(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】柱状地盤改良装置の排土蓋及び柱状地盤改良工法
(51)【国際特許分類】
E02D 3/12 20060101AFI20240226BHJP
【FI】
E02D3/12 102
(21)【出願番号】P 2023131948
(22)【出願日】2023-08-14
【審査請求日】2023-12-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523309233
【氏名又は名称】株式会社JOMS
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】石本 和光
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-088057(JP,A)
【文献】特開2000-87346(JP,A)
【文献】特開2005-105752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に立設可能なガイドと、前記ガイドに沿って上下方向に移動可能な掘削ロッドと、前記掘削ロッドの下端に設けた掘削翼と、を備える柱状地盤改良装置において、前記掘削ロッドに付設する、柱状地盤改良装置の排土蓋であって、
前記掘削ロッドに外装可能な本体筒と、
前記本体筒に外設した螺旋翼と、を備え、
前記本体筒の下部を、前記掘削翼の上部と着脱自在に構成し
、
前記螺旋翼が、前記螺旋翼の下端縁に設けた掘削辺であって、前記本体筒の外周面から径方向に延在する掘削辺を備えることを特徴とする、
柱状地盤改良装置の排土蓋。
【請求項2】
前記螺旋翼が、前記掘削辺に沿って並列した複数の先端ビットを備えることを特徴とする、
請求項
1に記載の柱状地盤改良装置の排土蓋。
【請求項3】
前記螺旋翼が、前記本体筒の外周を1周以上していることを特徴とする、
請求項1に記載の柱状地盤改良装置の排土蓋。
【請求項4】
前記本体筒が、周壁を連通する排土孔を備えることを特徴とする、
請求項1に記載の柱状地盤改良装置の排土蓋。
【請求項5】
前記柱状地盤改良装置と、請求項1~
4のいずれか一項に記載の排土蓋と、を用いて、地中に柱状改良体を構築する、柱状地盤改良工法であって、
前記掘削翼を回転圧入して地盤に貫入する、削孔工程と、
前記掘削翼の貫入深さより上方の掘削土を排土する、排土工程と、
前記掘削翼の貫入深さより下方へ前記掘削翼を回転圧入しつつ、前記掘削翼から固化材を排出し、前記固化材を掘削土と攪拌混合して改良土とし、前記改良土によって柱状改良体を構築する、改良工程と、を備え、
前記排土工程において、前記掘削翼を上方に引き上げることで、前記掘削翼上に載せた前記排土蓋の螺旋翼によって前記掘削土を押し上げて排土することを特徴とする、
柱状地盤改良工法。
【請求項6】
前記改良工程において、前記排土蓋を前記掘削翼から分離し、
攪拌混合による前記改良土の盛り上がりを抑制する蓋として利用することを特徴とする、
請求項
5に記載の柱状地盤改良工法。
【請求項7】
前記改良工程より後に、前記柱状改良体上部の改良土を除去する、除去工程を備え、
前記除去工程において、前記掘削翼を上方に引き上げることで、前記掘削翼上に載せた前記排土蓋の螺旋翼によって前記改良土を押し上げて除去することを特徴とする、
請求項
5に記載の柱状地盤改良工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱状地盤改良装置の排土蓋及び柱状地盤改良工法に関し、特に掘削土と改良土の排土機能と、改良土の盛り上がりを抑制する蓋機能と、を兼備する柱状地盤改良装置の排土蓋と、これを用いてなる柱状地盤改良工法に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅や商業ビル等の敷地が軟弱地盤である場合、地盤に人工的な処理を加えることで地盤を改良して強度を高める地盤改良工事が実施される。
