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  • 特許-空気圧縮機 図1
  • 特許-空気圧縮機 図2
  • 特許-空気圧縮機 図3
  • 特許-空気圧縮機 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】空気圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04B 49/10 20060101AFI20240226BHJP
   G06F 21/44 20130101ALI20240226BHJP
【FI】
F04B49/10 331N
G06F21/44
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019173206
(22)【出願日】2019-09-24
(65)【公開番号】P2021050639
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 祐
(72)【発明者】
【氏名】任 之家
(72)【発明者】
【氏名】梅田 憲
【審査官】岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/118900(WO,A1)
【文献】特開2019-012945(JP,A)
【文献】特開2005-165601(JP,A)
【文献】特開2015-169072(JP,A)
【文献】特開2002-021851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 49/10
G06F 21/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気の圧縮と蓄積を行う機構部と、
前記機構部に動力を与える電動部と、
前記電動部に供給する電力を制御する制御装置とを有し、
前記制御装置は、
前記電動部と表示部を制御する制御部と、
通信機能を備えた通信部を有し、
外部端末と認証を行う際に、認証に用いる暗証番号を生成し、
電線を介して前記制御装置と接続されて電力の供給を受ける表示部に前記暗証番号を表示させるように制御し、
前記認証を行う際に、外部端末と接続されていないとき、前記通信部が、前記暗証番号を生成し、前記暗証番号を前記制御部に送信し、
前記通信部は外部端末と接続されていれば認証を中止することを特徴とする空気圧縮機。
【請求項2】
請求項に記載の空気圧縮機において、
前記通信部は、
前記制御部で受信可能な前記暗証番号に変換し、変換した前記暗証番号を、有線通信を介して前記制御部に送信することを特徴とする空気圧縮機。
【請求項3】
請求項に記載の空気圧縮機において、
前記制御部は、
前記通信部からの前記暗証番号を前記表示部で表示可能なデータ形式に変換することを特徴とする空気圧縮機。
【請求項4】
請求項に記載の空気圧縮機において、
前記暗証番号の桁数が表示可能な桁数を超えた場合には、
前記表示部は、
前記暗証番号を、順次表示することを特徴とする空気圧縮機。
【請求項5】
請求項1に記載の空気圧縮機において、
前記制御装置は、
乱数に基づいて前記暗証番号を生成することを特徴とする空気圧縮機。
【請求項6】
請求項1に記載の空気圧縮機において、
前記制御装置は、
外部端末から受け取った暗証番号と、生成した前記暗証番号を比較し、両者が一致した場合には、一時鍵を前記外部端末に送付することを特徴とする空気圧縮機。
【請求項7】
請求項1に記載の空気圧縮機において、
前記表示部は、
着脱可能な表示端末の一部であり、
前記表示端末は、前記制御装置と有線通信もしくは無線通信を介して通信することを特徴とする空気圧縮機。
【請求項8】
請求項1に記載の空気圧縮機と前記外部端末との間で通信する通信方法であって、
前記表示部は第1の暗証番号を表示し、
前記外部端末の第2の暗証番号と前記第1の暗証番号とが一致した場合に、
前記空気圧縮機と電線により接続され、電力の供給を受ける前記表示部を備える前記外部端末との間で暗号通信を行うことを特徴とする通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気圧縮機は、工場内や工事現場など、建造物の内外にかかわらず圧縮された流体を需要者の所へ提供する目的で広く使用されている。空気圧縮機は、配管を通して空気を搬送するだけでなく、空圧によって動作する工具やブレーキの原動力としても使用されている。
【0003】
