(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240226BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
(21)【出願番号】P 2023093045
(22)【出願日】2023-06-06
【審査請求日】2023-06-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519030121
【氏名又は名称】スーパーサンシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼倉 衛
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】「世界のウェブアーカイブ|国立国会図書館インターネット資料収集保存事業」,[online],2022年12月05日,pp.1-6,[令和5年9月13日検索]、インターネ ット<URL:https://web.archive.org/web/20221205174021/https://www.amazon.co.jp/Prime-Wardrobe-HowTo/b?ie=UTF8&node=5425661051>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる商品の購入状態と、前記ユーザにより過去に購入された商品を示す購入履歴情報
であって、前記商品の購入日に関する情報を含む購入履歴情報を記憶する記憶部と、
前記購入履歴情報が示す前記商品
の中から前記購入状態が未購入状態で前記ユーザに配送する商品
を決定して、該商品の前記購入状態を管理する管理部であって、前記購入状態が未購入状態で前記ユーザに配送された前記商品が第1条件を満たすか否かを判定し、前記第1条件を満たすと判定されたとき、前記記憶部に記憶された前記商品の購入状態を未購入状態から購入済状態に更新する、管理部と、
を備え
、
前記記憶部は、各ユーザの購入履歴情報と各ユーザに推奨された商品とを学習用データとして機械学習に基づいて生成されたモデルを記憶し、
前記管理部は、前記ユーザの前記購入日に関する前記情報を含む前記購入履歴情報を前記モデルに入力した結果に基づいて、前記購入状態が未購入状態で前記ユーザに配送する商品を決定する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記第1条件は、前記ユーザから前記商品の購入指示を受け付けたことを含む、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記購入状態が未購入状態で前記ユーザに配送された商品に関する商品情報を前記ユーザに対して出力する出力部をさらに備え、
前記出力された商品情報が示す商品のうちで、前記ユーザにより選択された商品の購入指示を受け付けることを含む、
請求項2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第1条件は、前記ユーザから新たに商品の注文指示を受け付けたことを含む、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1条件は、前記購入状態が未購入状態の商品と同一の商品について前記注文指示を受け付けたことを含む、
請求項4記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記記憶部は、前記商品の購入期限に関する情報をさらに記憶し、
前記第1条件は、前記購入状態が未購入状態の商品の前記購入期限が徒過したことを含む、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記管理部は前記購入期限の変更指示を受け付けたとき、前記記憶部に記憶された前記購入期限に関する情報を更新する、
請求項6記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記記憶部は、前記商品の商品期限に関する情報をさらに記憶し、
前記第1条件は、前記購入状態が未購入状態の商品の前記商品期限までの期間が第2条件を満たすことを含む、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記管理部は、前記購入状態が未購入状態で前記ユーザに配送された商品について、当該商品の購入状態が未購入状態から購入済状態に更新されたことを条件として、前記ユーザとの間で前記商品の支払処理を行う、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項10】
一つ又は複数の情報処理装置が、
ユーザによる商品の購入状態と、前記ユーザにより購入された商品を示す購入履歴情報
であって、前記商品の購入日に関する情報を含む購入履歴情報を記憶する工程と、
前記購入履歴情報が示す前記商品
の中から前記購入状態が未購入状態で前記ユーザに配送する商品
を決定して、該商品の前記購入状態を管理する工程とを有し、
前記管理する工程は、
前記購入状態が未購入状態でユーザに配送された前記商品が第1条件を満たすか否かを判定する工程と、
前記第1条件を満たすと判定されたとき、前記商品の購入状態を未購入状態から購入済状態に更新する工程と、を含
み、
前記情報処理装置は、
前記記憶する工程において、各ユーザの購入履歴情報と各ユーザに推奨された商品とを学習用データとして機械学習に基づいて生成されたモデルを更に記憶し、
前記管理する工程において、前記ユーザの前記購入日に関する前記情報を含む前記購入履歴情報を前記モデルに入力した結果に基づいて、前記購入状態が未購入状態で前記ユーザに配送する商品を決定する、
情報処理方法。
【請求項11】
一つ又は複数の情報処理装置を、
ユーザによる商品の購入状態と、前記ユーザにより過去に購入された商品を示す購入履歴情報
であって、前記商品の購入日に関する情報を含む購入履歴情報を記憶する記憶部と、
前記購入履歴情報が示す前記商品
の中から前記購入状態が未購入状態で前記ユーザに配送する商品
を決定して、該商品の前記購入状態を管理する管理部であって、前記購入状態が未購入状態で前記ユーザに配送された前記商品が第1条件を満たすか否かを判定し、
前記第1条件を満たすと判定されたとき、前記記憶部に記憶された前記商品の購入状態を未購入状態から購入済状態に更新する、管理部と、
して機能させ
、
前記記憶部は、各ユーザの購入履歴情報と各ユーザに推奨された商品とを学習用データとして機械学習に基づいて生成されたモデルを記憶し、
