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特許7442194フレキシブル基板上の集積回路の製造プロセス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】フレキシブル基板上の集積回路の製造プロセス
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20240226BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20240226BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
H05K1/02 A
H05K3/00 X
H05K3/46 B
H05K3/46 Q
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020539740
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 GB2019050243
(87)【国際公開番号】W WO2019150093
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】1801457.1
(32)【優先日】2018-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520195925
【氏名又は名称】プラグマティック セミコンダクター リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PRAGMATIC SEMICONDUCTOR LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100099634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 安雄
(72)【発明者】
【氏名】プライス リチャード
(72)【発明者】
【氏名】コブ ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】デーヴィス ネイル
【審査官】原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-149517(JP,A)
【文献】特開2008-268666(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0333221(US,A1)
【文献】国際公開第2015/008658(WO,A1)
【文献】特表2015-537371(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 3/00
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア上に複数の個別集積回路(IC)を製造するプロセスであって、
フレキシブル基板用のキャリアを用意するステップと、
前記キャリア上に均一な厚さのフレキシブル基板を堆積させるステップと、
複数のIC接続エリアによって互いから離隔された複数のIC基板エリアを規定するように、前記均一な厚さのフレキシブル基板をパターニングするステップと、
前記フレキシブル基板にチャネルを形成し、前記チャネルによって前記キャリア上で互いから離隔された複数のIC基板ユニットを形成するため、前記フレキシブル基板の前記厚さの第1の部分を前記IC接続エリアそれぞれ第1の部分から除去し、前記フレキシブル基板の前記厚さの第2の部分を前記IC接続エリアそれぞれの前記第1の部分よりも厚さが薄い第2の異なる部分から除去するステップ(i)と、
前記IC基板ユニットのうちの少なくとも1つの上に集積回路を直接形成するステップ(ii)と、を含み、
ステップ(i)は、ステップ(ii)に先行するプロセス。
【請求項2】
キャリア上に複数の個別集積回路(IC)を製造するプロセスであって、
フレキシブル基板用のキャリアを用意するステップと、
前記キャリア上に均一な厚さのフレキシブル基板を堆積させるステップと、
複数のIC接続エリアによって互いから離隔された複数のIC基板エリアを規定するよ
うに、前記均一な厚さのフレキシブル基板をパターニングするステップと、
前記IC基板エリアのうちの少なくとも1つの上に集積回路の一部分を直接形成するステップと、
前記フレキシブル基板にチャネルを形成し、前記チャネルによって前記キャリア上で互いから離隔された複数のIC基板ユニットを形成するため、前記フレキシブル基板の前記厚さの第1の部分を前記IC接続エリアそれぞれ第1の部分から除去し、前記フレキシブル基板の前記厚さの第2の部分を前記IC接続エリアそれぞれの前記第1の部分よりも厚さが薄い第2の異なる部分から除去するステップと、
前記IC基板エリアのうちの少なくとも1つの上における前記集積回路の直接の形成を完了させるステップと、を含むプロセス。
【請求項3】
前記IC基板ユニットそれぞれの上に集積回路を形成することを含む、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
各IC基板ユニットが均一な厚さのフレキシブル基板を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
少なくとも1つのチャネルが前記IC基板ユニットそれぞれの間に形成された、複数のパターニングされたチャネルを前記キャリア上で形成するように、前記フレキシブル基板の前記厚さ全体を前記IC接続エリアそれぞれの一部分から除去することを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
少なくとも1つのチャネルが前記IC基板ユニットそれぞれの間に形成される、複数のパターニングされたチャネルを前記キャリア上に形成するように、前記IC接続エリアそれぞれに沿って前記フレキシブル基板の前記厚さ全体を除去するのと残すのとを順に行うことによって、前記IC接続エリアの隣接したIC基板ユニット間に切取り線を形成することを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記フレキシブル基板の前記厚さの第1の部分を前記IC接続エリアそれぞれの第1の部分から除去するのと、前記フレキシブル基板の前記厚さの第2の部分を前記IC接続エリアそれぞれの前記第1の部分よりも厚さが薄い第2の異なる部分から除去するのとを順に行うことによって、前記IC接続エリアの隣接したIC基板ユニット間に切取り線を形成することを含む、または少なくとも1つのチャネルが前記IC基板ユニットそれぞれの間に形成される、複数のパターニングされたチャネルを前記キャリア上に形成するように、前記IC接続エリアそれぞれに沿って前記フレキシブル基板の前記厚さ全体を除去するのと前記フレキシブル基板の厚さの一部を除去するのとを順に行うことによって、前記IC接続エリアの隣接したIC基板ユニット間に切取り線を形成することを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記チャネルに隣接した前記IC基板ユニットから離隔された、前記フレキシブル基板の少なくとも1つの構造を前記チャネル内に有するチャネルを形成するように、前記フレキシブル基板の前記厚さ全体を前記IC接続エリアそれぞれの一部分から除去することによって、少なくとも1つの構造を前記IC接続エリアに形成することを含む、請求項1からのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記キャリア上の前記IC基板ユニットの形状が均一であるか、または前記IC基板ユニットが多角形である、請求項1からのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記キャリア上の前記IC基板ユニットのうちの少なくとも1つにおける少なくとも1つのエッジが、少なくとも1つのくぼみを備えるか、または前記エッジが一連のくぼみを備える、請求項1からのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記キャリアが剛性である、請求項1から10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記キャリアが可撓性であるか、または前記キャリアが可撓性剥離テープである、請求項1から10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記フレキシブル基板の少なくとも一部分が前記IC接続エリアから除去されて、前記キャリア上の所定の位置にあるパターンでチャネルが形成され、かつ/または前記パターンが、前記キャリアの前記エッジ間を延在する一連の交差するチャネルで形成され、かつ/または前記チャネルのパターンが前記キャリア全体にわたって均一である、または前記チャネルのパターンが前記キャリア全体にわたって不均一である、請求項10に記載のプロセス。
【請求項14】
前記フレキシブル基板が単一層で形成される、または前記フレキシブル基板が、中間層によって互いから離隔された2つのポリマー基板層を備える、層状構造を備える、請求項1から13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記フレキシブル基板材料が、ポリマー、またはポリイミド、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、パリレン、ベンゾシクロブテン、Cytop(商標)、ネガ型エポキシ樹脂フォトレジスト、水素シルセスキオキサン(HSQ)、およびポリアリールエーテルエーテルケトン(PEEK)のうちの1つまたは複数、または金属酸化物、金属リン酸塩、金属硫酸塩、金属硫化物、金属窒化物、金属酸窒化物、無機絶縁体、およびスピン加工可能なガラスのうちの1つまたは複数を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記キャリアと前記フレキシブル基板との間の境界面が、前記フレキシブル基板を前記キャリアに直接接着することによって形成される、請求項1から15のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記境界面が中間層を備え、かつ/または前記中間層が接着剤を備え、かつ/または前記中間層がチタン金属を含み、かつ/または前記中間層がパターニングされる、請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記キャリア上におけるIC形成プロセスの完了後、前記IC基板ユニットそれぞれを前記キャリアから剥離することによって、前記IC基板ユニットを個片化するステップを含む、請求項1から17のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路(IC)を製造するプロセスおよび装置、ならびに複数の集積回路を備えるキャリアに関する。特に、本発明は、フレキシブル基板上に複数の個別ICを製造するプロセスおよび装置、ならびにフレキシブル基板上の複数の個別集積回路を備えるキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のウェハ処理技術は、一般的には結晶化シリコン製であって複数の集積回路(IC)をその上に備えるウェハを、大きいウェハ・フレーム上の接着フィルムに載せることを伴う。ウェハは、ダイシングされてから、ICをそれぞれ備える隣接したダイ間に空間が作られるように張力下で、集積機械に入れられる。結果として得られる集積回路(IC)を扱う間、次に単一のダイが接着フィルムから取り上げられるかもしくは移動させられ、電子回路を形成する間、対応する導体パッドを有する第1の支持体に直接載せられるか、または向きを反転させる必要がある場合、第2のピック・ツールに載せてから、対応する導体パッドを有する前記支持体に載せられるかのいずれかが行われる。
