(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】スペーサーシート、床材用説明書、床材梱包体及び床材施工方法
(51)【国際特許分類】
E04F 21/22 20060101AFI20240226BHJP
E04F 15/04 20060101ALN20240226BHJP
【FI】
E04F21/22
E04F15/04 Z
(21)【出願番号】P 2019220349
(22)【出願日】2019-12-05
【審査請求日】2022-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】390030340
【氏名又は名称】株式会社ノダ
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】後藤 基弘
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-255245(JP,A)
【文献】特開平10-152978(JP,A)
【文献】特開平10-037439(JP,A)
【文献】特開2006-322145(JP,A)
【文献】特開平03-295968(JP,A)
【文献】特開2011-202381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 21/22
E04F 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣り合う木質系床材の雄実と雌実が嵌合されて敷設される前記木質系床材の施工時において隣り合う複数の前記
木質系床材間に設置されるシート状のスペーサーを複数有し、互いに切離し部で切断可能に連結された複数の前記スペーサーが一部又は全部に設けられて
おり、
厚さが0.3mm以上0.5mm以下であるスペーサーシート。
【請求項2】
前記切離し部は、
切除されて形成され、互いに離隔して配置された複数の切除部と、
前記複数の切除部の間に形成され、隣り合う前記スペーサー同士を連結する連結部と、
を有する請求項1に記載のスペーサーシート。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のスペーサーシートを備え、前記スペーサーシートの少なくとも片面に施された図又は文字を含む表示部を有する
木質系床材用説明書。
【請求項4】
請求項1若しくは2に記載のスペーサーシート又は請求項3に記載の
木質系床材用説明書と、複数の
木質系床材とが一つに収容されている
木質系床材梱包体。
【請求項5】
請求項1若しくは2に記載のスペーサーシート又は請求項3に記載の
木質系床材用説明書における前記スペーサーを切り離すステップと、
切り離された前記スペーサーを一の
木質系床材の端面に設置するステップと、
前記スペーサーを間に挟んで前記一の
木質系床材の隣に他の
木質系床材を設置するステップと、
を備える
木質系床材施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スペーサーシート、床材用説明書、床材梱包体及び床材施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
床材(フロア)の施工では、床下地材又はリフォームの際には既存の床材などの表面上に、床材同士が互いに隣接されて敷設される。床材を敷設する場合において、隣接する床材同士の間(継ぎ目)は、可能な限り小さく隙間(目隙)がないことが望ましい。しかし、木質系床材では、施工後、床材本体が水分を吸って伸長する場合があり、床材の側端部同士が突き合わされて突き上げられ、床材が波打つおそれがある。この問題は、床材本体の裏面側に弾性力を有するクッション材が積層された床材を敷設する場合に生じやすい。
【0003】
そこで、床材を施工する際、床材間に薄板状のスペーサーを挟むようにして、床材を敷設していくことによって、床材間に所定の隙間が確実に生ずるようにしておく。スペーサーは床材施工後に床材間から取り外される。
【0004】
下記の特許文献1では、クッション層が積層された木質系床材を施工する場合において、床材間に床材の含水に起因する伸び量に相当する厚さのスペーサーを介装して敷設固定し、その後、スペーサーを外すことが開示されている。また、下記の特許文献2では、床材の端面に予め間隙調整材を貼り付けておき、床材を床下地に施工した後、間隙調整材を除去することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平3-295968号公報
【文献】特開2006-322145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載された発明によれば、床材の施工時に間隙調整材をいちいち介装する必要がなく、床材の施工現場では作業性が良い。一方、スペーサー(間隙調整材)を床材に対して貼り付けるという事前の作業が床材の製造工程で生じる。
【0007】
また、床材の搬送中にスペーサーが落ちないようにするため、粘着材等の材料を介してスペーサーを床材に保持させる必要がある。そのため、スペーサーを現場で設置する場合と異なり、粘着材等の別材料が必要になる。さらに、スペーサーを外す際、粘着材によって床材が傷む可能性があり、床材が傷まない粘着材の選択を行う必要がある。
