(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】二次元コードの配布によるサービスの提供方法、サービス提供システム及びこれらに用いられる情報伝達媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20240226BHJP
【FI】
G06Q30/0251
(21)【出願番号】P 2020043722
(22)【出願日】2020-03-13
【審査請求日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】P 2019075355
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】315007466
【氏名又は名称】堀越 武宗
(74)【代理人】
【識別番号】100073210
【氏名又は名称】坂口 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100173668
【氏名又は名称】坂口 吉之助
(72)【発明者】
【氏名】堀越 武宗
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-250622(JP,A)
【文献】特開2008-186277(JP,A)
【文献】特開平08-216563(JP,A)
【文献】特開2011-065577(JP,A)
【文献】特開2017-146772(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0079248(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0085828(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されたコンピュータによって実行され、
少なくとも2種の二次元コードが表示された情報伝達媒体が、発給者によって発給され、これを受け取った受給者に情報が与えられるサービスの提供方法であって、
前記2種の二次元コードは、参照用コード及び更新用コードであり、
前記参照用コードは、前記発給者によって前記コンピュータにアップロードされた当初データ又は後述する更新データにアクセスするコードであり、
前記更新用コードは、前記当初データの内容に情報を追加し、又は当初データの内容を変更することで、更新データを作成するためのコードであり、
前記コンピュータによって実行されるステップが、
前記発給者によって、情報機器を介してアップロードされた当初データを受信し、保存するステップと、
前記発給者からの指令によって、
発給
機に対して前記二次元コードに係るIDを
発行し、該発給
機に前記情報伝達媒体を発給させるステップと、
前記発給者、前記受給者又は該受給者から前記情報伝達媒体を譲り受けた受贈者によって、情報機器を介して前記参照用コードからアクセスがあった際に、前記当初データ又は前記更新データを閲覧又はダウンロードさせるステップと、
前記受給者から、情報機器を介して前記更新用コードからアクセスがあった際に、前記当初データの内容に情報を追加させ、又は、前記当初データの内容を変更させることで更新データを作成させるステップと、を有する構成であり、
前記情報伝達媒体は、受給者用と受贈者用とで切り離しが可能であり、
受給者用の情報伝達媒体には、更新用コードが表示され、受贈者用の情報伝達媒体には、参照用コードが表示された構成であり、
前記情報伝達媒体は、発給者が受給者に対して発給する際には、受給者用と受贈者用とが切り離されず一体であり、
受給者が受贈者に対して譲り渡す際にこれらを切り離し、受贈者用のみを譲り渡す構成
であり、
更に、前記情報伝達媒体は、受給者用と受贈者用との切り離し部分にて、二次元コードが表示された面を内側に折り合わされた構成であり、
この折られた状態において、二次元コードを視認できない構成であることを特徴とするサービスの提供方法。
【請求項2】
発給者によって、情報機器を介してアップロードされた複数の当初データを受信し、保存するステップと、
受給者から、情報機器を介して前記更新用コードからアクセスがあった際に、前記複数の当初データから1つ又は2以上の当初データを選択させるステップと、
前記選択された当初データの内容に情報を追加させ、又は、前記選択された当初データの内容を変更させることで更新データを作成させるステップと、
を有することを特徴とする請求項
1に記載のサービスの提供方法。
【請求項3】
情報伝達媒体が、郵便物であって、
前記郵便物を販売した発給者から、該郵便物を購入した受給者に対して該郵便物が引き渡される際には、更新用コードが表示された受給者用と、参照用コードが表示された受贈者用とが一体であり、
前記受給者が受贈者に対して郵便物を発送する際に、受給者用を切り取って発送する構成であり、
前記受給者から、情報機器を介して更新用コードからアクセスがあった際に、当初データの内容に、前記受贈者に対するメッセージ情報を追加させ、更新データを作成するステップと、
前記受贈者から、情報機器を介して参照用コードからアクセスがあった際に、前記更新データを閲覧又はダウンロードさせるステップを有すると共に、
前記郵便物に表示された内容と、前記更新データの内容が異なることを特徴とする請求項1
又は2に記載のサービスの提供方法。
【請求項4】
商品を購入すると、該商品を購入した者に対して少なくとも2種の二次元コードが表示された情報伝達媒体が発給される構成であり、
該商品を販売した発給者から、該商品を購入した受給者に該商品が引き渡される際には、更新用コードが表示された受給者用と、参照用コードが表示された受贈者用とが一体であり、
前記受給者が受贈者に対して該商品を引き渡しする際に、受給者用を切り取って引き渡しする構成であり、
前記受給者から、情報機器を介して更新用コードからアクセスがあった際に、当初データの内容に、前記受贈者に対するメッセージ情報を追加させ、更新データを作成するステップと、
前記商品を譲り受けた受贈者から、情報機器を介して参照用コードからアクセスがあった際に、前記更新データを閲覧又はダウンロードさせるステップを有する構成であることを特徴とする請求項1
又は2に記載のサービスの提供方法。
【請求項5】
情報伝達媒体が、商品又は役務の料金を精算した際に発行される精算レシートであることを特徴とする請求項
4に記載のサービスの提供方法。
【請求項6】
情報伝達媒体が、順番待ちの際に発行される受付番号シートであることを特徴とする請求項
4に記載のサービスの提供方法。
【請求項7】
情報伝達媒体には、少なくとも3種の二次元コードが表示され、
前記3種の二次元コードは、参照用コード、更新用コード及び削除用コードであり、
前記削除用コードは、前記更新データを削除するため、又は、前記当初データと前記更新データを共に削除するためのコードであり、
情報機器を介して前記削除用コードからアクセスがあった際に、前記当初データ又は前記更新データを削除するステップを有することを特徴とする請求項1~
6のいずれかに記載のサービスの提供方法。
【請求項8】
ネットワークに接続されたコンピュータと、
発給者からの指令によって、少なくとも2種の二次元コードが表示された情報伝達媒体を発給する発給機を備え、
前記2種の二次元コードは、参照用コード及び更新用コードであり、
前記参照用コードは、前記発給者によって前記コンピュータにアップロードされた当初データ又は後述する更新データにアクセスするコードであり、
前記更新用コードは、前記当初データの内容に情報を追加し、又は当初データの内容を変更することで、更新データを作成するためのコードであり、
前記コンピュータは、
前記情報伝達媒体を発給する発給者によって、情報機器を介してアップロードされた当初データを受信し、保存する手段と、
情報機器を介して前記参照用コードからアクセスがあった際に、前記当初データ又は前記更新データを閲覧又はダウンロードさせる手段と、
前記情報伝達媒体の発給を受けた受給者から、情報機器を介して前記更新用コードからアクセスがあった際に、前記当初データの内容に情報を追加させ、又は、前記当初データの内容を変更させることで更新データを作成させる手段を有し、
前記発給機は、前記発給者の指令に基いて、前記情報伝達媒体を発給する手段を有する
構成であり、
前記情報伝達媒体は、受給者用と、前記発給者又は前記受給者から情報伝達媒体を譲り受けた受贈者用からなり、該受給者用と該受贈者用とが切り離しが可能であり、
受給者用の情報伝達媒体には、更新用コードが表示され、受贈者用の情報伝達媒体には、参照用コードが表示された構成であり、
前記情報伝達媒体は、発給者が受給者に対して発給する際には、受給者用と受贈者用とが切り離されず一体であり、受給者が受贈者に対して譲り渡す際にこれらを切り離し、受贈者用のみを譲り渡す構成であり、
更に、前記情報伝達媒体は、受給者用と受贈者用との切り離し部分にて、二次元コードが表示された面を内側に折り合わされた構成であり、
この折られた状態において、二次元コードを視認できない構成であることを特徴とするサービス提供システム。
【請求項9】
ネットワークに接続されたコンピュータによって実行され、少なくとも2種の二次元コードが表示された情報伝達媒体が、発給者によって発給され、これを受け取った受給者に情報が与えられるサービスの提供方法に用いられる情報伝達媒体であって、
前記2種の二次元コードは、参照用コード及び更新用コードであり、
前記参照用コードは、前記発給者によって前記コンピュータにアップロードされた当初データ又は後述する更新データにアクセスするコードであり、
前記更新用コードは、前記当初データの内容に情報を追加し、又は当初データの内容を変更することで、更新データを作成するためのコードであり、
前記コンピュータによって実行されるステップが、
前記発給者によって、情報機器を介してアップロードされた当初データを受信し、保存するステップと、
前記発給者からの指令によって、
発給機に対して前記二次元コードに係るIDを発行し、該発給機に前記情報伝達媒体を発給させるステップと、
