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特許7442284蓄電池とバスバーとの間の受動的な磁気のための装置を備える蓄電池電池パック、および、適切な場合、1つまたは複数の蓄電池の失陥の場合におけるそれら蓄電池の受動的な分路
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】蓄電池とバスバーとの間の受動的な磁気のための装置を備える蓄電池電池パック、および、適切な場合、1つまたは複数の蓄電池の失陥の場合におけるそれら蓄電池の受動的な分路
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/572 20210101AFI20240226BHJP
   H01M 4/485 20100101ALI20240226BHJP
   H01M 4/505 20100101ALI20240226BHJP
   H01M 4/525 20100101ALI20240226BHJP
   H01M 4/58 20100101ALI20240226BHJP
   H01M 10/0525 20100101ALI20240226BHJP
   H01M 50/20 20210101ALI20240226BHJP
   H01M 50/543 20210101ALI20240226BHJP
【FI】
H01M50/572
H01M4/485
H01M4/505
H01M4/525
H01M4/58
H01M10/0525
H01M50/20
H01M50/543
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019166147
(22)【出願日】2019-09-12
(65)【公開番号】P2020043076
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2019-11-20
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-28
(31)【優先権主張番号】1858188
(32)【優先日】2018-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】502124444
【氏名又は名称】コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン・ルジョーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ピエール・ジョスト
(72)【発明者】
【氏名】ピエール・ぺリション
【合議体】
【審判長】篠原 功一
【審判官】山本 章裕
【審判官】須原 宏光
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-525942(JP,A)
【文献】特表2018-524140(JP,A)
【文献】特表2011-507149(JP,A)
【文献】特開2012-9411(JP,A)
【文献】特表2017-511962(JP,A)
【文献】特表2017-503327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10-2/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パック(P)であって、
複数の蓄電池(A1~An)であって、
筐体(6)または柔軟な包装、
第1の出力端子(4)、および、前記第1の出力端子と反対の極性の第2の出力端子(5)
を各々備え、
ここで、前記出力端子のうちの少なくとも一方は、
電気的に伝導性の部品(17)、
永久磁石(12)を備える磁気係止部
を備える、複数の蓄電池と、
第1のバスバー(B1)と呼ばれる電気的接続バーに固定され、前記出力端子の前記磁気係止部と磁気回路の閉鎖板を形成する少なくとも1つの強磁性部品(15)と
を備え、
i/ 前記蓄電池の通常の動作において、閉鎖の磁気回路構成における第1のバスバーの前記閉鎖板での前記出力端子の前記永久磁石の磁気誘引力が、前記出力端子と前記第1のバスバーとの間の機械的および電気的な接続を確保するように、
ii/ 前記蓄電池の過熱を引き起こす前記蓄電池の失陥において、前記出力端子の前記永久磁石が、少なくともその磁気特性を失い始める温度までで、前記出力端子と前記第1のバスバーとの間の機械的な接続解除の程度まで加熱し、これは、前記蓄電池を重力によって落下させるように
構成されており、
前記第1の出力端子または前記第2の出力端子は前記筐体または前記柔軟な包装の1つの面に配置され、一方、それぞれにおいて、前記第2の出力端子または前記第1の出力端子は前記筐体または前記柔軟な包装の1つの面とは反対の面に配置され、前記蓄電池は、ii/に従っての重力によるその落下がその長手方向軸に対して垂直に起こるように水平に配置される、電池パック(P)。
【請求項2】
その端のうちの1つにおいて第2のバスバー(B2)と呼ばれる別のバスバーに固定される、永久磁石を備える少なくとも1つの柔軟な電気的に伝導性のブレード(81)を備え、
前記電池パックは、
前記ステップi/の間、前記柔軟なブレードの前記永久磁石が前記出力端子の前記永久磁石によって反発され、そのため前記柔軟なブレードが前記第1のバスバーとの電気的な接触ができないように、
前記ステップii/の間、落下した失陥の前記蓄電池の磁気反発がないため、それぞれの前記柔軟なブレードを通じての前記第1のバスバーと前記第2のバスバーとの間の電気的な接続が、前記蓄電池の分路を実現するように
構成される、請求項1に記載の電池パック(P)。
【請求項3】
前記永久磁石のキュリー温度は、前記パックの蓄電池の自己加熱温度(T1)の摂氏単位で90%に近い値と、前記パックの蓄電池の熱暴走温度(T2)の摂氏単位で110%に近い値との間となるように選択される、請求項1又は2に記載の電池パック(P)。
【請求項4】
前記永久磁石は焼結磁石またはプラスト磁石である、請求項1から3のいずれか一項に記載の電池パック(P)。
【請求項5】
前記焼結磁石または前記プラスト磁石は、レアアースに基づき、好ましくは、サマリウム-コバルトもしくはネオジム-鉄-ボロンに基づき、または、フェライトから作られる、請求項4に記載の電池パック(P)。
【請求項6】
前記焼結磁石は、アルミニウム-ニッケル-コバルト合金から作られる、請求項4に記載の電池パック(P)。
【請求項7】
前記2つの出力端子のうちの少なくとも一方は、前記電気的に伝導性の部品の周りまたは内部に配置される少なくとも1つの第2の強磁性部品を備え、前記第2の強磁性部品は、
前記磁気回路の閉鎖の構成において前記閉鎖板によって閉鎖させられる、請求項1から6のいずれか一項に記載の電池パック(P)。
【請求項8】
プラスト磁石(120)が収容される環状の筐体を形成する、前記第2の強磁性部品の周りに配置される第3の強磁性部品(140)を少なくとも備え、コイル(21)は前記第2の強磁性部品の内部に配置される、請求項7に記載の電池パック(P)。
【請求項9】
各々の強磁性部品が軟鉄から作られる、請求項1から8のいずれか一項に記載の電池パック(P)。
【請求項10】
各々の柔軟なブレードは銅-ベリリウムから作られる、請求項2又は請求項2に従属する請求項3から9のいずれか一項に記載の電池パック(P)。
【請求項11】
各々の磁気係止部の各々の電気的に伝導性の部品(17)はアルミニウムまたは銅から作られる、請求項1から10のいずれか一項に記載の電池パック(P)。
【請求項12】
前記閉鎖の磁気回路構成において、磁気係止部が備え付けられる前記出力端子のうちの1つと前記バスバーのうちの1つとの間に電気的な接触を確保するように配置される電気的に伝導性の波形座金(18)または歯付係止座金を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の電池パック(P)。
【請求項13】
前記ステップiiにおける蓄電器の分路の間、前記ブレードと前記バスバーのうちの1つとの間に電気的な接触を確保するように配置される電気的に伝導性の波形座金(18)または歯付係止座金を備える、請求項2又は請求項2に従属する請求項3から12のいずれか一項に記載の電池パック(P)。
【請求項14】
各々の座金は銅-リンの合金から作られる、請求項12または13に記載の電池パック(P)。
【請求項15】
各々の蓄電池は、前記蓄電池の前記筐体または前記柔軟な包装に固定され、前記蓄電池によって電気的に動力供給されるBMSを備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の電池パック(P)。
【請求項16】
重力により落下する蓄電池を受けるのに各々適する複数の凹部(102)を備えるハニカム構造(101)を備え、各々の凹部は、前記蓄電池を冷却するために、少なくとも前記蓄電池の落下が実行されると熱伝達液体で満たされることが可能である、請求項1から15のいずれか一項に記載の電池パック(P)。
【請求項17】
前記熱伝達液体は、前記電池パックの冷却回路の熱伝達液体か、各々の筐体において、前記電池パックの前記BMSによって供給が制御される前記冷却回路から独立した液体か、または、前記蓄電池の加熱によって得られる相変化物質(PCM)の状態の変化から生じる液体である、請求項16に記載の電池パック(P)。
【請求項18】
各々の蓄電池が、
黒鉛、リチウム、酸化チタン、及びLi4Ti5O12を含む群から選択される負極材料と、
LiFePO4、LiCoO2、LiNi0.33Mn0.33Co0.33O2を含む群から選択される正極材料と
を備える、請求項1から17のいずれか一項に記載の電池パック(P)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属イオンまたは他の化学的性質(鉛など)の電池または蓄電池の分野に関する。
【0002】
本発明は、最初に、バスバーと呼ばれる電気的に接続する棒材を伴う複数の電池または蓄電池を伴う電池パックの付帯する組み立て、コスト、および安全性を向上させることを目標としている。
【0003】
そのために、本発明は、各々の単一の蓄電池のための、または、電池パック内の蓄電池の分岐部のための磁気的な係止/係止解除に基づく接続/接続解除装置を提案し、必要な場合、分路装置を提案する。
【0004】
磁気的な係止/係止解除に基づくこれらの装置は、特には、パックの有効電力を変調させるために、および、1つまたは複数の蓄電池の失陥の場合にパックの動作の安全および継続を保障するために、1つまたは複数の電子制御システム(BMS)を通じて電池パックの能動的または受動的な制御を得ることをさらに可能にする。
【0005】
リチウムイオン蓄電池を参照して記載されているが、本発明は、任意の金属イオン電気化学蓄電池、つまり、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、さらには他の化学的性質(鉛など)に適用する。
【背景技術】
【0006】
図1および図2において概略的に示されているように、リチウムイオンの電池または蓄電池は、正極または陰極2と負極または陽極3との間の電解質で浸された分離構成要素1と、陰極2に接続された集電器4と、陽極3に接続された集電器5と、最後に、集電器4、5の一部によって通過させられる間に電気化学セルをシール密封で収容するように配置された包装6とから成る少なくとも1つの電気化学セルCを通常は備える。
【0007】
- 米国特許出願公開第2006/0121348号において開示されているような円筒形状、
- 米国特許第7348098号、米国特許第7338733号において開示されているような角柱形状、
- 米国特許出願公開第2008/060189号、米国特許出願公開第2008/0057392号、および米国特許第7335448号において開示されているような積み重ね形状
といった、いくつかの種類の蓄電池構造形状が知られている。
【0008】
電解質構成要素1は、固体、液体、またはジェル状のものであり得る。ジェル状のものでは、構成要素は、ポリマから、有機電解質で浸されたセラミックもしくは微多孔複合物から、または、充電のための陰極から陽極へのリチウムイオンの変位、および、電流を発生させる放電のための反対の変位を可能にするイオン性液体の種類から作られた分離体を備え得る。電解質は、例えば、典型的にはLiPF6であるリチウム塩が加えられる炭酸塩といった、概して有機溶剤の混合物である。
【0009】
正極または陰極2は、LiFePO4、LiCoO2、LiNi0.33Mn0.33Co0.33O2など、概して複合物であるリチウムカチオン挿入材料から成る。
【0010】
負極または陽極3は、おそらくはシリコンまたはシリコンに基づいて形成される複合物に基づいて、黒鉛炭素またはLi4TiO5O12(チタン酸塩材料)からしばしば成る。
【0011】
正極に接続された集電器4は、概してアルミニウムから作られる。
【0012】
負極に接続された集電器5は、概して銅、ニッケルめっきされた銅、またはアルミニウムから作られる。
【0013】
リチウムイオン電池または蓄電池は、当然ながら、次々に上に積み重ねられる複数の電気化学セルを備え得る。
【0014】
従来、リチウムイオンの電池または蓄電池は、典型的には3.6ボルトに等しい高い電圧レベルでそれを動作させる材料の対を陽極および陰極において使用している。
【0015】
目標とされる用途の種類に応じて、目的は、薄くて柔軟なリチウムイオン蓄電池または剛体の蓄電池のいずれかを製作することであり、そのため、包装は柔軟または剛体のいずれかであり、剛体の場合、一種の筐体を構成する。
【0016】
柔軟な包装は、接着剤で積層された1つまたは複数のポリマ膜によって覆われたアルミニウム層の積み重ねから成る多層複合材料から通常は製造される。
【0017】
剛体の包装は、例えば、典型的には、10-8mbar.l/s未満で、または、航空もしくは宇宙の領域など、高いストレスの環境において、耐えることができるはるかにより高い圧力と、シール密封のより厳格に必要とされるレベルとによって、目標とされた用途が限定的である場合、または、長い耐用期間が要求される場合、包装の一部について使用される。
【0018】
また、今まで、使用されてきた剛体の包装は、典型的にはステンレス鋼(inox 316Lもしくはinox 304)またはアルミニウム(Al 1050もしくはAl 3003)、またはさらにはチタンといった、金属から概して作られた筐体から成る。さらに、アルミニウムは、後で説明されているように、その大きな熱伝導率のため概して好ましいとされる。
【0019】
リチウムイオン蓄電池包装の剛体の筐体のほとんどの形状は円筒形であるが、それは、蓄電池の電気化学セルのほとんどが、円筒形の心棒の周りに円筒形状に従って巻くことによって、巻かれているためである。角柱の筐体の形態も、角柱の心棒の周りに巻くことによってすでに製作されている。
【0020】
高容量リチウムイオン蓄電池のために通常製造される円筒形態の剛体の筐体の種類のうちの1つが、図3に示されている。
【0021】
角柱の形態の剛体の筐体も図4に示されている。
【0022】
筐体6は、円筒形の側方の被筒7と、一端における底部8と、他端におけるカバー9とを備え、底部8およびカバー9は被筒7と組み立てられている。カバー9は電極または出力端子4、5を支持している。例えば、正の端子4といった出力端子(電極)のうちの1つはカバー9に溶接されており、一方、例えば負の端子5といった他方の出力端子は、負の端子5をカバーから電気的に絶縁の描写されていないシールの挿入でカバー9を貫いている。
【0023】
幅広く製造されている剛体の筐体の種類は、レーザー溶接によって周辺にわたって一体に溶接される型打ちされたカップとカバーとある。一方、集電器は、筐体の上部において突出する部品を伴う套管を備え、その套管は、電池の視認可能な電極とも呼ばれる端子を形成する。
【0024】
このような端子を突出させるときの難しさは、堅牢な設計を有するために、電池の様々な構成要素の組み立てに主にある。使用される材料の性質が、特定の電気化学のペアリングと適合するためにも重要である。事実上、リチウムイオン技術は、汚染の存在と、潜在的に腐食をもたらすことになる電解質の存在におけるガルバニー対の発生とを回避するために、最も純粋な可能なアルミニウム等級が蓄電池内で選択されることを好ましくは必要とする。
【0025】
また、シール密封套管としての端子が、機械的に堅牢であり、以下の状態を観察するために必要である。
- 蓄電池の組み立てのステップの間に変形されない。
- バスバーとの蓄電池の組み立てを許容し、バスバーでの電流の通過を確保する。
- 蓄電池の用途において蓄電池の耐用期間を通じて完全なままであり、つまり、変形がなく、および、漏れがなく、振動、機械的衝撃、温度変化、圧力変化などに耐える。
- 電力用途で使用できるようにするために、それ自体における蓄電池において、5Ah未満の定格容量の50Aを超え得る大きな電流のドレインを許容する。
【0026】
一般的に、リチウムイオン蓄電池の出力端子を形成するシール密封套管は、負極が非常に頻繁に黒鉛から構成されるため、ニッケルめっきされた銅から作られ、そのため銅で覆われるが、アルミニウム基材で覆われる具体的な特徴を有するチタン酸塩、ナトリウム、またはシリコンなどの材料のためにアルミニウムから作られてもよい。
【0027】
特許出願FR2989836は、典型的には100Aの程度の非常に大きい電流を流すことを可能にする金属イオン蓄電池の出力端子を形成する套管を開示している。
【0028】
電池パックPが、数千にもなり得る様々な数の蓄電池から成り、それら蓄電池は、互いと直列または並列で、概して、通常はバスバーと呼ばれる機械的および電気的な接続の棒材または軌道によって、電気的に繋げられる。
