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特許7442312可動間仕切り壁及び可動間仕切り壁の可動方法
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  • 特許-可動間仕切り壁及び可動間仕切り壁の可動方法 図1
  • 特許-可動間仕切り壁及び可動間仕切り壁の可動方法 図2A
  • 特許-可動間仕切り壁及び可動間仕切り壁の可動方法 図2B
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  • 特許-可動間仕切り壁及び可動間仕切り壁の可動方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】可動間仕切り壁及び可動間仕切り壁の可動方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20240226BHJP
   E05D 15/06 20060101ALI20240226BHJP
   E05D 15/00 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
E04B2/74 561E
E04B2/74 561A
E04B2/74 561G
E05D15/06 125Z
E05D15/00 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019227420
(22)【出願日】2019-12-17
(65)【公開番号】P2021095736
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000150615
【氏名又は名称】株式会社長谷工コーポレーション
(73)【特許権者】
【識別番号】598088712
【氏名又は名称】株式会社長谷工ファニシング
(74)【代理人】
【識別番号】100167117
【弁理士】
【氏名又は名称】打越 佑介
(72)【発明者】
【氏名】青山 勝
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 有二
(72)【発明者】
【氏名】井上 雅之
(72)【発明者】
【氏名】渡沼 千晶
(72)【発明者】
【氏名】長岡 哲二
(72)【発明者】
【氏名】高木 康裕
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-131971(JP,A)
【文献】特開昭62-202187(JP,A)
【文献】実開昭59-168491(JP,U)
【文献】特開平09-078857(JP,A)
【文献】実開平03-066387(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/74
E04H 1/04
E05D 15/00,15/06,15/26
E06B 3/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の側壁から他方の側壁に渡って居室を仕切る分割可能な間仕切り壁と、当該間仕切り壁を可動させるために天井に設けたレールとを備え、
前記間仕切り壁は、
前記レールに連結している第1パネルと、
前記一方の側壁及び前記第1パネルと隣接し、当該第1パネルに回動自在に連結し、前記レールに連結していない第2パネルとを有し、
前記レールは、
前記一方の側壁から前記他方の側壁に渡って所定の間隔で平行に設けられた第1レール及び第2レールと、
前記第1レール及び前記第2レールと連結して、当該第1レールと当該第2レールとの間に設けられた第3レールとを有している
ことを特徴とする可動間仕切り壁。
【請求項2】
前記間仕切り壁は、
前記第2パネルとは逆側に前記第1パネルと隣接する第3パネルと、
前記他方の側壁及び前記第3パネルと隣接する第4パネルとを有し、
前記レールは、
前記第1レール及び前記第2レールと連結して、当該第1レールと当該第2レールとの間かつ前記第3レールと所定の間隔で平行に設けられた第4レールを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の可動間仕切り壁。
【請求項3】
前記間仕切り壁は、
前記第2パネルとは逆側に前記第1パネルと隣接する第3パネルと、
前記他方の側壁及び前記第3パネルと隣接する第4パネルとを有し、
前記第3レールは、移動前かつ移動後の前記第3パネルと直交する位置に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の可動間仕切り壁。
【請求項4】
前記第4パネルは、仕切られた各居室への移動用の開き戸を有する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の可動間仕切り壁。
【請求項5】
