1光の残り(半分)は、接合面13Bhにて反射し、捨て光となる。
【0181】
その後、ハーフミラーHMの第1位置P1に入射した第1光は、上記第1実施形態と同様の光路を辿り、第1光に係る参照光(P偏光)及び計測光(S偏光)が合成された合成光が、ハーフミラーHMの第2位置P2から第1ビームスプリッタ13Aに対し出射されることとなる。
【0182】
第1ビームスプリッタ13Aに入射した第1光に係る合成光(参照光及び計測光)は、その一部(半分)が接合面13Ahを透過して第2投光系2Bに入射する一方、残り(半分)が接合面13Ahにて反射して第1撮像系4Aに入射する。
【0183】
このうち、第2投光系2Bに入射した第1光に係る合成光(参照光及び計測光)は、第2光アイソレータ12Bによりその進行を遮断され、捨て光となる。一方、第1撮像系4Aに入射した第1光に係る合成光は、参照光成分及び計測光成分がそれぞれ円偏光に変換され、干渉光として撮像される。
【0184】
次に、本実施形態に係る第2光の光路について説明する。第2投光系2Bから出射された第2光は、第1ビームスプリッタ13Aに入射する。
【0185】
第1ビームスプリッタ13Aに入射した第2光の一部(半分)は、接合面13Ahを透過してハーフミラーHMの第2位置P2に入射する。一方、第1ビームスプリッタ13Aに入射した第2光の残り(半分)は、接合面13Ahにて反射し、捨て光となる。
【0186】
その後、ハーフミラーHMの第2位置P2に入射した第2光は、上記第3実施形態と同様の光路を辿り、第2光に係る参照光(P偏光)及び計測光(S偏光)が合成された合成光が、ハーフミラーHMの第1位置P1から第2ビームスプリッタ13Bに対し出射されることとなる。
【0187】
第2ビームスプリッタ13Bに入射した第2光に係る合成光(参照光及び計測光)は、その一部(半分)が接合面13Bhを透過して第1投光系2Aに入射する一方、残り(半分)が接合面13Bhにて反射して第2撮像系4Bに入射する。
【0188】
このうち、第1投光系2Aに入射した第2光に係る合成光(参照光及び計測光)は、第1光アイソレータ12Aによりその進行を遮断され、捨て光となる。一方、第2撮像系4Bに入射した第2光に係る合成光は、参照光成分及び計測光成分がそれぞれ円偏光に変換され、干渉光として撮像される。
【0189】
以上詳述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。加えて、本実施形態によれば、各種機器を集約配置することができる。
【0190】
但し、第2実施形態と同様、本実施形態では、ハーフミラーHMに加え、ビームスプリッタ13A,13Bにより、さらに撮像系4A,4Bへ入射する光量が半減するため、この点においては、第3実施形態の方が好ましい。
【0191】
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態について
図9を参照して説明する。本実施形態は、各種レンズを備えている点が第1実施形態と異なる。従って、本実施形態では、第1実施形態と異なる特徴部分について詳しく説明し、同一構成部分については同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0192】
本実施形態における干渉光学系3には、ハーフミラーHMと偏光板21との間において、偏光板21とX軸方向に対向するように対物レンズL1が配置され、ハーフミラーHMと偏光板22との間において、偏光板22とZ軸方向に対向するように対物レンズL2が配置されている。
【0193】
対物レンズL1は、一方側の焦点位置が参照面23に位置合わせされ、かつ、他方側(第1撮像系4A側及び第2撮像系4B側)の焦点位置が、後述する結像レンズL4Aの他方側(干渉光学系3側)の焦点位置、及び、後述する結像レンズL4Bの他方側(干渉光学系3側)の焦点位置とそれぞれ重なるように配置されている。
【0194】
対物レンズL2は、一方側の焦点位置が設置部24に位置合わせされ、かつ、他方側(第1撮像系4A側及び第2撮像系4B側)の焦点位置が、後述する結像レンズL4Aの他方側(干渉光学系3側)の焦点位置、及び、後述する結像レンズL4Bの他方側(干渉光学系3側)の焦点位置とそれぞれ重なるように配置されている。
【0195】
尚、対物レンズL1,L2は、複数のレンズからなるレンズユニットにより構成されていてもよい。勿論、1枚のレンズにより構成されていてもよい。また、上記配置構成に代えて、例えば偏光板21と参照面23との間に対物レンズL1が配置された構成としてもよい。同様に、偏光板22と設置部24(ワークW)との間に対物レンズL2が配置された構成としてもよい。
【0196】
また、本実施形態における第1投光系2Aは、第1光アイソレータ12AとハーフミラーHMとの間において、第1発光部11Aの光軸JA1と重なるように配置された投光レンズL3Aを備えている。投光レンズL3Aは、第1発光部11Aから出射される第1光を対物レンズL1,L2へ向け集光させる機能を有する。
【0197】
同様に、本実施形態における第2投光系2Bは、第2光アイソレータ12BとハーフミラーHMとの間において、第2発光部11Bの光軸JB1と重なるように配置された投光レンズL3Bを備えている。投光レンズL3Bは、第2発光部11Bから出射される第2光を対物レンズL1,L2へ向け集光させる機能を有する。
【0198】
尚、投光レンズL3A,L3Bの配置構成は上記構成に限定されるものではない。例えば第1発光部11Aと第1光アイソレータ12Aの間に投光レンズL3Aを配置した構成としてもよい。同様に、第2発光部11Bと第2光アイソレータ12Bの間に投光レンズL3Bを配置した構成としてもよい。
【0199】
また、本実施形態における第1撮像系4Aは、1/4波長板31AとハーフミラーHMとの間において、第1カメラ33Aの光軸JA2と重なるように配置された結像レンズL4Aを備えている。
