(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】積層体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 65/48 20060101AFI20240226BHJP
B32B 37/00 20060101ALI20240226BHJP
C09J 201/00 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
B29C65/48
B32B37/00
C09J201/00
(21)【出願番号】P 2021031428
(22)【出願日】2021-03-01
(62)【分割の表示】P 2016213777の分割
【原出願日】2016-10-31
【審査請求日】2021-03-31
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000108410
【氏名又は名称】デクセリアルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113424
【氏名又は名称】野口 信博
(74)【代理人】
【識別番号】100185845
【氏名又は名称】穂谷野 聡
(72)【発明者】
【氏名】今野 彰
(72)【発明者】
【氏名】長澤 好員
(72)【発明者】
【氏名】吉田 尚正
【合議体】
【審判長】里村 利光
【審判官】廣田 健介
【審判官】関根 洋之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-152339(JP,A)
【文献】特開2016-155926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部材
である光透過性部材の表面に、光硬化性樹脂組成物を仮硬化させた仮硬化樹脂層を形成する工程(A)と、
上記第1の部材と、第2の部材とを、上記仮硬化樹脂層を介して貼合せる工程(B)と、
上記仮硬化樹脂層に光照射して本硬化させる工程(C)とを有し、
上記工程(A)は、
上記第1の部材の表面に光硬化性樹脂組成物を
上記表面の上側から塗布するとともに、上記塗布した光硬化性樹脂組成物の端部の変形を防止するために上記光硬化性樹脂組成物に光照射し40~50%の硬化率とする工程(A1)と、
上記工程(A1)で光照射された光硬化性樹脂組成物が所定の反応率となるようにさらに光照射する工程(A2)とを有
し、
上記工程(A1)、上記工程(A2)及び上記工程(B)では、上記第1の部材を天地逆転させない、積層体の製造方法。
【請求項2】
上記工程(A1)において、上記光硬化性樹脂組成物が上記第1の部材の表面に塗布されてから光照射されるまでの時間が5秒以内である、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項3】
上記工程(A1)では、上記光硬化性樹脂組成物の塗布厚さが50~150μmとなるように塗布する、請求項1又は2に記載の積層体の製造方法。
【請求項4】
上記工程(A1)では、粘度が1000~60000mPa・sである光硬化性樹脂組成物を塗布する、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
【請求項5】
上記第1の部材は、周縁部に遮光層が形成された光透過性部材であり、
上記工程(A1)では、上記光透過性部材の表面の上記遮光層で囲まれた領域と上記遮光層とに跨って光硬化性樹脂組成物を塗布する、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項6】
上記工程(A2)では、上記工程(A2)で得られる仮硬化樹脂層の硬化率が90%未満となるように光照射する、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
【請求項7】
上記第2の部材は、画像表示部材であり、
上記積層体は、画像表示装置である、請求項1~4、6のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
【請求項8】
上記工程(A1)では、粘度が1400~4700mPa・sである光硬化性樹脂組成物を塗布する、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の積層体の製造方法に用いられる塗布装置であって、
上記光硬化性樹脂組成物を塗布する塗布部と、
上記塗布部の近傍に配置された光照射部と、
制御部とを備え、
