(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】歯ブラシ接合部
(51)【国際特許分類】
A46B 15/00 20060101AFI20240226BHJP
【FI】
A46B15/00 K
(21)【出願番号】P 2019233343
(22)【出願日】2019-12-24
【審査請求日】2022-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】金杉 友成
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-001320(JP,U)
【文献】実開昭49-072471(JP,U)
【文献】特開昭53-000759(JP,A)
【文献】特許第6465122(JP,B2)
【文献】特開2006-068361(JP,A)
【文献】実開昭60-146426(JP,U)
【文献】特開平07-204031(JP,A)
【文献】特開2007-068859(JP,A)
【文献】特表2018-523548(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1759898(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0132603(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0333172(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植毛面を有するヘッド部が先端側に設けられ、長軸方向に延びる把持部が後端側に設けられた歯ブラシに接合される歯ブラシ接合部であって、
前記把持部の少なくとも一部が挿入される上側に開口する挿入穴を有する筐体と、
前記挿入穴に挿入された前記把持部の延長線上に設けられ、前記歯ブラシに関する所定の物理量を検出する検出部とを有し、
前記挿入穴は、前記把持部の挿入方向に延びる軸線に沿って形成され、
前記挿入穴の内周面は、前記軸線と直交する方向に視たときに、前記軸線に対して非対称な外形輪郭線を有
し、
前記挿入穴に前記把持部が挿入されたときに、前記ヘッド部において正面側に向く前記植毛面の法線方向と前記挿入方向とに直交する幅方向に視た側面視で前記筐体における外形輪郭は、
前記正面側に位置する第1曲線と、
前記法線方向で前記正面側と逆側の背面側に位置する第2曲線と、
前記背面側における前記第2曲線の下側に接続される第3曲線と、
を有し、
前記第1曲線は、前記正面側の下端よりも上側、且つ、前記背面側に第1曲率中心を有し前記正面側に膨らみ、
前記第2曲線は、前記第1曲率中心よりも上側、且つ、前記背面側に第2曲率中心を有し前記正面側に凹み、
前記第3曲線は、前記正面側に第3曲率中心を有し前記背面側に膨んで前記第2曲線よりも前記背面側に突出し、
前記筐体は、前記側面視で極大となる幅が前記正面側から視た正面視で極大となる幅よりも大きく、
前記筐体は、前記側面視で底面の幅の中点を通り上下方向に延び前記軸線と平行な中心軸を有し、
前記側面視で極大となる幅となる前記筐体の箇所のうち、前記背面側の箇所は前記中心軸との距離が、前記正面側の箇所と前記中心軸との距離より長く、
前記底面よりも前記背面側で前記第3曲線よりも下側の位置に前記幅方向に延びる空間を有する、ことを特徴とする歯ブラシ接合部。
【請求項2】
前記挿入穴の内周面は
、前記側面視で前記非対称な外形輪郭線を有する、
請求項1記載の歯ブラシ接合部。
【請求項3】
前記筐体は、上面が前記底面に対して30°以上、50°以下の傾斜を有し、
前記上面は、前記正面側の高さが、前記正面側と逆側の前記背面側の高さより低い、
請求項2記載の歯ブラシ接合部。
【請求項4】
前記筐体の前記正面側に、上面から下側に長さが5mm以上、15mm以下、幅が5mm以上、15mm以下の大きさで前記挿入穴を開口させる切込みが設けられている、
請求項2記載の歯ブラシ接合部。
【請求項5】
正面視で前記筐体は、上面から前記底面に向かって最大幅となる高さまで幅が広がり、
前記正面視で前記底面の幅は、前記上面に開口する前記挿入穴の最大幅より大きく、
前記底面の幅は、15mm以上、30mm以下であり、
前記上面における前記挿入穴の最大幅は、8mm以上、20mm以下である、
請求項2から4のいずれか一項に記載の歯ブラシ接合部。
【請求項6】
前記筐体は、前記正面視で前記上面と前記底面との間に幅が極大となる位置が1つ以上あり、
前記幅が極大となる位置の高さは、前記底面から5mm以上、15mm以下であり、
前記極大となる幅は、前記底面の幅より3mm以上大きい、
請求項5記載の歯ブラシ接合部。
【請求項7】
前記側面視において、前記筐体の上面と底面との間に、前記正面側と逆側の背面側の外形輪郭線と前記中心軸との距離が極大となる位置が1つ以上あり、
前記距離が極大となる位置の高さは、前記底面から8mm以上、19mm以下であり、
前記極大となる距離は、前記側面視での前記底面の幅の1/2より5mm以上大きい、
請求項2から6のいずれか一項に記載の歯ブラシ接合部。
【請求項8】
前記側面視において、前記筐体の上面の前記正面側下端の高さにおける前記正面側と逆側の背面側の外形輪郭線の位置が、前記筐体の底面の背面側端部の位置よりも前記正面側にあり、
前記側面視において、前記上面の前記正面側下端の高さ位置における前記筐体の幅は、17mm以上、22mm以下である、
請求項2から7のいずれか一項に記載の歯ブラシ接合部。
【請求項9】
前記正面視で極大となる幅に対する前記側面視で極大となる幅の割合は、1.1以上、1.5以下である、
請求項2から8のいずれか一項に記載の歯ブラシ接合部。
【請求項10】
前記挿入穴に前記把持部が挿入されたときに、前記中心軸と前記植毛面とは2°以上、10°以下の角度で交差する、
請求項2から9のいずれか一項に記載の歯ブラシ接合部。
【請求項11】
前記挿入穴に前記把持部が挿入されたときに、前記側面視で前記把持部の後端は前記中心軸の一方側に位置し、前記ヘッド部の先端は前記中心軸の他方側に位置する、
請求項10に記載の歯ブラシ接合部。
【請求項12】
前記正面側の前記挿入穴の開口端の高さ位置と前記挿入穴の底部の高さ位置との中間位置における前記筐体の前記正面側の厚さは2mm以上、5mm以下であり、前記正面側と逆側の背面側の厚さは、3mm以上、10mm以下である、
請求項2から11のいずれか一項に記載の歯ブラシ接合部。
【請求項13】
前記筐体は、ショア硬度が40以上、70以下である、
請求項1から12のいずれか一項に記載の歯ブラシ接合部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯ブラシ接合部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
齲蝕や歯周病の予防には適切なブラッシングが必要であるが、小児の場合は、きちんとした磨き方を知らなかったり、大人の場合も、磨き癖などがあり、使用者単独でレベルの高い歯みがきスキルを習得することは困難であった。
【0003】
近年、Iot技術の台頭により、スマートフォン等の携帯情報端末の画面に表示された部位をブラッシングする時の動きをセンサーで取得し、得られたデータを携帯情報端末に転送し、ブラッシング位置やブラッシングストロークを算出することで、歯みがきスキルを評価できる、所謂スマート歯ブラシが開発導入されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、歯ブラシに関する物理量を検出するセンサ部と、検出された物理量を示す無線信号を送信する無線送信部と、挿入された歯ブラシの把持部後端側を保持する保持部とを有する通信型歯ブラシ用アタッチメントが歯ブラシ接合部として開示されている。