空気圧縮機が工具の原動力として使用される場合、工具の起動停止は工具自体の弁で操作可能であることが多いが、空気供給の停止や空気圧力の制御は、圧縮機本体のスイッチで操作する必要がある。そのため、作業者は、空気圧縮機の状態を確認したり、空気圧力を変更したりする場合に、工具を使用している場所から本体のある場所まで移動して操作する必要がある。作業能率や単純な利便性を向上するためには、遠隔から空気圧縮機を監視、操作する機能が必要である。
【0004】
遠隔から空気圧縮機を監視、操作する空気圧縮機に関して特許文献1が知られている。特許文献1には、「商用電源からの電力の供給により駆動されるモータと、モータの駆動により圧縮空気を生成する圧縮空気生成部と、圧縮空気生成部によって生成された圧縮空気を溜めるタンクと、モータの駆動を制御する制御基板と、本体情報を外部端末へ送信する本体側通信部とを有することで、空気圧縮機が設置された場所まで移動することなく、空気圧縮機の状態を確認可能にさせる、空気圧縮機」が記載されている(要約を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-145662
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、外部端末と無線通信でデータのやりとりが可能な空気圧縮機が記載されているが、通信内容の機密性については配慮がされていない。このため、第三者による通信内容の傍受や、空気圧縮機の無断操作により、空気圧縮機やオーナーに被害が発生する可能性がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、安全な通信に基づいた、遠隔監視や遠隔操作を実現する空気圧縮機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の好ましい一例としては、空気の圧縮と蓄積を行う機構部と、前記機構部に動力を与える電動部と、前記電動部に供給する電力を制御する制御装置とを有し、
前記制御装置は、前記電動部と表示部を制御する制御部と、通信機能を備えた通信部を有し、外部端末と認証を行う際に、認証に用いる暗証番号を生成し、電線を介して前記制御装置と接続されて電力の供給を受ける表示部に前記暗証番号を表示させるように制御し、前記認証を行う際に、外部端末と接続されていないとき、前記通信部が、前記暗証番号を生成し、前記暗証番号を前記制御部に送信し、前記通信部が単体の外部端末との接続のみ許容する場合は外部端末と接続されていれば認証を中止する空気圧縮機である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、安全な通信に基づいた、遠隔監視や遠隔操作を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1における空気圧縮機のブロック図である。
図2】実施例1におけるデータ処理のプロトコルを示した図である。
図3】実施例2における空気圧縮機のブロック図である。
図4】実施例3における空気圧縮機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、実施例1における空気圧縮機のブロック図である。図2は、実施例1における制御部と通信部と外部端末との間におけるデータ処理のプロトコルを示した図である。
【0013】
本実施例は、通信機能を有する空気圧縮機を構成した例である。空気圧縮機100は、空気を内部に蓄圧するタンクや圧縮機構で構成される機構部107と圧縮機構を駆動するモータや冷却ファンで構成される電動部105と、電動部105に供給される電力を電子的手段により制御する制御装置110で構成される。
【0014】
制御装置110は、電動部105および表示部101を制御するためのIC(例えば、マイコンやFPGA等)や電子部品(例えば、抵抗やコンデンサ、発振回路等)、電力素子(例えば、トランジスタやリレー等)がプリント基板上にはんだ付け等の手段で実装された電子回路基板である。
【0015】
制御装置110は、電動部105を制御するため利用される回路部品およびIC内のマイコンもしくはソフトウェア機能で構成する制御部103と、外部に電波を発信するアンテナを含む回路部品およびIC内のマイコンもしくはソフトウェア機能で構成する通信部109と、回路部品である表示部101とで構成される。表示部101は、数値等が表現可能な表示部品(LEDや液晶等)であり、空気圧縮機100の機構部107の空気圧力や温度の表示に利用する。
【0016】