前記第2パネルを回動して前記第1パネルと重ね、
重なった前記第2パネルと共に前記第1パネルを、前記第1レールから前記第3レールを介して前記第2レールに移動し、
前記第3パネルを、前記第1レールから前記第3レールと前記第4レールとを介して前記第2レールに移動し、
前記第4パネルを、前記第1レールから前記第4レールを介して前記第2レールに移動し、
前記第1パネルと面一になるように前記第2パネルを回動する
ことを特徴とする請求項2に記載の可動間仕切り壁の可動方法。
【請求項6】
前記第2パネルを回動して前記第1パネルと重ね、
前記第4パネルを、前記第1レールから前記第3レールを介して前記第2レールに移動し、
重なった前記第2パネルと共に前記第1パネルを、前記第1レールから前記第3レールを介して前記第2レールに移動し、
前記第3パネルを、前記第1レールから前記第3レールを介して前記第2レールに移動し、
前記第1パネルと面一になるように前記第2パネルを回動する
ことを特徴とする請求項3に記載の可動間仕切り壁の可動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば集合住宅の居室の天井をスライドして居室内の占有スペースを変更自在にする分割式の可動間仕切り壁及び可動間仕切り壁の可動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、集合住宅等の居室内を仕切ってリビングや部屋を形成する場合、固定式の間仕切り壁を設けていた。固定式の間仕切り壁には、防音性・耐火性・保温性等に優れているメリットがあるものの、居室の間取りを変更しにくいデメリットもあった。近年、少子化や高齢化に伴い、居住スペースの利活用の一環として、居室の間取り変更のニーズが高まっているおり、複数の間仕切り用のパネルをスライドして並べたりしまったりして居室の占有スペースを変更する分割式の間仕切り壁が注目されてきた。
【0003】
例えば、特許文献1は、居室の天井の一端から他端に渡って設けられた直線状のレールに沿って、複数の間仕切り用のパネルの各々をスライドさせて間仕切り壁を形成する技術に関するものである。居室の側壁に隣接する間仕切り用のパネルは、側壁に隣接する戸先側に設けた軸に対して回動自在に設けられており、他の間仕切り用のパネルを全て並べたときに生じる隙間を容易に補う技術として開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-351012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の間仕切り壁では、居室の占有スペースを自由に変更しにくい。すなわち、天井に2本のレールを平行に設け、複数の間仕切り用のパネルを一方のレールから他方のレールに移動できても、居室の側壁に隣接する間仕切り用のパネルが側壁側で固定されているため移動できないばかりでなく、他の間仕切り用のパネルを全て並べたときに生じる隙間を、また別の間仕切りパネルで補わなければならない。
【0006】
このような問題に対し、発明者等は、他の間仕切り用のパネルを全て並べたときに側壁側に生じる隙間を容易に補える間仕切り用のパネルを備え、全ての間仕切り用のパネルを一方のレールから平行に設けた他方のレールに移動しやすい間仕切り壁であれば、撤去作業を依頼することなく居室の占有スペースを自由かつ柔軟に変更を望む居住者特有の課題を解決できる着想に辿り着いた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、側壁側に生じる隙間を補う間仕切り用のパネルを、隣接する他のパネルに固定して移動自在にすることで、間仕切り用のパネルを別途補充することなく、全ての間仕切り用のパネルの平行移動を実現する可動間仕切り壁及び可動間仕切り壁の可動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明における可動間仕切り壁は、一方の側壁から他方の側壁に渡って居室を仕切る分割可能な間仕切り壁と、上記間仕切り壁を可動させるために天井に設けたレールとを備え、上記間仕切り壁は、上記レールに連結している第1パネルと、上記一方の側壁及び上記第1パネルと隣接し、上記第1パネルに回動自在に連結し、上記レールに連結していない第2パネルとを有し、上記レールは、上記一方の側壁から上記他方の側壁に渡って所定の間隔で平行に設けられた第1レール及び第2レールと、上記第1レール及び上記第2レールと連結して、上記第1レールと上記第2レールとの間に設けられた第3レールとを有していることを特徴とする。
【0009】
上記間仕切り壁は、上記第2パネルとは逆側に上記第1パネルと隣接する第3パネルと、上記他方の側壁及び上記第3パネルと隣接する第4パネルとを有し、上記レールは、上記第1レール及び上記第2レールと連結して、上記第1レールと上記第2レールとの間かつ上記第3レールと所定の間隔で平行に設けられた第4レールを有しているのが望ましい。