【0200】
結像レンズL4Aは、一方側(第1カメラ33A側)の焦点位置が偏光イメージセンサ70Aに位置合わせされ、かつ、他方側(干渉光学系3側)の焦点位置が、参照光用の対物レンズL1の第1撮像系4A側の焦点位置、及び、計測光用の対物レンズL2の第1撮像系4A側の焦点位置とそれぞれ重なるように位置合わせされている。
【0201】
つまり、結像レンズL4Aは、ハーフミラーHMから出射される第1光に係る合成光を第1カメラ33A(偏光イメージセンサ70A)へ結像させる機能を有する。
【0202】
同様に、本実施形態における第2撮像系4Bは、1/4波長板31BとハーフミラーHMとの間において、第2カメラ33Bの光軸JB2と重なるように配置された結像レンズL4Bを備えている。
【0203】
結像レンズL4Bは、一方側(第2カメラ33B側)の焦点位置が偏光イメージセンサ70Bに位置合わせされ、かつ、他方側(干渉光学系3側)の焦点位置が、参照光用の対物レンズL1の第2撮像系4B側の焦点位置、及び、計測光用の対物レンズL2の第2撮像系4B側の焦点位置とそれぞれ重なるように位置合わせされている。
【0204】
つまり、結像レンズL4Bは、ハーフミラーHMから出射される第2光に係る合成光を第2カメラ33B(偏光イメージセンサ70B)へ結像させる機能を有する。
【0205】
尚、結像レンズL4A,L4Bは、複数のレンズからなるレンズユニットにより構成されていてもよい。勿論、1枚のレンズにより構成されていてもよい。また、上記配置構成に代えて、例えば1/4波長板31Aと第1カメラ33Aとの間に結像レンズL4Aが配置された構成としてもよい。同様に、1/4波長板31Bと第2カメラ33Bとの間に結像レンズL4Bが配置された構成としてもよい。
【0206】
また、
図10(a),(b)に示すように、対物レンズL1,L2を配置した場合における第1光の参照面23及び設置部24に対する入射角θ1は、下記式(2)を満たすことが必要となる。勿論、第2光の入射角θ2についても同様である。
【0207】
0< θ1 < θNA ・・・(2)
ここで、「θNA」は、開口数NAの対物レンズL1,L2を介して参照面23及び設置部24に入射され得る第1光の最大入射角度(対物レンズL1,L2の中心軸JOに対する最大角度)を表す。
【0208】
また、対物レンズL1,L2の開口数NAは、下記式(3)で表すことができる。
【0209】
NA=n×sinθNA ・・・(3)
ここで、「n」は、参照面23と対物レンズL1の間の媒質の屈折率を表す。但し、空気中であれば、n≒1となる。
【0210】
また、
図10(a),(b)を比較して判るように、できる限り第1光の入射角θ1が小さい方が、より広い範囲に対し均一な平行光を照射することができる。結果として、より広範囲をより均一に計測することが可能となり、さらなる計測精度の向上等を図ることができる。勿論、第2光の入射角θ2についても同様である。
【0211】
以上詳述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。
【0212】
加えて、本実施形態では、対物レンズL1,L2、投光レンズL3A,L3B、並びに、結像レンズL4A,L4Bを備えている。これにより、ワークWに焦点のあった画像データを取得可能となると共に、ワークWを拡大して撮像することも可能となる。結果として、計測精度の向上を図ることができる。
【0213】
尚、本実施形態のように、対物レンズL1,L2を備えた構成においては、ワークWに対し照射される光(計測光)が1点(狭い範囲)に集まってしまうため、計測可能な計測領域が狭くなってしまうおそれがある。
【0214】
これに対し、本実施形態では、投光レンズL3A,L3Bを備え、発光部11A,11Bから出射される光を対物レンズL1,L2へ向け集光させることにより、ワークWのより広い範囲に対し均一な平行光を照射することができる。結果として、より広範囲をより均一に計測することが可能となり、さらなる計測精度の向上、及び、さらなる計測効率の向上を図ることができる。
【0215】
〔第6実施形態〕
以下、第6実施形態について
図11を参照して説明する。本実施形態は、主に干渉光学系3の構成等が第1実施形態と異なる。従って、本実施形態では、第1実施形態と異なる特徴部分について詳しく説明し、同一構成部分については同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0216】
本実施形態に係る干渉光学系3は、ハーフミラーHMに代えて、光学手段として、ビームスプリッタ(BS)20を備えている。
【0217】
ビームスプリッタ20は、直角プリズムを貼り合せて一体としたキューブ型の公知の光学部材であって、その接合面(境界面)20hには例えば金属膜などのコーティングが施されている。
【0218】
ビームスプリッタ20は、ハーフミラーHMと同様、偏光状態も含め、入射光を所定の比率(本実施形態では1:1)で透過光と反射光とに分割するものである。これにより、透過光のP偏光成分及びS偏光成分、並びに、反射光のP偏光成分及びS偏光成分が全て同じ比率で分割されると共に、透過光と反射光の各偏光状態は入射光の偏光状態と同じとなる。
【0219】
ビームスプリッタ20は、その接合面20hを挟んで隣り合う2面のうちの一方がX軸方向と直交しかつ他方がZ軸方向と直交するように配置されている。つまり、ビームスプリッタ20の接合面20hがX軸方向及びZ軸方向に対し45°傾斜するように配置されている。
【0220】
より詳しくは、第1投光系2A(第1発光部11A)から出射される第1光が入射するビームスプリッタ20の第1面(Z軸方向上側面)20a、並びに、該第1面20aと相対向する第3面(Z軸方向下側面)20cがZ軸方向と直交するように配置されている。
