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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】インターホン機器
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/02 20060101AFI20240226BHJP
   H04M 9/00 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
H04M1/02 G
H04M9/00 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020039145
(22)【出願日】2020-03-06
(65)【公開番号】P2021141503
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】山田 陽二朗
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-46615(JP,A)
【文献】国際公開第2017/068715(WO,A1)
【文献】特開2007-208505(JP,A)
【文献】特開2012-114952(JP,A)
【文献】特開2014-192779(JP,A)
【文献】特開2001-305982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133-1/1334
1/1339-1/1341
1/1347
H04M1/02-1/23
9/00-9/10
H05K5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側に配される前ケースと、後側に配される後ケースとを組み合わせてなる本体ケースを有しているとともに、前記本体ケース内に液晶表示装置が設置されているインターホン機器であって、
前記前ケースの後面に、上下方向の長さが前記液晶表示装置の上下長さと同じで、且つ、左右方向の長さが前記液晶表示装置の左右長さよりも長い範囲にわたって前方へ凹ませた収納凹部が設けられているとともに、
前記収納凹部における左右方向での一端に、前記収納凹部の前記一端側の後方を覆う庇部が設けられており、
前記液晶表示装置が、前記一端側の後面を前記庇部により覆われた状態で前記収納凹部内に配され、前記液晶表示装置の他端と前記収納凹部の前記他端との間に、所定の左右幅の隙間が生じている一方、
前記収納凹部の前記他端側には、前記収納凹部内にある前記液晶表示装置の前記他端側の後面を覆う支持部材が固定されているとともに、
前記支持部材に、前記隙間と同じ左右幅を有する規制部が前方へ突設されており、前記規制部が前記隙間に入り込んでいることを特徴とするインターホン機器。
【請求項2】
前側に配される前ケースと、後側に配される後ケースとを組み合わせてなる本体ケースを有しているとともに、前記本体ケース内に液晶表示装置が設置されているインターホン機器であって、
前記前ケースの後面に、左右方向の長さが前記液晶表示装置の左右長さと同じで、且つ、上下方向の長さが前記液晶表示装置の上下長さよりも長い範囲にわたって前方へ凹ませた収納凹部が設けられているとともに、
前記収納凹部における上下方向での一端に、前記収納凹部の前記一端側の後方を覆う庇部が設けられており、
前記液晶表示装置が、前記一端側の後面を前記庇部により覆われた状態で前記収納凹部内に配され、前記液晶表示装置の他端と前記収納凹部の前記他端との間に、所定の上下幅の隙間が生じている一方、
前記収納凹部の前記他端側には、前記収納凹部内にある前記液晶表示装置の前記他端側の後面を覆う支持部材が固定されているとともに、
前記支持部材に、前記隙間と同じ上下幅を有する規制部が前方へ突設されており、前記規制部が前記隙間に入り込んでいることを特徴とするインターホン機器。
【請求項3】
前記収納凹部の前記他端側の近傍に、マイクを収納可能なマイク収納部が設けられているとともに、
前記支持部材に、前記マイク収納部の後方を覆うマイクカバーが一体的に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインターホン機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば居室内に設置される液晶表示装置を備えたインターホン親機等のインターホン機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえばインターホン機器の一例であるインターホン親機としては、液晶表示装置を搭載してなるものがある。そして、そのようなインターホン親機では、機器全体の薄型化及び構造の簡素化を図るべく種々の考案がなされており、制御基板の表面に、液晶表示装置を支持する支持部を設けることで機器全体の薄型化を図ったものもある(たとえば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-60005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
