(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/536 20060101AFI20240226BHJP
A61F 13/472 20060101ALI20240226BHJP
A61F 13/475 20060101ALI20240226BHJP
A61F 13/511 20060101ALI20240226BHJP
A61F 13/535 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
A61F13/536 100
A61F13/472 200
A61F13/475 200
A61F13/511 110
A61F13/535 200
(21)【出願番号】P 2018155524
(22)【出願日】2018-08-22
【審査請求日】2021-01-27
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104927
【氏名又は名称】和泉 久志
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 幾哉
【合議体】
【審判長】井上 茂夫
【審判官】藤井 眞吾
【審判官】稲葉 大紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-010633(JP,A)
【文献】特開平11-113955(JP,A)
【文献】特開平10-155832(JP,A)
【文献】特開2012-050497(JP,A)
【文献】特開2018-051110(JP,A)
【文献】登録実用新案第3204425(JP,U)
【文献】特開2003-230592(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/536
A61F 13/472
A61F 13/475
A61F 13/511
A61F 13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された吸収性物品において、
着用者の体液排出部に対応する領域より後側の領域に、吸収性物品の幅方向に沿って延びるとともに、後側に向けて膨出する形状で形成され、吸収性物品の長手方向に間隔を空けて配置された
3個の幅方向圧搾溝と、吸収性物品の長手方向に沿って延びるとともに、前記幅方向圧搾溝から所定の離隔距離を空けた幅方向外側にそれぞれ配置された左右対の長手方向圧搾溝とが設けられ、
前記幅方向圧搾溝の長さは、相対的に吸収性物品の後側に配置されたものの方が徐々に長くなるように形成されるとともに、前記幅方向圧搾溝の溝幅は、相対的に吸収性物品の後側に配置されたものの方が徐々に大きくなるように形成され
、
3個の幅方向圧搾溝の内、前側の2個の幅方向圧搾溝は円弧で形成され、最後部の1個の幅方向圧搾溝は三日月形で形成されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記長手方向圧搾溝は、吸収性物品の幅方向外側に膨出する形状で形成されている請求項
1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記幅方向圧搾溝と長手方向圧搾溝との前記離隔距離は、相対的に吸収性物品の後側に配置されたものの方が徐々に小さくなるように形成されている請求項1
、2いずれかに記載の吸収性物品。
【請求項4】
着用者の体液排出部に対応する領域を含む部位に、肌側に向けて増厚した吸収体の中高部が形成され、前記中高部の後端が、前記長手方向圧搾溝の前端より後側に位置している請求項1~
3いずれかに記載の吸収性物品。
【請求項5】
着用者の体液排出部に対応する領域を含む領域の両側部に、吸収性物品の長手方向に沿って延びる左右対の中央長手方向圧搾溝が設けられ、前記中央長手方向圧搾溝の後端における左右の離隔距離が、前記長手方向圧搾溝の前端における左右の離隔距離より小さく形成されている請求項1~
4いずれかに記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主には生理用ナプキン、おりものシート、失禁パッド、トイレタリー等の吸収性物品に係り、詳しくは肌当接面の後方部に非肌側に窪む圧搾溝が形成された吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、前記吸収性物品として、ポリエチレンシートまたはポリエチレンシートラミネート不織布などの不透液性裏面シートと、不織布または透液性プラスチックシートなどの透液性表面シートとの間に綿状パルプ等からなる吸収体を介在したものが知られている。
【0003】