【0221】
一方、第1面20aと接合面20hを挟んで隣り合う面であって、第2投光系2B(第2発光部11B)から出射される第2光が入射するビームスプリッタ20の第2面(X軸方向左側面)20b、並びに、該第2面20bと相対向する第4面(X軸方向右側面)20dがX軸方向と直交するように配置されている。
【0222】
また、本実施形態に係る干渉光学系3では、ビームスプリッタ20の第4面20dとX軸方向に相対向するように偏光板21が配置され、該偏光板21とX軸方向に相対向するように参照面23が配置されている。
【0223】
つまり、ビームスプリッタ20の第4面20dから出射される光のP偏光成分のみが偏光板21を透過して、参照面23に対し参照光として照射される。また、参照面23で反射した参照光(P偏光)は、再度、偏光板21を透過してビームスプリッタ20の第4面20dに入射する。
【0224】
一方、ビームスプリッタ20の第3面20cとZ軸方向に相対向するように偏光板22が配置され、該偏光板22とZ軸方向に相対向するように設置部24が配置されている。
【0225】
つまり、ビームスプリッタ20の第3面20cから出射される光のS偏光成分のみが偏光板22を透過して、設置部24に置かれた被計測物としてのワークWに対し計測光として照射される。また、ワークWにて反射した計測光(S偏光)は、再度、偏光板22を透過してビームスプリッタ20の第3面20cに入射する。
【0226】
次に第1光の光路について説明する。第1投光系2Aから干渉光学系3に向け第1光が出射される。
【0227】
第1投光系2Aから出射された第1光は、ビームスプリッタ20の第1面20aの第1位置20a1に入射する。従って、この「ビームスプリッタ20の第1面20aの第1位置20a1」が本実施形態における「第1入力部」を構成する。
【0228】
本実施形態における第1発光部11Aの光軸(光の出射方向)JA1は、Z軸方向に対し右側に角度θ1傾いている。この角度θ1が第1面20aへの第1光の入射角となる。
【0229】
ビームスプリッタ20の第1面20aから入射した第1光は、所定の屈折角で屈折し、接合面20hの第1位置20h1において、その一部(半分)が接合面20hにて反射して第4面20dの第1位置20d1から所定の屈折角で屈折して偏光板21に向け出射される一方、残り(半分)が接合面20hを透過して第3面20cの第1位置20c1から所定の屈折角で屈折して偏光板22に向け出射される。
【0230】
ビームスプリッタ20の第4面20dの第1位置20d1から出射した第1光は、偏光板21に入射し、そのP偏光成分のみが偏光板21を透過する。偏光板21を透過した第1光のP偏光成分は、参照光として参照面23に対し照射され反射する。ここで、第1光に係る参照光(P偏光)の参照面23に対する入射角及び反射角は、上記角度θ1となる。
【0231】
その後、参照面23で反射した第1光に係る参照光(P偏光)は、再度、偏光板21を透過して、ビームスプリッタ20の第4面20dの第2位置20d2に入射する。
【0232】
ビームスプリッタ20の第4面20dの第2位置20d2から入射した第1光に係る参照光は、所定の屈折角で屈折し、接合面20hの第2位置20h2において、その一部(半分)が接合面20hにて反射してビームスプリッタ20の第1面20aの第2位置20a2から所定の屈折角で屈折して第1撮像系4Aに向け出射される一方、残り(半分)が接合面20hを透過してビームスプリッタ20の第2面20bの第1位置20b1から所定の屈折角で屈折して第2投光系2Bに向け出射される。
【0233】
一方、ビームスプリッタ20の第3面20cの第1位置20c1から出射した第1光は、偏光板22に入射し、そのS偏光成分のみが偏光板22を透過する。偏光板22を透過した第1光のS偏光成分は、計測光としてワークWに対し照射され反射する。ここで、第1光に係る計測光の設置部24(ワークW)に対する入射角及び反射角は、上記角度θ1となる。
【0234】
その後、ワークWで反射した第1光に係る計測光(S偏光)は、再度、偏光板22を透過して、ビームスプリッタ20の第3面20cの第2位置20c2に入射する。
【0235】
ビームスプリッタ20の第3面20cの第2位置20c2から入射した第1光に係る計測光は、所定の屈折角で屈折し、接合面20hの第2位置20h2において、その一部(半分)が接合面20hにて反射してビームスプリッタ20の第2面20bの第1位置20b1から所定の屈折角で屈折して第2投光系2Bに向け出射される一方、残り(半分)が接合面20hを透過してビームスプリッタ20の第1面20aの第2位置20a2から所定の屈折角で屈折して第1撮像系4Aに向け出射される。
【0236】
つまり、接合面20hの第2位置20h2において、接合面20hにて反射した第1光に係る参照光(P偏光)と、接合面20hを透過した第1光に係る計測光(S偏光)とが合成されると共に、接合面20hを透過した第1光に係る参照光(P偏光)と、接合面20hにて反射した第1光に係る計測光(S偏光)とが合成されることとなる。
【0237】
結果として、第1光に係る参照光(P偏光)及び計測光(S偏光)が合成された合成光が、干渉光学系3からの出力光として、ビームスプリッタ20の第1面20aの第2位置20a2から第1撮像系4Aに向け出射されると共に、ビームスプリッタ20の第2面20bの第1位置20b1から第2投光系2Bに向け出射される。従って、この「ビームスプリッタ20の第1面20aの第2位置20a2」が本実施形態における「第1出力部」を構成する。
【0238】
このうち、第2投光系2Bに入射した第1光に係る合成光(参照光及び計測光)は、第2光アイソレータ12Bによりその進行を遮断され、捨て光となる。一方、第1撮像系4Aに入射した第1光に係る合成光は、参照光成分及び計測光成分がそれぞれ円偏光に変換され、干渉光として撮像される。
