(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】回転電気機械用のステータ
(51)【国際特許分類】
H02K 3/04 20060101AFI20240226BHJP
【FI】
H02K3/04 E
(21)【出願番号】P 2020534323
(86)(22)【出願日】2018-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2018085905
(87)【国際公開番号】W WO2019121959
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-07-13
(32)【優先日】2017-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】508075579
【氏名又は名称】ヴァレオ エキプマン エレクトリク モトゥール
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】バンサン、ラメ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、デュケーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ステファヌ、ド、クレール
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン、パウエルス
(72)【発明者】
【氏名】ウンベルト、メネゼス
(72)【発明者】
【氏名】ローラン、デラシュー
【審査官】若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02698901(EP,A1)
【文献】特開2009-183070(JP,A)
【文献】特開2013-059156(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0033514(US,A1)
【文献】特開2011-229367(JP,A)
【文献】特開2009-011116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられるように設計された回転電気機械(100)用のステータ(200)であって、
前記ステータ(200)は、軸(O)を中心とする環状本体(210)と、巻線(400)と、を備え、
前記環状本体(210)は、前記環状本体(210)の周囲に周方向に規則的に分散配置された複数のノッチ(213)を備え、
前記巻線(400)は、第1シリーズ(A)の導電性ピン(1)と、第2シリーズ(B)の導電性ピン(1)と、を備え、
前記第1シリーズ(A)の導電性ピン(1)及び前記第2シリーズ(B)の導電性ピン(1)は、前記ノッチ(213)において、前記巻線(400)の重ね合わされた複数の層(C1-C4)、すなわち少なくとも第1層(C1)、第2層(C2)、第3層(C3)及び第4層(C4)に、径方向に配置され、
前記層(C1-C4)は、前記第1層(C1)が径方向外側にあり、且つ前記第4層(C4)が径方向内側にあるように互いに連続し、
各導電性ピン(1)は、エルボー接続部(1C)により接続された第1セグメント(1A)と第2セグメント(1B)とを備え、
単一の導電性ピン(1)の
前記第1セグメント(1A)及び前記第2セグメント(1B)は、別個のノッチ(213)に配置される、
ステータ(200)であって、
前記第1シリーズ(A)のピン(1)の前記第1セグメント(1A)及び前記第2セグメント(1B)は、前記巻線(400)の前記第1層(C1)及び前記巻線(400)の前記第2層(C2)にそれぞれ配置され、前記第2シリーズ(B)のピン(1)の前記第1セグメント(1A)及び前記第2セグメント(1B)は、前記巻線(400)の前記第3層(C3)及び前記巻線(400)の前記第4層(C4)にそれぞれ配置され、
前記第1シリーズ(A)のピン(1)は、前記第2シリーズ(B)のピン(1)に電気的に直列に接続され、
電気接続要素(2、3)が、別個のノッチ(213)に部分的に配置される第1導線(2)と第2導線(3)とを備え、前記第1導線(2)は、前記第1シリーズ(A)のピン(1)に共通の前記層(C1、C2)のうちの一方を占めるとともに、前記第2導線(3)は、前記第2シリーズ(B)のピン(1)に共通の前記層(C3、C4)のうちの一方を占め、前記第1導線(2)と前記第2導線(3)とは互いに電気的に接続され、前記第1導線(2)及び前記第2導線(3)は、前記巻線(400)の2つの異なる層(C1-C4)を占めるとともに、少なくとも1つの層により互いに離間する、
ステータ(200)。
【請求項2】
前記第1導線(2)は前記巻線(400)の前記第1層(C1)を占め、前記第2導線(3)は前記巻線(400)の前記第3層(C3)を占める、
請求項1に記載のステータ(200)。
【請求項3】
前記第1導線(2)は前記巻線(400)の前記第2層(C2)を占め、前記第2導線(3)は前記巻線(400)の前記第4層(C4)を占める、
請求項1に記載のステータ(200)。
【請求項4】
前記第1導線(2)は前記巻線(400)の前記第1層(C1)を占め、前記第2導線(3)は前記巻線(400)の前記第4層(C4)を占める、
請求項1に記載のステータ(200)。
【請求項5】
前記第1導線(2)及び前記第2導線(3)は、直線部分(2A、3A)と湾曲部分(
2B、3B)とをそれぞれ備え、
前記直線部分(2A、3A)は、それらの各ノッチ(213)に収容され、
前記湾曲部分(2B、3B)は、互いに電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のステータ(200)。
【請求項6】
前記第1又は第2導線(2、3)のうちの少なくとも一方の前記湾曲部分(2B、3B)は、前記シリーズ(A、B)のピン(1)のうちの一方のピン(1)の少なくとも一部に重なる、
請求項5に記載のステータ(200)。
【請求項7】
少なくとも1つの小型の電気接続バー(6、7)が、2つのノッチ(213)の間に配置され、前記小型バー(6、7)は、前記2つのノッチ(213)のそれぞれにおいて前記巻線(400)の単一の層(C1-C4)を占める2つの導電性部分(6A、7A)と、前記2つの導電性部分(6A、7A)を接続する接続部(6B、7B)と、を有し、
前記2つの導電性部分(6A、7A)により占められる前記巻線(400)の前記層(C1-C4)は、前記第1及び第2導線(2、3)により占められる前記層(C1-C4)と異なる、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のステータ(200)。
【請求項8】
前記小型バー(6、7)の前記接続部(6B、7B)は、前記シリーズ(A、B)のピン(1)のうちの一方の少なくとも1つのピン(1)に重なる、
請求項7に記載のステータ(200)。
【請求項9】
前記第1又は第2導線(2、3)のうちの少なくとも一方の湾曲部分(2B、3B)は、前記小型バー(6、7)の前記接続部(6B、7B)に重なる、
請求項7又は8に記載のステータ(200)。
【請求項10】
前記第1導線(2)と前記第2導線(3)とは、互いに直接接続される、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のステータ(200)。
【請求項11】
請求項1乃至10の一項に記載のステータ(200)を備える、自動車両用の回転電気機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オルタネータ、又はオルタネータ・スタータ、又は可逆機、又は電動機等の自動車両用の回転電気機械に関する。より具体的には、本発明は、導電性ピンから構成される巻線を備えた回転電気機械用のステータに関する。
