(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】調光装置および調光方法
(51)【国際特許分類】
H05B 45/10 20200101AFI20240226BHJP
H05B 45/325 20200101ALI20240226BHJP
【FI】
H05B45/10
H05B45/325
(21)【出願番号】P 2020186935
(22)【出願日】2020-11-10
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】504452859
【氏名又は名称】株式会社サンコーデバイス
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】赤尾 義明
(72)【発明者】
【氏名】中村 ▲隆▼一
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-220397(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0275539(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/10
H05B 45/325
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源の出力をオン/オフ制御するためのPWM信号を生成し、光源の明るさを制御する調光装置であって、
第1PWM信号に基づき、前記第1PWM信号が、Hiの時に第1周期で、Loの時に前記第1周期より長い第2周期でトリガ信号を発生させるトリガ発生部と、
前記トリガ信号が発生した時にオンになり、前記第1PWM信号のデューティ比に応じた期間の経過時にオフになる第2PWM信号を発生させ、前記第2PWM信号により光源をオン/オフ制御する制御部と、
を備える調光装置。
【請求項2】
前記トリガ発生部が発生させるトリガ信号は、インパルス状の信号であることを特徴とする請求項1に記載の調光装置。
【請求項3】
前記トリガ発生部が発生させるトリガ信号は、前記第1PWM信号とは非同期に発生する信号であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の調光装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1PWM信号を積分する積分器と、
前記積分器により積分された第1電圧と前記光源を流れる電流から得られる所定位置における第2電圧とを比較し、比較結果を出力する電圧比較器と、
前記トリガ発生部が発生させたトリガ信号により前記第2PWM信号をオンし、前記電圧比較器が出力した比較結果により前記第2PWM信号をオフする駆動信号生成部と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の調光装置。
【請求項5】
前記第1PWM信号のデューティ比に応じた期間とは、前記第1PWM信号のデューティ比に比例した期間であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の調光装置。
【請求項6】
前記第2周期は、前記第1周期より5倍以上長いことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の調光装置。
【請求項7】
前記制御部は、(A1)式で表わされるデューティ比(dr2)の第2PWM信号を発生させることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の調光装置。
【数5】
・・・(A1)式
但し、dr1は第1PWM信号のデューティ比、kは所定の比例定数、ToffSは第1周期におけるオフ期間の長さ、ToffLは第2周期におけるオフ期間の長さである。
【請求項8】
電源の出力をオン/オフ制御するためのPWM信号を生成し、光源の明るさを制御する調光装置であって、
調光装置に入力される第1PWM信号のデューティ比(dr1)に基づき、(A1)式で表わされるデューティ比(dr2)を算出し、算出したデューティ比の第2PWM信号を発生させ、前記第2PWM信号により光源をオン/オフ制御する調光装置。
【数6】
・・・(A1)式
但し、kは所定の比例定数、ToffSは第1周期におけるオフ期間の長さ、ToffLは第2周期におけるオフ期間の長さである。
【請求項9】
電源の出力をオン/オフ制御するためのPWM信号を生成し、光源の明るさを制御する調光方法であって、
第1PWM信号に基づき、前記第1PWM信号が、Hiの時に第1周期で、Loの時に前記第1周期より長い第2周期でトリガ信号を発生させ、
前記トリガ信号が発生した時にオンになり、前記第1PWM信号のデューティ比に応じた期間の経過時にオフになる第2PWM信号を発生させ、前記第2PWM信号により光源をオン/オフ制御する、