地盤改良工事に用いられる工法の1つとして、特許文献1~3には、柱状地盤改良工法が開示されている。
柱状地盤改良工法は、下端に掘削翼を装着したロッドを地中に回転圧入しながら掘削翼から固化材(セメントスラリー)を排出し、掘削土と固化材を攪拌混合して円柱形状の改良体を構築することで、軟弱地盤の許容支持力度の増加を図る工法である。
柱状地盤改良工法は、杭式工法と比べて安価に施工できる、低振動、低騒音で施工できる、狭小地での施工も容易である、等の複数の長所を備えるため、中小規模構造物の敷地の地盤改良工法として広く利用されている。
柱状地盤改良工法では、掘削土と固化材の攪拌混合によって、固化材の注入量、及び攪拌で掘削土がほぐれる土量だけ改良土の体積が増加する。このため、予め基礎底面レベルに固化材と掘削土の体積増加分を加味した深さまでを空掘部として、固化材を攪拌せずに掘削している。
特許文献1、2では、空掘部を掘削後、空掘部の掘削土を排土せずに空掘部より下方に柱状改良体を構築し、構築後に掘削土を除去する技術が開示されている。
特許文献3では、柱状地盤改良装置の攪拌翼の下方に排土翼を付設して排土し、排土後に排土翼を取り外して掘削翼で柱状改良体を構築する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-8454号公報
【文献】特開2006-28854号公報
【文献】特開平08-158357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術には以下のような問題点がある。
<1>特許文献1、2の、空掘部から排土せずに柱状改良体を構築する技術は、改良土の体積増加量が見込み計算であるところ、体積増加量が見込みより大きいと、空掘部の掘削土内に固化材混じりの改良土が混在することになる。この場合、空掘部からの排土量全体を産業廃棄物として処理する必要が生じるため、処分コストが嵩む。
<2>特許文献3の、攪拌翼の下方に排土翼を取付ける技術は、工程ごとにロッドを引き上げて排土翼の取り外し作業が必要となるため、作業が煩雑で施工性が悪い。また、空掘部の掘削土を予め排土するため、攪拌混合によって改良土が膨張して空掘部内に盛り上がってしまい、改良土が十分に圧密されないため、柱状改良体が設計通りの強度を出せないおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決するための柱状地盤改良装置の排土蓋及び柱状地盤改良工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の柱状地盤改良装置の排土蓋は、掘削ロッドに外装可能な本体筒と、本体筒に外設した螺旋翼と、を備え、本体筒の下部を、掘削翼の上部と着脱自在に構成したことを特徴とする。
【0007】
本発明の柱状地盤改良装置の排土蓋は、螺旋翼が、螺旋翼の下端縁に設けた掘削辺であって、本体筒の外周面から径方向に延在する掘削辺を備えていてもよい。
【0008】
本発明の柱状地盤改良装置の排土蓋は、螺旋翼が、掘削辺に沿って並列した複数の先端ビットを備えていてもよい。
【0009】
本発明の柱状地盤改良装置の排土蓋は、螺旋翼が、本体筒の外周を1周以上していてもよい。
【0010】
本発明の柱状地盤改良装置の排土蓋は、本体筒が、周壁を連通する排土孔を備えていてもよい。
【0011】
本発明の柱状地盤改良工法は、柱状地盤改良装置と、排土蓋と、を用い、掘削翼を回転圧入して地盤に貫入する、削孔工程と、掘削翼の貫入深さより上方の掘削土を排土する、排土工程と、掘削翼の貫入深さより下方へ掘削翼を回転圧入しつつ、掘削翼から固化材を排出し、固化材を掘削土と攪拌混合して改良土とし、改良土によって柱状改良体を構築する、改良工程と、を備え、排土工程において、掘削翼を上方に引き上げることで、掘削翼上に載せた排土蓋の螺旋翼によって掘削土を押し上げて排土することを特徴とする。