この種の吸収性物品にも幾多の改良が重ねられ、体液の漏れを防止するため、様々な形態の圧搾溝を形成したものが開発されている。例えば、下記特許文献1には、縦方向に延びる中心線から左右両側に離れた位置に、第1の可撓軸及び第2の可撓軸がそれぞれ間隔を空けて縦方向に延びて形成されるとともに、縦方向に間隔を空けて、第1の可撓軸間を繋ぐ一対の横向き可撓軸が形成された吸収性物品が開示されている。また、下記特許文献2には、長手方向に複数の後方圧搾溝を設けることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4180865号公報
【文献】特許第5543847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1、2に記載された吸収性物品では、圧搾溝が可撓軸となって身体の形状に沿って変形しやすくなると同時に、圧搾溝によって体液が塞き止められ、体液の拡散が抑制される効果も生じると考えられる。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載の吸収性物品では、縦方向に延びる第1の可撓軸と、この第1の可撓軸間を繋ぐ横向き可撓軸とで中央吸収部が囲まれているため、この中央吸収部に吸収されて飽和状態になった体液が、周囲の第1可撓軸及び横向き可撓軸の一部から溢れ出ることによって、溢れ出た部分で漏れが生じるおそれがあった。
【0007】
また、上記特許文献2記載の吸収性物品では、後方部に、後側に向けて膨出する形状の後方圧搾溝が長手方向に間隔を空けて複数配置されているが、後方圧搾溝で塞き止められた体液が後方圧搾溝で囲まれた領域から両側部に溢れ出たとき、側方からの漏れが生じるおそれがあった。
【0008】
このように、従来の吸収性物品では、特に後方からの漏れに対して必ずしも充分な対策が成されておらず、更なる改善の余地があった。
【0009】
そこで本発明の主たる課題は、後方からの漏れを確実に防止した吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された吸収性物品において、
着用者の体液排出部に対応する領域より後側の領域に、吸収性物品の幅方向に沿って延びるとともに、後側に向けて膨出する形状で形成され、吸収性物品の長手方向に間隔を空けて配置された3個の幅方向圧搾溝と、吸収性物品の長手方向に沿って延びるとともに、前記幅方向圧搾溝から所定の離隔距離を空けた幅方向外側にそれぞれ配置された左右対の長手方向圧搾溝とが設けられ、
前記幅方向圧搾溝の長さは、相対的に吸収性物品の後側に配置されたものの方が徐々に長くなるように形成されるとともに、前記幅方向圧搾溝の溝幅は、相対的に吸収性物品の後側に配置されたものの方が徐々に大きくなるように形成され、
3個の幅方向圧搾溝の内、前側の2個の幅方向圧搾溝は円弧で形成され、最後部の1個の幅方向圧搾溝は三日月形で形成されていることを特徴とする吸収性物品が提供される。
【0011】
上記請求項1記載の発明では、着用者の体液排出部に対応する領域より後側の領域に、吸収性物品の略幅方向に沿って延びる幅方向圧搾溝と、吸収性物品の略長手方向に沿って延びる長手方向圧搾溝とがそれぞれ所定の形態で設けられている。前記幅方向圧搾溝は、後側に向けて膨出する形状で形成され、吸収性物品の長手方向に間隔を空けて複数配置されている。このため、後側に向けて拡散する体液を、複数の幅方向圧搾溝によって段階的に塞き止めて吸収体に吸収できるようになる。また、前記長手方向圧搾溝が前記幅方向圧搾溝から所定の離隔距離を空けた幅方向外側にそれぞれ配置されているため、前記幅方向圧搾溝によって塞き止められた体液が幅方向外側に拡散して、側方に漏れるのが防止できるとともに、前記幅方向圧搾溝と長手方向圧搾溝との間に離隔部が設けられているため、幅方向圧搾溝によって塞き止められ、この領域において飽和状態となった体液が、前記離隔部を通って後側に拡散することにより、更に後側の領域で体液が吸収できるようになっている。したがって、後方からの漏れが確実に防止できるようになる。
【0012】
本発明では、吸収性物品の長手方向に間隔を空けて複数配置された幅方向圧搾溝のうち、相対的に吸収性物品の後側に配置されたものの方が徐々に長さが長くなるように形成しているため、後側に配置された幅方向圧搾溝の方が体液の塞き止め効果が高くなり、体液の後漏れがより確実に防止できるようになる。
【0013】
また、本発明では、吸収性物品の長手方向に間隔を空けて複数配置された幅方向圧搾溝のうち、相対的に吸収性物品の後側に配置されたものの方が徐々に溝幅が大きくなるように形成しているため、後側に配置された幅方向圧搾溝の方が体液の塞き止め効果が高くなり、体液の後漏れがより確実に防止できるようになる。