【0029】
概して、いくつかの電気的構造が電池パックP内で定められ得る。したがって、蓄電池は互いと並列で繋げることができ、つまり、すべての正の端子が互いと繋げられ、すべての負の端子も互いと繋げられる。これらの繋がりは、別の分岐部と直列で繋げられ得る分岐部を形成する。互いと直列で繋げられる蓄電池を有すること、つまり、正の端子が負の端子に繋げられることも可能である。これらの繋がりは、別の分岐部と並列で繋げられ得る分岐部を形成する。
【0030】
構造が何であれ、直列または並列状態の各々の分岐部は、2個から数十個の蓄電池を概して備え得る。
【0031】
現在の電池パックの蓄電池は、概して、溶接、ネジ留め、または巻き付けによって1つまたは複数のバスバーに組み立てられる。
【0032】
電池パックPの例は図5に示されている。このパックは、同一であって互いと直列で繋がれるリチウムイオン蓄電池Aの2個のモジュールM1、M2から成り、各々のモジュールM1、M2は、並列に繋げられた4列の蓄電池から成り、各々の列は6個に等しい数のリチウムイオン蓄電池から成る。
【0033】
描写されているように、全く同一の列の2個のリチウムイオン蓄電池の間の機械的および電気的な接続は、有利には銅から作られ、正の端子4を負の端子5に各々繋げるバスバーB1をネジ留めすることによって、製作されている。全く同一のモジュールM1またはM2内での並列になっている2列の蓄電池の間の接続は、同じく有利には銅から作られるバスバーB2によって確保されている。2つのモジュールM1、M2の間の接続は、同じく有利には銅から作られるバスバーB3によって確保されている。
【0034】
このような組み立ては、比較的大きな製作コストを伴って比較的冗長である。
【0035】
さらに、取り扱われる必要がある電気の流れている蓄電池は、作業者がTSTの種類の制限的な認定を得ることを要求する。
【0036】
特許CN2285515は、蓄電池の把持のない素早い接続の利点を提供する低電圧蓄電池のための磁気支持体を提示している。この固定は、低いエネルギーの蓄電池で、異なる充電/放電の用途などに使用できる。しかしながら、これは、電池パック内においてバスバーで直列に配置される高電圧蓄電池とは適合しない。
【0037】
リチウムイオン電池の開発および製造では、各々の新たな要求に固有の各々の充電/放電プロフィールについて、どんな市場関係者であれ、これは、強力で安全な電池パックを最適に設計するために正確な寸法決定(直列/並列の電気、機械、熱、および他の構造)を必要とする。
【0038】
リチウム電気化学システムは、それがセル、モジュール、またはパックのどの規模であれ、どんな所与の周期プロフィールであっても、発熱反応を作り出す。したがって、単一の蓄電池の規模では、検討される化学的性質に依存して、リチウムイオン蓄電池の最適な動作は特定の温度範囲内で制限される。
【0039】
蓄電池は、ガスおよび爆発の発生ならびに/または火災がもたらされ得る熱暴走を回避するために、蓄電池の外側筐体表面において典型的には概して70℃未満に、その温度を監視しなければならない。
【0040】
また、70℃未満に温度を維持することは、蓄電池の動作温度がより高くなるとその耐用期間がより短くされるため、蓄電池の耐用期間を長くすることを可能にする。
【0041】
さらに、一部の蓄電池の化学的性質は周囲温度を十分に超える動作温度を必要とし、結果として、たとえ蓄電池をある温度で恒久的に維持することによってでも、蓄電池の初期の予熱による蓄電池の温度高さを規制することが必要であることが分かっている。
【0042】
電池では、または、典型的には1kW.hより大きいいくつかの高エネルギーリチウムイオン蓄電池を伴う電池パックでは、いくつかの蓄電池が、必要とされる電圧の高さを得るために直列で配置され、供給される電流を得るために並列の接続のものである。直列/並列の接続は、蓄電池やモジュールの段階において、幅広い様々な配線トポロジで行うことができる。
【0043】
多かれ少なかれ異なる蓄電池の直列または並列の接続は、結果的な性能のレベルおよびパックの耐久性に因果関係があり得る。
【0044】
したがって、例えば電気自動車などの電池パックでは、経時による分散が、蓄電池同士の間の経時的な不均衡または使用の差の経時的な不均衡の結果として(パックの芯部と端との間の熱的変動、電流勾配など)、例えば蓄電池の位置などの関数として高い可能性があることが、認識されている。したがって、全く同一のパックの蓄電池同士の間での健全性SOHの状態において、20%の程度の差が観察される可能性がある。
【0045】
また、パックの早期の経時を制限するために、動作温度と、1つの蓄電池から他の蓄電池への温度分散を最適化することが必要である。他より早く経時する蓄電池は、完全な電池パックの電気性能レベルに直接的な影響があり得る。
【0046】
概して、電池パックにおける1つの蓄電池の失陥は、次のようないくつかの影響があり得る。
- 一方では、失陥した蓄電池に保存されたエネルギーの放出があり、他方では、パックの他の蓄電池のエネルギーの放出がある。パックについて選択されたトポロジに依存して、パックの他の蓄電池によって加えられるエネルギーが、蓄電池においてそれ自体において存在しない火災または爆発の危険性をもたらす可能性がある。
- 蓄電池の芯部における電気化学反応が、単一の蓄電池の破壊をもたらし、蓄電池の内部の失陥の伝播(概して、内部短絡)を引き起こし、パックの爆発をもたらす可能性がある。したがって、内部構成要素の劣化エネルギーが高い可能性がある。この場合、以下に明示されているように、パックの他のセルを保護するために制御システム(BMS)に頼ることも必要である。
- 完全なパックが、用途のためにもはや使用され得ない、または、低下モード(例えば、より低いエネルギー)とされ得る。したがって、パックにおける1つの蓄電池の失陥が観察された場合、その蓄電池を素早く隔離し、不活性化し、残りのパックの運転の継続を確保することが重要である。例えば、航空機に組み込まれるAPUのリチウムイオン電池は、前記航空機の運転を中断させてはならず、飛行中に最適な安全性を確保する。
【0047】
電池パック内の失陥した金属-イオン蓄電池のための迂回路を作り出すことが、すでに提案されている。
【0048】
したがって、米国特許第5438173号は、このような迂回路を作り出すことができるセンサを提示しており、このセンサは、電池の失陥を検出し、次に、スイッチが失陥した蓄電池の周りに別の電気路を自動的に開放することを可能にしており、失陥を避けて電池システムの残りで運転し続ける。蓄電池の迂回スイッチは、保護する蓄電池と並列に配置されるように設計される。このスイッチは、2つのピストンを作動させるために、蓄電池筐体の上端に備え付けられる電気機械的なアクチュエータの2つのセットを備える。電気機械的なアクチュエータの各々は、アクチュエータの2つの電気端子を繋げるブリッジワイヤによって終端処理される保持ワイヤのきつい巻き付けによって一体に保持される2つのコイル半体を備える。各々のコイルは、保持ワイヤの巻き付けのおかげで、バネプランジャを保持できる。十分な電流が端子およびブリッジワイヤを通過するとき、ブリッジワイヤは加熱して破断し、これが保持ワイヤの巻き解きを引き起こし、それによってコイルの分離を引き起こし、そのためピストンを自由にする。
【0049】
この特許に記載されている機械的なシステムは、実施するのが事実上複雑であり、蓄電池自体によって失陥を検出することを可能にしていない。
【0050】
米国特許第6093896号は、電池パック内で直列に接続される失陥した蓄電池の自動的な迂回を確立することを可能にする、同じ欠点を伴う同様のシステムを提示している。
【0051】
別の言い方をすれば、これまで、電池パック内で失陥した蓄電池を迂回するための提案されているシステムのすべてが、概して回路の電気的迂回路を作動させる蓄電池失陥センサによる、機械的なものである。
【0052】
そのため、これまで、蓄電池を分路し、電池パックの動作の継続を確保するための蓄電池のために設計されたシステムも、典型的には数kWの高電圧電池パックのバスバーから蓄電池を接続解除するためのシステムもなく、ましてや、パックの残りのものへの失陥の熱伝播を回避するために、失陥した蓄電池の接続解除と不活性化とを組み合わせるシステムはない。
【0053】
「不活性化」とは、蓄電池内の望ましくない電気化学反応によって発生させられる蓄電池の暴走を止める活動を意味すると、ここでは本発明との関連において理解される。
【0054】
さらに、モジュールおよびパックの規模では、典型的には例えば0℃未満で、パックから要求される出力を制限するために、および、蓄電池の劣化を回避するために、BMSを介した具体的な制御に頼ることが必要な可能性がある。
【0055】
異なる蓄電池の状態(各々の蓄電池の全電圧または電圧、温度、充電の状態、放電深度、健全性の状態、冷却剤流量、電流値など)を追跡するために、および、大きすぎてはいけない電流、不適切な電位(高すぎる、または、低すぎる)、限界温度などの異なる安全要素を制御するために、BMS(「Battery Management System」の頭文字)が使用されることと、そのため、BMSの機能が、具体的には、閾電圧値に到達されるとすぐに、つまり、2つの能動的な挿入材料の間における電位での差に到達されるとすぐに、電流供給を停止することとが、ここでは思い出される。そのため、BMSは、閾電圧に到達されるとすぐに動作(充電、放電)を停止する。BMSは、以下のような電池パックの異なる要素の状態を監視する。
- 全電圧、または、個々の蓄電池の全電圧。
- 温度、つまり、平均温度、冷却剤吸入温度、冷却剤出口温度、または各々の蓄電池の温度から選択される温度のうちの少なくとも1つ。
- パックの充電のレベルを指示する充電状態(SOC: State Of Charge)または放電深度(DOD: Depth Of Discharge)。
- パックの大まかな状態の定められた測定である健全性の状態(SOH: State Of Health)。
- パックの全部または一部を冷却するための熱伝達流体の流量。
- パックの内部または外部の電流。
【0056】
典型的には70℃程度のより高い温度を超えると、電気化学反応が単一の蓄電池の破壊をもたらし、典型的には内部短絡といった、電池パックの構成要素のうちの残りのものへの蓄電池の内部の失陥の伝播を引き起こす可能性があり、これは、極端な場合にはパックの爆発をもたらす可能性があるため、用心することが必要でもある。この場合、蓄電池を保護するためにBMSに頼ることも必要である。結果として、電池パックは、電圧平衡を発生させるために、少なくとも1つの非常に強力なBMSを概して必要とする。電池パックでは、パック内に1つまたはさらにはいくつかのBMSがあってもよく、1つの蓄電池あたり1つのBMSであってもよい。
【0057】
概して、パックの蓄電池を要求に応じて切り替えるために電池パックをBMSによって制御するための解決策が、すでに提案されている。
【0058】
特許出願FR2972306は、電池の充電および使用を最適化するために、電池の個々の蓄電池を管理するための装置を提案している。一段の各々の個々の蓄電池が、まさにその段の中で局所的に測定される情報に基づいて制御され得る。
【0059】
特許FR2972307B1は、電池の個々の電気化学セルと関連付けられたスイッチを制御するための局所的な手段を備える電池を開示している。電力トランジスタの制御回路は、対応する段において利用可能な電圧によって直接的に動力供給される。
【0060】
また、特許FR2926168B1は、特には動力車に意図されている電気回路を提案しており、その電気回路は、境界ネットワークと、動力供給切り替え部材と、電気エネルギー発生器手段と、可変電圧を供給することができる要素を備える少なくとも1つの切り替え可能電気保存手段とを備え、切り替え可能電気保存手段が規制された電圧を供給するように連続的に切り替えられもする。
【0061】
そのため、これらの特許のすべてが、いくつかの監督機能を特に有する、切り替えることが可能な電子的/電気的な装置を提案している。しかしながら、それらは複雑な可能性があり、コストが掛かり電子装置に依存する多くの冗長性を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】
【文献】米国特許出願公開第2006/0121348号
【文献】米国特許第7348098号
【文献】米国特許第7338733号
【文献】米国特許出願公開第2008/060189号
【文献】米国特許出願公開第2008/0057392号
【文献】米国特許第7335448号
【文献】FR2989836
【文献】CN2285515
【文献】米国特許第5438173号
【文献】米国特許第6093896号
【文献】FR2972306
【文献】FR2972307B1
【文献】FR2926168B1
【非特許文献】
【0063】
【文献】Xuning Fengaら、「Key Characteristics for Thermal Runaway of Li-ion Batteries」、Energy Procedia、158 (2019) 4684-4689
【文献】M. Sokaら、≪Role of thermomagnetic curves at preparation of Ni Zn ferrites with Fe ions deficiency≫、Journal of Electrical Engineering、Vol.61 N°7/s、2010、163~165ページ
【文献】K Murakami、≪The characteristics of Ferrite cores with low Curie temperature and their application≫、IEEE Transactions on magnetics、Volume: 1、Issue: 2、June 1965
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0064】
まとめると、以下のことを向上させる必要がある。
- 特には組み立ての時間およびコストを低減するために、金属イオン蓄電池をバスバーと組み立てるための解決策。
- 全体の安全において動作の継続を保証する一方で、電池パック内の1つまたは複数の失陥した蓄電池を接続解除および分路するための解決策。
- 特には、より冗長でなく、より低いコストで、より簡単に提供させられる、電池パック電気回路の要求に応じての制御。
【0065】
本発明の目的は、これらの必要性に少なくとも部分的に対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0066】
このために、本発明は、その態様のうちの1つにおいて、電池パックであって、
- 複数の電気化学的な電池または蓄電池であって、
・ 筐体または柔軟な包装、
・ 第1の出力端子、および、第1の出力端子と反対の極性の第2の出力端子
を各々備え、
ここで、出力端子のうちの少なくとも一方は、
・ 電気的に伝導性の部品、
・ 永久磁石を備える磁気係止部
を備える、複数の電気化学的な電池または蓄電池と、
- バスバーと呼ばれる電気的接続バーに固定され、出力端子の磁気係止部と磁気回路の閉鎖板を形成する少なくとも1つの強磁性部品と
を備え、
i/ 蓄電池の通常の動作において、閉鎖の磁気回路構成における第1のバスバーの閉鎖板での出力端子の永久磁石の磁気誘引力が、出力端子と第1のバスバーとの間の機械的および電気的な接続を確保するように、
ii/ 蓄電池の過熱を引き起こす蓄電池の失陥において、出力端子の永久磁石が、少なくともその磁気特性を失い始める温度までで、出力端子と第1のバスバーとの間の機械的な接続解除の程度まで加熱し、これは、蓄電池を重力によって落下させるように
構成される電池パックに関する。
【0067】
温度は、いわゆるキュリー温度であり得る。
【0068】
したがって、本発明は、本質的に、各々の電池が磁気装置によってバスバーに機械的および電気的に接続される電池パックにある。任意の蓄電池の失陥の場合、その失陥が磁気装置の非作動を発生させるため、その蓄電池は完全に受動的に接続解除される。接続解除は、蓄電池の重力による落下を引き起こし、蓄電池の分路のおそらくは完全に受動的な実施を引き起こす。
【0069】
有利な実施形態によれば、電池パックは、その端のうちの1つにおいて別のバスバーまたはバスバーの他の部分に固定され、永久磁石を備える少なくとも1つの柔軟な電気的に伝導性のブレードを備え、
電池パックは、
ステップi/の間、柔軟なブレードの永久磁石が出力端子の永久磁石によって反発され、そのため柔軟なブレードが第1のバスバーとの電気的な接触ができないように、
ステップii/の間、落下した失陥の蓄電池の磁気反発がないため、それぞれの柔軟なブレードを通じての第1のバスバーと他のバスバーとの間の電気的な接続が、蓄電器の分路を実現するように
構成される。
【0070】
「柔軟なブレード」は、接続から電気的な接続解除までの切り替えを確保するために、数mmで撓むことで変形させられるように適合されるブレードを意味すると、ここでは本発明の背景において理解される。
【0071】
「剛体のブレード」は、接続のために撓むことで変形を受けることがないが、その関節の位置の周りでの回転を受けるブレードを意味すると、ここでは本発明の背景において理解される。
【0072】
有利な実施形態によれば、永久磁石のキュリー温度は、パックの蓄電池の自己加熱温度(T1)の90%に近い値と、パックの蓄電池の熱暴走温度(T2)の110%に近い値との間となるように選択される。
【0073】
熱暴走の現象に関して、非特許文献1と、この文献に記載された指令とが参照される。いわゆる「自己加熱」および「熱暴走」の温度は、非特許文献1においてそれぞれT1およびT2と指示されている。
【0074】