依然として、インターホン機器の薄型化及び構造の簡素化は解決すべき課題の1つであり、従来にない斬新な構造の採用が求められている。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、薄型化及び構造の簡素化を図ることができるインターホン機器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、前側に配される前ケースと、後側に配される後ケースとを組み合わせてなる本体ケースを有しているとともに、本体ケース内に液晶表示装置が設置されているインターホン機器であって、前ケースの後面に、上下方向の長さが液晶表示装置の上下長さと同じで、且つ、左右方向の長さが液晶表示装置の左右長さよりも長い範囲にわたって前方へ凹ませた収納凹部が設けられているとともに、収納凹部における左右方向での一端に、収納凹部の一端側の後方を覆う庇部が設けられており、液晶表示装置が、一端側の後面を庇部により覆われた状態で収納凹部内に配され、液晶表示装置の他端と収納凹部の他端との間に、所定の左右幅の隙間が生じている一方、収納凹部の他端側には、収納凹部内にある液晶表示装置の他端側の後面を覆う支持部材が固定されているとともに、支持部材に、隙間と同じ左右幅を有する規制部が前方へ突設されており、規制部が隙間に入り込んでいることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、前ケースの後面に庇部等を有する収納凹部が設けられており、液晶表示装置が、一端側の後面を庇部により覆われた状態で収納凹部内に配され、液晶表示装置の他端と収納凹部の他端との間に、所定の左右幅の隙間が生じている一方、収納凹部の他端側には、液晶表示装置の他端側の後面を覆う支持部材が固定され、該支持部材に、隙間と同じ左右幅を有する規制部が前方へ突設されており、支持部材の固定時に規制部が隙間に入り込んでいるという従来にない斬新な態様で液晶表示装置が設置されている。したがって、液晶表示装置の設置に係る構造を従来よりも簡素化することができるし、インターホン機器の薄型化を図ることもできる。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項2に記載の発明は、前側に配される前ケースと、後側に配される後ケースとを組み合わせてなる本体ケースを有しているとともに、本体ケース内に液晶表示装置が設置されているインターホン機器であって、前ケースの後面に、左右方向の長さが液晶表示装置の左右長さと同じで、且つ、上下方向の長さが液晶表示装置の上下長さよりも長い範囲にわたって前方へ凹ませた収納凹部が設けられているとともに、収納凹部における上下方向での一端に、収納凹部の一端側の後方を覆う庇部が設けられており、液晶表示装置が、一端側の後面を庇部により覆われた状態で収納凹部内に配され、液晶表示装置の他端と収納凹部の他端との間に、所定の上下幅の隙間が生じている一方、収納凹部の他端側には、収納凹部内にある液晶表示装置の他端側の後面を覆う支持部材が固定されているとともに、支持部材に、隙間と同じ上下幅を有する規制部が前方へ突設されており、規制部が隙間に入り込んでいることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前ケースの後面に庇部等を有する収納凹部が設けられており、液晶表示装置が、一端側の後面を庇部により覆われた状態で収納凹部内に配され、液晶表示装置の他端と収納凹部の他端との間に、所定の上下幅の隙間が生じている一方、収納凹部の他端側には、液晶表示装置の他端側の後面を覆う支持部材が固定され、該支持部材に、隙間と同じ上下幅を有する規制部が前方へ突設されており、支持部材の固定時に規制部が隙間に入り込んでいるという従来にない斬新な態様で液晶表示装置が設置されている。