【0010】
上記間仕切り壁とは別の間仕切り壁は、上記第2パネルとは逆側に上記第1パネルと隣接する第3パネルと、上記他方の側壁及び上記第3パネルと隣接する第4パネルとを有し、上記第3レールは、移動前かつ移動後の上記第3パネルと直交する位置に設けられているのが望ましい。
【0011】
上記第4パネルは、仕切られた各居室への移動用の開き戸を有するのが望ましい。
【0012】
本発明における可動間仕切り壁の可動方法は、上記第2パネルを回動して上記第1パネルと重ね、重なった上記第2パネルと共に上記第1パネルを、上記第1レールから上記第3レールを介して上記第2レールに移動し、上記第3パネルを、上記第1レールから上記第3レールと上記第4レールとを介して上記第2レールに移動し、上記第4パネルを、上記第1レールから上記第4レールを介して上記第2レールに移動し、上記第1パネルと面一になるように上記第2パネルを回動する。
【0013】
本発明における別の可動間仕切り壁の可動方法は、上記第2パネルを回動して上記第1パネルと重ね、上記第4パネルを、上位第1レールから上記第3レールを介して上記第2レールに移動し、重なった上記第2パネルと共に上記第1パネルを、上記第1レールから上記第3レールを介して上記第2レールに移動し、上記第3パネルを、上記第1レールから上記第3レールを介して上記第2レールに移動し、上記第1パネルと面一になるように上記第2パネルを回動する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、側壁側に生じる隙間を補う間仕切り用のパネルを隣接する他のパネルに固定して移動自在にすることで、間仕切り用のパネルを別途補充することなく、全てのパネルの平行移動を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態における可動間仕切り壁の平面図及び正面図である。
図2A】上記可動間仕切り壁の可動方法の流れを示す図である。
図2B】上記可動間仕切り壁の収納方法の流れを示す図である。
図3】本発明の一実施形態における別の可動間仕切り壁の平面図及び正面図である。
図4A】上記別の可動間仕切り壁の可動方法の流れを示す図である。
図4B】上記別の可動間仕切り壁の収納方法の流れを示す図である。
図5】上記別の可動間仕切り壁を設置した間取り構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1図2A、及び図2Bを参照しつつ、本発明の一実施形態における可動間仕切り壁(以下、「本可動間仕切り壁」という。)の構造、可動方法、及び収納方法について説明する。
これらの図において、説明の便宜上、所定の部位やこの引き出し線をかくれ線(破線)で示したり省略したりしている部分もある。
説明において、上方、下方、側方、垂直方向、水平方向等の方向を示す用語は、基本的に、通常使用する向きで本可動間仕切り壁を設置した状態における位置関係とする。
【0017】
図1に示すように、本可動間仕切り壁は、集合住宅の住居R内のリビングR1と居室R2との占有スペースを変更自在にするものであり、一方の側壁W1から他方の側壁W2に渡って住居Rを仕切る分割可能な間仕切り壁1と、間仕切り壁1を可動させるために天井Cに設けたレール2とを備えている。レール2の垂直方向の端面は、下側に開口を有する形状である。間仕切り壁1は、吊車やT字型のフック等の吊り具Fの下側を間仕切り壁1の上端に固定し、上記開口を介して吊り具Fの上側をレール2に引っ掛けることで、宙吊りされている。
【0018】
なお、本可動間仕切り壁は、住居Rの寝室や子供部屋等の内部の占有スペースを変更自在にしてもよい。側壁W1及びW2は、住居R内の棚・台所・洗面所・寝室・子供部屋等を形成する壁や所定の柱でも、窓際や隣接する第三者の居室との境界に位置する壁でもよく、限定しない。間仕切り壁1を形成する個々のパネルは、2枚以上であればよく、3枚でも4枚でもそれ以上でもよく、限定しない。間仕切り壁1の横幅・縦幅・厚み・重量・素材等の仕様及びレール2の長さ・幅・耐荷重・素材等等の仕様は、住居Rの用途・サイズ・設置場所等に応じて決定してもよく、限定しない。レール2は、天井Cに内蔵されたものでも外付けされたものでもよい。
【0019】
間仕切り壁1は、第1パネル11と、側壁W1及び第1パネル11と隣接し、第1パネル11に回動自在に連結している第2パネル12とを有している。第1パネル11と第2パネル12とは、隣り合った状態で面する各々の戸先に隠れるように埋設された隠し蝶番12aで連結されている。第1パネル11は、吊り具Fでレール2に宙吊りされて連結しており、第2パネル12は、吊り具Fでレール2に宙吊りされておらずレールに連結していない
レール2は、側壁W1から側壁W2に渡って所定の間隔で平行に設けられた第1レール21及び第2レール22と、第1レール21及び第2レール22と連結して、第1レール21と第2レール22との間に設けられた第3レール23とを有している。第3レール23は、平面視において第1パネル11と直交する位置に設けられている。