電動部105を制御する制御部103と通信機能を担う通信部109は、それぞれ異なるICを有し、そのソフトウェア機能として提供される。制御部103と通信部109は、電気配線および信号配線で図1のように接続されており、互いに信号のやりとりが可能である。
【0017】
通信部109は、アンテナに電力を供給することで産業科学医療用バンドの電波(例えば2.4GHz帯の電波)を発信し、電波受信装置を備えた外部端末201(例えば携帯端末や設置型演算装置等)と無線回線により通信を行うことができる。
【0018】
空気圧縮機100と外部端末201は、任意の通信方式(例えば無線LAN等)を用い、無線通信を用いて電子データを相互あるいは一方向に送受信することができる。即ち、通信部109は、電波の送信と受信の両方に使用することができる。通信部109は、内部にCPUやメモリ等の電子部品を内包した集積回路(例えば、System On a Chip等)である。
【0019】
空気圧縮機100は、外部からの電源供給で稼働し、外部からの電源供給が遮断されると停止する。供給された電源は制御装置110に通電し、制御装置110からの運転指令により、電動部105に供給される。制御部103および通信部109に実装されたICのプログラムは、それぞれの不揮発性メモリに記録されており、通電時に読み込まれる。
【0020】
制御装置110は、電源遮断時に動作しないが、稼働中に変更した設定等のデータや無線通信を介して書き出された電子データの一部は、停止前に不揮発性メモリに保持して、次回起動時に読み出すことができる。
【0021】
本実施例では、通信セキュリティを高めた遠隔監視、遠隔操作機能を実現する通信方式を採用する。つまり、本実施例は、近接通信規格の一つであるBluetooth(登録商標)の通信規格の一種であるBluetooth Low Energy(以下、BLE)を利用する。BLEは、接続開始時に安全に暗号通信を開始するための仕組み(以下、ペアリング)を備えている。BLEは、仕様の変遷により、複数のバージョンが存在する。ここではバージョン4.1以降(例えばバージョン4.2等)を対象とする。
【0022】
BLEを使用するための各種機能は、通信部109のソフトウェアおよびハードウェアとして実装されている。Bluetoothの基本的な設計基準は、その規格団体であるBluetoothSIGの公開する仕様書に準拠する。以下で記載するBLEのデータ処理の手続きに関して、標準的な設計は規格団体の公開する仕様書に準拠する。
【0023】
図2に示す通り、BLEを使用した通信を空気圧縮機100と、外部端末201との間で行う。通信部109は、アンテナに電力を供給して、外部に自身の個別信号とサービス内容をデータとして伝える電波を送信する。これはアドバタイズと呼ばれる。
【0024】
外部端末201は、通信部109が発信する電波の受信に適したアンテナと電波の内容を解釈することが可能なソフトウェアを有しており、受信した通信部109の信号に対して、BLE規格に準じた接続要求を無線で送信する。
【0025】
通信部109は、外部端末201から接続要求を受信すると、接続時に使用するセキュリティ条件の設定を送信する。セキュリティ条件の設定は互いに通知し合う。
【0026】
BLE規格のセキュリティ条件は、先ずデータ署名の有無でモードが分かれるが、ここではデータ署名を用いない方法とする。データ署名を用いないとき、セキュリティのレベルは低い順に、暗号化を使用しない場合、認証を使用せずに暗号化を行う場合、認証を使用して暗号化を行う場合の3通りが仕様で規定されており、ここでは、認証を使用して暗号化を行う方法とする。暗号化の方式が複数存在するが、本実施例では特に限定しない。
【0027】
認証方式としては、パスキー表示方式と数値比較方式のいずれかが提供される。パスキー表示方式は、接続を開始する機器の一方で暗証番号を生成し、表示部に暗証番号を表示する。そして、表示部に表示された暗証番号を他方の機器に、操作者が入力し、一方の機器で生成された暗証番号と他方の機器に入力された暗証番号を、一方の機器で照合し、接続を認証する方法である。
【0028】
数値比較方式は、接続を開始する両方の機器で特定の関数で算出した乱数を生成し、お互いに交換した乱数を基に生成した暗証番号をそれぞれの機器に表示し、互いの番号が一致している場合に、接続を要求した機器が接続の認証を許可する方法である。接続の認証を許可するのは、表示された番号が一致した場合に、例えば、操作者が接続を要求した機器に承認の操作をするという構成にすればよい。本実施例では、パスキー表示方式を中心に説明するが、いずれの方式にも適用することができる。