したがって、液晶表示装置の設置に係る構造を従来よりも簡素化することができるし、インターホン機器の薄型化を図ることもできる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、収納凹部の他端側の近傍に、マイクを収納可能なマイク収納部が設けられているとともに、支持部材に、マイク収納部の後方を覆うマイクカバーが一体的に設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、液晶表示装置の設置と共に、マイクの設置をも行うことができるため、インターホン機器の組み立て作業の簡易化を図ることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、前ケースの後面に庇部等を有する収納凹部を設け、液晶表示装置を、一端側の後面を庇部により覆われた状態で収納凹部内に配し、液晶表示装置の他端と収納凹部の他端との間に、所定幅の隙間を生じさせる一方、収納凹部の他端側には、液晶表示装置の他端側の後面を覆う支持部材を固定し、該支持部材に、隙間と同じ幅を有する規制部を前方へ突設し、支持部材の固定時に規制部を隙間に入り込ませるという従来にない斬新な態様で液晶表示装置を設置している。したがって、液晶表示装置の設置に係る構造を従来よりも簡素化することができるし、インターホン機器の薄型化を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】インターホン親機の前面側を示した説明図である。
図2】液晶表示装置が設置された状態にある前ケースの後面を示した斜視説明図である。
図3】液晶表示装置が取り外された状態にある前ケースの後面を示した斜視説明図である。
図4】支持部材を示した斜視説明図であり、(a)は前側から、(b)は後側から夫々示している。
図5図1中のA-A線断面のうち要部を拡大して示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態となるインターホン親機について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0012】
図1は、インターホン親機1の前面側を示した説明図である。図2は、液晶表示装置10が設置された状態にある前ケース2の後面を示した斜視説明図である。図3は、液晶表示装置10が取り外された状態にある前ケース2の後面を示した斜視説明図である。図4は、支持部材21を示した斜視説明図であり、(a)は前側から、(b)は後側から夫々示している。図5は、図1中のA-A線断面のうち要部を拡大して示した説明図である。
【0013】
インターホン親機1は、前側に配置される前ケース2と、前ケース2の後側に組み付けられる後ケース3と、前ケース2の前面に組み付けられ、前ケース2の前面下部を覆うカバー部材4とで構成される本体ケースを有しており、本体ケースの前面中央から上部にかけては、インターホン子機(図示せず)で撮像された映像等を表示する表示部としての機能と、インターホン子機からの呼び出しに対する応答時等に操作する操作部としての機能とを兼ね備えたタッチパネル式の表示操作部5が設けられている。また、表示操作部5の上側には、インターホン子機との間で通話するためのマイク部6が設けられている。さらに、表示操作部5の下側には、自身の設定等のための設定ボタンや非常時に操作する非常報知ボタン等の各種操作ボタン7、7・・が設けられているとともに、インターホン子機との間で通話するためのスピーカ部8が設けられている。そして、このようなインターホン親機1は、居室内の壁面等に設置されており、インターホン子機からの呼び出しに応じて表示操作部5に映像を表示するとともに、表示操作部5において所定の応答操作がなされたことをもって、インターホン子機との間での通話を可能な状態とする。
【0014】
ここで、本発明の要部となる前ケース2への液晶表示装置10の設置に係る構造について説明する。
前ケース2は、透明な窓部11と、窓部11の左右外側及び上側に配され、窓部11と一体成形された透明でないケース部12と、窓部11の下側に配され、カバー部材4によって覆われる被覆部13とを有してなる。そして、窓部11の後側に液晶表示装置10が取り付けられて、表示操作部5が構成される。なお、30は、スピーカ部8を構成するスピーカ格子であり、被覆部13に設けられている。
【0015】
前ケース2の後面には、窓部11の下縁に沿って左右方向へ延びる下壁14が後方へ突出されている。また、前ケース2の後面で、窓部11の上縁に沿っても左右方向へ延びる上壁が後方へ突設されており、該上壁は、中央に設けられた切り欠きにより、右上壁15aと左上壁15bとに分断されている。さらに、前ケース2の後面には、下壁14と左上壁15bとの左端部同士を連結するように、後方へ突設された左側壁16が上下方向へ延びている(図5に示す)。該左側壁16は、窓部11の後面よりも一段後方へ隆起した段部の端面として形成されている。
【0016】