【0239】
次に第2光の光路について説明する。第2投光系2Bから干渉光学系3に向け第2光が出射される。
【0240】
第2投光系2Bから出射された第2光は、ビームスプリッタ20の第2面20bの第1位置20b1に入射する。従って、この「ビームスプリッタ20の第2面20bの第1位置20b1」が本実施形態における「第2入力部」を構成する。
【0241】
本実施形態における第2発光部11Bの光軸(光の出射方向)JB1は、X軸方向に対し上側に角度θ2傾いている。この角度θ2が第2面20bへの第2光の入射角となる。
【0242】
ビームスプリッタ20の第2面20bから入射した第2光は、所定の屈折角で屈折し、接合面20hの第2位置20h2において、その一部(半分)が接合面20hにて反射して第3面20cの第1位置20c2から所定の屈折角で屈折して偏光板22に向け出射される一方、残り(半分)が接合面20hを透過して、第4面20dの第2位置20d2から所定の屈折角で屈折して偏光板21に向け出射される。
【0243】
ビームスプリッタ20の第4面20dの第2位置20d2から出射した第2光は、偏光板21に入射し、そのP偏光成分のみが偏光板21を透過する。偏光板21を透過した第2光のP偏光成分は、参照光として参照面23に対し照射され反射する。ここで、第2光に係る参照光(P偏光)の参照面23に対する入射角及び反射角は、上記角度θ2(=θ1)となる。
【0244】
その後、参照面23で反射した第2光に係る参照光(P偏光)は、再度、偏光板21を透過して、ビームスプリッタ20の第4面20dの第1位置20d1に入射する。
【0245】
ビームスプリッタ20の第4面20dの第1位置20d1から入射した第2光に係る参照光は、所定の屈折角で屈折し、接合面20hの第1位置20h1において、その一部(半分)が接合面20hにて反射してビームスプリッタ20の第1面20aの第1位置20a1から所定の屈折角で屈折して第1投光系2Aに向け出射される一方、残り(半分)が接合面20hを透過してビームスプリッタ20の第2面20bの第2位置20b2から所定の屈折角で屈折して第2撮像系4Bに向け出射される。
【0246】
一方、ビームスプリッタ20の第3面20cの第2位置20c2から出射した第2光は、偏光板22に入射し、そのS偏光成分のみが偏光板22を透過する。偏光板22を透過した第2光のS偏光成分は、計測光としてワークWに対し照射され反射する。ここで、第2光に係る計測光の設置部24(ワークW)に対する入射角及び反射角は、上記角度θ2(=θ1)となる。
【0247】
その後、ワークWで反射した第2光に係る計測光(S偏光)は、再度、偏光板22を透過して、ビームスプリッタ20の第3面20cの第1位置20c1に入射する。
【0248】
ビームスプリッタ20の第3面20cの第1位置20c1から入射した第2光に係る計測光は、所定の屈折角で屈折し、接合面20hの第1位置20h1において、その一部(半分)が接合面20hにて反射してビームスプリッタ20の第2面20bの第2位置20b2から所定の屈折角で屈折して第2撮像系4Bに向け出射される一方、残り(半分)が接合面20hを透過してビームスプリッタ20の第1面20aの第1位置20a1から所定の屈折角で屈折して第1投光系2Aに向け出射される。
【0249】
つまり、接合面20hの第1位置20h1において、接合面20hにて反射した第2光に係る参照光(P偏光)と、接合面20hを透過した第2光に係る計測光(S偏光)とが合成されると共に、接合面20hを透過した第2光に係る参照光(P偏光)と、接合面20hにて反射した第2光に係る計測光(S偏光)とが合成されることとなる。
【0250】
結果として、第2光に係る参照光(P偏光)及び計測光(S偏光)が合成された合成光が、干渉光学系3からの出力光として、ビームスプリッタ20の第1面20aの第1位置20a1から第1投光系2Aに向け出射されると共に、ビームスプリッタ20の第2面20bの第2位置20b2から第2撮像系4Bに向け出射される。従って、この「ビームスプリッタ20の第2面20bの第2位置20b2」が本実施形態における「第2出力部」を構成する。
【0251】
このうち、第1投光系2Aに入射した第2光に係る合成光(参照光及び計測光)は、第1光アイソレータ12Aによりその進行を遮断され、捨て光となる。一方、第2撮像系4Bに入射した第2光に係る合成光は、参照光成分及び計測光成分がそれぞれ円偏光に変換され、干渉光として撮像される。
【0252】
以上詳述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。
【0253】
尚、本実施形態の構成に加えて、上記第5実施形態のように、対物レンズL1,L2、投光レンズL3A,L3B、並びに、結像レンズL4A,L4Bを備えた構成としてもよい。
【0254】
但し、光が大きく屈折するビームスプリッタ20に対し対物レンズL1,L2等を配置した場合には、対物レンズL1,L2等によって絞られた光が1点に集まらなくなるおそれがある。そのため、対物レンズL1,L2等を配置する場合には、光学手段として、ビームスプリッタ20よりも、実質的に屈折を考慮しなくともよい薄板状のハーフミラーHMを用いることが好ましい。
【0255】
〔第7実施形態〕
以下、第7実施形態について
図12を参照して説明する。本実施形態は、主に干渉光学系3の構成等と演算方法が第1実施形態と異なる。従って、本実施形態では、第1実施形態と異なる特徴部分について詳しく説明し、同一構成部分については同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。尚、これまでの実施形態は参照面23とハーフミラーHMのなす角およびビームスプリッタ20の接合面20hとのなす角は45°であるが、本実施形態では45°からわずかに傾ける。このため、光路が