前記管理部は、前記ユーザの前記購入日に関する前記情報を含む前記購入履歴情報を前記モデルに入力した結果に基づいて、前記購入状態が未購入状態で前記ユーザに配送する商品を決定する、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売店(例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット又はネットスーパー等)の店舗でユーザが注文済み又は購入済みの商品を当該ユーザに宅配する種々の宅配サービスが提供されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来の宅配サービスでは、ユーザが購入済みの商品がユーザに宅配されるにすぎないので、ユーザが購入をし忘れた商品や急に必要になった商品等をタイムリーに提供することができない恐れがある。
【0005】
そこで、本開示は、ユーザが必要な商品をタイムリーに提供可能な情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理システムは、ユーザによる商品の購入状態を記憶する記憶部と、前記購入状態を管理する管理部であって、前記購入状態が未購入状態で前記ユーザに配送された商品が第1条件を満たすか否かを判定し、前記第1条件を満たすと判定されたとき、前記記憶部に記憶された前記商品の購入状態を未購入状態から購入済状態に更新する、管理部と、を備える。
【0007】
この態様によれば、購入状態が未購入状態でユーザに商品が配送されるので、当該商品を未購入状態のまま当該ユーザ自身で保管することができ、必要になったときに当該商品を即座に使用できる。このため、ユーザが必要な商品をタイムリーに当該ユーザに提供できる。
【0008】
上記情報処理システムにおいて、前記ユーザによる商品の注文指示を受け付ける受付部をさらに備え、前記管理部は、前記注文指示に基づいて、前記ユーザに前記商品を配送するための処理を行ってもよい。この態様によれば、ユーザが望む商品を未購入状態のままユーザに配送できる。
【0009】
上記情報処理システムにおいて、前記第1条件は、前記ユーザから前記商品の購入指示を受け付けたことを含んでもよい。この態様によれば、ユーザが、例えば、商品を使用したときに当該ユーザから商品の購入指示を受け付けることにより、商品の購入状態を購入済状態に更新できる。
【0010】
上記情報処理システムにおいて、前記購入状態が未購入状態で前記ユーザに配送された商品に関する商品情報を前記ユーザに対して出力する出力部をさらに備え、前記出力された商品情報が示す商品のうちで、前記ユーザにより選択された商品の購入指示を受け付けることを含んでもよい。この態様によれば、未購入状態で配送された商品に関する商品情報をユーザが認識できる。
【0011】
上記情報処理システムにおいて、前記第1条件は、前記ユーザから新たに商品の注文指示を受け付けたことを含んでもよい。前記第1条件は、前記購入状態が未購入状態の商品と同一の商品について前記注文指示を受け付けたことを含んでもよい。この態様によれば、ユーザが、例えば、同一の商品を使用したときに、配送済みの未購入状態の商品の購入状態を購入済状態に更新できる。
【0012】
上記情報処理システムにおいて、前記記憶部は、前記商品の購入期限に関する情報をさらに記憶し、前記第1条件は、前記購入状態が未購入状態の商品の前記購入期限が徒過したことを含んでもよい。この態様によれば、購入期限が徒過した商品の購入状態を未購入状態から購入済状態に更新できる。
【0013】
上記情報処理システムにおいて、前記管理部は前記購入期限の変更指示を受け付けたとき、前記記憶部に記憶された前記購入期限に関する情報を更新してもよい。この態様によれば、管理会社等が購入期限を適切に管理できる。
【0014】
上記情報処理システムにおいて、前記記憶部は、前記商品の商品期限に関する情報をさらに記憶し、前記第1条件は、前記購入状態が未購入状態の商品の前記商品期限までの期間が第2条件を満たすことを含んでもよい。この態様によれば、未購入状態のままで商品期限が切れて、商品の無駄が生じるのを防止できる。
【0015】
上記情報処理システムにおいて、前記管理部は、前記購入状態が未購入状態で前記ユーザに配送された商品について、当該商品の購入状態が未購入状態から購入済状態に更新されたことを条件として、前記ユーザとの間で前記商品の支払処理を行ってもよい。この態様によれば、小売店は未購入状態でユーザに配送した消費の代金を適切に回収できる。
【0016】
本開示の他の態様に係る情報処理方法は、一つ又は複数の情報処理装置が、商品の購入状態が未購入状態でユーザに配送された商品が第1条件を満たすか否かを判定する工程と、前記第1条件を満たすと判定されたとき、前記商品の購入状態を未購入状態から購入済状態に更新する工程と、を有する。
【0017】
本開示の他の態様に係る情報処理プログラムは、一つ又は複数の情報処理装置に、商品の購入状態が未購入状態でユーザに配送された商品が第1条件を満たすか否かを判定する工程と、前記第1条件を満たすと判定されたとき、前記商品の購入状態を未購入状態から購入済状態に更新する工程と、を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本開示の一態様によれば、ユーザが必要な商品をタイムリーに提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムを用いた宅置きの概念図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る各情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係るサーバ10、ユーザ端末20及び店舗端末30の構成の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る購入状態の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る購入履歴情報の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る商品情報の表示画面の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係るサーバ10、ユーザ端末20及び店舗端末30の動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付図面を参照して、本開示の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0021】