【背景技術】
【0002】
回転電気機械は、ロータと一体のシャフトと、ロータを囲むように配置されたステータと、を備える。ロータとステータとは、磁場により協働する。この目的のために、例えば、ロータは永久磁石を有し、ステータは電気巻線を有する。或いは、ロータは、永久的又は永久的でない磁石を有し得る2つの磁石ホイールにより形成された爪を有するロータであり得る。モータモードとして知られる第1動作モードによれば、ロータを回転させるように、電気巻線に電子モジュールにより電流が供給されて電気巻線に磁場が生成される。発電機モードとして知られる第2動作モードによれば、ロータは車両の熱機関により回転されて、電流として電子モジュールにより回復されるステータの電気巻線に回転磁場が生成される。
【0003】
ロータは、ステータの中央を通る軸を中心とする回転部品の一部を形成するヨークを備える。ヨークは、ステータの中央に向かって径方向に延びる径方向の歯を備え、その周囲に電気巻線が作製される。より具体的には、径方向の歯は互いの間にノッチを画定し、これらのノッチにステータの巻線の形成に関与する導電性要素が通される。
【0004】
ステータの巻線は、ニードル装置を使用して同一電線の巻線を各径方向の歯の周囲に案内して連続ターンを形成する等の種々の態様で実現され得る。しかしながら、この実施形態は、ノッチを介して電線を案内するニードルのルートをパラメータ化することに関して実施が困難である。特に、連続する径方向歯の間の角度スペースが、歯に巻き付けられるべきワイヤを保持するニードルが通過するのに不十分である場合、この実施形態は実行できないかもしれない。
【0005】
この欠点を解消するために、別の巻線方法は、径方向の歯により画定されたノッチに複数の導電性ピンを挿入し、次いでそれらの自由端部を対となるように電気的に接続して連続した電気経路を形成することからなる。より具体的には、各導電性ピンは、2つの導電性セグメントを備える。これらの導電性セグメントは、実質的に互いに平行であるとともに、エルボーコネクタにより接続されて「U」を形成している。
【0006】
導電性セグメントは、ステータの第1軸方向端面において、2つの別個のノッチに挿入される。導電性ピンの導電性セグメントがノッチに挿入されると、屈曲部分がステータの第1軸方向端面から突出するとともに、導電性セグメントの自由端部がステータの第2軸方向端面から出現する。したがって、有利には、上記のニードル装置を使用する必要がない。この操作は、各ノッチを同数の導電性セグメントで充填するとともに巻線の異なる層を形成するように必要な回数だけ繰り返される。単一のピンの導電性セグメントは、巻線の単一の層に配置される。導電性セグメントの自由端部が次いで互いに接続されることにより、電流が径方向の歯に流れると、それらに沿って磁場を生成する電気経路が形成される。換言すれば、導電性ピンは、様々な電気経路を形成するように対をなして接続され、各電気経路は回転電気機械の供給相の形成に関与可能である。例えば、自動車両のオルタネータ・スタータの場合、別個の電気経路により、巻線への三相電流の供給が可能となる。本実施形態によれば、先行する代替案と比較して顕著に近接した径方向歯を備えたステータの巻線が可能となる。しかしながら、この巻線方法によれば、ステータの第1軸方向端面から突出する導電性ピンの屈曲部分により、ステータの径方向サイズが大きくなる。更に、様々な電気部品を形成するために、導電性ピン同士を接続する多数の電気コネクタを使用する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、回転電気機械のステータの層における導電性ピンの配置に関する独自の解決策を提案することである。その目標は、導電性ピンの接続に関して、ステータに巻線を形成する場合にステータのサイズを縮小しつつ、導電性ピンの接続に必要な電気コネクタの個数を削減することであるが、これに限定されない。
【0008】
本発明は、車両に設けられるように設計された回転電気機械用のステータであって、前記ステータは、軸を中心とする環状本体と、巻線と、を備え、前記環状本体は、前記環状本体の周囲に周方向に規則的に分散配置された複数のノッチを備え、前記巻線は、第1シリーズの導電性ピンと、第2シリーズの導電性ピンと、を備え、前記第1シリーズの導電性ピン及び前記第2シリーズの導電性ピンは、前記ノッチにおいて、前記巻線の重ね合わされた複数の層、すなわち少なくとも第1層、第2層、第3層及び第4層に、径方向に配置され、前記層は、前記第1層が径方向外側にあり、且つ前記第4層が径方向内側にあるように互いに連続する、ステータを提案する。各導電性ピンは、エルボー接続部により接続された第1セグメントと第2セグメントとを備え、単一の導電性ピンの前記セグメントは、別個のノッチに配置される。
【0009】
本発明によれば、前記第1シリーズのピンの前記第1セグメント及び前記第2セグメントは、前記巻線の前記第1層及び前記巻線の前記第2層にそれぞれ配置され、前記第2シリーズのピンの前記第1セグメント及び前記第2セグメントは、前記巻線の前記第3層及び前記巻線の前記第4層にそれぞれ配置され、前記第1シリーズのピンは、前記第2シリーズのピンに電気的に接続される。
【0010】
しかしながら、本発明は、各ノッチにおいて4つの層に配置された巻線に限られない。4より多い偶数個の層を備える巻線の構成を提供することが可能である。したがって、このタイプの構成は、層を形成するシリーズのピンを重ね合わせることなく、外側から内側に向かって連続して配置されたシリーズのピンの配置により作製される。
【0011】
以下の本明細書において、「径方向/軸方向」及び「内側/外側」という用語は、ステータの環状本体の軸を基準とし、「シリーズの導電性ピン/シリーズのピン/シリーズ」及び「導電性ピン/ピン」の用語は、互いに区別なく使用される。
【0012】
「電気経路」とは、単一の電流が流れる連続的な電気経路を意味する。
【0013】
第1シリーズのピンの導電性ピン及び第2シリーズのピンの導電性ピンは、有利には同一の態様で形成される。第1シリーズのピンは半径方向外側であり、第2シリーズのピンは半径方向内側であることを理解されたい。第1シリーズのピンの寸法は、第2シリーズのピンの寸法よりわずかに大きい。この目的は、内側ピンが配置されている直径よりわずかに大きい直径上のそれらの外側位置を補正することである。
【0014】
単一の導電性ピンのセグメントが環状本体の2つの別のノッチを占めるように、導電性ピンは、その第1及び第2セグメントの係合によって2つの別個のノッチにそれぞれ嵌合される。単一の導電性ピンのセグメントは、巻線の別個の層に配置されるとともに、互いに連続している。より具体的には、第1シリーズのピンのセグメントは、第1及び第2層に配置され、第2シリーズのピンのセグメントは、第3及び第4層に配置される。
【0015】
導電性ピンのセグメントがノッチに収容されると、各ピンのエルボー接続部は環状本体から本体の第1軸方向端部から出現し、各ピンのセグメントは環状本体から端部を介して本体の第2軸方向端部から出現する。
【0016】
環状本体の第1軸方向端部から、単一のシリーズのピンの2つの連続する導電性ピンのエルボー接続部は、有利には互いに隣接するとともに平行である。したがって、このエルボー接続部の特定の構成により、ステータの軸方向サイズを縮小することが可能になる。
【0017】