ことを含む調光方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調光装置および調光方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電源の出力をオン/オフ制御するPWM信号を生成し、このPWM信号のデューティ比に応じて、発光ダイオード(LED)などの光源の明るさを調光制御する調光装置が知られている。これらの調光装置では、通常、ユーザがコントローラを操作することにより入力した調光レベルがPWM信号に変換され、そのPWM信号を入力された回路が光源の電源をオン/オフして光源の明るさをユーザが入力した調光レベルになるように制御する。
【0003】
また、ユーザがコントローラを操作して調光レベルを変更するとPWM信号のデューティ比が変化し、それに応じて光源の明るさが変化するが、PWM信号の分解能が低い場合、回路へ伝達される調光レベルの値が粗くなり、光源の明るさの変化が不連続なものとなる。このような不連続が生ずる場合、ユーザは、光源に、ちらつき、不快感や違和感などを感じる。これは、特に、人の感受性が高い低照度の場合、すなわちデューティ比が小さい場合に生ずる。
【0004】
このような問題を解消するためには、PWM信号の分解能を高めてPWM信号のデューティ比が可能な限り連続的に変化するようにすればよいが、PWM信号の分解能は調光装置を構成するマイクロプロセッサ等の性能(クロック周波数、データ幅(アドレス空間の大きさ)など)に依存するので、これを向上させることは製品コストの増大を招くため容易ではない。
【0005】
たとえば、特許文献1は、負荷出力を連続的に増加させることができ、低デューティ比のパルス信号の分解能を向上することができるパルス生成回路を開示する。このパルス生成回路は、電源回路から負荷への給電を制御するスイッチング素子にオン/オフ動作のために与えるべきパルス信号を生成する際、そのパルス信号のパルス幅を、負荷に給電される電流の立ち上がり時間以内とすることにより、パルス信号の分解能を向上させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、光源(負荷)に給電される電流の立ち上がり時間は光源により変動し、また、立ち上がり時間を分割する数は、結局マイクロプロセッサなどの性能に依存するため、低デューティ比におけるパルス信号の分解能を向上するための普遍的な解決策とは言えない。
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みて考案されたものであり、低デューティ比におけるパルス信号の分解能を向上させる調光装置および調光方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、電源の出力をオン/オフ制御するためのPWM信号を生成し、光源の明るさを制御する調光装置であって、第1PWM信号に基づき、第1PWM信号が、Hiの時に第1周期で、Loの時に第1周期より長い第2周期でトリガ信号を発生させるトリガ発生部と、トリガ信号が発生した時にオンになり、第1PWM信号のデューティ比に応じた期間の経過時にオフになる第2PWM信号を発生させ、第2PWM信号により光源をオン/オフ制御する制御部と、を備える調光装置が提供される。
これによれば、第1PWM信号のオン/オフ周期により第2PWM信号が発生する頻度(周波数)を変化させ、かつ、第1PWM信号のデューティ比に応じて第2PWM信号のオン幅を変化させることで、第1PWM信号のデューティ比が小さいときには、オフ期間が長いため第2PWM信号の発生頻度が小さくかつ第2PWM信号のオン幅も短いため、第1PWM信号のデューティ比の変化に対する第2PWM信号のデューティ比の変化が小さく、第1PWM信号のデューティ比が大きいときには、オン期間が長いため第2PWM信号の発生頻度が大きくかつ第2PWM信号のオン幅も長いため、第1PWM信号のデューティ比の変化に対する第2PWM信号のデューティ比の変化が大きくなる。このようにして、第1PWM信号の低デューティ比において、第1PWM信号のデューティ比の変化率より第2PWM信号のデューティ比の変化率を小さくすることで、低デューティ比におけるパルス信号の分解能を向上させる調光装置を提供することができる。
【0009】
さらに、トリガ発生部が発生させるトリガ信号は、インパルス状の信号であることを特徴としてもよい。
これによれば、トリガ信号がインパルス状の信号であることで、第2PWM信号との干渉を防止することができる。
【0010】
さらに、トリガ発生部が発生させるトリガ信号は、第1PWM信号とは非同期に発生する信号であることを特徴としてもよい。
これによれば、トリガ信号が第1PWM信号とは非同期に発生する信号であることで、同期するならば第1周期と第2周期の切り替え時に生ずる不都合を回避できる。
【0011】