【0014】
請求項2に係る本発明として、前記長手方向圧搾溝は、吸収性物品の幅方向外側に膨出する形状で形成されている請求項1記載の吸収性物品が提供される。
【0015】
上記請求項2記載の発明では、前記長手方向圧搾溝を吸収性物品の幅方向外側に膨出する形状で形成しているため、長手方向圧搾溝の内側に体液が保持されやすく、側部からの漏れがより確実に防止できるようになる。
【0016】
請求項3に係る本発明として、前記幅方向圧搾溝と長手方向圧搾溝との前記離隔距離は、相対的に吸収性物品の後側に配置されたものの方が徐々に小さくなるように形成されている請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
【0017】
上記請求項3記載の発明では、幅方向圧搾溝と長手方向圧搾溝との幅方向の離隔距離を、相対的に吸収性物品の後側に配置されたものの方が徐々に小さくなるように形成しているため、前側寄りに配置された幅方向圧搾溝では、長手方向圧搾溝との離隔部を通ってより多くの体液が後側に拡散でき、前側寄りに配置された幅方向圧搾溝で塞き止められた体液が溢れ出て側方に漏れるのが防止できるとともに、吸収体に吸収・保持されるのに伴い、後側に行くに従って徐々に拡散する体液の量が少なくなるのに合わせて、この離隔部が狭くなっているため、幅方向圧搾溝で塞き止められた体液を、この幅方向圧搾溝及び両側の長手方向圧搾溝で囲まれた領域でより確実に吸収体に吸収できるようになっている。
【0018】
請求項4に係る本発明として、着用者の体液排出部に対応する領域を含む部位に、肌側に向けて増厚した吸収体の中高部が形成され、前記中高部の後端が、前記長手方向圧搾溝の前端より後側に位置している請求項1~3いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
【0019】
上記請求項4記載の発明では、着用者の体液排出部に対応する領域を含む部位に中高部が形成され、この中高部の後端を、前記長手方向圧搾溝の前端より後側に位置させているため、中高部に吸収された体液が、中高部の後端から、両側部に長手方向圧搾溝が配置された領域内に拡散し、前記長手方向圧搾溝及び幅方向圧搾溝によって体液の漏れを防止しつつ確実に吸収体に吸収されやすくなる。
【0020】
請求項5に係る本発明として、着用者の体液排出部に対応する領域を含む領域の両側部に、吸収性物品の長手方向に沿って延びる左右対の中央長手方向圧搾溝が設けられ、前記中央長手方向圧搾溝の後端における左右の離隔距離が、前記長手方向圧搾溝の前端における左右の離隔距離より小さく形成されている請求項1~5いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
【0021】
上記請求項5記載の発明では、着用者の体液排出部に対応する領域を含む領域の両側部に左右対の中央長手方向圧搾溝を設けた場合において、前記中央長手方向圧搾溝に沿って後側に拡散する体液による漏れを防止するため、前記中央長手方向圧搾溝の後端における左右の離隔距離を、前記長手方向圧搾溝の前端における左右の離隔距離より小さく形成している。これによって、中央長手方向圧搾溝に沿って後側に拡散した体液が、両側部に長手方向圧搾溝が配置された領域内に拡散し、前記長手方向圧搾溝及び幅方向圧搾溝によって体液の漏れを防止しつつ確実に吸収体に吸収されやすくなる。
【発明の効果】
【0022】
以上詳説のとおり本発明によれば、後方からの漏れを確実に防止した吸収性物品が提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明に係る生理用ナプキン1の一部破断展開図である。
【
図4】体液の拡散状態を示す生理用ナプキン1の展開図である。
【
図5】他の形態例に係る後側の圧搾溝を示す平面図(その1)である。
【
図6】他の形態例に係る後側の圧搾溝を示す平面図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0025】
〔生理用ナプキン1の基本構造〕
本発明に係る生理用ナプキン1は、
図1~