非特許文献1の図2における典型的には70℃の温度T1は、蓄電池が、断熱条件の下で典型的には0.02℃/minの速度で外部供給源なしで加熱し始める温度である。
【0075】
非特許文献1の図2における典型的には150℃の温度T2は、蓄電池が断熱条件の下で典型的には10℃/minの加熱速度まで加熱し始める温度であり、これは、蓄電池の電気化学バンドルにおける分離体の溶解をもたらし、短絡をもたらし、そのため電圧の崩壊をもたらす。
【0076】
したがって、「熱暴走」によって、加熱の温度の逸脱の値と、少なくとも1分間あたり0.02℃に等しい時間の逸脱の値との間の割合を、ここでは本発明の背景において理解することが可能である。
【0077】
非特許文献2および3が参照され、より具体的には、フェライトの磁気特性が温度の関数として変更されることを示すそれらの文献のそれぞれの図1の曲線が参照され得る。より具体的には、磁気特性の崩壊が、キュリー温度の通気において明らかとなる。
【0078】
また、これらの非特許文献2および3は、製造するために調節され得るキュリー温度を伴うフェライトを得るための以下の2つの別々の製造方法を説明している。
- 非特許文献2では、製造過程は同じフェライト組成で変更されており、キュリー温度を130℃から250℃の間で変えている。異なるフェライト組成の場合、キュリー温度が約100~110℃になり得ることも実演されている。
- 非特許文献3では、著者は材料の組成を変えている。それらは、35~65℃の間のキュリー温度でフェライトを得ることができる。組成の調節の場合、金属イオン電池の環境によって到達されることのない高さで留まる一方で、100℃未満のキュリー温度を達成することができる可能性が非常に高い。
【0079】
例えば、強磁性材料の製造過程および/または組成の適合によって、80~150℃の範囲で得られるキュリー温度は、熱暴走のパックの蓄電池の温度に対して最適となり、80~90℃の間といった範囲の下方部分は、本発明の背景において、加熱または電流投入によって制御される手段の最小化にとっておそらく最適となる。
【0080】
永久磁石は焼結磁石またはプラスト磁石(plasto-magnet)であり得る。永久磁石は、通常は「プラスト磁石」と称され、熱可塑性または熱硬化性の結合剤と磁性粉末とから成る複合材料である。これらのプラスト磁石の製造は、冷間圧縮(熱硬化性結合剤)または加圧注入(熱可塑性結合剤)によって実行される。磁化は、成形の間(異方性材料)または成形の後のいずれかに実行され得る。
【0081】
焼結磁石またはプラスト磁石は、有利には、レアアースに基づき、好ましくは、サマリウム-コバルトもしくはネオジム-鉄-ボロンに基づき、または、フェライトである。焼結磁石はアルミニウム-ニッケル-コバルト合金であってもよい。
【0082】
別の有利な実施形態によれば、2つの出力端子のうちの少なくとも一方は、電気的に伝導性の部品の周りまたは内部に配置される少なくとも1つの第2の強磁性部品を備え、第2の強磁性部品は、磁気回路の閉鎖の構成において閉鎖板によって閉鎖させられる。
【0083】
この実施形態によれば、プラスト磁石が収容される環状の筐体を形成する、第2の強磁性部品の周りに配置される第3の強磁性部品が少なくとも設けられてもよく、コイルは第1の強磁性部品の内部に配置される。
【0084】
好ましくは、各々の強磁性部品は軟鉄から作られる。
【0085】
好ましくは、各々の柔軟なブレードは銅-ベリリウムから作られる。
【0086】
好ましくは、各々の係止部の各々の電気的に伝導性の部品は蓄電池出力端子と同じ材料から作られる。
【0087】
好ましくは、各々の係止部の各々の電気的に伝導性の部品はアルミニウムまたは銅から作られる。
【0088】
第1の有利な実施形態によれば、電池パックは、磁気的な接続回路の閉鎖の構成において、係止部が備え付けられる出力端子のうちの1つとバスバーのうちの1つとの間に電気的な接触を確保するように配置される電気的に伝導性の波形座金または歯付係止座金を備える。
【0089】
第2の有利な実施形態によれば、電池パックは、磁気的な分路回路の閉鎖の構成において、ブレードとバスバーのうちの1つとの間に電気的な接触を確保するように配置される電気的に伝導性の波形座金または歯付係止座金を備える。
【0090】
好ましくは、各々の座金は銅-リンの合金から作られる。
【0091】
第1の構成によれば、第1の出力端子または第2の出力端子は筐体または柔軟な包装の1つの面に配置され、一方、それぞれにおいて、第2の出力端子または第1の出力端子は筐体または柔軟な包装の反対の面に配置され、蓄電池は、ii/に従っての重力によるその落下がその長手方向軸に対して垂直に起こるように水平に配置される。
【0092】
第2の構成によれば、第1の出力端子と第2の出力端子とは両方とも筐体または柔軟な包装の同じ面に配置され、蓄電池は、ii/に従っての重力によるその落下がその長手方向軸に沿って起こるように鉛直に配置される。
【0093】
好ましくは、各々の蓄電池は、蓄電池の筐体または柔軟な包装に固定され、蓄電池によって電気的に動力供給されるBMSを備える。
【0094】
有利な実施形態によれば、電池パックは、重力により落下する蓄電池を受けるのに各々適する複数の凹部を備えるハニカム構造を備え、各々の凹部は、蓄電池を冷却するために、少なくとも蓄電池の落下が実行されると熱伝達液体で満たされることが可能である。
【0095】
熱伝達液体は、電池パックの冷却回路の熱伝達液体か、各々の筐体において、電池パックのBMSによって供給が制御される前記冷却回路から独立した液体か、または、蓄電池の加熱によって得られる相変化物質(PCM)の状態の変化から生じる液体であり得る。
【0096】
各々の電池または蓄電池は、リチウムイオン式のものとでき、
- 黒鉛、リチウム、酸化チタンLi4TiO5O12を含む群から選択される負極材料と、
- LiFePO4、LiCoO2、LiNi0.33Mn0.33Co0.33O2を含む群から選択される正極材料と
を備える。
【0097】
本発明は、その態様のうちの1つにおいて、および、第1の代替によれば、電池パックであって、
- バスバーと呼ばれる複数の電気的に伝導性の接続バーを用いて、互いに電気的に直列および/または並列に繋げられる複数の電気化学的な電池または蓄電池と、
- 充電するのに各々が適し、複数の蓄電池のうちの少なくとも一部の状態を監視するのに各々が適する1つまたは複数の電子制御システム(BMS)と、
- 要求に応じて、1つまたは複数の蓄電池の、パックの残りのものとの電気的な接続/接続解除を作り出すように意図される、少なくとも1つの単純切り替え手段と
を備え、前記単純切り替え手段は、
・ 固定位置にそれ自体の端のうちの一方において固定される少なくとも1つの柔軟な電気的に伝導性のブレードと、
・ 柔軟なブレードまたはバスバーのうちの1つへとそれぞれ挿入される、磁気閉鎖板を形成する少なくとも第1の強磁性部品と、
・ 永久磁石が周囲または内部に収容される電気的に伝導性の部品、および、永久磁石の磁界と平行な磁界を発生させるように意図されるコイルを形成するように巻かれる電気的に伝導性のワイヤを備える、磁気係止部を形成する少なくとも1つの要素であって、電気的に伝導性の部品は、バスバーのうちの1つまたはブレードにおいてそれぞれ電気的に接触している、少なくとも1つの要素と
を備え、
単純切り替え手段は、連続して、
i/ 磁気係止部のコイルは、所与の方向においてBMSのうちの1つの制御によって電気的に動力供給されるとき、永久磁石の磁界と一緒に、弾性のブレードの機械的な力より大きい誘引力または反発力を発生させる磁界を生成し、これは、閉鎖板のその永久磁石に対する収束または分離を引き起こし、したがって、1つまたは複数の蓄電池の電気的な接続または接続解除を作り出すように、
ii/ 磁気係止部のコイルがもはや電気的に動力供給されないとき、永久磁石の磁力が柔軟なブレードの機械的な力より大きくなり、これは、ブレードとバスバーのうちの1つとの間の電気的な接触または分離を維持し、したがって、蓄電池の電気的な接続または接続解除を維持するように、
iii/ コイルは、その所与と反対の方向においてBMSの制御によって電気的に動力供給されるとき、弾性のブレードの機械的な力より小さい誘引力または反発力を得る程度まで、ステップi/の磁界と反対の磁界を生成し、これは、磁気係止部の閉鎖板のその永久磁石に対する分離または収束を引き起こし、そのため、磁気回路の開放または閉鎖、および、ブレードとバスバーのうちの1つとの間の電気的な接触の破壊または形成を引き起こし、したがって、蓄電池の、パックの残りのものとの電気的な接続解除または再接続を作り出すように
構成される、電池パックにも関する。
【0098】
本発明は、第2の代替によれば、電池パックであって、
- バスバーと呼ばれる複数の電気的に伝導性の接続バーを用いて、互いに電気的に直列および/または並列に繋げられる複数の電気化学的な電池または蓄電池(A1~An)と、
- 充電するのに各々が適し、複数の蓄電池のうちの少なくとも一部の状態を監視するのに各々が適する1つまたは複数の電子制御システム(BMS)と、
- パックのすべてまたはパックの残りのものの中の電気的な継続を確保する一方で、要求に応じて、1つまたは複数の蓄電池の、パックの残りのものとの電気的な接続/接続解除を作り出すように意図される、反転スイッチと呼ばれる少なくとも1つの電気的切り替え手段と
を備え、反転スイッチは、
・ 互いに対して傾けられる2つの部品を備える少なくとも1つの剛体の電気的に伝導性のブレードであって、2つの部品の間の結合部において旋回するように備え付けられる電気的に伝導性のブレードと、
・ 剛体のブレードの一部またはバスバーのうちの1つへとそれぞれ挿入される、磁気閉鎖板を各々形成する少なくとも2つの第1の強磁性部品と、
・ 永久磁石が周囲または内部に収容される電気的に伝導性の部品、および、永久磁石の磁界と平行な磁界を発生させるように意図されるコイルを形成するように巻かれる電気的に伝導性のワイヤを各々備える、磁気係止部を各々形成する少なくとも2つの要素であって、各々の電気的に伝導性の部品は、バスバーまたは剛体のブレードの一部とそれぞれ電気的に接触していることで挿入される、少なくとも2つの要素と、
・ 剛体のブレードをバスバーのうちの1つに繋げる金属編組と
備え、
反転スイッチは、
j/ 2つのコイルのいずれも初期に電気的に動力供給されていないとき、2つの係止部のうちの一方の磁気回路は、誘引力とブレードの部品のうちの1つの長さとの間の積であるとして定められる誘引トルクを他方の永久磁石の誘引トルクより大きく発揮する一方の磁気回路の永久磁石を通じて、閉鎖している初期構成にあり、そのため、2つの係止部のうちの他方の磁気回路を、その閉鎖板がその永久磁石から離れた状態で、開放している初期構成のままとするように、
jj/ 初期に閉鎖している係止部のコイルは、BMCのうちの1つの制御によって所与の方向において電気的に動力供給されるとき、その永久磁石の磁界と反対の磁界を生成し、これは、それによって、閉鎖するトルクが、初期に開放している係止部の永久磁石によって発揮される誘引トルクより小さくなるまで、閉鎖するトルクの低減を引き起こし、これは、ブレードの旋回による切り替えを引き起こし、したがって、初期に開放している係止部の磁気回路の閉鎖を引き起こし、同時に、初期に閉鎖している係止部の磁気回路の開放を引き起こし、したがって、パックの残りのものの中の電気的な継続を確保する一方で、1つまたは複数の蓄電池の電気的な接続解除を生成するように
構成され、
ステップj/およびjj/は、パックのすべての中で電気的な継続がある状態で、パックの残りのものに蓄電池の電気的な再接続を生成することで初期構成に戻るために、閉鎖している係止部から交互に実施されることが可能である、電池パックにも関する。
【0099】
したがって、本発明はまた、1つまたはBMSからの小さい電流の投入によって電池パック内において要求に応じて同時に制御され得る永久磁石および誘導コイルを伴う磁気係止部を定めることにある。
【0100】
電池パック内の磁気係止部の位置決めが何であれ、1つまたは複数の制御するBMSは、すべての蓄電池を、電気的な直列または並列で、分岐部において、単一または全体のパックのレベルのいずれかで制御するために、各々の蓄電池もしくはバスバー、または分岐部のいずれかに位置決めされ得る。
【0101】
磁気係止部による蓄電池または蓄電池分岐部の要求に応じての切り替えは、要求プロフィールに応じた電圧または電流の分配、単一の蓄電池または蓄電池のグループの分路、失陥した要素の安全な除去など、異なる望ましい機能を確保することと、その確保を、パックの全部または一部における電気的な継続を確保する一方で、短絡を引き起こすことなく行うこととを可能にする。
【0102】
さらに、本発明は、蓄電池、および/または蓄電池の分岐部、および/またはモジュール、および/または結果できた電池パックの中の異なるパラメータを測定することを可能にする。
【0103】
代替の実施形態によれば、永久磁石には、コイルが周りに巻かれる電気的に絶縁心棒が設けられる。
【0104】
有利な実施形態によれば、単純切り替え手段または反転スイッチは、電気的に伝導性の部品と永久磁石との間に配置される少なくとも1つの第2の強磁性部品を備え、第2の強磁性部品は、磁気回路の閉鎖の構成において閉鎖板によって閉鎖させられる。
【0105】
この実施形態によれば、第2の強磁性部品の周りに配置される少なくとも1つの第3の強磁性部品が、プラスト磁石が収容される環状の筐体を形成することによって形成でき、コイルは第1の強磁性部品の内部に配置される。
【0106】
好ましくは、各々の強磁性部品は軟鉄から作られる。
【0107】
好ましくは、柔軟なブレードは銅-ベリリウムから作られる。
【0108】
有利には、係止部の電気的に伝導性の部品は蓄電池出力端子と同じ材料から作られる。
【0109】
好ましくは、係止部の電気的に伝導性の部品はアルミニウムまたは銅から作られる。
【0110】
他の有利な実施形態によれば、単純切り替え手段または反転スイッチは、磁気回路の閉鎖の構成において、電気的に伝導性の部品とブレードの一部またはバスバーのうちの1つとの間に電気的な接触を確保するように配置される電気的に伝導性の波形座金または歯付係止座金を備える。
【0111】
好ましくは、座金は銅-リンの合金から作られる。
【0112】
有利には、係止部のコイルは、電池パックの蓄電池のうちのいずれか1つによって電気的に動力供給され得る。
【0113】
有利な変形の実施形態によれば、切り替え手段は、少なくとも1つのブレードと、少なくとも1つの閉鎖板と、少なくとも1つの磁気係止部とを備え、閉鎖板または磁気係止部は、閉鎖の磁気回路構成において、バスバーのうちの1つが別のバスバーと電気的に繋げられることによって電気的な継続が生成されるように、ブレードのうちの1つまたはバスバーのうちの1つへと挿入される。
【0114】
有利には、第1のバスバーおよび第2のバスバーは、好ましくはリベットを通じて、2つの柔軟なブレードの端が固定される全く同一の電気的に絶縁の基材によって支持される。
【0115】
第1の有利な実施形態によれば、電池パックは、
- 少なくとも1つの蓄電池を各々備える少なくとも2つの分岐部と、
- 少なくとも1つの第1の単純切り替え手段および少なくとも1つの第2の単純切り替え手段であって、
・ 第1の単純切り替え手段が閉鎖の電気回路構成にあるとき、2つの分岐部は電気的に直列となり、同時に、第2の単純切り替え手段は開放の電気回路構成となるように、
・ 第1の単純切り替え手段が開放の電気回路構成にあるとき、2つの分岐部は電気的に接続解除され、同時に、第2の単純切り替え手段は閉鎖の電気回路構成となり、パックの残りのものにおいて電気的な継続を生成するように
配置される少なくとも1つの第1の単純切り替え手段および少なくとも1つの第2の単純切り替え手段と
を備える。
【0116】
第2の有利な実施形態によれば、電池パックは、
- 少なくとも1つの蓄電池を各々備える少なくとも2つの分岐部と、
- 少なくとも1つの反転スイッチであって、
・ 反転スイッチが、その2つの回路のうちの一方が閉鎖させられている構成にあるとき、2つの分岐部は電気的に直列となり、同時に、その2つの回路のうちの他方が開放するように、
・ 反転スイッチが反転構成にあるとき、2つの分岐部は電気的に接続解除され、パックの残りのものにおいて電気的な継続を生成するように
配置される少なくとも1つの反転スイッチと
を備える。
【0117】
好ましくは、電池パックは、電気的に並列状態の少なくとも2つの蓄電池と、少なくとも1つの電気的切り替え手段とを各々備える少なくとも2つの分岐部を備える。
【0118】
本発明は、先に記載されているような電池パック(P)の能動的制御のための方法にも関し、その方法によれば、要求に応じて、前記分岐部のBMSは、パックの残りのものにおける電気的な継続を確保する一方で前記分岐部を接続または接続解除するために、単純切り替え手段のコイルのうちの少なくとも1つの電気的動力供給、または、反転スイッチの電気的動力供給を制御する。
【0119】
本発明は、その態様のうちの1つにおいて、第1の代替によれば、蓄電池と、バスバーと呼ばれる電気的な接続バーとの間の接続/接続解除装置であって、
- 金属イオン蓄電池の出力端子であって、
・ 電気的に伝導性の部品、および、
・ 永久磁石を備える磁気係止部
を備える出力端子と、
- バスバーに固定され、磁気係止部と磁気回路の閉鎖板を形成する第1の強磁性部品であって、閉鎖の磁気回路が出力端子とバスバーとの間に機械的および電気的な接続を確保する、第1の強磁性部品と
を備える接続/接続解除装置にも関する。
【0120】
第2の代替によれば、本発明は、蓄電池と、バスバーと呼ばれる電気的な接続バーとの間の接続/接続解除装置であって、
- バスバーであって、
・ 電気的に伝導性の部品、および、