(概要)
図1は、本実施形態に係る情報処理システムを用いた宅置きの概念図である。宅置きとは、購入していない状態(以下、「未購入状態」という)のままでユーザに宅配される一以上の商品を当該ユーザに保管させ、当該商品のうちでユーザによって選択された場合等に商品を購入したものとするサービスである。なお、宅配とは、ユーザが商品を保管可能な場所(例えば、自宅家屋内、自宅家屋横に設置した専用ロッカー等)に当該商品を配送することである。
【0022】
従来の宅配サービスでは、ユーザによって購入済みの商品が当該ユーザに宅配されるので、ユーザが商品の購入を失念した場合や、突然通常必要のない商品(例えば、急な来客用のお酒、おつまみなど)が必要になった場合には、タイムリーに商品を提供できない恐れがある。一方、宅置きでは、未購入状態のままでユーザに商品が宅配され、所定期間当該ユーザによって当該商品が保管されるので、当該ユーザは、自身で保管する商品の中から必要なときに必要な商品を購入して当該商品を使用することができる。したがって、ユーザにタイムリーに商品を提供できる。以下、未購入状態のままでユーザに宅配され、当該ユーザによって保管される商品を「宅置き商品」という。
【0023】
また、宅置きでは、宅置き商品の購入状態が管理される。当該購入状態は、例えば、上記未購入状態、及び、ユーザによる宅置き商品の購入指示を受け付けた状態(以下、「購入済状態」という)を少なくとも含む。当該購入状態は、未購入状態及び購入済状態の他に、ユーザによる宅置き商品の返品指示を受け付けた状態(以下、「返品状態」という)を含んでもよい。宅置きにおける「購入登録」とは、所定の条件を満たしたときに、宅置き商品の購入状態を未購入状態から購入済状態に更新することであり、例えば、宅置き商品の購入指示が受け付けられた場合に当該宅置き商品の購入状態を未購入状態から購入済状態に更新することであってもよい。また、「返品登録」とは、宅置き商品の返品指示が受けられた場合に当該宅置き商品の購入状態を未購入状態から返品状態に更新することであってもよい。
【0024】
例えば、
図1では、ユーザ#1の宅置き商品A及びBが、購入状態が未購入状態のままで小売店の店舗からユーザ#1に宅配され、所定期間ユーザ#1によって保管される。同様に、ユーザ#2の宅置き商品Aが、購入状態が未購入状態のままで小売店の店舗からユーザ#2の自宅に宅配され、所定期間ユーザ#2によって保管される。なお、各ユーザの宅置き商品は、各ユーザの購入履歴に関する情報(以下、「購入履歴情報」という)及び各ユーザからの注文指示の少なくとも一つに基づいて決定されてもよい。当該注文指示は、各ユーザの希望する商品の注文指示であってもよいし、当該商品及び数量の注文指示であってもよい。決定された宅置き商品に関する情報(以下、「商品情報」という)は、各ユーザ及び当該店舗の店員又は宅置き商品の宅配員に対して出力されてもよい。
【0025】
ユーザ#1及び#2の宅置き商品の宅配ルートは、例えば、既存の宅配サービスの宅配ルートが用いられてもよい。また、ユーザ#1及び#2に対して宅置き商品を宅配する日及び/又は時間(以下、「日時」という)は、例えば、既存の宅配サービスにおける宅配の日時であってもよいし、既存の宅配サービスの利用頻度が相対的に低い日時又は曜日(例えば、木曜日等)であってもよい。また、宅置き商品には、当該宅置き商品であることを示す情報(例えば、
図1では、宅置き商品ラベル)が付されてもよい。これにより、既存の宅配サービスの商品と宅置き商品とを同一の日時に宅配する場合でも、ユーザが容易に両者を区別することができる。
【0026】
例えば、
図1において、ユーザ#1が宅置き商品A及びBのうちで宅置き商品Aが必要になった場合、当該ユーザ#1からの宅置き商品Aの購入指示が受け付けられる。当該購入指示に応じて、宅置き商品Aの購入状態を未購入状態から購入済状態に更新する購入登録が実施される。当該宅置き商品Aの購入価格は、当該商品Aの購入日を基準とする所定期間(例えば、直近1ヵ月)内の最安値に決定されるものとしてよい。この場合、一般に小売店では特売日であるか否かによって商品の購入価格が変動するが、宅置きによると宅置き商品の購入価格は購入日を基準とする所定期間内の最安値に決定されるので、商品が必要になったタイミングに関係なくお値打ち価格で当該宅置き商品を購入できる。
【0027】
なお、宅置き商品は、購入状態が購入済状態に更新された後に、商品の支払処理が行われるものとしてよい。宅置き商品Aの決済手段としては、例えば、月次の後払いでの所定の口座引き落としが想定されるが、これに限られず、種々の決済手段が用いられればよい。また、宅置き商品Aの購入価格の基準となる購入日は、例えば、決済日(例えば、月次の決済日)、注文指示又は購入指示の受付日等であるが、これに限られず、宅置き商品Aの購入又は注文に関するどのような日付であってもよい。
【0028】
また、宅置き商品の宅配料金は、他の商品(例えば、小売店の店舗の商品や既存の宅配サービスの商品)の購入価格と宅置き商品の購入価格とに基づいて決定されてもよい。例えば、ユーザ#1に対する宅置き商品の宅配料金は、宅置き商品の商品Aの購入価格と他の商品の購入価格の合計が所定値以上又は超えるなら、無料に決定されてもよい。
【0029】
また、
図1において、ユーザ#1の宅置き商品Bの返品指示が受け付けられると、宅置き商品Bの購入状態を未購入状態から返品状態に更新する返品登録が実施される。この場合、ユーザ#1に対する次回の宅配日に宅置き商品Bが店舗の店員又は宅配員によってユーザ#1から回収され、小売店に返却されてもよい。
【0030】
また、
図1において、ユーザ#1及び#2の在宅であることが店舗で確認されてから、宅置き商品がユーザ#1及び#2に宅配されてもよい。具体的には、各ユーザの位置に関する情報(以下、「位置情報」という)に基づいて、各ユーザの在宅状態が決定され、決定された在宅状態に関する情報(以下、「在宅情報」という)が店舗に通知されてもよい。店舗の店員又は宅配員は、宅置き商品を手渡しできるように、当該在宅情報が在宅であるユーザに対して宅置き商品を宅配してもよい。
【0031】
(構成)
次に、以上のような宅置きを提供する情報処理システムに構成について説明する。宅置きは、情報処理システムを構成する一つ又は複数の情報処理装置によって提供される。
【0032】
図2は、本実施形態に係る情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
