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特許7442474判定装置、判定方法、および判定プログラム
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  • 特許-判定装置、判定方法、および判定プログラム 図1
  • 特許-判定装置、判定方法、および判定プログラム 図2
  • 特許-判定装置、判定方法、および判定プログラム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】判定装置、判定方法、および判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/90 20060101AFI20240226BHJP
【FI】
G01N21/90 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021035068
(22)【出願日】2021-03-05
(65)【公開番号】P2022135328
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】安彦 敦夫
(72)【発明者】
【氏名】薮崎 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】坂本 明人
(72)【発明者】
【氏名】森谷 勇
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0380229(US,A1)
【文献】国際公開第2020/116575(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102006003325(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-G01N 21/01
G01N 21/17-G01N 21/61
G01N 21/84-G01N 21/958
G01B 11/00-G01B 11/30
G06T 7/00-G06T 7/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトル状の容器に添付される添付物の有無を判定可能な判定装置であって、
前記容器を、当該容器の上面側から撮像可能な三次元撮像装置と、
演算装置と、を備え、
前記演算装置は、
前記三次元撮像装置が撮像した三次元画像データを取得する取得処理と、
前記三次元画像データのうちの、前記上面に対応する領域である上面領域を特定する上面領域特定処理と、
前記三次元画像データのうちの、前記上面領域を基準とする所定の条件に従って抽出される領域を、検査領域として特定する検査領域特定処理と、
前記検査領域における前記添付物に対応する部分の有無を判定する判定処理と、を実行可能に構成され
前記検査領域特定処理における前記所定の条件は、前記上面領域からの高さ方向の離間距離が所定の基準値以内であることを含む条件である判定装置。
【請求項2】
前記上面領域特定処理において、前記三次元画像データのうちのあらかじめ設定された高さ方向の範囲に、水平方向に延在する面が存在するときに、当該面を前記上面領域として特定する請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記三次元撮像装置は、複数の前記容器を同時に撮像可能であり、
前記演算装置は、
前記上面領域特定処理において、複数の前記容器のそれぞれについて前記上面領域を特定し、
前記検査領域特定処理において、複数の前記容器のそれぞれについて前記検査領域を特定し、ここで、前記所定の条件は、隣接する二つの前記容器に係る前記検査領域が重複することがないように設定され、
前記判定処理において、複数の前記容器のそれぞれについて前記添付物に対応する部分の有無を判定する請求項1または2に記載の判定装置。
【請求項4】
前記判定処理において、前記添付物に対応する部分が存在すると判定した場合に、前記添付物に対応する部分の数量をさらに判定する請求項1~のいずれか一項に記載の判定装置。
【請求項5】
三次元撮像装置と、演算装置と、を備える判定装置が、ボトル状の容器に添付される添付物の有無を判定する判定方法であって、
前記容器を上面側から撮像した三次元画像データを取得する取得工程と、
前記三次元画像データのうちの、前記上面に対応する領域である上面領域を特定する上面領域特定工程と、
前記三次元画像データのうちの、前記上面領域を基準とする所定の条件に従って抽出される領域を、検査領域として特定する検査領域特定工程と、