さらに、制御部は、第1PWM信号を積分する積分器と、積分器により積分された第1電圧と光源を流れる電流から得られる所定位置における第2電圧とを比較し、比較結果を出力する電圧比較器と、トリガ発生部が発生させたトリガ信号により第2PWM信号をオンし、電圧比較器が出力した比較結果により第2PWM信号をオフする駆動信号生成部とを備えることを特徴としてもよい。
これによれば、マイクロプロセッサなどの性能に依存することなく、低デューティ比におけるパルス信号の分解能を向上させ、光源の調光範囲を拡大させることができる。
【0012】
さらに、第1PWM信号のデューティ比に応じた期間とは、第1PWM信号のデューティ比に比例した期間であることを特徴としてもよい。
これによれば、第2PWM信号のオン幅を迅速かつ容易に求めることができる。
【0013】
さらに、第2周期は、第1周期より5倍以上長いことを特徴としてもよい。
これによれば、より好ましい分解能を得ることができる。
【0014】
さらに、制御部は、(A1)式で表わされるデューティ比(dr2)の第2PWM信号を発生させることを特徴としてもよい。
【数1】
・・・(A1)式
但し、dr1は第1PWM信号のデューティ比、kは所定の比例定数、ToffSは第1周期におけるオフ期間の長さ、ToffLは第2周期におけるオフ期間の長さである。
これによれば、第1PWM信号に基づきかかる計算式により第2PWM信号を発生させることで、低デューティ比におけるパルス信号の分解能を向上させることができる。
【0015】
上記課題を解決するために、電源の出力をオン/オフ制御するためのPWM信号を生成し、光源の明るさを制御する調光装置であって、調光装置に入力される第1PWM信号のデューティ比(dr1)に基づき、(A1)式で表わされるデューティ比(dr2)を算出し、算出したデューティ比の第2PWM信号を発生させ、第2PWM信号により光源をオン/オフ制御する調光装置が提供される。
【数2】
・・・(A1)式
但し、kは所定の比例定数、ToffSは第1周期におけるオフ期間の長さ、ToffLは第2周期におけるオフ期間の長さである。
これによれば、入力された第1PWM信号に基づきかかる計算式により第2PWM信号を発生させることで、低デューティ比におけるパルス信号の分解能を向上させる調光装置を提供することができる。
【0016】
上記課題を解決するために、電源の出力をオン/オフ制御するためのPWM信号を生成し、光源の明るさを制御する調光方法であって、第1PWM信号に基づき、第1PWM信号が、Hiの時に第1周期で、Loの時に第1周期より長い第2周期でトリガ信号を発生させ、トリガ信号が発生した時にオンになり、第1PWM信号のデューティ比に応じた期間の経過時にオフになる第2PWM信号を発生させ、第2PWM信号により光源をオン/オフ制御することを含む調光方法が提供される。
これによれば、第1PWM信号のオン/オフ周期により第2PWM信号が発生する頻度(周波数)を変化させ、かつ、第1PWM信号のデューティ比に応じて第2PWM信号のオン幅を変化させることで、第1PWM信号のデューティ比が小さいときには、オフ期間が長いため第2PWM信号の発生頻度が小さくかつ第2PWM信号のオン幅も短いため、第1PWM信号のデューティ比の変化に対する第2PWM信号のデューティ比の変化が小さく、第1PWM信号のデューティ比が大きいときには、オン期間が長いため第2PWM信号の発生頻度が大きくかつ第2PWM信号のオン幅も長いため、第1PWM信号のデューティ比の変化に対する第2PWM信号のデューティ比の変化が大きくなる。このようにして、第1PWM信号の低デューティ比において、第1PWM信号のデューティ比の変化率より第2PWM信号のデューティ比の変化率を小さくすることで、低デューティ比におけるパルス信号の分解能を向上させる調光方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、低デューティ比におけるパルス信号の分解能を向上させ、光源の調光範囲を拡大させる調光装置および調光方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る第一実施形態の調光装置の回路図。
【
図2】本発明に係る第一実施形態の調光装置のトリガ発生部の回路の例を示す回路図。
【
図3】本発明に係る第一実施形態の調光装置の電圧比較器の動作を示す詳細波形図。
【
図4】本発明に係る第一実施形態の調光装置における、調光PWM信号からゲートPWM信号を発生させる動作を示す波形図。(A)調光PWM信号のデューティ比が比較的小さい場合(0.043)、(B)調光PWM信号のデューティ比が比較的大きい場合(0.47)。
【
図5】本発明に係る第一実施形態の調光装置における、調光PWM信号のデューティ比とゲートPWM信号のデューティ比を比較説明するためのグラフ。調光PWM信号の周波数が1kHz、ゲートPWM信号の第1周波数が67kHz、ゲートPWM信号の第2周波数が4.9kHz、k=5μs、ToffS=10μs、ToffL=200μsの場合。(A)調光PWM信号のデューティ比が0~1の範囲、(B)調光PWM信号のデューティ比が0~0.1の範囲。
【