前記発給者、前記受給者又は該受給者から前記情報伝達媒体を譲り受けた受贈者によって、情報機器を介して前記参照用コードからアクセスがあった際に、前記当初データ又は前記更新データを閲覧又はダウンロードさせるステップと、
前記受給者から、情報機器を介して前記更新用コードからアクセスがあった際に、前記当初データの内容に情報を追加させ、又は、前記当初データの内容を変更させることで更新データを作成させるステップと、を有する構成であり、
前記情報伝達媒体は、受給者用と受贈者用とで切り離しが可能であり、
受給者用の情報伝達媒体には、更新用コードが表示され、受贈者用の情報伝達媒体には、参照用コードが表示された構成であり、
前記情報伝達媒体は、発給者が受給者に対して発給する際には、受給者用と受贈者用とが切り離されず一体であり、
受給者が受贈者に対して譲り渡す際にこれらを切り離し、受贈者用のみを譲り渡す構成
であり、
更に、前記情報伝達媒体は、受給者用と受贈者用との切り離し部分にて、二次元コードが表示された面を内側に折り合わされた構成であり、
この折られた状態において、二次元コードを視認できない構成であることを特徴とする情報伝達媒体。
【請求項10】
請求項
9に記載の情報伝達媒体であって、
前記情報伝達媒体が、郵便物であり、
前記郵便物を販売した発給者から、該郵便物を購入した受給者に対して該郵便物が引き渡される際には、更新用コードが表示された受給者用と、参照用コードが表示された受贈者用とが一体であり、
前記受給者が受贈者に対して郵便物を発送する際に、受給者用を切り取って発送する構成であり、
前記コンピュータによって実行されるステップが、
前記受給者から、情報機器を介して更新用コードからアクセスがあった際に、当初データの内容に、前記受贈者に対するメッセージ情報を追加させ、更新データを作成するステップと、
前記受贈者から、情報機器を介して参照用コードからアクセスがあった際に、前記更新データを閲覧又はダウンロードさせるステップを有すると共に、
前記郵便物に表示された内容が、前記更新データの内容とは異なることを特徴とする郵便物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元コードの配布によるサービスの提供方法、サービス提供システム及びこれらに用いられる情報伝達媒体に関し、詳しくは、二次元コードの発給者、受給者及びこれを譲り受けた受贈者の間で、情報を共有することができるサービスの提供方法、サービス提供システム及びこれらに用いられる情報伝達媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、二次元コードを用いたサービスの提供に関して種々提案されており、例えば、次のような技術が知られている。
【0003】
本出願人によって提案された特許文献1に記載の技術は、「情報ネットワーク上のサーバにより実行され、前記情報ネットワークを介して接続された利用者端末からアップロードされたデータを受け取るステップと、受け取ったデータを暗号化して保存するステップと、保存されたデータを識別するための情報とそのデータを解読するための暗号解除コードとを二次元パターンにコード化するステップと、このコード化により得られた二次元コードを前記利用者端末に送付するステップと、前記情報ネットワークを介して接続された端末からの前記二次元コードに基づくアクセスに対して、対応するデータを復号化してアクセス元の端末に提供するステップと、を含むデータ配布方法」である。
【0004】
この特許文献1に記載の技術によれば、利用者が暗号解除コードを管理でき、かつ利便性の高いデータ配布方法の提供を受けることができる。
【0005】
しかし、特許文献1に記載の技術では、二次元コードの利用により、セキュリティ性の高いデータ配布が可能ではあるが、その具体的使途について言及はなく、特に、利用者の興味を惹く趣向性についての検討が十分でないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の課題は、二次元コードを利用した簡単な操作で、二次元コードの発給者、受給者及びこれを譲り受けた受贈者の間で情報を共有することができ、利用者の興味を惹く趣向性を備えており、利用の促進が期待されるサービスの提供方法、サービス提供システム及びこれらに用いられる情報伝達媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記本発明の課題は、下記の手段により達成される。
1.ネットワークに接続されたコンピュータによって実行され、
少なくとも2種の二次元コードが表示された情報伝達媒体が、発給者によって発給され、これを受け取った受給者に情報が与えられるサービスの提供方法であって、
前記2種の二次元コードは、参照用コード及び更新用コードであり、
前記参照用コードは、前記発給者によって前記コンピュータにアップロードされた当初データ又は後述する更新データにアクセスするコードであり、
前記更新用コードは、前記当初データの内容に情報を追加し、又は当初データの内容を変更することで、更新データを作成するためのコードであり、
前記コンピュータによって実行されるステップが、
前記発給者によって、情報機器を介してアップロードされた当初データを受信し、保存するステップと、
前記発給者からの指令によって、前記受給者に対して前記情報伝達媒体を発給するステップ、又は、前記発給者からの指令によって、前記発給者に対して前記二次元コードに係るIDを発給し、該発給者に前記情報伝達媒体を発給させるステップと、
前記発給者、前記受給者又は該受給者から前記情報伝達媒体を譲り受けた受贈者によって、情報機器を介して前記参照用コードからアクセスがあった際に、前記当初データ又は前記更新データを閲覧又はダウンロードさせるステップと、
前記受給者から、情報機器を介して前記更新用コードからアクセスがあった際に、前記当初データの内容に情報を追加させ、又は、前記当初データの内容を変更させることで更新データを作成させるステップと、を有する構成であり、
前記情報伝達媒体は、受給者用と受贈者用とで切り離しが可能であり、
受給者用の情報伝達媒体には、更新用コードが表示され、受贈者用の情報伝達媒体には、参照用コードが表示された構成であり、
前記情報伝達媒体は、発給者が受給者に対して発給する際には、受給者用と受贈者用とが切り離されず一体であり、
受給者が受贈者に対して譲り渡す際にこれらを切り離し、受贈者用のみを譲り渡す構成、
であることを特徴とするサービスの提供方法。
【0009】
2.情報伝達媒体は、受給者用と受贈者用との切り離し部分にて、二次元コードが表示された面を内側に折り合わされた構成であり、
この折られた状態において、二次元コードを視認できない構成であることを特徴とする請求項1に記載のサービスの提供方法。
【0010】
3.発給者によって、情報機器を介してアップロードされた複数の当初データを受信し、保存するステップと、
受給者から、情報機器を介して前記更新用コードからアクセスがあった際に、前記複数の当初データから1つ又は2以上の当初データを選択させるステップと、
前記選択された当初データの内容に情報を追加させ、又は、前記選択された当初データの内容を変更させることで更新データを作成させるステップと、
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のサービスの提供方法。
【0011】
4.情報伝達媒体が、郵便物であって、
前記郵便物を販売した発給者から、該郵便物を購入した受給者に対して該郵便物が引き渡される際には、更新用コードが表示された受給者用と、参照用コードが表示された受贈者用とが一体であり、
前記受給者が受贈者に対して郵便物を発送する際に、受給者用を切り取って発送する構成であり、
前記受給者から、情報機器を介して更新用コードからアクセスがあった際に、当初データの内容に、前記受贈者に対するメッセージ情報を追加させ、更新データを作成するステップと、
前記受贈者から、情報機器を介して参照用コードからアクセスがあった際に、前記更新データを閲覧又はダウンロードさせるステップを有すると共に、
前記郵便物に表示された内容と、前記更新データの内容が異なることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のサービスの提供方法。
【0012】
5.商品を購入すると、該商品を購入した者に対して少なくとも2種の二次元コードが表示された情報伝達媒体が発給される構成であり、
該商品を販売した発給者から、該商品を購入した受給者に該商品が引き渡される際には、更新用コードが表示された受給者用と、参照用コードが表示された受贈者用とが一体であり、
前記受給者が受贈者に対して該商品を引き渡しする際に、受給者用を切り取って引き渡しする構成であり、
前記受給者から、情報機器を介して更新用コードからアクセスがあった際に、当初データの内容に、前記受贈者に対するメッセージ情報を追加させ、更新データを作成するステップと、
前記商品を譲り受けた受贈者から、情報機器を介して参照用コードからアクセスがあった際に、前記更新データを閲覧又はダウンロードさせるステップを有する構成であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のサービスの提供方法。
【0013】
6.情報伝達媒体が、商品又は役務の料金を精算した際に発行される精算レシートであることを特徴とする請求項5に記載のサービスの提供方法。
【0014】
7.情報伝達媒体が、順番待ちの際に発行される受付番号シートであることを特徴とする請求項5に記載のサービスの提供方法。
【0015】
8.情報伝達媒体には、少なくとも3種の二次元コードが表示され、
前記3種の二次元コードは、参照用コード、更新用コード及び削除用コードであり、
前記削除用コードは、前記更新データを削除するため、又は、前記当初データと前記更新データを共に削除するためのコードであり、
情報機器を介して前記削除用コードからアクセスがあった際に、前記当初データ又は前記更新データを削除するステップを有することを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載のサービスの提供方法。