【0005】
特許文献1に記載された歯ブラシ接合部は、保持部において歯ブラシの把持部後端側に装着された状態で歯ブラシでブラッシングすることにより、センサ部により検出された物理量を示す無線信号を、例えばBluetooth(登録商標)通信によりアプリを起動した携帯情報端末(スマートフォン等)の外部に送信することができる。そのため、特許文献1に記載された歯ブラシ接合部を用いた場合には、歯磨き中でも、手元から離れた位置で無線信号を受信して、その無線信号に基づきユーザの歯磨き行動に関する情報を知ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
歯ブラシに関する物理量を検出して歯磨き行動をセンシングするためには、歯ブラシの向きと歯ブラシ接合部の向きとを所定方向に揃える必要がある。
ところが、特許文献1に記載された歯ブラシ接合部は、歯ブラシを装着する際に適正な向きが明示的とは言えない。例えば、歯ブラシ接合部に歯ブラシが逆向きで装着されると、歯磨き行動を正確にセンシングできないという問題が生じる。
【0008】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、歯磨き行動を正確にセンシングできる歯ブラシ接合部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様に従えば、植毛面を有するヘッド部が先端側に設けられ、長軸方向に延びる把持部が後端側に設けられた歯ブラシに接合される歯ブラシ接合部であって、前記把持部の少なくとも一部が挿入される上側に開口する挿入穴を有する筐体と、前記歯ブラシに関する所定の物理量を検出する検出部とを有し、前記筐体は、底面の幅の中点を通り上下方向に延びる中心軸に沿って形成され、前記挿入穴は、前記把持部の挿入方向に延び前記中心軸と平行な軸線に沿って形成され、前記挿入穴の内周面は、前記軸線と直交する方向に視たときに、前記軸線に対して非対称な外形輪郭線を有することを特徴とする歯ブラシ接合部が提供される。
【0010】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシ接合部において、前記軸線は、前記筐体の底面の幅の中点を通り上下方向に延びる中心軸と平行であり、前記挿入穴の内周面は、前記挿入穴に前記把持部が挿入されたときに、前記ヘッド部において正面側に向く前記植毛面の法線方向と前記挿入方向とに直交する幅方向に視た側面視で前記非対称な外形輪郭線を有することを特徴とする。
【0011】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシ接合部において、前記筐体は、上面が底面に対して30°以上、50°以下の傾斜を有し、前記上面は、前記正面側の高さが、前記正面側と逆側の背面側の高さより低いことを特徴とする。
【0012】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシ接合部において、前記筐体の前記正面側に、上面から下側に長さが5mm以上、15mm以下、幅が5mm以上、15mm以下の大きさで前記挿入穴を開口させる切込みが設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシ接合部において、正面視で前記筐体は、上面から底面に向かって最大幅となる高さまで幅が広がり、前記正面視で前記底面の幅は、前記上面に開口する前記挿入穴の最大幅より大きく、前記底面の幅は、15mm以上、30mm以下であり、前記上面における前記挿入穴の最大幅は、8mm以上、20mm以下であることを特徴とする。
【0014】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシ接合部において、前記筐体は、前記正面視で前記上面と前記底面との間に幅が極大となる位置が1つ以上あり、前記幅が極大となる位置の高さは、前記底面から5mm以上、15mm以下であり、前記極大となる幅は、前記底面の幅より3mm以上大きいことを特徴とする。
【0015】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシ接合部において、前記側面視において、前記筐体の上面と底面との間に、前記正面側と逆側の背面側の外形輪郭線と前記中心軸との距離が極大となる位置が1つ以上あり、前記距離が極大となる位置の高さは、前記底面から8mm以上、19mm以下であり、前記極大となる距離は、前記側面視での前記底面の幅の1/2より5mm以上大きいことを特徴とする。
【0016】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシ接合部において、前記側面視において、前記筐体の上面の前記正面側下端の高さにおける前記正面側と逆側の背面側の外形輪郭線の位置が、前記筐体の底面の背面側端部の位置よりも前記正面側にあり、前記側面視において、前記上面の前記正面側下端の高さ位置における前記筐体の幅は、17mm以上、22mm以下であることを特徴とする。
【0017】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシ接合部において、前記筐体は、前記側面視で極大となる幅が、正面視で極大となる幅よりも大きく、前記正面視で極大となる幅に対する前記側面視で極大となる幅の割合は、1.1以上、1.5以下であることを特徴とする。
【0018】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシ接合部において、前記挿入穴に前記把持部が挿入されたときに、前記中心軸と前記植毛面とは2°以上、10°以下の角度で交差することを特徴とする。
【0019】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシ接合部において、前記挿入穴に前記把持部が挿入されたときに、前記側面視で前記把持部の後端は前記中心軸の一方側に位置し、前記ヘッド部の先端は前記中心軸の他方側に位置することを特徴とする。
【0020】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシ接合部において、前記正面側の前記挿入穴の開口端の高さ位置と前記挿入穴の底部の高さ位置との中間位置における前記筐体の前記正面側の厚さは2mm以上、5mm以下であり、前記正面側と逆側の背面側の厚さは、3mm以上、10mm以下であることを特徴とする。
【0021】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシ接合部において、前記筐体は、ショア硬度が40以上、70以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、歯磨き行動を正確にセンシングできる歯ブラシ接合部を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態を示す図であって、歯ブラシ10と当該歯ブラシ10が挿入されたアタッチメント1とを示す外観斜視図である。
【
図5】YZ平面と平行な面におけるアタッチメント1の断面図である。
【
図6】XZ平面と平行な面におけるアタッチメント1の断面図である。