【0003】
シリコン・ウェハではなくフレキシブル・プラスチック基板を使用するプロセスでは、プラスチック基板を集積装置の移送手段に移す前に、フレキシブル・プラスチック基板を支持している最初のキャリア(例えば、ガラス、ポリカーボネート、もしくは石英)から剥離するプロセスのステップを追加して、同じプロセスを遂行することができる。このガラス・キャリアからの除去プロセスにより、ガラス・キャリアに載せた状態で配送し処理するのに十分な接着を有する一方で、続く処理の間に、真空ヘッドによって個々のフレキシブルICをガラス・キャリアから除去することが可能な形で、ダイシングしたフレキシブルICのアレイが得られる。
【0004】
電子部品(例えば、集積回路)が配置されたフレキシブル・プラスチック基板をキャリア(例えば、ガラス、ポリカーボネート、もしくは石英)から剥離するプロセスは、一般的に、電磁放射源(例えば、レーザー、フラッシュランプ、高出力LED、赤外放射源など)を用いてキャリアの裏面から処理することを伴う。そのメカニズムは、電磁放射源が主にフォトニック・アブレーション(吸収による)または熱プロセス(例えば、放熱)のどちらをもたらすかに応じて決まる。任意に、接着/剥離材料を、キャリアとフレキシブル・プラスチック基板との間に用いることができる。レーザーは、表面全体にわたって固定の離散的間隔でスキャンされる。レーザーは、基板の薄層の局所的アブレーションによって、または結合強度を低減させることによってのいずれかで、フレキシブル・プラスチック基板(例えば、フィルム)とガラス・キャリアとの間の境界面を改質する。この均衡した剥離を均一な形で達成するようにレーザーを制御することは、狭いプロセス・ウィンドウでは困難なことが実証されている。
【0005】
従来のプロセスでは、フレキシブルまたは剛性である基板(ウェハ)上のICの個片化は、「バック・エンド処理」として知られるプロセスでICを形成した後にIC間の直線に沿って基板を切断し、ウェハがフレキシブルである場合は、続いて個別ICを剥離して個片化されたICを形成する、「ダイシング」によって実施される。フレキシブル基板をダイシングする場合、この従来の方策は、レーザーまたはアブレシブ・ウォーター・ジェットによって実施される場合が多い。かかるプロセスは、時間がかかり、「汚れた」廃棄材料が生じてそれを完了した基板(ウェハ)から除去しなければならない。更に、プロセスは、基板を局所的に著しく発熱させることがあり、個片化された各IC周囲のエッジの質が悪くなることがある。それに加えて、ダイシング・プロセスで各個別ICの間に形成されるスクライブ・ラインの幅が少なくとも10μmになることがあり、この幅は貴重な基板の無駄である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の特定の実施形態の目的は、従来技術と関連する問題の1つまたは複数を少なくとも部分的に克服する、複数の集積回路を製造するプロセスおよび装置を提供することである。
【0007】
本発明の態様および実施形態は、添付の特許請求の範囲において請求するような、複数の個別集積回路を製造するプロセス、複数の個別集積回路を製造する装置、ならびにフレキシブル基板上の複数の個別集積回路を備えるキャリアを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、キャリア上に複数の個別集積回路(IC)を製造するプロセスが提供され、プロセスは、
フレキシブル基板用のキャリアを用意するステップと、
前記キャリア上に均一な厚さのフレキシブル基板を堆積させるステップと、
複数のIC接続エリアによって互いから離隔された複数のIC基板エリアを規定するように、前記均一な厚さのフレキシブル基板をパターニングするステップと、
フレキシブル基板にチャネルを形成し、前記チャネルによってキャリア上で互いから離隔された複数のIC基板ユニットを形成するため、フレキシブル基板の厚さの少なくとも一部分をIC接続エリアの少なくとも一部分から除去するステップと、
IC基板ユニットのうちの少なくとも1つの上に集積回路を形成するステップと、を含む。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、キャリア上に複数の個別集積回路(IC)を製造するプロセスが提供され、プロセスは、
フレキシブル基板用のキャリアを用意するステップと、
前記キャリア上に均一な厚さのフレキシブル基板を堆積させるステップと、
複数のIC接続エリアによって互いから離隔された複数のIC基板エリアを規定するように、前記均一な厚さのフレキシブル基板をパターニングするステップと、
IC基板エリアのうちの少なくとも1つの上に集積回路の一部分を形成するステップと、
フレキシブル基板にチャネルを形成し、前記チャネルによってキャリア上で互いから離隔された複数のIC基板ユニットを形成するため、フレキシブル基板の厚さの少なくとも一部分をIC接続エリアの少なくとも一部分から除去するステップと、
IC基板エリアのうちの少なくとも1つの上における集積回路の形成を完了させるステップと、を含む。
【0010】
別段の指定がない限り、以下の実施形態は本発明の第1の態様および第2の態様両方の実施形態である。
【0011】
特定の実施形態では、プロセスは、フレキシブル基板がIC接続エリアでキャリアに付着するのを防ぐため、キャリア(または基板の下にある他の層)を前処理するステップを含む。より具体的には、キャリア(または基板の下にある他の層)に、IC接続エリアとなる区域でプラズマ処理を施してもよい。特定の実施形態では、IC接続エリアとなる区域に材料を堆積させてもよい。特定の実施形態では、材料は、IC接続エリアとなる区域において、あるパターンでキャリア(または基板の下にある他の層)の上に堆積される。このように、キャリア(または基板の下にある他の層)を前処理して、それらの前処理された区域でフレキシブル基板がキャリア(または基板の下にある他の層)に付着するのを防ぐことができる。前処理は、基板をキャリア(または基板の下にある他の層)上に堆積させる前に行われる。
【0012】
特定の実施形態では、均一な厚さのフレキシブル基板を前記キャリア上に堆積させるステップ、および複数のIC接続エリアによって互いから離隔された複数のIC基板エリアを規定するように、前記均一な厚さのフレキシブル基板をパターニングするステップは、均一な厚さのフレキシブル基板のパターンを前記キャリア上に選択的に堆積させることを含む単一のステップである。
【0013】
特定の実施形態では、フレキシブル基板は、堆積させたときの厚さが約0.5μm~約20μmである。より具体的には、フレキシブル基板は約1μm~約10μmである。特定の実施形態では、フレキシブル基板は堆積させたときの厚さが約5μmである。
【0014】
特定の実施形態では、プロセスは、IC基板ユニットそれぞれの上に集積回路を形成することを含む。
【0015】
特定の実施形態では、各IC基板ユニットは均一な厚さのフレキシブル基板を備える。
【0016】
特定の実施形態では、プロセスは、キャリア上の隣接した各IC基板ユニット間に複数の基板なしのチャネルをキャリア上で形成するように、フレキシブル基板の厚さ全体をIC接続エリアそれぞれの全てから除去するステップを含む。
【0017】
特定の実施形態では、プロセスは、少なくとも1つのチャネルがIC基板ユニットそれぞれの間に形成された、複数のパターニングされたチャネルをキャリア上で形成するように、フレキシブル基板の厚さ全体をIC接続エリアそれぞれの一部分から除去することを含む。
【0018】
特定の実施形態では、プロセスは、各チャネルが隣接したIC基板ユニット間に基板の相互接続部分を備える、複数のチャネルをキャリア上で形成するように、フレキシブル基板の厚さの一部分をIC接続エリアそれぞれから除去することを含む。
【0019】
特定の実施形態では、チャネル内の隣接したIC基板ユニットを接続するフレキシブル基板相互接続部分は、厚さ約100nm~約200nmであり、IC基板ユニットは厚さ約0.5μm~約20μmである。より具体的には、フレキシブルIC基板ユニットはそれぞれ厚さ約1μm~約10μmである。特定の実施形態では、フレキシブルIC基板ユニットはそれぞれ、堆積させたときの厚さが約5μmである。このように、基板相互接続部分は、隣接したIC基板ユニットの間にブリッジを形成する。これには、基板がキャリアから剥離された場合に、IC集積が開始されるときまで、IC基板ユニットが相互接続部分によって接続されたままであるという利点がある。
【0020】
特定の実施形態では、プロセスは、フレキシブル基板の厚さの第1の部分をIC接続エリアそれぞれの第1の部分から除去することと、フレキシブル基板の厚さの第2の部分をIC接続エリアそれぞれの第2の部分から除去することと、を含む。
【0021】
特定の実施形態では、第1の部分は第2の部分よりも厚い。
【0022】
特定の実施形態では、プロセスは、少なくとも1つのチャネルがIC基板ユニットそれぞれの間に形成される、複数のパターニングされたチャネルをキャリア上に形成するように、IC接続エリアそれぞれに沿ってフレキシブル基板の厚さ全体を除去するのと残すのとを順に行うことによって、IC接続エリアの隣接したIC基板ユニット間に切取り線を形成することを含む。
【0023】
特定の実施形態では、プロセスは、フレキシブル基板の厚さの第1の部分をIC接続エリアそれぞれの第1の部分から除去するのと、フレキシブル基板の厚さの第2の部分をIC接続エリアそれぞれの第1の部分よりも厚さが薄い第2の異なる部分から除去するのとを順に行うことによって、IC接続エリアの隣接したIC基板ユニット間に切取り線を形成することを含む。
【0024】
特定の実施形態では、プロセスは、少なくとも1つのチャネルがIC基板ユニットそれぞれの間に形成される、複数のパターニングされたチャネルをキャリア上に形成するように、IC接続エリアそれぞれに沿ってフレキシブル基板の厚さ全体を除去するのとフレキシブル基板の厚さの一部を除去するのとを順に行うことによって、IC接続エリアの隣接したIC基板ユニット間に切取り線を形成することを含む。
【0025】
特定の実施形態では、プロセスは、チャネルに隣接したIC基板ユニットから離隔された、フレキシブル基板の少なくとも1つの構造をチャネル内に有するチャネルを形成するように、フレキシブル基板の厚さ全体をIC接続エリアの一部分から除去することによって、少なくとも1つの構造をIC接続エリアに形成することを含む。