図2に示すように、情報処理システム1は、サーバ10と、ユーザ端末20と、店舗端末30と、サーバ10とユーザ端末20と店舗端末30との少なくとも二つを接続するネットワークNWと、を備える。本実施形態に係る一つ又は複数の情報処理装置は、当該サーバ10であってもよいし、ユーザ端末20であってもよいし、店舗端末30であってもよいし、又は、当該サーバ10、ユーザ端末20及び店舗端末30の少なくとも二つであってもよい。
【0033】
サーバ10は、宅置き商品を管理するサーバであり、一つ又は複数の情報処理装置を含んで構成されてもよい。ユーザ端末20は、ユーザによって利用される情報処理装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット又はパーソナルコンピュータ等である。店舗端末30は、小売店の店舗の店員又は宅配員によって利用される情報処理装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット又はパーソナルコンピュータ等である。ネットワークNWは、有線及び/又は無線のネットワークであり、例えば、インターネット及び/又はイントラネットを含んでもよい。なお、
図2では、一つのユーザ端末20を示すが、ユーザ毎にユーザ端末20が設けられてもよいことは勿論である。
【0034】
図3は、本実施形態に係る各情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示すように、各情報処理装置は、演算装置に相当するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ11と、記憶装置12と、通信装置13と、入出力装置14とを有する。これらの各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続される。
【0035】
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、記憶装置12に記憶されたプログラムの実行に関する制御やデータの演算、加工を行う装置である。プロセッサ11は、入出力装置14及び/又は通信装置13から種々の入力データを受け取り、入力データの演算結果を入出力装置14に出力(例えば、表示)したり、記憶装置12に格納したり、又は、通信装置13を介して送信したりする。プロセッサ11は、「制御部」等と呼ばれてもよい。
【0036】
記憶装置12は、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、の少なくとも一つである。当該記憶装置12は、「記憶部」等と呼ばれてもよい。
【0037】
通信装置13は、有線及び/又は無線ネットワークを介して通信を行う装置であり、例えば、ネットワークカード、通信モジュール、チップ、アンテナ、GPS(Global Positioning System)センサ等を含んでもよい。通信装置13は、「送信部」及び/又は「受信部」等と呼ばれてもよい。
【0038】
入出力装置14は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス及び/又はマイク等の入力装置と、例えば、ディスプレイ及び/又はスピーカ等の出力装置とを含む。入出力装置は、「入力部」、「出力部」及び「表示部」の少なくとも一つ等と呼ばれてもよい。
【0039】
以上説明したハードウェア構成は一例に過ぎない。各情報処理装置は、
図3に記載したハードウェアの一部が省略されていてもよいし、
図3に記載されていないハードウェアを備えていてもよい。また、
図3に示すハードウェアが1又は複数のチップにより構成されていてもよい。また、情報処理装置が複数の装置で構成される場合、各装置がこれらのハードウェアの少なくとも一部を備えてもよい。
【0040】
図4は、本実施形態に係るサーバ10、ユーザ端末20及び店舗端末30の機能構成を示す図である。
図4に示すように、サーバ10は、記憶部101、出力部102、受付部103、管理部104及び取得部105を備える。記憶部101は、記憶装置12によって実現されてもよい。当該出力部102及び受付部103は、サーバ10のプロセッサ11で実行される情報処理プログラム、及び、サーバ10の通信装置13の少なくとも一部によって実現されてもよい。管理部104は、プロセッサ11で実行される情報処理プログラムによって実現されてもよい。取得部105は、サーバ10のプロセッサ11で実行される情報処理プログラム及びサーバ10の通信装置13の少なくとも一部によって実現されてもよい。なお、当該情報処理プログラムは、サーバ10の記憶装置12又は記録媒体に格納されてもよい。また、サーバ10が不図示の構成を備えてもよいことは勿論である。
【0041】
記憶部101は、ユーザによる宅置き商品の購入状態を記憶する。
図5は、本実施形態に係る購入状態の一例を示す図である。
図5に示すように、ユーザによる宅置き商品の購入状態は、宅置き商品に関する商品情報、当該ユーザに関する情報(以下、「ユーザ情報」という)及び購入期限に関する情報(以下、「購入期限情報」という)と関連付けて記憶されてもよい。例えば、
図5では、購入状態として未購入状態と購入済状態が示されるが、これに限られず、例えば、返品状態等の他の状態を含んでもよい。ユーザ情報は、例えば、ユーザの識別子、氏名及び住所等の少なくとも一つを含んでもよい。
【0042】
商品情報は、例えば、商品の識別子である商品ID、当該商品の商品期限に関する情報(以下、「送品期限情報」という)、及び、当該商品の価格に関する情報(以下、「価格情報」という)、不図示の商品名及び数量等の少なくとも一つを含んでもよい。当該商品期限は、例えば、消費期限及び賞味期限の少なくとも一つであり、商品期限情報は、当該商品期限を示すどのような情報であってもよい。また、価格情報は、当該商品の通常価格、割引価格及び直近の所定期間内の最安値の少なくとも一つを示す情報であればよい。購入期限情報は、宅置き商品のユーザが購入する期限に関する情報であり、例えば、宅配日時から所定期間後であってもよいし、又は、商品期限から所定期間前の日時であってもよい。
【0043】
また、記憶部101は、ユーザによる商品の購入履歴に関する購入履歴情報を記憶してもよい。
図6は、本実施形態に係る購入履歴情報の一例を示す図である。
図6に示すように、記憶部101は、ユーザの購入履歴情報を、上記ユーザ情報に関連付けて記憶してもよい。購入履歴情報は、例えば、商品の識別子である商品ID、当該商品を購入した数量に関する情報、購入日に関する情報、購入経路に関する情報(店舗、既存の宅配サービス又は宅置き等)の少なくとも一つを含んでもよい。なお、
図6の購入経路として記載された「店舗」は、店舗のレジを用いて商品が購入されたことを示す。