【0020】
この構成によれば、第2パネル12を回動して折りたたんで第1パネル11に重ねることで、第2パネル12と共に第1パネル11を移動させるための空間を確保でき、第3レール23を介して第1レール21から第2レール22への平行移動を容易に行えるため、住居Rの占有スペースの変更を自在に行える。
【0021】
なお、第1パネル11と第2パネル12とが重なった状態を維持するために、第1パネル11と第2パネル12とが面する各々の表面のうち、例えば、正面視において第1パネル11の最左端にロックフックRf、第2パネル12の最右端にロックキャッチRkが取り付けられていてもよい。正面視において第1パネル11及び第2パネル12の右下端には、床に埋設されて押圧によりくぼむ受け部材に抜き差し自在な固定用のフランス落としSが取り付けられていてもよい。第2パネル12の一方の表面には、リビングR1と居室R2との移動用の開閉ドアと区別できるように、埋設式の半回転引手N1が設けられていてもよい。第1パネル11の幅及び第2パネル12の幅は、どちらも750mm前後で同一でも、それぞれ異なっていてもよく、限定しない。
第1レール21及び第2レール22の間隔は、400mm前後でもよく、間仕切り壁1の仕様に応じて決定してもよく、限定しない。第3レール23は、第1レール21及び第2レール22に対して傾いていてもよい。
【0022】
間仕切り壁1は、第2パネル12とは逆側に第1パネル11と隣接する第3パネル13と、側壁W2及び第3パネル13と隣接する第4パネル14とを有する。第3パネル13及び第4パネル14は、吊り具Fでレール2に宙吊りされている。
レール2は、第1レール21及び第2レール22と連結して、第1レール21と第2レール22との間かつ第3レール23と所定の間隔で平行に設けられた第4レール24を有している。第4レール24は、平面視において第3パネル13と直交する位置に設けられている。
【0023】
この構成によれば、間仕切り壁1が4分割されているため、第1パネル11及び第2パネル12の移動後、第3パネル13、第4パネル14を、第3レールや第4レールを介して第1レール1から第2レール2への平行移動を順次容易に行え、側壁W1とW2との距離が長くても住居Rを仕切れるため、占有スペースの変更を柔軟かつ自在に行える。
【0024】
なお、正面視において第3パネル13の左右両下端及び第4パネル14の左下端には、床に埋設されて押圧によりくぼむ受け部材に抜き差し自在な固定用のフランス落としSが取り付けられていてもよい。第3パネル13の幅及び第4パネル14の幅は、どちらも900mm前後で同一でも、それぞれ異なっていてもよく、限定しない。移動前の通常時に、第1パネル11と第3パネル13との各々の傾きを防止するために、第1パネル11の表面と第3パネル13の表面とに跨って各々を連結する図示しない傾き防止部材が設けられてもよい。第3レール23と第4レール24との距離は、各間仕切りパネルの横幅と比較して、同等でもそれ以上でも以下でもよく、限定しない。第4レール24は、第1レール21、第2レール22、及び第3レール23に対して傾いていてもよい。
【0025】
第4パネル14は、仕切られたリビングR1と居室R2への移動用の開き戸14aを有する。換言すると、開き戸14aは、第4パネル14のうち第3パネル13側の下端から所定の幅かつ高さに渡って矩形状に切り欠いた部分と同形状かつ同素材の板材を、上記切り欠いた部分の縦枠と、閉じた状態で上記縦枠に面する上記板材の戸先とで隠れるように埋設された隠し蝶番14bで回動自在に連結されたものである。
この構成によれば、第2パネル12を開き戸とすることなく、リビングR1と居室R2との行き来を容易に行える。
なお、第4パネル14と開き戸14aとは、閉じた状態の移動時のバタつきを防止するために開き戸14aの上方に埋設された図示しない鎌錠で連結する。開き戸14aの上端には、戸当たりとして図示しないレバーストッパーが埋設されている。
【0026】
レール2は、第2レール22と連結して、第1レール21とは逆側に、戸袋用レール25を有する。戸袋用レール25は、第2レール22と直交している付番しない戸袋用第1レールと、戸袋用第1レールと側壁W2との間かつ第2レール22と並行な付番しない戸袋用第2レールとを有している。
この構成によれば、第2レール22から戸袋用レール25を介して、壁際に第1パネル11・第2パネル12・第3パネル13・第4パネル14をまとめて収納することができる。
なお、戸袋用第1レール及び戸袋用第2レールの長さ、戸袋用第1レールと側壁W2との間隔、並びに戸袋用第2レールと第2レール22との間隔は、パネルの各々の横幅に応じて適宜決定してよく、限定しない。
【0027】
次に、図2Aに示すように、可動間仕切り壁の移動方法は、以下のとおりである。なお、図2Aでは、説明の便宜上、図1に示す戸袋用レールの記載を省略する。