【0026】
特定の実施形態では、構造は試験構造である。このように、ICの形成中におけるICの基板および/または1つもしくは複数の層に関するパターン・アライメントならびに/あるいはエッチングを試験し検証して、各層が既に堆積されている層と位置合わせされてパターニングされ形成されていることを確認することができる。特定の実施形態では、試験構造を使用して、プロセス、デバイス、および/または回路の任意の所望の態様に関する情報を集めることができる。
【0027】
特定の実施形態では、プロセスは、基板がないかまたはパターニングされているかのいずれかのチャネル内に充填剤を堆積させることを含む。
【0028】
特定の実施形態では、充填剤は除去可能にチャネル(例えば、基板がないかまたはパターニングされている)内に堆積される。
【0029】
特定の実施形態では、充填剤は、チャネルを充填するようにして、チャネル(例えば、基板がないかまたはパターニングされている)内に堆積される。このように、チャネルは、IC基板ユニットの上面の高さまで完全に充填されるので、IC基板ユニット(またはその上に形成されたIC)とチャネル内の充填剤の上面とは実質的に共面である。このように、IC製造中の後続の処理を改善する(例えば、より簡単にする)ことができる。
【0030】
したがって、パターニングされたIC基板ユニット(続いてその上にICが堆積される)の間のチャネル、即ち「レーン」は、IC形成の間、層が堆積されるにしたがって繰返しパターニングされ、任意に除去されてもよい。代替の方策では、最初に基板をパターニングし、IC基板ユニットを形成した後、IC基板ユニット間のチャネルに、例えばIC個片化段階で簡単に除去されてもよい材料が充填されてもよい。この方策は、IC基板ユニット間のチャネルが完全に除去されるプロセス、および基板がIC接続エリアから部分的にのみ除去され、例えば隣接したIC基板ユニットを接続する一部の基板を残すプロセスに、適用可能である。
【0031】
特定の実施形態では、集積回路の形成が完了すると、チャネルおよびその上に堆積された任意の層に充填するのに使用された材料は、化学処理、例えば湿式または乾式エッチングによって、除去されてもよい。
【0032】
特定の実施形態では、IC基板ユニットは、フォトリソグラフィまたは選択的堆積によって、フレキシブル基板をパターニングすることによって形成される。
【0033】
特定の実施形態では、IC基板ユニット間のチャネル内に堆積される充填剤は金属である。より具体的には、金属充填剤は、ニッケル、銅、銀、金、およびパラジウムのうちの1つまたは複数である。
【0034】
特定の実施形態では、充填剤は、例えばニッケル、銅、銀、金、パラジウム、または任意の適切な代替物を、無電解めっきすることによって適用される。これにより、フレキシブル基板および充填剤を備えるウェハを実質的に平坦化することが可能になる。このように、IC製造において堆積およびエッチングのステップを順に行うことによって生じるあらゆる有害な作用を低減することができる。IC製造が完了すると、ICは、湿式または乾式エッチングなど、任意の適切な化学プロセスを使用して、キャリア(例えば、ガラス)上で個片化されて、チャネル充填物(例えば、金属)とその上に堆積された層とを選択的に分離してもよい。多くの適切な化学プロセスが当該分野において知られており、例えば、アルミニウムをエッチングしないであろう銅およびニッケルの選択的エッチング剤がある。
【0035】
特定の実施形態では、チャネルのアスペクト比が大きすぎず、またチャネルが狭すぎない場合、チャネルの底部から充填剤が取り除かれる。より具体的には、チャネル幅が約1ミクロン超過のとき、チャネルの底部から充填剤が取り除かれる。
【0036】
特定の実施形態では、少なくとも1つのIC基板ユニットの集積回路を保護するマスクが提供される。これは、例えば、乾式エッチング・プロセスにおいて有利である。
【0037】
特定の実施形態では、充填剤はポリマーである。より具体的には、ポリマー充填剤はフレキシブル基板のポリマーとは異なる。
【0038】
特定の実施形態では、フレキシブル基板は、PEN(ポリエチレン・ナフタレート)およびPI(ポリイミド)のうちの1つから形成される。これらの実施形態では、チャネルは、PMMA(ポリメチル・メタクリレート)およびPVA(ポリビニル・アセテート)のうちの1つである、別のポリマーで充填される。
【0039】
特定の実施形態では、集積回路がIC基板ユニット上に形成された後、IC基板ユニットは、適切なプロセス、例えば、溶媒プロセスまたは湿式もしくは乾式エッチング・プロセスを使用することによって個片化されて、チャネル充填ポリマーを選択的に除去してもよい。特定の実施形態では、集積回路をIC基板ユニット上に形成するのに使用されるプロセスに応じて、チャネル充填ポリマーをキャッピング層で保護して、集積回路形成中にポリマーが除去されるのを防ぐのが必要なことがある。かかる任意のキャッピング層は、IC基板ユニット間のチャネルのみと位置合わせされるようにパターニングされてもよく、または更に、IC基板ユニットの上面を実質的に覆ってもよい。特定の実施形態では、キャッピング層は、集積回路個片化の前の適切な時点で、チャネル充填ポリマーから除去されてもよい。
【0040】
特定の実施形態では、フレキシブル基板をキャリア上に堆積させる前または堆積させた後、プロセスは、金属シード層を適用するステップを含んでもよい。
【0041】
特定の実施形態では、金属シード層は任意の適切な堆積技術を使用して適用される。特定の実施形態では、金属シード層はスパッタリングを使用して適用される。金属シード層を適用するのに、他の任意の適切なパターニングおよび堆積技術が使用されてもよいことが理解されるべきである。
【0042】
特定の実施形態では、金属シード層はリソグラフィまたはエッチングを使用してパターニングされる。
【0043】
特定の実施形態では、金属シード層はパターンで適用される。より具体的には、金属シード層は、IC接続エリアのパターンに合致する、または実質的に合致するパターンで適用される。このように、IC接続エリア内の基板を完全に除去することによって形成されたチャネルは、金属シード層を露出させる。あるいは、金属シード層は、IC基板ユニット間のチャネル内にパターンで適用される。より具体的には、金属シード層は、フレキシブル基板を堆積させ、チャネルを基板に形成した後に適用される。
【0044】
したがって、金属シード層のパターンが適用されると、フレキシブル基板が既に堆積されていなければそれが堆積され、チャネルを形成するようにパターニングされ、つまり、金属シード層の上に堆積されたフレキシブル基板層にチャネルがエッチングされるか、または金属シードのチャネルの間にフレキシブル基板が選択的に堆積されるかのいずれかである。
【0045】
フレキシブル基板をパターニングし、チャネルを除去することによって、IC基板ユニットが形成された後、更なる(より厚い)金属層が金属シード層上に成長させられ、IC基板ユニット間のチャネルが充填される。これは、化学蒸着、物理蒸着、電気めっき、無電解めっきなど、任意の適切な既知の技術によって実施されてもよい。
【0046】
特定の実施形態では、チップ貫通ビアおよび/または裏面集積回路導体パッドが形成されてもよい。より具体的には、金属層の最初のパターニングは、IC基板ユニット間のチャネルにおける任意のかかるパターニングに加えて、またはその代わりのいずれかに、金属層または金属シード層機構を順に形成されたIC基板ユニットの境界内に適用することを含んでもよい。
【0047】
あるいは、特定の実施形態では、金属層、例えば、電気めっき、蒸着などによって堆積される、金属シード層または他の金属層は、IC基板ユニットおよびその内部機構(例えば、内部ビア)が形成された後に適用されてもよい。より具体的には、金属シーディングおよび/または金属充填ステップに関連して上述したようなチャネル機構に加えて、またはその代わりに、IC基板ユニットの内部機構が形成され充填されてもよい。金属シーディングが実施される場合、フレキシブル基板および金属シード層がパターニングされると、より厚い金属層が金属シード層上に成長させられて、IC基板ユニットの内部機構が実質的に充填される。
【0048】
特定の実施形態では、金属層は、IC基板ユニットの上面まで成長または堆積されてもよい。
【0049】
特定の実施形態では、IC基板ユニット上にICを形成する後続のプロセス中、IC配線(例えば、金属トラック)が、内部機構上に堆積された金属に接続されてもよい。ICを完成(更なる層の堆積を含んでもよい)させ個片化し、キャリアから分離した後、内部機構は、ICの下面に導体パッド(「底面接点」)を形成する。導体パッドは、ICを裏返すことなく応用回路に、例えばアンテナに接続されてもよく、それによって組立てプロセスが単純になる。
【0050】
更なる金属層を金属充填された内部機構の上に構築することによって、「チップ貫通ビア」を、つまりICの上面とICの下面との間を通る導電性機構を作成することが可能である。これにより、ICおよび/または他の構成要素を、アプリケーション基板上の同じ物理的区域に、または重なり合った区域に「スタッキング」することが可能になる。これにより、相互接続部の面積を削減するとともに金属トラッキングを低減し、単純に面積を低減しトラッキングすることによって、または場合によっては応用回路上における金属トラッキングの「クロスオーバー」の必要性を排除することによってのいずれかで、応用回路のコストを低減して、必要な製作ステップの数を低減することができる。
【0051】
特定の実施形態では、導体パッドは、フレキシブル基板を堆積させる前に、金属層をキャリアに適用することによって作成することができる。あるいは、特定の実施形態では、導体パッドは、最初にフレキシブル基板を、次に金属層を堆積させることによって作成することができる。
【0052】
特定の実施形態では、金属導体パッドは、金属層を離散的パターンでキャリア上に適用することによって、キャリア(例えば、ガラス)上に直接パターニングされる。続いて、フレキシブル基板が金属層上に堆積される。
【0053】
特定の実施形態では、次に、(例えば、ポリイミド・フィルムの酸素プラズマ乾式エッチングを用いて)フレキシブル基板層を通してビアがエッチングされ、接続部が上層に作られる。特定の実施形態では、これらの接続部は、上部金属層をフレキシブル基板に適用することによって作られる。かかる実施形態では、上部金属層は、エッチングされたビアの周りの上向きに傾斜した側壁を通って接続部を形成するか、または(電気/無電解めっき技術などの方法を使用して)ビアを充填する。この方法では、底部パッドに接続しているフレキシブル基板のビアは、限定された面積から成ることができ、パッドはビアを超えて延在する。
【0054】