【0016】
9.ネットワークに接続されたコンピュータと、
少なくとも2種の二次元コードが表示された情報伝達媒体を発給する発給機を備え、
前記2種の二次元コードは、参照用コード及び更新用コードであり、
前記参照用コードは、前記発給者によって前記コンピュータにアップロードされた当初データ又は後述する更新データにアクセスするコードであり、
前記更新用コードは、前記当初データの内容に情報を追加し、又は当初データの内容を変更することで、更新データを作成するためのコードであり、
前記コンピュータは、
前記情報伝達媒体を発給する発給者によって、情報機器を介してアップロードされた当初データを受信し、保存する手段と、
情報機器を介して前記参照用コードからアクセスがあった際に、前記当初データ又は前記更新データを閲覧又はダウンロードさせる手段と、
前記情報伝達媒体の発給を受けた受給者から、情報機器を介して前記更新用コードからアクセスがあった際に、前記当初データの内容に情報を追加させ、又は、前記当初データの内容を変更させることで更新データを作成させる手段を有し、
前記発給機は、前記発給者の指令に基いて、前記情報伝達媒体を発給する手段を有する、
ことを特徴とするサービス提供システム。
【0017】
10.ネットワークに接続されたコンピュータによって実行され、少なくとも2種の二次元コードが表示された情報伝達媒体が、発給者によって発給され、これを受け取った受給者に情報が与えられるサービスの提供方法に用いられる情報伝達媒体であって、
前記2種の二次元コードは、参照用コード及び更新用コードであり、
前記参照用コードは、前記発給者によって前記コンピュータにアップロードされた当初データ又は後述する更新データにアクセスするコードであり、
前記更新用コードは、前記当初データの内容に情報を追加し、又は当初データの内容を変更することで、更新データを作成するためのコードであり、
前記コンピュータによって実行されるステップが、
前記発給者によって、情報機器を介してアップロードされた当初データを受信し、保存するステップと、
前記発給者からの指令によって、前記受給者に対して前記情報伝達媒体を発給するステップと、
前記発給者、前記受給者又は該受給者から前記情報伝達媒体を譲り受けた受贈者によって、情報機器を介して前記参照用コードからアクセスがあった際に、前記当初データ又は前記更新データを閲覧又はダウンロードさせるステップと、
前記受給者から、情報機器を介して前記更新用コードからアクセスがあった際に、前記当初データの内容に情報を追加させ、又は、前記当初データの内容を変更させることで更新データを作成させるステップと、を有する構成であり、
前記情報伝達媒体は、受給者用と受贈者用とで切り離しが可能であり、
受給者用の情報伝達媒体には、更新用コードが表示され、受贈者用の情報伝達媒体には、参照用コードが表示された構成であり、
前記情報伝達媒体は、発給者が受給者に対して発給する際には、受給者用と受贈者用とが切り離されず一体であり、
受給者が受贈者に対して譲り渡す際にこれらを切り離し、受贈者用のみを譲り渡す構成、
であることを特徴とする情報伝達媒体。
【0018】
11.請求項10に記載の情報伝達媒体であって、
前記情報伝達媒体が、郵便物であり、
前記郵便物を販売した発給者から、該郵便物を購入した受給者に対して該郵便物が引き渡される際には、更新用コードが表示された受給者用と、参照用コードが表示された受贈者用とが一体であり、
前記受給者が受贈者に対して郵便物を発送する際に、受給者用を切り取って発送する構成であり、
前記コンピュータによって実行されるステップが、
前記受給者から、情報機器を介して更新用コードからアクセスがあった際に、当初データの内容に、前記受贈者に対するメッセージ情報を追加させ、更新データを作成するステップと、
前記受贈者から、情報機器を介して参照用コードからアクセスがあった際に、前記更新データを閲覧又はダウンロードさせるステップを有すると共に、
前記郵便物に表示された内容が、前記更新データの内容とは異なることを特徴とする郵便物。
【0019】
本発明の参考発明として、以下の構成を挙げることができる。
参考発明1.ネットワークに接続されたコンピュータによって実行され、
少なくとも3種の二次元コードが表示された情報伝達媒体が、発給者によって発給され、これを受け取った受給者に情報が与えられるサービスの提供方法であって、
前記3種の二次元コードは、参照用コード、更新用コード及び削除用コードであり、
前記参照用コードは、前記発給者によって前記コンピュータにアップロードされた当初データ又は後述する更新データにアクセスするコードであり、
前記更新用コードは、前記当初データの内容に情報を追加し、又は当初データの内容を変更することで、更新データを作成するためのコードであり、
前記削除用コードは、前記更新データを削除するため、又は、前記当初データと前記更新データを共に削除するためのコードであり、
前記コンピュータによって実行されるステップが、
前記発給者によって、情報機器を介してアップロードされた当初データを受信し、保存するステップと、
前記発給者からの指令によって、前記受給者に対して前記情報伝達媒体を発給するステップと、
前記発給者、前記受給者又は該受給者から前記情報伝達媒体を譲り受けた受贈者によって、情報機器を介して前記参照用コードからアクセスがあった際に、前記当初データ又は前記更新データを閲覧又はダウンロードさせるステップと、
前記受給者から、情報機器を介して前記更新用コードからアクセスがあった際に、前記当初データの内容に情報を追加させ、又は、前記当初データの内容を変更させることで更新データを作成させるステップと、
情報機器を介して前記削除用コードからアクセスがあった際に、前記当初データ又は前記更新データを削除するステップと、
を有することを特徴とするサービスの提供方法。
【0020】
参考発明2.発給者によって、情報機器を介してアップロードされた複数の当初データを受信し、保存するステップと、
受給者から、情報機器を介して前記更新用コードからアクセスがあった際に、前記複数の当初データから1つの当初データを選択させるステップと、
前記選択された当初データの内容に情報を追加させ、又は、前記選択された当初データの内容を変更させることで更新データを作成させるステップと、
を有することを特徴とする参考発明1に記載のサービスの提供方法。
【0021】
参考発明3.情報伝達媒体が、商品又は役務の料金を精算した際に発行される精算レシートであり、
当初データが、販売店に関する情報若しくは役務を提供する場所に関する情報、又は、販売する商品若しくは提供する役務に関する情報であり、
更新データが、前記当初データに購入店に関する情報若しくは役務の提供を受けた店に関する情報、又は、購入した商品若しくは提供を受けた役務に関する情報を、受給者が追加したことによって作成されたデータである、
ことを特徴とする参考発明1又は2に記載のサービスの提供方法。
【0022】
参考発明4.情報伝達媒体が、順番待ちの際に発行される受付番号シートであり、
当初データが、販売店に関する情報若しくは役務を提供する店に関する情報、又は、販売する商品若しくは提供する役務に関する情報であり、
更新データが、前記当初データに購入店に関する情報若しくは役務の提供を受けた店に関する情報、又は、購入した商品若しくは提供を受けた役務に関する情報を、受給者が追加したことによって作成されたデータである、
ことを特徴とする参考発明1又は2に記載のサービスの提供方法。
【0023】
参考発明5.参照用コードが、商品、商品に付加するもの又は商品の包装に表示され、
前記商品を購入した者には、3種の二次元コードが表示された情報伝達媒体が発給されるサービスの提供方法であって、
受給者から、情報機器を介して更新用コードからアクセスがあった際に、当初データの内容に、前記商品を譲り受ける者に対するメッセージ情報を追加させ、更新データを作成するステップと、
前記商品を譲り受けた受贈者から、情報機器を介して参照用コードからアクセスがあった際に、前記更新データを閲覧又はダウンロードさせるステップと、
を有することを特徴とする参考発明1又は2に記載のサービスの提供方法。
【0024】
参考発明6.参照用コードが郵便物に表示され、受給者が受贈者に対して郵便物を発送することによって、受贈者に該参照用コードが教示され、
前記郵便物を購入した受給者には、3種の二次元コードが表示された情報伝達媒体が発給されるサービスの提供方法であって、
受給者から、情報機器を介して更新用コードからアクセスがあった際に、当初データの内容に、前記商品を譲り受ける者に対するメッセージ情報を追加させ、更新データを作成するステップと、
前記商品を譲り受けた受贈者から、情報機器を介して参照用コードからアクセスがあった際に、前記更新データを閲覧又はダウンロードさせるステップとを有し、
前記郵便物に表示された内容と、前記更新データの内容が異なることを特徴とする参考発明1又は2に記載のサービスの提供方法。
【0025】
参考発明7.ネットワークに接続されたコンピュータと、
少なくとも3種の二次元コードが表示された情報伝達媒体を発給する発給機を備え、
前記3種の二次元コードは、参照用コード、更新用コード及び削除用コードであり、
前記参照用コードは、前記発給者によって前記コンピュータにアップロードされた当初データ又は後述する更新データにアクセスするコードであり、
前記更新用コードは、前記当初データの内容に情報を追加し、又は当初データの内容を変更することで、更新データを作成するためのコードであり、
前記削除用コードは、前記更新データを削除するため、又は、前記当初データと前記更新データを共に削除するためのコードであり、
前記コンピュータは、
前記情報伝達媒体を発給する発給者によって、情報機器を介してアップロードされた当初データを受信し、保存する手段と、
情報機器を介して前記参照用コードからアクセスがあった際に、前記当初データ又は前記更新データを閲覧又はダウンロードさせる手段と、