図12とは厳密一致しないが、傾け角は僅かであるため、各記号の位置関係のずれは以下の説明に影響を与えない程度であることをあらかじめ述べておく。
【0256】
本実施形態に係る干渉光学系3は、第1実施形態と異なり、偏光板21、22と1/4波長板31A、31Bが無い。
【0257】
カメラ33A、33Bはイメージセンサとして一般的なCCD素子やCMOS素子を搭載するものであり、70A及び70Bは偏光イメージセンサではない。
【0258】
第1カメラ33Aによって撮像され取得された輝度画像データは、第1カメラ33A内部においてデジタル信号に変換された上で、デジタル信号の形で制御装置5(画像データ記憶装置54)に入力されるようになっている。
【0259】
同様に第2カメラ33Bによって撮像され取得された輝度画像データは、第2カメラ33B内部においてデジタル信号に変換された上で、デジタル信号の形で制御装置5(画像データ記憶装置54)に入力されるようになっている。
【0260】
次に第1光の光路について説明する。
図12に示すように、第1投光系2A(第1発光部11A)から干渉光学系3に向け、波長λ1の第1光が出射される。ここで、光の進行方向(ベクトル)は、Z軸方向に対し角度θ1だけ傾いている。
【0261】
第1投光系2Aから出射された第1光は、ハーフミラーHMの第1位置P1に入射する。従って、この「ハーフミラーHMの第1位置P1」が本実施形態における「第1入力部」を構成する。
【0262】
第1光は後述のフーリエ変換法を実施可能な角度で参照ミラーを傾けても、イメージセンサ上で十分なコントラストで干渉可能なコヒーレンス長を持つ光源であればよい。
【0263】
ハーフミラーHMの第1位置P1に入射した第1光は、その一部(半分)が第1面HMaにて反射して参照面23に向け出射される一方、残り(半分)がハーフミラーHMを透過して第2面HMbから設置部24に向け出射される。
【0264】
ハーフミラーHMの第1面HMaにて反射した第1光は、参照光として参照面23に対し照射され反射する。ここで、第1光に係る参照光の参照面23に対する入射角及び反射角は、上記角度θ1となる。
【0265】
その後、参照面23で反射した第1光に係る参照光は、再度、ハーフミラーHMの第2位置P2に入射する。ハーフミラーHMの第2位置P2に入射した第1光に係る参照光は、その一部(半分)が第1面HMaにて反射して第1撮像系4Aに向け出射される一方、残り(半分)がハーフミラーHMを透過して第2面HMbから第2投光系2Bに向け出射される。
【0266】
一方、第1投光系2AからハーフミラーHMの第1位置P1に入射し、該ハーフミラーHMを透過した第1光は、計測光としてワークWに対し照射され反射する。ここで、第1光に係る計測光の設置部24(ワークW)に対する入射角及び反射角は、上記角度θ1となる。
【0267】
その後、ワークWで反射した第1光に係る計測光は、再度、ハーフミラーHMの第2位置P2に入射する。ハーフミラーHMの第2位置P2に入射した第1光に係る計測光は、その一部(半分)がハーフミラーHMを透過して第1面HMaから第1撮像系4Aに向け出射される一方、残り(半分)が第2面HMbにて反射して第2投光系2Bに向け出射される。
【0268】
つまり、ハーフミラーHMの第2位置P2において、第1面HMaにて反射した第1光に係る参照光と、第1面HMaへ透過した第1光に係る計測光とが合成されると共に、第2面HMbへ透過した第1光に係る参照光と、第2面HMbにて反射した第1光に係る計測光とが合成されることとなる。
【0269】
結果として、第1光に係る参照光及び計測光が合成された合成光が、干渉光学系3からの出力光として、ハーフミラーHMの第2位置P2から第1撮像系4A及び第2投光系2Bに対しそれぞれ出射されることとなる。従って、この「ハーフミラーHMの第2位置P2」が本実施形態における「第1出力部」を構成する。
【0270】
このうち、第2投光系2Bに入射した第1光に係る合成光(参照光及び計測光)は、第2光アイソレータ12Bによりその進行を遮断され、捨て光となる。
【0271】
一方、第1撮像系4Aに入射した第1光に係る合成光(参照光及び計測光)は、イメージセンサ70A上で干渉するため、第1カメラ33Aは第1光源による干渉縞画像を得る。
【0272】
前述の通り参照面23はこれまでの実施例ではハーフミラーHMとなす角が45°であるが、本実施形態では45°から僅かに傾けることで干渉縞画像にキャリア縞を発生させる。参照面(参照ミラー)23を傾ける方向はハーフミラーHMとのなす角が45°より大きくなる方向でも小さくなる方向でもどちらでも良い。尚、フーリエ変換法の性質上、イメージセンサの画素ピッチをD、使用波長をλ、参照面23の45°からの傾け角をθ3とすると、|θ3|≦tan-1(λ/2D)である。また、参照面23を傾けたことで光軸JA2と光軸JB2がカメラ33A,33Bの中心を通らなくなるが、光線は十分な幅を持っているのでカメラ33A,33Bに参照光は入射する。入射しない場合は入射する程度に傾け角を調整したり、光線を太くしたりする等で調整するものとする。尚、上記のように参照面23を意図的に傾けてキャリア縞を発生させた干渉縞画像から計測光の複素振幅を得るフーリエ変換法による計測方法は、公知技術であるため(例えば特許第6271493号公報372~377段落参照)、その詳細な説明は省略する。
【0273】
次に第2光の光路について説明する。
図12に示すように、第2投光系2B(第2発光部11B)から干渉光学系3に向け、波長λ2の第2光が出射される。ここで、光の進行方向(ベクトル)は、X軸方向に対し角度θ2(=θ1)だけ傾いている。
【0274】
第2光も第1光と同じくフーリエ変換法を実施可能な角度で参照面(参照ミラー)23を傾けても、イメージセンサ上で十分なコントラストで干渉可能なコヒーレンス長を持つ光源であればよい。