特定の実施形態では、フレキシブル基板(例えば、プラスチック・フィルム)がキャリア(例えば、ガラス)上に堆積され、続いてフレキシブル基板を通るビアがエッチングされる。特定の実施形態では、ビアは頂部よりも底部の方が狭い(即ち、ビア壁は底部に向かって狭まっている)。続いて、金属層が堆積されて、ビア・エッジに破断がないようにすることができ、したがって金属がキャリアに接触するまで下方に、また基板層の頂部まで上方に至る。底部の導体パッド面積は、この方法では、ビアのサイズによって規定され、フレキシブル基板のエッチングされた領域が大きくなる。換言すれば、IC基板ユニットを堆積させる前に金属導体パッドを堆積させることで、任意に、導体パッドの面積を、後でその上に形成され、それに接続するように金属で充填される、内部機構(例えば、内部ビア)の面積よりも大きくすることが可能になる。対照的に、IC基板ユニットの堆積後にのみ形成される底面接点は、その面積が内部機構の面積に限定されてもよい。
【0055】
特定の実施形態では、キャリアからの金属導体パッド・エリアの適切な剥離を確保するために、剥離層が金属導体パッドの下方に適用されてもよい。剥離層は、剥離に使用されるレーザーと相互作用し、金属導体パッド・エリアをキャリアから完全に剥離するように設計される。
【0056】
特定の実施形態では、剥離層は、アルミニウムの導体パッドの下にチタンの界面層を備える。
【0057】
特定の実施形態では、キャリア上のIC基板ユニットは形状が均一である。より具体的には、IC基板ユニットは多角形である。このように、基板の広い面積を無駄にすることなく、多数のIC基板ユニットをキャリア上に形成することができる。
【0058】
あるいは、IC基板ユニットは形状が不規則である。このように、IC基板ユニットおよびその上に形成されたICの形状が、製品のセキュリティおよびトレーサビリティ機能を形成してもよい。
【0059】
特定の実施形態では、キャリア上のIC基板ユニットのうちの少なくとも1つにおける少なくとも1つのエッジは、少なくとも1つのくぼみを備える。
【0060】
特定の実施形態では、エッジは一連のくぼみを備える。このように、少なくとも1つのIC基板ユニットのエッジの外形が識別コードを提供し、それによってキャリアを、より詳細にはその上に形成された基板およびICを、製造プロセスとその先を通して追跡することができる。
【0061】
特定の実施形態では、キャリアは剛性である。より具体的には、キャリアは、ガラス、ポリカーボネート、または石英である。
【0062】
特定の実施形態では、キャリアは可撓性である。より具体的には、キャリアは可撓性剥離テープである。
【0063】
特定の実施形態では、フレキシブル基板の少なくとも一部分がIC接続エリアから除去されて、キャリア上の所定の位置にあるパターンでチャネルが形成される。
【0064】
特定の実施形態では、パターンは、キャリアのエッジ間を延在する一連の交差するチャネルで形成される。
【0065】
特定の実施形態では、チャネルのパターンはキャリア全体にわたって均一である。
【0066】
特定の実施形態では、チャネルのパターンはキャリア全体にわたって不均一である。
【0067】
特定の実施形態では、フレキシブル基板は単一層で形成される。
【0068】
特定の実施形態では、フレキシブル基板材料はポリマーである。
【0069】
特定の実施形態では、フレキシブル基板材料は、ポリイミド、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、パリレン、ベンゾシクロブテン、非晶質フルオロポリマー、例えばCytop(商標)(AGCケミカルズ・ヨーロッパ(AGC Chemicals Europe))、ネガ型エポキシ樹脂フォトレジスト、例えばSU-8(MicrChem)、水素シルセスキオキサン(HSQ)、およびポリ(アリールエーテルケトン)(PEEK)のうちの1つまたは複数を含む。
【0070】
特定の実施形態では、フレキシブル基板は、中間層(例えば、窒化シリコン、二酸化シリコン、もしくは酸化アルミニウムなどの無機層)によって互いから離隔された2つのポリマー基板層を備える、層状構造を備える。このように、フレキシブル基板の丸まりが緩和または防止される。
【0071】
特定の実施形態では、フレキシブル基板材料は、金属酸化物、金属リン酸塩、金属硫酸塩、金属硫化物、金属窒化物、金属酸窒化物、無機絶縁体、およびスピン加工可能なガラス(spinnable glass)のうちの1つまたは複数を含む。
【0072】
特定の実施形態では、キャリアとフレキシブル基板との間の境界面は、フレキシブル基板をキャリアに直接接着することによって形成される。
【0073】
特定の実施形態では、境界面は中間層を備える。
【0074】
特定の実施形態では、中間層は接着剤を備える。
【0075】
特定の実施形態では、中間層はチタン金属を含む。
【0076】
特定の実施形態では、中間層はパターニングされる。
【0077】
特定の実施形態では、プロセスは、キャリア上におけるIC形成プロセスの完了後、IC基板ユニットそれぞれをキャリアから剥離することによって、IC基板ユニットを個片化するステップを含む。
【0078】
第3の態様によれば、本発明は、キャリア上に複数の個別集積回路(IC)を製造するプロセスを提供し、プロセスは、
フレキシブル基板用のキャリアを用意するステップと、
複数のIC接続エリアによって互いから離隔された複数のIC基板エリアを規定する、均一な厚さのフレキシブル基板のパターンを、前記キャリア上に堆積させるステップと、
IC基板ユニットのうちの少なくとも1つの上に集積回路を形成するステップと、を含む。
【0079】
特定の実施形態では、プロセスは、IC基板ユニットそれぞれの上に集積回路を形成することを含む。
【0080】
特定の実施形態では、キャリア上のIC基板ユニットは形状が均一である。
【0081】
特定の実施形態では、IC基板ユニットは多角形である。
【0082】
特定の実施形態では、IC基板ユニットは形状が不規則である。
【0083】
特定の実施形態では、キャリア上のIC基板ユニットのうちの少なくとも1つにおける少なくとも1つのエッジは、少なくとも1つのくぼみを備える。
【0084】
特定の実施形態では、エッジは一連のくぼみを備える。
【0085】
特定の実施形態では、キャリアは剛性である。
【0086】
特定の実施形態では、キャリアは、ガラス、ポリカーボネート、または石英である。
【0087】
特定の実施形態では、キャリアは可撓性である。
【0088】
特定の実施形態では、キャリアは可撓性剥離テープである。
【0089】
特定の実施形態では、あるパターンでキャリア上の所定の位置にチャネルの形態のIC接続エリアを提供するように、フレキシブル基板の少なくとも一部分がパターンで堆積される。
【0090】
特定の実施形態では、パターンは、キャリアのエッジ間を延在する一連の交差するチャネルで形成される。
【0091】
特定の実施形態では、チャネルのパターンはキャリア全体にわたって均一である。
【0092】
特定の実施形態では、チャネルのパターンはキャリア全体にわたって不均一である。
【0093】
特定の実施形態では、フレキシブル基板は単一層で形成される。
【0094】
特定の実施形態では、フレキシブル基板材料はポリマーである。
【0095】
特定の実施形態では、フレキシブル基板材料は、ポリイミド、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、パリレン、ベンゾシクロブテン、Cytop(商標)(AGCケミカルズ・ヨーロッパ)、ネガ型エポキシ樹脂フォトレジスト、例えばSU-8(MicrChem)、水素シルセスキオキサン(HSQ)、およびポリアリールエーテルエーテルケトン(PEEK)のうちの1つまたは複数を含む。
【0096】
特定の実施形態では、フレキシブル基板は、中間層(例えば、窒化シリコン、二酸化シリコン、もしくは酸化アルミニウムなどの無機層)によって互いから離隔された2つのポリマー基板層を備える、層状構造を備える。
【0097】
別段の指定がない限り、本発明の第1および第2の態様に関して記載する実施形態は、本発明の第3の態様の実施形態である。
【0098】
更なる態様によれば、本発明は、本発明によるプロセスを実現するように構成された装置を提供する。
【0099】
更なる態様によれば、本発明は、本発明のプロセスにしたがって形成された複数の個別ICを備えるキャリアを提供する。
【0100】
更に別の態様によれば、本発明は、複数の個別ICのうちの少なくとも1つが、第1の電気導体パッドと、少なくとも1つの第2の電気導体パッドと、橋絡絶縁部分(bridging insulating portion)および橋絡絶縁部分から延在する横方向に延びる絶縁体部分を備える絶縁部材とを備える、複数の個別ICを備えるキャリアを提供する。したがって、第1の電気導体パッドは第2の電気導体パッドから電気的に隔離されるので、第1および第2の電気導体パッドそれぞれを、端部部分が互いから電気的に分離された応用回路トラックに接続することができる。
【0101】
特定の実施形態では、横方向に延びる絶縁体部分は、実質的に橋絡絶縁部分の端部から延在する。
【0102】
特定の実施形態では、絶縁部材はフレキシブル基板で形成される。
【0103】
特定の実施形態では、橋絡絶縁部分は、第1の電気接触素子および第2の電気接触素子を互いから電気的に隔離する。
【0104】
特定の実施形態では、第1の電気導体パッドおよび少なくとも1つの第2の電気導体パッドのうちの少なくとも1つは、横方向に延びる絶縁体部分上に位置する。
【0105】
特定の実施形態では、第1の電気導体パッドおよび少なくとも第2の電気導体パッドのうちの少なくとも1つの他方は、横方向に延びる絶縁体部分から離れた橋絡絶縁部分の端部に位置する。このように、第1の電気導体パッドおよび第2の電気導体パッドは互いから分離されて、ICがより長い距離を橋絡することが可能になる。
【0106】
特定の実施形態では、絶縁部材は、Z字形、L字形、I字形、C字形、T字形、またはW字形の形状のうちのいずれか1つである。したがって、ICの形状は、応用回路トラックの構成、またはICが適用される応用回路接点の配置に基づいて、必要な用途に合致するように選ぶことができる。例えば、ICの用途は、例えば、その回路構成のフットプリント面積または導体パッドの最小分離距離によって制限されてもよい。
【0107】
特定の実施形態では、橋絡絶縁部分は、横方向に延びる絶縁体部分よりも狭い幅を有する。したがって、ICのフットプリントが更に低減されて、製造中のキャリアのフットプリント有効範囲が最大になり、ICのコスト削減の可能性が最大になる。
【0108】
特定の実施形態では、橋絡絶縁部分は均一な幅を有する。
【0109】
特定の実施形態では、橋絡絶縁部分は不均一な幅を有する。
【0110】
特定の実施形態では、第1の電気導体パッドおよび少なくとも第2の電気導体パッドはそれぞれ基板上に位置する。
【0111】
特定の実施形態では、横方向に延びる絶縁体部分は、橋絡絶縁部分から1°~179°の角度で延在する。
【0112】
特定の実施形態では、横方向に延びる絶縁体部分は、実質的に橋絡絶縁部分から垂直に延在する。このように、ICは、垂直のグリッド上に便利に設計されるか、またはグリッド上に設計された回路構成に適用されてもよい。これらのグリッドは、IC設計自動化および組立てツールが作成するように設計された、共通のパターンである。
【0113】
特定の実施形態では、ICは第2の横方向に延びる部分を備える。
【0114】