まず、図2A(a)に示すように、第1パネル11・第2パネル12・第3パネル13・第4パネル14が第1レール21側にある状態で、第2パネル12を回動して折りたたんで第1パネル11に重ねる。
【0028】
そして、図2A(b-1)に示すように、重なった第2パネル12と共に第1パネル11を、第1レール21に沿って側壁W1側にスライドした後、第3レール23を介して第1パネル11の側壁2側の端部を第2レール22に移動し、図2A(b-2)に示すように、そのまま側壁W2側にスライドした後、第3レール23を介して第1パネル11の側壁1側の端部を第2レール22に移動し、その状態で側壁W1に当接するまでスライドする。
【0029】
また、図2A(c)に示すように、第3レール23を介して第3パネル13の側壁W1側の端部を第2レール22に移動した後、第4レール24を介して第3パネル13の側壁W2側の端部を第2レール22に移動して、その状態で第1パネル11に当接するまでスライドする。
【0030】
さらに、図2A(d-1)に示すように、第4パネル14を側壁W1側にスライドし、第4レール24を介して第4パネル14の側壁W2側の端部を第2レール22に移動した後、図2A(d-2)に示すように、その状態でスライドして再び第4レール24を介して第4パネル14の側壁W1側の端部を第2レール22に移動し、その状態で側壁W2に当接するまで第4パネル14をスライドする。
【0031】
そして、図2A(e-1)に示すように、第3パネル13と、第2パネル12を重ねた状態の第1パネル11とを、第3パネル13の戸先が第4パネル14の戸先に当接するまでスライドした後、図2A(e-2)に示すように、第2パネル12を回動して第1パネル11と面一の状態に戻す。隣接する居室同士への往来は、第4パネル14の開き戸14aを開閉して行う。
【0032】
次に、図2Bに示すように、可動間仕切り壁の収納方法は、以下のとおりである。
【0033】
まず、図2B(a)に示すように、第1パネル11・第2パネル12・第3パネル13・第4パネル14が第1レール21側にある状態で、第2パネル12を回動して折りたたんで第1パネル11に重ね、図2B(b)に示すように、重なった第2パネル12と共に第1パネル11と第3パネル13とを、第1レール21に沿って側壁W1側にスライドする。
【0034】
そして、図2B(c)に示すように、第4パネル14を側壁W1側に第1レール21に沿ってスライドした後、一端側を第2レール22側に第4レール24を介してスライドする。さらに、図2B(d)に示すように、第4パネル14を側壁W2側に第1レール21及び第2レール22に沿ってスライドした後、回動するように戸袋用レール25を介してスライドし、側壁W2に面するように収納する。
【0035】
同様に、図2B(e)に示すように、第3パネル13を側壁W2側に第1レール21に沿ってスライドした後、一端側を第2レール22側に第4レール24を介してスライドする。そして、図2B(f)に示すように、第3パネル13を側壁W2側に第1レール21及び第2レール22に沿ってスライドした後、回動するように戸袋用レール25を介してスライドし、第4パネル14に面するように収納する。
【0036】
同様に、図2B(g)に示すように、重なった第2パネル12と共に第1パネル11を側壁W2側に第1レール21に沿ってスライドした後、第1パネル11の一端側を第2レール22側に第4レール24を介してスライドする。そして、図2B(h)に示すように、重なった第2パネル12と共に第1パネル11を側壁W2側に第1レール21及び第2レール22に沿ってスライドした後、回動するように戸袋用レール25を介してスライドし、第3パネル13に第2パネル12を面するように収納する。
【0037】
次に、図3図4A、及び図4Bを参照しつつ、本発明の一実施形態における別の可動間仕切り壁について、上述した可動間仕切り壁と相違する部分を説明し、同等の部分の説明を省略する。
なお、図1図2A、及び図2Bで示した部品又は部位と同等なものは、参照を容易にするため、図3図4A、及び図4Bでは図1図2A、及び図2Bにおいて一律100を加えた番号にしている。
【0038】
図3に示すように、間仕切り壁100は、側壁W200及び第1パネル110と隣接している第2パネル120と、第2パネル120とは逆側に第1パネル110と隣接する第3パネル130と、側壁W100及び第3パネル130と隣接する第4パネル140とを有している。第4パネル140の幅は、他のパネルと比べて最も広い。第1パネル110の幅と第2パネル120の幅とを合わせた分と、第4パネル140の幅とは、それぞれ間仕切り壁100の全幅の半分より短い。
第1レール210及び第2レール220の間隔は、第4パネル140の幅より長い。第3レール230は、平面視において移動前かつ移動後の第3パネル130と直交し、かつ間仕切り壁100の全幅の略半分に該当する位置に設けられている。