【
図10】YZ平面と平行な面における筐体70の断面図である。
【
図11】XZ平面と平行な面における筐体70の断面図である。
【
図12】筐体70の挿入穴72に把持部16が挿入された歯ブラシ10を示す側面図である。
【
図13】アタッチメント1が停止状態からスイッチ部51が押下された際の動作を示すフローチャートである。
【
図14】第1動作モードが選択されたときの動作を示すフローチャートである。
【
図15】第2動作モードが選択されたときの動作を示すフローチャートである。
【
図16】第1動作モードまたは第2動作モードのときにスイッチ部51が押下されたときの動作を示すフローチャートである。
【
図17】変形例の歯ブラシ10の先端側を示す部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の歯ブラシ接合部の実施の形態を、
図1ないし
図17を参照して説明する。
本実施形態では、歯ブラシ接合部が通信型歯ブラシ用アタッチメント(以下、単にアタッチメントと称する)である構成を例示して説明する。
【0025】
なお、以下の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
【0026】
図1は、歯ブラシ10と当該歯ブラシ10に装着されたアタッチメント1とを示す外観斜視図である。
図2は、歯ブラシ10の正面図である。
図3は、歯ブラシ10の側面図である。
【0027】
[歯ブラシ10]
まず、歯ブラシ10について説明する。歯ブラシ10としては、アタッチメント1に装着可能であれば、歯ブラシ10の形状、大きさ、材質等に特に制限はない。本実施形態の歯ブラシ10は、一例として、幼児用である。 歯ブラシ10は、ハンドル体11と、ブラシ部12と、を有する。ハンドル体11は、ヘッド部14と、ネック部15と、把持部16とを有する。
【0028】
なお、以下の説明では、後述するアタッチメント1の底面73aと直交する方向であり、歯ブラシ10におけるハンドル体11(把持部16)の略長軸方向をZ方向とし、ヘッド部14の植毛面21aの法線方向とZ方向とに直交するヘッド部14の幅方向をY方向とし、Z方向及びY方向と直交する方向をX方向として適宜用いる。X方向のうち、+X側には、ブラシ部12および植毛面21aが臨んでいる。また、ブラシ部12および植毛面21aが臨む+X側を正面側とし、-X側を背面側とする。そして、歯ブラシ10またはアタッチメント1をX方向に視ることを正面視と称し、Y方向に視ることを側面視と称する。さらに、Z方向においては、ヘッド部14が位置する側を先端側とし、把持部16が位置する側を後端側と称する。
【0029】
ヘッド部14の植毛面21aには、ブラシ部12が植設されている。なお、ブラシ部12は、簡略化して図示されている。
ネック部15は、ヘッド部14と把持部16とを接続する部分である。ネック部15の幅は、ヘッド部14及び把持部16の最小幅よりも狭くなるように構成されている。ネック部15の厚さは、例えば、ヘッド部14の厚さと同じ厚さにすることができる。把持部16は、歯ブラシ10の使用者が手で掴む部分である。把持部16の後端、すなわちハンドル体11の後端を含む領域については尾部16aと称する。
【0030】
本実施形態では、正面視において、ヘッド部14の先端から把持部16に向かって幅が狭くなり、該幅の変化量が大きくなり、やがて幅の変化量がほとんどなくなる位置を、ヘッド部14の後端とネック部15の先端との境界の位置とする。また、ネック部15の先端から把持部16に向かって幅が広くなり、該幅の変化量が大きくなる位置を、ネック部15の後端と把持部16の先端との境界の位置とする。
【0031】
図2に示すように、正面視において把持部16の+Y側の外形輪郭線のうち、尾部16a側の外形輪郭線C1は、曲率中心が-Y側に位置し凸形状となる複数の円弧状の曲線で形成されている。正面視において把持部16の-Y側の外形輪郭線のうち、尾部16a側の外形輪郭線C2は、曲率中心が+Y側に位置し凸形状となる複数の円弧状の曲線で形成されている。外形輪郭線C1と外形輪郭線C2は、把持部16の後端において外形輪郭線C3で接続されている。正面視において把持部16の+Y側の外形輪郭線C1と-Y側の外形輪郭線C2とは、Z方向に延びる中心線に対して線対称である。正面視における把持部16の幅は、先端から尾部側に向けて徐々に大きくなった後に、徐々に小さくなっている。
【0032】
図3に示すように、側面視において把持部16は、Z方向を長軸方向としている。側面視において植毛面21aは、長軸方向に対して先端側が背面側に位置するように角度θ1で傾斜している。すなわち、側面視において植毛面21aは、Z方向に対して先端側が-X側に位置するように傾斜している。
【0033】
側面視において把持部16の正面側の外形輪郭線のうち、尾部16a側の外形輪郭線C11は、曲率中心が-Y側に位置し凸形状となる複数の円弧状の曲線で形成されている。側面視において把持部16の背面側の外形輪郭線のうち、尾部16a側の外形輪郭線C12は、曲率中心が-Y側に位置し凸形状となる複数の円弧状の曲線で形成されている。外形輪郭線C11と外形輪郭線C12は、把持部16の後端において外形輪郭線C13で接続されている。側面視において、把持部16における尾部16a側の外形輪郭線C11の曲率は、背面側の外形輪郭線C12の曲率よりも小さい。すなわち、側面視において正面側の外形輪郭線C11と背面側の外形輪郭線C12とは非対称に形成されている。
【0034】
上記硬質樹脂の具体例としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリアセタール(POM)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、セルロースプロピオネート(CP)、ポリアリレート、ポリカーボネート、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(AS)等を例示することができる。上記硬質樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0035】
上記硬質樹脂の具体例としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリアセタール(POM)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、セルロースプロピオネート(CP)、ポリアリレート、ポリカーボネート、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(AS)等を例示することができる。上記硬質樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0036】
[アタッチメント1]
次に、アタッチメント1について説明する。
図4は、アタッチメント1の分解斜視図である。
アタッチメント1は、構造体40と筐体70とを有している。
構造体40は、電池41、基板42、スピーカ43、スピーカフィルム44、筐体45、キャップ46及びコネクタキャップ47を有している。
【0037】
図5は、YZ平面と平行な面におけるアタッチメント1の断面図である。
図6は、XZ平面と平行な面におけるアタッチメント1の断面図である。
図5及び
