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特許7442363布型センサ、服型センサおよび服型センサを装着したロボット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】布型センサ、服型センサおよび服型センサを装着したロボット
(51)【国際特許分類】
   G01L 1/20 20060101AFI20240226BHJP
【FI】
G01L1/20 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020055753
(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公開番号】P2021154420
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-01-31
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成31年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究ERATO「石黒共生ヒューマンロボットインタラクションプロジェクト」協働研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願。
(73)【特許権者】
【識別番号】393031586
【氏名又は名称】株式会社国際電気通信基礎技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100090181
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 義人
(72)【発明者】
【氏名】住岡 英信
(72)【発明者】
【氏名】港 隆史
(72)【発明者】
【氏名】塩見 昌裕
(72)【発明者】
【氏名】松本 正秀
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-193467(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0296749(US,A1)
【文献】特開2013-019064(JP,A)
【文献】特表2012-521550(JP,A)
【文献】特開2016-090319(JP,A)
【文献】特開2018-021766(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0003579(US,A1)
【文献】特開2019-219395(JP,A)
【文献】特開2014-210178(JP,A)
【文献】特表2016-513187(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0238151(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0233902(US,A1)
【文献】長久保晶彦,柔軟な触覚センサ~実利用に向けて,日本ロボット学会誌,日本,日本ロボット学会,2019年06月17日,37巻, 5号,pp.401-402,https://doi.org/10.7210/jrsj.37.401
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 1/20,5/00-5/28
D04B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性の糸で第1布を編むとともに導電性の糸で第2布を編みながら、当該第1布と当該第2布の間を絶縁性の糸で編むことにより、当該第1布と当該第2布が接結された第1導電性布と、
導電性の糸と絶縁性の糸を撚糸した糸を編んで形成され、前記第1導電性布の前記第1布側に重ねられた第2導電性布と、
前記第2布と電気的に接続されたマイクロコントローラを備え、
前記第2導電性布は、前記導電性の糸の一部が前記絶縁性の糸から飛び出し、毛羽立っている、布型センサ。
【請求項2】
前記第1導電性布および前記第2導電性布は、伸縮性を有する、請求項1記載の布型センサ。
【請求項3】
マイクロコントローラと、
絶縁性の糸で第1布を編むとともに導電性の糸で第2布を編みながら、当該第1布と当該第2布の間を絶縁性の糸で編むことにより、当該第1布と当該第2布が接結された第1導電性布と、
導電性の糸と絶縁性の糸を撚糸した糸を編んで形成された第2導電性布を備え、
前記第2導電性布は、前記導電性の糸の一部が前記絶縁性の糸から飛び出し、毛羽立っており、
複数の前記第1導電性布を、絶縁性の第3布を用いて面状に繋ぎ合わせるとともに服に固定し、当該複数の前記第1導電性布のそれぞれの前記第1布側に複数の前記第2導電性布を個別に重ねて縫い合わせ、当該複数の第1導電性布のそれぞれを構成する前記第2布のそれぞれを前記第3布に縫い付けられた電線を用いて前記マイクロコントローラに個別に接続するとともに、当該複数の第2導電性布をそれぞれ接地した、服型センサ。
【請求項4】
前記第1導電性布および前記第2導電性布は、伸縮性を有する、請求項3記載の服型センサ。
【請求項5】