本発明の一特徴によれば、各ピンのエルボー接続部は、螺旋セクションにより互いに電気的に接続された第1直線セクション及び第2直線セクションにより形成される。第1直線セクションは第1セグメントに電気的に接続され、第2直線セクションは第2セグメントに電気的に接続される。ピンの第1シリーズのピンの第2直線セクションと、ピンの第2シリーズのピンの第1直線セクションとは、互いに隣接するとともに対面する。単一のシリーズのピンにおいて、エルボー接続部の螺旋セクションは重ね合わされないことに留意されたい。また、2つの別個のシリーズのピンのエルボー接続部は重ね合わされないことに留意されたい。
【0018】
一実施形態によれば、単一のピンの2つの連続するセグメントのエルボー接続部及び2つの自由端部が特に「U」字形状に延びる単一の導電線から形成されるように、各エルボー接続部は、単一の導線により形成され得る。或いは、各エルボー接続部は、一体に接続された2つの端部から形成され得る。したがって、単一のピンのエルボー接続部、2つの導電性セグメント、及び2つの自由端部は、一体に接続された2つの導電性バーから形成される。
【0019】
本発明の一特徴によれば、外側として知られる第1シリーズのピンの導電性ピンのセグメントの端部は、第1シリーズのピンに沿って第1電気経路を形成するように電気的に接続され、内側として知られる第2シリーズのピンの導電性ピンのセグメントの端部は、第2シリーズのピンに沿って第2電気経路を形成するように電気的に接続される。第1電気経路及び第2電気経路は、回転電気機械の電気経路を形成するように設計される。
【0020】
回転電気機械の前記電気経路を形成するように、第1電気経路と第2電気経路とが互いに電気接続ユニットにより電気的に接続され、その端部に導線が配置されることを理解されたい。導線は、直接的に他の相へ又は中性点への結合を形成するように特にダイオードブリッジ又はトランジスタを介した供給源又は他の電気経路への電気接続を可能にする。第1電気経路は径方向外側であり、第2電気経路は径方向内側であることに留意されたい。
【0021】
また、回転電気機械は、ステータの巻線を形成するように複数の電気部品を備えることを理解されたい。例えば、回転電気機械は、三相の2つのシステムを形成する6つの電気経路を備え得る。
【0022】
更に、電気経路は、有利には、星形の巻線の構成を可能にし得る。しかしながら、本発明はこの構成に限定されず、電気経路が三角形状の巻線の構成を可能にすることも想定可能である。
【0023】
単一の導電性ピンのセグメントは、N-1に等しい個数のノッチにより間隔を置いている。この個数Nは、回転電気機械の電気経路の個数に相当する。
【0024】
本発明の一特徴によれば、2つのシリーズの同心状の導電性ピンを電気的に接続するための要素の第1導線及び第2導線は、第1導線が第1シリーズのピンに共通の巻線の層のうちの1つを占め、第2導線が第2シリーズのピンに共通の巻線の層のうちの1つを占め、第1導線と第2導線とが互いに電気的に接続された状態で、別個のノッチに部分的に配置される。より具体的には、第1導線及び第2導線が巻線の2つの別個の層を占めるとともに少なくとも1つの層によって離間した状態で、第1導線と第2導線とは、ステータの環状本体の第1軸方向端部から電気的に接続される。
【0025】
特に、これら2つの導線は、単一の中間層により離間した層に配置され得る。
【0026】
一実施形態によれば、第1導線と第2導線とは、互いに直接接続される。「直接接続される」とは、第1導線と第2導線とが、中間要素を介さずに互いに接続されることを意味する。
【0027】
一実施形態によれば、第1シリーズのピンは、第2シリーズのピンに電気的に直列に接続される。これにより、機械により生成されるトルクを向上させ得る。
【0028】
第1変形実施形態によれば、第1導線は巻線の第1層を占め、第2導線は巻線の第3層を占める。
【0029】
第2変形実施形態によれば、第1導線は巻線の第2層を占め、第2導線は巻線の第4層を占める。
【0030】
更に、複数の中間層、本例において2つの中間層が、導線が配置された層同士の間に存在し得る。第3変形実施形態によれば、第1導線は巻線の第1層を占め、第2導線は巻線の第4層を占める。
【0031】
本発明の一特徴によれば、第1導線及び第2導線は、それぞれ直線部分と湾曲部分とを備える。直線部分はそれらの各ノッチに収容され、湾曲部分は互いに電気的に接続される。
【0032】
また、第1導線及び第2導線は、それぞれ電気接続部分を備える。第1及び第2導線の直線部分は、有利には、環状本体からその第1軸方向端部から出現する湾曲部分、及び環状本体からその第2軸方向端部から出現する電気接続部分により画定される。
【0033】
環状本体の第2軸方向端部から、第1及び第2電気経路は、それぞれ第1端部と第2端部とを備える。第1及び第2経路の端部は、それぞれ、導電性ピンのセグメントの端部により形成され、このピンは、同一シリーズのピンのセグメント端部に電気的に接続されないことを理解されたい。
【0034】
第1電気経路の第1端部は、有利には、第1導線の電気接続部分に電気的に接続され、第2電気経路の第1端部は、有利には、第2導線の電気接続部分に電気的に接続される。
【0035】
したがって、回転電気機械の電気経路を形成するように、第1導線及び第2導線により、第1電気経路と第2電気経路とを互いに電気的に接続し得ることを理解されたい。換言すれば、単一の電流が流れる前記電気経路を形成するように、第1の径方向外側の電気経路は、関連付けられた第1導線及び第2導線により形成される電気接続要素によって、第2の径方向内側の電気経路に電気的に接続される。
【0036】
本発明の一特徴によれば、第1電気接続ユニット及び第2電気接続ユニットが、別個のノッチに部分的に配置される。前記電気経路の第1端子端部を形成するように、第1電気接続ユニットは、電気接続要素の第1導線と同じ巻線の層を占める。前記電気経路の第2端子端部を形成するように、第2電気接続ユニットは、電気接続要素の第2導線と同じ巻線の層を占める。
【0037】
第1電気接続ユニット及び第2電気接続ユニットは、それぞれ直線部分を備える。第1電気接続ユニットの直線部分及び第2電気接続ユニットの直線部分は、それぞれ、環状本体から環状本体の第1軸方向端部から出現する第1部分により画定される第1部分、及び環状本体から環状本体の第2軸方向端部から出現する第2部分により画定される。
【0038】
第1電気接続ユニットの第1部分は、回転電気機械の電気経路の第1端子端部を形成するように設計され、第1電気接続ユニットの第2部分は、第1電気経路の第2端部に接続される。同様に、第2電気接続ユニットの第1部分は、回転電気機械の電気経路の第2端子端部を形成するように設計され、第2電気接続ユニットの第2部分は、第2電気経路の第2端部に接続される。
【0039】
本発明の一特徴によれば、電気接続要素の第1及び第2導線と第1及び第2電気接続ユニットとは、同数のノッチにより離間する。
【0040】
本発明の一特徴によれば、電気接続要素の第1導線と第2導線とを電気的に接続するように、これらの導線のうちの少なくとも一方の湾曲部分は、シリーズのピンのうちの一方のピンの少なくとも一部に重なる。
【0041】
本発明の一特徴によれば、少なくとも1つの小型の電気接続バーが、2つのノッチの間に配置され、前記小型バーは、これら2つのノッチのそれぞれにおいて前記巻線の単一の層を占める2つの導電性部分と、これら2つの導電性部分を接続する接続部と、を有し、前記2つの導電性部分により占められる前記巻線の前記層は、前記第1及び第2導線により占められる前記層と異なる。
【0042】
特定の特徴によれば、小型バーの少なくとも1つの導電性部分が、第1導線を受容するノッチに配置される。
【0043】