上記制御部は、上記塗布部及び上記光照射部と、上記第1の部材とを相対的に移動させることにより、上記第1の部材の表面の一端側から他端側に亘って上記塗布部が上記第1の部材の表面に光硬化性樹脂組成物を塗布するように制御しながら、上記塗布した光硬化性樹脂組成物の端部の変形を防止するために上記光照射部が上記光硬化性樹脂組成物に光照射するように制御する、塗布装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、積層体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、タブレットPC等の情報端末に用いられる画像表示装置は、例えば、次のような方法で製造されている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
まず、
図9に示すように、周縁部に遮光層5が形成された光透過性部材(第1の部材)3の表面に、塗布部101のノズル101Aから、液状の光硬化性樹脂組成物6を塗布する。次に、
図10、11に示すように、光透過性部材3の表面に塗布された光硬化性樹脂組成物6に光照射部102から光照射して仮硬化樹脂層103を形成する。次に、
図11に示すように、光透過性部材3と、画像表示部材(第2の部材)2とを、仮硬化樹脂層103を介して貼合せる。次に、仮硬化樹脂層103に光照射して仮硬化樹脂層103を本硬化させ、硬化樹脂層を形成する。これにより、画像表示装置が得られる。
【0004】
このように、
図9~11に示す製造方法は、光硬化性樹脂組成物6を塗布した後に仮硬化を行うため、光硬化性樹脂組成物6の塗布形状を維持した状態で貼合せを行うことが可能となる。
【0005】
また、他の製造方法として、塗布した光硬化性樹脂組成物を仮硬化させずに貼合せる方法も挙げられる。この方法は、例えば
図12(A)に示すように、光透過性部材3の表面に光硬化性樹脂組成物6を塗布し、
図12(B)、(C)に示すように光透過性部材3と画像表示部材2とを光硬化性樹脂組成物6を介して貼合わせる。そして、光硬化性樹脂組成物6を本硬化させる。
【0006】
さらに、他の製造方法として、液状の光硬化性樹脂組成物を用いることに代えて、光学粘着シート(OCA: Optical Clear Adhesive)を用いる方法も挙げられる。この方法は、例えば
図13(A)に示すように、光学透明粘着シート104を光透過性部材3の表面に貼付け、
図13(B)、(C)に示すように、光透過性部材3と画像表示部材2とを透明粘着シート104を介して貼合せる。そして、透明粘着シート104を本硬化させる。
【0007】
ところで、上述したように光硬化性樹脂組成物を仮硬化させた後に貼合せる方法では、
図14(A)に示すように、光硬化性樹脂組成物6を光透過性部材3の表面に塗布したときに、塗布した光硬化性樹脂組成物の端部に液ダレが発生しやすい傾向にある。この液ダレは、光透過性部材3と画像表示部材2とを仮硬化樹脂層103を介して貼合せたときに、
図14(B)に示すような未接着領域Rが発生する原因となる。未接着領域Rが発生すると、例えば、狭額縁化した液晶表示パネルにおいて接着領域を稼ぐことが困難となる。なお、
図12(A)~(C)に示すように光硬化性樹脂組成物を仮硬化させずに液状態のまま貼合せる方法や、
図13(A)~(C)に示すように光学粘着シート104を用いる方法では、液ダレが発生し難く未接着領域Rの問題が少ないと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本技術は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、光硬化性樹脂組成物を塗布したときの液ダレを抑制することができる積層体の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本技術に係る積層体の製造方法は、第1の部材の表面に光硬化性樹脂組成物を仮硬化させた仮硬化樹脂層を形成する工程(A)と、第1の部材と、第2の部材とを、仮硬化樹脂層を介して貼合せる工程(B)と、仮硬化樹脂層に光照射して本硬化させる工程(C)とを有し、工程(A)は、第1の部材の表面に光硬化性樹脂組成物を塗布するとともに、塗布した光硬化性樹脂組成物の変形を防止するために光硬化性樹脂組成物に光照射する工程(A1)と、工程(A1)で光照射された光硬化性樹脂組成物が所定の反応率となるようにさらに光照射する工程(A2)とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本技術によれば、仮硬化樹脂層を形成する工程が、塗布した光硬化性樹脂組成物の変形を防止するために光硬化性樹脂組成物に光照射することを含むため、光硬化性樹脂組成物を塗布した際の液ダレを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、積層体の製造方法で得られる積層体の一例を示す断面図である。
【
図2】
図2は、光硬化性樹脂組成物を塗布してから光照射するまでの経過時間による、光硬化性樹脂組成物の塗布面の高さの測定結果を示すグラフである。
【