図6に示されるように、筐体45は、硬質樹脂で形成され、Z方向に視たときに略円形の底部48及び略円筒状の側壁部49に囲まれた収容空間50を有している。収容空間50は、-Z側に開口している。収容空間50には、スピーカフィルム44、スピーカ43、基板42及び電池41が底部48側(-Z側)から順次収容されている。
【0038】
図7は、筐体45を+Z側から視た平面図である。
図8は、構造体40の外観斜視図である。
図5及び
図7に示されるように、側壁部49は、中心に対して外側に凸形状に湾曲する外周面を有している。また、側壁部49の+X側には、
図6に示すように、内側に凹んだ凹部58が設けられている。凹部58は、Y方向に延びる溝状に形成されている。
図8に示されるように、凹部58には、側壁部49をX方向に貫通する孔部59が形成されている。
【0039】
キャップ46は、硬質樹脂で形成され、筐体45に+Z側から装着されたときに収容空間50を閉塞する。キャップ46は、例えば、接着剤により筐体45に固定される。
【0040】
図9は、基板42の側面図である。
基板42は、スイッチ部51、検出部52、通信部53、コネクト部54、制御部55及び発光素子56を有している。
【0041】
スイッチ部51は、検出部52および通信部53の動作状態を操作するものである。
スイッチ部51は、押されたときの動作状態及び押されている時間の長さに応じて動作モードが選択される(詳細は後述)。スイッチ部51は、基板42における+X側の端部に搭載されている。
図6に示されるように、スイッチ部51は、孔部59に臨んで設けられている。スイッチ部51は、孔部59と同軸に配置されている。スイッチ部51は、上記の外側に凸形状に湾曲する側壁部49の+X側に位置する外周面を仮想面60として、当該仮想面60よりも筐体45の内側に配置されている。スイッチ部51は、一例として、仮想面60よりも2~3mmの距離で筐体45の内側に配置されている。スイッチ部51は、孔部59を介して+X側から押されることにより、押下信号を制御部55に出力する。
【0042】
検出部52は、アタッチメント1が装着された歯ブラシ10に関する所定の物理量を検出する。歯ブラシ10に関する所定の物理量としては、例えば、ブラシ部12の向き、移動方向、移動速度等が挙げられる。検出部52は、例えば、加速度センサーを含む。加速度センサーとしては、例えば、3方向の加速度を検出する3軸加速度センサーを用いることができる。検出部52が検出した歯ブラシ10に関する所定の物理量は、制御部55に出力される。加速度センサーとしては、3方向の加速度と3方向の回転を検出する6軸加速度センサーを用いてもよい。
【0043】
通信部53は、制御部55の制御下で外部機器と通信(通信処理)する。通信部53が通信する外部機器としては、例えば、所定のアプリがインストールされたスマートフォン、タブレット、ノートパソコン等の携帯情報端末である。この場合の携帯情報端末は、上記アプリがインストールされ通信部53と通信が可能なデスクトップパソコンも含まれる。通信部53による携帯情報端末との通信方式としては、Bluetooth(登録商標)通信、Wifi通信が挙げられるが、他の通信規格で通信される構成であってもよい。
【0044】
コネクト部54は、
図1に示す給電用のケーブル57が接続されるコネクタである。ケーブル57としては、例えば、USBケーブルが挙げられるが、他の接続規格のケーブルであってもよい。ケーブル57及びコネクト部54を介して給電された電力は、不図示の蓄電部に蓄電される。
【0045】
発光素子56は、基板42における+X側の端部に孔部59に臨んで搭載されている。発光素子56は、制御部55の制御下で動作モード毎に設定された色の光を+X側に向けて発光する。発光素子56は、一例として、LED素子である。発光素子56としては、例えば、発光ダイオード等であってもよい。
【0046】
制御部55は、スイッチ部51が押されたときの稼働状態、及びスイッチ部51が押された時間の長さに応じて、検出部52が検出した歯ブラシ10に関する所定の物理量を検出後に即時(リアルタイム)に通信部53を介して携帯情報端末に送信し、携帯情報端末を介してナビゲーションを行う第1動作モードと、上記物理量を一時的にアタッチメント1内で単独で処理するとともに歯磨き時の簡易ナビゲーションを行わせる第2動作モードと、稼働中の第1動作モードまたは第2動作モードを強制終了させる第3動作モードとのうち、設定された動作モードを選択する。上記歯磨き時の簡易ナビゲーションは、上記物理量を用いたナビゲーションではなく、スピーカ43を介して音声(例えば、歯磨き時であることを連想させる音楽と、ブラッシング位置の指示等)を発生させることにより行われる。上記歯磨き時の簡易ナビゲーションは、基板42に搭載された保持部69に予め保持されている。保持部69は、例えば、メモリ(ROM)である。制御部55は、第2動作モードにおいて保持部から簡易ナビゲーションの情報を読み出してスピーカ43を介して出力させる。制御部55は、例えば、基板42に搭載された中央演算処理装置(CPU)である。上記検出部52、通信部53、制御部55は、電池41または蓄電部から給電される電力で動作する。
【0047】
コネクタキャップ47は、コネクト部54に着脱自在に装着されている。コネクタキャップ47は、コネクト部54に装着されたときに、当該コネクト部54を水密に封止する。コネクタキャップ47は、後述する軟質樹脂で形成されている。
【0048】
図5及び
図6に示されるように、筐体70は、-Z側(底部側)に設けられ構造体40(筐体45及びキャップ46)と水密に嵌合する嵌合凹部71と、嵌合凹部71よりも+Z側に設けられ歯ブラシ10が着脱自在に挿入可能な挿入穴72と、スイッチ部51と対向する位置に設けられたスイッチ領域(封止部)74とを有している。
【0049】
嵌合凹部71は、構造体40の外形の大きさ及び形状に嵌合可能な大きさ及び形状に形成されている。嵌合凹部71は、-Z側及び-X側に開口している。筐体70は、嵌合凹部71の-Z側の開口部の周囲に、下端部からXY平面に沿って延出し筐体45の底部に-Z側から係合して支持する係合部73を有している。係合部73は、筐体45の底部を水密に封止する。
【0050】
係合部73の-Z側の面は、アタッチメント1を物体上に載置したときに接触する底面(載置面)73aである。係合部73に囲まれ、係合部73よりも+Z側の位置に筐体45の底部が露出している。筐体70の-X側の開口部には、コネクタキャップ47が嵌合する。
【0051】
スイッチ領域74は、筐体70においてスイッチ部51を含め凹部58及び孔部59と対向する領域である。筐体70は、スイッチ領域74の周囲では外側に凸形状に湾曲する側壁部49の外周面に倣って外側に凸形状に湾曲し、仮想面60と面一となるため内側に凹んだ凹部58と対向するスイッチ領域74は、隙間を介して凹部58を覆い、また、孔部59を水密に封止している。
【0052】
スイッチ領域74の内側には、スイッチ部51に向けて突出する突部75が設けられている。スイッチ領域74における突部75を除く厚さは、スイッチ領域74の周囲の厚さより薄く形成されている。
【0053】
図10は、YZ平面と平行な面における筐体70の断面図である。
図11は、XZ平面と平行な面における筐体70の断面図である。
挿入穴72は、把持部の少なくとも一部が挿入される挿入方向であるZ方向に延び、+Z側(上側)に開口する空洞で形成されている。挿入穴72は、挿入方向(Z方向)に延びる軸線J1に沿って形成されている。
【0054】