・ 永久磁石を備える磁気係止部
を備えるバスバーと、
- 第1の強磁性部品を備え、磁気係止部と磁気回路の閉鎖板を形成する蓄電池の出力端子であって、閉鎖の磁気回路が出力端子とバスバーとの間に機械的および電気的な接続を確保する、出力端子と
を備える接続/接続解除装置に関する。
【0121】
本発明は、その態様のうちの1つにおいて、第1の代替によれば、蓄電池と、バスバーと呼ばれる電気的な接続バーとの間の接続/接続解除装置であって、
- インターフェースアダプタであって、
・ 蓄電池の出力端子を通る少なくとも1つの凹部を備え、その凹部内に、永久磁石を備える少なくとも1つの磁気係止部を組み込む本体、および、
・ 蓄電池の出力端子に電気的に接触して固定されるのに適する少なくとも1つの電気的に伝導性の部品
を備えるインターフェースアダプタと、
- バスバーに固定され、磁気係止部と磁気回路の閉鎖板を形成する少なくとも1つの第1の強磁性部品であって、閉鎖の磁気回路が出力端子とバスバーとの間に機械的および電気的な接続を確保する、少なくとも1つの第1の強磁性部品と
を備える接続/接続解除装置にも関する。
【0122】
第2の代替によれば、本発明は、蓄電池と、バスバーと呼ばれる電気的な接続バーとの間の接続/接続解除装置であって、
- インターフェースアダプタであって、
・ 蓄電池の出力端子を収容するための少なくとも1つの貫通凹部を備え、その貫通凹部内に、バスバーに固定され、磁気回路の閉鎖板を形成する少なくとも1つの第1の強磁性部品を組み込む本体、および、
・ 蓄電池の出力端子に電気的に接触して固定されるのに適する少なくとも1つの電気的に伝導性の部品
を備えるインターフェースアダプタと、
- 永久磁石を備え、バスバーに固定される少なくとも1つの磁気係止部であって、係止部と閉鎖の閉鎖板との間の磁気回路が電気的に伝導性の部品とバスバーとの間に機械的および電気的な接続を確保する、少なくとも1つの磁気係止部と
を備える接続/接続解除装置に関する。
【0123】
本発明は、その態様のうちの1つにおいて、第1の代替によれば、蓄電池と、バスバーと呼ばれる電気的な接続バーとの間の接続/接続解除のための、および、蓄電池の分路のための装置であって、
- 電池または蓄電池であって、
・ 筐体または柔軟な包装、
・ 少なくとも1つの出力端子であって、
・ 電気的に伝導性の部品、および、
・ 永久磁石と、コイルを形成するように巻かれる電気的に伝導性のワイヤとを備える磁気係止部
を備える少なくとも1つの出力端子
を備える電池または蓄電池と、
- 充電するのに適し、蓄電池の状態を監視するのに適する電気制御システム(BMS)と、
- バスバーと呼ばれる第1の電気的接続バーに固定され、出力端子の磁気係止部と磁気回路の閉鎖板を形成する少なくとも1つの強磁性部品と、
- バスバーのうちの1つにおいて固定位置に固定される、永久磁石を備える少なくとも1つの柔軟な電気的に伝導性のブレードと
を備え、
i/ コイルが電気的に動力供給されないとき、閉鎖の磁気回路構成における閉鎖板での出力端子の永久磁石の磁気誘引力が、第1のバスバーへの出力端子の機械的および電気的な接続を確保し、柔軟なブレードの永久磁石が出力端子の永久磁石によって反発され、そのため柔軟なブレードが第1のバスバーとの電気的な接触ができないように、
ii/ BMSの制御において、出力端子の永久磁石の磁気誘引力と反対の磁力を、この出力端子と第1のバスバーとの間の機械的接続解除を確保する程度まで発生させるような方向で、出力端子のコイルが電気的に動力供給されないとき、これは、蓄電池を重力によって落下させ、同時に、磁気反発のないおかげで、それぞれ柔軟なブレードを通じて、柔軟なブレードの永久磁石と第1のバスバーの閉鎖板との間の磁気回路の閉鎖と、第1のバスバーと他のバスバーとの間の電気的接続とをもたらし、それによって蓄電池の分路を引き起こすように
構成される装置にも関する。
【0124】
第2の代替によれば、本発明は、蓄電池と、バスバーと呼ばれる電気的な接続バーとの間の接続/接続解除のための、および、蓄電池の失陥の場合における蓄電池の分路のための装置であって、
- 電池または蓄電池であって、
・ 筐体または柔軟な包装、
・ 少なくとも1つの出力端子であって、
・ 電気的に伝導性の部品、
・ 電気的な加熱抵抗器が設けられる永久磁石を備える磁気係止部
を備える少なくとも1つの出力端子
を備える電池または蓄電池と、
- 充電するのに適し、蓄電池の状態を監視するのに適する電子制御システム(BMS)と、
- バスバーと呼ばれる第1の電気的接続バーに固定され、出力端子の磁気係止部と磁気回路の閉鎖板を形成する少なくとも1つの強磁性部品と、
- バスバーのうちの1つにおいて固定位置に固定される、永久磁石を備える少なくとも1つの柔軟な電気的に伝導性のブレードと
を備え、
i/ 加熱抵抗器が電気的に動力供給されないとき、閉鎖の磁気回路構成における閉鎖板での出力端子の永久磁石の磁気誘引力が、第1のバスバーへの出力端子の機械的および電気的な接続を確保し、柔軟なブレードの永久磁石が出力端子の永久磁石によって反発され、そのため柔軟なブレードが第1のバスバーとの電気的な接触ができないように、
ii/ BMSの制御において、出力端子の加熱抵抗器が電気的に動力供給されるとき、出力端子の永久磁石が、出力端子と第1のバスバーとの間の機械的な接続解除の程度まで永久磁石の磁気特性を失い始める温度まで少なくとも加熱し、これは、蓄電池を重力によって落下させ、同時に、磁気反発のないおかげで、柔軟なブレードを通じて、柔軟なブレードの永久磁石と第1のバスバーの閉鎖板との間の磁気回路の閉鎖と、第1のバスバーと他のバスバーとの間の電気的接続とをもたらし、それによって蓄電池の分路を引き起こすように
構成される装置に関する。
【0125】
本発明は、その態様のうちの1つにおいて、電池パックをバスバーと共に組み立てるための方法であって、
a/ 複数の蓄電池であって、
・ 筐体または柔軟な包装、
・ 第1の出力端子、および、第1の出力端子と反対の極性の第2の出力端子であって、2つの出力端子のうちの少なくとも一方は、
・ 電気的に伝導性の部品、
・ 永久磁石、および、永久磁石の磁界と平行な磁界を発生させるように意図されるコイルを形成するように巻かれる電気的に伝導性のワイヤを備える磁気係止部
を備える、第1の出力端子および第2の出力端子
を各々が備える複数の蓄電池を提供するステップと、
b/ 出力端子の磁気係止部と磁気回路の閉鎖板を形成する強磁性部品が少なくとも一方に固定される、バスバーと呼ばれる第1の電気的に伝導性の接続バーおよび第2の電気的に伝導性の接続バーを備える電気的に絶縁の基材を提供するステップと、
c/ 蓄電池を受け入れるのに各々が適する複数の凹部を備えるハニカム構造を提供するステップと、
d/ 絶縁の基材へのハニカム構造を固定するステップと、
e/ 少なくとも1つの他の永久磁石による各々の蓄電池の永久磁石の磁気反発のおかげで、各々の蓄電池が絶縁の基材を向く磁気浮上になるような、ハニカム構造の凹部のうちの1つへの各々の蓄電池を挿入するステップと、
f/ 他の磁石を変位させることによる、または、蓄電池の永久磁石を向くコイルがその誘引力を各々の閉鎖板に発揮し、それによってバスバーとの各々の蓄電池の出力端子の磁気の係止での固定を可能にするためにそのコイルを作動させることによる、他の磁石の磁界を変化させるステップと
を含む方法にも関する。
【0126】
本発明は、その態様のうちの1つにおいて、第1の代替によれば、蓄電池出力端子と、バスバーと呼ばれる電気的な接続バーとの間の電気アークブロー装置であって、
- 蓄電池の出力端子であって、
・ 電気的に伝導性の部品、
・ 永久磁石を備える磁気係止部、
・ 出力端子とバスバーとの間に電気的な接触を確保する電気的に伝導性の波形座金または歯付係止座金、
・ 座金の内側に配置される、好ましくは250℃未満の。低融点を伴う部品
を備える出力端子と、
- バスバーに固定され、磁気係止部と磁気回路の閉鎖板を形成する第1の強磁性部品であって、閉鎖の磁気回路が、出力端子とバスバーとの間に電気的な接触を可能にする一方で、それらの間に機械的な接続を確保する、第1の強磁性部品と
を備え、
電気アークが出力端子とバスバーとの間で起こるとき、アークによって発せられる熱が低融点を伴う部品を蒸発させ、これは、低融点を伴う部品から外側にアークを伸長し、それによって、アークが吹き飛ばしによって消滅させられるまでアークを周囲媒体において冷却する加圧下でガスを発生させるように構成される電気アークブロー装置にも関する。
【0127】
第2の代替によれば、本発明は、蓄電池出力端子と、バスバーと呼ばれる電気的な接続バーとの間の電気アークブロー装置であって、
- バスバーであって、
・ 電気的に伝導性の部品、
・ 永久磁石を備える磁気係止部、
・ 出力端子とバスバーとの間に電気的な接触を確保する電気的に伝導性の波形座金または歯付係止座金、
・ 座金の内側に配置される、好ましくは250℃未満の。低融点を伴う部品
を備えるバスバーと、
- 第1の強磁性部品を備え、磁気係止部と磁気回路の閉鎖板を形成する蓄電池の出力端子であって、閉鎖の磁気回路が、出力端子とバスバーとの間に電気的な接触を可能にする一方で、出力端子とバスバーとの間に機械的な接続を確保する、出力端子と
を備え、
電気アークが出力端子とバスバーとの間で起こるとき、アークによって発せられる熱が低融点を伴う部品を蒸発させ、これは、低融点を伴う部品から外側にアークを伸長し、それによって、アークが吹き飛ばしによって消滅させられるまでアークを周囲媒体において冷却する加圧下でガスを発生させるように構成される電気アークブロー装置にも関する。
【0128】
本発明は、その態様のうちの1つにおいて、第1の代替によれば、蓄電池出力端子と、バスバーと呼ばれる電気的な接続バーとの間の電気アーク消滅装置であって、
- 蓄電池の出力端子であって、
・ 電気的に伝導性の部品、
・ 永久磁石を備える磁気係止部
を備える出力端子と、
- バスバーに固定され、磁気係止部と磁気回路の閉鎖板を形成する第1の強磁性部品であって、閉鎖の磁気回路が出力端子とバスバーとの間に機械的および電気的な接続を確保する、第1の強磁性部品と、
- 突起を有し、出力端子とバスバーとの間に電気的な接触を確保する電気的に伝導性の波形座金または歯付係止座金と
を備え、
電気アークが出力端子とバスバーとの間で起こるとき、座金の突起は、閉鎖板の近くにアークをもたらし、発せられる熱を吸収し、それによってアークが消滅させられるまでアークを冷却するように構成される電気アーク消滅装置にも関する。
【0129】
第2の代替によれば、本発明は、蓄電池出力端子と、バスバーと呼ばれる電気的な接続バーとの間の電気アーク消滅装置であって、
- バスバーであって、
・ 電気的に伝導性の部品、
・ 永久磁石を備える磁気係止部
を備えるバスバーと、
- バスバーに固定される第1の強磁性部品を備え、磁気係止部と磁気回路の閉鎖板を形成する蓄電池の出力端子であって、閉鎖の磁気回路が出力端子とバスバーとの間に機械的および電気的な接続を確保する、出力端子と、
- 突起を有し、出力端子とバスバーとの間に電気的な接触を確保する電気的に伝導性の波形座金または歯付係止座金と
を備え、
電気アークが出力端子とバスバーとの間で起こるとき、座金の突起は、閉鎖板の近くにアークをもたらし、発せられる熱を吸収し、それによってアークが消滅させられるまでアークを冷却するように構成される電気アーク消滅装置に関する。
【0130】
最後に、本発明は、その態様のうちの1つにおいて、第1の代替によれば、蓄電池の出力端子と、バスバーと呼ばれる電気的な接続バーとの間の接続/接続解除装置であって、
- 開口を備え、蓄電池の出力端子に固定されるのに適する包囲体、および、永久磁石を備える磁気係止部を備えるインターフェースアダプタと、
- バスバーに固定され、磁気係止部と磁気回路の閉鎖板を形成する少なくとも1つの第1の強磁性部品であって、閉鎖の磁気回路が出力端子とバスバーとの間に機械的および電気的な接続を確保する、少なくとも1つの第1の強磁性部品と
を備える接続/接続解除装置に関する。
【0131】
第2の代替によれば、本発明は、蓄電池の出力端子と、バスバーと呼ばれる電気的な接続バーとの間の接続/接続解除装置であって、
- 開口を備え、蓄電池の出力端子に固定されるのに適する包囲体、および、少なくとも1つの第1の強磁性部品を備えるインターフェースアダプタと、
- 永久磁石を備え、バスバーに固定される少なくとも1つの磁気係止部であって、閉鎖の磁気回路が出力端子とバスバーとの間に機械的および電気的な接続を確保する、少なくとも1つの磁気係止部と
を備える接続/接続解除装置に関する。
【0132】
本発明の他の利点および特徴が、以下の図を参照して図示の非限定的な手法で与えられた本発明の例示の実施の詳細な記載を読むことで、より良く明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
図1】リチウムイオン蓄電池の様々な要素を示す分解された斜視概略図である。
図2】従来技術による柔軟な包装を伴うリチウムイオン蓄電池を示す前面図である。
図3】円筒の形態の筐体から成る剛体の包装を伴う従来技術によるリチウムイオン蓄電池の斜視図である。
図4】角柱の形態の筐体から成る剛体の包装を伴う従来技術によるリチウムイオン蓄電池の斜視図である。
図5】電池パックを形成する、従来技術によるリチウムイオン蓄電池のバスバーを用いての組み立てについての斜視図である。
図6A】典型的には1Aより低い低電流蓄電池の出力端子とバスバーとの間の機械的および電気的な接続/接続解除を確保するように意図されている、本発明による装置の磁気的な接続解除を示す長手方向断面図である。
図6B】典型的には1Aより低い低電流蓄電池の出力端子とバスバーとの間の機械的および電気的な接続/接続解除を確保するように意図されている、本発明による装置の磁気的な接続を示す長手方向断面図である。
図7A】典型的には1Aより高い高電流蓄電池の出力端子とバスバーとの間の機械的および電気的な接続/接続解除を確保するように意図されている、本発明による装置の磁気的な接続解除を示す長手方向断面図である。
図7B】典型的には1Aより高い高電流蓄電池の出力端子とバスバーとの間の機械的および電気的な接続/接続解除を確保するように意図されている、本発明による装置の磁気的な接続を示す長手方向断面図である。
図8図7Aおよび図7Bによる装置における、出力端子のバスバーと電気的に伝導性の部品との間、または、出力端子に繋げられるバスバーと電気的に伝導性の部品との間のいずれかで電気的な接触を確保する電気的に伝導性の波形座金の前面図である。
図8A図7Aおよび図7Bによる装置における、出力端子のバスバーと電気的に伝導性の部品との間、または、出力端子に繋げられるバスバーと電気的に伝導性の部品との間のいずれかで電気的な接触を確保する電気的に伝導性の波形座金の側面図である。
図9図7Aおよび図7Bによる装置の変形の長手方向断面概略図である。
図10】コイルによる磁気部品同士の間の接続/接続解除の制御が可能である図7Aおよび図7Bによる装置の有利な実施形態の長手方向断面概略図である。
図11図10による装置の有利な実施形態の変形の長手方向断面概略図である。
図12図7Aおよび図7Bの様態の具体的な描写である装置の有利な実施形態の概略的な長手方向断面図である。
図13図10の装置の代替である装置の有利な実施形態の長手方向での断面における概略図である。
図14図12の変形である。
図15図13の変形である。
図16】金属イオン蓄電池の出力端子を形成する套管において動力電流装置の一部を組み込んでいる、動力電流装置の有利な実施形態の長手方向断面概略図である。
図17図16による套管を塞ぐ蓋を伴うオス部品の斜視概略図である。
図18】本発明による套管のオス部品の変形の実施形態の斜視概略図である。
図19】本発明による磁気係止部を伴う2つの出力端子を蓄電池筐体のカバーにおいて組み込む角柱の形式の金属イオン蓄電池の斜視概略図である。
図20】本発明による磁気係止部を伴う2つの出力端子を、一方を蓄電池筐体のカバーにおいて組み込み、他方を底部において組み込む円筒の形式の金属イオン蓄電池の斜視概略図である。
図21】蓄電池の出力端子に組み込まれた磁気係止部で回路の閉鎖板を形成するバスバーへと強磁性部品が挿入されている、図16による金属イオン蓄電池の側面で部分的に断面での概略図である。
図22】本発明による磁気係止部を組み込むインターフェースアダプタを伴う角柱の形式の既存の金属イオン蓄電池の斜視での部分的に分解された概略図である。
図23】蓄電池の筐体に設置された構成での、図22によるインターフェースアダプタを伴う蓄電池の斜視概略図である。
図24】アダプタに組み込まれた磁気係止部と回路の閉鎖板を形成するバスバーへと挿入される強磁性部品を向く、図22および図23による蓄電池およびそのインターフェースアダプタの部分的な長手方向断面概略図である。
図25】本発明による磁気係止部を組み込む別のインターフェースアダプタの斜視および分解での概略図である。
図26】蓄電池の出力端子の周りに固定、嵌め込み、または捩じ込みされる、図25によるインターフェースアダプタを伴う角柱の形式の既存の金属イオン蓄電池の斜視での部分的に分解された概略図である。
図27】アダプタに組み込まれた磁気係止部と回路の閉鎖板を形成するバスバーへと挿入される強磁性部品を向くインターフェースアダプタが周りに嵌め込まれる蓄電池の出力端子の部分的な長手方向断面概略図である。
図28A図10の装置に戻り、磁気的な接続解除において起こり得る電気アークを吹き飛ばしの第1の様態のステップを示す図である。
図28B図10の装置に戻り、磁気的な接続解除において起こり得る電気アークを吹き飛ばしの第1の様態のステップを示す図である。
図29A図28Aの底面図に戻り、電気アークの生成の点の場所と、消滅における電気アークの集中の点の場所とを示す図である。