図3】
図3は、光硬化性樹脂組成物の塗布厚さによる、光硬化性樹脂組成物の塗布面の高さの測定結果を示すグラフである。
【
図4】
図4は、塗布装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、積層体の製造方法における工程(A1)の一例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、積層体の製造方法における工程(A2)の一例を説明するための図である。
【
図7】
図7は、光硬化性樹脂組成物の塗布厚さ、及び光硬化性樹脂組成物の塗布から光照射までの時間に対する液ダレ量の変化を示すグラフである。
【
図8】
図8は、光硬化性樹脂組成物の粘度の違いによる液ダレ量の変化を示すグラフである。
【
図9】
図9は、光透過性部材の表面に光硬化性樹脂組成物を塗布する工程の一例を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、光硬化性樹脂組成物に光照射して仮硬化樹脂層を形成する工程の一例を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、光透過性部材と画像表示部材とを仮硬化樹脂層を介して貼合せる工程の一例を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、画像表示装置の製造方法の一例を説明するための図であり、
図12(A)は、光透過性部材の表面に光硬化性樹脂組成物を塗布する工程の一例を示す斜視図であり、
図12(B)、(C)は、光硬化性樹脂組成物を介して光透過性部材と画像表示部材とを貼合せる工程の一例を示す断面図である。
【
図13】
図13は、画像表示装置の製造方法の一例を説明するための図であり、
図13(A)は、光透過性部材の表面に光学透明粘着シートを貼付ける工程の一例を示す斜視図であり、
図13(B)、(C)は、光学透明粘着シートを介して光透過性部材と画像表示部材とを貼合せる工程の一例を示す断面図である。
【
図14】
図14は、光透過性部材と画像表示部材とを仮硬化樹脂層を介して貼合せる工程の一例を示す断面図であり、
図14(A)は、液ダレの一例を説明するための断面図であり、
図14(B)は、未接着領域Rの一例を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<積層体>
本実施の形態に係る積層体の製造方法では、例えば
図1に示すように、周縁部に遮光層5が形成された光透過性部材3(第1の部材)と、画像表示部材2(第2の部材)とが、硬化樹脂層4を介して積層した画像表示装置1(積層体)を得る。
【0014】
画像表示部材2は、例えば液晶表示パネル、有機EL表示パネル、プラズマ表示パネル、タッチパネル等を挙げることができる。ここで、タッチパネルとは、液晶表示パネルのような表示素子とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた画像表示・入力パネルを意味する。
【0015】
光透過性部材3は、画像表示部材2に形成された画像が視認可能となるような光透過性を有するものであればよい。例えば、ガラス、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート等の板状材料やシート状材料が挙げられる。これらの材料には、少なくとも一方の面にハードコート処理、反射防止処理等が施されていてもよい。光透過性部材3の厚さや弾性率などの物性は、使用目的に応じて適宜決定することができる。また、光透過部材3は、上記のような比較的構成の簡単な部材だけでなく、タッチパネルモジュールのような各種シート又はフィルム材が積層されたものも含まれる。
【0016】
遮光層5は、画像のコントラスト向上のために設けられるものであり、例えば、黒色等に着色された塗料をスクリーン印刷法などで塗布し、乾燥・硬化させて形成することができる。遮光層5の厚さは、通常5~100μmである。
【0017】
硬化樹脂層4の屈折率は、画像表示部材2や光透過性部材3の屈折率とほぼ同等とすることが好ましく、例えば1.45以上1.55以下であることが好ましい。これにより、画像表示部材2からの映像光の輝度やコントラストを高め、視認性を良好にすることができる。また、硬化樹脂層4の透過率は、90%を超えることが好ましい。これにより、画像表示部材2に形成された画像の視認性をより良好にすることができる。硬化樹脂層4の厚さは、例えば、50~150μmであることが好ましい。
【0018】
硬化樹脂層4は、透明で、紫外線又は可視光で硬化可能な液状の光硬化性樹脂組成物6を用いて形成することができる。光硬化性樹脂組成物6は液状、ゲル状等のいずれの状態であってもよく、液状が好ましい。ここで、光硬化性樹脂組成物6が液状であるとは、B型粘度計で測定した25℃における粘度が0.01~100Pa・sを示すことが好ましい。本実施の形態に係る積層体の製造方法では、例えば25℃における粘度が1000~60000mPa・sの範囲の光硬化性樹脂組成物を用いた場合でも、光硬化性樹脂組成物を塗布した際の液ダレを抑制することができる。