図6】本発明に係る第一実施形態の変形例の調光装置における、調光PWM信号のデューティ比とゲートPWM信号のデューティ比を比較説明するためのグラフ。(A)調光PWM信号の周波数が1kHz、ゲートPWM信号の第1周波数が25kHz、ゲートPWM信号の第2周波数が2.4kHz、k=20μs、ToffS=20μs、ToffL=400μsの場合。(B)調光PWM信号の周波数が1kHz、ゲートPWM信号の第1周波数が17kHz、ゲートPWM信号の第2周波数が1.6kHz、k=30μs、ToffS=30μs、ToffL=600μsの場合。(C)調光PWM信号の周波数が1kHz、ゲートPWM信号の第1周波数が8.3kHz、ゲートPWM信号の第2周波数が1.2kHz、k=40μs、ToffS=80μs、ToffL=800μsの場合。(D)調光PWM信号の周波数が1kHz、ゲートPWM信号の第1周波数が6.7kHz、ゲートPWM信号の第2周波数が0.392kHz、k=50μs、ToffS=100μs、ToffL=2500μsの場合。
【
図7】本発明に係る第二実施形態の調光装置のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、図面を参照しながら、本発明に係る実施形態について説明する。
<第一実施形態>
図1~
図6を参照し、本実施形態における調光装置100を説明する。調光装置100は、電源の出力をオン/オフ制御するためのPWM信号を生成し、光源の明るさを制御する。PWM(Pulse Width Modulation)信号とは、パルス幅変調方式の信号を言う。
【0020】
調光装置100は、外部の調光器から調光PWM信号の入力を受け付け、その調光PWM信号に基づき電源の出力をオン/オフ制御するためのゲートPWM信号を生成し、光源であるLEDランプの明るさを制御する。外部調光器は、ダイヤルやスライドバーなどを備え、使用者がそのダイヤル等を操作することにより光源を調光するための従来のPWM信号である調光PWM信号を出力する。なお、調光装置100は、外部調光器から従来の調光PWM信号を受信するが、これに限定されず、本発明に係る調光装置は、自らダイヤル等を備え、内部的に調光PWM信号を発生させ、その調光PWM信号に基づき、実際にLEDランプを調光制御するためのゲートPWM信号を生成、出力してもよい。
【0021】
ゲートPWM信号は、LEDランプと直列に接続された電源の出力をオン/オフ制御するスイッチング素子(FET)のゲートに入力され、LEDランプを調光するために使用される。スイッチング素子の下流側(アース側)では通常LEDランプを流れる電流Iledを検出するための電流検出器(抵抗R2)が設けられており、調光装置100は、その電流から得られる電圧Vi(第2電圧)を受信し、ゲートPWM信号の生成に使用する。電圧Viは、抵抗R2に従って、電流Iledに応じて接地電圧より高い電圧となる。
【0022】
調光装置100は、2種類の周期でゲートトリガ信号(トリガ信号)を発生させるトリガ発生部20と、トリガ発生部20がゲートトリガ信号を発生させた時にオンになり、調光PWM信号のデューティ比に応じた期間の経過時にオフになるゲートPWM信号を発生させる制御部10と、を備える。
【0023】
トリガ発生部20は、調光PWM信号(第1PWM信号)に基づき、調光PWM信号が、Hiの時に第1周期で、Loの時に第1周期より長い第2周期でゲートトリガ信号を発生させる。トリガ発生部20は、セルフアップタイマ回路と、セルフアップタイマ回路の端子CLRに出力側を接続されたOR回路から構成されている。セルフアップタイマ回路は、調光PWM信号が入力される端子Toffと、ゲートトリガ信号を出力する端子OUTと、クリア信号を入力される端子CLRと、を有する。
【0024】
セルフアップタイマ回路は、たとえば
図2に示す回路を内部に有し、端子ToffにLoが入力されている時にはCS1のみから、Hiが入力されている時にはスイッチSWが閉となりCS2からもコンデンサCに電荷が蓄積され、その電荷による電圧Vcが基準電圧Vrefより高くなった時に端子OUTからゲートトリガ信号としてHiを出力する。したがって、端子Toffに調光PWM信号のHiが入力されている時にはLoが入力されている時に比し早く端子OUTからゲートトリガ信号としてHiが出力される。すなわち、トリガ発生部20は、調光PWM信号が、Hiの時に第1周期で、Loの時に第1周期より長い第2周期でセルフアップし、ゲートトリガ信号としてHiを発生させる。
【0025】
セルフアップタイマ回路は、さらに、コレクタがコンデンサCの電源側に、ベースが端子CLRに、エミッタが接地されたトランジスタQを有し、OR回路から端子CLRに信号が入力されると、コンデンサCの電荷が無くなり端子OUTからのゲートトリガ信号はオフになる。OR回路は、一方の入力を端子OUTに、他方の入力をゲートPWM信号を出力するゲートラッチ部13(後述)の出力端子Qとスイッチング素子FETのゲートとの接続点に接続されている。