前記検査領域における前記添付物に対応する部分の有無を判定する判定工程と、を含み、
前記検査領域特定工程における前記所定の条件は、前記上面領域からの高さ方向の離間距離が所定の基準値以内であることを含む条件である判定方法。
【請求項6】
ボトル状の容器に添付される添付物の有無を、前記容器を上面側から撮像した三次元画像データに基づいて判定可能な判定プログラムであって、
前記三次元画像データのうちの、前記上面に対応する領域である上面領域を特定する上面領域特定処理と、
前記三次元画像データのうちの、前記上面領域を基準とする所定の条件に従って抽出される領域を、検査領域として特定する検査領域特定処理と、
前記検査領域における前記添付物に対応する部分の有無を判定する判定処理と、をコンピュータに実行させ
前記検査領域特定処理における前記所定の条件は、前記上面領域からの高さ方向の離間距離が所定の基準値以内であることを含む条件である判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトル状の容器に添付される添付物の有無を判定可能な判定装置、判定方法、および判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
液体製品を販売する場合、各国の法令により、当該液体製品に係る情報を表示することが義務付けられる場合がある。たとえば、液体製品の一例である飲料製品を日本国内において販売する場合、当該飲料製品の内容物である飲料について、名称、保存の方法、消費期限又は賞味期限、原材料名、添加物、内容量、栄養成分の量及び熱量、事業者の氏名又は名称及び住所、ならびに製造所等の所在地、を表示することが義務付けられている(内閣府令第十号食品表示基準第三条)。また、ポリエチレンテレフタレート製飲料用ボトルを容器として飲料製品を販売する場合には、分別回収を容易にするための材質表示を付すことが義務付けられている(資源の有効な利用の促進に関する法律第二十四条)。さらに、業界団体(たとえば、全国清涼飲料工業会)が設定するガイドラインに従った表示が求められる場合がある。
【0003】
このような表示(以下、「義務表示等」という。)を行う手段としては、容器を包囲する態様でラベルを装着することが汎用され、ロールラベルおよびシュリンクラベルは当該用途に用いられるラベルの代表例である。ラベルに表示されている事項の一部は、これを表示することが法令で定められている事項であるので、ラベルに欠陥がある製品を市場に流通させることは認められない。
【0004】
そこで、液体製品の製造においては、ラベルが確実に添付されているか否かを検査する検査装置が用いられる。たとえば特開2020-27085号公報(特許文献1)には、搬送手段により搬送される容器を上方から撮影した画像に基づいてラベルの装着の良否を判定するラベル検査装置が開示されている。また、特許第6359364号公報(特許文献2)には、容器を側方から撮影した画像に基づいてラベルの良否判定を行う容器検査装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-27085号公報
【文献】特許第6359364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、容器自身のデザインや液体製品の外観などを製品の個性として消費者に訴求することを企図して、従来のラベルより面積が小さい添付物を容器の肩部などに付して、当該添付物に義務表示等を表示することが試みられている。この場合、容器の多くの部分がラベルに覆われずに露出することになるが、容器がガラスやプラスチックなどの光を反射しやすい材料で形成されている場合、光を反射しやすい容器の表面が多く露出することになる。このような構成の液体製品について、たとえば特許文献1のラベル検査装置を用いてラベルの装着の良否を判定しようとすると、検査対象の容器に正しく添付されている添付物と検査対象の容器の表面に映り込んだ物体とを区別できず、ラベルの装着の良否が誤って判定される場合があった。
【0007】