【0019】
本製造方法で用いることができる光硬化性樹脂組成物6の一例を説明する。光硬化性樹脂組成物6は、例えば、(メタ)アクリレートオリゴマーと、(メタ)アクリレートモノマーと、光重合開始剤と、柔軟剤とを含有する。なお、光硬化性樹脂組成物6は、本技術の効果を損なわない範囲でこれらの成分以外の他の成分をさらに含有していてもよい。本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートとの両方を包含する。
【0020】
(メタ)アクリレートオリゴマーは、光硬化性樹脂組成物6のベース材料として用いられる。(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、ポリウレタン、ポリイソプレン、ポリブタジエン等を骨格に持つ(メタ)アクリレートオリゴマーを用いることができる。ポリウレタン骨格を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーの具体例としては、脂肪族ウレタンアクリレート(EBECRYL230、ダイセル・オルネクス社製)等が挙げられる。また、ポリイソプレン骨格を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーの具体例としては、ポリイソプレン重合体の無水マレイン酸付加物と2-ヒドロキシエチルメタクリレートとのエステル化物(UC102、(株)クラレ社製)等が挙げられる。
【0021】
(メタ)アクリレートモノマーは、光硬化性樹脂組成物6に十分な反応性、塗布性等を付与するための反応希釈剤として用いられる。(メタ)アクリレートモノマーは、例えば、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0022】
光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤を用いることができる。例えば、1-ヒドロキシ-シクロへキシルフェニルケトン(イルガキュア184、BASF社製)、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2一ヒドロキシ-2-メチル-プロピロニル)ベンジル]フェニル}-2-メチル-1-プロパン-1-オン(イルガキュア127、BASF社製)、ベンゾフェノン、アセトフェノン等を挙げることができる。
【0023】
柔軟剤は、液状可塑剤と粘着付与剤の少なくとも1種からなる。液状可塑剤は、紫外線照射によりそれ自身は光硬化をせず、光硬化後の硬化樹脂層又は仮硬化樹脂層に柔軟性を与え、また硬化樹脂層又は仮硬化樹脂層の硬化収縮率を低減させるものである。液状可塑剤としては、例えば、ポリブタジエン系可塑剤、ポリイソプレン系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤等が挙げられる。
【0024】
粘着付与剤は、光硬化後の硬化樹脂層又は仮硬化樹脂層に柔軟性を与えるとともに、硬化樹脂層又は仮硬化樹脂層の初期接着強度(いわゆるタック性)を向上させる。粘着付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂等のテルペン系樹脂、天然ロジン、重合ロジン、ロジンエステル、水素添加ロジン等のロジン樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の石油樹脂などが挙げられる。
【0025】
光硬化性樹脂組成物は、上述した成分を公知の混合手法に従って均一に混合することにより調製することができる。光硬化性樹脂組成物の市販品としては、例えば商品名「LCR1000-DM」、「HSVR600」、「HSVR330」(以上、デクセリアルズ(株)社製)などが挙げられる。
【0026】
<積層体の製造方法>
本製造方法は、以下の工程(A)~(C)を有する。
工程(A):第1の部材の表面に、光硬化性樹脂組成物を仮硬化させた仮硬化樹脂層を形成する。
工程(B):第1の部材と、第2の部材とを、仮硬化樹脂層を介して貼合せる。
工程(C):仮硬化樹脂層に光照射して本硬化させる。
【0027】
また、工程(A)は、以下の工程(A1)及び(A2)を有する。
工程(A1):第1の部材の表面に光硬化性樹脂組成物を塗布するとともに、塗布した光硬化性樹脂組成物の変形を防止するために光硬化性樹脂組成物に光照射する。
工程(A2):工程(A1)で光照射された光硬化性樹脂組成物が所定の反応率となるようにさらに光照射する。
【0028】