【0008】
またさらに、スペーサーを床材の施工現場で設置する方法が採用される場合、従来、
図7に示すように、スペーサー20は1枚ずつばらばらの状態でビニール袋22に封入されている。ビニール袋22には、梱包された1セットの床材(例えば1坪分)の敷設に必要な枚数(例えば30枚)のスペーサー20が封入される。
図7に示す例では、ビニール袋22に封入されたスペーサー20が10枚1組で封入されるように、溶着等による区切り部24が形成されている。
【0009】
スペーサーのサイズは、床材間に隙間が設けられるように施工できる必要最小限の寸法があればよく、人の手指に対して比較的小さいものが使用されている。この方法では、現場施工時において、スペーサーを取り出すため、ビニール袋を破くという作業が必要であり、施工に手間や時間がかかる。また、床材の敷設作業時において、複数枚のスペーサーが風等によってばらばらにならないようにしなければならず、ポケットにまとめて入れたとしても、ばらばらのスペーサーを1枚ずつ取り出す作業は手間を取られるため、作業の流れやリズムが悪くなり時間がかかるという問題がある。さらに、複数枚のスペーサーを落としてしまうと、拾い集めるという作業が生じてしまい、非常に効率が悪い。他方、床材の製造工程及び梱包工程では、複数のスペーサーをビニール袋に封入する作業が生じているため、床材の製造及び梱包時においても手間や時間がかかる。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、床材の施工時において、スペーサーを取り扱いやすくし、スペーサーを迅速かつ確実に床材間に設置することが可能なスペーサーシート、床材用説明書、床材梱包体及び床材施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のスペーサーシート、床材用説明書、床材梱包体及び床材施工方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係るスペーサーシートは、床材の施工時において隣り合う複数の前記床材間に設置されるシート状のスペーサーを複数有し、互いに切離し部で切断可能に連結された複数の前記スペーサーが一部又は全部に設けられている。
【0012】
この構成によれば、シート状のスペーサーが、床材の施工時において隣り合う複数の床材間に設置されることによって、床材を敷設する際、床材間に所定の隙間が確実に生ずる。複数のスペーサーが互いに切離し部で切断可能に連結されており、スペーサーシートにおいて複数のスペーサーが一部又は全部に設けられていることから、ばらばらになりにくく、作業者は複数枚のスペーサーを取り扱いやすい。床材を施工する際、作業者は連結部分を切り離して1枚ずつスペーサーを床材間に設置することができる。
【0013】
上記発明において、前記切離し部は、切除されて形成され、互いに離隔して配置された複数の切除部と、前記複数の切除部の間に形成され、隣り合う前記スペーサー同士を連結する連結部とを有してもよい。
【0014】
この構成によれば、スペーサーシートが切除されて形成された複数の切除部が、互いに離隔して配置され、複数の切除部の間に形成された連結部が、隣り合う複数のスペーサー同士を連結する。これにより、複数の切除部と連結部によって切離し部が形成され、スペーサー同士が切り離されやすくなっている。
【0015】
本発明に係る床材用説明書は、上述したスペーサーシートを備え、前記スペーサーシートの少なくとも片面に施された図又は文字を含む表示部を有する。
【0016】
この構成によれば、スペーサーを切り離すことが可能なシートとして用いられつつ、図又は文字を含む表示部が、スペーサーシートの少なくとも片面に施されることによって、床材用説明書としても用いられる。床材が施工された後に廃棄されるスペーサーと床材用説明書が兼用されており、物品の廃棄量を減少させることができる。なお、床材用説明書とは、床材の取扱説明書、施工説明書、スペーサーに関する説明書等である。
【0017】
本発明に係る床材梱包体は、上述したスペーサーシート又は上述した床材用説明書と、複数の床材とが一つに収容されている。
【0018】
この構成によれば、スペーサーを有するシート又は床材用説明書が、複数の床材と共に一つの床材梱包体に収容される。複数のスペーサーを一つに収容するためのビニール袋等が不要になり、廃棄される物品を減少させることができる。
【0019】
本発明に係る床材施工方法は、上述したスペーサーシート又は上述した床材用説明書における前記スペーサーを切り離すステップと、切り離された前記スペーサーを一の床材の端面に設置するステップと、前記スペーサーを間に挟んで前記一の床材の隣に他の床材を設置するステップとを備える。
【0020】
この構成によれば、床材を施工する際、作業者は連結部分を切り離して1枚ずつスペーサーを床材間に設置でき、スペーサーがばらばらになりにくいことから、作業効率が高まる。また、複数のスペーサーを一つに収容するためのビニール袋を破く作業が不要になり、作業にかかる時間や手間が減少する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、床材の施工時において、スペーサーを取り扱いやすくし、スペーサーを迅速かつ確実に床材間に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係るスペーサーシートを示す平面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るスペーサーシートを示す平面図であり、スペーサーを切り離した状態を示す。