有利には、2つの小型の電気接続バーが、2つのノッチの間にそれぞれ配置され、各小型バーは、これらの2つのノッチのそれぞれにおいて巻線の単一の層を占める2つの導電性部分を有し、接続部がこれら2つの導電性部分を接続し、2つの導電性部分により占められる巻線の層は、第1及び第2導線により占められる層と異なり、各小型バーの導電性部分により占められる層は、互いに異なる。
【0044】
これらの小型の電気接続バーにより、有利には、単一のノッチにおいて、導電性ピンのセグメント、及び/又は導線及び電気接続ユニットの直線部分に、電流が同一の通流方向に配向されるような態様でそれぞれ流れることが保証され得る。
【0045】
有利には、単一のノッチにおいて、導電性ピンのセグメント、及び/又は導線及び接続ユニットの直線部分を流れる電流は、同一の電気経路に沿って流れる電流である。
【0046】
本発明の一特徴によれば、小型バーの接続部は、少なくとも一方のシリーズのピンのうちの少なくとも1つのピンの少なくとも一部に重なる。より具体的には、小型バーの接続部は、ピンのエルボー接続部の少なくとも1つの螺旋セクションに重なる。
【0047】
本発明の一特徴によれば、第1又は第2導線のうちの少なくとも一方の湾曲部分は、小型バーの接続部に重なる。
【0048】
また、本発明は、本文書に記載の本発明の特徴のうちのいずれか1つによるステータを備えた回転電気機械に関する。回転電気機械は、オルタネータ、又はオルタネータ・スタータ、又は可逆機、又は電動機を形成し得る。
【0049】
有利には、機械は、オルタネータモードにおける動作及びモータモードにおける動作の両方に専用の2つのシリーズの3つの電気経路を備える。
【0050】
本発明の他の特徴、詳細及び利点は、図面を参照しつつ以下になされる説明を読むことでより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図2】巻線の複数の層を形成するために、本発明による導電性ピンを設けられるように設計された複数のノッチを備える環状本体により示されるステータの断面図。
【
図3】本発明の第1実施形態による巻線を設けられたステータの斜視図。
【
図5】
図3における第1実施形態による巻線を設けられたステータの詳細を示す図であって、本第1実施形態による電気経路の形成を可能とする導線及び電気接続ユニットをより詳細に示す図。
【
図6】第1実施形態による巻線を設けられたステータに形成された電気経路の概略図。
【
図7】本発明の第2実施形態による巻線を設けられたステータの斜視図。
【
図8】第2実施形態による巻線を設けられたステータに形成された電気経路の概略図。
【
図9】第3実施形態による巻線を設けられたステータに形成された電気経路の斜視図。
【
図10】第3実施形態による巻線を設けられたステータに形成された電気経路の概略図。
【
図11】
図7及び8に示す第2実施形態による巻線を設けられたステータの詳細を示す図であって、本第2実施形態による電気経路の形成を可能にする導線及び電気接続ユニットをより詳細に示す図。
【
図12】
図9及び10に示す第3実施形態による巻線を設けられたステータの詳細を示す図であって、本第3実施形態による電気経路の形成を可能にする導線及び電気接続ユニットをより詳細に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1に示すように、回転電気機械100は、エンベロープ110を備えている。エンベロープ110は、ステータ200と、ステータ200の径方向内側に配置されたロータ300と、を収容している。ステータ200は、巻線400を設けられている。例えば、ロータ300は永久磁石を設けられている。好適には、永久磁石は、磁極を形成する金属プレートの積層体により形成されたロータ本体のノッチに収容されている。或いは、ロータは、永久磁石を設けられた、又は設けられない2つの磁石ホイールにより形成され得る。マグネットホイールの爪も磁極を形成する。ロータ300と一体の駆動シャフト120は、回転電気機械100のトルクを伝達することを可能にする。駆動シャフト120は、ローラーベアリング130を介して回転電気機械100のエンベロープ110により支持されている。モータモードにおいて、回転電気機械100に電流が供給されると、この供給を制御することで、ステータ200の巻線400により回転電場が生成され得る。これにより、ロータ300に関連付けられた磁石によって、ロータ300が、ステータ200及びロータ300に共通の軸Oを中心として回転する。次いで、駆動シャフト120が軸Oを中心として回転し、回転電気機械100は、必要なトルクを熱機関に伝達することができる。オルタネータモードにおいて、駆動シャフト及びロータ300の回転により磁場が生成され、次いで、巻線に電流が生じる。車両の電気消費部品に給電するとともにバッテリを再充填するように、この電流は、ダイオード又はトランジスタの適切なブリッジにより整流されるように設計されている。
【0053】
電子アセンブリが、特に、エンベロープ110の内側又は外側において、機械の側部に取り付けられ得る。このアセンブリは、ステータの電流の整流を可能にするパワーモジュールと、機械の制御を可能にする制御モジュールと、を備えている。或いは、電子アセンブリは、回転電気機械から分離していてもよく、分離した態様で車両に取り付けられ得る。
【0054】
図2は、このタイプのステータ200の断面図である。ステータ200は、巻線400を形成する導電性ピン1を設けられるように設計された複数のノッチ213を備えている。この巻線400の要素を備えたノッチ213を拡大して詳細に示す。この図示された配置は、ノッチ213のそれぞれについて同様であることを理解されたい。ステータ200は、軸Oを中心とする環状本体210を備えている。
図3に示すように、ステータ200の環状本体210は、互いに対向する第1軸方向端部211と第2軸方向端部212とにより、軸方向に画定されている。環状本体210は、環状本体210の周囲に円周方向に規則的に分散配置された複数のノッチ213を備えている。ノッチ213は、環状本体210の内部において径方向に延びる歯214により画定されている。回転電気機械100の巻線400の複数の層C1-C4を形成するように、ノッチ213は導電性ピン1で充填されている。より具体的には、以下で第1層C1、第2層C2、第3層C3、第4層C4として知られる4つの連続的な層C1-C4を形成するように、導電性ピン1は、環状本体210のノッチ213を充填する。巻線400の第1層C1が軸Oに対して径方向外側に位置し、巻線400の第4層C4が軸Oに対して径方向内側に位置するように、巻線400の層C1-C4は、有利には、環状本体210のノッチ213において互いに重ね合わされている。第1層C1及び第2層C2は、径方向外側層であり、第3層C3及び第4層C4は径方向内側層であることを理解されたい。第2層C2は、第3層C3に対して径方向外側にある。
【0055】
このようにして形成された4つの層C1-C4は、非限定的な例として挙げられている。したがって、本発明の精神から逸脱することなく、4より多い偶数個の層を備える巻線400の構成を提供することが可能である。したがって、このタイプの構成は、二連の同心且つ直接連続するピンを重ね合わせることなく、外側から内側に向かって連続して配置されたシリーズ(series)のピンの配置により作製される。
【0056】
以下に説明する実施形態において、機械は、それぞれが三相の2つのシステムを備える二重三相電機機械である。例えば、ロータ300の磁極数は16として定義され、ノッチの個数は96に等しい。或いは、ロータの極数は、例えば、8、10、12又は14であってよい。或いは、ノッチの個数は、例えば、48、60、72、84であってよい。第1相システムを通流する電流は、有利には、他方の相システムを通流する電流に対しておよそ30°電気的にオフセットされる。