特定の実施形態では、ICを備える電気回路は、集積回路の第1の電気導体パッドおよび少なくとも第2の電気導体パッドで応用回路に電気的に接続される。
【0115】
特定の実施形態では、応用回路は、第1の回路接点と第2の回路接点とを備える。
【0116】
特定の実施形態では、第1の回路接点は、ICの電気導体パッドに電気的に接触するように適合される。
【0117】
特定の実施形態では、第2の回路接点は、ICの第2の電気導体パッドに電気的に接触するように適合される。
【0118】
特定の実施形態では、応用回路は、第1の回路接点と第2の回路接点との間に挟まれた少なくとも1つの応用回路機構を更に備える。このように、ICの導体パッドは第1および第2の回路接点に接触することができ、ICが、第1および第2の回路接点の間に挟まれた少なくとも1つの応用回路機構と電気的に接触することなく、少なくとも1つの応用回路機構を橋絡することが可能になる。
【0119】
特定の実施形態では、第1の回路接点および第2の回路接点のうちの少なくとも1つは、電気導体パッドのうちの少なくとも1つに対して角度をつけられるように動作可能である。このように、ICの形状は、互いに平行ではない応用回路トラックに接触して、ICの応用範囲を増大させるように適合されてもよい。
【0120】
特定の実施形態では、集積回路アセンブリは複数のICを備える。
【0121】
特定の実施形態では、キャリアは、繰返しパターンで配置された複数のICを備える。特定の実施形態では、パターンは碁盤目状パターンである。したがって、ICによるキャリアのフットプリント適用範囲が最大になり、キャリア表面積をより有効に使用することが可能になる。
【0122】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0123】
図1a】本発明のプロセスの一実施形態にしたがって形成されたキャリア上における、パターニングされた基板上の複数の個別ICの形成を示す図である。
図1b】本発明のプロセスの一実施形態にしたがって形成されたキャリア上における、パターニングされた基板上の複数の個別ICの形成を示す図である。
図1c】本発明のプロセスの一実施形態にしたがって形成されたキャリア上における、パターニングされた基板上の複数の個別ICの形成を示す図である。
図1d】本発明のプロセスの一実施形態にしたがって形成されたキャリア上における、パターニングされた基板上の複数の個別ICの形成を示す図である。
図1e】本発明のプロセスの一実施形態にしたがって形成されたキャリア上における、パターニングされた基板上の複数の個別ICの形成を示す図である。
図1f】本発明のプロセスの一実施形態にしたがって形成されたキャリア上における、パターニングされた基板上の複数の個別ICの形成を示す図である。
図2】本発明のプロセスの一実施形態にしたがって形成されたキャリア上における、複数の個別ICのためのパターニングされた基板を示す模式図である。
図3】本発明のプロセスの一実施形態にしたがって形成されたキャリア上における、複数の個別ICのためのパターニングされた基板を示す模式図である。
図4a】本発明のプロセスの一実施形態による、キャリア上に形成されたICと、隣接した基板ユニット間の1つまたは複数のチャネル内にある1つまたは複数の構造とをそれぞれ有する、複数の個別基板ユニットを示す図である。
図4b】本発明のプロセスの一実施形態による、キャリア上に形成されたICと、隣接した基板ユニット間の1つまたは複数のチャネル内にある1つまたは複数の構造とをそれぞれ有する、複数の個別基板ユニットを示す図である。
図4c】本発明のプロセスの一実施形態による、キャリア上に形成されたICと、隣接した基板ユニット間の1つまたは複数のチャネル内にある1つまたは複数の構造とをそれぞれ有する、複数の個別基板ユニットを示す図である。
図5】基板ユニットの1つがエッジ外形を備える、2つの交差するチャネルによって離隔されたキャリア上の4つの個別基板ユニットを示す図である。
図6a】個別基板ユニットの形状に関する様々な実施形態を示す図である。
図6b】個別基板ユニットの形状に関する様々な実施形態を示す図である。
図6c】個別基板ユニットの形状に関する様々な実施形態を示す図である。
図6d】個別基板ユニットの形状に関する様々な実施形態を示す図である。
図6e】個別基板ユニットの形状に関する様々な実施形態を示す図である。
図7a】個別基板ユニット上に形成されたICを備えるキャリアを示す図である。
図7b】個別基板ユニット上に形成されたICを備えるキャリアを示す図である。
図7c】本発明の一実施形態における、キャリア上にIC層および基板層を通して作成された電気接続を含む、個別基板ユニット上に形成されたICを備えるキャリアを示す図である。
図7d】本発明の一実施形態における、キャリア上にIC層および基板層を通して作成された電気接続を含む、個別基板ユニット上に形成されたICを備えるキャリアを示す図である。
図8a】金属シード層にチャネルをパターニングする方法を示す図である。
図8b】金属シード層にチャネルをパターニングする方法を示す図である。
図8c】金属シード層にチャネルをパターニングする方法を示す図である。
図8d】金属シード層にチャネルをパターニングする方法を示す図である。
図8e】金属シード層にチャネルをパターニングする方法を示す図である。
図9a】応用回路の様々な構成に適用されるICを示す図である。
図9b】応用回路の様々な構成に適用されるICを示す図である。
図9c】応用回路の様々な構成に適用されるICを示す図である。
図9d】応用回路の様々な構成に適用されるICを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0124】
次に、図1a~1dを参照すると、この図は、本発明のプロセスの一実施形態にしたがって形成されたキャリア上における、パターニングされた基板上の複数の個別ICの形成を示している。
【0125】
図1aおよび1bで分かるように、平坦なガラス・キャリアが提供され、その上にポリイミド基板3の層が堆積される。ポリイミド基板層は、ガラス・キャリア1全体にわたって均一な厚さを有する。リソグラフィ印刷技術を使用して、ポリイミド基板3がパターニングされて(図1cを参照)、複数のIC接続エリア7によって互いから離隔された複数のIC基板エリア5が規定される。IC接続エリア7は、長手方向および横断方向の両方でエッジからエッジまで基板3を横切って、交差するライン7と複数の均一なIC基板エリア5のパターンを形成する。
【0126】
次に、基板3は、エッチングによって、例えばIC接続エリア7内に含まれる基板3の露出部分を現像して取り除くことによって除去されて、キャリア1を露出させ、チャネルをフレキシブル基板3に形成する。複数のIC基板ユニット5は、キャリア1上でチャネルによって互いから離隔される。
【0127】
図1dで分かるように、次に、集積回路9の層がIC基板ユニット5それぞれの上に形成されて、複数の個別集積回路9が基板3上に形成され、チャネルによって互いから離隔される。
【0128】
次に、各個別IC9を、個別ICとその基板ユニット5をキャリア1から除去することによって個片化することができる(図示なし)。
【0129】
プロセスの変形例(図示なし)では、フレキシブル・ポリイミド基板層を堆積させパターニングして、IC接続エリアによって互いから離隔された複数のIC基板エリアを規定した後、集積回路の一部分がIC基板エリアそれぞれの上に形成される。その後、フレキシブル基板は、基板をキャリアからエッチングして、フレキシブル基板にチャネルを形成し、前記チャネルによってキャリア上で互いから離隔された複数の個別の部分的に形成されたIC基板ユニットを形成することによって、IC接続エリアから除去される。チャネルが基板に形成されると、IC基板ユニット上における集積回路の形成が完了する。
【0130】
図1a~1fに示されるように、IC基板ユニット5は、基板ユニット5上におけるIC9の形成が完了する前に、個別ユニットとしてキャリア1上に形成される。IC製造の1つまたは複数の段階において、リソグラフィで規定されるパターニングおよびそれに続くエッチングによって、各IC基板ユニット5の境界の外にある基板層3を含む、実質的に全ての材料層が除去され、その段階でIC基板ユニット5間にあるチャネル(図1eおよび1fの11を参照)内のキャリア1が露出する。これは、基板層3をキャリア1上に堆積させた後に実施されてもよく、その場合、各IC9とそれらの間および中にあるあらゆる空間および/または構造との境界は、その基板層3に規定される。次に、基板層3をこのようにして、基板3の堆積直後のプロセス・ステップ(図1a~1d)で、または適切な技術、例えば基板3が影響を受けやすいエッチング技術を用いる、任意の後続の材料除去ステップのいずれかでパターニングすることができる。IC製造プロセス中にIC基板ユニット5上に続いて堆積される材料、例えば半導体、導体、または絶縁材料は、1つまたは複数の後続のエッチング・ステップで、IC基板ユニット5の境界の外部、およびそれらの間もしくは中にあるあらゆる空間または構造から除去されてもよい。このように、IC基板ユニット5の境界の外側にある絶縁、導体、および半導体材料は、適合性がある材料パターニングおよび/または除去技術を用いる、IC形成プロセスの任意の適切なステップで除去される。
【0131】
1つを超える材料層が任意の1つのエッチング・ステップで除去されてもよいので、IC基板ユニットの境界が製造プロセス中に規定される回数は少なくなる。
【0132】
特に、IC材料の厚い層が単一のステップでエッチングされる場合、IC基板ユニット間の短い距離、即ちチャネルを維持する手段を取る必要があることが理解されるであろう。例として、数μm厚さ(例えば、0.25μm~10μm、好ましくは0.5μm~2μm)のポリマー材料を除去するエッチングが1ステップで行われる場合、酸素プラズマ・エッチングによって、基板の面に比較的垂直なIC基板ユニットの境界が短時間で作成される。これにより、10μm未満の切取り線幅を達成することが可能になってもよい。幅10μm未満のチャネルにより、複数の個別ICをキャリア上に形成する間の材料の無駄が少なくなる。特定の構成では、エッチング・プロセスはほぼ異方性(主にz軸)であるように最適化される。
【0133】
図1eおよび1fに示されるように、キャリア上に複数の個別集積回路(IC)を製造するプロセスの一実施形態は、ガラス・キャリア1を提供することと、均一な厚さの個別のフレキシブル・ポリイミド基板ユニット5のパターンをガラス・キャリア1上に印刷することと、を含む。個別のポリイミド基板ユニット5のパターンは、基板ユニット5の間のガラス・キャリア1を露出させる、複数のチャネル11によって互いから離隔される。図1fに示されるように、次に、集積回路9が、デバイスおよび/または電気的相互接続ネットワークを含む層を堆積させて、IC9を基板ユニット5上に形成することによって、個別のポリイミド基板ユニット5のそれぞれの上に形成される。図1eおよび1fに示される実施形態では、各ポリイミド基板ユニット5はその上に形成されたIC9を有する。代替実施形態(図示なし)では、ICは、ポリイミド基板ユニットの全てではなく一部に形成されてもよい。
【0134】