図29B図28Bの底面図に戻り、電気アークの生成の点の場所と、消滅における電気アークの集中の点の場所とを示す図である。
図30】第1の態様によるアークの消滅を生成する閉鎖板および電気的な接触の有利な変形の分解された斜視概略図である。
図31】第1の態様によるアークの消滅を生成する閉鎖板および電気的な接触の有利な変形の組み立てられた斜視概略図である。
図32図30および図31による閉鎖板および接触による電気アークの形成の側面および平面での概略図である。
図33A図10の装置に戻り、磁気的な接続解除において起こり得る電気アークの消滅の第2の様態のステップを示す図である。
図33B図10の装置に戻り、磁気的な接続解除において起こり得る電気アークの消滅の第2の様態のステップを示す図である。
図34】ブレードが電気的な接続でバスバーのうちの1つに固定されている、2つのバスバーの間での分路を確保するように意図されている、本発明による柔軟なブレード磁気分路を伴う装置の長手方向断面概略図である。
図35】分路が二重とされているが、各々の柔軟なブレードの固定が絶縁の部品において生成されている、図34による装置の有利な実施形態の長手方向断面概略図である。
図36図35による磁気的な分路装置の変形の長手方向断面概略図である。
図37】金属イオンの蓄電池を備える電気回路を分路するために、反転スイッチ機能を伴う、本発明による磁気的な分路を伴う装置を示す電気回路図である。
図38図37によるような2つのバスバーの間に反転スイッチを生成するように意図される、本発明による剛体のブレードの磁気的な分路を伴う装置の長手方向断面概略図である。
図39A】蓄電池の2つの出力端子と2つのバスバーとの間の磁気的な接続/接続解除と、接続解除された失陥した蓄電池の磁気的な分路との両方のための装置の動作の異なるステップを示す長手方向断面概略図である。
図39B】蓄電池の2つの出力端子と2つのバスバーとの間の磁気的な接続/接続解除と、接続解除された失陥した蓄電池の磁気的な分路との両方のための装置の動作の異なるステップを示す長手方向断面概略図である。
図39C】蓄電池の2つの出力端子と2つのバスバーとの間の磁気的な接続/接続解除と、接続解除された失陥した蓄電池の磁気的な分路との両方のための装置の動作の異なるステップを示す長手方向断面概略図である。
図39D】蓄電池の2つの出力端子と2つのバスバーとの間の磁気的な接続/接続解除と、接続解除された失陥した蓄電池の磁気的な分路との両方のための装置の動作の異なるステップを示す長手方向断面概略図である。
図39E】蓄電池の2つの出力端子と2つのバスバーとの間の磁気的な接続/接続解除と、接続解除された失陥した蓄電池の磁気的な分路との両方のための装置の動作の異なるステップを示す長手方向断面概略図である。
図40】電池パックにおける、図39A図39Eによる接続/接続解除および磁気的な分路装置の斜視図である。
図41】電池パックにおける、図39A図39Eによる接続/接続解除および磁気的な分路装置の斜視図である。
図42A】リードスイッチによる磁気的な接続解除の受動的な検出を組み込む、蓄電池の2つの出力端子と2つのバスバーとの間の磁気的な接続/接続解除の両方のための装置の変形の動作の異なるステップを示す長手方向断面概略図である。
図42B】リードスイッチによる磁気的な接続解除の受動的な検出を組み込む、蓄電池の2つの出力端子と2つのバスバーとの間の磁気的な接続/接続解除の両方のための装置の変形の動作の異なるステップを示す長手方向断面概略図である。
図43】反転スイッチから成り、2つの蓄電池出力端子のうちの1つだけの接続解除によって動作する、蓄電池と2つのバスバーとの間の磁気的な接続/接続解除と、接続解除された失陥した蓄電池の磁気的な分路との両方のための装置の長手方向断面概略図である。
図44】各々の蓄電池が、本発明による磁気的な接続/接続解除装置を用いて2つのバスバーに接続されている、各々の分岐部内における並列状態の蓄電池の直列状態のいくつかの分岐部を伴う電池パックの組み立ての異なる段における構成要素を示す斜視概略図である。
図45】各々の蓄電池が、本発明による磁気的な接続/接続解除装置を用いて2つのバスバーに接続されている、各々の分岐部内における並列状態の蓄電池の直列状態のいくつかの分岐部を伴う電池パックの組み立ての異なる段における構成要素を示す斜視概略図である。
図46】各々の蓄電池が、本発明による磁気的な接続/接続解除装置を用いて2つのバスバーに接続されている、各々の分岐部内における並列状態の蓄電池の直列状態のいくつかの分岐部を伴う電池パックの組み立ての異なる段における構成要素を示す斜視概略図である。
図47図40図42によって組み立てられ、2つのバスバーの間に磁気的な分路装置をさらに組み込んでいる電池パックを示す斜視図である。
図48図40図42によって組み立てられ、2つのバスバーの間に磁気的な分路装置をさらに組み込んでいる電池パックを示す斜視図である。
図49図44図45によって組み立てられ、2つのバスバーの間に反転スイッチをさらに組み込んでいる電池パックを示す斜視図である。
図50図44図45によって組み立てられ、2つのバスバーの間に反転スイッチをさらに組み込んでいる電池パックを示す斜視図である。
図51】各々の蓄電池が、本発明による磁気的な接続/接続解除装置を用いて2つのバスバーに接続されており、電池パックが各々の分岐部において2つのバスバーの間に磁気的な分路装置を組み込んでいる、各々の分岐部内における並列状態の蓄電池の直列状態のいくつかの分岐部を伴う電池パックの組み立ての異なる段における構成要素を示す斜視概略図である。
図52】各々の蓄電池が、本発明による磁気的な接続/接続解除装置を用いて2つのバスバーに接続されており、電池パックが各々の分岐部において2つのバスバーの間に磁気的な分路装置を組み込んでいる、各々の分岐部内における並列状態の蓄電池の直列状態のいくつかの分岐部を伴う電池パックの組み立ての異なる段における構成要素を示す斜視概略図である。
図53】各々の蓄電池が、本発明による磁気的な接続/接続解除装置を用いて2つのバスバーに接続されており、電池パックが各々の分岐部において2つのバスバーの間に磁気的な分路装置を組み込んでいる、各々の分岐部内における並列状態の蓄電池の直列状態のいくつかの分岐部を伴う電池パックの組み立ての異なる段における構成要素を示す斜視概略図である。
図54図53の電池パック内での、図36による磁気的な分路装置の斜視図である。
図55】各々の蓄電池が、図39A図39Eに示されているように、本発明による磁気的な接続/接続解除および磁気的な分路装置を用いて2つのバスバーに接続されている、各々の分岐部内における直列状態の蓄電池の並列状態のいくつかの分岐部を伴う電池パックの組み立ての異なる段における構成要素を示す斜視概略図である。
図56】各々の蓄電池が、図39A図39Eに示されているように、本発明による磁気的な接続/接続解除および磁気的な分路装置を用いて2つのバスバーに接続されている、各々の分岐部内における直列状態の蓄電池の並列状態のいくつかの分岐部を伴う電池パックの組み立ての異なる段における構成要素を示す斜視概略図である。
図57】各々の蓄電池が、図39A図39Eに示されているように、本発明による磁気的な接続/接続解除および磁気的な分路装置を用いて2つのバスバーに接続されている、各々の分岐部内における直列状態の蓄電池の並列状態のいくつかの分岐部を伴う電池パックの組み立ての異なる段における構成要素を示す斜視概略図である。
図58】全く同一の電池パックの単一の金属イオン蓄電池のための個々の凹部を伴うハニカム構造の斜視概略図である。
図59図56によるハニカム構造と、蓄電池に磁気的に接続されたバスバーを組み込む電気的に絶縁の基材とを組み込む電池パックの分解での概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0134】
図1図5は、筐体、端子を形成する套管、従来技術によるバスバーによって組み立てられた電池パックのリチウムイオン蓄電池の異なる例に関する。これらの図1図5は、前提部においてすでに論評されており、以下においてさらに検討されていない。
【0135】
明確性のために、従来技術と本発明とによる同じ要素を指示する同じ符号が、図1図59のすべてについて使用されている。
【0136】
本出願を通じて、「下方」、「上方」、「下」、「上」、「~の下」、および「~の上」の用語は、カバーが上にあり、出力端子を形成する套管が筐体から上向きに突出する状態で、鉛直に位置決めされたリチウムイオン蓄電池筐体を参照して理解されるものである。
【0137】
図6Aおよび図6Bは、低電流金属イオン蓄電池の出力端子とバスバーとの間の機械的および電気的な接続/接続解除を確保するように意図されている、本発明による磁気的な接続/接続解除装置10の例を示している。
【0138】
装置10は、例えば軟鉄から作られる強磁性部品14に形成された空洞13の内部に収容された、例えばネオジム-コバルトから作られる永久磁石12を備える磁気係止部11をここでは備える。この強磁性部品は、ここでは描写されていない出力端子に電気的に繋げられている。
【0139】
同じく軟鉄から作られた別の強磁性部品15が、ここでは描写されておらず、その電気的に伝導性の部品と接触していないバスバーを組み込む絶縁の基材16へと挿入されている。この他の板15は、磁気係止部11との磁気回路の閉鎖板を形成している。
【0140】
閉鎖の磁気回路が図6Bに示されており、電流Cの通路が強磁性部品14、15を通じて行われ、永久磁石12によって発生させられた磁束Fが、磁石12と強磁性部品14、15との両方において閉じたループで循環する。
【0141】
したがって、閉鎖の構成では、閉鎖板15は強磁性部品14を閉鎖して、磁石によって発生させられる磁束Fの良好な循環を可能にする。この磁気回路は良好な透磁性を呈し、その閉鎖は、2つの部分組立体の間に相当の力を可能にし、そのため、出力端子とバスバーとの間に電気的な接触を可能にする一方で、それらの間に機械的な接続を保証する。
【0142】
図示されている例では、閉鎖板15は固体の板である。内部が中空とされるが、磁気回路を強磁性部品14で閉じる強磁性座金の形態での閉鎖板を検討することも、完全に可能である。
【0143】
動力の電流が全く強力ではないため、部品14、15の強磁性材料を通過でき、この構成では、装置の2つの部分組立体の間での電気伝導と電気接触とを確保する。ここで、閉鎖板15は、動力電流の電気伝導を許容するために、底の強磁性部品14との直接的な電気接触になければならない。
【0144】
図7Aおよび図7Bは、1Aより典型的には大きい、大きな動力電流について磁気的な接続/接続解除装置を示している。この場合、動力電流の通過および電気接触の品質を確保する電気伝導部品が重要なパラメータになる。
【0145】
そのため、電気的に伝導性の部品が加えられる。先ず、上の強磁性部品15は電気的に伝導性のバスバーB1へと直接的に挿入される。典型的には軟鉄から作られる強磁性部品15は、典型的には銅から作られるバスバーB1に圧力嵌め、ネジ留め、またはリベット留めすることによって挿入され得る。
【0146】
次に、底の強磁性部品14は、典型的には嵌め込みによって、電気的に伝導性の部品17の空洞へと固定される。これらの2つの電気的に伝導性の部品B1、17は、典型的には銅またはアルミニウムから作られる優れた品質の電気伝導体である。これらの伝導体の抵抗率は、具体的には軟鉄である部品14、15の強磁性材料の抵抗率よりはるかに小さいため、動力電流のほとんどはこれらの伝導体B1、17を通過する。
【0147】
図7Bでは、磁気回路が閉鎖され、動力電流Cの循環は伝導性の部品B1、17へと通過する。永久磁石の磁束Fは、磁力を最大化するために磁気回路によって包囲されている。
【0148】
この図7Bは、強磁性部品14、15の間に小さな空隙eの存在を示しており、空隙eは、実際、接続力をごく僅か低減させるが、有利には、これらの部品の間の機能的な遊びを許容することを可能にする。
【0149】
さらに、電気的に伝導性の歯付係止座金または波形座金18が上の強磁性部品15の周りに配置されている。図示されている例では、強磁性部品15はバスバーB1に対して突出し、歯付係止座金18は部品15の突出する部分の周りに配置されている。好ましくは、この座金18は銅-リンの合金から作られる。
【0150】
この座金18は、良好な電気接触を保証することを可能にする。実際、良好な電気接触は、相当の接触面と、表面の不規則性を補償するための力とを必要とする。歯付係止座金18は、力を集結することで、および、機械的な遊びを補償することで、いくつかの明確に定められた接触の点を確立することを可能にする。
【0151】
座金18の突起19は、いくつかの相互に平行な接触の点を確立することを可能にし、これは、伝導性の部品B1、17の間の全体の電気抵抗を低減する。
【0152】
本発明による歯付係止座金18の例示の有利な形態は、図8および図8Aに示されている。
【0153】
図8および図8Aによる歯付係止座金18の寸法決定の例が以下の表で指示されている。座金は、ここでは円形として示されているが、端子の形態に応じて、典型的な正方形または長方形といった、他の形態も想定され得る。
【0154】
【表1A】
【0155】
【表1B】
【0156】
装置10の変形が図9に示されており、先に記載された底の強磁性部品14が排除されている。永久磁石12の磁束Fはここでは空気で包囲されており、これは、図7Aおよび図7Bの接続力と同じ接続力を発揮するために、永久磁石12のより大きい寸法を意味する。図9において示されているように、永久磁石は、例えば、伝導性の部品17の空洞をすべて占有してもよい。
【0157】
記載されたすべての接続装置10は、外部の介在なしで接続解除させることができず、そのため、電圧/電流の流れている状態における蓄電池出力端子とバスバーとの解体を許容しない。
【0158】
この問題を解決するために、装置10は、図10において示されているように、電流の供給によって制御されるように変更される。
【0159】
ここで、電気的に絶縁心棒20が永久磁石12を包囲し、コイル21を形成する電気的に伝導性のワイヤが、絶縁心棒の周りに巻かれる。心棒20は、例えば、典型的にはポリエチレンの種類の熱可塑性である絶縁のプラスチックから作ることができ、コイルワイヤは銅から作ることができる。
【0160】
したがって、装置10は、
i/ コイル21が初期に電気的に動力供給されていないとき、閉鎖の磁気回路構成における閉鎖板15における永久磁石12の磁気誘引力は、バスバーB1と伝導性の部品17との間に機械的な接続を維持し、そのためバスバーB1と出力端子との間に機械的な接続を維持し、それらの間の電気的な接触が座金18を通じて生成されるように、
ii/ コイル21が所与の方向において電気的に動力供給されるとき、コイル21は、永久磁石の誘引力を相殺する程度まで、永久磁石12の磁界と反対の磁界を生成し、これは、バスバーB1と伝導性の部品17との間、または、バスバーB1と出力端子との間の機械的な接続解除を引き起こし、それらの間の電気的な接触が除去されるように
構成されている。
【0161】
この実施形態は、局面ii/の方向と反対の方向において電流をコイルに投入し、これによって永久磁石12の方向と同じ方向で磁界を作り出すことによって、永久磁石12の誘引力を一時的に強化することが可能であるため、有利でもある。したがって、伝導性の部品B1、17の間の閉鎖をより正確に制御すること、または、その閉鎖を単に容易にすることが可能である。
【0162】
コイル21の代わりに、図11に示されているように、電気的な加熱抵抗器22を設置することが可能である。
【0163】
より明確には、この加熱抵抗器22は、例えば永久磁石12を取り囲み、断熱体23によって取り囲まれてもよく、その機能は、加熱抵抗器22によって生成される熱を永久磁石12に向けて集結させることである。好ましくは、断熱体23は、先に記載されたもののように、心棒20を電気的に絶縁することで保持され得る。他の形状の構成が、磁石が十分に加熱されるという条件で想定され得る。
【0164】
永久磁石12は、温度に敏感であり、キュリー温度と呼ばれる臨界温度を超えるとその磁気特性を失う(アマグネティック(amagnetic)になる)。この温度は、永久磁石について選択される材料に依存し、100℃から250℃超まで変化し得る。本発明の背景では、永久磁石のキュリー温度は、自己加熱温度(T1)の90%に近い値と、パックの蓄電池の熱暴走温度(T2)の110%に近い値との間となるように選択される。
【0165】
したがって、電気的に動力供給されるとき、加熱抵抗器22は、温度がキュリー温度を超えるように寸法決定された永久磁石12を局所的に加熱する。
【0166】
磁石12が誘引力をもはや発揮しなくなるため、機械的および電気的な接続解除が伝導性の部品B1、17の間で起こる。永久磁石の減磁は完全に正確であり、そのため、この変形による接続解除も完全に正確である。
【0167】
コイル21の動力供給または装置10の電気的な加熱抵抗器22によって必要とされる電気的な消費は非常に小さく、これは、本質的に電気的に自立している金属イオン蓄電池にとって有利である。
【0168】
電気的な加熱抵抗器22の代わりに、磁石は蓄電池自体によって加熱されてもよい。実際、金属イオン蓄電池の場合、熱暴走の様態におけるその芯部温度は、永久磁石の減磁温度と適合する。したがって、電気的な接続解除は、失陥する蓄電池の熱暴走のおかげで受動的に得られることが可能となる。
【0169】
いくつかの種類の永久磁石12が存在し、記載されている装置のために使用できる。フェライト磁石またはサマリウムコバルトは、非常に強力(強い保磁場)であり、先に記載されている装置で使用されるものである。高い性能を伴うこれらの磁石(潜在的に高価である)は、永久磁石が小さい体積のものであるため、本発明による装置の設計に必要である。
【0170】