【0057】
巻線400の形成に関与するピン1の配置について、最初に
図3、5及び6に示す第1実施形態を参照して詳細に説明する。
図3、5及び6は、本第1実施形態による巻線400を設けられたステータ200を詳細に示す。巻線400は、より具体的には、巻線400の第1及び第2層C1、C2に配置された複数の第1シリーズAの導電性ピン1と、巻線400の第3及び第4層C3、C4に配置された複数の第2シリーズBの導電性ピン1とを備えている。第1シリーズAの導電性ピン1、及び第2シリーズBの導電性ピン1は、回転電気機械100の巻線400の複数の電気経路10を形成するように設計されている。本例において、本実施形態によれば、巻線400は、回転電気機械100の相を形成する6個の電気経路10を備えている。巻線400の電気経路10は、それぞれが三相電気の供給を受けるように2つの独立したグループにおいて接続されるように設計されている。このタイプの接続は、有利には、星形の巻線400の構成にしたがって作製されるが、これに限定されない。
【0058】
第1シリーズAの導電性ピンにより、ピン1の第1外側同心アセンブリが形成され得るとともに、第2シリーズBの導電性ピンにより、ピン1の第2内側同心アセンブリが形成され得ることに留意されたい。
【0059】
第1実施形態についての以下の説明において、本発明の理解を簡単にするように、これらの電気経路10のうちの1つのみについて説明する。
【0060】
有利には、このタイプの電気経路10は、巻線400の複数の重ね合わされた層C1-C4においてノッチ213に径方向に配置された第1シリーズAの導電性ピン1、及び第2シリーズBの導電性ピン1により部分的に形成される。
【0061】
図6は、本例において96に等しい所定の個数のノッチ213を充填することにより形成される巻線400のこのタイプの電気経路10を概略的に示す。より具体的には、前記電気経路10専用のノッチ213は、6、12、18、24、30、36、42、48、54、60、66、72、78、84、90、及び96の番号が付されたノッチ213である。前記電気経路10に関連する環状本体210のノッチ213のみが示されていること、及び前記電気経路10に専用の2つの連続するノッチ213は、5に等しい個数のノッチ213により互いに間隔を置いて配置されていることを理解されたい。また、ノッチ213のこの間隔は、ステータ200の巻線400の他の5つの電気経路10を形成するように設計されていることも理解されたい。本第1実施形態に関する以下の説明において、本発明の理解を容易とするように常に
図6を参照されてもよい。
【0062】
単一のノッチ213において左から右に向かって、
図2の巻線400の互いに連続する層C1-C4が示されている。本発明による理解では、これらの層C1-C4は、径方向に積層されている。したがって、巻線400の第1層C1、巻線400の第2層C2、巻線400の第3層C3、及び巻線400の第4層C4が連続して示されている。巻線400の第1層C1は濃い実線で示され、巻線400の第2層C2は薄い実線で示され、巻線400の第3層C3は濃い点線で示され、巻線400の第4層C4は薄い点線で示されている。
【0063】
図4を参照すると、各導電性ピン1は、第1セグメント1Aと第2セグメント1Bとを備え、これらはエルボー接続部1Cにより接続されている。単一の導電性ピン1のセグメント1A、1B及びエルボー接続部1Cは、全体として連続的な電流導線要素を形成していることを理解されたい。単一の導電性ピン1のセグメント1A、1Bは、以下で説明するように、別個のノッチ213において別個の層C1-C4に配置される。
【0064】
各ピンのエルボー接続部1Cが環状本体210から、その第1軸方向端部211から出現するとともに、各ピンのセグメント1A、1Bが環状本体210から、その第2軸方向端部212から端部1Dを介して出現するように、導電性ピン1のセグメント1A、1Bは、環状本体210の第1軸方向端部211から対応するノッチ213に挿入される。導電性ピン1が対応するノッチ213に収容されると、導電性ピン1をノッチ213に保持するように、環状本体210の第2軸方向端部212から端部1Dを介して出現する単一のピン1のセグメント1A、1Bの一部が、互いに反対方向に屈曲される。また、これにより、巻線400の第1及び第2層C1、C2に配置されたシリーズA、Bの導電性ピン1のセグメント1A、1Bの部分を第1の配向に従って配向することが可能となるとともに、巻線400の第1及び第2層C3、C4に配置されたシリーズA、Bの導電性ピン1のセグメント1A、1Bの部分を第2の配向に従って配向することが可能となる。
【0065】
例えば、シリーズA、Bのうちの一方のピンのエルボー接続部1Cは、反時計方向に配向され、シリーズA、Bのうちの他方のピンのエルボー接続部1Cは、時計方向に配向される。「時計方向」及び「反時計方向」という用語は、互いに対向する方向を意味し、それぞれがステータの軸を中心として配向される。代替案によれば、シリーズA、Bのエルボー接続部1Cは、同一方向に配向され、この方向は時計方向でも反時計方向でもよい。
【0066】
単一の導電性ピン1のセグメント1A、1Bは、N-1に等しい個数のノッチ213により間隔を置いている。Nは、回転電気機械100の電気経路10の個数に対応する。上述のように、この個数Nは、本例において6に等しい。
【0067】
環状本体210の第1軸方向端部211からの、ピン1の単一のシリーズA、Bの2つの連続する導電性ピン1のエルボー接続部1Cは、互いに実質的に平行であり、互いに重ならないことに留意されたい。したがって、このエルボー接続部1Cの特定の構成により、ステータ200の軸方向サイズを縮小することが可能になる。
【0068】
また、ピン1の第1シリーズAのピン1のエルボー接続部1Cは、第1シリーズAのピン1の第1セグメント1Aが巻線400の第1層C1に配置されるとともに、第1シリーズAのピン1の第2セグメント1Bが巻線400の第2層C2に配置されるように構成されている。同様に、ピン1の第2シリーズBのピン1のエルボー接続部1Cは、第2シリーズBのピン1の第1セグメント1Aが巻線400の第3層C3に配置されるとともに、第2シリーズのピン1の第2セグメント1Bが巻線400の第4層C4に配置されるように構成されている。単一のピン1のセグメント1A、1Bは、互いに対して別個であるとともに連続する層C1-C4に位置することを理解されたい。したがって、ピンの2つの別個の同心アセンブリ、すなわち第1シリーズAのピン1により形成される第1径方向外側アセンブリ、及び第2シリーズBのピン1により形成される第2径方向内側アセンブリが形成されることを理解されたい。
【0069】
前記電気経路10を形成するように、第1シリーズAのピン1は、有利には、第2シリーズBのピン1に電気的に接続される。より具体的には、前記電気経路10を形成するように、第1シリーズAの導電性ピン1のセグメント1A、1Bの端部1Dは、第1電気経路10Aを形成するように電気的に接続され、第2シリーズBの導電性ピン1のセグメント1A、1Bは、第2電気経路10Bを形成するように電気的に接続される。第1電気経路10Aと第2電気経路10Bとは、回転電気機械100の前記電気経路10を形成するように、電気接続要素2、3により電気的に接続されるように設計されている。第1層C1及び第2層C2に配置された第1シリーズAの導電性ピン1のセグメント1A、1Bの端部1Dは、電気的に直列に接続されている。同様のことが、第3層C3及び第4層C4に配置された第2シリーズBの導電性ピン1のセグメント1A、1Bにも適用される。