このように、本製造方法は、仮硬化樹脂層を形成する工程(A)が、塗布した光硬化性樹脂組成物の変形(少なくとも塗布した光硬化性樹脂組成物の端部の変形)を防止するために光硬化性樹脂組成物に光照射することを含む。これにより、光硬化性樹脂組成物を塗布した際の液ダレを抑制することができる。特に、本製造方法では、粘度が比較的低い光硬化性樹脂組成物を用いた場合でも、液ダレを抑制することができる。本製造方法は、例えば狭額縁(例えば幅が1mm以下)の液晶表示パネルを用いた場合に好適である。
【0029】
図2は、光硬化性樹脂組成物を塗布してから光照射するまでの経過時間による、光硬化性樹脂組成物の塗布面の高さの測定結果を示すグラフである。また、
図3は、光硬化性樹脂組成物の塗布厚さによる、光硬化性樹脂組成物の塗布面の高さの測定結果を示すグラフである。
図2、
図3中の縦軸は、光硬化性樹脂組成物の塗布厚さ(mm)を表す。また、
図2、
図3中の横軸は、光硬化性樹脂組成物が塗布される光透過性部材の長手方向の一方の端部からの距離(mm)を表す。ここで、光硬化性樹脂組成物の塗布厚さは、例えば、光硬化性樹脂組成物の塗布面にレーザ、超音波等を照射して高さを測定する公知の変位センサを用いて測定することができる。
【0030】
図2に示す結果から、光硬化性樹脂組成物が光透過性部材の表面に塗布されてから光照射されるまでの経過時間が15秒、10秒、5秒と短くなる程、液ダレが少ない傾向にあることが分かる。また、
図3に示す結果から、光硬化性樹脂組成物の塗布厚さが250μm、175μm、100μmと薄くなる程、液ダレが抑制される傾向にあることが分かる。
【0031】
上記結果から、例えば、超高速で光硬化性樹脂組成物の塗布を行い、その後すぐに仮硬化を行う方式を採用することで、液ダレを抑制することが可能と考えられる。しかし、この方式は、エリア型の光照射器が必要となることや、高速・高精度駆動が可能な塗布装置(ロボット)が必要となること等、設備面での制約が多くなり、設備費用が非常に高くなってしまう。
【0032】
また、上記結果から、光硬化性樹脂組成物を塗布する塗布部(ノズル)の近傍に光照射部(例えば紫外線照射器)を配置し、光硬化性樹脂組成物の塗布を行いながら光照射(仮硬化)を行う方式が理想的と考えられる。しかし、この方式が全ての光硬化性樹脂組成物に対して有効であるとは限らない。例えば、硬化反応が比較的遅い光硬化性樹脂組成物を用いる場合、光硬化性樹脂組成物の塗布速度を極端に下げないと、最適な仮硬化条件にならないおそれがある。
【0033】
また、光硬化性樹脂組成物の種類によって最適な光照射量が異なる。これは、仮硬化の状態によって本硬化後の光硬化性樹脂組成物の強度、ムラの有無等に影響を及ぼすためである。
【0034】
以上のような事情を考慮して、本製造方法では、仮硬化樹脂層を形成する工程を少なくとも2回行うようにする。まず、1回目の仮硬化(工程(A1))では、光硬化性樹脂組成物の変形を防止するために光硬化性樹脂組成物に光照射する。すなわち、光硬化性樹脂組成物の塗布形状が維持可能な程度に仮硬化させる。これにより、塗布した光硬化性樹脂組成物の液ダレが抑制されるようにする。そして、2回目の仮硬化(工程(A2))では、1回目の仮硬化で得られた仮硬化樹脂層が所定の反応率となるようにさらに光照射する。これにより、光硬化性樹脂組成物の塗布形状を維持した状態で貼合せを行うことが可能な程度に仮硬化した仮硬化樹脂層が得られる。
【0035】
本製造方法によれば、エリア型の光照射器や、高速・高精度駆動が可能な塗布装置を用いずに、光硬化性樹脂組成物を塗布したときに、塗布した光硬化性樹脂組成物の端部に液ダレが発生することを抑制できる。したがって、設備面での制約を増大させずに、光硬化性樹脂組成物を塗布した際の液ダレを抑制することができる。
【0036】
次に、本製造方法の各工程、すなわち工程(A1)、工程(A2)、工程(B)、工程(C)の詳細について説明する。
【0037】
[工程(A1)]
工程(A1)における光硬化性樹脂組成物の塗布は、一般に使用される各種の塗布方法により行うことができる。工程(A1)では、例えば
図4に示すように、塗布部7と、光照射部8と、制御部9とを備える塗布装置を用いることができる。
【0038】
塗布部7は、例えば、光硬化性樹脂組成物6を貯留する貯留部(図示せず)と、光硬化性樹脂組成物6を吐出するスリット状のノズル7A(
図5、6を参照)と、貯留部に貯留される光硬化性樹脂組成物6をノズル7Aに押し出すポンプ(図示せず)とを備える。塗布部7は、例えば
図9に示すように、ノズル7Aの幅が、光透過性部材3の表面の遮光層5で囲まれた領域3Sの幅よりも広い幅を有する。すなわち、ノズル7Aは、光透過性部材3の幅方向の両端に形成された各遮光層5と領域3Sとを跨ぐ幅を有する。これにより、塗布部7は、光透過性部材3の幅方向の両端に形成された各遮光層5と領域3Sとに跨って光硬化性樹脂組成物6を塗布することができる。
【0039】