請求項3または4に記載の服型センサを装着した、ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、布型センサ、服型センサおよび服型センサを装着したロボットに関し、特にたとえば、柔軟な検出部を有する、布型センサ、服型センサおよび服型センサを装着したロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来のロボット一例が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されるロボットは、体表面に対するユーザの接触を検出するための面上のタッチセンサが設置される。より具体的には、ロボットの樹脂材からなる本体フレームの曲面状に沿って、第2層タッチセンサが設置され、この第2層タッチセンサは、本体フレームとウレタンゴム製の外皮の間に挟まれる。外皮の表面には布製の表皮が貼り付けられ、外被と表皮の間に、外皮の曲面形状に沿って、第1層タッチセンサが設置される。また、タッチセンサに圧力センサなどを組み合わせて、多様な接触を検出することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-72495
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に開示されるロボットでは、ロボット内部の硬い本体フレームにフィルム状の第2層タッチセンサが貼り付けられ、その上に柔らかい外皮が貼り付けられる。このため、人間に酷似した姿形を有するアンドロイドロボットのように、より複雑な構成を有するロボットでは、タッチセンサおよび圧力センサを内部フレームに貼り付けるのは困難である。また、特許文献1に開示されるロボットでは、タッチセンサおよび圧力センサが損傷(または、故障)した場合、表皮または/および外皮を剥がして修理を行う必要があり、手間がかかってしまう。さらに、フィルム状のタッチセンサおよび圧力センサを用いるため、ロボットは、硬い本体フレームを有している必要があり、ぬいぐるみのようなフレームの無い本体を有するロボットには利用することができない。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、布型センサ、服型センサおよび服型センサを装着したロボットを提供することである。
【0006】
また、この発明の他の目的は、圧力センサとして機能することができる、布型センサ、服型センサおよび服型センサを装着したロボットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、絶縁性の糸で第1布を編むとともに導電性の糸で第2布を編みながら、当該第1布と当該第2布の間を絶縁性の糸で編むことにより、当該第1布と当該第2布が接結された第1導電性布と、導電性の糸と絶縁性の糸を撚糸した糸を編んで形成され、第1導電性布の第1布側に重ねられた第2導電性布と、第2布と電気的に接続されたマイクロコントローラを備え、第2導電性布は、導電性の糸の一部が絶縁性の糸から飛び出し、毛羽立っている、布型センサである。
【0008】
第2導電性布側から布型センサに圧力が加えられると、第2導電性布の毛羽だった部分が第1導電性布の第2布に接触し、第2布と第2導電性布によって導電体が構成され、この導電体の抵抗値が検出される。そして、抵抗値に応じた圧力値がたとえばテーブルデータから取得される。
【0009】
第2の発明は、第1の発明に従属し、第1導電性布および第2導電性布は、伸縮性を有する。
【0010】
第3の発明は、マイクロコントローラと、絶縁性の糸で第1布を編むとともに導電性の糸で第2布を編みながら、当該第1布と当該第2布の間を絶縁性の糸で編むことにより、当該第1布と当該第2布が接結された第1導電性布と、導電性の糸と絶縁性の糸を撚糸した糸を編んで形成された第2導電性布を備え、第2導電性布は、導電性の糸の一部が絶縁性の糸から飛び出し、毛羽立っており、複数の第1導電性布を、絶縁性の第3布を用いて面状に繋ぎ合わせるとともに服に固定し、当該複数の第1導電性布のそれぞれの第1布側に複数の第2導電性布を個別に重ねて縫い合わせ、当該複数の第1導電性布のそれぞれを構成する第2布のそれぞれを第3布に縫い付けられた電線を用いてマイクロコントローラに個別に接続するとともに、当該複数の第2導電性布をそれぞれ接地した、服型センサである。
【0011】
第4の発明は、第3の発明に従属し、第1導電性布および第2導電性布は、伸縮性を有する。
【0012】
第5の発明は、第3または第4の発明に従属し、服型センサを装着した、ロボットである。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、第1導電性布の第2布と、第2導電性布で構成される導電体の抵抗値の大きさで、第2導電性布側からの圧力を検出することができる。つまり、圧力センサとして機能することができる。
【0014】
この発明の上述の目的、その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1はこの発明の一実施例の布型センサを示す図である。
図2図2図1に示す布型センサの検出部の構成の概略を説明するための図である。
図3図3(A)は図1および図2に示す布型センサの検出部を構成する第1導電性布の非導電面側の布の一部拡大図であり、図3(B)は図1および図2に示す布型センサの検出部を構成する第1導電性布の導電面側の布の一部拡大図である。