さらに、前ケース2の後面には、下壁14と右上壁15aとの右端部同士を連結するように、後方へ突設された右側壁17が上下方向へ延びている。そして、前ケース2の後面(特に窓部11の後側)には、下壁14、上壁(右上壁15a及び左上壁15b)、左側壁16、及び右側壁17によって、前方へ凹んだ収納凹部20が形成されている。加えて、右側壁17の先端(後端)には、左側へ折り曲げられた庇部18が設けられている。そして、庇部18で覆われる収納凹部20の右端の空間(すなわち、下壁14、右上壁15a、右側壁17、庇部18、及び窓部11で囲まれ、左側にのみ開口する空間)は、後述する液晶表示装置10の掛止空間となる。
【0017】
なお、下壁14から上壁(右上壁15a及び左上壁15b)までの上下方向での距離は、液晶表示装置10の上下長さと略同じとなっている。また、右側壁17の後方への突出高さ(窓部11後面から庇部18前面までの前後方向での距離)は、液晶表示装置10の厚みと略同じとなっており、液晶表示装置10の右端を上記掛止空間内へ差し込み可能となっている。さらに、左側壁16から右側壁17までの左右方向での距離は、液晶表示装置10の左右長さよりも長くなっている(本実施形態では、左側壁16から庇部18の先端までの左右方向での距離についても、液晶表示装置10の左右長さよりも長くなっている)。したがって、収納凹部20は、液晶表示装置10を収納可能となっているとともに、液晶表示装置10の右端を掛止空間内へ差し込んで右側壁17に当接させると、液晶表示装置10の左端と左側壁16との間に隙間が生じるようになっている。
【0018】
一方、前ケース2の後面には、収納凹部20の左部を後側から覆うように支持部材21を固定可能となっており、該支持部材21をネジ止めするためのネジ止め部22が、左側壁16の上端近傍に設けられている。なお、前ケース2の後面における左上壁15bの左端近傍で、ネジ止め部22に隣接した箇所には、マイク(図示せず)を収納可能なマイク収納部23が設けられている。
【0019】
支持部材21は、上下方向へ延びる帯状の本体21aと、本体21aの上端から右側へ延びる上辺部、及び本体21aの下端から右側へ延びる下辺部とを有する後面視コ字状に成形されている。そして、本体21aの左側縁に沿って、前方へ突出する規制リブ24が上下方向に延設されている。規制リブ24の前方への突出高さは、液晶表示装置10の厚みと略同じとなっている。また、規制リブ24の左右方向での内面(右面)には、右方へ突出する複数の規制突起25、25・・が上下方向へ所定間隔毎に設けられている。そして、規制突起25の先端から規制リブ24の左右方向での外面(左面)までの長さは、上述したように液晶表示装置10の右端を掛止空間内へ差し込んだ際に、液晶表示装置10の左端と左側壁16との間に生じる隙間の左右幅と略同じとなっている。なお、本体21aの上端部には、ネジ止め部22にネジ止めされる被固定部26が設けられているとともに、支持部材21を前ケース2の後面にネジ止めした際、マイク収納部23の後方を覆うマイクカバー27が、被固定部26に隣接して設けられている。
【0020】
そして、液晶表示装置10を設置するにあたっては、まず液晶表示装置10を収納凹部20内に配置させる。次に、液晶表示装置10を右側(後から見ると左側)へスライドさせ、液晶表示装置10の右端を掛止空間内へ差し込むとともに、液晶表示装置10の左端と左側壁16との間に隙間を生じさせる。最後に、支持部材21を前ケース2の後面にネジ止めし、規制リブ24及び規制突起25、25・・を上記隙間に入り込ませるととともに、本体21aによって液晶表示装置10の左端側の後面を覆えばよい。すると、液晶表示装置10は、下壁14と右上壁15a及び左上壁15bとにより上下から、右側壁17と規制リブ24及び規制突起25、25・・とにより左右から、窓部11の後面と庇部18及び支持部材21の本体21aとにより前後から夫々挟まれる格好で設置されることになる。なお、予めマイクをマイク収納部23へ収納しておけば、上記液晶表示装置10の設置に伴って、マイク収納部23がマイクカバー27により覆われた状態となり、マイクの設置についても完了となる。
【0021】