戸袋用レール250は、第2レール220と直交している付番しない戸袋用第1レールと、戸袋用第1レールと側壁W200との間に位置し、かつ第2レール220と並行な付番しない戸袋用第2レール及び戸袋用第3レールとを有している。
なお、戸袋用第2レール若しくは戸袋用第3レールと第2レール220との間隔は、パネルの各々の横幅に応じて適宜決定してよく、限定しない。
【0039】
なお、第1パネル110の幅、第2パネル120の幅、及び第3パネル130の幅は、いずれも500mm前後で同一でも、それぞれ異なっていてもよく、第4パネルの幅は、800mm前後でもよい。第1レール210及び第2レール220の間隔は、1800mm前後でもよい。戸袋用のレールは、第2レール220側にあってもよい。
【0040】
次に、図4Aに示すように、別の可動間仕切り壁の移動方法については、以下のとおりである。
まず、図4A(a)に示すように、第2パネル120を回動して折りたたんで第1パネル110に重ねる。
【0041】
そして、図4A(b)に示すように、重なった第2パネル120と共に第1パネル110と第3パネル130とを第1レール210に沿って側壁W200側にスライドし、図4A(c)に示すように、第3レール230を介して第4パネル140を第2レール220に移動する。詳細には、第4パネル140の向きを維持するために、第4パネル140を一時的に第2レール220に沿って側壁W200側にスライドした後、側壁W100側にスライドする。
【0042】
また、図4A(d)に示すように、重なった第2パネル120と共に第1パネル110と第3パネル130とを第1レール210に沿って側壁W100側にスライドし、図4A(e)及び図4A(f)に示すように、第3レール230を介して重なった第2パネル120と共に第1パネル110と第3パネル130とを順番に第2レール220に移動する。
【0043】
最後に、図4A(g)に示すように、重なった第2パネル120と共に第1パネル110と第3パネル130とを第2レール220に沿って第3パネル130の戸先が第4パネル140の戸先に当接するまでスライドした後、図4A(h)に示すように、第2パネル120を回動して第1パネル110と面一の状態に戻す。
【0044】
次に、図4Bに示すように、別の可動間仕切り壁の収納方法は、以下のとおりである。
【0045】
まず、図4B(a)に示すように、第1パネル110・第2パネル120・第3パネル130・第4パネル140が第2レール220側にある状態で、第2パネル120を回動して折りたたんで第1パネル110に重ね、図4B(b)に示すように、重なった第2パネル120と共に第1パネル110を側壁W200側に第2レール220に沿ってスライドした後、一端側を回動するように戸袋用レール250を介してスライドし、図4B(c)に示すように、第1パネル110を側壁W200に面するように収納する。
【0046】
同様に、図4B(d)に示すように、第3パネル130を側壁W200側に第2レール220に沿ってスライドした後、一端側を回動するように戸袋用レール250を介してスライドし、第2パネル120に面するように収納する。
【0047】
同様に、図4B(e)に示すように、第4パネル140を側壁W200側に第2レール220に沿ってスライドした後、一端側を回動するように戸袋用レール250を介してスライドし、第3パネル130に面するように収納する。
【0048】
次に、図5を用いて、別の可動間仕切り壁を設置した間取り構造について説明する。
上記間取り構造は、1LDKであり、リビングR1と、寝室としての居室R2と、キッチンR3と、洗面室R4と、浴室R5と、トイレR6と、玄関R7と、収納棚R8とを備えており、リビングR1と居室R2とは、間仕切り壁100で仕切られている。間仕切り壁100は、図5(a)ではリビングR1より居室R2を広くする位置にあり、図5(b)では居室R2よりリビングR1を広くする位置にある。
また、図5(c)に示すように、間仕切り壁100が付番しない戸袋用レールに収納されてた状態において、上記間取り構造は、リビングと寝室とを直結させた1ルームとなる。
このように、リビングR1と居室R2とを可動式の間仕切り壁100で仕切ったりしなかったりすることで、それぞれの占有スペースを適宜変更することができるため、住居人数や家族構成に適した居住空間を形成しやすくなる。
【符号の説明】
【0049】
1、100 間仕切り壁
11、110 第1パネル
12、120 第2パネル
12a 隠し蝶番
13、130 第3パネル
14、140 第4パネル
14a 開き戸
14b 隠し蝶番
2、200 レール
21、210 第1レール
22、220 第2レール
23、230 第3レール
24 第4レール
25、250 戸袋用レール
F 吊り具
S フランス落とし
Rf、Rk ロックフック、ロックキャッチ
W1、W2 側壁
R1 リビング
R2 居室
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5