【0070】
環状本体210の第2軸方向端部212から、第1及び第2電気経路10A、10Bは、第1端部10A1、10B1と第2端部10A2、10B2とを、それぞれ備えている。第1及び第2経路10A、10Bの端部10A1、10B1、10A2、10B2は、同一シリーズA、Bのピン1のセグメント1A、1Bの端部1Dに電気的に接続されていない導電性ピン1のセグメントの端部1Dによりそれぞれ形成されていることを理解されたい。
【0071】
特に、電気接続要素2、3は、第1電気経路10Aと第2電気経路10Bとを互いに電気的に接続することを可能とする第1導線2と第2導線3とを備えている。
【0072】
第1及び第2導線2、3は、直線部分2A、3Aをそれぞれ備えている。直線部分2A、3Aは、環状本体210から、その第1軸方向端部211から出現する湾曲部分2B、3Bにより、及び環状本体210からその第2軸方向端部212から出現する電気接続部分2C、3Cにより画定されている。第1又は第2導線2、3の直線部分2A、3A、湾曲部分2B、3B、及び電気接続部分2C、3Cは、全体として連続的な電流導線要素を形成していることを理解されたい。
【0073】
実際に、第1導線2及び第2導線3は、それらの直線部分2A、3Aを介して、それらの各ノッチ213に、ステータ200の環状本体210の第1軸方向端部211から挿入される。次いで、ステータ200の環状本体210から第2軸方向端部212から出現する第1及び第2導線2、3の直線部分2A、3Aの一部が、電気接続部分2C、3Cを形成するように屈曲される。
【0074】
第1及び第2導線2、3は、別個のノッチ213に配置される。単一のピンのセグメント1A、1Bと同一の態様において、一体に接続された第1及び第2導線2、3は、上述のように、N-1に等しい個数のノッチ213により距離を置いている。
【0075】
第1導線2及び第2導線3は、巻線400の少なくとも1つの層により互いに離間した、巻線400の2つの別個の層C1、C3を占めている。より具体的には、第1導線2の直線部分2Aが、第1シリーズAのピン1に共通の層C1、C2のうちの一方を占めている。そして、第2導線3の直線部分3Aが、第2シリーズBのピン1に共通の層C3、C4のうちの一方を占めている。第1導線2と第2導線3とは、ステータ200の環状本体210の第1軸方向端部211から電気的に接続される。より詳細には、第1導線2の直線部分2Aが巻線400の第1層C1を占め、第2導線3の直線部分3Aが巻線400の第3層C3を占め、これらの層は、第2層C2により互いに離間している。
【0076】
第1及び第2導線2、3の電気接続部分2C、3Cは、対応する導線2、3と同一の巻線400の層C1、C3に配置されたピンのセグメントの屈曲部分の配向と同一の配向を有していることを理解されたい。
【0077】
第1及び第2導線2、3は、ステータ200の環状本体210の第1軸方向端部211からの湾曲部分2B、3Bにより互いに電気的に接続される。
【0078】
図5を参照すると、本第1実施形態による第1導線2と第2導線3とを電気的に接続するように、第1又は第2導線2、3のうちの少なくとも一方の湾曲部分2B、3Bは、ピンの第1シリーズA、Bのうちの一方のピンと重なっている。より具体的には、第1導線2の湾曲部分2Bが、第1シリーズAのピンの一部と重なっている。第1導線2の湾曲部分2Bは、第2導線3の湾曲部分3Bに接触するまで、内部に向かって径方向に延びていることに留意されたい。或いは、第2導線3の湾曲部分3Bは、第1導線2の湾曲部分2Bに接触するまで外部に向かって径方向に延び得る。
【0079】
或いは、湾曲部分2B、3Bは、相互接続デバイスによって互いに接続され得る。
【0080】
環状本体210の第2軸方向端部212から、第1電気経路10Aと第2電気経路10Bとを電気的に接続するように、第1電気経路10Aの第1端部10A1は、有利には、第1導線2の電気接続部分2Cと電気的に接続されているとともに、第2電気経路10Bの第1端部10B1は、有利には、第2導線3の電気接続部分3Cと電気的に接続されている。
【0081】
したがって、第1導線2及び第2導線3により、巻線400の第1層C1と巻線400の第3層C3とを互いに電気的に接続できることを理解されたい。第1電気接続ユニット4及び第2電気接続ユニット5により、前記電気経路10の端子端部10D1、10D2が形成され得る。この目的は、電子制御ボードに設けられたダイオード又はトランジスタのブリッジを介して車両の電気ネットワークに接続されることである。
【0082】
第1及び第2電気接続ユニット4、5は、それぞれ、直線部分4A、5Aを備えている。直線部分4A、5Aは、環状本体210から、その第1軸方向端部211から出現する第1部分4B、5B、及び環状本体210から、その第2軸方向端部212から出現する第2部分3C、5Cにより画定されている。第1又は第2電気接続ユニット4、5の直線部分4A、5A、第1及び第2部分4B、4C、5B、5Cは、全体として連続的な電流導線要素を形成していることを理解されたい。
【0083】
実際に、第1電気接続ユニット4及び第2電気接続ユニット5は、それらの直線部分4A、5Aを介して、それらの各ノッチ213に、ステータ200の環状本体210の第1軸方向端部211から挿入される。次いで、ステータ200の環状本体210から第2軸方向端部212から出現する第1及び第2電気接続ユニット4、5の直線部分4A、5Aの一部が、第2部分4C、5Cを形成するように屈曲される。
【0084】
第1及び第2電気接続ユニット4、5は、別個のノッチ213に配置される。単一のピンのセグメント1A、1Bと同一の態様において、一体に接続された第1及び第2電気接続ユニット4、5は、上述のように、N-1に等しい個数のノッチ213により距離を置いている。
【0085】
前記電気経路10の第1端子端部10D1を形成するように、第1電気接続ユニット4の直線部分4Aは、第1導線2の直線部分2Aと同一の巻線400の層、すなわち、巻線の第1層C1を占めている。前記電気経路10の第2端子端部10D2を形成するように、第2電気接続ユニット5の直線部分5Aは、第2導線3の直線部分3Aと同一の巻線の層、すなわち巻線の第3層C3を占めている。
【0086】
第1及び第2電気接続ユニット4、5の第2部分4C、5Cは、対応する導線4、5と同一の巻線400の層に配置されたピン1のセグメント1A、1Bの屈曲部分の配向と同一の配向を有していることを理解されたい。
【0087】
より具体的には、前記電気経路10の端子端部10D1、10D2を作製するように、第1電気接続ユニット4の第1部分4Bが、回転電気機械100の電気経路10の第1端子端部10D1を形成し、第1電気接続ユニット4の第2部分4Cが第1電気経路10Aの第2端部10A2に接続されている。同様に、第2電気接続ユニット5の第1部分5Bが、回転電気機械100の電気経路10の第2端子端部10D2を形成し、第2電気接続ユニット5の第2部分5Cが、第2電気経路10Bの第2端部10B2に接続されている。
【0088】
端子端部10D1、10D2は、環状本体210から軸方向に間隔を置いて延びている。この目的は、回転電気機械100の前記電気経路10の電気制御ボードを介した車両の電気ネットワークへの電気接続、特に機械の動作モードに応じて直流から交流への変換、又は逆の変換を保証する電流変換モジュール(図示せず)への電気接続を容易にすることである。
【0089】
単一のノッチ213の層C1-C4を流れる電流の同一の通流方向S1、S2、S3、S4を保証するように、2つの小型の電気接続バー6、7が、単一の層C2、C4において前記電気経路10に共通の2つのノッチ213の間にそれぞれ配置されている。