【0026】
かかる構成により、セルフアップタイマ回路は、タイムアップし端子OUTからゲートトリガ信号のHiが出力されると直ちに自己クリアがかかり端子OUTはLoとなって再びセルフアップを繰り返す。このように、トリガ発生部20が発生させるゲートトリガ信号は、インパルス状の信号であることが好ましい。これによれば、ゲートトリガ信号がインパルス状の信号であることで、後述するゲートPWM信号との干渉を防止することができる。また、かかる構成により、セルフアップタイマ回路は、ゲートPWM信号がオンの期間はクリアがかかるため停止、すなわち端子OUTからHiのゲートトリガ信号は出力されない。
【0027】
また、トリガ発生部20のセルフアップタイマ回路は、所定の容量を有するコンデンサCに電荷が蓄積される速度に応じてゲートトリガ信号を発生させることで、調光PWM信号(第1PWM信号)とは非同期に発生する信号となる。このように、ゲートトリガ信号が調光PWM信号とは非同期に発生することで、ゲートトリガ信号と調光PWM信号と同期するならば第1周期と第2周期の切り替え時に生ずる不都合を回避できる。
【0028】
制御部10は、
図1に示すように、調光PWM信号を積分する積分器11と、積分器11により積分された電圧Vpwm(第1電圧)とLEDランプを流れる電流から得られる所定位置における電圧Vi(第2電圧)とを比較し、比較結果を出力する電圧比較器12と、トリガ発生部20が発生させたゲートトリガ信号によりゲートPWM信号(第2PWM信号)をオンし、電圧比較器12が出力した比較結果によりゲートPWM信号をオフするゲートラッチ部13(駆動信号生成部)と、を備える。なお、所定位置とは、LEDランプを流れる電流I
ledを検出するために適切な位置を言い、たとえば電流検出器の直ぐ上流であって、スイッチング素子FETの直ぐ下流の位置である。
【0029】
積分器11は、調光PWM信号が一方から入力される抵抗R1と、一方を抵抗R1の他方に、他方をアースに接続されたコンデンサCとを有する。かかる構成により、積分器11は、外部調光器が出力したデジタル量の調光PWM信号を入力され、調光PWM信号のデューティ比dr1に応じて調光PWM信号を積分したアナログ電圧Vpwmに変換する。電圧比較器12は、コンパレータから構成され、プラス入力端子には積分器11が出力した電圧Vpwmが、マイナス入力端子には電流検出器による電圧Viが入力される。そうすると、電圧比較器12は、電圧Vpwmが電圧Viより高い場合にはHiを、電圧Vpwmが電圧Viより低い場合にはLoを、比較結果(CMP_OUT)として出力する。
【0030】
ゲートラッチ部13は、D端子、CK端子、CLR端子、Q端子を少なくとも有するディレイフリップフロップから構成される。D端子には基準電圧が常に入力され、CK端子にはトリガ発生部20が出力したゲートトリガ信号が、CLR端子には電圧比較器12が出力したCOM_OUTが入力される。Q端子は、D端子、CK端子、CLR端子に入力された信号に基づきゲートPWM信号を出力する。なお、Q端子が出力したゲートPWM信号は、ゲートドライバを介して適切な電圧にして、スイッチング素子(FET)のゲートに入力される。
【0031】
図3および
図4を参照して、調光装置100における各部の動作を示す信号について説明する。
図3は、電圧比較器12の動作を示し、上段の波形はプラス端子に入力される電圧Vpwmが最大の場合を、下段の波形はプラス端子に入力される電圧Vpwmが比較的小さい場合を示す。したがって、上段の波形は、外部調光器からの調光PWM信号のデューティ比dr1が最大(≒1)の場合を、下段の波形は、そのデューティ比が比較的小さい場合を示す。
【0032】
ゲートラッチ部13は、インパルス状のゲートトリガ信号がクロック信号としてCK端子に入力されると、その時のD端子への入力値を記憶すると共に保持する。D端子への入力値は常にHiなので、ゲートラッチ部13は、ゲートトリガ信号が入力されるたびにHiのゲートPWM信号を出力し始め、それを保持するように出力する。一方、ゲートPWM信号がHi(オン)になる、すなわちスイッチング素子FETがオンになるのに伴って電圧Viは増加するので、電圧比較器12は、増加する電圧Viがその時の電圧Vpwmと等しいまたは大きくなるとCMP_OUTはHiからLoに変化する。
【0033】
ゲートラッチ部13は、CLR端子にLoが入力されるとQ端子はリセットされて、LoのゲートPWM信号を出力する。すなわち、制御部10は、ゲートトリガ信号が発生した時にオンになり、電圧Viがその時の電圧Vpwmと等しくなった(または大きくなった)時にオフになるゲートPWM信号を出力する。なお、COM_OUTは、HiからLoに変化すると直後にゲートラッチ部13がLoのゲートPWM信号を出力してスイッチング素子FETがオフになり電圧Viがゼロすなわちその時の電圧Vpwmより小さくなるので、直ぐにLoからHiに変化するインパルス状の波形となる。
【0034】