個別のフレキシブル・ポリイミド基板ユニットのパターンは、1つまたは複数の(例えば、印刷によって)選択的に堆積された基板層で形成されるので、個別基板ユニット5をキャリア1上に最初に形成する際にリソグラフィで規定されるパターニングは必要ない。他の変形例では、ICの他の層(例えば、導体、絶縁体、半導体)を基板ユニット5上に選択的に堆積させて、基板ユニットおよびその上のICを個別ユニットとして維持するのに必要な、リソグラフィ・パターニングのステップ数が低減される。
【0135】
図2は、ポリイミド基板ユニット50がポリカーボネート・キャリア10上に形成される、代替の基板ユニット形成を示している。図1bおよび1cに示されるように、均一な厚さの基板3が最初にキャリア10上に堆積され、リソグラフィ・パターニングによってパターニングされる。個別のポリイミド基板ユニット50は、基板材料3の一部の厚さをIC接続エリア(図1cの7)から(例えば、エッチングによって)除去して、チャネル51を形成することによって形成され、チャネル内には、ポリイミド基板3の相互接続部分53が隣接した基板ユニット50の間に残っている。これは、別の方法として、上述したポジ型フォトレジスト・プロセスによって達成することができるが、露出後の現像を不足にして露出したチャネルの一部が残るようにする。
【0136】
厚さ「y」を有する基板材料3の相互接続部分53は、隣接したIC基板ユニット50間に1つまたは複数の物理的接続を形成する。このように、第1の基板層3がパターニングされエッチングされて、IC基板ユニット50の境界の外側にある基板3がIC基板ユニット50の境界の内側にある基板よりも薄くなる。チャネル51内の隣接したIC基板ユニットを接続する基板53は、厚さ約100~200nmであるが、堆積させたときのIC基板ユニットは約5μmである。この薄い接続材料53は、IC基板ユニット50をキャリア10から除去することによってそれらを個片化し、ICを集積する前に、フレキシブル基板の扱いを改善するため、例えば、IC(図示なし)を備えるIC基板ユニット50を適所で保持するため、適所に残される。
【0137】
図3に示される代替実施形態では、均一なポリイミド基板がガラス・キャリア100上に堆積される。リソグラフィ・パターニングを使用して、ポリイミドIC基板エリア500は、最初はIC基板エリア500と同じ均一な基板厚さを有する、IC接続エリア70とともに規定される。エッチングを使用して、ポリイミド基板の厚さ全体が一連のパッチ71から除去されて、下にあるキャリア100を露出させる。このように、一連のミシン目がIC接続エリアの基板に形成されるので、チャネル111a、111bは基板および露出したキャリアの連続するエリアを備える。このように、IC基板ユニット500の境界の外側にあるポリイミド材料には、穴または他の機構がパターニングされて個別IC基板ユニットが形成され、それをキャリア100から剥離して、その上にICを備える単一の基板ユニット(図示なし)とすることができる。このパターンは、意図される時と場所においてICが分離することを確保するため、ミシン目の形態を取ることができる。隣接したICを接続する基板材料をこのように部分的に除去することによって形成されたICの個片化は、少なくとも一部には、チャネル111a、111b内の基板材料を断裂することによって達成することができる。パッチ71を取り囲むIC接続エリア70内の基板は、IC基板エリア500内の基板と同じ厚さであってもよい。あるいは、IC接続エリア70内の基板の厚さの一部が、図2を参照して上述したように、例えばエッチングによって除去されてもよい。
【0138】
リソグラフィを使用して基板をパターニングする場合、IC境界(即ち、チャネル)間の距離を、従来のウェハ・ダイシング技術で可能であるよりも短く規定することができる。チャネル線幅は10μm未満であることができ、基板の無駄が低減され、キャリア上の1つの共通基板上に形成することができるICの数が増加する。例えば、チャネル11、51は、0.1μm~20μm、0.5μm~15μm、または5μm~10μmの幅を有してもよい。
【0139】
それに加えて、本発明のプロセスは、従来のウェハ形成およびダイシング方法よりも高速かつクリーンである。
【0140】
図4a~4cに示されるように、IC接続エリア自体を、試験構造271、371、471(例えば、マスクを位置合わせするための基準)または他の機構(例えば、抵抗器、コンデンサ、トランジスタ、もしくはこれらの組み合わせ、または回路、例えばリング発振器)を含むようにパターニングすることができる。したがって、エッチング・ステップが基板材料をIC接続エリアから除去して、チャネル211a、211b、311a、311b、および411a、411bを、IC(559、359、459)を備えるIC基板ユニットの間に形成する場合、試験構造または他の機構はIC基板ユニット間のチャネル内に残ったままである。かかる試験構造および他の機構は、続いて個片化されてもよく、またはICがキャリアから除去されるとき、キャリア上に残されてもよい。
【0141】
試験構造271、371、471または他の機構は、長方形のIC基板ユニット559の角の間(図4a)、またはIC基板ユニット359、459上に形成されたICにおけるIC表面積の損失を最小限にしてそれらを受け入れるように形作られた、IC基板ユニットの角の間(図4b、4c)に配置されてもよい。
【0142】
更なる実施形態(図示なし)では、ICが上に形成されるIC基板ユニット間の機構(例えば、抵抗器、コンデンサ、トランジスタ、もしくはこれらの組み合わせ、または回路、例えばリング発振器)は、基板上、または基板の下方の層上に、例えば絶縁層上もしくはガラス・キャリア自体の上に形成することができる。
【0143】
ICおよびそれらが形成される基板ユニットは、長方形ではない境界の幾何学形状(即ち、エッジ)を有してもよい。図5に示されるように、ICとそれが形成されるIC基板ユニットとの境界659は、くぼみ(陥凹部)603を有して外形を作ることができる。外形が作られたエッジは、単一のキャリア601上の基板ユニット659に特有であってもよく、またはエッジ外形を共有するIC基板ユニットを保持するキャリアのバッチ内で共有されてもよい。このように、エッジ(境界)の外形を、キャリアまたはキャリアのバッチを固有に識別する特徴として使用することができる。
【0144】
図6a、6b、6c、6d、および6eを参照すると、IC基板ユニット5、50、500、559、359、459、659およびその上に形成されるICの形状は、任意の応用要件に合致するようにすることができる。図6cおよび6dで最もよく分かるように、ICおよびIC基板ユニット759(図6c)および859(図6d)は、その電気接点のうちの2つ以上が、広く分離された応用回路接点704a、704b、および804a、804bそれぞれに接触するように形作ることができる。応用回路接点704a、704b、および804a、804bそれぞれの広い分離は、最小限のIC表面積に適応することができる。
【0145】
図6aに示されるように、基板エリアの有効な使用を保持するのに、任意の碁盤目形状が使用されてもよい。このように、隣接した基板ユニット間にチャネルを形成することによって、IC基板ユニットがキャリア上で個別に作られたとき、基板の無駄は最小限である。IC基板ユニットの直辺の幾何学形状としては、正三角形もしくは不規則三角形、五角形、六角形、正方形、長方形などが挙げられる。
【0146】
図6bで最もよく分かるように、IC基板ユニットおよびその上に形成されたICのエッジは、曲線、凹状、または凸状であることができる。図5に示される実施形態によれば、IC基板ユニットおよびその上に形成されたICのエッジ(境界)は、コード化されたエッジ外形など、セキュリティまたはトレーサビリティのための機構を組み込むことができる。IC基板ユニットおよびその上に形成されたIC959a~i(図6a)および959j~r(図6b)の不規則または非従来的な形状を利用することによって、更なる簡単に認識可能なセキュリティおよびトレーサビリティの特性が提供される。
【0147】
図6eは、Z字形959s、L字形959t、I字形959u、およびC字形959vを含む、IC基板ユニットおよびその上に形成されたICの更なる直辺の非長方形形状を示している。IC基板ユニットおよびその上に形成されたICの形状959s~vは、あらゆる応用回路接続要件に合致するようにすることができる。IC基板ユニットおよびその上に形成されたICはまた、W字形、T字形、または応用回路の構成レイアウトなどであるがそれに限定されない、応用回路の要件に適合する他の何らかの任意の形状など、代替の直辺形状の形態を取ってもよいことが想到される。
【0148】
次に図9a、9b、9c、および9dを参照すると、図6eのIC基板ユニットおよびその上に形成されたIC959s~vは、応用回路1272の様々な構成に適合するように選択される。IC959s~vは、その電気導体パッド1262のうちの2つ以上が広く分離された応用回路1272接点に接触するように形作られる。IC959s~vは、記載したように非長方形に形作られるので、応用回路1272が互いに非平行である場合(図9cおよび9d)、互いに隣接していない場合(図9a~9d)、異なる長さおよび/または幅の場合(図9a~9c)、追加の応用回路によって互いから分離されている場合(図9a~9c)、ならびに/あるいは応用回路の障害物1500によって妨げられている場合(図9d)など、応用回路1272が任意のまたは非従来的な形で配向された場合、電気導体パッド1262は応用回路1272接点に接触する。IC959s~vのかかる形状は、応用回路1272に対する設計上の制約を取り除いて、新たな応用を容易にし、長方形ICと比較して、等価の応用回路1272に接続するのに必要なICフットプリントのサイズを低減する。このように、各ICが使用するキャリア面積が少なく、キャリア1つごとに作成されるICをより多くすることが可能である。したがって、IC自体のコストとともに、製造コストが低減される。形作られたIC959s~vは、製造中のキャリアのフットプリント有効範囲に合わせて寸法を決めることができ、ICコスト低減の可能性が最大になる。この一例は、碁盤目状パターンのIC形状を提供して、キャリア上における実装密度を高くすることである。碁盤目状自体が、実装密度および/またはキャリアからの除去のやりやすさに合わせて最適化されてもよい。
【0149】