【0090】
各小型バー6、7は、直線形状を有する2つの導電性部分6A、7Aを備え、これらの導電性部分6A、7Aは、接続部6B、7Bにより互いに接続されている。
【0091】
単一の小型バー6、7の各導電性部分6A、7Aは、環状本体210から第1軸方向端部211から出現する接続部6B、7B、及び環状本体210から第2軸方向端部212から出現する電気接続部分6C、7Cにより画定されている。単一の小型バー6、7の導電性部分6A、7A、接続部6B、7B、及び電気接続部分6C、7Cは、全体として連続的な電流導線要素を形成していることを理解されたい。
【0092】
実際に、導電しピン1と同様に、小型バー6、7の導電性部分6A、7Aは、それらの各ノッチ213に、ステータ200の環状本体210の第1軸方向端部211から挿入される。ステータ200の環状本体210から第2軸方向端部212から出現する小型バー6、7の導電性部分6A、7Aの一部が、電気接続部分2C、3Cを形成するように屈曲される。
【0093】
小型バー6、7の導電性部分6A、7Aは、対応する導電性部分6A、7Aと同一の巻線400の層に配置されたピン1のセグメント1A、1Bの屈曲部分の配向と同一の配向を有していることを理解されたい。
【0094】
単一の小型バー6、7の導電性部分6A、7Aは、別個のノッチ213に配置される。単一のピン1のセグメント1A、1Bと同一の態様において、単一の小型バー6、7の導電性部分6A、7Aは、上述のように、N-1に等しい個数のノッチ213により距離を置いている。また、単一のバー6、7の導電性部分6A、7Aは、これら2つのノッチ213のそれぞれにおいて巻線400の単一の層を占めている。
【0095】
少なくとも1つの小型バー6、7の導電性部分6A、7Aは、第1導線2を受容するノッチ213に配置されていることに留意されたい。
【0096】
また、各小型バー6、7の2つの導電性部分6A、7Aにより占められる巻線400の層C2、C4は、第1及び第2導線2、3により占められる層C1、C3とは別であること、及び、各小型バー6、7の導電性部分6A、7Aにより占められる層C2、C4は、別であるとともに互いに連続していないことに留意されたい。本例において、第1小型バー6の導電性部分6Aが第2層C2を占め、第2小型バー7の導電性部分7Aが第4層C4を占めている。
【0097】
小型バー6、7の導電性部分6A、7Aは、第1及び第2導線2、3並びに第1及び第2電気接続ユニット4、5により残された空きスペースを充填するように配置されている。実際に、第1層C1に配置された第1導線2の直線部分2Aが第2層C2に空きスペースを残し、第3層C3に配置された第2導線3の直線部分3Aが第4層に空きスペースを残していることを理解されたい。同様に、第1層C1に配置された第1電気接続ユニット4の直線部分4Aが第2層C2に空きスペースを残し、第3層に配置された第2電気接続ユニット5の直線部分5Aが第4層C4に空きスペースを残している。上述のようにノッチ213における電流の通流方向S1、S2、S3、S4を保証するように、第2層C2及び第4層に残された空きスペースは、小型バー6、7の導電性部分6A、7Aで充填されている。
【0098】
第2層C2を占める第1小型バー6の導電性部分6Aは、第1層C1に配置された第1シリーズAのピン1の第1セグメント1Aの端部1Dに電気的に接続されているとともに、第4層C4を占める第2小型バー7の導電性部分7Aは、第3層C3に配置された第2シリーズBのピン1の第1セグメント1Aの端部1Dに電気的に接続されている。
【0099】
したがって、小型の電気接続バー6、7の配置により、有利には、単一のノッチ213において、導電性ピン1のセグメント1A、1B、及び/又は導線2、3の直線部分2A、3A、及び/又は電気接続ユニット4、5の直線部分4A、5Aに、同一の通流方向S1、S2、S3、S4に従って配向される電流が流れることが保証され得る。
【0100】
ステータ200の環状本体210のノッチ213は、第1及び第2シリーズA、Bのピン1の第1及び第2セグメント1A、1Bによってのみ充填される一方で、上述のように、ステータ200の環状本体210の一部のノッチ213は、導線2、3の少なくとも1つの直線部分2A、3A、及び/又は電気接続ユニット4、5の少なくとも1つの直線部分4A、5Aにより充填されることに留意されたい。
【0101】
したがって、前記電気経路10は、第1及び第2電気接続ユニット4、5の第1部分4B、5Bにより画定されていることを理解されたい。したがって、本第1実施形態によれば、第1導線2と共通の態様において、第1電気接続ユニット4は巻線400の第1層C1を占め、第2導線3と共通の態様において、第2電気接続ユニット5は巻線400の第3層C3を占めている。
【0102】
図5に示すように、各小型バー6、7の接続部6B、7Bは、それに関連付けられたピン1のシリーズA、Bの複数のピン1と重なっている。より具体的には、各小型バー6、7の接続部6B、7Bは、それに関連付けられたシリーズA、Bのピン1のエルボー接続部の複数の螺旋セクションと重なっている。更に具体的には、第1導線2の湾曲部分2Bは、第1小型バーの接続部6Bと重なっている。
【0103】
次いで、前記電気経路10の電流入力が、巻線400の第1層C1により生じ、当該同一の電気経路10の電流出力が、第1及び第2電気接続ユニット4、5を介して巻線400の第3層C3に生じる。前記電気接続経路10には、単一の電流が流れることを理解されたい。
【0104】
このようにして形成された電気経路10は、単一のノッチ213において、対応するノッチ213の各層C1-C4において同一である電流の通流方向S1、S2、S3、S4を可能にする利点を有することが有利である。これらの共通の通流方向S1、S2、S3、S4は、有利には、磁場の乱れを制限可能である。
【0105】
また、電気経路10により、電気経路10の互いに連続する2つのノッチ213の層C1-C4を流れる電流が異なる方向に配向され得ることに留意されたい。
【0106】
また、軸に対して互いに対照的に対向する2つのノッチ213は、単一の電気経路10に専用の2つのノッチ213であることに留意されたい。軸Oに対して互いに対照的に対向するこれら2つのノッチ213には、前記電気経路10の同一の電流が流れる。これにより、有利には、ロータ300に対応して磁極を駆動することができる。
【0107】
次に、
図7、8及び11を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態による巻線400は、第1実施形態の巻線と同様であり、同数の電気経路10を備えている。第2実施形態は、前述の電気接続ユニット4、5の電気導線2、3、及び小型の電気接続バー6、7の特定の配置において、第1実施形態と異なる。
【0108】
本第2実施形態に関する以下の説明において、本発明の理解を簡単にするように、これらの電気経路10のうちの1つのみについて説明する。
【0109】
このタイプの電気経路10は、第1実施形態の電気経路と同様の態様で形成される。
【0110】
図8は、本第2実施形態によるこのタイプの電気経路10を概略的に示す。本第2実施形態に関する以下の説明において、本発明の理解を容易とするように常に
図8を参照されたい。
【0111】
第1実施形態と同様の態様において、第1導線2及び第2導線3は、第1電気経路10Aと第2電気経路10Bとを、互いに電気的に接続することを可能にする。
【0112】