図10に示されるように、正面視において、挿入穴72における内周面の断面輪郭形状は、歯ブラシ10における把持部16の尾部16a側正面視の外形輪郭形状に沿った形状である。より詳細には、正面視において、挿入穴72における内周面は、+Y側に位置する外形輪郭線D1、-Y側に位置する外形輪郭線D2および挿入穴72の底部において外形輪郭線D1、D2を接続する外形輪郭線D3を有する。
【0055】
外形輪郭線D1は、曲率中心が-Y側に位置し凸形状となる複数の円弧状の曲線で形成され、把持部16の外形輪郭線C1と嵌合する。外形輪郭線D2は、曲率中心が+Y側に位置し凸形状となる複数の円弧状の曲線で形成され、把持部16の外形輪郭線C2と嵌合する。外形輪郭線D3は、曲率中心が+Z側に位置する凸形状に形成され、把持部16の外形輪郭線C3と嵌合する。正面視において内周面の外形輪郭線D1と外形輪郭線D2とは、軸線J1を中心とする線対称である。
【0056】
図11に示されるように、側面視において、挿入穴72における内周面の断面輪郭形状は、歯ブラシ10における把持部16の尾部16a側側面視の外形輪郭形状に沿った形状である。より詳細には、側面視において、挿入穴72における内周面は、+X側の正面側に位置する外形輪郭線D11、-X側の背面側に位置する外形輪郭線D12および挿入穴72の底部において外形輪郭線D11、D12を接続する外形輪郭線D13を有する。
【0057】
外形輪郭線D11は、曲率中心が-X側に位置し凸形状となる複数の円弧状の曲線で形成され、把持部16の外形輪郭線C11と嵌合する。外形輪郭線D12は、曲率中心が+X側に位置し凸形状となる複数の円弧状の曲線で形成され、把持部16の外形輪郭線C12と嵌合する。外形輪郭線D13は、曲率中心が+Z側に位置する凸形状に形成され、把持部16の外形輪郭線C13と嵌合する。
【0058】
軸線J1と直交する方向に視た側面視において、正面側の外形輪郭線D11の曲率は、背面側の外形輪郭線D12の曲率よりも小さい。すなわち、側面視において正面側の外形輪郭線D11と背面側の外形輪郭線D12とは非対称に形成されている。
【0059】
側面視で非対称である把持部16の正面側の外形輪郭線C11と背面側の外形輪郭線C12に応じて、挿入穴72の内周面における正面側の外形輪郭線D11と背面側の外形輪郭線D12とが非対称に形成されているため、挿入穴72に把持部16が尾部16a側から挿入された際に、歯ブラシ10の正面側を筐体70の正面側に向け、歯ブラシ10の背面側を筐体70の背面側に向けた状態で位置決めすることができる。
【0060】
一般的に歯ブラシ10は植毛面21a側(正面側)の把持部16にロゴが入る。そのため、歯ブラシ10の正面側を筐体70の正面側に向けて位置決めすることにより、ユーザーは無意識的にロゴが見えるように歯ブラシ10を挿入穴72に挿入して、歯ブラシ10の向きと筐体70の向きとを揃えることができる。
【0061】
挿入穴72の大きさは、空洞に挿入された歯ブラシ10の把持部16が軟圧入で保持される大きさに設定されている。挿入穴72に把持部16が挿入されたときに、歯ブラシ10の正面側は、スイッチ領域74が配置された側と同一である。すなわち、アタッチメント1において、スイッチ部51及びスイッチ領域74は、歯ブラシ10における正面側に配置されている。
【0062】
図12は、筐体70の挿入穴72に把持部16が挿入された歯ブラシ10を示す側面図である。
図12に示す中心軸J2は、側面視において底面73aの幅の中点を通り上下方向(Z方向)に延びる仮想線である。
図3に示したように、側面視において植毛面21aは、長軸方向に対して先端側が背面側に位置するように角度θ1で傾斜しているため、
図12に示すように、挿入穴72に把持部16が挿入されたときに、植毛面21aの先端側は背面側に位置し、中心軸J2と植毛面21aとは角度θ1で交差する。
【0063】
中心軸J2と植毛面21aとの交差角度θ1としては、2°以上、10°以下の角度であることが好ましい。
子供の発達は未熟なため、上顎を磨くとき歯列と植毛面を平行に当てることが難しいが、中心軸J2と植毛面21aとの交差角度θ1を2°以上、10°以下として歯ブラシ10に角度を付与することにより、口腔内で届きにくい部位にも植毛面を平行にすることができ、清掃効果の向上を図ることができる。
【0064】
また、挿入穴72に把持部16が挿入された歯ブラシ10については、側面視で把持部16の後端が中心軸J2の一方側(本実施形態では正面側)に位置し、ヘッド部14の先端が中心軸J2の他方側(本実施形態では背面側)に位置することが好ましい。
側面視で把持部16の後端とヘッド部14の先端とが中心軸J2を挟んで逆側に位置することにより、挿入穴72に把挿入された歯ブラシ10の自立安定性を向上させることができる。
【0065】
図10に戻り、筐体70は、正面視で+Y側の外形輪郭線E11と-Y側の外形輪郭線E12とが、Z方向に延びる中心軸J2を中心として線対称である。
【0066】
正面視で筐体70のY方向の幅は、上面90から底面73aに向かって最大幅となる高さまで広がる。正面視で底面73aの幅W2は、上面90に開口する挿入穴72の最大幅W1より大きい。
【0067】
底面73aの幅W2としては、15mm以上、30mm以下であることが好ましい。上面90における挿入穴72の最大幅W1としては、8mm以上、20mm以下であることが好ましい。底面73aの幅W2を15mm以上、30mm以下とし、挿入穴72の最大幅W1を8mm以上、20mm以下とすることにより、歯ブラシ10を挿入穴72に挿入した状態のアタッチメント1を持った時に、底面73aの幅が広い部分が小指もしくは手のひらの小指球に引っ掛かるため、アタッチメント1を持ちやすくすることができる。
【0068】
正面視で筐体70は、上面90と底面73aとの間にY方向の幅が極大となる位置が一つ以上(本実施形態では二つ)ある。筐体70の幅が極大となる位置の高さとしては、底面73aから5mm以上、15mm以下であることが好ましい。極大となる筐体70の幅W8としては、底面73aの幅W2よりも3mm以上大きいことが好ましく、底面73aの幅W2よりも5mm以上大きいことがより好ましい。これにより、歯ブラシ10を挿入穴72に挿入した状態のアタッチメント1を持った時に、底面73aよりも上面90側に小指もしくは手のひらの小指球の引っ掛かりが存在するため、歯ブラシ10の植毛面21aに近いところを持つことができ操作性が向上する。
【0069】
図11に示されるように、側面視において筐体70の上面90は、底面73aに対して角度θ2で傾斜している。上面90は、正面側の高さが背面側の高さより低く形成されている。底面73aに対する上面90の傾斜角度θ2としては、30°以上、50°以下であることが好ましい。正面側の高さが背面側の高さより低い上面90とすることにより、歯ブラシ10を挿入穴72に正常に挿入して筐体70の正面側に植毛面21aを向けたときにのみ、歯ブラシ10のロゴが見える。これにより、使用者は、ロゴが見えるように無意識に歯ブラシ10を挿入することができる。
【0070】
上面90の傾斜角度θ2が30°未満の場合、正面側の露出が少なくロゴが充分に見えない可能性がある。上面90の傾斜角度θ2が50°を超えた場合、正面側における把持部16に対する保持長さが短くなり把持部16を安定して保持できない可能性がある。上面90の傾斜角度θ2を30°以上、50°以下とすることにより、把持部16を安定して保持した状態で充分にロゴを視ることができる。
【0071】