【0044】
出力部102は、宅置き商品に関する商品情報をユーザに対して出力する。例えば、出力部102は、サーバ10の通信装置13(送信部)を介して、当該商品情報を当該ユーザのユーザ端末20に対して送信してもよい。
【0045】
また、出力部102は、宅置き商品に関する商品情報を店舗の店員又は宅置き商品の宅配員に対して出力してもよい。例えば、出力部102は、管理部104で決定された商品情報をサーバ10の通信装置13(送信部)を介して、当該店舗の店舗端末30に対して送信してもよい。また、出力部102は、ユーザの在宅状態に関する在宅情報を店舗に対して出力してもよい。例えば、出力部102は、管理部104で決定された在宅情報をサーバ10の通信装置13(送信部)を介して、当該店舗の店舗端末30に対して送信してもよい。また、出力部102は、管理部104によって購入登録又は返品登録された宅置き商品に関する情報を、当該店舗の店員又は宅配員に対して出力してもよい。例えば、出力部102は、当該購入登録又は返品登録された宅置き商品に関する情報をサーバ10の通信装置13(送信部)を介して、当該店舗の店舗端末30に対して送信してもよい。
【0046】
また、出力部102は、記憶部101に記憶された期限情報が示す期限が所定の条件を満たす商品についてのメッセージをユーザに出力してもよい。例えば、出力部102は、サーバ10の通信装置13(送信部)を介して、当該メッセージを当該ユーザのユーザ端末20に対して送信してもよい。
【0047】
受付部103は、出力部102によってユーザに出力された商品情報が示す宅置き商品のうちで、所定期間内にユーザにより選択された宅置き商品の購入指示を受け付ける。例えば、受付部103は、ユーザによってユーザ端末20に入力された購入指示に関する情報を、サーバ10の通信装置13(受信部)を介して、受信してもよい。当該購入指示に関する情報は、購入指示が受け付けられた商品及び当該商品の数量を含んでもよい。
【0048】
また、受付部103は、ユーザによる宅置き商品の返品指示又は購入指示を受け付けてもよい。具体的には、受付部103は、出力部102によってユーザに出力されたメッセージに応じて、当該ユーザによる宅置き商品の返品指示又は購入指示を受け付けてもよい。例えば、受付部103は、ユーザによってユーザ端末20に入力された返品指示又は購入指示に関する情報を、サーバ10の通信装置13(受信部)を介して、受信してもよい。当該返品指示又は購入指示に関する情報は、返品指示又は購入指示が受け付けられた商品及び当該商品の数量を含んでもよい。
【0049】
また、受付部103は、ユーザによる商品の注文指示を受け付けてもよい。また、受付部103は、ユーザによる商品の数量の注文指示を受け付けてもよい。具体的には、受付部103は、ユーザによってユーザ端末20に入力された注文指示に関する情報(例えば、商品及び/又は商品の数量)を、サーバ10の通信装置13(受信部)を介して、受信してもよい。
【0050】
また、受付部103は、記憶部101に記憶された購入期限の変更指示を受け付けてもよい。当該購入期限の変更指示は、例えば、店舗端末30又は当該小売店の管理会社の端末に管理者によって入力されたものであってもよい。
【0051】
管理部104は、宅置き商品の購入状態を管理する。具体的には、管理部104は、購入状態が未購入状態でユーザに宅配された宅置き商品について、所定の条件(第1条件)を満たすか否かを判定する。そして、第1条件を満たすと判定されたとき、管理部104は、当該宅置き商品について記憶部101に記憶された購入状態を未購入状態から購入済状態に更新して、購入登録を実施する。第1条件としては、種々の条件が予め設定されるものとしてよい。例えば、ユーザによる宅置き商品の購入指示に関する条件を第1条件としてよい。例えば、ユーザ#1の宅置き商品の商品Aの購入指示が受付部103によって受付けられた場合、
図5に示すようにユーザ#1の宅置き商品の商品#Aの購入状態は購入済状態に更新される。
【0052】
また、管理部104は、受付部103によって購入指示が受け付けられた宅置き商品の購入価格を決定する。具体的には、管理部104は、当該購入指示が受け付けられた宅置き商品の購入日を基準とする所定期間内の最安値に、該商品の価格を決定してもよい。又は、管理部104は、当該購入指示が受け付けられた宅置き商品の購入日の価格に、当該商品の価格を決定してもよい。
【0053】
また、ユーザによる商品の注文指示に関する条件を第1条件としてよい。このとき、さらに、購入状態が未購入状態の宅置き商品と同一の商品について注文指示を受け付けたことを条件としてもよい。また、宅置きであるか通常の宅配であるかによらず、商品の注文指示を受け付けたことを条件としてもよい。例えば、管理部104は、購入状態が未購入状態の宅置き商品と同一の商品について受付部103によって注文指示が受け付けられた場合、記憶部101に記憶された当該宅置き商品の購入状態を未購入状態から購入済状態に更新してもよい。
【0054】
また、商品の購入期限に関する条件を第1条件としてよい。管理部104は、購入状態が未購入状態の宅置き商品であって購入期限が徒過した宅置き商品について、記憶部101に記憶された購入状態を未購入状態から購入済状態に更新してもよい。また、管理部104は、受付部103によって購入期限の変更指示が受け付けられた場合、当該変更指示に基づいて、記憶部101に記憶された購入期限を更新してもよい。
【0055】
また、商品の商品期限に関する条件を第1条件としてよい。管理部104は、購入状態が未購入状態の宅置き商品であって商品期限までの期間が所定の条件(第2条件)を満たす宅置き商品について、記憶部101に記憶された購入状態を未購入状態から購入済状態に更新してもよい。例えば、当該所定の条件(第2条件)は、商品期限までの残りの期間が所定の期間以下又は未満となることであってもよい。
【0056】
また、管理部104は、出力部102によってユーザに出力される商品情報が示す宅置き商品(すなわち、宅置き商品)を決定する。具体的には、管理部104は、ユーザの商品の購入履歴に関する購入履歴情報及び受付部103によって受け付けられる注文指示の少なくとも一つに基づいて、当該宅置き商品を決定してもよい。
【0057】
例えば、管理部104は、記憶部101に記憶されたモデルにユーザの購入履歴情報を入力して、当該モデルによって推奨される商品を、当該ユーザの宅置き商品として決定してもよい。なお、当該モデルは、各ユーザの購入履歴情報と各ユーザに推奨される商品とを学習用データとした機械学習に基づいて生成されてもよい。或いは、管理部104は、購入登録された宅置き商品と同一の商品を、受付部103によって注文指示が受け付けられるか否かに関係なく、当該ユーザの宅置き商品として決定してもよい(すなわち、購入登録された宅置き商品と同一の商品を自動発注してもよい)。