図4図4図1および図2に示す布型センサの検出部を構成する第1導電性布の一部拡大図である。
図5図5図1および図2に示す布型センサの検出部を構成する第2導電性布の一部拡大図である。
図6図6(A)は比較的小さい圧力が第2導電性布側から検出部に加えられた状態を示す図であり、図6(B)は比較的大きい圧力が第2導電性布側から検出部に加えられた状態を示す図である。
図7図7図1に示すコントローラに内蔵される測定回路の一例を示す回路図である。
図8図8(A)は服型センサの前面側の複数の検出部の配置を示す図であり、図8(B)は服型センサの背面側の複数の検出部の配置を示す図である。
図9図9図8(A)および(B)に示す服型センサを構成する複数の検出部のうちの複数の第1導電性布を結合するためのワイヤ付き布の一部拡大図である。
図10図10図8(A)および(B)に示す服型センサを構成する複数の検出部のうちの複数の第1導電性布を結合する方法を説明するための図である。
図11図11(A)は図8(A)および(B)に示す服型センサを装着するアンドロイドロボットの瞼および眼球を動かすアクチュエータを説明するための図であり、図11(B)はアンドロイドロボットの額、眉間および口角を動かすアクチュエータを説明するための図であり、図11(C)はアンドロイドロボットの唇を動かすアクチュエータを説明するための図である。
図12図12はアンドロイドロボットの頭部、肩、腰を動かすアクチュエータを説明するための図である。
図13図13はアンドロイドロボットの電気的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照して、この実施例の布型センサ10は、検出部12およびコントローラ14を含み、検出部12とコントローラ14が電気的に接続される。
【0017】
図2図1に示す検出部12の構造の概略を示す図である。図2に示すように、検出部12は、層構造を有しており、第1導電性布20および第2導電性布22を含む。さらに、第1導電性布20は、非導電面側の布20a(「第1布」に相当する)と導電面側の布20b(「第2布」に相当する)を絶縁性の糸で接結して構成される。したがって、接結するための絶縁性の糸による中間層20cが布20aと布20bの間に設けられる。第2導電性布22は、第1導電性布20の非導電面側の布20a側に重ねて設けられる。
【0018】
ただし、第2導電性布22は、常に布20aに接触している必要はない。また、図示は省略するが、第2導電性布22は、第1導電性布20と面同士が重なるように、第1導電性布20に縫い付けられる。たとえば、縫い代を数ミリ程度設けて、第2導電性布22を4つの辺に沿って第1導電性布20に縫い付ければよい。または、第2導電性布22の4つの角のそれぞれを第1導電性布20の4つの角のそれぞれに縫い付けてもよい。
【0019】
これは一例であり、第1導電性布20が他の布に縫い付けられている場合には、第2導電性布22を第1導電性布20に重ねた状態で、その他の布に縫い付けてもよい。また、第2導電性布22は、第1導電性布20と面同士が重なる位置に固定できれば、他の方法で固定されてもよい。
【0020】
図2に戻って、図1に示したコントローラ14は、検出部12のうちの導電面側の布20bに電線で接続される。また、検出部12のうち、第2導電性布22は、接地される。
【0021】
図3(A)は非導電面側の布20aの一部拡大図であり、図3(B)は導電面側の布20bの一部拡大図である。また、図4は布型センサ10の検出部12を構成する第1導電性布20の一部拡大図である。図3(A)、図3(B)および図4を参照しながら、この実施例の非導電面側の布20a、導電面側の布20bおよび第1導電性布20について具体的に説明する。ただし、図3(A)、図3(B)および図4では、非導電面側の布20aと導電面側の布20bを分かり易く示すために、導電面側の布20bを白抜きの線で示してある。また、図4では、絶縁性の糸すなわち中間層20cを点線で示してある。
【0022】
非導電面側の布20aは、絶縁性の糸を丸編みすることにより作られる。この実施例では、絶縁性の糸は、ポリエステル糸である。以下、同様である。導電面側の布20bは、導電性の糸を丸編みすることにより作られる。この実施例では、導電性の糸は、ナイロン銀メッキ糸である。以下、同様である。
【0023】
図4に示すように、第1導電性布20は、接結天竺編みすることにより作られる。つまり、第1導電性布20は、非導電面側の布20aと導電面側の布20bを編みながら、それらの間をポリエステル糸のような絶縁性の糸で編むことにより、非導電面側の布20aと導電面側の布20bが接結される。したがって、上述したように、第1導電性布20は、非導電面側の布20aと導電面側の布20bとその間の中間層20cの3層構造になっている。図4では分かり難いが、この実施例では、第1導電性布20において、非導電面側の布20a、中間層20cおよび導電面側の布20bの順で編み目の大きさは小さくされる。
【0024】
このように、中間層20cを設けるのは、第1導電性布20の表と裏とで異なる特性にするためである。また、中間層20cは、フィルタの役目を果たし、第1導電性布20に強い圧力がかかっても、第1導電性布20の全体の構造が壊れるのを防止する機能を有する。また、中間層20cを設けることにより、非導電面側の布20aと導電面側の布20bの間に空間距離を設けることができる。したがって、後述するように、第2導電性布22が第1導電性布20側に押圧されていない状態では、第2導電性布22が導電面側の布20bに接触しないように(つまり、絶縁状態に)することができる。