前記情報伝達媒体の発給を受けた受給者から、情報機器を介して前記更新用コードからアクセスがあった際に、前記当初データの内容に情報を追加させ、又は、前記当初データの内容を変更させることで更新データを作成させる手段と、
情報機器を介して前記削除用コードからアクセスがあった際に、前記当初データ又は前記更新データを削除する手段とを有し、
前記発給機は、前記発給者の指令に基いて、前記情報伝達媒体を発給する手段を有する、
ことを特徴とするサービス提供システム。
【発明の効果】
【0026】
上記1に示す発明によれば、参照用コード及び更新用コードという2つの二次元コードを発給することで、これらにアクセスするという簡単な操作でサービスを利用することができる。
【0027】
詳しくは、発給者により、当初データというフォーマットが提供され、受給者は、このフォーマットに任意の情報を追加するという簡単な操作で更新データを作成することができる。この更新データは、受給者の意思が込められた内容に作成することができ、受贈者へのメッセージとして利用することができ、利用者の興味を惹く趣向性を備えたサービスを提供することができる。
【0028】
また、情報伝達媒体は、受給者用と受贈者用とで切り離しが可能な構成であり、受給者用の情報伝達媒体には更新用コードが表示され、受贈者用の情報伝達媒体には参照用コードが表示された構成である上で、発給者が受給者に対して発給する際、には、即ち情報伝達媒体の提供時(販売時)において受給者用と受贈者用とが切り離されず一体である。そのため、受給者がアクセスする更新用コードと受贈者がアクセスする参照用コードは常に一対であって、混同する恐れがない構成であり、受給者と受贈者が同じデータを共有する仕組みを確保することができる。
【0029】
更にまた、発給者は、当初データに広告宣伝に関する情報を含ませることができ、この広告宣伝を含む当初データをフォーマットとして使用させ、受給者及び/又は受贈者に対して宣伝効果を得ることができる。更に、この当初データを基にした更新データが、受給者及び/又は受贈者によってSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等を利用して拡散されれば、宣伝効果を更に高めることができる。
【0030】
上述した趣向性の向上と広告宣伝による効果とが相俟って、本サービスの利用を促進させることができる。
【0031】
上記2に示す発明によれば、情報伝達媒体の二次元コードが表示された面が内側に折り合わされ、この折り合わされた状態で二次元コードを視認できない構成であるため、受給者又は受贈者以外の者に当該二次元コードを見られることがない。例えば、情報伝達媒体を提供する前の段階(例えば、販売のため店頭に展示された状態。)において二次元コードを視認可能な状態であれば、第三者による不正なアクセスが可能となるが、本発明の構成によりこれを防止することができる。
【0032】
上記3に示す発明によれば、当初データとして複数のフォーマットを提示し、受給者にこれを選択させることができる。これにより、受給者は、商品や役務を使用した感想等の情報を表現する幅が広まり、受給者によるサービス利用の満足度を向上させることができる。また、これを閲覧する受贈者にとっても、得られる情報量は増加し、サービス利用による満足度の向上を図ることができる。
【0033】
上記4に示す発明によれば、例えば年賀状等に関するサービスに応用することで、年賀状には直接表示されないが、受取人(受贈者)が参照用コードにアクセスすることで、差出人がアップロードした特定の写真等を閲覧することができる。
また、差し出す相手によって異なる参照用コードを年賀状に表示すれば、差し出す相手によって異なる写真等の更新データを提供することができる。
更にまた、上記特定の写真等は、差出人(受給者)が更新用コードを使用して実質的に削除することもでき、例えば期間限定の閲覧という利用方法を提供することができる。
【0034】
上記5~7に示す発明によれば、店舗等において、商品の販売や役務の提供に伴って発行されることが一般的な精算レシートやこれに付随して発行される割引券等を利用して、2種の二次元コードを提供することができれば、この二次元コードを受給者に対して確実に手渡すことができる。
特に、常時発行される精算レシートを利用することにより、別途印刷物等を発行する必要がなく、その分の手間やコストを削減することができる。
また、順番待ちの顧客のために発行される受付番号シートを利用することによっても、、別途印刷物等を発行する必要がなく、その分の手間やコストを削減することができる。
【0035】
上記8に示す発明によれば、上述の2種の二次元コード(参照用コード及び更新用コード)に加え、削除用コードを付与することにより、当初データや更新データの公開を簡単な方法で停止することができる。
【0036】
上記9に示す発明によれば、上記1に示す発明と同様に、簡単な操作で利用でき、趣向性の向上と広告宣伝による効果とが相俟って、本システムの利用を促進させることができる。
【0037】
上記10~11に示す発明によれば、上記1~9に示されるサービスの提供方法又はサービス提供システムに最適な情報伝達媒体及びこれに含まれる郵便物を提供することができる。
【0038】
上記参考発明1に示す発明によれば、参照用コード、更新用コード及び削除用コードという3つの二次元コードを発給することで、これらにアクセスするという簡単な操作でサービスを利用することができる。
【0039】
詳しくは、発給者により、当初データというフォーマットが提供され、受給者は、このフォーマットに任意の情報を追加するという簡単な操作で更新データを作成することができる。この更新データは、受給者の意思が込められた内容に作成することができ、受贈者へのメッセージとして利用することができ、利用者の興味を惹く趣向性を備えたサービスを提供することができる。
【0040】
また、発給者は、当初データに広告宣伝に関する情報を含ませることができ、この広告宣伝を含む当初データをフォーマットとして使用させ、受給者及び/又は受贈者に対して宣伝効果を得ることができる。更に、この当初データを基にした更新データが、受給者及び/又は受贈者によってSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等を利用して拡散されれば、宣伝効果を更に高めることができる。
【0041】
上述した趣向性の向上と広告宣伝による効果とが相俟って、本サービスの利用を促進させることができる。
【0042】
上記参考発明2に示す発明によれば、当初データとして複数のフォーマットを提示し、受給者にこれを選択させることができる。これにより、受給者は、商品や役務を使用した感想等の情報を表現する幅が広まり、受給者によるサービス利用の満足度を向上させることができる。また、これを閲覧する受贈者にとっても、得られる情報量は増加し、サービス利用による満足度の向上を図ることができる。
【0043】
上記参考発明3に示す発明によれば、店舗等において、商品の販売や役務の提供に伴って発行されることが一般的な精算レシートを利用して、3種の二次元コードを提供することができれば、この二次元コードを受給者に対して確実に手渡すことができる。
また、常時発行される精算レシートを利用することにより、別途印刷物等を発行する必要がなく、その分の手間やコストを削減することができる。
【0044】
上記参考発明4に示す発明によれば、情報伝達媒体として、店舗等において順番待ちの際に発行される受付番号シートを利用することで、別途印刷物等を発行する必要がなく、その分の手間やコストを削減することができる。
また、受給者にとっても、順番を待つ時間に当初データを閲覧し、更新データを作成することができるので、待ち時間を有効に活用することができるし、発給者にとっても、受給者に時間潰しとしてのツールを提供することができ、長い待ち時間による来客(受給者)からの苦情を減少させ、順番を待つ客の離脱を抑制することができる。
【0045】
上記参考発明5に示す発明によれば、3種の二次元コードが表示された情報伝達媒体とは別に、商品等に参照用コードが表示された構成であり、商品等を手にした者の眼に触れ易いので、受給者又は受贈者によって当初データ又は更新データが閲覧される確率が高まることを期待できる。
また、当初データを作成していない時点において商品等に参照用コードを表示させ、商品を生産後に当初データをアップロードすることができるので、商品の作り置きも可能となる。
【0046】
上記参考発明6に示す発明によれば、例えば年賀状等に関するサービスに応用することで、年賀状には直接表示されないが、受取人が参照用コードにアクセスすることで、差出人がアップロードした特定の写真等を閲覧することができる。
また、差し出す相手によって異なる参照用コードを年賀状に表示すれば、差し出す相手によって異なる写真等の更新データを提供することができる。
更にまた、上記特定の写真等は、差出人が削除用コードを使用して削除することもでき、例えば期間限定の閲覧という利用方法を提供することができる。
【0047】
上記参考発明7に示す発明によれば、上記1に示す発明と同様に、簡単な操作で利用でき、趣向性の向上と広告宣伝による効果とが相俟って、本システムの利用を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】本発明に係る二次元コードの配布によるサービスの提供方法及びサービス提供システムを示すブロック構成図
【
図2】本発明に係る二次元コードの配布によるサービスの提供方法及びサービス提供システムを示すフローチャート
【
図6】発給者から受給者に提供される時点における情報伝達媒体7の一実施例を表す概略説明図
【
図7】受給者が入手した後における情報伝達媒体7の一実施例を表す概略説明図
【
図8】情報伝達媒体7を受け取った受贈者がアクセスにより閲覧できる更新データの様子
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明に係る二次元コードの配布によるサービスの提供方法サービス提供システム及びこれらに用いられる情報伝達媒体について、図面に従って説明する。
【0050】