筐体70は、側面視において、外形輪郭線E21、E22、E23とを有している。+X側の外形輪郭線E21は、側面視において曲率中心が-X側に位置し凸形状となる複数の円弧状の曲線で形成されている。-X側の外形輪郭線は、+Z側に位置する外形輪郭線E22と-Z側に位置する外形輪郭線E23とを有している。外形輪郭線E22は、側面視において曲率中心が-X側に位置し凹形状となる複数の円弧状の曲線で形成されている。外形輪郭線E23は、側面視において曲率中心が+X側に位置し凸形状となる複数の円弧状の曲線で形成されている。すなわち+X側に位置する外形輪郭線E21と-X側に位置する外形輪郭線E22、E23とは非対称である。
【0072】
側面視において、筐体70の上面90と底面73aとの間には、背面側の外形輪郭線E23と中心軸J2との距離W3が極大となる位置が1つ以上(
図1では1つ)ある。
距離W3が極大となる位置の高さW4としては、底面73aから8mm以上、19mm以下であることが好ましい。また、極大となる距離W3としては、側面視での底面73aの幅W5(
図6参照)の1/2より5mm以上大きいことが好ましい。
【0073】
これにより、距離W3が極大となる突起が底面73aの外郭より5mm以上、背面側に突出することになるため、歯ブラシ10を挿入穴72に挿入した状態のアタッチメント1を持った時に、底面73aよりも上面90側に小指もしくは手のひらの小指球の引っ掛かりが存在するため、歯ブラシ10の植毛面21aに近いところを持つことができ操作性が向上する。
【0074】
図6に示すように、側面視において、筐体70の上面90の正面側下端の高さH1における背面側の外形輪郭線E22の位置P22は、筐体70の底面73aの背面側端部の位置P73よりも正面側(+X側)にあることが好ましく、1mm以上正面側(+X側)にあることがより好ましい。また、側面視において、高さH1の位置における筐体70の幅W6は、17mm以上、22mm以下であることが好ましく、18mm以上、21mm以下であることがより好ましい。
【0075】
これにより、歯ブラシ10を挿入穴72に挿入した状態のアタッチメント1を持った時に、底面73aよりも上面90側に小指もしくは手のひらの小指球の引っ掛かりが存在するため、歯ブラシ10の植毛面21aに近いところを持つことができ操作性が向上する。
【0076】
また、筐体70は、
図11に示すように、側面視で極大となる幅W7が、
図10に示すように、正面視で極大となる幅W8よりも大きい。正面視で極大となる幅W8に対する側面視で極大となる幅W7の割合(W7/W8)は、1.1以上、1.5以下であることが好ましい。
【0077】
これにより、歯ブラシ10を挿入穴72に挿入した状態のアタッチメント1を持った時に、アタッチメント1の正面側、すなわち歯ブラシ10における植毛面21aが向く側を使用者に向く側にしやすくなる。
【0078】
側面視において、正面側の挿入穴72の開口端の高さ位置P31と、挿入穴72の底部の高さ位置P32とのZ方向の中間位置H2における筐体70の、挿入穴72より正面側の厚さW9は2mm以上、5mm以下であり、挿入穴72より背面側の厚さW10は、3mm以上、10mm以下であることが好ましい。
【0079】
挿入穴72において、歯ブラシ10の把持部16を安定的に保持できない場合、歯磨き中に歯ブラシ10からアタッチメント1が外れたり、歯ブラシ10とアタッチメント1の周方向(Z軸周り方向)の相対位置がずれて検出部52の位置が変動する虞がある。これに対して、正面側の厚さW9を2mm以上、5mm以下とし、挿入穴72より背面側の厚さW10を3mm以上、10mm以下とすることにより、歯ブラシ10を支えるのに充分な厚さを筐体70に確保することができるため、歯磨き中でも歯ブラシ10からアタッチメント1が外れたり、歯ブラシ10とアタッチメント1の周方向の相対位置がずれることを抑制できる。
【0080】
筐体70は、側面視において背面側に突出する突起部83と、突起部83から底部にかけて背面側に凸形状に湾曲する曲面84とを有している。コネクタキャップ47の表面は、曲面84と面一に形成されている。
【0081】
上記の筐体70は、軟質樹脂で形成されている。筐体70および上述したコネクタキャップ47を形成する軟質樹脂としては、例えば、ショア硬度Aが40以上、70以下のスチレン系エラストマーである。このような軟質樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等のエラストマー樹脂を例示することができるが、中でもポリプロピレン(PP)との溶着性の観点からスチレン系エラストマーが好ましい。
筐体45を被覆する箇所の筐体70の厚さとしては、好ましくは0.5mm以上、5.0mm以下、より好ましくは、1.0mm以上、3.0mm以下、さらに好ましくは、1.2mm以上、1.8mm以下である。
【0082】
上記構成のアタッチメント1は、挿入穴72に歯ブラシ10の把持部16を挿入することで歯ブラシ10に装着される。上述のように、本実施形態のアタッチメント1では、挿入穴72の内周面が側面視で正面側の外形輪郭線D11と背面側の外形輪郭線D12とが異なる曲率を有しているため、挿入穴72に把持部16が尾部16a側から挿入した際に、アタッチメント1と歯ブラシ10とを正規の向きに位置決めできる。そのため、本実施形態のアタッチメント1では、歯ブラシ10を用いた歯磨き行動を正確にセンシングすることが可能になる。また、本実施形態のアタッチメント1では、把持部16が挿入穴72に軟圧入されるため、アタッチメント1を把持して歯磨きを行った際に歯ブラシ10がアタッチメント1から離脱することなく円滑にブラッシングを実施できる。
【0083】
また、子供がアタッチメント1を把持する際には、例えば、ブラシ部12が設けられた正面側に位置する外形輪郭線E21を含む領域(スイッチ領域74)に親指を当て、背面側に位置する外形輪郭線E22を含む領域に人差し指を当てて筐体70を挟んだ状態で、筐体70の底面73aを中指で支えた状態でアタッチメント1を把持する。このように、三箇所で把持することにより、アタッチメント1を簡便、且つ、安定的に保持することができる。
【0084】
アタッチメント1を稼働する際には、親指でスイッチ領域74を背面側に押し込むことにより、突部75を介してスイッチ部51を押し込む。正面側の筐体70は、スイッチ領域74の周囲については硬質樹脂で形成された筐体45を覆っており容易に変形しないが、スイッチ領域74は凹部58との間に隙間が形成されており、背面側に変形しやすいため、スイッチ部51の位置を容易に認識することができる。
【0085】
また、スイッチ領域74は、周囲と比較して薄く形成されているため変形しやすく、小さな抵抗でスイッチ部51を押し込むことができる。
【0086】
筐体70を親指と人差し指とで挟むことを考慮すると、スイッチ領域74と背面側に位置する外形輪郭線E22を含む領域までの最短距離としては、25mm以上、30mm以下であることが好ましい。また、人差し指が外形輪郭線E22を含む領域から外れないことを考慮すると、突起部83からスイッチ領域74までの最短距離は28mm以上、40mm以下であることが好ましい。筐体70の底面73aを中指で支えた状態で親指がスイッチ領域74を介してスイッチ部51を押し込む際の力の加えやすさを考慮すると、底面73aからスイッチ領域74のZ方向中央部までの距離は、10mm以上、20mm以下であることが好ましい。また、筐体70の外形輪郭が側面視で非対称となることを考慮すると、底面73aの背面側端部と突起部83とを結ぶ直線と底面とが交差する角度としては、90°を上回り、150°以下であることが好ましい。
【0087】