【0025】
また、編み目の大きさを変えるのは、後述するように、第2導電性布22が第1導電性布20側に圧力をかけられた場合に、第2導電性布22の毛羽だった部分が非導電面側の布20aおよび中間層20cの編み目を通るとともに、導電面側の布20bに接触する必要があるからである。
【0026】
なお、この実施例では、第1導電性布20に伸縮性を持たせるために、非導電面側の布20aおよび導電面側の布20bを丸編みで作るようにしたが、これに限定される必要はない。非導電面側の布20aおよび導電面側の布20bは、緯(ヨコ)編みまたは経(タテ)編みで作るようにしてもよい。かかる場合にも、第1導電性布20に伸縮性を持たせることができる。
【0027】
図5は布型センサ10の検出部12を構成する第2導電性布22の一部拡大図である。第2導電性布22は、ポリウレタン糸のような絶縁性の糸220と導電性の糸222を撚糸した糸22aを使ってトリコット編みすることにより作られる。
【0028】
この実施例では、糸22aを使ってトリコット編みすることにより、第2導電性布22を作るようにしてあるが、これは一例であり、限定される必要はない。ニット編みであれば、他の編み方で第2導電性布22を作ってもよい。
【0029】
なお、図5では、絶縁性の糸220と導電性の糸222を分かり易く示すために、絶縁性の糸220を白抜きの線で示すとともに、この絶縁性の糸220の上(前面)に導電性の糸222が重なるように示してあるが、実際には、これらは撚糸されている。
【0030】
また、図5に示すように、導電性の糸222は、絶縁性の糸220よりも柔らかく、伸縮性が劣るため、その一部が糸220から飛び出している。つまり、第2導電性布22は、毛羽だった布である。
【0031】
上述したように、導電性の糸222は、一例として、ナイロン銀メッキ糸であるが、絶縁性の糸(この実施例では、ポリウレタン糸)220よりも伸縮性が劣り、撚糸後に、絶縁性の糸220の収縮によって掛かる(または、加わる)力で十分曲がるほど柔らかい金属メッキ糸であれば、他の種類のものを使用することができる。他の種類の金属メッキ糸としては、銅メッキ糸を使用することができる。つまり、導電性の糸222は、絶縁性の糸220よりも細くて柔らかい金属メッキ糸である。
【0032】
また、他の実施例では、金属メッキ糸に代えて、有機物による導電性繊維からなる糸または炭素繊維を加工した導電性繊維からなる糸を、導電性の糸222として使用することができる。さらに、その他の実施例では、金属メッキ糸に代えて、銅、銀、ニッケルまたはステンレス(SUS)からなる極細(たとえば、φが数μm)の電線を、導電性の糸222として使用することもできる。
【0033】
なお、有機物による導電性繊維としては、日本蚕毛染色株式会社製の商品名「サンダーロン(登録商標)」またはKBセーレン株式会社製の商品名「ベルトロン(登録商標)」を使用することができる。また、炭素繊維を加工した導電性繊維としては、株式会社クラレ製の商品名「クラカーボ(登録商標)」を使用することができる。
【0034】
このため、図6(A)および図6(B)に示すように、第2導電性布22側から布型センサ10に圧力が加えられると、圧力が加えられた部分において、第2導電性布22の毛羽だった部分すなわち導電性の糸222が第1導電性布20の非導電面側の布20aおよび中間層20cの編み目の間を通り、導電面側の布20bに接触する。つまり、導電面側の布20bと第2導電性布22が導通する。
【0035】
ただし、図6(A)は人差し指で布型センサ10を第2導電性布22側から押圧した場合の図を示し、図6(B)は握りこぶしで布型センサ10を第2導電性布22側から押圧した場合の図を示す。
【0036】
図6(A)に示す場合には、図6(B)に示す場合と比較して、布型センサ10にかかる圧力は小さい。逆に、図6(B)に示す場合には、図6(A)に示す場合と比較して、布型センサ10にかかる圧力は大きい。つまり、図6(B)に示す場合には、図6(A)に示す場合と比較して、第2導電性布22が第1導電性布20の導電面側の布20bと接触する点の個数が多い、すなわち、接触する面積が大きい。このため、導電面側の布20bと第2導電性布22によって構成される導電体の抵抗値は、図6(A)に示す場合よりも図6(B)に示す場合の方が小さい。
【0037】
図1に戻って、コントローラ14は、マイクロコントローラ(センサIC)であり、この実施例では、上述したように、導電面側の布20bと第2導電性布22が導通することにより、導電面側の布20bと第2導電性布22で構成される導電体の抵抗値を測定(または、検出)し、測定した抵抗値に基づいて圧力値を算出する。ただし、抵抗値に対応する圧力値は、予め測定され、テーブルデータとしてコントローラ14内のメモリに記憶されている。
【0038】
コントローラ14は、導電面側の布20bと第2導電性布22で構成される導電体の抵抗値を測定するための測定回路30を含む。図7は測定回路30の回路図の一例を示す。図7に示すように、測定回路30は、基準の抵抗RREFを含み、この抵抗RREFの一方端には基準電圧VREFが与えられる。ただし、基準電圧VREFは、コントローラ14に与えられる直流電源を用いて測定回路30に印加される。