図1は、本発明に係る二次元コードの配布によるサービスの提供方法及びサービス提供システムを示すブロック構成図、
図2は、本発明に係る二次元コードの配布によるサービスの提供方法及びサービス提供システムを示すフローチャートである。
【0051】
図1に示されるブロック構成図と
図2に示されるフローチャートでは、本発明を実施する上で必要なステップを記載したが、その他のステップが追加されることを妨げるものではない。
【0052】
図1に示されるとおり、本発明は、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ1が、発給者2、受給者3又は受贈者4のいずれかからの指令を受けて、所定の動作するものである。また、前記発給者2、受給者3又は受贈者4の他、本発明に係るサービスの提供及びサービス提供システムを管理する第三者(管理者)又はこれを運営する第三者(運営者)が、コンピュータ1に対して指令を与えることもある。
【0053】
ここで、本発明で用いられる用語について説明する。
【0054】
本発明におけるコンピュータ1とは、インターネット等のネットワークに接続され、発給者2等がパーソナルコンピュータやスマートフォンなどの情報機器からネットワークを介して接続することができる電子計算機である。なお、コンピュータ1は、一般的な定義においてコンピュータに属するサーバ等を含む概念である。
コンピュータ1の役割や作用については後述するが、本発明に係るサービスの提供及びサービス提供システムを実施する上で、同じネットワークに接続された複数のコンピュータ1が使用され、その役割が分担されてもよい。
【0055】
発給者2とは、少なくとも2種の二次元コード6が表示された情報伝達媒体5を、受給者2対して発給する者である。自然人の他、法人や団体又はその従業員がこれに当たる場合もある。例えば、店舗におけるサービスの提供であれば、店舗側が該当する。
また、本発明に係る二次元コード6の配布によるサービスの提供方法及びサービス提供システムが、発給者2が委託した第三者(管理者)又はこれを運営する運営者によって管理・運用される場合は、発給者2の指令が、この管理者や運営者によって行われる場合がある。
【0056】
受給者3とは、発給者2から情報伝達媒体5を発給され、これを受け取った者である。主に自然人が該当するが、法人や団体又はその従業員がこれに当たる場合もある。例えば、店舗におけるサービスの提供であれば、購入者を該当する。
【0057】
受贈者4は、受給者3から情報伝達媒体5を受け取った者である。例えば、店舗におけるサービスの提供であれば、商品を購入した受給者3が、商品と共に情報伝達媒体5を発給者2から受け取り、受給者3からこの商品と共に情報伝達媒体5を更に譲渡された者が、これに該当する。
【0058】
二次元コード6とは、横方向にしか情報を持たない一次元コード(バーコード等)に対し、水平方向と垂直方向に情報を持つ表示方式のコードのことである。
本発明に用いられる二次元コード6としては、QRコード(登録商標)などの小さな正方形を二次元的に配列させたマトリックスコードを用いることができる。また、バーコード(コードとしては一次元配列であるが、パターンとしては二次元であり、本明細書では二次元コードに含むものとする)や、一次元のバーコードを上下に重ねたスタックコードを用いることもできる。
【0059】
本発明では、少なくとも2種の二次元コード6が、情報伝達媒体に表示される。
2種の二次元コードとは、後述する参照用コード61及び更新用コード62であり、これらに削除用コード63を加えて3種の二次元コードを用いることもできる。
【0060】
参照用コード61とは、発給者2によってコンピュータ1にアップロードされた後述する当初データD1又は更新データD3にアクセスするための二次元コードである。
この参照用コード61には、スマートフォンなどの情報機器で撮影することで、コンピュータ1に保存された当初データD1又は更新データD3にアクセスするように、URL(「Uniform Resource Locator」の略称。以下、同じ。)情報が格納される。
【0061】
更新用コード62とは、当初データD1の内容に追加データD2を追加し、又は当初データD1の内容を変更することで、更新データD3を作成するための二次元コードである。
この更新用コード62には、スマートフォンなどの情報機器で撮影することで、コンピュータ1に保存された当初データD1又はすでに作成された更新データD3にアクセスし、これらに情報を追加することや、これらの情報を変更することができるサイトやツールにアクセスするように、URL等の情報が格納される。
【0062】
削除用コード63とは、当初データD1若しくは更新データD3を削除するため、又は、当初データD1と更新データD3を共に削除するためのコードである。
この削除用コード63には、スマートフォンなどの情報機器で撮影することで、コンピュータ1に保存された当初データD1又は更新データD3を削除する指令、又は、当初データD1又は更新データD3を削除するためのサイトにアクセスするように、URL情報が格納される。
【0063】
本発明における情報伝達媒体5とは、紙媒体の他、情報機器に保存されディスプレイに表示される形態や、合成樹脂や繊維によって形成されたシート等、二次元コード6を表示することが出来る全ての媒体を含む概念であり、その内容に限定はない。
情報伝達媒体5が紙媒体である場合、例えば、商品を購入した際に発行されるレシートや順番待ちの際に発行される受付番号シートのような感熱紙を使用することができ、その他、ハガキやシールを情報伝達媒体5として使用することもできる。
【0064】
なお、情報伝達媒体5には、ここに表示された二次元コード6が、参照用コード61、更新用コード62又は削除用コード63のいずれであるか分かり易いように、文字や目印等によって示されることが好ましい。これにより、例えば、受給者3が本来手元に残すべき更新用コード62と、受贈者4に渡すべき参照用コード61とを取り違える等の問題を防止・抑制することができる。
【0065】
なおまた、情報伝達媒体には、データ(当初データ、追加データ、更新データを含む。)の保存期間に期限があること等を受給者や受贈者に知らせるため、注意書き(
図7における符号74参照。)を設けることが好ましい。この注意書きを設けることによって、受給者や受贈者に対してデータの保存期間が有限であることを確実に伝えることができる。注意書きには、上記保存期間の他、利用規約を記載してもよい。
更に、例えば後述する実施例6のように、情報伝達媒体7が受給者71と受贈者側72とに分かれている場合、受給者71が切り取り線73でこれらを切り離したことによって、注意書きに記載された事項に同意したことを意味する構成としてもよい。
【0066】
発給機21とは、少なくとも2種の二次元コード6が表示された情報伝達媒体5を発給することができる機器である。発給機21は、発給者2の指令によって情報伝達媒体5を発給する。
発給者2の指令は、情報機器端末5を利用してコンピュータ1に指令を送り、このコンピュータ1から発給機21に対して発給の指令を送信する手段の他、発給者2が直接発給機21に対して指令を送信することや、情報機器端末から発給機21に直接指令を送信する手段を採用することができる。
【0067】
情報伝達媒体5が紙媒体であれば、チケット発券機やプリンターがこれに該当する。また、情報伝達媒体5が情報機器に表示される形態である場合には、二次元コード6についての電子データを、受給者3が有する情報機器等に送信することができる機器が該当する。
【0068】
当初データD1とは、発給者2によって、コンピュータ1に最初にアップロードされたデータファイルである。
当初データD1の内容に限定はないが、例えば、画像データ、映像データ、音楽データ等を挙げることができる。また、更に具体的に例示すれば、画像データの一部として使用されるフレーム画像を挙げることができる。フレーム画像には、写真・イラスト等を含む図のほか、文字等が含まれることがある。
【0069】
追加データD2とは、後述する更新データD3を作成するため、当初データD1に追加するデータファイルである。
追加データD2の内容に限定はないが、例えば、画像データ、映像データ、音楽データ等を挙げることができる。また、更に具体的に例示すれば、当初データD1の内容が画像データの一部として使用されるフレーム画像であった場合は、このフレーム画像に当て嵌める任意の写真・図形や文字(追加データD2)であり、フレーム画像(当初データD1)に受給者3の顔写真(追加データD2))を追加し、更新データD3を作成することを挙げることができる。
【0070】
更新データD3とは、受給者3によって作成されたデータファイルであり、当初データD1の内容に情報(追加データD2)を追加し、又は当初データD1の内容を変更することで作成されたデータファイルである。
更新データD3の内容に限定はないが、例えば、画像データ、映像データ、音楽データ等を挙げることができる。また、更に具体的に例示すれば、当初データD1の内容が画像データの一部として使用されるフレーム画像であった場合は、このフレーム画像に、受給者3が任意の写真・図形や文字(追加データD2)を追加することや、フレーム画像の一部を変更することを挙げることができる。
【0071】
次に、本発明におけるコンピュータ1の動作について、
図1~2に従って説明する。
なお、上述する(1)~(10)の符号は、
図1における(1)~(10)で符号と行動が一致する。
【0072】
(1)発給者2又は管理者5によって、情報機器を介して指令(コマンド)が送信され、当初データD1が送信(アップロード)された場合は、この当初データD1を受信し、保存する。
発給者2等から、複数の当初データD1が送信された場合は、これらの複数の当初データD1の全てを受信し、保存することが好ましい。
なお、受信した当初データD1を暗号化し、暗号データとすることが好ましい。
【0073】