【0275】
第2投光系2Bから出射された第2光は、ハーフミラーHMの第2位置P2に入射する。従って、この「ハーフミラーHMの第2位置P2」が本実施形態における「第2入力部」を構成する。
【0276】
ハーフミラーHMの第2位置P2に入射した第2光は、その一部(半分)がハーフミラーHMを透過して参照面23に向け出射される一方、残り(半分)が第2面HMbにて反射して設置部24に向け出射される。
【0277】
ハーフミラーHMの第2位置P2を透過した第2光は、参照光として参照面23に対し照射され反射する。ここで、第2光に係る参照光の参照面23に対する入射角及び反射角は、上記角度θ2となる。
【0278】
その後、参照面23で反射した第2光に係る参照光は、再度、ハーフミラーHMの第1位置P1に入射する。ハーフミラーHMの第1位置P1に入射した第2光に係る参照光は、その一部(半分)がハーフミラーHMを透過して第2面HMbから第2撮像系4Bに向け出射される一方、残り(半分)が第1面HMaにて反射して第1投光系2Aに向け出射される。
【0279】
一方、第2投光系2BからハーフミラーHMの第2位置P2に入射し、第2面HMbにて反射した第2光は、計測光としてワークWに対し照射され反射する。ここで、第2光に係る計測光の設置部24(ワークW)に対する入射角及び反射角は、上記角度θ2となる。
【0280】
その後、ワークWで反射した第2光に係る計測光は、再度、ハーフミラーHMの第1位置P1に入射する。ハーフミラーHMの第1位置P1に入射した第2光に係る計測光は、その一部(半分)が第2面HMbにて反射して第2撮像系4Bに向け出射される一方、残り(半分)がハーフミラーHMを透過して第1面HMaから第1投光系2Aに向け出射される。
【0281】
つまり、ハーフミラーHMの第1位置P1において、第1面HMaにて反射した第2光に係る参照光と、第1面HMaへ透過した第2光に係る計測光とが合成されると共に、第2面HMbへ透過した第2光に係る参照光と、第2面HMbにて反射した第2光に係る計測光とが合成されることとなる。
【0282】
結果として、第2光に係る参照光及び計測光が合成された合成光が、干渉光学系3からの出力光として、ハーフミラーHMの第1位置P1から第2撮像系4B及び第1投光系2Aに対しそれぞれ出射されることとなる。従って、この「ハーフミラーHMの第2位置P2」が本実施形態における「第2出力部」を構成する。
【0283】
このうち、第1投光系2Aに入射した第2光に係る合成光(参照光及び計測光)は、第1光アイソレータ12Aによりその進行を遮断され、捨て光となる。
【0284】
一方、第2撮像系4Bに入射した第2光に係る合成光(参照光及び計測光)は、イメージセンサ70B上で干渉するため、第2カメラ33Bは第2光源による干渉縞画像を得る。
【0285】
尚、上記のように参照面23を意図的に傾けてキャリア縞を発生させた干渉縞画像から計測光の複素振幅を得るフーリエ変換法による計測方法は、公知技術であるため(例えば特許第6271493号公報372~377段落参照)、その詳細な説明は省略する。
【0286】
このように、それぞれ1回の撮像処理で取得された輝度画像データ(第1光に係る輝度画像データ、及び、第2光に係る輝度画像データ)には、三次元計測を行う上で必要な計測光の複素振幅情報が含まれている。
【0287】
そして、制御装置5は、画像データ記憶装置54に記憶された第1光に係る輝度画像データ、及び、第2光に係る輝度画像データを基に、フーリエ変換法により各波長の計測光の位相を算出することができる。得られた2つの波長の位相情報によりワークWの表面形状を計測する。つまり、ワークWの表面上の各計測位置における高さ計測を行う。このように求められたワークWの計測結果(高さデータ)は、制御装置5の演算結果記憶装置55に格納される。尚、上記のように波長の異なる2種類の光を用いたフーリエ変換法による計測方法は、公知技術であるため(例えば特許第6271493号公報参照)、その詳細な説明は省略する。
【0288】
以上詳述したように、本実施形態では、投光系2A,2Bから撮像系4A,4Bに至る第1光及び第2光の進行方向(ベクトル)が互いに重複する区間が存在しない構成となる。つまり、干渉光学系3に入射した第1光と第2光は互いに干渉することなく、完全に分離した状態で干渉光学系3から別々に出射されることとなる。
【0289】
このように、本実施形態によれば、干渉光学系3に対する第1光及び第2光それぞれの入射位置や入射角度を適切に設定するだけで、第1光及び第2光を完全に分離して取り扱うことができるこのため、偏光成分(P偏光及びS偏光)の分離・変換に必要な偏光ビームスプリッタや1/4波長板などの光学部材を大幅に削減することができ、構成の簡素化を図ることができる。特に、波長の異なる2種類の光の偏光成分が同一光路上を同一方向に通過する1/4波長板を省略した光学系を実現することができる。
【0290】
結果として、所定の光学部材から受ける製造誤差等の影響を排除し、計測精度の向上を図ることができる。
【0291】
ひいては、第1光及び第2光として波長の近い2種類の光を用いることができ、三次元計測に係る計測レンジをより広げることができる。加えて、第1光に係る出力光の撮像と、第2光に係る出力光の撮像を同時に行うことができるため、計測効率の向上を図ることができる。
【0292】
加えて、本実施形態では、カメラ33A,33Bの撮像素子として、偏光イメージセンサを用いないことにより、一層構成の簡素化を図ることができる。
【0293】
尚、本実施形態の構成に加えて、上記第5実施形態のように、対物レンズL1,L2、投光レンズL3A,L3B、並びに、結像レンズL4A,L4Bを備えた構成としてもよい。
【0294】
尚、上記各実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0295】