【0039】
抵抗RREFの他方端には、抵抗RXの一方端が接続され、抵抗RXの他方端は接地される。抵抗RXは、導電面側の布20bと第2導電性布22で構成される導電体の抵抗に相当する。抵抗RXの抵抗値は、第2導電性布22が導電面側の布20bに接触していない場合には、無限大であり、第2導電性布22が導電面側の布20bに接触する面積が大きくなるにつれて、小さくなる。
【0040】
また、抵抗RREFと抵抗RXの接続点Pは、バッファ(または、ボルテージフォロワ)回路32の入力端に接続される。バッファ回路32の出力端はアナログ・ディジタル変換器(以下、「ADC」という)34に接続される。ADC34の出力端は演算部36に接続される。
【0041】
測定回路30では、接続点Pにおける電圧VXが検出され、検出された電圧VXはバッファ回路32で増幅(ただし、増幅度は1である)された後に、ADCでAD変換され、プロセッサのような演算部36に入力される。演算部36は、数1に従って抵抗RXの抵抗値rXを算出する。算出された抵抗値は、布型センサ10が適用される装置のコンピュータに入力(または、送信)される。ただし、rREFは、抵抗RREFの抵抗値である。
【0042】
[数1]
rX = rREF * VX / (VREF - Vx)
なお、基準の抵抗RREFは、測定回路30のダイナミックレンジである。
【0043】
また、コントローラ14では、演算部36は、抵抗値rXに対応する圧力値をテーブルデータを参照して取得する。したがって、布型センサ10は、上述したように、圧力センサとして機能することができる。ただし、第2導電性布22が第1導電性布20側に押圧されることにより、抵抗RXの抵抗値rXが無限大から無限大でない数値に変化するため、布型センサ10は、接触センサとして機能することもできる。
【0044】
この実施例の布型センサ10は、単体で使用することも可能であるが、複数用いることにより、服型センサ50を作ることができる。
【0045】
図8(A)は服型センサ50を前面側から見た概略図の一例であり、図8(B)は服型センサ50を背面側から見た概略図の一例である。図8(A)および図8(B)では、複数の検出部12を服(ここでは、長袖の上着)の外側(表側)に記載してあるが、実際には、デザインを損なわないために、服の内側(裏側)に設けられる。また、検出部12は、服の内側に収まるように配置される。ただし、複数の検出部12は、服の外側に設けられてもよい。また、複数の検出部12は、服の外側と内側の生地の間に設けられてもよい。
【0046】
図8(A)および図8(B)に示すように、実施例では、服型センサ50は、長袖の上着の各腕の部分に9個(または、チャネル)、その上着の胴体の前面側に33個およびその上着の胴体の背面側に29個の計80個の布型センサ10を備えている。ただし、コントローラ14は、1つのマイクロコントローラを共通に使用することができる。たとえば、測定回路30(または、コントローラ14)と各検出部12の間にスイッチを設け、スイッチを切り替えることにより、80個の検出部12の導電面側の布20bに順次接続する。ただし、コントローラ14を複数のマイクロコントローラで構成し、各マイクロコンピュータに、80個よりも少ない個数の検出部12のそれぞれをスイッチを介して接続するようにしてよい。
【0047】
この実施例では、処理負荷を軽減するために、同じ大きさの検出部12を用いるようにしてあるが、検出部12の大きさまたは/および形状は適宜変更することもできる。
【0048】
左腕の部分および右腕の部分は、それぞれ、9個の検出部12が一列に並べて連結される。胴体の前面側では、胸部と腹部に相当する部分において、27個の検出部12が長方形の面を形成するように連結され、鎖骨と肩に相当する部分の6個の検出部12がその長方形の面の上部に連結される。胴体の背面側では、背中に相当する部分において、27個の検出部12が長方形の面を形成するように連結され、その長方形の面の上部に2個の検出部12が横に並べて連結される。
【0049】
図8(A)および図8(B)では省略するが、隣接する検出部12の間には、伸縮性を有する帯状の布60(「第3布」に相当する)が設けられ、この帯状の布60を介して隣接する検出部12が面状に(または、並べて)繋ぎ合わ(または、結合)され、布状の検出部12群が作られる。ただし、両腕のそれぞれと、胴体の前側と、胴体の後側の布状の検出部12群は個別に上着の服の内側に貼り付けたり、縫い付けたりすることにより、固定される。また、複数の検出部12は、第2導電性布22が外側を向き、非導電性の布20bが内側を向くように、服に固定される。さらに、帯状の布60は絶縁性の布である。
【0050】
図1に示したように、検出部12は、コントローラ14に電線で接続される。したがって、上記の帯状の布60のうち、一部の布60には、電線62が縫い付けられている。
【0051】
図9は電線62が縫い付けられた帯状の布60の一例を示す図である。図9に示すように、布60には、それぞれ波線状の形状にされた4本の電線62が縫い付けられている。ただし、図9では、黒の点線は電線62を布60に縫い付けている糸64である。
【0052】