光照射部8は、塗布部7の近傍であって、塗布部7のノズル7Aに光が照射されないような位置に配置されることが好ましい。このような配置にすることで、ノズル7Aの先端部分が光硬化性樹脂組成物6の硬化物によって固まることを防止することができる。光照射部8としては、例えば紫外線照射器を用いることができる。
【0040】
制御部9は、塗布部7及び光照射部8と、光透過性部材3とを相対的に移動させる。これにより、光透過性部材3の表面の一端側から他端側に亘って光硬化性樹脂組成物6を塗布するとともに、塗布した光硬化性樹脂組成物6に光照射する。
【0041】
工程(A1)の具体例として、
図5(A)~(C)に示すように、光透過性部材3を載置するステージを矢印方向に移動させ、光透過性部材3の表面の一端側3Aから他端側3Bに亘って光硬化性樹脂組成物6を塗布部7から塗布しながら、塗布した光硬化性樹脂組成物6に光照射部8から光照射することが好ましい。これにより、光硬化性樹脂組成物を塗布した際の液ダレをより効果的に抑制することができる。工程(A1)では、光透過性部材3を載置するステージを移動させずに、光透過性部材3の表面の一端側3Aから他端側3Bに亘って光硬化性樹脂組成物6を塗布しながら、塗布した光硬化性樹脂組成物6に光照射するように、塗布部7及び光照射部8を移動させてもよい。
【0042】
工程(A1)において、光硬化性樹脂組成物6が光透過部材3の表面に塗布されてから光照射されるまでの経過時間(以下、「塗布から光照射までの時間」とも言う。)は、光硬化性樹脂組成物6の液ダレ抑制の観点から短い程好ましい。例えば、塗布から光照射までの時間は、5秒以内であることが好ましい。
【0043】
光硬化性樹脂組成物6の塗布厚さは、光透過性部材3の表面の周縁部に遮光層5が形成されている場合、遮光層5の厚さよりも厚く塗布することが好ましい。具体的には、遮光層5の表面も含め、光透過性部材3の遮光層形成側表面の全面に、遮光層5の厚さの1.2~50倍(より好ましくは2~30倍)の厚さで塗布することが好ましい。より具体的な塗布厚さとしては、25~350μmが好ましく、50~150μmがより好ましい。
【0044】
工程(A1)における光照射条件は、例えば、工程(A1)で光照射後に得られる仮硬化樹脂層12の硬化率が、40~50%となるように行うことが好ましい。ここで、硬化率とは、光照射前の光硬化性樹脂組成物中の(メタ)アクリロイル基の存在量に対する、光照射後の(メタ)アクリロイル基の存在量の割合(消費量割合)で定義される数値である。この硬化率の数値が大きい程、硬化がより進行していることを示す。具体的に、硬化率は、光照射前の光硬化性樹脂組成物6のFT-IR測定チャートにおけるベースラインからの1640~1620cm-1の吸収ピーク高さ(X)と、光照射後の光硬化性樹脂組成物(仮硬化樹脂層12)のFT-IR測定チャートにおけるベースラインからの1640~1620cm-1の吸収ピーク高さ(Y)とを、下記式に代入することにより算出することができる。
硬化率(%)=[(X-Y)/X]×100
【0045】
光照射の条件は、仮硬化樹脂層12の硬化率が、好ましくは40~50%となるような条件であれば、光源の種類、出力、照度、積算光量などは特に制限されない。
【0046】
[工程(A2)]
工程(A2)では、例えば、光照射部8と、光透過性部材3とを相対的に移動させることにより、光透過性部材3の表面の一端側から他端側に亘って仮硬化樹脂層に光照射する。工程(A2)の具体例としては、
図6(A)~(C)に示すように、光透過性部材3を載置するステージを矢印方向に移動させ、光透過性部材3の表面の一端側3Aから他端側3Bに亘って仮硬化樹脂層12に光照射部8から光照射する方法が挙げられる。これ以外の方法として、工程(A2)では、光透過性部材3を載置するステージを移動させずに、光透過性部材3の表面の一端側3Aから他端側3Bに亘って仮硬化樹脂層12に光照射するように、光照射部8を移動させてもよい。
【0047】
工程(A2)における光照射条件は、例えば、工程(A2)で光照射後に得られる仮硬化樹脂層13の硬化率が90%以下となるように行うことが好ましい。ここで、硬化率とは、上述した硬化率と同義である。光照射の条件は、仮硬化樹脂層13の硬化率が、好ましくは90%以下となる条件であれば、光源の種類、出力、照度、積算光量などは特に制限されない。
【0048】
[工程(B)]
工程(B)では、例えば
図14(A)、(B)に示すように、画像表示部材2と光透過性部材3とを仮硬化樹脂層13を介して貼合せる。貼合せは、例えば、公知の圧着装置を用いて、10~80℃で加圧することにより行うことができる。画像表示部材2と光透過性部材3との貼合せの際の押し易さの観点から、例えば
図14(A)に示す仮硬化樹脂層13の表面端部の凸状部分の角度が鋭角であることが好ましい。
【0049】
[工程(C)]