(2)発給者2又は発給機21からの指令(コマンド)によって、(3)コンピュータ1は発給機21に対してIDを発行し、(4)発給機21は受給者3に対して、該IDからなる二次元コードが表示された情報伝達媒体5を発給する。なお、当初データD1が暗号化された構成の場合は、該IDと暗号解除コードからなる二次元コードが表示された情報伝達媒体5を発給する。
前述のとおり、情報伝達媒体5は様々な形態が想定されるが、例えば、紙媒体である場合は、発券機やプリンター等の発給機21によって、受給者3に対して情報伝達媒体5を発行(発給)する。
【0074】
(5)受給者3から、情報機器を介して更新用コード62からアクセスがあった際に、受給者3の指令(コマンド)に基いて当初データD1の内容に追加データD2を追加し、又は、当初データD1の内容を変更する。この追加・変更によって、更新データD3を作成し、保存する。
【0075】
更新用コード62からアクセスがあった際に、複数の当初データD1が保存されている場合は、1つの当初データD1を選択するステップを設け、この選択された当初データD1を対象として更新データD3を作成する構成としてもよい。
【0076】
受給者3によって、1回目の更新データD3が作成された後は、次に更新用コード62からアクセスがあった際に、この1回目の更新データD3を追加・変更の対象とすることができる。この要領で、2回目、3回目・・・の更新データD3を作成し、保存する。
なお、当初データD1と同様に、更新データD3も暗号化し、暗号データとすることが好ましい。
【0077】
(6)受給者2は、受贈者3に対して参照用コード61を教示する。
(7)受贈者4(場合によって受給者3)によって、情報機器を介して参照用コード61からアクセスがあった際に、(8)当初データD1又は更新データD3を表示し、又はこの当初データD1等を受給者3等の情報機器に送信(ダウンロード)する。
また、設定により、受給者3によって更新データD3が作成された場合にのみ、参照用コード61からのアクセスに対して表示・ダウンロードをする構成としてもよい。
【0078】
(9)受給者3等から、情報機器を介して削除用コード63からアクセスがあった際に、当初データD1又は更新データD3を削除する。削除用コード63からのアクセスによって削除用サイトを展開し、この削除用サイトからの指令(コマンド)を送信し、当初データD1又は更新データD3を削除する構成としてもよい。
また、削除するステップにおいて、パスワード等の入力を求める構成としてもよい。
【0079】
(10)コンピュータ1は、発給者2の求めに応じて又は予め設定された内容にしたがって自動的に、発給者2に対して本サービスの利用情報を送信する。
本サービスの利用情報は、コンピュータ1へのアクセス状況や、更新データD3の内容等である。
【0080】
上述したコンピュータ1による動作は、発給者2等の指令(コマンド)に基く他、管理者や運用者の指令に基く場合がある。
【0081】
二次元コードの作成について、以下に補足する。
上記(1)~(10)において用いられた用語のうち、IDとは、データを識別するための情報であり、ここでは当初データD1や更新データD3が保存されたURL等の情報が該当する。また、暗号解除コードとは、コンピュータ1にアップロードされ、ここで暗号化された当初データD1や更新データD3の暗号データを解除するためのコードである。この暗号解除コードは、発給機21によって生成される。
【0082】
二次元コードは、発給機21によって作成される構成である。即ち、発給機21からの指令によって、コンピュータ1は発給機21に対してIDを発行するが、該IDからなる二次元コードは作成しない構成である。該IDを受け取った発給機21が、これに基づく二次元コードを作成し、情報伝達媒体5に表示する構成である。
【0083】
ここで、コンピュータ1が、受信した当初データD1や更新データD3を暗号化する構成である場合は、該IDと暗号解除コードからなる二次元コードを作成し、これを情報伝達媒体5に表示する。
【0084】
この構成を採用することにより、コンピュータ1は、IDに対応する暗号データ(当初データD1又は更新データD3が暗号化されたデータ)を管理するが、暗号解除コードは管理しない構成なので、仮に、第三者にIDが知られ当初データD1や更新データD3にアクセスされたとしても、暗号を解除できないため閲覧できない。よって、当初データD1や更新データD3は、暗号解除コードが含まれた二次元コードを手にした受給者3又は受贈者4からのアクセスでなれば閲覧できない構成であるため、セキュリティ性が高く、プライバシーを保護することができる。
【0085】
・実施例1
情報伝達媒体5として、「精算レシート」を利用する実施例について説明する。
精算レシート51は、客が店舗等に対して商品又は役務の料金を支払った際に、店側が領収書等として発行する紙媒体であり、例えば、スーパー等で代金を支払った後に発行され、単にレシートと呼称されるものがこれに該当する。
【0086】
この実施例について、
図3に従って説明する。
この実施例は、主に商品を販売又は役務を提供する店舗におけるサービスを想定しており、例えば、発給者2は店舗、受給者3は客である。
【0087】
まず、(1)発給者2である店舗は、画像ファイル等の当初データD1をコンピュータ1にアップロードする。当初データD1には、店舗や商品・役務に関する情報を含ませることが好ましい。また、例えば、商品がプレゼント品である場合には、「お誕生日おめでとう」や「ありがとう」などのメッセージが含まれる画像データ等を当初データD1とすることが好ましい。
コンピュータ1は、この当初データD1を受信し、保存する。
【0088】
次に、代金の精算が行われた際に、店舗(発給者2)から客(受給者3)へ少なくとも2種の二次元コードが表示された精算レシート51(情報伝達媒体5)を発給する。
コンピュータ1は、店舗(発給者2)からの指令により、レジスター等を発給機21として、二次元コードが表示された精算レシート51(情報伝達媒体5)を発行する。
詳しくは、(2)店舗(発給者2)がコンピュータ1に対してIDを発給するよう指令し、(3)コンピュータ1から発給者2にIDを発給し、(4)店舗(発給者2)から客(受給者3)へ少なくとも2種の二次元コードが表示された精算レシート51(情報伝達媒体5)を発行する。
【0089】
精算レシート51を受け取った客(受給者3)は、(5)情報機器等を利用して更新用コード62からコンピュータ1へアクセスし、自己の写真など任意の画像ファイル等(追加データD2)をアップロードし、更新データD3を作成する。例えば、購入した商品がプレゼント品である場合には、「お誕生日おめでとう」や「ありがとう」などのメッセージが含まれる画像データ等を当初データD1に、自己の顔写真や、プレゼントを渡す者へのメッセージ文字等を追加することが好ましい。
コンピュータ1は、客(受給者3)からアップロードされた画像ファイル等(追加データD2)を受信し、客(受給者3)からの指令によって当初データD1にこれを追加等して、更新データD3を作成して保存する。
【0090】
(6)客(受給者3)は、主に家族や友人などの受贈者4に対して参照用コード61を教示する。なお、
図3では、後述する実施例3の説明を兼ねているため、受贈者4に渡される参照用コード61が商品(図の例ではケーキ。)に付加するもの(図の例ではメッセージプレート。)に表示されているが、紙媒体等に参照用コード61が表示され、これを受贈者4に手渡す態様であってもよい。
その後、(7)受贈者4は、情報機器等を利用して参照用コード61からコンピュータ1へアクセスし、更新データD3を閲覧する。例えば、客(受給者3)からプレゼントを受け取った際に、この参照用コード61を受け取れば、お祝いのメッセージ等を含む更新データD3を閲覧することができる。
(8)コンピュータ1は、参照用コード61を介して受贈者4からアクセスがあった場合は、更新データD3を閲覧可能とし、ダウンロード可能としてもよい。
【0091】
この実施例1では、本発明に係るサービス又はシステムをメッセージカードの如く利用することができると共に、店舗(発給者2)としては、当初データD1に、店に関する情報若しくは役務の提供をする店に関する情報、又は、販売する商品若しくは提供する役務に関する情報を掲載することで、広告宣伝効果をも期待できる。
【0092】
・実施例2
情報伝達媒体5として、「受付番号シート」を利用する実施例について説明する。
受付番号シート52は、店舗等で客が順番待ちをする際に発行される紙媒体であり、これに受付番号等が記載されたものである。
【0093】
この実施例について、
図4に従って説明する。
この実施例でも、主に商品を販売又は役務を提供する店舗、特に行列ができる店など客に順番待ちをさせることが多い店舗におけるサービスを想定しており、例えば、発給者2は店舗、受給者3は客である。
【0094】
まず、(1)発給者2である店舗は、画像ファイル等の当初データD1をコンピュータ1にアップロードする。当初データD1には、店舗や商品・役務に関する情報を含ませることが好ましい。
コンピュータ1は、この当初データD1を受信し、保存する。
【0095】
次に、来店した客(受給者3)に対して、受付番号シート52を発券する。この受付番号シート52には、少なくとも2種の二次元コード6が表示されている。
コンピュータ1は、店舗(発給者2)からの指令により、受付番号シート52の発券機等を発給機21として、二次元コード6が表示された受付番号シート52(情報伝達媒体5)を発券する。
詳しくは、(2)店舗(発給者2)がコンピュータ1に対してIDを発給するよう指令し、(3)コンピュータ1から発給者2にIDを発給し、(4)店舗(発給者2)から客(受給者3)へ少なくとも2種の二次元コードが表示された受付番号シート51(情報伝達媒体5)を発行する。店舗(発給者2)からコンピュータ1に対しての指令は、客(受給者3)が発券機を操作することで、自動的に信号が送信される構成であってもよい。
【0096】
受付番号シート52受け取った客(受給者3)は、(5)情報機器等を利用して更新用コード62からコンピュータ1へアクセスし、自己の写真など任意の画像ファイル等(追加データD2)をアップロードし、更新データD3を作成する。順番待ちをする店は、人気店であることが多く、客(受給者3)は、この人気店を訪れたことやお店の雰囲気などを文字や画像で表現して更新データD3を作成することができる。