図3に示されるように、ポリエチレンシートなどからなる不透液性裏面シート2と、経血やおりものなど(以下、まとめて体液ともいう。)を速やかに透過させる透液性表面シート3と、これら両シート2,3間に介装された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、肌当接面側の両側部に長手方向のほぼ全長に亘って設けられるとともに、前記吸収体4の略側縁部を起立基端とし、かつ少なくとも着用者の体液排出部Hに対応する領域を含むナプキン長手方向の所定の区間内において肌側に突出して設けられた左右一対の立体ギャザーBS、BSを形成するサイド不織布7、7とを備え、かつ前記吸収体4の周囲においては、その上下端縁部では前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール、超音波シール等の接合手段によって接合され、またその両側縁部では吸収体4よりも側方に延出している前記不透液性裏面シート2と前記サイド不織布7とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール、超音波シール等の接合手段によって接合され、ほぼ体液排出部Hに相当する吸収体側部位置に左右一対のウイング状フラップW、Wが形成されるとともに、これより後部側(臀部側)の後部両側部にそれぞれ外方に延出する後部フラップW
B、W
Bが形成されたものである。なお、図示例では、前記吸収体4の形状保持および拡散性向上のために、前記吸収体4をクレープ紙又は不織布などからなる被包シート5で囲繞しているが、この被包シート5は設けなくてもよい。また、図示しないが、前記透液性表面シート3の非肌側に隣接して、前記透液性表面シート3とほぼ同形状の親水性の不織布などからなるセカンドシートを配設してもよい。
【0026】
以下、さらに前記生理用ナプキン1の構造について詳述すると、
前記不透液性裏面シート2は、ポリエチレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、蒸れ防止の観点から透湿性を有するものを用いるのが望ましい。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。前記不透液性裏面シート2の非肌側面(外面)にはナプキン長手方向に沿って1または複数条の粘着剤層(図示せず)が形成され、身体への装着時に生理用ナプキン1を下着に固定するようになっている。前記不透液性裏面シート2としては、プラスチックフィルムと不織布とを積層させたポリラミ不織布を用いてもよい。
【0027】
次いで、前記透液性表面シート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高で圧縮復元性が高い点で優れている。前記透液性表面シート3に多数の透孔を形成した場合には、体液が速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。不織布の繊維は、長繊維または短繊維のいずれでもよいが、好ましくはタオル地の風合いを出すため短繊維を使用するのがよい。また、エンボス処理を容易とするために、比較的低融点のポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系繊維のものを用いるのがよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイド-バイ-サイド型繊維、分割型繊維の複合繊維を好適に用いることもできる。
【0028】
前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との間に介在される吸収体4は、たとえば綿状パルプと吸水性ポリマーとにより構成されている。前記吸水性ポリマーは吸収体を構成するパルプ中に、例えば粒状粉として混入されている。前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。前記吸収体4の目付は、300~750g/m2、好ましくは300~400g/m2とするのがよい。
【0029】
また、前記吸収体4には合成繊維を混合しても良い。前記合成繊維は、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系、及びこれらの共重合体などを使用することができるし、これら2種を混合したものであってもよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイド-バイ-サイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維も用いることができる。前記合成繊維は、体液に対する親和性を有するように、疎水性繊維の場合には親水化剤によって表面処理したものを用いるのが望ましい。
【0030】
前記吸収体4の肌当接面側には、幅方向中央部であって、着用者の体液排出部Hに対応する領域を含む部位に、ナプキン長手方向に細長く、肌側に向けて増厚した吸収体の中高部6が備えられている。前記中高部6は、概ね着用者の体液排出部Hから臀部溝の開始位置にかけての部位を覆うように設けられ、ウイング状フラップWから後部フラップW