工程(C)では、仮硬化樹脂層13に対し光照射を行い、仮硬化樹脂層13を本硬化させる。これにより、硬化樹脂層4(
図1参照)が形成され、積層体1が得られる。
【0050】
工程(C)における光照射は、硬化樹脂層4の硬化率が90%以上となるように行うことが好ましく、95%以上となるように行うことがより好ましい。ここで、硬化率とは、上述した硬化率と同義である。光照射の条件は、硬化樹脂層4の硬化率が、好ましくは90%以上となる条件であれば、光源の種類、出力、照度、積算光量などは特に制限されない。
【0051】
本製造方法は、光硬化性樹脂組成物を塗布した際の液ダレを抑制するという効果を損なわない範囲で、上述した工程以外の他の工程をさらに有していてもよい。例えば、工程(C)の後に、積層体1の側面からさらに光照射する工程を有してもよい。
【0052】
本製造方法では、遮光層5が形成された光透過性部材3を用いたが、この例に限定されるものではない。例えば、遮光層5が形成されていない光透過性部材3を用いてもよい。このように、遮光層が形成されていない光透過性部材の表面に光硬化性樹脂組成物を塗布した場合にも、液ダレを抑制することができる。
【0053】
また、本製造方法では、光透過性部材3の遮光層5が形成された側の表面に光硬化性樹脂組成物6を塗布するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、画像表示部材2の表面に光硬化性樹脂組成物6を塗布してもよい。
【実施例】
【0054】
以下、本技術の実施例について説明する。本実験例では、光透過性部材の表面に仮硬化樹脂層を形成し、光透過性部材と画像表示部材とを仮硬化樹脂層を介して貼合わせた。貼合せ後の仮硬化樹脂層の端部における液ダレ量を評価した。本技術は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0055】
[実験例1]
光硬化性樹脂組成物として、液状の光硬化性樹脂組成物(製品名:HSVR600、粘度:4700mPa・s、デクセリアルズ(株)社製)を用いた。光透過性部材として、周縁部に遮光層が形成されたガラス板を用いた。このガラス板は、45(w)×80(l)×0.4(t)mmのサイズのガラス板の周縁部全域に、乾燥厚で40μmとなるように4mm幅の遮光層を、熱硬化タイプの黒色インク(MRXインキ、帝国インキ製造(株))を用いて、スクリーン印刷法により塗布し、乾燥させることにより得た。また、画像表示部材として、液晶表示パネルを用いた。
【0056】
図9に示すように光透過性部材3の表面の一端側から他端側に亘って光硬化性樹脂組成物6を塗布部101から塗布した後、
図10に示すように塗布した光硬化性樹脂組成物6に光照射部102から光照射した。
【0057】
光硬化性樹脂組成物の塗布厚さは、150μmとなるようにした。また、光硬化性樹脂組成物が光透過性部材の表面に塗布されてから光照射されるまでの時間が30秒となるようにした。光照射後の仮硬化樹脂層の反応率は、70~90%であった。
【0058】
次に、
図14(A)、(B)に示すように、光透過性部材3と画像表示部材2とを仮硬化樹脂層13を介して貼合せた。そして、
図14(B)に示すように、貼合せ後の未接着領域Rの距離を測定し、この距離を液ダレ量と評価した。なお、未接着領域Rの距離は、光透過性部材3と画像表示部材2とを貼合せした後の仮硬化樹脂層13の端部に見える二重線の距離を測定した。この二重線は、液ダレに起因するものである。また、二重線の距離は、液ダレの量に比例する。実験例1における液ダレ量は、約0.8mmであった。
【0059】
[実験例2]
実験例2では、実験例1と同じ光硬化性樹脂組成物、光透過性部材及び画像表示部材を用いた。実験例2では、
図5(A)~(C)に示すように、光透過性部材3を載置するステージを矢印方向に移動させることにより、光透過性部材3の表面の一端側3Aから他端側3Bに亘って光硬化性樹脂組成物6を塗布部7から塗布するとともに、塗布した光硬化性樹脂組成物4に光照射部8から光照射した(工程(A1))。
【0060】
光硬化性樹脂組成物の塗布厚さは、150μmとなるようにした。また、光硬化性樹脂組成物が光透過性部材の表面に塗布されてから光照射されるまでの時間が4秒となるようにステージの移動速度を設定した。光照射後の仮硬化樹脂層12の反応率は、40~50%であった。
【0061】
次に、塗布部7と光照射部8と光透過性部材3との位置関係が
図6(A)に示す状態となるようにステージを移動させた。次に、
図6(A)~(C)に示すように、光透過性部材3を載置するステージを矢印方向に10mm/秒の速度で移動させることにより、光透過性部材3の表面の一端側3Aから他端側3Bに亘って仮硬化樹脂層12に光照射した(工程(A2))。光照射後の仮硬化樹脂層13の反応率は、70~90%であった。
【0062】
次に、