図9aは、一端に第1の横方向に延びる区画1254と他端に第2の横方向に延びる区画1256とを有する絶縁橋絡部分1252を備える、I字形のIC959uを示している。第1および第2の区画1252、1254はそれぞれ導体パッド1262を備える。導体パッド1262は、本体部分の絶縁橋絡部分1252によって電気的に隔離される。第1の区画1254は、橋絡絶縁部分1252の両側から横方向に延在する。第2の区画1256は、同様に、橋絡絶縁部分1252の両側から横方向に延在する。2つの導体パッド1262は、2つの応用回路1272トラック(例えば、端部部分)と電気的に接触している。間に入る2つの応用回路トラックは、導体パッド1262に接触する応用回路1272トラックの間に位置付けられる。IC959uは、導体パッド1262の接触を介して、応用回路1272トラック(例えば、端部部分)を電気的に接続するブリッジを形成して、互いに直接隣接させて配置することができない応用回路を接続させることを可能にする。この例では、IC959uは、第1の区画1254および第2の区画1256上に2つの導体パッド1262を有し、1つの導体パッド1262が本体部分の各端部に配置されて、間に入る2つの応用回路トラックによって分離された応用回路トラックに接触するが、ICは、互いから電気的に隔離された2つを超える導体パッド1262を有することができ、本開示にしたがって、任意の数の間に入る応用回路トラックを橋絡できることが認識されるべきである。この例では、絶縁橋絡部分1252は、ICフットプリントを低減し、コストを削減するため、本体部分の他の部分、即ち第1および第2の区画1254および1256の幅よりも狭い幅を有する。橋絡絶縁部分1252は、この例では均一な形状を有するが、橋絡絶縁部分1252はまた、橋絡絶縁部分1252が砂時計形状を有する場合など、本開示にしたがって不均一な形状を有してもよい。
【0150】
図9bは、一端に第1の区画1254と他端に第2の区画1256とを有し、第1および第2の区画がそれぞれ導体パッド1262を配置する、本体部分を備えるZ字形のIC959sを示している。導体パッド1262は、本体部分の絶縁橋絡部分1252によって電気的に隔離される。Z字形IC959sを形成するように、第1の区画1254は橋絡絶縁部分1252の一方の側から横方向に延在し、第2の区画1256は橋絡絶縁部分1252の他方の側から横方向に延在する。2つの導体パッド1262は、2つの応用回路1272トラックと接触している。間に入る2つの応用回路トラックは、導体パッド1262に接触する応用回路1272トラックの間に位置付けられる。IC959sは、導体パッド1262の接触を介して、応用回路1272トラックを電気的に接続するブリッジを形成して、互いに直接隣接させて配置することができない応用回路を接続させることを可能にする。Z字形のIC959sは、ICのサイズを更に低減させる一方で、接点を互いからできるだけ離して配置することが可能になるように、回転させたアライメントで応用回路1272上に配置される。応用回路1272トラックは幅と分離を有する。その制約、およびできるだけ多くのICをウェハ上に詰め込む必要性を所与として、これは特に有利である。
【0151】
図9cは、橋絡絶縁部分1252の端部から横方向に延びる第1の区画1254を有する本体部分を備える、L字形のIC959tを示している。L字形のIC959tは、この例では、4つの導体パッド1262を有する。2つの導体パッド1262は第1の区画1254上に配置され、第3の導体パッド1262は橋絡絶縁部分1252と第1の区画1254との接合部に配置され、第4の導体パッドは、橋絡絶縁部分1252と第1の区画1254との接合部とは反対側の、橋絡絶縁部分1252の端部に配置される。ICをL字形のIC959tとして形作ることによって、等価の応用回路1272に接続するのに必要なICフットプリントのサイズは、長方形のIC1274と比較して低減されて、ウェハ1つごとにより多くのICを作成することが可能になる。L字形のIC959tは、4つの応用回路1272トラックに対するフットプリントを低減したブリッジとしての役割を果たす。
【0152】
図9dは、より短い橋絡絶縁部分1252を有する、図9cのものの代替のL字形のIC959tを示している(この特定の例では、橋絡は、接点の間に設けられる応用回路機構、即ちトラック、構成要素、障害物があるか否かにかかわらず、応用回路トラック1272または接点の間を「橋絡する」ものと理解される)。IC959t上の4つの導体パッド1262は、4つの異なる応用回路トラック1272に接触する。2つの導体パッド1262は第1の区画1254上に配置され、第3の導体パッド1262は橋絡絶縁部分1252と第1の区画1254との接合部に配置され、第4の導体パッドは、橋絡絶縁部分1252と第1の区画1254との接合部とは反対側の、橋絡絶縁部分1252の端部に配置される。L字形のICのフットプリントは、等価の応用回路を橋絡するのに必要な、等価の長方形のIC1274よりも小さい。ICのL字形によって、ICが応用回路障害物1500との接触を回避することが可能になるので、かかる障害物1500を有する応用回路に対する設計上の制約が取り除かれて、応用回路設計の他の態様にとって、等価の長方形のIC1274が非実用的または困難になる。この例では、応用回路の設計上の制約は応用回路障害物1500であるが、別のICまたは電子部品、ディスプレイ、または応用回路基板のエッジは更に、もしくは代替的に、形作られたICによって克服される設計上の制約であり得ることが認識される。形作られたICは、製造中のキャリア有効範囲のために単一のキャリア上に作成されるICの数が最大限になって、ICのコスト削減の可能性が最大になるように、碁盤目状パターンでキャリア上に配置することができる。
【0153】
図9a~9dに記載される例では、絶縁ブリッジ部分1252、およびIC本体部分の他の部分、即ち第1および第2の区画1254および1256は、90°の角度を形成するが、0°超過および180°未満の角度など、他の角度が形成されてもよいことが認識されるべきである。
【0154】
全ての例において、集積回路ICは、橋絡部分1252のうちの任意の1つまたは複数に位置付けられてもよく、第1および第2の区画1254および1256ならびにICは、導体パッド1262に電気的に接続してもよい。
【0155】
かかる形作られたICは、本明細書に記載する基板パターニングの方法によって製造されてもよい。あるいは、形作られたICは、レーザー・ダイシングまたは機械的切断/ダイシング(例えば、「クッキー型」打抜き加工)などの方法によって、キャリア上または可撓性支持体(例えば、UVリリース「ウェハ・フレーム」)上のいずれかで、任意の従来の製造方法を使用して作成され、次に個片化されてもよい。
【0156】
図7aおよび7bはそれぞれ、基板(図示なし)上に形成され、アパーチャ基板材料がエッチング・ステップの間にそこから除去されるアパーチャ1003、1003’の形態の内部境界を備える、IC1059、1059’を示している。アパーチャ1003、1003’は、IC1059、1059’および下にある基板に1つまたは複数の貫通穴を形成して、ガラス・キャリア1001、1001’を露出させる。アパーチャは、各ICに1つであってもよく、または各ICにパターニングされてもよく、機能上または美観上の目的のためであってもよい。図7cは、4つのかかる貫通穴1003、1003’を示しており、図示される実施形態では、接着剤1005、1005’がIC1059を通って、電気接続1015、1015’にICが接触する上面1007と下面1009との間を流れ、フレキシブルIC基板ユニット1011を通り、ガラス・キャリア1001に埋め込まれた電気接続1013,1013’と接触することを可能にしている。このように、IC1059を応用回路または他の表面に取り付けることができる。例えば、IC1059の形成に続いて、フレキシブルIC基板ユニット1011およびIC1059は、貫通穴1003および/または1003’が応用回路に埋め込まれた電気接続と位置合わせされるようにして、ガラス・キャリア1001から除去され、応用回路上に配置されてもよい。導電性接着剤1005および/または1005’は、次に、貫通穴1003および/または1003’の上端部付近に適用されて、IC1059を通って、電気接続1015、1015’にICが接触する上面1007と下面1009との間を流れ、フレキシブルIC基板ユニット1011を通り、下方の応用回路に埋め込まれた電気接続1013、1013’と接触してもよい。かかる取付けは、ICを反転させることなく、ICの上面上の電気接続を応用回路の電気接続に接続する、便利な方法をもたらす。
【0157】
図7dの実施形態では、貫通穴1003の導電性接着剤1005によって、IC1059の上面1007上の電気接点1015とIC基板ユニット1011の下面の電気接点1013との間を電気的に接続することが可能になる。導電性接着剤は、ICがキャリア1001上で取り付けられる表面上の電気接点と更に電気的に接続するように配置される。図示される実施形態では、電気接点1013はIC基板ユニット1011に埋め込まれ、ガラス・キャリア1001は接着剤が流し込まれる溝1021を備える。上述の例と同様に、IC1059は、このようにして、ガラス・キャリア1001の代わりに応用回路または他の表面に取り付けることができるので、電気接点1015(IC1059の上面1007)および1013(IC基板ユニット1011の下面)は、応用回路または他の表面の溝を介して、互いに、また更なる電気接続と接続される。
【0158】
図1a~1fに示される実施形態において上述したように、IC基板ユニット5は、基板ユニット上におけるIC9の形成が完了する前に、個別ユニットとしてキャリア1上に形成される。この実施形態では、リソグラフィ印刷技術を使用して、ポリイミド基板3がパターニングされて、複数のIC接続エリア7によって互いから離隔された複数のIC基板エリア5が規定される。基板3は、次に、エッチングによって除去されて、キャリア1が露出し、基板3にチャネル11が形成される。複数のIC基板ユニット5は、キャリア1上でチャネル11によって互いから離隔される。集積回路9の層がIC基板ユニット5それぞれの上に形成されて、複数の個別集積回路9が基板3上に形成され、チャネル11によって互いから離隔される。次に、各個別IC9を個片化することができる。
【0159】
そのため、特に、IC材料の厚い層が単一のステップでエッチングされる場合、IC基板ユニット5間の短い距離、即ちチャネル11を維持する手段を取る必要がある。
【0160】
特定の実施形態では、IC基板ユニット5を最初にパターニングした後、IC基板ユニットの境界の間のチャネル11が、IC個片化段階で簡単に除去されてもよい材料で充填される。この方策は、フレキシブル基板が完全に除去されたときにIC基板ユニット5間のチャネル11が形成されるプロセスに、ならびに上述し図2に図示したように、隣接したIC基板ユニット5を接続するフレキシブル基板材料が残される場合など、フレキシブル基板が部分的にのみ除去されてチャネル11が形成されるプロセスに、適用可能である。チャネル11は完全に、即ち基板ユニット5の上面の高さまで充填されるので、基板3およびチャネル11は実質的に共面である。このように、IC製造中の後続の処理が改善される。ICが完了すると、チャネル11を充填するのに使用された材料およびそれらの上に堆積された層は、化学処理、例えば湿式もしくは乾式エッチングによって除去されてもよい。この代替の方策の3つの例を本明細書に記載する。
【0161】