【0012】
本発明の柱状地盤改良工法は、改良工程において、排土蓋を掘削翼から分離し、攪拌混合による改良土の盛り上がりを抑制する蓋として利用してもよい。
【0013】
本発明の柱状地盤改良工法は、改良工程より後に、柱状改良体上部の改良土を除去する、除去工程を備え、除去工程において、掘削翼を上方に引き上げることで、掘削翼上に載せた排土蓋の螺旋翼によって改良土を押し上げて除去してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の柱状地盤改良装置の排土蓋及び柱状地盤改良工法は、以下の効果の内少なくとも1つを備える。
<1>排土蓋を掘削翼ごと引き上げるだけで、掘削土や改良土を掘削孔外に容易に排出することができる。このため施工効率が高い。
<2>掘削土と改良土を分別して排出でき、改良土のみを産業廃棄物として処理できるため、処分コストが安価である。
<3>排土蓋を柱状改良体の設計上の天端レベルに設置し、改良工程後に排土蓋を掘削孔から引き上げて排土蓋上の改良土を除去することで、柱状改良体の天端レベルを容易に合わせることができる。
<4>固化材の攪拌混合時に上部を排土蓋で抑えることで、改良土の盛り上がりを抑制し、改良土を地中で圧密して密実で堅固な柱状改良体を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の柱状地盤改良装置の排土蓋及び柱状地盤改良工法について詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
<1>柱状地盤改良装置の排土蓋(
図1)
本発明の柱状地盤改良装置の排土蓋1(以下「排土蓋1」)は、柱状地盤改良工法において、掘削孔B内から掘削土Cや改良土E1を排出する排土機能と、改良土E1の攪拌混合による盛り上がりを抑制する蓋機能と、を兼備する装置である。
排土蓋1は、本体筒10と、本体筒10に外設した螺旋翼20と、を少なくとも備える。本例では螺旋翼20の数は1枚である。
排土蓋1は、柱状地盤改良装置Aの掘削ロッドA3において掘削翼A4の上方に装着し、掘削翼A4と着脱自在の構造を有する。
【0018】
<1.1>柱状地盤改良装置(
図2)
柱状地盤改良装置Aは、機体と、機体の前方に立設可能な長尺のガイドA1と、ガイドA1に沿って上下方向に移動可能なオーガモータA2と、上端でオーガモータA2と連結する掘削ロッドA3と、掘削ロッドA3の下端に付設した掘削翼A4と、ガイドA1の下部に設けた揺れ止めA5と、を備える。
掘削ロッドA3は、オーガモータA2の移動に連動して上下方向に移動し、かつオーガモータA2の駆動によって軸回転する。
掘削翼A4は、掘削ロッドA3の軸回転と同期して回転する。
揺れ止めA5は、内部に掘削ロッドA3を包持し、掘削ロッドA3の上下移動に伴う揺動を規制する。
柱状地盤改良装置Aの構成は公知なのでここでは詳述しない。
【0019】
<2>本体筒
本体筒10は、掘削ロッドA3に外装する筒体である。
本体筒10は、少なくとも円筒状の筒状部11を備え、本例では更に、筒状部11の上縁に設けた上部係合部12と、筒状部11の下縁に設けた下部係合部13と、筒状部11の周壁に設けた排土孔14と、を備える。
筒状部11の内径は、掘削ロッドA3の外径に対応させる。
上部係合部12は、揺れ止めA5と連結するための構造である。本例では上部係合部12として、揺れ止めA5の下部に設けた鍵溝A51と係合する凸状構造を採用する。
下部係合部13は、掘削翼A4と連結するための構造である。本例では下部係合部13として、掘削翼A4の上部に設けた凸部A41と係合する溝状構造を採用する。
排土孔14は、筒状部11の周壁を内外に連通する。