コンピュータ1は、客(受給者3)からアップロードされた画像ファイル等(追加データD2)を受信し、客(受給者3)からの指令によって当初データD1にこれを追加等して、更新データD3を作成して保存する。
【0097】
(6)客(受給者3)は、主に家族や友人などの受贈者4に対して参照用コード61を教示する。その後、(7)受贈者4は、情報機器等を利用して参照用コード61からコンピュータ1へアクセスし、更新データD3を閲覧する。受贈者4は、受給者3が人気店を訪れた事実や、その店の雰囲気を知ることができる。
(8)コンピュータ1は、参照用コード61を介して受贈者4からアクセスがあった場合は、更新データD3を閲覧可能とし、ダウンロード可能としてもよい。
【0098】
この実施例2では、客(受給者3)の立場として、順番待ちの時間を利用して更新データD3を作成することができ、待ち時間を有効活用することができるし、店舗(発給者2)の立場としては、客(受給者3)が退屈しないように趣向性のあるツールを提供することができ、これに伴って、順番待ちから離脱する客を抑制する等、営業的な効果を期待できる。
また、実施例1と同様に、店舗(発給者2)としては、当初データD1に、店に関する情報若しくは役務の提供をする店に関する情報、又は、販売する商品若しくは提供する役務に関する情報を掲載することで、広告宣伝効果も期待できる。
【0099】
・実施例3
参照用コード61を、情報伝達媒体5とは別に、商品、商品に付加するもの又は商品の包装にも表示する実施例について説明する。
この実施例3では、当初データD1のアップロードから更新データD3の作成など、一連のステップは実施例1~2と共通であるため説明を省略する。
【0100】
この実施例3は、店舗(発給者2)が販売等する商品その物に、参照用コード61を表示するものである。参照用コード61は、商品その物に限られず、商品に付加するものや商品の包装等に表示してもよい。
例えば、店舗(発給者2)が販売する商品がクッキー等の焼き菓子である場合、この焼き菓子の表面に焼印のように参照用コードを印字する手段を挙げることができる。また、商品がケーキである場合、ケーキの上にチョコレート等でできたメッセージプレートが添えられることがあるが、このメッセージプレートに参照用コード61を印字する手段を挙げることができる(
図3参照)。
【0101】
実施例1~2では、客(受給者3)が受贈者4に対して、参照用コード61が表示された紙媒体を手渡す、又は参照用コードをメール等で送信するなどの行為を行う必要がある。しかし、この実施例3では、商品、商品に付加するもの又は商品の包装に参照用コード61が表示されているので、別途参照用コード61を知らせる必要がない。
【0102】
また、本発明は、ある特定の二次元コード(参照用コード61)が存在する場合、この二次元コード(参照用コード61)によってアクセスされるサイト等に当初データD1又は更新データD3を後発的にアップロードすることができるので、商品に二次元コードを印字等した後に、ここから得られる情報をアップロードできるという利点がある。
【0103】
すなわち、従来から知られる二次元コードが印字された菓子等の食品は、この食品が生産され二次元コードが印字される段階において、この二次元コードからアクセスされ、またはこの二次元コードに格納される情報は決定されていなければならず、またはこの二次元コードに格納される情報を頻繁に変更する場合は、食品の作り置きができないという欠点があった。
【0104】
しかし、本発明によれば、二次元コード6によってアクセスできるサイトや、二次元コード6に格納される情報を後発的に作成し又は更新することができるので、商品の作り置きが可能になるという利点がある。
【0105】
・実施例4
実施例1~3では、店舗(発給者2)が直接、本発明に係る二次元コードの配布によるサービスの提供方法及びサービス提供システムを実施(管理・運営)する態様であるが、本発明は上述のような態様に限定されるものではない。
実施例4として、本発明に係る二次元コードの配布によるサービスの提供方法及びサービス提供システムを、店舗等(発給者2)とは別の第三者が実施する態様について説明する。
【0106】
実施例4において、本発明に係る二次元コードの配布によるサービスの提供方法及びサービス提供システムを実施する者は、店舗等から管理を委託された第三者(管理者)、又は、店舗等をクライアントとして当該サービス等を提供し、運営する第三者(運営者)である。
【0107】
即ち、この実施例4では、当初データD1の作成・アップロードや、情報伝達媒体5の発給など、発給者2が行う行為の一部又は全部が、上記管理者又は運営者によって行われる。
なお、この実施例4でも、当初データD1のアップロードから更新データD3の作成など、一連のステップは実施例1~2と共通であるため説明を省略する。
【0108】
実施例4によれば、本発明に係る二次元コードの配布によるサービスの提供方法及びサービス提供システムの実施に当たり、管理者が、店舗等から管理料等を得ることや、運営者が、店舗等からサービス提供の対価を得ることができ、店舗等が自ら管理・運営する実施例1~2等の態様とは異なるビジネスモデルを提案することができる。
【0109】
上述した実施例3~4は、実施例1~2又は後述する実施例5に付加するサービスとして利用することができ、実施例1~2又は後述する実施例5の内容に、実施例3、4又は両方を付加して、本発明に係る二次元コードの配布によるサービスの提供方法及びサービス提供システムを実施してもよい。
【0110】
・実施例5
受給者3が受贈者4に対して、参照用コード61を教示する手段として、「郵便物」を利用する実施例について説明する。
本発明における郵便物とは、郵便はがきの他、郵便に使用する封筒やこれに封入される便箋等を含むものである。また、郵便物自体に参照用コード61が表示される態様に限らず、郵便物に参照用コード61が表示されたシール等を貼付する態様も含む。
【0111】
この実施例では、例えば年賀状、暑中見舞い又はクリスマスカードなど、多数の郵便物が扱われるサービスを想定しており、発給者2は郵便物の印刷業者・作成サービス業者等(郵便物の販売者)、受給者3は郵便物の差出人(郵便物の購入者)、受贈者4は郵便物を受取人である。なお、
図5に示される実施例は、年賀状提供サービスの例である。
【0112】
この実施例について、
図5に従って説明する。
(1)発給者2によって、当初データD1がコンピュータ1に送信(アップロード)される。当初データD1を送信する者は、印刷業者等の発給者2に限らず、当初データD1を作成するデザイン制作者(法人又は個人の如何を問わない。)やデザインを管理する者等の第三者であってもよい。
【0113】
(2)発給者2からコンピュータ1に対して、当初データD1と関連付けられたIDを発給するよう指令(コマンド)を出す。
(3)コンピュータ1は発給者2に対して、IDを発行する。
【0114】
(4)発給者2は、発行された参照用コード61を印刷等の手段によって表示した郵便物と、少なくとも2種の二次元コード6を印刷等の手段によって表示した情報伝達媒体5を作成し、郵便物の購入者である受給者3に納品する。上述の通り、郵便物に二次元コードが表示されたシール等を貼付してもよいし、このシール等を貼付せずに郵便物と共に納品してもよい。
【0115】
また、少なくとも2種の二次元コード6が表示された情報伝達媒体5は、例えば、郵便物の納品書や、本サービスの取扱説明書又は利用規約等(以下、「納品書等53」という。)であってもよく、その内容に限定はない。例えば、納品書等53は郵便物に取り付けられた状態で納品され、この納品書等53と郵便物との間に予め切り取り線等を設け、郵便物を差し出す際に、受給者3が納品書等53を切り取る構成としてもよい(
図5参照)。
【0116】
(5)受給者3は、納品書等53に表示された更新用コード62からコンピュータ1にアクセスし、追加データD2をアップロードすることによって当初データD1に情報を追加して、更新データD3を作成する。コンピュータ1は、この更新データ3を保存する。
【0117】
(6)受給者3は受贈者4に対して、参照用コード61が表示された郵便物を発送する。これにより、受贈者4は参照用コード61を入手する。
【0118】
(7)受贈者4は、情報機器等を利用して郵便物に表示された参照用コード61からコンピュータ1へアクセスし、更新データD3を閲覧する。受贈者4は、郵便物に記載された内容とは異なる内容のメッセージ(更新データD3)を閲覧することができる。
【0119】
(8)コンピュータ1は、参照用コード61を介して受贈者4からアクセスがあった場合は、更新データD3を閲覧可能とし、ダウンロード可能としてもよい。
【0120】
この実施例5では、単に郵便物を差し出すだけでなく、受取人が、この郵便物に表示された参照表コード61にアクセスすることで、郵便物に表示された内容とは異なるメッセージを閲覧することができる。この構成であれば、配達時など第三者の目に触れる郵便物には掲載したくないが、受取人に対しては閲覧して欲しい内容を届けることができる。
【0121】
また、例えば年賀状の例をとって説明すると、年賀状を送りたい相手方は親戚、友人、仕事関係者など多岐に渡るところ、印刷コストや手間等の問題で年賀状の内容は1種にせざるを得ない事情があるが、本サービスを利用すれば、送る相手によって参照用コード61を変更することで、閲覧させる内容(更新データD3)を相手によって変えることができる。
【0122】
更にまた、自己の写真が表示された年賀状は、受取人の下で破棄等されない限りはいつまでも残存してしまうところ、差出人の立場として一定期間が経過した後は、その自己の写真が残らないようにしたいという要望もあったが、本サービスを利用すれば、差出人(受給者2)が削除用コード63からアクセスすれば、自己の写真等が掲載された更新データD3を削除することもでき、期間限定の閲覧といった要望に応えることができる。
【0123】
・実施例6
実施例6について、