本第2実施形態の特定の特徴によれば、第1導線2の直線部分2Aは、そのノッチ213において、巻線400の第2層C2を占め、第2導線3の直線部分3Aは、そのノッチ213において、巻線400の第4層を占めている。第1実施形態と同様の態様において、第1導線2の直線部分2Aは、第2導線3の直線部分3Aから、1つの層により、本例において第3層C3により離間している。
【0113】
第1及び第2導線2、3は、ステータ200の環状本体210の第1軸方向端部211から、それらの湾曲部分2B、3Bにより互いに電気的に接続されている。したがって、第1導線2及び第2導線3により、巻線400の第2層C2と巻線400の第4層C4とを互いに電気的に接続可能であることを理解されたい。
【0114】
第1実施形態と同様の態様において、第1電気接続ユニット4及び第2電気接続ユニット5により、本第2実施形態による前記電気経路10の端子端部10D1、10D2が形成され得る。
【0115】
本第2実施形態を参照すると、前記電気経路10の第1端子端部10D1を形成するように、第1電気接続ユニット4の直線部分4Aが巻線400の第2層C2を占め、前記電気経路10の第2端子端部10D2を形成するように、第2電気接続ユニット5の直線部分5Aが巻線400の第4層C4を占めている。
【0116】
本第2実施形態によれば、第1小型バー6の導電性部分6Aが巻線400の第1層C1を占め、第2小型バー7の導電性部分7Aが巻線400の第3層C3を占めている。
【0117】
第1層C1を占める第1小型バー6の導電性部分6Aは、第1シリーズAのピン1の第1セグメント1Aの端部1Dに電気的に接続されている。第3層C3を占める第2小型バー7の導電性部分7Aは、第2シリーズBのピン1の第1セグメント1Aの端部1Dに電気的に接続されている。
【0118】
したがって、本第2実施形態によれば、前記電気経路10は、第1及び第2電気接続ユニット4、5の第1部分4B、5Bにより画定されていることを理解されたい。したがって、本第2実施形態によれば、第1電気接続ユニット4は、第1導線2と共通の態様において巻線400の第2層C2を占め、第2電気接続ユニット5は、第2導線3と共通の態様において巻線400の第4層C4を占めている。
【0119】
本第2実施形態によれば、前記電気経路10の電流入力は、巻線400の第2層C2により生じ、当該同一の電気経路10の電流出力は、巻線400の第4層C4において生じる。前記電気経路10には、単一の電流が流れることを理解されたい。
【0120】
本第2実施形態において、電気接続要素の第1及び第2導線2、3は、第1実施形態による構成よりも、径方向内側に配置されていることを理解されたい。
【0121】
次に、
図9、10及び12を参照して第3実施形態について説明する。第3実施形態による巻線400は、第1実施形態の巻線と同様であり、同数の電気経路10を備えている。第3実施形態は、前述の電気接続ユニット4、5の電気導線2、3、及び小型の電気接続バー6、7の特定の配置において、第1実施形態と異なる。
【0122】
本第3実施形態に関する以下の説明において、本発明の理解を簡単にするように、これらの電気経路10のうちの1つのみについて説明する。このタイプの電気経路10は、第1実施形態の電気経路と同様の態様で形成される。
【0123】
図10は、本第2実施形態によるこのタイプの電気経路10を概略的に示す。本第3実施形態に関する以下の説明において、本発明の理解を容易とするように常に
図10を参照されたい。
【0124】
第1実施形態と同様の態様において、第1導線2及び第2導線3は、第1電気経路10Aと第2電気経路10Bとを、互いに電気的に接続することを可能にする。
【0125】
本第3実施形態の特定の特徴によれば、第1導線2の直線部分2Aは、そのノッチ213において、巻線400の第1層C1を占め、第2導線3の直線部分3Aは、そのノッチ213において、巻線400の第4層を占めている。第1及び第2実施形態と別の態様において、第1導線2の直線部分2Aは、第2導線3の直線部分3Aから、2つの層により、本例において第3層C3及び第2層C2により離間している。
【0126】
電気接続要素の第1及び第2導線2、3は、ステータ200の環状本体210の第1軸方向端部211から、それらの湾曲部分2B、3Bにより互いに電気的に接続されている。
【0127】
図12を参照すると、本第3実施形態による第1導線2と第2導線3とを電気的に接続すべく、第1導線2の湾曲部分2Bは、第2導線3の湾曲部分3Bと電気的に接続されるように第1シリーズAのピン1及び第2シリーズBのピン1と重なっている。
【0128】
したがって、第1導線2及び第2導線3により、巻線400の第1層C1と巻線400の第4層C4とを互いに電気的に接続し得ることを理解されたい。
【0129】
第1実施形態と同様の態様において、第1電気接続ユニット4及び第2電気接続ユニット5により、本第3実施形態による前記電気経路10の端子端部10D1、10D2が形成され得る。
【0130】
本第3実施形態によれば、前記電気経路10の第1端子端部10D1を形成するように、第1電気接続ユニット4の直線部分4Aが巻線400の第1層C1を占め、前記電気経路10の第2端子端部10D2を形成するように、第2電気接続ユニット5の直線部分5Aが巻線400の第4層C4を占めている。
【0131】
本第3実施形態によれば、第1小型バー6の導電性部分6Aが巻線400の第2層C2を占め、第2小型バー7の導電性部分7Aが巻線400の第3層C3を占めている。
【0132】
第2層C2を占める第1小型バー6の導電性部分6Aは、第1シリーズAのピン1の第1セグメント1Aの端部1Dに電気的に接続されている。第3層C3を占める第2小型バー7の導電性部分7Aは、第2シリーズBのピン1の第1セグメント1Aの端部1Dに電気的に接続されている。
【0133】
図12に示すように、各小型バー6、7の接続部6B、7Bは、それに関連付けられたピン1のシリーズA、Bのピン1の少なくとも1つのピンと重なっている。より具体的には、各小型バー6、7の接続部6B、7Bは、それに関連付けられたピン1のシリーズA、Bのピン1のエルボー接続部1Cと重なっている。更に具体的には、第1導線2の湾曲部分2B、3Bは、第1小型バー6の接続部6B及び第2小型バー7の接続部7Bと重なっている。
【0134】
したがって、本第3実施形態によれば、前記電気経路10は、第1及び第2電気接続ユニット4、5の第1部分4B、5Bにより画定されていることを理解されたい。したがって、本第3実施形態によれば、第1電気接続ユニット4は、第1導線2と共通の態様において巻線400の第1層C1を占め、第2電気接続ユニット5は、第2導線3と共通の態様において巻線400の第4層C4を占めている。
【0135】
本第3実施形態によれば、前記電気経路10の電流入力は、巻線400の第4層C4により生じ、当該同一の電気経路10の電流出力は、巻線400の第1層C1において生じる。前記電気経路10には、単一の電流が流れることを理解されたい。
【0136】
本第3実施形態において、第1導線2はステータの径方向外側に配置され、第2導線3はステータの径方向内側に配置されて、第1実施形態により提供される構成に比較して最大間隔を空けている。したがって、第1及び第2導線2、3は、それらの各ノッチ213の周縁に配置される。同様のことが、第1及び第2電気接続ユニット4、5にも適用される。
【0137】
本発明の特徴、特徴、変形例、及び異なる実施形態は、それらが互いに矛盾したり排他的であったりしない限り、種々の組み合わせにしたがって互いにに関連付けられ得ることを認識されたい。特に、記載された他の特徴とは別の態様において以下に記載の特徴の選択のみを含む本発明の変形例を想定することができる。これは、この特徴の選択が、技術的利点を提供するのに十分であるか、本発明を従来技術から区別するのに十分である場合である。