Bの中間部までの長手区間に設けられている。前記中高部6は、吸収体4との一体的な積繊によって形成してもよいし、別々に積繊したものを積層してもよい。この中高部6の厚みは、厚くし過ぎると吸収体4の剛性が上がり身体への密着性が低下するため、3~20mm、好ましくは5~15mmとするのが好ましい。なお、前記吸収体4を被包シート5で囲繞する場合、
図2に示されるように、前記吸収体4と中高部6を一体的に被包してもよいし、図示しないが、吸収体4及び中高部6をそれぞれ別々に被包シートで囲繞した後積層してもよい。
【0031】
一方、前記透液性表面シート3の幅寸法は、図示例では、
図2及び
図3の横断面図に示されるように、吸収体4の幅寸法よりも若干長めとされ、吸収体4を覆うだけに止まり、それより外方側は前記透液性表面シート3とは別のサイド不織布7、具体的には経血やおりもの等が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの目的に応じて、適宜の撥水処理または親水処理を施した不織布素材を用いて構成されたサイド不織布7が配設されている。
【0032】
かかるサイド不織布7としては、天然繊維、合成繊維または再生繊維などを素材として、適宜の加工法によって形成されたものを使用することができるが、好ましくはゴワ付き感を無くすとともに、ムレを防止するために、坪量を抑えて通気性を持たせた不織布を用いるのがよい。具体的には、坪量を13~23g/m2として作製された不織布を用いるのが望ましく、かつ体液の透過を確実に防止するためにシリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布が好適に使用される。
【0033】
前記サイド不織布7は、
図2及び
図3に示されるように、幅方向中間部より外側部分を所定の内側位置から不透液性裏面シート2の外縁までの範囲に亘ってホットメルトなどの接着剤によって接着し、所定の位置に所定のフラップ部が形成されている。このフラップ部は、ほぼ体液排出部Hに対応する部分の両側部に左右一対のウイング状フラップW、Wを形成するとともに、これより後部側(臀部側)の後部両側部に後部フラップW
B、W
Bを形成している。これらウイング状フラップW、Wおよび後部フラップW
B、W
Bの外面側(不透液性裏面シート2側)にはそれぞれ粘着剤層(図示せず)が備えられ、ショーツに対する装着時に、前記ウイング状フラップW、Wを基端部の折返し線RL位置にて反対側に折り返し、ショーツのクロッチ部分に巻き付けて止着するとともに、前記後部フラップW
Bをショーツの内面に止着するようになっている。
【0034】
一方、前記サイド不織布7の内方側部分はほぼ二重に折り返されるとともに、この二重シート内部に、その高さ方向中間部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された1又は複数本の、図示例では3本の糸状弾性伸縮部材9、9…が両端または長手方向の適宜の位置が固定された状態で配設されている。この二重シート部分は前後端部では
図3に示されるように、外側に1回折り返して積層された状態で吸収体4側に接着されることによって、少なくとも体液排出部Hを含むナプキン長手方向の所定の区間内において、
図2に示されるように、外側に傾斜しながら肌側に起立する直線状の立体ギャザーBS、BSが左右一対で形成されている。
【0035】
〔圧搾溝〕
本生理用ナプキン1には、所定の領域に、透液性表面シート3の肌側から非肌側に向けて窪ませた圧搾溝が形成されている。前記圧搾溝は、吸収体4の肌側面に透液性表面シート3を積層した状態で、前記透液性表面シート3の外面側からの圧搾により、前記透液性表面シート3から吸収体4にかけて一体的に非肌側に窪ませることにより形成したものである。前記圧搾溝は、両側のサイド不織布7、7間の透液性表面シート3が肌側に露出する幅方向範囲内であって、両側のサイド不織布7、7に達しない幅方向中央領域に形成されている。以下、この圧搾溝について詳細に説明する。
【0036】
本生理用ナプキン1では、着用者の体液排出部Hに対応する領域より後側の領域に、生理用ナプキン1の略幅方向に沿って延びるとともに、後側に向けて膨出する形状で形成され、生理用ナプキン1の長手方向に間隔を空けて複数配置された幅方向圧搾溝10、10…と、生理用ナプキン1の略長手方向に沿って延びるとともに、前記幅方向圧搾溝10…から所定の離隔距離を空けて幅方向外側にそれぞれ配置された左右対の長手方向圧搾溝11、11とが設けられている。
【0037】
本生理用ナプキン1では、前記幅方向圧搾溝10…及び長手方向圧搾溝11…を設けることにより、次の効果を奏する。前記幅方向圧搾溝が後側に向けて膨出する形状で形成され、生理用ナプキン1の長手方向に間隔を空けて複数配置されているため、