【
図3】本発明の一実施形態に係るスペーサーシートの第1変形例を示す平面図である。
【
図4】施工時においてスペーサーが床材間に設置された状態を示す斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るスペーサーシートの第2変形例を示す平面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るスペーサーシートの第3変形例を示す平面図である。
【
図7】スペーサーが収容されたビニール袋を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施形態に係るスペーサーシート1(以下「シート1」という。)は、
図1に示すように、1枚のシート状部材であり、一体化された複数のスペーサー2を有する。なお、本発明において、シート1又はスペーサー2のサイズや板厚、材料などは、後述する例に限定されず、他のサイズや板厚、材料でもよい。シート1の厚さは、スペーサー2が床材間に設置される際の床材間に設けられる隙間寸法に応じて設定され、例えば0.3mm以上0.5mm以下である。ここで、シート状部材とは、ある程度形状が保持される薄板状のものを含む。
【0024】
床材を敷設する際に隣り合う床材の雄実と雌実を嵌合するため、床材を叩く作業が発生する場合がある。そのため、スペーサー2は、押圧によって板厚が変化しにくい材料や、板厚の変化を見込んだ厚さであることが望ましい。スペーサー2は、例えば紙製であり、プラスチック製、形状が保持される布製、金属製(例えば金属箔)などでもよい。
【0025】
スペーサー2は、例えば、
図4に示すように、床材50の施工時において隣り合う複数の床材50間に設置される。これにより、床材50を敷設する際、スペーサー2の厚さ分、床材50間に所定の隙間を迅速かつ確実に設けることができる。床材50が設置された後、スペーサー2は取り外される。床材50の施工後、床材50の木質系の本体部が水分を吸って伸長したとしても、床材50の側端部同士が突き合わされづらくなるため、床材50が突き上げられたり、床材50が波打った状態となりにくくなる。
【0026】
床材50の本体部の裏面側に弾性力を有するクッション材が積層された床材50では、木質系の本体部が床下地材に固定されず、本体部が伸長して互いに突き合わされやすい。そのため、クッション材が積層された床材50を施工する場合において、スペーサー2が用いられると効果的である。
【0027】
スペーサー2は、それぞれ長方形状を有し、作業時におけるスペーサー2の取り扱いやすさを考慮したサイズであり、例えば一方向(例えば、
図1等の図面上の縦方向。以下「縦方向」という。)が15mm、一方向に交差する方向(例えば、
図1等の図面上の横方向。以下「横方向」という。)が40mmである。シート1において、隣り合うスペーサー2同士が互いにミシン目3で切断可能に連結されている。
図2に示すように、ミシン目3において、隣り合うスペーサー2同士が切り離される。
【0028】
図1に示すシート1は、30枚のスペーサー2を有しており、スペーサー2が縦方向に6段、横方向に5列で配置されている。
図1に示す例では、スペーサー2はシート1において全部に設けられている。スペーサー2のサイズが縦方向15mm、横方向40mmである場合、スペーサー2が切り離される前のシート1のサイズは、縦方向90mm、横方向200mmとなる。これにより、切り離される前のシート1は、作業者が取り扱いやすいサイズとなっている。
【0029】
ミシン目3は、切離し部の一例であり、隣り合うスペーサー2同士を連結し、例えば複数の連結部5と、複数の切除部6を有する。ミシン目3は、直線状であり、シート1において縦方向に対して平行、又は、横方向に対して平行に形成される。複数のミシン目3は、例えば格子状に設けられる。
【0030】
連結部5は、隣り合う複数のスペーサー2を連結しており、複数の切除部6の間に形成される。切除部6は、シート1を構成するシート状部材が切除されて形成されており、複数の切除部6は互いに離隔して配置される。
【0031】
ミシン目3の態様は、作業時におけるスペーサー2同士の切断しやすさ、又は、運搬時の切断されにくさ等に基づいて決定される。例えば、
図1に示すように、切除部6が直線状に形成されて、連結部5の長さが切除部6に比べて短く形成される。
図1に示す例では、1枚のスペーサー2において、縦方向の1辺に一つの連結部5が設けられ、横方向の1辺に二つの連結部5が設けられる。これにより、連結部5の設置個数が低減されて、作業者はスペーサー2同士を切り離しやすい。また、
図3に示すように、シート1において切除部6が点状に形成されて、点状の切除部6が直線状に配置されてもよい。
【0032】
以上、本実施形態によれば、複数枚のスペーサー2が互いに連結されて1枚のシート状部材とされていることから、スペーサー2がばらばらになりにくく、作業者は複数枚のスペーサー2を取り扱いやすい。床材を施工する際、