(a)上記各実施形態では、ワークWの具体例(形状や大きさ、材質などの種別)について特に言及していないが、被計測物としては、例えばプリント基板に印刷されたクリーム半田や、ウエハ基板に形成された半田バンプなどが挙げられる。勿論、これらと異なる被計測物を計測する構成としてもよい。また、予め設定された良否判定基準に従い、被計測物の良否を検査する検査装置において、三次元計測装置1を備えた構成としても良い。
【0296】
(b)投光系2A,2B、干渉光学系3及び撮像系4A,4Bの配置構成は、上記各実施形態に限定されるものではない。
【0297】
(b-1)例えば上記各実施形態では、第1光に係る参照光の参照面23に対する入射角θ1及び反射角θ1、並びに、第1光に係る計測光の設置部24(ワークW)に対する入射角θ1及び反射角θ1と、第2光に係る参照光の参照面23に対する入射角θ2及び反射角θ2、並びに、第2光に係る計測光の設置部24(ワークW)に対する入射角θ2及び反射角θ2とが同一角に設定されている(θ1=θ2)。
【0298】
これに限らず、第1光に係る上記各種角度θ1と、第2光に係る上記各種角度θ2とが異なる角度に設定された構成としてもよい。
【0299】
(b-2)上記各実施形態では、2つの撮像系4A,4Bにより1つのワークWを異なる角度から撮像する構成となるため、ワークWに直交する軸線(Z軸)に対する上記角度θ1,θ2を小さくし、できる限り同一に近い角度からワークWを撮像することが、計測精度の向上を図る上では好ましい。
【0300】
(b-3)第1光に係る上記各種角度θ1、及び、第2光に係る上記各種角度θ2は、ハーフミラーHMに対する第1光及び第2光の入射角が、第1光及び第2光が全反射する臨界角よりも小さくなるように設定されることが好ましい。
【0301】
(b-4)光学手段の「第1入力部」及び「第2入力部」の位置、光学手段の「第1出力部」及び「第2出力部」の位置、並びに、第1光に係る上記各種角度θ1及び第2光に係る上記各種角度θ2の組合せは、上記各実施形態に限定されるものではなく、少なくともワークWに向かう第1光に係る計測光と、ワークWに向かう第2光に係る計測光の進行方向(ベクトル)が重複しないように構成されていれば、いかなる組合せとなっていてもよい。
【0302】
つまり、
図13(太破線部参照)に示すように、ワークWや参照面23に向かう第1光に係る計測光及び参照光と、ワークWや参照面23に向かう第2光に係る計測光及び参照光の進行方向(ベクトル)が重複する場合を除く、いかなる組合せであってもよい。
【0303】
例えば上記各実施形態では、第1光の光路及び第2光の光路が同一XZ平面に設定されているが、これに限らず、Z軸方向に見た平面視で、ワークWに向かう第1光に係る計測光の光路、及び、ワークWに向かう第2光に係る計測光の光路の少なくとも一方がY軸方向に沿うように設定された構成としてもよい。
【0304】
換言すれば、ワークWに向かう第1光に係る計測光の光路、及び、ワークWに向かう第2光に係る計測光の光路の少なくとも一方がZ軸方向に対しY軸方向(前方向又は後方向)への傾きを持つように設定された構成としてもよい。
【0305】
また、Z軸方向に見た平面視で、ワークWに向かう第1光に係る計測光の光路、及び、ワークWに向かう第2光に係る計測光の光路が重複するように設定されると共に、第1光に係る計測光の入射角θ1と、第2光に係る計測光の入射角θ2とが異なるように設定された構成としてもよい。
【0306】
(c)干渉光学系(所定の光学系)及び光学手段に係る構成は、上記各実施形態に限定されるものではない。
【0307】
(c-1)例えば光学手段は、上記各実施形態のハーフミラーHMやビームスプリッタ20に限定されるものではなく、入射する所定の光を2つの光に分割可能な他の光学部材を用いてもよい。
【0308】
(c-2)
図14(a)に示すように、上記第6実施形態では、ビームスプリッタ20の第1面20aにおいて、第1投光系2Aから出射された第1光の入射光K1が入射する第1位置20a1と、第1光の出射光(第1光に係る参照光及び計測光の合成光)K2が出射する第2位置20a2とが、正方形状の第1面20aの一辺と平行する方向に並ぶように設定されている。
【0309】
これに代えて、
図14(b)に示すように、ビームスプリッタ20の第1面20aにおいて、第1光の入射光K1が入射する第1位置20a1と、第1光の出射光K2が出射する第2位置20a2とが、正方形状の第1面20aの対角線方向に並ぶように設定された構成としてもよい。
【0310】
これにより、
図14(a),(b)を比較して判るように、第1光の入射光K1及び出射光K2の径(幅)が変化しなければ、
図14(b)に示す構成(第1位置20a1と第2位置20a2とが第1面20aの対角線方向に並んだ構成)の方が、第1面20aの一辺の長さが短い、より小さいビームスプリッタ20を用いることができる(α1>α2)。結果として、装置の小型化を図ることができる。
【0311】
勿論、上記第6実施形態(ビームスプリッタ20)に限らず、矩形板状のハーフミラーHMを用いる上記第1~第5実施形態においても同様に、第1光の入射光K1が入射する第1位置P1と、第1光の出射光K2が出射する第2位置P2とが、ハーフミラーHMの対角線方向に並ぶように設定された構成としてもよい。
【0312】
(d)照射手段に係る構成は、上記投光系2A,2Bの構成に限定されるものではない。
【0313】
(d-1)例えば上記各実施形態では、第1投光系2Aから波長λ1=1500nmの光が照射され、第2投光系2Bから波長λ2=1503nmの光が照射される構成を例示しているが、各光の波長はこれに限定されるものではない。但し、計測レンジを広げるためには、2つの光の波長差をより小さくすることが好ましい。