図4に示されるように、後側に向けて拡散する体液を、複数の幅方向圧搾溝10、10…によって段階的に塞き止めて吸収体4に吸収できるようになる。したがって体液の吸収効率が向上でき、後漏れが防止できる。
【0038】
また、前記長手方向圧搾溝11、11が前記幅方向圧搾溝10から所定の離隔距離を空けた幅方向外側にそれぞれ配置されているため、前記幅方向圧搾溝10によって塞き止められた体液が幅方向外側に拡散して、側方に漏れるのが防止できるとともに、前記幅方向圧搾溝10と長手方向圧搾溝11との間に幅方向に離隔した離隔部が設けられているため、前記幅方向圧搾溝10によって塞き止められ、この領域において飽和状態となった体液が、前記離隔部を通って後側に拡散することにより、更に後側の領域で体液が吸収できるようになっている。したがって、後方からの漏れが確実に防止できるようになる。
【0039】
前記幅方向圧搾溝10は、前記中高部6より後側の領域であって、両側に後部フラップWB、WBが形成された長手区間内の幅方向中央部に形成されている。前記幅方向圧搾溝10は、生理用ナプキン1の略幅方向に沿って延びるとともに、生理用ナプキン1の長手方向中心線CLを境に左右対称の形状で形成されている。すなわち、幅方向圧搾溝10の両端を結ぶ直線が生理用ナプキン1の長手方向中心線CLと直交する幅方向線とほぼ一致する形状で形成されている。
【0040】
前記幅方向圧搾溝10は、生理用ナプキン1の長手方向に間隔を空けて複数配置され、好ましくは2個~5個、図示例では前側から順に10A~10Cの3個配置されている。幅方向圧搾溝10を複数配置することにより、後方に流れる体液を段階的に塞き止めることができ、後方部における体液の漏れを確実に防止することができるようになる。
【0041】
前記幅方向圧搾溝10、10のピッチ(隣り合う幅方向圧搾溝10、10の端縁同士の生理用ナプキン1の長手方向の長さ)は任意であるが、
図1に示されるように、前側2個の10A、10B間のピッチP
ABより、後側2個の10B、10C間のピッチP
BCの方が大きくなるように配置するのが好ましい(P
AB<P
BC)。前側寄りの方が体液量が多いため、ピッチを小さくすることにより、幅方向圧搾溝10で塞き止められた体液が一時的に貯留されやすくすることにより、吸収体により素早く保持されるようにしている。前側の10A、10B間のピッチP
ABとしては、30~40mmが好ましく、後側の10B、10C間のピッチP
BCとしては、35~45mmが好ましい。また、これらのピッチの差(P
BC-P
AB)としては、5~15mmが好ましい。
【0042】
前記幅方向圧搾溝10の平面形状は、幅方向圧搾溝10の両端を結ぶ直線と幅方向圧搾溝10との間に圧搾されない領域が形成される程度に後側に向けて膨出する形状で形成するのが好ましく、生理用ナプキン1の後側に向けて膨出する円弧、楕円弧、三日月形、折れ線などによって形成することができる。生理用ナプキン1の長手方向に間隔を空けて複数配置された幅方向圧搾溝10、10…は、全て同じ形状で形成する必要はなく、図示例のように、前側の2個10A、10Bを円弧で形成し、最後部の1個10Cを三日月形で形成するなど、異なる形状で形成してもよい。
【0043】
図1に示されるように、各幅方向圧搾溝10A~10Cの両端を結ぶ直線と、当該幅方向圧搾溝10A~10Cの後端までの生理用ナプキン1の長手方向に沿う長さM
A~M
Cは、後側に配置されたものの方が徐々に大きくなる形状で形成するのが好ましい。すなわち、M
A<M
B<M
Cとするのが好ましい。これにより、前側に配置された幅方向圧搾溝10の方が前側からより多くの体液が拡散してくるため、幅方向圧搾溝10で塞き止めて一時的に貯留できる体液の量を小さくし、両側の長手方向圧搾溝11との離隔部を通じて後側により多くの体液を流すことにより、この領域で塞き止められた体液が漏れるのを防止するとともに、後側に配置された幅方向圧搾溝10では、後端からの漏れを防止するため、より多くの体液を塞き止めることが可能な形状で形成している。最前部の幅方向圧搾溝10Aの前記長さM
Aとしては7~12mmが好ましく、中間部の幅方向圧搾溝10Bの前記長さM
Bとしては12~17mmが好ましく、最後部の幅方向圧搾溝10Cの前記長さM
Cとしては20~25mmが好ましい。また、最前部の幅方向圧搾溝10Aの前記長さM
Aに対する前記長さM
B、M
Cの比としては、M
Bが1.2~1.7、M
Cが2.0~2.5とするのがよい。
【0044】