また、図9に示すように、4本の電線62は2本ずつの2組に分けられ、各組において、2本の電線62が逆位相の波の形状で重ねて配置され、帯状の布60を縦長に見た場合に、2列に並んでいる。4本の電線62は、それぞれ、ポリ塩化ビニルなどの絶縁性の樹脂で被覆されており、電気的に独立している。
【0053】
図10は電線62が縫い付けられた帯状の布60で各第1導電性布20が連結されている状態の一例を示す。図10では、第1導電性布20と帯状の布60を区別するために、第1導電性布20に斜線を付している。また、各電線62を区別するために線の種類を変えて示している。なお、図10では、電線62を縫い付けている糸64は省略してある。また、図示は省略するが、複数の第1導電性布20と同様に、電線62が縫い付けられた帯状の布60で各第2導電性布22も連結される。したがって、図10に関する以下の説明は、電線62が縫い付けられた帯状の布60で各第2導電性布22も連結される場合も同様である。
【0054】
図10に示すように、帯状の布60に縫い付けられた4本の電線62は、それぞれ、適宜の長さで切断され、その一方端は、一本ずつ異なる第1導電性布20(導電面側の布20b)に接続される。図10に示す例では、帯状の布60の左側に並ぶ複数(図10では4つ)の第1導電性布20に、当該帯状の布60に縫い付けられた電線62を個別に接続してある。4本の電線62のうち、左側の列の2本の電線62が上から2つ目と3つ目の第1導電性布20にそれぞれ接続され、右側の列の2本の電線62のうちの一本が上から1つ目の第1導電性布20に接続され、図示は省略するが、右側の列の2本の電線62のうちの他方の一本はさらに上の第1導電性布20に接続される。
【0055】
図示は省略するが、各電線62の他方端は、スイッチを介してコントローラ14に接続される。ただし、電線62(または、第1導電性布20)毎に接続されるスイッチの入力端は異なる。
【0056】
また、図示は省略するが、複数の第2導電性布22に接続された各電線62の他方端は接地される。
【0057】
さらに、図示は省略するが、服型センサ50では、電線62が縫い付けられた帯状の布60で連結された複数の第1導電性布20の各々に、同様に、電線62が縫い付けられた帯状の布60で連結された複数の第2導電性布22の各々を重ねて、各第1導電性布20と各第2導電性布22が固定される。
【0058】
ただし、各第1導電性布20と各第2導電性布22が重なれば良いため、第1導電性布20に第2導電性布22に縫い付ける必要はなく、帯状の布60を縫い合わせるようにしてもよい。
【0059】
また、他の実施例では、2枚の服を使用し、内側となる服の外側に複数の第1導電性布20を配置および固定し、外側となる服の内側に複数の第2導電性布を配置および固定し、複数の第1導電性布20の各々と、複数の第2導電性布22の各々が重なるように、2枚の服を重ねて縫い合わせるようにしてもよい。
【0060】
したがって、服型センサ50では、各第1導電性布20の導電面側の布20bと各第2導電性布22とで構成される導電体の抵抗値rXが個別に検出される。
【0061】
なお、図10に示す電線62の接続方法は一例であり、限定される必要ない。この実施例では、上記のように、縦方向に並ぶように9個の第1導電性布20を連結したため、その列に沿って伸びる帯状の布60に縫い付けられた電線62を接続するようにしただけである。
【0062】
また、図10には、簡単のため、4個の第1導電性布20に4本の電線62を接続する場合について示してあるが、第1導電性布20の数に応じて、電線62が縫い付けられた帯状の布60は隣接する第1導電性布20の間に複数枚並べられる場合もある。
【0063】
このような服型センサ50は、物理空間(または、現実空間)に存在するエージェントの一例であるアンドロイドロボット(以下、単に「ロボット」という)100に装着することができる。ロボット100は、人間に酷似した姿形(外観など)を有する人型ロボットであり(図11(A)、(B)、(C)および図12参照)、人間に酷似した動作(振り、振る舞い、発話)を行う。
【0064】
このロボット100の一例として、出願人が開発等を行うエリカ(登録商標)を用いることができる。以下、ロボット100について簡単に説明する。ただし、従来の触覚センサに代えて、本願の服型センサ50が設けられる。
【0065】
図11(A)、図11(B)、図11(C)および図12はロボット100の外観および構成の一例を示す。具体的には、図11(A)はロボット100の瞼(128a、128b)および眼球を動かすアクチュエータA1、A2、A3、A4、A5を説明するための図であり、図11(B)はロボット100の額、眉間および口角130を動かすアクチュエータA6、A7、A8、A9を説明するための図であり、図11(C)はロボット100の唇を動かすアクチュエータA10、A11、A13を説明するための図である。また、図12はロボット100の頭部126、肩132、腰134を動かすアクチュエータA14、A15、A16、A17、A18、A19を説明するための図である。以下、図11(A)~図11(C)および図12を用いて、ロボット100の外観および構成について簡単に説明する。
【0066】