【0029】
通信部109は、外部端末201のセキュリティ条件が、通信部109の要求レベルよりも低い場合、接続を直ちに切断する。
【0030】
通信部109のセキュリティ条件と外部端末201のセキュリティ条件が、認証を使用して暗号化を行う条件である場合、通信部109は、暗証番号を生成し、外部端末201に暗証番号の入力要求を送信する。
【0031】
通信部109は、生成した暗証番号を、制御部103の受信可能なデータ(例えば、Modbusフォーマット等)に変換するデータ処理を実行し、暗証番号データを制御部103に有線で送信する。
【0032】
制御部103は、暗証番号データを完全に受信したことを通信部109に返信する。
【0033】
制御部103は、受信した暗証番号データを表示部101で表現可能なデータ形式(例えば、7セグメントディスプレイのパターン等)に変換する表現処理を実行し、表示部101に表示する。
【0034】
表示部101の表示可能桁数が十分な場合は、そのまま暗証番号を全て表示する。一方、表示部101に表現可能な数値の桁数を暗証番号の桁数が超過している場合は、表示している桁数の順序が判別可能な方法で数値を順番に繰り返し表示する。
【0035】
例えば、暗証番号が6桁で、表示部101の表現可能桁数が4桁の場合、まず上位4桁を表示し、次に下位2桁を表示するというように、表示部101が暗証番号を順次表示するようにしてもよい。他にも桁数の順序が判別可能な標識(例えば、アルファベットやマーク等)を同時に表示部101に表示させ、順番に暗証番号を繰り返し表示する方法でも良い。
【0036】
外部端末201の操作者は、表示部101に表示された暗証番号を目視で確認し、その暗証番号を外部端末201に入力し、外部端末201から通信部109に送信する。
【0037】
通信部109は、受信した暗証番号と生成した暗証番号を比較する。暗証番号が一致していた場合、通信部109は、接続後の通信内容の暗号化に使用する一時的な暗号鍵を外部端末201に送付する。暗証番号が異なる場合、通信部109は、接続を直ちに切断する。
【0038】
一時鍵を外部端末201に送付以降は、外部端末201と通信部109の間で、暗号化された無線通信を行う。
【0039】
図2に示す外部端末201と通信部109の間の認証手続きをペアリングと呼ぶ。通信部109は、通信部109の設計仕様が許容する範囲で、複数の外部端末201とペアリング可能である。
【0040】
ペアリング済みの複数の外部端末201と通信部109は、同時に接続可能であり、各外部端末と順番に通信を行う。ただし、通信部109の設計仕様が単体の外部端末201との接続のみ許容する設計である場合は、2台目以降の外部端末201とは接続されない。
【0041】
安全なペアリングを行うためには、数値の照合を行うための表示部が必要だが、BLEを使用した通信機能を有した電子部品であるICも単体では、表示部は備えていなかった。また、数値照合を用いないペアリングも可能だが、空気圧縮機のような産業機械では、第三者が無断で装置を操作する可能性があり、安全上の問題があった。
【0042】
ペアリングを実行するスマートフォンのような外部端末は、キーボードやモニタといった入出力機能を備えているが、ペアリングを行う機器の片方だけが入出力装置を有している場合、安全な接続は保証されない。このため、数値照合には、BLEを使用した通信機能に適用できる表示部が必要であるが、空気圧縮機にBLEを使用した通信機能に適用できる専用の表示部を備えることは、コストや保守性の観点から採用が難しい。このようなBLEを使用した通信機能における問題を、本実施例では解決できる。
【0043】
前述したような実施例1の構成とすることにより、新たに表示部を追加することなく、空気圧縮機に元々備わっている表示部を利用して、BLEの認証に使用する暗証番号を空気圧縮機に表示させることが可能である。
【0044】
さらに、暗証番号を生成する通信部と表示部を制御する制御部は、機器内部の機密性の高い有線通信で接続されているため、仮想的に外部端末と制御部を安全な手段で無線接続することができ、高いセキュリティを保持した通信機能が実現可能である。
【0045】
これにより、空気圧縮機を利用する作業者が、圧縮機本体の状態を確認したり、圧力を変更したりする操作を、工具等を使用している場所から遠隔的に実施することが可能である。
【実施例2】
【0046】
図3は、実施例2の空気圧縮機のブロック図である。実施例2の空気圧縮機は、その構成は特に言及する以外は実施例1と同様である。