図14(A)、(B)に示すように、光透過性部材3と画像表示部材2とを仮硬化樹脂層13を介して貼合せ、液ダレ量を評価した。実験例2における液ダレ量は、約0.5mmであった。
【0063】
[実験例3]
実験例2の工程(A1)において、塗布から光照射までの時間が2秒となるようにしたこと以外は、実験例2と同様の方法で評価を行った。実験例3における液ダレ量は、約0.4mmであった。
【0064】
[実験例4]
実験例2の工程(A1)において、光硬化性樹脂組成物の塗布厚さが100μmとなるようにしたこと以外は、実験例2と同様の方法で評価を行った。実験例4における液ダレ量は、約0.4mmであった。
【0065】
[実験例5]
実験例2の工程(A1)において、光硬化性樹脂組成物の塗布厚さが50μmとなるようにしたこと以外は、実験例2と同様の方法で評価を行った。実験例5における液ダレ量は、約0.15mmであった。
【0066】
[実験例6]
光硬化性樹脂組成物として、粘度が1400mPa・sの光硬化性樹脂組成物を用いたこと、及び光硬化性樹脂組成物の塗布厚さが100μmとなるようにしたこと以外は、実験例1と同様の方法で評価を行った。実験例6における液ダレ量は、約0.9mmであった。
【0067】
[実験例7]
光硬化性樹脂組成物として、粘度が1400mPa・sの光硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は、実験例4と同様の方法で評価を行った。実験例7における液ダレ量は、約0.6mmであった。
【0068】
[実験例8]
光硬化性樹脂組成物として、粘度が4700mPa・sの光硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は、実験例6と同様の方法で評価を行った。実験例8における液ダレ量は、約0.75mmであった。
【0069】
[実験例9]
光硬化性樹脂組成物として、粘度が8800mPa・sの光硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は、実験例6と同様の方法で評価を行った。実験例9における液ダレ量は、約0.4mmであった。
【0070】
[実験例10]
光硬化性樹脂組成物として、粘度が8800mPa・sの光硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は、実験例4と同様の方法で評価を行った。実験例10における液ダレ量は、約0.25mmであった。
【0071】
[実験例11]
光硬化性樹脂組成物として、粘度50000mPa・sの光硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は、実験例6と同様の方法で評価を行った。実験例11における液ダレ量は、約0.2mmであった。
【0072】
[実験例12]
光硬化性樹脂組成物として、粘度が50000mPa・sの光硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は、実験例4と同様の方法で評価を行った。実験例12における液ダレ量は、約0.15mmであった。
【0073】
実験例1~5の結果を
図7に示す。
図7中の横軸は、各実験例における光硬化性樹脂組成物の塗布厚さ、及び塗布から光照射までの時間(秒)を表す。また、
図7中の縦軸は、液ダレ量(mm)を表す。
【0074】
図7に示す結果から、塗布から光照射までの時間が短い程、液ダレが抑制される傾向にあることが分かった。具体的には、塗布から光照射までの時間が5秒以内であることが好ましいことが分かった。
【0075】
また、光硬化性樹脂組成物の塗布厚さが薄い程、液ダレが抑制される傾向にあることが分かった。具体的には、光硬化性樹脂組成物の塗布厚さは、50~150μmであるであることが好ましいことが分かった。
【0076】
実験例4、6~12の結果を
図8に示す。
図8中の横軸は、各実験例における光硬化性樹脂組成物の粘度(mPa・s)を表す。また、
図8中の縦軸は、液ダレ量(mm)を表す。
図8に示す結果から、粘度が低い光硬化性樹脂組成物を用いた場合ほど、実験例4、7、10、12のように仮硬化樹脂層を形成する工程において2回硬化(工程(A1)と工程(A2))を行うことによる液ダレ抑制の効果が大きいことが分かった。なお、実験例11、12のように粘度が高い光硬化性樹脂組成物を用いた場合も、2回硬化を行った実験例12の方が、2回硬化を行っていない実験例11よりも液ダレが抑制されることが分かった。
【符号の説明】
【0077】
1 画像表示装置、2 画像表示部材、3 光透過性部材、4 硬化樹脂層、5 遮光層、6 光硬化性樹脂組成物、7 塗布部、7A ノズル、8 光照射部、9 制御部、10 塗布装置、11 ステージ、12 仮硬化樹脂層、13 仮硬化樹脂層、101 塗布部、101A ノズル、102 光照射部、103 仮硬化樹脂層、104 光学透明粘着シート