電圧Viがゼロから電圧Vpwm以上になるまでの時間は、スイッチング素子FETがオンになった後の電圧Viの増加率は回路によって定まるので、電圧Vpwmの大きさに依存する。電圧Vpwmは、調光PWM信号のデューティ比dr1に応じて変化する調光PWM信号を積分した電圧であるから、電圧Viが電圧Vpwm以上になるまでの時間すなわちゲートPWM信号のオンの期間(オン幅Tgate)は、調光PWM信号のデューティ比dr1に応じて変化することとなる。電圧Viの増加率が一定である場合、オン幅Tgateは、電圧Vpwmの大きさに比例した時間幅となる。制御部10は、ゲートトリガ信号が発生した時にオンになり、調光PWM信号のデューティ比dr1に比例した期間の経過時にオフになるゲートPWM信号を発生させる。これによれば、式(1)に示すように、ゲートPWM信号のオン幅Tgateを迅速かつ容易に求めることができる。
Tgate=k*dr1 ・・・(1)
なお、kは所定の比例定数(単位は時間、たとえばマイクロ秒)である。
【0035】
なお、LEDランプに流れるインダクタL電流(
図1参照)は、本図に示すように電圧Viに従って増加するが、COM_OUTの出力により電圧Viのように直ぐにゼロにはならずフライホイールダイオードの存在により徐々に減少する。インダクタL電流がゼロになる前に次のゲートPWM信号がオンになるとうまく調光できないため、電圧Vpwmが最大の場合であってもインダクタL電流が連続しないように回路定数が設定されている。
【0036】
図4は、調光PWM信号の周期はTperiod、その周期Tperiod中Hiの期間はTon、調光PWM信号がHiの期間におけるゲートトリガ信号がオフの期間はToffS、調光PWM信号がLoの期間におけるゲートトリガ信号がオフの期間はToffL、ゲートPWM信号がHiの期間はTgateと示す。いずれも単位は時間であり、たとえばマイクロ秒(μs)である。
【0037】
トリガ発生部20のセルフアップタイマ回路は、調光PWM信号がHiの期間ではコンデンサCに速く電荷が蓄積されるため内部電圧Vc(
図2参照)の増加率が大きく速く基準電圧Vrefに到達するので、ゲートトリガ信号を短い周期で発生させる。一方、セルフアップタイマ回路は、調光PWM信号がLoの期間ではコンデンサCに遅く電荷が蓄積されるため内部電圧Vcの増加率が小さく基準電圧Vrefに到達するまで時間がかかるので、ゲートトリガ信号を長い周期で発生させる。
【0038】
ゲートPWM信号の周期は、調光PWM信号がHiの期間では(Tgate+ToffS)、Loの期間では(Tgate+ToffL)である。ここで、調光PWM信号の周期Tperiod当たりのゲートPWM信号の総オン時間を算出する。なお、ゲートPWM信号を生じさせるゲートトリガ信号と調光PWM信号は非同期なので、以下の式は近似になる。
【0039】
調光PWM信号がHiの期間中のゲートトリガ信号の総オン時間は、式(2)となる。
Ton*Tgate/(Tgate+ToffS) ・・・(2)
調光PWM信号がLoの期間中のゲートトリガ信号の総オン時間は、式(3)となる。
(Tperiod-Ton)*Tgate/(Tgate+ToffL) ・・(3)
【0040】
したがって、調光PWM信号の1周期当たりのゲートPWM信号の総オン時間は、式(4)となる。
Ton*Tgate/(Tgate+ToffS)+
(Tperiod-Ton)*Tgate/(Tgate+ToffL) ・・(4)
【0041】
また、調光PWM信号のデューティ比dr1は、
dr1=Ton/Tperiod
であり、ゲートPWM信号のデューティ比dr2は、
dr2=ゲートPWM信号総オン時間/Tperiod
であり、式(1)を用いて式(4)を変形すると、式(A1)が導出される。
【数3】
・・・(A1)式
【0042】
式(A1)は、調光PWM信号のデューティ比dr1に基づき、所定の比例定数kと、ゲートトリガ信号の2つのオフ期間の長さであるToffSとToffLが与えられれば、ゲートPWM信号のデューティ比dr2が導出できることを示している。ToffSは、調光PWM信号がHiの期間すなわち第1周期におけるゲートトリガ信号がオフの期間の長さであり、ToffLは、調光PWM信号がLoの期間すなわち第2周期におけるゲートトリガ信号がオフの期間の長さである。このように、調光PWM信号(第1PWM信号)に基づきかかる計算式によりゲートPWM信号(第2PWM信号)を発生させることで、低デューティ比におけるパルス信号の分解能を向上させることができる。
【0043】
図5および
図6を参照し、調光PWM信号のデューティ比dr1とゲートPWM信号のデューティ比dr2との関係について説明する。
図5および
図6は、調光PWM信号のデューティ比dr1とゲートPWM信号のデューティ比dr2を比較説明するためのグラフである。調光PWM信号の周波数は、一般的に使われている1kHzとする。
【0044】