【0058】
また、管理部104は、受付部103によって返品指示が受け付けられた宅置き商品について記憶部101に記憶された購入状態を未購入状態から返品状態に更新して、返品登録を実施してもよい。
【0059】
また、管理部104は、受付部103によって購入指示が受け付けられていない宅置き商品(すなわち、未購入状態の宅置き商品)の商品期限又は購入期限が所定の条件を満たす場合、当該宅置き商品についての対応を促すメッセージを生成して出力部102から出力させてもよい。当該所定の条件は、例えば、商品期限(例えば、賞味期限や消費期限等)又は購入期限までの残りの期間が所定期間以下又は未満であることであってもよい。
【0060】
また、管理部104は、宅置き商品の宅配料金を決定してもよい。具体的には、管理部104は、所定期間内における他の商品(例えば、小売店の店舗の商品や既存の宅配サービスの商品)の購入価格と宅置き商品の購入価格とに基づいて決定されてもよい。例えば、管理部104は、宅置き商品の商品Aの購入価格と他の商品の購入価格の合計が所定値以上又は超えるなら、ユーザ#1に対する宅置き商品の宅配料金を無料に決定してもよい。
【0061】
また、管理部104は、ユーザ端末20の位置情報に基づいて、ユーザの在宅状態を決定してもよい。例えば、管理部104は、ユーザ端末20の位置情報が当該ユーザの住所から所定範囲内である場合、当該ユーザの在宅状態が在宅であると決定してもよい。
【0062】
ユーザ端末20は、出力部201、受付部202及び取得部203を備える。出力部201は、ユーザ端末20のプロセッサ11で実行される情報処理プログラム、ユーザ端末20の通信装置13及び入出力装置14の少なくとも一部によって実現されてもよい。受付部202は、ユーザ端末20のプロセッサ11で実行される情報処理プログラム及びユーザ端末20の入出力装置14の少なくとも一部によって実現されてもよい。取得部203は、ユーザ端末20のプロセッサ11で実行される情報処理プログラム及びユーザ端末20の通信装置13の少なくとも一部によって実現されてもよい。なお、当該情報処理プログラムは、ユーザ端末20の記憶装置12又は記録媒体に格納されてもよい。また、ユーザ端末20が不図示の構成を備えてもよいことは勿論である。
【0063】
出力部201は、サーバ10からの商品情報をユーザに対して出力する。例えば、出力部201は、ユーザ端末20の通信装置13(受信部)によってサーバ10から受信された商品情報を入出力装置14(表示部)に表示させてもよい。
【0064】
図7は、本実施形態に係る商品情報の表示画面の一例を示す図である。例えば、
図7に示すように、表示画面Dには、宅置き商品に関する商品情報(例えば、商品名、商品画像及び価格等)を示す領域R1、宅置き商品の購入指示又は返品指示をユーザが入力するための領域R2、R3及びR4が設けられてもよい。また、表示画面Dは、宅置きタブTがユーザによって選択された場合に表示されてもよい。また、表示画面Dには、購入指示又は返品指示を行う数量を指示する領域(不図示)が設けられてもよい。
【0065】
また、出力部201は、サーバ10からのメッセージをユーザに対して出力してもよい。例えば、出力部201は、ユーザ端末20の通信装置13(受信部)によってサーバ10から受信されたメッセージをユーザ端末20の入出力装置14(表示部)に表示させてもよい。上記の通り、当該メッセージは、サーバ10で管理される宅置き商品の期限が所定の条件を満たす場合に出力されてもよい。
【0066】
受付部202は、出力部201によってユーザに出力された商品情報が示す宅置き商品のうちで、所定期間内にユーザにより選択された宅置き商品の購入指示を受け付ける。具体的には、受付部202は、ユーザによってユーザ端末20の入出力装置14(入力部)に入力された購入指示情報を受け付け、当該購入指示情報をユーザ端末20の通信装置13(送信部)を介してサーバ10に送信してもよい。
【0067】
また、受付部202は、出力部201によってユーザに出力されたメッセージに応じた、当該ユーザによる商品の返品指示又は購入指示を受け付けてもよい。具体的には、受付部202は、ユーザによってユーザ端末20の入出力装置14(入力部)に入力された返品指示又は購入指示に関する情報を受け付け、当該情報をユーザ端末20の通信装置13(送信部)を介してサーバ10に送信してもよい。
【0068】
また、受付部202は、ユーザによる商品の注文指示を受け付けてもよい。具体的には、受付部202は、ユーザによってユーザ端末20の入出力装置14(入力部)に入力された注文指示に関する情報を受け付け、当該情報をユーザ端末20の通信装置13(送信部)を介してサーバ10に送信してもよい。
【0069】
取得部203は、ユーザ端末20の位置情報を取得する。当該位置情報は、例えば、GPSセンサによって取得された情報であってもよい。取得部203は、取得した位置情報をユーザ端末20の通信装置13(送信部)を介してサーバ10に送信してもよい。
【0070】
店舗端末30は、出力部301を備える。出力部301は、店舗端末30のプロセッサ11で実行される情報処理プログラム、店舗端末30の通信装置13及び入出力装置14の少なくとも一部によって実現されてもよい。なお、当該情報処理プログラムは、店舗端末30の記憶装置12又は記録媒体に格納されてもよい。また、店舗端末30が不図示の構成を備えてもよいことは勿論である。
【0071】
出力部301は、サーバ10からの商品情報を店舗の店員又は宅配員に対して出力する。例えば、出力部301は、店舗端末30の通信装置13(受信部)によってサーバ10から受信された商品情報を入出力装置14(表示部)に表示させてもよい。
【0072】
また、出力部301は、宅置き商品を宅配するユーザの在宅情報を店舗の店員又は宅配員に対して出力してもよい。例えば、出力部301は、店舗端末30の通信装置13(受信部)によってサーバ10から受信された商品情報を入出力装置14(表示部)に表示させてもよい。
【0073】
(動作)
次に、本実施形態に係る情報処理システムの動作を説明する。
図8は、本実施形態に係るサーバ10及びユーザ端末20の動作の一例を示す図である。なお、
図8は例示にすぎず、一部のステップ(例えば、ステップS101及び/又はS107~S109等)が省略されてもよいし、不図示のステップが追加されてもよいし、一部のステップ(例えば、ステップS110)の順番が入れ替えられてもよい。