前記幅方向圧搾溝10の溝幅は、相対的に生理用ナプキン1の後側に配置されたものの方が徐々に大きくなるように形成するのが好ましい。圧搾溝では、溝幅を大きくした方が、溝内を体液が通り抜けしにくくなるため、体液の塞き止め効果が高くなる。したがって、後側に配置された幅方向圧搾溝10の方が体液の塞き止め効果が高くなり、体液の後漏れがより確実に防止できるようになる。前記溝幅は、溝長手方向の中心線に直交する両側壁間の長さであり、前側2個の幅方向圧搾溝10A、10Bのように全長に亘ってほぼ等幅に形成されたものでは、任意の中間位置における溝幅を用いることができ、最後部の幅方向圧搾溝10Cのように三日月形に形成され溝幅が場所によって変化するものでは、全長に亘る平均の溝幅を用いることができる。最前部の幅方向圧搾溝10Aの溝幅としては1.0~3.0mmが好ましく、中間部の幅方向圧搾溝10Bの溝幅としては1.5~3.5mmが好ましく、最後部の幅方向圧搾溝10Cの溝幅としては5.0~9.0mmが好ましい。また、最前部の幅方向圧搾溝10Aの溝幅に対する中間部の幅方向圧搾溝10Bの溝幅の比及び最後部の幅方向圧搾溝10Cの溝幅の比としては、中間部の幅方向圧搾溝10Bの溝幅の比が1.1~1.4、最後部の溝幅の比が3.0~4.0とするのがよい。
【0045】
前記幅方向圧搾溝10の生理用ナプキン1の幅方向に沿う長さは、相対的に生理用ナプキン1の後側に配置されたものの方が徐々に長くなるように形成するのが好ましい。すなわち、最前部の幅方向圧搾溝10Aの長さLA、中間部の幅方向圧搾溝10Bの長さLB、最後部の幅方向圧搾溝10Cの長さLCは、LA<LB<LCの関係を有するように形成するのが好ましい。ナプキン幅方向に沿う長さを長くした方が、後側に流れる体液を多く塞き止めることが可能となるため、後側に配置された幅方向圧搾溝10の方が体液の塞き止め効果が高くなり、体液の後漏れがより確実に防止できるようになる。最前部の幅方向圧搾溝10Aの長さLAとしては30~35mmが好ましく、中間部の幅方向圧搾溝10Bの長さLBとしては37~42mmが好ましく、最後部の幅方向圧搾溝10Cの長さLCとしては40~45mmが好ましい。また、最前部の幅方向圧搾溝10Aの長さLAに対する中間部の幅方向圧搾溝10Bの長さLBの比及び最後部の幅方向圧搾溝10Cの長さLCの比としては、中間部の幅方向圧搾溝10Bの長さLBの比が1.1~1.4、最後部の長さLCの比が1.2~1.5とするのがよい。
【0046】
次に、前記長手方向圧搾溝11は、両側部に後部フラップWB、WBが形成された長手区間内であって、前記幅方向圧搾溝10、10…が形成された区間を含む長手区間において、生理用ナプキン1の略長手方向に沿って連続して延びるように形成されている。前記長手方向圧搾溝11は、前端と後端とを結ぶ直線が、生理用ナプキン1の略長手方向に沿って延びており、この直線と生理用ナプキン1の長手方向中心線CLとの成す角は0~±45°の範囲内で形成するのが好ましい。これにより、長手方向圧搾溝11より幅方向外側に体液が拡散するのが抑制され、後方における横漏れが確実に防止できるようになる。
【0047】
前記長手方向圧搾溝11は、前記幅方向圧搾溝10の側縁から所定の離隔距離を空けた幅方向両側にそれぞれ配置され、生理用ナプキン1の長手方向中心線CLを中心として左右対称に形成されている。すなわち、前記長手方向圧搾溝11は、幅方向圧搾溝10と接続せず、長手方向圧搾溝11と幅方向圧搾溝10との間に圧搾していない非圧搾部が介在している。これによって、前記幅方向圧搾溝10及び両側の長手方向圧搾溝11、11で囲まれた領域に体液が滞留することなく、前記幅方向圧搾溝10と長手方向圧搾溝11との間の非圧搾部を通って後側に体液が拡散できるようになっている。このため、所定の領域に滞留した体液が圧搾溝を越えて溢れ出ることによって生じる漏れが防止できる。
【0048】
前記幅方向圧搾溝10と長手方向圧搾溝11との生理用ナプキン1の幅方向に沿った離隔距離は任意であるが、
図1に示されるように、相対的に後側に配置されたものの方が徐々に小さくなるように形成するのが好ましい。すなわち、最前部の幅方向圧搾溝10
Aと長手方向圧搾溝11との離隔距離をS
A、中間部の幅方向圧搾溝10
Bと長手方向圧搾溝11との離隔距離をS
B、最後部の幅方向圧搾溝10
Cと長手方向圧搾溝11との離隔距離をS
Cとすると、S
A>S
B>S
Cとするのが好ましい。これにより、この離隔部分の非圧搾部を通って後側に拡散する体液の量が徐々に少なくなり、後側からの漏れがより確実に防止できるようになる。前記離隔距離は、2.0~10.0mmの範囲内で任意に設定できる。また、最前部の離隔距離S
Aに対する中間部の離隔距離S
Bの比及び最後部の離隔距離S
Cの比はそれぞれ、0.72~0.77、0.40~0.45とするのが好ましい。
【0049】
前記長手方向圧搾溝11の平面形状は任意であるが、
図1に示されるように、生理用ナプキン1の幅方向外側に膨出する円弧又は楕円弧で形成するのが好ましい。幅方向外側に膨出する平面形状で形成することにより、長手方向圧搾溝11の内側に体液が保持されやすく、側部からの漏れがより確実に防止できる。