本発明の排土蓋1は、掘削ロッドA3に外装する構造であるため、掘削ロッドA3と筒状部11の間に掘削土Cが詰まると、排土蓋1が掘削ロッドA3と共廻りしてしまうおそれがある。本例では、掘削ロッドA3と筒状部11の隙間に入った掘削土Cを排土孔14から外部に排出することで、掘削ロッドA3と筒状部11の縁を切って、排土蓋1の共廻りを防止することができる。
【0020】
<3>螺旋翼
螺旋翼20は、本体筒10に周設する翼状体である。
螺旋翼20は、筒状部11の外周に、筒状部11の長手方向に沿って螺旋状に付設する。
螺旋翼20は、排土蓋1の平面視において外形が概ね円形状を呈する。
螺旋翼20は、掘削土Cの排土機能と、改良土E1を抑え込む蓋機能を有効に発揮するために、筒状部11外周を1周以上する構造であることが望ましい。
本例では螺旋翼20が、螺旋翼20の下端縁に設けた掘削辺21と、掘削辺21に設けた複数の先端ビット22と、を備える。
掘削辺21は、螺旋翼20を土中に切り込むための端縁であって、筒状部11の外周面から径方向に延在する。
先端ビット22は、掘削辺21による土中への切り込み時に、硬質物を切削するためのビットであって、掘削辺21の幅方向に沿って並列する。
【0021】
<4>柱状地盤改良工法(
図3)
本発明の柱状地盤改良工法は、柱状地盤改良装置Aと排土蓋1を用いて地中に柱状改良体Eを構築する工法である。
本例では固化材Dとして、セメント系固化剤と水を攪拌したセメントスラリーを使用するが、これに限らず、例えば乾式工法を採用してもよい。
柱状地盤改良工法は、削孔工程S1と、排土工程S2と、改良工程S3と、を少なくとも備える。本例では改良工程S3の次に除去工程S4を更に備える。
【0022】
<4.1>施工準備
柱状地盤改良装置Aを施工場所に移動し、ガイドA1を鉛直に立てる。
掘削ロッドA3の上部をオーガモータA2から吊下げ、オーガモータA2をガイドA1の上方に移動させることで、掘削ロッドA3をガイドA1に沿って立設する。掘削ロッドA3の上部をオーガモータA2に連結する。掘削ロッドA3の下部は、揺れ止めA5内に保持する。
掘削ロッドA3に掘削翼A4を取付ける前に、排土蓋1を揺れ止めA5に仮固定する。詳細には、排土蓋1の上部係合部12を揺れ止めA5の鍵溝A51内に通して、軸周りに回転させ、上部係合部12を鍵溝A51内に係合させる(
図4)。
掘削ロッドA3の下端に掘削翼A4を連結し、上部係合部12を鍵溝A51から離脱させることで排土蓋1を揺れ止めA5から取り外し、排土蓋1を掘削翼A4上に載せる。この際、排土蓋1の下部係合部13を掘削翼A4の凸部A41に嵌めて、排土蓋1が掘削翼A4と同期回転するように連結する。
【0023】
<4.2>削孔工程
削孔工程S1は、掘削孔Bを空掘りする工程である。削孔工程S1は、例えば以下のように実施する。
柱状地盤改良装置AのオーガモータA2を駆動して、掘削ロッドA3下端の掘削翼A4を地盤に回転圧入する(
図5(1))。
掘削翼A4の回転圧入に伴い、掘削翼A4に搭載した排土蓋1が下部係合部13によって掘削翼A4と同期して回転することで、螺旋翼20の掘削辺21が掘削土C内に切込み、排土蓋1が掘削翼A4と共に掘削土C内に貫入する。
掘削翼A4と排土蓋1は、排土蓋1の螺旋翼20が空掘りの底部に達する深さまで貫入する。
【0024】
<4.3>排土工程
排土工程S2は、掘削孔B内の掘削土Cを排出する工程である。排土工程S2は、例えば以下のように実施する。
柱状地盤改良装置AのオーガモータA2を無回転でガイドA1の上方に移動させ、掘削翼A4を掘削孔B内の上方に引き上げることで、掘削翼A4上に搭載した排土蓋1を施工基面の高さより上方に引き上げる。
これによって、削孔工程S1の貫入深さにおける螺旋翼20より上方の掘削土Cを押し上げ、掘削孔B外へ排出する(
図5(2))。
【0025】
<4.4>改良工程
改良工程S3は、地中に柱状改良体Eを構築する工程である。改良工程S3は、例えば以下のように実施する。