【0314】
(d-2)また、上記各実施形態に係る発光部11A,11Bは、レーザ光源を採用し、レーザ光を出射する構成となっているが、これに限らず、他の構成を採用してもよい。少なくとも干渉を生じさせることができるコヒーレンスの高い光(コヒーレント光)を出射可能な構成となっていればよい。
【0315】
例えばLED光源などのインコヒーレント光源と、特定の波長のみを透過させるバンドパスフィルタやスペイシャルフィルタなどを組み合わせてコヒーレンスを高め、コヒーレント光を出射可能な構成としてもよい。
【0316】
(e)撮像手段及び撮像素子に係る構成は、上記各実施形態に限定されるものではない。
【0317】
(e-1)例えば上記各実施形態では、受光素子アレイ71の一例としてCCDイメージセンサを挙げているが、受光素子アレイ71は、これに限定されるものではなく、例えばCMOSイメージセンサなどの半導体素子構造を有するものであってもよい。
【0318】
(e-2)上記各実施形態に係る偏光イメージセンサ70A,70Bは、受光素子アレイ71と、偏光子アレイ72と、マイクロレンズアレイ73とを備えた構成となっているが、これに限らず、例えばマイクロレンズアレイ73を省略した構成としてもよい。
【0319】
(e-3)偏光子アレイ72における偏光子75の配列は、上記各実施形態に限定されるものではない。
【0320】
例えば上記各実施形態では、透過軸の設定角度が45°ずつ異なる4種類の偏光子75a,75b,75c,75dが所定順序で配置された構成となっているが、これとは異なる順序で配置された構成としてもよい。
【0321】
また、透過軸角度が異なる3種類の偏光子が所定順序で配置された構成としてもよい。例えば透過軸の設定角度が60°又は45°ずつ異なる3種類の偏光子が所定順序で配置された構成としてもよい。
【0322】
(f)参照光と計測光の位相差を変化させる位相シフトに係る構成は、上記各実施形態に限定されるものではない。
【0323】
(f-1)上記各本実施形態では、カメラ33A,33Bの撮像素子として、透過軸の設定角度が45°ずつ異なる4種類の偏光子75が所定の配列で各受光素子74に対応して1つずつ配置された偏光イメージセンサ70A,70Bを用いることにより、各カメラ33A,33Bによる1回の撮像で、位相シフト法によるワークWの高さ計測に必要な複数通りの輝度データを同時に取得する構成となっている。
【0324】
これに限らず、例えば、偏光イメージセンサ70A,70Bに代えて、撮像素子として、偏光子アレイ72が省略された通常のイメージセンサを用いると共に、撮像系4A,4Bにおいて、透過軸方向を変更可能な偏光板を備えた構成としてもよい。
【0325】
かかる偏光板により、1/4波長板31A,31Bにより円偏光に変換された第1光及び第2光の各成分を選択的に透過させ、回転方向の異なる第1光及び第2光の参照光成分と計測光成分を特定の位相について干渉させることができる。
【0326】
より具体的には、第1撮像系4Aが、第1光に係る合成光(参照光成分及び計測光成分)を円偏光に変換する1/4波長板31Aと、該1/4波長板31Aを透過した光の所定成分を選択的に透過させる(参照光及び計測光を干渉させる)回転式の第1偏光板と、該第1偏光板を透過した光を撮像する第1カメラ33Aとを備えると共に、第2撮像系4Bが、第2光に係る合成光(参照光成分及び計測光成分)を円偏光に変換する1/4波長板31Bと、該1/4波長板31Bを透過した光の所定成分を選択的に透過させる(参照光及び計測光を干渉させる)回転式の第2偏光板と、該第2偏光板を透過した光を撮像する第2カメラ33Bとを備えた構成としてもよい。
【0327】
また、ピエゾ素子等により参照面23を、該参照面23の法線方向へ移動させ、物理的に光路長を変化させることで、位相シフトを行う構成を採用してもよい。
【0328】
但し、上述した偏光板の透過軸方向を変更して位相シフトを行う構成や、参照面23を移動させて位相シフトを行う構成は、三次元計測を行う上で必要な全ての画像データを取得するために、複数のタイミングで撮像を行う必要がある。従って、撮像時間を短くする観点からすれば、上記各実施形態のように1回のタイミングで全ての画像データを撮像できる構成を採用することがより好ましい。加えて、上述した構成では、計測時間が長くなるばかりでなく、その間の空気の揺らぎや振動等の影響を受けるため、計測精度が低下するおそれもある。
【0329】
(f-2)上記各実施形態では、位相シフト法によりワークWの高さ計測を行うにあたり、第1光及び第2光について、それぞれ位相が90°ずつ異なる4通りの干渉光の輝度画像データ(第1光に係る輝度画像データ、及び、第2光に係る輝度画像データ)を基に位相シフト法を行う構成となっているが、位相シフト回数及び位相シフト量は、これらに限定されるものではない。例えば位相が120°(又は90°)ずつ異なる3通りの干渉光の輝度画像データを基に位相シフト法によるワークWの高さ計測を行う構成としてもよい。
【0330】
(f-3)位相シフト法やフーリエ変換方法とは異なる他の方法により三次元計測を行う構成に適用してもよい。
【0331】
(g)上記第7実施形態(
図12)では、参照面23の傾け角θ3をY軸周りの回転角度として表しているが、この傾け角は一例であり、実際の傾け角はZ軸周りでも、またはY軸周りとZ軸周りの両方が合わさった角度に傾けても良い。
【符号の説明】
【0332】
1…三次元計測装置、2A…第1投光系、2B…第2投光系、3…干渉光学系、4A…第1撮像系、4B…第2撮像系、5…制御装置、11A…第1発光部、11B…第2発光部、21,22…偏光板、23…参照面、24…設置部、31A…1/4波長板、31B…1/4波長板、33A…第1カメラ、33B…第2カメラ、70A…偏光イメージセンサ、70B…偏光イメージセンサ、HM…ハーフミラー、W…ワーク。