以上のような構成を有するインターホン親機1によれば、前ケース2の後面に、下壁14、右上壁15a、左上壁15b、左側壁16、及び右側壁17に囲まれた前方へ凹む収納凹部20を設けている。そして、下壁14から右上壁15a及び左上壁15bまでの上下方向での距離を、液晶表示装置10の上下長さと略同じとするとともに、左側壁16から右側壁17までの左右方向での距離は、液晶表示装置10の左右長さよりも長くしており、収納凹部20内へ液晶表示装置10を収納可能としている。また、右側壁17の後端に、収納凹部20の右端側の一部を覆う庇部18を設け、液晶表示装置10の右端を庇部18により覆われた掛止空間内へ差し込み可能としている。一方、収納凹部20の左端側には、収納凹部20の左端側の後方を覆う支持部材21を固定可能とするとともに、支持部材21に、前方へ突出する規制リブ24と、規制リブ24の左右方向での内面に配された右方へ突出する複数の規制突起25、25・・とを設けており、規制突起25の先端から規制リブ24の左右方向での外面までの長さを、液晶表示装置10の右端を掛止空間内へ差し込んだ際に、液晶表示装置10の左端と左側壁16との間に生じる隙間の左右幅と略同じとした。そして、液晶表示装置10を収納凹部20内に配置させた後、右側へスライドさせて液晶表示装置10の右端を掛止空間内へ差し込むとともに、液晶表示装置10の左端と左側壁16との間に隙間を生じさせ、さらに、規制リブ24及び規制突起25、25・・が当該隙間に入り込むように、支持部材21を前ケース2の後面にネジ止めすることによって、下壁14と右上壁15a及び左上壁15bとにより上下から、右側壁17と規制リブ24及び規制突起25、25・・とにより左右から、窓部11の後面と庇部18及び支持部材21の本体21aとにより前後から夫々挟まれる格好で、液晶表示装置10を設置可能とした。このような従来にない設置構造を採用することにより、制御基板の表面に、液晶表示装置10を支持する支持部を設ける等する必要がなく、液晶表示装置10の設置に係る構造を従来よりも簡素化することができるし、インターホン親機1の薄型化を図ることもできる。
【0022】
また、収納凹部20の左端近傍にマイクを収納可能なマイク収納部23を設けるとともに、支持部材21に、前ケース2への固定時に、マイク収納部23の後方を覆うマイクカバー27を設けており、上記液晶表示装置10の設置に伴って、マイク収納部23がマイクカバー27により覆われ、マイクの設置についても完了となるようにした。したがって、インターホン親機1の組み立て作業の簡易化を図ることができる。
【0023】
なお、本発明に係るインターホン機器は、インターホン機器の全体的な構成は勿論、液晶表示装置の設置に係る構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更することができる。
【0024】
たとえば、上記実施形態では、収納凹部の左右方向での長さを液晶表示装置の左右長さよりも長くしているが、収納凹部の左右方向での長さは液晶表示装置の左右長さと同じとし、収納凹部の上下方向での長さを液晶表示装置の上下長さよりも長くするように構成することも可能である。その場合、収納凹部の上端と下端との何れか一方に庇部を設けるとともに、他方に支持部材を固定可能とすることで、上記実施形態と同じ効果を奏するインターホン機器を実現することができる。
【0025】
また、上記実施形態では、液晶表示装置の左右方向での挟持に係り、庇部に覆われた空間内へ差し込まれた液晶表示装置の端部を右側壁に当接させるとしているが、側壁に当接させるのではなく、窓部の後面で庇部に覆われた箇所に後方へ突出する凸条を設け、液晶表示装置の端部を当該凸条に当接させるように構成することも可能である。このような構成は、上述したような収納凹部の上下方向への長さを長くするような構造についても当然適用可能である。
【0026】
さらに、上記実施形態では、規制部として規制リブ及び規制突起を設けるとしているが、規制リブ若しくは規制突起の何れか一方のみで規制部を構成しても何ら問題はない。
さらにまた、上記実施形態では、収納凹部の一端において、庇部が収納凹部の上端から下端まで覆うように構成しているが、収納凹部の上下方向での中央部分しか覆わないように庇部を設けてもよいし、収納凹部の上端から下端にかけて断続的に覆うように複数の庇部を設けるとしてもよく、どのような庇部を設けるかについては適宜設計変更可能である。
加えて、上記実施形態ではインターホン親機について説明しているが、本発明は、液晶表示装置を内蔵していれば、集合玄関機等の他のインターホン機器に対しても好適に採用することができる。
【符号の説明】
【0027】
1・・インターホン親機(インターホン機器)、3・・前ケース(本体ケース)、4・・後ケース(本体ケース)、5・・表示操作部、10・・液晶表示装置、11・・窓部、14・・下壁、15a・・右上壁、15b・・左上壁、16・・左側壁、17・・右側壁、18・・庇部、20・・収納凹部、21・・支持部材、21a・・本体、22・・ネジ止め部、23・・マイク収納部、24・・規制リブ(規制部)、25・・規制突起(規制部)、26・・被固定部、27・・マイクカバー。
図1
図2
図3
図4
図5