排土蓋1を地上まで引き上げ、オーガモータA2を無回転で10cm程度下方に移動させることで、掘削翼A4の凸部A41から排土蓋1の下部係合部13を離脱させ、掘削翼A4と排土蓋1を分離する(
図5(3))。
掘削翼A4を、削孔工程S1の貫入深さより下方へ回転圧入しつつ、掘削翼A4のノズルから掘削土C内に固化材Dを排出して攪拌混合する。これによって、掘削土Cを固化材Dと混練して改良土E1とし、円筒状に混練した改良土E1によって、地中に柱状改良体Eを構築する(
図6(1))。柱状改良体Eの構築方法自体は公知なのでここでは詳述しない。
【0026】
<4.4.1>排土蓋の埋設
本例では、改良工程S3において、分離した排土蓋1を柱状改良体Eの上部に埋設し、改良土E1の蓋とする(
図6(1))。
排土蓋1の埋設深さは、螺旋翼20が、設計上の柱状改良体Eの天端レベル(すなわち建築物の基礎底面レベル)と概ね一致する深さとする。
このように、柱状改良体Eの上部に排土蓋1で蓋を設けながら、排土蓋1の下方で掘削土Cと固化材Dを攪拌混合することで、攪拌混合による改良土E1の盛り上がりを抑制し、改良土E1を地中で圧密して、密実で堅固な柱状改良体Eを構築することができる。
【0027】
<4.5>除去工程
除去工程S4は、柱状改良体E上部の改良土E1を除去して天端レベルを合わせる工程である。除去工程S4は、例えば以下のように実施する。
柱状地盤改良装置AのオーガモータA2を回転させながらガイドA1の上方に移動させ(
図6(2))、掘削翼A4を柱状改良体Eの上方に引き上げることで、掘削翼A4上に搭載した排土蓋1を施工基面の高さより上方に引き上げる。
これによって、螺旋翼20より上方の改良土E1を押し上げ、掘削孔B外へ排出する(
図6(3))。排出した改良土E1は、産業廃棄物として処分する。
改良工程S3における螺旋翼20の深さは、柱状改良体Eの設計上の天端レベルであるため、排土蓋1上の改良土E1の除去によって、柱状改良体Eの天端レベルを合わせることができる。
【実施例2】
【0028】
[螺旋翼を2枚設けた実施例]
実施例1では、排土蓋1の螺旋翼20が1枚であったが、螺旋翼20の枚数はこれに限らない。
本例では、筒状部11の長軸を中心に、2枚の螺旋翼20を点対称に周設する(
図7)。
本例の場合、螺旋翼20の表面積が実施例1の2倍になるため、排土機能と蓋機能を共に強化することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 排土蓋
10 本体筒
11 筒状部
12 上部係合部
13 下部係合部
14 排土孔
20 螺旋翼
21 掘削辺
22 先端ビット
A 柱状地盤改良装置
A1 ガイド
A2 オーガモータ
A3 掘削ロッド
A4 掘削翼
A41 凸部
A5 揺れ止め
A51 鍵溝
B 掘削孔
C 掘削土
D 固化材
E 柱状改良体
E1 改良土
S1 削孔工程
S2 排土工程
S3 改良工程
S4 除去工程
【要約】
【課題】掘削土と改良土の排土機能と改良土の盛り上がりを抑制する蓋機能を兼備する柱状地盤改良装置の排土蓋及びこれを用いてなる柱状地盤改良工法を提供する。
【解決手段】本発明の柱状地盤改良装置の排土蓋1は、掘削ロッドA3に外装可能な本体筒10と、本体筒10に外設した螺旋翼20と、を備え、本体筒10の下部を、掘削翼A4の上部と着脱自在に構成したことを特徴とする。本発明の柱状地盤改良工法は、掘削翼A4を回転圧入して地盤に貫入する、削孔工程S1と、掘削翼A4の貫入深さより上方の掘削土Cを排土する、排土工程S2と、掘削翼A4の貫入深さより下方へ掘削翼A4を回転圧入しつつ、掘削翼A4から固化材Dを排出し、固化材Dを掘削土Cと攪拌混合して改良土E1とし、改良土E1によって柱状改良体Eを構築する、改良工程S3と、を備え、排土工程S2において、掘削翼A4を上方に引き上げることで、掘削翼A4上に載せた排土蓋1の螺旋翼20によって掘削土Cを押し上げて排土することを特徴とする。
【選択図】
図1