図6~8に従って説明する。
実施例6は、コンピュータ1によって実行されるステップなど基本的構成は、上述した実施例1~5と共通とするものの、情報伝達媒体7の構成について新たな工夫が施されている。
【0124】
図6~8に示される例では、情報伝達媒体7として郵便はがきが例示されているが、本発明の内容はこれに限定されるものではない。情報伝達媒体7として、他の実施例で挙げられた精算レシート、受付番号シート、納品書等公知公用の情報伝達媒体を特別の制限なく採用することができる。
【0125】
図6は、発給者2から受給者3に情報伝達媒体7が引き渡される前又はその時点における状態であり、例えば、情報伝達媒体7が販売のために店頭に展示された状態である。
図7は、受給者3が情報伝達媒体7を入手し、折られていた受給者側71と受贈者側72を展開した状態であり、例えば、情報伝達媒体7を店舗等で購入した後に、自らの手で受給者側71と受贈者側72を展開した状態である。
図8は、受贈者4が、受給者3から情報伝達媒体7を入手し、これに表示されている参照用コード61からアクセスして閲覧した更新データD3の様子である。
【0126】
図6~7に示されるように、情報伝達媒体7は、受給者側71と受贈者側72が一対となり、これらが切り離されることなく一体となって提供される構成である。
受給者側71には、少なくとも更新用コード62が表示され、これに参照用コード61や削除用コード63を加えてもよい。
【0127】
一方で、受贈者側72には、参照用コード61が表示される。受贈者4には、受給者3が選択した映像や文字等(更新データD3)を閲覧させれば足りるので、更新用コード62や削除用コード63を表示する必要性は低いといえる。
【0128】
図6に示されるように、発給者2から受給者3に情報伝達媒体7が引き渡される前又はその時点では、受給者側71と受贈者側72は切り離されることなく一体であり、切り取り線73を折り目として折り合わされた態様である。この態様において、受給者側71に表示された更新用コード62と受贈者側72に表示された参照用コード61は、重ね合わされた部分の内側に位置し、外観から視認されない構成であることが好ましい。この構成により、例えば、情報伝達媒体7が販売のために店頭に展示された状態において、第三者が二次元コード6を視認することはできず、第三者による当初データD1や更新データD3へのアクセスを防止することができる。
【0129】
情報伝達媒体7は、受給者3から受贈者4へ情報伝達媒体7を譲り渡す際に、受給者側71と受贈者側72とを切り取り線73から切り離し、受贈者側72のみを譲り渡す構成である。なお、受給者側71は受給者3の手元に残し、その後も更新用コード62からアクセス可能となる。
【0130】
また、情報伝達媒体7を受給者3から受贈者4へ譲り渡す前に、受給者3は、更新用コード62から当初データD1にアクセスし、これに追加データD2を送信する等して更新データD3をアップロードしておく。これにより、受贈者4が参照用コード61からアクセスした際、更新データD3を閲覧させることができる。なお、事前に更新データD3をアップロードしなかった場合は、受贈者4は当初データD1を閲覧することになる。
【0131】
実施例6について、
図9に従って説明する。
(1)発給者2によって、当初データD1がコンピュータ1に送信(アップロード)される。当初データD1を送信する者は、印刷業者等の発給者2に限らず、当初データD1を作成するデザイン制作者(法人又は個人の如何を問わない。)やデザインを管理する者等の第三者であってもよい。
【0132】
(2)発給者2からコンピュータ1に対して、当初データD1と関連付けられたIDを発給するよう指令(コマンド)を出す。
(3)コンピュータ1は、該ID(当初データD1が暗号化された場合は暗号解除コードを含む。)からなる二次元コードを作成し、発給者2に対してこの二次元コード6を発行する。
【0133】
なお、(1)~(3)は順を問わず、あるURLに対応した二次元コード6を発行し、このURLに当初データD1をアップロードする順を採用してもよい。
【0134】
(4)発給者2は、発行された参照用コード61とこれに対応する更新用コード62を、印刷等の手段によって表示した情報伝達媒体7を作成し、購入者である受給者3に引き渡しする。上述の通り、情報伝達媒体7に二次元コードが表示されたシール等を貼付してもよい。
【0135】
また、ここで作成される情報伝達媒体7は、
図6~7に示されるように、受給者側71と受贈者側72とが切り離し可能な態様である。受給者側71には、少なくとも更新用コード62が表示され、受贈者側72には参照用コード61が表示され、発給者2から受給者3に情報伝達媒体7が引き渡される時点においては、これらが切り離されず一体の状態が維持されなければならない。
【0136】
(5)受給者3は、情報伝達媒体7の受給者側71に表示された更新用コード62からコンピュータ1にアクセスし、追加データD2をアップロードすることによって当初データD1に情報を追加して、更新データD3を作成する。コンピュータ1は、この更新データ3を保存する。
【0137】
(6)受給者3は受贈者4に対して、参照用コード61が表示された情報伝達媒体7(図では郵便物)を発送等により引き渡しする。これにより、受贈者4は参照用コード61を入手する。
この発送の際、受給者3は情報伝達媒体7のうち受給者側71を切り取り線73から切り取り、受贈者側72のみを発送する。なお、情報伝達媒体7が郵便はがき等である場合、配達時に二次元コード6(参照用コード61)が露出し、これを通じて第三者からアクセスされるおそれがある。この第三者からのアクセスを回避するため、露出した二次元コード6(参照用コード61)に、プライバシー保護シール等を添付してこれを隠す等してもよい。
【0138】
(7)受贈者4は、情報機器等を利用して郵便物に表示された参照用コード61からコンピュータ1へアクセスし、更新データD3を閲覧する。受贈者4は、郵便物に記載された内容とは異なる内容のメッセージ(更新データD3)を閲覧することができる。
【0139】
(8)コンピュータ1は、参照用コード61を介して受贈者4からアクセスがあった場合は、更新データD3を閲覧可能とし、ダウンロード可能としてもよい。
【0140】
この実施例6では、単に郵便物を差し出すだけでなく、受取人が、この郵便物に表示された参照表コード61にアクセスすることで、郵便物に表示された内容とは異なるメッセージを閲覧することができる。この構成であれば、配達時など第三者の目に触れる郵便物には掲載したくないが、受取人に対しては閲覧して欲しい内容を届けることができる。
【0141】
また、例えば年賀状の例をとって説明すると、年賀状を送りたい相手方は親戚、友人、仕事関係者など多岐に渡るところ、印刷コストや手間等の問題で年賀状の内容は1種にせざるを得ない事情があるが、本サービスを利用すれば、送る相手によって参照用コード61を変更することで、閲覧させる内容(更新データD3)を相手によって変えることができる。
【0142】
更にまた、自己の写真が表示された年賀状は、受取人の下で破棄等されない限りはいつまでも残存してしまうところ、差出人の立場として一定期間が経過した後は、その自己の写真が残らないようにしたいという要望もあったが、本サービスを利用すれば、差出人(受給者3)が更新用コード62からアクセスして、追加データD2を削除等すれば、自己の写真等が掲載された更新データD3を削除・変更することもでき、期間限定の閲覧といった要望に応えることができる。前述した削除用コード63を受給者側71に表示すれば、この削除用コード63を通じて更新データD3を削除してもよい。
【0143】
この実施例6における最大の特徴は、次のとおりである。
即ち、販売時等の発給者2から受給者3への引き渡しの際までは、受給者側71と受贈者側72とが切り離されず一体の状態が維持され、これにより参照用コード61とこれに対応した更新用コード62が一対の状態を維持できる点である。仮に、参照用コード61とこれに対応した更新用コード62が一対の状態が維持されず、参照用コード61とこれに対応していない更新用コード62が混在することがあれば、本サービスは成立しない。
【0144】
換言すれば、情報伝達媒体7を入手した受給者71自らが、受給者側71と受贈者側72(即ち、参照用コード61とこれに対応した更新用コード62)を切り離さない限り、参照用コード61とこれに対応した更新用コード62が一対の状態は維持されるので、対応しない二次元コード6の混在による問題を確実に回避することができる。
【0145】
以上の通り、本発明に係る実施例1~6について説明した。
ここで、本発明の参考発明として、次のような使用方法を提案する。
【0146】
本発明は、情報伝達媒体7の受給者側71に更新用コード62が表示され、受贈者側72に参照用コード61が表示された構成である。
一方で、ここで提案する参考発明は、受贈者側72に更新用コード62が表示された構成である。
【0147】
本発明において受贈者4は、発給者2又は受給者3がアップロードしたデータ(当初データD1又は更新データD3)を閲覧することしかできなかったが、この参考発明によれば、受贈者4も追加データD2をアップロードすること等によって更新データD3を作成することができる。また、この受贈者4がアップロードした更新データD3を、受給者3が閲覧することもできる。これにより、受給者3から受贈者4への一方的な情報の提供に止まらず、受給者3と受贈者4との間で双方向の情報のやり取りが可能となり、コミュニケーションツールとしての娯楽性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0148】
1 コンピュータ
2 発給者
21 発給機
3 受給者
4 受贈者
5 情報伝達媒体
51 精算レシート
52 受付番号シート
53 納品書等
6 二次元コード
61 参照用コード
62 更新用コード
63 削除用コード
7 情報伝達媒体
71 受給者側
72 受贈者側
73 切り取り線(折り目)
74 注意書き
D1 当初データ
D2 追加データ
D3 更新データ