そこで、容器への映り込みの影響を排して、容器に添付される添付物の有無を判定できる判定装置、判定方法、および判定プログラムの実現が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る判定装置は、ボトル状の容器に添付される添付物の有無を判定可能な判定装置であって、前記容器を、当該容器の上面側から撮像可能な三次元撮像装置と、演算装置と、を備え、前記演算装置は、前記三次元撮像装置が撮像した三次元画像データを取得する取得処理と、前記三次元画像データのうちの、前記上面に対応する領域である上面領域を特定する上面領域特定処理と、前記三次元画像データのうちの、前記上面領域を基準とする所定の条件に従って抽出される領域を、検査領域として特定する検査領域特定処理と、前記検査領域における前記添付物に対応する部分の有無を判定する判定処理と、を実行可能に構成され、前記検査領域特定処理における前記所定の条件は、前記上面領域からの高さ方向の離間距離が所定の基準値以内であることを含む条件であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る判定方法は、三次元撮像装置と、演算装置と、を備える判定装置が、ボトル状の容器に添付される添付物の有無を判定する判定方法であって、前記容器を上面側から撮像した三次元画像データを取得する取得工程と、前記三次元画像データのうちの、前記上面に対応する領域である上面領域を特定する上面領域特定工程と、前記三次元画像データのうちの、前記上面領域を基準とする所定の条件に従って抽出される領域を、検査領域として特定する検査領域特定工程と、前記検査領域における前記添付物に対応する部分の有無を判定する判定工程と、を含み、前記検査領域特定工程における前記所定の条件は、前記上面領域からの高さ方向の離間距離が所定の基準値以内であることを含む条件であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る判定プログラムは、ボトル状の容器に添付される添付物の有無を、前記容器を上面側から撮像した三次元画像データに基づいて判定可能な判定プログラムであって、前記三次元画像データのうちの、前記上面に対応する領域である上面領域を特定する上面領域特定処理と、前記三次元画像データのうちの、前記上面領域を基準とする所定の条件に従って抽出される領域を、検査領域として特定する検査領域特定処理と、前記検査領域における前記添付物に対応する部分の有無を判定する判定処理と、をコンピュータに実行させ、前記検査領域特定処理における前記所定の条件は、前記上面領域からの高さ方向の離間距離が所定の基準値以内であることを含む条件であることを特徴とする。
【0011】
これらの構成によれば、容器への映り込みの影響を排して、容器に添付される添付物の有無を判定できる。これは、三次元画像における添付物に対応する部分の有無を基礎として判定を行うことによって、実体を有する添付物と、実体を有さない映り込み像とを明確に区別できるためである。
また、前記所定の条件が、上面領域からの高さ方向の離間距離が所定の基準値以内であることを含む条件であると、容器の口部周辺や肩部などに添付物が装着される場合に、適切な検査領域を設定できるので、判定精度が向上しうる。
【0012】
以下、本発明の好適な態様について説明する。ただし、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定されるわけではない。
【0015】
本発明に係る判定装置は、一態様として、前記上面領域特定処理において、前記三次元画像データのうちのあらかじめ設定された高さ方向の範囲に、水平方向に延在する面が存在するときに、当該面を前記上面領域として特定することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、三次元画像において検出される実体物に基づいて上面領域を特定するので、上面領域を正しく特定しやすく、したがって判定精度が向上しうる。
【0017】
本発明に係る判定装置は、一態様として、前記三次元撮像装置は、複数の前記容器を同時に撮像可能であり、前記演算装置は、前記上面領域特定処理において、複数の前記容器のそれぞれについて前記上面領域を特定し、前記検査領域特定処理において、複数の前記容器のそれぞれについて前記検査領域を特定し、ここで、前記所定の条件は、隣接する二つの前記容器に係る前記検査領域が重複することがないように設定され、前記判定処理において、複数の前記容器のそれぞれについて前記添付物に対応する部分の有無を判定することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、複数の容器を同時に判定する場合であっても、それぞれの容器について適切な判定結果が得られる。特に、隣接する容器に起因する映り込みが生じうる場合であっても、添付物の有無を正確に判定しうる。
【0019】
本発明に係る判定装置は、一態様として、前記判定処理において、前記添付物に対応する部分が存在すると判定した場合に、前記添付物に対応する部分の数量をさらに判定することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、容器に添付物が添付されていない態様の異常に加えて、容器に過剰の添付物が添付されている態様の異常も検出できる。