したがって、先に記載されている装置で示された形状は、図示の目的のために概略的である。
【0171】
実際には、永久磁石12は、有利には非常に薄くなければならず、実際、磁気回路Cにおける空隙eのように振る舞い、この隙間は、流れ、延いては成果が最大となるようにできるだけ小さくなければならない。また、永久磁石12の直径は、小さくされた装置の大きさによって制限される。
【0172】
図12は、強い電流の通過が意図されて、円板の形態で凝固させられて製作され、本発明による装置において配置され得るようにフェライトまたはコバルトサマリウムから作られた永久磁石12の種類を示している。この図12では、強磁性空洞ピースが、適合された形の下で強磁性ピース14によって置き換えられ、つまり、円板の形態での磁石12が支持される上端において中心の壁で置き換えられることが分かる。強磁性部品は、質量を得るために、その中心の壁とその空の周辺の壁との間で好ましくは中空とされる。
【0173】
例として、発明者は、おおよそ直径が20mmで高さが20mmの装置の接続/接続解除としての出力端子のために意図された、1mmの厚さおよび直径が10mmの円板の形態でのサマリウム-コバルトの磁石12の試作品を作った。そのような磁石の誘導は1.1テスラであり、この磁石12で得られる接続力は18Nである。
【0174】
比較例として、計算によって、10mmの直径および10mmの高さを伴う永久磁石12は、0.5Nの接続力を発生させるだけである。
【0175】
これらの焼結された永久磁石12の高い性能は、本発明の背景において考えられる用途にとって理想的である。
【0176】
一方で、それらは高価であり得、焼結された強磁性材料で達成され得る成形は、小さい大きさの板、円板、環など、単純な形に限定される。
【0177】
これが、発明者が焼結されたフェライトまたはサマリウム-コバルトの永久磁石の代わりにプラスト磁石を配置することを考えた理由である。
【0178】
本発明による接続装置10におけるプラスト磁石配置の例が、図13に示されている。
【0179】
この図13では、環状の形とされたプラスト磁石120が、プラスト磁石120が収容される環状の空間を間に形成する2つの別々の強磁性部品14、140で作られる磁気回路Fを伴って、接触の周辺において配置される。したがって、プラスト磁石120は、小さい厚さおよび大きな高さの円筒の形を有する。
【0180】
機械的な接続ピース100が、2つの強磁性部品14、140の間で、圧入を用いて圧力嵌めされ得る、または、境界面に溶接され得る。異なる部品の組み立ての間、それらの部品の材料の間の適合性を確保することに注意が払われる。
【0181】
この図13において分かるように、磁束Fは、プラスト磁石120の高さにおいて水平である。
【0182】
このようなプラスト磁石120は、大きな環状の体積から便益を得る一方で小さい空隙を有することを可能にし、そのため焼結磁石12ほど強力ではない磁石の解決策を可能にするため、有利である
【0183】
図14は、図12における円板の形態での磁石12を伴う強磁性部品14の有利な実施形態を示している。
【0184】
強磁性部品14は、磁気接触帯域を得ることと、磁気ケーシングの2つの部品14、15の間の弾性の座金18を介して、つまり、外部の磁気回路Cにおいて、良好な電気的な接触を確立することとの両方を可能にする高さ141における差を得るために、肩部を伴って作られている。座金18の配置は、機械的な強度に有害となる(力の低減となる)空隙を磁気回路全体において付加しないことを可能にする。
【0185】
この構成では、弾性の座金18は、十分な接触圧力を伴う点の電気的な接触を可能にする。座金18は、接触抵抗を改善し、酸化を防止するために、典型的には銀被覆に基づく1つまたは複数の適切な接触材料で被覆されてもよい。
【0186】
図14の構成における永久磁石12は、好ましくは焼結磁石である。
【0187】
したがって、図13および図14の構成は、典型的には軟鉄から作られる強磁性部品14、15から成る磁気回路が、非常に電気的に伝導性であり、伝導性の弾性座金18を介して、装置を通じて大きく強い電流を通過させることができるため、有利である。そのため、これは、閉鎖板と磁気回路との間に良好な電気的伝導を確保する。
【0188】
図15に示されているような非磁気的なカーカス(carcass)を通じて強力な電流を通過させることも検討できる。
【0189】
この図15では、電流は強磁性部品14、15をもはや通過しないが、例えば銅から作られる部品17、B1によって構成される非磁気的なカーカスを通過する。
【0190】
図15のこの構成では、電気的に伝導性の部品17がその空洞において様々な要素を機械的に保持するため、機械的な接続ピース100が省略できることは、留意されるべきである。
【0191】
記載された磁気的な接続/接続解除装置は、蓄電池出力端子において直接的に一部組み込まれ得る。
【0192】
この組み込みの目的は、少なくとも1つの蓄電池出力端子と1つのバスバーとの間に磁気係止部を生成することであり、係止部は、永久磁石と、磁気閉鎖板と協働する制御コイルとを備える。
【0193】
以下において明らかとなるように、磁気係止部が出力端子に組み込まれ、閉鎖板はバスバーの脇にある。蓄電池の電気的な分路が考えられる構成を除いて、バスバーの脇における係止部と、蓄電池の出力端子における磁気閉鎖板とを組み込むことを検討することも、完全に可能である。
【0194】
套管によって形成された本発明による出力端子5の例示の実施形態が、図16に示されている。
【0195】
套管5は、2つの反対の面を備える蓄電池Aの筐体6のカバー9の両側において現れるオリフィスを貫いて製作される。
【0196】
套管5は、電気的に伝導性のメス部品24と、永久磁石12が収容され、同じく電気的に伝導性の塞ぐ蓋26によって閉じられる空洞25を備える電気的に伝導性のオス部品17とを備える。
【0197】
空洞25は、磁気係止部を形成するために永久磁石12とここでは相補的である強磁性部品14も収容する。
【0198】
オス部品17の一部分は、メス部品24の有底穴へときつく嵌め込まれる
【0199】
2つの電気的に絶縁の座金27、28は、カバー9の面のうちの一方への圧力で表面担持する担持部分と、担持部分に対して、オリフィスの縁との接触において突出する案内部分とを各々備える。
【0200】
さらに、伝導性の部分17、24の各々は、座金27の担持部分への圧力で表面担持する担持部分を備える。
【0201】
図16に示されているように、磁気回路の閉鎖の構成において、磁束Fが、強磁性部品14と、バスバーB1へと挿入され、これによって端子5とバスバーB1との間の機械的な接続を保証する強磁性部品15とを通じて、端子5におけるループで循環する。同時に、動力電流Cの循環が、バスバーB1から歯付係止座金18を介して蓋26および端子のオス部品17を通じて起こる。
【0202】
図17は伝導性のオス部品17を詳細に示しており、オス部品17の空洞25は、永久磁石12を収容し、蓋26によって閉じられ、具体的には溶接によって固定される。蓋26は、オス部品17と同じ材料から好ましくは作られる。この蓋の厚さは、用途に関して望まれる空隙に応じて定められる必要がある。
【0203】
描写されていないが、端子5の磁気的な接続解除のためのコイル21または電気的な加熱抵抗器22が、空洞25において収容されてもよい。
【0204】
オス部品17において設けられた貫通オリフィス29は、コイルまたは電気的な加熱抵抗器などに動力供給する電気ワイヤを通すことを可能にする。
【0205】
図17に示されているような貫通孔29から離れた疑似的に有底の空洞25を伴う伝導性のオス部品17の代わりに、図18に示されているように、周辺において1つまたは複数のスロット170を伴う伝導性のオス部品17を製作することが可能である。この変形は、一方で、部品17の重量低減を可能にし、他方で、いくつかの位置においてコイルまたは電気的な加熱抵抗器に動力供給するワイヤを通過させることができるため、有利である。
【0206】
図19は、筐体6のカバー9に両方とも配置された2つの出力端子4、5が、永久磁石12を伴う磁気係止部を組み込んでいる角柱の形式の金属イオン蓄電池Aを示している。好ましくは、各々の磁気係止部は、バスバーB1および/またはB2からの蓄電池の可及的な接続解除のために、強磁性部品14と、コイル21または電気的な加熱抵抗器22とを備える。
【0207】
したがって、それらの磁気回路の各々の閉鎖の構成において、2つの出力端子4、5の各々は、それぞれバスバーB1および/またはB2に磁気的に係止される。
【0208】
この図19において分かるように、歯付係止座金18は出力端子4、5において直接的に備え付けられ得る。
【0209】
コイル21または加熱抵抗器22の電気的な動力供給は、蓄電池AとバスバーB1および/またはB2との間の磁気的な接続解除を目的として、具体的には蓄電池の失陥を最初に検出することを可能にするBMSによって、蓄電池Aの動力から、または、電池パックの別の蓄電池から生成され得る。
【0210】
図19に示されているように、そのようなBMS30が筐体のカバー9に直接的に固定でき、端子4、5のオス部品17の貫通オリフィス29へと通るワイヤによって直接的に動力供給され得る。
【0211】
図20および図21は、永久磁石12を伴う磁気係止部を組み込む2つの出力端子4、5を伴う円筒の形式の金属イオン蓄電池Aを示しており、出力端子のうちの一方は筐体6のカバー9に配置されており、他方は反対の筐体6の底部に配置されている。
【0212】
既存の蓄電池において磁気的な接続/接続解除装置10を実施したいとき、図22図24において示されているように、既存の蓄電池をインターフェースアダプタ40において組み込むことが可能である。
【0213】
このようなインターフェースアダプタ40は、先ずは、金属イオン蓄電池の筐体の底部8またはカバー9と好ましくは少なくとも一部相補的な形態の本体41を備える。次に、この本体41は、底部8および/またはカバー9に嵌め込むことで備え付けられる。
【0214】
図22図24に示されている実施形態では、本体41は、金属イオン蓄電池の出力端子4、5が各々の内部に収容され得る2つの貫通凹部42を備える。本体は、絶縁である、または、2つの端子のうちの一方から電気的に絶縁される。
【0215】
巻き付けコイル21を伴う絶縁心棒20によって取り囲まれる永久磁石12を各々備える2つの磁気係止部11が、本体41に組み込まれている。本体41は磁気係止部11の周りにオーバーモールドされてもよい。
【0216】
磁気係止部11は、ここでは、出力端子4、5と外側で隣り合ってインターフェースアダプタ40の横端に配置されている。
【0217】
出力端子4、5と、反対のバスバーB1および/またはB2との間の電気的な接続は、蓄電池の出力端子に電気的に接触して固定されるのに各々適する電気的に伝導性の部品43によって確保される。さらに、最適な電気的な接触を保証するために、2つの電気的に伝導性の歯付係止座金18が部品43の両側に配置される。
【0218】
BMS30は、インターフェースアダプタ40の本体41の内側に挿入され得る。BMS30は、2つの磁気係止部11に接続され、伝導性の舌部31、32によって出力端子4、5に接続される。
【0219】
磁気係止部11および出力端子4、5のインターフェースアダプタ40との隣り合う配置は、梃子の効果によって分路においてより大きな接触圧力を得ることを可能にし、磁気係止部11と強磁性部品15との間で利用可能なより大きくなり得る磁気表面のおかげで、蓄電池とバスバーB1および/またはB2との間でより大きな接触圧力を得ることを可能にする。
【0220】
図22図24によるインターフェースアダプタ40は、端子の機械的構造が何であれ、すべての既存の蓄電池の種類に適用され得る。
【0221】
さらに、インターフェースアダプタ40が余分な厚さを加え、これは、蓄電池とバスバーとの間の境界面において伴われる力をより良好に管理することを可能にすることができる。
【0222】
別の種類のインターフェースアダプタ40が図21図23に示されている。
【0223】
このインターフェースアダプタ40は、例えば絶縁プラスチック材料において製作された電気的に絶縁の材料から作られる包囲体44を備える。包囲体は、例えば端子と筐体との間など、異なる電位における部品同士の間で必要とされる異なる絶縁を管理することを考慮して、伝導性の材料から作られてもよい。包囲体の形態は、円筒、平行六面体、または他の形態であり得る端子の形態に合致させられる。
【0224】
包囲体44は、蓄電池Aの出力端子の周りに固定、嵌め込み、ネジ留め、または溶接されるように適合される開放した中心開口45と、本発明による磁気係止部11を収容するのに適する空洞46とを備え、相補的な形態の少なくとも1つの強磁性部品14が、空洞46の内部に嵌め込まれる。
【0225】
塞ぐ蓋47は、磁気係止部11を収容する包囲体44を閉じる。
【0226】
図27に示された実施形態では、インターフェースアダプタ40は、その巻かれたコイル21で絶縁心棒20によって包囲される永久磁石12を備える磁気係止部11を組み込んでいる。
【0227】
インターフェースアダプタ40は、ここでは、特許出願FR2989836の教示によって有利に製作される套管5によって形成される既存の出力端子の周りに配置される。
【0228】
したがって、套管5は、蓄電池Aの筐体6のカバー9の両側において現れるオリフィスを貫いて製作される。
【0229】
套管5は、電気的に伝導性のメス部品24と、一部分がメス部品24の孔へとしっかりと嵌め込まれる電気的に伝導性のオス部品17とを備える。
【0230】
2つの電気的に絶縁の座金27、28は、カバー9の面のうちの一方への圧力で表面担持する担持部分と、担持部分に対して、オリフィスの縁との接触において突出する案内部分とを各々備える。
【0231】
さらに、伝導性の部品17、24の各々は、座金27の担持部分への圧力で表面担持する担持部分を備える。
【0232】
図27のこの構成では、磁気係止部11は、出力端子5の周りに同心で配置されている。
【0233】
図27の同心の構成によるインターフェースアダプタ40と出力端子との間の組み立ては、出力端子5の周りでの圧力嵌め、溶接もしくはネジ留めによって行われ、ネジ留めの場合は雄ネジが描写されていない。
【0234】
ここでも、図25図27によるインターフェースアダプタ40は、端子の機械的構造が何であれ、すべての既存の蓄電池の種類に適用され得る。具体的には、これらの環状のアダプタ40は、包装が電気的に絶縁のプラスチック材料から作られる鉛蓄電池で実施され得る。絶縁は、剛体の筐体を伴う蓄電池のものである。この種類のアダプタは、柔軟な包装を伴う蓄電池にも適用される。
【0235】
他の方策なしで記載された磁気的な接続解除は、大きな動力の電流について、電気アークの問題を生む可能性がある。
【0236】
実際、充電している電気化学蓄電池の接続/接続解除は、それらの接続部において電気アークの発生をもたらす可能性がある。このアークは、典型的には数千度といった非常に高温であり、これは、化学的性質の暴走をもたらし、そのため電池の熱暴走をもたらす可能性がある。このアークは、金属イオン蓄電池が直流の様態で動作しているときになおさら問題となり、0を通る電流の本来の通路のないことが、アークの素早い消滅を必ずしも可能にしない。
【0237】
素早い消滅のための第1の解決策は、磁界を用いて電気アークを伸長することにある。アークの伸長は、周囲媒体との交換表面を増加させ、アークの冷却をもたらすことになる。アークの温度が低下するにつれて、電流が無くなり、媒体が絶縁になるまで、アークの抵抗が増加する。
【0238】
第1の磁気伸長装置が図28A図28Bおよび図29A図29Bに示されている。
【0239】
磁気的な接続/接続解除装置10は、ここでは、強磁性部品15の周りに電気的に伝導性の歯付係止座金18を必ず組み込んでいる。
【0240】
したがって、電気接触が、伝導性の歯付係止座金18と伝導性の部品17の伝導接触との間で行われ、これは、図示されている例では円筒回転のものである。接触は、複数の接触の点において行われる。
【0241】
接触が接続解除の間に開放するとき、いくつかの電気アークがこれらの異なる接触の点において引き起こされる(図28A図29A)。
【0242】
電気伝導体として振る舞うこれらのアークにおける電流は、同じ方向にある。そのため、これらの電気アークは、ラプラスの法則によれば誘引されることになり、これは、図28Bに示されているように電気アークを変形させ、それによって経路を伸長させ、周囲媒体との交換表面を増加させてアークの消滅を達成する。
【0243】
歯付係止座金18の寸法決定の選択を通じて、アーク同士の間のラプラス力が十分となるために、典型的には数mmといった、アーク同士が互いと十分に近いことが確保される。
【0244】
第2の磁気伸長装置が図30図31、および図32に示されている。この第2の装置は、図28Aおよび図28Bの第1の装置を補完するものであり得る。
【0245】
ここで、強磁性部品15には、例えば上方から見たときにV字形といった、切り込み150が製作されている。
【0246】
特定の形態の電気接触座金50が提供される。この座金50は、バスバーのうちの1つに電気的に繋げられる環の形態である。
【0247】
座金50には、その内部周辺において、強磁性部品15の切り込み150に各々配置される柔軟な棘部51が設けられている。
【0248】
磁気接続回路の閉鎖の構成において、各々の棘部51は、出力端子4または5の伝導性の部品17と電気接触している。実際、柔軟な棘部51は、遊びを補償し、所望の接触圧力を得るために、それらの弾性のおかげで少し押し込まれる。
【0249】