図5における例では、ゲートPWM信号を安定して出力するため、周期TperiodにおけるゲートPWM信号の第2周期(ゲートトリガ信号が低い周波数の時)の中にゲートPWM信号のオン時間の個数(ゲートトリガ信号の個数)が、dr1≒0の時(この時ゲートPWM信号はほぼ第2周期のみ)少なくとも5個程度となるようにし、ToffL≒200μs、ゲートPWM信号の第2周期における周波数を4.9kHzとした。また、周期TperiodにおけるゲートPWM信号の第1周期(ゲートトリガ信号が高い周波数の時)では、第2周期の周波数に比してできるだけ高くし、dr1≒1の時(この時ゲートPWM信号はほぼ第1周期のみ)100kHz程度が好ましいが、スイッチングロスを考慮し、周波数を67kHz、(kdr1+ToffS)≒(k+ToffS)を15μsとした。さらに、調光PWM信号が最大(電圧Vpwmが最大、
図3におけるVpwm MAX)の場合であってもインダクタL電流が連続せず一旦ゼロになるようにするには、電源電圧とLEDランプの電圧の関係からkとToffSの比率関係が定まり、本例では、k=5μs、ToffS=10μs (k:ToffS=1:2)とした。
【0045】
本図(A)は、調光PWM信号のデューティ比dr1が0~1の範囲、本図(B)は、調光PWM信号のデューティ比dr1が0~0.1の範囲を示している。本例に示した、k=5μs、ToffS=10μs、ToffL=200μsの場合のゲートPWM信号のデューティ比dr2は実線で、調光PWM信号のデューティ比dr1は点線で示されている。ゲートPWM信号のデューティ比dr2のグラフは、調光PWM信号のデューティ比dr1がゼロ近傍では傾きが小さく、1に近づくにつれ傾きが増加する下に凸の曲線をなし、原点(0,0)と(1,1)では、dr1とdr2は一致している。
【0046】
本図(B)からも分かるように原点近傍では非常に傾きが小さいため、たとえば、調光PWM信号のデューティ比dr1が0.05に対してゲートPWM信号のデューティ比dr2は0.008程度に、調光PWM信号のデューティ比dr1が0.1に対してゲートPWM信号のデューティ比dr2は0.02程度に対応している。このことは、ゲートPWM信号は、調光PWM信号に比べ、低デューティ比における信号の分解能を向上させることになる。なお、逆に高いデューティ比においては分解能を低減させることになるが、高いデューティ比のおいてはLEDランプは高輝度で光っているので多少分解能が粗くなっても人間の目にはその粗さはあまり知覚できない。
【0047】
上述したように、ToffLは調光PWM信号の周波数に基づき、(k+ToffS)はスイッチング周波数に基づき、kとToffSの比率は電源電圧とLED電圧の関係に基づき設定することが好ましい。このような設定は、電源電圧、LED、回路定数などを考慮して当業者により適宜行うことが可能である。
【0048】
たとえば、
図6(A)は、調光PWM信号の周波数が1kHz、ゲートPWM信号の第1周期の周波数が25kHz、第2周期の周波数が2.4kHz、k=20μs、ToffS=20μs、ToffL=400μsの場合を示し、
図6(B)は、調光PWM信号の周波数が1kHz、ゲートPWM信号の第1周期の周波数が17kHz、第2周期の周波数が1.6kHz、k=30μs、ToffS=30μs、ToffL=600μsの場合を示し、
図6(C)は、調光PWM信号の周波数が1kHz、ゲートPWM信号の第1周期の周波数が8.3kHz、第2周期の周波数が1.2kHz、k=40μs、ToffS=80μs、ToffL=800μsの場合を示し、
図6(D)は、調光PWM信号の周波数が1kHz、ゲートPWM信号の第1周期の周波数が6.7kHz、第2周期の周波数が0.392kHz、k=50μs、ToffS=100μs、ToffL=2500μsの場合を示す。
【0049】
いずれのデューティ比dr2のグラフも、調光PWM信号のデューティ比dr1がゼロ近傍では傾きが小さく、1に近づくにつれ傾きが増加する下に凸の曲線をなしており、ゲートPWM信号は、調光PWM信号に比べ、低デューティ比における信号の分解能を向上させていることが分かる。調光装置100は、このようにして生成したゲートPWM信号によりLEDランプをオン/オフ制御する。なお、第2周期は、第1周期より5倍以上長いこと、すなわち第1周期の周波数は、第2周期の周波数より5倍以上多いことが好ましい。これによれば、より好ましい分解能を得ることができる。
【0050】
上述したように、調光PWM信号(第1PWM信号)のオン/オフ周期によりゲートPWM信号(第2PWM信号)が発生する頻度(周波数)を変化させ、かつ、調光PWM信号のデューティ比に応じてゲートPWM信号のオン幅Tgateを変化させることで、調光PWM信号のデューティ比dr1が小さいときには、オフ期間が長いためゲートPWM信号の発生頻度が小さくかつゲートPWM信号のオン幅Tgateも短いため、調光PWM信号のデューティ比dr1の変化に対するゲートPWM信号のデューティ比dr2の変化が小さく、調光PWM信号のデューティ比dr1が大きいときには、オン期間が長いためゲートPWM信号の発生頻度が大きくかつゲートPWM信号のオン幅Tgateも長いため、調光PWM信号のデューティ比dr1の変化に対するゲートPWM信号のデューティ比dr2の変化が大きくなる。このようにして、調光PWM信号の低デューティ比において、調光PWM信号のデューティ比dr1の変化率よりゲートPWM信号のデューティ比dr2の変化率を小さくすることで、低デューティ比におけるパルス信号の分解能を向上させる調光装置100を提供することができる。