なお、図11(A)~図11(C)および図12に示すロボット100は一例であり、他の外観、構成を持つ任意のアンドロイドロボットが利用可能である。また、ロボット100は、アンドロイドロボットに限定される必要は無く、人間に似た外観を有するロボットであれば他のロボットを使用することもできる。一例として、身体動作または/および音声で、コミュニケーション対象である人間または他のロボットとコミュニケーションを取ることができるコミュニケーションロボットを使用することができる。具体的には、出願人が開発等を行うコミュニケーションロボットの一例であるロボビー(登録商標)を使用することができる。このロボビーは、人間とは異なり、車輪で移動可能に構成されるが、頭部、胴体、両腕を有し、人間と似た外観を有している。このロボビーでは、本願の服型センサ50を装着することにより、接触(触覚)センサを省略することができる。
【0067】
ロボット100は、胴体部124およびその胴体部124の上に設けられた頭部126を含む。頭部126には、目(眼球)の上下に、上瞼128aおよび下瞼128bが形成され、それらの上瞼128aおよび下瞼128bの上下動を制御することによって、目を開けたり閉じたりする動作が可能となる。頭部126にはさらに口唇が形成され、それの両端が口角130となる。口角130も同様に上下動可能である。
【0068】
胴体部124の上端(頭部の下方)が肩132であり、胴体部124の中ほどが腰134である。肩132は上下動可能であり、腰134は左右にひねる(回動する)ことができ、また、前屈および後傾が可能である。
【0069】
ロボット100の上述の各部分を動かすための以下に説明するアクチュエータは、この実施例では、いずれもパルス電力によって駆動されるステッピングモータであり、ステッピングモータの回転量はパルス数で決まる。パルス数が指令値として与えられる。なお、各対象部位は、平常状態において、アクチュエータに初期値が与えられ、変位させる場合に、その方向と大きさに応じたパルス数の指令値が該当するアクチュエータに与えられる。この実施例では、各アクチュエータは、「0-255」の指令値で動作され、「0-255」のいずれかの値が初期値として与えられる。
【0070】
アクチュエータA1は、上瞼128aの上下動を制御するための制御するためのアクチュエータである。アクチュエータA2、A3およびA4は眼球を左右上下に動かすためのアクチュエータである。アクチュエータA5は、下瞼128bの上下動を制御するアクチュエータである。したがって、アクチュエータA1およびA5によって、目が開閉される。
【0071】
アクチュエータA6は額を動かすためのアクチュエータであり、アクチュエータA7は眉間を動かすためのアクチュエータである。
【0072】
アクチュエータA8は、口角130を上げるためのアクチュエータである。アクチュエータA9は舌を上下方に動かすためのアクチュエータである。アクチュエータA10は口唇を左右に広げるアクチュエータであり、アクチュエータA11は口唇を前に突き出すためのアクチュエータである。
【0073】
アクチュエータA13は顎を突き出したり引いたりするためのアクチュエータである。このアクチュエータA13によって、口が開閉される。
【0074】
アクチュエータA14は頭部126を左右に傾動させるためのアクチュエータであり、アクチュエータA15は頭部126を俯仰させるためのアクチュエータであり、そして、アクチュエータA16は頭部を左右に回動させるためのアクチュエータである。
【0075】
アクチュエータA17は肩132を上下動するためのアクチュエータである。アクチュエータA18は腰134を前屈させまたは後傾させるためのアクチュエータであり、アクチュエータA19は腰134を左右に回動(ひねる)ためのアクチュエータである。
【0076】
ロボット100は、図13に示すように、ロボット100の全体制御を司るプロセッサ(この実施例では、CPU)150を備える。CPU150は、バス152を通して通信モジュール156に接続され、したがって、CPU150は通信モジュール156を介して、ネットワークに、有線で、または無線で、通信可能に接続される。
【0077】
CPU150はまた、バス152を通してRAM154にアクセスでき、このRAM154に記憶されているプログラムやデータに従って、バス152を通してアクチュエータ制御回路158に指令値を与え、各アクチュエータA1-Anの動作を制御する。
【0078】
RAM154は、CPU150のバッファ領域およびワーク領域として用いられる。ただし、RAM154に代えて、HDDを用いることもできる。アクチュエータ制御回路158は、CPU150から与えられる指令値に応じた数のパルス電力を生成し、それを該当するステッピングモータに与えることによって、各アクチュエータA1-Anを駆動する。
【0079】
ただし、アクチュエータとしてはこのようなステッピングモータを用いるものの他、サーボモータを用いるアクチュエータ、流体アクチュエータなど任意のアクチュエータが利用可能である。
【0080】
センサI/F(インタフェース)162は、バス152を介して、CPU150に接続され、服型センサ50および眼カメラ166からのそれぞれの出力を受ける。
【0081】
服型センサ50(コントローラ14)からの出力(検出データ)は、センサI/F160を介してCPU150に与えられる。服型センサ50は、上述したように、各検出部12とコントローラ14が圧力センサおよび接触センサとして機能するため、各検出部12の配置位置を予め記憶しておくことにより、人間や他の物体等に触れられたまたは叩かれた場所(部位)、または/および、触れられたまたは叩かれた強さを知ることができる。つまり、服型センサ50は、ロボット100の触覚の一部を構成する。