出力端子とバスバーとの間の機械的な接続解除において、座金50と出力端子との間の電気接触の排除で、棘部50と出力端子の伝導性の部品17との間の電気アークが作り出される。これらのアークは、アークを閉鎖強磁性部品15に向けて変形させる磁界を発生させ、したがって、これはアークが消滅させられるまでアークを冷却する。
【0250】
より明確には、接触の開放において、電気アークが先のように起こり、これが、特には強磁性部品15において近接して磁界を発生させることになる。ラプラス力Fは、各々の電気アークと、空気の透磁性よりはるかにより大きい透磁性の部品15によって伝えられる磁界との間で発揮される。
【0251】
先のように、電気アークは内向きに変形させられ、強磁性部品15に向けて誘引される。空気に対して熱の良好な伝導体である強磁性部品15は、アークの熱エネルギーの大部分を吸収し、アークを非常に強力に冷却し、アークの消滅をもたらす。この閉鎖部品15の局所的な融解さえあり、これは、相当のエネルギーを吸収することになる(液状化、さらには蒸発、加熱を遅くする)。当然ながら、アークの熱エネルギーの吸収によっておそらく誘発される漸進的な摩耗を補償するために、部品を寸法決定することに注意が払われなければならない。
【0252】
素早い消滅を達成するための第2の解決策は、電気アークの発生の瞬間に、接触の中心において加圧化でガスを発生させることにあり、これは接触の中心を外へと追いやる。したがって、アークは外向きに伸長されて、アークを冷却し、アークを吹き飛ばす。
【0253】
加圧ガスの吹き飛ばしに基づくアーク消滅装置は、図33Aおよび図33Bに示されている。これを行うために、例えばポリエチレンの種類の熱可塑性材料といった、250℃より典型的には低い蒸発点を有する電気的に絶縁の材料から作られた部品52が、磁気係止部の上部においてその中心に配置される。この部品52の融点は、磁石の磁気特性を損なうことなくアークを吹き飛ばすことができるように、好ましくは永久磁石のキュリー温度より低くなるべきである。
【0254】
電気アークの発生において、低融点を伴うこの部品52は、アークによって発生させられた熱の影響の下で蒸発させられ、したがって加圧化で局所的にガスを発生させる。実際には、アークによる加熱が素早いため、発生させられた加圧ガスは消散させられる時間がない。この加圧ガスは、アークを電気接触から外向きに追いやり、したがってアークを伸長させ、アークの消滅をもたらす(図33B)。
【0255】
低融点を伴う部品52は、座金18の内側において、磁気係止部11と強磁性部品15との間で、空隙に配置され得る。この部品52が、コイル21の巻き付けのための絶縁心棒20と、全く同一の部品を構成するように提供することが可能である。
【0256】
図34は、電池パック内に分路を確保し、したがって電池パックの動作の継続を確保するように意図される、本発明による例の磁気的な分路装置60を示している。
【0257】
分路装置60は、バスバーのうちの1つの伝導性の部品において固定位置62にその端のうちの1つで固定される柔軟な電気的に伝導性のブレード61を備える。ブレード61は銅-ベリリウムから作られ得る。
【0258】
柔軟なブレード61の他の端において、永久磁石12と磁石12の周りのコイル21とを収容する強磁性部品14が内部に収容される伝導性の空洞17を備える磁気係止部11が挿入される。
【0259】
描写されているような開放位置において、伝導性のブレードの弾性は、装置が開放したままとなるように、固定部品における強磁性板への磁石の誘引を補償するのに十分である必要がある。
【0260】
導電性の部品17、B1の間の接触を閉鎖しようとするとき、電流が適切な方向でコイル21において加えられ、それによって、コイルによって発生させられる磁界が永久磁石12の磁界を強化する。そのため、組み合わされたコイルおよび磁石の磁界によって発生させられる力は、柔軟なブレード61の力より大きくなければならない。そのため、接触は閉鎖させることができ、その磁気的な係止が、固定された強磁性部品15を伴う磁気係止部11によって実施される。
【0261】
コイル21における閉鎖を制御する電流が切断されるとき、永久磁石12は、磁気係止部11と強磁性部品15との間の空隙が縮小されているため、閉鎖が維持されることをそれ自体で確保でき、これは、磁気的な係止力が柔軟なブレード61の力より大きいことを意味する。そのため、分路装置60は、制御コイルにおいて電流のない場合であっても閉鎖位置に留まる。
【0262】
分路装置60を開放させるためには、それによって発生させられる磁界が永久磁石12の磁界と反対となり、結果生じる磁界を相殺するように、反対の電流がコイル21へと投入されなければならない。この結果的な磁界による維持の力が柔軟なブレード61の力より小さくなるとき、分路装置60は開放できる。
【0263】
そのため、コイルにおける開放を制御する電流は、ブレード61が初期位置に戻るため、つまり、磁石12の磁気的な誘引力がブレード61の開放する力より小さいため、切断できる。
【0264】
図35は、記載されたものの変形を示しており、それによれば、分路装置60がブレードの固定から離されて二重にされており、2つの柔軟なブレード61が、それらの端のうちの一方において、電気的に絶縁の固定位置に各々固定され、それらの端のうちの他方において、磁気係止部11を組み込んでいる。二重にされた分路装置60の動作は、図34を参照して記載されたものと同一である。
【0265】
さらに、二重にされた分路装置60は、有利には、蓄電池の2つの端子4、5の同時の接続解除を生成することを可能にし、一方で、図34の例では、1つの端子5が係止システムによって作用され、他方の端子は柔軟なケーブル63によってバスバーB2に繋げられる。
【0266】
分路装置60の別の変形が図36に示されており、磁気係止部11は、ここでは固定された底部品へと挿入されており、そのため、永久磁石12、コイル21、および強磁性部品17を収容する空洞を形成する伝導性の部品が、バスバーB1、B2において、または、それらバスバーに繋げられる伝導性の部品において形成されている。図36のこの変形は、電子制御ユニット、具体的には、蓄電池のBMSへの制御コイルの接続を単純化することを可能にすることができる。
【0267】
図37および図38は、電池パック内に反転スイッチを構成するように、および、電池パックの動作の継続を確保するだけでなく、1つまたは複数の蓄電池の回路を分路するように意図された、本発明による磁気的な分路装置70の例を示している。
【0268】
図38において示されているように、反転スイッチ装置70は、中心において関節72によって関節接合される剛体のブレード71を備える。この剛体のブレードの関節72は、品質の高い動力の電気的な接続を生成することだけを可能にするのではない。また、電流は、電気的な繋がりを向上させるために電気的にスポット溶接された銅から好ましくは作られる金属編組73を用いて、このブレード71へともたらすことができる。
【0269】
剛体のブレード71は、その端の各々において、すでに記載されているような装置の底部分に配置されている磁気係止部11のうちの1つと磁気回路を閉鎖するように各々意図されている強磁性部品15を組み込んでいる。
【0270】
図38では、ブレード71と伝導性の部品17との間で右手側での接触が磁気係止部11によって閉鎖および係止されるとき、左手側での接触は開放している。
【0271】
右手側における接触の永久磁石が、左手側における強磁性部品15が向かい合っている左手側における接触の永久磁石と比較して、強磁性部品15にはるかにより近いため、磁気的な誘引力が右手側においてはるかにより大きく、反転スイッチ装置70はこの位置で係止されたままとなる。
【0272】
旋回する剛体のブレード71を切り替えさせ、それによって反転を達成するために、方法は以下のようになっている。
【0273】
BMSが、右手側におけるコイル21への電流の投入を命令し、そのため、コイルによって発生させられる磁界が、右手側における永久磁石12の磁界と反対になる。
【0274】
右手側において接触を維持する力は、大きく減少し、特定の時間の終了において無効にされる。
【0275】
ある瞬間に、誘引力とブレードの部品のうちの1つの長さとの間の積であるとして定められ、左手側における永久磁石12によって発揮される誘引トルクが、右手側における接触を維持するトルクより大きくなり、そのためブレード71は切り替わり、右手側における接触を開放し、左手側における接触を閉鎖する。
【0276】
BMSは、左手側における永久磁石によって発生させられる磁界を一次的に増加させるために、左手側における接触のコイルへの電流の投入をおそらく命令できる。これは、剛体のブレード71の切り替えの速度を管理することを可能にする。
【0277】
剛体のブレード71が切り替わったとき、左手側の磁気係止部11は、左手側における接触をこの新たな位置において係止したままにし、制御コイル21の動力供給が切断され得る。
【0278】
装置70の反転動作は、当然ながら、初期状態へと戻ることが可能である。
【0279】
磁気係止部11を反転スイッチ装置70の底の固定された部品において配置する代わりに、磁気係止部11は剛体のブレード71において位置付けられてもよい。
【0280】
図39A図39Eは、蓄電池AとバスバーB1、B2の間の接続/接続解除と、この蓄電池Aが失陥したことにより接続解除された蓄電池Aの分路との両方についての装置80の異なる局面を示している。
【0281】
ここで、磁気係止部11.1は蓄電池の出力端子4、5の各々に組み込まれている。
【0282】
端子4、5の各々の係止部11.1は、永久磁石12.1と磁石12.1の周りのコイル21とを収容する強磁性部品14が内部に収容される伝導性の空洞17を備える。
【0283】
2つの強磁性部品15が、2つのバスバーB1、B2のうちの1つへと各々挿入され、出力端子4、5の一方または他方の磁気係止部11と磁気回路の閉鎖板を形成している。
【0284】
2つの柔軟な電気的に導電性のブレード81が、それ自体の端のうちの一方において固定位置82に各々固定される。各々のブレード81は、磁気係止部11.2を形成する永久磁石12.2だけが収容される空洞を備える。
【0285】
これらの図39A図39Eにおいて分かるように、および、以下において説明されているように、柔軟なブレード81の永久磁石12.2が端子4、5の磁気係止部11.1の永久磁石12.1を向いており、図示されて例では正である同じ符号のそれらの極が互いを向いている。
【0286】
接続/接続解除の動作および磁気的な分路装置80の動作は、以下のとおりである。
【0287】
蓄電池筐体に組み込まれたBMS30が蓄電池の通常の動作を検出するとき、閉鎖した磁気回路構成において、向かい合う閉鎖板15におけるそれぞれの出力端子4、5の永久磁石12.1の磁気的な誘引力は、前記出力端子4、5とバスバーB1および/またはB2との間の機械的な接続を、それらの間に電気的な接触を伴って確保する(図39A)。
【0288】
この構成では、柔軟なブレード81の永久磁石12.2は、柔軟なブレード81がバスバーB1、B2との電気的な接触となることができないように、つまり、バスバーB1、B2から離れるように、永久磁石によって反発される(図39A)。
【0289】
BMS30が蓄電池Aの失陥を検出するとき、BMS30は、蓄電池の電圧およびエネルギーから、蓄電池Aに組み込まれた電気動力供給ワイヤを通じて、出力端子4、5のコイル21に動力供給する(図39B)。
【0290】
蓄電池の失陥は、以下のパラメータ、すなわち、外板温度、内部温度、電圧、およびセルの抵抗のうちの少なくとも1つから検出できる。
【0291】
コイル21の動力供給は、出力端子4、5と2つのバスバーB1、B2のそれぞれとの間の機械的および電気的な接続解除が確保されるまで、コイル21が端子4、5の永久磁石12.1の磁気的な誘引力と反対の磁力を各々発生させるような方向において行われる(図39C)。
【0292】
この接続解除は蓄電池を重力によって落下させる。
【0293】
コイル21の動力供給について、有利には、電流が0から所定の値まで徐々に増加するように行われ、つまり、結果生じる磁界、つまり、永久磁石12.1およびコイル21から生じる磁界が、蓄電池の重量を補償するには不十分となるときに蓄電池が重力によって落下するための時間を許容するように、例えば1~2秒間といった、十分にゆっくりと増加するように行われる。
【0294】
蓄電池が落下したとき、コイル21によって発生させられる磁界は少し増加し続けるが、これは取るに足らない。電流は、例えば2秒間といった固定された時間の後、切断される。
【0295】
蓄電池の落下と同時またはある程度同時に、磁気反発がないため、磁気回路が柔軟なブレード81の永久磁石12.2と閉鎖板15との間で閉鎖させられ、電気接続が、柔軟なブレード81を通じてバスバーB1およびB2の間で行われる(図39D)。
【0296】
別の言い方をすれば、出力端子4、5とバスバーB1およびB2との間の機械的および電気的な接続解除が、伝導性の柔軟なブレード81によってバスバーB1およびB2への電気的な接続によって同時に遂行される。バスバーB1およびB2へのこの電気的な接続は、蓄電池Aの代わりに電気的な継続を再び確立する一方で、蓄電池Aの分路を構成する。
【0297】
装置の動作を終了させるために、蓄電池Aの落下は、熱伝達液体Lを含む凹部において案内されて行われ得る(図39E)。したがって、熱伝達液体Lに埋め込まれた蓄電池Aは不活性とさせられる。熱伝達液体は、蓄電池が組み込まれる電池パックの冷却回路の熱伝達液体か、BMSの制御の下で凹部へともたらされる前記冷却回路から独立した液体か、または、蓄電池を加熱することで得られる相変化物質(PCM)の状態の変化から生じる液体であり得る。
【0298】
蓄電池の電圧および電流に依存して、電気アークの危険性のある場合、蓄電池は重力によって落下し、その機械的および電気的な接続解除を引き起こすとき、図28A図33Bを参照して先に記載されている手段を実施することが可能である。
【0299】
コイル21の代わりに、各々の出力端子4、5において電気的な加熱抵抗器を配置することが可能である。この加熱抵抗器の動力供給は、キュリー温度より高い温度まで永久磁石12.1を加熱するように設計される。そのため、永久磁石12.1は消磁され、完全に消磁される。
【0300】
コイル21に対する利点は、何らかの理由のため接続解除された蓄電池が閉鎖板15に近いままである場合でも、完全に消磁された永久磁石が柔軟なブレード81の磁気的な係止を防止できないことである。ここでは、例えば熱暴走の後といった、失陥した蓄電池の相当の加熱の場合、永久磁石12.1の消磁が、電子的な制御またはBMSなしで、それ自体の加熱によって得られる。
【0301】
接続解除がコイル21によって引き起こされるか電気的な加熱抵抗器によって引き起こされるかに拘わらず、失陥した蓄電池は、電気的な動力供給にとって最小である電圧および容量を呈する。そのため、この最小のエネルギーは、失陥の蓄電池の接続解除のために有利に利用される。
【0302】
典型的には、指示されているように、300daNの接触力で閉鎖ゲートのために一般的に使用される磁気係止部は、その係止解除のために、数秒間にわたる12V/550mAのパルスを必要とする。
【0303】
リチウムイオン蓄電池の場合、3Vの蓄電池についてのこの係止解除エネルギーは、失陥した蓄電池が困難なく供給できる数秒間にわたる2Aの電流に対応する。
【0304】
失陥した蓄電池に固有のBMS30の代わりに、コイル21または電気的な加熱抵抗器の電気的な動力供給を制御する他の電子監視システムを使用することが可能である。それは、電池パックの汎用BMS、または、電池パック内の蓄電池に専用とされる失陥していない蓄電池の汎用BMSであり得る。
【0305】
図40および図41は、記載されている磁気的な接続/接続解除および分路装置80の具体的な例示の実施形態を示しており、銅-ベリリウムから作られた種類のブレードまたは舌部81が、バスバーB1および/またはB2が挿入される絶縁の基材16にリベット82によって固定されている。
【0306】
図42Aおよび図42Bは、バスバーB1および/またはB2からの蓄電池Aの磁気的な接続解除の受動的な検出の変形を示している。ここでは、接続/接続解除装置10の固定部品が、リードスイッチと一般的に呼ばれる中継スイッチ90を組み込んでいる。
【0307】
このリードスイッチ90は、蓄電池において配置された永久検出磁石91を向いている。
【0308】
より明確には、リードスイッチ90を向く永久検出磁石91は、蓄電池AがバスバーB1および/またはB2に接続されるときにリードスイッチ90を閉じる(図42A)。
【0309】
蓄電池Aが接続解除されるとき、永久磁石91はスイッチ90を閉鎖するには遠すぎ、そのため開放する(図42B)。この開放は、BMS30および電気的な繋がり33、34で形成される回路の開放を引き起こす。したがって、完全に受動的に、BMS30は、蓄電池AがバスバーB1、B2から接続解除されるという事実を検出することができる。検出磁石91は、専用の磁石、または、蓄電池の磁気係止部の永久磁石であり得る。
【0310】
図43は、図38に示されている反転スイッチの有利な実施を示している。この実施では、分路との蓄電池Aの磁気的な接続解除は、その端子5のうちの1つだけによって行われ得る。
【0311】
図43に示された例では、蓄電池Aは、円筒の形状のものであり、例えばカバー9といった包装6の一方の側に出力端子5を備え、他方の出力端子4は、例えば底部8といった包装6の側のうちの他方にある。
【0312】
図43のこの例では、蓄電池は鉛直に配置されている。しかしながら、蓄電池を水平に配置することを想定することも完全に可能である。
【0313】
ここで、上部における出力端子5は、反転スイッチ70の磁気係止部11のうちの1つ(図39における左手側)によってバスバーB1に電気的に接続される。この接続は蓄電池Aの機械的強度を確保する。