【0074】
ステップS101において、サーバ10は、ユーザによる宅置き商品の注文指示を受け付ける。例えば、サーバ10は、ユーザによってユーザ端末20に入力された注文指示に関する情報をユーザ端末20から受信して、当該注文指示を受け付けてもよい。
【0075】
ステップS102において、サーバ10は、購入状態が未購入状態のままでユーザに宅配され、所定期間当該ユーザによって保管される宅置き商品を決定する。例えば、サーバ10は、ステップS101において受け付けられた注文指示に基づいて、当該宅置き商品を決定してもよい。また、サーバ10は、ユーザ端末20のユーザの購入履歴情報に基づいて、当該宅置き商品を決定してもよい。購入履歴情報に基づく宅置き商品の決定は、機械学習に基づく所定のモデルを用いて実施されてもよい。
【0076】
ステップS103において、サーバ10は、ステップS102において決定された宅置き商品に関する商品情報をユーザに対して出力する。例えば、サーバ10は、当該商品情報をユーザ端末20に送信し、ユーザ端末20は、サーバ10から受信した商品情報を表示してもよい(例えば、
図7に示す表示画面D参照)。
【0077】
ステップS104において、サーバ10は、ステップS102において決定された宅置き商品に関する商品情報及び在宅情報を店舗に対して出力する。店舗の店員又は宅配員はこれらの情報に基づいて宅置き商品をユーザに配送する。例えば、サーバ10は、当該商品情報を店舗端末30に送信し、店舗端末30は、サーバ10から受信した商品情報を表示してもよい。これにより、店舗の店員又は宅配員はユーザに宅配すべき宅配商品を認識できる。また、サーバ10は、宅配商品が宅配されるユーザの在宅情報を店舗端末30に送信し、店舗端末30は、サーバ10から受信した店舗情報を表示してもよい。店舗の店員又は宅配員は当該在宅情報に基づいて在宅するユーザに宅置き商品を宅配してもよい。
【0078】
ステップS105において、サーバ10は、ステップS103においてユーザに出力された商品情報が示す宅置き商品のうちで、所定期間内にユーザにより選択された宅置き商品の購入指示を受け付ける。具体的には、ユーザ端末20は、ユーザによって入力された購入指示を受け付け、当該購入指示に関する情報をサーバ10に送信する。サーバ10は、当該購入指示に関する情報をユーザ端末20から受信して、当該購入指示を受け付けてもよい。
【0079】
例えば、
図7に示すように宅置き商品A及びBを示す商品情報がユーザ#1のユーザ端末20に表示される場合、宅置き商品Aの領域R2をユーザ#1が押下する。ユーザ#1のユーザ端末20は、当該押下を検知すると宅置き商品Aの購入指示に関する情報をサーバ10に送信する。サーバ10は、ユーザ端末20からの購入指示に関する情報を受信して、当該宅置き商品Aの購入指示を受け付けてもよい。
【0080】
ステップS106において、サーバ10は、ステップS105で購入指示が受け付けられた宅置き商品の購入登録を行う。具体的には、サーバ10は、当該宅置き商品の購入状態を未購入状態から購入済状態に更新してもよい。例えば、
図1及び5に示すように、購入登録により、ユーザ#1の宅置き商品Aの購入状態が未購入状態から購入済状態に更新される。なお、図示しないが、購入登録されたユーザ#1の宅置き商品Aに関する情報は、店舗端末30に送信されてもよい。これにより、店舗の店員又は宅配員がユーザ#1が宅置き商品Aを購入したことを認識できる。
【0081】
ステップS107において、サーバ10は、ステップS105において購入指示が受け付けられていない宅置き商品(すなわち、未購入状態の宅置き商品)の商品期限又は購入期限が所定の条件を満たす場合、当該宅置き商品についての対応を促すメッセージを出力する。具体的には、サーバ10は、当該メッセージをユーザ端末20に送信し、ユーザ端末20は、サーバ10から受信したメッセージを表示してもよい。例えば、
図5に示されるように、ユーザ#1の宅置き商品Bの期限情報が商品期限(例えば、賞味期限)として2023年6月1日を示す場合、当該商品期限が現時点(例えば、2023年5月8日)から残り1ヵ月未満であるので、サーバ10は、当該宅置き商品Bについての対応を促すメッセージをユーザ端末20に対して送信してもよい。
【0082】
ステップS108において、サーバ10は、ステップS107においてユーザに出力されたメッセージに応じた、当該ユーザによる商品の返品指示を受け付けてもよい。具体的には、ユーザ端末20は、ユーザによって入力された返品指示を受け付け、当該返品指示に関する情報をサーバ10に送信する。サーバ10は、当該返品指示に関する情報をユーザ端末20から受信して、当該返品指示を受け付けてもよい。例えば、ユーザに出力されたメッセージに応じて、
図7に示す表示画面D1の領域R3が当該ユーザによって押下された場合に、当該押下を検知したユーザ#1のユーザ端末20は、宅置き商品Bの返品指示に関する情報をサーバ10に送信する。サーバ10は、ユーザ端末20からの返品指示に関する情報を受信して、当該宅置き商品Aの返品指示を受け付けてもよい。なお、返品指示を受け付けるタイミングは、ステップS107のメッセージの受信時に限られず、ユーザの自発的なタイミングであってもよい。
【0083】
ステップS109において、サーバ10は、ステップS108で返品指示が受け付けられた宅置き商品の返品登録を行う。具体的には、サーバ10は、当該宅置き商品の購入状態を未購入状態から返品状態に更新してもよい。なお、図示しないが、当該返品登録されたユーザ#1の宅置き商品Bに関する情報は、店舗端末30に送信されてもよい。例えば、
図1に示す場合において、ユーザ#1の宅置き商品Bが未購入状態から返品状態に更新される場合、サーバ10から店舗端末30に通知される情報に基づいて、店舗の店員又は宅配員がユーザ#1に対する次回の宅配日に宅置き商品Bをユーザ#1から回収してもよい。
【0084】
なお、ステップS108及びS109においては、返品指示及び返品登録について示されるが、これに限られない。例えば、ステップS107でユーザに出力されたメッセージに応じて、ユーザが宅置き商品を購入する場合には、ステップS108及びS109に換えて、ステップS105において宅置き商品の購入指示が受け付けられ、ステップS106の購入登録がサーバ10で実施されてもよい。また、メッセージに対してユーザ端末20からの応答がなくとも、購入期限を徒過すると、サーバ10は、当該宅置き商品の購入状態を未購入状態から購入済状態に更新してもよい。同様に、当該応答がなくとも、商品期限までの期間が所定の条件を満たす宅置き商品の購入状態を未購入状態から購入済状態に更新してもよい。