【0047】
図3に示すように、実施例1に示した空気圧縮機と略同様な構成であるが、空気圧縮機200は、機構部107と電動部105と、電動部105に供給する電力を電子的手段により制御する制御装置120で構成される。
【0048】
制御装置120は、実施例1に示した制御装置110と略同様な構成であるが、表示部203が構成に含まれない。表示部203は、空気圧縮機200ないし制御装置120から着脱可能な形態で提供される。
【0049】
表示部203は、空気圧縮機200との間に電線(例えば、同軸ケーブルやツイストペアケーブル等)を介して有線通信による接続をする。そして、表示部203は、制御装置120と電気的な接続を有し、電力の提供を受ける。表示部203が空気圧縮機200に接続されているとき、表示部203は、制御部103と有線による通信でデータを送受信することが可能である。
【0050】
例えば、制御部103が表示部203に任意の文字や数字等のデータを送信し、表示部203が受信したデータに基づいた文字や数字を表示することができる。表示部203は、空気圧縮機200から取り外した状態でも内蔵の電池により駆動することができ、制御装置120と接続中に受信したデータを内部ストレージに保管し、別の場所に移動することが可能である。
【0051】
実施例2の構成とすることにより、実施例1に記載した効果が得られると同時に、表示部の位置を圧縮機本体から離れた場所に配置することができ、暗証番号を確認する際に高い視認性が期待できる。さらに、複数の空気圧縮機がある場合に、全ての空気圧縮機と外部端末とのペアリングを一台の表示部で完了することができ、表示部の流用が可能である。
【0052】
ペアリング後は、空気圧縮機の状態確認や操作といった作業は、表示部203にて実施可能である。また、複数の空気圧縮機と接続を行う際に、ある1台の空気圧縮機の設定情報を他の空気圧縮機に複製するような利用も可能である。
【実施例3】
【0053】
図4は、実施例3の空気圧縮機のブロック図である。実施例3の空気圧縮機の構成は特に言及する以外は実施例1および2と同様である。
【0054】
図4に示す本実施例では、実施例1および2に示した空気圧縮機と略同様な構成であるが、空気圧縮機300は、着脱可能な部品である表示端末303を有している。表示端末303は、独立した制御機能と、独立した電池と、有線通信機能と、無線通信機能を有する端末(例えば、タブレット型パーソナルコンピューター等)である。
【0055】
表示端末303は、空気圧縮機300と有線で接続されているときは、制御装置120と通信可能であり、空気圧縮機300と無線で接続されているときは、通信部109と通信可能である。
【0056】
表示端末303は、空気圧縮機300に有線か無線のいずれかの状態で接続されているときに、制御部103の内部データ(例えば、空気圧力等)を表示する機能を有する。また、表示端末303は、外部端末301と通信部109がペアリング等の手段によりBLEで無線接続を行う際に、暗証番号等を表示することができる。
【0057】
表示端末303が制御装置120と有線で接続している時、通信部109は、生成した暗証番号を実施例1に記載の方法で表示端末303に表示する方法で外部端末301との間でペアリングを行う。
【0058】
表示端末303が通信部109と無線で接続している時、通信部109は、生成した暗証番号を表示端末303に送信し、表示端末303に表示する方法で外部端末301とペアリングを行う。
【0059】
このような実施例3の構成とすることにより、実施例1および2に記載した効果が得られると同時に、表示端末303を外部端末301のように利用することができる。
【0060】
また、空気圧縮機の出荷時に表示端末303と通信部109が無線で接続されているため、空気圧縮機の利用者が自分でペアリング等の作業をする必要がなくなり、外部端末301の個別仕様によって発生する可能性のある問題を回避したサービスが提供できる。
【0061】
前述した実施例における制御装置内の通信部109と制御部103の処理は一例である。通信部109が前述した制御部103の機能の一部を代わりに実行してもよいし、制御部103が通信部109の機能の一部を代わりに実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
101、203 表示部
303 表示端末
103 制御部
105 電動部
107 機構部
109 通信部
110、120 制御装置
100、200、300 空気圧縮機
201、301 外部端末
図1
図2
図3
図4