図2に示すように、作業者はミシン目3を切り離して1枚ずつスペーサー2を床材間に設置する。
【0033】
シート1は、
図3に示すように、少なくとも片面に文字又は図等を含む表示部7を有する床材用説明書として用いられてもよい。表示部7には、例えば、床材を施工する際に必要な情報が印刷等によって表示される。
図3に示す例では、シート1が、スペーサー2の取り扱いに関する説明書として用いられる場合を示している。これにより、シート1は、スペーサー2を切り離すことが可能な部材として用いられつつ、作業者が参照する床材用説明書としても用いられる。また、床材が施工された後に廃棄されるスペーサー2と床材用説明書が兼用されており、物品の廃棄量を減少させることができる。なお、床材用説明書は、上述した例に限定されず、作業者が床材を施工する際に参照する説明書である床材の取扱説明書、施工説明書等も含む。
【0034】
また、
図1又は
図3等に示したシート1は、施工される複数の床材と共に一つの床材梱包体に収容される。床材梱包体は、例えば段ボール箱などである。従来、
図7に示すように、スペーサー20は1枚ずつばらばらの状態でビニール袋22に封入されている。これに対して、本実施形態によれば、複数のスペーサーを一つに収容するためのビニール袋が不要になり、廃棄される物品、例えば廃棄されるプラスチック製品を減少させることができる。また、
図7に示すように、ビニール袋22に複数枚のスペーサー20が重ね合わされて収容されている場合、重ね合わされた枚数分の厚みが生じる。そのため、床材梱包体内において、スペーサー20が収容されたビニール袋22を収めるための専用スペースが必要になる。これに対し、本実施形態では、スペーサー2を有するシート1が床材梱包体内に収容されればよいため、シート1を差し込むことが可能な隙間があればよく、専用スペースが不要である。また、スペーサーのビニール袋への梱包作業や、床材梱包体の専用スペースへのスペーサーの収納作業が不要になり、時間や手間がかからない。
【0035】
なお、シート1のシート状部材は、
図1及び
図3に示したように、全面がスペーサー2で構成される場合に限定されない。スペーサー2は、シート1において一部に設けられてもよく、例えば、
図5に示すように、シート1の一部のみが切り離し可能なスペーサー2で構成され、シート1の他の部分4は、スペーサー2以外の用途、例えば床材用説明書として用いられるようにしてもよい。また、シート1の形状は、上述した長方形状に限定されず、例えば、
図6に示すように、長尺状(テープ状)でもよい。シート1の形状は、シート1の取り扱いやすさやスペーサー2の切り離しやすさ等に基づいて決定される。
【0036】
次に、本実施形態に係るシート1を用いた床材の施工方法について説明する。
作業者は、床下地材上に1枚の床材50を敷設し、敷設された床材50の隣に別の床材50を敷設する際に、
図4に示すように、スペーサー2を設置する。
【0037】
まず、作業者は、シート1から1枚ずつ、又は、必要な枚数まとめてスペーサー2をミシン目3で切り離す。シート1において床材の施工やスペーサー2の取り扱いに必要な情報が印刷されている場合、作業者は、スペーサー2を切り離す前にその情報を参照してから施工を開始できる。
【0038】
次に、作業者は、シート1から切り離したスペーサー2を、床下地材上に敷設された床材50の端面に設置する。そして、スペーサー2を間に挟んで、既に敷設されている床材50の隣に、新たに敷設する他の床材50を設置する。上述した作業を、床材50の長手方向と、床材50の短手方向について、繰り返し行っていく。なお、スペーサー2の設置位置は、床材50の種類等に応じて設定される。
図4に示す例では、スペーサー2は、長手方向については継ぎ目の全てに設置され、短手方向については継ぎ目3列のうち1列、すなわち2列飛ばしに設置されている。スペーサー2は、床材の敷設が完了した後、取り除かれる。
【0039】
上述した施工方法によって、スペーサー2が、床材の施工時において隣り合う複数の床材間に設置されるため、床材を敷設する際、床材間に所定の隙間が確実に生ずる。また、床材を施工する際、作業者はミシン目3を切り離して1枚ずつスペーサー2を床材間に設置でき、作業時にスペーサー2がばらばらになりにくいことから、作業効率が高まる。
【0040】
従来の方法のように、スペーサーがばらばらに撒かれた状態や、ポケット又はビニール袋にスペーサーがばらばらに収容された状態から、スペーサーを1枚ずつ摘まみ取って取り出す場合と異なり、本実施形態では、一体化しているシート1からスペーサー2を切り取る作業となるため、スペーサー2を1枚ずつ摘まみ取りやすい。
【0041】
また、本実施形態によれば、ビニール袋にスペーサーが収容された従来の方法と異なり、ビニール袋を破く作業が不要になり、作業にかかる時間や手間が減少する。さらに、複数のスペーサーを一つに収容するためのビニール袋が不要になり、廃棄される物品、例えば廃棄されるプラスチック製品を減少させることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 :スペーサーシート(シート)
2 :スペーサー
3 :ミシン目(切離し部)
4 :他の部分
5 :連結部
6 :切除部
7 :表示部
20 :スペーサー
22 :ビニール袋
24 :区切り部
50 :床材