【0314】
他方の出力端子4は、典型的には銅から作られ、描写されていない電気的に絶縁のシースによって有利に取り囲まれ得る電気的に伝導性のワイヤまたはホイル74によって、バスバーB2に電気的に接続される。
【0315】
図38において描写されているように、反転スイッチ70は、中心において関節72によって関節接合される剛体のブレード71を備える。同じく、電流は、電気的な繋がりを向上させるために電気的にスポット溶接された銅から好ましくは作られる金属編組73を用いて、このブレード71へともたらされる。
【0316】
剛体のブレード71は、その端の各々において、伝導性の部品17において必要な場合、コイル21が設けられた永久磁石12を伴う磁気係止部11を組み込む。
【0317】
強磁気係止部11のうちの1つと磁気回路を閉鎖するように各々意図された強磁性部品15は、バスバーB1およびB2と出力端子5とに配置される。
【0318】
接続構成では、ブレード71と出力端子5との間で左手側での接触が磁気係止部11によって閉鎖および係止され、右手側での接触は開放している。
【0319】
左手側における接触の永久磁石が、右手側における強磁性部品15が向かい合っている右手側における接触の永久磁石と比較して、強磁性部品15にはるかにより近いため、磁気的な誘引力が左手側においてはるかにより大きく、反転スイッチ装置70はこの位置で係止されたままとなる。
【0320】
旋回する剛体のブレード71を切り替えさせ、それによって反転による分路の生成で蓄電池の接続解除を達成するために、方法は以下のようになっている。
【0321】
BMSが、左手側におけるコイル21への電流の投入を命令し、そのため、コイルによって発生させられる磁界が、左手側における永久磁石12の磁界と反対になる。
【0322】
左手側における磁気係止部11が開放するとき、出力端子5だけが磁気的に接続解除され、蓄電池は重力によって落下する。
【0323】
同時に、剛体のブレード71が切り替わり、右手側の磁気係止部11は、右手側における接触をこの新たな位置(図43)において係止したままにし、制御コイル21の動力供給が切断され得る。
【0324】
したがって、この実施形態では、蓄電池Aの機械的および電気的な接続解除が出力端子のうちの1つにおいてのみ生成され、これは蓄電池Aを重力によって落下させる。反転スイッチ70によってバスバーB2に生成される同時の反転は、蓄電池Aの代わりに電気的な継続を再び確立する一方で、蓄電池Aの分路を構成する。
【0325】
ここでもまた、磁気係止部11を反転スイッチ70の剛体のブレード71に配置する代わりに、磁気係止部11はバスバーB1およびB2において位置付けられてもよい。
【0326】
ホイルまたはワイヤ74の十分な長さが、蓄電池Aが落下するときに蓄電池Aを邪魔しないように提供されることは、言うまでもない。
【0327】
記載されてきた磁気的な接続/接続解除装置10、60と、適切な場合に反転スイッチ装置70を伴う、適切な場合の磁気的な分路装置80とのすべてにおいて、蓄電池の失陥に続いて、または、電池パックの電気的な構造の変更のための必要性に従って、蓄電池の電気的および/または機械的な接続解除を実施し、必要な場合にパックの1つまたは複数の蓄電池の分路を製作することによって、電池パックの電気的な構造を再構成することが可能である。
【0328】
一部の実施形態は、BMSの介入なしで永久磁石の無効化を可能にし、つまり、完全に受動的な実施形態を可能にする。これらの実施形態は、最大限の安全性が個々の蓄電池の動作または電池パックの動作に望まれる場合に有利に実施され得る。
【0329】
別の言い方をすれば、磁気的な接続/接続解除装置10、60と、適切な場合に反転スイッチ装置70を伴う、適切な場合の磁気的な分路装置80とのすべてにおいて、要求に応じた能動的な制御の目的のために、および/または、パックの動作の継続を伴う安全の目的のために、異なる電池パックPの構造を製作することを想定することが可能である。
【0330】
図44図46は、バスバーB3を通じて他の同様の分岐部M2、M3と電気的に直列に繋げられる分岐部M1を形成するために、バスバーB1、B2によって複数の蓄電池A1、・・・Axの並列の接続を備える電池パックP1の、磁気的な接続/接続解除装置10を用いての製作を示している。
【0331】
各々の分岐部M1、M2、M3について、バスバーB1、B2が挿入される電気的に絶縁の基材16を備える接続組立体100が製作されている(図44)
【0332】
ハニカム構造101の凹部102において各々分岐部の複数の蓄電池A1、・・・Axを収容した後、接続組立体100は複数の接続/接続解除装置10によって固定される(図45)。
【0333】
次に、分岐部M1、M2、M3の一連の接続がバスバーB3を用いて生成される。
【0334】
失陥した蓄電池のユニット接続解除だけが望まれる場合、各々の分岐部M1、M2、M3の各々の蓄電池A1、・・・Axは、ここではそれに特有のBMS30を備える。
【0335】
例えば電池パックP1の動力を要求に応じて増加させるために、このような電池パックP1の能動的な制御が望まれる場合、分路60および/または1つもしくは複数の反転スイッチ70を伴う1つまたは複数の磁気的な接続/接続解除装置を用いて、分岐部を切断または一時的に動力供給することが可能である。この場合、好ましくは、各々の分岐部M1、M2、M3は、磁気係止部11への電流の投入を命令できる1つのBMSを備える。
【0336】
したがって、分路60.1、60.2を伴う2つの磁気的な接続/接続解除装置を伴う電池パックP1が図47および図48に示されている。
【0337】
パックP1の全出力動作では、装置のうちの一方60.1(図47および図48におけるパックの最も外側)は作動させられず、装置のうちの他方60.2(図47および図48におけるパックの最も内側)は、2つの分岐部M1、M2の間で直列に繋ぐバスバーB3として作用する(図47)。次に、分岐部のセットが接続される。電流の方向は図47に指示されている。
【0338】
パックP1のより小さい出力の動作の必要または要求のある場合、パックP1の全体のBMSは、全出力モードで非作動である装置60.1を作動させ、全出力モードでの作動である装置60.2を開放する(図48)。そのため、分岐部M1は、より小さい出力を提供するために分路される。
【0339】
全出力からより小さい出力への切り替えにおいてパックの信頼性をさらに向上させたい場合、2つの装置60.1、60.2の代わりに、その切り替え位置のうちの一方において、分岐部M1、M2のすべてを接続するためになど、および、その切り替え位置のうちの他方において、分岐部M1、M2の一方の分路を生成するためになど、バスバーB1およびB2の間に電気的な接続を生成する1つの反転スイッチ70を実施することが可能である。
【0340】
この実施形態は図49および図50に示されている。図49に示された全出力動作では、2つの分岐部の間、M1-M2、M2-M3で電気的な直列状態の接続が、図43を参照して記載および図示された反転スイッチ70.1、70.2、70.3によって確保される。したがって、金属編組73.1、73.2、73.3は、前の分岐部のバスバーB2と次の分岐部のバスバーB1との間に電気的な繋がりを確保する。
【0341】
必要な場合、特には、分岐部M2の失陥の場合、または、より低い出力で動作するためのパックP1についての要求の場合、パックP1の全体のBMSは、その剛体のブレードが旋回するように反転スイッチ70.2を作動させる(図46)。そのため、分岐部M2は分路され、パックP1は、なおも直列で接続されている他の分岐部M1およびM3の動力で動作できる。
【0342】
図51図53は、バスバーB3を通じて他の同様の分岐部M2、M3と電気的に直列に繋げられる分岐部M1を形成するために、バスバーB1、B2によって複数の蓄電池A1、・・・Axの並列の接続を備える電池パックP2の、磁気的な接続/接続解除装置60を用いての製作を示している。
【0343】
この構造では、蓄電池A1の失陥が、並列状態のその蓄電池A2、・・・Axにおいて大きな影響を有する可能性がある。実際、失陥した蓄電池A1の容量の喪失は、隣接する蓄電池A2によって補償されることはない。
【0344】
そのため、電池パックP2の電気性能レベルを確保するために、および、P2の動作または運転の継続を確保するために、失陥した蓄電池の分岐部M1、M2、またはM3を分路することが必要である。
【0345】
失陥した蓄電池を含む、分岐部の端における装置60の作動が、所望の磁気的な分路を生成し、それによってP2の動作の継続を生成する。
【0346】
図55図57は、バスバーB3を通じて他の同様の分岐部M2、M3と電気的に並列に繋げられる分岐部M1を形成するために、バスバーB1、B2によって複数の蓄電池A1、・・・Axの直列の接続を備える電池パックP3の、分路80を伴う磁気的な接続/接続解除装置を用いての製作を示している。
【0347】
電池パックP3の構造では、各々の分岐部M1、M2、M3の各々の蓄電池A1、・・・Axは、ここではそれに特有のBMS30を備える。
【0348】
この構造では、所与の蓄電池の失陥が、パックP3の全部において大きな影響を有する可能性がある。実際、直列状態の蓄電池の喪失は、失陥した蓄電池を含む分岐部の電圧の低減を引き起こす可能性があり、最終的には、分岐部同士の間の不均衡を伴う。不均衡は、パックP3の内部に過電圧をもたらす可能性があり、これは全般的な暴走を引き起こす可能性がある。
【0349】
この構造では、蓄電池の化学的性質を検討することが重要であり、これは過電圧に耐えることができなければならない。例えば、リチウムイオン蓄電池の場合、リン酸鉄リチウムLFPは、いわゆる「平坦な」放電曲線を有し、これは、充電または放電の間に均一な範囲を有することを可能にする。また、暴走の開始を知覚するために、公称電圧の少なくとも2倍に到達される必要があり、これは、2つの分岐部の間の電圧差を吸収することと、システムの全部を再び均衡させることとを可能にする。
【0350】
そのため、各々の失陥の蓄電池は、装置80によって分路されて接続解除され得る。
【0351】
したがって、電池パックP3の安全と運転の継続とが、失陥した蓄電池が何であれ、パックP3の各々の蓄電池に個々に専用とされる装置80を用いて常に確保される。
【0352】
磁気的な接続/接続解除装置のおかげで、記載された磁気的な分路で適する場合、従来技術による蓄電池を、溶接、ネジ留め、または任意の他の方法によって1つまたは複数のバスバーにより組み立てる方法と比較して実際に低減される電池パックの組み立て時間および製作コストが得られる。
【0353】
構成要素のうちの一部が図58および図59に示されている電池パックP3の組み立てのステップは、以下のようになり得る。
【0354】
ステップa/: 運転の継続を確保する柔軟なブレード81が基材16の下に位置決めされた状態で、バスバーB1、B2を組み込む接続組立体100が、電気的に絶縁の基材16において逆さまで位置決めされる。磁力が伴われているという前提で、ブレード81は閉鎖位置にあり、つまり、バスバーB1、B2において磁気的に係止されている。
【0355】
ステップb/: 蓄電池を各々収容するのに適するセル102の形態で凹部を備える、電気的に絶縁の材料から作られたハニカム構造101が、接続組立体100にスナップ嵌めによって固定される。
【0356】
ステップc/: 蓄電池A1、・・・Axが、相補的な形態の蓄電池の案内を生成するのに各々が適する形態のセル102へと挿入される。この段階において、各々の蓄電池が、装置80の磁気係止部11.1、11.2の永久磁石12.1、12.2の間の受動的な反発のおかげで、バスバーB1、B2の上方で磁気浮上にある。
【0357】
ステップd/: 次に、各々の蓄電池の下方で、分路の係止部11.2における磁場を相殺するために変化させられ得る磁界が、連続して加えられる。係止部11.2は、柔軟なブレード81のバネの効果の下で開放し、蓄電池は所定位置へと下降する。蓄電池の下の据え付ける磁界の低下は、磁気係止部11.1を通じたバスバーB1、B2への係止で蓄電池を接続させることができる。磁界の制御は、穏やかで漸進的な接続を得ることを可能にする。磁気係止部11.1において伴われる力は、蓄電池の重量を支持するのに十分であり、小さい接触抵抗を有する。
【0358】
ステップe/: このように形成された電池パックP3は、次に、電池パック冷却システムを含む基部103によって閉じられる。
【0359】
低減した組み立て時間およびコストに加えて、記載したステップを伴う方法は、(TSTの種類の)制限的な認定を通常は必要とする電気の流れる裸の部品を取り扱っていないという重要な利点を有する。
【0360】
本発明は、記載されている例に限定されず、具体的には、図示されていない変形の中での図示された例の特徴を互いと組み合わせることが可能である。
【0361】
他の変形および改善が、何らかの形で本発明の範囲から逸脱することなく想定され得る。
【0362】
概して、本発明による磁気係止部11は、図示された分路および反転スイッチを伴う磁気的な接続/接続解除装置の組立品の固定部品または可動部品のいずれかにおいて配置され得る。
【0363】
より明確には、蓄電池の分路が考えられる構成を除いて、蓄電池の出力端子において、または、バスバーと並んでのいずれかで、磁気係止部を組み込むことを想定することが可能であり、磁気的な閉鎖板は、バスバーの脇において、または、蓄電池の出力端子において、磁気係止部とそれぞれ協働する。
【0364】
本発明の背景において、任意のコイルは電池パックの蓄電池のいずれによっても動力供給され得る。有利な変形によれば、コイルが蓄電池の出力端子に組み込まれるとき、コイルはそれによって直接的に動力供給され得る。
【0365】
本発明による電池パックの有利な据え付けに関して、最初に係止での機械的および電気的な接続の前に、蓄電池は、望ましくない接触を回避するために、蓄電池の重量に相対する磁力のおかげであり得る磁気浮上に各々なっている。この浮上を可能にする適用された磁界は、蓄電池と、蓄電池が機械的および電気的に接続されて係止されなければならないバスバーとの間の漸進的な接近を管理することができるように可変でなければならない。
【0366】
以下のことを通じてこの可変磁界を適用するいくつかのやり方を想定することが、可能である。
- 永久磁石が設けられた外部工具を通じてであり、その永久磁石の磁界は、永久磁石を蓄電池から離すように移動することか、外部コイルを使用することか、または、蓄電池の端子のうちの1つに組み込まれる係止部のコイルを使用することのいずれかによって変化するようにさせられる。
- バスバーの脇におけるブレードを通じてであり、そのバスバーは、永久磁石と、磁界が変化するようにさせられるコイルとを備える磁気係止部を組み込む。
【0367】
図示された例を通じて、本発明による蓄電池の包装は剛体の包装(筐体)であるが、本発明は、磁気係止部または対応する磁気閉鎖板が組み込まれ得る柔軟な包装を伴うすべての蓄電池に明白に適用される。
【0368】
図示された例を通じて、本発明による蓄電池の筐体は電気的に伝導性であるが、本発明は、電気的に絶縁の筐体を伴うすべての蓄電池に明白に適用される。
【0369】
さらに、図示された例を通じて、本発明による蓄電池の出力端子は、概して円筒の形態を有するが、本発明は、すべての端子の幾何学的形態(正方形、長方形、六角形、または他の断面)に明白に適用される。
【符号の説明】
【0370】
4、5 出力端子、套管
6 筐体
9 カバー
10 接続/接続解除装置
11、11.1 磁気係止部
12、12.1、12.2 永久磁石
13 空洞
14 強磁性部品
15 強磁性部品、閉鎖板
16 絶縁の基材
17 オス部品、空洞
18 歯付係止座金、波形座金
19 突起
20 心棒
21 コイル
22 電気的な加熱抵抗器
24 メス部品
25 空洞
26 蓋
27、28 座金
29 貫通オリフィス、貫通孔
30 BMS
31、32 舌部
33、34 電気的な繋がり
40 インターフェースアダプタ
41 本体
42 貫通凹部
44 包囲体
45 中心開口
46 空洞
47 塞ぐ蓋
50 座金
51 棘部
52 部品
60 分路装置、接続/接続解除装置
60.1、60.2 分路装置
61 柔軟なブレード
62 固定位置
70、70.1、70.2、70.3 分路装置、反転スイッチ装置
71 剛体のブレード
72 関節
73、73.1、73.2、73.3 金属編組
74 ワイヤ、ホイル
80 磁気的な分路装置
81 柔軟なブレード、舌部
82 固定位置、リベット
90 リードスイッチ、中継スイッチ
91 永久検出磁石
100 接続組立体
101 ハニカム構造
102 凹部、セル
120 プラスト磁石
141 高さ
150 切り込み
A、A1、Ax 蓄電池
B1、B2、B3 バスバー
C 電流、磁気回路
e 空隙
F 磁束、磁気回路
L 熱伝達液体
M1、M2、M3 分岐部
P1、P2、P3 電池パック
T1 自己加熱温度
T2 熱暴走温度
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図8A
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28A
図28B
図29A
図29B
図30
図31
図32
図33A
図33B
図34
図35
図36
図37
図38
図39A
図39B
図39C
図39D
図39E
図40
図41
図42A
図42B
図43
図44
図45
図46
図47
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図49
図50
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