また、孔部59および凹部58の最大大きさとしては、7.0mm以上、11.0mm以下であることが好ましい。スイッチ部51の最大大きさが7mm未満の場合には、小さすぎて押し込みにくくなり操作性が低下する。スイッチ部51の最大大きさが11mmを超えた場合には、大きすぎて意図せずに押し込んでしまい的確なタイミングでの押し込みとならない可能性がある。
【0088】
続いて、歯ブラシ10が装着されたアタッチメント1を用いて歯磨きを実施する手順について、
図13乃至
図16を参照して説明する。
図13は、アタッチメント1が停止状態からスイッチ部51が押下された際の動作を示すフローチャートである。
図14は、第1動作モードが選択されたときの動作を示すフローチャートである。
図15は、第2動作モードが選択されたときの動作を示すフローチャートである。
図16は、第1動作モードまたは第2動作モードのときにスイッチ部51が押下されたときの動作を示すフローチャートである。
【0089】
図13に示されるように、稼働停止状態からスイッチ部51が押下されると(ステップS1)、制御部55はスイッチ部51が押下された時間を計測する(ステップS2)。制御部55は、スイッチ部51が押下された時間の長さが第1の範囲(例えば、0.01秒以上、0.5秒以下)であるかどうかを判断する(ステップS3)。制御部55は、スイッチ部51の押下時間長さが第1の範囲であれば第1動作モードを稼働させる(ステップS4)。一方、ステップS3において、スイッチ部51の押下時間長さが第1の範囲外であれば、制御部55はスイッチ部51の押下時間長さが第2の範囲(例えば、2.0秒以上、6.0秒以下)であるかどうかを判断する(ステップS5)。ステップS5において、スイッチ部51の押下時間長さが第2の範囲内であれば、制御部55は第2動作モードを稼働させる(ステップS6)。第1の範囲と第2の範囲との差が明確になるように、第1の範囲の最長値と第2の範囲の最短値との差は、2.0秒以上、6.0秒以下が好ましく、3.5秒以上、4.5秒以下であることがより好ましい。
【0090】
一方、ステップS5において、押下時間長さが第2の範囲から外れている場合、制御部55は、押下時間長さに対応する動作モードが設定されていないことからエラーを出力する(ステップS7)。なお、ステップS5において、押下時間長さが第2の範囲から外れてエラーと判断した際に、制御部55はスイッチ部51の押下操作を受け付けずに反応しない処理としてもよい。
【0091】
制御部55は、上記ステップS4で第1動作モードを稼働させる際には、発光素子56に、一例として、第1動作モードに対応した青色光を発光させる。また、制御部55は、上記ステップS6で第2動作モードを稼働させる際には、発光素子56に、一例として、第2動作モードに対応した白色光を発光させる。発光素子56から発光された青色光または白色光は、孔部59を介してスイッチ領域74を内側から照明する。スイッチ領域74の厚さは、周囲の厚さよりも薄く形成されているため、発光された青色光または白色光は、少なくとも一部がスイッチ領域74を透過する。
【0092】
従って、使用者は、照明されたスイッチ領域74の色表示を視認することにより、スイッチ領域74を介してスイッチ部51を押し込んだ時間の長さに応じて設定された動作モードを容易に視認することが可能になる。すなわち、発光素子56及びスイッチ領域74は、選択された動作モードに対応する表示を色表示により行う表示部を構成する。
【0093】
[第1動作モード]
図14に示されるように、ステップS4で第1動作モードが選択されて稼働されると、制御部55は通信部53を介して携帯情報端末と通信し(ステップS8)、携帯情報端末にインストールされているアプリと接続可能か判断する(ステップS9)。このとき、携帯情報端末においてアプリが起動していない等の理由でアプリと接続できない場合、制御部55はエラーを出力する(ステップS10)。なお、ステップS9において、アプリと接続できない場合に、制御部55は第1動作モードの選択を受け付けずに反応しない処理としてもよい。
【0094】
一方、ステップS9でアプリと接続できた場合、制御部55は、前回の歯磨き時に第2動作モードで蓄積した物理量の有無を判断するが(ステップS11)、このステップS11、S12については後述する。
【0095】
制御部55(アタッチメント1)と接続した後、アプリにおいては歯磨きに関するナビゲーションを開始する(ステップS13)。第1動作モードにおいては、携帯情報端末から発せられるナビゲーションに応じて使用者が実施する歯磨き(ブラッシング)時には、検出部52が検出した歯ブラシ10に関する物理量を制御部55は通信部53を介してアプリに送信する(ステップS14)。
【0096】
アプリは、アタッチメント1から送信された歯ブラシ10に関する物理量の解析結果から、例えば歯ブラシ10の姿勢、歯ブラシ10の動き(歯ブラシ10のブラシ部12の移動距離、移動速度、移動経路等)、ブラッシング角度(歯ブラシ10のブラシ面の歯牙や歯茎に対する接触の角度)、ブラッシング回数、ブラッシング位置(歯ブラシフィラメントの接している歯の部位)、ブラッシング圧(歯ブラシ10のブラシ面から歯牙等に与える応力値とその変化)などのパラメータを含む使用者の歯磨き行動を表す情報を生成して評価する。
【0097】
その後、アプリは、評価結果を反映させながらナビゲーションを継続する(ステップS15)。この後、歯磨きが終了し評価結果の告知等を行って第1動作モードが終了する(ステップS16)。
【0098】
[第2動作モード]
図15に示されるように、ステップS6で携帯情報端末と通信を行わずアタッチメント1が単独でナビゲーションを行う第2動作モードが選択されて稼働されると、制御部55は、音楽等を用いた簡易ナビゲーションを開始させる(ステップS17)。制御部55は、簡易ナビゲーションの情報(プログラム)を保持部69に保持しており、第2動作モードが稼働されると、保持したプログラムを起動して簡易ナビゲーションを実行させる。この簡易ナビゲーションは、制御部55の制御によりスピーカ43から発せられる。
【0099】
第2動作モードにおいては、簡易ナビゲーションに応じて使用者が実施する歯磨き(ブラッシング)時には、検出部52が検出した歯ブラシ10に関する物理量を制御部55(または図示しない記憶部)が蓄積する(ステップS18)。すなわち、2動作モードにおいては、検出された歯ブラシ10に関する物理量を反映させない状態でナビゲーションを実施する。この後、歯磨きが終了した旨の告知等を行って第2動作モードが終了する(ステップS19)。
【0100】
第2動作モードにおいて、蓄積された歯ブラシ10に関する物理量は、後に第1動作モードが稼働され、
図14に示したステップS9でアプリとの接続が確認された後に、アプリに送信される(ステップS12)。
【0101】
[第3動作モード]
上記第1動作モード、第2動作モードは、アタッチメント1が稼働停止状態のときにスイッチ部51が押下されて稼働したが、本実施形態のアタッチメント1は、第1動作モードまたは第2動作モードが稼働中にスイッチ部51が押し込まれると動作する第3動作モードを有する。
【0102】
図16に示されるように、ステップS20で第1動作モードまたは第2動作モードが稼働中にスイッチ部51が押下されると、制御部55は、スイッチ部51の押下時間を計測する(ステップS21)。制御部55は、スイッチ部51が押下された時間の長さが所定時間(例えば、1.0秒)以上かどうかを判断し(ステップS22)、ブラッシング時に意図せずにスイッチ部51を押下した等で押下時間が所定時間未満の場合は、スイッチ部51の押下情報をスルーして第1動作モードまたは第2動作モードを継続する。
【0103】