【0051】
また、調光装置100、上述したトリガ発生部20と、積分器11、電圧比較器12、ゲートラッチ部13(駆動信号生成部)を含む制御部10とを備えることで、マイクロプロセッサなどの性能に依存することなく、低デューティ比におけるパルス信号の分解能を向上させ、光源の調光範囲を拡大させることができる。
【0052】
また、上述したことは、電源の出力をオン/オフ制御するためのPWM信号を生成し、光源の明るさを制御する調光方法を示している。この調光方法は、調光PWM信号(第1PWM信号)に基づき、調光PWM信号が、Hiの時に第1周期で、Loの時に第1周期より長い第2周期でゲートトリガ信号を発生させ、ゲートトリガ信号が発生した時にオンになり、調光PWM信号のデューティ比dr1に応じた期間の経過時にオフになるゲートPWM信号を発生させ、そのゲートPWM信号によりLEDランプ(光源)をオン/オフ制御することを含む。
【0053】
これによれば、調光PWM信号のオン/オフ周期によりゲートPWM信号が発生する頻度(周波数)を変化させ、かつ、調光PWM信号のデューティ比dr1に応じてゲートPWM信号のオン幅Tgateを変化させることで、調光PWM信号のデューティ比dr1が小さいときには、オフ期間が長いためゲートPWM信号の発生頻度が小さくかつゲートPWM信号のオン幅Tgateも短いため、調光PWM信号のデューティ比dr1の変化に対するゲートPWM信号のデューティ比rd2の変化が小さく、調光PWM信号のデューティ比dr1が大きいときには、オン期間が長いためゲートPWM信号の発生頻度が大きくかつゲートPWM信号のオン幅Tgateも長いため、調光PWM信号のデューティ比dr1の変化に対するゲートPWM信号のデューティ比dr2の変化が大きくなる。このようにして、調光PWM信号の低デューティ比において、調光PWM信号のデューティ比dr1の変化率よりゲートPWM信号のデューティ比dr2の変化率を小さくすることで、低デューティ比におけるパルス信号の分解能を向上させる調光方法を提供することができる。
【0054】
<第二実施形態>
図7を参照して、本実施形態における調光装置100Aを説明する。なお、重複記載を避けるため、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。調光装置100Aは、電源の出力をオン/オフ制御するためのPWM信号を生成し、光源の明るさを制御する。
【0055】
調光装置100Aは、外部の調光器から調光PWM信号の入力を受け付け、その調光PWM信号に基づき電源の出力をオン/オフ制御するためのゲートPWM信号を生成し、光源であるLEDランプの明るさを制御する。ゲートPWM信号は、LEDランプと直列に接続された電源の出力をオン/オフ制御するスイッチング素子(FET)のゲートに入力され、LEDランプを調光するために使用される。スイッチング素子の下流側(アース側)では通常LEDランプを流れる電流Iledを検出するための電流検出器(抵抗R2)が設けられており、調光装置100Aは、その電流から得られる電圧Vi(第2電圧)を受信し、ゲートPWM信号の生成に使用する。
【0056】
調光装置100Aは、CPU30を備える。CPU30は、外部調光器から調光PWM信号を受け付ける端子IN1と、電圧Viを受け付ける端子IN2と、内部に不揮発性メモリ31と、ゲートPWM信号を出力する端子OUTと、を備える。不揮発性メモリ31は、(A1)式が少なくとも記憶され、他には、電源電圧、LED、回路定数などから当業者が設定するToffL、ToffS、比例定数kなどのパラメータを記憶してもよい。
【0057】
CPU30は、かかるパラメータと端子IN1に入力される調光PWM信号(第1PWM信号)のデューティ比dr1に基づき、(A1)式で表わされるデューティ比dr2を算出し、算出したデューティ比dr2のゲートPWM信号(第2PWM信号)を発生させ、このゲートPWM信号によりLEDランプをオン/オフ制御する。これによれば、入力された調光PWM信号に基づきかかる計算式によりゲートPWM信号を発生させることで、低デューティ比におけるパルス信号の分解能を向上させる調光装置100Aを提供することができる。
【数4】
・・・(A1)式
【0058】
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
【符号の説明】
【0059】
100 調光装置
10 制御部
11 積分器
12 電圧比較器
13 駆動信号生成部(ゲートラッチ部)
20 トリガ発生部
30 CPU