【0085】
ステップS110において、サーバ10は、購入状態が購入済状態である宅置き商品(すなわち、購入済状態の宅置き商品)の購入価格を決定し、ユーザとの間で宅置き商品の支払処理を行う。具体的には、サーバ10は、当該宅置き商品の購入日を基準とする所定期間内の最安値に、該宅置き商品の価格を決定してもよい。当該購入日は、例えば、当該商品の決済日(例えば、月次の決済日)であってもよいし、購入指示の受付日であってもよい。
【0086】
以上のように、本実施形態に係る情報処理システムでは、宅置き商品が、未購入状態のままでユーザに宅配され、所定期間当該ユーザによって保管されるので、ユーザは宅置き商品の中から必要なときに必要な商品を購入して当該商品を使用することができる。したがって、ユーザが必要な商品をタイムリーにユーザに提供できる。また、宅置き商品の購入価格は購入日を基準とする所定期間内の最安値に決定されてよく、必要になったタイミングに関係なくお値打ち価格で当該宅置き商品を購入できる。また、ユーザからの購入指示が受け付けられなくとも、購入期限を徒過した場合や、商品期限までの期間が所定の条件(第2条件)を満たす場合等、所定の第1条件を満たす場合に宅置き商品の購入状態が未購入状態から購入済状態に更新されるので、宅置き商品の代金の回収漏れを防止できる。
【0087】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、宅置き商品が小売店の店舗から既存の宅配ルートを用いて宅配される例を説明したが、宅置き商品はどのように宅配されてもよい。また、当該店舗は、実在する店舗に限られない。例えば、電子商取引(EC:Electric Commerce)サイト上の仮想的な店舗で注文が受付され、所定の保管場所(例えば、倉庫)からユーザに宅置き商品が宅配されてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、宅配とは、ユーザの自宅等に商品を配送することであり、宅置き商品は、店舗の店員又は宅配員によって宅配されるものとして説明した。しかしながら、宅置き商品は、ユーザ自身によって配送されてもよく、宅置き商品をユーザに配送する主体を問うものではない。すなわち、本実施形態において、配送を行う主体と商品の宛先人とは、同一でなくともよいし、同一であってもよい。例えば、「購入状態が未購入状態でユーザに配送された商品」とは、未購入状態の宅置き商品が、店員又は宅配人によってユーザに運ばれるものに限られず、ユーザがレジを通さずに店舗から商品を持ち出し、ユーザ自身によって所定場所(例えば、ユーザの自宅家屋内又は専用ロッカー等)に運ばれるものも含まれ得る。未購入状態の宅置き商品を当該ユーザ自身で店舗から運ぶ場合、サーバ10は、当該ユーザからの指示に基づいて、記憶部101に宅置き商品を登録してもよい。当該登録により当該宅置き商品であることを示す情報(例えば、
図1では、宅置き商品ラベル)がユーザに出力(例えば、印刷出力)されてもよい。例えば、ユーザは、印刷された宅置き商品ラベルを自身で持ち出す宅置き商品に付すことにより、店舗の店員は、宅置き商品の持ち出しと、商品の不正な持ち出しとを区別できる。また、サーバ10は、店舗内等に設置したカメラを用いて、ユーザが店外に持ち出した商品のうち支払いが済んでいない商品を検出し、検出された商品を宅置き商品として記憶部101に登録してもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、受付部103は、宅置き商品の購入指示をユーザから受け付けるものとしたが、これに限られない。受付部103は、例えば、宅置き商品の購入指示を店舗端末30から受け付けてもよいし、管理会社から受け付けてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、管理部104は、購入指示が受け付けられた宅置き商品の購入日に基づいて、商品の価格を決定するものとしたが、これに限られない。管理部104は、注文指示が受け付けられた注文日に基づいて、商品の価格を決定してもよい。また、管理部104は、機械学習に基づくモデルを用いて、商品の価格を決定してもよい。例えば、当該モデルは、購入指示が受け付けられた商品の商品情報と注文日及び購入日の少なくとも一つとを入力とし、当該商品の価格を出力してもよい。また、管理部104は、宅置き商品の購入指示が受け付けられた場合、ユーザに対してポイントを付与してもよい。
【0091】
また、上記宅置きを利用可能なユーザは、小売店に事前に会員登録されたユーザに限定されてもよい。当該会員登録されたユーザは、例えば、当該小売店での月間又は年間の購入代金が所定金額より大きい又は以上であるユーザであってもよい。管理部104は、会員登録されたユーザ毎に商品の価格を決定してもよい。例えば、月間又は年間の購入代金が高いユーザほど、商品の価格を安く決定してもよい。
【0092】
また、宅置きを利用するユーザのユーザ端末20には、宅置き用のアプリケーションがインストールされてもよい。
図4に示すユーザ端末20の機能は、当該アプリケーションによって実現されてもよい。
【0093】
また、ユーザ端末20は、商品の宅置き又は従来の宅配サービスのどちらかをユーザに選択させる情報を表示し、当該ユーザによる宅置き又は宅配サービスの選択結果の入力を受け付けてもよい。受付部103によって受け付けられる注文指示には、宅置きが選択されたことを示す情報が含まれてもよい。
【0094】
以上のように、本開示の所定の実施形態は、金銭を支払わなくても商品が自宅等に届き、その後、所定の条件を満たしたときに支払処理を行うものである。ここで説明した実施形態は、本開示の理解を容易にするためのものであり、本開示を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0095】
1…情報処理システム、10…サーバ、20…ユーザ端末、30…店舗端末、NW…ネットワーク、11…プロセッサ、12…記憶装置、13…通信装置、14…入出力装置、101…記憶部、102…出力部、103…受付部、104…管理部、201…出力部、202…受付部
【要約】
【課題】ユーザが必要な商品をタイムリーに提供すること。
【解決手段】 情報処理システムは、ユーザによる商品の購入状態を記憶する記憶部と、前記購入状態を管理する管理部であって、前記購入状態が未購入状態で前記ユーザに配送された商品が第1条件を満たすか否かを判定し、前記第1条件を満たすと判定されたとき、前記記憶部に記憶された前記商品の購入状態を未購入状態から購入済状態に更新する、管理部と、を備える。
【選択図】
図1