一方、ステップS22において計測したスイッチ部51の押下時間が所定時間以上の場合には、第3動作モードを稼働し、第1動作モードまたは第2動作モードでの稼働を強制終了する(ステップS25)。このように、第3動作モードを稼働することにより、不測の事態が生じても対応可能となる。
【0104】
なお、制御部55は、上記第3動作モードを稼働させる際には、発光素子56による発光を停止させる。これにより、スイッチ領域74への照明が停止して消灯されるため、使用者は、強制終了(第3動作モードが稼働)したことを容易に視認することが可能になる。
【0105】
以上のように、本実施形態のアタッチメント1では、稼働停止状態から一つのスイッチ部51が押されている時間の長さに応じて、通信を行う携帯情報端末によるナビゲーションで歯磨きをする第1動作モード、またはアタッチメント1による単独のナビゲーションの下で歯磨きをする第2動作モードを少なくとも選択できるので、シングルクリック、ダブルクリックでの押し分けや押圧の違いによる押し分け等の操作困難性もなく、また、各動作モードに応じたスイッチ部を個別に設けた場合のように誤操作を生じさせることなく、子供や高齢者であっても、容易、且つ、確実に所望の動作モードを選択することができる。
【0106】
特に、本実施形態のアタッチメント1では、選択された動作モードに応じた色でスイッチ領域74が色表示されるため、使用者は、照明されたスイッチ領域74の色表示を視認することにより、スイッチ領域74を介してスイッチ部51を押し込んだ時間の長さに応じて設定された動作モードを容易に確認することが可能になる。
【0107】
また、本実施形態のアタッチメント1では、複数の動作モードを一つのスイッチ部51で選択可能としているため、制御部55による制御を簡素化することが可能になる。
【0108】
また、本実施形態のアタッチメント1では、筐体70が側面視において、スイッチ部51が設けられた正面側と、正面側と逆側の背面側とで非対称な外形輪郭に形成されているため、筐体70を把持した際に、自然に親指が正面側に当たりやすくなり、正面側に設けられたスイッチ領域74への操作が容易になる。
【0109】
[歯ブラシ10の変形例]
上記実施形態では、ハンドル体11が硬質樹脂で形成される構成を例示したが、硬質樹脂および軟質樹脂で形成される構成であってもよい。
図17は、変形例の歯ブラシ10の先端側を示す部分側面図である。
【0110】
図17に示す歯ブラシ10は、ヘッド部14、ネック部15及び把持部16の一部を構成する硬質樹脂で形成された芯部材17を有する。
【0111】
ヘッド部14は、芯部材17の一部を形成するベース部材21と、ベース部材21を覆う軟質樹脂で形成された軟質部22とを有する。ベース部材21の植毛面21aには、ブラシ部12が植設されている。
【0112】
ネック部15は、芯部材17の構成要素である芯部25と、軟質部26とを有する。芯部25は、Z方向(ネック部15の延在方向)に延在し、かつネック部15を貫通する第1の部分31と、Z方向に延在し、一端が第1の部分31と一体にされると共に、把持部16の一部に配置された第2の部分32とを有する。
【0113】
第1の部分31は、Z方向において同じ太さとされている。第1の部分31は、ヘッド部14に-X側への外力が加わった際の曲げ強度が、ヘッド部14にY方向(+Y側または-Y側へ)の外力が加わった際の曲げ強度よりも大きく設定されている。例えば、XY平面と平行な第1の部分31の断面形状は、X方向を長径(長軸)方向とする楕円形状である。
【0114】
上記硬質樹脂の具体例としては、上記実施形態で説明した硬質樹脂を用いることができる。
上記軟質樹脂としては、例えば、その硬度が、JIS K 7215 ショア硬度Aが好ましくは、20以上90以下、より好ましくは、30以上70以下、さらに好ましくは、40以上、60以下である軟質樹脂を用いるとよい。
このような軟質樹脂としては、上述した筐体70を構成する軟質樹脂と同様の軟質樹脂を用いることができる。
【0115】
第1の部分31のX方向の曲げ強度がY方向の曲げ強度よりも大きいことにより、歯を磨く際、ネック部15は、ブラシ部12の先端を歯や歯間等に押し当てる際に力が加えられる方向に対して変形しにくく、ブラシ部12の先端をしっかりと歯や歯間等に押し当てることが可能になる。一方、第1の部分31のY方向の曲げ強度がX方向の曲げ強度よりも小さいことにより、外力が加わった際にネック部15においてY方向に折れ曲がることが可能となる。これにより、ヘッド部14の先端に加わる力を逃がすことが可能となるので、歯ブラシ10の使用者の口腔内が損傷することを抑制できる。
【0116】
把持部16の正面視の外形輪郭形状および側面視の外形輪郭形状は、
図2および
図3で示した把持部と同様に、正面視では外形輪郭線が対称であり、側面視では外形輪郭線が非対称である。把持部16は、軟質樹脂2で構成されている。把持部16を軟質樹脂で構成することで、歯ブラシ10を口にくわえた状態で、歯ブラシ10の後端からヘッド部14の先端に向かう方向に強い外力が加えられた際、把持部16を変形させる(曲げる)ことが可能となる。これにより、ネック部15だけでなく、把持部16も曲がることで、歯ブラシ10の後端からヘッド部14の先端に向かう外力を、これとは異なる方向に逃がすことが可能となるので、歯ブラシ10の使用者の口腔内が損傷することを抑制できる。
【0117】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0118】
例えば、上記実施形態では、筐体70の上面90が底面73aに対して正面側が背面側よりも低くなる向きで傾斜している構成を例示したが、この構成に限定されず、上面90が底面73aと平行である構成や、正面側が背面側よりも高くなる向きで条件90が傾斜している構成であってもよい。この場合、筐体70の正面側に、上面90から下側に挿入穴72を正面側に開口させる切込みが設けられてることが好ましい。切込みの大きさとしては、Z方向の長さが5mm以上、15mm以下であることが好ましく、Y方向の幅が5mm以上、15mm以下であることが好ましい。これにより、使用者は歯ブラシ10を挿入穴72に正常に挿入して筐体70の正面側に植毛面21aを向けたときにのみ、切込みを介して歯ブラシ10のロゴが見える。従って、使用者は、ロゴが見えるように無意識に歯ブラシ10を挿入することができる。
【0119】
また、上記実施形態では、アタッチメント1が手動の歯ブラシ10に装着される構成を例示したが、この構成に限定されず、少なくともヘッド部が電気駆動される電動歯ブラシにも適用可能である。
【0120】
また、上記実施形態では、アタッチメント1が停止状態から稼働する第1動作モード及び第2動作モード、上記第1動作モードまたは第2動作モードが稼働した状態から稼働する第3動作モードを例示したが、三つの動作モードに限定されるものではなく、例えば、アタッチメント1が停止状態から稼働する三つ以上の動作モードを有する構成や、動作モードが稼働した状態から他の動作モードに強制的に移行させる動作モード等を有する構成であってもよい。
【0121】
また、上記実施形態で例示した構造体40、筐体70を構成する素材は一例であり、他の素材を用いる構成であってもよい。
【符号の説明】
【0122】
1…アタッチメント(歯ブラシ接合部)、 10…歯ブラシ、 14…ヘッド部、 16…把持部、 16a…尾部、 21a…植毛面、 52…検出部、 70…筐体、 72…挿入穴、 73a…底面(載置面)、 90…上面、 D11、D12…外形輪郭線、 J1…軸線、 J2…中心軸