【0082】
なお、服型センサ50をロボット100に装着する場合には、テーブルデータをロボット100のメモリ(RAM154)に記憶しておき、服型センサ50からは、抵抗値rXおよびこの抵抗値rXを検出した検出部12の識別番号(配置位置)をロボット100出力して、ロボット100側で圧力値を取得するようにしてもよい。
【0083】
眼カメラ166は、イメージセンサであり、ロボット100の視覚の一部を構成する。つまり、眼カメラ166は、ロボット100の眼から見た映像ないし画像を検出するために用いられる。この実施例では、眼カメラ66の撮影映像(動画ないし静止画)に対応するデータ(画像データ)は、センサI/F160を介してCPU150に与えられる。CPU150は、その画像データを、RAM154に記憶したり、通信モジュール156およびネットワークを介して外部のコンピュータに送信したりする。
【0084】
また、スピーカ168およびマイク170は、入出力I/F162に接続される。スピーカ168は、ロボット100が発話を行う際に音声を出力する。マイク170は、音センサであり、ロボット100の聴覚の一部を構成する。このマイク170は、指向性を有し、主として、ロボット100と対話(コミュニケーション)するコミュニケーション対象である人間の音声を検出するために用いられる。
【0085】
なお、図11図13に示すロボット100は、肘関節および手指は動かない構成であるが、肘関節および手指にもアクチュエータを設けて、それらを動かすようにしてよい。
【0086】
なお、この実施例では、服型センサ50をロボット100に装着するようにしたが、人間が装着(着用)してもよい。したがって、他者が、服型センサ50を装着した人間に触れたり叩いたりしていることを検出することができる。また、他者が、服型センサ50を装着した人間に触れるまたは叩く強さを検出することもできる。
【0087】
この実施例によれば、導電面側の布と非導電面側の布を接結した第1導電性布の非導電面側の布に接地された第2導電性布を重ね、第2導電性布が第1導電性布側に押圧されることにより、第2導電性布と導電面側の布とで構成される導電体の抵抗値の大きさで、布型センサへの圧力を検出するので、圧力センサとして機能することができる。
【0088】
また、この実施例によれば、第2導電性布と導電面側の布とで構成される導電体の抵抗値が無限大から無限大でない値に変化したことにより、布型センサへの接触を検出するので、接触センサとして機能することできる。
【0089】
さらに、この実施例によれば、検出部は第1導電性布と第2導電性布で構成されるため、センサの製造が簡単である。また、第1導電性布は接結天竺編みで作られるため、耐久性に優れている。
【0090】
さらにまた、この実施例によれば、複数の布型センサを服に固定することにより、接触センサおよび圧力センサとして機能する服型センサを作ることができる。
【0091】
また、この実施例によれば、服型センサは布で形成されるため、ロボットの外観(立体表面)の自由度を上げることができる。また、ロボットの動きにも追従して柔軟に変形することができる。さらに、第1導電性布を構成する導電面側の布および非導電面側の布はいずれも丸編みで作られており、また、第2導電性布はトリコット編みで作られているため、いずれも伸縮性が高く、したがって、ロボットの屈折部分に設けることも可能である。さらには、外皮(または外被)に固定するだけで、フレームの無い本体を有するぬいぐるみ型のロボットにも適用することができる。
【0092】
なお、この実施例では、服型センサ50は、腕の全体、胸部および腹部の全体、および背中の全体を覆うように、複数の検出部12を設けるようにしたが、これに限定される必要はない。一部の検出部12については省略することもできる。
【0093】
また、この実施例では、複数の布型センサ10(検出部12)を用いて長袖の上着の服型センサ50を構成したが、ズボン(または、パンツ)の服型センサを構成するようにしてもよい。また、服に限定される必要はなく、靴下、サポータ、または、腹巻に複数の布型センサ10を配置したセンサを構成することも可能である。
【0094】
なお、上述の実施例で示した具体的な数値は単なる例示であり、限定される必要は無く、実際の製品および製品が適用される環境などに応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0095】
10 …布型センサ
12 …検出部
14 …コントローラ
20 …第1導電性布
20a …非導電面側の布
20b …導電面側の布
20c …中間層
22 …第2導電性布
50 …服型センサ
60 …布
62 …電線
100 …ロボット
126 …頭部
128a …上瞼
128b …下瞼
130 …口角
132 …肩
134 …腰
150 …CPU
154 …RAM
156 …通信モジュール
164 …触角センサ
166 …眼カメラ
168 …スピーカ
170 …マイク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
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図13