【0021】
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態に係る判定装置の使用状態を示す模式図である。
図2】実施形態に係る三次元画像データの模式図である。
図3】実施形態に係る三次元画像データを部分的に抽出した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る判定装置、判定方法、判定プログラムの実施形態について、図面を参照して説明する。以下では、本発明に係る判定装置を、ペットボトルB(ボトル状の容器の例)に添付される粘着ラベルL(添付物の例)の有無を判定可能な判定装置1に適用した例について説明する。
【0024】
〔判定装置の構成〕
判定装置1は、三次元撮像装置2と演算装置3とを備える(図1)。三次元撮像装置2は、三次元画像データを出力可能に構成された公知の三次元撮像装置であり、演算装置3はコンピュータとして実装されている。判定装置1は、ペットボトルBを段ボール箱に梱包して出荷する出荷ラインに設置されている。
【0025】
ペットボトルBの出荷ラインでは、ペットボトルBを24本(6本×4本)並べた列(複数の容器の例)が形成され、当該列がブランクシートの上にスライドされたのちにブランクシートが箱体に組み立てられる、という手順で、ペットボトルBが24本収容された梱包製品が完成される。本実施形態では、ペットボトルBが24本並べられた列が、ブランクシートの上にスライドされる経路の上方に、三次元撮像装置2が設けられている。三次元撮像装置2は、ブランクシートの上にスライドされる途中のペットボトルBの列を撮像して三次元画像データ4(図2)を生成する。このように、三次元撮像装置2は、ペットボトルBの上方(上面Bm側)からペットボトルBを撮像できる。
【0026】
〔判定処理〕
演算装置3は、三次元撮像装置2が撮像した三次元画像データ4を取得可能であるとともに、三次元画像データ4に基づいて粘着ラベルLの有無を判定する一連の処理を実行可能なコンピュータとして実装されている。以下では、粘着ラベルLの有無を判定する一連の処理について順に説明する。なお、各処理は、三次元画像データ4の、24本のペットボトルBのそれぞれに対応する部分ごとに行われるが、以下の説明では、このうち1本のペットボトルBに対応する部分を抽出した図(図3)を用いて説明する。
【0027】
第一に、演算装置3は、三次元画像データ4のうちの、ペットボトルBの上面Bmに対応する領域である上面領域41を特定する上面領域特定処理を実行する。具体的には、三次元画像データ4をZ軸方向(高さ方向)に上から下に向けてスキャンし、実体物(ペットボトルB)が検出されている領域のうちでZ座標が最も大きい面を上面領域41として特定する。このときスキャンするZ軸方向(高さ方向)の範囲として、ペットボトルBの寸法を考慮したときに上面Bmが存在する範囲として想定されるZ軸方向(高さ方向)の範囲が、あらかじめ設定されている。本実施形態ではペットボトルBの上面Bmは、ペットボトルBの口部を封止する蓋の上面として存在しているので、当該蓋の上面の形状に対応する円形かつ平面状の領域が上面領域41として特定される。
【0028】
第二に、演算装置3は、三次元画像データ4のうちの、粘着ラベルLの存否を判定する対象となる検査領域42を特定する検査領域特定処理を実行する。具体的には、上面領域特定処理によって特定した上面領域41を基準として、上面領域41からZ軸方向(高さ方向)の離間距離Dvが下方に30mm(基準値の例)以内であり、かつ、上面領域41の中心からXY平面方向(水平方向)の離間距離Dhが50~120mmである(上面領域を基準とする所定の条件の例)円筒状の領域が、検査領域42として特定される。ここで、検査領域42のXY平面方向の大きさを規定する離間距離Dhは、ペットボトルBの列における隣接するペットボトルB同士の軸間距離Dx(図2)の半分より小さい値に設定される。これによって、複数のペットボトルBに関連する検査領域42同士が重複することがない。
【0029】
第三に、演算装置3は、検査領域42における粘着ラベルLに対応するラベル部分43の有無を判定する判定処理を実行する。本実施形態では、粘着ラベルLがペットボトルBの肩部から上方に立ち上がる形で貼付(添付の例)されている。そのため、検査領域42内に実体物が検出されている場合は、ラベル部分43が存在するといえるので、粘着ラベルLが貼付されていると判定する。反対に、検査領域42内に実体物が検出されていない場合は、ラベル部分43が存在しないので、粘着ラベルLが貼付されていないと判定する。これによって、ペットボトルBに粘着ラベルLが貼付されていない態様の異常を検出しうる。