【0050】
前記長手方向圧搾溝11の溝幅は、前記幅方向圧搾溝10の溝幅と比べて同等以下でもよいし、大きくしてもよい。好ましくは、側方からの漏れをより確実に防止するため、中間部の幅方向圧搾溝10Bの溝幅とほぼ同等に形成するのが好ましい。
【0051】
前記長手方向圧搾溝11は、前端が前記中高部6の後端部と幅方向に重なる位置まで延びている。すなわち、前記中高部6の後端は、長手方向圧搾溝11の前端より後側に位置している。前記長手方向圧搾溝11は、中高部6より幅方向外側に離隔した位置にそれぞれ配置されている。これによって、中高部6に吸収された体液が、中高部6の後端から、両側に長手方向圧搾溝11、11が配置された領域に拡散されるため、長手方向圧搾溝11、11及び幅方向圧搾溝10によって体液が確実に吸収体2に吸収されるようになる。
図1に示されるように、前記中高部6と長手方向圧搾溝11とのナプキン幅方向の重なり部分の長さUは、体液が中高部6から長手方向圧搾溝11、11で挟まれた領域内に効率よく拡散できるように、5.0~10.0mm、好ましくは7.0~8.0mmとするのがよい。
【0052】
図1に示されるように、本生理用ナプキン1には、着用者の体液排出部Hに対応する領域を含む領域の両側部に、生理用ナプキン1の略長手方向に沿って延びる左右対の中央長手方向圧搾溝12、12が設けられている。前記中央長手方向圧搾溝12、12は、前記中高部6の両側に、中高部6の側縁にほぼ沿うように形成されている。前記中央長手方向圧搾溝12の前端は、前記中高部6の前端とほぼ同じ位置に設けられ、後端は、前記中高部6の後端より前側であって、前記長手方向圧搾溝11、11の前端より前側に離隔した位置に配置されている。なお、中央長手方向圧搾溝12の後端が前記長手方向圧搾溝11の前端とナプキン長手方向に対してほぼ一致する位置又は後側に配置されるようにしてもよい。この場合、中央長手方向圧搾溝12、12の後部は、長手方向圧搾溝11、11よりナプキン幅方向の中央側に離隔した位置に設けるのが好ましい。
【0053】
前記中央長手方向圧搾溝12の後端における左右の離隔距離X12は、前記長手方向圧搾溝11の前端における左右の離隔距離X11より小さく形成するのが好ましい(X12<X11)。これによって、中央長手方向圧搾溝12に沿って後側に拡散した体液が、長手方向圧搾溝11、11で挟まれた領域に拡散しやすくなり、前記長手方向圧搾溝11、11及び幅方向圧搾溝10によって体液が確実に吸収体4に吸収され、側方からの漏れが防止できる。前記離隔距離の差(X11-X12)としては、10.0~15.0mmとするのが好ましい。
【0054】
前記中央長手方向圧搾溝12の後端は、生理用ナプキン1の長手方向中心線CL側に向けて屈曲し、中央長手方向圧搾溝12の後端から延長した直線が、前記長手方向圧搾溝11、11の前端における左右の離隔部に向けて延びるように形成するのが好ましい。これによって、中央長手方向圧搾溝12に沿って後側に拡散した体液が、長手方向圧搾溝11、11で挟まれた領域に拡散しやすくなる。
【0055】
図1に示される生理用ナプキン1では、前側からの漏れを防止するため、前記中央長手方向圧搾溝12の前側に離隔して、平面視略Ω形の第1前側圧搾溝13が形成されるとともに、前記第1前側圧搾溝13の前側に離隔して、平面視略三日月形の第2前側圧搾溝14が形成されている。
【0056】
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、前記長手方向圧搾溝11は、左右にそれぞれ1条ずつ設けていたが、
図5に示されるように、左右にそれぞれ複数条ずつ、図示例では2条ずつ設けてもよい。長手方向圧搾溝11を複数条ずつ設けることにより、後方における側部からの漏れがより確実に防止できるようになる。
【0057】
(2)上記形態例では、左右の長手方向圧搾溝11、11の後端を左右に離隔して形成したが、
図6に示されるように、左右の長手方向圧搾溝11、11の後端同士を連結する連結圧搾溝15を設けることにより、左右の長手方向圧搾溝11、11の後端が連続するようにしてもよい。左右の長手方向圧搾溝11、11の後端を連続させることにより、長手方向圧搾溝11、11及び連結圧搾溝15で囲まれた領域内で体液を吸収・保持することができるので、体液の後漏れがより確実に防止できるようになる。
【符号の説明】
【0058】
1…生理用ナプキン、2…不透液性裏面シート、3…透液性表面シート、4…吸収体、5…被包シート、6…中高部、7…サイド不織布、9…糸状弾性伸縮部材、10・10A・10B・10C…幅方向圧搾溝、11…長手方向圧搾溝、12…中央長手方向圧搾溝