第1の例では、基板ユニット5が、基板のエッチングまたは選択的堆積によってパターニングされ規定された後、IC基板ユニット5間のチャネル11はニッケル無電解めっきによって充填される。この例では、チャネル11はニッケルによって充填されるが、銅、銀、金、パラジウム、または他の代替例などであるがそれらに限定されない、代替の材料がチャネルを充填できることが認識されるべきである。これによって、ウェハを実質的に平坦化することができるので、IC製造中の後続の堆積およびエッチング・ステップで生じるあらゆる有害な影響が低減されるか、または完全に排除される。IC製造が完了すると、ICは、湿式エッチング、乾式エッチング、または他の適切な化学プロセスを使用して、キャリア1上で個片化されて、金属チャネル充填物およびその上に堆積された層が選択的に除去されてもよい。この例では、ニッケル無電解めっきをエッチングするのにエッチング剤を使用することができるが、他の材料用などのエッチング剤、またはアルミニウムをエッチングしない銅およびニッケル用の選択的エッチング剤など、特定の材料をエッチングし他の材料はエッチングしない選択的エッチング剤を使用できることが認識されるべきである。このように、チャネル11のアスペクト比が大きすぎず、またチャネル11が狭すぎないことを所与として、チャネル11の底部がきれいにされる。
【0162】
別の例では、パターニングされたIC基板ユニット5の間のチャネル11は、基板ユニット5を形成するのに使用されるポリマーとは異なるポリマーで充填される。例えば、基板ユニット5がポリエチレンナフタレート(NAP)またはポリイミド(PI)から形成される場合、チャネル11は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)またはポリビニルアセテート(PVA)などの異なるポリマーで充填されてもよい。本開示にしたがって、材料の更なる組み合わせを使用できることが認識されるべきである。ICがIC基板ユニット5上に形成されると、湿式エッチング、乾式エッチング、または他の適切な化学プロセスを使用して個片化されて、チャネル充填ポリマーを選択的に除去してもよい。ICをIC基板ユニット5上に形成するのに使用されるプロセスに応じて、チャネル充填ポリマーをキャッピング層(図示なし)で保護して、IC形成中にポリマーが除去されるのを防ぐのが必要なことがある。かかる任意のキャッピング層は、必要な場合、IC基板ユニット間のチャネル11のみと位置合わせされるようにパターニングされてもよく、または更に、基板ユニット5の上面を実質的に覆ってもよい。キャッピング層は、個片化の前の適切な時点で、チャネル充填ポリマーから除去されてもよい。
【0163】
更なる例では、チャネル11は、キャリア1上で金属シード層、例えば銅シード層(図示なし)にパターニングされる。この例では、チャネル11は、キャリア1上で金属シード層にパターニングされるが、本開示にしたがって他の金属を使用できることが認識されるべきである。このステップは、基板3がキャリア1上に堆積される前または後に行うことができ、リソグラフィ、スパッタリング、または他の任意の適切な技術などであるがそれらに限定されない、パターニング堆積技術を使用して行われる。次に、既に行われていない場合は基板3が堆積され、チャネル11の間にパターンが形成されて、金属シード層の上に堆積された基板層にチャネル11がエッチングされる。この例では、チャネル11は、金属シード層の上に堆積された基板層にエッチングされるが、別の方法として、基板3は、金属シード層チャネルの間に選択的に堆積させることができる。IC基板ユニット5がキャリア上でパターニングされた後、より厚い金属層を金属シード層の上に成長させて、IC基板ユニット5間のチャネル11が充填される。これは、化学蒸着技術、あるいは物理蒸着、電気めっき、または無電解めっきなどであるがそれらに限定されない代替の技術によって実施される。
【0164】
図8a~8eは、底面接点またはチップを貫通する垂直方向の相互接続アクセス(ビア)を形成する代わりに、チャネルをパターニングし金属で充填する、上述の技術の代替例を示している。この代替例では、金属層または金属シード層1181の最初のパターニングは、続いて形成されるIC基板ユニットの境界内の内部機構を含む。あるいは、金属シードまたは金属層の堆積は、基板ユニットおよびそれらの内部機構が形成された後に実施することができる。この例では、明瞭にするため、チャネル機構ではなく内部機構のみが示される。基板1103および金属または金属シード層1181がパターニングされ、内部機構から基板材料が取り除かれると、より厚い金属層1183を金属またはシード層1181上に成長または堆積させて、基板ユニットの上面までこれらの機構(即ち、チャネル機構もしくは内部機構)が実質的に充填される。IC1109の形成の後続プロセスの間、金属トラックの形態のICの配線(図示なし)は、内部機構上に堆積された金属1183に接続されてもよい。これ(ならびに、必要な場合、更なる層の追加の堆積、個片化、およびキャリア1101からの分離)が完了した後、内部機構は、ICの下面に「底面接点」を形成する。
【0165】
図8aを参照すると、金属または金属シード層1181がパターニングされ、内部機構を形成する。次に、図8bに示されるように、基板層1103が堆積され、パターニングされ、金属またはシード層1181の上方から除去される。続いて、図8cに示されるように、内部機構を基板1103の上面まで実質的に充填するために、より厚い金属層1183が金属シード層1181の上に堆積または成長される。次に図8dを参照すると、集積回路1109が基板1103および金属層1183表面の上に形成される。これにより、IC1109と金属内部機構1181との間に電気接続がもたらされる。図示されないが、パッドは、アンテナなどの応用回路に接続され、IC1109を反転させる必要なしに行うことができるので、組立てプロセス全体が単純になる。
【0166】
図8eで分かるように、1つまたは複数の更なる金属層1193を、内部機構1181の上に構築することができる。これを行うことによって、IC1109の上面とIC1109の下面との間を通る導電性機構である、「チップ貫通ビア」を作成することが可能である。これによって、IC1109および/または他の構成要素を、応用回路上の同じ物理的面積に、または重なり合う面積に「スタッキング」することが可能になり、それによって面積が削減され、相互接続の金属トラッキングが低減され、応用回路のコストが低減される。また、応用回路上における金属トラッキングの「クロスオーバー」の必要性が排除されて、必要な製作ステップの数が低減される。パッドは、上述したように金属が最初か、または基板が最初かのいずれかの、2つの異なる方法で製造することができる。
【0167】
金属が先の方策の場合、基板1103にスピン塗布を施す前に、金属導体パッド1181がガラス・キャリア1101上に堆積され直接パターニングされる。次に、エリア内の導体パッドよりも小さいか同等であってもよいビアは、ポリイミド基板のための酸素プラズマ乾式エッチングなどの適切なプロセスを使用して、膜を通してエッチングされ、接続が上部IC層1109に作られる。これらの接続1183、1193は、エッチングされたビアの周りの上向きに傾斜した側壁を通って接続部を形成する上部金属層で、または電気/無電解めっき技術など、ビアを充填する方法によって作られる。この特定の例では、底部パッドに接続している基板のビアは、限定された領域から成ることができ、パッド1181はビアを超えて延在する。
【0168】
あるいは、基板が先の方策を採用する場合、基板1103はガラス・キャリア上に堆積され、ビアは上向きの側壁でエッチングされる。次に、ビア・エッジで破断が起きないように、金属1183が堆積される。金属1183は、ガラス・キャリア1101に接触するように下に、また基板の頂部まで、最終的にはIC1109の上面まで上に向けられる。底面パッド・エリアは、この方法ではビアのサイズによって規定されるので、基板は比較的大きいエッチングされた領域を有することが好ましい。
【0169】
金属導体パッド・エリアのキャリアからの適切な剥離を確保するため、剥離層が金属パッドの下方に設けられ、剥離に使用されるレーザーと相互作用するように設計され、金属パッド・エリアが完全に剥離される。この例では、金属パッドはアルミニウムを含み、剥離層はチタンを含むが、本開示にしたがって、代替の接着材料を使用できることが予期される。
【0170】
実施形態では、IC基板ユニットおよびその上に形成されたICにおける内部境界のパターンが、更なるセキュリティおよび/またはトレーサビリティの機構を形成してもよい。
【0171】
個別IC基板ユニットおよびその上に形成されたICは、それらをキャリアから剥離することによって個片化される。剥離プロセスは、赤外電磁剥離プロセス、熱剥離、または機械的ピール剥離プロセスであってもよい。
【0172】
キャリア上の個別IC基板ユニットおよびその上に形成されたICは、個別にキャリアから剥離するか、または1つもしくは複数の隣接した個別IC基板ユニットおよびその上に形成されたICにリンクさせることができる。
【0173】
本明細書の説明および特許請求の範囲を通して、「備える」および「含む」という語ならびにそれらの変化形は、「~を含むがそれらに限定されない」ことを意味し、他の部分、添加物、構成要素、整数、またはステップを除外する(および除外しない)ことを意図しない。本明細書の説明および特許請求の範囲を通して、文脈による別段の要求がない限り、単数形は複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、文脈による別段の要求がない限り、複数形ならびに単数形を想到するものとして理解されるべきである。
【0174】
本発明の特定の態様、実施形態、または実施例と併せて記載される特徴、整数、特性、化合物、化学的部分、または基は、矛盾しない限り、本明細書に記載される他の任意の態様、実施形態、または実施例に適用可能であるものと理解されるべきである。本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲、要約、および図面を含む)に開示される特徴の全て、ならびに/あるいはそれに開示されるあらゆる方法またはプロセスのステップの全ては、かかる特徴および/またはステップのうちの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わされてもよい。本発明は、あらゆる上述の実施形態の詳細に制限されない。本発明は、本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲、要約、および図面を含む)に開示される特徴のあらゆる新規なもの、またはあらゆる新規な組み合わせにまで、あるいはそれに開示されるあらゆる方法またはプロセスのステップのあらゆる新規なもの、またはあらゆる新規な組み合わせにまで及ぶ。
【0175】
本出願と関連する本明細書と同時にまたは本明細書に先立って提出される、また本明細書とともに公衆が閲覧できる全ての論文および文献に読者の注意が向けられ、かかる論文および文献全ての内容は参照により本明細書に援用される。

図1(a)】
図1(b)】
図1(c)】
図1(d)】
図1(e)】
図1(f)】
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図4(c)】
図5
図6(a)】
図6(b)】
図6(c)】
図6(d)】
図6(e)】
図7(a)】
図7(b)】
図7(c)】
図7(d)】
図8(a)】
図8(b)】
図8(c)】
図8(d)】
図8(e)】
図9(a)】
図9(b)】
図9(c)】
図9(d)】