【0030】
このように本実施形態では、粘着ラベルLの有無を、三次元撮像装置2を用いて取得される三次元画像データ4における実体物に対応する部分の有無に基づいて判定するので、その判定結果は、ペットボトルBの肩部に映り込む物体の影響を受けない。
【0031】
また、検査領域42内にラベル部分43が存在する場合、検査領域42内におけるラベル部分43の数量を同時に検出する。ラベル部分43の数量は、ペットボトルBに貼付されている粘着ラベルLの数量に対応するので、たとえば、一本のペットボトルBに複数の粘着ラベルLが貼付されている態様の異常を検出しうる。
【0032】
演算装置3は、以上の一連の処理を、三次元画像データ4の、24本のペットボトルBのそれぞれに対応する部分ごとに行う。そして、24本のペットボトルBのそれぞれに一つずつの粘着ラベルLが貼付されている場合に、当該24本のペットボトルBが正常であると判定する。反対に、24本のペットボトルBのうちの少なくとも一本に、粘着ラベルLが貼付されていない態様、または複数の粘着ラベルLが貼付されている態様の異常を検出した場合は、当該異常が検出されたペットボトルBを含む24本のペットボトルBが異常であると判定する。このとき演算装置3は、異常が発生した旨を管理者に知らせるための警報を発するための信号、異常であると判定されたペットボトルBを含む梱包体を出荷対象の製品から排斥する動作を、出荷ラインを構成する装置に行わせるための信号、および、出荷ラインを構成する各装置の動作を停止するための信号、を発信する。
【0033】
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係る判定装置、判定方法、判定プログラムのその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0034】
上記の実施形態では、判定装置1が、ペットボトルBに添付される粘着ラベルLの有無を判定可能に構成されている例について説明した。しかし、本発明において判定対象とする添付物は、ボトル状の容器に添付されうる態様である限り限定されず、たとえば容器の口部に嵌着されるタグであってもよい。
【0035】
上記の実施形態では、上面領域特定処理において、三次元画像データ4をZ軸方向に上から下に向けてスキャンし、実体物が検出されている領域のうちでZ座標が最も大きい面を上面領域41として特定する構成を例として説明した。しかし、本発明において上面領域を特定する方法は特に限定されず、たとえば、容器の上面とその他の部分との色彩の違いに基づいて上面領域を特定する方法であってもよい。
【0036】
上記の実施形態では、検査領域特定処理において、上面領域41を中心に三次元的に広がる所定の寸法(離間距離Dv、Dh)の空間を検査領域42として特定する構成を例として説明した。しかし、本発明において検査領域を特定する方法は特に限定されず、たとえば、容器の肩部の外縁を認識し、上面領域と当該外縁とで囲まれる領域を検査領域として特定する方法であってもよい。
【0037】
上記の実施形態では、判定処理において、検査領域42内に検出される実体物の有無に基づいてラベル部分43の有無を判定する構成を例として説明した。しかし、本発明の判定処理における具体的なアルゴリズムは、容器および添付物の形状や添付物の添付方法などに応じて適宜設定されうる。また、たとえば、容器および添付物が存在する場合と、容器のみが存在する場合と、の双方または一方について教師データを用意し、当該教師データに基づいて演算装置に学習済みモデルを構築させれば、当該学習済みモデルに基づいて添付物に対応する部分の有無を判定できる。
【0038】
上記の実施形態では、ペットボトルBが24本並べられた列を一括して撮像し、当該24本のペットボトルBのそれぞれにおける粘着ラベルLの有無を一括で判定する構成を例として説明した。しかし、本発明において一度に判定対象とする容器は、単数であっても複数であってもよい。
【0039】
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、たとえばペットボトルに添付される粘着ラベルの有無の判定に利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 :判定装置
2 :三次元撮像装置
3 :演算装置
4 :三次元画像データ
41 :上面領域
42 :検査領域
43 :ラベル部分
B :ペットボトル
Bm :ペットボトルの上面
L :粘着ラベル
図1
図2
図3